説明

燃料噴射ポンプ

【課題】ポンプ本体、バレル及びダンパーリングの加工精度に影響されることなく圧力の伝達経路を遮断することができる燃料噴射ポンプの提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態である燃料噴射ポンプ1は、ポンプ本体上部11に形成されるバレル保持孔11bの内周面とバレル保持孔11bに挿入されるバレル12の外周面との間にシール部材であるOリング18とダンパーリング17とが装着される燃料噴射ポンプ1において、ダンパーリング17は、ダンパーリング17の中心軸Mに沿った断面視で中心軸Mに対して傾斜した案内面(第一リング案内面17c、第二リング案内面17d)とが形成されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンに搭載される燃料噴射ポンプの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型のディーゼルエンジンに搭載される燃料噴射ポンプとして、燃料効率の向上や排気ガスエミッションの低減のために、燃料の噴射圧力を高圧化したものや、電磁スピル弁によってエンジンの運転状態に応じて燃料噴射のタイミングや燃料噴射の回数等を制御するものが知られている。
【0003】
このような噴射圧力が高圧化された燃料噴射ポンプや噴射頻度が高頻度化された燃料噴射ポンプにおいては、燃料の噴射制御に伴って燃料噴射ポンプ内部の圧力が変動する。このため、燃料給排室等からの燃料漏れを防止するためのOリングが圧力の変動によってOリング溝内で摺動されて磨耗する問題があった。
【0004】
そこで、燃料給排室とOリングとの間にダンパーリングを配置した燃料噴射ポンプが提案されている。ダンパーリングによって圧力の伝達経路を遮断するものである。この技術によって、圧力の変動がOリング溝内におけるOリングの摺動が抑制され、Oリングの磨耗を低減することができる。例えば特許文献1のごとくである。
【0005】
しかし、上述した特許文献1に開示される技術は、バレル、ポンプ本体の加工精度によって決まる燃料噴射ポンプ本体とバレルとの隙間を遮断するものである。このため、ダンパーリング、バレル及びポンプ本体の組み合わせによっては、伝達経路を適切に遮断することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−270434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の如き課題を鑑みてなされたものであり、ポンプ本体、バレル及びダンパーリングの加工精度に影響されることなく圧力の伝達経路を遮断することができる燃料噴射ポンプの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1においては、ポンプ本体に形成されるバレル保持孔の内周面と前記バレル保持孔に挿入されるバレルの外周面との間にシール部材とダンパーリングとが装着される燃料噴射ポンプにおいて、前記ダンパーリングは、前記ダンパーリングの中心軸に沿った断面視で前記中心軸に対して傾斜したリング案内面が形成されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記ダンパーリングは、第一ダンパーリングと第二ダンパーリングとから構成され、前記第一ダンパーリングのリング案内面と前記第二ダンパーリングのリング案内面とが接するようにして装着されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記バレルは、前記シール部材に向かって直径が拡大するように構成されるバレル案内面が形成され、前記ダンパーリングは、前記リング案内面と前記バレル案内面とが接するようにして装着されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1の如く構成したので、上昇した圧力がダンパーリングを押圧するとリング側案内面によってダンパーリングがバレル保持孔に接するまで押し広げられる。この結果、ポンプ本体、バレル及びダンパーリングの加工精度に影響されることなく圧力の伝達経路を遮断することができる。
【0013】
請求項2の如く構成したので、ダンパーリングに伝達された圧力によって第一又は第二のうちいずれか一方のダンパーリングがバレル保持孔に接するまで押し広げられ、他方のダンパーリングがバレルに接するまで押し縮められる。この結果、ポンプ本体、バレル及びダンパーリングの加工精度に影響されることなく圧力の伝達経路を遮断することができる。
【0014】
請求項3の如く構成したので、ダンパーリングのリング案内面に接触させる部品を別途装着する必要がない。この結果、部品点数を増やすことなく圧力の伝達経路を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの一部を示す断面図。
【図2】本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプにダンパーリングが装着されている部分を示す拡大断面図。
【図3】本発明の第一実施形態に係るダンパーリングの斜視図。
【図4】(a)本発明の第一実施形態に係るダンパーリングの中心軸に沿った断面を示す拡大断面図。(b)本発明の第一実施形態に係る第一ダンパーリングと第二ダンパーリングの装着状態を示す拡大断面図。
【図5】本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの電磁スピル弁部分を示す拡大断面図。
【図6】(a)本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの電磁スピル弁が閉弁した場合の燃料の流れを示す電磁スピル弁部分の拡大断面図。(b)本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの電磁スピル弁が開弁した場合の燃料の流れを示す電磁スピル弁部分の拡大断面図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る燃料噴射ポンプの一部を示す断面図。
【図8】(a)本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプのダンパーリングにスピル圧が加わっていない状態を示す拡大断面図。(b)本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプのダンパーリングにスピル圧が加わった状態を示す拡大断面図。
【図9】本発明の第二実施形態に係る燃料噴射ポンプのダンパーリングが装着されている部分を示す拡大断面図。
【図10】(a)本発明の第二実施形態に係る燃料噴射ポンプのダンパーリングにスピル圧が加わっていない状態を示す拡大断面図。(b)本発明の第二実施形態に係る燃料噴射ポンプのダンパーリングにスピル圧が加わった状態を示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図1から図5を用いて、本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態である燃料噴射ポンプ1について説明する。なお、以下では矢印A方向を上方向として上下方向を規定し、矢印B方向を右方向として左右方向を規定する。
【0017】
図1及び図2に示すように、燃料噴射ポンプ1は、図示しない低圧ポンプ(フィードポンプ)と接続され、低圧ポンプからの燃料を加圧して図示しない燃料噴射ノズルへ供給するものである。燃料噴射ポンプ1は、ポンプ本体部10と、電磁スピル弁20と、等圧弁部30とを具備する。
【0018】
ポンプ本体部10は、ポンプ本体上部11と、バレル12と、プランジャ13と、プランジャばね14と、タペット15と、ダンパーリング17と、Oリング18と、図示しないカム等とから構成される。
【0019】
ポンプ本体上部11は、略円筒状に形成され、図示しないポンプ本体下部の上部に固定されシリンダブロックに取り付けられる。ポンプ本体上部11の下側端面の軸心部には、プランジャばね14及びタペット15等を内装するプランジャばね室11aが下側を開放して形成される。また、ポンプ本体上部11の上側端面の軸心部には、バレル12を保持するバレル保持孔11bが上側を開放して形成される。バレル保持孔11bはプランジャばね室11aとポンプ本体上部11内で連通される。ポンプ本体上部11のバレル保持孔11bの上下途中部には、円環状の拡径部が形成される。この拡径部は燃料給排室11cの外側面を構成する。ポンプ本体上部11の外周面には、燃料供給ポート11dが燃料給排室11cと連通するように形成される。燃料供給ポート11dは図示しない低圧ポンプと接続される。
【0020】
バレル12は、プランジャ13を軸心方向、即ち上下方向に摺動自在に内装するものである。バレル12は、略円筒状に形成されてバレル保持孔11bに挿入される。プランジャ13は、上端部及び下端部がポンプ本体上部11のバレル保持孔11bから上下方向に突出するように構成される。バレル12の軸心部には、プランジャ13を内装するプランジャ孔12aが下側端部を開放して形成される。バレル12の軸心部でプランジャ孔12aよりも上側には、第一燃料供給路12bが上下方向に形成される。第一燃料供給路12bはプランジャ孔12aと連通される。バレル12の上端部には、フランジが径方向へ突出するように形成される。
【0021】
バレル12は、バレル保持孔11bに挿入された状態で、フランジを介してポンプ本体上部11の上側端部にボルト等で固定される。これにより、バレル保持孔11bの円環状の拡径部とバレル12の外周面とから燃料給排室11cが構成される。バレル12の第一燃料供給路12bよりも径方向外側には、第一スピル油排出路12cが概ね上下方向に形成される。第一スピル油排出路12cは、ポンプ本体上部11の燃料給排室11cと連通される。バレル12の外周面には、円環状にダンパーリング溝12eが形成される。ダンパーリング溝12eは、燃料給排室11cの下方に形成される。また、ダンパーリング溝12eの下方には、Oリング溝12fが形成される。なお、ダンパーリング溝12eの位置は、燃料給排室11cの下方に限定されるものではない。
【0022】
プランジャ13は、燃料を加圧するものである。プランジャ13は、略円柱状に形成されて、プランジャ孔12aに隙間なく上下方向に摺動自在に挿入される。プランジャ13の上端面とプランジャ孔12aとから加圧室16が形成される。加圧室16は、バレル12に形成される燃料吸入路12dによって燃料給排室11cと連通される。
【0023】
プランジャばね14は、圧縮ばねでありプランジャ13を下方に付勢するものである。プランジャばね14は、伸縮方向を上下方向として、プランジャ13の下部に配置される。プランジャばね14の下側端部はプランジャばね受け14aを介してプランジャ13に支持され、上側端部はプランジャばね受け14bを介してポンプ本体上部11に接している。つまり、プランジャばね14は、ポンプ本体上部11から下方向にプランジャ13を付勢している。
【0024】
タペット15は、図示しないカムからの押圧力をプランジャ13に伝達するものである。タペット15は、有底円筒状に形成されて、プランジャばね室11aに隙間なく上下方向に摺動自在に挿入される。タペット15の内部には、プランジャ13の下部、プランジャばね14の下部、及びプランジャばね受け14aが内装される。タペット15の底部には、図示しないローラが下方に配置される前記カムに臨むように回動自在に支持される。タペット15は、プランジャばね14の付勢力によって、前記カムに前記ローラを介して接している。タペット15は、前記カムからの押圧力を前記ローラを介して受け、これをプランジャ13に伝達する。これにより、プランジャ13は、前記カムの回転に従って上下方向に移動される。
【0025】
図2から図4に示すように、ダンパーリング17は、ポンプ本体上部11とバレル12との隙間の圧力伝達経路を遮断するものである。ダンパーリング17は、フッ素樹脂等を円環状に形成したものである。ダンパーリング17は、第一ダンパーリング17aと第二ダンパーリング17bとから構成される。
【0026】
第一ダンパーリング17aは、その外周部分の全部又は一部が軸心方向に縮径するように形成される。具体的には、第一ダンパーリング17aには、外周部分が縮径している軸方向を上方向としたときに下り勾配となる第一リング案内面17cが形成される。第二ダンパーリング17bには、第一リング案内面17cと平行な第二リング案内面17dが形成される。すなわち、第一リング案内面17c及び第二リング案内面17dは、第一ダンパーリング17a及び第二ダンパーリング17bの中心軸Mに沿った断面視で中心軸Mに対して所定角度θだけ傾斜した面になるように形成される(図4(a)参照)。第一ダンパーリング17a及び第二ダンパーリング17bは、途中部が切断されて周方向に傾斜した切断面17eが形成される。
【0027】
第一ダンパーリング17aは、第一リング案内面17cを上方に向けてバレル12のダンパーリング溝12eの下側面上に載せるようにして装着される。第二ダンパーリング17bは、第二リング案内面17dを第一リング案内面17cと対向させて第一ダンパーリング17aに載せるように装着される。つまり、第一ダンパーリング17aと第二ダンパーリング17bとは、第一リング案内面17cと第二リング案内面17dとを接触させた状態でダンパーリング溝12eに装着される(図4(b)参照)。第一ダンパーリング17a及び第二ダンパーリング17bは、バレル12に装着された状態でポンプ本体上部11のバレル保持孔11bに挿入される。
【0028】
第一ダンパーリング17a及び第二ダンパーリング17bの外径は、バレル保持孔11bの内径よりも小さく形成される。従って、第一ダンパーリング17a及び第二ダンパーリング17bとバレル保持孔11bとの間に隙間が生じる。この隙間は、ダンパーリング溝12eと第一ダンパーリング17a及び第二ダンパーリング17bとバレル保持孔11bとの加工精度によって変動する。
【0029】
Oリング18は、燃料の漏出を防止するものである。Oリング18は、NBRやフッ素樹脂等を円環状に形成したものである。Oリング18は、Oリング溝12fの側面とポンプ本体上部11のバレル保持孔11bとに接触するようにしてバレル12のOリング溝12fに装着される。このようにして、バレル12には、燃料給排室11cの下方にダンパーリング17が装着され、その下方にOリング18が装着される。
【0030】
図1及び図5に示すように、電磁スピル弁20は、燃料噴射ポンプ1の燃料噴射量、及び噴射時期を調節するものである。電磁スピル弁20は、ハウジング21と、スピル弁体23と、ストッパ24と、ソレノイド25等を具備する。
【0031】
ハウジング21は、電磁スピル弁20の本体部分を構成する構造体である。ハウジング21は、略直方体に形成される。ハウジング21の上部には、等圧弁ばね室21aが上下方向に形成される。また、等圧弁ばね室21aの途中部から拡径されて上方向に吐出弁室21fが形成される。ハウジング21の下部には、第二燃料供給路21bが上下方向に形成される。第二燃料供給路21bは、ハウジング21の下面から等圧弁ばね室21aに連通するように形成される。等圧弁ばね室21aは、第二燃料供給路21bよりも拡径して形成される。
【0032】
ハウジング21の上下中途部には、スピル弁孔21dがハウジング21を左右方向に貫通するように形成される。スピル弁孔21dは、第二燃料供給路21bと交差して連通される。こうして、スピル弁孔21dは、第二燃料供給路21bを介して等圧弁ばね室21aと連通される。また、スピル弁孔21dの左側端部に雌ねじ部が形成される。
【0033】
ハウジング21の第二燃料供給路21bよりも左側には、第二スピル油排出路21cが上下方向に形成される。第二スピル油排出路21cはスピル弁孔21dと連通される。ハウジング21は、下側端面をバレル12の上側端面に密着させて当該バレル12にボルト等で固定される。ここで、第二燃料供給路21bがバレル12の第一燃料供給路12bと連通され、第二スピル油排出路21cがバレル12の第一スピル油排出路12cと連通される。
【0034】
スピル弁孔21dには、第二燃料供給路21bの左側方に内径を拡径した第一拡径部21gが形成される。続けてこの第一拡径部21gの右側端部に、その内周面に連続して右側方へ向かって内径が小さくなるようにテーパ状に形成された弁座21hを有する。さらに、スピル弁孔21dは、第二燃料供給路21bの右側方に内径を拡径したスピル弁ばね室21jが形成される。第一拡径部21gには、第二スピル油排出路21cが連通される。
【0035】
スピル弁体23は、第二燃料供給路21bを圧送される燃料の流路を切替えるものである。スピル弁体23は、スピル弁孔21dに摺動自在に挿入される。スピル弁体23は、スピル弁孔21dに挿入された状態において第二燃料供給路21bと交差する部分にスピル弁体23の直径よりも小径の縮径部23aを有する。これにより、スピル弁体23とスピル弁孔21dとの間に隙間が形成されるので、スピル弁孔21dをまたいで第二燃料供給路21bを流れる燃料の流れを閉塞することがない。スピル弁体23は、この縮径部23aの左側端部に左側方へむかって拡径するテーパ状に形成されるシール面23bを有する。シール面23bは、スピル弁孔21dの弁座21hに密接して着座可能な面になるように形成される。
【0036】
スピル弁体23は、スピル弁孔21dに摺動自在に挿入される。スピル弁体23は、スピル弁ばね室21jに内装されるスピル弁ばね23eによって左側方に付勢される。スピル弁体23の右側端部には、磁性体で構成されるアーマチュア23dが配設されている。
【0037】
ストッパ24は、スピル弁体23の摺動を規制するものである。ストッパ24は、右側端面に当接面24aを有し、ハウジング21のスピル弁孔21dに固定可能な略円柱状に形成される。ストッパ24は、ハウジング21のスピル弁孔21dに左側から挿入される。これにより、ストッパ24は、スピル弁体23が左側方に摺動されたとき、スピル弁体23の左側端が当接面24aに当たるよう構成される。これにより、ストッパ24は、スピル弁体23の摺動量を規制することが可能となっている。
【0038】
ソレノイド25は、磁力を発生させるものである。ソレノイド25は、吸着面がスピル弁体23に配設されているアーマチュア23dと対向するように、ハウジング21に固定される。ソレノイド25は、図示しない制御装置からの信号を取得することにより磁力を発生して、スピル弁体23に配設されているアーマチュア23dを吸着するように構成される。これにより、ソレノイド25は、図示しない制御装置からの信号に基づいて、スピル弁体23を右側方に摺動させる。
【0039】
以上より、電磁スピル弁20においては、スピル弁ばね23eによってスピル弁体23が左側方に摺動される場合、スピル弁体23のシール面23bがスピル弁孔21dの弁座21hから離間される。その結果、第二燃料供給路21bが、第一拡径部21g介して、第二スピル油排出路21cと連通される。
一方、ソレノイド25によって、スピル弁体23がスピル弁ばね23eの付勢力に抗して右側方に摺動される場合、スピル弁体23のシール面23bがスピル弁孔21dの弁座21hに着座される。その結果、第二燃料供給路21bと第二スピル油排出路21cとの連通が遮断される。
【0040】
図1に示すように、等圧弁部30は、燃料を吐出したり噴射終了後の高圧管継手35内の燃料圧力を所定の値に維持したりするものである。等圧弁部30は、等圧弁本体32と、吐出弁33と、等圧弁34等を具備する。また、等圧弁部30は、高圧管継手35が接続される。
【0041】
等圧弁本体32は、下側端面がハウジング21の上側端面と略同一形状の円柱状に形成される。等圧弁本体32は、下側端面とハウジング21の上側端面とを密着させて、ハウジング21にボルト等で固定される。等圧弁本体32の下部には、吐出弁ばね室32aが上下方向に形成されて、吐出弁室21fと対向配置される。吐出弁ばね室32aは、等圧弁ばね室21a、及び吐出弁室21fと連通される。等圧弁本体32の上部には、高圧管継手35を枢密的に締結可能な円環状のシール面32cが形成される。等圧弁本体32の上下中途部には、吐出口32bが開口される。吐出弁ばね室32aは、吐出口32bを介して外部に連通される。
【0042】
図1及び図5に示すように、吐出弁33は、吐出口32bから燃料を吐出するものである。吐出弁33は、吐出弁体33a及び吐出弁ばね33cから構成される。吐出弁体33aは、略円筒状に形成されて、吐出弁室21fの内周面との間に高圧燃料が通過可能な隙間が生じるように吐出弁室21fに内装される。吐出弁ばね33cは、吐出弁室21fの吐出弁体33aよりも上方に内装される。吐出弁体33aは、下側端面が吐出弁室21fの下側端面に着座するように吐出弁ばね33cによって下方へ付勢されている。また、吐出弁体33aの下部には、下方を開放した凹部が形成される。この凹部内が等圧弁室33dとされる。吐出弁体33aの上部には、等圧弁通路33bが上下方向に形成される。等圧弁通路33bは、下側で等圧弁室33dと連通されるとともに上側で吐出弁ばね室32aと連通される。
【0043】
等圧弁34は、等圧弁通路33bを開閉するものである。等圧弁34は、等圧弁体34a及び等圧弁ばね34bから構成される。等圧弁体34aは、ボールと受部材で構成される。受部材は、等圧弁室33dの内周面との間に燃料が通過可能な隙間が生じるように等圧弁室33dに内装される。ボールは、等圧弁室33dの上面に開口する等圧弁通路33bの開口部に着座するように受部材上に配置される。等圧弁体34aは、受部材の下側端面で等圧弁ばね室21aに内装される等圧弁ばね34bと接し、この等圧弁ばね34bにより上側に付勢される。こうして、等圧弁34は、等圧弁ばね34bの付勢力を用いて等圧弁体34aにより等圧弁室33dと等圧弁通路33bとの連通を遮断する。
【0044】
高圧管継手35は、高圧燃料を図示しない燃料噴射ノズルへ供給するものである。高圧管継手35の一側(吐出口32b側)には、その外周面に連続して下側方へむかって縮径するテーパ状に形成される円環状のシール面35aが形成される。高圧管継手35は、シール面35aを等圧弁本体32のシール面32cに密接するように押圧されて等圧弁本体32に取り付けられる。高圧管継手35の内部には、燃料供給路35bが形成される。燃料供給路35bは、吐出口32bに連通される。
【0045】
本発明に係る燃料噴射ポンプ1は、タペットがエンジンに具備されるPF形燃料噴射ポンプであるが、これに限定されるものではない。例えば、燃料噴射ポンプ本体部にタペットを具備するPFR形燃料噴射ポンプでもよい。
【0046】
次に、図6を用いて、燃料噴射ポンプ1における電磁スピル弁20の動作態様について説明する。
【0047】
燃料は、図示しない低圧ポンプによってポンプ本体上部11の燃料供給ポート11dを介して燃料給排室11cに送給される。燃料給排室11c内に送給された燃料は、プランジャ13が下降したときにバレル12の第一スピル油排出路12cを介して加圧室16に送給される。加圧室16内の燃料は、図示しないカムの回転に従って上方向に摺動されるプランジャ13によって加圧され、加圧室16、第一燃料供給路12b、ハウジング21の第二燃料供給路21bの順に送給される。
【0048】
燃料噴射ポンプ1が燃料を吐出する場合、図6(a)に示すように、図示しない制御装置からの信号に基づいて電磁スピル弁20のソレノイド25が励磁される。電磁スピル弁20のスピル弁体23は、ソレノイド25の吸着力によって右側方(白矢印方向)に摺動される。そして、スピル弁体23のシール面23bがスピル弁孔21dの弁座21hに着座される。この結果、ハウジング21の第二燃料供給路21bと第二スピル油排出路21cとの連通が遮断されて、第二燃料供給路21b内の燃料圧力が第二スピル油排出路21cを通じて放圧されずに維持される。つまり、加圧された燃料は、黒矢印方向に流れて、加圧室16内(図1参照)、第一燃料供給路12b内、第二燃料供給路21b内、及び等圧弁ばね室21a内に満たされた状態となる。
【0049】
等圧弁ばね室21a内の燃料圧力によって、吐出弁33の吐出弁体33a(等圧弁34の等圧弁体34a)に加わる力が、吐出弁体33aを下方に付勢している吐出弁ばね33cの付勢力より大きくなると、吐出弁体33aが上方に移動して吐出弁室21fの下側端面から離間して、吐出弁33が開弁する。ここで、等圧弁34は閉弁している。この結果、加圧された燃料が等圧弁ばね室21aから吐出弁ばね室32aへ流れ、この吐出弁ばね室32aから吐出口32bを介して高圧管継手35の燃料供給路35bに吐出される(図1参照)。
【0050】
こうして、等圧弁ばね室21a内の燃料圧力が放圧されると、吐出弁体33aを下方へ付勢している吐出弁ばね33cの付勢力によって吐出弁体33aが下方に移動して吐出弁33が閉弁する。その結果、燃料が吐出弁ばね室32aから吐出口32bを介して燃料供給路35bへ吐出されなくなる。この際、吐出弁33よりも下流に位置する燃料供給路35bと図示しない燃料噴射ノズルとの間にわたって残留している燃料圧力に脈動が発生する。発生した燃料圧力の脈動によって等圧弁体34aに加わる力が、等圧弁体34aを上側(吐出口32b側)方向に付勢している等圧弁ばね34bの付勢力より大きいとき、等圧弁体34aが下側(反吐出口32b側)方向に移動して等圧弁34が開弁する。これにより脈動により昇圧した燃料圧力が放圧され、所定の値まで降圧される。
【0051】
燃料噴射ポンプ1が燃料の吐出を停止する場合、図6(b)に示すように、図示しない制御装置からの信号に基づいて電磁スピル弁20のソレノイド25が消磁される。電磁スピル弁20のスピル弁体23は、スピル弁ばね23eの付勢力によって、スピル弁体23がストッパ24の当接面24aに当接するまで左側方(白矢印方向)に摺動される。そして、スピル弁体23のシール面23bがスピル弁孔21dの弁座21hから離間される。この結果、ハウジング21の第二燃料供給路21bと第二スピル油排出路21cとが連通されて、第二燃料供給路21b内の燃料圧力が第二スピル油排出路21cを通じて放圧される。つまり、燃料は、第二燃料供給路21bから第一拡径部21g内、第二スピル油排出路21cの順に黒矢印方向に流れ、第一スピル油排出路12cを経て燃料給排室11cに排出される。
【0052】
以下では、図7を用いて、本発明に係る燃料噴射ポンプの他の実施形態である燃料噴射ポンプ2について説明する。燃料噴射ポンプ2は、電磁スピル弁を具備していない点で燃料噴射ポンプ1と相違する。なお、以下の実施形態において、既に説明した第一実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0053】
燃料噴射ポンプ2は、主にポンプ本体部10と、等圧弁部30とから構成される。
【0054】
ポンプ本体部10は、燃料噴射ポンプ2を構成する主な構造体である。ポンプ本体部10は、主にポンプ本体上部11と、バレル12と、プランジャ13と、プランジャばね14と、タペット15と、デフレクタ19・19と、図示しないカム等を具備する。
【0055】
ポンプ本体上部11は、ポンプ本体部10を構成する主な構造体である。ポンプ本体上部11には、一対のデフレクタ19・19が燃料給排室11cからバレル12に向かって配置される。
【0056】
バレル12は、プランジャ13を摺動自在に内装するものである。バレル12は、他側端面とプランジャ孔12aとが第一燃料供給路12bによって連通され、他側端面の第一燃料供給路12bを中心とする位置に等圧弁ばね室12hが形成される。また、バレル12は、燃料給排室11cとプランジャ孔12aとが連通するように燃料給排孔12g・12gが形成される。各燃料給排孔12gはプランジャ孔12aに向けて縮径するように形成される。
【0057】
プランジャ13は、燃料を加圧するものである。プランジャ13は、燃料の噴射量を決定するリード13aが形成される。
【0058】
デフレクタ19は、排出される高速、高圧の燃料を衝突させるものであり、略円柱状に形成される。一対のデフレクタ19・19は、一側端面が燃料給排室11c内において各燃料給排孔12gと対向するようにポンプ本体上部11に螺合される。
【0059】
等圧弁部30は、燃料の吐出および噴射終了後の燃料圧力を所定の値に維持するものである。等圧弁部30は、等圧弁本体32と、吐出弁33と、等圧弁34等を具備する。また、等圧弁部30は、高圧管継手35が接続される。
【0060】
等圧弁本体32は、等圧弁ばね室12hと重複する位置に吐出弁ばね室32aが等圧弁ばね室12hの内径より大きい内径で形成され、吐出口32bによって外部と連通される。
【0061】
このような構成により、燃料噴射ポンプ1が燃料を吐出する場合、燃料は、燃料給排室11cを介して加圧室16に送給される。加圧室16および第一燃料供給路12b内の燃料は、プランジャ13が図示しないカムによって他側方向に移動されると、プランジャ13が燃料給排孔12gを遮蔽する位置に到達するまで燃料給排孔12gから排出され、プランジャ13が燃料給排孔12gを遮蔽すると高圧に加圧される。高圧燃料は、吐出弁33を通過して吐出口32bから高圧管燃料供給路35bへ吐出される。
【0062】
燃料噴射ポンプ1が燃料の吐出を停止する場合、図示しないカムによってプランジャ13が他側方向にさらに移動されリード13aが燃料給排孔12gに到達すると、加圧室16内の高圧燃料は、リード13aを通じて燃料給排孔12gから排出される。この際、燃料給排孔12gから排出される燃料は、各デフレクタ19によって整流される。燃料圧力の放圧により吐出弁体33aが閉弁する。その結果、高圧燃料は、吐出弁体33aを通過して吐出口32bから高圧管燃料供給路35bへ吐出されない。
【0063】
次に、図8を用いて、燃料噴射ポンプ1又は燃料噴射ポンプ2におけるダンパーリング17の動作態様について説明する。
【0064】
燃料の吐出及び電磁スピル弁20のスピル等による噴出の停止に伴って燃料給排室11cに燃料が排出されると、燃料給排室11c内の圧力が上昇する。上昇した圧力は、ポンプ本体上部11とバレル12との隙間を通じてダンパーリング17に伝達される。
【0065】
ダンパーリング17の第二ダンパーリング17bに圧力が加わると、第二ダンパーリング17bの第二リング案内面17dが第一ダンパーリング17aの第一リング案内面17cに押圧される(図8(b)黒矢印参照)。これにより、第二ダンパーリング17bは、第一ダンパーリング17aの第一リング案内面17cの上をすべり、下方向及びバレル保持孔11bの内周面(径方向)に向かって移動される。つまり、第二ダンパーリング17bは、第一ダンパーリング17aとの接触によって切断面17e同士が離間して径方向に押し広げられる。一方、第一ダンパーリング17aは、第二ダンパーリング17bからの反力によって切断面17e同士が密接してダンパーリング溝12eの内径に向かって押圧される。つまり、第一ダンパーリング17aは、第二ダンパーリング17bとの接触によって径方向に押し縮められる。
【0066】
第二ダンパーリング17bは、その外径部分がバレル保持孔11bの内周面に密着するまで押し広げられる(図8(b)白矢印参照)。同様に、第一ダンパーリング17aは、その内径部分がダンパーリング溝12eの内径に押し縮められる(図8(b)白矢印参照)。つまり、燃料給排室11cとOリング溝12fとを連通しているポンプ本体上部11とバレル12との隙間が第一ダンパーリング17aと第二ダンパーリング17bとによって遮断される。こうして、燃料給排室11c内の圧力上昇は、ダンパーリング17によって遮断されてOリング18まで伝達されない。
【0067】
以上の如く、本発明に係る燃料噴射ポンプの第一実施形態である燃料噴射ポンプ1は、ポンプ本体上部11に形成されるバレル保持孔11bの内周面とバレル保持孔11bに挿入されるバレル12の外周面との間にシール部材であるOリング18とダンパーリング17とが装着される燃料噴射ポンプ1において、ダンパーリング17は、ダンパーリング17の中心軸Mに沿った断面視で中心軸Mに対して傾斜した案内面(第一リング案内面17c、第二リング案内面17d)とが形成されるものである。
このように構成することで、上昇した圧力がダンパーリング17を押圧すると案内面(第一リング案内面17c、第二リング案内面17d)によってダンパーリング17がバレル保持孔11bに接するまで押し広げられる。この結果、ポンプ本体上部11、バレル12及びダンパーリング17の加工精度に影響されることなく圧力の伝達経路を遮断することができる。
【0068】
また、ダンパーリング17は、第一ダンパーリング17aと第二ダンパーリング17bとから構成され、第一ダンパーリング17aの第一リング案内面17cと第二ダンパーリング17bの第二リング案内面17dとが接するようにして装着されるものである。
このように構成することで、第一ダンパーリング17aと第二ダンパーリング17bとに伝達された圧力によって第二ダンパーリング17bがバレル保持孔11bに接するまで押し広げられる。この結果、ポンプ本体上部11、バレル12及びダンパーリング17の加工精度に影響されることなく圧力の伝達経路を遮断することができる。
【0069】
以下では、図9及び図10を用いて、本発明に係る燃料噴射ポンプの第二実施形態である燃料噴射ポンプ3について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した第一実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。また、本実施形態において、燃料噴射ポンプは、電磁スピル弁を具備しているものに限られない。
【0070】
ポンプ本体部10は、ポンプ本体上部11と、バレル42と、プランジャ13と、プランジャばね14(図1参照)と、タペット15(図1参照)と、ダンパーリング47と、Oリング18と、図示しないカム等とから構成される。
【0071】
バレル42は、バレル42の外周面には、円環状にダンパーリング溝42eが形成される。ダンパーリング溝42eは、燃料給排室11cの下方に形成される。また、ダンパーリング溝42eの下方には、Oリング溝42fが形成される。ダンパーリング溝42eは、下方のOリング溝42fに向かってその直径が拡大するように形成される。つまり、本実施形態において、ダンパーリング溝42eには、バレル42の外径に向かって下り勾配となるバレル案内面42gが形成される。なお、ダンパーリング溝42eの位置は、燃料給排室11cの下方に限定されるものではない。
【0072】
ダンパーリング47は、ポンプ本体上部11とバレル42との隙間の圧力伝達経路を遮断するものである。ダンパーリング47は、フッ素樹脂等を円環状に形成したものである。ダンパーリング47には、内径から外径に向かって下り勾配となるリング案内面47aが内径側に形成される。ダンパーリング47は、その途中部が切断されて周方向に傾斜した図示しない切断面が形成される。
【0073】
ダンパーリング47は、リング案内面47aをバレル案内面42gと対向させてダンパーリング溝42eに装着される。つまり、ダンパーリング47は、リング案内面47aとバレル案内面42gとを接触させた状態でダンパーリング溝42eに装着される。ダンパーリング47は、バレル42に装着された状態でポンプ本体上部11のバレル保持孔11bに挿入される。
【0074】
次に、図10を用いて、燃料噴射ポンプ1におけるダンパーリング47の動作態様について説明する。
【0075】
燃料の吐出及び噴出の停止に伴って燃料給排室11cに燃料が排出されると、燃料給排室11c内の圧力が上昇する。上昇した圧力は、ポンプ本体上部11とバレル42との隙間を通じてダンパーリング47に伝達される。
【0076】
図10(b)に示すように、ダンパーリング47に圧力が加わると、ダンパーリング47のリング案内面47aがダンパーリング溝42eのバレル案内面42gに押圧される(図10(b)黒矢印参照)。これにより、ダンパーリング47は、バレル案内面42gの上をすべり、下方向及びバレル保持孔11bの内周面(径方向)に向かって移動される。つまり、ダンパーリング47は、バレル案内面42gとの接触によって図示しないダンパーリング47の切断面同士が離間して径方向に押し広げられる。
【0077】
ダンパーリング47は、その外径部分がバレル保持孔11bの内周面に密着するまで押し広げられる(図10(b)白矢印参照)。つまり、燃料給排室11cとOリング溝42fとを連通しているポンプ本体上部11とバレル12との隙間との隙間がダンパーリング47によって遮断される。こうして、燃料給排室11c内の圧力上昇は、ダンパーリング47によって遮断されてOリング18まで伝達されない。
【0078】
以上の如く、バレル42は、シール部材であるOリング18に向かって直径が拡大するように構成されるバレル案内面42gが形成され、ダンパーリング47は、リング案内面47aとバレル案内面42gとが接するようにして装着されるものである。
このように構成することで、ダンパーリング47のリング案内面47aに接触させる部品を別途装着する必要がない。この結果、部品点数を増やすことなく圧力の伝達経路を遮断することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 燃料噴射ポンプ
11 ポンプ本体上部
11b バレル保持孔
12 バレル
17 ダンパーリング
17c 第一リング案内面
17d 第二リング案内面
18 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ本体に形成されるバレル保持孔の内周面と前記バレル保持孔に挿入されるバレルの外周面との間にシール部材とダンパーリングとが装着される燃料噴射ポンプにおいて、
前記ダンパーリングは、
前記ダンパーリングの中心軸に沿った断面視で前記中心軸に対して傾斜したリング案内面が形成される燃料噴射ポンプ。
【請求項2】
前記ダンパーリングは、
第一ダンパーリングと第二ダンパーリングとから構成され、前記第一ダンパーリングのリング案内面と前記第二ダンパーリングのリング案内面とが接するようにして装着される請求項1に記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項3】
前記バレルは、
前記シール部材に向かって直径が拡大するように構成されるバレル案内面が形成され、
前記ダンパーリングは、
前記リング案内面と前記バレル案内面とが接するようにして装着される請求項1に記載の燃料噴射ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−50053(P2013−50053A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187520(P2011−187520)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】