説明

燃料の初期オクタン価を増やすことによってエンジンを燃料の等級に適合させるための方法

本発明は、初期のオクタン価を増やすことによって燃料のオクタン価にエンジンを適合させるための方法に関する。所与のオクタン価について、エンジンの動作範囲(10)内の点火進角の基準設定から開始して、エンジンの動作範囲(10)を、各々が基準設定による点火進角のアンチノック補正値を含む複数のゾーン(1〜16)に分割し、現在のゾーンにおける進角補正が所定のしきい値(S1_1〜S16_1)よりも小さい場合に増やされる上死点カウンタ(TDC_CTR)が所定のしきい値(S4)を超えるとき、または進角補正ループが別のしきい値(S1_2〜S16_2)よりも小さいゾーンの数のカウンタが多数ゾーンのしきい値(S3)を超えるとき、エンジンをより高いオクタン価に対応する基準設定へと切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを燃料のオクタン価に適合させる方法に関する。本発明は、とりわけ、点火進角を電子的に制御することができる制御点火エンジンに関する。より詳しくは、本発明は、学習された燃料のオクタン価を増やすことによる適合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現時点において、異なる特性を有するさまざまな種類の燃料が存在している。そのような特性として、オクタン価が挙げられる。種々の燃料のなかでも、オクタン価は、一般に98、95、91、および87というおおよその値をとることができる。98および95というオクタン価を有する燃料は、西欧においてしばしば使用され、91というオクタン価を有する燃料は、米国において見かけることができ、87というオクタン価を有する燃料は、例えばイランなどで使用されている。
【0003】
性能、燃費、および信頼性の間の妥協を最適化するために、各々のオクタン価に適するように調整されたエンジンの設定、とりわけ点火進角の設定を有することが望ましい。
【0004】
特に地域が変わる場合であるが、点火進角の設定が或るオクタン価に合わせて定められ、使用される燃料が別のオクタン価を有する場合、エンジンの動作が不満足なものになる可能性がある。例えば、エンジンが使用されている燃料よりも高いオクタン価を有する燃料に最適化されている場合に、ノッキングが始まる可能性があり、あるいは使用されている燃料がエンジンの設定のオクタン価よりも低いオクタン価を有する場合に、エンジンの性能が最良には最適化されない可能性がある。
【0005】
ノッキングは、とりわけ、燃焼室を傷めがちな大きな熱伝達を生じさせるデトネーションを伴う異常燃焼の現象に起因しうる。ノッキングは、とりわけ燃料のオクタン価がエンジンの設定に合っていない場合に、特定の運転状態のもとで或る程度無作為に生じうる。
【0006】
ノッキングを補正するための技法として、後述されるアンチノック補正が挙げられる。これは、基本的に、乖離が小さい場合に使用される。この補正は、効果的ではあるが、オクタン価の相違が大きすぎる場合には、ノッキングの影響を充分に補正することが不可能である。
【0007】
この公知のアンチノック補正は、2種類の動作、即ち、
− 高速ループ(BR)補正としても知られ、点火進角を大きく減らす高速補正。
− 低速ループ(BL)補正としても知られ、点火進角をあまり大きくは減らさない低速補正
を含む。
【0008】
したがって、例えば時点tにおいてノッキングが検出された場合に、ノッキングをなくすために補正すべき点火進角のX°という補正値を得るために、高速ループ(BR)および低速ループ(BL)が作動する。
【0009】
時点t+1において、もはやノッキングが検出されない場合、低速ループ(BL)の値が、所与の値だけ減らされる。この値が、ノッキングが検出されない時点t+1のたびに再び減らされる。
【0010】
ノッキング現象が再び検出される場合、高速ループ(BR)および低速ループ(BL)が、点火進角を再び補正するために、再び作動する。
【0011】
2つの異なるオクタン価に基づく2つの設定を管理することができる装置も知られている。98というオクタン価に基づく設定において特定の時間期間にわたってノッキングが検出される場合、設定が、91というオクタン価に合わせた設定に基づくように変更される。エンジンの停止時に、設定は「ゼロにリセット」され、すなわち設定が初期の設定(98というオクタン価に基づく)へと戻る。
【0012】
しかしながら、この補正装置は、理想的とは言えない。具体的には、性能および検出されるオクタン価に関する細かさを欠いており、あるいは常にノッキングの検出の境目にあり、このことが燃焼室を傷め続ける結果につながりかねない。
【0013】
エンジンの設定に使用されたオクタン価よりも低いオクタン価が使用される場合、エンジンを傷める恐れはないが、エンジンの性能が最適化されない。
【0014】
このように、今までのところ、エンジンの性能を最適化すべく燃料のオクタン価に適するようにエンジンの設定をかなり正確に調節できる装置は、存在していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、エンジンを燃料のオクタン価に最良に適するように調節することを、可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様は、学習されたオクタン価を増やすことによって燃料のオクタン価にエンジンを適合させる方法に関し、この方法は、所定のオクタン価のエンジンの動作範囲における点火進角の基準設定から出発し、基準設定は、所定の速度(N)および所定のトルクにおけるエンジンのノッキングのない(しかしながら、ノッキングの境界にある)動作に相当し、エンジンの動作範囲が、複数のゾーンへと分解されており、各々のゾーンが、基準設定の点火進角へと加えるべきアンチノック補正値を有しており、この方法が、
− 当該方法の作動時に上死点カウンタ(TDC_CTR)を0に初期化するステップと、
− 時間期間tにおいてノッキングの存在を検出するステップと、
− 時間期間tにおいてノッキングが検出された場合に、点火進角補正ループを作動させるステップと、
− 時間期間t+1においてノッキングの存在が検出されない場合に、進角補正ループの一部を減らすステップと、
− 現在のゾーンにおける進角補正が、該ゾーンに特有のしきい値を下回る場合に、上死点カウンタを増加させるステップと、
− 進角補正ループが各ゾーンに特有の別のしきい値を下回っているゾーンの数に基づいて、時間期間(Xms)ごとに別のゾーンカウンタ(CTR)を増加させるステップと
を少なくとも含んでおり、
上死点カウンタが所定のしきい値を横切るか、もしくはゾーンカウンタが別の所定のしきい値に達し、あるいは該しきい値を横切ることで、より高いオクタン価に対応した基準設定への切換わりが生じる。
【0017】
上死点カウンタは、各々の上死点(4気筒エンジンの場合にはエンジンの半回転を意味する)において増加させられる。
【0018】
「エンジンの動作範囲」は、エンジンの速度(一般に、単位は回転/分(rpm))を表わす横座標、エンジンの負荷(一般に、単位はニュートンメートル(N.m))を表わす縦座標、およびエンジンの最大性能を表わす曲線の間に含まれる値の範囲を意味する。
【0019】
「基準設定」は、エンジンの動作範囲における所与の点火進角値を含む所与のエンジン管理値を意味し、設定は、所定の速度および所定のトルクについて与えられる。
【0020】
各々の基準設定は、所与のエンジン動作範囲に特有であってよく、燃料のオクタン価に応じて異なってもよい。したがって、或る基準設定への切換わりは、別のエンジン動作範囲への切換わりにも相当すると理解される。
【0021】
一特定の実施形態によれば、補正ループが、高速ループ(BR)および低速ループ(BL)を含んでおり、各々のカウンタの増加が、エンジンの動作範囲の種々のゾーンにおける低速ループ(BL)からの値に依存する。
【0022】
有利には、点火進角補正ループが、より高いオクタン価に対応した基準設定への切換わり時にゼロにリセットされる。
【0023】
好ましい応用においては、上死点カウンタが、より高いオクタン価に対応した基準設定への切換わり時に再び初期化される。
【0024】
特に、この方法は、少なくとも3つの基準設定を備える。
【0025】
有利には、基準設定は、調節可能なオクタン価に基づき、例えば以下のオクタン価、すなわち98、95、91、および87に基づく。
【0026】
一特定の実施形態によれば、エタノール数E85および/またはE100を有する少なくとも1つのエタノール設定を追加することができる。
【0027】
一特定の実施形態によれば、各々の基準設定が、少なくとも4つのゾーンを含み、有利には少なくとも16個のゾーンを含む。
【0028】
有利には、各々の基準設定におけるエンジンの動作範囲が、少なくとも18個のゾーンを含む。
【0029】
以下ではゾーン0として知られる第1のゾーンでは、点火進角にいかなる補正値も加える必要がなく、ノッキングの恐れは充分に少ないと考えられる。
【0030】
以下ではゾーン17として知られる極端なゾーンでは、エンジンのノッキングを検出することが難しく、それまでのゾーンからのノッキング補正値が適用される。
【0031】
次のゾーンは、ゾーン1〜ゾーン16と称され、それぞれが、初期のアンチノック補正値と、より高いオクタン価への切換わりに関係する2つのしきい値とを備えている。
【0032】
次に、本発明を、非限定的な図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】車両のエンジンの動作範囲を示している。
【図2】本発明による適合の方法の図である。
【図3】各々の上死点において行われ、その最終値が図2の図において条件TDC_CTR>S4について使用される上死点カウンタを実現するためのループの図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は車両のエンジンの動作範囲を示しており、横座標はエンジンの速度N(単位は、回転/分)を表わしており、縦座標はトルクとしても知られるエンジンの負荷(単位は、N.m)を表わしている。曲線はエンジンの最高の性能を表わしている。
【0035】
この図では、0から17までの番号が付けられた18個のゾーンで構成された格子が存在している。
【0036】
特定のトルク未満として決定されるゾーン0は、ノッキングの現象がまれであり、燃焼室を傷める恐れが少ないため、いかなる特定の点火進角設定も必要としない。
【0037】
所与の速度を上回るとして決定されるゾーン17においては、ノッキングの検出が難しくなる。したがって、ここでは、以前に横切ったゾーンからの補正値が適用される。
【0038】
ゾーン1〜16の各々が、点火進角に対して適用すべき低速ループ(BL)アンチノック補正値を有している。
【0039】
例えば、ゾーン1は、2°という補正値(BL_1)を有することができ、ゾーン2は、5°という補正値(BL_2)を有することができ、ゾーン3は、4°という補正値(BL_3)を有することができ、ゾーン4は、1°という補正値(BL_4)を有することができ、以下同様である。
【0040】
したがって、エンジンの動作の間に、ゾーン1の通過は、31°という基準の設定からゾーン1の補正値に相当する2°という補正値を引き算したものに相当する29°という点火進角を割り当てる。エンジンがゾーン2に入る場合、点火進角は、基準の設定の40°からゾーン2の補正値に相当する5°を引き算したものに相当する35°になる。これらの種々の補正値が、ノッキングのない動作を得るために点火進角を補正する必要がある。
【0041】
しかしながら、ノッキング現象は、特に選択された燃料のオクタン価が低い場合に、常に完全に根絶されるわけではない。
【0042】
各々のノッキング現象において、該当するゾーンにかかわらず、高速ループ(BR)および低速ループ(BL)を通常は含んでいる点火進角補正ループが作動する。したがって、各々のノッキング現象において、低速ループ(BL)が所定の値だけ増やされる。例として、各々のノッキング現象に対して高速ループ(BR)が4°という補正を適用し、低速ループ(BL)が2°という補正を適用すると考える。ノッキングの現象がもはや検出されない場合、低速ループ(BL)が、所定の値によって時間につれて徐々に減少する。例として、時間t+1ごとに、値が初期値の4分の1だけ、すなわち0.5°だけ減少すると考えられる。
【0043】
この結果、以下の動作がもたらされる。ゾーン1に入るとき、上述のように決定される全体としての値、すなわち31°−2°が適用される。ノッキングが検出される場合、4°という高速ループ(BR)の値および2°という低速ループ(BL)の値が取り除かれる。これにより、31°−4°−2°、すなわち25°の点火進角設定が得られる。時点t+1において、ノッキング現象がもはや存在しない場合、低速ループの値が、この例では0.5°だけ減らされる。したがって、時点t+1において、補正値は29.5°になり、時点t+2において、補正値は30°になり、以下同様である。ノッキング現象が再び検出される場合、補正ループが再び有効にされる。したがって、時点t+3に達したときにノッキングが検出されたとして、それまでの補正値は30°であり、そこからBR+BLの値、すなわち4°+2°が取去られる。結果として、24°という点火進角設定が得られる。
【0044】
本発明は、より高いオクタン価に対応する基準設定への切換えの2つのモードに依存し、それらが図2の図によって説明される。
【0045】
第1のモードは、各々の上死点(4気筒エンジンにおいてはエンジンの半回転)において、現在の動作ゾーンの低速ループ(BL)が、そのゾーンに特有のしきい値を下回って低下するや否や、カウンタ(TDC_CTR)が増やされるという事実に依存する。このカウンタは、しきい値(S4)を有し、このしきい値(S4)を横切ることで、より高いオクタン価に対応する基準設定への切換えが生じる。
【0046】
第2のモードは、Xms(例えば、X=100)ごとに、低速ループ補正がゾーンに特有のしきい値未満であるゾーンの数がカウントされるという事実に依存する。これを行うために、ゾーンのカウントの前にXmsごとに0に初期化されるカウンタ(CTR)が利用される。このカウンタが、しきい値(S3)を有し、ひとたびしきい値(S3)に達し、あるいはしきい値(S3)を横切ったならば、より高いオクタン価に対応する基準設定への切換えが生じる。
【0047】
本発明の実施例では、第1の切換えモードのための上死点カウンタのしきい値S4として、1000という値を採用する。
【0048】
この第1の切換えモードによれば、カウンタTDC_CTRが、この方法の作動時に0に初期化される。現在の動作ゾーンがゾーン1〜16以外であり、あるいは現在のゾーンにおける低速ループ(BL)点火進角補正が、そのゾーンに特有のしきい値を上回っている限りにおいて、カウンタは増やされない。各々の上死点(4ストローク4気筒エンジンにおいてはエンジン半回転)において、「x」がゾーンの数を表わしている図3の図によって示されるように、ゾーンの低速ループ(BL)値が、そのゾーンのしきい値に対して検査される。
【0049】
例えば、上死点nにおいて、ゾーン1で、ゾーン1の低速(BL_1)がこのゾーンについて定められたしきい値SL_1よりも小さい場合、カウンタTDC_CTRが1だけ増やされる。上死点n+1において、依然としてこのゾーンにて、上死点n以後にノッキング現象が検出されていない場合、低速ループは依然としてしきい値S1_1よりも小さいままである。したがって、カウンタTDC_CTRが再び増やされる。
【0050】
上死点n+2において、エンジンが別のゾーン(例えば、ゾーン2)に入り、低速ループ(SL_2)が、このゾーンのしきい値S2_1よりも小さい場合、カウンタTDC_CTRが増やされる。このゾーンにおいて上死点n+2とn+3との間でノッキングが検出された場合、低速ループの値が増やされる。その結果として、例えばしきい値S2_1を横切る場合には、上死点n+3において、カウンタTDC_CTRは増やされない。この方法が、エンジンが動作している限りは、このようにして続けられる。上死点カウンタTDC_CTRがしきい値S4を横切るとき、この方法は、より高いオクタン価に対応する基準設定へと切り換わる。
【0051】
より高いオクタン価への切換えが行われるとき、上死点カウンタは、再び初期化される(TDCCTR=0)。
【0052】
この方法は、ゾーンの組を横切る低速ループ(BL)点火進角補正のレベルについての条件も有する。低速ループ補正しきい値が各々のゾーンに組み合わせられ、この低速ループ補正しきい値に、しきい値S3によって定められる数のゾーンにおいて達すると、より高いオクタン価に対応する基準設定への切換えが生じる。
【0053】
本発明の実施例では、この第2の切換えモードにおけるゾーンの数のしきい値S3として、6という値を採用する。
【0054】
例えば(図2を参照)、Xms(例えば、X=100)ごとに、低速ループ補正値に達していないゾーンの数がカウントされる。瞬間tにおいて、カウンタCTRが初期化される(CTR=0)。ゾーン1の低速ループ補正(BL_1)がしきい値S1_2未満である場合、カウンタCTRが増やされる。ゾーン3の低速ループ補正(BL_3)がしきい値S3_2を上回る場合、カウンタCTRは増やされない。この方法は、このようにしてゾーン1〜16について続けられる。その後に、このカウンタの値が、ゾーン数のしきい値S3と比較される。本発明の実施例では、このカウンタCTRが6に達し、あるいは6を超える場合に、エンジンが、より高い基準設定へと切り換えられ、例えばオクタン価の設定点SP95からオクタン価の設定点SP98へと移行する。
【0055】
多数ゾーンのしきい値(S3)によってもたらされ、あるいは上死点の数についての条件(S4)によって得られるより高い基準設定への切換わりの後で、所定の時間長にわたり、この設定での動作が最適であることを保証するためのチェックが実行される。設定が正しい場合、新しい設定の適用が続けられるが、そうでない場合、この方法は、より低い設定へと再び後退する。より低い設定への後退が必要であった場合、より高い設定への移行のさらなる試みは、燃料の追加が検出されるまでは行われない。
【0056】
換言すると、所与の回数のエンジンの回転にわたってノッキングが存在しない場合、またはエンジンの動作範囲の複数のゾーンについてアンチノック低速ループ(BL)からの補正のレベルがきわめて低い場合に、より高い設定への切換えが生じる。動作が、とりわけこの設定において検出されるノッキングに関して正しいと判断される場合、エンジンが現在の設定に固定される。そうでない場合、この方法は、それまでの設定に再び戻る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習されたオクタン価を増やすことによって燃料のオクタン価にエンジンを適合させる方法であって、まず、所定のオクタン価のエンジンの動作範囲における点火進角の基準設定を行い、前記基準設定が、所定の速度(N)および所定のトルクにおけるエンジンのノッキングのない動作に相当し、前記エンジンの動作範囲が、各々が前記基準設定の点火進角へと加えられるアンチノック補正値を有する複数のゾーンに分解されているもので、前記方法が、
− 前記方法の作動時に上死点カウンタ(TDC_CTR)を0に初期化するステップと、
− 時間期間tにおいてノッキングの存在を検出するステップと、
− 時間期間tにおいてノッキングが検出された場合に、点火進角補正ループを作動させるステップと、
− 時間期間t+1においてノッキングの存在が検出されない場合に、前記進角補正ループの一部を減らすステップと、
− 現在のゾーンにおける前記進角補正が該ゾーンに特有のしきい値を下回る場合に、前記上死点カウンタ(TDC_CTR)を増加させるステップと、
− 進角補正ループが各ゾーンに特有の別のしきい値を下回っているゾーンの数に基づいて、時間期間(Xms)ごとに別のゾーンカウンタ(CTR)を増加させるステップと
を少なくとも含んでおり、
前記上死点カウンタ(TDC_CTR)が所定のしきい値(S4)を横切るか、もしくは前記ゾーンカウンタ(CTR)が別の所定のしきい値(S3)に到達するか、あるいは該しきい値(S3)を横切ることにより、より高いオクタン価に対応した基準設定へ切換わる、方法。
【請求項2】
前記補正ループが高速ループ(BR)および低速ループ(BL)を含み、各々のカウンタの増加が、前記エンジンの動作範囲の前記種々のゾーンにおける前記低速ループ(BL)からの値に依存することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記点火進角補正ループが、より高いオクタン価に対応した基準設定への切換わり時にゼロにリセットされることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記上死点カウンタ(TDC_CTR)が、より高いオクタン価に対応した基準設定への切換わり時に再び初期化されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも3つの基準設定を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基準設定が、調節可能なオクタン価に基づいていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各々の基準設定が、少なくとも4つのゾーンを含み、有利には少なくとも16個のゾーンを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−525531(P2012−525531A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507795(P2012−507795)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050389
【国際公開番号】WO2010/125260
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(507308902)ルノー・エス・アー・エス (281)
【Fターム(参考)】