説明

燃料供給装置

【課題】部品点数が少なく小型の燃料供給装置を得る。
【解決手段】燃料供給装置の回転斜板は、軸心が駆動軸に対して傾斜した転がり軸受によって取付られ、駆動軸の軸心は、転がり軸受の軸心と複数個の軸受玉の中心を含む平面との交点を通してある。回転斜板の傾斜は、駆動軸に対して傾斜した取付軸に嵌合させ、あるいは駆動軸の球状部分に嵌合して傾斜した状態で、ブッシュの傾斜支持面により支持して与える。ブッシュのねじり破壊強度をロックトルク以下とし、あるいは回転斜板を弾性部材を介在させて支持してもよい。
【効果】部品点数が少なく、燃料供給装置の小型化が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転斜板型アキシャルピストンポンプをモーター駆動する燃料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境問題から排ガス規制、燃費向上の観点から燃料供給装置がメカ式のキャブレターから燃料噴射弁を有する電子制御式システムに変更されており、近年の自動車はすべて後者のシステムを採用している。近年、環境問題の規制は自動車だけでなく、二輪車、船外機、その他特殊車両にまで拡大されつつあり、自動車で採用される燃料供給装置は、燃料タンク内に設置する遠心ポンプを採用したインタンク式燃料供給装置(図示せず)が主流となっているが、そのために比較的大きな燃料タンクが必要となり、燃料タンクが小さい小型排気量、搭載スペースの問題から燃料タンクにインタンク式燃料供給装置が配置できない車両は、環境問題への対応が困難となり、燃料タンク外に搭載可能となるインライン式燃料供給装置が必要となっている。
【0003】
従来の燃料供給装置としては、例えば特許文献1に記載されている様に、自吸性に優れた容積形のポンプとDCブラシモーターで構成されたインライン式燃料供給装置について、ポンプは、吸入バルブ、吐出バルブ、ピストンと摺動可能に嵌合されたシリンダ、シリンダと共に燃料加圧室を構成するプレート、ピストンをアキシャル方向に移動させる斜板、ピストンと斜板との間でピストンと共動し、斜板に対して摺動するシュー、ピストンを斜板に押圧するスプリング、スプリングの座面となるスプリングホルダから構成され、モーターは、永久磁石、永久磁石を固定し、磁気回路となるヨーク、斜板と一体に固定された回転するシャフト、シャフトに圧入固定され、巻き線を有するステータ−、電気的接点となるブラシ、図示しないバッテリーとブラシを繋ぐリード線から構成され、ボディにより、ポンプとモーターが一体に固定され、燃料通路内に配置される事になる。
【0004】
動作原理は、まずモーターが外部のバッテリ−により回転動作し、そのシャフトに固定してある斜板を回転させる。次に斜板が回転することで、斜板にスプリングによって押付けられたピストンがシリンダと摺動移動する。ピストンが下方に移動した際、ピストン、シリンダ、吸入バルブ、吐出バルブ、プレートで構成された燃料加圧室内の容積が増大する事で前記燃料加圧室内が減圧し、吸入バルブの開弁圧以下となった時点で、吸入バルブから燃料が吸引される。次にピストンが上方向に移動する事で、前記燃料加圧室内が加圧され、外部に設置された圧力調整装置で所定の圧力に調整されたデリバリーパイプ内圧以上まで加圧された段階で吐出バルブから燃料が吐出される。この動作が斜板の回転に合せて、同芯状に配置された複数のピストンで順に繰り返される。
【0005】
また、例えば特許文献2乃至4に記載されているように、斜板とピストン間及び斜板とモーター間などの複数箇所にラジアル荷重およびスラスト荷重をそれぞれ別個に受け持つすべり部材、転がり軸受けを配置することで上述の問題の対策としているものもあるが、部品加工形状の複雑化と高精度化の問題があり、更に部品点数増大によりコストが増大するという重大な問題がある。
【0006】
一方、ポンプ部に何らかの異常が発生した場合には、ポンプ駆動トルクが上昇してしまいポンプがロック状態になる可能性があるため、ポンプ駆動トルクの軽減も必要である。
【0007】
【特許文献1】特開2001−65447号公報
【特許文献2】特開2001−3839号公報
【特許文献3】特開2001−221129号公報
【特許文献4】特開2006−112380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載のような従来の燃料供給装置においては、上述の動作において、燃圧×ピストン断面積及びスプリングから発生する力と斜板で発生する摩擦力と同一径に配置されたピストンのピッチ半径から駆動トルクが発生するが、ピストン(シュー)と斜板との間は滑りのみで摩擦係数が高いため、摩擦力も大きくなり、それに合せてモーターを大型化せざるを得ないという問題があった。また、この摩擦力はピストンとシリンダの摺動部にもサイドフォースとして発生するため、ピストンが磨耗するという問題もあった。
【0009】
また特許文献2乃至4記載のような従来の燃料供給装置においては、部品加工形状の複雑化と高精度化、部品点数増大によりコストが上昇するという問題がある。
【0010】
その他の問題として、ポンプ部に何か異常が生じた場合、ポンプ駆動トルクが上昇する。ピストンがロックした状態になると、モーターもロックした状態となり、モーターに最大電流が流れ、モーターの発熱により、最悪の場合、火災に至る場合がある。(モーターは電流とトルクが比例関係にあり、ロック時が最大電流となる。)
【0011】
従ってこの発明の目的は、小型で製造コストの低い信頼性の高い燃料供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の燃料供給装置は、吸入口および吐出口を持つハウジングと、上記ハウジング内で上記吸入口および上記吐出口に連通したポンプ室を形成するシリンダと、上記シリンダ内に摺動可能に設けられて上記ポンプ室を可変容積とするプランジャと、上記ハウジングにより回転可能に支持された駆動軸と、上記ハウジング内で上記駆動軸に対して傾斜して上記駆動軸に取り付けられ、上記プランジャに作用して上記駆動軸の回転運動を上記プランジャの往復運動に変換する回転斜板とを備えた燃料供給装置において、上記回転斜板は、上記プランジャに作用する環状回転板と、上記駆動軸に取り付けられた内輪、上記内輪上に設けられた複数の軸受玉および上記軸受玉上に設けられて上記環状回転板に接続された外輪を持ち、軸心が上記駆動軸に対して傾斜した転がり軸受とを備え、上記回転斜板は、上記駆動軸の軸心が、上記転がり軸受の軸心と複数個の軸受玉の中心を含む平面との交点を通るような位置関係にあることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の燃料供給装置によれば、部品点数の減少が可能で、燃料供給装置の小型化が可能であるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
図1はこの発明の燃料供給装置の一実施形態を示す概略断面図であり、図示の燃料供給装置は、全体として中空円筒形で、円筒壁1と、両端に設けられてそれぞれ吸入口2および吐出口3を持つ第一および第2の端璧4および5とを備えたハウジング6を備えている。燃料供給装置はまた、ハウジング6内の吸入口2側に設けられて、軸受7および8により駆動軸9を支持されて固定子10内で回転する回転子11を持つ電動機である駆動装置12と、ハウジング6内の吐出口3側に設けられて、駆動装置12によって駆動されるポンプ装置13とを備えている。駆動装置12の軸心14とポンプ装置13の軸心15とは一致している。
【0015】
吸入口2からハウジング6内に入った燃料は、駆動装置12が配置されたハウジング6内の駆動装置室16を、即ち駆動装置12内にある構成要素間の間隙を全体として軸方向に流れて、ハウジング6内のポンプ装置13が配置されたポンプ装置空間17に到達する。
【0016】
ポンプ装置13は、円筒壁1と第1の端壁5とに支持された比較的厚い円板状のシリンダブロック18を備えている。シリンダブロック18には軸心15の回りに軸心15に平行な複数のシリンダ(ボア)19が設けられていて、一端がシリンダ19内に挿入されて摺動可能なプランジャ(ピストン)20により可変容積のポンプ室21が形成されている。
【0017】
シリンダブロック18にはまた、吸入口2に連通したハウジング6内のポンプ装置空間17をポンプ室21の底部に連通させる吸入通路22と、ポンプ室21の底部を端壁5に設けられた吐出口3に連通させる吐出通路23とが設けられている。この吸入通路22内には吸入バルブ24が設けられていて、ポンプ送りすべき燃料がシリンダ19内のポンプ室21に吸引されるようにしてあり、吐出通路23内には吐出バルブ25が設けられていて、ポンプ室21内でプランジャ20により圧縮された燃料が吐出口3から吐出されるようにしてある。
【0018】
プランジャ20のシリンダ19から突出した突出端にはバネ止め26が設けてあり、バネ止め26とシリンダブロック18との間に圧縮ばね27が設けられていて、プランジャ20が常時シリンダ19から抜け出る方向に偏倚されている。プランジャ20の先端部は滑らかな半球状に仕上げられていて、駆動装置12の回転軸9に支持されて共に回転する回転斜板28に摺動可能に接触している。
【0019】
本発明のポンプ装置13の回転斜板28は、電動機である駆動装置12の駆動軸9のポンプ装置空間17内に突入した先端部に設けられた小径軸部である取付軸29に取り付けられている。図1に示す例では、駆動装置12の駆動軸9はポンプ装置13の回転斜板28を支持すると共に駆動するものであるので、ポンプ装置13の駆動軸でもある。取付軸29は、例えば削り出しによって駆動軸9に一体に一部品として設けられたものである。
【0020】
取付軸29の軸心30は駆動軸9の軸心14に対して一定の角度だけ傾斜していて、図示の例では玉軸受である転がり軸受31の内輪32を圧力嵌めにより支持している。内輪32の外周には軸受玉33を介して外輪34が嵌められていて、外輪34はその外周でプランジャ20に摺接する環状回転板26を支持し、全体として回転斜板28を構成している。取付軸29の先端部にはナット36の係合したネジ部37が設けられ、ワッシャ38を介して転がり軸受31の内輪32が駆動軸9に強固に取り付けられている。
【0021】
図1の部分拡大図に良く示されているように、駆動軸9と回転斜板28の軸心との位置関係は、駆動軸9の軸心14が、転がり軸受31の径方向および軸方向の中心P、即ち転がり軸受31の軸心(即ち取付軸29の軸心30)と複数個の軸受玉33の中心を含む平面39との交点Pを通るような位置関係である。このような位置関係にすることにより、環状回転板35が取付軸29に対して確実に滑らかに回転できるようになり、一般的なラジアルおよびスラスト荷重を受けることのできる玉軸受を一つだけ用いて環状回転板35を回転斜板28として作用させることができるのである。
【0022】
以上に説明したとおり、図1に示すこの発明の燃料供給装置は、吸入口2および吐出口3を持つハウジング6と、ハウジング6内に設けられ、吸入口2および吐出口3にそれぞれ連通したポンプ室21を形成するシリンダ19と、シリンダ19内に摺動可能に設けられてポンプ室21を可変容積とするプランジャ20とを備えている。燃料供給装置はまた、ハウジング6により回転可能に支持された駆動軸9と、ハウジング6内で駆動軸9に対して傾斜して駆動軸9に取り付けられ、プランジャ20に作用して駆動軸9の回転運動をプランジャ20の往復運動に変換する回転斜板28とを備えている。燃料供給装置は更に、駆動軸9に取付軸29を介して取り付けられて共に回転する内輪32と、回転斜板28に接続された外輪34と、駆動軸9に対して傾斜した軸心30とを持つ転がり軸受31を備えている。また回転斜板28は、駆動軸9の軸心が、転がり軸受31の軸心と複数個の軸受玉の中心を含む平面との交点Pを通るような位置関係にされている。
【0023】
駆動軸9は、駆動軸9に対して傾斜した小径軸部である取付軸29を持ち、転がり軸受31がこの取付軸29に嵌合して取り付けられている。
【0024】
この発明によれば、部品点数を増加させずに小型で製造コストの低い信頼性の高い燃料供給装置を提供することができる。
【0025】
図2には、本発明の燃料供給装置を駆動するために必要な駆動トルク(N・m)を回転斜板の回転角度(度)に対する駆動トルク曲線Aとして表したグラフを示す。このグラフには比較例として特許文献1(特平2001−65447号公報)に記載されているものと同様の回転斜板を備えた従来の燃料供給装置における駆動トルクの駆動トルク曲線Bも示してある。
【0026】
一般に回転斜板型の燃料供給装置の駆動トルク(T)は次の式によって計算できる。
T=((1+μ)(Fs+Fp)sinθ)cosθ・L
但し、μはプランジャと回転斜板との間の動摩擦係数、Fsはプランジャに作用するスプリング力、Fpはプランジャに作用する燃料圧力、θは回転斜板の回転軸に対して垂直な面に対する傾斜角度、Lはプランジャのピッチ円半径である。
【0027】
図2において、本発明の燃料供給装置のプランジャと回転斜板との間の動摩擦係数μは0.05であって駆動トルク曲線Aとなり、従来の燃料供給装置のプランジャと回転斜板との間の動摩擦係数μは0.4であって駆動トルク曲線Bとなる。これらの駆動トルク曲線AおよびBから、本発明の燃料供給装置に於ける駆動トルクが従来の燃料供給装置の駆動トルクに比較して顕著に減少していることがわかる。
【0028】
実施の形態2.
図3に示す燃料供給装置においては、駆動軸9の取付軸40が球状部分41を持ち、回転斜板28の転がり軸受31の内輪32が球状部分41に嵌合し、転がり軸受31がそれぞれ傾斜した支持面42および43を持つ第1および第2のブッシュ44および45により支持されている。
【0029】
即ち、図3において、取付軸40は、駆動軸9のポンプ装置空間17側の端部から一体に同軸に延びた円筒形の軸であり、球状部分41は取付軸40の中間部に設けられた球状に膨出した部分である。球状部分41の球面の中心は、転がり軸受31の中心点Pに一致した位置に配置されている。転がり軸受31は球状部分41の球面にほぼ全周で線接触して内輪32で支持されており、また同時に、第1のブッシュ44と第2のブッシュ45の間に挟持されて傾斜して保持されている。
【0030】
第1のブッシュ44は、円筒形の取付軸40に嵌められた中空円筒体で、中心軸に対して垂直な端面46で駆動軸9の端面47に当接し、中心軸に対して回転斜板28の傾斜角度だけ傾斜した支持面42で転がり軸受31の内輪32に当接している。第2のブッシュ45は、第1のブッシュ44と同様の、円筒形の取付軸40に嵌められた中空円筒体で、第1のブッシュ44とともに回転斜板28を挟持するように配置され、中心軸に対して回転斜板28の傾斜角度だけ傾斜した支持面43で転がり軸受31の内輪32に当接し、中心軸に垂直な端面48はネジ部37に嵌められたナット36によりワッシャ38を介して締め付けられている。
【0031】
図3に示す燃料供給装置のその他の構成は、図1に関連して先に説明した構成と同じである。
【0032】
このように回転斜板28を、取付軸40の球状部分41と傾斜した支持面42、43を持つブッシュ44、45とを用いて支持することにより、取付軸40を駆動軸9と同軸にしながら回転斜板28に傾斜を与えることができる。この構造によれば、取付軸40が同軸であるので製作が容易である。また、回転斜板28の傾斜角度が加工容易なブッシュ44、45の傾斜角度によって規程されるため、組付け性が向上し、支持面42、43の傾斜角度の異なるブッシュ44、45を用いることにより斜板角度の変更への対応も簡単となる。
【0033】
更に、ブッシュ44、45のねじりによる破壊強度を駆動軸に加えられるモーターのロックトルクと同等か、ロックトルクよりも小さくすることにより、万一ポンプがロックした際にブッシュ44、45が破壊するようにしてモーターのロックを回避することができる。
【0034】
実施の形態3.
図4に示す燃料供給装置においては、転がり軸受31を弾性部材50を介在させて駆動軸9の取付軸40に支持して衝撃吸収をさせるようにしてある。その他の構成は図3に関連して説明したものと同様である。
【0035】
弾性部材50は全体として中空円筒形のスリーブ51の一端にフランジ52が設けられたものであり、スリーブ51は取付軸40に嵌められ、その上に第2のブッシュ44とワッシャ38とが嵌められ、フランジ52はワッシャ38とナット36との間に設けられている。弾性部材50は転がり軸受31と駆動軸9との間には配置されていないが、取付軸40の球状部分41上に取り付けられた転がり軸受31の支持は、第1および第2のブッシュ44、45と、ワッシャ38と、弾性部材50と、ナット36とを介して達成されるものであるので、転がり軸受31が弾性部材50を介在させて取付軸40に支持されていると言える。この意味で、弾性部材50の形状および配置位置は、ロックトルクによる衝撃を吸収できる範囲内で様々に変更できるし、図1に示す駆動軸に対して傾斜した取付軸を持つものにも弾性部材50を適用できる。
【0036】
弾性部材50の材質は、ポンプに異常が生じて大きなトルクが生じた場合に駆動軸9の取付軸40と回転斜板28との間に滑りを生じさせるような弾性と、燃料ポンプ内で使用できる耐性を持つものであればよいが、合成ゴムや合成樹脂を用いるのが一般である。
【0037】
このような構造により、ポンプに異常が生じた際に、所定のトルクにてワッシャ38と、弾性部材50と、ブッシュ44との間にすべりを生じさせる事が可能となる。これは、実施例−2ではブッシュの仕様がねじり破壊強度(モーターのロックトルク)と斜板傾斜角度の組み合せにより設定されるため、ブッシュの仕様が多くなるが、実施例−3では、ブッシュの仕様は斜板の傾斜角度により決定し、モーターのロック防止は弾性部材仕様にて決める事が可能となり、燃料供給装置の仕様変更への対応をより簡単にする事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の燃料供給装置をその部分拡大図と共に示す断面図である。
【図2】この発明の燃料供給装置の駆動トルク曲線を従来のものと比較して示したグラフである。
【図3】この発明の別の燃料供給装置をその部分拡大図と共に示す断面図である。
【図4】この発明の更に別の燃料供給装置をその部分拡大図と共に示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
2 吸入口、3 吐出口、6 ハウジング、21 ポンプ室、19 シリンダ、20 プランジャ、9 駆動軸、28 回転斜板、35 環状回転板、32 内輪、34 外輪、30 軸心、31 転がり軸受、30 軸心、33 軸受玉、39 平面、P 交点、29 取付軸、41 球状部分、42、43 支持面、44、45 ブッシュ、50 弾性部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口および吐出口を持つハウジングと、
上記ハウジング内で上記吸入口および上記吐出口に連通したポンプ室を形成するシリンダと、
上記シリンダ内に摺動可能に設けられて上記ポンプ室を可変容積とするプランジャと、
上記ハウジングにより回転可能に支持された駆動軸と、
上記ハウジング内で上記駆動軸に対して傾斜して上記駆動軸に取り付けられ、上記プランジャに作用して上記駆動軸の回転運動を上記プランジャの往復運動に変換する回転斜板とを備えた燃料供給装置において、
上記回転斜板は、上記プランジャに作用する環状回転板と、上記駆動軸に取り付けられた内輪、上記内輪上に設けられた複数の軸受玉および上記軸受玉上に設けられて上記環状回転板に接続された外輪を持ち、軸心が上記駆動軸に対して傾斜した転がり軸受とを備え、
上記回転斜板は、上記駆動軸の軸心が、上記転がり軸受の軸心と複数個の軸受玉の中心を含む平面との交点を通るような位置関係にあることを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
上記駆動軸が、上記駆動軸に対して傾斜した取付軸を持ち、上記転がり軸受が上記取付軸に嵌合していることを特徴とする請求項1記載の燃料供給装置。
【請求項3】
上記駆動軸が球状部分を持ち、上記転がり軸受が上記球状部分に嵌合し、上記転がり軸受が傾斜した支持面を持つブッシュにより支持されていることを特徴とする請求項1記載の燃料供給装置。
【請求項4】
上記ブッシュは、そのねじりによる破壊強度が駆動軸に加えられるロックトルク以下であることを特徴とする請求項3記載の燃料供給装置。
【請求項5】
上記転がり軸受を弾性部材を介在させて上記駆動軸に支持したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の燃料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−138557(P2008−138557A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324165(P2006−324165)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】