説明

燃料電池システム

【課題】安定した出力を得ることができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料極21、空気極24、および燃料極21と空気極24とに挟持された電解質膜27とを有する膜電極接合体3と、燃料極21へ燃料を供給する燃料供給機構9と備えた燃料電池と、燃料タンクTKから燃料供給機構9に燃料を送出する送液手段PPと、を備え、燃料供給機構9は、送液手段PPから送出された燃料について気体と液体とを分離して気体燃料を膜電極接合体3へ排出させる気液分離手段82を備えた燃料電池システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池システムに関し、特に液体燃料を用いた燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気とを供給するだけで発電することができるとともに、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムとなる。
【0003】
直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。
【0004】
DMFCの一つの燃料供給方法としては、燃料収容部と膜電極接合体とを気液分離膜、または微細孔を有する多孔膜を介して接続し、燃料収容部に収容された液体燃料を適宜膜電極接合体へ気体または液体として供給する。供給された燃料は膜電極接合体にて、発電反応に供され、供給された燃料を過不足なく電力へ変換する、いわゆるパッシブ型呼ばれる方式がある。
【0005】
また、他の燃料供給方法としては、膜電極接合体を内包した燃料電池セルと燃料収容部とを流路を介して接続するアクティブ型と呼ばれる方法がある(特許文献1〜2参照)。
【0006】
この方法では、燃料収容部に収容された燃料は燃料電池セルへ直接供給されるが、流路を介して供給することによって、流路の形状や径等に基づいて液体燃料の供給量を調整することができる。
【0007】
また、アクティブ型の燃料供給を強制的に行う方式として、特許文献2では燃料収容部から流路にポンプで液体燃料を供給する方式が開示されている。アクティブ型においては、ポンプを採用することにより、引例に記載の燃料を循環させる構造を有した燃料電池では、燃料供給量を意図的に制御することが可能となり有効である。特に、圧電素子ポンプは他の送液器機と比較して薄型化することが容易で、燃料電池システムの薄型化を考慮すると実装面では有利である(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特表2005−518646号公報
【特許文献2】特開2006−085952号公報
【特許文献3】特開2004−127671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、圧電素子ポンプを用いた場合、送液時の減圧効果により液体燃料の気化が生じるため、安定した燃料供給が難しくなる。その結果、燃料電池の出力が不安定になることがあった。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであって、安定した出力を得ることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様に係る燃料電池システムは、燃料極、空気極、および前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、前記燃料極へ燃料を供給する燃料供給機構と備えた燃料電池と、燃料タンクから前記燃料供給機構に燃料を送出する送液手段と、を備え、前記燃料供給機構は、前記送液手段から送出された燃料について気体と液体とを分離して単相燃料を排出させる気液分離手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、安定した出力を得ることができる燃料電池システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を一実施形態に係る燃料電池システムについて、図面を参照して以下に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料が収容される燃料タンクTKと、燃料タンクTKから燃料電池に燃料を送出する送出手段としての圧電素子ポンプPPと、圧電素子ポンプPPの動作を制御するコントローラCTRとを有している。燃料タンクTKにはバランス弁が接続されている。
【0013】
本実施形態に係る燃料電池システムは、図1に示すように、燃料が燃料タンクと燃料電池との間で循環するように循環経路が構成されている。すなわち、燃料タンクTKに収容された燃料は圧電素子ポンプPPによって燃料電池に送られ、燃料電池から排出された燃料は再び燃料タンクTKへと送られる。
【0014】
圧電素子ポンプPPと気液分離器82との間には、燃料遮断機構88が配置されている。燃料遮断機構88はコントローラCTRによって制御され、燃料電池の出力の多寡に応じて、燃料供給機構9からの燃料供給を制御し、出力が安定するように作用する遮断弁である。
【0015】
遮断弁の他に燃料遮断機構88としては、その動作源により電磁バルブ、モータにより作動するバルブ、形状記憶合金と発熱体を併用したバルブ、圧電セラミックスを使用したバルブなどがある。
【0016】
また、バルブの動作形式から、通電時だけ流路が開放される常時閉型バルブ、逆に通電時だけ流路が閉止される常時開型バルブ、一度通電すると通電停止後もその状態を維持するラッチ機構つきバルブなどがある。
【0017】
また、燃料電池を稼働中に、発熱等により危険な状態となった場合に、圧電素子ポンプPPの動作が停止されて燃料電池への燃料の供給が停止され、さらに安全のために燃料遮断機構88によって、圧電素子ポンプPPと燃料電池との間の燃料流路が遮断される。
【0018】
燃料電池の燃料排出口と燃料タンクTKとの間には、絞り部品84が配置されている。コントローラCTRは、絞り部品84の絞り量を調整して燃料電池から排出される燃料の調整することによって循環経路内での燃料の圧力を調整することができる。
【0019】
燃料電池は、燃料電池セル1と、圧電素子ポンプPPから燃料電池セル1に供給される燃料を単相燃料に変換する気液分離器82とを有している。図2は本実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。図1に示すように、燃料電池セル1は、起電部を構成する膜電極接合体(MEA)3と、気液分離器82を収容した燃料供給機構9と、を備えている。
【0020】
膜電極接合体3は、アノード触媒層23とアノードガス拡散層22とを有するアノード(燃料極)21と、カソード触媒層25とカソードガス拡散層26とを有するカソード(空気極/酸化剤極)24と、アノード触媒層23とカソード触媒層25とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜27とを有している。
【0021】
アノード触媒層23やカソード触媒層25を構成する触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層23にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層25にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。
【0022】
ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
【0023】
電解質膜27を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜27はこれらに限られるものではない。
【0024】
アノード触媒層23に積層されるアノードガス拡散層22は、アノード触媒層23に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層23の集電体も兼ねている。カソード触媒層25に積層されるカソードガス拡散層26は、カソード触媒層25に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層25の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層22およびカソードガス拡散層26は多孔質基材で構成されている。
【0025】
アノードガス拡散層22やカソードガス拡散層26には、必要に応じて導電層31、34が積層される。これら導電層31、34としては、例えばAu、Niのような導電性金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)、箔体または薄膜、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。導電層31と導電層34とは接続部材37によって接続されている。本実施形態に係る燃料電池システムでは、接続部材37および導電層31、34は、導電層30として一体に構成されている。
【0026】
電解質膜27と導電層31、34との間には、それぞれゴム製のOリング38、39が介在されており、これらによって膜電極接合体3からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
【0027】
膜電極接合体3は、導電膜31、34を介してカバープレート6、15に挟持されている。カバープレート15は酸化剤である空気を取入れるための開口(図示せず)を有している。カバープレート15とカソード24との間には、必要に応じて保湿層(図示せず)や表面層(図示せず)が配置される。カバープレート6は、燃料供給機構9から燃料を取り入れるための開口(図示せず)を有している。
【0028】
保湿層はカソード触媒層25で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層25への空気の均一拡散を促進するものである。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
【0029】
燃料供給機構9には、気液分離器82が収容されている。燃料供給機構9は、筐体61と、筐体61の膜電極接合体3に対向する側に配置され、気液分離器82から膜電極接合体3に供給される気体燃料が通過する燃料穴64と、燃料収容室65とを有している。気液分離器82には膜電極接合体3に対応した液体燃料が供給される。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。
【0030】
なお、液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。
【0031】
燃料タンクTKに収容された液体燃料は圧電素子ポンプPPによって燃料電池に供給される。圧電素子ポンプPPから送出される液体燃料は気体燃料を含む2相流である。すなわち、図3に示すように、圧電素子ポンプPPはポンプ室CHと、ポンプ室CH内に配置された圧電素子ELとを有している。圧電素子ポンプPPの流入口および排出口には燃料の逆流を防止するための逆止弁VLが配置されている。
【0032】
圧電素子ELは電圧を印加することで図3示すように上下方向に変形する。圧電素子ELの位置に応じて、ポンプ室CH内の内圧が増減する。
【0033】
例えば、図3に示す場合では、圧電素子ELが下側に凸となるように変形すると、ポンプ室CH内の内圧が下がりポンプ室CH内に燃料が吸引される。圧電素子ELが上側に凸となるように変形すると、ポンプ室CH内の内圧が上がりポンプ室CHから燃料が吐出される。
【0034】
上記のように圧電素子ポンプPPのポンプ室CH内に燃料が吸引されてポンプ室CHから燃料が吐出される過程で燃料の気化が生じ、ポンプ室CHから吐出される燃料は気化された燃料を含む2相流となる。
【0035】
図4に示すように、気液分離器82は、例えば気液分離膜FLで囲まれた送液流路Rを有している。本実施形態に係る燃料電池システムでは、送液流路は気液分離膜FLによって外部と隔てられた管状の流路である。
【0036】
気液分離膜FLとしては、シリコーンゴムの薄膜やナフィオン膜(DuPont社登録商標)のような、燃料の液体成分は透過しないが、気体成分を透過する特性を有した材料からなる膜であればその種類を問わない。
【0037】
また、気液分離膜FLに代えて、極微量の液体成分を透過する微細孔が穿孔されたる膜を使用することも可能である。代表的な材料としてはPTFEの薄膜に張力をかけて作成された微多孔フィルムを挙げることができる。
【0038】
図4に示すように、気液分離器82の送液流路R内の圧力Pinと気液分離膜FLを隔てた外部の圧力Poutとを比較して、送液流路R内の圧力Pinの方が外部の圧力Poutよりも大きい場合、その圧力差に応じて送液流路R内の気体燃料が外部へと排出される。
【0039】
気液分離膜FLで囲まれた送液流路Rは、例えば図5に示すように、燃料収容室65内一面に、蛇行するように配置されている。このように燃料収容室65の一面に渡って送液流路Rを配置することによって、膜電極接合体3の面方向において、均一に燃料を供給することが可能となる。
【0040】
気液分離膜FLを透過してきた気体燃料は、膜電極接合体3のアノード21に供給される。膜電極接合体3内において、燃料はアノードガス拡散層22で拡散されて、アノード触媒層23に供給される。例えば、液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層23で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。
【0041】
なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層25で生成した水や電解質膜27中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
【0042】
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は集電層を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード(空気極)24に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜27を経てカソード24に導かれる。
【0043】
カソード24には酸化剤として空気が供給される。カソード24に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層25で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
【0044】
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
燃料電池セル1の近傍には温度センサTM1が配置されている。気液分離器82の近傍には温度センサTM2が配置されている。コントローラCTRは、燃料電池セル1の出力値を監視して、燃料電池セル1の出力値が所定範囲内でなかった場合に、温度センサTM1および温度センサTM2に基づいて圧電素子ポンプPPの動作を制御する。
【0045】
すなわち、図6に示すように、コントローラCTRは、燃料電池セル1の出力値を検知し(ステップST1)、検知された出力値が所定範囲内か否かを判断する(ステップST2)。燃料電池セル1の出力値が所定範囲内である場合、コントローラCTRは、燃料電池セル1の出力の監視を継続する。
【0046】
燃料電池セル1の出力値が所定範囲内でない場合、コントローラCTRは、温度センサTM1から燃料電池セル1の温度を検知する(ステップST3)。さらに、コントローラCTRは、温度センサTM2から気液分離器82近傍の温度を検知する(ステップST4)。
【0047】
次に、コントローラCTRは、データベースDBを参照して、検知された燃料電池セル1の温度と気液分離器82の温度とから、圧電素子ポンプPPの制御補正係数を抽出する(ステップST5)。データベースDBには、燃料電池セル1の出力値を所定範囲とするための、燃料電池セル1の温度と気液分離器82の温度との値に対応した制御補正係数の値が蓄積されている。
【0048】
コントローラCTRは、得られた制御補正係数の値を用いて、圧電素子ポンプPPの制御信号を補正し、制御信号を発信する(ステップST6)。したがって、圧電素子ポンプPPの動作がコントローラCTRの補正後の制御信号によって、燃料電池セル1の出力が所定範囲内となるように制御される。コントローラCTRは、燃料電池セル1の出力値の監視を継続し、燃料電池セル1の出力値が所定範囲内となるまで上記のように制御信号の補正を行う。
【0049】
すなわち、本実施形態に係る燃料電池システムによれば、圧電素子ポンプと気液分離膜とを組み合わせることで燃料を単相に分離し、気体燃料を燃料電池セルに供給することで安定した燃料供給を実現することができる。
【0050】
また、従来の燃料電池セルはセル内部で液体燃料を気化させる機構が組まれており、反応部には気体燃料を送る方式を取っているが、上記の実施形態に係る燃料電子システムのような送液機構を用いることで気化機構が不要となり、燃料電池セルの簡易化、薄型化に繋がる。
【0051】
上記のように、本実施形態に係る燃料電子システムによれば、膜電極接合体に安定した燃料供給を行い、安定した出力を得ることができる燃料電池システムを提供することができる。
【0052】
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。
【0053】
例えば、上記の実施形態に係る燃料電池システムでは、燃料タンクTKから燃料電池へ液体燃料を送出するための送出機構として圧電素子ポンプPPを用いたが、圧電素子ポンプでなくても良い。燃料タンクTKから燃料電池へと液体燃料を送出する過程において液体燃料が気化をする場合に、上記の実施形態に係る燃料電池システムのように燃料供給機構9に気液分離器82を配置することによって、より安定した燃料供給を実現することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る燃料電池システムでは、送液流路Rは燃料収容室65内一体に渡って蛇行するように配置されていたが、送液流路Rの配置はこれに限らない。例えば、送液流路Rの出口を、膜電極接合体3の面方向における筐体61の中央部に設けて、燃料収容室65内を外側から内側に向かって渦巻き状となるように配置されていても良い。送液流路Rが燃料収容室65内一体に配置されることによって、膜電極接合体3の面方向において燃料が均一に供給される。
【0055】
また、上記の実施形態に係る燃料電池システムでは、データベースDBに蓄積された制御補正係数に応じてコントローラCTRが圧電素子ポンプPPを制御していたが、データベースDBには燃料遮断機構88および絞り部品84の制御補正係数が合わせて蓄積され、コントローラがこれらの制御補正係数に応じて圧電素子ポンプPP、燃料遮断機構88、および絞り部品84の制御を行うようにしても良い。このように制御することにより、より多様な制御を実現することができる。
【0056】
さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組合せたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除する等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの一構成例を説明するための図。
【図2】図1に示す燃料電池の一構成例を説明するための図。
【図3】図1に示す圧電素子ポンプの一構成例を説明するための図。
【図4】図2に示す燃料電池の気液分離器の一構成例を説明するための図。
【図5】図2に示す燃料電池の燃料供給機構内の気液分離器の配置の一例について説明するための図。
【図6】本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの動作の一例について説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0058】
TK…燃料タンク、PP…圧電素子ポンプ、CTR…コントローラ、3…膜電極接合体、9…燃料供給機構、82…気液分離器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極、空気極、および前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、前記燃料極へ燃料を供給する燃料供給機構と備えた燃料電池と、
燃料タンクから前記燃料供給機構に燃料を送出する送液手段と、を備え、
前記燃料供給機構は、前記送液手段から送出された燃料について気体と液体とを分離して気体燃料を前記膜電極接合体へ排出させる気液分離手段を備えた燃料電池システム。
【請求項2】
前記送液手段から送出された燃料を前記燃料供給機構に供給し、前記燃料供給機構から前記燃料電池の外部に排出された燃料を再び前記燃料タンクに供給する循環経路をさらに備えた請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記気液分離手段から前記燃料電池の外部に排出される燃料を制限することにより前記気液分離手段内の圧力を調整する絞り手段をさらに備えた請求項1または請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記送液手段の動作を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記膜電極接合体の近傍に配置された第1温度検出手段と、
前記気液分離手段の近傍に配置された第2温度検出手段と、
前記膜電極接合体の温度と前記気液分離膜の温度とに対応する前記送液手段の制御補正係数が蓄積されたデータベースと、をさらに備え、
前記制御手段は、前記燃料電池の出力値を検知し検知された出力値が所定範囲内であるか否か判断する監視手段と、前記監視手段によって検知された出力値が所定範囲内ではないと判断された場合に、前記第1温度検出手段および前記第2温度検出手段から温度値を検知する検知手段と、前記データベースから前記検知手段によって検知された温度に対応する制御補正係数を取得する係数取得手段と、前記係数取得手段によって取得された制御補正係数を用いて制御信号を補正する補正手段と、を備える請求項4記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記送液手段は、圧電素子ポンプである請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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