説明

燃料消費節約型車両制御装置

【課題】アイドルストップ要求時の燃料カットにより、エンジン慣性回転中に再始動要求または発進要求が発生した場合、燃焼噴射の再開で始動する動作とスタータ駆動の動作が重複し、リングギアおよびピニオンギアの磨耗,耐久性に問題が発生する可能性がある。また、衝突トルクが大きくなるため、リングギアとピニオンギアとの衝突音及び連結した瞬間に発生する噛み込み音が発生する可能性がある。
【解決手段】本発明はアイドルストップ機能を有する車両の制御装置において、アイドルストップ要求時の燃料カットにより、エンジン慣性回転中に再始動要求または発進要求が発生したエンジン燃焼復帰機能により燃焼復帰を実行した後のエンジン回転挙動もしくは、チェンジオブマインド発生時のエンジン状態などに基づき、スタータ駆動の方法を変えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの自動停止と再始動を行う制御装置にかかる。
【背景技術】
【0002】
エネルギ資源の節約と環境保全のために、自動車を運転中にエンジンの一時停止が許容される所定条件が成立したとき、エンジンに供給する燃料を遮断することによりアイドルリングを自動的にストップさせること(アイドルストップ)が考えられており、すでに一部の自動車において実施されている。
【0003】
このアイドルストップに対応した自動車において、前述の所条件が成立したときに発生するアイドルストップ要求により、エンジンに供給する燃料を遮断した後からエンジンのクランク軸が回転停止するまでのエンジン慣性回転期間中に、エンジンを再始動する要求(再始動要求又はチェンジオブマインド要求)が発生したとき、できるだけ速やかにエンジンを再始動することが求められる。
【0004】
この要求を満たす技術としては、アイドルストップ要求発生直後のエンジン慣性回転期間中に再始動要求が発生した場合、遮断した燃料をエンジンへ再度供給することで、エンジンの燃焼を再開させ、再始動する方法が存在する。但し、この燃焼による再始動は、エンジン状態(例えば、エンジン慣性回転期間中に再始動要求が発生した時点の空気充填率など)によっては、燃焼が良好に行えず、再始動が困難となる場合もある。
【0005】
そこで、エンジン慣性回転期間中に再始動要求が発生したときに、スタータモータを調速通電し、スタータモータと同軸上に備わるピニオンの回転速度がエンジンに備わるリングギアの回転速度と同期した時点で、ピニオンをリングギアに噛み込ませ、スタータ駆動によるエンジンの再始動を行う技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4214401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
燃焼による再始動が実行されている状態にも関わらず、燃焼が良好に行われない場合には、エンジンの回転挙動がスタータによるアシストを必要とする領域まで低下し、スタータを駆動することによる再始動制御が実行され、燃焼による再始動とスタータ駆動による再始動の動作が重複する。この場合、エンジン回転の角加速度方向とピニオン回転の角速度方向が異なる状態で、ピニオンギアがエンジン側のリングギアに衝突し、衝突トルクが大きくなることで、連結時のリングギアおよびピニオンギアの磨耗,耐久性が低下すると云う課題がある。また、衝突トルクが大きくなるため、リングギアとピニオンギアとの衝突音及び連結した瞬間に発生する噛み込み音が大きくなると云う課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明はアイドルストップ機能を有する車両の制御装置において、チェンジオブマインド要求がある場合、エンジン燃焼復帰機能により燃焼復帰を実行した後のエンジン回転挙動もしくは、チェンジオブマインド発生時のエンジン状態などに基づき、スタータ駆動の方法を変えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アイドルストップを行う構成において、チェンジオブマインド要求発生後にエンジンの再始動を円滑に行うことができる。また、スタータシステムの耐久性,耐摩耗性、及び静粛性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】アイドルストップシステムの機能構成図。
【図2】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図3】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図4】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図5】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図6】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図7】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図8】本発明にかかる一実施例のフローチャート。
【図9】本発明にかかる一実施例のフローチャート1。
【図10】本発明にかかる一実施例のフローチャート2。
【図11】本発明にかかる一実施例のスタータ動作のタイミングチャート1。
【図12】本発明にかかる一実施例のスタータ動作のタイミングチャート2。
【図13】本発明にかかる一実施例のスタータ動作のタイミングチャート3。
【図14】本発明にかかる一実施例のスタータ動作のタイミングチャート4。
【図15】本発明にかかる一実施例のスタータ動作のタイミングチャート5。
【図16】本発明にかかる一実施例のスタータ動作のタイミングチャート6。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を説明する
【実施例1】
【0012】
図1は、アイドルストップシステムの機能構成図である。
【0013】
スタータ本体101は、スタータモータ101a,マグネットスイッチ101b,シフトレバー101c,ピニオンクラッチ101d,ピニオンギア101eなどにより構成されている。スタータモータ101aとマグネットスイッチ101bとは、ECU103(Engine Control Unit)からの出力に基づき、それぞれ独立した電源リレー(スタータモータリレー104,ピニオンリレー105)を制御することで駆動する。スタータモータ101aとピニオンギア101eは同軸上に連結されており、スタータモータ101aが回転するとピニオンギア101eも回転する。マグネットスイッチ101bに通電を行うと、シフトレバー101cが押し出され、ピニオンギア101eがエンジンに備わるリングギア106と連結される。リングギア106は、図示しないエンジンのクランク軸に同期して回転する。また、ECU103は図示していないが通常の燃料噴射,点火,吸入空気量制御(電子制御スロットル等)に加え、ブレーキSW,車速センサ等の各種センサ情報より、アイドルストップ許可判定ブロック103aにてアイドルストップ許可判定を実行する。アイドルストップ許可判定結果に応じて、燃料噴射制御ブロック103cにて燃料カット制御が行われる。アイドルストップ許可判定が行われてからエンジンのクランク軸が停止するまでの間に始動要求がなされる、いわゆるチェンジオブマインド要求があった場合、エンジン燃焼復帰機能103dにより、燃料噴射の再開を含む燃焼復帰に向けた各種制御が実行される。また、スタータ制御ブロック103bでは、スタータモータリレー104,ピニオンリレー105の制御が実行される。
【0014】
図2は本発明にかかる位置実施例である。この制御は定時間隔で実行される(例えば10ms毎)。
【0015】
S201で、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はS202に進み、不成立の場合は終了となる。S202では、エンジンを停止させるため、エンジンへ供給する燃料を遮断する燃料カット制御が実行される。燃料カット制御が実行されると、エンジンのクランク軸は、慣性回転の状態となり、摩擦などの抵抗の影響で徐々に回転速度が遅くなり、最終的に停止に至る。S203は、エンジンが慣性回転中に再始動要求(チェンジオブマインド要求)があったか否かの判定を行う。詳しくは、ECU103内で、ブレーキSW,車速センサ等の各種センサ情報から、アイドルストップ許可判定ブロック103aにてアイドルストップ許可判定を実行することで、慣性回転中における再始動要求の有無を判定する。再始動要求がある場合、S204へ進む。条件不成立の場合、S205へ進み、従来のアイドルストップ制御が実行される。尚、図示はしていないが、再始動要求の発生前にエンジンが停止した場合も、S205へ進み、従来のアイドルストップ制御を実行する。S204では、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射の再開を含む燃焼復帰に向けた各種制御が実行される。S206で、燃焼復帰機能が実行された後のエンジン状態を判定する。S207は、S206の判定結果から、スタータ駆動制御の選択を行い、S208で、選択されたスタータ駆動制御を実行する。
【0016】
図3は本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行される(例えば10ms毎)。
【0017】
S301は、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求がある場合、S302へ進み、条件不成立の場合は、S303へ進み、従来のアイドルストップ制御を実行する。尚、図示はしていないが、チェンジオブマインド要求の発生前にエンジンが停止した場合も、S205へ進み、従来のアイドルストップ制御を実行する。S302では、エンジン燃焼復帰機能を実行し、S304では、エンジン状態を把握するため、燃焼復帰可否判定を行う(詳細は後述するため、説明は省略する。)。S305は、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰可能であるか否かの判定を行う。燃焼復帰可能である場合、S306へ進み、以後のスタータ駆動を禁止し、条件不成立の場合、そのまま終了となる。
【0018】
本実施例により、チェンジオブマインド要求がある場合において、燃焼復帰機能による再始動が行えた場合、スタータ駆動を禁止することで、ピニオンギアをリングギアへ連結させない様にし、リングギアとピニオンギアの無駄な衝突を回避する。これにより、リングギアとピニオンギアの衝突音や噛み込み音も発生せず、また、リングギア,ピニオンギアの磨耗も緩和することができる。
【0019】
また、本実施例により以下の課題も解決できる。すなわち、燃料供給を再開し、燃焼による再始動を実行しても、直ちにエンジンの回転速度が上昇する訳でなく、一定期間の経過を待たなければならない。これは、吸気ポートに燃料を噴射するPFIエンジンを例にすると、燃料供給の再開から、最初に燃料噴射を行った気筒において、燃料噴射を行う吸気行程から燃焼トルクを得ることができる膨張行程まで時間を要するためである。当然のことながら、この期間中は、エンジン回転の低下を避けることはできないと云う課題がある。これは直噴型のエンジンにも同様の課題が存在する。
【0020】
このような課題のもとでは、燃焼復帰が可能であっても、燃焼復帰の初期段階でエンジンの回転数が低下することにより、スタータの駆動が行われる領域に入った場合に、スタータを駆動することによる本来不要な騒音や磨耗が生じる虞がある。そこで、本実施例を適用することにより、燃焼復帰可否判定により年少復帰の初期段階でのエンジンの回転数低下を見込んで燃焼復帰の可否を判定することにより、前述の課題を解決することができる。
【0021】
図4は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0022】
S401では、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求があった場合、S402へ進み、条件が不成立の場合は、S403で、従来のアイドルストップ制御を実行する。S402では、エンジン燃焼復帰機能を実行し、S404では、エンジン状態を把握するため、燃焼復帰可否判定を行う(詳細は後述するため、説明は省略する。)。S405は、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難であるか否かの判定を行う。燃焼復帰困難である場合は、S406へ進み、条件不成立の場合、そのまま終了となる。S406では、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Neを読み込み、S407で、S406で読み込んだエンジン回転数Neとスタータ駆動許可回転数STJDGの比較を行う。エンジン回転数Neがスタータ駆動許可回転数STJDG未満の場合、S408へ進み、条件不成立の場合は、S406へ戻り、S407の条件が成立するまで、エンジン回転数Neの更新を行う。S408は、スタータモータの通電をONにすることで、ピニオンギアを回転させ、S409は、マグネットスイッチの通電をONにすることで、ピニオンギアがエンジンに備わるリングギアと連結され、スタータ駆動による再始動が行える。本発明により、燃焼による再始動が困難な場合、スタータ駆動による再始動が実行されるため、エンストさせることなく再始動を行うことができ、再始動時間の短縮効果を得ることができ、円滑な再始動を行うことができる。尚、本フローチャートでは、スタータモータの通電ONタイミング(S408)及びマグネットスイッチ通電ONタイミング(S409)を、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Neとスタータ駆動許可回転数STJDGで比較する方法を用いて説明したが、特にこの方法に限定する必要はなく、例えば、所定時間経過後にスタータモータ及びマグネットスイッチの通電をONする方法などを用いても良い。
【0023】
図5は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0024】
S501は、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求があった場合、S502へ進み、条件が不成立の場合は、S503で、従来のアイドルストップ制御を実行する。S502では、エンジン燃焼復帰機能を実行し、S504では、エンジン状態を把握するため、燃焼復帰可否判定を行う(詳細は後述するため、説明は省略する。)。S505は、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難であるか否かの判定を行う。燃焼復帰困難である場合は、S506へ進み、条件不成立の場合、そのまま終了となる。S506は、スタータモータの通電をONすることで、スタータモータと同軸上に備わるピニオンギアを回転させる。S507は、スタータモータ通電時間TIMCOUNTを定時間隔(特に規定はしないが、ここでは、10ms毎を想定している。)でインクリメントし、S508は、スタータモータの通電時間TIMCOUNTが予め設定されたもしくは、所定の演算により算出された要求通電時間RQTIM以上であるかを判定する。条件が成立した場合は、S509へ進み、S508の条件が不成立の場合はS506へ戻り、S508の条件が成立するまで、スタータモータの通電ONを継続する。S509では、スタータモータの通電をOFFすることで、ピニオンギアは慣性回転の状態となり、徐々にピニオン回転数が低下する。S510では、慣性回転中のピニオン回転数Npを読み込み、S511でエンジン回転数Neを読み込む。S512は、ピニオン回転数Npとエンジン回転数Neが一致した場合、もしくは、ピニオン回転数Npとエンジン回転数Neの差がスタータ駆動許可回転数STJDG以下であるか否かを判定する。条件が成立した場合、S513へ進み、条件不成立の場合、S510へ戻り、S511の条件が成立するまで、ピニオン回転数Np及びエンジン回転数Neの更新を行う。S513では、マグネットスイッチの通電をONし、ピニオンギアとリングギアを連結させ、S514で、スタータモータの通電をONし、スタータ駆動による再始動を行う。本発明により、エンジン回転数とピニオン回転数の差が少ない状態でピニオンギアとリングギアを連結し、再始動を行うことができ、ピニオンギアとリングギアが連結する際の衝突トルクが緩和され、衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンギアの磨耗が緩和できる。尚、本フローチャートでは、ピニオンギアとリングギアを連結させる前に、ピニオン回転挙動をエンジン回転挙動と同期させる目的で、スタータモータの通電を所定期間ONするステップが存在するが(図内515の破線内)、この515内のステップについては、必ずこのタイミングで行う必要はなく、例えば、S501のステップ以前に515内のステップが実行されていても構わない。
【0025】
図6は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0026】
S601は、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求があった場合、S602へ進み、条件が不成立の場合は、S603で、従来のアイドルストップ制御を実行する。S602では、エンジン燃焼復帰機能を実行し、S604では、エンジン状態を把握するため、燃焼復帰可否判定を行う(詳細は後述するため、説明は省略する。)。S605は、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難であるか否かの判定を行う。燃焼復帰困難である場合は、S606へ進み、条件不成立の場合、そのまま終了となる。S606は、スタータモータの通電をONすることで、スタータモータと同軸上に備わるピニオンギアを回転させる。S607は、スタータモータ通電時間TIMCOUNTを定時間隔(特に規定はしないが、ここでは、10ms毎を想定している。)でインクリメントし、S608は、スタータモータの通電時間TIMCOUNTが予め設定されたもしくは、所定の演算により算出された要求通電時間RQTIM以上であるかを判定する。条件が成立した場合は、S609へ進み、S608の条件が不成立の場合はS606へ戻り、S608の条件が成立するまで、スタータモータの通電ONを継続する。S609では、スタータモータの通電をOFFすることで、ピニオンギアは慣性回転の状態となり、徐々にピニオン回転数が低下する。その後、S610へ進み、慣性回転中のピニオン回転数Npを読み込み、S611でエンジン回転数Neを読み込む。S612では、エンジン回転角加速度△Neを計算する。ここでは簡易的に10degCA前のエンジン回転数Neと現在のエンジン回転数Neの差を用いて角加速度を演算している。S613では、ピニオン回転角加速度△Npを計算する。尚、この演算方法もS612同様に簡易的に算出している。その後、S614にて、ピニオン角加速度方向を判定する。△Npがゼロより小さければS615に進み、マイナス加速度判定と判定しピニオン加速度方向判定フラグFDNPを1とする。また、△Npがゼロより大きければ、S616に進み、プラス加速度と判定しピニオン加速度方向判定フラグFDNPを0とする。S617は、エンジン角加速度方向を判定する。△Neが0より小さければS618に進み、マイナス加速度判定と判定しエンジン加速度方向判定フラグFDNEを1とする。また、△Neがゼロより大きければ、S619に進み、プラス加速度と判定しエンジン加速度方向判定フラグFDNEを0とする。S620では、エンジン回転角加速度△Neとピニオン回転角加速度△Npの角速度差ΔNPNEを算出する。S621にて、エンジン角加速方向フラグとピニオン角加速度方向フラグのANDをとり1の場合、もしくは、エンジン回転角加速度△Neとピニオン回転角加速度△Npの差ΔNPNEがスタータ駆動許可回転数STJDG以下の場合、S622へ進み、条件不成立の場合は、そのまま終了となる。S622では、マグネットスイッチをONさせ、ピニオンギアをリングギアと連結させ、S623で、スタータモータをONし、スタータモータが回転することで、リングギアと連結したリングギアも回転するため、再始動を行うことができる。尚、S621で、エンジンとピニオンギアが同一角加速度方向かを確認する目的について説明すると、エンジンは吸入・圧縮・膨張・排気を繰り返すことから、燃料カット後の慣性回転中であっても筒内の充填空気量により、角加速度方向がクランクタイミングによって変化する特性を持つため、エンジン角加速度方向とピニオン角加速度方向が一致している事を判定している。本発明により、エンジン角加速度とピニオン角加速度の方向が同じときもしくは、エンジン角加速度とピニオン角加速度差が所定値以下のときに、ピニオンギアとリングギアを連結し、再始動を行うことができ、ピニオンギアとリングギアが連結する際の衝突トルクが緩和され、衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンギアの磨耗が緩和できる。尚、本フローチャートでは、S606からS609にて、ピニオン回転挙動をエンジン回転挙動と同期させる目的で、スタータモータの通電を所定期間ONするステップが存在するが、このステップは、必ず図内のタイミングで行う必要はなく、例えば、S601のステップ以前に実行しても良い。
【0027】
図7は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0028】
S701は、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求があった場合、S702へ進み、条件が不成立の場合は、図示はしていないが、従来のアイドルストップ制御を実行し、終了する。S702は、チェンジオブマインド発生時のエンジン回転数Ne2を読み込み、S703で、エンジン燃焼復帰機能を実行する。その後、S704で、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Ne3を読み込む(尚、エンジン回転数Ne3の読み込みタイミングは、燃料噴射を最初に再開した気筒のクランクアングルが、膨張行程以降のタイミングを想定している。)。S705は、燃焼復帰可否判定を行うが、ここでは、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Ne3が、燃焼復帰判定基準値NeJDG以上の場合、もしくは、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Ne3が、チェンジオブマインド発生時のエンジン回転数Ne2から第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2以上の上昇した場合、S706へ進み、判定結果を燃焼復帰可能とする。S705の条件が不成立の場合、S707へ進み、判定結果を燃焼復帰困難とする。尚、S705からS707のステップを燃焼復帰可否判定部(708)に該当する。本発明により、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数に基づき、燃焼復帰可否判定を行うことができる。
【0029】
図8は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0030】
S801は、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求があった場合、S702へ進み、条件が不成立の場合は、図示はしていないが、従来のアイドルストップ制御を実行し、終了する。S702では、エンジン燃焼復帰機能を実行し、S803では、エンジン燃焼復帰機能が実行された後のエンジン状態を把握するが、本発明では、前記筒内圧検出手段もしくは、気筒内の燃焼発生検出手段を備えており、具体的な検出手段として、筒内圧は筒内圧センサを用いることで検出することができ、燃焼発生の有無は、イオン電流検出センサにより、燃焼時に発生するイオン電流を検出すれば良い。また、燃焼の発生有無を検出する気筒は、エンジン燃焼復帰機能によって、最初に燃料噴射が行われた気筒を想定している。S804では、S803で検出した情報に基づき、燃焼復帰可否判定結果を行う。筒内圧が所定圧以上である場合、もしくは、燃焼の発生がある場合は、S805へ進み、条件不成立の場合、S806へ進む。S805では、判定結果を燃焼可能と判定し、S806では、判定結果を燃焼復帰困難とする。本発明により、燃料噴射が再開した後の筒内圧もしくは、燃焼の発生有無に基づき、燃焼復帰可否を判定することができる。
【0031】
図9は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0032】
これまでの実施例における車両制御装置は、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン状態に応じて、スタータ駆動制御を変える特徴を持っているが、本実施例の車両制御装置は、チェンジオブマインド要求があった時点のエンジン回転数もしくは、チェンジオブマインド要求があるまでのエンジンの減速度(負の加速度)に基づき、燃焼復帰可否判定を行うことを特徴としている。まず、チェンジオブマインド要求があった時点のエンジン回転数に基づいた実施例を説明すると、S901は、チェンジオブマインド要求の有無について、判定を行うが、これは、図2におけるアイドルストップ許可判定が成立後(S201)、燃料カット制御を実行(S202)し、エンジンが慣性回転中に、再始動(発進)要求があったか否かの判定(S203)を行うことと等価であることを指す。チェンジオブマインド要求があった場合、S902へ進み、条件が不成立の場合は、図示はしていないが、従来のアイドルストップ制御を実行し、終了する。S902は、チェンジオブマインド要求があった時点のエンジン回転数Ne2を読み込み、S903は、チェンジオブマインド要求があった時点のエンジン回転数Ne2と燃焼復帰判定基準値NeJDGを比較する。尚、燃焼復帰判定基準値NeJDGは、予めECU(図1内103)に所定値を設定しておいても良いし、所定演算から算出しても構わないが、ここでは、チェンジオブマインド要求が発生し、燃料噴射を再開することで再始動が行える最も低いエンジン回転数を適合により決定し、予め設定したことを想定している。チェンジオブマインド要求があった時点のエンジン回転数Ne2が、燃焼復帰判定基準値NeJDG以上の場合、S904へ進み、判定結果を燃焼復帰可能とする。条件不成立の場合、S905へ進み、判定結果を燃焼復帰困難とする。その後、S906で、燃焼復帰可否判定の結果が燃焼復帰困難となったか否かの判定を行う。条件成立の場合、S907へ進み、条件不成立の場合は、S916へ進み、エンジン燃焼復帰機能を実行し、S917でスタータ駆動を禁止する。S907は、スタータモータの通電をONすることで、スタータモータと同軸上に備わるピニオンギアを回転させる。S908は、スタータモータ通電時間TIMCOUNTを定時間隔(特に規定はしないが、ここでは、10ms毎を想定している。)でインクリメントし、S909は、スタータモータの通電時間TIMCOUNTが予め設定されたもしくは、所定の演算により算出された要求通電時間RQTIM以上であるかを判定する。条件が成立した場合は、S610へ進み、S609の条件が不成立の場合はS907へ戻り、S609の条件が成立するまで、スタータモータの通電ONを継続する。S610では、スタータモータの通電をOFFすることで、ピニオンギアは慣性回転の状態となり、徐々にピニオン回転数が低下する。S911は、ピニオン回転数Npを読み込み、S912にて、エンジン回転数Neを読み込む。S913は、ピニオン回転数Npとエンジン回転数Neが一致した場合、もしくは、ピニオン回転数Npとエンジン回転数Neの差がスタータ駆動許可回転数STJDG以下であるか否かを判定する。条件が成立した場合、S914へ進み、条件不成立の場合、S911へ戻り、S913の条件が成立するまで、ピニオン回転数Np及びエンジン回転数Neの更新を行う。S914では、マグネットスイッチの通電をONし、ピニオンギアとリングギアを連結させ、S915は、スタータモータの通電をONにすることで、スタータモータが回転することで、リングギアと連結したリングギアも回転するため、再始動を行うことができる。本発明により、チェンジオブマインド要求がある場合において、燃焼復帰機能による再始動が行えた場合、スタータ駆動を禁止することで、ピニオンギアをリングギアへ連結させない様にし、リングギアとピニオンギアの無駄な衝突を回避する。これにより、リングギアとピニオンギアの衝突音や噛み込み音も発生せず、また、リングギア,ピニオンギアの磨耗も緩和することができる。また、チェンジオブマインド要求がある場合において、燃焼復帰が困難な場合、エンジン回転数とピニオン回転数の差が少ない状態でピニオンギアとリングギアを連結し、再始動を行うことができ、ピニオンギアとリングギアが連結する際の衝突トルクが緩和され、衝突音,噛み込み音が低減されると共にリングギア,ピニオンギアの磨耗が緩和できる。尚、本フローチャートでは、ピニオンギアとリングギアを連結させる前に、ピニオン回転挙動をエンジン回転挙動と同期させる目的で、スタータモータの通電を所定期間ONするステップが存在するが(図内919の破線内)、この919内のステップについては、必ずこのタイミングで行う必要はなく、例えば、S601のステップ以前に919内のステップを実行しても良い。また、本発明のスタータ駆動方法は、この限りではない。
【0033】
図10は、本発明にかかる一実施例のフローチャートである。本フローは定時間隔で実行(例えば10ms)される。
【0034】
図9では、チェンジオブマインド要求があった時点のエンジン回転数に基づく方法を用いた実施例を説明したが、本図では、チェンジオブマインド要求があるまでのエンジン減速度に基づいた車両制御装置について説明する。
【0035】
S1001は、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判断する。アイドルストップ許可判定が成立した場合はS1002に進み、不成立の場合は終了となる。S1002で、タイマカウンタTIMCOUNTをクリアするが、これは、アイドルストップ許可判定が非成立から成立した時点でのみ、実行する。その後、S1003で、燃料カット制御を実行し、S1004では、燃料カット開始時のエンジン回転数Ne4を読み込む。S1005ではタイマカウンタTIMCOUNTを定時間隔(ここでは10ms毎を想定)にて、インクリメントする。次にS1006へ進み、チェンジオブマインド要求があったか否かの判定を行う。チェンジオブマインド要求があった場合、S1007へ進む。条件不成立の場合、S1008へ進み、従来のアイドルストップ制御を実行する。S1007では、チェンジオブマインド発生時のエンジン回転数Ne2を読み込み、S1009で、エンジン回転の減速度ΔNeを算出する。尚、ここでは燃料カット開始時のエンジン回転数Ne4とチェンジオブマインドが発生した時点のエンジン回転数Ne2における差をタイマカウンタTIMCOUNTで除算し、減速度の傾きを求めているが、算出方法については別の方法を用いても良い。S1010は、エンジン回転の減速度ΔNeを用いた燃焼復帰可否判定を行う。エンジン回転の減速度ΔNeが、燃焼復帰判定基準値ΔNeJDG以下の場合、S1011へ進み、判定結果を燃焼復帰可能とし、S1012で、エンジン復帰機能を実行し、S1013にてスタータ駆動を禁止する。S1010の条件が不成立の場合、S1014へ進み、判定結果を燃焼復帰困難とし、S1015にてスタータ駆動制御を実行する。尚、スタータ駆動制御の詳細については、概述のため、説明を省略する。また、S1010における燃焼復帰判定基準値ΔNeJDGは、予めECU(図1内103)に所定値を設定しておいても良いし、所定演算から算出しても構わないが、ここでは、チェンジオブマインド要求が発生し、燃料噴射を再開することで再始動が行える最も急な傾きの減速度を適合により決定し、予め設定したことを想定している。本発明により、チェンジオブマインド要求が発生するまでのエンジン減速度に基づき、燃焼復帰可否判定を行うことができる(詳しくは、エンジンが燃料カットにより慣性回転中している際の減速度が急な傾きを持つ場合、燃焼復帰が困難と判定し、緩やかな傾きの場合は、燃焼復帰可能と判定することができる)。
【0036】
図11以降は、本実施例の動作を模式的に説明する。
【0037】
図11は、本実施例にかかる車両制御装置を用いたタイミングチャートである。1101は、アイドルストップ許可条件フラグであり、図1に記載の各種センサ情報よりアイドルストップの実行可否を判定し、アイドルストップを許可した場合、Highとなり、アイドルストップを禁止する場合は、Lowとなる。1102は、燃料カットフラグであり、燃料カットの実行中は、Highとなり、燃料カット行わない場合はLowとなる。1103は、エンジン回転数を示し、1104は、ピニオン回転数を指す。また、1105はマグネットスイッチの通電状態を指し、1106はスタータモータへの通電状態を指す。1107は、チェンジオブマインド時のエンジン回転数Ne2であり、1108は、燃焼復帰判定基準値NeJDG、1109は、第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2を示す。
【0038】
時系列的に動作の説明を行うと、まず、T1110で、アイドルストップ許可フラグ(1101)がHighとなり、所定のディレイ時間を経て、燃料カットが実行され、燃料カットフラグ(1102)がHighとなる(T1111)。これにより、エンジンは、慣性回転の状態となり、徐々に低下し始める(1103)。T1112では、エンジン慣性回転中において、チェンジオブマインド要求により、アイドルストップ許可フラグ(1101)がLowとなり、T1112から所定のディレイ時間が経過した後、T1113にて、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射など燃焼復帰に必要な制御が実行され、エンジン回転(1103)は、上昇を始める。T1114では、チェンジオブマインド要求の発生により、ピニオン回転挙動とエンジン回転挙動を同期させるための制御が実行され、スタータモータの通電を所定期間(図内では、T1115まで)ONする。また、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射の再開など必要な制御を実行し、エンジン回転数Ne3をT1116時点(尚、T1116のタイミングについては概述のため省略する。)で読み込む。ここで、本発明にかかる一実施例の車両制御装置は、T1116時点のエンジン回転数Ne3が燃焼復帰判定基準値NeJDG(1108)以上の場合、もしくはT1116時点のエンジン回転数Ne3が、チェンジオブマインド要求が発生した時点のエンジン回転数Ne2(1107)から第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2(1109)以上、上昇した場合を燃焼復帰可能と判定し、条件不成立時は、燃焼復帰困難と判定する。これにより、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数に基づき、燃焼復帰可否判定を行うことができる。
【0039】
本図では、T1116時点のエンジン回転数Ne3が燃焼復帰判定基準値NeJDG(1108)以上の場合、もしくは、T1116時点のエンジン回転数Ne3が、チェンジオブマインド要求が発生した時点のエンジン回転数Ne2(1107)から第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2(1109)以上に上昇しているため、燃焼復帰可否判定の結果は、燃焼復帰可能と判定される。よって、本発明にかかる一実施例により、T1116以降のスタータ制御(マグネットスイッチ(1105)及びスタータモータ(1106)の通電ON)は禁止される。尚、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。
【0040】
図12は、本発明における一実施例の車両制御装置を用いたタイミングチャートである。
【0041】
1201は、アイドルストップ許可条件フラグであり、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判定し、アイドルストップを許可した場合、Highとなり、アイドルストップを禁止する場合は、Lowとなる。1202は、燃料カットフラグであり、燃料カットの実行中は、Highとなり、燃料カット行わない場合はLowとなる。1203は、エンジン回転数を示し、1204は、ピニオン回転数を指す。また、1205はマグネットスイッチの通電状態を指し、1206はスタータモータへの通電状態を指す。1207は、チェンジオブマインド時のエンジン回転数Ne2であり、1208は、燃焼復帰判定基準値NeJDG、1209は、第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2を示す。また、1210は、スタータ駆動許可回転数STJDGである。
【0042】
時系列的に動作の説明を行うと、まず、T1211で、アイドルストップ許可フラグ(1201)がHighとなり、所定のディレイ時間を経て、燃料カットが実行され、燃料カットフラグ(1202)がHighとなる(T1212)。これにより、エンジンは、慣性回転の状態となり、徐々に低下し始める(1203)。T1213では、エンジン慣性回転中において、チェンジオブマインド要求により、アイドルストップ許可フラグ(1201)がLowとなり、T1213から所定のディレイ時間が経過した後、T1214にて、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射など燃焼復帰に必要な制御が実行され、本来、エンジン回転(1203)は、上昇するが、本図では、良好な燃焼復帰ができない状態となっており、エンジン回転数(1203)は、低下を続ける。T1215では、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Ne3を読み込む(尚、T1215のタイミングについては概述のため省略する。)。ここで、本発明にかかる一実施例の車両制御装置は、T1215時点のエンジン回転数Ne3に基づき、燃焼復帰可否判定を行う。詳しくは、T1215時点のエンジン回転数Ne3が燃焼復帰判定基準値NeJDG(1208)以上の場合、もしくはT1215時点のエンジン回転数Ne3が、チェンジオブマインド要求が発生した時点のエンジン回転数Ne2(1207)から第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2(1209)以上、上昇した場合を燃焼復帰可能と判定し、条件不成立時は、燃焼復帰困難と判定する。これにより、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数に基づき、燃焼復帰可否判定を行うことができる。本図では、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難となることから、本発明にかかる一実施例により、エンジン回転数(1203)が、スタータ駆動許可回転数STJDG(1210)以下になった時点(T1216)で、スタータモータ(1206)及びマグネットスイッチ(1205)の通電をONし、スタータ駆動を実行する。これにより、スタータモータのトルクがエンジンへ供給され、エンジンの再始動が行え、エンジン回転(1203)が上昇した時点(T1217)で、スタータモータ(1206)及びマグネットスイッチ(1205)の通電をOFFする。尚、本図では、スタータモータ及びマグネットスイッチの通電をONするタイミング(T1216)を、エンジン回転数(1203)とスタータ駆動許可回転数STJDG(1208)で比較する方法を用いて説明したが、特にこの方法に限定する必要はなく、例えば、チェンジオブマインド要求があった時点(T1213)もしくは、燃料カットを開始した時点(T1214)などから、所定時間が経過した後にスタータモータ(1206)及びマグネットスイッチ(1207)の通電をONする方法などを用いても良い。また、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。
【0043】
図13は、本発明における一実施例の車両制御装置を用いたタイミングチャートである。
【0044】
1301は、アイドルストップ許可条件フラグであり、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判定し、アイドルストップを許可した場合、Highとなり、アイドルストップを禁止する場合は、Lowとなる。1302は、燃料カットフラグであり、燃料カットの実行中は、Highとなり、燃料カット行わない場合はLowとなる。1303は、エンジン回転数を示し、1304は、ピニオン回転数を指す。また、1305はマグネットスイッチの通電状態を指し、1306はスタータモータへの通電状態を指す。1307は、チェンジオブマインド時のエンジン回転数Ne2であり、1308は、燃焼復帰判定基準値NeJDG、1309は、第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2を示す。
【0045】
時系列的に動作の説明を行うと、まず、T1310で、アイドルストップ許可フラグ(1301)がHighとなり、所定のディレイ時間を経て、燃料カットが実行され、燃料カットフラグ(1302)がHighとなる(T1311)。これにより、エンジンは、慣性回転の状態となり、徐々に低下し始める(1303)。T1312では、エンジン慣性回転中において、チェンジオブマインド要求により、アイドルストップ許可フラグ(1301)がLowとなり、T1312から所定のディレイ時間が経過した後、T1313にて、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射など燃焼復帰に必要な制御が実行され、本来、エンジン回転(1303)は、上昇するが、本図では、良好な燃焼復帰ができない状態となっており、エンジン回転数(1303)は、低下を続ける。T1314では、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数Ne3を読み込む(尚、T1314のタイミングについては概述のため省略する。)。ここで、本発明にかかる一実施例の車両制御装置は、T1314時点のエンジン回転数Ne3に基づき、燃焼復帰可否判定を行う。詳しくは、T1314時点のエンジン回転数Ne3が燃焼復帰判定基準値NeJDG(1308)以上の場合、もしくはT1314時点のエンジン回転数Ne3が、チェンジオブマインド要求が発生した時点のエンジン回転数Ne2(1307)から第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2(1309)以上、上昇した場合を燃焼復帰可能と判定し、条件不成立時は、燃焼復帰困難と判定する。これにより、エンジン燃焼復帰機能を実行した後のエンジン回転数に基づき、燃焼復帰可否判定を行うことができる。本図では、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難となることから、本発明にかかる一実施例により、まず、T1314で、燃焼復帰困難と判定されてから、スタータモータの通電を所定期間(図内ではT1315でスタータモータの通電をOFFする。)だけONする。その後、エンジン回転数とピニオン回転数が一致したとき、もしくはエンジン回転数とピニオン回転数の差が所定値以下となった時点(T1316)でマグネットスイッチをONし、ピニオンギアをエンジンへ連結する。その後、T1317で、スタータモータの通電をONすることで、スタータモータのトルクがエンジンへ供給され、エンジンの再始動が行え、エンジン回転(1303)が上昇した時点(T1318)で、スタータモータ(1306)及びマグネットスイッチ(1305)の通電をOFFする。尚、一例として、T1316のタイミングを、エンジン角加速度の方向とピニオン角加速度方向が同じ時、もしくはエンジン角加速度とピニオン角加速度差が所定値以下とすることもできる。また、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。
【0046】
図14は、本発明にかかる一実施例の車両制御装置を用いたタイミングチャートである。
【0047】
1401は、アイドルストップ許可条件フラグであり、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判定し、アイドルストップを許可した場合、Highとなり、アイドルストップを禁止する場合は、Lowとなる。1402は、燃料カットフラグであり、燃料カットの実行中は、Highとなり、燃料カット行わない場合はLowとなる。1403は、エンジン回転数を示し、1404は、ピニオン回転数を指す。また、1405はマグネットスイッチの通電状態を指し、1406はスタータモータへの通電状態を指す。1407は、燃焼復帰判定基準値NeJDGである。
【0048】
時系列的に動作の説明を行うと、まず、T1408で、アイドルストップ許可フラグ(1401)がHighとなり、所定のディレイ時間を経て、燃料カットが実行され、燃料カットフラグ(1402)がHighとなる(T1409)。これにより、エンジンは、慣性回転の状態となり、徐々に低下し始める(1403)。T1410では、エンジン慣性回転中において、チェンジオブマインド要求により、アイドルストップ許可フラグ(1401)がLowとなる。ここで、本発明にかかる一実施例の車両制御装置は、チェンジオブマインド要求が発生したT1410時点のエンジン回転数(1403)に基づき、燃焼復帰可否判定を行う。詳しくは、T1410時点のエンジン回転数(1403)が、燃焼復帰判定基準値NeJDG(1407)以上の場合もしくは、T1409からT1410間におけるエンジン回転数(1403)の減速度が、燃焼復帰判定基準値ΔNeJDG以下の場合を燃焼復帰可能と判定し、条件不成立の場合は、燃焼復帰困難と判定する。尚、本図では、チェンジオブマインド要求が発生した時点(T1410)のエンジン回転数を用いて説明する。燃焼復帰判定基準値NeJDG(1407)は、予めECU(図1内103)に所定値を設定しておいても良いし、所定演算から算出しても構わないが、ここでは、チェンジオブマインド要求が発生し、燃料噴射を再開することで再始動が行える最も低いエンジン回転数(1403)を適合により決定し、予め設定したことを想定している。T1410から所定のディレイ時間が経過した後、T1411にて、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射など燃焼復帰に必要な制御が実行され、エンジン回転(1103)は、上昇を始める。本図では、燃焼復帰が可能な状態であることから、スタータ駆動については、燃焼復帰可否判定が実行されたT1410以降のスタータ駆動を禁止するため、マグネットスイッチの通電状態(1405)及びスタータモータの通電状態(1406)共、OFFとする。尚、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。
【0049】
図15は、本発明にかかる一実施例の車両制御装置を用いたタイミングチャートである。
【0050】
1501は、アイドルストップ許可条件フラグであり、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判定し、アイドルストップを許可した場合、Highとなり、アイドルストップを禁止する場合は、Lowとなる。1502は、燃料カットフラグであり、燃料カットの実行中は、Highとなり、燃料カット行わない場合はLowとなる。1503は、エンジン回転数を示し、1504は、ピニオン回転数を指す。また、1505はマグネットスイッチの通電状態を指し、1506はスタータモータへの通電状態を指す。1507は、燃焼復帰判定基準値NeJDGであり、1508は、スタータ駆動許可回転数STJDGである。
【0051】
時系列的に動作の説明を行うと、まず、T1509で、アイドルストップ許可フラグ(1501)がHighとなり、所定のディレイ時間を経て、燃料カットが実行され、燃料カットフラグ(1502)がHighとなる(T1510)。これにより、エンジンは、慣性回転の状態となり、徐々に低下し始める(1503)。T1511では、エンジン慣性回転中において、チェンジオブマインド要求により、アイドルストップ許可フラグ(1501)がLowとなる。ここで、本発明にかかる一実施例の車両制御装置は、チェンジオブマインド要求が発生したT1511時点のエンジン回転数(1503)または、T1511までのエンジン減速度に基づき、燃焼復帰可否判定を行う。詳しくは、T1511時点のエンジン回転数(1503)が、燃焼復帰判定基準値NeJDG(1507)以上の場合もしくは、T1510からT1511間におけるエンジン回転数(1503)の減速度が、燃焼復帰判定基準値ΔNeJDG以下の場合を燃焼復帰可能と判定し、条件不成立の場合は、燃焼復帰困難と判定する。尚、本図では、チェンジオブマインド要求が発生した時点(T1511)のエンジン回転数を用いて説明する。燃焼復帰判定基準値NeJDG(1507)は、予めECU(図1内103)に所定値を設定しておいても良いし、所定演算から算出しても構わないが、ここでは、チェンジオブマインド要求が発生し、燃料噴射を再開することで再始動が行える最も低いエンジン回転数(1503)を適合により決定し、予め設定したことを想定している。T1511から所定のディレイ時間が経過した後、T1512にて、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射など燃焼復帰に必要な制御が実行され、本来、エンジン回転(1503)は、上昇するが、本図では、良好な燃焼復帰ができない状態となっており、エンジン回転数(1503)は、低下を続ける。また、本図では、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難となることから、エンジン回転数(1503)が、スタータ駆動許可回転数STJDG(1510)以下になった時点(T1513)で、スタータモータ(1506)及びマグネットスイッチ(1505)の通電をONし、スタータ駆動を実行する。これにより、スタータモータのトルクがエンジンへ供給され、エンジンの再始動が行え、エンジン回転(1503)が上昇した時点(T1514)で、スタータモータ(1506)及びマグネットスイッチ(1505)の通電をOFFする。尚、本図では、スタータモータ及びマグネットスイッチの通電をONするタイミング(T1513)を、エンジン回転数(1503)とスタータ駆動許可回転数STJDG(1508)で比較する方法を用いて説明したが、特にこの方法に限定する必要はなく、例えば、チェンジオブマインド要求があった時点(T1511)もしくは、燃料カットを開始した時点(T1512)などから、所定時間が経過した後にスタータモータ(1506)及びマグネットスイッチ(1507)の通電をONする方法などを用いても良い。また、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。
【0052】
図16は、本発明にかかる一実施例の車両制御装置を用いたタイミングチャートである。
【0053】
1601は、アイドルストップ許可条件フラグであり、図1に記載の各種センサ情報等よりアイドルストップの実行可否を判定し、アイドルストップを許可した場合、Highとなり、アイドルストップを禁止する場合は、Lowとなる。1602は、燃料カットフラグであり、燃料カットの実行中は、Highとなり、燃料カット行わない場合はLowとなる。1603は、エンジン回転数を示し、1604は、ピニオン回転数を指す。また、1605はマグネットスイッチの通電状態を指し、1606はスタータモータへの通電状態を指す。1607は、燃焼復帰判定基準値NeJDGである。
【0054】
時系列的に動作の説明を行うと、まず、T1608で、アイドルストップ許可フラグ(1601)がHighとなり、所定のディレイ時間を経て、燃料カットが実行され、燃料カットフラグ(1602)がHighとなる(T1609)。これにより、エンジンは、慣性回転の状態となり、徐々に低下し始める(1603)。T1610では、エンジン慣性回転中において、チェンジオブマインド要求により、アイドルストップ許可フラグ(1601)がLowとなる。ここで、本発明にかかる一実施例の車両制御装置は、チェンジオブマインド要求が発生したT1610時点のエンジン回転数(1603)または、T1610までのエンジン減速度に基づき、燃焼復帰可否判定を行う。詳しくは、T1610時点のエンジン回転数(1603)が、燃焼復帰判定基準値NeJDG(1607)以上の場合もしくは、T1609からT1610間におけるエンジン回転数(1603)の減速度が、燃焼復帰判定基準値ΔNeJDG以下の場合を燃焼復帰可能と判定し、条件不成立の場合は、燃焼復帰困難と判定する。尚、本図では、チェンジオブマインド要求が発生した時点(T1610)のエンジン回転数を用いて説明する。燃焼復帰判定基準値NeJDG(1607)は、予めECU(図1内103)に所定値を設定しておいても良いし、所定演算から算出しても構わないが、ここでは、チェンジオブマインド要求が発生し、燃料噴射を再開することで再始動が行える最も低いエンジン回転数(1603)を適合により決定し、予め設定したことを想定している。本図では、チェンジオブマインド要求が発生した時点(T1610)のエンジン回転数(1603)が燃焼復帰判定基準値NeJDG(1607)未満となっていることから、燃焼復帰可否判定の結果は、燃焼復帰困難となる。よって、チェンジオブマインド要求が発生した時点(T1610)から所定時間が経過した時点(T1611)で、エンジン燃焼復帰機能により、燃料噴射など燃焼復帰に必要な制御が実行され、本来、エンジン回転(1603)は、上昇するが、本図では、良好な燃焼復帰ができない状態となっており、エンジン回転数(1603)は、低下を続ける。また、本図では、燃焼復帰可否判定の結果が、燃焼復帰困難となることから、T1611にて、スタータモータの通電を所定期間(図内ではT1612でスタータモータの通電をOFFする。)だけONする。尚、エンジン燃焼復帰機能の実行と、スタータモータの通電ONの実行タイミングは同じである必要はない。T1612でスタータモータの通電をOFFすることで、T1612以降のピニオンギアは慣性回転の状態となり、徐々に回転が低下する。その後、エンジン回転数とピニオン回転数が一致したとき、もしくはエンジン回転数とピニオン回転数の差が所定値以下となったとき、もしくはエンジン角加速度の方向とピニオン角加速度方向が同じとき、もしくはエンジン角加速度とピニオン角加速度差が所定値以下となったときのいずれか1つが満たされた時点(T1613)で、マグネットスイッチをONし、ピニオンギアをエンジンへ連結する。その後、T1614で、スタータモータの通電をONすることで、スタータモータのトルクがエンジンへ供給され、エンジンの再始動が行え、エンジン回転(1603)が上昇した時点(T1615)で、スタータモータ(1606)及びマグネットスイッチ(1605)の通電をOFFする。尚、本動作説明はアイドルストップにおける一例を表しただけであり、アイドルストップとなる車両運転状態はこの限りではない。
【符号の説明】
【0055】
101 スタータ本体
101a スタータモータ
101b マグネットスイッチ
101c シフトレバー
101d ピニオンクラッチ
101e ピニオンギア
103 ECU
103a アイドルストップ許可判定
103b スタータ制御ブロック
103c 燃料噴射制御ブロック
103d エンジン燃焼復帰機能
104 スタータモータリレー
105 ピニオンリレー
1301 アイドルストップ許可フラグ
1302 燃料カットフラグ
1303 エンジン回転数Ne
1304 ピニオン回転数Np
1305 マグネットスイッチ
1306 スタータモータ
1307 チェンジオブマインド時のエンジン回転Ne2
1308 燃焼復帰判定基準値NeJDG
1309 第2燃焼復帰判定基準値NeJDG2
T1310 アイドルストップ許可タイミング
T1311 燃料カット開始タイミング
T1312 チェンジオブマインド要求発生タイミング
T1313 燃料カット開始タイミング
T1314 燃焼復帰可否判定(スタータモータ通電ON)タイミング
T1315 スタータモータ通電OFFタイミング
T1316 前記プリメッシュタイミング
T1317 スタータモータ通電ONタイミング2
T1318 スタータ動作停止タイミング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を供給することによりクランク軸を回転するエンジンと前記エンジンの始動をアシストするスタータモータとを有し、
所定の条件が成立したときに燃料の供給を遮断して前記エンジンを自動停止させるアイドルストップシステムに用いられる制御装置において、
前記制御装置は、
前記エンジンに燃料を供給して前記エンジンを再始動させる燃焼復帰手段と、
前記スタータモータによる前記エンジンのアシストを制御するスタータ駆動手段と、
前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段とを有し、
前記エンジンへ供給する燃料を遮断してから前記クランク軸が回転を停止するまでの間に、
前記エンジンの再始動を要求するチェンジオブマインド要求がある場合、
前記燃焼復帰手段により燃料の供給を開始後、前記運転状態検出手段による運転状態に基づき、前記スタータ駆動手段よるエンジンのアシストを行うか否かを決定することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記アイドルストップシステムは、
前記スタータモータのモータ軸と同軸上に備えられたピニオンギアと、前記クランク軸の回転に同期したリングギアとを有し、前記スタータモータを回転させた後、前記リングギアに連結することによりエンジン停止後の再始動をアシストするアイドルストップシステムであることを特徴する請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記燃焼復帰手段を実行した後の前記エンジンの運転状態に応じて、燃焼復帰可否を判定する燃焼復帰可否判定手段を備え、前記燃焼復帰可否判定手段の判定結果が、燃焼復帰可能と判定した場合、スタータ駆動を禁止することを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置において、前記チェンジオブマインド要求がある場合、前記エンジン燃焼復帰手段を実行した後の前記エンジンの運転状態に応じて、燃焼復帰可否を判定する燃焼復帰可否判定手段を備え、前記燃焼復帰可否判定手段の判定結果が、燃焼復帰困難と判定した場合、スタータモータを回転させた後、前記ピニオンギアを前記リングギアに連結することを特徴とする請求項2又は3記載の制御装置。
【請求項5】
前記リングギアの回転数と前記ピニオンギアの回転数が一致したときもしくは、エンジン回転数とピニオン回転数の差が所定値以下となったときに前記ピニオンギアを前記リングギアに連結した後、スタータモータを通電しピニオンギアを回転させることを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項6】
前記リングギアの角加速度の方向とピニオン角加速度方向が同じ時、もしくはエンジン角加速度とピニオン角加速度差が所定値以下の時に前記ピニオンギアを前記リングギアに連結することを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項7】
燃料を供給することによりクランク軸を回転するエンジンと前記エンジンの始動をアシストするスタータモータとを有し、
所定の条件が成立したときに燃料の供給を遮断して前記エンジンを自動停止させるアイドルストップシステムに用いられる制御装置において、
前記制御装置は、
前記エンジンに燃料を供給して前記エンジンを再始動させる燃焼復帰手段と、
前記スタータモータによる前記エンジンのアシストを制御するスタータ駆動手段と、
前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段とを有し、
前記エンジンへ供給する燃料を遮断してから前記クランク軸が回転を停止するまでの間に、
前記エンジンの再始動を要求するチェンジオブマインド要求がある場合、
前記運転状態検出手段による運転状態に基づき、前記燃焼復帰手段により燃料の供給を開始するか、前記燃焼復帰手段により燃料の供給を開始すると共に前記スタータ駆動手段よるエンジンのアシストを行うかを決定することを特徴とする制御装置。
【請求項8】
前記運転状態は、前記クランク軸の回転数と加速度と筒内圧と燃焼の発生有無とのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1−7記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記燃焼復帰手段は、少なくとも前記エンジンに供給する燃料量と燃料供給タイミングと点火時期とを制御することを特徴とする請求項1−8記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−144740(P2011−144740A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5417(P2010−5417)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】