説明

燃料電池システムの制御装置

【課題】生成水中のイオン濃度を抑える燃料電池システムの制御装置を提供する。
【解決手段】燃料電池システムの制御装置35は、固体高分子電解質型の燃料電池10で生成される生成水に含まれるイオン濃度を検出するイオン検出手段と、このイオン検出手段により検出されるイオン濃度に応じて、その燃料電池内においてカソードからアノードへ透過する透過水量を制御する制御手段を備え、この制御手段が、イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、その透過水量が増加するように制御し溶出されたイオン濃度の希釈化を図るか、又はその透過水量が略ゼロとなるように制御しイオンの溶出を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池システムの制御装置に関し、特に、生成水のイオン濃度を抑えるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)は、電解質膜として水素イオン導電性の高いフッ素樹脂系高分子膜を用いる。このPEFCでは、発電時に酸化剤ガス電極(カソード)の触媒層において生成された水が電解質膜を透過して燃料ガス電極(アノード)へ到達した場合、固体高分子電解質膜、セパレータ、流路等から溶出されるイオン物質を含有する場合がある。
【0003】
このような場合、当該イオン物質は燃料電池システム内の配管等を構成する金属と反応し、結果として配管等を腐食させるおそれがある。特に、発電に利用されなかった燃料ガスを循環させて再度燃料電池に供給するような構成を持つ燃料電池システムでは、生成水に含まれる腐食性のイオンが当該循環系の配管等の金属と反応することで金属イオンを含み当該循環系を循環し、燃料電池及び補器部品を損傷することが考えられる。
【0004】
このような生成水中に含まれるイオン濃度を測定し、そのイオン濃度が高いときに気液分離器を冷却して凝縮水量を増やすことでイオン濃度の上昇を抑制する手法が開示されている(下記特許文献1参照)。また、配管等の腐食、劣化を防止する手法として、燃料電池のガス排出管にイオン交換器を設け、このイオン交換器により腐食性イオンを回収する手法が開示されている(下記特許文献2及び3参照)。その他、本発明に関連する先行技術として、生成水中に含まれるイオン濃度が高いときには燃料電池を発電停止状態としない手法が開示されている(下記特許文献4参照)。また、当該イオン濃度に応じて燃料電池システムからの排水量を少なくする手法が開示されている(下記特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2005−243506号公報
【特許文献2】特開2002−313404号公報
【特許文献3】特開2005−38823号公報
【特許文献4】特開2005−209399号公報
【特許文献5】特開2005−228591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来手法では、生成水中に含まれるイオン濃度の上昇を抑制するために、専用の補器部品を設ける必要があった。例えば、気液分離器を冷却して凝縮水量を増やす手法では、気液分離器を冷却する冷却ファン等の機器を専用に設ける必要があった。
【0006】
また、上述の従来手法では、生成水の含まれた酸化剤ガスが通る経路のうち気液分離器が設置されている箇所以降の経路では、腐食性イオンの循環を防ぐことができるが、その気液分離器が設置されている箇所までの間の経路において金属部品を腐食若しくは損傷する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、生成水中のイオン濃度を抑える燃料電池システムの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために以下の手段を採用する。即ち、本発明は、固体高分子電解質型の燃料電池で生成される生成水に含まれるイオン濃度を検出するイオン検出手段と、このイオン検出手段により検出されるイオン濃度に応じて、その燃料電池内においてカソード(酸化剤ガス電極)からアノード(燃料ガス電極)へ透過する透過水量を制御する制御手段とを備える燃料電池システムの制御装置についてのものである。
【0009】
本発明では、制御手段により、生成水中のイオン濃度に応じて各セルにおける透過水量が制御される。具体的には、本発明に係る上記制御手段は、このイオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、その燃料電池内においてカソードからアノードへ透過する透過水量が増加するように制御するようにしてもよい。本発明によれば、透過水量を増加させることで生成水中のイオン濃度の低減を図ることができる。
【0010】
また、他の方法として、本発明に係る上記制御手段は、このイオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、その燃料電池内においてカソードからアノードへ透過する透過水量が略ゼロとなるように制御するようにしてもよい。これにより、固体高分子電解質膜を透過する生成水が略ゼロとなることから固体高分子電解質膜からのイオンの溶出を防ぐことができる。
【0011】
透過水量は、一般的に、各セルのカソード内の加湿度合に応じて変化する。これにより、本発明では、上記制御手段が、イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、当該透過水量を増加させるべく、燃料電池のカソード内の湿度を上げるように制御するか、又は、当該透過水量を略ゼロとするべく、燃料電池のカソード内の湿度を下げるように制御するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明は、燃料電池に酸化剤ガスを供給する供給手段を更に備えるようにし、上記制御手段が、上記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、当該透過水量を増加させるべく燃料電池へ送り込まれる酸化剤ガスの流量が減少するように上記供給手段を制御するか、又は、当該透過水量を略ゼロとするべく燃料電池へ送り込まれる酸化剤ガスの流量が増加するように上記供給手段を制御するようにしてもよい。
【0013】
本発明では、燃料電池へ送り込まれる酸化剤ガスの流量が制御されることにより、燃料電池のカソード内の湿度が調整される。例えば、酸化剤ガスの流量を増加させた場合には、供給される酸化剤ガスにより各セルの膜上から持ち去られる水分量が増えるため、カソード内は乾燥する方向へ推移する。これにより、結果としてカソードからアノードへの透過水量が減少し、イオンの溶出を防ぐことができる。逆に、酸化剤ガスの流量を減少させた場合には、カソード内の湿度は上がることになる。これにより結果的に当該透過水量が増加することになり、溶出されたイオンを希釈化することができる。
【0014】
また、本発明は、燃料電池から排出される酸化剤ガスの経路上に設けられ、酸化剤ガスのガス状態量を調整するガス量調整弁を更に備えるようにし、上記制御手段が、上記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、当該透過水量を増加させるべく、燃料電池内の酸化剤ガスの酸素濃度が高くなるように上記ガス量調整弁を調整するか、又は、当該透過水量を略ゼロとするべく、燃料電池内の酸化剤ガスの酸素濃度が低くなるように前記ガス量調整弁を調整するようにしてもよい。
【0015】
本発明では、上記ガス量調整弁によりガス状態量(圧力、流量)を調整することにより、燃料電池内の酸化剤ガスの酸素濃度が調整される。これにより、燃料電池内の各セルにおける還元反応が促進若しくは抑制され、結果的に透過水量が調整されることになるため、イオン濃度低減若しくはイオンの溶出防止を図ることができる。
【0016】
また、本発明は、燃料ガスを供給する供給手段及び又は燃料電池内の燃料ガスの水素濃度を調整するガス量調整弁を更に備えるようにし、上記カソード内の湿度制御若しくは燃料電池内の酸化剤ガスの酸素濃度の制御と同様に、アノード内の湿度制御若しくは燃料電池内の燃料ガスの水素濃度を制御することにより、当該透過水量を制御するようにしてもよい。
【0017】
本発明によれば、燃料電池から排出される酸化剤ガスに含まれる生成水中のイオン濃度を少なくとも燃料電池から排出される段階において既に低減させることができる。これにより、排出された酸化剤ガスが通る経路すべての箇所においてそれに含まれる生成水のイオン濃度を低減した状態とすることができる。このような機能を実現するにあたり、本発明では新たな専用補器部品を備える必要もない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、生成水中のイオン濃度を抑える燃料電池システムの制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施形態]
以下、図面を参照して、それぞれ本発明の実施形態における固体高分子電解質型燃料電池システム(以下、単に燃料電池システムと表記する)について説明する。なお、以下に述べる実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0020】
〔システム構成〕
本発明の実施形態における燃料電池システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。本実施形態における燃料電池システムは、固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と表記する)10、酸化剤ガス供給装置11(本発明の供給手段に相当)、燃料ガス供給装置12、燃料ガス循環ポンプ15、加湿モジュール21(本発明の加湿手段に相当)、流量調整弁39、圧力調整弁25及び37(本発明のガス量調整弁に相当)、気液分離器31、ECU(Electric Control Unit)35(本発明の制御手段に相当)等を備える。
【0021】
燃料ガス供給装置12は、燃料ガスとして例えば水素ガス又は水素混合ガスを供給する。燃料ガス供給装置12から供給される燃料ガスは、流量調整弁39により流量制御され、配管41へ送り出される。
【0022】
流量調整弁39は、ECU35により制御され、燃料ガス供給装置12からの燃料ガスを燃料電池10の要求発電量等に応じて所定流量分送り出す。流量調整弁39を通過した燃料ガスは、配管51を通り、燃料電池10へ供給される。例えば、流量調整弁39は、燃料電池10の発電量が大きくなるよう制御されている場合には、送り出される燃料ガスを増量するように開く方向で制御され、逆に発電量を抑えるよう制御されている場合には、送り出される燃料ガスの流量を抑えるように絞る方向で制御される。
【0023】
酸化剤ガス供給装置11は、エアコンプレッサ13等を備え、酸化剤ガスとして例えば酸素又は酸素混合ガスを供給する。酸化剤ガス供給装置11は、例えばエアフィルタ等を介して大気から取り込まれる空気を酸化剤ガスとして所定流量分エアコンプレッサ13で圧縮し、圧縮された酸化剤ガスを配管45へ送り出す。
【0024】
燃料電池10は、電解質膜として水素イオン導電性の高いフッ素樹脂系高分子膜を用いる。燃料電池10は、この固体高分子電解質膜を燃料ガス電極(以降、アノードと表記す
る)と酸化剤ガス電極(以降、カソードと表記する)とで挟み、更にそれら電極の両側をガス供給路の設けられたセパレータで挟むように形成されるセルが所定数積層されたセルスタックを備えている。また、燃料電池10は、燃料ガス入口、燃料ガス出口、酸化剤ガス入口、酸化剤ガス出口を有している。燃料ガス供給装置12から供給される燃料ガスは、配管51を通り、この燃料ガス入口から燃料電池10内部へ流入し、各セルのアノードに供給される。一方、酸化剤ガス供給装置11から供給される酸化剤ガスは、配管41を通り、酸化剤ガス入口から燃料電池10内部へ流入し、各セルのカソードに供給される。
【0025】
燃料電池10は、各セルにおいてこのように供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを固体高分子電解質膜を介してそれぞれ反応させることにより発電を行う。具体的には、アノードに供給された燃料ガスに含まれる水素は、アノードを構成する触媒層における酸化反応によりプロトン(水素イオン)と電子とに分離され、プロトンは固体高分子電解質膜を通ってカソードに移動し、電子は外部回路(図示せず)を通ってカソードに移動する。カソードでは、カソードを構成する触媒層において、酸素とプロトンと電子とによる還元反応が行われ水(以降、生成水とも表記する)が生成される。このようなアノード及びカソードにおける酸化及び還元反応の際に外部回路を通る電子(電荷)が外部回路に接続される負荷に対する電力として使用される。ここで発電に供されなかった燃料ガス(以降、アノードオフガスと表記する)は燃料ガス出口から、発電に供されなかった酸化剤ガス(以降、カソードオフガスと表記する)は酸化剤ガス出口からそれぞれ排出される。
【0026】
圧力調整弁25は、燃料電池10の酸化剤ガス出口に繋がる配管42と加湿モジュール21へと繋がる配管43との間に配置され、配管45及び41内、燃料電池10内に存在する酸化剤ガス及びカソードオフガスの気圧(エアコンプレッサ13の背圧)を調整する。例えば、エアコンプレッサ13から送りだされる流量を一定としたときにこの圧力調整弁25を絞る方向で動作された場合には、カソード内の酸化剤ガス中の酸素濃度が増加する。これにより、燃料電池10内のアノードからカソードへ透過するプロトンが一定量であるとして、このプロトンと反応する酸素の濃度が高いことから還元反応が促進され、燃料電池10の出力効率を上げることができる。圧力調整弁25を通過したカソードオフガスは、配管43へ送り出される。
【0027】
ところで、高分子電解質膜を用いた燃料電池10では、プロトン移動を良好に保つために高分子電解質膜の乾燥を防ぐ必要がある。従って、加湿モジュール21は、燃料電池10へ供給される酸化剤ガスをこの酸化剤ガスで燃料電池10内の各セルを構成する膜が加湿されるように加湿する。また、加湿モジュール21は、酸化剤ガス供給装置11から供給される酸化剤ガスを配管45から取り込み、圧力調整弁25を通過したカソードオフガス(生成水を含む)を配管43から取り込み、それらをエアコンプレッサ13からのガスを加湿するために混合させ、混合したガスを燃料電池10へ供給する。酸化剤ガスは、配管41を通り燃料電池10へ供給される。なお、圧力調整弁25を通過したカソードオフガスの一部は、配管48により排気経路(図示せず)へ送り出される。
【0028】
このように、酸化剤ガス供給装置11から送り出される酸化剤ガスは、配管45を通り加湿モジュール21で加湿された後、配管41を通り、燃料電池10のカソードへ供給され、カソードでの化学反応に使用される。カソードを通過したカソードオフガスは、燃料電池10の酸化剤ガス出口から配管42に排出される。配管42に排出されたカソードオフガスは、圧力調整弁25及び配管43を通り、加湿モジュール21へ取り込まれる。加湿モジュール21へ取り込まれたカソードオフガスは、酸化剤ガス供給装置11からの酸化剤ガスと混合及び加湿され、配管41を通り再度燃料電池10のカソードへ供給される。このように、本実施形態における燃料電池システムでは、燃料電池10から排出された発電に供されなかったカソードオフガスが再び燃料電池10へ供給されるカソードオフガス循環経路が形成されている。
【0029】
燃料電池10では、カソードでの反応によって水(生成水)が生成される。この生成水の一部は、固体高分子電解質膜を透過してカソードからアノードへ到達する。アノードへ到達した生成水は、燃料電池10内部の熱を吸収して水蒸気となりアノードオフガスとともに燃料ガス出口から配管52へ排出される。
【0030】
圧力調整弁37は、燃料電池10の燃料ガス出口に繋がる配管52と気液分離器31へと繋がる配管53との間に配置され、配管51、52及び57内、燃料電池10内に存在する燃料ガス及びアノードオフガスの気圧を調整する。例えば、燃料ガス供給装置12から送りだされる燃料ガスの流量を一定としたときに圧力調整弁37を絞る方向で動作させた場合には、アノード内の燃料ガス中の水素濃度が増加する。これにより、燃料電池10内のカソードへ供給される酸素量が一定で充分な量供給されているときに、アノードからカソードへ透過するプロトンの量が増えることから還元反応が促進され、燃料電池10の出力効率を上げることができる。圧力調整弁37を通過したアノードオフガスは、配管53へ送り出される。なお、圧力調整弁37は、上述のようなアノードオフガス循環経路に設けられる弁装置であってもよいし、アノードオフガスの排出通路の通路外(大気)との連通を制御するパージ弁であってもよい。
【0031】
気液分離器31は、このように圧力調整弁37を通過し配管53を通るアノードオフガスから液層成分(生成水)を除去する。気液分離器31は、機器内に取り込まれたアノードオフガスに含まれる水蒸気を壁面等で凝縮させることにより気液分離する。気液分離器31は、気液分離を促進するために、その壁面若しくは機器内を冷却する冷却手段を備える。冷却手段としては、例えば気液分離器31を取り巻くように設けられる冷却媒体通路を通る冷却媒体が用いられる。液層成分の除去されたアノードオフガスは、配管55を通り燃料ガス循環ポンプ15方向へ送り出される。
【0032】
燃料ガス循環ポンプ15は、回転駆動用のモータ等を備え、配管55を通るアノードオフガスを再度燃料電池10へ再供給するために、当該アノードオフガスを配管57へ送り出す。配管57を通るアノードオフガスは、燃料ガス供給装置12から供給される燃料ガスと配管51により混合され、再度燃料電池10へ供給される。
【0033】
このように、燃料ガス供給装置12から送出される燃料ガスは、配管51を通って燃料電池10のアノードに供給され、アノードでの化学反応に使用される。アノードを通過したアノードオフガスは、燃料電池10の燃料ガス出口から配管52に排出され、圧力調整弁37を通過して配管53に送り出される。圧力調整弁37を通過したアノードオフガスは、気液分離器31で液層成分が取り除かれた後、配管55を介して循環ポンプ15により配管57に送り出され、配管51を通じて燃料電池10のアノードへ再供給される。このように、本実施形態における燃料電池システムでは、燃料電池10から排出された発電に供されなかったアノードオフガスが再び燃料電池10へ供給されるアノードオフガス循環経路が形成されている。
【0034】
なお、本燃料電池システムにおいてアノードオフガス循環経路を形成する配管51、52、53、55及び57の少なくとも1つは、ステンレスのような金属製の配管である。
【0035】
燃料電池10において発電時に生成された生成水は、カソードからアノードへ到達する際に、固体高分子電解質膜から溶出されるイオン物質を含む場合がある。この場合には、燃料電池10から排出された当該生成水中のイオン物質は、上述のアノードオフガス循環経路の配管等(例えば、配管52、53、55、57若しくは51)を構成する金属と反応することで配管等を腐食させる要因となる。また、当該生成水は、配管等から溶出された金属イオンを更に含み上述のアノードオフガス循環経路を循環するため、当該金属イオ
ンにより燃料電池10及びその他の機器(例えば、循環ポンプ15)が損傷するおそれがある。
【0036】
このような悪影響を及ぼす可能性のあるイオン物質(腐食性イオン)を検知するために、気液分離器31は、アノードオフガスから分離された生成水中の腐食性イオンの濃度を検知するイオン検知センサ33(本発明のイオン検出手段に相当)を備えている。イオン検知センサ33は、例えば、イオン電極法を用いて、生成水中のイオン濃度を検知する。イオン検知センサ33は、液層分離され貯水されている生成水中のイオン濃度を検知するように設置されてもよいし、単位時間あたりに液層分離された生成水中のイオン濃度を検知するように設置されてもよい。イオン検知センサ33の出力信号は、ECU35に送られる。
【0037】
ECU35は、上述のイオン検知センサ33からの出力信号に基づき、本燃料電池システムに循環する生成水中の腐食性イオンの濃度を抑えるように制御する。ECU35は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インタフェース等により構成されて
おり、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することによって、当該腐食性イオン濃度の低減処理を行う。ECU35によるこの腐食性イオン濃度の低減処理は、燃料電池10のカソードからアノードへの透過水量を制御することにより実現される。この透過水量の第1の制御方法は、イオン検知センサ33から送られてくる情報に含まれる生成水中の腐食性イオン濃度が高い場合に、この濃度を抑えるために透過水量を増やすように制御する方法である。透過水量の第2の制御方法は、生成水中の腐食性イオン濃度が高い場合に、固体高分子電解質膜からの腐食性イオンの溶出を防ぐために透過水量を略ゼロ(0)とするように制御する方法である。
【0038】
透過水量は、カソードの加湿度合に応じて変化し、このカソードの加湿度合は、カソードに供給される酸化剤ガスの酸素濃度及び供給量などにより変化する。一般的には、酸化剤ガス中の酸素濃度が高くなると上述したように還元反応が促進されることで透過水量が増加し、カソード内の加湿度合は上昇する。逆に酸化剤ガス中の酸素濃度が低くなると透過水量が減少し、カソード内の加湿度合は減少する。また、カソードに供給される酸化剤ガスの供給量が増加すると、供給された酸化剤ガスにより各セルのカソードの膜上より持ち去られる水分量が増加するため、カソード内の加湿度合は減少する。逆に、カソードに供給される酸化剤ガスの供給量が減少すると、供給された酸化剤ガスにより各セルのカソード側の膜上より持ち去られる水分量が減少するため、カソード内の加湿度合は増加する。
【0039】
ECU35は、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量を制御することによりカソード内の加湿度合を制御し、圧力調整弁25の開閉制御をすることにより、カソード内の酸化剤ガスの酸素濃度を制御する。例えば、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量が一定とした場合に酸素濃度を高めたい場合には、ECU35は、圧力調整弁25を絞る方向で制御し、逆に酸素濃度を低くしたい場合には、ECU35は、圧力調整弁25を開く方向で制御する。また、カソード内の加湿度合を下げたい場合には、ECU35は、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量が増加するように制御し、逆にカソード内の加湿度合を上げたい場合には、ECU35は、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量が減少するように制御する。
【0040】
具体的には、ECU35は、上述の第2の制御方法、すなわち透過水量が略ゼロとなるように制御する際には、腐食性イオン濃度が所定値より高いと検知されると、圧力調整弁25を開く方向で動作させることで燃料電池10へ供給される酸化剤ガスの酸素濃度を下げる。結果、カソードに供給される酸素量が減ることでプロトンとの反応が抑えられ当該透過水量を略ゼロとすることができる。また、ECU35は、エアコンプレッサ13から
の流量を増加させることで燃料電池10のカソード内の加湿度合を下げることで、当該透過水量を略ゼロとする。これにより、電解質膜を透過する生成水が略ゼロとなるため固体高分子電解質膜からの腐食性イオンの溶出を防ぐことができる。
【0041】
逆に、上述の第1の制御方法、すなわち当該透過水量を増やすように制御する際には、ECU35は、腐食性イオン濃度が所定値より高いと検知されると、圧力調整弁25を絞る方向で動作させることで燃料電池10へ供給される酸化剤ガスの酸素濃度を上げる。結果、カソードに供給される酸素量が増えることでアノードから移動するプロトンとの反応が促進され当該透過水量を増加させることができる。また、ECU35は、エアコンプレッサ13からの流量を減少させることで燃料電池10のカソード内の加湿度合を上げることで、当該透過水量を増加させる。これにより、電解質膜を透過する生成水が増加し、生成水中の腐食性イオンの濃度を抑えることができる。
【0042】
ECU35は、このような制御を燃料電池10の動作状況により切り替えるようにしてもよい。燃料電池10が低負荷で動作している場合、カソードに供給される酸化剤ガスの湿度は加湿モジュール21により低く保たれている場合が多い。このような場合で腐食性イオン濃度が所定の閾値より高いと検知された場合には、例えば、ECU35は、圧力調整弁25を絞り酸化剤ガスの酸素濃度を上げることで透過水量を増加させるようにしてもよい。一方、燃料電池10が高負荷で動作している場合、カソードに供給される酸化剤ガスの湿度は加湿モジュール21により高く保たれている場合が多い。このような場合で腐食性イオン濃度が所定値より高いと検知された場合には、例えば、ECU35は、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量を増加させカソード内の加湿度合を下げることで透過水量を略ゼロとなるようにしてもよい。
【0043】
また、ECU35は、燃料電池10の動作状況などに応じて、上述したような圧力調整弁25の開度制御とエアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量制御とを組み合わせて、透過水量の第1制御方法若しくは第2制御方法を用いるようにしてもよい。
【0044】
更に、ECU35は、上述のようなカソード側の機器の制御ではなく、アノード側の流量調整弁39及び圧力調整弁37をそれぞれ制御して、上述と同様の透過水量制御を実行するようにしてもよい。この場合には、圧力調整弁37を絞る方向で制御すれば、アノード内の燃料ガス中の水素濃度が増加し、アノードからカソードへ透過するプロトンの量が増えることでカソードに供給される酸素との還元反応が促進されることにより、透過水量を増加させることができる。また、流量調整弁39を通過する燃料ガスの流量が少なくなるように制御すれば、燃料電池10のアノード内の加湿度合が上がるため、上述と同様に透過水量を増加させることができる。このようなアノード側の機器制御とカソード側の機器制御とを組み合わせるようにしてもよい。
【0045】
なお、ECU35は、上述の制御の他に、腐食性イオン濃度が所定の閾値より高いと検知された場合に、気液分離器31の冷却手段を始動させるようにしてもよい。冷却手段が始動すると気液分離器31の気液分離が促進され、アノードオフガスに含まれる腐食性イオン濃度の高い生成水が多く分離されるようになる。冷却手段を始動させるとは、例えば、冷却手段として冷却媒体が用いられている場合には、気液分離器31を取り巻く冷却媒体通路に所定量の冷却媒体を通すようにすることであってもよい。上述した実施形態の構成は、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0046】
〔動作例〕
以下、ECU35の腐食性イオン濃度の低減処理について図2から4を用いて説明する。図2は、コンプレッサ流量制御による腐食性イオン濃度の低減処理を示すフローチャートであり、図3は、圧力調整弁の制御による腐食性イオン濃度の低減処理を示すフローチ
ャートであり、図4は、気液分離器の制御による腐食性イオン濃度の低減処理を示すフローチャートである。ECU35は、図2から4で示す各処理の少なくとも1つを用いて、腐食性イオン濃度の低減処理を実現してもよいし、それらを組み合わせるようにしてもよい。以下の説明では、各処理についてそれぞれ個別に説明するものとする。
【0047】
腐食性イオン濃度の低減処理が動作する際に、本燃料電池システムは次のように作用している。燃料電池10内に供給される酸化剤ガスは所定の流量分エアコンプレッサ13で圧縮され、加湿モジュール21でシステムの動作状況に応じて所定の湿度になるように加湿され、燃料電池10内の各セルのカソードに供給されている。また、圧力調整弁25は、燃料電池10の出力効率を良好に保つべくその背圧が調整されている。また、気液分離器31は、燃料電池10から排出されたアノードオフガスから生成水を分離させ、分離された生成水中のイオン濃度をイオン検出センサ33により検出し、ECU35へその結果を出力している。
【0048】
まず、図2に示すコンプレッサ流量制御による腐食性イオン濃度の低減処理では、ECU35は、イオン検出センサ33からの信号に基づき、腐食性イオンの濃度が所定値より高くなっているかどうかを検査する(S201)。ECU35は、腐食性イオン濃度が所定値より高くなっている場合には(S201;YES)、酸化剤ガス供給装置11にエアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量を増加するように指示する(S202)。これにより、燃料電池10のカソード側の加湿度合が下がり、結果としてカソードからアノードへの透過水量が略ゼロとなり、腐食性イオンの溶出を防ぐことができる。なお、ECU35は、腐食性イオン濃度が所定の閾値より高くなっていない場合には(S201;NO)、当該コンプレッサ流量を低減若しくは現状の流量を維持するように指示する(S203)。
【0049】
次に、図3に示す圧力調整弁の制御による腐食性イオン濃度の低減処理では、ECU35は、腐食性イオン濃度が所定の閾値より高くなっている場合には(S301;YES)、圧力調整弁25を絞るための信号を出力する(S302)。これにより、燃料電池システム内の酸化剤ガスの酸素濃度が上がり、各セルのカソードでの還元反応が促進されることになる。結果、カソードからアノードへの透過水量が増え、溶出された腐食性イオンを希釈される。なお、ECU35は、腐食性イオン濃度が所定の閾値より高くなっていない場合には(S301;NO)、圧力調整弁25を開く若しくは現状の開度を維持するための信号を出力する(S303)。
【0050】
最後に、図4に示す気液分離器の制御による腐食性イオン濃度の低減処理では、ECU35は、腐食性イオン濃度が所定の閾値より高くなっている場合には(S401;YES)、気液分離器31の冷却手段を動作させるように指示する(S402)。これにより、気液分離器31の気液分離が促進され、アノードオフガスに含まれる腐食性イオン濃度の高い生成水が多く分離されるようになる。結果、本燃料電池システムにおける腐食性イオンの拡散を防止することができる。
【0051】
〈実施形態の作用及び効果〉
以下、上述した本発明の実施形態としての燃料電池システムの作用及び効果について述べる。
【0052】
本実施形態としての燃料電池システムでは、生成水中の腐食性イオン濃度を低減するために、燃料電池10内の各セルのカソードからアノードへの透過水量が調整される。当該透過水量が所定の量から増量されるように制御された場合には、生成水中の腐食性イオン濃度を希釈することができ、逆に、当該透過水量が略ゼロとなるように制御された場合には、腐食性イオンの溶出を防ぐことができる。
【0053】
このように、本実施形態では、アノードオフガスとともに燃料電池10から排出される生成水中の腐食性イオン濃度を少なくとも燃料電池10から排出される段階において既に低減させることができる。これにより、アノードオフガス循環経路すべての箇所(配管52、53、55及び57など)を対象にして生成水中の腐食性イオン濃度を低減させることができ、更に、気液分離器31により液層分離された生成水が貯水されているような構成においても、その貯水されている生成水のイオン濃度を低減させることもできる。
【0054】
透過水量は、燃料電池10のカソード内の酸化剤ガスの酸素濃度を調整する若しくはカソード内の加湿度合を調整することにより、制御される。
【0055】
燃料電池システム内の酸化剤ガスの酸素濃度を調整し当該透過水量を増加する手法において、腐食性イオン濃度を低減する必要がある場合には、圧力調整弁25が絞る方向で制御される。これにより、当該酸化剤ガス中の酸素濃度が増し燃料電池10における反応促進に繋がり透過水量が増加するため、結果として溶出した腐食性イオンを希釈することができる。また、カソード内の加湿度合を調整し当該透過水量を増加する手法において、腐食性イオン濃度を低減する必要がある場合には、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量が減少するように制御される。これにより、カソード内の膜上から取り去られる水分量が減りカソード内の加湿度合が増し透過水量が増加するため、結果として溶出した腐食性イオンを希釈することができる。
【0056】
一方、燃料電池システム内の酸化剤ガスの酸素濃度を調整し当該透過水量を略ゼロとする手法において、腐食性イオンの溶出を防止する必要がある場合には、圧力調整弁25が開く方向で制御される。これにより、当該酸化剤ガス中の酸素濃度が減り燃料電池10における反応抑制に繋がり透過水量が略ゼロとなるため、腐食性イオンの溶出を防止することができる。また、カソード内の加湿度合を調整し当該透過水量を略ゼロとする手法において、腐食性イオンの溶出を防止する必要がある場合には、エアコンプレッサ13から送り出される酸化剤ガスの流量が増加するように制御される。これにより、カソード内の膜上から取り去られる水分量が増えカソード側が乾燥することに繋がり透過水量が略ゼロとなるため、腐食性イオンの溶出を防止することができる。
【0057】
このような本実施形態における透過水量の制御は、燃料電池システムの動作状況等に基づいて切り替えられるようにしてもよい。これにより、本実施形態によれば、専用の補器部品を備えることなく既存の機器を制御することで、生成水中の腐食性イオン濃度を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。
【図2】コンプレッサ流量制御による腐食性イオン濃度低減処理を示すフローチャートである。
【図3】圧力調整弁制御による腐食性イオン濃度低減処理を示すフローチャートである。
【図4】気液分離器制御による腐食性イオン濃度低減処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
10 固体高分子電解質型燃料電池(燃料電池)
11 酸化剤ガス供給装置
12 燃料ガス供給装置
13 エアコンプレッサ
15 燃料ガス循環ポンプ
21 加湿モジュール
25、37 圧力調整弁
39 流量調整弁
31 気液分離器
33 イオン検出センサ
35 ECU
41、42、43、45、51、52、53、55、57 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体高分子電解質型の燃料電池で生成される生成水に含まれるイオン濃度を検出するイオン検出手段と、
前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度に応じて、前記燃料電池内においてカソードからアノードへ透過する透過水量を制御する制御手段と、
を備える燃料電池システムの制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池内においてカソードからアノードへ透過する透過水量が増加するように制御する、
請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池のカソード内の湿度を上げることにより前記透過水量が増加するように制御する、
請求項2に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項4】
前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する供給手段を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池へ送り込まれる酸化剤ガスの流量が減少するように前記供給手段を制御する、
請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項5】
前記燃料電池から排出される酸化剤ガスの経路上に設けられ、酸化剤ガスの状態量を調整するガス量調整弁を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池内の酸化剤ガスの酸素濃度が高くなるように前記ガス量調整弁を調整する、
請求項3又は4に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項6】
前記燃料電池に燃料ガスを供給する供給手段を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池へ送り込まれる燃料ガスの流量が減少するように前記供給手段を制御する、
請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項7】
前記燃料電池から排出される燃料ガスの経路上に設けられ、燃料ガスの状態量を調整するガス量調整弁を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池内の燃料ガスの水素濃度が高くなるように前記ガス量調整弁を調整する、
請求項3又は6に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池内においてカソードからアノードへ透過する透過水量が略ゼロとなるように制御する、
請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い
場合に、前記燃料電池のカソード内の湿度を下げることにより前記透過水量が略ゼロとなるように制御する、
請求項8に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項10】
前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する供給手段を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池へ送り込まれる酸化剤ガスの流量が増加するように前記供給手段を制御する、
請求項9に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項11】
前記燃料電池から排出される酸化剤ガスの経路上に設けられ、酸化剤ガスの状態量を調整するガス量調整弁を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池内の酸化剤ガスの酸素濃度が低くなるように前記ガス量調整弁を調整する、
請求項9又は10に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項12】
前記燃料電池に燃料ガスを供給する供給手段を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池へ送り込まれる燃料ガスの流量が増加するように前記供給手段を制御する、
請求項9に記載の燃料電池システムの制御装置。
【請求項13】
前記燃料電池から排出される燃料ガスの経路上に設けられ、燃料ガスの状態量を調整するガス量調整弁を更に備え、
前記制御手段は、前記イオン検出手段により検出されるイオン濃度が所定値よりも高い場合に、前記燃料電池内の燃料ガスの水素濃度が低くなるように前記ガス量調整弁を調整する、
請求項9又は12に記載の燃料電池システムの制御装置。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−294122(P2007−294122A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−117410(P2006−117410)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】