説明

燃料電池用セパレータの製造方法

【課題】熱エネルギーのロスが小さく、成形サイクル時間を短縮化して、量産化を容易に行い得る燃料電池用セパレータの製造方法を提供する。
【解決手段】燃料電池用セパレータを製造する方法であって、搬送ライン上に配置された枠状の支持台1上に、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体3を載置した後、前記搬送ラインの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置された成形プレス機4へ搬送し、該成形プレス機により所定時間熱圧成形して熱圧成形物を形成し、次いで得られた熱圧成形物を前記枠状の支持台とともに前記成形プレス機の成形位置から搬出し、前記枠状の支持台から熱圧成形物を取り外す燃料電池用セパレータの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用セパレータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するもので、電気エネルギーへの変換効率が高く、騒音や振動も少ないことから、携帯機器、自動車、鉄道、コジェネレーション等の多様な分野における電源として今後の発展が期待されている。
【0003】
燃料電池のうち、固体高分子形燃料電池は、イオン伝導性を有する高分子膜(イオン交換膜)の両面を白金などの触媒を担持させたアノード電極板およびカソード電極板で挟み、その両外側に板状セパレータを配してなる単セルを基本構成単位とし、この単セルを数十〜数百個積層させたスタックとその外側に設けた2つの集電体等から構成されてなるものであり、代表的には、水素等の燃料ガス及び空気等の酸化剤ガスの流路としての溝を、各電極板のセパレータ側表面に刻設したリブ付電極方式と、各セパレータの表面に刻設したリブ付セパレータ方式等がある(例えば、特許文献1(特開2000−21421号公報)参照)。
【0004】
上記燃料電池用セパレータは、成形材料または予備成形体を圧縮成形することにより作製されており、例えば、上下一対の金型からなる成形型の上型と下型とを金型開閉機を用いて離間させ、金型の成形面に成形材料または予備成形体を装入し、上型と下型とを閉じた後、成形型をプレス機内へ搬送して所定温度で所定時間熱圧成形し、次いでプレス機内から成形型を取り出して、金型開閉装置を用いて再度上型と下型とを離間させ、金型表面の熱圧成形物を吸着等を利用した離型装置等により離型する方法が採用されている。
【0005】
しかしながら、上記方法では、重量物である成形型をプレス機の内外に搬送しなければならず、また、予備成形体を成形型内に投入する際に予備成形体に変形を生じる場合があるばかりか、室温下にある成形型内に成形材料や予備成形体を装入した後、プレス機により熱圧成形し、次いで熱圧成形品を離型し、金型を冷却するので、熱エネルギーのロスが非常に大きいという技術課題を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−21421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記技術課題を解決するために、成形型の上型と下型とをそれぞれプレス機の上型と下型に取り付けた成形プレス機を用い、該プレス機の上型と下型とを離間させ、成形型の成形面に成形材料または予備成形体を装入した後、プレス機内において、所定温度下で所定時間熱圧成形する方法が考えられ、本法によれば、成形型を搬送する必要がなく、熱エネルギーのロスも低減できると考えられる。
【0008】
しかしながら、上記方法においても、個々のセパレータを作製する度に、金型の成形面に成形材料または予備成形体を装入したり、離型剤を塗布したり、熱圧成形品を離型したりする必要があり、所定の作業時間を必要とすることから、成形サイクル時間が長くなり、セパレータの量産が困難であるという技術課題が存在する。
【0009】
このような状況下、本発明は、熱エネルギーのロスが小さく、成形サイクル時間を短縮化して、量産化を容易に行い得る燃料電池用セパレータの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術課題を解決するために本発明者がさらに検討したところ、搬送ライン上に配置された枠状の支持台上に、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を載置した後、前記搬送ラインの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置された成形プレス機へ搬送し、該成形プレス機により所定時間熱圧成形して熱圧成形物を形成し、次いで、得られた熱圧成形物を前記枠状の支持台とともに前記成形プレス機の成形位置から搬出し、前記枠状の支持台から熱圧成形物を取り外して燃料電池用セパレータを得る方法を採用することにより、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
搬送ライン上に配置された枠状の支持台上に、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を載置した後、
前記搬送ラインの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置された成形プレス機へ搬送し、
該成形プレス機により所定時間熱圧成形して熱圧成形物を形成し、次いで
得られた熱圧成形物を前記枠状の支持台とともに前記成形プレス機の成形位置から搬出し、
前記枠状の支持台から熱圧成形物を取り外す
ことを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法、
(2)前記枠状の支持台が、枠体の内側にグリーンシートまたは予備成形体を載置するための階段状の段部が設けられてなるものである上記(1)に記載の燃料電池用セパレータの製造方法、
(3)前記搬送ライン上に複数の枠状の支持台を配置するとともに、該複数の支持台を循環、再使用し得るように前記搬送ラインを設け、
前記複数の支持台に対し、グリーンシートまたは予備成形体を載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行うことにより、熱圧成形物を量産する上記(1)または(2)に記載の燃料電池用セパレータの製造方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を、成形型とプレス機が一体化した成形プレス機を用いて熱圧成形することにより、熱エネルギーのロスを低減することができ、また、搬送ライン上に配置された枠状の支持台に対し、グリーンシートまたは予備成形体を載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行うことにより、成形サイクル時間を短縮化して、量産化を容易に行い得る燃料電池用セパレータの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明で用いる支持台の一形態例を示す斜視図((a))および他の形態例を示す上面図((b))である。
【図2】本発明で用いるグリーンシートとグリーンシートの積層形態の一例を示す図である。
【図3】本発明で得られるセパレータの一例を示す断面図である。
【図4】本発明における熱圧成形方法を説明するための概略断面図である。
【図5】本発明で得られるセパレータの使用形態を説明する図である。
【図6】本発明の実施例で使用した支持台の上面図((a))、成形型(上型)の成形面を示す図((b))および得られた熱圧成形物((c))の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、搬送ライン上に配置された枠状の支持台上に、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を載置した後、前記搬送ラインの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置された成形プレス機へ搬送し、該成形プレス機により所定時間熱圧成形して熱圧成形物を形成し、次いで得られた熱圧成形物を前記枠状の支持台とともに前記成形プレス機の成形位置から搬出し、前記枠状の支持台から熱圧成形物を取り外すことを特徴とするものである。
【0015】
本発明においては、先ず、搬送ライン上に配置された枠状の支持台上に、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を載置する。
【0016】
本発明において、搬送ラインとしては、公知のものを利用することができ、例えば、チェーンコンベア、ベルトコンベアまたはボールネジ等を用いた搬送装置等を利用することができる。
【0017】
本発明において、搬送ラインは、複数の支持台を循環、再使用し得るように設けることが好ましく、このように設けることにより、セパレータの量産化を容易に行うことができる。
【0018】
本発明において、枠状の支持台としては、成形対象となるグリーンシートまたは予備成形体を載置し得るものであれば特に制限されない。
本発明において、枠状の支持台は、成形対象となるグリーンシートまたは予備成形体や、後述する熱圧成形物を載置、搬送する搬送具として用いられるものであるとともに、後述するグリーンシートの熱圧成形時において、熱圧成形物の厚みを規定する上下金型間のスペーサーとして機能する。
【0019】
支持台の形成材料は、熱膨張による金型との嵌合わせ位置のずれを抑制するために、金型の材質と同一の材料であることが望ましい。
【0020】
本発明において、支持台の形状は、枠状、すなわち内部がくり貫かれた中空形状を成している。支持台の中空部形状は、成形対象となるグリーンシートまたは予備成形体の形状に対応する形状であれば特に制限されず、成形対象となるグリーンシートまたは予備成形体の形状が通常四角形状であることから、中空部の形状も四角形状であることが好ましい。
【0021】
本発明において、支持台を構成する枠体の内側(中空部側)には、グリーンシートまたは予備成形体を載置するための階段状の段部が設けられてなるものが適当である。
支持台を構成する枠体には、グリーンシートまたは予備成形体を載置し得るように、階段状の段部を枠体の内側の一部にのみ設けてなるもの、例えば枠体の内側の四隅にのみ設けてなるものであってもよいが、図1(a)に示すように、支持台1を構成する枠体の内側全体に階段状の段部2を設けてなるものが好ましい。
支持台を構成する枠体の内側に階段状の段部を設けることにより、グリーンシートまたは予備成形体を正確に位置決めしつつ簡便かつ短時間に載置することができる。
また、図1(b)に示すように、支持台1は固定孔10を設けたものであってもよく、固定孔10を設けることにより、支持台1を後述する搬送ラインに簡便に固定することができる。
【0022】
本発明において、支持台上には、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を載置する。
【0023】
燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートは、炭素質粉末と熱硬化性樹脂バインダーとを含むスラリー状の燃料電池用セパレータ形成材料を、シート化することにより作製することができる。
【0024】
本発明の方法において、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートを作製する具体的態様としては、熱硬化性樹脂バインダーを、分散剤や、必要に応じてフェノール樹脂硬化剤、硬化促進剤等とともに有機溶剤に溶解してバインダー樹脂液を作製する工程(バインダー樹脂液作製工程)と、バインダー樹脂液と炭素質粉末とを混合してスラリー状セパレータ形成材料を作製する工程(スラリー状グリーンシート形成材料作製工程)と、該スラリーをフィルム上に塗布し、乾燥した後、フィルムから分離してグリーンシートを作製する工程(グリーンシート作製工程)とを施す方法を挙げることができる。
【0025】
(1)バインダー樹脂液作製工程
バインダー樹脂液(熱硬化性樹脂バインダー含有液)は、熱硬化性樹脂バインダーを、必要に応じフェノール樹脂硬化剤や硬化促進剤とともに攪拌、混合し、さらに後述する炭素質粉末を分散し得る必要量の分散剤を、所望の質量比で適宜な有機溶剤に攪拌、溶解することにより作製することができる。
【0026】
熱硬化性樹脂バインダーとしては、スルホン酸などの電解質に対する耐酸性および燃料電池の作動温度に耐える耐熱性を有するものであれば特に限定されず、例えば、レゾールタイプのフェノール樹脂、ノボラックタイプのフェノール樹脂に代表されるフェノール樹脂系、フルフリルアルコール樹脂、フルフリルアルコールフルフラール樹脂、フルフリルアルコールフェノール樹脂などのフラン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ピレン−フェナントレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂や多官能フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などが挙げられ、これらを単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
熱硬化性樹脂バインダーとしては、耐水性、耐熱性に優れることからエポキシ樹脂が好ましく、このようなエポキシ樹脂としては、2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂と多官能フェノール型エポキシ樹脂とを組み合わせてなる混合樹脂が好ましい。
【0028】
2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂としては、数平均分子量が1500〜3500であるとともに、数平均分子量/エポキシ当量が2以上である、下記一般式(I)で表される2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
【0029】
G−O−(R−O)−G (I)
(ただし、Gはグリシジル基、Oは酸素原子、Rは炭素数が2〜10のアルキレン基、kは1以上の整数であり、kが2以上の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。)
【0030】
一般式(I)で表されるエポキシ樹脂において、2つのグリシジル基G、G間に存在するk個のアルキレン基Rに含まれる総炭素数が120超であると、樹脂の柔軟性が高くなるのでセパレータ材の破断歪みは大きくなるが、曲げ強度は例えば30MPa未満と低くなる。また、上記総炭素数が30未満では2つのグリシジル基G、G間の分子鎖が短すぎるので柔軟性が低くなる。また、kは8〜30であることが好ましく、15〜25であることがより好ましい。
【0031】
一般式(I)で表される2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ヘキサンジオール型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ポリオキシテトラメチレングリコール型エポキシ樹脂などを挙げることができ、これ等の樹脂の中でも酸素原子数の割合が相対的に低いものが好ましく、酸素原子数の割合が相対的に低くなると、耐水性が向上し、得られるセパレータの吸水膨潤性を抑制することができる。
【0032】
一般式(I)で表される2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂は直鎖単結合構造であるため、分子鎖が可動し易く、柔軟性を有し、ゴム弾性を発揮しやすい構造を有しているため、セパレータに優れた可撓性、伸縮性、破断歪み特性を付与することができる。
【0033】
一方、多官能フェノール型エポキシ樹脂は、分子中にフェノール骨格を有し、エポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限されず、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0034】
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、2官能フェノール型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0035】
2官能フェノール型エポキシ樹脂は分子中に2個のエポキシ基を有するものであり、2官能フェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、一般式(II)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0036】
【化1】

【0037】
一般式(II)で表される2官能フェノール型エポキシ樹脂において、nは1〜10の整数であり、1〜5の整数であることが好ましく、2〜3の整数であることがより好ましい。
【0038】
一般式(II)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂は、平面的なベンゼン環を有することから分子が運動し難く、柔軟性が低いが、その構造上、セパレータに高い曲げ強度を付与することができる。
【0039】
また、多官能フェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、3以上の官能基を有する多官能フェノール型エポキシ樹脂を挙げることができる。このような多官能フェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、一般式(III)で表されるエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0040】
【化2】

【0041】
一般式(III)で表される多官能フェノール型エポキシ樹脂において、mは3〜8の整数であり、4〜8の整数であることが好ましく、5〜7の整数であることがより好ましい。
【0042】
一般式(III)で表される多官能フェノール型エポキシ樹脂のうち、例えば、5官能フェノール型エポキシ樹脂(一般式(III)において、mが3であるエポキシ樹脂)は、分子中に5個のエポキシ基を有するとともに、分子骨格にベンゼン環を有するものであり、硬化すると三次元構造を形成して硬質でかつ脆い性質を示すが、その構造上、セパレータに高い曲げ強度を付与することができる。
【0043】
本発明において、熱硬化性樹脂バインダーとして、2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂と多官能フェノール型エポキシ樹脂との混合樹脂を用いると、得られるセパレータが薄肉化した場合であっても、十分な可撓性(柔軟性)と曲げ強度を付与することができる。
【0044】
そして、熱硬化性樹脂バインダーとして、上記2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂と多官能フェノール型エポキシ樹脂との混合樹脂を用いる場合、可撓性と強度とをバランスさせたセパレータを得るためには、該混合樹脂および後述するフェノール樹脂硬化剤の合計量に対する2官能脂肪族アルコールエーテル型エポキシ樹脂量の割合が、25〜50質量%であることが好ましく、30〜45質量%であることがより好ましく、35〜40質量%であることがさらに好ましい。上記割合が25質量%未満であると、セパレータの破断歪みが小さくなって割れ易くなり、50質量%超であると、セパレータの機械的強度が不十分となる。また、上記混合樹脂および後述するフェノール樹脂硬化剤の合計量に対する多官能フェノール型エポキシ樹脂量の割合が、25〜50質量%であることが好ましく、30〜45質量%であることがより好ましく、35〜40質量%であることがさらに好ましい。
【0045】
熱硬化性樹脂バインダー量が少ないと得られるセパレータの強度が低下し、逆に熱硬化性樹脂バインダー量が多くなると電気抵抗が高くなる。
【0046】
バインダー樹脂液を構成するフェノール樹脂硬化剤としては、分子中にフェノール構造を有するものであれば特に限定されず、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、キシレン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビスフェノール型ノボラック樹脂などのノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールAなどのビスフェノール類、該ビスフェノール類を該ビスフェノール類のジグリシジルエーテルで高分子量化したり、エピクロルヒドリンと上記ビスフェノール類とを後者が過剰となる割合で反応させて得られるビスフェノール系樹脂などが挙げられる。
【0047】
フェノール樹脂硬化剤の含有割合は、熱硬化性樹脂バインダーとして、多官能フェノール型エポキシ樹脂を用いる場合、該エポキシ樹脂中における全エポキシ基に対するフェノール樹脂中における全フェノール性水酸基の当量比(フェノール樹脂中における全フェノール性水酸基/エポキシ樹脂中における全エポキシ基)が0.5〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.5であることがより好ましく、0.9〜1.1であることがさらに好ましく、1.0程度であることが特に好ましい。上記当量比が0.5未満であるか1.5を超えると、未反応の混合樹脂あるいはフェノール樹脂硬化剤の残存量が多くなるため、効率が低下してしまう。
【0048】
また、バインダー樹脂液を構成する硬化促進剤としては、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩などから選ばれる1種以上を挙げることができ、熱硬化性樹脂バインダーとして、多官能フェノール型エポキシ樹脂を用いる場合、通常、多官能フェノール型エポキシ樹脂100質量部に対し0.5〜3.0質量部の範囲で添加することができる。
【0049】
また、上記バインダー樹脂液中に含まれる熱硬化性樹脂バインダー、フェノール樹脂硬化剤、硬化促進剤の合計量は、後述する炭素質粉末100質量部に対して、10〜35質量部であることが好ましい。
【0050】
バインダー樹脂液を構成する有機溶媒としては、一般に入手可能なもので、熱硬化性樹脂バインダーを溶解させ得るものであれば特に限定されず、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類が多く用いられ、これ等の有機溶媒のうち、後述するスラリーをドクターブレード成形してグリーンシート化する際の、スラリーの安定性や粘度、スラリーをフィルム上に塗布してシート状物とした後、乾燥する際の乾燥速度などを考慮すると、メチルエチルケトンが最も好ましい。
【0051】
有機溶媒量が多くなると、炭素質粉末の沈降が速くなり、後述するグリーンシートの表裏に組織差が発生して反り上がりを生じる場合がある。逆に有機溶媒量が少なくなると、後述するスラリーの粘度が上昇し、グリーンシート形成時にブレードが凝集した炭素質粉末を引きずって表面に凹凸を生じるため、シート化が困難になる。
【0052】
バインダー樹脂液を構成する分散剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤等を挙げることができる。
【0053】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、芳香族エーテル型、カルボン酸エステル型、アクリル酸エステル型、リン酸エステル型、スルホン酸エステル型、脂肪酸エステル型、ウレタン型、フッ素型、アミノアマイド型、アクリルアマイド型の各種ポリマーからなるものが挙げられる。
【0054】
陽イオン界面活性剤としては、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基を含有する各種ポリマーからなるものが挙げられる。
【0055】
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸型、リン酸型、スルホン酸型、ヒドロキシ脂肪酸型、脂肪酸アマイド型の各種ポリマーからなるものが挙げられる。
上記各界面活性剤の分子量は、後述する炭素質粉末を上記有機溶媒中に分散させるために、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量で、2,000〜100,000の範囲にあることが望ましい。上記重量平均分子量が、2,000未満であると、分散剤が炭素質粉末表面に吸着した際にポリマー成分が充分な立体反発層を形成することができず、分散粒子の再凝集が起こるため好ましくない。また、上記重量平均分子量が、100,000を越えると製造再現性が低下したり、凝集剤として作用する場合がある。
【0056】
これらの界面活性剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
分散剤は、後述する炭素質粉末100質量部に対して0.1〜5質量部加えることが好ましい。分散剤の添加量が、炭素質粉末100質量部に対して0.1質量部より少なくなると、炭素質粉末が分散せずにすぐに沈降してしまう。また、同添加量が炭素質粉末100質量部に対して5質量部より多くなると、樹脂特性を低下させ、結果的にセパレータ材の機械的特性の悪化(強度低下)を招くばかりか、耐薬品性、特に硫酸酸性液中における特性劣化を招くことになる。
【0057】
また、バインダー樹脂液は、上記分散剤のほかにも、必要に応じて、例えば、濡れ浸透剤、防腐剤、消泡剤、表面調整剤などの添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜含有することできる。これ等の添加剤を含有することにより、安定したスラリーを作製して、表面の滑らかなグリーンシートを得ることができる。
【0058】
バインダー樹脂液は、上記有機溶媒中に、熱硬化性樹脂バインダーを、適宜、フェノール樹脂硬化剤、硬化促進剤、分散剤等とともに添加して、攪拌機にて攪拌、混合することにより作製することができる。
【0059】
(2)スラリー状グリーンシート形成材料作製工程
上記(1)工程で得たバインダー樹脂液と、炭素質粉末とを混合して、炭素質粉末が分散したスラリー状グリーンシート形成材料を作製する。
【0060】
炭素質粉末としては、人造黒鉛粉末、天然黒鉛粉末、膨張黒鉛粉末、あるいは、これらの混合物などの黒鉛粉末を挙げることができる。また、上記各黒鉛粉末は、適宜粉砕機により粉砕し篩分けして粒度調整してから使用することが好ましい。
【0061】
炭素質粉末は、粒子径1〜30μmの粒子を30〜90質量%含み、最大粒子径が50〜150μmであるものが好ましい。
【0062】
炭素質粉末を構成する粒子径1〜30μmの粒子の量が30〜90質量%であることにより、溶液量が少なくしても流動性がよく(薄く広げることができ)、沈降しにくい安定なスラリーとなり、グリーンシート成形時に乾燥収縮によるひび割れの発生を抑制して緻密化を図ることができ、熱圧成形後においても機械的強度が向上したセパレータを得ることができる。一方、炭素質粉末を構成する粒子径1〜30μmの粒子の量が30質量%未満であると、得られるセパレータの機械的強度が低下しやすくなり、90質量%を超えるとセパレータの抵抗値が上昇しやすくなる。また、炭素質粉末の最大粒子径が50μm未満であるとセパレータの抵抗値が増加しやすくなり、最大粒子径が150μmを超えるとガス不透過性が低下しやすくなる。
炭素質粉末が粒子径1〜30μmの粒子と粒子径50〜150μmの粒子の両者を含むことにより、次工程のグリーンシート作製時に大きな粒子の間隙に小さな粒子が入り込む充填効果もあって、緻密なグリーンシートを得ることができる。
また、炭素質粉末が大きな粒子とともに小さな粒子を含むものであることによって、ヒビ割れの発生を抑制し、強度や破断歪等の機械的特性が向上したグリーンシートを得ることができる。
特にアンドレアゼン分布式に沿うように平均粒子径が30〜70μm、5〜10μm、1〜3μmの3種類の黒鉛粉末を配合すると、ヒビ割れもなく緻密なグリーンシートを得ることができ、このグリーンシートを熱圧成形して得られるセパレータは、薄肉でも高いガス不透過性を示す。
【0063】
上記粒径分布を有する炭素質粉末は、篩分けにより粒度調整した炭素質粉末を所望の量比に混合することにより作製することができる。
【0064】
また、炭素質粉末としては、圧縮反発率が120%以下のものが好ましく、100〜115%のものがより好ましく、100〜110%のものがさらに好ましい。圧縮反発率とは、炭素質粉末を50MPaで加圧圧縮した時点の体積と、除圧した後の体積の割合(除圧した後の体積/加圧圧縮した時点の体積)を百分率で表わしたものである。
【0065】
上記バインダー樹脂液と炭素質粉末とを混合、分散処理して、スラリー状グリーンシート形成材料を作製する。
【0066】
スラリー状グリーンシート形成材料は、炭素質粉末100質量部に対して、熱硬化性樹脂バインダー10〜35質量部含むことが好ましく、分散剤を0.1〜5質量部含むことが好ましい。
スラリー状グリーンシート形成材料において、炭素質粉末と熱硬化性樹脂バインダーとの含有割合が上記範囲内にあることにより、成形時に均一に混合することができ、得られるセパレータの電気抵抗を所望範囲に制御し易くなる。
【0067】
バインダー樹脂液と炭素質粉末との混合、分散処理は、万能混合機、超音波処理装置、カッターミキサー、三本ロール等の分散機を用いて行うことが好ましく、バインダー樹脂液中に炭素質粉末を分散させ、さらに適宜有機溶剤を添加して20℃における粘度が100〜1000mPa・sになるように調整し、スラリー化することが好ましい。スラリーの粘度が100mPa・sを下回ると、グリーンシートの作製時にドクターブレードから原料スラリーが流出し、シートが広がるため、均質な厚さのシートを形成し難くなる。また、スラリーの粘度が1000mPa・sを超えると、グリーンシートの作製時に、ブレードが凝集した炭素質粉末を引きずって表面に凹凸を生じるため、シート化し難くなる。
【0068】
なお、グリーンシートの作製時において、上記混合、分散処理によって巻き込んだエアが、グリーンシート表面に凹凸を形成し均質性を低下する場合があるので、遠心処理や真空脱気等の手法により上記スラリー中のエアを脱気した上で、グリーンシートを作製することが望ましい。
【0069】
(3)グリーンシート作製工程
上記(2)工程で調製したスラリーを、ドクターブレード法によりポリエステルなどのフィルム上に塗布する。この際、ドクターブレードとフィルム間のギャップを適宜0.2〜0.8mm程度に調整した後、ドクターブレードのスラリーホッパーにスターラーでよく攪拌したスラリーを流し込み、好ましくは離型剤を塗布したフィルム上に均等な厚みに塗布する。
【0070】
得られるグリーンシートの厚みは、ドクターブレードとフィルムとのギャップ間隔やスラリー濃度を調整することにより調整することができ、乾燥後の厚みで0.1〜0.5mmになるように制御することが好ましい。
【0071】
得られたグリーンシートは、自然乾燥させたり、所望により、ある程度の長さにカットした上で扇風機などを用いて送風乾燥して、目視にて溶媒分が揮発するまで乾燥させることが好ましい。また、溶媒分が揮発し、表面が乾いた状態となってから、所定の寸法にカッターナイフで切れ目を入れたり、打ち抜き型で所定形状、寸法にした上で、更に所定時間、乾燥、或いは冷却することでフィルムから分離し易くなる。
【0072】
この場合、離型したグリーンシートの外形寸法が、枠状の支持台に載置し得るサイズであり、好ましくは支持台を構成する枠体の内部の段部に収まるサイズとすることが適当である。
また、グリーンシートの外形寸法は、セパレータのパターン形状に応じて種々のサイズを採用することができる。
【0073】
このように、ドクターブレード法は、炭素質粉末等の原料粉末、熱硬化性樹脂バインダー類、分散剤、有機溶剤等からなるスラリーをドクターブレード装置を用いてキャリヤフィルム上に一定の厚みになるように連続塗工した後、乾燥して有機溶剤を揮発・蒸発させることにより、グリーンシートを得る方法であり、シート成形、乾燥、巻き取り、打ち抜き加工等を連続的に行う生産方法であることから、高い生産効率でセパレータ形成材であるグリーンシートを作製することができる。このため、スラリー状原料混合物を乾燥させ、粉砕して成形粉を作製した上でセパレータを製造する従来法に比べ、セパレータ製造時における作業効率や生産性を向上させることができる。
【0074】
このようにして得られたグリーンシートは、緻密な樹脂膜から構成されてなるものであることから、得られるセパレータ材のガス不透過性を向上させることができる。
【0075】
このようにして得られるグリーンシートは、厚さ0.1〜1.0mmであることが適当であり、0.15〜0.8mmであることがより適当であり、0.2〜0.6mmであることがさらに適当である。
【0076】
また、予備成形体としては、粉体状の予備成形体形成材料を最終成形体のニアネット形状に圧縮固化したものが好ましい。
粉体状の予備成形体形成材料としては、上記(1)バインダー樹脂液作製工程および(2)スラリー状グリーンシート形成材料作製工程により得られたグリーンシート形成材料を、乾燥、粉砕したもの、特に黒鉛粉末と熱硬化性樹脂バインダーを混練した後、乾燥、粉砕したものを挙げることができる。
粉体状の予備成形体形成材料を圧縮固化する方法としては、例えば、室温下の上下一対の成形金型の下型成形面に粉体状の形成材料を枡切り充填し、熱硬化性樹脂バインダーの溶融温度以上でかつゲル化温度未満の温度に加熱した上金型を被せ、プレス機に投入して加圧する方法を挙げることができる。
得られた加圧成形物(予備成形体)は、容易にハンドリングできるような強度を保つために、上金型の温度が樹脂の軟化点温度未満に低下してから取り出すことが好ましい。
【0077】
本発明においては、上記グリーンシートまたは予備成形体を枠状の支持台上に載置する。
枠状の支持台上にグリーンシートを載置する場合、得ようとするセパレータ材の厚みに応じて、グリーンシートの厚みを変更する。得ようとするセパレータ材の厚みが載置するグリーンシート1枚当たりの厚みを超える場合には、グリーンシートを複数枚重ね合わせて載置すればよい。
【0078】
燃料電池用セパレータは、外周シール部(縁部)が肉厚でグリーンシートの必要量が多くなり、発電部分となるガス流路及び水流路(本体部)は山/溝形状になっているので外周シール部よりも相対的に薄く、グリーンシートの必要量も少なくなる。
従って、グリーンシートを積層して加圧成形する場合、外周シール部(縁部)を成す部分は積層数を多くしつつ、内部発電部分(本体部)を成す部分は積層数を少なくしなければならない。
【0079】
このため、例えば、図2(a)に示すような、本体部形成用グリーンシート31aと縁部形成用グリーンシート31bとを用いて、この本体部形成用グリーンシート31aと縁部形成用グリーンシート31bとを、図2(b)や図2(c)に示すように重ね合せた状態で支持台上に載置して、縁部を有するグリーンシートの積層物31を成せばよい。
なお、図2(b)はグリーンシートの積層物31の斜視図であり、図2(c)はグリーンシートの積層物31の主表面に対する垂直断面図である。
【0080】
本発明において、支持台上にグリーンシートを複数枚載置する場合、載置するグリーンシート数は2〜10枚であることが好ましい。
支持台上のグリーンシート積層物が、図2(b)または図2(c)に示すような態様を採る場合には、本体部形成用グリーンシート31aを1〜5枚、縁部形成用グリーンシート31bを1〜5枚積層することが好ましい。
本体部形成用グリーンシート31aや縁部形成用グリーンシート31bの積層数は、得ようとするセパレータの厚さに応じて適宜変更すればよい。
グリーンシートの積層物31の厚みtは、0.2mm〜1.0mmが好適であり、0.3mm〜0.8mmがより好適であり、0.4mm〜0.6mmがさらに好適である。
【0081】
上記グリーンシートの積層物31は、図2(b)や図2(c)に示す形態以外の形態を採ることもでき、例えば、同一サイズのグリーンシートを積層して平面状(平板状)としてもよい。
【0082】
本発明において、支持台を構成する枠体の内側(中空部側)に階段状の段部が設けられている場合には、該段部に対してグリーンシートまたは予備成形体の縁部を載置する。
【0083】
本発明においては、上記枠状の支持台上に載置されたグリーンシートまたは予備成形体を、前記搬送ラインの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置された成形プレス機へ搬送する。
【0084】
本発明において、成形プレス機は、枠状の支持台上に載置されたグリーンシートまたは予備成形体を押圧し得るように配置され、枠状の支持台が搬送ライン上を搬送される際には成形プレス機のプレス部を開口させて、開口部の上下にそれぞれ設置された熱板および各熱板上に設置された成形型の上型と下型とを離間した状態にする。
【0085】
本発明においては、次いで、上記搬送された枠状の支持台に載置されたグリーンシートまたは予備成形体を、上記成形プレス機により熱圧成形して熱圧成形物を形成する。支持台上に複数枚のグリーンシートを載置した場合には、上記熱圧成形により、複数枚のグリーンシートを一体化することができる。
【0086】
成形プレス機を構成する成形型としては、一対の上型と下型からなるものを挙げることができ、得ようとするセパレータ形状に応じた成形面形状を有するものを挙げることができる。例えば、得ようとするセパレータが図3に示すような垂直断面を成すコルゲート形状32を有するものである場合は、上型の成形面がガス流路部全体をコルゲート状に加工し得る形状に形成されてなる成形型を挙げることができる。成形型の成形面には、適宜離型剤を塗布してもよく、例えばテフロン(登録商標)系コーティング剤を塗布することにより、成形毎に離型剤を塗布せずに連続して熱圧成形処理を施すことができる。
【0087】
上記垂直断面形状がコルゲート形状を有するセパレータを得ようとする場合、成形型の上型や下型には凹凸(溝)が設けられ、上記凹凸の幅は0.3〜3.0mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmであることがより好ましく、0.5〜1.0mmであることがさらに好ましい。
また、上記凹凸(溝)は、その深さが0.2〜1.0mmであることが好ましく、0.2〜0.8mmであることがより好ましく、0.2〜0.6mmであることがさらに好ましい。
本発明において、上記凹凸(溝)を有する成形型を用いることにより、セパレータ形状をコルゲート状とし、セパレータに形成される溝をガス流路および冷却水流路とすることができる。
【0088】
本発明において、搬送ラインは、複数のラインに区分されていてもよく、例えば、搬送ラインを、グリーンシートまたは予備成形体の載置位置から熱圧成形位置に至る第一のラインと、熱圧成形位置から熱圧成形物の取り出し位置に至る第二のラインに区分することにより、枠状の支持台を、グリーンシートまたは予備成形体を載置した位置から成形プレス機の成形位置に正確に搬送することができる。
この場合、支持台に載置したグリーンシートまたは予備成形体を成形プレス機による成形位置まで搬送する際は、第一のラインを稼働させつつ第二のラインも稼動させることが好ましい。グリーンシートまたは予備成形体の成形プレス機への搬入と、成形プレス機からの熱圧成形物の取り出しを同時に行うことによって、成形サイクル時間を短縮することができる。
第一のラインと第二のラインの操作は手動で行うこともできるが、予めプログラム化した制御装置により制御することが好ましい。
【0089】
図4(a)に示すように、成形プレス機4として、上下一対の熱板5、5上に配置された一対の成形型(上型61と下型62)とを近接させることにより、支持台1上に載置されたグリーンシート3を熱圧成形することができる。
【0090】
また、本発明において、枠状の支持台および成形型(上型および/または下型)には予めガイドピン(位置決めピン)などの位置決め治具を設けることにより、支持台上に載置したグリーンシートの所望位置で正確に熱圧成形することができる。
例えば、図4(b)に示すように、枠状の支持台1の端部に予め貫通孔hを設けておくとともに、成形プレス機には、図4(b)に示すように、成形型を構成する上型61および下型62のいずれか一方に位置決めピンpを設けつつ、他方に嵌合用の凹部cを設け、熱圧成形時には位置決めピンpを支持台1の貫通孔hを貫通させつつ凹部cに嵌め合わせることにより、所望位置に正確に位置決めしつつ熱圧成形することができる。
【0091】
上記熱圧成形時の温度は、150℃〜200℃程度であることが適当である。
また、熱圧成形時の成形圧力は、10MPa〜100MPaであることが適当であり、30MPa〜80MPaであることがより適当であり、50MPa〜60MPaであることがさらに適当である。
成形圧力が上記範囲内であることにより、得られるセパレータに十分な強度を付与することができる。
また、熱圧成形時間は樹脂のゲル化時間によって調整すべきであるが、2秒〜60秒であることが適当であり、2秒〜10秒であることがより適当であり、2秒〜5秒であることがさらに適当である。
【0092】
本発明において、支持台は熱圧成形時にスペーサーとして機能して、グリーンシートに対する過剰な加圧を抑制することができる。
【0093】
本発明においては、上記熱圧成形を所定時間行った後、成形型の上型と下型とを離間させ、得られた熱圧成形物を、枠状の支持台とともに成形プレス機による成形位置から搬出し、枠状の支持台から熱圧成形物を取り外す。
熱圧成形物の成形位置から取り出し位置までの搬出は、例えば、上述したように、搬送ラインを、グリーンシートまたは予備成形体の載置位置から熱圧成形位置に至る第一のラインと、熱圧成形位置から熱圧成形物の取り出し位置に至る第二のラインに区分した上で、第二のラインを稼動させつつ第一のラインを稼働させて行うことが好ましく、このように操作することによって、成形プレス機からの熱圧成形物の取り出しと、グリーンシートまたは予備成形体の成形プレス機への搬入とを同時に行うことによって、成形サイクル時間を短縮することができる。
第一のラインと第二のラインの操作は手動で行うこともできるが、予めプログラム化した制御装置により制御することが好ましい。
【0094】
熱圧成形物は、吸着治具、搬送ロボット等により取り外すことができ、適宜成形バリ等を除去した上で、必要に応じて更に機械加工を施してもよく、また、必要に応じて適宜150〜250℃程度の温度でアフターキュアを施してもよい。
【0095】
得られた熱圧成形物は、適宜、親水化処理を施すことが好ましい。親水化処理は、例えば、オゾンガスで処理すること等により行うことができる。オゾンガス処理による親水化処理は、0〜100℃の温度雰囲気下、1000〜50000ppm(mg/L)の濃度のオゾンガスに、0.5〜10時間曝すことにより行うことが好ましい。
【0096】
得られたセパレータは、厚みが0.10〜1.00mmであることが好ましく、0.15〜0.50mmであることがより好ましく、0.18〜0.30mmであることがさらに好ましい。
なお、セパレータが図3に示す構造(コルゲート構造)を採る場合、図3にTで示す厚みがセパレータの厚みに相当する。
本出願書類において、セパレータの厚みは、触針式段差計により測定したときの平均値を意味する。
【0097】
本発明においては、上記搬送ライン上に複数の枠状の支持台を配置するとともに、該複数の支持台を循環、再使用し得るように前記搬送ラインを設け、上記複数の支持台に対し、グリーンシートを載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行うことにより、熱圧成形物を量産してもよい。
【0098】
上記グリーンシートを載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作は、例えば、複数の支持台を配置した搬送ラインを、グリーンシートまたは予備成形体の載置位置から熱圧成形位置迄の第一のラインと、熱圧成形位置から熱圧成形物の取り出し位置迄の第二のラインと、熱圧成形物の取り出し位置からグリーンシートまたは予備成形体の載置位置迄の第三のラインとに区分した上で、それぞれ独立に稼働させてもよいが、第一のラインと第二のラインとを同時に稼動させ、第三のラインのみ独立に稼働ないし停止させることにより行うことが好ましい。
第一のライン、第二のラインおよび第三のラインの操作は手動で行うこともできるが、予めプログラム化した制御装置により制御することが好ましい。
【0099】
上述のとおりセパレータを製造することにより、グリーンシートの載置と、成形プレス機による熱圧成形と、得られた熱圧成形物の取り外しとを独立に行うことができるため、例えば、先に支持台上に載置したグリーンシートまたは予備成形体の熱圧成形物が取り外されているときに、引き続く支持台上に載置したグリーンシートまたは予備成形体の熱圧成形を行うことができ、さらに引き続く支持台上にグリーンシートまたは予備成形体を載置することが可能になる。このため、成形プレス時間を短縮して、燃料電池用セパレータを容易に量産することができる。
【0100】
本発明の方法で得られたセパレータは、固体高分子形燃料電池用セパレータとして好適に用いることができる。
【0101】
本発明によれば、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を、成形型とプレス機が一体化した成形プレス機を用いて熱圧成形することにより、熱エネルギーのロスを低減することができ、また、搬送ライン上に配置された枠状の支持台に対し、グリーンシートまたは予備成形体を載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行うことにより、成形サイクル時間を短縮化して、量産化を容易に行い得る燃料電池用セパレータの製造方法を提供することができる。
【0102】
本発明の方法で得られたセパレータを用いた燃料電池の単セルは、例えば、図5に示すように、イオン伝導性を有する高分子膜(イオン交換膜)7の両面を白金などの触媒を担持させたアノード電極板8およびカソード電極板9で挟み、その両外側にコルゲート状セパレータ32、32を配することにより形成することができる。
【実施例】
【0103】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0104】
(実施例1)
黒鉛粉として、体積平均粒子径が50μm、10μm、3μmであるモザイク状人造黒鉛を、それぞれ50質量部:25質量部:25質量部の割合で混合したものを調製した。
上記黒鉛粉100質量部に対し、熱硬化性樹脂バインダーとしてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製EOCN−103S)17質量部、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂8質量部、硬化促進剤としてイミダゾール2質量部(170℃ゲルタイム10秒)、黒鉛粉の分散剤としてポリカルボン酸1質量部を、メチルエチルケトンに溶解してバインダー樹脂液を作製し、次いで、上記黒鉛粉100質量部を上記バインダー樹脂液中に投入した。
上記黒鉛粉を投入したバインダー樹脂液を、万能混合機で1時間混合して、20℃における粘度が800mPa・sであるスラリー状グリーンシート形成材料を調製した。
【0105】
次いで、上記スラリー状グリーンシート形成材料を、ドクターブレードを有するグリーンシート成形装置内に注入し、PETフィルム上に塗工して、ドクターブレード法によるシート状物を作製し、十分に乾燥することにより、厚さ0.25mm程度のグリーンシートを作製した。
上記グリーンシートを打ち抜き型で所定形状に打ち抜き、フィルムから剥がした後、それぞれ図2(a)に示す形態を有する、本体部形成用グリーンシート31a(外形寸法:縦216.0mm、横216.0mm)3枚と、縁部形成用グリーンシート31b(外形寸法:縦216.0mm、横216.0mm)4枚とを積層することにより、所定厚みになるように調整した、図2(b)に示すような形態を有するグリーンシート積層物を得た。
【0106】
図6(a)に示すように、支持台1として、外形寸法が縦400mm、横320mm、厚さ6.7mmの平板(大同特殊鋼(株)NAK55製)の片側主表面に、縦216.3mm、横216.3mm、深さ3.6mmの凹部を形成するとともに、さらに中央部に縦206.0mm、横206.0mm、深さ3.1mmの凹部を形成してくり抜くことによって、中央に中空部を設けた枠形状を成すとともに、該枠形状の支持台の内側全体に幅10.3mm、深さ3.6mmの階段状の段部2を形成した。
上記枠状の支持台1を複数作製して、支持台を循環、再使用し得るように設けられたチェーンコンベアに対し、固定孔10により取り付けた。
【0107】
成形プレス機として、図6(b)に示すように、縦200mm、横200mmのサーペンタイン形状のセパレータを形成できる成形型(外形:縦300mm、横350mm)を400トンプレス機の熱盤に取り付けたものを使用した。
上記成形プレス機は、成形型を構成する上型と下型が離間して開口部を形成したときに、厚さ6.7mmの支持台を収容し得る空間ができるように設計、加工したものであり、さらに図4(b)に示すように、成形型の下型は支持台1と正確に嵌め合うように位置決めピンpを取り付け、成形型の上型は凹部cを設けたものである。上記成形プレス機をチェーンコンベアの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置した。
【0108】
上記枠状の支持台の段部に対し、上記グリーンシートの積層物を載置した後、チェーンコンベアにより成形プレス機の成形プレス位置に搬送した。成形プレス機は、支持台の搬送時には成形型の上型と下型とが離間して開口しており、この開口部までグリーンシートの積層物を搬送した後、上記成形型の上型と下型とを近接させて熱圧成形処理を行った。熱圧成形処理は、成形型温度180℃、成形圧30MPaで0.2秒間押圧した後、ガス抜きのために徐圧し、次いで直ぐに再加圧し、上記温度下において50MPaで3秒間加圧することにより行った。
上記熱圧成形処理後、成形型の上型と下型とを離間させることにより、チェーンコンベアに固定した支持台とともに熱圧成形物を離型した。
次いで、得られた熱圧成形物を、チェーンコンベアにより、支持台とともに上記成形プレス機の成形位置から搬出した。
得られた熱圧成形物は、支持台から吸着治具を使って取外し、図6(c)に示すような、縦200mm、横200mm、外周部の厚み0.8mmであるサーペンタイン流路が形成されたものであった。
得られた熱圧成形物を黒鉛板で挟持して、さらに硬化炉内で190℃の温度下で5時間のアフターキュアを行うことにより、目的とするセパレータを得た。
【0109】
得られセパレータは、外観形状に異常は観察されないものであった。また、得られたセパレータの密度、曲げ強度、固有抵抗を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
<密度の測定法>
アルキメデス法により室温にて測定を行い、以下の式により算出した。
密度ρ(g/cm)=空中重量W(g)×水の密度ρ(g/cm)/(空中重量W(g)−水中重量W´(g))
<曲げ強度の測定法>
JIS K6911の熱硬化性プラスチック一般試験方法に関する規格の曲げ試験方法に準拠し、3点曲げ試験を行い、曲げ強度Stb(MPa)を測定した。
<固有抵抗の測定法>
JIS C2525に準拠し成形面方向の固有抵抗(mΩ・cm)を測定した。
【0110】
また、引き続く支持台に対して、上記グリーンシートを載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行った。このとき、成形プレス機からの支持台の搬出と引き続く支持台の成形プレス機への搬入を同時に行った。
【0111】
積層シートを載置してから熱圧成形物を取り外すまでに要した時間は12秒間であったが、成形プレス機からの支持台の搬出と引き続く支持台の成形プレス機への搬入を同時に行うことができたため、実質的に熱圧成形物1個当たり作製するのに要した時間は10秒間であった。
【0112】
(比較例1)
実施例1と同様にしてグリーンシート積層物を得た。
実施例1で用いた成形プレス機と同一の成形プレス機を用い、チェーンコンベアや支持台を用いることなく、成形プレス機を構成する成形型の下型に直接装入し、成形型温度160℃、成形圧30MPaで1.5秒間熱圧成形した後、ガス抜きのために徐圧し、次いで直ぐに再加圧し、上記温度下において50MPaで10秒間熱圧成形した。
上記熱圧成形処理後、成形型の上型と下型を離間させ、吸着治具を用いて得られた熱圧成形物を離型した。得られた熱圧成形物は、190℃の温度下において5時間のアフターキュアを行うことにより、目的とするセパレータを得た。
得られセパレータは、外観形状に反りが観察されるものであった。また、得られたセパレータの密度、曲げ強度、固有抵抗を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
なお、本例において、熱圧成形物1個当たり作製するのに要した時間は22秒間であった。
【0113】
(比較例2)
実施例1と同様にしてスラリー状グリーンシート形成材料を作製し、乾燥した後、自由粉砕機で粉砕して、粒径が0.3mm以下である成形粉を得た。この成形粉を、予備成形金型に充填し、3MPaで加圧することにより、実施例1で用いたグリーンシートの積層物と同様の形状を有する予備成形物を得た。
この予備成形体を、ダイセットに取り付けられた室温の成形型の上型と下型間に装入した後、上型と下型間に予備成形体を挟持した状態でダイセットごと成形型をプレス機内に搬送し、プレス機の熱盤で成形型を加熱し180℃まで何度かガス抜きをしながら同温度下において50MPaで60秒間熱圧成形した。
その後、成形型が取り付けられたダイセットをプレス機の外へ搬送し、成形型を開き、吸着治具を用いて、実施例1で得られたものと同様の形状を有する熱圧成形物を取り出した。
得られた熱圧成形物は、190℃の温度下において5時間のアフターキュアを行うことにより、目的とするセパレータを得た。
得られセパレータは、外観形状に異常が観察されないものであった。また、得られたセパレータの密度、曲げ強度、固有抵抗を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
なお、本例において、熱圧成形物1個当たり作製するのに要した時間(予備成形体を成形型に装入してから、熱圧成形物を取り出すまでに要した時間は6分間であった。
【0114】
【表1】

【0115】
実施例1においては、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートを、成形型とプレス機が一体化した成形プレス機を用いて熱圧成形していることから、熱エネルギーのロスを低減できることが分かる。また、表1より、搬送ライン上に配置された枠状の支持台に対し、グリーンシートを載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行うことにより、成形サイクル時間を1個当たり10秒間に短縮化して、量産化を容易に行い得ることが分かる。加えて、表1より、実施例1で得られたセパレータは、密度1.85g/cmと高く、曲げ強度80MPaと高く、固有抵抗が20mΩ・cmと低く、外観上異常が観察されないものであり、燃料電池用セパレータとして好適に使用し得るものであることが分かる。
【0116】
これに対して、比較例1においては、グリーンシート積層物を装入し、熱圧成形し、得られた熱圧成形物の取り出しに1個当たり22秒間を要し、成形サイクル時間が長いものであることが分かる。
さらに、表1より、比較例1においては、金型へグリーンシートを挿入してから金型を閉じるまでの間にグリーンシート積層物の表層でゲル化が進行して、得られた熱圧成形物に反りを生じ、得られたセパレータは、密度が1.80g/cmと低く、曲げ強度が68MPaと低く、固有抵抗が30mΩ・cmと高いことから、燃料電池用セパレータとして適さないものであることが分かる。
【0117】
また、比較例2においては、室温の成形型に予備成形体を入れて、その成形型をプレス機に搬送して熱圧成形していることから、熱エネルギーのロスが大きく、また、熱圧成形時の加熱、昇温に時間を要し、成形サイクル時間が1個当たり6分間(360秒間)と長大になってしまったことから、セパレータの量産が困難であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明によれば、熱エネルギーのロスが小さく、成形サイクル時間を短縮化して、量産化を容易に行い得る燃料電池用セパレータの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 支持台
2 段部
3 グリーンシート
31 グリーンシート積層物
31a 本体部形成用グリーンシート
31b 縁部形成用グリーンシート
32 コルゲート状セパレータ
4 成形プレス機
5 熱盤
61 上型
62 下型
7 高分子膜(イオン交換膜)
8 アノード電極板
9 カソード電極板
10 固定孔
p 位置決めピン
h 貫通孔
c 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
搬送ライン上に配置された枠状の支持台上に、燃料電池用セパレータ形成材料からなるグリーンシートまたは予備成形体を載置した後、
前記搬送ラインの搬送経路に対して垂直な方向から押圧し得るように配置された成形プレス機へ搬送し、
該成形プレス機により所定時間熱圧成形して熱圧成形物を形成し、次いで
得られた熱圧成形物を前記枠状の支持台とともに前記成形プレス機の成形位置から搬出し、
前記枠状の支持台から熱圧成形物を取り外す
ことを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
【請求項2】
前記枠状の支持台が、枠体の内側にグリーンシートまたは予備成形体を載置するための階段状の段部が設けられてなるものである請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
【請求項3】
前記搬送ライン上に複数の枠状の支持台を配置するとともに、該複数の支持台を循環、再使用し得るように前記搬送ラインを設け、
前記複数の支持台に対し、グリーンシートまたは予備成形体を載置し、成形プレス機により熱圧成形し、得られた熱圧成形物を取り外す操作を順次行うことにより、熱圧成形物を量産する請求項1または請求項2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−234639(P2012−234639A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100655(P2011−100655)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000219576)東海カーボン株式会社 (155)
【Fターム(参考)】