説明

物品収容箱

【課題】収容箱本体に収容する内容物の重量が大きくなっても、内容物が収容箱本体から脱落することがない物品収容箱を提供する。
【解決手段】この物品収容箱1は、ウイスキーの原酒が充填されたミニチュア瓶MBを収容した状態で、ウイスキーが充填された瓶容器Bの首部nに取り付けるようになっており、プラスチックシートによって形成されたブランクシートから組み立てられている。この物品収容箱1は、ミニチュア瓶MBを収容する収容箱本体2と、収容箱本体2に連設された、瓶容器Bの首部nに引っ掛ける上側掛止片24及び下側掛止片25とから構成されており、下側掛止片25は収容箱本体2の胴部を形成している前面板11の下端縁に連設されている。従って、下側掛止片25が、収容箱本体2の下端開口部を閉塞している底フラップを下側から覆った状態で、瓶容器Bの首部nに支持されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ミニチュアボトル等の景品を収容してボトルの首部に取り付ける物品収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、瓶容器に収容されたウイスキー等のアルコール商品については、販売促進のために原酒を充填したミニチュア瓶等の景品を付ける場合があり、そういった場合は、図7に示すように、原酒の入ったミニチュア瓶等の景品をプラスチックシートによって形成された物品収容箱50内に収容し、この物品収容箱50を瓶容器Bの首nに掛けた状態で販売することになる。
【0003】
ところで、こういった従来の物品収容箱50は、図8に示すように、胴部の上端開口部及び下端開口部をそれぞれ開閉可能な蓋フラップ53及び底フラップ54を有する収容箱本体51と、この収容箱本体51に連設された、瓶容器Bの首部nに引っ掛ける、首掛け穴55aが形成された掛止片55とを備えており、掛止片55は、収容箱本体51の胴部を形成している後面板52の上端縁に折目線を介して連設されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−180684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように、収容箱本体51の底フラップ54が露出した状態になっている物品収容箱50では、収容箱本体51に収容する景品の重量が大きくなると、その重みで底フラップ54が開き、景品が収容箱本体51から脱落し易くなるといった問題がある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、収容箱本体に収容する内容物の重量が大きくなっても、内容物が収容箱本体から脱落することがない物品収容箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、ボトルの首部に取り付ける物品収容箱であって、胴部の上端開口部及び下端開口部をそれぞれ開閉可能な蓋フラップ及び底フラップを有する収容箱本体と、前記収容箱本体の前記胴部の上縁及び下縁にそれぞれ連設された、ボトルの首部に引っ掛ける上側掛止片及び下側掛止片とを備え、前記上側掛止片及び前記下側掛止片をボトルの首部に引っ掛けた状態では、前記下側掛止片が前記胴部の下端開口部を閉塞している前記底フラップを下側から覆うようになっていることを特徴とする物品収容箱を提供するものである。
【0008】
また、上記の課題を解決するため、請求項2にかかる発明は、ボトルの首部に取り付ける物品収容箱であって、胴部に上端開口部及び下端開口部を有する収容箱本体と、前記収容箱本体の前記胴部の上縁及び下縁にそれぞれ連設された、ボトルの首部に引っ掛ける上側掛止片及び下側掛止片とを備え、前記上側掛止片及び前記下側掛止片をボトルの首部に引っ掛けた状態では、前記下側掛止片が前記胴部の下端開口部を閉塞するようになっていることを特徴とする物品収容箱を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、請求項1にかかる発明の物品収容箱では、上側掛止片及び下側掛止片をボトルの首部に引っ掛けた状態では、下側掛止片が胴部の下端開口部を閉塞している底フラップを下側から覆うようになっているので、収容箱本体に収容される内容物の重量が大きくなっても、底フラップが開くことがなく、内容物が収容箱本体から脱落することがない。
【0010】
また、請求項2にかかる発明の物品収容箱では、上側掛止片及び下側掛止片をボトルの首部に引っ掛けた状態では、下側掛止片が胴部の下端開口部を閉塞するようになっているので、収容箱本体に収容される内容物の重量が大きくなっても、下端開口部が開放されることがなく、内容物が収容箱本体から脱落することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図3に示すように、この物品収容箱1は、ウイスキーの販売促進用の景品である、ウイスキーの原酒が充填されたミニチュア瓶MBを収容した状態で、ウイスキーが充填された瓶容器Bの首部nに取り付けるようになっており、図4に示すようなプラスチックシートによって形成されたブランクシート10から組み立てられている。なお、ブランクシート10を形成するためのプラスチックシートとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン等からなる厚さ0.1〜0.8mm程度のものを使用することができる。
【0012】
前記ブランクシート10は、図4に示すように、前面板11の一方の側端縁に折目線31、32を介して側面板12、後面板13が順次連設されており、前面板11の他方の側端縁には、折目線33、34を介して側面板14、接着代15が順次連設されている。
【0013】
前記前面板11の上端縁には、折目線35を介して蓋フラップ16が連設されており、後面板13の下端縁には、折目線37を介して底フラップ18が連設されている。なお、蓋フラップ16及び底フラップ18の先端縁には、折目線36、38を介して差込片17、19がそれぞれ連設されている。
【0014】
前記蓋フラップ16には、ミニチュア瓶MBの首部が挿入される穴16aが形成されており、底フラップ18には、舌片18aを切り起こすことによって、ミニチュア瓶MBの底部が一部嵌り込む嵌合穴が形成されると共に、起こした舌片18aによって、嵌合穴に嵌り込んだミニチュア瓶MBの底部が位置ずれし難いようになっている。
【0015】
前記側面板12、14の上端縁(下端縁)には、折目線39、41(折目線40、42)を介して内フラップ20、22(内フラップ21、23)がそれぞれ連設されており、内フラップ20には、蓋フラップ16に形成された穴16aに挿入されるミニチュア瓶MBの首部に沿うような湾曲凹部20aが形成されている。
【0016】
また、後面板13の上端縁には、折目線43を介して、略十字状の首掛け穴24aが形成された上側掛止片24が連設されており、前面板11の下端縁には、折目線44を介して、円形の首掛け穴25aが形成された下側掛止片25が連設されている。
【0017】
なお、上側掛止片24には、首掛け穴24aにおける内側に張り出した4箇所の張出部の基端部に折目線45がそれぞれ形成されており、下側掛止片25には、折目線38に略対応する位置に折目線46が形成されていると共に、折目線46の外側に、折目線46との間に所定の間隔を開けて平行に折目線47が形成されている。
【0018】
以上のように構成されたブランクシート10から、物品収容箱1を組み立てるには、折目線31、32、33、34で側面板12、後面板13、側面板14及び接着代15を順次折り曲げて、接着代15を後面板13の外面に接着することによって、収容箱本体2における角筒状の胴部を形成した後、続いて、内フラップ20、21、22、23を折目線39、40、41、42で内側に折り畳んだ状態で、底フラップ18及び蓋フラップ16を折目線37、35でそれぞれ内側に折り畳み、折目線38、36で折り曲げた差込片19、17を、前面板11及び後面板13の内面に沿わせるように、収容箱本体2の胴部に差込む。
【0019】
このようにして組み立てられた物品収容箱1は、底フラップ18に形成された舌片18aを起こして嵌合穴を形成すると共に、蓋フラップ16を開いて、底フラップ18に形成された嵌合穴に底部が一部嵌り込むように、ミニチュア瓶MBを収容し、その首部を穴16aに通しながら、蓋フラップ16を閉じると、図2に示すように、ミニチュア瓶MBが、その頭部を突き出した状態で、収容箱本体2に斜めに収容される。このとき、起こされた舌片18aの存在により、嵌合穴に嵌り込んだミニチュア瓶MBの底部が位置ずれし難いようになっている。
【0020】
このようにしてミニチュア瓶MBが収容された物品収容箱1は、ウイスキーが充填された瓶容器Bの首部nを首掛け穴24a、25aに通して、上側掛止片24及び下側掛止片25を瓶容器Bの首部nに引っ掛けることによって、図1に示すように、瓶容器Bの首部nに取り付ける。
【0021】
このとき、上側掛止片24に形成された首掛け穴24aにおける内側に張り出した4箇所の張出部が折目線45で上方側に折れ曲がり、その先端部が瓶容器Bのスクリューキャップに掛止されると共に、図1に示すように、下側掛止片25における折目線46、47間が上方に立ち上がることにより、収容箱本体2の底部より高い位置で、下側掛止片25が瓶容器Bの首部nに支持されるようになっている。
【0022】
なお、ミニチュア瓶MBを収容箱本体2に垂直に収容すると、ミニチュア瓶MBの頭部が瓶容器Bの頭部より高くなってしまうので、この物品収容箱1では、ミニチュア瓶MBの頭部が瓶容器Bの頭部より低くなるように、ミニチュア瓶MBを収容箱本体2に斜めに収容するようになっている。
【0023】
以上のように、この物品収容箱1では、前面板11の下端縁に連設されている下側掛止片25が、収容箱本体2の下端開口部を閉塞している底フラップ18を下側から覆った状態で、瓶容器Bの首部nに支持されるので、底フラップ18が開くことがなく、ミニチュア瓶MBが収容箱本体2から脱落することがない。
【0024】
なお、上述した実施形態では、原酒が充填されたミニチュア瓶MBを収容する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は種々の内容物を収容する場合に適用することができる。従って、蓋フラップ16に形成された穴16aや底フラップ18から切り起こされた舌片18aは、必ずしも、形成する必要はなく、必要に応じて適宜形成すればよい。
【0025】
また、上述した実施形態では、上側掛止片24が収容箱本体2の胴部を形成している後面板13の上端縁に連設されているが、これに限定されるものではなく、蓋フラップを後面板13の上端縁に連設すると共に、上側掛止片を前面板の上端縁に連設することも可能である。このように、上側掛止片を前面板の上端縁に連設しておくと、上側掛止片を瓶容器Bの首部nに引っ掛けた状態では、蓋フラップが上側掛止片によって覆われることになり、上側掛止片を瓶容器Bの首部nから外さないと、蓋フラップを開くことができなくなるので、店頭におけるいたずらを防止することができるという効果が得られる。
【0026】
図5及び図6は他の実施形態を示している。この物品収容箱1Aは、収容箱本体2Aにおける胴部の上端開口部及び下端開口部を上側掛止片24A及び下側掛止片25によって閉塞している点で、収容箱本体2における胴部の上端開口部及び下端開口部を蓋フラップ16及び底フラップ18によって閉塞している物品収容箱1とは異なっているが、それ以外の点は上述した物品収容箱1と同一構成を有しているので、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる構成要素について詳細に説明する。
【0027】
図6は、図5に示す物品収容箱1Aを組み立てるブランクシート10Aを示している。同図に示すように、このブランクシート10Aでは、後面板13の上端縁(下端縁)に上側掛止片(底フラップ)が連設されておらず、前面板11の上端縁(下端縁)に、折目線35(折目線44)を介して、上側掛止片24A(下側掛止片25)がそれぞれ連設されており、収容箱本体2Aの胴部を組み立てた状態で、図5に示すように、上側掛止片24A(下側掛止片25)を折目線35(折目線44)で折り曲げると、上側掛止片24A(下側掛止片25)の基端部領域によって、収容箱本体2Aの胴部の上端開口部(下端開口部)がそれぞれ閉塞されるようになっている。
【0028】
また、上側掛止片24A(下側掛止片25)には、先端側に係止部を有するロック片24b(ロック片25b)が切り起こし可能に形成されており、ロック片24b(ロック片25b)を上側掛止片24A(下側掛止片25)から起こして、それぞれの係止部を後面板13に形成されたスリット13a(スリット13b)に差し込むことにより、それぞれの係止部がスリット13a(スリット13b)の外側部分に係止され、上側掛止片24A(下側掛止片25)による収容箱本体2Aの胴部の上端開口部(下端開口部)の閉塞状態がロックされるようになっている。なお、この物品収容箱1Aでは、上側掛止片24Aに形成された首掛け穴24aは円形であり、内フラップ20も湾曲凹部を有しておらず、内フラップ22と同様の形状を有している。
【0029】
以上のように、この物品収容箱1Aでは、上側掛止片24A及び下側掛止片25をボトルの首部に引っ掛けた状態では、下側掛止片25が収容箱本体2Aにおける胴部の下端開口部を閉塞するようになっているので、収容箱本体2Aに収容される内容物の重量が大きくなっても、下端開口部が開放されることがなく、内容物が収容箱本体2Aから脱落することがない。
【0030】
なお、この物品収容箱1Aでは、収容箱本体2Aの上端開口部を上側掛止片24Aによって閉塞するようにしているが、これに限定されるものではなく、物品収容箱1と同様に、前面板11の上端縁に蓋フラップを連設すると共に後面板13の上端縁に上側掛止片を連設することにより、収容箱本体2Aの上端開口部を蓋フラップによって閉塞するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明にかかる物品収容箱の一実施形態の使用状態を示す側面図である。
【図2】同上の物品収容箱を示す斜視図である。
【図3】(a)は同上の物品収容箱を示す平面図、(b)は同上の物品収容箱を示す底面図である。
【図4】同上の物品収容箱を形成するのに使用されるブランクシートを示す平面図である。
【図5】他の実施形態である物品収容箱を示す斜視図である。
【図6】同上の物品収容箱を形成するのに使用されるブランクシートを示す平面図である。
【図7】従来の物品収容箱の一実施形態の使用状態を示す側面図である。
【図8】同上の物品収容箱を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1、1A 物品収容箱
2、2A 収容箱本体
10、10A ブランクシート
11 前面板
12 側面板
13 後面板
13a、13b スリット
14 側面板
15 接着代
16 蓋フラップ
16a 穴
17 差込片
18 底フラップ
18a 舌片
19 差込片
20、21、22、23 内フラップ
20a 湾曲凹部
24、24A 上側掛止片
24a 首掛け穴
24b ロック片
25 下側掛止片
25a 首掛け穴
25b ロック片
31〜47 折目線
B 瓶容器
n 首部
MB ミニチュア瓶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルの首部に取り付ける物品収容箱であって、
胴部の上端開口部及び下端開口部をそれぞれ開閉可能な蓋フラップ及び底フラップを有する収容箱本体と、
前記収容箱本体の前記胴部の上縁及び下縁にそれぞれ連設された、ボトルの首部に引っ掛ける上側掛止片及び下側掛止片とを備え、
前記上側掛止片及び前記下側掛止片をボトルの首部に引っ掛けた状態では、前記下側掛止片が前記胴部の下端開口部を閉塞している前記底フラップを下側から覆うようになっていることを特徴とする物品収容箱。
【請求項2】
ボトルの首部に取り付ける物品収容箱であって、
胴部に上端開口部及び下端開口部を有する収容箱本体と、
前記収容箱本体の前記胴部の上縁及び下縁にそれぞれ連設された、ボトルの首部に引っ掛ける上側掛止片及び下側掛止片とを備え、
前記上側掛止片及び前記下側掛止片をボトルの首部に引っ掛けた状態では、前記下側掛止片が前記胴部の下端開口部を閉塞するようになっていることを特徴とする物品収容箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−256625(P2006−256625A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72612(P2005−72612)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000202154)相互印刷紙器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】