説明

物品の分離供給装置

【課題】物品の分離供給装置に於いて細長い柱状の物品の分離性能の向上を図る。
【解決手段】上面に投入された細長い形状の物品群を外周側に誘導する中央円盤部(34)と、中央円盤部(34)の外周に沿うように位置し、且つ、前記誘導された物品(B)を起立姿勢で一個だけ収容し得る大きさの複数の縦孔(11)が周方向に所定ピッチで形成されている外周回転フランジ(1)と、縦孔(11)に収容されている物品(B)を下方から受け止める一方、該受け止めを解除することで前記物品を下方に落下させる物品受け手段(61)と、前記外周回転フランジ(1)の下側に連結固定された下方フランジ(4)と、を具備し、前記下方フランジ(1)には、縦孔(11)から落下する物品(B)を受け止めて所定の横倒し姿勢で収容し得る形状の上方開放のバケット部(44)が周方向に所定ピッチで形成されており、更に、前記バケット部(44)内の物品(B)を搬送装置に移し替える移替手段(7)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揃いな姿勢で投入された多数の菓子片等の物品を一個ずつ分離して後続の搬送装置等に供給する、物品の分離供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不揃いな姿勢で投入された菓子片等の物品を一個ずつ分離して後続の搬送装置に供給するものとして、例えば、図6に示す構造のものがある。このものは、分離ケース(10)を構成する扁平な外周筒(15)と、この内部に収容された扁平円錐状の遠心分離傘(34)と、該遠心分離傘(34)の外周に沿って位置する外周回転フランジ(1)を具備し、外周回転フランジ(1)の周囲には上下に貫通する物品収容孔(16)が形成されている。そして、一個ずつに分離された物品(B)(B)は、分離ケース(10)の外周近傍に配設された搬送装置(2)に供給されるようになっている。
【0003】
分離ケース(10)の外周部には、外周回転フランジ(1)に形成された物品収容孔(16)に物品(B)(B)を掻き込む為のブラシユニット(12)(12)が配設されている。
図7は、物品(B)(B)を搬送装置(2)に移し替える部分の断面図である。
分離ケース(10)に固定された底板(13)の外周部には、物品(B)を搬送装置(2)側に落下させる為の落下孔(13a)が開設されており、外周回転フランジ(1)に形成された物品収容孔(16)(16)が落下孔(13a)の上方域を順次通過するようになっている。
【0004】
又、分離された物品(B)(B)を下流の包装装置等(図示せず)に搬送する搬送装置(2)は、分離ケース(10)の底板(13)に開設された落下孔(13a)の下方域を通る物品走行板(21)を具備しており、物品走行板(21)に長手方向に形成されたスリット(22)には、搬送チェーン(23)に起立固定された移送棒(24)(24)が上下に貫通している。
このものでは、図示しない外部フィーダから遠心分離傘(34)上に投入された物品(B)(B)は、遠心分離傘(34)の遠心力で外周に移動し、更にブラシユニット(12)(12)で外周回転フランジ(1)の物品収容孔(16)(16)内に掻き込まれる。物品収容孔(16)(16)内の物品(B)(B)は、外周回転フランジ(1)の回転に伴い、分離ケース(10)の底板(13)に開設された落下孔(13a)の対向部まで移動する(図7参照)。そして、落下孔(13a)から搬送装置(2)上に落下し、これに設けられた移送棒(24)(24)で後続の包装装置等へ搬送される。
【特許文献1】特開平11−246033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のものでは、図6に示すような細長い柱状の物品(B)(B)を処理する場合には、これが破損したり、又、物品(B)(B)が装填されない空の物品収容孔(16)(16)が発生することがあり、物品(B)(B)の分離性能が悪いという問題があった。
【0006】
即ち、従来の分離供給装置で細長い柱状の物品(B)(B)を分離する場合には、横倒し姿勢の物品(B)の平面形状より一回り大きな形状の物品収容孔(16)が形成された外周回転フランジ(1)を具備する装置が用いられる。この場合、物品(B)の長さと太さの比率によっては、図6の装填不備部(a)に図示するように、2個の物品(B)(B)が起立姿勢で合体して共通の物品収容孔(16)に嵌まり込む場合があり、かかる場合は、物品(B)(B)の上部が物品収容孔(16)から上方へ突出する。すると、図7に示すように、物品収容孔(16)から突出した菓子片等の柔らかい物品(B)(B)の上部が、ブラシユニット(12)の回転ブラシ(120)に巻き込まれて破損する場合があり、後続の搬送装置(2)には、破損した物品(B)(B)が供給されてしまう恐れがある。又、起立姿勢で物品収容孔(16)内に嵌まり込んだ物品(B)の上部がブラシユニット(12)の回転によって上方に掻き上げられると、物品(B)が物品収容孔(16)から脱出してこれが空になる場合があり、かかる場合は、搬送装置(2)に物品(B)が供給されない。これらのことから、上記従来のものでは、細長い柱状の物品(B)(B)を処理する場合には、物品(B)(B)の分離性能が悪くなるのである。
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、細長い柱状の物品(B)の分離性能の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[請求項1に係る発明]
前記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『上面に投入された細長い形状の物品群を外周側に誘導する中央円盤部と、
前記中央円盤部の外周に沿うように位置し、且つ、前記誘導された物品を起立姿勢で一個だけ収容し得る大きさの複数の縦孔が周方向に所定ピッチで形成されている外周回転フランジと、
前記縦孔に収容されている物品を下方から受け止める一方、該受け止めを解除することで前記物品を下方に落下させる物品受け手段と、
前記外周回転フランジの下側に連結固定された下方フランジと、を具備し、
前記下方フランジには、前記各縦孔の下方に夫々位置し、且つ、前記縦孔から落下する物品を受け止めて所定の横倒し姿勢で収容し得る形状の上方開放のバケット部が周方向に所定ピッチで形成されており、
更に、前記横倒し姿勢の物品を収容した前記バケット部が下流の搬送装置側の移替位置まで移動したときに前記バケット部内の物品を前記搬送装置に移し替える移替手段が設けられている』ことである。
上記解決手段によれば、中央円盤部の上面に不揃いな姿勢で供給された物品群は、該中央円盤部で外周側に誘導されて移動する。そして、外周側に移動した物品は、これに続く外周回転フランジに形成された縦孔に落下する。この縦孔は、細長い形状の前記物品を起立姿勢で一個だけ収容し得る大きさに設定されているから、既述従来のもののように、二個の物品が起立姿勢で合体して嵌まり込むことがない。
【0008】
従って、外周回転フランジに形成された縦孔に物品を掻き込む既述回転ブラシのようなものが設けられている場合でも、縦孔に収容された菓子片等の柔らかい物品の上部が回転ブラシに巻き込まれて破損したり、又、回転ブラシで掻き出されてしまう不都合がない。
【0009】
そして、縦孔に一個の物品(起立姿勢にある)を収容した状態で外周回転フランジが回転すると、収容された前記物品は物品受け手段で下方から受け止められる。これにより、物品(B)が縦孔から落下するのが防止される。
【0010】
又、外周回転フランジとその下側に連結固定された下方フランジが一体的に回転すると共に、下方フランジに形成されたバケット部は前記縦孔の下方に位置している。
従って、その後、物品受け手段が物品の受け止めを解除すると、縦孔に収容された物品が下方のバケット部(下方フランジに形成されている)に落下する。各バケット部は、物品を所定の横倒し姿勢で収容し得る形状であるから、この横倒し姿勢で保持された物品がバケット部によって、搬送装置側の移替位置まで移送される。そして、該移替位置に到達したバケット部内の物品(横倒し姿勢にある)は、移替手段で搬送装置に移し替えられる。
【0011】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記物品受け手段は、
前記受け止める領域に於いて、前記外周回転フランジの縦孔配設域の下側に沿う態様で前記下方フランジの上方に位置する固定板である』ものでは、縦孔に起立姿勢で収容された物品は、前記受け止める領域では、前記固定板で下方から支持されて落下防止状態に保たれる。そして、物品を収容した縦孔が前記受け止める領域を通過し終えると、縦孔に固定板が対向しなくなる。これにより、縦孔内の物品が、その下の下方フランジに形成されたバケット部に落下して横倒し姿勢で収容・保持される。
【0012】
[請求項3に係る発明]
請求項1又は請求項2に係る発明に於いて、
『前記バケット部は、前記下方フランジの半径方向の外側に向けて開放しており、
前記移替手段は、前記バケット部内の物品を前記半径方向の外側に押し出して前記搬送装置に移し替える』ものでは、搬送装置の搬送面をバケット部の底部とほぼ同じ高さに構成し、バケット部内の物品を前記半径方向の外側に押し出すことにより、前記搬送面に移し替えることができる。
よって、前記バケット部に開閉自在な底蓋を設け、該底蓋を開放して物品を鉛直方向に落下させて搬送装置上に移し替える場合のように、バケット部の底部と搬送装置の搬送面の高低差が大きくならない。よって、物品が前記搬送装置上に衝撃的に落下することがなく、搬送装置への移し替えがスムーズになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1に係る発明によれば、外周回転フランジに形成された縦孔は、細長い形状の物品を起立姿勢で一個だけ収容し得る大きさに設定されているから、既述従来のもののように、二個の物品が起立姿勢で合体して共通の縦孔に嵌まり込むことがない。従って、外周回転フランジに形成された縦孔に物品を掻き込む既述回転ブラシのようなものが設けられている場合でも、縦孔に収容された菓子片等の柔らかい物品の上部が回転ブラシに巻き込まれて破損したり、又、回転ブラシで掻き出されてしまう不都合がない。よって、細長い柱状の物品の分離性能が向上する。
【0014】
また、請求項2に係る発明では、縦孔内の物品を下方から受ける物品受け手段が固定板で構成されている。従って、縦孔の下方開放部に開閉自在な底蓋を設ける場合のように可動部が無いから、構造の簡略化が図れる。
【0015】
請求項3に係る発明では、前述のように、下方フランジのバケット部に設けた開閉自在な底蓋を開放して物品を鉛直方向に落下させる場合と相違し、物品が衝撃的に落下することがないから、搬送装置への移し替えがスムーズになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る物品の分離供給装置は、分離ケース(6)に収容された扁平円錐形の遠心分離傘(34)(既述発明特定事項たる「中央円盤部」に対応する。)と、該遠心分離傘(34)に対して相対回転自在に外嵌する外周回転フランジ(1)と、該外周回転フランジ(1)の下部内周にボルト(41)(41)で結合された連結リング(42)と、該連結リング(42)にボルト(43)(43)で固定された円板状の下方フランジ(4)を備えている。前記分離ケース(6)等を支持する架台(5)には、下方フランジ(4)と遠心分離傘(34)を互いに独立して回転させる為の第1,第2モータ(51)(52)が配設されている。
以下、各部の詳細を説明する。
【0017】
[分離ケース(6)について]
図1,図2に示すように、分離ケース(6)は、その内部上方域に突出するブラシユニット(12)(12)を具備する構成で、各ブラシユニット(12)を構成する円柱状の回転ブラシ(120)は、外周筒(60)の上縁に開放する矩形状の切欠(64)を介して分離ケース(6)内に突出している。又、各回転ブラシ(120)はモータ(121)で駆動されると共に、上カバー(122)で覆われている。
【0018】
図1に示すように、分離ケース(6)の外周筒(60)の下端に張り出した外周フランジ(62)には、内周に張り出すリング状の固定板(61)がボルト(63)で固定されており、該固定板(61)は、請求項1の発明の発明特定事項たる「物品受け手段」に対応している。
【0019】
図1,図5(外周回転フランジ(1)部分を周方向に切断した図)に示すように、固定板(61)は、内周部が前記外周回転フランジ(1)と下方フランジ(4)の上下間に位置していると共に、外周回転フランジ(1)に開設された縦孔(11)(11)の移動域に対して下方から対向するように設けられている。又、固定板(61)の一部には、図2,図5に示すように、外周回転フランジ(1)の回転に伴って移動する各縦孔(11)(11)に下方から順次対向する落下孔(610)が開設されている。
【0020】
[遠心分離傘(34)について]
遠心分離傘(34)は、前記分離ケース(6)の外周筒(60)内にて、これと同心状に配設されていると共に、回転軸(31)の上端に対して固定ネジ(32)で締め付け固定されており、図1に示すように、回転軸(31)の下端近傍に固定された歯車(33)は、第2モータ(52)の回転軸に設けられた駆動歯車(520)に噛み合っている。従って、第2モータ(52)の回転力は、駆動歯車(520)→歯車(33)→回転軸(31)→遠心分離傘(34)の経路で伝達されて該遠心分離傘(34)が回転する。
【0021】
[外周回転フランジ(1)について]
遠心分離傘(34)の外周部には、該遠心分離傘(34)に対して外周回転フランジ(1)が相対回転自在に外嵌していると共に、該外周回転フランジ(1)には円形の縦孔(11)(11)が上下に貫通しており、該縦孔(11)の内径は、細長い円柱状の物品(B)(本実施の形態では菓子片)の直径より大きく且つ直径の2倍未満に設定されていると共に、前記内径は物品(B)の長さより短い寸法に設定されている。これにより、縦孔(11)は単一の物品(B)のみが起立姿勢で収容し得る形状になっている。又、前記縦孔(11)の深さは、本実施の形態では物品(B)の長さにほぼ一致する寸法に設定されている。
【0022】
又、外周回転フランジ(1)の下部内周にボルト(41)(41)で結合された連結リング(42)には、下方フランジ(4)がボルト(43)(43)で固定されていると共に、該下方フランジ(4)は、図1,図5に示すように、分離ケース(6)の底の固定板(61)より下方に位置している。
【0023】
下方フランジ(4)の外周部には、該下方フランジ(4)の半径方向外側と上方が開放した凹部(44)(44)が形成されており、該凹部(44)(44)は既述発明特定事項たる「バケット部」に対応している。この凹部(44)は、物品(B)の長さより若干大きな周方向寸法L1を有していると共に、半径方向寸法L2は物品(B)の直径より若干大きく設定されている。これにより、凹部(44)は、横倒し姿勢にある物品(B)を所定姿勢(下方フランジ(4)の周方向に長い姿勢)で収容し得る形状になっている。又、各凹部(44)は、外周回転フランジ(1)に形成された各縦孔(11)に対して下方から各別に対向する位置に形成されている。
【0024】
下方フランジ(4)の中心部に固定された中央ボス部材(45)は、既述回転軸(31)に回転自在に外嵌された筒軸(46)に回り止め状態に外嵌されていると共に、該筒軸(46)の下部に回り止め状態に外嵌固定された歯車(47)は、第1モータ(51)の回転軸に設けられた駆動歯車(510)に噛み合っている。又、上記筒軸(46)は、架台(5)に設けられた筒状の軸受(53)で回転自在に支持されている。従って、第1モータ(51)の回転力は、駆動歯車(510)→歯車(47)→筒軸(46)→中央ボス部材(45)→下方フランジ(4)の経路で伝達され、該下方フランジ(4)がその上方の外周回転フランジ(1)と一体的に回転する。尚、下方フランジ(4)に比べて遠心分離傘(34)は高速回転するように構成されており、これにより、遠心分離傘(34)の遠心力で物品(B)(B)を外周の縦孔(11)(11)部に確実に誘導させることができる。
【0025】
又、図2に示すように、分離ケース(6)の外周筒(60)の底部に固定された固定板(61)に開設されている落下孔(610)から反時計方向(外周回転フランジ(1)の回転方向)にずれた位置には、下方フランジ(4)外周の凹部(44)内に収容された物品(B)を、下方フランジ(4)の半径方向の外側へ押し出して搬送装置(2)に移し替える為の「移替手段」たる押出ガイド(7)が設けられている。この押出ガイド(7)は、凹部(44)に収容された物品(B)に当接してこれを搬送装置(2)側に案内する傾斜辺(70)が先端に形成された矩形板であり、分離供給装置の固定部(図示せず)に適宜固定されている。
【0026】
又、前記落下孔(610)から押出ガイド(7)の上流側の近傍部に至る範囲には、下方フランジ(4)の各凹部(44)に収容された物品(B)が外側に脱落するのを防止する周側板(48)が、下方フランジ(4)の外周に沿う態様で配設されている。これにより、落下孔(610)から凹部(44)内に落下した物品(B)は、押出ガイド(7)の配設部に到達するまで凹部(44)から脱出することがない。
【0027】
[搬送装置(2)について]
図2、図4に示すように、下方フランジ(4)の凹部(44)から供給される物品(B)を受け取る搬送装置(2)は、下方フランジ(4)の外周の接線方向に延びる物品走行板(21)を具備している。この物品走行板(21)の上面である物品(B)の搬送面(25)は、下方フランジ(4)の上面に形成された凹部(44)の底面(440)と略同一高さ(搬送面(25)が底面(440)より若干低いか又は同一高さ)に位置している。これにより、凹部(44)内の物品(B)は押出ガイド(7)で水平方向に押し出されて、凹部(44)の底面(440)とほぼ同一高さの搬送面(25)にスライド移動する。よって、バケット部たる凹部(44)に開閉自在な底蓋を設け、該底蓋を開放して物品(B)を鉛直方向に落下させて搬送面(25)に移し替える場合と相違し、物品(B)が搬送面(25)に衝撃的に落下することがない。従って、搬送装置(2)への移し替えがスムーズになる。
又、物品走行板(21)に形成された長手方向の中央スリット(22)に対して上下に貫通する移送棒(24)(24)は、搬送チェーン(23)に所定ピッチで配設固定されている。
【0028】
[動作の説明]
次に、上記実施の形態に係る分離供給装置の動作を説明する。
図2,図3に於いて、遠心分離傘(34)及びこれに同心状に外嵌する外周回転フランジ(1)は反時計方向に回転していると共に、遠心分離傘(34)は外周回転フランジ(1)より高速回転している。これにより、図示しない外部フィーダから不揃いな姿勢で遠心分離傘(34)上に投入された物品(B)(B)は、該遠心分離傘(34)の遠心力で外周に移動される。そして、外周に移動された物品(B)(B)は、ブラシユニット(12)の回転ブラシ(120)によって外周回転フランジ(1)の縦孔(11)(11)に掻き入れられる。この場合、縦孔(11)の内径は、物品(B)の直径より大きく且つ直径の2倍未満の寸法に設定され、更に、前記内径は物品(B)の長さより短い寸法に設定されている。従って、縦孔(11)には単一の物品(B)のみが起立姿勢で収容される。よって、2個の物品(B)(B)が起立姿勢で合体して共通の縦孔(11)に嵌まり込む既述従来のものと相違し、菓子片等の柔らかい物品(B)(B)の上端突出部がブラシユニット(12)に巻き込まれて破損する心配がない。又、物品(B)(B)がブラシユニット(12)によって縦孔(11)から掻き出されて空の縦孔(11)が形成される心配も少ない。
【0029】
次に、図5に示すように、物品(B)が外周回転フランジ(1)の縦孔(11)に収容された状態で、その下方の固定板(61)の落下孔(610)部分まで移動すると、縦孔(11)内の物品(B)が落下孔(610)から下方フランジ(4)(外周回転フランジ(1)と一体回転している)に形成された凹部(44)内に落下し、これにより、下方フランジ(4)の周方向に長い横倒し姿勢で収容される。
【0030】
そして、横倒し姿勢の物品(B)を収容した凹部(44)が下方フランジ(4)の回転に伴って押出ガイド(7)の配設部まで移動すると、物品(B)が、押出ガイド(7)の先端の傾斜辺(70)に案内されて外側に移動する(図2参照)。これにより、物品(B)は、搬送装置(2)の移送棒(24)(24)間に押し出され、後続の包装措置(図示せず)等へ搬送される。
【0031】
[その他]
1.上記実施の形態では、下方フランジ(4)の外周に形成された凹部(44)内の物品を、押出ガイド(7)で搬送装置(2)に移し替えたが、凹部(44)の底部に開閉自在の底蓋を配設し、凹部(44)が搬送装置(2)に到達したときに前記底蓋を開放して物品(B)を凹部(44)から搬送装置(2)側へ落下させるものも、請求項1〜2の発明に含まれる。
【0032】
2.上記実施の形態では、分離ケース(6)の底部に連設された固定板(61)で、縦孔(11)内の物品(B)が下方に脱落するのを防止したが、各縦孔(11)の底部に開閉自在な底蓋を設け、縦孔(11)から下方フランジ(4)の凹部(44)に物品(B)を落下させるときには、上記底蓋を開放させる構成のものも請求項1の発明に含まれる。
【0033】
3.上記実施の形態では、遠心分離傘(34)を回転させることによって物品(B)(B)を外周へ移動させるようにした。これに対し、遠心分離傘(34)を小さな天頂角を有する円錐状にしたり、又、分離ケース(6)を全体的に傾斜させる構造にすれば、分離傘(34)を回転させなくても、物品(B)を外周側に誘導することは可能である。
【0034】
4.遠心分離傘(34)と外周回転フランジ(1)が結合されて一体回転する構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る分離供給装置の縦断面図
【図2】本発明の実施の形態に係る分離供給装置の一部切欠の斜視図
【図3】本発明の実施の形態に係る分離供給装置の一部切欠の平面図
【図4】本発明の実施の形態に係る分離供給装置に於ける搬送装置(2)の配設部の拡大図
【図5】外周回転フランジ(1)部分を周方向に切断した図
【図6】従来例の説明図
【図7】従来例の説明図
【符号の説明】
【0036】
(1)・・・外周回転フランジ
(4)・・・下方フランジ
(7)・・・押出ガイド
(11)・・・縦孔
(44)・・・凹部
(61)・・・固定板
(B)・・・物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に投入された細長い形状の物品群を外周側に誘導する中央円盤部と、
前記中央円盤部の外周に沿うように位置し、且つ、前記誘導された物品を起立姿勢で一個だけ収容し得る大きさの複数の縦孔が周方向に所定ピッチで形成されている外周回転フランジと、
前記縦孔に収容されている物品を下方から受け止める一方、該受け止めを解除することで前記物品を下方に落下させる物品受け手段と、
前記外周回転フランジの下側に連結固定された下方フランジと、を具備し、
前記下方フランジには、前記各縦孔の下方に夫々位置し、且つ、前記落下する物品を受け止めて所定の横倒し姿勢で収容し得る形状の上方開放のバケット部が周方向に所定ピッチで形成されており、
更に、前記横倒し姿勢の物品を収容した前記バケット部が下流の搬送装置側の移替位置まで移動したときに前記バケット部内の物品を前記搬送装置に移し替える移替手段が設けられている、物品の分離供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品の分離供給装置に於いて、
前記物品受け手段は、
前記受け止める領域に於いて、前記外周回転フランジの縦孔配設域の下側に沿う態様で前記下方フランジの上方に位置する固定板である、物品の分離供給装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の物品の分離供給装置に於いて、
前記バケット部は、前記下方フランジの半径方向の外側に向けて開放しており、
前記移替手段は、前記バケット部内の物品を前記半径方向の外側に押し出して前記搬送装置に移し替える、物品の分離供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−326659(P2007−326659A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157740(P2006−157740)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(390003654)テンチ機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】