説明

燃料電池システム

【課題】水素生成器に備えられた選択酸化器での熱暴走を防止することができる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】燃料電池システムに、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度を検知する温度センサ17と、制御部18とを備え、温度センサ17が検知する選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると、制御器18は、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になる前に比べて水素生成器2に供給される原料の最大流量が小さくなるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原料から水素を含有する燃料ガスを生成する水素生成器を備えた燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池を用いた家庭用の発電システムである燃料電池システムに対して、幅広い需要が見込まれている。また、家庭用燃料電池システムの実用化と普及のために様々な技術開発が行われている。従来、燃料電池システムでは燃料電池での発電に必要な水素は、例えば灯油や都市ガス、LPGなどの炭化水素系原料またはメタノールなどのアルコール類原料を水蒸気と混合し、水素生成器で改質することにより得る構成が採用されている。
【0003】
こうした水素生成器として、脱硫器と、改質器と、変成器と、選択酸化器とを備えた水素生成器が知られている(例えば、特許文献1参照)。図7は、特許文献1に記載された従来の燃料電池システムに備えられた水素生成器を示すものである。
【0004】
このような水素生成器では、次のような処理が行われる。
【0005】
まず、水素生成器101の上流に設けられた脱硫器123において、原料中に不純物として、または漏洩検出のための付臭剤として含まれる硫黄化合物が除去される。脱硫器123で硫黄化合物が除去された原料は、水蒸気と混合されて改質器124において水蒸気改質され、水素と一酸化炭素を含む燃料ガスに生成される。改質器124で生成された燃料ガスは変成器125に送られ、変成器125において、燃料電池に含まれる触媒等の劣化の原因となる一酸化炭素が水と反応して二酸化炭素に変換される。
【0006】
変成器125を経た燃料ガスは選択酸化器126に送られる。そして、選択酸化器126において、燃料ガス中に残った一酸化炭素が選択的に酸化されて二酸化炭素に変換される。この選択酸化反応は、選択酸化器126に酸素含有ガスとして供給される空気と燃料ガス中の一酸化炭素とが選択酸化触媒の存在下で接触させられて起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−230867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、従来の燃料電池システムに用いられている水素生成器101では、選択酸化器126に供給する空気の量を、改質器124に供給される原料の流量に応じて決めていた。そのため、改質器124の改質性能や、選択酸化器126に供給される空気の流量を計測する流量計の精度により、選択酸化器126への空気供給量が一酸化炭素の選択酸化に適した量から外れてしまうおそれがあった。選択酸化器126で行われる選択酸化反応は発熱反応であるため、空気が供給されて選択酸化反応が進むと選択酸化触媒層の温度が上昇し、さらに空気供給量が過剰な場合においては選択酸化反応がより促進されて、選択酸化触媒層温度がさらに上昇する。
【0009】
また、従来の燃料電池システムに用いられている水素生成器101の選択酸化器126では、選択酸化反応とともに、副反応としてメタン化反応(メタネーション)が起こり得
る。メタン化反応は、燃料ガス中の一酸化炭素と水素とが反応してメタンが生成される反応と、改質ガス中の二酸化炭素と水素とが反応してメタンが生成される反応とを含む。このメタン化反応は発熱反応であるため、この反応によっても選択酸化触媒層温度が上昇する。
【0010】
したがって、選択酸化器126への空気供給量が過剰となった場合は選択酸化触媒層温度が上昇し、ある限界温度を上回るとメタン化反応が急激に起こって選択酸化触媒層温度が急激に上昇し、この温度上昇によってさらにメタン化反応が促進されるという繰り返しが起こり、選択酸化器126は空気供給量によらず選択酸化触媒層温度が急激に上昇して温度制御が不能となる状態、すなわち熱暴走状態に陥ることがあった。その結果、熱暴走すると、水素生成器101に過剰な温度負荷を与えることとなり、水素生成器101の触媒の性能が劣化することや、メタン化反応により燃料となる水素が不足し燃料電池システムでの運転が継続できなくなる、という課題があった。
【0011】
そこで本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、水素生成器に備えられた選択酸化器での熱暴走を防止することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池と、少なくとも選択酸化器を備え、原料と水と空気を用いて水素を含有する燃料ガスを生成する水素生成器と、選択酸化器の温度を検知する温度検知器と、水素生成器に原料を供給する原料供給器と、水素生成器に水を供給する水供給器と、選択酸化器に空気を供給する空気供給器と、燃料電池、原料供給器、水供給器及び空気供給器を制御する制御器とを備えている。これによって制御器は、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になる前に比べて、水素生成器に供給される原料の最大流量が小さくなるように制御することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池システムは、その制御器によって、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になる前に比べて水素生成器に供給される原料の最大流量が小さくなるように制御することとなり、選択酸化器での酸化発熱量を低減することにより熱暴走を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1、3、4、5における燃料電池システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態2における燃料電池システムの発電量制御フローチャート
【図4】本発明の実施の形態3における燃料電池システムの原料流量制御フローチャート
【図5】本発明の実施の形態3における燃料電池システムの空気流量制御フローチャート
【図6】本発明の実施の形態3における燃料電池システムの水流量制御フローチャート
【図7】従来の燃料電池システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池と、少なくとも選択酸化
器を備え、原料と水と空気を用いて水素を含有する燃料ガスを生成する水素生成器と、選択酸化器の温度を検知する温度検知器と、水素生成器に原料を供給する原料供給器と、水素生成器に水を供給する水供給器と、選択酸化器に空気を供給する空気供給器と、燃料電池、原料供給器、水供給器及び空気供給器を制御する制御器とを備える燃料電池システムである。かかる構成にすると、制御器は選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になる前に比べて、水素生成器に供給される原料の最大流量が小さくなるように制御することとなり、選択酸化器での酸化発熱量を小さくすることができるため熱暴走を防止することができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、水素生成器へ供給する原料の流量が、原料流量下限値以上かつ第1の原料流量上限値以下の範囲となるように制御し、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、原料の流量が、第1の原料流量上限値より小さい第2の原料流量上限値以下に制御することにより、発電に必要な原料の供給量の上限値を第2の原料流量上限値以下まで低減させて選択酸化器での酸化発熱量の上限値を低減することができるため熱暴走を防止することができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第2の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、原料の流量が、第1の原料流量上限値以下に制御することにより、熱暴走を防止しつつ、原料の流量を選択酸化器の温度に応じて第1の原料流量上限値以下の範囲となるように制御できるため、原料の流量上限を元に戻すことができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、発電する出力電力量が、発電量下限値以上かつ第1の発電量上限値以下の範囲となるように制御し、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、出力電力量が、第1の発電量上限値よりも小さい第2の発電量上限値以下に制御することにより、発電に必要な原料、水、空気の供給量の上限値を第2の発電量上限値に対応した各々の流量上限値まで低減させて選択酸化器での酸化発熱量の上限値を低減することができるため熱暴走を防止することができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第2の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、出力電力量が第1の発電上限値以下に制御することにより、熱暴走を防止しつつ、出力電力量を選択酸化器の温度に応じて第1の発電量上限値以下の範囲となるように制御できるため、出力電力量の上限を元に戻すことができる。
【0020】
第6の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、水素生成器へ供給する空気の流量が、空気流量下限値以上かつ第1の空気流量上限値以下の範囲となるように制御し、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、空気の流量が、第1の空気流量上限値より小さい第2の空気流量上限値以下に制御し、かつ、空気の流量を用いて再設定した原料の目標流量に基づいて原料の流量を制御することにより、水素生成器の選択酸化器に供給する空気の流量の上限値を第2の空気流量上限値以下まで低減させ、かつ低減した空気の流量を用いて原料の流量を低減されて再設定することにより、選択酸化器での酸化発熱量の上限値を低減することができるため熱暴走を防止することができる。
【0021】
第7の発明は、特に、第6の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、空気流量が、第1の空気流量上限値以下に制御することにより、熱暴走を防止しつつ、空気の流量を選択酸化器の温度に応じて第1の空気流量上限値以下の範囲となるように制御でき
るため、空気の流量上限を元に戻すことができる。
【0022】
第8の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、水素生成器へ供給する水の流量が、水流量下限値以上かつ第1の水流量上限値以下の範囲となるように制御し、選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、水の流量が、第1の水流量上限値より小さい第2の水流量上限値以下に制御し、かつ、前記水の流量を用いて再設定した前記原料の目標流量に基づいて前記原料の流量を制御することにより、水素生成器に供給する水の流量の上限値を第2の水流量上限値以下まで低減させ、かつ低減した水の流量を用いて原料の流量を低減されて再設定することにより、選択酸化器での酸化発熱量の上限値を低減することができるため熱暴走を防止することができる。
【0023】
第9の発明は、特に、第8の発明の燃料電池システムに加えて、制御器は、選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、水の流量が、前記第1の水流量上限値以下に制御し、かつ、第1の原料目標再設定手段によって再設定した原料の目標流量に基づいた原料の流量制御を停止することにより、熱暴走を防止しつつ、水の流量を選択酸化器の温度に応じて第1の水流量上限値以下の範囲となるように制御できるため、水の流量上限を元に戻すことができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の本実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態における燃料電池システムは、水素を含有する燃料ガスと空気中の酸素とを用いて発電を行なう燃料電池1と、原料と水と空気とを用いて水素を含有する燃料ガスを生成する水素生成器2と、原料供給源からの原料を水素生成器2に供給する第1のポンプ3と、原料供給源からの原料が第1のポンプ3を通じて水素生成器2に供給されるように配した原料供給流路4と、水素生成器1へ供給される原料の流量を検知する原料流量計5と、水素生成器2で生成された燃料ガスが燃料電池1に供給されるように配した燃料ガス供給流路6と、燃料電池1での発電に使用しなかった残余燃料ガスが燃料電池1から排出されるように配した燃料ガス排出流路7を備えている。なお水素生成器2には、原料と水とにより水蒸気改質を行なうことで水素と一酸化炭素を含む燃料ガスを生成する改質器8と、改質器8で生成された燃料ガスに含まれる一酸化炭素を水と反応させることで二酸化炭素に変換する変成器9と、変成器9を経た燃料ガス中に残った一酸化炭素を酸素を用いて選択的に酸化させて二酸化炭素に変換する選択酸化器10を備えている。
【0027】
さらに、水素生成器2の選択酸化器10に酸素を含有する空気を供給する第2のポンプ11と、第2のポンプ11で取り込んだ空気を選択酸化器10に供給されるように配した空気供給流路12と、選択酸化器10へ供給される空気の流量を検知する空気流量計13と、水供給源から水を水素生成器2に供給する第3のポンプ14と、水供給源からの水が第3のポンプ14を通じて水素生成器2に供給されるように配した水供給流路15と、水素生成器2へ供給される水の流量を検知する水流量計16と、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度を検知する温度センサ17と、制御部18を備えている。
【0028】
原料供給流路4は上流側が原料供給源に接続され、下流側が水素生成器2に接続されている。燃料ガス供給流路6は上流側が水素生成器2に接続され、下流側が燃料電池1に接続されている。燃料ガス排出流路7は上流側が燃料電池1に接続され、下流側は開放され
システム外に残余燃料ガスを排出するように配されている。空気供給流路12は上流側が第2のポンプ11に接続され、下流側が選択酸化器10に接続されている。水供給流路15は上流側が水供給源に接続され、下流側が水素生成器2に接続されている。
【0029】
ここで原料供給源から供給される原料としては、メタンやプロパン等の炭化水素系ガス、都市ガスやLPガスから付臭成分を除去した炭化水素系混合ガス、灯油、メタノール等のアルコール類などを使用することができる。また原料供給源としては、ボンベ・カートリッジまたはガスインフラライン、を用いることができる。なお、本実施の形態では「残余燃料ガスはシステム外に排出」としたが、図示していないバーナ等の処理装置で燃焼させて、燃焼排ガスとしてシステム外に排出してもよい。
【0030】
なお、本実施の形態における温度センサ17、第1のポンプ3、第3のポンプ14、第2のポンプ11は、各々、第1の発明における温度検知器、原料供給器、水供給器、空気供給器の具体的な実施の一例である。
【0031】
次に、本実施の形態における燃料電池システムに関して、具体的動作を説明する。
【0032】
図1に示す燃料電池システムでは、原料供給源から供給された原料は原料供給流路4を通じて第1のポンプ3に供給される。第1のポンプ3は後述するように制御部18により原料ガスの流量を変化させることができる。第1のポンプ3から導出された原料は原料供給流路4を通じて水素生成器2に供給される。一方、水供給源から供給された水は、水供給流路15を通じて第3のポンプ14に供給される。第3のポンプ14は後述するように制御部18により水の流量を変化させることができる。第3のポンプ14から導出された水は水供給流路15を通じて水素生成器2に供給される。さらには後述する第2のポンプ11から供給される空気も水素生成器2の選択酸化器10に供給され、原料ガスと水と空気とを用いて水素リッチな燃料ガスを生成する。水素生成器2から導出された燃料ガスは燃料電池1に供給する燃料電池1に供給された燃料ガスは、図示していない燃料電池1に供給された空気中の酸素と電気化学的に反応し、発電を行なう。燃料電池1での発電により燃料ガス中の水素は消費されるが、発電に使用されなかった燃料ガスは残余燃料ガスとして燃料電池1から排出される。燃料電池1から排出された残余燃料ガスは、燃料ガス排出流路7を通じてシステム外に排出される。さらに燃料ガス生成に用いる酸化剤ガスとしての空気は、第2のポンプ11を駆動させることにより、第2のポンプ11周辺から取り込まれる。取り込まれた空気は、空気供給流路12を通じて水素生成器2の選択酸化器10に供給され、原料ガスおよび水との化学反応に用いられることにより燃料ガスを生成する。
【0033】
制御部18は発電に必要な原料と水と空気を水素生成器2に供給するために、まず燃料電池1での発電量に応じて必要な原料ガスの流量を算出し、原料ガスの目標流量を設定する。次に、設定された原料ガスの目標流量に応じて、水素生成器2での燃料ガス生成に必要な水と空気の各々の流量を算出し、水および空気の目標流量を設定する。さらに、制御器18は、原料流量計5と水流量計16と空気流量計13とが各々検知する原料と水と空気の検知流量に応じて、第2のポンプ11/第3のポンプ14/第2のポンプ11の駆動量を変化させるフィードバック制御を行なっている。
【0034】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第1の発明に関する具体的な動作の一例について説明する。
【0035】
制御器18は、原料流量計5と水流量計16と空気流量計13とが各々検知する原料と水と空気の検知流量に応じて、第2のポンプ11/第3のポンプ14/第2のポンプ11の駆動量を変化させるフィードバック制御を行なっている。このとき、温度センサ17が
検知する選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が、「第1の所定温度(例えば190℃)」以上になると、制御器18は水素生成器2に供給される原料の最大流量が小さくなるよう再設定し、その範囲内で第2のポンプ11の駆動量を変化させる。なお、第1の所定温度は、メタン化反応が急激に起こる限界温度よりも低く設定されている。
【0036】
この構成により、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になる前の原料ガスの最大流量で発電を継続することがなくなるため、メタン化反応が急激に起こることを防止することができる。また、制御器18は最大流量が小さく再設定された原料ガス流量に応じて空気の目標流量を設定するため、選択酸化器10へ供給する空気の最大流量も小さくなる。結果、選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器10で行われる選択酸化反応での発熱量を自動的に低減・抑制することができ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が急激に上昇して温度制御が不能となる熱暴走状態に陥ることを防止することができる。
【0037】
また、水素生成器2に供給される原料ガスの最大流量は、燃料電池システムの設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに応じて設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理量が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0038】
また、水素生成器2に供給される原料の最大流量を小さくするように制御するために設定する第1の所定温度は、燃料電池システム設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0039】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図2において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0040】
本実施の形態は、実施の形態1で説明した燃料電池発電システムに加えて、燃料電池1が発電した直流電力を交流電力に変換するとともに系統電力21と連係し電力負荷22に電力供給をするインバータ23と、電力負荷22に供給される電力量を検知する電力検知器24とを備えている。そして制御器18は、発電量下限値(例えば250W)以上かつ第1の発電量上限値(例えば750W)以下の範囲で、電力検知器24の検知する電力量に応じてインバータ23からの交流電力を出力するように制御している。
【0041】
次に、図3に示す発電量制御フローチャートを用いて、本実施の形態における燃料電池発電システムにおける、第4の発明および第5の発明に関する具体的な動作の一例について説明する。
【0042】
まず、制御器18は、インバータ23からの出力電力量の上限を第1の発電量上限値(例えば750W)として出力するように制御している(S101)。制御器18は温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度(例えば190℃)に対して高いか低いかを判定(S102)し、第1の所定温度より低い場合はステップS101に戻る。一方ステップS102において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上の場合は、制御器18は、インバータ23からの出力電力量の上限を第1の発電量上限値(例えば750W)よりも小さい第2の発電量上限値(例えば700W)として出力するように制御を行なう(S103)
。制御器18はさらに、温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度(例えば180℃)に対して高いか低いかを判定(S104)し、第2の所定温度以上の場合はステップS103に戻る。一方ステップS104において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、インバータ23からの出力電力量の上限を第1の発電量上限値として出力するように制御を行なう(S105)。
【0043】
この構成により、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると最大発電量を低下させるため、メタン化反応が急激に起こることを防止することができる。また、制御器18は再設定された発電量に応じて原料ガスと水と空気の目標流量を設定するため、選択酸化器10へ供給する原料ガスと水と空気の最大流量も小さくなる。結果、選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器10で行われる選択酸化反応での発熱量を自動的に低減・抑制することができ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が急激に上昇して温度制御が不能となる熱暴走状態に陥ることを防止することができる。
【0044】
さらに、第2の発電量上限値(例えば700W)として出力するように制御を行なっているときに温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、インバータ23からの出力電力量の上限を第1の発電量上限値として出力するように制御を行なう。これにより、選択酸化器10の熱暴走を防止しつつ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は出力電力量の上限を元に戻して発電を行なうことができる。
【0045】
なお、インバータ23からの出力電力量の上限を、より小さい第2の発電量上限値として出力電力量を制御するために設定する第1の所定温度は、燃料電池システムの設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0046】
またなお、インバータ23からの出力電力量の上限を、元の第1の発電量上限値に戻して出力電力量を制御するために設定する第2の所定温度は、燃料電池システムの設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0047】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における燃料電池システムに関して、図1に示す燃料電池システムの構成を示すブロック図および、図4に示す原料流量制御フローチャートを用いて、具体的な動作の一例について説明する。
【0048】
まず、制御器18は、水素生成器2への原料流量の上限を第1の原料流量上限値(例えば3.5NLM)として供給するように制御している(S201)。制御器18は温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度(例えば190℃)に対して高いか低いかを判定(S202)し、第1の所定温度より低い場合はステップS201に戻る。一方ステップS202において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上の場合は、制御器18は、水素生成器2への原料流量の上限を第1の原料流量上限値(例えば3.5NLM)よりも小さい第2の原料流量上限値(例えば3.0NLM)として供給するように制御を行なう(S2
03)。制御器18はさらに、温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度(例えば180℃)に対して高いか低いかを判定(S204)し、第2の所定温度以上の場合はステップS203に戻る。一方ステップS204において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、水素生成器2への原料流量の上限を第1の原料流量上限値として供給するように制御を行なう(S205)。
【0049】
この構成により、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると最大流量を低下させるため、メタン化反応が急激に起こることを防止することができる。また、制御器18は再設定された最大流量に応じて原料ガスと水と空気の目標流量を設定するため、選択酸化器10へ供給する原料ガスと水と空気の最大流量も小さくなる。結果、選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器10で行われる選択酸化反応での発熱量を自動的に低減・抑制することができ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が急激に上昇して温度制御が不能となる熱暴走状態に陥ることを防止することができる。
【0050】
さらに、第2の原料流量上限値(例えば3.0NLM)として水素生成器2に供給するように制御を行なっているときに温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、水素生成器2への原料流量の上限を第1の原料流量上限値として供給するように制御を行なうことができる。そのため、選択酸化器10の熱暴走を防止しつつ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は原料流量の上限を元に戻して発電を行なうことができる。
【0051】
なお、第1の所定温度は、燃料電池システム設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理量が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0052】
また、水素生成器2への原料流量の上限を、元の第1の原料流量上限値に戻して水素生成器2に供給するように制御するために設定する第2の所定温度は、燃料電池システムの設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0053】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における燃料電池システムに関して、図1に示す燃料電池システムの構成を示すブロック図および、図5に示す空気流量制御フローチャートを用いて、本実施の形態における燃料電池発電システムにおける、本実施の形態における燃料電池発電システムにおける、第2の発明および第3の発明に関する具体的な動作の一例について説明する。なお本実施の形態における制御器18は実施の形態1に示す制御器18に加えてさらに、空気流量に基づいて原料の目標流量を再設定する機能を備えている。
【0054】
まず、制御器18は、水素生成器2への空気流量の上限を第1の空気流量上限値(例えば1.2NLM)として供給するように制御している(S301)。制御器18は温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度(例えば190℃)に対して高いか低いかを判定(S302)し、第1の所定温度より低い場合はステップS301に戻る。一方ステップS302において温度センサ17が検知する選選択
酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上の場合は、制御器18は、水素生成器2への空気流量の上限を第1の空気流量上限値(例えば1.2NLM)よりも小さい第2の空気流量上限値(例えば1.0NLM)として供給するとともに、空気流量に基づいて原料の目標流量を再設定するように制御を行なう(S303)。制御器18はさらに、温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度(例えば180℃)に対して高いか低いかを判定(S304)し、第2の所定温度以上の場合はステップS303に戻る。一方ステップS304において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、水素生成器2への空気流量の上限を第1の空気流量上限値として供給するように制御を行なう(S305)。
【0055】
この構成により、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると空気流量の上限を低下させるため、メタン化反応が急激に起こることを防止することができる。また、制御器18は再設定された空気流量に応じて原料ガスと水の目標流量を設定するため、選択酸化器10へ供給する原料ガスと水の最大流量も小さくなる。結果、選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器10で行われる選択酸化反応での発熱量を自動的に低減・抑制することができ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が急激に上昇して温度制御が不能となる熱暴走状態に陥ることを防止することができる。
【0056】
さらに、第2の空気流量上限値(例えば3.0NLM)として水素生成器2に供給するように制御を行なっているときに温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、水素生成器2への空気流量の上限を第1の空気流量上限値として供給するように制御を行なうことができる。そのため、選択酸化器10の熱暴走を防止しつつ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は空気流量の上限を元に戻して発電を行なうことができる。
【0057】
なお、第1の所定温度は、燃料電池システム設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0058】
また、第2の所定温度は、燃料電池システムの設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0059】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5における燃料電池システムに関して、図1に示す燃料電池システムの構成を示すブロック図および、図6に示す水流量制御フローチャートを用いて、本実施の形態における燃料電池発電システムにおける、第8の発明および第9の発明に関する具体的な動作の一例について説明する。なお本実施の形態における制御器18は実施の形態1に示す制御器18に加えてさらに、水流量に基づいて原料の目標流量を再設定する機能を備えている。
【0060】
まず、制御器18は、水素生成器2への水流量の上限を第1の水流量上限値(例えば9.0CCM)として供給するように制御している(S401)。制御器18は温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度(例えば190
℃)に対して高いか低いかを判定(S402)し、第1の所定温度より低い場合はステップS401に戻る。一方ステップS402において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上の場合は、制御器18は、水素生成器2への水流量の上限を第1の水流量上限値(例えば9.0CCM)よりも小さい第2の水流量上限値(例えば8.0CCM)として供給するとともに、水流量に基づいて原料の目標流量を再設定するように制御を行なう(S403)。制御器18はさらに、温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度(例えば180℃)に対して高いか低いかを判定(S404)し、第2の所定温度以上の場合はステップS403に戻る。一方ステップS404において温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は、制御器18は、水素生成器2への水流量の上限を第1の水流量上限値として供給するように制御を行なう(S405)。
【0061】
この構成により、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると水流量の上限を低下させるため、メタン化反応が急激に起こることを防止することができる。また、制御器18は再設定された水流量に応じて原料ガスと空気の目標流量を設定するため、選択酸化器10へ供給する原料ガスと空気の最大流量も小さくなる。結果、選択酸化触媒層温度が第1の所定温度以上になると、選択酸化器10で行われる選択酸化反応での発熱量を自動的に低減・抑制することができ、選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が急激に上昇して温度制御が不能となる熱暴走状態に陥ることを防止することができる。
【0062】
さらに、第2の水流量上限値(例えば8.0CCM)として水素生成器2に供給するように制御を行なっているときに温度センサ17が検知する選選択酸化器10の選択酸化触媒層温度が第2の所定温度より低くなった場合は水流量の上限を元に戻して発電を行なうことができる。
【0063】
なお、水素生成器2への水流量の上限を、より小さい第2の水流量上限値として水素生成器2に供給するように制御するために設定する第1の所定温度は、燃料電池システム設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【0064】
また、水素生成器2への水流量の上限を、元の第1の水流量上限値に戻して水素生成器2に供給するように制御するために設定する第2の所定温度は、燃料電池システムの設置時間、累積発電時間、累積起動停止回数及び累積燃焼時間のうちの少なくともいずれかに対して設定されるようにしてもよい。こうすることで、水素生成器2の選択酸化器10での選択酸化処理能力が経年的に低下し、選択酸化触媒層温度に対しての選択酸化処理能力が減少しても、熱暴走を防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明にかかる燃料電池システムは、選択酸化器での酸化発熱量を小さくすることができるため熱暴走を防止することが可能となるので、少なくとも選択酸化器のある水素生成器を備えた燃料電池システムに有用である。また、少なくとも選択酸化器のある水素生成器を用いて水素を生成する水素ステーション等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 燃料電池
2、101 水素生成器
3 第1のポンプ
4 原料供給流路
5 原料流量計
6 燃料ガス供給流路
7 燃料ガス排出流路
8、124 改質器
9、125 変成器
10,126 選択酸化器
11 第2のポンプ
12 空気供給流路
13 空気流量計
14 第3のポンプ
15 水供給流路
16 水流量計
17 温度センサ
18 制御部
21 系統電力
22 電力負荷
23 インバータ
24 電力検知器
123 脱硫器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池と、
少なくとも選択酸化器を備え、原料と水と空気を用いて水素を含有する燃料ガスを生成する水素生成器と、
前記選択酸化器の温度を検知する温度検知器と、
前記水素生成器に原料を供給する原料供給器と、
前記水素生成器に水を供給する水供給器と、
前記選択酸化器に空気を供給する空気供給器と、
前記燃料電池、原料供給器、水供給器及び前記空気供給器を制御する制御器と、
を備え、
前記制御器は、前記選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、前記選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になる前に比べて、前記水素生成器に供給される原料の最大流量が小さくなるように制御する、燃料電池システム。
【請求項2】
前記制御器は、前記水素生成器へ供給する原料の流量が、原料流量下限値以上かつ第1の原料流量上限値以下の範囲となるように制御し、前記選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、前記原料の流量が、前記第1の原料流量上限値より小さい第2の原料流量上限値以下に制御する、請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記制御器は、前記選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、前記原料の流量が、前記第1の原料流量上限値以下に制御する、請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御器は、前記燃料電池が発電する出力電力量が、発電量下限値以上かつ第1の発電量上限値以下の範囲となるように制御し、前記選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、前記出力電力量が、前記第1の発電量上限値よりも小さい第2の発電量上限値以下に制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記制御器は、前記選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、前記出力電力量が、第1の発電上限値以下に制御する、請求項4記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記制御器は、前記水素生成器へ供給する空気の流量が、空気流量下限値以上かつ第1の空気流量上限値以下の範囲となるように制御し、前記選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、前記空気の流量が、前記第1の空気流量上限値より小さい第2の空気流量上限値以下に制御し、かつ、前記空気の流量を用いて再設定した前記原料の目標流量に基づいて前記原料の流量を制御する、請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記制御器は、前記選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定温度より低くなった場合に、前記空気流量が、前記第1の選択空気流量上限値以下に制御する、請求項6記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記制御器は、前記水素生成器へ供給する水の流量が、水流量下限値以上かつ第1の水流量上限値以下の範囲となるように制御し、前記選択酸化器の温度が第1の所定温度以上になると、前記水の流量が、前記第1の水流量上限値より小さい第2の水流量上限値以下に制御し、かつ、前記水の流量を用いて再設定した前記原料の目標流量に基づいて前記原料の流量を制御する、請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記制御器は、前記選択酸化器の温度が、第1の所定温度以上となった後、第2の所定
温度より低くなった場合に、前記水の流量が、前記第1の水流量上限値以下に制御する、請求項8記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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