説明

物品付台及びその台

【課題】 台への物品の収容し易さと、台に対する物品の安定性の両立を図る。
【解決手段】 本願発明に係る物品付台において、台2は、基体21と、基体から隆起し左右に伸びる中空の保持部22,22とを備え、保持部22の天板部23には、複数の開口部4…4が設けられ、保持部22の側壁部24には、開口部4に連続して開口する延設開口部5が設けられ、側壁部24において延設開口部5の左右を画する、左右の縁には、左右に伸びるフラップ6が設けられ、開口部4の夫々は、各物品1の一端を収容し且つ物品1の当該端部の断面よりも面積が小さく形成されており、物品1一端の一部分が、延設開口部5から外部へはみ出すものであり、当該はみ出し部分を上記フラップ6が押さえている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、物品付台及びその台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】実開昭53−51886号公報
【特許文献2】実開昭55−33294号公報
【0003】
紙片を基台として物品を載せるものについて、例えば、特許文献1や特許文献2に示すようなものが提案されている。
この特許文献1において、物品の一端を収容し保持する、複数の開口部(凹部3)を上面に備えた台(板材1)が示されている(特許文献1の第1a図〜第3b図)。
【0004】
具体的には、この特許文献1(図2)に示された開口部の夫々は、円筒状の物品(コップ形状容器)の断面形状に合わせて、平面視において円形に形成されている。
開口部へ収納した物品をぐらつかせず確実に保持するためには、開口部の内径を物品の外径に併せて形成しておく必要がある。
しかし、このように開口部内径と物品外径とをほぼ一致したものとすると、或いは製造時の誤差で開口部内径が物品外径よりも小さいものとなっていた場合、物品の挿入が円滑に行えず、台の形を崩したり、台を破損したりする危惧がある。
一方、円滑に物品を挿入するために、物品の外径よりも台の開口部の内径を大きいものとして余裕を持たせれば、物品の端部を無理なく挿入できるが、収容後の物品の安定が悪く、ぐらついたりする。
勿論、複数の物品を密に集合させるものとすれば、このような安定性の問題も払拭できるかもしれない。
しかし、開封した後は、物品がばらけてしまう危惧があり、例えば店頭で販売するものであれば、個々の物品を台から取り出し陳列棚に移すなどしなければならず、そのまま開封した台に入れて物品を放置することはできない。
【0005】
一方、特許文献2において、台紙(段ボールの矩形の紙片)の第2面4と第3面5とにて構成される隆起部に、平面視半円形の開口部(切欠部)を設けたものが示されている(図2)。この特許文献2の図2の台を見る限りにおいて、物品を収容した際、物品の半分を開口部内に収容し、物品の残りの半分を断面視円形を開口部(切欠部)から外部へはみ出せて収容することができそうであり、物品の挿入が円滑に行えるように考えられる。
しかし、物品の開口部からはみ出した部位は、何の規制も受けないため、極めて不安定である。従って、この特許文献2に示されたものにあっても、シュリンクされなければ、物品が台からばらけてしまう危惧がある。
また、従来この種の台は、PPやPETなどのプラスチックを主成分とするものが一般的であるが、廃棄時の環境対策を重視する観点から、このような素材を採用したものは好ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、物品を載せる台を紙製とし、円滑に、物品を載せることができ、更に、載せた後、物品を安定状態に保持することができる台を提供して、上記の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1発明は、複数の物品1…1と、当該複数の物品1…1を載せる紙製の台2とを備えた物品付台において、次の構成を採るものを提供する。
即ち、台2は、基体21と、基体から隆起し左右に伸びる1つ又は複数の保持部22とを備えるものである。保持部22は、天板部23と、天板部23に連設された側壁部24とを備えた、基体21上面を底部とする中空体である。天板部23は、複数の開口部4…4が設けられている。側壁部24は、保持部22の前部又は後部を形成するものであり、上記開口部4に連続して開口する延設開口部5が設けられている。側壁部24において延設開口部5の左右を画する、左右の縁の少なくとも何れか一方には、当該左右の縁の他方に向かって伸びるフラップ6が設けられ、延設開口部5は、当該フラップ6にて閉ざされたものである。そして、開口部4の夫々は、各物品1の一端を収容し且つ物品1の当該端部の断面よりも面積が小さく形成されており、物品1一端の一部分が、延設開口部5から外部へはみ出すものであり、当該はみ出し部分を上記フラップ6が押さえている。
尚、紙製の台には、複合紙材製の台を含む。
【0008】
本願第2の発明では、上記の本願第1の発明にあって、開口部4の左右の最大幅が、延設開口部5の左右の幅よりも大きいことを特徴とする物品付台を提供する。
【0009】
本願第3の発明では、上記本願第1又は第2の発明にあって、次の構成を採る物品付台を提供する。
即ち、保持部22は、上記の天板部23と、前側壁部24aと後側壁部24bの2つの上記側壁部24,24と、開口する左右端部とを備え、左右方向を長手とする直方体であり、天板部23の開口部4…4の夫々は、平面視において天板部23が呈する長方形の長辺に沿って配列されたものである。天板部23の左右両端には、保持部22内部に伸びる端部フラップ7,7が延設され、端部フラップ7の先端は、保持部22内にて、底部に当接する。天板部23の開口部4…4のうち、少なくとも上記保持部22端部に隣接する開口部4,4について、当該開口部4を画する天板部の縁には、天板フラップ8が設けられ、天板フラップ8は、保持部22内部に伸び、保持部22内部にて物品1に沿う。更に、天板フラップ8は、保持部22内部にて端部フラップ7と当接することによって、端部フラップ7の先端が底部から離れて天板部23側に寄るのを防止している。
【0010】
本願第4の発明では、下記の構成を採る台を提供する。
即ち、この台は、1枚の紙片200から構成される。当該紙片200は、平面視矩形の基体片210と、基体片210の前後の少なくとも一端に第1折り目を以って延設された第1側壁部片241と、第1側壁部片241の基体片210と反対側の端部から第2折り目を以って延設された天板部片230と、天板部片230の第1側壁部片241と反対側の端部から第3折り目を以って延設された第2側壁部片242と、第2側壁部片242の天板部片230と反対側の端部から第4折り目を以って延設された糊代片250とを備える。天板部片230には、その表裏に貫通し且つ第2側壁部材242に接する開口部4…4が複数設けられている。第2側壁部片242は、間隔を開けて、天板部片230の第1側壁部片241と反対側の端部に設けられた複数の側壁部構成片243…243からなり、側壁部構成片243…243の夫々は、天板部片230の隣り合う開口部4…4の間を前方又は後方へ延長するものであり、且つ、隣り合う側壁部構成片231,231の間の間隔が、上記開口部230を前方又は後方に延長する。側壁部構成片231…231の夫々には、隣り合う側壁部構成片231を望む部位に、当該隣り合う側壁部構成片231へ向けて伸びるフラップ片60が延設されている。そして、第1折り目、第2折り目、第3折り目の夫々を谷折りにし、更に第4折り目を山折り又は谷折りにし、糊代片250を基体片210に糊付けすることによって、複数の開口部4…4を備えた天板部片230を天板部とし、第1側壁部片241及び第2側壁部片242を前後の側壁部24,24とし、基体片210を基体21として、当該基体21から隆起する保持部22を形成することができ、上記の隣り合う側壁部構成片243…243間の間隔を、天板部23に連続する延設開口部5とする。
【発明の効果】
【0011】
本願第1〜4の発明の実施にて、物品を載せる紙製の台であって、物品の台への載置を円滑に行え、更に、台に対して物品を安定した状態に保持できるものを提供し得た。
これによって、例えば、店頭に陳列する際、物品を台に載せたまま、陳列することができ、台から物品を取り出して陳列棚などに移す必要がない。
また、台を紙製とすることによって、環境に対し優しいものとした。
【0012】
特に、本願第2の発明にあっては、開口部の左右方向の最大幅を、延設開口部の左右方向の幅よりも大きいものとすることによって、開口部の内径と同径の物品を収納した際、延設開口部から脱落する危惧がない。
【0013】
更に、本願第3の発明にあっては、端部フラップを備え、当該端部フラップが保持部内にて、天部フラップの当接により、保持部の天板部と底部との間にて突っ張った状態を維持するものであるため、保持部において型崩れが生じ難い。
【0014】
本願第4の発明では、上記本願第1の発明に係る台として、より具体的な手段を提供した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。図1〜図7へ本願発明の一実施の形態を示す。
図1は、本願発明に係る物品付台の全体斜視図である。図2は、図1の物品付台の台1を構成する紙片の展開図である。図3及び図4は、図2の紙片の組み立て過程を示す展開図である。図5(A)〜(C)は、図2の紙片の組み立て過程を示す要部拡大斜視図である。図6は、図2へ示す紙片について、台として組み立てが完了した状態を示す斜視図である。図7は、図6に示す台に、物品1を収容する過程を示す斜視図である。
各図中、Fは前方を、Bは後方を、Lは左方を、Rは右方を、Uは上方を、Sは下方を、夫々示している。
【0016】
図1へ示すように、この物品付台100は、複数の物品1…1と、当該複数の物品1…1を載せる紙製の台2とを備える。
この実施の形態において、物品1…1として、洗顔フォームを収容したチューブを例に採って説明する。このチューブの口には、円筒状のキャップが嵌められている。この実施の形態において、このキャップが物品1の一端を構成しており、当該キャップ部分が、上記台2に保持される。
以下、上記台2について、更に詳しく説明する。
【0017】
図6へ示す通り、台2は、基体21と、基体21上面より上方へ隆起し且つ左右に伸びる2つの保持部22,22とを備える。
基体21は、前辺と、後辺と、左辺と、右辺とを備えた平面視矩形状の部材である。
保持部22の夫々は、天板部23と、天板部23に連設された側壁部24,24とを備えた、基体21上面を底部とする中空体である。
具体的には、保持部22の夫々は、上記の天板部23と、前側壁部24aと後側壁部24bの2つの上記側壁部24,24と、開口する左右端部とを備え、左右方向を長手とする直方体である。
【0018】
図6へ示すように、保持部22,22同士については、基体21上にて、一方の保持部22に対して、他方の保持部22が、間隔を開けて、平行に配列されている。以下、必要に応じて、前方F側に位置する保持部22を前保持部22aと、後方B側に位置する保持部22を後保持部22bと呼ぶ。
前保持部22aの前側壁部24aの下端は、平面視矩形を呈する基体21の前辺と一致し(基体21の前辺を前保持部22a正面の下端辺とし)、後保持部22bの後側壁部24bの下端は、基体21の後辺と一致する(基体21の後辺を後保持部22b背面の下端辺とする)。両保持部22a,22bの左右の幅は、基体21の左右の幅(前辺及び後辺の長さ)と一致する。即ち、両保持部22a,22bの左右両端の下端辺は、基体21の左辺及び右辺の一部である。
【0019】
保持部22,22夫々の天板部23には、複数の開口部4…4が設けられており、この複数の開口部4…4は、平面視において天板部23が呈する長方形の長辺に沿って(左右の方向へ)配列されている。
また、開口部4…4の夫々は、平面視において、弦を備えた円弧(一部が欠けた円)を呈する。この弦は、平面視長方形の天板部23の長辺の一部をなしている(開口部4が呈する円は、天板部23の長辺に掛かり、欠けたものとなっている)。この円弧の中心角は、180度より大きく(鈍角であり)、これにより、開口部4…4の直径(左右の最大幅w1)は、上記弦の長さより大きい。
この実施の形態において、前保持部22aの開口部4が呈する弦は、前保持部22aの平面視矩形状の天板部23の後辺の一部を構成する。また、後保持部22bが呈する弦は、後保持部22bの平面視矩形状の天板部23の前辺の一部を構成する。
【0020】
前保持部22aの後側壁部24bと、後保持部22bの前側壁部24aには、天板部23の上記開口部4に連続して開口する延設開口部5が設けられている。即ち、延設開口部5は、開口部4に繋がっている。
延設開口部5は、側壁部24の上端から下端にかけて設けられており、上下方向の各位置において、延設開口部5の左右の幅w2は、一定である。この延設開口部5の左右の幅w2は、上記開口部5が呈する弦の長さと等しい。
このため、図5(C)へ示すように、開口部4の左右の最大幅w1は、延設開口部5の左右の幅w2よりも大きい(言い換えると、延設開口部5の左右の幅w2は、開口部4の左右の最大幅w1より小さい)。
開口部4は、物品1の一端を収容するものであり、開口部4の内径(最大径)は、物品1の対応する箇所(この実施の形態においてチューブのキャップ)の外径と等しい。また、開口部4の夫々は、各物品1の一端を収容し且つ物品1の当該端部の断面よりも面積が小さく形成されている。従って、物品1を開口部1内へ収容することによって、物品1の端部(キャップ)の側部の一部が、延設開口部5から保持部22の外へはみ出す。しかし、上記の通り、延設開口部5の左右の幅w2は、開口部4の左右の幅w1より小さいため、延設開口部5から、物品1の端部全体が保持部22の外部へ脱落することはない。
【0021】
また、側壁部24において延設開口部5の左右を画する左右両縁には、当該左右の縁の他方に向かって伸びるフラップ6が設けられている。延設開口部5は、当該フラップ6にて閉ざされたものである。図6へ示す通り、対向する両フラップ6,6については、物品1を収容していない状態において、その先端同士が近接又は当接する。開口部4内に上記物品1を収容し、その一部(キャップ周面の一部)が延設開口部5からはみ出した際、図7へ示す通り、両フラップ6,6は、当該はみ出し部分を押さえつつ開く。即ち、両フラップ6,6は、物品1のはみ出し部分に押されて、観音開きとなるが、物品1との当接状態を維持する。このように、フラップ6,6は、紙片200が有する弾力性により、物品1を押さえ、物品1をより安定した状態に保持することができる。
【0022】
天板部23の左右両端には、保持部22内部に伸びる端部フラップ7,7が延設され、端部フラップ7の先端は、保持部22内にて、底部に当接する。
天板部23における当該開口部4…4を画する各縁には、天板フラップ8が設けられている。天板フラップ8は、保持部22内部に伸び、保持部22内部にて物品1に沿う。
上記保持部22の左右端部に隣接する開口部4,4の天板フラップ8,8は、当接部81を備え、当該当接部81にて、保持部22内部で、端部フラップ7と当接し、端部フラップ7の先端が底部から離れて天板部23側に寄るのを防止している。
【0023】
次に、上記の台2について、具体的に説明する。
図2へ示す通り、この実施の形態において、台2は、1枚の紙片200から構成される。紙片200には、ボール紙や他の厚紙を採用することができる。
当該紙片200は、図2へ示すように、平面視矩形の基体片210と、基体片210の前後の両端に第1折り目x1を以って延設された第1側壁部片241と、第1側壁部片241の基体片210と反対側の端部から第2折り目x2を以って延設された天板部片230と、天板部片230の第1側壁部片241と反対側の端部から第3折り目x3を以って延設された第2側壁部片242と、第2側壁部片242の天板部片230と反対側の端部から第4折り目x4を以って延設された糊代片250とを備える。上記の第1側壁部片241の前後の幅と第2側壁部片242の前後の幅とは、等しい。
【0024】
天板部片230には、その表裏に貫通し且つ第2側壁部材242に接する開口部4…4が複数設けられている。
第2側壁部片242は、間隔を開けて、天板部片230の第1側壁部片241と反対側の端部に設けられた複数の側壁部構成片243…243にて構成されている。
側壁部構成片243…243の夫々は、天板部片230の隣り合う開口部4…4の間を前方又は後方へ延長するものであり、且つ、隣り合う側壁部構成片231…231の間の間隔が、上記開口部230を前方又は後方に延長する。
【0025】
側壁部構成片243…243の夫々には、隣り合う側壁部構成片243を望む部位に、当該隣り合う側壁部構成片243へ向けて伸びるフラップ片60が延設されている。そして、第1折り目、第2折り目、第3折り目の夫々を谷折りにし、更に第4折り目を山折り又は谷折りにし、糊代片250を基体片210に糊付けすることによって、複数の開口部4…4を備えた天板部片230を天板部とし、第1側壁部片241及び第2側壁部片242を前後の側壁部24,24とし、基体片210を基体21として、当該基体21から隆起する保持部22を形成することができ、上記の隣り合う側壁部構成片243…243間の間隔を、天板部23に連続する延設開口部5とすることができる。
【0026】
上記の開口部5について詳述すると、天板部片230には、切り込み40が複数設けられており、開口部4を画している。切り込み40にて囲まれた部分は、天板フラップ片80を構成する。
上記の切り込み40は、円弧状の区間と、円弧の両端を繋ぐ弦区間とを備える。
正確には、切り込み40の円弧状の区間は、第2折り目x2に最も近接する部位設けられた第5折り目x5を挟んで、第5折り目x5の左右に形成された、2つの円弧区間40a,40aにて構成される。当該第5折り目x5にて、天板フラップ片80は、天板部片230と繋がっている。2つの円弧区間40a,40aは、同心に形成され、第5折り目x5と共に、上記円弧状の区間を構成している。
【0027】
また、上記の弦区間は、切り込み40の第2折り目x2と反対側にあって、上記の第3折り目x3,x3間に位置する。弦区間は、上記の通り、円弧の弦の部分を構成するのであるが、この実施の形態において、上記の弦区間は、直線区間40b,40b、迂回区間40cとにて構成されている。迂回区間40cは、第4折り目x4側へ寄った区間であり、平面視U字状に形成されている。
このため、第2側壁部片242,242のフラップ片60,60は、上記天板フラップ片80の迂回、即ち、天板フラップ片80の張り出しに対応して、第4折り目x4側へ後退する部分を備える。
上記の迂回区間49cは、天板フラップ片80の弦から突出する糊代用舌片82を象るものであり、上記両直線区間40b,40b間に、第6折り目x6を備える。
【0028】
天板部片230において、このような切り込み40にて囲まれたフラップ片80…80のうち、左右両端に位置する切り込み40には、折り目yが設けられている。
【0029】
例えば、列なす複数(この実施の形態において3個)の天板フラップ片80のうち、右端に位置する天板フラップ片80の折り目yは、当該天板フラップ片80の直線区間40b,40bのうち右側の直線区間40bの左端と、当該天板フラップ片80の第5折り目x5の右側に位置する円弧区間40aの中点と左端との間とを、結ぶ線である。この天板フラップ片80において、折り目yにより右側の部位が、当接部片810である。
一方、天板フラップ片80のうち、左端に位置する天板フラップ片80の折り目yは、当該天板フラップ片80の直線区間40b,40bのうち左側の直線区間40bの右端と、当該天板フラップ片80の第5折り目x5の左側に位置する円弧区間40aの中点と右端との間とを、結ぶ線である。この天板フラップ片80において、折り目yにより左側の部位が、当接部片810である。
各折り目yは、ミシン目その他の切れ込みとして形成され、これにて、当接部片810は、当接部81として、谷折りにし易いものとなっている。
【0030】
上記天板部片230の左右の両端には、第7折り目x7を介して、端部フラップ片70,70が延設されている。この端部フラップ片70の左右の幅(基端から先端の幅)は、第1及び第2側壁部片241,242の前後の幅と同じか若干長く形成されている。
上記の基体片210は、第8折り目x8を介して、その左右に、補強片211,211が延設されている。
【0031】
次に、この紙片200から台2を形成する手順について説明する。
図3へ示す通り、先ず、上記の端部フラップ片70,70は、第7折り目x7,x7にて谷折りにされ、基体片210に重ねられる。また、上記の補強片211,211の上面に接着剤が塗布され、この図3に示す通り、補強片211,211は、第8折り目x8にて谷折りにされ、基体片210に重ねられ、当該基体片210に糊付けされる。
【0032】
そして、上記糊付け面と反対側の面について、糊代片250,250と糊代用舌片82…82とに(図3において×印で示す位置に)、更に接着剤が塗布される。
接着剤の塗布後、第2折り目x2にて、天板部片230が、谷折りにされ、第1側壁部片241に重ねられる。このとき、接着剤にて、基体片210及び端部フラップ片70,70の、図3にて三角印で示す第1折り目x1寄りの位置に、糊代用舌片82…82が糊付けれ、同じく、図3にて三角印で示す、基体片210及び端部フラップ片70,70の上下について中央位置に、糊代片250,250が糊付けされる。
図4は、上記の糊付け後の台2の状態を示している。台2としては、この図4へ示す状態で完成する。
【0033】
次に、使用時の、上記の図4に示す台1の組み立ての手順について、説明する。
図5(A)は、図4の要部を斜視図として示すものであり、この図5(A)へ示す状態から第3折り目x3にて、天板部片230と第2側壁部片242とを山折りにし、且つ第2折り目x2にて第1側壁部片241から天板部片230を開いて起し、図5(B)へ示すように、基体片210(及び補強片211)から第2側壁部片242を折り起す。
図5(C)へ示す通り、上記にて、天板部片230に対し第2側壁部片242を、第1側壁部片241に対し天板部片230を、夫々ほぼ直角となるように起す。このとき、上記にて基体片210及び補強片211へ糊付けされた糊代用舌片82…82は、基体片210及び補強片211に残り、その結果、天板フラップ片80は、天板フラップ8として保持部22内部に入り込み、天板部片230に開口部4が形成される(開口する)。また、このとき、上記左右両端に位置する天板フラップ片80,80の当接部片810,810即ち、接部81,81が、その左右の端部フラップ片70,70を押圧して起す。各当接部片810は、端部フラップ片70の押圧にて、天板フラップ片80の他の部位に対し折り目yにて谷折りになり、より広い範囲で端部フラップ片70と当接し、端部フラップ片70(端部フラップ7)を押圧する。
このようにして、基体片210が基体21となり、また、第1側壁部片241と第2側壁部片242とが夫々前側壁部24aと後側壁部24bの何れかとなり、天板部片230が天板部23となって、保持部22が形成され、図6へ示す通り、台2として使用可能な状態となる。
【0034】
図8〜図10へ他の実施の形態を示す。図8はこの実施の形態の台2の展開平面図であり、図9は当該台2の組みたて後の斜視図であり、図9は当該台2へ物品1を収容する過程を示す斜視図である。
この図8〜図10に示す実施の形態について、図1〜図7に示す実施の形態との相違点を中心に説明する。従って、この図8〜図10へ示す実施の形態について、特に言及しない事項については、図1〜図7へ示す実施の形態と同様である。
図8へ示す通り、この台2を構成する紙片200において、天板フラップ片80を画する切れ込み40の弦区間は、図1〜図7へ示す実施の形態と異なり、迂回区間40cを備えない。即ち弦区間は、1本の直線区間として形成されている。このため、天板フラップ8…8(天板フラップ片80…80)の夫々は、上記の糊代用舌片82…82を備えない。従って、この実施の形態において、糊付けされるのは、補強片211,211と、糊代片250,250のみである。
【0035】
このため、紙片200を糊付けして、台2として組み立てた際、図9へ示す通り、天板フラップ片80…80は、そのまま天板部23のに残る。従って、図1〜図7へ示す実施の形態と異なり、台2組み立て時に、上記天板フラップ8の端部が、端部フラップ片70を押圧せず、組み立てが完了し保持部22,22が形成された時点において、保持部22,22の左右両端は、端部フラップ7が起されていない。
しかし、物品1を収容する際に、物品1に押圧されて、天板フラップ8が開口部8から保持部22の内部へ押し込まれる。このとき、天板フラップ8の左右何れかの端部が、端部フラップ片70を押圧し、図10へ示すように、端部フラップ7として起立させることができる。
【0036】
また、この図8〜図10に示す実施の形態では、図1〜図7へ示す実施の形態と異なり、天板フラップ片70は、上記の折り目yを備えない。但し、図1〜図7へ示す実施の形態と同様、折り目yを備えるものとして実施することができる(図示しない)。
この図8〜図10について、上述の各相違点以外の構成については、図1〜図7に示す実施の形態と同様である。
【0037】
また、上記の各実施の形態において、台2は、保持部22を2つ備えるものとしたが、この他、台2が保持部22を3つ或いは4つ備えるものとしても実施である。図11(A)は、保持部22を3つ備えた台2の略側面図であり、図11(B)は、保持部22を4つ備えた台2の略側面図である。
図1〜図10へ示す実施の形態との相違点を中心に、この図11に示す実施の形態について説明する。
図11(A)に示す台2は、図12へ示す紙片200を用いて形成することができる。この台紙200は、図2へ示す紙片200の後方B側に位置する第2側壁部片242と当該第2側壁部片242に隣接する糊代片250との間に、接続片260と、上記とは別に、第2側壁部片242と、天板部片230と、第1側壁部片241とを設けたものである。
詳しくは、後方B側に位置する第2側壁部片242の後方B側へ第9折り目x9を介して接続片260が延設され、当該接続片260の後方B側に、第10折り目x10を介して更に第2側壁部片242が延設され、当該別の第2側壁部片242の後方B側に更に天板部片230が延設され、当該天板部片230の後方B側に、更に第1側壁部片241が延設され、当該第1側壁部片241の後方B側に第11折り目x11を介して上記の糊代片250が延設されているのである。
【0038】
この図12へ示す紙片200から台2を形成する手順について、上記図2へ示す実施の形態との相違点を中心に説明する。
図12へ示す展開状態の紙片200の、上面に接着剤を塗布された補強片211,211と、全ての端部フラップ片70…70とを谷折りにして、基体片210及び天板部片230に重ねた後、糊代片250,250の上面、及び、上記接続片260の上面に接着剤を塗布する。そして、基体210の直前後の第1側壁部片214と天板部片230と第2側壁部片242とを折り起し、更に、この基体片210の後方側において、基体片210の直後方Bの第2側壁部片242より更に後方B側に設けられた、第2側壁部片242と第1側壁部片214と天板部片230とを折り起す。このとき、図12に示す状態を基準に、第9折り目x9を山折り目とし、同じく第10折り目x10を山折り目とし、第11折り目x11を谷折り目とする。
このような紙片200の組み立てによって、図11(A)へ示す通り、折り起された上記各第1側壁部片241…241及び各第2側壁部片242…242が、夫々、前後の側壁部24a,24bとなり、天板部片230が天板部23となり、基体片210が基体21となって、保持部22を3つ備えた台2が完成する。
【0039】
また、図11(B)へ示す実施の形態では、図13へ示す通り、上記図11(A)を形成する図12の紙片200において、基体片210の前方F側の第2側壁部片242と当該第2側壁部片242に隣接する糊代片250との間にも、基体片210の後方B側と同様の、接続片260と、上記とは別に、第2側壁部片242と、天板部片230と、第1側壁部片241とを設けたものである。この場合も、台2形成の手順は、基本的に、上記図11(A)の実施の形態と同様である。
図11(B)へ示す通り、組み立てにより、折り起された上記各第1側壁部片241…241及び各第2側壁部片242…242が、夫々、前後の側壁部24a,24bとなり、天板部片230が天板部23となり、基体片210が基体21となって、保持部22を4つ備えた台2が完成する。
上記の図11〜図13へ示す実施の形態についても、特に言及しない事項については、図1〜図10に示す実施の形態と同様である。
【0040】
図14〜図16へ、更に他の実施の形態を示す。
図8〜図10へ示す実施の形態では、図1〜図7に示す実施の形態の紙片200(天板フラップ片80)が持つ糊代用舌片82…82を備えず、台2を組み立てた際直ちに、天板フラップ片80が、開口部4…4から離脱するものではなかった。
この図14〜図15に示す実施の形態では、このように、天板フラップ片80に糊代用舌片82…82を設けないタイプのものにおいて、図1〜図7に示す実施の形態と同様、台2の組み立て時に、天板フラップ片80を開口部4…4から離脱させることができる。
【0041】
以下、図14〜図16へ示す実施の形態について、図8〜図10へ示す実施の形態との相違点を中心に説明する。
図14は、この台2を形成する紙片200の展開平面図であり、図15及び図16に、この紙片200を用いて台2を形成する手順を示す。
図14に示す通り、この紙片200は、図8へ示す紙片200の糊代片250,250の前後に、第12折り目x12を介して、副糊代片270を延設したものである。また、図8に示す紙片200では、補強片211,211の左右の幅(両補強片211,211の左右の幅の合計幅)は、基体片210の左右の幅よりも小さく、第8折り目x8,x8にて補強片211,211を基体片210に折り重ねても、基体片210の上面全体を覆うものではなかった。一方のこの図14〜図16へ示す実施の形態では、両補強片211,211の左右の幅の合計は、基体片210の左右の幅とほぼ等しく、図15へ示す通り、基体片210へ折り畳んだ際は、ほぼ基体片210の上面全体を覆う。このように形成することによって、折り畳んだ後の補強片211の先端と、基体片210との間に段差を生じさせず、それ以降の折り畳みや糊付け等の工程が行い易い。
【0042】
この図14の紙片200から、台2を形成の手順について説明する。
補強片211,211の上面と、図14へ×印で示す位置即ち天板フラップ片80…80とへ、接着剤を塗布する。そして、図15へ示す通り、補強片211,211を基体片210へ、また、各端部フラップ片70…70を天板部片230,230へ、更に、糊代片250を第2側壁部片242へ、夫々谷折りにすることによって、折り畳む。
上記において、糊代片250,250は、第4折り目x4,x4にて谷折りにされ、天板部片230,230へ重ねられ、このとき、天板フラップ片80…80は、塗布された接着剤により、副糊代片270(図14において三角印で示す位置)へ糊付けされる。
【0043】
上記の折り畳みの後、図15へ示す通り、折り畳まれた補強片211,211の上(図15の×印で示す位置)に、接着剤を塗布する。この接着剤の塗布位置は、前後方向F,Bについて、補強片211,211の、中央と前端との中間位置、中央と後端との中間位置であり、左右のほぼ全域に渡り、夫々直線的に塗布される。この補強片211,211への接着剤塗布後、第2折り目x2,x2にて、天板部片230,230を谷折りにして、図16へ示す通り、補強片211,211へ重ね合わせる。このとき、図15に三角印で示す位置、即ち、糊代片250が上記の接着剤によって、補強片211,211へ糊付けされる。
【0044】
以上にて、完成した台2は、図1〜図7へ示す実施の形態と同様の手順で、組み立てられ、台2として使用可能な状態となる。図示は省略するが、この組み立てに際して、上記図14〜図16へ示す実施の形態では、糊代片250,250に対して、第2側壁部片242を(第4折り目x4,x4を中心として)直角に起すと共に、第1側壁部片241,241を、基体片210(及び補強片211,211)に対して、第1折り目x1,x1を中心に直角に曲げ、同時に、…板部片230を第1側壁部片241,241から(第2折り目x2,x2を中心として)直角に起し、更に同時に、天板部片230,230を、第2側壁部242に対して、第3折り目x3,x3を中心として、直角に曲げる。図示はしないが、これにて、前後の側壁部24a,24bと天板部23を供えた保持部22,22が形成される。
【0045】
この実施の形態では、上記の組み立てにより、保持部22,22内部において、補強片211,211の上に糊付けされた糊代片250に対し、第12折り目x12,x12を中心として、副糊代片270,270が起される。この副糊代片270,270の起立によって、副糊代片270,270に糊付けされている天板フラップ片80…80は、天板部片230から離脱させられ、天板部23において、開口部4…4が開口するのである。
このような動作によって、糊代用下片82を備えない図14〜図16においても、図1〜図7に示す実施の形態と同様、組み立て時に、天板フラップ片80から開口部4を開放することができ、また、このとき天板フラップ片80に押圧されて、端部フラップ片70,70が、保持部22内にて起立する。
上記図14〜図16へ示す実施の形態についても、特に言及しない事項については、図1〜図10へ示す実施の形態と同様である。
【0046】
図17〜図21へ、更に他の実施の形態を示す。この実施の形態の紙片200は、図14〜図16へ示す実施の形態において、糊代片250,250の前後に延設していた副糊代片270,270を除き、その代わりに、図17へ示す通り、補強片211,211の前後に、副糊代片280…280を設けたものである。副糊代片280…280は、補強片211,211の前端又は後端において、補強片211,211の左右端寄りに設けられている。
また、この実施の形態では、図17へ示す通り、天板部片230から、天板フラップ片80を画する切り込み40の弦区間は、第3折り目x3と一致せず、第5折り目x5側に後退している。即ち、当該弦区間とフラップ片60,60との間には、間隔が開けられている。このように形成することによって、組み立ての際に、フラップ片60,60が、天板フラップ片80の弦区間に干渉せず、円滑な組み立てが行える。
【0047】
具体的には、天板部片230において、左右両端に位置する天板フラップ片80,80の切り込み40の弦区間は、全体が直線区間である。そして、天板部片230の右端に位置する天板フラップ片80の切り込み40において、弦区間は、右側よりも左側が、第5折り目x5側へ後退するように、斜めに配置されている。一方、天板部片230の左端に位置する天板フラップ片80の切り込み40において、弦区間は、左側よりも右側が、第5折り目x5側へ後退するように、斜めに配置されている。また、天板フラップ片80の中央に位置する天板フラップ片80の切り込み40において弦区間は、中央とその左右の、連続する3つの直線区間によって構成されている。この切り込み40において、左側の直線区間は、左側よりも右側が、第5折り目x5側へ後退するよう斜めに配置され、逆に右側の直線区間は、右側よりも左側が、第5折り目x5側へ後退するよう斜めに配置され、中央の直線区間は、左側の直線区間の右端と右側の直線区間の左端とを結ぶものであり且つ第5折り目x5に対して平行左右へに伸びている。
弦区間の形態については、上記に限定するものではなく、第3折り目x3と干渉しないものであれば、他の形状、例えば曲線を備えた区間として形成することもできる。
【0048】
以下図17に示す紙片200から、台2を形成する手順について説明する。
図17へ示す状態において、両補強片211,211の上面全体に接着剤を塗布する。そして、図18へ示す通り、第8折り目x8,x8にて、補強片211,211を、基体片210へ向けて谷折りにし、基体片210の上面へ補強片211,211を重ねて糊付けする。このとき、副糊代片280…280は、第1側壁部片241,241の上に重ねられる(糊付けはされない)。
その後、図19へ示す通り、第7折り目x7,x7にて、端部フラップ70…70を谷折りにして、天板部片230,230へ重ねる。また、糊代片250,250を第4折り目x4にて谷折りにし、第2側壁部片242,242へ重ねる。
この端部フラップ70…70及び糊代片250,250の折込みは、補強片211,211より先に行っても、同時に行ってもよい。
【0049】
図19へ示す通り、天板部片80…80の上、即ち、図19において×印で示す位置に接着剤を塗布する。また、上記にて折り込まれた糊代片250,250の上にも、その全体に接着剤を塗布する(糊代片250について、接着剤の塗布位置、及び、その張り合わせ位置の印は省略する)。
その後、図20へ示す通り、第2折り目x2,x2にて、上記の天板部片230,230を山折りにして、第1側壁部片241…241の上に重ねる。このとき、糊代片250,250が、上記補強片211,211の上に重ねられ、補強片211,211へ糊付けされる。また、同時に、上記の副糊代片280…280の上、即ち図19において三角印で示す位置に、天板フラップ片80…80が糊付けされる。以上にて、図20へ示す台2が完成する。
【0050】
使用時の台2の組み立ては、この図17〜図21へ示す実施の形態においても、上述の図14〜図16へ示す実施の形態と同様であり省略するが、組み立てにより、保持部22,22内において、上記副糊代片280…280が補強片211,211より起される。この副糊代片280…280の起立によって、当該副糊代280…280に糊付けされている天板フラップ片80…80が、図21へ示す通り、天板部片230より離脱し、開口部4…4が開口する。また、このとき、天板フラップ片80…,80に押圧されて、端部フラップ70…70も保持部22,22内にて起立する。
以上にて、台2が使用可能な状態となるのである。
【0051】
図22へ示す通り、図17に示す台において、図12に示す台と同様、保持部22を3列としてもよい。
具体的には、この台紙200は、図17へ示す紙片200の後方B側に位置する第2側壁部片242と当該第2側壁部片242に隣接する糊代片250との間に、接続片260と、上記とは別に、第2側壁部片242と、天板部片230と、第1側壁部片241とを設けたものである。
即ち、後方B側に位置する第2側壁部片242の後方B側へ第9折り目x9を介して接続片260が延設され、当該接続片260の後方B側に、第10折り目x10を介して更に第2側壁部片242が延設され、当該別の第2側壁部片242の後方B側に更に天板部片230が延設され、当該天板部片230の後方B側に、更に第1側壁部片241が延設され、当該第1側壁部片241の後方B側に第11折り目x11を介して上記の糊代片250が延設されているのである。
この図22へ示す紙片200においても、補強片211,211の前後に、副糊代片280…280が設けられており、台形成時の、補強片211,211及び糊代片280…280の糊付けや折込みは、図18〜図21へ示す実施の形態と同様であり、この補強片211,211及び糊代片280…280の糊付けや折込み後の工程については、図12へ示す台紙と同様である。
尚、図示はしないが、図17へ示す台紙において、図13へ示す構成を採ることにより、保持部22を4列として実施することもできる。
【0052】
また、この台紙200から形成した台100は、一つの保持部22は、4つの開口部4…4を備える。この場合、保持部22の左右両端に位置する開口部4,4の構成については、図17に示す紙片200から形成した、図21に示す台において保持部22の左右両端に位置する開口部4,4と同様の構成を採り、当該左右両端の開口部4,4の間に位置する開口部4,4については、図21に示す台において保持部22の中央に位置する開口部4,4と同様の構成を採る。
この図22に示す台について、特に言及しなかった事項については、図12及び図17へ示す実施の形態と同様である。
【0053】
図23へ示す通り、上記各実施の形態の物品付台100を、段ボール箱といった梱包用箱300へ収容する場合、別途、平面視十字型に交差する紙板を、間仕切り301として梱包用箱300に挿入し、当該間仕切り301に仕切られた梱包用箱300の内部空間へ、物品付台100を収容するようにすればよい。このような間仕切り301を用いことにより、複数の物品付台100を上下に積み重ねて梱包する場合に、荷崩れを生じさせないために必要な強度を確保することができるからである。
例えば、間仕切り301にて隔された1区画に、上下2段に物品付台100を重ねて収容すれば、1つの梱包用箱300へ、8個の物品付台100を収容することができる。
【0054】
上記の各実施の形態において、開口部4は、被梱包物1の端部外形に対応して、平面視においてその輪郭を円形(円弧)としたが、輪郭を多角形とするものであっても実施可能である。また、開口部4を上記の通り円形とした場合であっても、多角形の輪郭を備えた物品1を収容するものとして実施することができる。即ち、上記開口部4の夫々は、各物品1の一端を収容し且つ物品1の当該端部の断面よりも面積が小さく形成されており、物品1一端の一部分が、延設開口部5から外部へはみ出すものであれば、上記の開口部4…4の輪郭や物品1…1の輪郭は、変更することができる。
【0055】
1つの保持部22が備える開口部4…4は、3個や4個に限定するものではなく、2個以下、或いは5個以上であっても実施可能であり、また、1つの台2が備える保持部22も、図示した2個や3個、4個に限定するものではなく、5個以上であっても実施可能である。
上記の各実施の形態において、台2は、物品2を載せるものを示したが、上下逆、即ち、台2は物品に載せられるものであっても実施可能である。
また、上記において、物品1…1は、洗顔フォームを収容したチューブとしたが、洗顔フォーム以外のものを収容したチューブであっても実施できる。更に、物品1…1として、このようなチューブに限定するものではなく、瓶などの他のボトル容器に実施することもできる。
また、上記の各実施の形態において、この物品付台は、物品と、台とのみにて構成されるものであった。この他、物品付台は、フィルムでシュリンクラップされたものであっても実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本願発明に係る物品付台の一実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す物品付台の台を構成する紙片の展開平面図である。
【図3】図2に示す紙片の一部を折り込んだ状態を示す平面図である。
【図4】図2に示す紙片を更に折り込んだ状態を示す平面図である。
【図5】(A)は図4に示す紙片の一部切欠拡大斜視図であり、(B)は(A)へ示す紙片の折起しの途中の状態を示す一部切欠拡大斜視図であり、(C)は(A)へ示す紙片の折起しの完了の状態(台を形成した状態)を示す部切欠拡大斜視図である。
【図6】図5(C)に示す紙片(台)の全体斜視図である。
【図7】図6に示す台に物品を収容する過程を示す斜視図である。
【図8】上記台の他の実施の形態に係る紙片の展開平面図である。
【図9】図8に示す紙片から形成した台2の斜視図である。
【図10】図9に示す台2へ、物品1を収容する過程を示す斜視図である。
【図11】(A)は他の実施の形態に係る台2の略側面図であり、(B)は更に他の実施の形態に係る台2の略側面図である。
【図12】図11(A)に示す実施の形態に係る台2を構成する紙片の展開平面図である。
【図13】図11(B)に示す実施の形態に係る台2を構成する紙片の展開平面図である。
【図14】更に他の実施の形態に係る台2を形成する紙片の展開平面図である。
【図15】図14に示す紙片の一部を折り込んだ状態を示す平面図である。
【図16】図15に示す紙片の一部を更に折り込んだ状態を示す平面図である。
【図17】また更に、他の実施の形態に係る台2を形成する紙片の展開平面図である。
【図18】図17に示す紙片の一部をまた更に折り込んだ状態を示す平面図である。
【図19】図18に示す紙片の一部を更に折り込んだ状態を示す平面図である。
【図20】図19に示す紙片の一部を更にまた折り込んだ状態を示す説明図である。
【図21】図20に示す台2の組み立て後の斜視図である。
【図22】更に他の実施の形態の展開図である。
【図23】本願発明に係る物品付台を梱包用箱へ収容する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 物品
2 台
4 開口部
5 延設開口部
6 フラップ
7 端部フラップ
8 天板フラップ
21 (台2の)基体
22 (台2の)保持部
23 (保持部22の)天板部
24 (保持部22の)側壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品と、当該複数の物品を載せる紙製の台とを備えた物品付台において、
台は、基体と、基体から隆起し左右に伸びる1つ又は複数の保持部とを備えるものであり、
保持部は、天板部と、天板部に連設された側壁部とを備えた、基体上面を底部とする中空体であり、
天板部には、複数の開口部が設けられ、
側壁部は、保持部の前部又は後部を形成するものであり、上記開口部に連続して開口する延設開口部が設けられ、
側壁部において延設開口部の左右を画する、左右の縁の少なくとも何れか一方には、当該左右の縁の他方に向かって伸びるフラップが設けられ、延設開口部は、当該フラップにて閉ざされたものであり、
開口部の夫々は、各物品の一端を収容し且つ物品の当該端部の断面よりも面積が小さく形成されており、物品一端の一部分が、延設開口部から外部へはみ出すものであり、当該はみ出し部分を上記フラップが押さえていることを特徴とする物品付台。
【請求項2】
開口部の左右の最大幅は、延設開口部の左右の幅よりも大きいものであることを特徴とする請求項1記載の物品付台。
【請求項3】
保持部は、上記の天板部と、前側壁部と後側壁部の2つの上記側壁部と、開口する左右端部とを備え、左右方向を長手とする直方体であり、
天板部の開口部の夫々は、平面視において天板部が呈する長方形の長辺に沿って配列されたものであり、
天板部の左右両端には、保持部内部に伸びる端部フラップが延設され、
端部フラップの先端は、保持部内にて、底部に当接するものであり、
天板部の開口部のうち、少なくとも上記保持部端部に隣接する開口部について、当該開口部を画する天板部の縁には、天板フラップが設けられ、天板フラップは、保持部内部に伸び、保持部内部にて物品に沿うものであり、
更に、天板フラップは、保持部内部にて端部フラップと当接することによって、端部フラップの先端が底部から離れて天板部側に寄るのを防止していることを特徴とする請求項1又は2記載の物品付台。
【請求項4】
1枚の紙片から構成され、
当該紙片は、平面視矩形の基体片と、基体片の前後の少なくとも一端に第1折り目を以って延設された第1側壁部片と、第1側壁部片の基体片と反対側の端部から第2折り目を以って延設された天板部片と、天板部片の第1側壁部片と反対側の端部から第3折り目を以って延設された第2側壁部片と、第2側壁部片の天板部片と反対側の端部から第4折り目を以って延設された糊代片とを備え、
天板部片には、その表裏に貫通し且つ第2側壁部材に接する開口部が複数設けられ、
第2側壁部片は、間隔を開けて、天板部片の第1側壁部片と反対側の端部に設けられた複数の側壁部構成片からなり、側壁部構成片の夫々は、天板部片の隣り合う開口部の間を前方又は後方へ延長するものであり、且つ、隣り合う側壁部構成片の間の間隔が、上記開口部を前方又は後方に延長するものであり、側壁部構成片の夫々には、隣り合う側壁部構成片を望む部位に、当該隣り合う側壁部構成片へ向けて伸びるフラップ片が延設されたものであり、
第1折り目、第2折り目、第3折り目の夫々を谷折りにし、更に第4折り目を山折り又は谷折りにし、糊代片を基体片に糊付けすることによって、複数の開口部を備えた天板部片を天板部とし、第1側壁部片及び第2側壁部片を前後の側壁部とし、基体片を基体として、当該基体から隆起する保持部を形成することができ、上記の隣り合う側壁部構成片間の間隔を、天板部に連続する延設開口部とするものであることを特徴とする台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−179369(P2008−179369A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12188(P2007−12188)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000237846)富士包装紙器株式会社 (10)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】