説明

燃料電池アセンブリ

燃料電池アセンブリは、複合積層構造に埋め込まれた燃料電池を含んでおり、複合積層構造は、燃料電池が埋め込まれたコア材料を含んでいる。燃料電池は、第1及び第2の面を有する電解質膜と、電解質膜のそれぞれの面に隣接して配置される第1及び第2の電極を含んでいる。第1及び第2の電極は、電気回路に接続可能である。コア材料は、1つ以上の流体の第1及び第2の電極への到達を可能にするため、埋め込まれた燃料電池に対する支持体と、コア材料を通じた流体伝達を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池が複合積層構造に組み込まれている燃料電池アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、昔からの材料と比較して低密度での優れた機械的強度、電気絶縁性、耐腐食性及び使いやすさといった数多くの理由から様々な産業で人気を集めている。たいていのアプリケーションにおいて、複合材料は製品に対する受動的な構造上の体積を提供し、電子装置といった個別の機能要素がその上に取り付けられる。
【0003】
複合材料は、共に働くことで、1つの構成材の性能を超える2つ以上の構成材から作られるエンジニアリング材料である。1つの構成材は、しばしば、複合材料に引っ張り強度を与えるガラス、石英、Kevlar(登録商標)又はカーボンの様な強い繊維であり、他の構成材(マトリクスと呼ばれる)は、しばしば、繊維をまとめ、通常その材料を硬くし、かつ、固定するポリエステル又はエポキシの様な樹脂である。いくつかの複合材料は繊維の代わりに又は繊維に加えて凝集体を使用する。
【0004】
複合積層構造は、単一の物体を形成するために密接に接着された個々の材料から成る複合材料の特定形状である。通常、これは(ある他の製品に組み込まれることになる)ボード又はパネルの形状を有する。こうした構造は、一般に、2つの外側の表皮と、それらの間に広がるコア材料でできている。ある場合、複数のコア材料が使用され、更なる表皮材料が、各コア材料の間に組み込まれる。他の場合においては、外側の表皮が、(例えば、コア材料が、例として熱処理によりその表面に沿って密封されるといった)コア材料自体により提供される。
【0005】
適切な表皮材料は、複合積層板及び金属板(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、軟鋼)を含む。実際、アルミニウム板は、合板に似た構造を形成するため、複合プリプレグを用いて積層することができる。表皮の選択は、最終用途でのアプリケーションによる。
【0006】
既知のコア材料は、強度、剛性、可燃性、成形性及び機械加工の容易さといった要因に関し、最終用途でのアプリケーションにより選択される、ハニカム、発泡体、木材、トラスコア、積層コア、押し出し型材及び3次元繊維を含んでいる。ハニカム、発泡体及びいくつかの3次元繊維は、通常“気泡”材料と呼ばれている。
【0007】
“ハニカム”は、ハニカム形状、又は、六角形状を組み込んだ製品群の総称である。円形、楕円形及び正方形といった形状が検討されたが、六角形状が好ましい。ハニカムコアは、(いずれもデュポン社製であるNomex(登録商標)又はTyvec(登録商標)の様な)アラミド紙、アルミホイル、クラフト紙、薄いガラス積層板及び熱可塑性板から作ることができる。材料は、6角構造を形成するために拡大され及び加熱設定されたセルノードで波形が付けられ、又は、接着される。
【0008】
発泡体のコア材料は、明確なセル順序又は周期性のないセル構造に基づいている。3つの異なる型が存在し、それはオープンセル発泡体、クローズドセル発泡体及び強化発泡体である。オープンセル発泡体では、空間が接合し発泡体を通って気体などの通行が可能になっている。クローズドセル発泡体では、空間は分離し、材料の壁により分割されている。強化発泡体は、通常、発泡体を形成するための2つ以上の材料の組合せであり、材料のうちの1つが強化材となる。例えば、一般に合成発泡体と呼ばれる強化発泡体を形成するために、ガラスと樹脂を組み合わせることができ、樹脂が強化材となる。アルミニウム及びセラミックから作られるアルミニウム発泡体の様な、金属強化剤を組み込む他の強化発泡体が存在する。一般に、クローズドセル構造は、最高の機械的性能を提供し、オープンセル構造は、最高の音声低減/減衰特性を与える。発泡体は、ウレタン、フェノリック樹脂及び熱可塑性プラスチックを含む幅広い様々な材料から作ることができる。選択は具体的なアプリケーションの要件に依存する。
【0009】
オープンウィーブ材料といった3次元繊維により、技術者及び設計者が機能について妥協することなく、より多くの柔軟性を製品に組み込むことが可能となった。こうしたコアは、特定の設計問題に対する解決策を提供できるが、ハニカム、発泡体及び木材といった多くの共通するコア材料よりもよい一般解を提供することはほとんどできない。
【0010】
燃料電池は、燃焼なしに、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する電気化学的装置である。通常の電池とは異なり、燃料電池は、燃料が供給される限り、継続的に電気を作り出すことができる。ポリマー電解質膜形燃料電池としても知られる固体高分子形燃料電池(“PEMFCs”)は、携帯電話といった携帯用アプリケーションや、輸送用アプリケーションに使用する目的で開発されてきた、低温で、典型的な小型燃料電池である。
【0011】
従来のPEMFCは、アノードとカソードの間に、接触する様に挟まれているイオン交換膜(デュポン社製のNafion(登録商標)といった高分子薄膜)を含んでいる。2つの電極は電気回路に接続されている。水素ガスといった燃料がアノードで導入され、燃料は、以下の半電池反応により解離して、電解質膜を通行するプロトンを形成する。
→2H+2e
同時に、酸素又は空気といった酸化剤がカソードに導入され、補完的な半電池反応が生じる。
1/2O+2H+2e→H
よって、電流がアノードとカソードの間に流れ、純粋な水素を使用したときにおけるセルの副産物は水だけとなる。
【0012】
アノード及びカソードは、通常、炭素担持白金触媒である。これらは、ガス拡散層(GDL)を形成する多孔質の炭素繊維紙上に印刷することができる。アノード‐膜‐カソードアセンブリは、一般に、“膜電極一体構造”(MEA)と呼ばれ、通常、導電性グラファイトプレートの間に挿入される。これらの“セパレータ”、又は、“フィールドフロー”プレートが電流を集め、燃料及び酸化剤のアノード及びカソード表面への、それぞれのアクセスを促進し、セルの動作中に形成される水の除去をもたらす。
【0013】
例えば、特許文献1は、アノード及びカソードのフローフィールドプレートでのフローチャネルの配分を論じている。特許文献2は、燃料がアノードに到達する前に、準備反応工程を実行する手段を提供するように構成されたフローフィールドプレートを含む燃料電池システムを開示している。どちらの場合も、電極表面に流体を配分するため、プレートの表面にチャネルが設けられる、従来の典型的な燃料電池装置である。この様なフィールドフロープレートは、しばしば製造することが高く、通常、複雑な気体流路を硬いグラファイトプレートに機械加工する必要がある。特許文献3は、電極全域に流体を分散させるためのチャネルを有する多孔質ガス分配材料の使用を提案している。しかしながら、多孔質層は、支持及流体の供給のために複雑な枠組みを必要とする。よって、ほとんど利点がない。特許文献4は、電極全体に渡り流体を分散させるために、ホイル上に取り付けられる薄い金属の発泡体層を使用することを提案している。しかしながら、支持及び流体の供給のための複雑な枠組み構造に左右されすぎている。
【0014】
いくつかの例において、複数の膜電極一体構造(MEA)が一緒に構成されて、隣接するMEAの電極が互いに向かい合うようなスタックを形成している。燃料及び酸化剤ガスの供給及び放出マニホルドは、MEA間の互い違いの表面の、スタックとの交差点で結合できる。この一連の燃料電池、つまり“燃料電池スタック”は、通常はハウジングに入れられる。スタック、ハウジング及び関連するハードウェアにより、燃料電池ユニットが作られる。燃料電池の産業上の利用への導入を考慮すると、燃料電池は、電池とほとんど同じ方法でその構造に組み込まれる独立型ユニットと見なされている。必要な電気出力を提供するために、所定の数の燃料電池が積み重ねられ、ユニットに格納され、その後、組立て構造物に組み込まれる。
【0015】
例えば、特許文献5は、電気的に直列でスタックされる複数MEAを分離する導電性の電流コレクタである高分子複合体のバイポーラプレートを有するPEMFCを開示している。流体は、グラファイト紙の分散層を通行する前の、プレート表面の曲がりくねった経路により各電極に渡り分散される。特許文献6は、複数の壊れやすいPEMFCを積み重ねることに関連する問題を、PEMFCを受け取るため、ジグザグ状構造又はらせん状構造に成形したレセプタクルにより制限することを目的としている。こうした複雑な装置は高価であり、実際のアプリケーションには役立たない。実際、PEMFCの大部分が試作品であり、実演ユニットである。PEMFCを大規模に商業利用するためには、進行する様々な材料の改良を組み込みため、製造に関する設計変更が必要である。また、PEMFCは比較的壊れやすく、自立型ではないので、燃料電池ユニットを組み立てるときには、PEMFCの支持体が特に重要になる。さらに、MEA全域に流体を配分しなければならないフレーム及び複雑なフィールドフロープレートの結果として、燃料電池アセンブリは重く扱いにくくなる。
【0016】
PEMFCとは対照的に、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は約1000℃の高温で動作し、ジルコニアでドープされたイットニアといった酸素導電体で形成される膜のイオン伝導度を最大にする。動作温度は、SOFCが剛構造を形成するセラミック材料を主に利用して構成される温度を必要とする。SOFCセルユニットは互いに平行に配置され、互いに硬く及び厳密に固定されて発電チャンバを形成し、それにより酸化ガス及び燃料ガスが発電チャンバの1つの側から供給され、燃やされた排ガスが、他の側から放出される。SOFCは通常、発電セクタでの使用を目的としている。
【0017】
ポータブルアプリケーションに対するPEMFCの変形、つまり直接メタノール形燃料電池(DMFC)が開発されている。DMFCは、装置のアノードに直接送り込まれるメタノールで動作する。流体透過性電解質膜を取り入れる、更なる適用も開発されている。空気と燃料の混合は、その膜を横切る代わりにセルを通過する。各電極は、燃料又は酸化剤のどちらかの反応を選択的に促進するように設計される。
【0018】
【特許文献1】米国特許第6878477号明細書
【特許文献2】米国特許第6913846号明細書
【特許文献3】国際公開第03/073548号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2002/027838号パンフレット
【特許文献5】米国特許第6811918号明細書
【特許文献6】米国特許第6838204号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
PEMFCの様に、SOFC及びDMFCの実用的な実装は、依然、燃料と空気を効率的な方法で燃料電池に運ぶための適切な流体フローメカニズムを必要としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様によると、燃料電池アセンブリは、複合積層構造に組み込まれた燃料電池を含み、その複合積層構造は、中に燃料電池が埋め込まれたコア材料を含み、その燃料電池は、第1及び第2の面を有する電解質膜と、電解質膜のそれぞれの面に隣接して配置される第1及び第2の電極を含み、第1及び第2の電極は、電気回路に接続可能であり、コア材料が、1つ以上の流体の第1及び第2の電極への通行を可能にするために、埋め込まれた燃料電池に対する支持体と、コア材料を通じての流体伝達を提供する。
【0021】
このように燃料電池を複合構造に組み込むことにより、いくつかの利点が得られる。第1に、さもなければ、受動的である構成材、つまり複合積層構造が、埋め込まれた燃料電池に対する流体輸送機構(気体又は液体)としてコア材料を使用することで、それ自体が機能的になる。従って、燃料電池を必要とする製品が占める総容量は、燃料電池をその製品の構造に収容することにより削減できる。これは、さらに小型の製品がもたらされるだけでなく、限られた空間への応用は容易に見つかるため、他の電力供給における燃料電池の選択をより魅力的なものとする。燃料電池の構成材への配置場所を選択できることにより、燃料電池を電力供給する構成材の近くに位置させて、いくつかの配線を除去することも可能となる。これは、構造全体の重量を軽くする。
【0022】
燃料電池を複合構造内部に組み込むことにより、複雑で高価なハウジング及び流体フロープレートに対する要件を排除する形で燃料電池構成材に対する支持体及びハウジングが提供される。電極への流体移動は、コア材料の適切な構造を通じて容易に達成でき、かつ、制御できる。その構造の本来の強度により、製造中と使用中の両方において、燃料電池構成材に対する保護が提供される。さらに、複合構造は、気体又は液体を保存するために使用することができる。
【0023】
後述するように、コア材料は、多数の方法で流体を電極に運ぶことができる。好ましい実施形態では、コア材料は、第1の流体の第1の電極への通行と、第2の流体の第2の電極への通行を可能にするように構成され、一方で第1及び第2の流体間の分離を維持する。この構成は、異なる流体をそれぞれの電極に到達させることが必要な燃料電池に対して特に適切である。例えば、たいていのPEMFCは、燃料をアノードに到達させ、空気又は酸化剤をカソードに到達させることが必要である。従って、第1の流体が燃料流体を含み、第2の流体が反応剤流体を含むことが好ましい。上述した化学反応に対する代替的な化学反応を利用可能であることが予想される。例えば、反応剤流体は、還元剤でありうる。しかし、反応剤流体が酸化剤であることが好ましい。
【0024】
使用するコア材料の型にもよるが、2つの流体を別々に燃料電池に運ぶように構成された単一のコア材料を利用できる。例えば、気孔の相互接続で、第1の流体が材料の1つの領域に閉じ込められ、第2の流量がもう一方の領域に閉じ込められている発泡体材料を利用できる。同様に、コア材料は、それぞれ第1及び第2の流体の第1及び第2の電極への通行のためにその場所に画定される第1及び第2のチャネルを有する。
【0025】
しかし、好ましい実施形態では、コア材料は、その間のインターフェースを画定し、実質上流体に対して不透過である中間層によりインターフェースの少なくとも一部に沿って分離される第1及び第2のコア材料を含む。1つの流体が中間層によりそれぞれのコア材料に閉じ込められるため、これにより、2つの流体を分離する特に便利な方法が提供される。コア材料自体が、例えばその場所に画定されるチャネルを有することにより流体の流れ上に更なる制限を設けるかもしれないが、例えばオープンセル発泡体といった、流体が自由に移動できる材料を含むことができる。
【0026】
好都合なことに、電解質膜は、第1及び第2のコア材料の間のインターフェースに配置され、その膜の少なくとも一部は、中間層が及ばないインターフェースの領域に配置され、それにより電解質膜の第1の面が第1のコア材料に隣接し、第2の面が第2のコア材料に隣接している。本構造では、電解質膜自体が2つのコア材料を局所的に分離し、それぞれから流体を受け取るために都合良く位置決めさる。さらに、その膜は、インターフェース、及び/又は中間層により支持できる。その膜は、必ずしもインターフェース又は中間層の面内に配置する必要はなく、第1及び第2の面が第1及び第2のコア材料それぞれに隣接する限り、インターフェースのどちらかの側面に配置できることに留意すべきである。
【0027】
好ましくは、電解質膜は、実質上インターフェースと平行に配置され、第1及び第2の面は、膜の反対側に配置される。しかしその膜は、必要に応じて、インターフェースに対して斜めに、例えば垂直に配置できる。例えば、2つの電極が、膜の同じ側に配置され、その場合、第1及び第2の面は膜の同一面により画定される。
【0028】
有利なことに、中間層には、中に電解質膜が配置される厚さ方向の孔が設けられる。これにより、その端部全体での電解質膜に対する支持体が提供される。他の形態として、電解質膜は、中間層の1つの端部に、又はそのそばに配置できる。好ましくは、電解質膜は、中間層に組み込まれる。燃料電池MEAが、支持体として機能する中間層と共に構成されるので、これは、製造の助けになる。例えば、膜と、随意的な電極が、積層中間層への共に硬化され、結合され、又は、溶接され得る。配線又は導電トラックも、電極と電気回路を接続するために中間層上に設けることができる。
【0029】
別の実施形態では、第1の面で電解質膜に到達する流体の第2の面への通過を可能にし、その逆も可能にする、流体透過性の電解質膜を選択することが有用である。従って、流体がコア材料により1つの電極に直接運ばれることだけが必要であり、第2の電極への移動は膜自体により達成される。従って、コア材料は、有利には、電解質膜を経由しての、第2の電極への流体の通行が可能になるように構成される。例えば、コア材料は、単一のチャネルを画定する。しかし好ましくは、コア材料は、第1の電極及び電解質膜を経由しての第2の電極への流体の流入経路と、第2の電極からの流体の流出経路を提供するように構成され、一方で流入経路と流出経路間の分離を維持している。これは、膜を通る流体フローを単一の方向に方向付ける。好ましい実施形態では、これは、その間にあるインターフェースを画定する第1及び第2のコア材料を含むコア材料により達成され、第1及び第2のコア材料は、実質上流体に対して不透過である中間層によりインターフェースの少なくとも一部に沿って分離され、第1のコア材料が、流体の流入経路を提供し、第2のコア材料が流体の流出経路を提供する。
【0030】
これらの構造は、単一の入力流体に基づいた動作に特に適している。従って、好ましくは、流体は第1及び第2の流体の混合物を含む。好都合なことに、第1の流体は燃料流体を含み、第2の流体は反応剤流体を含んでいる。通常、反応剤流体は酸化剤である。
【0031】
上述した2つの実装のどちらか一方において、第1の電極が第1の流体と選択的に反応し、第2の電極が第2の流体と選択的に反応することが好ましい。混合流体の場合、これにより、単一の構成要素が電極のそれぞれで反応することが可能となり、より大きくて安定性のある電流がもたらされる。流体が分離している場合、2つの電極の選択的な設計が、それらの性能を最適化するのに使用できる。
【0032】
コア材料は、流体を関係する電極に直接運ぶことができる。しかし、特定の実施形態において、第1の拡散領域が、第1の電極との流体伝達内で、第1の電極に隣接して設けられ、コア材料が流体の第1の拡散領域への通行を提供するように構成される。拡散領域は、効果的な反応を促進するため、流体の電極表面全域への分配を助ける。
【0033】
さらに好ましくは、第2の拡散領域が、第2の電極との流体伝達内で、第2の電極に隣接して設けられ、コア材料が、流体の第2の拡散領域への通行を提供するように構成される。
【0034】
拡散領域は、グラファイト紙といった拡散媒体の層を含む。しかし、第1及び/又は第2の拡散領域を、拡散領域内でそれぞれの電極の実質上全体にわたり流体を分配するように構成されたコア材料と一体化することが好ましい。このようにして、構成材の数、従ってアセンブリの複雑性を低減できる。さらに、拡散領域は特定のアプリケーションに対して調整できる。
【0035】
コア材料に使用される特定の材料は、具体的なアプリケーションによる。好ましくは、コア材料又は第1のコア材料と第2のコア材料の少なくとも1つが、気泡材料を含み、そのセルのうち少なくともいくつかが、それを通っての流体の通行を可能にするために相互に結合される。特定の実施形態においては、気泡材料は、好都合なことに、流体不透過性のセル壁により画定されたセルを有するハニカムであり、少なくともいくつかのセルは、選択されたセル壁の穿孔により相互に結合される。こうしたハニカムは、例えばアルミニウムから作ることができる。
【0036】
他の形態として、気泡材料は、好ましくは空間を含む発泡体であり、空間の少なくともいくつかは、流体の通行を可能にするように接合される。空間の間の相互結合は、材料内で自然に形成され、さもなければ、例えばレーザ又は機械加工により材料の形成後に導入される。更なる例において、気泡構造は、流体透過性の壁により画定される少なくともいくつかのセルを有する3次元繊維である。例えば、その繊維はポリエステルフェルトから作られる。好ましくは、3次元繊維のセルの少なくとも一部は、流体の通行を阻止するために、樹脂で処理される。この様に、特定のアプリケーションにより要求により、フローチャネルを材料内に画定することができる。
【0037】
さらに他の形態として、コア材料又は第1のコア材料と第2のコア材料の少なくとも1つは、好ましくは、オープンウィーブニットといった流体フローチャネルをそこに組み込んでいる3次元繊維を含む。この場合、材料自体が流体に対して透過性又は不透過性である。
【0038】
アプリケーション又は選択した材料に応じて、コア材料固有の流体フロー特性を変更することは好ましい。従って、好ましくは、コア材料又は第1のコア材料と第2のコア材料の少なくとも1つには、機械加工されたフローチャネルが設けられる。
【0039】
2つ以上のコア材料が構造内に配置される場合、異なる材料及び/又は機械加工を、それぞれに対して取り入れできる。例えば、第1の流体が第1のコア材料により運ばれ、異なる流体が第2のコア材料により運ばれる場合、運ばれる流体の特性に適するように第1及び第2のコア材料を選択することが好ましい。他の形態として、第1及び第2のコア材料がそれぞれ同一の材料を含むこともできる。
【0040】
好ましくは、第1及び第2の電極は、それぞれ流体透過性フィルム上に分散された多孔質触媒を含む。これは、大きい表面領域を、確実に触媒反応に利用可能とし、イオン(通常プロトン)の電解質膜への通行を可能にする。好ましくは、流体拡散層は、それぞれの電極に隣接して配置される。これにより、電極全域に渡る流体のよりよい拡散が提供される。
【0041】
上述したように、水といった排出物は、電池反応より作り出される。従って、排流体が電極の少なくとも1つから離れるように通行することを可能にするようにコア材料がさらに構成されることが好ましい。これにより燃料電池での流体の蓄積が回避される。
【0042】
好ましくは、表皮材料は、コア材料の外側に提供される。これがコア材料の密封と保護に役立ち、複合構造を強化する。いくつかの例において、コア材料自体が、密封機能を提供する。表皮は、構造の1つの側面に提供されるが、好ましくはその両方に提供される。好ましくは、表皮はコア材料に結合される。
【0043】
本発明の第2の態様によると、本発明の第1の態様による複数の燃料電池アセンブリを含む燃料電池アレイが提供され、複数の燃料電池は、1つの複合構造に組み込まれ、コア材料は、1つ以上の流体のそれぞれの燃料電池への通行を可能にするように構成される。従って、いくつかの燃料電池が1つの複合構造に組み込まれる。コア材料は、複数の燃料電池に流体を供給することができ、単体又は集合体として働く。好ましくは、コア材料が、共通の経路を経由しての、少なくとも2つの燃料電池への流体の通行が可能となるように構成される。これにより、さらに空間が節約され、さもなければ必要となる様々なチャネルの複雑性が削減される。
【0044】
好ましくは、コア材料は複数のコア材料を含み、それぞれがインターフェースにより隣のコア材料とは分離され、少なくとも1つの燃料電池が、インターフェースのそれぞれに配置される。インターフェースに隣接して配置される燃料電池は、互いに一列に並ぶ必要はないが、好ましくはインターフェースに沿って横方向に配置される。特定の例において、コア材料は、第1、第2及び第3のコア材料を含み、それぞれがインターフェースにより分離され、少なくとも1つの燃料電池が、インターフェースのそれぞれに配置される。好都合なことに、本発明の第1の態様に関して上述したように、流体不透過性の中間層が、各インターフェースに配置され、それぞれの燃料電池の電解質膜が、中間層に組み込まれる。
【0045】
本発明の第1及び第2の態様による燃料電池アセンブリ及び燃料電池アレイを作る方法もまた提供される。
【0046】
本発明の第3の態様によると、燃料電池アセンブリを作る方法は、
(A)燃料の通行を可能にする第1のコア材料を設け、
(B)第1及び第2の面を有する電解質膜と、電解質膜のそれぞれの面に隣接して配置され、電気回路と接続可能である第1及び第2の電極を含む燃料電池の第1の側面に、第1のコア材料の流体が燃料電池の第1の側面と接触できる位置で、第1のコア材料を取付け、
(C)流体の通行を可能にする第2のコア材料を設け、燃料電池の第2の側面に、第2のコア材料の流体が燃料電池の第2の側面と接触できる位置で、第2のコア材料を取り付ける、
ステップを含み、
それにより燃料電池が結果として生じるコア材料に埋め込まれ、そのアセンブリが複合積層構造に組み込まれる。
【0047】
この技術は、製造工程を通じて壊れやすい燃料電池への支持体を提供し、複合積層構造に組み込まれる燃料電池がもたらされる。
【0048】
好ましくは、第1のコア材料の提供は、
(A1)気泡材料を設け、
(A2)流体フロー経路を作るために、材料内のセルの少なくともいくつかを、相互結合する、
ステップを含んでいる。従って、フロー経路の構造は、アプリケーションに適合するように設計することができる。
【0049】
好ましくは、燃料電池の取り付けは、
(B1)流体不透過性の中間層を設け、
(B2)電解質膜を中間層に組み込み、
(B3)第1及び第2の電極を電解質膜の第1及び第2の面に設け、
(B4)電流コレクタを第1及び第2の電極に設け、
(B5)中間層と燃料電池を第1のコア材料に取り付ける、
ステップを含んでいる。
【0050】
このように、燃料電池は、壊れやすい膜と電極のための保護と支持体を提供する中間層と共に製造される。
【0051】
好ましくは、第2のコア材料の提供は、
(C1)気泡材料を設け、
(C2)流体フロー経路を作るために、材料内のセルの少なくともいくつかを相互結合する、
ステップを含んでいる。従って、第2のフロー経路の構造は、特定のアプリケーションのために選択できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本発明による燃料電池アセンブリの例について、図面を参照して記載する。
【0053】
典型的なPEMFC1の機能部品を、図1に概略的に示す。高分子膜2は、アノード4とカソード6の間に配置されている。膜2は、イオンを導電できるにもかかわらず電気的に絶縁である電解質材料を含んでいる。典型的な例は、優れたプロトン(H)伝導体であるNafion(登録商標)である。電極4、6は、通常、炭素繊維紙といった流体透過性の支持体上に分散される白金を用いた触媒を含んでいる。これにより、流体が電極全域で均一に分散されることを助成するガス拡散層(図示せず)が提供される。膜2、アノード4及びカソード6は、まとめて膜電極一体構造(MEA)5として参照される。
【0054】
従来、フィールドフロープレート8a及び8bは、それぞれの電極に隣接して設けられている。プレート8a、8bは、それぞれの電極4、6にわたる流体の流れを制御する。水素又はメタノールといった燃料を含む第1の流体Aは、プレート8aにより、アノード4に又はアノード4全域に案内される。図1において、流体Aは、図の平面上を流れるように示され、ガイドチャネル(図示せず)が、この目的のためにプレート8aの表面に設けられている。酸素又は空気といった酸化剤を含む第2の流体は、プレート8bにより、カソード6に又はカソード6全域に案内される。図1はプレート8b上のチャネル8b´により案内され、紙面外に流れていく流体Bを示している。
【0055】
電極4、6は、電流コレクタ(図示せず)により電気回路に接続されている。流体A及びBは、上述したように、それぞれの電極4、6で反応し、電流が流れる。
【0056】
図2は、表皮11の間に挟まれるハニカムコア13を有する典型的な複合積層構造10を示している。ハニカムコア13は、それぞれが六角柱の形状であるセル17のアレイで構成されている。ハニカムコアにより、高い剛性と低重量の積層板が提供される。ハニカム13と表皮11の間の利用できる結合領域が小さいので、エポキシ樹脂といった高性能な樹脂システムが、表皮を積層するために必要な接着を達成するために使用され、その結果、親密に結合された単一の物体がもたらされる。ハニカムコアは、アルミニウム、熱可塑性プラスチック、紙、Nomex(登録商標)といったハニカムセルで形成される樹脂、及び繊維を含む、様々な材料に利用可能である。
【0057】
アルミニウムハニカムは、通常、多段処理を使用して作られる。材料の薄板は、交互に平行な薄いストリップの接着剤を用いて印刷され、そのシートは、その後、接着剤が硬化する間、加熱されたプレス機で積み重ねられる。(ブロック形式として知られる)シートの積み重ねは、その後その厚さに切られ、シートは、後に、連続的な六角形セル形状のシートを形成するために、徐々に伸ばされ、拡大される。熱可塑性プラスチックハニカムは、通常、押し出し成形により作られ、続いて必要な厚さに切られる。
【0058】
適切な表皮材料は、複合積層板や、アルミニウム、ステンレス鋼又は軟鋼といった金属板を含んでいる。表皮材料の選択は、その構造の目的である特定のアプリケーションに依存する。
【0059】
燃料電池が複合積層構造に組み込まれる、燃料電池アセンブリの第1の実施形態を図3に示す。コア材料により、気体又は液体(つまり流体)移動機構が提供され、それを通って流体が燃料電池に供給される。
【0060】
この例において、2つの表皮層21が、第1及び第2のコア材料23a及び23bに分けられるコア23を間に挟んでいる。流体不透過性の中間層28は、2つのコア材料間のインターフェースに位置している。第1及び第2のコア材料23a及び23bは、ここではハニカム(図2に示すセル17に相当)製として示されており、それらは、あるセル間での流体の流れを可能にするために穿孔されている。しかし、(本来備わっているか否かに係わらず)流体を運ぶ機能と、複合構造を支持する機能を有する任意の適切なコア材料が利用可能であることを理解すべきである。さらに、表皮層21は任意であることも理解すべきである。いくつかの例において、コア材料自体が表皮として動作でき、あるいは、他の形態として、コア材料が、支持体を提供する他の物体に対して位置することもできる。別の場合では、外表皮21は、多機能であり、気体又は液体が漏れることを防ぐためのシール提供し、あるいは、水又は電子機器からの熱といった廃棄物の除去と、例えば燃料電池が必要とする酸化剤ガスといった気体又は液体の流入を可能にする、実質的な交換機構を提供することができる。
【0061】
膜電極一体構造(MEA)25は、中間層28が及ばない領域で、2つのコア材料23a及び23b間のインターフェースに、この場合には、中間層28のすき間に配置されている。中間層28は、コア23の一部であると見なされ、そのようなものとして、MEA25はコア23に埋め込まれるといわれる。この文脈において、“埋め込まれる”とは、この記載例で示されているように、MEAがコア23内に設置されていることを意味する。従って、コアは2つ以上の構成材を含むことができるが、MEAは通常コア(つまり、表皮21間の構造の一部)により全体が取り囲まれている。MEA25は、図3aに示すように、電解質膜22、アノード24及びカソード26を含んでいる。これら部品のそれぞれの構造は、図1に関し、上述したものに似ている。電流コレクタ27a及び27bは、アノード24とカソード26をそれぞれ電気回路(図示せず)に接続する。実際には、図示するように、コア及び表皮材料から直ちに離れるよりはむしろ、中間層28上の配線又は導電トラックとして電流コレクタ27a及び27bを設けることが好都合である。しかし、燃料電池により電力供給される部品が、その構造の外側上(例えば表皮21上)又はその付近に配置される場合、必要な配線の量を削減するために、図示するように、電流コレクタを直接外に向かわせることが好ましい。
【0062】
例えばPEMFC、DMFC又はSOFCといった任意の既知の型の燃料電池を、このようにして複合構造に組み込むことができることを理解すべきである。
【0063】
通常、水素といった燃料である第1の流体Aは、アノード24に到達するために、第1のコア材料23aを通過するように配置される。これは、例えば、流体をその材料を通じて送り出すことにより、あるいは、圧力を流体源に印加することにより達成される。燃料及び/又は反応剤流体(例えば、それぞれ水素と酸素)をコア材料から離して保存するために、加圧型のシリンダー又はコンテナを使用することができ、その際、圧力は、調速機により制御され、流体は差し込みを介してコア材料に送りこまれる。他の形態として、燃料流体は、上記方法で保存され、例えば空気といった酸化剤は、周りの大気から直接取得する。さらに、コア材料自体が、外部の燃料保存コンテナの調速機を介して加圧下に維持されている1つ以上の流体に対する井戸といった、保存構造を形成し、この様に、(外部の燃料流体の保存コンテナを、MEAを供給するチャネルに直接的に接続することとは対照的に)MEAに対する流体のより良く調整された供給を提供することができる。個別の燃料及び/又は反応剤流体でMEAに供給可能な、局所的な燃料保存について考慮する場合がある。この場合、流体は、複合構造自体の中に保存でき、必要なときに、外部の保存コンテナを必要とせずにMEAに放出される。これら技術の任意の組合せが、アプリケーションに適合するように取り入れられる。
【0064】
ハニカムコアの場合、流体は、セル壁の穿孔により、1つのセルから次のセルへ通過する。このコア構造及び他のコア構造について、以下で詳しく論じる。
【0065】
同様に、通常酸化剤又は還元剤といった他のこうのような反応剤である第2の流体Bは、第2のコア材料23bを通じてカソード26に運ばれる。第2の流体Bの移動は、流体Aに対するのと同じ技術を使用して達成されるが、他の形態の手段が好ましいかもしれない。これは、具体的には、一方の流体が気体であり、他方が液体の場合である。
【0066】
流体A及びBは、図1を用いて説明したように、それぞれの電極で反応し、電流が、電流コレクタ27a、27bと接続されている回路に流れる。電流コレクタ27a、27bは、中間層28上に固定され、接着され、又は吹き付けられる、メッシュ、ワイヤ又は伝導トラックの形状で設けられる。伝導トラック、半伝導トラック又は絶縁トラックの複雑なパターンは、二次元又は三次元に適用でき、多重タスクが行われることを可能にする。
【0067】
ドレイン29は、水といった反応生成物を構造体から排出することを可能にするために提供される。選択したコア材料に応じて、水をカソード26からドレイン29に方向付けるために、材料内にフローチャネルを提供することが必要となる。
【0068】
コア材料23は、複合構造の最終用途アプリケーションにより求められる必須の機械的性能要件を提供し、それを介して気体及び/又は液体が、埋め込まれた燃料電池に運ばれる流体移動機構を提供するハニカム、発泡体、オープンウィーブ繊維又はそれに相当する任意の3次元繊維である。
【0069】
気体又は液体の、ハニカムを通じての移動を可能とするため、製造中において、材料は、選択されたセル17間の流体伝達を設けるために穿孔される。その結果、流体経路が確立されるにもかかわらず、コアの構造的な剛性は持続される。穿孔されたハニカムコアを、図4aに示す。注目すべきは、穿孔18が円で描かれているが、それらは、セル間の流体の流れを可能にするスロット、孔又は任意の別の切り欠き形状にできることに留意すべきである。
【0070】
穿孔されたアルミニウム製のハニカムを製造するために、ブロック形状のハニカムがスライスされ、薄板の結合領域である節点での機械的ドリル又はパワービーム(例えばレーザ)ドリルの対象とされ、それに続いて、伸長及び拡大されて穿孔されたハニカムがもたらされる。熱可塑性プラスチックハニカムは、通常押し出しの後に穿孔される。紙製又はNomex(登録商標)といった、カード型のハニカムコア材料を使用することも可能であり、その場合、フローチャネルは、最初に穿孔された紙からハニカムを作ることにより、あるいは、最終コア製品を後で機械加工することにより設けられる。
【0071】
オープンウィーブ繊維又は別の3次元繊維は、その独自の構造を通る気体又は液体のためのフローチャネルを提供する。いくつかの場合、こうした3次元繊維は、コア材料に強度を与えるために樹脂を含ませ、こうした場合にはフローチャネルを形成する必要がある。こうした例は、樹脂フィルムの薄層がその上に配置されているハニカム構造を有する(流体透過性の)ポリエステルフェルトの3次元繊維である。加熱すると、樹脂が流れ、セル17に含浸する。フローチャネルを提供するために、樹脂フィルムが、繊維上の、不連続の場所のみに配置され、図4bに示すように、過熱する選択セル17aだけに樹脂が含まれ、流体は、セル17bを自由に移動する。他の形態として、硬化したコアは、図4cに示すように、必要に応じ、一連のフロー経路15a、15bを設けるために機械加工される。
【0072】
コア材料の適切な選択とフローチャネルの構造により、流体の燃料電池への移動が最適化される。チャネルの設計により、燃料電池のアノード又はカソードが、必要な燃料又は酸化剤流体で満たされ、チャネルは、気体又は液体を燃料電池に最適に運ぶことができるフローパターンに適合するように設計される。
【0073】
いくつかの実施形態において、拡散領域24A及び26Aは、それぞれの電極に隣接して設けられる。これらの領域は、それぞれの電極の表面全域にわたる流体の配分を助ける。拡散領域は、グラファイト紙又は似たような多孔質材といった拡散媒体の層を含み、電極表面に隣接して配置される。しかし、こうした材料の必要性は、領域24A及び26Aとコア材料を一体化して形成することにより、例えば電極全域にむらなく流体を配分するフローチャネルを配置することにより排除される。コア材料は、それぞれの拡散領域を経由で流体を電極24、26に運ぶ。
【0074】
さらに、フローチャネルは、図4に示すハニカム構造の例で示すように、異なる気体又は液体を、同時に同じコア材料に流すことを可能にするために使用できる。
【0075】
ここで、“フローチャネル”という用語を、材料の固有の性質(例えば、オープンセル発泡体の相互結合した細孔)の結果として生じるフロー経路と、専用の機械加工工程(例えば、ハニカムの穿孔又は機械加工されたチャネル)により導入されるフロー経路の両方を示すために使用していることに留意すべきである。
【0076】
上述したように、フローパターンが燃料と酸化剤の気体又は液体を燃料電池に提供するために使用できる一方で、それらはまた、不必要な熱又は流体をその構造体から除去するためにも使用できる。例えば、コア材料23は、燃料電池からの水の除去を可能にするために、流体のフロー経路を提供することができる。電子部品の局所領域では、コアは、こうした電子部品又は実際にはその構造体自体に対する冷却を提供する冷却剤流体のためのフロー経路を含むことができる。コア材料もまた、要求されるまで気体又は液体を含み、あるいは、保存する機会を提供する。
【0077】
中間層28は、最終用途アプリケーションの必要条件に応じて硬く、あるいは、柔らかくできる。この中間層28は、部分的に又は全体的に、しかしながら少なくともMEA25の付近において、MEA25への流体供給を可能にするコア材料23により1つ又は両方の面が覆われている。
【0078】
中間層28は、熱可塑性物質(例えば、ポリエチレン)、複合積層板、含浸布、熱硬化性樹脂又は実際にはエポキシ樹脂といった強化構造の樹脂システムといった様々な材料から作ることができる。MEA25は、接着(例えば、接着剤を用いて)又は溶接(例えば、レーザを使用することで)により中間層28に組み込むことができる。MEA25は、加熱したプレス機又はオーブンで積層板を硬化する工程で層状化されるが、低温硬化も同時に又は別々にされ得る。中間層に組み込まれたMEA25は、第1及び第2のコア材料23a、23bと順々に、あるいは、両方が同時に接合される。コア材料の中間層への適切な接着が、フローチャネルの完全性を維持するために必要である。
【0079】
第1及び第2のコア材料が必ずしも同一の型である必要がないことは明らかである。例えば、図5は、第1のコア材料33aがオープンセル発泡体であり、第2のコア材料33bが穿孔されたハニカムコアである燃料電池アセンブリ30の第2の実施形態を示している。図6は、第1のコア材料43aがオープンセル発泡体であり、第2のコア材料43bが3次元繊維である第3の実施形態40を示している。2つのコア材料43a及び43bは、燃料電池(図示せず)が中に組み込まれている中間層48により分離されている。もちろん、同一の型を含む、コアのいかなる組合せも、フローの要件に応じて利用することができる。
【0080】
図5に示す燃料電池アセンブリ30内のMEA35の配置が、第1の実施形態のそれとは異なることがわかる。ここで、MEA35は、依然、2つのコア材料30a及び30bの間のインターフェースに設けられているが、中間層38に組み込まれているというよりは、むしろ第2のコア材料33bに埋め込まれている。しかし、アノード34及びカソード36は、依然、第1及び第2のコア材料33a及び33bと、それぞれ、接触している。さらに、いくつかの変形では、中間層38を提供する必要が全くない。例えば、コア材料33a、33bのフロー経路は、流体が材料間のインターフェースを渡ることを防ぐように設計される。この例は、フローチャネルを別のコア材料から分離する樹脂で満たされたセルを有する3次元繊維である。同様に、燃料電池が内部に埋め込まれた単一のコア材料33が提供され、樹脂で満たされたセル(又は他のこのような障害物)の領域が、1つのフロー経路を、他のフロー経路から分離する。
【0081】
第1の実施形態のように、電流コレクタ37a、37bは、電極34、36を電気回路に接続するために設けられ、ドレイン39を含めることができる。
【0082】
図7は、燃料と酸化剤流体の混合物が電極の1つに運ばれ、流体透過性の電解質膜を経由して、第2の電極に近づくタイプの燃料電池への使用に特に適する第4の実施形態を示している。こうした場合、それぞれの電極は、燃料又は酸化剤流体のいずれかに選択的に反応するように設計される。
【0083】
従って、流体C(上記で参照するる流体A及びBの混合物)だけがMEA55に運ばれる必要がある。電極は選択的なので、混合物Cはどちらかの電極又はその両方に到達することができ、反応は依然生じる。従って、単純な例では、MEAを、流体が両方の電極に近づくことと、そこから離れることを可能にするオープンセル発泡体といった、単一のコア材料の内部に埋め込むことができる。しかし、図7の好ましい例において、コアは、流入経路56及び流出経路57を提供するように配置される。これは、中間層58により分離された第1のコア材料53aと、第2のコア材料53bにより達成される。MEA55は、第1の実施形態で説明したのとほとんど同じ方法で、中間層58に配置される。それぞれのコア材料53a、53bは、少なくとも一部において、流体がその構造体を通じて流れることを可能にする3次元繊維から形成される。入力及び出力経路56、57は、各コアの1つの端部を密封することにより形成される。これは、樹脂を用いて、又は、例えば流体不透過性材料のブロックにより達成される。第2の実施形態に関して記載したように、中間層58は任意である。
【0084】
図11s及び11bは、コア材料が、流体A及びBをハニカム層103と表皮層101間の燃料電池105に運ぶ、第5の実施形態を示している。フローチャネル103a及び103bは、ハニカム103を表皮101に取り付けるために使用する接着層を含み、さもなければ、管のメッシュ又はアレイが組み込まれる。図示する例では、接着剤のストリップは、積層構造を一緒に結合するためと、フロー経路103a、bの画定を行うために使用されている。流体のフロー経路103a、103bは外表皮の間にあり、複合積層構造の一体部分であるので、ロー経路103a、103b自体が、コア材料を構築していると考えることができる。
【0085】
ここに記載した燃料電池アセンブリは、局所的な所要電力や、構造体内の重量バランスといった他の必要性に応じた、複合構造内(燃料電池アレイ)における、複数の燃料電池の位置決めが可能である。図8aに示すように、燃料電池65a、65b、65cなどが、複合材料61内での、均一な重量配分を提供する幾何学的パターンを占有している。他の形態として、図8bに示すように、燃料電池75a、75b、75cなどが、電子部品、特に、複合製品の機能に不可欠な電子部品に電力を提供するために、クラスタ化されている。
【0086】
更なる例において、複数の燃料電池が、異なる層の1つの複合構造内に設けられる。例えば、2つ以上の埋め込まれた中間層が、複合構造内に設けられる。図9は、この例を示し、燃料電池アセンブリ80は、表皮81の間に挟まれる第1、第2及び第3のコア材料83a、83b及び83cを含んでいる。中間層88a、88bは、隣接するコアの各組みの間のインターフェースに設けられている。MEA85a、85bは、それぞれの中間層88a、88bに配置されている。図9に示すように、MEAを互いに一直線にする必要はなく、横方向に配置できる。それぞれの中間層88に組み込まれる2つ以上のMEAも存在する。
【0087】
通常は燃料である第1の流体Aは、内部コア材料83aを経由して流れるように配置されている。それぞれのMEA85a、85bのアノードは、流体Aを受け取るように、この内部コア材料83aと向かい合って配置されている。第2及び第3の流体B及びB´は、両方とも通常酸化剤であり、外側のコア材料83b、83cを経由して各MEA85a、85bのカソードへ達する。もちろん、燃料が外側のコア材料83b及び83cにより運ばれ、酸化剤が内部コア材料83aを経由して流れるように配置でき、その場合、MEA85a、85bの方向性は逆である。
【0088】
必要であれば任意の数のコア材料と、中間層を、このように“スタック”できることを理解すべきである。
【0089】
燃料電池アセンブリの例を、図10a、10b及び10cに示す。印加された樹脂の薄層を有するハニカム構造を伴うポリエステルフェルトが、コア材料90を作るために加熱される。強化剤(表皮)が、1つの表面に接着される。結果として得られる材料90は、一連のフロー経路91、92を設けるために、樹脂側面上で機械加工される。埋め込まれた燃料電池を組み込む中間層93は、熱硬化性樹脂から作られる。2つの部分のエポキシ樹脂が、中間層上、MEAの周囲に配置され、中間層は、上部及び下部コア材料に位置決めされて、上部及び下部コア材料と結合される。結果として得られる複合構造を、図10cに示す。
【0090】
多数のアプリケーションにおける燃料電池アセンブリの使用が見つかっている。多くの場合、(上述したように)燃料電池を組み込むパネルが構築され、このユニットはその後要望した製品に作り上げられる。電流コレクタは、製品の一部を形成する負荷回路に接続することができ、燃料電池により生成された電力が、製品を動作させるために使用される。
【0091】
別の例では、燃料電池は、最終製品の一体部分に埋め込まれる。例えば、無人飛行体(UAV)は、飛行体を持ち上げるために空気力を利用する、無人で電力供給される空中輸送機である。現在のUAVは、複合体といった最先端の材料を使用し、表面構造を形成する。ほとんどのUAVが電池式で、作物、電気ケーブル及びガス線を監視するための監視システムで使用される。現在開示している燃料電池アセンブリにより、飛行体の電力供給を飛行体の構造自体に組み込むための機会が提案され、それにより“受動的な”構造部分を、埋め込まれた燃料電池に対する流体フロー機構である第2の機能として利用、提案している。それにより、バックアップの電力供給を(バッテリに加えて)飛行体に組み込むことができ、あるいは、バッテリ又は従来の燃料電池の積み重ねはもはや必要ないため、更なる搭載のための空間をそのままにしつつ、実際には、燃料電池が主電力を飛行体に提供するかもしれない。
【0092】
製品が必要とする電力は構造的なボディに装備され、これにより、既に構造内に存在する空間を利用するため、複合積層構造を組み込むどんな製品も、開示された技術から利益を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】従来の燃料電池装置の概略図である。
【図2】明確にするために拡大した従来の複合構造の例を示す図である。
【図3】本発明による燃料電池アセンブリの第1の実施形態の断面図である。
【図4】3つのコア材料のフローチャネルの平面図及び断面図である。
【図5】燃料電池アセンブリの第2の実施形態の断面図である。
【図6】燃料電池アセンブリの第3の実施形態の一部の断面図である。
【図7】燃料電池アセンブリの第4の実施形態の断面図である。
【図8】2つの燃料電池アレイを概略的に示す図である。
【図9】燃料電池アレイの断面図である。
【図10】燃料電池アセンブリの例の、平面図、斜視図及び断面図である。
【図11a】燃料電池アセンブリの第5の実施形態の断面図である。
【図11b】ラインX‐Xで切断した第4の実施形態の平面図である。
【符号の説明】
【0094】
1 固体高分子形燃料電池
2 高分子膜
4、24、34 アノード
5、25、35、55、85 膜電極一体構造
6、26、36 カソード
8 フィールドフロープレート
10 複合積層構造
11、21、81、101 表皮層
13 ハニカムコア
15 フロー経路
17 セル
18 穿孔
22 電解質膜
23、33、43、53、83、90 コア材料
27 電流コレクタ
28、38、48、58、88、93 中間層
29、39 ドレイン
30、80 燃料電池アセンブリ
40 第3の実施形態
56 流入経路
57 流出経路
61 複合材料
65、75、105 燃料電池
91、92 フロー経路
103 ハニカム層
103a、103b フローチャネル
104 ストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合積層構造に組み込まれた燃料電池を含み、
前記複合積層構造が、中に前記燃料電池が埋め込まれたコア材料を含み、
前記燃料電池が、第1及び第2の面を有する電解質膜と、前記電解質膜のそれぞれの面に隣接して配置される第1及び第2の電極を含み、
前記第1及び第2の電極が、電気回路に接続可能であり、
前記コア材料が、1つ以上の流体の前記第1及び第2の電極への通行を可能にするために、埋め込まれた燃料電池に対する支持体と、前記コア材料を通じての流体伝達を提供する、
燃料電池アセンブリ。
【請求項2】
前記コア材料が、第1の流体の前記第1の電極への通行と、第2の流体の前記第2の電極への通行を可能にするように構成され、一方で前記第1及び第2の流体間の分離を維持する、
請求項1に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の流体が、燃料流体を含み、前記第2の流体が反応剤流体を含む、
請求項2に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項4】
前記反応剤流体が、酸化剤である、
請求項3に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項5】
前記コア材料が、第1及び第2のコア材料を含み、その間のインターフェースを画定し、前記第1及び第2のコア材料が、実質上流体に対し不透過である中間層によりインターフェースの少なくとも一部に沿って分離されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項6】
前記電解質膜が、前記第1及び第2のコア材料間の前記インターフェースに配置され、前記電解質膜の少なくとも一部が、前記中間層の及ばない前記インターフェースの領域に配置され、それにより前記電解質膜の前記第1の面が前記第1のコア材料に隣接し、前記第2の面が前記第2のコア材料に隣接している、
請求項5に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項7】
前記電解質膜が、実質上前記インターフェースと平行に配置され、前記第1及び第2の面が前記電解質膜の相対する側に配置されている、
請求項6に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項8】
前記中間層に、中に前記電解質膜が配置される厚さ方向の孔が設けられている、
請求項6又は7に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項9】
前記電解質膜が、前記中間層に組み込まれている、
請求項6から8のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項10】
前記コア材料が、前記第1及び第2の流体がそれぞれ前記第1及び第2の電極へ通行するための、そこに画定される第1及び第2のチャネルを有している、
請求項2から4のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項11】
前記電解質膜が、流体に対して透過性であり、前記第1の面で前記電解質膜に到着する流体の、前記第2の面への通過を可能にし、前記第2の面で前記電解質膜に到着する流体の、前記第1の面への通過を可能にする、
請求項1に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項12】
前記コア材料が、前記電解質膜を経由しての前記第2の電極への流体の通行を可能にするよう構成されている、
請求項11に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項13】
前記コア材料が、前記第1の電極及び前記電解質膜を経由しての前記第2の電極への流体の流入経路と、前記第2の電極からの流体の流出経路を提供するように構成され、一方で流入経路及び流出経路間の分離を維持している、
請求項12に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項14】
前記コア材料が、第1及び第2のコア材料を含み、その間のインターフェースを画定し、前記第1及び第2の材料が、実質上流体に対して不透過である中間層によりインターフェースの少なくとも一部に沿って分離され、前記第1のコア材料が、前記流体の流入経路を提供し、前記第2のコア材料が流体の流出経路を提供している、
請求項13に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項15】
前記流体が、前記第1及び第2の流体の混合物を含む、
請求項11から14のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の流体が、燃料流体を含み、前記第2の流体が、反応剤流体を含む、
請求項15に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項17】
前記反応剤流体が、酸化剤である、
請求項16に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項18】
前記第1の電極が、前記第1の流体に選択的に反応し、前記第2の電極が、前記第2の流体に選択的に反応する、
請求項2又は15に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項19】
第1の拡散領域が、前記第1の電極との流体伝達内で、前記第1の電極に隣接して設けられ、前記コア材料が流体の前記第1の拡散領域への通路を提供するように構成されている、
請求項1から18のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項20】
第2の拡散領域が、前記第2の電極との流体伝達内で、前記第2の電極に隣接して設けられ、前記コア材料が流体の前記第2の拡散領域への通路を提供するように構成されている、
請求項19に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項21】
前記第1及び/又は第2の拡散領域が、グラファイト紙といった拡散媒体の層を含むことを特徴とする請求項19又は20に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項22】
前記第1及び/又は第2の拡散領域が、前記コア材料と一体化され、前記拡散領域内において、前記コア材料が、前記それぞれの電極の実質上全体にわたり流体を配分するよう構成されている、
請求項19又は20に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項23】
前記コア材料又は前記第1のコア材料と第2のコア材料の少なくとも1つが、気泡材料を含み、セルの少なくともいくつかが、流体の通行を可能にするために相互結合されている、
請求項1から22のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項24】
前記気泡材料が、流体不透過性のセル壁により画定されるセルを有するハニカムであり、前記セルの少なくともいくつかが、選択されたセル壁の穿孔により相互結合されている、
請求項23に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項25】
前記気泡材料が、空間を含む発泡体であり、前記空間の少なくともいくつかが、流体の通行を可能にするために接合されている、
請求項23に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項26】
前記気泡構造が、流体透過性の壁により画定される少なくともいくつかのセルを有する3次元繊維である、
請求項23に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項27】
前記3次元繊維内のセルの少なくとも一部が、流体の通行を防ぐために樹脂で処理されている、
請求項26に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項28】
前記コア材料又は前記第1のコア材料と第2のコア材料の少なくとも1つが、流体フローチャネルをそこに組み込む3次元繊維を含んでいる、
請求項1から22のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項29】
前記コア材料又は前記第1のコア材料と第2のコア材料の少なくとも1つに、機械加工されたフローチャネルが設けられている、
請求項23から28のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項30】
請求項5又は14に従属するとき、前記第1及び第2のコア材料が、それぞれ同一の材料を含んでいる、
請求項23から29のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項31】
前記第1及び第2の電極が、それぞれ、流体透過性フィルム上に分散された多孔質触媒を含んでいる、
請求項1から30のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項32】
それぞれの電極に隣接して配置される流体拡散層をさらに含んでいる、
請求項1から31のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項33】
前記コア材料が、さらに、少なくとも1つの電極から離れる方向に排出流体の移動が可能なように構成されている、
請求項1から32のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項34】
表皮材料が、前記コア材料の外側に設けられている、
請求項1から33のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ。
【請求項35】
請求項1から34のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリを含み、複数の燃料電池が1つの複合積層構造に組み込まれ、前記コア材料が、1つ以上の流体の前記燃料電池のそれぞれへの通行を可能にするよう構成されている、
燃料電池アレイ。
【請求項36】
前記コア材料が、共通の経路を経由しての、少なくとも2つの燃料電池への流体の通行を可能にするように構成されている、
請求項35に記載の燃料電池アレイ。
【請求項37】
前記コア材料が、それぞれがインターフェースにより隣と分離されている複数のコア材料を含み、少なくとも1つの燃料電池が、前記インターフェースのそれぞれに配置されている、
請求項35又は36に記載の燃料電池アレイ。
【請求項38】
前記コア材料が、それぞれがインターフェースにより分離される第1、第2及び第3のコア材料を含み、少なくとも1つの燃料電池が、前記インターフェースのそれぞれに配置されている、
請求項37に記載の燃料電池アレイ。
【請求項39】
それぞれのインターフェースに配置される流体不透過性の中間層をさらに含み、前記各燃料電池の電解質膜が、前記中間層に組み込まれている、
請求項37又は38に記載の燃料電池アレイ。
【請求項40】
請求項1から34のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリ、又は、請求項35から39のいずれか1項に記載の燃料電池アレイを含む複合構造。
【請求項41】
請求項1から34のいずれか1項に記載の燃料電池アセンブリを作る方法。
【請求項42】
請求項35から39のいずれか1項に記載の燃料電池アレイを作る方法。
【請求項43】
(A)燃料の通行を可能にする第1のコア材料を設け、
(B)第1及び第2の面を有する電解質膜と、前記電解質膜のそれぞれの面に隣接して配置され、電気回路に接続可能である第1及び第2の電極を含む燃料電池の第1の面に、第1のコア材料の流体が燃料電池の第1の側面と接触できる位置で、第1のコア材料を取付け、
(C)流体の通行を可能にする第2のコア材料を設け、燃料電池の第2の側面に、第2のコア材料の流体が燃料電池の第2の側面と接触できる位置で、第2のコア材料を取り付ける、
ステップを含み、
それにより燃料電池が結果として生じるコア材料に埋め込まれ、燃料電池アセンブリが複合積層構造に組み込まれる、
燃料電池アセンブリを作る方法。
【請求項44】
第1のコア材料を設けるステップは、
(A1)気泡材料を設け、
(A2)流体フロー経路を作るために、前記材料のセルの少なくともいくつかを相互結合する、
ステップを含む請求項38に記載の燃料電池アセンブリを作る方法。
【請求項45】
燃料電池の取付けは、
(B1)流体不透過性の中間層を設け、
(B2)前記電解質膜を前記中間層に組み込み、
(B3)前記電解質膜の第1及び第2の面に、第1及び第2の電極を設け、
(B4)前記第1及び第2の電極に電流コレクタを設け、
(B5)前記中間層と前記燃料電池を、前記第1のコア材料に取り付ける、
ステップを含む請求項43又は44に記載の燃料電池アセンブリを作る方法。
【請求項46】
前記第2のコア材料を設けるステップは、
(C1)気泡材料を設け、
(C2)流体フロー経路を作るために、前記材料のセルの少なくともいくつかを相互結合する、
ステップを含む請求項43に記載の燃料電池アセンブリを作る方法。
【請求項47】
実質的に、添付の図面を参照して記載した燃料電池アセンブリ。
【請求項48】
実質的に、添付の図面を参照して記載した燃料電池アレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【公表番号】特表2009−510683(P2009−510683A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532858(P2008−532858)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003567
【国際公開番号】WO2007/036705
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(500031504)ザ ウェルディング インスティテュート (6)
【Fターム(参考)】