説明

燃料電池用フィルターユニット

【課題】微量ながらも空気中に存在する可能性のあるNOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスを効率よく分解浄化することができ、また同時に、有機溶剤等のVOC系ガス、アンモニア等の塩基性ガスのような不純物を除去し、粉塵などの粒子状不純物を除去することができる等の優れた空気浄化能力をもち、耐久性のある燃料電池用のフィルターユニットを得ることにある。
【解決手段】
気体の流れる方向に対して密度勾配のある、酸性緩衝液で処理した繊維からなる第1フィルターと、金属フタロシアニン錯体と弱アルカリ性金属塩を、活性炭混抄紙で構成したハニカムまたはコルゲート形状のフィルターに担持させた第2フィルターと、金属ゼオライトを担持した繊維を含むプリーツフィルターの第3フィルターを作成し、これらを組み合わすことによって、耐久性のある燃料電池用のフィルターユニットを提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用または業務用の燃料電池システムにおいて、陽極へ空気(酸素)を送る経路に配置し、空気中に微量存在するとされるNOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガス、HCや有機溶剤等のVOC系ガス、アンモニア等の塩基性ガス等の、燃料電池システムに有害となるガス物質を、効率的に分解除去することができる燃料電池用フィルターユニットに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムは、水素と酸素を化学反応させて発電するもので、騒音もなく空気を汚すことも無い理想的な発電システムとして開発がすすめられている。この燃料電池システムにおいて水素は水素ボンベや都市ガスを改質して供給されるが、酸素は大気中の酸素を使用するもので、大気中に含まれる可能性のあるNOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガス、HCや有機溶剤等のVOC系ガスのような不純物は、極微量でも含まれていると、燃料電池の陽極が被毒し、燃料電池の特性に悪影響を及ぼすことから、これらの極微量の不純物を、相当な除去率で除去する必要がある。
【0003】
特許文献1においては、第1の汚染物除去手段としてパラジウムをアルミナに担持したものをペレット状に成型したものを用い、第2の汚染物除去手段として過マンガン酸カリをアルミナに担持したものをペレット状に成型したものと、活性炭のペレットの混合物に空気を供給して浄化する燃料電池用空気浄化装置に関する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2においては、酸化剤ガス中に含まれるアルカリ性不純物を除去するアルカリ性不純物除去フィルターと、酸性不純物を除去する酸性不純物除去フィルターと、粉塵を除去する除塵フィルターからなる燃料電池用空気浄化装置が開示され、大気中に存在する可能性のあるアンモニア、トリメチルアミンなどのアルカリ性不純物、硫化水素、二酸化硫黄、二酸化窒素、塩化水素、フッ化水素などの酸性不純物、さらに粉塵などの粒子状不純物を除去する技術が開示され、これらの不純物による触媒の被毒や、イオン伝導性の低下を防ぎ、電池電圧の低下を抑制する耐久性に優れた燃料電池用空気浄化装置が記載されている。
【0005】
出願人は、特許文献3において、金属フタロシアニン錯体と弱アルカリ性金属塩とを活性炭混抄紙に担持させたフィルターと、金属ゼオライトを担持した繊維を含むフィルターを組み合わせた燃料電池用フィルターユニットを提案している。
【0006】
【特許文献1】特開2004−327429号公報
【特許文献2】特開2005−322506号公報
【特許文献3】特開2007−179868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの従来技術は、いずれも化学吸着型のフィルターを用い、吸着体に付着したガスを、化学的に固定することから濃度や温度により一旦付着したガスを再び脱着することがなく、また、活性炭は、トルエン、メチルエチルケトン、トリクロロエチレンなどの有機溶剤も吸着することができることから、燃料電池用空気浄化フィルターとして有用な方法である。しかしながら、従来技術では空気浄化能力の耐久性や極微量ガスの除去率に満足のいくものではなく、さらに安価で、各種極微量ガスの除去効果の大きく、粉塵などの粒子状不純物を除去することができる燃料電池用空気浄化フィルターが求められている。
本発明の課題は、上述の事情に鑑み、NOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスを同時に効率よく分解浄化することができ、またさらに、有機溶剤等のVOC系ガス、アンモニア等の塩基性ガスのような不純物を除去することと、粉塵などの粒子状不純物を除去することができ、優れた空気浄化能力と、さらに耐久性のあるフィルターを、安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、大気中に存在する可能性のあるNOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスを同時に効率よく分解浄化でき、有機溶剤等のVOC系ガス、アンモニア等の塩基性ガスや粉塵などの粒子状不純物を除去することができるフィルターを提供すべく検討を行なった結果、気体の流れる方向に対して密度勾配のある、酸性緩衝液で処理した繊維からなる第1フィルターと、金属フタロシアニン錯体と弱アルカリ性金属塩を、活性炭混抄紙で構成したハニカムまたはコルゲート形状のフィルターに担持させた第2フィルターと、金属ゼオライトを担持した繊維を含むプリーツフィルターの第3フィルターを作成し、これらを組み合わすことによって、各種極微量ガスを効率よく分解浄化でき、さらに粉塵などの粒子状不純物を除去することができるフィルターを、安価に提供できることを見出し、本発明に至ったものである。前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0009】
[1]気体の流れる方向に対して密度勾配のある、酸性緩衝液で処理した繊維からなる第1フィルターと、金属フタロシアニン錯体と弱アルカリ性金属塩とを活性炭混抄紙に担持させた第2フィルターと、金属ゼオライトを担持した繊維を含む第3フィルターを組み合わせたことに特徴のある燃料電池用フィルターユニット。
【0010】
[2]前記酸性緩衝液は、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液の中から選択される少なくとも1種を1〜10重量%含む水溶液である前項1に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【0011】
[3]前記金属フタロシアニン錯体がコバルトフタロシアニン、鉄フタロシアニン、マンガンフタロシアニンの群から選択される1種または複数の金属フタロシアニン錯体で、弱アルカリ性金属塩が炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウムの群から選択される1種または複数の弱アルカリ性金属塩である前項1または2に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【0012】
[4]前記金属フタロシアニン錯体を200〜20000μg/g活性炭混抄紙に担持させ、弱アルカリ性金属塩を5〜50mg/g活性炭混抄紙に担持させてなる前項1乃至3に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【0013】
[5]前記活性炭混抄紙は、活性炭を40〜80重量%担持させてなる活性炭混抄紙である前項1乃至4に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【0014】
[6]前記金属ゼオライトが銅ゼオライト、銀ゼオライト、亜鉛ゼオライト、白金ゼオライトの群から選択される1種または複数の金属ゼオライトで、繊維への担持量が50〜200mg/g繊維に担持させてなる前項1乃至5に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【0015】
[7]前記第2フィルターがハニカムまたはコルゲートフィルターからなり、前記第3フィルターがプリーツフィルターであることに特徴のある前項1乃至6に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明では、気体の流れる方向に対して密度勾配のある、酸性緩衝液で処理した繊維からなる第1フィルターと、金属フタロシアニン錯体と弱アルカリ性金属塩とを活性炭混抄紙に担持させた第2フィルターと、金属ゼオライトを担持した繊維を含む第3フィルターを組み合わせたことにより、大気中に含まれる粉塵などの粒子状不純物は、第1フィルターの密度の粗い部分で大きな粒子状不純物を吸着し、密度の密の部分で小さな粒子状不純物を吸着するので、効果的に粉塵を除去することができるとともに、酸性緩衝液で処理したので、pH値が低い環境を維持することができるので、アンモニアガスのような塩基性悪臭ガスを確実に第1フィルターに吸着し、除去率は10〜50ppb程度の濃度まで除去することができる。大気中に極微量含まれるとされるNOx、SOx等の酸化ガスや、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスは、第2フィルターの弱アルカリ性金属塩と活性炭に吸着され、金属フタロシアニン錯体の酸化力によって分解される。また、第3フィルターでは金属ゼオライトの強い吸着力によって、有機溶剤等のVOC系ガスが吸着される。このように酸化ガスや硫黄系ガスとVOC系のガスとは、それぞれ選択的に第2および第3フィルターに吸着され効率的に分解除去されるものである。また、第2フィルターでは、金属フタロシアニン錯体を活性炭混抄紙に担持させているので、活性炭の強力な吸着力によって吸着したガスを、金属フタロシアニン錯体の強力な酸化力によって分解することから、除去率もおおきく、1〜5ppb程度の濃度まで除去することができる。
【0017】
第2の発明では、前記酸性緩衝液は、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液の中から選択される少なくとも1種を1〜10重量%含む水溶液であるので、pH値が、1.2〜3.8の低いpH環境が効果的に維持することができる。
【0018】
第3の発明では、前記金属フタロシアニン錯体がコバルトフタロシアニン、鉄フタロシアニン、マンガンフタロシアニンの群から選択される1種または複数の金属フタロシアニン錯体であるので、NOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスを同時に効率よく分解浄化することができる。また前記弱アルカリ性金属塩が炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウムの群から選択される1種または複数の弱アルカリ性金属塩であるので、NOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスを効率よく活性炭混抄紙に吸着することができる。
【0019】
第4の発明では、金属フタロシアニン錯体を200〜20000μg/g活性炭混抄紙に担持させてあるので、NOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスに対し、十分な分解効果が得られる。
【0020】
第5の発明では、前記活性炭混抄紙は活性炭を40〜80重量%担持させてあるので、NOx、SOx等の酸化ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスに十分な吸着効果が得られる。
【0021】
第6の発明では、前記金属ゼオライトが銅ゼオライト、銀ゼオライト、亜鉛ゼオライト、白金ゼオライトの群から選択される1種または複数の金属ゼオライトであって、繊維への担持量が50〜200mg/g繊維であるので、有機溶剤等のVOC系ガスのような不純物を十分に吸着し分解除去することができる。
【0022】
第7の発明では、前記第2フィルターがハニカムまたはコルゲートフィルターからなるので、圧力損失を極力抑えることができ、前記第3フィルターがプリーツフィルターであるので、粉塵などの粒子状不純物も除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の燃料電池用フィルターユニットについて、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の燃料電池用フィルターユニットの一実施形態を示す概略断面図である。同図において、第1フィルター2が空気取り入れ口側5で、第3フィルター4を空気出口側6に配置した燃料電池用フィルターユニット1を構成している。
【0024】
本発明の第1フィルター2は、密度の粗い層と密な層の少なくとも2層を樹脂パウダー接着剤で接着し積層一体化したフィルターを酸性緩衝液に浸漬し乾燥することによって得られる。気体の流れる方向に対して密度勾配を有するフィルターとすることができるので、大気中に含まれる粉塵などの粒子状不純物のうち、密度の粗い層で大きな粒子状不純物を吸着し、密度の密な層で小さな粒子状不純物を吸着することができる。
したがって、粉塵の保持する量を大きくすることができるとともに、気流の圧力損失の上昇が抑えられるので、粉塵などの粒子状不純物を除去するフィルターとすることができる。前記繊維は、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維からなる織布、スパンボンド不織布等を例示できる。経済的な点で、ポリエステル繊維、アクリル繊維が好適に用いられる。前記密度の粗い層の密度は、密度100〜200g/mの範囲が好ましい。密度100g/mを下回ると密度が粗すぎるため粉塵を通過させてしまうことになり、200g/m超えると圧力損失が大きくなり好ましくはない。より好ましくは、密度130〜170g/mである。前記密度の密な層の密度は、密度200〜300g/mが好ましい。密度200g/mを下回ると密度が粗すぎるため粉塵を通過させてしまうことになり、300g/m超えると圧力損失が大きくなり好ましくはない。より好ましくは、密度230〜270g/mである。
【0025】
前記酸性緩衝液としては、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液の中から選択される少なくとも1種を1〜10重量%含む水溶液を用いることができる。緩衝液は、弱酸とその塩を共存させた水溶液であって、少量の酸や塩基が加えられたりして多少濃度が変化しても、pH値が変動しない作用をもつものであるので、pH値が低い環境を維持することができ、アンモニアガスのような塩基性悪臭ガスを確実に吸着し消臭するとともに、消臭効果を長く持続できる。
【0026】
リン酸緩衝液としては、リン酸1〜10重量%と、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種を1〜10重量%含む水溶液で、リン酸が1重量%を下回ったり、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種が1重量%を下回ると、緩衝液としての緩衝効果がなくなり、pH値の変動を防止する働きが弱くなってしまう。リン酸が10重量%を上回ったり、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種が10重量%を上回ったりしても、緩衝液の濃度増加に見合う効果が得られない。
クエン酸緩衝液としては、クエン酸1〜10重量%と、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種を1〜10重量%含む水溶液で、クエン酸が1重量%を下回ったり、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種が1重量%を下回ると、緩衝液としての緩衝効果がなくなり、pH値の変動を防止する働きが弱くなってしまう。クエン酸が10重量%を上回ったり、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種が10重量%を上回ったりしても、緩衝液の濃度増加に見合う効果が得られない。
【0027】
リン酸緩衝液のリン酸及びリン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種の第1フィルター2の1g当りの坦持量は、リン酸2.5〜5mg、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種2.5〜5mgとするのがよい。2.5mgを下回ると塩基性悪臭ガスを消臭する繰返し耐久性が低下するので好ましくない。5mgを上回って坦持すると脱落するので好ましくない。
クエン酸緩衝液のクエン酸及びクエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種の第1フィルター2の1g当りの坦持量は、クエン酸2.5〜5mg、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウムの中から選択される少なくとも1種2.5〜5mgとするのがよい。2.5mgを下回ると塩基性悪臭ガスを消臭する繰返し耐久性が低下するので好ましくない。5mgを上回って坦持すると脱落するので好ましくない。
【0028】
次に、第2フィルター3を構成する活性炭混抄紙は通常の湿式抄紙法により製造できる。例えば活性炭と天然パルプを水に添加し、水スラリーを作成する。そのスラリーを攪拌しながら所定の固形分濃度に調整し、その後カチオン系ポリマー又はアニオン系ポリマーを添加し、得られた凝集体水分散液から、抄紙機を使い湿式抄紙法によりシート化し、乾燥処理を行ない活性炭混抄紙を得る。この活性炭混抄紙を、コルゲート加工機を用いハニカム形状やコルゲート形状に加工しフィルターの形状にする。フィルターの形状をハニカム形状やコルゲート形状にすることにより、反応面積が大きくなり、圧力損失を少なくすることができるので、効率的なフィルターとすることができる。
【0029】
この活性炭混抄紙によるハニカムフィルターは活性炭の強い吸着力によって各種極微量ガスの吸着体の役割をなすものである。本発明に使用する活性炭としては、椰子殻活性炭、石油ピッチ系球状活性炭、活性炭素繊維、木質系活性炭等の活性炭系炭素多孔質体が、吸着比表面積が非常に高いことから好ましく用いられる。中でも、椰子殻活性炭が好ましい。また、この活性炭混抄紙に使用する繊維は天然パルプ、ポリオレフィン及びアクリル繊維などのフィブリル化繊維を用いればよいが、金属フタロシアニン錯体の担持のし易さからも天然パルプが好ましい。
【0030】
活性炭の抄紙への担持する量は、抄紙の40〜80重量%担持させることが好ましい。40重量%を下回る担持量では十分な吸着力を得ることができず、80重量%を上回る担持量では活性炭の滑落が発生し好ましくない。より好ましい活性炭の担持量は、60〜75重量%である。
【0031】
本発明の消臭フィルターに使われる金属フタロシアニン錯体は、特に限定されるものではないが、例えば鉄フタロシアニン錯体、コバルトフタロシアニン錯体、マンガンフタロシアニン錯体が挙げられる。これらの中でもコバルトフタロシアニン錯体を用いるのが好ましく、この場合には、特にメチルメルカプタンやNOx、SOx等の酸化ガスに対する除去性能をさらに向上させることができる利点がある。前記コバルトフタロシアニン錯体としては、特に限定されるものではないが、例えばコバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム、コバルトフタロシアニンオクタカルボン酸、コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等が挙げられる。
【0032】
金属フタロシアニン錯体を活性炭混抄紙に担持する前に、活性炭混抄紙をカチオン化処理することが望ましい。これは、金属フタロシアニン錯体の担持量を増大するための処理で、カチオン化処理は活性炭混抄紙の化学構造中にカチオン基を導入付与し得るものであればどのような処理であっても良いが、中でも4級アンモニウム塩によりカチオン化処理が行われるのが好ましい。この場合には、金属フタロシアニン錯体の担持量をより増大させることができる利点がある。前記4級アンモニウム塩としては、例えば3―クロロ―2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3―クロロ―2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの縮合ポリマー等が挙げられる。
【0033】
前述のような方法によって、金属フタロシアニン錯体の活性炭混抄紙へ担持させる量は、200〜20000μg/g活性炭混抄紙に担持させるのが好ましい。200μg/g活性炭混抄紙を下回る、金属フタロシアニン錯体の活性炭混抄紙への担持量では、十分な除去性能を得ることがてきなく、20000μg/g活性炭混抄紙を超える金属フタロシアニン錯体の活性炭混抄紙へ担持量では、徒にコストがかさむだけで経済的な担持量とはいえない。より好ましい金属フタロシアニン錯体の活性炭混抄紙への担持量は、500〜5000μg/g活性炭混抄紙である。
【0034】
前記カチオン化処理された活性炭混抄紙によるハニカムフィルターを水洗し乾燥したあと、金属フタロシアニン錯体で処理し、乾燥したあと、さらに弱アルカリ性金属塩水溶液に含浸させ、水洗し乾燥して高いpH環境の第2フィルター3を得る。弱アルカリ性金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウムの群から選択される1種または複数の弱アルカリ性金属塩が好適である。弱アルカリ性金属塩の活性炭混抄紙への担持量は、10〜200mg/g活性炭混抄紙に担持させるのが好ましい。弱アルカリ性金属塩は助剤の働きをするものであり、大気中に存在する可能性のあるNOx、SOx等の酸性ガス、HSやメチルメルカプタン等の硫黄系ガスの各種極微量ガスを吸着しやすい環境とする働きをするものである。
【0035】
次に第3フィルター4は、例えば目付け20〜150g/m、平均繊度20〜50dtexのポリプロピレン繊維製不織布を骨材層にし、その上にポリエステル繊維に銅ゼオライトをバインダー樹脂によって担持した吸着層を重ね、さらに、その上に静電処理した平均繊度0.8〜15dtexのポリエステル繊維製不織布を重ね合わせ、熱エンボス等の熱処理を施して一体化した後、厚さ0.5〜1.5mmのシートをプリーツ加工機にてひだ折りして得る。また除去するガスの種類、濃度によって第1フィルター2、第2フィルター3、第3フィルター4の枚数や厚さ等を変更して調整してもよい。
【0036】
第3フィルター4の配置方向は、前記静電処理されたポリエステル繊維製不織布の面から、前記ポリプロピレン繊維製不織布の骨材層に空気が通過するように配置するのが好ましい。ポリエステル繊維製不織布は静電処理されているので、大気中の粉塵を捕らえ、銅ゼオライトの表面が粉塵で覆われるのを防ぐことができる。また、前記銅ゼオライトを担持する吸着層の繊維は、バインダー樹脂で銅ゼオライトを担持できるのであればどのような繊維でも用いることができる。銅ゼオライトには、大気中の有機溶剤等のVOC系ガスが強力に吸着される。また、前記ポリプロピレン繊維製不織布の骨材層は、シートがプリーツ加工されるための強度と硬さを付与するためのものである。
【0037】
次ぎに実施例により、本発明を具体的に説明する。なお実施例における粉塵などの粒子状不純物を除去性、各種ガス除去性能の測定は次のように行った。
(粉塵などの粒子状不純物を除去性)
JISに準拠し粒子捕集率の平均から評価した。平均粒子捕集率が80%以上であるものを「◎」、平均粒子捕集率が60〜80%の範囲であるものを「○」、平均粒子捕集率が40〜60%の範囲であるものを「△」、平均粒子捕集率が40%未満であるものを「×」と評価した。
【0038】
(アンモニアガス除去性能)
断面のサイズが70×70mm、厚さが18mmの第1フィルター2と、断面のサイズが70×70mm、厚さが60mmの第2フィルター3と、断面のサイズが70×70mm、厚さが50mmの第3フィルター4をフィルターユニットにし、内寸70×70mm角型の一過性ダクト試験器に前記フィルターユニットを配置して固定する。次に一過性ダクト試験器の空気取り入れ口5側から、毎分30リットルの通気を行なうファンをセットし、濃度が5ppmのアンモニアガスをフィルターユニットに12時間連続して通気させる。12時間経過して第3フィルター4側の出口6におけるアンモニアガスの残存濃度(ppm)を測定した。
【0039】
(二酸化窒素ガス除去性能)
アンモニアガスに代えて二酸化窒素ガス(濃度5ppm)を用いて、一過性ダクト試験器に連続して通気させた以外は、上記アンモニアガス除去性能試験と同様にして二酸化窒素ガスの残存濃度(ppm)を測定した。
【0040】
(二酸化硫黄ガス除去性能)
アンモニアガスに代えて二酸化硫黄ガス(濃度5ppm)を用いて、一過性ダクト試験器に連続して通気させた以外は、上記アンモニアガス除去性能試験と同様にして二酸化硫黄ガスの残存濃度(ppm)を測定した。
【0041】
(硫化水素ガス除去性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガス(濃度5ppm)を用いて、一過性ダクト試験器に連続して通気させた以外は、上記アンモニアガス除去性能試験と同様にして硫化水素ガスの残存濃度(ppm)を測定した。
【0042】
(トルエンガス除去性能)
アンモニアガスに代えてトルエンガス(濃度5ppm)を用いて、一過性ダクト試験器に連続して通気させた以外は、上記アンモニアガス除去性能試験と同様にしてトルエンガスの残存濃度(ppm)を測定した。
【0043】
そして、残存率が10%以下であるものを「◎」、残存率が10〜20%以下であるものを「○」、残存率が20〜40%以下であるものを「△」、残存率が40%以上であるものを「×」と評価した。
【実施例】
【0044】
<実施例1>
目付け1.5g/mのポリエステル繊維製不織布と、目付け2.4g/mのポリエステル繊維製不織布とをポリエステル樹脂パウダー接着剤で接着することによって積層一体化し、密度の粗い層の密度が、150g/mの層で厚さ10mm、密度の密な層の密度が、300g/mで厚さ8mmからなる断面サイズが70×70mm、厚さ18mmのフィルターを得た。このフィルターをリン酸5重量%と、リン酸一ナトリウム5重量%を含む水溶液に浸漬し、乾燥してpH値が2.8の低いpH環境の第1フィルターを得た。リン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、2.5mgで、リン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、2.5mgであった。椰子殻活性炭70重量部と天然パルプ30重量部を水200重量部に添加し、水スラリーを作成する。得られた凝集体水分散液より、抄紙機を使い湿式抄紙法によってシート化し、乾燥処理を行ない、活性炭混抄紙を得る。その後得られた活性炭混抄紙を3―クロロ―2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液にてカチオン化処理をし、乾燥した。次に、この活性炭混抄紙をコルゲート加工機によりハニカム形状に加工し、セル密度300セル/(インチ)のフィルター形状にした。次に0.5重量%のコバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム水溶液に含浸させ、水洗し、乾燥し、次に10g/lの炭酸カリウム水溶液に含浸させ、水洗し、乾燥して、pH9.0のハニカム形状の断面サイズが70×70mm、厚さ60mmの第2フィルターを得た。コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウムの活性炭混抄紙への担持量は400μg/g活性炭混抄紙であった。次に目付け40g/m、平均繊度40dtexのポリプロピレン繊維製ニードルパンチ不織布を骨材層にし、その上にポリエステル繊維に銅ゼオライトを150mg/gをアクリル樹脂によって担持した吸着層を重ね、さらに、その上に静電処理した平均繊度4dtexのポリエステル繊維製不織布を重ね合わせ、熱処理を施して一体化し、厚さ0.8mmのシートを作成した。つぎに、プリーツ加工機にて山数50にひだ折り加工してプリーツフィルターの形状にし、断面サイズが70×70mm、厚さ50mmの第3フィルターを得た。こうして得た第1フィルターと第2フィルターと第3フィルターを、エチレンー酢酸ビニル共重合体で部分接着してフィルターユニットを作成し、第1フィルターを空気の取り入れ側に、第3フィルターを空気の出口側になるように、一過性ダクト試験器のサンプルホルダーに固定し、上記の各種ガスの除去試験をおこない残存率を表1に記載した。
【0045】
<実施例2>
実施例1において、リン酸2重量%と、リン酸一ナトリウム2重量%を含む水溶液に浸漬し、乾燥した以外は実施例1と同様にして第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が2.9で、リン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、1mgであった。また、リン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、1mgであった。
【0046】
<実施例3>
実施例1において、クエン酸2重量%と、クエン酸一ナトリウム2重量%を含む水溶液に浸漬し、乾燥した以外は実施例1と同様にして第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が3.5で、クエン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、0.8mgであった。また、クエン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、0.8mgであった。
【0047】
<実施例4>
実施例1において、リン酸8重量%と、リン酸一ナトリウム8重量%を含む水溶液に浸漬し、乾燥した以外は実施例1と同様にして第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が2.7で、リン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、4mgであった。また、リン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、4mgであった。
【0048】
<実施例5>
次に、実施例1において、第2フィルターの作成時に、50g/lの炭酸水素ナトリウムのアルカリ水溶液に含浸させてpH10.0の第2フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0049】
<実施例6>
次に、実施例1において、2.5重量%コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム水溶液に含浸させてpH9.0の第2フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウムの活性炭混抄紙への担持量は2000μg/g活性炭混抄紙であった。
【0050】
<実施例7>
次に、実施例1において、0.5重量%のコバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウムを0.5重量%の鉄フタロシアニンポリスルホン酸ナトリウムとした以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0051】
<実施例8>
次に、実施例1において、10g/lの炭酸カリウムを10g/lのクエン酸ナトリウムとした以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0052】
<実施例9>
次に、実施例1において、椰子殻活性炭30重量部とした以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。椰子殻活性炭の担持量は50重量%であった。
【0053】
<実施例10>
実施例1において第3フィルターのポリエステル繊維に銅ゼオライトを50mg/g担持した以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0054】
<実施例11>
実施例1において第3フィルターの銅ゼオライトを銀ゼオライト150mg/gポリエステル繊維に担持した以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0055】
<比較例1>
実施例1において、目付け2.4g/m、ポリエステル繊維製不織布の、密度が、300g/mの層のみからなる、厚さ18mmのフィルターを用いて第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が2.8で、リン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、3mgであった。また、リン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、3mgであった。
【0056】
<比較例2>
実施例1において、目付け1.5g/m、ポリエステル繊維製不織布の、密度が、150g/mの層のみからなる、厚さ18mmのフィルターを用いて第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が2.8で、リン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、2mgであった。また、リン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、2mgであった。
【0057】
<比較例3>
実施例1において、酸性緩衝液に浸漬せずに第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が9であった。
【0058】
<比較例4>
実施例1において、リン酸12重量%と、リン酸一ナトリウム12重量%を含む水溶液に浸漬し、乾燥した以外は実施例1と同様にして第1フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。なお、pH値が2.5で、リン酸の第1フィルター1g当りの坦持量は、6mgであった。また、リン酸一ナトリウムの第1フィルター1g当りの坦持量は、6mgであった。
【0059】
<比較例5>
実施例1において、0.5重量%コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウムの水溶液に含浸させたのみでpH7.0の第2フィルターを得た(炭酸カリウム水溶液に含浸させない)以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0060】
<比較例6>
実施例1において、0.1重量%のコバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム水溶液に含浸させ、水洗し乾燥した以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウムの活性炭混抄紙への担持量は150μg/g活性炭混抄紙であった。
【0061】
<比較例7>
椰子殻活性炭を10重量部とした以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。椰子殻活性炭の担持量は25重量%であった。
【0062】
<比較例8>
実施例1において、第3フィルターのポリエステル繊維に銅ゼオライトを担持していない吸着層とした以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0063】
<比較例9>
実施例1において、第2フィルターに5重量%リン酸水溶液に含浸させ、水洗し乾燥して低いpH3.5の第2フィルターを得た以外は実施例1と同様にして、フィルターユニットを得た。
【0064】
<比較例10>
実施例1において、第2フィルターと第3フィルターとのみでフィルターユニットとした。
【0065】
<比較例11>
実施例1において、第1フィルターを三個重ねたのみでフィルターユニットとした。
【0066】
<比較例12>
実施例1において、第2フィルターを三個重ねたのみでフィルターユニットとした。
【0067】
<比較例13>
実施例1において、第3フィルターを三個重ねたのみでフィルターユニットとした。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】燃料電池用フィルターユニットの概略構成図
【符号の説明】
【0069】
1 一過性ダクト試験器
2 第1フィルター
3 第2フィルター
4 第3フィルター
5 空気取り入れ口
6 空気出口
7 燃料電池用フィルターユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の流れる方向に対して密度勾配のある、酸性緩衝液で処理した繊維からなる第1フィルターと、金属フタロシアニン錯体と弱アルカリ性金属塩とを活性炭混抄紙に担持させた第2フィルターと、金属ゼオライトを担持した繊維を含む第3フィルターを組み合わせたことに特徴のある燃料電池用フィルターユニット。
【請求項2】
前記酸性緩衝液は、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液の中から選択される少なくとも1種を1〜10重量%含む水溶液である請求項1に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【請求項3】
前記金属フタロシアニン錯体がコバルトフタロシアニン、鉄フタロシアニン、マンガンフタロシアニンの群から選択される1種または複数の金属フタロシアニン錯体で、弱アルカリ性金属塩が炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウムの群から選択される1種または複数の弱アルカリ性金属塩である請求項1または2に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【請求項4】
前記金属フタロシアニン錯体を200〜20000μg/g活性炭混抄紙に担持させ、弱アルカリ性金属塩を5〜50mg/g活性炭混抄紙に担持させてなる請求項1乃至3に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【請求項5】
前記活性炭混抄紙は、活性炭を40〜80重量%担持させてなる活性炭混抄紙である請求項1乃至4に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【請求項6】
前記金属ゼオライトが銅ゼオライト、銀ゼオライト、亜鉛ゼオライト、白金ゼオライトの群から選択される1種または複数の金属ゼオライトで、繊維への担持量が50〜200mg/g繊維に担持させてなる請求項1乃至5に記載の燃料電池用フィルターユニット。
【請求項7】
前記第2フィルターがハニカムまたはコルゲートフィルターからなり、前記第3フィルターがプリーツフィルターであることに特徴のある請求項1乃至6に記載の燃料電池用フィルターユニット。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−233381(P2011−233381A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103032(P2010−103032)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(390014487)住江織物株式会社 (294)
【Fターム(参考)】