説明

燃料電池発電システムおよびその起動方法

【課題】 起動時にシステム制御系のマイコンの異常の発生や、改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置の燃焼部へ供給して燃焼している炎が消えて失火したりする問題および燃料電池を含む周辺機器の損傷を防止できる燃料電池発電システムおよびその起動方法の提供。
【解決手段】 原燃料ガス供給ライン3の分岐部14から分岐して原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部15へ供給する燃焼用原燃料ガス供給ライン16と、原燃料ガス供給ライン3とを連結するバイパスライン30を設置し、脱硫器4と燃焼用原燃料ガス供給ライン16との間に差圧が発生した際に、前記差圧によりバイパスライン30を通って原燃料ガスが移送されて前記差圧が解消されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家庭用の小型電源として好適な燃料電池発電システムおよびその起動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの炭化水素系燃料ガス中に含まれる硫黄を除去する脱硫器と、燃料ガスを水蒸気と反応させて水素に改質する改質器(RF)と、一酸化炭素を変成するCO変成器(SH)と、一酸化炭素を除去するCO除去器(PROX)[これらの改質器(RF)、CO変成器(SH)、CO除去器(PROX)をまとめて燃料改質装置と称すことがある]と、このようにして得られた水素(改質ガス)と空気中の酸素などの酸化剤とを化学反応させて発電する燃料電池とを備えた小型電源としての燃料電池発電システムが提案されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
【0003】
燃料極(AN)に水素を含む燃料ガス、空気極(CA)に空気を供給すると、燃料極では、水素分子を水素イオンと電子に分解する燃料極反応、空気極では、酸素と水素イオンと電子から水を生成する電気化学反応がそれぞれ行われ、燃料極から空気極に向かって外部回路を移動する電子により電力が負荷に供給されるとともに、空気極側に水が生成される。
【0004】
従来、前記脱硫器は燃料改質装置の余熱を利用する高温型の触媒を用いる脱硫器が使用されていたが、余熱利用率向上や交換の容易性などの点から例えば0〜50℃で脱硫できる脱硫器が使用される(例えば特許文献4参照)。
この脱硫器の作動温度は、システム起動時にシステムの各発熱部位が昇温される以前のシステム使用下限温度が下限値となり、システム起動後に積極的な加熱手段を講じない脱硫器の周辺の機器昇温により脱硫器が温度上昇した場合の温度が上限値となり、例えば家庭用燃料電池に本発明を用いる場合には、脱硫器の温度は−20〜70℃、好ましくは−10〜60℃、さらに好ましくは0〜50℃の範囲である。
【0005】
図4に従来の燃料電池発電システムを示す。
図4に示すように、燃料電池発電システム1Aは、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの炭化水素系燃料ガスを、原燃料ガス開閉弁2を備えた原燃料ガス供給ライン3を経て供給して脱硫する脱硫器4を備えるとともに、脱硫器4で脱硫した脱硫燃料ガスを脱硫燃料ガス開閉弁5を備えた脱硫ガス供給ライン6を経て供給し、一方、水を閉止弁7を経て気化器8へ送って気化して逆止弁9を経て水蒸気を供給し、燃料ガスをCO濃度を低減した水素リッチな改質ガスに改質する燃料改質装置10[改質器(RF)/CO変成器(SH)/CO除去器(PROX)]を備えており、燃料改質装置10で得られた改質ガスを改質ガス開閉弁11を備えた改質ガス供給ライン12を経て燃料極(AN)に供給し、この改質ガスと空気極(CA)へ供給された空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池13を備えている。
【0006】
また、燃料電池発電システム1Aは、図4に示すように、原燃料ガス開閉弁2の下流において原燃料ガス供給ライン3の分岐部14から分岐して水蒸気改質による反応は吸熱反応であため改質反応を維持するための必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部(バーナ)15へ供給する燃焼用原燃料ガス供給ライン16を備えている。また、燃料電池13から排出される水素ガス(オフガス)は閉止弁17を備えたオフガスライン18を経て燃焼部(バーナ)15に供給されるようになっている。
【0007】
19は、原燃料ガス供給ライン3の原燃料ガス開閉弁2の上流側に設けられた原燃料ガスの元圧を示す圧力計、20は原燃料ガス供給ライン3の原燃料ガス開閉弁2の下流側に設けられた開閉弁、21は脱硫ガス供給ライン6に設置した脱硫器4の内圧を示す圧力計、22は脱硫ガス供給ライン6に設置したポンプを示し、23、24、25はそれぞれ燃焼用原燃料ガス供給ライン16に設置した開閉弁、逆止弁、ポンプを示す。
【0008】
上記の構成の燃料電池発電システム1Aにおいて、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの炭化水素系燃料ガスを、原燃料ガス供給ライン3を経て脱硫器4へ供給して脱硫し、脱硫器4で脱硫した脱硫燃料ガスを脱硫ガス供給ライン6を経て燃料改質装置10[改質器(RF)/CO変成器(SH)/CO除去器(PROX)]へ供給するとともに、水を気化器8へ送って気化して発生する水蒸気を燃料改質装置10へ供給し、燃料ガスをCO濃度を低減した水素リッチな改質ガスに改質し、燃料改質装置10で得られた改質ガスを改質ガス開閉弁11を備えた改質ガス供給ライン12を経て燃料電池13の燃料極(AN)に供給し、この改質ガスと燃料電池13の空気極(CA)へ供給された空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電する。
【0009】
燃料改質装置10の起動時、原燃料ガスの一部を燃焼用原燃料ガス供給ライン16を経て燃料改質装置10の燃焼部(バーナ)15へ供給して改質反応を維持するための必要な熱量が供給されるように加熱する。燃料電池発電システム1Aの起動後は、燃料電池13から排出される水素ガス(オフガス)をオフガスライン18を経て燃焼部(バーナ)15に供給して燃焼して燃料改質装置10における改質反応を維持するための熱量を得ることができる。
【0010】
前記脱硫器4の脱硫剤は、例えばゼオライト、もしくはAg、Cu、Znなどの金属インオを交換したゼオライトを好ましく用いることができる。脱吸着に対する温度依存性が大きいゼオライト系脱硫剤を使用すると、燃料電池発電システム1Aの起動時などシステムの各発熱部位が昇温される以前のシステム使用下限温度においてはLPGなどの炭化水素系燃料ガスの吸着性が大きく、燃料電池発電システム1Aの作動時などシステム起動後に積極的な加熱手段を講じない脱硫器4の周辺の機器昇温により脱硫器4が温度上昇した場合は炭化水素系燃料ガスの脱着性が大きくなる特性を有している。
【0011】
そのため脱硫器4を備えた燃料電池発電システム1Aを停止し、脱硫器4の温度が低下すると圧力計21で測定される脱硫器4の内圧が低下し負圧になって、圧力計19で測定される炭化水素系原燃料ガスの供給圧より低くなり、両者の差圧が大きくなる。
【0012】
また燃料電池発電システム1Aを短時間停止した後、脱硫器4の温度がまだ高い温度である内に起動する場合などは、圧力計21で測定される脱硫器4の内圧が正圧で、しかも圧力計19で測定される炭化水素系原燃料ガスの供給圧より高くなっていて、両者の差圧が大きくなる。
【0013】
燃料電池発電システム1Aの起動時に、負圧になった脱硫器4へ、炭化水素系原燃料ガスを供給すると急激に設定値を超える多量の炭化水素系原燃料ガスが流入するために(例えば、N1型といわれる家庭用マイコンメーターでは最大流量が1m3 /hに設定されている)、マイコンメーターが異常を検知して炭化水素系原燃料ガスの供給を停止させたり、システム制御系のマイコンに異常が発生したり、改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部15へ供給して燃焼している炎が消えて失火したり、一方、燃料電池発電システム1Aの停止時に負圧になっている燃料改質装置10に、炭化水素系原燃料ガスが供給されるとS/C(スチーム/カーボン)比が適正値から逸脱するため改質触媒にコーキングが発生し、改質触媒の特性が損なわれるなどの問題があった。
【0014】
燃料電池発電システム1Aの起動時に、圧力計21で測定される脱硫器4の内圧が正圧で、しかも、圧力計19で測定される炭化水素系原燃料ガスの供給圧より高くなっている状態で、炭化水素系原燃料ガスを供給しようとすると供給できず、逆に脱硫器4から原燃料ガス供給ライン3へ逆流したり、燃焼用原燃料ガス供給ライン16への逆流が起こり、システム制御系のマイコンに異常が発生したり、燃料改質装置10の燃焼部15へ供給して燃焼している炎が消えて失火したり、また、燃料電池発電システム1Aの停止時に高圧になっている燃料改質装置10から炭化水素系原燃料ガスが脱硫ガス供給ライン6へ逆流してシステム制御系のマイコンに異常が発生したり、改質ガス供給ライン12を経て燃料電池13へ急激に設定値を超える多量のガスが供給されて損傷が発生するなどの問題があった。
【特許文献1】特開2003−217620号公報
【特許文献2】特開2003−217623号公報
【特許文献3】特開2000−277137号公報
【特許文献4】特開平10−237473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
燃料電池発電システム1Aの起動時に脱硫器4の内圧や燃料改質装置10の内圧などが負圧であったり、逆に高正圧力であったりするとにより発生する問題を防止するために、従来はこれらの圧力を検知しそれに基づいて特別な起動のためのシークエンスを用いて起動していたが、操作が複雑である上、コストアップになるという問題があった。
【0016】
本発明の第1の目的は、燃料電池発電システムの起動時に負圧になった脱硫器へ原燃料ガス供給ラインから多量の炭化水素系原燃料ガスが急激に流入してマイコンメーターが異常を検知して炭化水素系原燃料ガスの供給を停止させたり、改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置の燃焼部へ供給して燃焼している炎が消えて失火したりするのを原燃料ガス供給元圧と脱硫器内圧の差を解消して防止し、これらの問題を安全に解消するとともに、燃料電池発電システムの停止時に高圧になっている燃料改質装置から炭化水素系原燃料ガスが脱硫ガス供給ラインへ逆流してシステム制御系のマイコンに異常が発生したりするなどの問題を解消し、燃料改質装置についても内圧を正常値にして起動してシステム制御系のマイコンに異常が発生するのを防止し、かつ燃料電池を含む周辺機器の損傷を防止できる燃料電池発電システムを提供することであり、 本発明の第2の目的は、燃料電池発電システムを経済的にかつ容易に起動する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解消するための本発明の請求項1に記載の燃料電池発電システムは、原燃料ガス開閉弁を備えた原燃料ガス供給ラインを経て燃料ガスを供給して脱硫する脱硫器と、この脱硫器で脱硫した脱硫燃料ガスを脱硫燃料ガス開閉弁を備えた脱硫ガス供給ラインを経て供給して水素リッチな改質ガスに改質する燃料改質装置と、前記燃料改質装置で得られた改質ガスを改質ガス開閉弁を備えた改質ガス供給ラインを経て供給して、この改質ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記原燃料ガス開閉弁の下流において前記原燃料ガス供給ラインの分岐部から分岐して改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を前記燃料改質装置の燃焼部へ供給する燃焼用原燃料ガス供給ラインとを具備する燃料電池発電システムであって、
前記燃焼用原燃料ガス供給ラインと、前記原燃料ガス供給ラインとを連結するバイパスラインを設置し、前記脱硫器と前記燃焼用原燃料ガス供給ラインとの間に差圧が発生した際に、前記差圧により前記バイパスラインを通って原燃料ガスが移送されて前記差圧が解消されるように構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項2に記載の燃料電池発電システムは、請求項1記載の燃料電池発電システムにおいて、前記バイパスラインは前記燃焼用原燃料ガス供給ラインと、前記分岐部と前記脱硫器とを連結する前記原燃料ガス供給ラインとを連結することを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項3に記載の燃料電池発電システムは、請求項1あるいは請求項2記載の燃料電池発電システムにおいて、前記バイパスラインに前記差圧および流量を調整するレギュレータを設置したことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項4に記載の燃料電池発電システムは、請求項3記載の燃料電池発電システムにおいて、前記レギュレータは、20℃の窒素ガスを用い前記差圧が50kPa(ゲージ圧)の時、0.05〜20(ノルマルリットル/分)流れる特性を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項5に記載の燃料電池発電システムは、請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池発電システムにおいて、前記バイパスラインに電磁弁を設置し、必要に応じて開閉できるようにしたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項6に記載の燃料電池発電システムは、請求項5記載の燃料電池発電システムにおいて、前記電磁弁の開閉は、前記燃料改質装置の燃焼部の温度が原燃料ガスの発火点以上で行うことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項7に記載の燃料電池発電システムは、請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料電池発電システムにおいて、前記脱硫器の脱硫剤が少なくともゼオライト系脱硫剤を含む脱硫剤であることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項8の発明は、システム起動後、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、あるいはさらに同内圧の時間変分(ΔP/Δt)が正になった時に前記燃料電池に改質ガスを供給する前記改質ガス供給ラインに備えた前記改質ガス開閉弁を開けることにより、前記原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧がなくなるように制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料電池発電システムの起動方法である。
【0025】
本発明の請求項9の発明は、請求項8記載の燃料電池発電システムの起動方法において、前記燃料改質装置は前記燃焼部で原燃料ガスを燃焼した後の排熱を利用して水を気化して水蒸気を発生する気化器を備え、前記原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間の差圧が−5kPa(ゲージ圧)〜+5kPa(ゲージ圧)となるように制御してから、前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給して改質を行うことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項10の発明は、請求項9記載の燃料電池発電システムの起動方法において、前記制御は前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給するまで行い、前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給後、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上であれば前記改質ガス開閉弁を常に開放することを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項11の発明は、請求項8記載の燃料電池発電システムの起動方法において、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、かつ(前記脱硫器の内圧)≧(前記燃料改質装置の内圧)となった時に前記脱硫燃料ガス開閉弁を開けて脱硫燃料ガスを前記脱硫ガス供給ラインを経て前記燃料改質装置に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に記載の燃料電池発電システムは、バイパスラインを設置して脱硫器と燃焼用原燃料ガス供給ラインとの間に正負にかかわらず差圧が発生した際に、例えば脱硫器の内圧が高い場合は脱硫器からバイパスラインを通って原燃料ガスが燃焼用原燃料ガス供給ライン側へ移送されて差圧が解消され、脱硫器の内圧が負圧の場合は燃焼用原燃料ガス供給ライン側からバイパスラインを通って原燃料ガスが脱硫器へ移送されて差圧が解消されように構成されているので、また、
システム起動後は燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、あるいはさらに同内圧の時間変分(ΔP/Δt)が正になった時に燃料電池に改質ガスを供給する改質ガス供給ラインに備えた改質ガス開閉弁を開けることにより、原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧がなくなるように制御するので、
燃料電池発電システムの起動時に負圧になった脱硫器へ原燃料ガス供給ラインから多量の炭化水素系原燃料ガスが急激に流入してマイコンメーターが異常を検知して炭化水素系原燃料ガスの供給を停止させたり、改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置の燃焼部へ供給して燃焼している炎が消えて失火したりする問題を安全に解消できるとともに、燃料電池発電システムの停止時に高圧になっている燃料改質装置から炭化水素系原燃料ガスが脱硫ガス供給ラインへ逆流してシステム制御系のマイコンに異常が発生したりするなどの問題を解消でき、燃料電池を含む周辺機器の損傷を防止できるという顕著な効果を奏する。
【0029】
本発明の請求項2に記載の燃料電池発電システムは、請求項1記載の燃料電池発電システムにおいて、前記バイパスラインは前記燃焼用原燃料ガス供給ラインと、前記分岐部と前記脱硫器とを連結する前記原燃料ガス供給ラインとを連結してあるので、脱硫器と燃焼用原燃料ガス供給ラインとの間に正負にかかわらず差圧が発生した際に、この差圧が容易に解消されるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0030】
本発明の請求項3に記載の燃料電池発電システムは、請求項1あるいは請求項2記載の燃料電池発電システムにおいて、前記バイパスラインに前記差圧および流量を調整するレギュレータ、例えばキャピラリーチューブ、オリフィス、流量調節器などを設置したので、脱硫器と燃焼用原燃料ガス供給ラインとの間に正負にかかわらず差圧が発生した際でもレギュレータにより差圧がゆっくりと時間をかけてあるいは早急に容易に解消されるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0031】
本発明の請求項4に記載の燃料電池発電システムは、請求項3記載の燃料電池発電システムにおいて、前記レギュレータは、20℃の窒素ガスを用い前記差圧が50kPa(ゲージ圧)の時、0.05〜20(ノルマルリットル/分)流れる特性を有するので、安価で容易に使用でき、家庭用など通常の規模の燃料電池発電システムにおいて差圧を精度よく容易に解消るというさらなる顕著な効果を奏する。
【0032】
本発明の請求項5に記載の燃料電池発電システムは、請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池発電システムにおいて、前記バイパスラインに電磁弁を設置し、必要に応じて開閉できるようにしたので、例えば起動時などは開けて使用するが、安定連続運転時などは閉めておけるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0033】
本発明の請求項6に記載の燃料電池発電システムは、請求項5記載の燃料電池発電システムにおいて、前記電磁弁の開閉は、前記燃料改質装置の燃焼部の温度が原燃料ガスの発火点以上(例えばプロパンの場合、発火点は405℃)で行うようにしたので、万一失火しても再び発火して燃焼が開始されるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0034】
本発明の請求項7に記載の燃料電池発電システムは、請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料電池発電システムにおいて、前記脱硫器の脱硫剤が少なくともゼオライト系脱硫剤を含む脱硫剤であることを特徴とするものであり、脱硫効果が高く安価で入手し易いというさらなる顕著な効果を奏する。
【0035】
本発明の請求項8の燃料電池発電システムの起動方法によれば、前記原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧がなくなるように制御して起動するので、マイコンメーターやシステム制御系のマイコンに異常が発生するのを防止し、かつ燃料電池を含む周辺機器の損傷を防止できるという顕著な効果を奏する。
【0036】
本発明の請求項9の燃料電池発電システムの起動方法によれば、前記原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間の差圧が−5kPa(ゲージ圧)〜+5kPa(ゲージ圧)となるように制御してから、前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給して改質を行うので、安全性がより向上するというさらなる顕著な効果を奏する。
【0037】
本発明の請求項10の燃料電池発電システムの起動方法によれば、前記制御は前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給するまで行い、前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給後、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上であれば前記改質ガス開閉弁を常に開放するので、安全性がさらにより向上するというさらなる顕著な効果を奏する。
【0038】
本発明の請求項11の燃料電池発電システムの起動方法によれば、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、かつ(前記脱硫器の内圧)≧(前記燃料改質装置の内圧)となった時に前記脱硫燃料ガス開閉弁を開けて脱硫燃料ガスを前記脱硫ガス供給ラインを経て前記燃料改質装置に供給するので、システム制御系のマイコンに異常が発生するのをより確実に防止でき、燃料電池を含む周辺機器の損傷をより確実に防止できるというさらなる顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
次に本発明を図を用いて実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料電池発電システムの1例を模式的に説明する説明図である。
図1において、図4に記載の符号と同じ符号のものは、図4に記載の符号のものと同じものを示すので説明を省略する。
図1に示した本発明の燃料電池発電システム1は、燃焼用原燃料ガス供給ライン16と、原燃料ガス供給ライン3とを連結するバイパスライン30が設置されており、起動時に、脱硫器4と燃焼用原燃料ガス供給ライン16との間に差圧(正負にかかわらず)が発生した際に、この差圧によりバイパスライン30を通って原燃料ガスが移送されて差圧が解消されるように構成されている点、また原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧がなくなるように制御してから、好ましくは差圧が−5kPa(ゲージ圧)〜+5kPa(ゲージ圧)となるように制御してから、起動する点以外は、図4に示した本発明の燃料電池発電システム1Aと同様になっている。
【0040】
前記バイパスライン30は燃焼用原燃料ガス供給ライン16に設置された逆止弁24とポンプ25の間の燃焼用原燃料ガス供給ライン16と、分岐部14の下流の原燃料ガス供給ライン3に設置された開閉弁20と脱硫器4の間の原燃料ガス供給ライン3とを連結している。
【0041】
前記バイパスライン30には、前記差圧および流量を調整するレギュレータ31[20℃の窒素ガスを用い前記差圧が50kPa(ゲージ圧)の時、0.05〜20(ノルマルリットル/分)流れる特性を有する][例えばキャピラリーチューブ、オリフィス、流量調節器など]および電磁弁32が設置されている。
【0042】
燃料電池発電システム1の起動時において、原燃料ガス開閉弁2、開閉弁20および開閉弁23および電磁弁32を開け、脱硫燃料ガス開閉弁5を閉めて、原燃料ガス供給ライン3から原燃料ガスを脱硫器4へ供給し、ポンプ25を作動して原燃料ガスの一部を燃焼用原燃料ガス供給ライン16を経て燃料改質装置10の燃焼部(バーナ)15へ供給して改質反応を維持するための必要な熱量を供給するように加熱する。
【0043】
そして、脱硫器4と燃焼用原燃料ガス供給ライン16との間に正負にかかわらず差圧が発生した際には、例えば脱硫器4の内圧が高い場合は脱硫器4からバイパスライン30を通って原燃料ガスがレギュレータ31を経てゆっくりと燃焼用原燃料ガス供給ライン16側へ移送されて、圧力計19で計測される原燃料ガスの圧力とほぼ同じになり差圧が解消され、脱硫器4の内圧が負圧の場合は燃焼用原燃料ガス供給ライン16側からバイパスライン30を通ってレギュレータ31を経て原燃料ガスがゆっくりと脱硫器4側へ移送されて、圧力計19で計測される原燃料ガスの圧力とほぼ同じになり差圧が解消されるので、マイコンメータが作動して原燃料ガス供給が停止する問題が解消され、改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部15へ供給して燃焼している炎が消えて失火したりする問題が安全に解消される。
【0044】
システム起動後、脱硫器4の差圧が解消され、燃料改質装置10などの加熱が充分となるなどの後は、燃料改質装置10の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、あるいはさらに同内圧の時間変分(ΔP/Δt)が正になった時に燃料電池13に改質ガスを供給する改質ガス供給ライン12に備えた改質ガス開閉弁11を開けることにより、原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧が−5kPa(ゲージ圧)〜+5kPa(ゲージ圧)となるように制御し、それから、燃料改質装置10へ気化器8で水を気化させて得た水蒸気を供給する。そして、燃料改質装置10へ脱硫燃料ガスを供給して改質を行う。
【0045】
燃料改質装置10に水蒸気を供給後、燃料改質装置10の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上であれば改質ガス開閉弁11を常に開放して発電を行うので、システム起動時に燃料改質装置10の内圧の正負に係わらず(すなわちコールドスタート、ホットスタートに係わらず)燃料改質装置10についても内圧を正常値にして起動して、システム制御系のマイコンに異常が発生するのを防止し、かつ燃料電池13を含む周辺機器の損傷を防止でき、安全性が向上する。
【0046】
システム停止時は燃料改質装置10への脱硫ガス供給ライン6からの脱硫ガス供給の停止後、約1秒のタイムラグをおいて、改質ガス開閉弁11を閉めることが、安全性の点から好ましい。
【0047】
燃料改質装置10の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、かつ(脱硫器4の内圧)≧(燃料改質装置10の内圧)となった時に脱硫燃料ガス開閉弁5を開けて脱硫燃料ガスを脱硫ガス供給ライン6を経て燃料改質装置10に供給するようにすれば、システム制御系のマイコンに異常が発生するのをより確実に防止でき、燃料電池13を含む周辺機器の損傷をより確実に防止できるので好ましい。
【実施例】
【0048】
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
図4に示した燃料電池発電システム1Aを用い、原燃料ガス開閉弁2および開閉弁20を開け、開閉弁23および脱硫燃料ガス開閉弁5を閉め、原燃料ガス供給ライン3を経て、20℃で脱硫器4に原燃料ガス(LPG)を流通させた後、開閉弁20を締めて原燃料ガスの流通を停止し、6時間放置した後の脱硫器4の内圧は−50kPaであった。
その後、開閉弁20を開けて、再び原燃料ガスを常温でこの脱硫器4に流通させようとすると、圧力計19で示される原燃料ガスの圧力と、圧力計21で示される脱硫器4の圧力との間の差圧によって原燃料ガス供給系に配置されるマイコンメータのガバナによって原燃料ガスの供給が停止された。
【0049】
(比較例2)
比較例1の脱硫器4の内圧を圧力計19で示される原燃料ガスの圧力と同じにしてから、脱硫燃料ガス開閉弁5を開き、ポンプ22を作動して脱硫燃料ガスを燃料改質装置10に供給して6時間運転した。余熱によって脱硫器4の内圧が上昇するが、その後、停止し、開閉弁20および脱硫燃料ガス開閉弁5および改質ガス開閉弁11を閉めると、放熱により脱硫器4の内圧は低下し、図2に示すように約−60kPaまでになり、一方、燃料改質装置10の内圧も停止後の温度低下とともに低下し、図3に示すように約−80kPaまでになった。
【0050】
(比較例3)
比較例2における停止後、脱硫燃料ガスを燃料改質装置10に供給して燃料改質装置10の運転を再開すると、原燃料ガス供給系に配置されるマイコンメータのガバナによって原燃料ガスの供給が停止された。
【0051】
(比較例4)
図1に示した燃料電池発電システム1を用い、原燃料ガス開閉弁2および開閉弁20および開閉弁23を開け、脱硫燃料ガス開閉弁5およびバイパスライン30の電磁弁32を閉め、燃焼用原燃料ガス供給ライン16を経て原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部15へ供給して燃焼し、原燃料ガス供給ライン3を経て、20℃で脱硫器4に原燃料ガス(LPG)を流通させた後、開閉弁20を締めて原燃料ガスの流通を停止し、6時間放置した後の脱硫器4の内圧は−60kPaであった。
その後、開閉弁20を開け、その直後にバイパスライン30の電磁弁32を開けたところ、燃料改質装置10の燃焼部15で燃焼している炎が消えて失火した。
【0052】
(実施例1)
図1に示した燃料電池発電システム1を用い、原燃料ガス開閉弁2および開閉弁20および開閉弁23を開け、脱硫燃料ガス開閉弁5およびバイパスライン30の電磁弁32を閉め、燃焼用原燃料ガス供給ライン16を経て原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部15へ供給して燃焼し、原燃料ガス供給ライン3を経て、20℃で脱硫器4に原燃料ガス(LPG)を流通させ脱硫器4の内圧を圧力計19で示される原燃料ガスの元圧と同じにした後、開閉弁20を締めて原燃料ガスの流通を停止し、6時間放置した後の脱硫器4の内圧は−60kPaであった。
その後、燃料改質装置10の改質温度が原燃料ガス(LPG)の発火点(405℃)以上になった時に、開閉弁20を開け、その直後にバイパスライン30の電磁弁32を開けたところ、燃料改質装置10の燃焼部15で燃焼している炎が消えることなく、運転を継続できた。
【0053】
(比較例5)
比較例3において、実施例1と同様にして脱硫器4の内圧を圧力計19で示される原燃料ガスの元圧と同じにして、燃料改質装置10へ気化器8で水を気化させて得た水蒸気を供給するが未だ燃料改質装置10の内が負圧の状態で、脱硫燃料ガスを燃料改質装置10に供給して燃料改質装置10の運転を再開すると、原燃料ガス供給系に配置されるマイコンメータのガバナによって原燃料ガスの供給が停止された。
【0054】
(実施例2)
比較例5において、実施例1と同様にして脱硫器4の内圧を圧力計19で示される原燃料ガスの元圧と同じにして、燃料改質装置10へ気化器8で水を気化させて得た水蒸気を供給した後、燃料改質装置10の負圧が解消してから脱硫燃料ガスを燃料改質装置10に供給して燃料改質装置10の運転を再開すると、トラブルなく改質反応を開始できた。
【0055】
(実施例3)
実施例2の運転を停止後、しばらくの間は脱硫器4および燃料改質装置10の内圧が正圧であった。この状態でバイパスライン30の電磁弁32を開けて運転を再開したところ、ホットスタート時であっても燃料改質装置10の燃焼部15で燃焼している炎が消えることなく、運転をスタートできた。
【0056】
(比較例6)
実施例3において運転を停止後、しばらくの間燃料改質装置10の内圧が正圧である間に、脱硫燃料ガスを燃料改質装置10に供給して燃料改質装置10の運転を再開すると、原燃料ガス供給系に配置されるマイコンメータのガバナによって原燃料ガスの供給が停止された。
【0057】
(実施例4)
比較例6において運転を停止後、しばらくの間燃料改質装置10の内圧が正圧である間に、燃焼用原燃料ガス供給ライン16を経て原燃料ガスの一部を燃料改質装置10の燃焼部15へ供給して燃焼し、燃料改質装置10の内圧が>0kPa(ゲージ圧)となるのを検知して後、改質ガス供給ライン12の改質ガス開閉弁12の開閉を行い、さらに燃料改質装置10へ気化器8で水を気化させて得た水蒸気を供給した後は改質ガス開閉弁12を開放したままにすることで、(脱硫器4の内圧)≧(燃料改質装置10の内圧)とすることができ、その後、脱硫燃料ガスを燃料改質装置10に供給して燃料改質装置10の運転を再開すると、トラブルなく改質反応を開始できた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の燃料電池発電システムは、バイパスラインを設置して脱硫器と燃焼用原燃料ガス供給ラインとの間に正負にかかわらず差圧が発生した際に、例えば脱硫器の内圧が高い場合は脱硫器からバイパスラインを通って原燃料ガスが燃焼用原燃料ガス供給ライン側へ移送されて差圧が解消され、脱硫器の内圧が負圧の場合は燃焼用原燃料ガス供給ライン側からバイパスラインを通って原燃料ガスが脱硫器へ移送されて差圧が解消されように構成されているので、また、
システム起動後は燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、あるいはさらに同内圧の時間変分(ΔP/Δt)が正になった時に燃料電池に改質ガスを供給する改質ガス供給ラインに備えた改質ガス開閉弁を開けることにより、原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧がなくなるように制御するので、
燃料電池発電システムの起動時に負圧になった脱硫器へ原燃料ガス供給ラインから多量の炭化水素系原燃料ガスが急激に流入してマイコンメーターが異常を検知して炭化水素系原燃料ガスの供給を停止させたり、改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を燃料改質装置の燃焼部へ供給して燃焼している炎が消えて失火したりする問題を安全に解消できるとともに、燃料電池発電システムの停止時に高圧になっている燃料改質装置から炭化水素系原燃料ガスが脱硫ガス供給ラインへ逆流してシステム制御系のマイコンに異常が発生したりするなどの問題を解消でき、燃料電池を含む周辺機器の損傷を防止できるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の燃料電池発電システムの1例を模式的に説明する説明図である。
【図2】脱硫器の内圧と温度との関係を示すグラフである。
【図3】燃料改質装置の内圧と温度との関係を示すグラフである。
【図4】従来の燃料電池発電システムを模式的に説明する説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1A、1 燃料電池発電システム
2 原燃料ガス開閉弁
3 原燃料ガス供給ライン
4 脱硫器
5 脱硫燃料ガス開閉弁
6 脱硫ガス供給ライン
8 気化器
10 燃料改質装置
11 改質ガス開閉弁
12 改質ガス供給ライン
13 燃料電池
14 分岐部
15 燃焼部(バーナ)
16 燃焼用原燃料ガス供給ライン
30 バイパスライン
31 レギュレータ
32 電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原燃料ガス開閉弁を備えた原燃料ガス供給ラインを経て燃料ガスを供給して脱硫する脱硫器と、この脱硫器で脱硫した脱硫燃料ガスを脱硫燃料ガス開閉弁を備えた脱硫ガス供給ラインを経て供給して水素リッチな改質ガスに改質する燃料改質装置と、前記燃料改質装置で得られた改質ガスを改質ガス開閉弁を備えた改質ガス供給ラインを経て供給して、この改質ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記原燃料ガス開閉弁の下流において前記原燃料ガス供給ラインの分岐部から分岐して改質反応に必要な熱量を供給するために原燃料ガスの一部を前記燃料改質装置の燃焼部へ供給する燃焼用原燃料ガス供給ラインとを具備する燃料電池発電システムであって、
前記燃焼用原燃料ガス供給ラインと、前記原燃料ガス供給ラインとを連結するバイパスラインを設置し、前記脱硫器と前記燃焼用原燃料ガス供給ラインとの間に差圧が発生した際に、前記差圧により前記バイパスラインを通って原燃料ガスが移送されて前記差圧が解消されるように構成したことを特徴とする燃料電池発電システム。
【請求項2】
前記バイパスラインは前記燃焼用原燃料ガス供給ラインと、前記分岐部と前記脱硫器とを連結する前記原燃料ガス供給ラインとを連結することを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システム。
【請求項3】
前記バイパスラインに前記差圧および流量を調整するレギュレータを設置したことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の燃料電池発電システム。
【請求項4】
前記レギュレータは、20℃の窒素ガスを用い前記差圧が50kPa(ゲージ圧)の時、0.05〜20(ノルマルリットル/分)流れる特性を有することを特徴とする請求項3記載の燃料電池発電システム。
【請求項5】
前記バイパスラインに電磁弁を設置し、必要に応じて開閉できるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池発電システム。
【請求項6】
前記電磁弁の開閉は、前記燃料改質装置の燃焼部の温度が原燃料ガスの発火点以上で行うことを特徴とする請求項5記載の燃料電池発電システム。
【請求項7】
前記脱硫器の脱硫剤が少なくともゼオライト系脱硫剤を含む脱硫剤であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料電池発電システム。
【請求項8】
システム起動後、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、あるいはさらに同内圧の時間変分(ΔP/Δt)が正になった時に前記燃料電池に改質ガスを供給する前記改質ガス供給ラインに備えた前記改質ガス開閉弁を開けることにより、前記原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間に差圧がなくなるように制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料電池発電システムの起動方法。
【請求項9】
前記燃料改質装置は前記燃焼部で原燃料ガスを燃焼した後の排熱を利用して水を気化して水蒸気を発生する気化器を備え、前記原燃料ガス系、脱硫燃料ガス系、燃料改質装置系および燃料電池系の各装置間の差圧が−5kPa(ゲージ圧)〜+5kPa(ゲージ圧)となるように制御してから、前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給して改質を行うことを特徴とする請求項8記載の燃料電池発電システムの起動方法。
【請求項10】
前記制御は前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給するまで行い、前記燃料改質装置に前記水蒸気を供給後、前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上であれば前記改質ガス開閉弁を常に開放することを特徴とする請求項9記載の燃料電池発電システムの起動方法。
【請求項11】
前記燃料改質装置の内圧が0kPa(ゲージ圧)以上、かつ(前記脱硫器の内圧)≧(前記燃料改質装置の内圧)となった時に前記脱硫燃料ガス開閉弁を開けて脱硫燃料ガスを前記脱硫ガス供給ラインを経て前記燃料改質装置に供給することを特徴とする請求項8記載の燃料電池発電システムの起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−278119(P2006−278119A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94973(P2005−94973)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】