説明

燃料電池の保護方法及び保護システム

【課題】水素を燃料とする燃料電池において、燃料電池の性能劣化を来す燃料水素中及び酸化剤ガス中の各種不純物の全てを一つのセンサーにより監視して燃料電池を保護するためのセンサーセルを提供する。
【解決手段】燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置してなる燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、アノード2での水素電解反応及びカソード3での水素発生反応の変化により検知を行うようにしてなることを特徴とするセンサーセル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の保護方法及び燃料電池の保護システムに関し、より詳しくは、水素を燃料とする燃料電池において、燃料電池の性能劣化を来す燃料水素中及び酸化剤ガス中の不純物の全てを一つのセンサーにより監視することにより燃料電池を保護する方法及び保護するためのシステム、並びに、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに関する。
【背景技術】
【0002】
水素を燃料とする燃料電池は、燃料である水素(以下適宜「燃料水素」と記載する)や酸化剤ガス(空気、酸素富化空気、酸素等、以下代表して適宜「空気」と記載する)中の不純物により性能が劣化し、特に電極触媒の性能劣化が起こる。このため、水素中や空気中の各種不純物は予め除去する必要があり、それら不純物の除去技術が開発されている。
【0003】
〈燃料ガス中の不純物を除去してから燃料電池に供給する装置〉
例えば、特許文献1(特開2003−317783号公報)では、燃料電池システムの酸素含有ガス供給路に不純物除去器を設けて燃料電池システムに供給する酸素含有ガス中の不純物を除去するとされている。特許文献2(特開2004−227844号公報)では、燃料電池システムの燃料及び酸化剤ガスの経路内にキレート剤や多孔質延伸フッ素フィルムなどを用いた不純物捕集器を設けて触媒や金属イオンを除去するとされている(図25参照)。
【0004】
また、特許文献3(特開2005−166515号公報)では、燃料電池システムにおいて、燃料ガス流路に水素ガスのみを選択的に透過する水素分離膜を設置し、当該水素分離膜により下流に設置された燃料電池には不純物を含まない水素ガスのみが供給されるようにしている。
【0005】
〈燃料電池の上流にセンサー等を設置して燃料ガス中の不純物濃度を監視し、その濃度が所定値以上のとき燃料電池の運転を停止する装置〉
特許文献4(特開昭63−264875号公報)では、リン酸型燃料電池の上流側にCO、CO2の少なくとも一方のガス濃度検出装置を設けてガス濃度を測定し、ガス濃度が所定値以上になったとき、燃料電池の劣化があると判断して、燃料電池の運転を停止する。特許文献5(特開平04−319263号公報)においても同様である。
【0006】
また、特許文献6(特公平08−024052号公報)では、積層型の燃料電池において、上流部の燃料電池の電圧を測定し、電圧低下が生じた場合に運転を停止することで、反応ガスの不足により電池に生じる劣化を未然に防止するとされている。
【0007】
しかし、それでも、燃料水素中や空気中の各種不純物が許容濃度以下であることを確認しなければならない。従来の技術では、不純物の種類に対応するセンサーで個々に不純物濃度を連続的にモニターし、許容濃度以上の場合に運転を停止する処置をしている。
【0008】
例えば、特許文献7(特開平11−219716号公報)、特許文献8(特開平11−219717号公報)には、PEM燃料セル(固体高分子形燃料電池)へ供給する燃料水素中のCO濃度を検出するセンサー、またこのCOセンサーにより改質燃料水素のCO濃度を監視する方法が記載されている。
【0009】
特許文献9(特開2001−006700号公報)には、固体高分子電解質膜を挟んでガス拡散電極を配置した電気化学デバイスが記載されている。この電気化学デバイスは燃料電池、ガス精製装置、ガス検知センサーなどの用途に使用されるが、同公報の0061段落には、水素濃度を知る方法として、片側の電極に純水素を流し、もう一方の電極に水素を含んだ被検査ガスを導入して両極間に発生する電圧を測定することにより、被検査ガス中の水素濃度を知ることができると記載されている。
【0010】
特許文献10(特開2008−243430号公報)には、水素を燃料とする燃料電池において、燃料電池の性能劣化を来す燃料水素中及び酸化剤ガス中の不純物の全てを一つのセンサーにより監視することにより燃料電池を保護する方法及びそのためのシステムが開示されている。より具体的には、特許文献10では、水素を燃料とする燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中及び空気中の不純物に敏感な燃料電池からなる不純物監視センサーを配置することにより燃料電池本体の機能を保護するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2003−317783号公報
【特許文献2】特開2004−227844号公報
【特許文献3】特開2005−166515号公報
【特許文献4】特開昭63−264875号公報
【特許文献5】特開平04−319263号公報
【特許文献6】特公平08−024052号公報
【特許文献7】特開平11−219716号公報
【特許文献8】特開平11−219717号公報
【特許文献9】特開2001−006700号公報
【特許文献10】特開2008−243430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、燃料電池の上流にセンサーを設置し、不純物濃度を監視し、燃料電池の運転を制御する方法としては、特許文献10などがある。しかし、特許文献10では、モニタリングしている不純物はCO、CO2だけであり、その他の成分が混入した場合、全く警告を鳴らすことができず、燃料電池システムが劣化してしまう。
【0013】
また、特許文献6においては、積層型の燃料電池において、上流部の燃料電池の電圧を測定し、電圧低下が生じた場合に運転を停止することで、反応ガスの不足による電池に生じる劣化を未然に防止するとされている。
【0014】
燃料電池に供給する燃料水素中、酸化剤である空気中には、硫黄成分、一酸化炭素、アンモニア、ホルムアルデヒドなど燃料電池に影響する成分が各種あり、しかも、どの成分がどの程度混入するのか分からない状況であることから、多数の不純物成分を各不純物成分ごとに高感度で検知しなければならず、このため数多くのセンサーが必要となる。また、燃料水素中の不純物は非常に低濃度でも燃料電池の発電効率を低下させるため、高感度のセンサーを必要とするなどの技術的問題だけでなく、コスト面やスペース的にも課題が残ることになる。
【0015】
そこで、本発明は、水素を燃料とする燃料電池において、燃料電池の性能劣化を来す燃料水素中及び空気中の不純物の全てを一つのセンサーにより監視し、燃料電池に供給する燃料中、空気中の多数の不純物の組成が未知であっても、またそれが未知で変動しても、燃料電池を安全且つ安定して保護する方法及び保護するためのシステム、並びに、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
1.本発明(1)は、水素を燃料とする燃料電池の保護方法であって、燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置することにより燃料電池本体の機能を保護することを特徴とする燃料電池の保護方法である。
【0017】
2.本発明(1)の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、その燃料電池としては固体高分子形、固体酸化物形、溶融炭酸塩形またはリン酸形の燃料電池を対象とすることができる。
【0018】
3.本発明(1)の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、前記燃料電池に導入する燃料水素は原燃料である炭化水素系燃料を水蒸気改質法または部分燃焼法により改質して得ることができる。
【0019】
4.本発明(1)の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、不純物監視センサーの運転温度を燃料電池本体の温度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めることができる。
【0020】
5.本発明(1)の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、不純物監視センサーの運転加湿度を燃料電池本体の加湿度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めることができる。
【0021】
6.本発明(1)の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、不純物監視センサー流通後の燃料ガスを再循環させ、不純物を濃縮することにより感受性を高めることができる。
【0022】
7.本発明(2)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システムであって、燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置してなることを特徴とする燃料電池の保護システムである。
【0023】
8.本発明(2)の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、その燃料電池としては固体高分子形、固体酸化物形、溶融炭酸塩形またはリン酸形の燃料電池を対象とすることができる。
【0024】
9.本発明(2)の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、前記燃料電池に導入する燃料水素は原燃料である炭化水素系燃料を水蒸気改質法または部分燃焼法により改質して得ることができる。
【0025】
10.本発明(2)の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、不純物監視
センサーの運転温度を燃料電池本体の温度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めるようにすることができる。
【0026】
11.本発明(2)の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、センサーの運転加湿度を燃料電池本体の加湿度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めるようにすることができる。
【0027】
12.本発明(2)の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、センサー流通後の燃料ガスを再循環させ、不純物を濃縮することにより感受性を高めるようにすることができる。
【0028】
13.本発明(3)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、アノードでの水素電解反応及びカソードでの水素発生反応の変化により検知を行うようにしてなることを特徴とするセンサーセル(水素ポンプ型セル)である。
本明細書において、上記「アノードでの水素電解反応及びカソードでの水素発生反応の変化」における各反応の変化を触媒劣化と言う。
【0029】
14.本発明(4)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、カソードをフィルターで覆うことにより、アノードの触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。
【0030】
15.本発明(5)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、アノードをフィルターで覆うことにより、カソードの触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。
【0031】
16.本発明(6)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノードとカソードをフィルターで覆い、検知用はカソードのみをフィルターで覆うことで、検知用のアノードの触媒劣化を参照用のアノードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。
【0032】
17.本発明(7)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用のアノードのみをフィルターで覆うことで、検知用のアノードの触媒劣化を参照用のアノードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。
【0033】
18.本発明(8)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノードとカソードをフィルターで覆い、検知用はアノードのみをフィルターで覆うことで、検知用のカソードの触媒劣化を参照用のカソードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【0034】
19.本発明(9)は、水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用のカソードのみをフィルターで覆うことで、検知用のカソードの触媒劣化を参照用のカソードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。
【0035】
20.本発明(10)は、水素燃料をアノードとカソードへの流路に分け、カソード側流路内に、H2Sを除去する目的で脱硫剤などのフィルターと、NH3を除去する目的で活性炭や強酸性膜などのフィルターを設け、カソードの半分を参照用としてCOの影響を無視できるような例えばPt−Ruなどの合金を用いた触媒を用いたセンサーセルである。
【0036】
21.本発明(11)は、水素燃料をアノードとカソードへの流路に分け、アノード側流路内に、H2Sを除去する目的で脱硫剤などのフィルターと、NH3を除去する目的で活性炭や強酸性膜などのフィルターを設け、アノードの半分を参照用としてCOの影響を無視できるような例えばPt−Ruなどの合金を用いた触媒を用いたセンサーセルである。
【発明の効果】
【0037】
特許文献10に開示の発明においては、燃料電池からなる不純物監視センサーすなわち燃料電池型センサーを用いているが、不純物検知を行いたいアノード側の燃料ガス極と比較して、空気を用いたカソード側電極での反応の影響が強い。すなわち、特許文献10ではカソード電極へは空気を通すが、過電圧が大きいということは、外乱に対する電圧変動が大きいことを意味する。
【0038】
すなわち、特許文献10に開示の発明においては、アノードとカソードの電位差を電圧信号としており、カソード側(空気側)で変化がないことが前提で、アノード側(水素燃料側)での反応の変化を検出する。つまり、燃料水素中の不純物濃度の変化に対する電位の変化(アノード側)よりも、空気の変化(例えば水分やほこりや温度など、燃料電池に影響を与えるようなもの)による信号の変化が大きい場合には、水素燃料中の不純物を見過ごしてしまう可能性がある。
【0039】
これに対して、本発明の水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーにおいては、アノード、カソードの両側に水素燃料ガスを供給し、電極間に所定の電圧を印加することで、カソード過電圧の影響を小さくすることができ、アノード電極での不純物による電極劣化に起因する検知を高感度で行うことができる。
【0040】
一般的には、空気中の酸素の還元反応が起こるカソードでの反応において、過電圧(濃度変化の影響、反応速度の影響など)が大きいが、水素還元反応ではこれらが小さいために、より高精度で検知できる可能性がある。
【0041】
なお、本発明においては、アノード側、カソード側にフィルターをそれぞれ設けたバリエーションを示しているが、アノード側、カソード側の両極で起きているのは水素の分解・生成反応であるので、同じセルでも印加電圧(印加電流)の向きを変えると、アノードとカソードが全く反対になる。これにより、印加する電圧を反対方向にすることで、カソード電極の劣化で不純物検知を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の態様例1を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の態様例2を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の態様例3を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の態様例4を説明する図である。
【図5】図5は、本発明の態様例5を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の態様例6を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の態様例7を説明する図である。
【図8】図8は、本発明の態様例8を説明する図である。
【図9】図9は、本発明の態様例9を説明する図である。
【図10】図10は、本発明の態様例10を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の態様例11を説明する図である。
【図12】図12は、本発明の態様例12を説明する図である。
【図13】図13は、本発明の態様例13を説明する図である。
【図14】図14は、本発明の態様例14を説明する図である。
【図15】図15は、本発明の態様例15を説明する図である。
【図16】図16は、本発明の態様例16を説明する図である。
【図17】図17は、本発明の態様例17を説明する図である。
【図18】図18は、本発明の態様例18を説明する図である。
【図19】図19は、本発明の態様例19を説明する図である。
【図20】図20は、本発明の態様例20〜21を説明する図である。
【図21】図21は、PEFCの態様例を説明する図である。
【図22】図22は、PEFCの単電池を二つ以上積み重ねて構成する積層状態を示す図である。
【図23】図23は、アノードとカソードの二電極配置でアノード−カソード間の電位差を計測する態様例を示す図である。
【図24】図24は、三電極配置による電位差測定の態様例を説明する図である。
【図25】図25は、燃料電池システムに供給する空気中の不純物を燃料電池に供給する前に不純物の吸脱着装置を設けて除去する技術を示す図である(特許文献2)。
【図26】図26は、燃料電池の運転に際して酸化剤及び燃料中のCO、CO2の濃度を測定して制御する技術を示す図である(特許文献4)。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明(1)の水素を燃料とする燃料電池の保護方法は、燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置することにより燃料電池本体の機能を保護することを特徴とする。
【0044】
本発明(2)の水素を燃料とする燃料電池の保護システムは、燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置してなることを特徴とする。
【0045】
以下、主として固体高分子形燃料電池(PEFC)を例にして説明するが、水素を燃料とする他の燃料電池についても同様である。PEFCは、固体高分子電解質膜を挟んでアノードとカソードの両電極を配置して構成される。そして、アノード(=燃料極)側に燃料として水素を供給し、カソード(=酸化剤極)側に酸化剤ガス(空気、酸素富化空気等、本明細書中、代表して適宜空気と言う)を供給して電気化学反応を起こさせることにより電気を発生させるものである。PEFCの作動温度は、一般的には70〜100℃程度である。
【0046】
PEFCでは、その運転時に電解質膜を通るイオンは水素イオン(H+)であり、カソード側に供給される空気中の酸素と電気化学反応を起こさせることで電力が取り出される。この装置には各種態様のものがあるが、図21はその態様例を説明する図である。図21(b)は、図21(a)中の電池部分を取り出し、幾分拡大して示した図である。
【0047】
図21において、1は固体高分子電解質膜、2はアノード、3はカソードであり、高分子電解質膜1は相対する当該両電極2、3間に当接して配置される。4はアノード側集電体、5はカソード側集電体であり、それぞれアノード2、カソード3に当接されている。
【0048】
そのうちアノード側集電体4のアノード2側には水素供給用の溝が設けられ、同じくカソード側集電体5のカソード3側には空気供給用の溝が設けられている。そしてアノード側集電体4の溝は水素供給管6に、カソード側集電体5の溝は空気供給管7に連通している。また、8はアノード側集電体4に当接して設けられたアノード端子板、9はカソード側集電体5に当接して設けられたカソード端子板であり、燃料電池としての作動中にこれら端子板を通して電力が取り出される。
【0049】
10、11は枠体(フレーム)であり、これら両枠体10、11により高分子電解質膜1からアノード端子板8及びカソード端子板9までの電池を被って固定されている。これら両枠体10、11間には、固体高分子電解質膜1からアノード端子板8及びカソード端子板9までの電池の周縁部を囲ってパッキン(ガスケット)12が配置され、これによってその電池の周縁部を密に固定してシールし、特に高分子電解質膜1及び両電極2、3に対してガスシールされている。
【0050】
また、図21中、13及び14は冷却水供給管であり、これらはそれぞれ枠体10及び枠体11の内面に設けられた溝(閉通路)に連通し、アノード端子板8の背面及びカソード端子板9の背面から冷却するようになっている。
【0051】
以上は、電池が単一の場合であるが、この電池を二つ以上積み重ねて構成することも行われる。図22(a)〜(b)にその積層状態を示し、図22(c)に燃料水素、空気の流通状態、電解質膜中の水素イオン(H+)の動きを示している。この場合には、二つ以上の各電池間にセパレータを介在させ、これにも冷却水用の溝等を設ける必要はあるが、電池の周縁部を囲ってパッキンやOリングを配置し、その周縁部を密に固定してシールし、高分子電解質膜1及び両電極2、3に対してガスシールをすること等を含めて、基本的には前述単一の電池の場合と同じである。図22(a)、(c)中、高分子電解質膜1及び両電極2、3からなる電池を符号30で示している。
【0052】
固体高分子電解質膜の構成材料としては、(a)スチレン−ジビニルベンゼンをフルオロカーボンのマトリックスにクロスリンクさせた後スルフォン化した膜、(b)(a)の膜でαC−H結合を含まない膜、(c)トリフルオロスチレンスルフォン酸の重合膜、(d)フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化した膜、(e)パーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂膜その他、各種提案されている。
【0053】
これら高分子電解質膜は、その電解質としての機能を十分に果たさせ、また電気抵抗を少なくして電気化学反応を円滑に行わせるためには、その電解質膜に水分を存在させ、供給することが必要不可欠である。従来、この水分の維持、供給は燃料としてアノード側に供給する水素を加湿し、またカソード側に供給する空気を加湿することにより行われており、この加湿は充分量の蒸留水を通常温度70〜90℃程度に加熱して供給される。
【0054】
カソードは、ガス拡散層である電極基材に触媒層を形成して構成される。触媒層の触媒としては白金、白金を含む合金又はパラジウムが挙げられ、これらは単独又はその複数種がカーボン粒子に担持されて用いられる。それらの貴金属は高価であることから、例えば粉状の導電性カーボンブラックの表面に担持させて使用される。
【0055】
ガス拡散層は、触媒の担体としてカーボンブラック等のカーボン粒子が用いられるが、カーボン粒子にそれら貴金属つまり活性金属を担持した触媒粒子、電解質及び撥水化剤を含む触媒層をペーパーあるいはシート上に形成したガス拡散電極に対して適用される。白金担持のカーボンブラックに結着機能と撥水性を備えたフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン系ポリマーと高分子膜と同成分のイオノマーを混合して形成される。
【0056】
アノードは、カソードの場合とほぼ同様であるが、燃料水素には特別に高純度化のための精製を行わない場合には、通常COが10ppm程度含まれているため、白金触媒を使用するとCOにより被毒する。COによる被毒を回避するため白金に代えて、Pt−Ru合金などが使用される。Ruは、水を分解してPt上のCOをCO2に酸化し、これによりCOを除去する役割をする。
【0057】
〈燃料水素中の不純物について〉
ところで、燃料水素中には、CO(一酸化炭素)、CO2(二酸化炭素)のほか、炭化水素、酸素、硫黄化合物、ホルムアルデヒド、ギ酸、アンモニア、ハロゲン化合物、微粒固体粒子など数多くの不純物が含まれる可能性がある。それらの不純物はPEFCの性能劣化の要因となるので、PEFCに供給する燃料水素はそれらの不純物ができるだけ除去されている必要がある。
【0058】
そこで、PEFCに供給する燃料水素中の不純物については、各不純物ごとにその許容上限が考えられており、燃料電池自動車用の水素燃料についてその上限値例を示すと下掲表1〔平成17年度独立法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「燃料電池・水素技術開発成果報告会要旨集」(財)エンジニアリング振興協会/水素エネルギー技術標準化委員会、水素燃料仕様の国際標準化〕のとおりである。
【0059】
【表1】

【0060】
ところで、特許文献4、特許文献7、特許文献8では、燃料電池の上流側にセンサーを設置し、不純物濃度を監視して燃料電池の運転を制御している。この方法においては、モニタリングしている不純物はCO、CO2だけであり、その他の不純物成分が混入している場合には、全く警告を発することはできずに燃料電池が劣化してしまう。
【0061】
それら不純物による燃料電池の劣化を回避するには、例えば酸素をモニタリングするにはそのためのセンサーが別個に必要であり、アンモニアをモニタリングするにはそのためのセンサーが必要であり、ホルムアルデヒドをモニタリングするにはそのためのセンサーが必要であり、不純物成分の数が8であれば8個のセンサーを配置して監視する必要があるが、そのような選択性、識別性を持つ、感度の高いセンサーは実用化されていない。
【0062】
〈空気中の不純物について〉
また、燃料水素中だけではなく、空気中にもCO、CO2のほか、炭化水素、酸素、硫黄化合物、ホルムアルデヒド、ギ酸、アンモニア、ハロゲン化合物、微粒固体粒子など数多くの不純物が含まれる可能性がある。それらの不純物は、燃料水素中の不純物と同じくPEFCの性能劣化の要因となるので、それら不純物による燃料電池の劣化を回避するには、不純物成分ごとにセンサーを配置して監視する必要がある。
【0063】
本発明においては、そのように不純物成分ごとに複数のセンサーが必要であったものが、一つのセンサーで充分な機能を発揮できる。これによりコストダウンが可能となり、センサー設置位置及び広さの制約が緩和できる。また、従来技術では想定されていない成分、すなわちその影響が測定されていない成分が混入した場合についても、本発明の不純物監視センサーは原理が同じであることから、その混入成分による影響を監視することができる。
【0064】
以下、本発明に係る燃料水素中の不純物監視用センサーである水素ポンプ型セルの仕組み、操作方法、配置態様、操作態様等について順次説明する。
【0065】
〈燃料水素中の不純物監視センサーである水素ポンプ型セルの仕組み〉
本発明における、そのような機能をもつ燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーは、以下のとおりの原理、仕組みを持つ燃料電池である。
【0066】
〈(1)水素ポンプ型セルの原理〉
図24は固体高分子電解質膜などのプロトン導電体を用いた水素ポンプの原理を説明する図である。アノード室に水素を含むガスを導入してアノード−カソード間に直流を通じると、水素のみがプロトンの形で電解質中をカソードまで移動し、水素に戻る。この過程が電気化学的な水素ポンプである。原理的には水素以外の元素は電解質膜を超えて移動しないため、高純度水素の分離方法として知られている。水素の移動は、次の電極反応の結果である。本発明においてはこの原理を利用する。
【0067】
【化1】

【0068】
〈(2)固体高分子電解質膜〉
固体高分子電解質膜は、前述図21で言えば固体高分子電解質膜1に相当する部材である。その厚さは性能の点では薄い方がよいが、不純物監視センサーでは長時間使用における膜の劣化による性能低下の影響を受けないよう燃料電池本体における固体高分子電解質膜の膜厚よりも厚くする。
【0069】
〈(3)アノード〉
アノードは前述図21で言えばアノード2に相当する部材である。本発明において、アノードについては、下記(a)〜(d)のような態様を採ることができる。(a)白金の量を減らして低白金担持とする。(b)カーボン担持をなくする。(c)触媒の粒径を大きくし、全体の触媒量を少なくすることにより、白金使用量を減らす。(d)純白金を使用し、Ru等のCO耐性を上げるための合金は使用しない。
【0070】
〈(4)カソード〉
カソードは前述図21で言えばカソード3に相当する部材である。本発明において、カソードについては、下記(a)〜(d)のような態様をとることができる。(a)白金の量を減らして低白金担持とする。(b)カーボン担持をなくする。(c)触媒の粒径を大きくし、全体の触媒量を少なくすることにより、白金使用量を減らす。(d)純白金を使用し、Ru等のCO耐性を上げるための合金は使用しない。
【0071】
〈(5)電位差の計測〉
アノードとカソードの二電極配置でアノード−カソード間の電位差を計測する。図24にその態様例を示している。図24のとおり、アノードとカソードの二電極から導線を引き、不純物センサーに連なる燃料電池本体の作動時に電圧を計測する。
【0072】
〈(6)センシングタイプ〉
リアルタイムタイプでは、センサー部のアノード、カソードに常に燃料水素を流して電圧低下の度合いを監視する。バッチタイプでは、燃料水素を一定時間濃縮してセンサー部に導入し、そのときの電圧低下の度合いを定期的に監視する。その際、複数のセンサーを並置し、交互に切り替えることによりリアルタイム監視と同様に、常時電圧低下の度合いを監視する。
【0073】
〈燃料水素中の不純物監視センサーである水素ポンプ型セルの操作方法〉
本発明における、以上のような仕組みをもつ燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる監視センサーの操作方法は以下のとおりである。
【0074】
〈(1)温度、湿度〉
(a)不純物の吸着により触媒劣化を加速するため、低温度とする。このように、水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーの運転温度を燃料電池本体の運転温度よりも低くすることにより、燃料水素中の不純物の吸着による触媒劣化を加速する。また、水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーの運転湿度を燃料電池本体の運転湿度よりも低くすることにより燃料水素中の不純物の吸着による触媒劣化を加速する。
【0075】
〈(2)燃料水素、空気の流速〉
燃料水素の流速、空気の流速が速いと固体高分子電解質膜での電気化学反応により水分が使われてしまい、膜表面が乾燥し劣化が速い。燃料水素の流速は、不純物監視センサーの機能、使用目的上、燃料電池本体へ供給するのと同じ条件とすることが好ましい。
【0076】
〈(3)燃料水素、空気の圧力〉
燃料水素の供給圧力、空気の供給圧力を上げると分圧が上がり、これにより電圧が安定化する。また、不純物種の分圧自体も高くなり、触媒粒子への吸着量が増えることになり、電圧変化が見えやすくなるので、不純物監視センサーの使用目的上有効である。
【0077】
〈水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーによる対象成分について〉
本発明の燃料電池からなる不純物監視センサーによる対象成分は、燃料電池の発電特性を劣化させるような燃料水素中の全ての不純物成分、空気中の全ての不純物成分である。
【0078】
これらのうち、燃料水素中の微粒固体粒子については、アノード表面に付着するだけでなく、表面からアノード内部に進入し、それら箇所に微粒固体粒子が蓄積し、ガス流路を閉塞すると電池性能を劣化させることになり、空気中の微粒固体粒子についても、カソード表面に付着するだけでなく、表面からアノード内部に進入し、それら箇所に微粒固体粒子が蓄積し、ガス流路を閉塞すると電池性能を劣化させることになる。
【0079】
《水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーの配置態様、操作態様について》
本発明の水素を燃料とする燃料電池の保護方法及び保護システムは燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置することが必須である。以下その配置態様、操作態様について順次説明する。
【0080】
〈態様例1〉
図1は本発明の態様例1を説明する図である。本態様例1は、前述本発明(3)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルの態様例に相当する。図1のとおり、電解質膜1の両面にそれぞれアノード2、カソード3を配置する。アノード2、カソード3間に電源(直流)Wを配置する。このセンサーセルは、アノード2での水素電解反応及びカソード3での水素発生反応の変化により検知を行うようにしてなるセンサーセルである。
【0081】
燃料電池本体の運転中、不純物監視センサーにより電圧(アノード・カソード間の電位差または参照極に対するアノード・カソードの電位)を経時的に計測して“予め設定した基準電圧値”と常時対比する。計測電圧値の基準電圧値に対する偏差が大きくなると、その信号は燃料水素中中の不純物による燃料電池本体の劣化が始まることの“信号”となる。
【0082】
ここで“予め設定した基準電圧値”とは、燃料電池本体と不純物監視センサーとの間での性能について、前述〈燃料水素中の不純物監視センサーである水素ポンプ型セルの仕組み〉及び〈燃料水素中の不純物監視センサーである水素ポンプ型セルの操作方法〉における各要素について「どの程度」差異をつけるかにより予め設定した基準電圧値である。燃料水素中に不純物が含まれない場合においても別の要因により監視センサーの発電特性は経時的に劣化する可能性があることを考慮し、基準電圧値としては、センサーに求められる応答時間(たとえば1分)に対して十分に長い時間(たとえば60分)の電位差の移動平均値を用いることができる。
【0083】
そして、前述“信号”が不純物により燃料電池本体の劣化が始まることの警告となるので、これを基に(a)供給している燃料水素の純度を上げる、(b)燃料水素の供給を止め、例えば供給していた水素が脱硫器→改質器→CO変成器→CO除去器(=CO選択酸化器)を経たものであれば、それら機器を点検する、また(c)燃料水素として別の供給源からの水素と取り替える、などの措置をとる。
【0084】
〈態様例2〉
図2は本発明の態様例2を説明する図である。本態様例2は本発明(4)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに相当するもので、カソード3をフィルターFで覆うことにより、アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。図2のとおり、カソード3をフィルターFで覆うことにより、アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0085】
ここで、態様例1では図1のようにフィルターFで覆わないが,これはある不純物をアノード,カソードともに検出することで電圧変化がより大きくなり,検出感度が高くなることを期待しているからである。これに対して態様例2では図2のようにフィルターで覆っているが、これは上記のような検出感度向上ではなく,お互いの電極劣化がお互いにノイズのように働いてしまうことを懸念しているからである。
【0086】
すなわち、フィルターFで覆うとカソードでの不純物による電圧変化がなくなるため、アノードでの触媒劣化による電圧変化のみをシャープにとらえることができる。そこで、フィルターFとしては、検知対象としている不純物を通さないで、水素のみ通すフィルターを使用するものである。当該フィルターFについては他の態様での当該フィルターFについても同様である。
【0087】
〈態様例3〉
図3は本発明の態様例3を説明する図である。本態様例3は本発明(5)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに相当するもので、アノード2をフィルターFで覆うことにより、カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。図3のとおり、アノード2をフィルターFで覆うことにより、カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0088】
〈態様例4〉
図4は本発明の態様例4を説明する図である。本態様例4は本発明(6)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに相当する。本態様では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。そして、参照用はアノード2及びカソード3をフィルターFで覆い、検知用はカソード3のみをフィルターFで覆うことで、検知用のアノード2の触媒劣化を参照用のアノードと比較することにより不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0089】
図4のとおり、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノード2及びカソード3をフィルターFで覆い、検知用はカソード3のみをフィルターFで覆うことで、検知用のアノード2の触媒劣化を参照用のアノード2と比較することにより不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0090】
図4のとおり、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノード2及びカソード3をフィルターFで覆い、検知用はカソード3のみをフィルターFで覆うことで、V1で計測した検知用のアノード2の電圧をV2で計測した参照用のアノード2の電圧と比較することにより不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0091】
〈態様例5〉
図5は本発明の態様例5を説明する図である。本態様例5は本発明(7)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに相当する。本態様では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。そして、参照用のアノード2のみをフィルターFで覆うことで、検知用のアノード2の触媒劣化を参照用のアノード2と比較することにより不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0092】
図5のとおり、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用のアノード2のみをフィルターFで覆うことで、検知用のアノード2の触媒劣化を参照用のアノード2と比較することにより不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0093】
〈態様例6〉
図6は本発明の態様例6を説明する図である。本態様例6は本発明(8)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに相当する。本態様では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。そして、参照用はアノード2及びカソード3をフィルターFで覆い、検知用はアノード2のみをフィルターFで覆うことで、検知用のカソード3の触媒劣化を参照用のカソード3と比較することにより不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0094】
図6のとおり、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノード2及びカソード3をフィルターFで覆い、検知用はアノード2のみをフィルターFで覆うことで、検知用のカソード3の触媒劣化を参照用のカソード3と比較することにより不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0095】
〈態様例7〉
図7は本発明の態様例7を説明する図である。本態様例7は本発明(9)に係る水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルに相当する。本態様では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。そして、参照用のカソード3のみをフィルターFで覆うことで、検知用のカソード3の触媒劣化を参照用のカソード3と比較することにより不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0096】
図7のとおり、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用のカソード3のみをフィルターFで覆うことで、検知用のカソード3の触媒劣化を参照用のカソード3と比較することにより不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0097】
〈態様例8〉
図8は本発明の態様例8を示す図である。本態様例8は、前述〈態様例2〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセルである。カソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0098】
図8のとおり、カソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0099】
〈態様例9〉
図9は本発明の態様例9を示す図である。本態様例9は、前述〈態様例3〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセルである。アノード2を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0100】
図9のとおり、アノード2を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0101】
〈態様例10〉
図10は本発明の態様例10を示す図である。本態様例10は、前述〈態様例2〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する水素吸蔵合金充填容器を備えてなることを特徴とするセンサーセルである。カソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0102】
図10のとおり、カソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0103】
〈態様例11〉
図11は本発明の態様例11を示す図である。本態様例11は、前述〈態様例3(図3)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する水素吸蔵合金充填容器を備えてなることを特徴とするセンサーセルである。アノード2を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。
【0104】
図11のとおり、アノード2を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにして構成される。他の点は態様例1の場合と同様である。
【0105】
〈態様例12〉
図12は本発明の態様例12を説明する図である。本態様例12は、前述〈態様例4(図4)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセルである。本態様例12では、同じセンサーを図示のように並置して、一方を参照用、他方を検知用とする。ここで“同じセンサー”とは、同じ構造のセンサーとの意味である。なお、図12において、並置の両センサーの電解質膜は、共通の電解質膜1で構成しているが、それぞれ別個の電解質膜で構成してもよい。
【0106】
そして、参照用はアノード2及びカソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆い、検知用はカソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例4の場合と同様である。
【0107】
〈態様例13〉
図13は本発明の態様例13を説明する図である。本態様例13は、前述〈態様例4(図4)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する水素吸蔵合金充填容器を備えてなることを特徴とするセンサーセルである。態様例12と同じく、本態様例13でも、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0108】
そして、参照用はアノード2及びカソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆い、検知用はカソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例4の場合と同様である。
【0109】
〈態様例14〉
図14は本発明の態様例14を説明する図である。本態様例14は、前述〈態様例5(図5)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセルである。本態様例14では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0110】
そして、参照用はアノード2を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例5の場合と同様である。
【0111】
〈態様例15〉
図15は本発明の態様例15を説明する図である。本態様例15は、前述〈態様例5(図5)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する水素吸蔵合金充填容器を備えてなることを特徴とするセンサーセルである。態様例14と同じく、本態様例15でも、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0112】
そして、参照用はアノード2を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用アノード2の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例5の場合と同様である。
【0113】
〈態様例16〉
図16は本発明の態様例16を説明する図である。本態様例16は、前述〈態様例6(図6)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセルである。本態様例16では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0114】
そして、参照用はアノード2とカソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆い、検知用はアノード2を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例6の場合と同様である。
【0115】
〈態様例17〉
図17は本発明の態様例17を説明する図である。本態様例17は、前述〈態様例6(図6)〉におけるフィルターFに代えて、純水素を供給する水素吸蔵合金充填容器を備えてなることを特徴とするセンサーセルである。本態様例17では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0116】
そして、参照用はアノード2とカソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆い、検知用はアノード2を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例6の場合と同様である。
【0117】
〈態様例18〉
図18は本発明の態様例18を説明する図である。本態様例18は、前述〈態様例14(図14)〉では参照用のアノード2を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うのに対して、参照用のカソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことを特徴とするセンサーセルである。本態様例18では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0118】
そして、参照用はカソード3を小型水素ボンベから供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例14の場合と同様である。
【0119】
〈態様例19〉
図19は本発明の態様例19を説明する図である。前述〈態様例15(図15)〉では参照用のアノード2を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うのに対して、本態様例19は、参照用のカソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことを特徴とするセンサーセルである。本態様例19では、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とする。
【0120】
そして、参照用はカソード3を水素吸蔵合金充填容器から供給された高純度水素ガス雰囲気Gで覆うことにより、検知用カソード3の触媒劣化により不純物を検知するようにしてなるセンサーセルである。他の点は態様例1、態様例18の場合と同様である。
【0121】
〈態様例20〉
図20(a)は本発明の態様例20のセンサーセル(請求項43に相当する)を説明する図である。水素燃料をアノードとカソードへの流路を分ける。図20(a)のとおり、カソード側流路内に、H2Sを除去する目的で脱硫剤などのフィルターと、NH3を除去する目的で活性炭や強酸性膜などのフィルターを設ける。そして、カソードの半分〔図20(a)中“COフィルター”として示す部分〕を参照用として、COの影響を無視できるような例えばPt−Ruなどの合金を用いた触媒を配置して構成する。
【0122】
本発明の態様例20のセンサーセルは、アノードでの触媒劣化により被毒を検知するものである。カソードに入る水素燃料に対して、H2S、NH3、COの影響を除去した水素(いわば純水素)を供給することにより、これを参照用としてアノード側で被毒した、その影響を見るものである。図20(a)中、カソード側(下側)を半分に分けたのは、「(COの影響を受けないカソード)+(COの影響を受けるアノード)」を参照として、「(COの影響を受けるカソード・アノード)」の信号を検出するものである。
【0123】
〈態様例21〉
図20(b)は本発明の態様例21のセンサーセル(請求項44に相当する)を説明する図である。水素燃料をアノードとカソードへの流路を分ける。図20(b)のとおり、アノード側流路内に、H2Sを除去する目的で脱硫剤などのフィルターと、NH3を除去する目的で活性炭や強酸性膜などのフィルターを設ける。そして、アノードの半分〔図20(b)中“COフィルター”として示す部分〕を参照用として、COの影響を無視できるような例えばPt−Ruなどの合金を用いた触媒を配置して構成する。
【0124】
本発明の態様例21のセンサーセルはカソードでの触媒劣化により被毒を検知するものである。アノードに入る水素燃料に対して、H2S、NH3、COの影響を除去した水素(いわば純水素)を供給することにより、これを参照用としてカソード側で被毒した影響を見るものである。図20(b)中、アノード側(上側)を半分に分けたのは、「(COの影響を受けないアノード)+(COの影響を受けるカソード)」を参照として、(COの影響を受けるアノード・カソード)の信号を検出するものである。
【0125】
〈態様例22〉
図9(請求項21)、図11(請求項23)、図14(請求項26)、図15(請求項27)、図16(請求項28)、図17(請求項29)の態様においては、純水素を供給する小型水素ボンベ及び水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力が、センサーセルを通した水素の移動により減少してゆく。そこで、センサーセルに逆電圧をかけて、逆方向に水素を移動させることで、小型水素ボンベ及び水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力を回復させることができる。
【0126】
〈態様例23〉
図8(請求項20)、図10(請求項22)、図12(請求項24)、図13(請求項25)、図18(請求項30)、図19(請求項31)の態様においては、純水素を供給する小型水素ボンベ及び水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力が、センサーセルを通した水素の移動により増大してゆく。そこで、センサーセルに逆電圧をかけて、逆方向に水素を移動させることで、小型水素ボンベ及び水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力を回復させることができる。
【0127】
以上の〈態様例22〉と〈態様例23〉は、相互補完の関係にあり、図8(請求項20)と図9(請求項21)、図10(請求項22)と図16(請求項28)、図13(請求項25)と図17(請求項29)、図14(請求項26)と図18(請求項30)、図15(請求項27)と図19(請求項31)がこれに相当する。
【0128】
本発明においては、以上の仕組み、操作方法、配置態様、操作態様により、燃料電池の性能劣化を来たす不純物の全てを一つのセンサーで監視することにより燃料電池を保護するものである。
【0129】
以上、PEFCを例に説明したが、本発明は、リン酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体電解質形燃料電池(SOFC)など、水素を燃料とする燃料電池であればいずれにも適用できるものである。
【符号の説明】
【0130】
1 電解質膜
2 アノード
3 カソード
F フィルター
G 高純度水素ガス雰囲気
V1、V2 電圧計


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を燃料とする燃料電池の保護方法であって、燃料電池の上流側に、当該燃料電池よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置することにより燃料電池本体の機能を保護することを特徴とする燃料電池の保護方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、前記燃料電池が固体高分子形、固体酸化物形、溶融炭酸塩形またはリン酸形の燃料電池であることを特徴とする燃料電池の保護方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、前記燃料電池に導入する燃料水素が原燃料である炭化水素系燃料を水蒸気改質法または部分燃焼法により改質して得られる水素であることを特徴とする燃料電池の保護方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、不純物監視センサーの運転温度を燃料電池本体の温度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めることを特徴とする燃料電池の保護方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、不純物監視センサーの運転加湿度を燃料電池本体の加湿度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めることを特徴とする燃料電池の保護方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護方法において、不純物監視センサー流通後の燃料ガスを再循環させ、不純物を濃縮することにより感受性を高めることを特徴とする燃料電池の保護方法。
【請求項7】
水素を燃料とする燃料電池の保護システムであって、当該燃料電池本体の上流側に、当該燃料電池本体よりも燃料水素中の不純物に敏感な水素ポンプ型セルからなる不純物監視センサーを配置してなることを特徴とする燃料電池の保護システム。
【請求項8】
請求項7に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、当該燃料電池が固体高分子形、固体酸化物形、溶融炭酸塩形またはリン酸形の燃料電池であることを特徴とする燃料電池の保護システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、当該燃料電池に導入する燃料水素が原燃料である炭化水素系燃料を水蒸気改質法または部分燃焼法により改質して得られる水素であることを特徴とする燃料電池の保護システム。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、不純物監視センサーの運転温度を燃料電池本体の温度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めるようにしてなることを特徴とする燃料電池の保護システム。
【請求項11】
請求項7〜9のいずれか1項に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、不純物監視センサーの運転加湿度を燃料電池本体の加湿度よりも低くし、触媒劣化を加速することで感受性を高めるようにしてなることを特徴とする燃料電池の保護システム。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか1項に記載の水素を燃料とする燃料電池の保護システムにおいて、不純物監視センサー流通後の燃料ガスを再循環させ、不純物を濃縮することにより感受性を高めるようにしてなることを特徴とする燃料電池の保護システム。
【請求項13】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、アノードでの水素電解反応及びカソードでの水素発生反応の変化(以下、各反応の変化を触媒劣化と呼ぶ)により検知を行うようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項14】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、カソードをフィルターで覆うことにより、アノードの触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項15】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、アノードをフィルターで覆うことにより、カソードの触媒劣化により不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項16】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノードとカソードをフィルターで覆い、検知用はカソードのみをフィルターで覆うことで、検知用のアノードの触媒劣化を参照用のアノードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項17】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用のアノードのみをフィルターで覆うことで、検知用のアノードの触媒劣化を参照用のアノードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項18】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用はアノードとカソードをフィルターで覆い、検知用はアノードのみをフィルターで覆うことで、検知用のカソードの触媒劣化を参照用のカソードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項19】
水素を燃料とする燃料電池の保護システム用のセンサーセルであって、同じセンサーを並列にして、一方を参照用、他方を検知用とし、参照用のカソードのみをフィルターで覆うことで、検知用のカソードの触媒劣化を参照用のカソードと比較することにより不純物を検知するようにしてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項20】
請求項14に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項21】
請求項15に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項22】
請求項14に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、純水素を供給する水素吸蔵合金入り密閉容器を備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項23】
請求項15に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、純水素を供給する水素吸蔵合金入り密閉容器を備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項24】
請求項16に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のアノードとカソード及び検知用のカソードに純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項25】
請求項16に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のアノードとカソード及び検知用のカソードに純水素を供給する水素吸蔵合金入り密閉容器を備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項26】
請求項17に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のアノードに純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項27】
請求項17に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のアノードに純水素を供給する水素吸蔵合金入り密閉容器を備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項28】
請求項18に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のアノードとカソード及び検知用のアノードに純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項29】
請求項18に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のアノードとカソード及び検知用のアノードに純水素を供給する水素吸蔵合金入り密閉容器を備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項30】
請求項19に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のカソードに純水素を供給する小型水素ボンベを備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項31】
請求項19に記載のセンサーセルにおいて、前記不純物用フィルターの代わりに、参照用のカソードに純水素を供給する水素吸蔵合金入り密閉容器を備えてなることを特徴とするセンサーセル。
【請求項32】
請求項13〜31のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、前記アノード、カソードの構成要素としてPtのみを使用することを特徴とするセンサーセル。
【請求項33】
水素燃料をアノードとカソードへの流路を分け、カソード側流路内に、H2Sを除去する目的で脱硫剤からなるフィルターと、NH3を除去する目的で活性炭、強酸性膜からなるフィルターを設け、カソードの半分を参照用としてCOの影響を無視できるようなPt−Ru合金を用いた触媒を用いたセンサーセル。
【請求項34】
水素燃料をアノードとカソードへの流路を分け、アノード側流路内に、H2Sを除去する目的で脱硫剤からなるフィルターと、NH3を除去する目的で活性炭や強酸性膜からなるフィルターを設け、アノードの半分を参照用としてCOの影響を無視できるようなPt−Ru合金を用いた触媒を用いたセンサーセル。
【請求項35】
請求項13に記載のセンサーセルにおいて、被毒検知性能を上げるために、アノードとカソードのPt触媒量を少なくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項36】
請求項13に記載のセンサーセルにおいて、被毒検知性能を上げるために、アノードとカソードのPt触媒の粒径を大きくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項37】
請求項14、16、17、20、22、24、25、26、27、33のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、アノードの触媒劣化による被毒検知性能を上げるために、アノードのPt触媒量を少なくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項38】
請求項14、16、17、20、22、24、25、26、27、33のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、アノードの触媒劣化による被毒検知性能を上げるために、アノードのPt触媒の粒径を大きくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項39】
請求項14、16、17、20、22、24、25、26、27、33のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、カソードでの反応の可逆性を上げるために、カソードのPt触媒量を多くすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項40】
請求項14、16、17、20、22、24、25、26、27、33のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、カソードでの反応の可逆性を上げるために、カソードのPt触媒の粒径を小さくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項41】
請求項15、18、19、21、23、28、29、30、31、34のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、カソードの触媒劣化による被毒検知性能を上げるために、カソードのPt触媒量を少なくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項42】
請求項15、18、19、21、23、28、29、30、31、34のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、カソードの触媒劣化による被毒検知性能を上げるために、カソードのPt触媒の粒径を大きくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項43】
請求項15、18、19、21、23、28、29、30、31、34のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、アノードでの反応の可逆性を上げるために、アノードのPt触媒量を多くすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項44】
請求項15、18、19、21、23、28、29、30、31及び34のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて、アノードでの反応の可逆性を上げるために、アノードのPt触媒の粒径を小さくすることを特徴とするセンサーセル。
【請求項45】
請求項21、23、26、27、28及び29のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて,純水を供給する小型水素ボンベまたは水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力が,センサーセルを通した水素の移動により減少した場合に,センサーセルに逆電圧をかけて逆方向に水素を移動させることで,小型水素ボンベまたは水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力を回復させることを特徴とするセンサー運転方法。
【請求項46】
請求項20、22、24、25、30及び31のいずれか1項に記載のセンサーセルにおいて,純水素を供給する小型水素ボンベまたは水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力が,センサーセルを通した水素の移動により増大した場合に,センサーセルに逆電圧をかけて逆方向に水素を移動させることで,小型水素ボンベまたは水素吸蔵合金入り密閉容器内の純水素圧力を回復させることを特徴とするセンサー運転方法


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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