説明

燃料電池積重ね体用の二極セパレータ

波形要素によって連結された流体通過穴を備える2枚のシートによって境界を定められ、温度制御液体用の通過断面を備える、高分子膜燃料電池積重ね体用の二極セパレータであって、温度制御液体は、単一の一体化部品による隣接するセルからの熱の除去ならびにガスの加湿及び分配を達成して、積重ね体の組立及び水シールの簡略化を可能にする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池、特に、フィルタープレス構成で積重ね体に積層された、高分子膜燃料電池間の二極分離要素に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術において知られているように、燃料電池は、燃料と酸化剤との反応の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して、副生成物として水を生成する、電気化学発電装置である。様々な種類の既知の燃料電池の中で、高分子膜形は、最も低い温度、通常は70から100℃で動作するものであり、作動の容易さ及び安全性、材料の安定性、ならびに特に始動及び最終段階動作状態への到達における迅速さの点において、かなりな利点がある。この技術の工業的普及を遅らせた主要な問題の中で、最も重要なものの1つとして、単一セルによって生成されるエネルギーは、非常に限定された電圧(いずれの場合でも1V未満、通常は0.5から0.8Vの間)に対して比較的高い強度の直流電流として得られることがある。このような特性の理由は熱力学的特性によるものであり、したがってプロセスに固有のものであるが、このために、フィルタープレス(filter−press)型配設によって組み立てられる、ある数のセルを積重ね体に積層することが必要となる。工業的使用に提案された積重ね体は、したがって、数十の要素からなり、100個の単一セルを越えることもまれではなく、このために、構築許容誤差及び最終モジュールの締付けに関する明白な問題があることの他に、組立時間が最終コストに大きく影響するとともに、二極プレート、ガスケット、集電体(current collector)及び電気化学的構成要素、例えば電極及び膜などを含む、多数の部品で、各セルを構成することが必要となる。
【0003】
高分子膜燃料電池の構築上の複雑さは、燃料酸化と酸化剤還元の反応を高効率で進行させるのに必要な多数の機能によって課せられるものである。2種類の反応の起こる場所であり、一般的には貴金属に基づく適当な触媒を備える必要のある、電極を最適稼動させることの他に、重要な因子として、固体電解質として作用するとともに、イオンの流れとしての電流を移送する働きをする、イオン交換膜によって生じる。特に、最も一般的な場合には純粋又は混合剤としての水素からなる燃料の酸化によって生成される陽子を、膜厚を横断して、カソード側に移送する必要があり、そこでそれらの陽子は、やはり一般的には純粋又は混合剤としての酸素からなる酸化剤との反応によって消費される。
【0004】
現在市販されているイオン交換膜は、化学的安定のために過フッ素化(perfluorinated)されていることの多い、隠イオン官能基がそれに付着した高分子骨格(polymer backbone)からなり、この高分子骨格は、反応物によって生成される電場の影響下で、陽子の移動を可能にするのに十分なほどの弱さ程度ではあるが、陽子を結合させることができる。このような機構を有効にするために、言い換えると、膜イオン伝導度を十分にするためには、作動中に膜の高度な水和を維持する必要がある。実際的に関心のある動作条件のほとんどに対して、酸素とアノード側から来る陽子との反応によってカソードで生成される水は、そのような水和状態が常に維持されることを保証するには十分ではなく、セルに供給されるガス状の反応物の流れは、実際には、安定な蒸発に対して有利であり、それを何らかの方法で相殺しなければならない。適切な水分平衡を維持することは、セルの正確な温度制御を行うことをさらに意味し、このことが、平凡な解法のない別の問題を構成している。実際的に使用する電力生成の条件においては、実際に、システム不可逆性によって、関連する多大な量の熱が発生し、これを電池から効果的に取り除かなければならない。
【0005】
上述のような理由で、高分子膜燃料電池には、ガス状反応物の加湿のため、及び生成された熱の除去のための適当な装置を備えなくてはならない。このことは、市場が定める迅速で簡単な組立を特徴とするより小型のシステムの利用可能性に対する要求とは、明らかに矛盾している。
【0006】
従来技術による最初の膜電気化学発電機は、さらに煩雑な機械加工にかけられる、リブ付きグラファイトの構成要素で構築されたが、最近の技術解決策によって、より厚さの小さい、より好都合な機械的特性を有する金属材料の使用が可能である。
【0007】
それらは、例えば、米国特許第5578388号に記載されるように、プレート自体といわゆる電気化学パッケージとの間の電気的導通を確保することに加えて、分配チャンバとしても作用する、適当な集電体を収納するのに適するフレーム形平面ガスケットに結合された、好ましくは金属二極プレートによって境界を定められた、セルの積重ね体の2つの区画、アノード及びカソード区画に、先に加湿された反応物を供給するように構成される。ここで前記電気化学パッケージは、イオン交換膜ガス拡散電極組立体からなっている。集電体は、金属製網状要素(metallic reticulated element)であり、これは電気接触を非局部化すること、及び膜電極組立体の全表面に沿って、対応するガス流を分布させることに有利に作用する。熱除去は、通常は、水の循環によるか、又は金属プレートの厚みの中に埋め込まれた、蛇行経路(serpentine)内の水又はその他の温度制御(thermostatting)流体を循環させることによって達成される。しかしながら、これには、精密な成形(moulding)操作によって得られるために製造が高価な、厚くて重いプレートの使用を必然的に伴う。代替方法として、同一の積層内で、様々なセルの境界を定める金属プレートの壁を通過して熱を交換することのできる水又はその他の冷却流体が横断する温度制御セルに対して、燃料電池を交互に配置する、積重ね体構成が提案されている。このようにして、はるかに薄いプレートを使用して、特に自動車応用、例えば、電気車両輸送に用途を定めた燃料電池に対して重要である、構造のほどほどの重量低減が達成できる。一方で、この解決策では、プレートの厚さ低減は、フィルタープレス構造に温度制御セルを追加することによって明らかに埋め合わせされるので、大きさの点では大幅な改善は得られない。
【0008】
したがって、異なる機能を最善の方法で統合して、未使用の体積を最小化し、重量を低減するとともに燃料電池積重ね体を小型化する目的で、いくつかのセル設計が提案されている。例えば、係属中の国際出願PCT/EP03/01207では、冷却流体を循環させる区域の外側の隔離板上に設けられる一連の開口を用いて、ガス状反応物を燃料電池に分配するために、温度制御セルの周辺部分を使用する方法が提案されている。
【0009】
水冷セルに対しては、係属中の国際出願PCT/EP03/06327に記載された、さらに進歩した設計では、やはり冷却領域の内側の、適当に調整された穴を通しての物質の交換が提案されており;言い換えると、冷却水の一部を燃料電池内部に侵入させて、in situでのガス加湿を実行すると同時に、燃料電池内部での部分的蒸発が理由で、さらに効果的な冷却を実行することが可能になる。熱除去効率の向上に加えて、これによって、全体システムが顕著に簡略化され、外部加湿ユニットの削除が可能となる。それにもかかわらず、上記の開示された2つの実施形態は、水シールの観点では、比較的複雑である。多数の積層要素を備えるフィルタープレス構造の製造における主要な問題の一つは、実際には、多数の弾性ガスケットを結合することからなり、これらのガスケットは、締付け荷重がかけられると、剛体構成要素の位置合わせ(及び間接的に電気接触を)を危うくしないように、均一な状態で圧縮するのと同時に、中でも水素などのいくつかが特に重要である、異なる流体のシールを確保しなければならない。
【0010】
ガスケット設計及び材料における着実な改善にもかかわらず、関連するシステムの信頼性を増大させるために、その数を最小化することが非常に重要である。国際出願PCT/EP03/01207及びPCT/EP03/06327に開示された知見は、例えば米国特許第5578388号の発明の2倍の量の、変らない量のガス‐液体シール及びガス‐ガスシールの明白な欠点を逆に提示している。このタイプの設計、及び一般に燃料電池と温度制御セルを交互配置するいずれの設計にも固有の別の欠点は、組立の複雑さからもたらされ、このような組立では、非常に多数の構成要素の積層が行われるが、これらの構成要素は、一定の順序で正確に配置し、完全に芯合わせしなくてはならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の制限を克服する、燃料電池積重ね体設計を提供することである。
【0012】
本発明の第2の目的は、所与の量の実装セルに対して、最小量の積層構成要素及び関連する水シールを含む、高効率の燃料電池の積重ね体設計を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、冷却流体の内部循環、ガス状反応物のセルへの分配、及び後者又はそれらの一方だけの加湿を任意選択で同時に達成する、燃料電池用の一体型セパレータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様の下では、本発明は、その少なくとも一方に流体通過穴が設けられている、カソードシート及びアノードシートによって画定された二極セパレータからなり、前記シート同士は、冷却流体の通路部分を画定するように、導電波形要素を介して溶接又は冶金学的に接合されている。
【0015】
第2の態様の下では、本発明は、フィルタープレス配列として配置され、かつ、異なる実施形態において、1つ又は複数の機能、とりわけセルの温度調整、反応物の分配及び加湿を追加の温度制御セルに頼ることなく実行する、一体型導電要素によって隔離された、燃料電池の積重ね体からなる。
【0016】
本発明のセパレータは、フィルタープレス型二極配設において、カソードシート及びアノードシートとして作用するのにそれぞれ適当な、2枚の導電シートによって境界を定められ、その少なくとも1つには、流体通過穴が設けられている。2枚の導電シートは、間に挿入された導電要素を介して互いに溶接するか、又はその他の方法で固定されており、その導電要素の幾何学形状は、好ましい一実施形態においては、温度制御流体、好ましくは液体状態の水を通過させるためのチャネルの形成を決定するために、波形タイプである。この文脈における、波形要素(corrugated element)とは、突起と窪みを形成するように、波状又はその他に成形された断面形状を有する、例えば平面シートから得られる、汎用要素を意図しており、前記突起及び窪みは、セパレータの境界を定める一方又は他方のシートに、交互に溶接されるか、又はその他の方法で固定されている。この波形要素は、機械的にアノードシート及びカソードシートを隣接させること、及びそれらの間の電気的導通を確保することの2つの目的を有する。波形要素は、例えば2つの反対側面に対応して、セパレータの周辺部分上だけにあってもよく、又はシートの全表面に沿って配置してもよい。後者の場合には、波形導電要素は、冷却流体、好ましくは液状水の循環に使用することのできるチャネルを画定するのが有利である。波形要素がセパレータの周辺領域、通常はセルの活性領域の外側にのみ存在する場合には、内側部分は、冷却流体の循環に使用するのに適した網状材料で充填するのが有利である。網状材料としては、有利には、金属発泡体又は金属メッシュ、展伸シート(expanded sheet)、焼結多孔質材料、またそれらの相互の組合せ又は並置を使用することができるが、本発明の範囲から逸脱することなく、その他の種類の網状材料を使用することもできる。
【0017】
上述のように、セパレータの境界を定める一方又は両方のシートには、流体通過穴が設けられており、この文脈において、流体通過穴とは、対応するシートの主表面上に設けられた、液体又はガスが横断するのに適した、任意の形状又は断面の貫通開口を意図している。特に好ましい一実施形態においては、シートの両方に、好ましくは周辺領域に沿って配置された、ガス供給ダクトと連通する穴が設けられ、そのような穴は、PCT/EP03/01207に開示されているのと同様な方法で、ガス状反応物を隣接する燃料電池に供給するのに使用することができる。好ましくは、排出ダクトと連通する同等の穴を、排出反応物及び反応生成物を排出するのに使用する。
【0018】
好ましい一実施形態においては、冷却流体通過断面に対応して、好ましくは調整されたオリフィスの形態の流体通過穴が、セパレータの主表面の内側部分にある。この実施形態は、特に冷却流体が液状水である場合に、特に有利であり、その理由は、一方又は両方の隣接燃料電池に向かう、セパレータの内側から外側への前記冷却水の一部分の制御された通過によって、一方又は両方の反応物の加湿が決まり、PCT/EP03/06327に記載されているのと同様に、さらに蒸発による熱除去をもたらす。
【0019】
したがって、本発明は、PCT/EP03/01207及びPCT/EP03/06327の知見と同じ有利な特徴を示すが、燃料電池間に直接挿入された一体型セパレータを使用し、このセパレータは、温度制御セル及び個々に組み立てるべき関連構成要素を置換して、関係するガスケットを削除して、組立過程を根本的に容易化することによって、水シールシステムを簡略化する。
【0020】
迅速な組立品、及び構成要素位置合わせにおける誤り防止組立品をさらに有利にするために、本発明のセパレータには、カソードシート及びアノードシートの一方、又は好ましくは両方に溶接又は他の方法で固定される集電体及び/又はガスケットを、その外部に設けてもよい。そのようにして、積重ね体の組立は、活性された膜又は当該技術において知られている膜電極組立体からなる電気化学パッケージに加えて、可能な限り少数の部品によって、極端な場合には、一体型集電体及びガスケットを備えたセパレータだけを用いて達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、好ましい実施形態のいくつかを添付の図面を参照して開示するが、これらは単に例証を目的とするものであり、本発明の限定を構成しようとするものではない。
【0022】
図1の燃料電池積重ね体は、従来技術の最も普及している教示に従って構成されており、触媒を備える2つの面上で活性化されるイオン交換膜からなる電気化学パッケージ(2)を包囲する、二極シートの形態のセパレータ(1)によって、又は当技術分野で知られているイオン交換膜/ガス拡散電極組立体によって画定された、積層された単一の燃料電池(100)の並置を含む。電気化学パッケージ(2)は、電池を2つの区画、カソード及びアノードに分割している。セパレータ(1)と電気化学パッケージ(2)の間の電気的連続性は、適当な集電体(3)を挿入することによって確保され、それは、図示した場合には、例えばガス分配器としても作用する網状導電材料である。セルの水シールは、適当なガスケット(4)、通常は平面ガスケットによって確保される。セル(100)のそれぞれには、フィルタープレス型モジュール設計の技術において知られているように、図示されていない適当なダクトによって、それぞれのアノード区画及びカソード区画内にガス状反応物、燃料及び酸化剤が供給される。排出物及び反応生成物の排出は、同様に、収集ダクトを用いて実行される。この種の設計は、反応物の調整加湿(integrated humidification)は行わず、それは外部的に実行しなければならず、これに対して、セル温度調整は通常、やはり図示されていない、セパレータ(1)として作用するシート中に埋め込まれた、蛇行経路によって実行される。代替的に、温度制御セルは、同一のセパレータ(1)によって画定され、内部を液体冷却剤が横断する、燃料電池(100)同士の間に入れてもよく、この場合には、組立体及び水シールは、その特定の構成要素の追加によって明らかに複雑化したであろう。
【0023】
図2は、本発明のセパレータ(1)の2つの可能な実施形態を示しており、この両方の事例において、セパレータは、溶接スポット(6、9)又はその他の冶金学的接合の形態で固定された波形要素(8)によって連結された、カソード用1枚及びアノード用1枚のシート(5)によって画定されている。図の左側に示した事例においては、波形要素(8)は、カソードシートとアノードシート(5)を面全体に沿って連結し、有利には、図示されていない適当に接続された回路から供給される冷却流体が横断することのできる、蛇行チャネルの境界を定めている。図の右側に示す事例においては、波形要素は、セパレータ(1)の周辺部分、特にセルの活性領域の外側にのみ存在し、これに対して、内側部分における2枚のシート(5)によって境界を定められる収納部(recess)内には網状要素(10)が存在し、これを、図示されていない適当に接続された回路から供給される冷却流体が横断することができる。したがって、図示された実施形態の両方において、セパレータは隣接する燃料電池の温度調整を行うことができる。さらに、両方の変形体においては、セパレータ(1)の周辺領域に対応して、適当な穴(7)が存在し、これらは、図示されていない、前記周辺領域と連通する、ガス供給ダクトからのガス状反応物を、それぞれの隣接する燃料電池に供給するのに使用することができる。同様に、排出物及び反応生成物を、図示されていない外部排出ダクトの方向に排出のための、関連する穴(11)がある。このようにして、本発明のセパレータ(1)は、セルへのガス分配装置としての機能を実行し、そうでなければ利用不能スペースになると考えられる区域を利用する小型設計を可能にする。図1のセパレータ(1)の構成要素は、明らかに一定尺度では報告されていない。例えば、供給穴(7)及び排出穴(11)は通常はとても小さいものであり、図では、それらの機能をより分かりやすく説明するために、通常の状態に対して拡大してある。
【0024】
右側に図示した事例では、セパレータ(1)の内側と外側の間の連通穴は、調整されたオリフィス(7’)も備え、これらは、隣接する燃料電池に向かう冷却水の通過の制御を可能にする働きをする。この場合には、セパレータ(1)は、隣接セルの反応物を加湿する機能も実行し、前記セルからの熱除去は、さらに、同一セルの内側のオリフィス(7’)を通過する水の一部の蒸発によって、さらに増大する。
【0025】
図2におけるセパレータの異なる特徴は、臨時的に組み合わせたものであり、図示したものは、本発明の限定を構成するものではない。例えば、水を供給するための調整されたオリフィス(7’)は、左側の図面の場合のように、全表面に沿って存在する波形要素(8)に結合することもできたことである。
【0026】
図3は、集電体(3)及び燃料電池(100)のガスケット(4)の一体化を含む、図2のそれと等価な2つの実施形態を示す。このようにして、フィルタープレス構成の実現のために積層すべき構成要素の量は、最小値まで低減される。集電体(3)は、溶接、またスポット型の溶接、ハンダ付け又はその他の冶金学的接合によって、本発明のセパレータ(1)と一体化することができ、ガスケット(4)は、押縁、糊付け又はその他の当業者に知られているシステムによって一体化することができる。本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施形態の変形形態が明らかに可能である。例えば、一体化二極セパレータ(1)は、集電体(3)を備えるがガスケット(4)を備えないか、又はその逆でもよく、あるいはこれらの要素の一方又は両方を、両側又は片側のみに備えてもよい。
【0027】
当業者には明白であるように、本発明は、引用した実施例に対してその他の変更又は修正を加えて実施することもできる。
【0028】
したがって、前述の説明は、本発明を限定することを望むものではなく、本発明は、その範囲から逸脱することなく、異なる実施形態に従って使用してもよく、またその範囲は、添付のクレームによって一義的に定義される。
【0029】
本出願の前記説明及びクレームにおいて、「備える」という用語及びその変形形態、例えば「備えている」及び「備える(3人称主語)」などは、その他の要素又は追加の構成要素の存在を除外することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来技術による燃料電池積重ね体を示す図である。
【図2】本発明のセパレータの2つの実施形態を示す図である。
【図3】一体化ガスケット及び集電体を備える、本発明のセパレータの他の2つの実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードシート及びアノードシートを備え、前記シートの少なくとも1つには流体通過穴が設けられており、前記両シートは、少なくとも1つの波形導電要素を介して溶接又は冶金学的に接合されており、前記シートは冷却流体の通路部分を画定する、燃料電池積重ね体用の二極セパレータ。
【請求項2】
前記流体通過穴は、前記少なくとも1つのシートの1つ又は複数の周辺領域に配置された、ガス供給穴及び/又は排出穴である、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記流体通過穴は、前記冷却流体の流れを前記燃料電池に供給するための調整されたオリフィスを備える、請求項1又は2に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの波形導電要素は、前記カソードシート及びアノードシートに、前記セパレータの全表面に沿って全体的に隣接しており、前記冷却流体の通路部分は、前記波形導電要素の表面によって画定されたチャネルを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの波形導電要素は、前記カソードシート及びアノードシートに、前記セパレータの1つ又は複数の周辺領域でのみ隣接している、請求項1から3のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項6】
前記冷却流体の通路部分は、前記カソードシートと前記アノードシートの間に挿入された、少なくとも1つの網状要素を備える、請求項5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの網状要素は、電気伝導性であり、任意選択で金属要素である、請求項6に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導電網状要素は、金属発泡体、金属メッシュ、展伸シート及び焼結金属材料からなる群から選択される、請求項7に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記アノードシート及び前記カソードシートの少なくとも一方は、前記波形導電要素がそれに溶接又は冶金学的に接合されている側と反対側に固定された、シールガスケットを備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項10】
前記アノードシート及び前記カソードシートの少なくとも一方が、前記波形導電要素がそれに溶接又は冶金学的に接合されている側と反対側に溶接又は冶金学的に接合された、集電体を備える、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のセパレータ。
【請求項11】
前記集電体は、金属発泡体、金属メッシュ、展伸シート及び焼結金属材料からなる群から任意選択で選択される、導電網状要素である、請求項10に記載のセパレータ。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一項の少なくとも1つのセパレータを備える、燃料電池積重ね体。
【請求項13】
前記流体通過穴と連通する、少なくとも1つの供給ダクト又は排出ダクトを備える、請求項12に記載の積重ね体。
【請求項14】
添付の図面を参照して実質的に説明される、燃料電池積重ね体二極セパレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−507838(P2007−507838A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530056(P2006−530056)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010930
【国際公開番号】WO2005/031900
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(500500088)ヌベラ・フュエル・セルズ・ヨーロッパ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (11)
【Fターム(参考)】