説明

燃料ポンプ構造

【課題】一次フィルタを脱着可能な燃料ポンプ構造を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料タンクに着脱可能に取り付けられると共に端部に軸線PJ方向に延出する燃料吸入口67を備えた燃料ポンプ本体8Aと、燃料ポンプ本体8Aから径方向に延出される腕部68に検出部69を備えたセンダー17と、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67に取り付けられる接続部74と、この接続部74から径方向に延出するフィルタ部75とを有する一次フィルタ16とを備えた燃料ポンプ構造において、一次フィルタ16は燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67に接続部74を介して着脱可能に取り付けられ、一次フィルタ16のフィルタ部75の延出方向とセンダー17の腕部68の延出方向とを同一方向に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料ポンプの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車等の車両の燃料タンクにインタンクタイプの燃料ポンプが取り付けられるものがある。この種の燃料ポンプはポンプ本体、センダー及び一次フィルタからなり、これらポンプ本体、センダー及び一次フィルタを組み付けて一体として構成されている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−232572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、一次フィルタのメンテナンスする際には、燃料ポンプを燃料タンクから取り外してメンテナンスする必要がある。
しかしながら、従来の燃料ポンプは上述した部品が一体化して組み付けられており、各部品をメンテナンスする場合には燃料ポンプに組み付けられた状態でしか清掃をすることができないなど、十分なメンテナンスを行うことが困難となる課題がある。
もしも、一次フィルタを交換する場合には燃料ポンプ自体又は一次フィルタを組み付けた部品までを交換することで対処するしかなく、メンテナンスコストがかかるものとなっている。とりわけ、経時的使用により目詰まりが避けられない一次フィルタのメンテナンスが容易に行える燃料ポンプ構造が望まれている。
【0005】
そこで、この発明は、一次フィルタを脱着可能な燃料ポンプ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、燃料タンク(例えば、実施形態における燃料タンク1)に着脱可能に取り付けられると共に端部に軸線(例えば、実施形態における軸線PJ)方向に延出する燃料吸入口(例えば、実施形態における燃料吸入口67)を備えた燃料ポンプ本体(例えば、実施形態における燃料ポンプ本体8A)と、前記燃料ポンプ本体から径方向に延出される腕部(例えば、実施形態における腕部68)に検出部(例えば、実施形態における検出部69)を備えたセンダー(例えば、実施形態におけるセンダー17)と、前記燃料ポンプ本体の燃料吸入口に取り付けられる接続部(例えば、実施形態における接続部74)と、この接続部から径方向に延出するフィルタ部(例えば、実施形態におけるフィルタ部75)とを有する一次フィルタ(例えば、実施形態における一次フィルタ16)とを備えた燃料ポンプ構造において、前記一次フィルタは前記燃料ポンプ本体の前記燃料吸入口に前記接続部を介して着脱可能に取り付けられ、前記一次フィルタの前記フィルタ部の延出方向と前記センダーの前記腕部の延出方向とを同一方向に設定したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記一次フィルタは前記燃料ポンプ本体もしくはセンダーに係合する係合部(例えば、実施形態における爪部80)を備え、前記燃料ポンプ本体の前記燃料吸入口に前記一次フィルタの前記接続部を接続することで前記燃料ポンプ本体もしくはセンダーに係合して固定されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、前記一次フィルタの前記接続部は前記燃料ポンプ本体の径方向に延出するフランジ部(例えば、実施形態におけるフランジ部93)を備え、このフランジ部にボルト挿通孔(例えば、実施形態におけるボルト挿通孔94)が設けられ、また、前記燃料ポンプ本体の底面(例えば、実施形態における底壁82)を覆うセンダーの本体(例えば、実施形態におけるセンダー本体64)は前記燃料吸入口の外周に設けた締結穴(例えば、実施形態における締結穴96)を備えており、前記ボルト挿通孔と前記締結穴とを介してボルト(例えば、実施形態におけるボルト97)により前記一次フィルタが前記燃料ポンプ本体に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記センダーの前記腕部の延出長さと前記一次フィルタの前記フィルタ部の延出長さをほぼ同一長さに設定したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記燃料吸入口は前記燃料ポンプ本体の中心から前記センダー側に偏心して設けられ、前記一次フィルタの前記接続部には前記燃料ポンプ本体の中心に向かって延出し、燃料ポンプ本体もしくはセンダーの本体に固定されるフランジ部を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載した発明は、前記燃料吸入口は前記センダーとは反対側に偏心しており、前記一次フィルタは前記燃料ポンプ本体の中心と前記燃料吸入口とを結ぶ線(例えば、実施形態における線L)を境にして一側方に配置し、他側方には前記接続部に前記燃料ポンプ本体に固定されるフランジ部を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載した発明は、前記係合部は前記接続部の軸線(例えば、実施形態における軸線J)方向で挿入方向に下がる方向に傾斜する爪部(例えば、実施形態における爪部80A)であり、この爪部は前記接続部の周面の一方向に沿ったテーパ面(例えば、実施形態におけるテーパ面98)を備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載した発明は、前記センダーの前記腕部から、前記一次フィルタの一方向の回転を規制する弾性材からなるストッパアーム(例えば、実施形態におけるストッパアーム99)を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載した発明は、前記燃料吸入口(例えば、実施形態における燃料吸入口67A)には環状フランジ部(例えば、実施形態における環状フランジ部100)が設けられ、前記一次フィルタの前記接続部(例えば、実施形態における接続部74A)は前記一次フィルタの取り付け時に前記環状フランジ部に係止する複数の係止爪(例えば、実施形態における延出爪部103)を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載した発明は、前記環状フランジ部の外周面に上面が前記環状フランジ部の周方向の一方向に向かって徐々に高くなるテーパ状の突出部(例えば、実施形態における突出部105)を設け、この突出部は前記複数の係止爪の間に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載した発明によれば、一次フィルタが燃料ポンプ本体に対して着脱可能となることで、一次フィルタの交換が可能となり、一次フィルタのフィルタ部の延出方向をセンダーの腕部の延出方向と同一方向に設定することで燃料ポンプの燃料タンク内への挿入作業が行い易くなる。
請求項2に記載した発明によれば、一次フィルタを燃料ポンプ本体もしくはセンダーにワンタッチで固定できる。
請求項3に記載した発明によれば、一次フィルタをボルトにより燃料ポンプ本体もしくはセンダーに着脱可能に取り付けることができる。
請求項4に記載した発明によれば、燃料タンク内への挿入作業を一方向から行えるので作業が行い易くなる。
請求項5に記載した発明によれば、燃料吸入口を偏心させることにより、フランジ部の取り付けスペースを確保し易くなる。
請求項6に記載した発明によれば、燃料吸入口を偏心させ、かつ一次フィルタを一側方に寄せることで一次フィルタの燃料ポンプ本体外周への張出を小さくできると共に取り付けがし易い構造とすることができる。
請求項7に記載した発明によれば、一次フィルタを燃料ポンプ本体に固定し易くなると共に、一次フィルタを燃料ポンプ本体から外すときには、一次フィルタを回転させることでテーパ面に沿って爪部を容易に燃料ポンプ本体から外すことができる。
請求項8に記載した発明は、ストッパアームにより燃料ポンプ本体に対する一次フィルタの位置決めをして回転しないようにすると共に、一次フィルタを取り外す際にはストッパアームを弾性変形させて一次フィルタの回転を許容する。
請求項9に記載した発明によれば、前記燃料吸入口に一次フィルタを係止爪によって係止することができ、コンパクトな取り付けとすることができる。
請求項10に記載した発明によれば、一次フィルタを燃料ポンプ本体に対して周方向で位置決めできると共に、一次フィルタを取り外す際には一次フィルタを回転させれば、各係止爪が突出部に徐々に乗り上がることで、係止爪の環状フランジ部に対する係止状態が解除され、一次フィルタを簡単に燃料ポンプ本体から外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の各実施形態の燃料タンクの分解斜視図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の拡大平面図である。
【図4】図2の脚部に沿う断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】他の態様の図3に相当する平面図である。
【図7】上記他の態様の要部側面説明図である。
【図8】上記他の態様の要部側面説明図である。
【図9】燃料ポンプの分解斜視図である。
【図10】第1実施形態の要部模式的断面説明図である。
【図11】第1実施形態の燃料吸入口周辺の要部斜視図である。
【図12】第1実施形態の接続部周辺の要部斜視図である。
【図13】第2実施形態の図10に相当する図である。
【図14】第3実施形態の図10に相当する図である。
【図15】図14の取り付け作業状態を示す説明図である。
【図16】第4実施形態の図10に相当する図である。
【図17】一次フィルタを透視した図16の下面図である。
【図18】図16の取り付け作業状態を示す説明図である。
【図19】第5実施形態の図10に相当する図である。
【図20】一次フィルタを透視した図19の下面図である。
【図21】第6実施形態の要部を示し(a)は正面図、(b)平面図、(c)は側面図である。
【図22】第7実施形態の図10に相当する図である。
【図23】第8実施形態の接続部の斜視図である。
【図24】第8実施形態の接続部及び燃料吸入口の断面説明図である。
【図25】第8実施形態の接続部及び燃料吸入口の取付状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すのは、例えば、自動二輪車の燃料タンク1であって、燃料タンク1は鋼板製の上半部2と下半部3とを上フランジ部4と下フランジ5で溶接接合している。上半部2には凹部6が形成され、この凹部6には平坦な上壁7が形成されている。
【0019】
図1〜図3に示すように、上壁7には燃料ポンプ8を挿入するための円形状の挿入口9が形成されている。挿入口9は段差部10を介して上壁7から一段下がった位置に形成されている。挿入口9の周囲には後述するリテーナ30を係止する係合ブラケット11が溶接固定されている。具体的には係合ブラケット11はリテーナ30を受け入れる挿入ブラケット12とリテーナ30を係止する固定ブラケット13とで分割構成され、これら挿入ブラケット12と固定ブラケット13とが挿入口9を中心に振り分けるようにして配置されている。
燃料タンク1の上壁7の段差部10は、上壁7から縦方向に下がった縦壁14と縦壁14から水平に延びて挿入口9の周囲を構成する燃料ポンプ8のポンプ保持面15とを備えている。
【0020】
燃料ポンプ8は、燃料タンク1内に浸漬される所謂インタンクタイプの燃料ポンプ8であっての燃料タンク1内の燃料を図示しないインジェクタに供給する。燃料ポンプ8は下部に燃料タンク1内燃料の不純物を濾過する一次フィルタ16と燃料液面を計測するセンダー17を備えている。燃料ポンプ8の上部は下部よりも直径が大きく形成され、下部に設けた一次フィルタ16やセンダー17を燃料タンク1内に挿入した状態で、燃料タンク1の挿入口9の周縁のポンプ保持面15に着脱可能に支持される上部取付部18を備えている。
【0021】
燃料ポンプ8の上部取付部18の上壁19には係合ブラケット11を構成する挿入ブラケット12と固定ブラケット13の配置方向に沿うようにして一側に燃料フィード管20が他側には図示しないコネクタが接続されるカプラ21が設けられている。燃料フィード管20は燃料ポンプ8の上部取付部18の上壁19の外周部を外側に超える位置まで延長して後述するリテーナ30の脚部32,33の先端側に指向して配置され、カプラ21は係合ブラケット11の内側、つまり挿入ブラケット12と固定ブラケット13との間であって、後述するリテーナ30の本体31に指向して配置されている。
燃料ポンプ8の上部取付部18の上壁19には燃料フィード管20とカプラ21の配置位置に沿うように、燃料フィード管20とカプラ21から離れた側方部位に、上部取付部18の上壁19から立ち上がり、リテーナ30の外側の縁部と当接するガイド部22,22が一対取り付けられている。
【0022】
リテーナ30は弾性変形可能な板状の部材であって、燃料タンク1の挿入口9から挿入された燃料ポンプ8の上部取付部18を燃料タンク1のポンプ保持面15に押し付けた状態で係合ブラケット11に固定して、燃料タンク1に燃料ポンプ8を支持する。
【0023】
具体的にはリテーナ30は、係合ブラケット11の固定ブラケット13側に対応する本体31と、この本体31の両端部から間隔をおいて同方向に延出し、先端部が挿入ブラケット12に対応する一対の脚部32,33とを備えたコの字形状の部材である。脚部32,33は本体31側の基部から先端部に向かってほぼ同幅で延びている。脚部32,33の先端部は双方とも上側に折れ曲がり、一方の脚部32は折曲部34が、他方の脚部33は折曲部34と折曲部34から更に上に延びた位置決め折曲部35を備えている。
【0024】
位置決め折曲部35には位置決めボルト47の挿通孔29が形成されている。各脚部32,33の基部は内縁が内側に斜めに幅が広くなる方向に拡幅して本体31に接続され、本体31の各脚部32,33の基部側には脚部32,33の先端部とは反対側に突出し外側寄りにオフセットする係止片36が各々突設されている。
【0025】
ここで、係止片36の突出長さは、脚部32,33の折曲部34及び位置決め折曲部35を挿入ブラケット12の第1開口部42,43に挿入する際には固定ブラケット13の第2開口部53,54に係止しないが、脚部32,33の折曲部34及び位置決め折曲部35が挿入ブラケット12の支持片44,45に当接する直前から当接する位置では固定ブラケット13の第2開口部53,54に係止する長さに設定されている。
【0026】
リテーナ30の本体31は後縁が両端側と中央側とで2つの切り欠き37を介して3つの部分に分割形成され、両端側には側部屈曲部38,38が中央側には中央屈曲部39がともに縁部が立ち上がった断面L字状に形成されている。中央屈曲部39の上面には係合ブラケット11の固定ブラケット13の爪片55に対するストッパ孔40が形成されている。
【0027】
係合ブラケット11の挿入ブラケット12は燃料タンク1に固定されるベース41とこのベース41の両端の挿入口9側から上方に立ち上がる支持片44,45を有している。 支持片44,45は、リテーナ30の脚部32,33を折曲部34と位置決め折曲部35から各々挿通して揺動可能に係止する第1開口部42,43を備えている。支持片45はリテーナ30の脚部33の位置決め折曲部35に重ね合わせられる位置決め片46を更に上方に延出して備えている。位置決め片46には位置決めボルト47の挿通孔48が形成され、位置決め片46の裏側には位置決めボルト47が螺合するウエルドナット49が溶接固定されている(図3参照)。
【0028】
係合ブラケット11の固定ブラケット13は燃料タンク1に固定されるベース50と、このベース50の両端の挿入口9側から上方に立ち上がる固定片51,52とを備えている。固定片51,52にはリテーナ30の脚部32,33の各係止片36が挿入して係止される第2開口部53,54が形成されている。具体的には、第2開口部53,54は、係合ブラケット11の挿入ブラケット12の第1開口部42,43に係止されたリテーナ30を上に凸となるように弾性変形させ燃料ポンプ8の上部取付部18を燃料タンク1の挿入口9の周縁のポンプ保持面15に付勢した状態でリテーナ30の脚部32,33の係止片36,36をスライドして固定する。
【0029】
ここで、図4に示すように、係合ブラケット11の挿入ブラケット12の第1開口部42,43及び固定ブラケット13の第2開口部53,54は燃料ポンプ8の上部取付部18を燃料タンク1のポンプ保持面15に押し当てた状態で燃料ポンプ8とリテーナ30とが接触する上壁19よりも下方に位置し、リテーナ30を上側に凸となるように変形させて固定するのを許容している。尚、第1開口部42,43と第2開口部53,54の双方が燃料ポンプ8とリテーナ30とが接触する上壁19よりも下方に位置している場合について説明したが、少なくとも何れか一方が下方に位置していればよい。
【0030】
固定ブラケット13のベース50の中央部には挿入口9とは反対側の縁部で立ち上がる爪片55が形成され、この爪片55はリテーナ30を係合ブラケット11に固定した燃料ポンプ8の適正な固定位置においてリテーナ30のストッパ孔40に係止する。
【0031】
また、燃料ポンプ8の適正な固定位置では、リテーナ30の脚部33の位置決め折曲部35と係合ブラケット11の挿入ブラケット12の支持片45の位置決め片46とが重ね合わされ、位置決め折曲部35の挿通孔29と位置決め片46の挿通孔48とが一致して、この重合部分の各挿通孔29,48に位置決めボルト47を挿通できるので、位置決めボルト47をウエルドナット49に締め付け固定できれば燃料ポンプ8が適正な位置に位置ずれなく固定されていることを確認できる。
【0032】
図5に示すように、燃料ポンプ8の上部取付部18は燃料タンク1のポンプ保持面15に当接する環状部23と、この環状部23の上部であって外側に張り出すフランジ部24を備えている。燃料ポンプ8の環状部23の外周面25と燃料タンク1の上壁7のポンプ保持面15と段差部10の縦壁14との間に断面円形状で環状のシール材60が介装されている。また、燃料ポンプ8のフランジ部24の外周面26と燃料タンク1の上壁7との間には断面形状が下側に開き二又状に形成された環状のシール部材61が設けられている。
【0033】
シール部材61は燃料ポンプ8のフランジ部24の外周面26と燃料タンク1の上壁7の外表面との間に入り込む外側リップ62と、燃料ポンプ8の環状部23の外周面25と段差部10の縦壁14との間に入り込む内側リップ63とを備えている
【0034】
よって、燃料タンク1に燃料ポンプ8を取り付ける場合には、燃料タンク1の挿入口9の上方から燃料ポンプ8の一次フィルタ16、フロート65及びセンダー17を挿入して、燃料ポンプ8の上部取付部18の環状部23の下面を燃料タンク1の上壁7のポンプ保持面15に当接する。
【0035】
そして、リテーナ30の本体31の側部屈曲部38,中央屈曲部39を把持し、リテーナ30の脚部32,33の折曲部34、位置決め折曲部35を挿入ブラケット12の第1開口部42,43に各々挿入係止した後に、リテーナ30の本体31を図4の鎖線位置から実線位置へと押し込んで、リテーナ30を上に凸となるように湾曲させ、リテーナ30の脚部32,33の基部に設けた係止片36,36を固定ブラケット13の第2開口部53,54に脚部32,33の挿入方向とは反対側にわずかにスライドさせて係止する。
【0036】
そして、位置決めボルト47をウエルドナット49に締め付け固定して燃料ポンプ8が適正な位置に位置ずれなく固定されていることを確認する。
【0037】
次に、第1実施形態のリテーナ30に換えてリテーナ30’を用いた例を図6〜図8に基づいて説明する。
この態様、前述した実施形態の係合ブラケット11及びリテーナ30に変更を加えた係合ブラケット11’とリテーナ30’を用いたものである。これら係合ブラケット11’とリテーナ30’に関係する部材以外の構成は前述した第1実施形態と同様であるので同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0038】
係合ブラケット11’は挿入ブラケット12’と固定ブラケット13’で分割構成されている。挿入ブラケット12’はベース41と支持片44、45を備えているが、第1実施形態の位置決め片46は形成されていない。支持片44,45には第1開口部42,43が形成されている。固定ブラケット13’はベース50’に一対の取付座70を備えている、取付座70の裏側にはナット71が締め付けられるスタッドボルト73が取り付けられている。
【0039】
リテーナ30’は脚部32’,33’を本体31’から延出させた部材であり、脚部32’,33’の先端部には折曲部34,34が設けられているが、脚部33’には、第1実施形態の位置決め折曲部35は形成されていない。脚部32’,33’は本体31’からそのままの幅で延出し、第1実施形態の係止片36は存在していない。脚部32’,33’と本体31’とのコーナ部分にはスタッドボルト73の挿通部72が形成されている。スタッドボルト73には固定ブラケット13’の取付座70の上からナット71が締結される。
【0040】
したがって、この態様において燃料タンク1に燃料ポンプ8を取り付ける場合には、燃料タンク1の挿入口9の上方から燃料ポンプ8の一次フィルタ16、フロート65及びセンダー17を挿入して、燃料ポンプ8の上部取付部18の環状部23の下面を燃料タンク1の上壁7のポンプ保持面15に当接する。
【0041】
そして、リテーナ30’の脚部32’,33’の折曲部34、34を挿入ブラケット12’の第1開口部42,43に各々挿入係止した後に、リテーナ30’の本体31’を押し込んで、リテーナ30’を上に凸となるように湾曲させ、リテーナ30’の脚部32’,33’と本体31’とのコーナ部分の取付座70の挿通部72,72から突出するスタッドボルト73,73に、ナット71,71に締結すればよい。
【0042】
燃料ポンプ8は燃料タンク1に前述したリテーナ30、30’を介して上方より着脱可能に取り付けられるものであるが、図9〜図12に示すように、燃料ポンプ8は、下端部に燃料ポンプ8の軸線PJ方向に延出する筒状の燃料吸入口67を備えた燃料ポンプ本体8Aを備えている。
【0043】
燃料ポンプ8は、上部取付部18を備えると共に、燃料ポンプ本体8Aの底面を覆い燃料ポンプ本体8Aの周囲に着脱可能に取り付けられる筒状のセンダー本体64と、このセンダー本体64から燃料ポンプ8の径方向に延出される腕部68と、腕部68の先端に検出部69とからなるセンダー17を有している。燃料ポンプ8は、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67に取り付けられる接続部74と、この接続部74から燃料ポンプ本体8Aの径方向に延出するフィルタ部75とからなる一次フィルタ16を備えている。
【0044】
一次フィルタ16は燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67に接続部74を介して着脱可能に取り付けられ、一次フィルタ16のフィルタ部75の延出方向とセンダー17の腕部68の延出方向とが同一方向に設定されている。また、センダー17の腕部68の延出長さと一次フィルタ16のフィルタ部75の延出長さをほぼ同一長さに設定してある。尚、図9においてセンダー17にはフロート65がアーム66を介して揺動可能に支持されている。
【0045】
具体的には、図10、図12に示すように、一次フィルタ16は筒状の接続部74をフィルタ部75の上面76に備えている。接続部74は内部に段差部77を備え、段差部77は連通孔78に連なっている。接続部74の外周面79には燃料ポンプ本体8Aと一体となる筒状のセンダー本体60に係合する爪部80が一次フィルタ16及びセンダー17の腕部68の延出方向に沿う方向に一対設けられている。爪部80,80は接続部74の軸線J方向で燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67への挿入方向に対して下がる方向に傾斜した傾斜面81を備え、側面視で直角三角形状に形成されている。
【0046】
図10、図11に示すように、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67はセンダー17のセンダー本体64の底壁82を貫通して突出する筒状の部材で、Oリング83を外周面84に装着した状態で、一次フィルタ16の接続部74の内部に嵌合され段差部77の底面85に突き当たる。Oリング83は一次フィルタ16の接続部74の内周面86と燃料吸入口67の外周面84とに密接して両者間をシールする。ここで、燃料吸入口67は燃料ポンプ本体8Aの中心からセンダー17側に偏心して設けられている。
【0047】
センダー17のセンダー本体64の底壁82には一次フィルタ16に接続部74の外周面79に接するように、一次フィルタ16及びセンダー17の腕部68の延出方向に直行する方向に沿って一対の係止壁87,87が設けられている。各係止壁87には一次フィルタ16の接続部74の爪部80を受け入れて係止する係合孔88が設けられている。これにより、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67に一次フィルタ16の接続部74を外側から差し込むと燃料ポンプ本体8Aに一次フィルタ16が固定される。
【0048】
第1実施形態によれば、一次フィルタ16の交換やメンテナンスをするために、リテーナ30、30’を外して燃料タンク1から燃料ポンプ8を取り外せば、一次フィルタ16が燃料ポンプ本体8Aに対して着脱可能となっているため、一次フィルタ16の交換が可能となる。また、一次フィルタ16のフィルタ部75の延出方向をセンダー17の腕部68の延出方向と同一方向に設定し、両者の長さをほぼ同一長さに設定したため、一次フィルタ16のメンテナンスや交換後に、燃料ポンプ8の燃料タンク1内への挿入作業が一方向側から行うことができ作業が行い易くなる。
【0049】
また、一次フィルタ16の接続部74の各爪部80を燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67の係止壁87の各係合孔88に係止しつつ、接続部74を燃料吸入口67に固定できるため、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aにワンタッチで固定できる。
ここで、爪部80には傾斜面81が設けられているため、傾斜面81に案内されるようにして、係止壁87の係合孔88に少ない力でスムーズに挿入して係合できる。
【0050】
次に、この発明の第2実施形態を、図1〜図9を援用し図13に基づいて説明する。この実施形態は、第1実施形態の係止壁87,87のうちセンダー17側の係止壁87を、センダー本体64の周壁91から長いスパンで他の係止壁87の突出端まで延出してL型に形成した係止壁90として設けている。係止壁90の縦壁には係止壁87に対応する位置に係合孔88が形成されている。ここで、係止壁90がより外側に設けてある分だけ燃料吸入口67はセンダー17側に偏心して配置されている。
【0051】
この実施形態においても、係止壁87と係止壁90との係合孔88,88に一次フィルタ16の接続部74の爪部80,80を係合させることで、ワンタッチで簡単に一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aに固定でき、更に一次フィルタ16を取り外す際に係止壁90の延出長さが長くなった分だけ撓み代を大きく確保できるので、一次フィルタ16が取り外し易くなる。尚、他の構成及び作用については第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0052】
次に、この発明の第3実施形態を、図1〜図9を援用し、図14、図15に基づいて説明する。この実施形態は第1実施形態の係止壁87,87に換えて一次フィルタ16の接続部74の外周面79に、燃料ポンプ本体8Aの径方向、具体的には燃料ポンプ本体8Aの径方向の中心に向かって延出するボルト挿通孔94を有するフランジ部93を備え、フランジ部93に対応して燃料ポンプ本体8Aの底面、この実施形態ではセンダー本体64の底壁82であって燃料吸入口67の外周には締結穴96を備えた取付座95が設けられている。ここで、フランジ部93はボルト挿通孔94がフィルタ部75の側縁から突出する位置まで延出している。
締結穴96とボルト挿通孔94にボルト97を挿通してフランジ部93を取付座95に締結し、一次フィルタ16が燃料ポンプ本体8Aに取り付けられている。
ここで、燃料吸入口67は燃料ポンプ本体8Aの中心からセンダー17側に偏心して設けられている。
【0053】
この実施形態においても、ボルト97を用いて一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aに対して簡単に取り付け取り外しできると共に、ボルト97の位置が燃料ポンプ本体8Aの中央部付近になるためボルト97の取り付け取り外し作業が行い易くなる。勿論、図15に示すように、前述した実施形態と同様に、一次フィルタ16のフィルタ部75の延出方向をセンダー17の腕部68の延出方向と同一方向に設定し両者の長さをほぼ同一長さに設定したため、燃料ポンプ8の燃料タンク1の挿入口9からの挿入作業を一方向側から行うことができ作業が行い易くなる。尚、他の構成及び作用については第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
次に、この発明の第4実施形態を、図1〜図10を援用し、図16〜図18に基づいて説明する。この実施形態は図10に示す実施形態における、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67及び係止壁87,87の位置を燃料ポンプ本体8Aの中心からセンダー17とは反対側に偏心して設けたものである。
【0055】
したがって、この実施形態によれば、図17に示すように、一次フィルタ16の接続部74の各爪部80を燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67の各係止壁87の係合孔88に係止しつつ、接続部74を燃料吸入口67に固定した状態では、一次フィルタ16の燃料ポンプ本体8Aからの外側への張り出しを最小限にすることができる。
よって、一次フィルタ16のフィルタ部75の張り出し量が少なくなる分だけ、図18に示すように、燃料ポンプ8の燃料タンク1の挿入口9からの挿入作業の際に一次フィルタ16が邪魔にならずに挿入作業が行い易くなる。尚、他の構成及び作用については第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0056】
次に、この発明の第5実施形態を、図1〜図9を援用し、図19、図20に基づいて説明する。この実施形態は第4実施形態と同様に、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67の位置を燃料ポンプ本体8Aの中心からセンダー17とは反対側に偏心して設けたものである。更に、一次フィルタ16は燃料ポンプ本体8Aの中心と燃料吸入口67とを結ぶ線Lを境にして一側方にオフセットして配置され、他側方には一次フィルタ16の接続部74に燃料ポンプ本体8Aに固定されるフランジ部93が線Lに直行する方向であって一次フィルタ16の外縁から外側に延出する位置にボルト挿通孔94を位置させるように設けられている。フランジ部93に対応してセンダー本体64の底壁82には取付座95が設けられている。
そして、一次フィルタ16の接続部74を燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67にOリング83を介して装着し、センダー本体64の取付座95の締結穴96にフランジ部93に設けたボルト挿通孔94を合わせ、ここにボルト97を挿通し、取付座95にフランジ部93を締結して一次フィルタ16が燃料ポンプ本体8Aに固定されている。
【0057】
したがって、この実施形態によれば、第4実施形態と同様に、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67の位置を燃料ポンプ本体8Aの中心からセンダー17とは反対側に偏心して設けたため、一次フィルタ16のフィルタ部75の張り出し量が少なくなる分だけ、燃料ポンプ8の燃料タンク1の挿入口9からの挿入作業の際に一次フィルタ16が邪魔にならずに挿入作業が行い易くなる。
【0058】
その上、一次フィルタ16は燃料ポンプ本体8Aの中心と燃料吸入口67とを結ぶ線Lを境にして一側方にオフセットして配置され、他側方には一次フィルタ16の接続部74に燃料ポンプ本体8Aに固定されるフランジ部93が線Lに直行する方向であって一次フィルタ16の外縁から外側に延出しその部分にボルト挿通孔94て設けられたため、ボルト97の締結作業が一次フィルタ16によって邪魔されることがなくなり作業が行い易い。
【0059】
したがって、一次フィルタ16の張り出しを押さえる構造であっても第4実施形態の図16のような係止壁87を用いることなく、フランジ部93による取り付け構造を採用することができる。尚、他の構成及び作用については第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0060】
次に、この発明の第6実施形態を、図1〜図10を援用し、図21に基づいて説明する。この実施形態は第1実施形態で代表されるように、一次フィルタ16の接続部74に設けた爪部80を改良したものである。図21(a)は改良された爪部80Aを備えた接続部74の正面図、図21(b)は図21(a)の平面図、図21(c)は側面図である。この実施形態は第1実施形態のみならず前述した爪部80を備えた全ての実施形態に適用可能である。
【0061】
図21(a)に示すように、爪部80Aには図10に示す第1実施形態の爪部80と同様に、側面から見て傾斜面81Aが形成されているが、この傾斜面81Aは、図21(b)に示すように、平面から見て接続部74の周面の一方向(この実施形態では左回り方向に)に沿って接続部74の外周面79から徐々に高くなるようなテーパ面98となっている。
【0062】
この実施形態によれば、爪部80Aには傾斜面81Aが設けられているため、傾斜面81Aに案内されるようにして、係止壁87の係合孔88に上方向の少ない力でスムーズに係合できるため、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aに固定し易くなると共に、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aから外すときには、一次フィルタ16を図21(b)で右回りに回転させることで、テーパ面98に沿って爪部80Aを係止壁87の係合孔88から水平方向で外すことができるので、容易に一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aから外すことができる。
【0063】
次に、この発明の第7実施形態を、図1〜図10、図21(a)(b)を援用し、図22に基づいて説明する。
この実施形態は、図22の爪部を備えた図10に示す第1実施形態のセンダー17の腕部68に、一次フィルタ16の取付時の旋回軌跡に干渉する位置まで延出する弾性材からなる(ゴムなどの)ストッパアーム99を設けたものである。
ストッパアーム99は一次フィルタ16の接続部74の爪部80Aが燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67の両側に一対配置された係止壁87の係合孔88に収まり係合した状態で、一次フィルタ16のフィルタ部75の側縁に当接して一次フィルタ16の一方向の回転(図21(b)で右方向)を規制するものである。
【0064】
この実施形態によれば、一次フィルタ16を燃料吸入口67に挿入した後にストッパアーム99に当接するまで右回りに回転させるだけで、一次フィルタ16を爪部80Aが係合孔88に収まる適正な位置に取り付けることができ作業が行い易い。
また、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aから取り外す時には、一次フィルタ16を更に右回りに回動すれば、ストッパアーム99が弾性変形して一次フィルタ16の回動を許容するため、回動させた時点から爪部80Aのテーパ面98により爪部80Aが係合孔88の縁を押圧して係止壁87を押し開くため、爪部80Aが係合孔88から容易に外れ、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aから簡単に外すことができる。尚、他の構成及び作用については第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0065】
次に、この発明の第8実施形態を、図1〜図10を援用し、図23〜図25に基づいて説明する。この実施形態は第1実施形態で代表されるように、一次フィルタ16の接続部74と燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67との爪部80による接続構造を改良したものである。したがって、この実施形態は上述した取り付け構造を備えた複数の実施形態に適用可能である。
【0066】
図23、図24に示すように、燃料ポンプ本体8Aの燃料吸入口67Aの外周面84には環状フランジ部100が設けられている。一方、一次フィルタ16の接続部74Aは、図10に示す第1実施形態の接続部74の上端縁101に、外周面79に沿うように環状の周壁部102が設けられ、この周壁部102には4つの延出爪部103,……が等間隔で設けられている。延出爪部103は燃料吸入口67Aの環状フランジ部100に係止し、環状フランジ部100の下側には接続部74Aの上端縁101と周壁部102の内面と燃料吸入口67Aの外周面84との間にOリング83の装着部が形成されている。
【0067】
図25に示すように、環状フランジ部100の外周面104には、上面が環状フランジ部100の周方向の一方向(左方向)に向かって徐々に高くなるテーパ状の突出部105が設けられ、この突出部105は複数の延出爪部103の間に位置するようになっている。突出部105の高さは延出爪部103が最も高い部分に至ると、延出爪部103が環状フランジ部100から外れる高さに設定されている。
【0068】
したがって、この実施形態によれば、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aに対して周方向で位置決めできると共に、一次フィルタ16を取り外す際には一次フィルタ16を上から見て右回りに回転させれば、各延出爪部103,……の裏面が突出部105に乗り上がり徐々に開くことで、延出爪部103の環状フランジ部100に対する係止状態が解除され、一次フィルタ16を簡単に燃料ポンプ本体8Aから外すことができる。
【0069】
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、自動二輪車の燃料タンク以外の各種車両の燃料タンクに適用することができる。
また、一次フィルタ16の係合部がセンダー本体64の係止壁87や取付座95に固定される場合を例にして説明したが、燃料ポンプ本体8Aに一次フィルタ16の係止壁87や取付座95を設けて、一次フィルタ16を燃料ポンプ本体8Aに固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 燃料タンク
8A 燃料ポンプ本体
17 センダー
64 センダー本体(センダーの本体)
67,67A 燃料吸入口
68 腕部
69 検出部
74,74A 接続部
75 フィルタ部
80 爪部(係合部)
82 底壁(底面)
93 フランジ部
94 ボルト挿通孔
96 締結穴
97 ボルト
98 テーパ面
99 ストッパアーム
100 環状フランジ部
103 延出爪部(係止爪)
105 突出部
J 軸線
PJ 軸線
L 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクに着脱可能に取り付けられると共に端部に軸線方向に延出する燃料吸入口を備えた燃料ポンプ本体と、前記燃料ポンプ本体から径方向に延出される腕部に検出部を備えたセンダーと、前記燃料ポンプ本体の燃料吸入口に取り付けられる接続部と、この接続部から径方向に延出するフィルタ部とを有する一次フィルタとを備えた燃料ポンプ構造において、前記一次フィルタは前記燃料ポンプ本体の前記燃料吸入口に前記接続部を介して着脱可能に取り付けられ、前記一次フィルタの前記フィルタ部の延出方向と前記センダーの前記腕部の延出方向とを同一方向に設定したことを特徴とする燃料ポンプ構造。
【請求項2】
前記一次フィルタは前記燃料ポンプ本体もしくはセンダーに係合する係合部を備え、前記燃料ポンプ本体の前記燃料吸入口に前記一次フィルタの前記接続部を接続することで前記燃料ポンプ本体もしくはセンダーに係合して固定されることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ構造。
【請求項3】
前記一次フィルタの前記接続部は前記燃料ポンプ本体の径方向に延出するフランジ部を備え、このフランジ部にボルト挿通孔が設けられ、また、前記燃料ポンプ本体の底面を覆うセンダーの本体は前記燃料吸入口の外周に設けた締結穴を備えており、前記ボルト挿通孔と前記締結穴とを介してボルトにより前記一次フィルタが前記燃料ポンプ本体に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ構造。
【請求項4】
前記センダーの前記腕部の延出長さと前記一次フィルタの前記フィルタ部の延出長さをほぼ同一長さに設定したことを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ持構造。
【請求項5】
前記燃料吸入口は前記燃料ポンプ本体の中心から前記センダー側に偏心して設けられ、前記一次フィルタの前記接続部には前記燃料ポンプ本体の中心に向かって延出し、燃料ポンプ本体もしくはセンダーの本体に固定されるフランジ部を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ構造。
【請求項6】
前記燃料吸入口は前記センダーとは反対側に偏心しており、前記一次フィルタは前記燃料ポンプ本体の中心と前記燃料吸入口とを結ぶ線を境にして一側方に配置し、他側方には前記接続部に前記燃料ポンプ本体に固定されるフランジ部を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ構造。
【請求項7】
前記係合部は前記接続部の軸線方向で挿入方向に下がる方向に傾斜する爪部であり、この爪部は前記接続部の周面の一方向に沿ったテーパ面を備えていることを特徴とする請求項2記載の燃料ポンプ構造。
【請求項8】
前記センダーの前記腕部から、前記一次フィルタの一方向の回転を規制する弾性材からなるストッパアームを設けたことを特徴とする請求項7記載の燃料ポンプ構造。
【請求項9】
前記燃料吸入口には環状フランジ部が設けられ、前記一次フィルタの前記接続部は前記一次フィルタの取り付け時に前記環状フランジ部に係止する複数の係止爪を備えていることを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ構造。
【請求項10】
前記環状フランジ部の外周面に上面が前記環状フランジ部の周方向の一方向に向かって徐々に高くなるテーパ状の突出部を設け、この突出部は前記複数の係止爪の間に位置することを特徴とする請求項9記載の燃料ポンプ構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2011−74865(P2011−74865A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228437(P2009−228437)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】