説明

物品所在位置探索装置および物品所在位置探索システムならびに物品所在位置探索方法

【課題】タグ装置を装着した物品の現在位置を簡易な構成で確実に探索することを可能にした物品所在位置探索装置および物品所在位置探索システムならびに物品所在位置探索方法を提供する。
【解決手段】タグ装置141a,141b…を物品毎に装着し、各予定された複数の物品載置領域毎に対応して配設されるコイル121a,121b,…と所定の遅延要素122a,122b,…とが直列に交互に複数介挿された一本以上の探索導体120を用い、探索導体120に物品に問い合わせ情報の信号を送出してから該当するタグ装置141a,141b…からの応答が帰ってくるまでの時間差に基づいて当該一のタグ装置に対応する物品所在位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、倉庫や物品陳列棚等における物品の所在の有無ならびに所在位置を、該当する物品とその載置に適用される棚や段数等の区分との対応関係には特定の制約を設けることなく任意に載置された物品について探索することができる物品所在位置探索装置および物品所在位置探索システムならびに物品所在位置探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗や倉庫における商品の管理を容易且つ確実にリアルタイムで行うための商品管理システムが既に提案されている(特許文献1)。
特許文献1に開示の提案では、複数の区画に保管または陳列された商品に当該商品に固有の識別コードを有するRFIDタグを装着し、登録機を用いてこのRFIDタグに識別コードを書き込み、RFIDタグから発せられる信号をアンテナを有する読取機を備えた読取ユニットで受信するように構成されている。
【0003】
この読取ユニットにはそれらの各設置区画毎に個別のアドレスが設定される。これら各アドレスに対応する区画名を示す区画情報を所定の情報管理手段の記憶部に記憶させておく。また、店舗の従業員等が、登録機を使用して、入荷された商品の識別コードをRFIDタグに書き込み、識別コードが書き込まれたRFIDタグを商品に装着し、その商品を陳列棚(所定区画)に収納する。
【0004】
一方、識別コードに対応する商品の種類や値段等の商品情報を、上述の情報管理手段の記憶部に記憶させておく。
商品が陳列棚に収納されると、陳列棚に配設された読取ユニットによって商品のRFIDタグの識別コードが読み取られ、読み取られた識別コードは上述の情報管理手段に送信される。
【0005】
該送信された識別コードは、読取ユニットのアドレスとともに記憶部に記憶される。販売される等によって商品が無くなると、無くなった商品のRFIDタグの識別コードは陳列棚の読取ユニットで読み取られなくなる。すると、情報管理手段は、どの商品がいつどの読取ユニットで読み取られなくなったかを判断し、この判断結果が情報管理手段の表示部に表示される。商品管理者は、表示部の表示内容に基づいて、どの商品が、いつ、どの陳列棚から無くなったのかを把握し、現在の在庫状況を確認することができるといったものである。
以上のような商品管理システムよりも一層簡易な商品情報管理方法の提案もある(特許文献2)。
【0006】
この特許文献2に開示の提案では、各商品にその種類を含む商品情報が記録された無線タグを取り付け、陳列棚に陳列されたこれら商品の商品情報を無線タグリーダによって読み取り、商品の在庫管理等に用いる商品情報管理方法において、読取手段が取り付けられたヘッド部と、把持部と、摺接部とを有する無線タグリーダを用い、このような無線タグリーダを、その摺接部を前記陳列棚に当接させて陳列棚に沿って移動させつつ、読取手段により該当する無線タグの商品情報を読み取るようにするといった方法である。
【0007】
これにより、陳列棚から商品を取り出すことなく、陳列棚に沿って無線タグリーダを動かすだけで商品情報の収集をすることが可能になり、作業の能率が大幅に向上するとされている。
他方、上述の特許文献1および特許文献2等の技術において用いられているRFIDタグや無線タグのようなタグ装置は、多くは非接触タグ装置と通称されるものであり、近年、商品管理や部品の在庫管理等々広範囲に応用されるようになりつつある。
【0008】
非接触タグ装置としては、内部に電源を有さずIDタグ受信機本体からの電力送電を電源として作動するパッシブタグ装置と、内部に電源を備えたアクティブタグ装置とが存在する。このアクティブタグ装置は、パッシブタグ装置よりも通信距離が長いので、多種多様な範囲に適用できるというという特徴がある。
このアクティブタグ装置は、一般に電池を電源として使用しているため、電池交換の必要性や容量確保のためにアクティブタグ装置を軽量化しにくいといったような問題があり、更には、ある程度の防水性能が要求されるといった問題がある。
アクティブタグ装置における上述のような問題を解決する技術の提案もなされている(特許文献3)。
【0009】
この特許文献3に開示の提案では、アンテナ及び記憶素子を含む電子回路を搭載し、識別情報を保持する非接触アクティブタグ装置において、電源用コンデンサと、外部の充電器に内蔵する送電用誘導コイルからの電力を、電磁誘導作用により受電する受電用誘導コイルと、受電用誘導コイルからの電力を用いて電源用コンデンサを充電する充電制御回路とを有するといったものであり、通信時にアンテナで受信した搬送波が有するエネルギを電力に変化する電力変換手段を備え、この電力変換手段からの電力により電源用コンデンサを充電することも提案されている。
【特許文献1】特開2001−31218号公報(段落0005〜0010、図4)
【特許文献2】特開2004−280414号公報(段落0008、図2)
【特許文献3】特開2006−311169号公報(段落0002〜0014、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1における開示では、陳列棚に設定された各設置区画毎のアドレスを情報管理手段の記憶部に記憶させておき、また、読取ユニットによって読み取られた商品のRFIDタグの識別コードと上述のアドレスとを対応付けて記憶部に記憶させ、その後、陳列棚の特定の設置区画から商品のRFIDタグの識別コードが判読できるか否かに応じて、当該商品の在庫の有無を識別可能にするものである。
【0011】
しかしながら、当初から商品を指定して、当該商品の現在時点での所在を探索する目的に供する場合については別段の開示が無い。仮に、特許文献1に開示の技術において、陳列棚に設定された各設置区画毎のアドレスとそのアドレスに載置された商品のRFIDタグの識別コードとの対応関係のデータから、特定の商品に係るアドレスを認識しようとするならば、上述の対応関係のデータが常時更新されて、任意の時点で参照可能に準備され安定して保持されていることが不可欠である。
これは、任意の時点で商品を特定して、その所在位置を探索することを優先的な目的とするシステムとしては、構成が複雑であり、その運用にも慎重を期することが必要であり繁雑である。
【0012】
また一方、特許文献2に開示の技術は、装置としては簡易な構成であるが、商品に関する所望の情報を得るために必要とされる作業のうちの多くの部分を作業者が陳列棚に沿って無線タグリーダを動かすといった人為的作業で賄うことを前提とするものである。従って、陳列棚に置かれる程度の商品の管理に用いられるような比較的小規模な構成のものである場合はともかく、陳列棚自体が建築物の複数階にわたって配置されたり、或いは、一つの階のフロア面積が大きい場合のように管理対象の規模が大きい場合については作業者の負担が過度に重くなってしまうため適合し得ないことになる。
【0013】
他方、特許文献3に開示の技術は、非接触アクティブタグ装置に関して電池交換などの取り扱いの繁雑さを解消するものではあるが、これを適用して特定の物品の現在位置を探索するといった目的での構成を提案するものではない。
本発明は叙上のような状況に鑑みてなされたものであり、タグ装置を装着した物品の現在位置を簡易な構成で確実に探索することを可能にした物品所在位置探索装置および物品所在位置探索システムならびに物品所在位置探索方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)所定の情報端末装置と無線によって情報の授受を行い前記情報端末装置から送信された問い合わせ情報に応じて物品探索信号を発する中継装置と、
所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させる一本以上の探索導体と、
個々の前記物品に装着され前記探索導体に介挿されたコイルに近接して位置しているときに当該コイルに流れる探索信号電流によって生起する誘導電流によって起動し予め前記物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で前記中継装置に送信するタグ装置と、
前記中継装置による前記物品探索信号の発信時点から前記応答信号の前記中継装置への到達時点までの時間差に基づいて前記物品の所在位置を表す信号を生成し前記中継装置に供給する物品所在位置信号生成装置と、
を含んで構成されていることを特徴とする物品所在位置探索装置。
【0015】
上記(1)の物品所在位置探索装置では、無線通信によって物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの物品に関する問い合わせ情報に応じて中継装置から物品探索信号を発する。該発せられた物品探索信号は、所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿された一本以上の探索導体を遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。上記のコイルは、各物品載置位置毎に対応して配設される。
【0016】
一方、上記物品毎にタグ装置が装着されるが、このタグ装置には予め前記物品毎に対応して各個に情報が設定されている。
物品(従って、これに装着されたタグ装置)が上記コイルに近接した位置にあるときには、タグ装置は、当該コイルに流れる探索信号電流によって生起する誘導電流に応答して起動し上述のように予め設定されている情報を非接触で中継装置に送信する。
【0017】
物品所在位置信号生成装置が、中継装置による物品探索信号の発信時点から応答信号の中継装置への到達時点までの時間差に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置に供給する。
以上の構成において、該物品の所在位置を表す信号を受けた中継装置が、操作者が保有する上述の情報端末装置に向けて該物品の所在位置を表す信号を再発信したり、或いは、操作者の操作による情報端末装置からのアクセスに応じて該物品の所在位置を表す信号を情報端末装置側からアクセスして判読可能に保持することによって、操作者は所望の物品に係る所在位置を情報端末装置で認識可能になる。
【0018】
(2)前記物品所在位置信号生成装置は前記中継装置内に物品所在位置信号生成機能部として構成されていることを特徴とする(1)の物品所在位置探索装置。
上記(2)の物品所在位置探索装置では、(1)の物品所在位置探索装置において特に、探索導体に探索信号を送出し応答信号を受ける中継装置内に、この中継装置で授受する探索導体からの信号の送出から応答受信までの時間差に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成する物品所在位置信号生成装置が設けられているため、小型化が図られ、且つ、装置の設置や取り扱いも容易である。
【0019】
(3)前記コイルは、物品載置用構造体の各所定の物品載置位置毎に対応して配設されていることを特徴とする(1)の物品所在位置探索装置。
上記(3)の物品所在位置探索装置では、(1)の物品所在位置探索装置において特に、物品載置用構造体の各所定の物品載置位置毎に対応して配設されているコイルとタグ装置との間の信号の授受に基づいて不要な放射が極小である状態で確実にタグ装置が作動しこのタグ装置を装着した物品の位置を探索することができる。
【0020】
(4)前記探索導体は、物品載置用構造体の複数の物品載置段毎に各一本設けられ、且つ、前記各一本の探索導体は前記中継装置の各別の接続端から並列に導出されるように設けられていることを特徴とする(1)〜(3)の何れか一の物品所在位置探索装置。
上記(4)の物品所在位置探索装置では、(1)〜(3)の何れか一の物品所在位置探索装置において特に、中継装置の各別の接続端から並列に導出され、物品載置用構造体の複数の物品載置段毎に各一本設置されるように配設された探索導体によって、各段の物品所在位置に係る情報が並行して極めて速やかに収集され得る。
【0021】
(5)前記探索導体は、物品載置用構造体の複数の物品載置段毎に各一本設けられ、且つ、前記各一本の探索導体は前記中継装置の一対の接続端から並列に導出されるように設けられていることを特徴とする(1)〜(3)の何れか一の物品所在位置探索装置。
上記(5)の物品所在位置探索装置では、(1)〜(3)の何れか一の物品所在位置探索装置において特に、中継装置の一対の接続端から並列に導出され、物品載置用構造体の複数の物品載置段毎に各一本設置されるように配設された探索導体によって、各段の物品所在位置に係る情報が速やかに収集され得る。
【0022】
(6)前記探索導体は、前記中継装置から導出され物品載置用構造体の複数の物品載置段の各段を廻るように一本設けられていることを特徴とする(1)〜(3)の何れか一の物品所在位置探索装置。
上記(6)の物品所在位置探索装置では、(1)〜(3)の何れか一の物品所在位置探索装置において特に、中継装置から導出され物品載置用構造体の複数の物品載置段の各段を廻るように一本設けられている探索導体によって物品載置用構造体の複数の物品所在位置の情報が収集されるため、構成が簡素化される。
【0023】
(7)前記タグ装置は、対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を無線で前記中継装置に送信するように構成されていることを特徴とする(1)〜(6)の何れか一の物品所在位置探索装置。
上記(7)の物品所在位置探索装置では、(1)〜(6)の何れか一の物品所在位置探索装置において特に、タグ装置は、対応するコイルから受けた探索信号に応答して応答信号を無線で中継装置に送信するように構成されているため、各タグ装置からの応答信号の搬送およびタグ装置毎の各応答信号の識別が容易であり、中継装置や物品所在位置信号生成装置の構成が簡素化され得る。
【0024】
(8)前記タグ装置は、対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を前記コイルおよび前記探索導体を通して前記中継装置に送信するように構成されていることを特徴とする(1)〜(6)の何れかの物品所在位置探索装置。
上記(8)の物品所在位置探索装置では、(1)〜(5)の何れか一の物品所在位置探索装置において特に、タグ装置は、対応するコイルから受けた探索信号に応答して応答信号をコイルおよび探索導体を通して中継装置に送信するように構成されているため、非接触で信号の授受を行う部分を除いて、信号は全て探索導体を通して搬送されるため、不要な放射を発する虞が少なく、且つ、外部からのノイズの影響を受け難い。
【0025】
(9)前記タグ装置は、対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を前記コイルおよび前記探索導体を通して前記中継装置に送信するように構成され、且つ、前記探索導体は、前記中継装置側から順次直列に介挿された複数の前記コイルのうち最終の順位にあるコイルと前記中継装置との間の所定部が、前記探索信号を送出する往路導体部とは異なる復路導体部を成し、前記復路導体部には搬送される信号に対して前記物品載置用構造体の物品載置段を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路が介挿されていることを特徴とする(5)の物品所在位置探索装置。
【0026】
上記(9)の物品所在位置探索装置では、(5)の物品所在位置探索装置において特に、探索導体が、中継装置側から順次直列に介挿された複数のコイルのうち最終の順位にあるコイルと中継装置との間の所定部が、探索信号を送出する往路導体部とは異なる復路導体部を成し、復路導体部には搬送される信号に対して物品載置用構造体の物品載置段を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路が介挿されているため、各タグ装置からの応答信号が対応する複数の探索導体を通して中継装置に並列に搬送される場合であっても、段コード信号付与回路によって付与される段コード信号に基づいて各探索導体からの応答信号が記物品載置用構造体の何れの物品載置段からのものであるのかが的確に識別され得る。
従って、記物品載置用構造体の何れの物品載置段の物品についてもそれらの所在位置が的確に探索され、認識される。
【0027】
(10)前記タグ装置は、前記探索導体に介挿され対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を前記コイルおよび前記探索導体を通して前記中継装置に送信するように構成され、且つ、前記探索導体は、前記中継装置側から順次直列に介挿された複数の前記コイルのうち最初の順位にあるコイルと前記中継装置との間の所定部が、前記応答信号を搬送するための復路導体部とは異なるとは異なる往路導体部を成し、前記往路導体部には搬送される信号に対して前記物品載置用構造体の物品載置段を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路が介挿されていることを特徴とする(5)の物品所在位置探索装置。
【0028】
上記(10)の物品所在位置探索装置では、(5)の物品所在位置探索装置において特に、探索導体が、中継装置側から順次直列に介挿された複数のコイルのうち最初の順位にあるコイルと中継装置との間の所定部が、応答信号を搬送するための復路導体部とは異なるとは異なる往路導体部を成し、往路導体部には搬送される信号に対して物品載置用構造体の物品載置段を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路が介挿されているため、各タグ装置からの応答信号が対応する複数の探索導体を通して中継装置に並列に搬送される場合であっても、段コード信号付与回路によって付与される段コード信号に基づいて各探索導体からの応答信号が記物品載置用構造体の何れの物品載置段からのものであるのかが的確に識別され得る。
従って、記物品載置用構造体の何れの物品載置段の物品についてもそれらの所在位置が的確に探索され、認識される。
【0029】
(11)無線通信によって物品に関する情報の授受を行う情報端末装置と、
前記情報端末装置を含む外部装置と無線通信によって情報の授受を行い前記情報端末装置からの物品に関する問い合わせ情報に応じて物品探索信号を発する中継装置と、
所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させる一本以上の探索導体と、
個々の前記物品に装着され前記探索導体に介挿されたコイルに近接して位置しているときに当該コイルに流れる探索信号電流によって生起する誘導電流によって起動し予め前記物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で前記中継装置に送信するタグ装置と、
前記中継装置による前記物品探索信号の発信時点から前記応答信号の前記中継装置への到達時点までの時間差に基づいて前記物品の所在位置を表す信号を生成し前記中継装置に供給する物品所在位置信号生成装置と、
前記情報端末装置と前記中継装置との双方間の無線通信のために介在する基地局であって、前記情報端末装置から物品を特定する物品特定データを受信して自己の保有する参照用データに基づいて該受信した物品特定データに対応する前記タグ装置を特定するタグ装置特定コードを前記情報端末装置に提供するように構成された基地局と、を含んで構成され、
前記情報端末装置は、前記基地局から提供されたタグ装置特定コードを用いて該当する物品に係る所在位置の探索を行うように構成されていることを特徴とする物品所在位置探索システム。
【0030】
上記(11)の物品所在位置探索システムでは、無線通信によって物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの物品に関する問い合わせ情報に応じて中継装置から物品探索信号を発する。該発せられた物品探索信号は、所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿された一本以上の探索導体を遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。上記のコイルは、各物品載置位置毎に対応して配設される。
【0031】
一方、上記物品毎にタグ装置が装着されるが、このタグ装置には予め前記物品毎に対応して各個に情報が設定されている。
物品(従って、これに装着されたタグ装置)が上記コイルに近接した位置にあるときには、タグ装置は、当該コイルに流れる探索信号電流によって生起する誘導電流に応答して起動し上述のように予め設定されている情報を非接触で中継装置に送信する。
物品所在位置信号生成装置が、中継装置による物品探索信号の発信時点から応答信号の中継装置への到達時点までの時間差に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置に供給する。
【0032】
以上の構成において、情報端末装置と中継装置との双方間の無線通信のために介在する基地局が設置されている。この基地局は、情報端末装置から物品を特定する物品特定データを受信して自己の保有する参照用データに基づいて該受信した物品特定データに対応するタグ装置を特定するタグ装置特定コードを情報端末装置に提供する。
この提供を受けた情報端末装置側では、提供されたタグ装置特定コードを用いて該当する物品に係る所在位置の探索を行う。
【0033】
操作者が保有する上述の情報端末装置がタグ装置特定コードを用いて中継装置に対する問い合わせの発信と返答の受信を行うが、中継装置は探索導体に対する探索信号の発信と応答信号の受信によって物品所在位置信号生成装置が割り出す物品の所在位置を表す信号を得て、この物品の所在位置を表す信号を再発信したり、或いは、操作者の操作による情報端末装置からのアクセスに応じて該物品の所在位置を表す信号を情報端末装置側から判読可能に保持することによって、操作者は所望の物品に係る所在位置を情報端末装置で認識可能になる。
【0034】
基地局において、情報端末装置から物品を特定する物品特定データを受信して自己の保有する参照用データに基づいて該受信した物品特定データに対応するタグ装置を特定するタグ装置特定コードが情報端末装置に提供されるため、この情報端末装置を用いる操作者は、専ら所望の物品を特定する入力操作を行うだけで、その物品に対応するタグ装置の如何を意識することなく当該所望の物品に関する所在位置を知ることができる。
【0035】
(12)物品管理情報に係る受発信機能部を搭載したタグ装置を管理対象物品毎に装着し、物品の載置棚における各予定された複数の物品載置領域毎に対応して配設されるコイルと所定の遅延要素とが直列に交互に複数介挿された一本以上の探索導体を用い、前記探索導体に物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの無線通信による物品に関する問い合わせ情報に応動する中継装置から物品探索信号を送出し、前記探索導体に介挿された前記コイルのうち該当する一のものと前記タグ装置のうち該当する一のものとの相互間で確立する通信に基づいて該送出した物品探索信号に応答して、前記タグ装置から応答信号を発し、前記中継装置において前記物品探索信号の送出時点から前記応答信号の受信時点までの時間差に基づいて当該一のタグ装置に対応する物品所在位置を検出することを特徴とする物品所在位置探索方法。
【0036】
上記(12)の物品所在位置探索方法では、物品管理情報に係る受発信機能部を搭載したタグ装置を管理対象物品毎に装着し、物品の載置棚における各予定された複数の物品載置領域毎に対応して配設されるコイルと所定の遅延要素とが直列に交互に複数介挿された一本以上の探索導体を用い、前記探索導体に物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの無線通信による物品に関する問い合わせ情報に応動する中継装置から物品探索信号を送出し、前記探索導体に介挿された前記コイルのうち該当する一のものと前記タグ装置のうち該当する一のものとの相互間で確立する通信に基づいて該送出した物品探索信号に応答して、前記タグ装置から応答信号を発し、前記中継装置において前記物品探索信号の送出時点から前記応答信号の受信時点までの時間差に基づいて当該一のタグ装置に対応する物品所在位置を検出する。
【0037】
(13)前記タグ装置からの応答信号の前記中継装置への送信を非接触で行うことを特徴とする(12)の物品所在位置探索方法。
上記(13)の物品所在位置探索方法では、(12)の物品所在位置探索方法において特に、タグ装置からの応答信号の中継装置への送信を非接触で行うため、多数適用されるタグ装置と中継装置との間の信号の伝送に係る電気的接触の良否に影響され難い物品所在位置探索が可能になる。
【0038】
(14)所定の情報端末装置と無線によって情報の授受を行い前記情報端末装置から送信された問い合わせ情報に応じて物品探索信号を発する中継装置と、
所定の非接触センサおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させる一本以上の探索導体と、
個々の前記物品に装着され前記探索導体に介挿された非接触センサに近接して位置しているときに当該非接触センサによる検出信号に応答して予め前記物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で前記中継装置に送信するタグ装置と、
前記中継装置による前記物品探索信号の発信時点から前記応答信号の前記中継装置への到達時点までの時間差に基づいて前記物品の所在位置を表す信号を生成し前記中継装置に供給する物品所在位置信号生成装置と、
を含んで構成されていることを特徴とする物品所在位置探索装置。
【0039】
上記(14)の物品所在位置探索装置では、無線通信によって物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの物品に関する問い合わせ情報に応じて中継装置から物品探索信号を発する。該発せられた物品探索信号は、所定の非接触センサおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿された一本以上の探索導体を遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。上記の非接触センサは、各物品載置位置毎に対応して配設される。
【0040】
一方、上記物品毎にタグ装置が装着されるが、このタグ装置には予め前記物品毎に対応して各個に情報が設定されている。
物品(従って、これに装着されたタグ装置)が上記非接触センサに近接した位置にあるときには、タグ装置は、当該非接触センサによる検出信号に応答して上述のように予め設定されている情報を非接触で中継装置に送信する。
物品所在位置信号生成装置が、中継装置による物品探索信号の発信時点から応答信号の中継装置への到達時点までの時間差に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置に供給する。
【0041】
以上の構成において、該物品の所在位置を表す信号を受けた中継装置が、操作者が保有する上述の情報端末装置に向けて該物品の所在位置を表す信号を再発信したり、或いは、操作者の操作による情報端末装置からのアクセスに応じて該物品の所在位置を表す信号を情報端末装置側からアクセスして判読可能に保持することによって、操作者は所望の物品に係る所在位置を情報端末装置で認識可能になる。
【0042】
(15)前記非接触センサはアンテナによって自己との所定の相対位置の範囲内における前記物品の有無を検出するように構成されたものであることを特徴とする(14)の物品所在位置探索装置。
上記(15)の物品所在位置探索装置では、(14)の物品所在位置探索装置において特に、非接触センサはアンテナによって自己との所定の相対位置の範囲内における前記物品の有無を検出するように構成されたものを適用しているため、物品検出に際しての載置位置のばらつきに関する許容度を大きくとることが容易であり、物品を取り扱う作業者の負担を軽減することが可能である。
【0043】
(16)前記アンテナはパッチアンテナであることを特徴とする(15)の物品所在位置探索装置。
上記(16)の物品所在位置探索装置では、(15)の物品所在位置探索装置において特に、アンテナとしてパッチアンテナを適用しているため、小型で低消費電力であり且つ信頼性の高い物品所在位置探索装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する図においては、便宜上、説明の主題となる要部は適宜誇張し、要部以外については適宜簡略化し乃至省略されている。
図1は、本発明の実施の形態としての物品所在位置探索装置の構成例を表す図である。図1において、無線通信によって物品に関する情報の授受を行う携帯電話機またはPDA或いは無線送受信装置などであり得る情報端末装置101から、この情報端末装置101を用いての操作者の操作に応じて物品に関する問い合わせ情報が発せられる。
【0045】
この情報端末装置101からの物品に関する問い合わせ情報は、携帯電話機またはPDAの属する通信システムにおける基地局を経由して、或いは、無線通信装置の空中線から発せられる搬送波によって、例えば物品収納倉や倉庫等の物品収納用構造体に設置された物品載置棚等の一または複数の物品載置用構造体毎に設けられた中継装置110に送信されるように構成されている。
中継装置110は、上述のような物品に関する問い合わせ情報に応じて、例えば所定周波数の交流である物品探索信号を発する。
【0046】
該発せられた物品探索信号は、一本以上の例えばケーブルである探索導体120に供給される。この探索導体は、中継装置110(後に詳述するように中継装置110内に設けられた物品所在位置信号生成機能部)の所定の接続端に接続されたその始端から中継装置110の所定の入力端子に接続されたその終端に到る経路において、仕様を同じくする複数の各コイル121a,121b,…,121d,121e、および、仕様を同じくする例えば遅延線や或いは能動素子を含んで構成される遅延回路であり得る各遅延要素122a,122b,…,122dが交互に複数直列に介挿され、上述の物品探索信号は、この探索導体120を遅延要素122a,122b,…,122d毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。また、各コイル121a,121b,…,121d,121eは、後述するように物品載置用構造体の各物品載置位置毎に対応して配設されている。
【0047】
尚、これら各コイル121a,121b,…,121d,121e、および、各遅延要素122a,122b,…,122dの仕様や配列順位は、要請に応じて任意に選択して設計し、他部の仕様もこの選択に適合するように設計することが可能であるが、図示の例では、技術思想の説明の便宜のため、敢えて簡易的な構成を想定してある。
図1では、コイル121aが配設される物品載置位置に物品A131aが載置され、コイル121bが配設される物品載置位置に物品B131bが載置され、また、コイル121eが配設される物品載置位置に物品E131eが載置されているが、コイル121dが配設される物品載置位置には物品が載置されていない状態を想定している。
【0048】
各物品131a,131b,131e毎に、例えばRFID等のIDタグ装置であり得るタグ装置141a,141b,141eがそれぞれ装着されるが、これらの141a,141b,141eタグ装置には予め対応する物品131a,131b,131e毎の仕様等を表す情報がそれぞれ設定されている。
各物品131a,131b,131eが上述の物品載置位置に載置されている状態では、それら各物品131a,131b,131eに装着されたタグ装置141a,141b,141eが物品載置位置に対応する各コイル121a,121b,121eに近接して位置することになり、従って、タグ装置141a,141b,141eは、各コイル121a,121b,121eに流れる上述の探索信号電流によって生起する誘導電流に応答して起動し、上述のように予め各個のタグ装置141a,141b,141eに設定されている情報を非接触で中継装置110に送信する。
【0049】
コイル121dが配設される物品載置位置には物品が載置されていないため、当然ながら、対応するタグ装置は存在せず、従って、コイル121dからの信号に対する応答は発せられず、よって、コイル121dに対応する物品載置位置には物品が載置されていない状態が検出されることになる。
尚、図1の例では、タグ装置141a,141b,141eから中継装置110への非接触での通信は、各タグ装置141a,141b,141e(それらのアンテナ142a,142b,142e)から中継装置110(そのアンテナ111)に向けての無線通信によって行われる。
【0050】
中継装置110内には物品所在位置信号生成装置112をなす物品所在位置信号生成機能部が構成され、中継装置110による物品探索信号の発信時点から各タグ装置141a,141b,141eが発する応答信号の中継装置110への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置110(本例では、中継装置110内に設けられその動作を統括的に管理するシステムコントローラ113)に供給する。
【0051】
上述のようにして物品の所在位置を表す信号を受けた中継装置110が、操作者が保有する情報端末装置101に向けて、該当する物品(131a,131b,131e)の所在位置を表す信号を再発信したり、或いは、操作者の操作による情報端末装置101からのアクセスに応じて該物品の所在位置を表す信号を情報端末装置101側からアクセスして判読可能に保持することによって、操作者は所望の物品に係る所在位置を情報端末装置101で認識可能になる。
【0052】
特に、図1の構成例では、探索導体120に探索信号を送出し応答信号を受ける中継装置110内に、この中継装置110で授受する探索導体120からの信号の送出から応答受信までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成する物品所在位置信号生成装置112が設けられているため、小型化が図られ、且つ、装置の設置や取り扱いも容易である。
【0053】
また、物品載置用構造体(例えば、後述する図2ないし図4における物品載置棚200,300,400における各物品載置段)の各所定の物品載置位置毎に対応して配設されているコイルと上述のような各タグ装置との間の信号の授受に基づいて、不要な放射が極小である状態で、確実にタグ装置が作動し、このタグ装置を装着した物品の位置を探索することができる。
【0054】
図2は、本発明の物品所在位置探索装置に適用される探索導体の一つの配設例を表す図である。図2において、物品載置用構造体としての物品載置棚200は最下段の物品載置段201、中段の物品載置段202、および、最上段の物品載置段203の3段の物品載置段を有している。この物品載置棚200には、図1を参照して説明した中継装置110と略同様のアンテナ211を有する中継装置210が3段の物品載置段201,202,203に共通に設けられている。
【0055】
探索導体220は、物品載置用構造体200の各物品載置段201,202,203毎に各一本設けられている。各探索導体221,222,223は、図1における探索導体120と同様に探索信号の送出から上述の応答信号の搬送を担う部分までの導電体の経路としては一本のループをなすものであるが、このような導体を芯線に持つケーブルルートの外見は図2におけるように、各一本のケーブルの如くであり、信号の伝搬路としても一本のものである。
即ち、最下段の物品載置段201に対応して探索導体221が、中段の物品載置段202に対応して探索導体222が、最上段の物品載置段203に対応して探索導体223が各配設され、これら各一本の探索導体221,222,223は中継装置210の各別の接続端P21,P22,P23から並列に導出されるように設けられている。
【0056】
従って、図2のような構成では、各探索導体221,222,223(従って、これらが対応する各物品載置段201,202,203)は、接続端P21,P22,P23の別によって識別されるため、各一の探索導体221,222,223に関しては、図1を参照して説明した構成と同様に機能する。
各探索導体221,222,223には、図1における探索導体120と同様に複数のコイルと遅延要素が直列に介挿されているが、これらは図2では図示は省略されており、各コイルに対応する各所定の物品載置位置が物品載置段201,202,203毎に設定されている様子が表されている。
【0057】
即ち、最下段の物品載置段201(探索導体221)に対応して物品載置位置251a,251b,…251eが、中段の物品載置段202(探索導体222)に対応して物品載置位置252a,252b,…252eが、最上段の物品載置段203に対応して253a,253b,…253eが各設定されている。
図2のように探索導体221,222,223を配設する構成では、物品載置用構造体200の各物品載置段201,202,203における各段の物品所在位置(従って、各物品載置位置251a,251b,…251e;252a,252b,…252e;253a,253b,…253eに係る情報が並行して極めて速やかに収集され得る。
【0058】
図3は、本発明の物品所在位置探索装置に適用される探索導体の他の配設例を表す図である。図3において、図2と同様の物品載置用構造体としての物品載置棚300は最下段の物品載置段301、中段の物品載置段302、および、最上段の物品載置段303の3段の物品載置段を有している。
この物品載置棚300にも、図2におけると同様に、アンテナ311を有する中継装置310が3段の物品載置段301,302,303に共通に設けられている。
【0059】
各個には図2の探索導体221,222,223と同様の各探索導体321,322,323が、3段の物品載置段301,302,303に各対応して配設されているが、この図3における構成では特に、各探索導体321,322,323は中継装置310の一対(探索信号の送出と応答の受信に対応するもの)の接続端P31から分岐して並列に導出されるように設けられている。
最下段の物品載置段301(探索導体321)に対応して物品載置位置351a,351b,…351eが、中段の物品載置段302(探索導体322)に対応して物品載置位置352a,352b,…352eが、最上段の物品載置段303に対応して353a,353b,…353eが各設定されている点は図2における構成と同様である。
【0060】
図3のように探索導体321,322,323を配設する構成では、物品載置用構造体300の各物品載置段301,302,303における各段の物品所在位置(従って、各物品載置位置351a,351b,…351e;352a,352b,…352e;353a,353b,…353eに係る情報が速やかに収集され得る。
尚、図3を参照して説明した構成において、中継装置310が接続端P31に並列に接続された探索導体321,322,323からの信号を識別するための構成については後述する。
【0061】
図4は、本発明の物品所在位置探索装置に適用される探索導体の更に他の配設例を表す図である。図4において、図2と同様の物品載置用構造体としての物品載置棚400は最下段の物品載置段401、中段の物品載置段402、および、最上段の物品載置段403の3段の物品載置段を有している。
この物品載置棚400にも、図2におけると同様に、アンテナ411を有する中継装置410が3段の物品載置段401,402,403に共通に設けられている。
【0062】
また、最下段の物品載置段401に対応して物品載置位置451a,451b,…451eが、中段の物品載置段402に対応して物品載置位置452a,452b,…452eが、最上段の物品載置段403に対応して453a,453b,…453eが各設定されている点も図2における構成と同様である。
一方、探索導体420は、中継装置410の一対の接続端P41から導出され物品載置用構造体400の物品載置段401,402,403の各段の物品載置位置451a,451b,…451e;452a,452b,…452e;453a,453b,…453eを廻るように一本設けられている。
【0063】
図4の構成では、中継装置410から導出され物品載置用構造体400の複数の物品載置段の各段401,402,403を廻るように一本設けられている探索導体420によって物品載置用構造体400の複数の物品所在位置(従って、載置位置451a,451b,…451e;452a,452b,…452e;453a,453b,…453e)の情報が収集されるため、構成が簡素化される。
【0064】
図5は、図3の物品所在位置探索装置において中継装置の一対の接続端P31に並列に接続される複数の探索導体を、中継装置(物品所在位置信号生成装置)において識別するための構成の一例を説明するための図である。
図5においては、図3の物品所在位置探索装置における3本の探索導体321,322,323のうち1本の探索導体(例えば、探索導体321)について、代表的に、改めて参照符号520を附している。
【0065】
中継装置510と無線通信によって物品に関する情報の授受を行う携帯電話機またはPDA或いは無線送受信装置などであり得る情報端末装置については図1の場合と同様であるため、図示は省略してある。
中継装置510は、上述のような物品に関する問い合わせ情報に応じて、例えば所定周波数の交流である物品探索信号を発して探索導体520に供給する。
【0066】
この探索導体520は、図1を参照して説明したものと同様に、中継装置510複数の各コイル521a,521b,…,521d,521e、および、仕様を同じくする例えば遅延線や或いは能動素子を含んで構成される遅延回路であり得る各遅延要素522a,522b,…,522dが交互に複数直列に介挿され、上述の物品探索信号は、この探索導体520を遅延要素522a,522b,…,522d毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。
各コイル521a,521b,…,521d,521eは図2ないし図4を参照して説明したものと同様に、図5では図示されない物品載置用構造体の各物品載置位置毎に対応して配設されている。
【0067】
尚、これら各コイル521a,521b,…,521d,521e、および、各遅延要素522a,522b,…,522dの仕様や配列順位は、要請に応じて任意に選択して設計し、他部の仕様もこの選択に適合するように設計することが可能である点も、図1を参照して説明したものと同様である。
また、図1の例と同様に、タグ装置541a,541b,541eから中継装置510への非接触での通信は、各タグ装置541a,541b,541e(それらのアンテナ542a,542b,542e)から中継装置510(そのアンテナ511)に向けての無線通信によって行われる。
【0068】
中継装置510内には物品所在位置信号生成装置512をなす物品所在位置信号生成機能部が構成され、中継装置510による物品探索信号の発信時点から各タグ装置541a,541b,541eが発する応答信号の中継装置510への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置510(本例では、中継装置510内に設けられその動作を統括的に管理するシステムコントローラ513)に供給する。
以上の構成において、図5の装置では特に、探索導体520が、中継装置510側から順次直列に介挿された複数のコイル521a,521b,…,521d,521eのうち最終の順位にあるコイル520eと中継装置510との間の所定部が、探索信号を送出する往路導体部520fとは異なる復路導体部520rを成し、復路導体部520rには搬送される信号に対して図3の物品載置用構造体300の物品載置段301(302,303)を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路560が介挿されている。
【0069】
このため、各タグ装置541a,541b,541e,…,…からの応答信号が対応する複数の探索導体(321,322,323)を通して中継装置510に並列に搬送される場合であっても、段コード信号付与回路560によって付与される段コード信号に基づいて各探索導体からの応答信号が記物品載置用構造体300の何れの物品載置段からのものであるのかが的確に識別され得る。
従って、物品載置用構造体300の何れの物品載置段(301,302,303)の物品についてもそれらの所在位置が的確に探索され、認識される。
【0070】
図6は、図3の物品所在位置探索装置において中継装置の一対の接続端P31に並列に接続される複数の探索導体を、中継装置(物品所在位置信号生成装置)において識別するための構成の他の例を説明するための図である。
図6において、図3の物品所在位置探索装置における3本の探索導体321,322,323のうち1本の探索導体(例えば、探索導体321)について、代表的に、改めて参照符号620を附している。
【0071】
中継装置610と無線通信によって物品に関する情報の授受を行う携帯電話機またはPDA或いは無線送受信装置などであり得る情報端末装置については図1の場合と同様であるため、図示は省略してある。
中継装置610は、上述のような物品に関する問い合わせ情報に応じて、例えば所定周波数の交流である物品探索信号を発して探索導体620に供給する。
【0072】
この探索導体620は、図1を参照して説明したものと同様に、中継装置610複数の各コイル621a,621b,…,621d,621e、および、仕様を同じくする例えば遅延線や或いは能動素子を含んで構成される遅延回路であり得る各遅延要素622a,622b,…,622dが交互に複数直列に介挿され、上述の物品探索信号は、この探索導体620を遅延要素622a,622b,…,622d毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。
【0073】
各コイル621a,621b,…,621d,621eは図2ないし図4を参照して説明したものと同様に、図6では図示されない物品載置用構造体の各物品載置位置毎に対応して配設されている。
尚、これら各コイル621a,621b,…,621d,621e、および、各遅延要素622a,622b,…,622dの仕様や配列順位は、要請に応じて任意に選択して設計し、他部の仕様もこの選択に適合するように設計することが可能である点も、図1を参照して説明したものと同様である。
【0074】
また、図1の例と同様に、タグ装置641a,641b,641eから中継装置610への非接触での通信は、各タグ装置641a,641b,641e(それらのアンテナ642a,642b,642e)から中継装置610(そのアンテナ611)に向けての無線通信によって行われる。
中継装置610内には物品所在位置信号生成装置612をなす物品所在位置信号生成機能部が構成され、中継装置610による物品探索信号の発信時点から各タグ装置641a,641b,641eが発する応答信号の中継装置610への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置610(本例では、中継装置610内に設けられその動作を統括的に管理するシステムコントローラ613)に供給する。
【0075】
以上の構成において、図6の装置では特に、探索導体620が、中継装置610側から順次直列に介挿された複数のコイル621a,621b,…,621d,621eのうち最初の順位にあるコイル621aと中継装置620との間の所定部が、応答信号を搬送するための復路導体部620rとは異なるとは異なる往路導体部620fを成し、往路導体部620fには搬送される信号に対して図3の物品載置用構造体300の物品載置段301(302,303)を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路660が介挿されているため、各タグ装置641a,641b,641e,…,…からの応答信号が対応する複数の探索導体(321,322,323)を通して中継装置610に並列に搬送される場合であっても、段コード信号付与回路660によって付与される段コード信号に基づいて各探索導体からの応答信号が記物品載置用構造体300の何れの物品載置段からのものであるのかが的確に識別され得る。
従って、記物品載置用構造体300の何れの物品載置段(301,302,303)の物品についてもそれらの所在位置が的確に探索され、認識される。
【0076】
図7は、本発明の他の実施の形態としての物品所在位置探索装置の構成例を表す図である。図7において、無線通信によって物品に関する情報の授受を行う携帯電話機またはPDA或いは無線送受信装置などであり得る情報端末装置701から、この情報端末装置701を用いての操作者の操作に応じて物品に関する問い合わせ情報が発せられる。
この情報端末装置701からの物品に関する問い合わせ情報は、携帯電話機またはPDAの属する通信システムにおける基地局を経由して、或いは、無線通信装置の空中線から発せられる搬送波によって、例えば物品収納倉や倉庫等の物品収納用構造体に設置された物品載置棚等の一または複数の物品載置用構造体毎に設けられた中継装置710に送信されるように構成されている。
【0077】
中継装置710は、上述のような物品に関する問い合わせ情報に応じて、例えば所定周波数の交流である物品探索信号を発する。
該発せられた物品探索信号は、一本以上の例えばケーブルである探索導体720に供給される。この探索導体は、中継装置710(後に詳述するように中継装置710内に設けられた物品所在位置信号生成機能部)の所定の接続端に接続されたその始端から中継装置710の所定の入力端子に接続されたその終端に到る経路において、仕様を同じくする複数の各コイル721a,721b,…,721d,721e、および、仕様を同じくする例えば遅延線や或いは能動素子を含んで構成される遅延回路であり得る各遅延要素722a,722b,…,722dが交互に複数直列に介挿され、上述の物品探索信号は、この探索導体720を遅延要素722a,722b,…,722d毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。また、各コイル721a,721b,…,721d,721eは、後述するように物品載置用構造体の各物品載置位置毎に対応して配設されている。
【0078】
尚、これら各コイル721a,721b,…,721d,721e、および、各遅延要素722a,722b,…,722dの仕様や配列順位は、要請に応じて任意に選択して設計し、他部の仕様もこの選択に適合するように設計することが可能であるが、図示の例では、技術思想の説明の便宜のため、敢えて簡易的な構成を想定してある。
図7では、コイル721aが配設される物品載置位置に物品A731aが載置され、コイル721bが配設される物品載置位置に物品B731bが載置され、また、コイル721eが配設される物品載置位置に物品E731eが載置されているが、コイル721dが配設される物品載置位置には物品が載置されていない状態を想定している。
【0079】
各物品731a,731b,731e毎に、例えばRFID等のIDタグ装置であり得るタグ装置741a,741b,741eがそれぞれ装着されるが、これらの741a,741b,741eタグ装置には予め対応する物品731a,731b,731e毎の仕様等を表す情報がそれぞれ設定されている。
各物品731a,731b,731eが上述の物品載置位置に載置されている状態では、それら各物品731a,731b,731eに装着されたタグ装置741a,741b,741eが物品載置位置に対応する各コイル721a,721b,721eに近接して位置することになり、従って、タグ装置741a,741b,741eは、各コイル721a,721b,721eに流れる上述の探索信号電流によって生起する誘導電流に応答して起動し、上述のように予め各個のタグ装置741a,741b,741eに設定されている情報を非接触で中継装置710に送信する。
【0080】
コイル721dが配設される物品載置位置には物品が載置されていないため、当然ながら、対応するタグ装置は存在せず、従って、コイル721dからの信号に対する応答は発せられず、よって、コイル721dに対応する物品載置位置には物品が載置されていない状態が検出されることになる。
尚、図7の例では、タグ装置741a,741b,741eから中継装置710への非接触での通信は、各タグ装置741a,741b,741e(それらの内部に設けられた図示されない各コイル)と上述の各コイル721a,721b,721eとの間の電磁誘導作用を利用して行われ、各コイル721a,721b,721e以降は探索導体720を通して中継装置710に向けてのケーブルを通しての有線通信によって行われる。
【0081】
このため、非接触で信号の授受を行う電磁的な結合部分を除いて、信号は全て探索導体720を通して(ケーブルを通して)搬送されるため、不要な放射を発する虞が少なく、且つ、外部からのノイズの影響を受け難い。
中継装置710内には物品所在位置信号生成装置712をなす物品所在位置信号生成機能部が構成され、中継装置710による物品探索信号の発信時点から各タグ装置741a,741b,741eが発する応答信号の中継装置710への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置710(本例では、中継装置710内に設けられその動作を統括的に管理するシステムコントローラ713)に供給する。
【0082】
上述のようにして物品の所在位置を表す信号を受けた中継装置710が、操作者が保有する情報端末装置701に向けて、該当する物品(731a,731b,731e)の所在位置を表す信号を再発信したり、或いは、操作者の操作による情報端末装置701からのアクセスに応じて該物品の所在位置を表す信号を情報端末装置701側からアクセスして判読可能に保持することによって、操作者は所望の物品に係る所在位置を情報端末装置701で認識可能になる。
【0083】
特に、図7の構成例では、探索導体720に探索信号を送出し応答信号を受ける中継装置710内に、この中継装置710で授受する探索導体720からの信号の送出から応答受信までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成する物品所在位置信号生成装置712が設けられているため、小型化が図られ、且つ、装置の設置や取り扱いも容易である。
【0084】
また、物品載置用構造体(例えば、後述する図2ないし図4における物品載置棚200,300,400における各物品載置段)の各所定の物品載置位置毎に対応して配設されているコイルと上述のような各タグ装置との間の信号の授受に基づいて、不要な放射が極小である状態で、確実にタグ装置が作動し、このタグ装置を装着した物品の位置を探索することができる。
図7の実施の形態に関しても、探索導体720(ケーブル)の配設態様は、図2ないし図4を参照して説明したものと同様の態様を採ることができる。但し、図3のような態様を採用した場合には、中継装置310が接続端P31に並列に接続された探索導体321,322,323からの信号を識別するための構成が必要になる。
【0085】
図8は、図7の方式を適用した図3の物品所在位置探索装置において中継装置の一対の接続端P31に並列に接続される複数の探索導体を、中継装置(物品所在位置信号生成装置)において識別するための構成の一例を説明するための図である。
図8においては、図3の物品所在位置探索装置における3本の探索導体321,322,323のうち1本の探索導体(例えば、探索導体321)について、代表的に、改めて参照符号820を附している。
中継装置810と無線通信によって物品に関する情報の授受を行う携帯電話機またはPDA或いは無線送受信装置などであり得る情報端末装置については図1の場合と同様であるため、図示は省略してある。
【0086】
中継装置810は、上述のような物品に関する問い合わせ情報に応じて、例えば所定周波数の交流である物品探索信号を発して探索導体820に供給する。
この探索導体820は、図1を参照して説明したものと同様に、中継装置810複数の各コイル821a,821b,…,821d,821e、および、仕様を同じくする例えば遅延線や或いは能動素子を含んで構成される遅延回路であり得る各遅延要素822a,822b,…,822dが交互に複数直列に介挿され、上述の物品探索信号は、この探索導体820を遅延要素822a,822b,…,822d毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。
【0087】
各コイル821a,821b,…,821d,821eは図2ないし図4を参照して説明したものと同様に、図8では図示されない物品載置用構造体の各物品載置位置毎に対応して配設されている。
尚、これら各コイル821a,821b,…,821d,821e、および、各遅延要素822a,822b,…,822dの仕様や配列順位は、要請に応じて任意に選択して設計し、他部の仕様もこの選択に適合するように設計することが可能である点も、図1を参照して説明したものと同様である。
【0088】
図8の例では、タグ装置841a,841b,841eから中継装置810への非接触での通信は、各タグ装置841a,841b,841e(それらの内部に設けられた図示されない各コイル)と上述の各コイル821a,821b,821eとの間の電磁誘導作用を利用して行われ、各コイル821a,821b,821e以降は探索導体820を通して中継装置810に向けてのケーブルを通しての有線通信によって行われる。
このため、非接触で信号の授受を行う電磁的な結合部分を除いて、信号は全て探索導体820を通して(ケーブルを通して)搬送されるため、不要な放射を発する虞が少なく、且つ、外部からのノイズの影響を受け難い。
【0089】
中継装置810内には物品所在位置信号生成装置812をなす物品所在位置信号生成機能部が構成され、中継装置810による物品探索信号の発信時点から各タグ装置841a,841b,841eが発する応答信号の中継装置810への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置810(本例では、中継装置810内に設けられその動作を統括的に管理するシステムコントローラ813)に供給する。
【0090】
以上の構成において、図8の装置では特に、探索導体820が、中継装置810側から順次直列に介挿された複数のコイル821a,821b,…,821d,821eのうち最終の順位にあるコイル820eと中継装置810との間の所定部が、探索信号を送出する往路導体部820fとは異なる復路導体部820rを成し、復路導体部820rには搬送される信号に対して図3の物品載置用構造体300の物品載置段301(302,303)を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路860が介挿されている。
【0091】
このため、各タグ装置841a,841b,841e,…,…からの応答信号が対応する複数の探索導体(321,322,323)を通して中継装置810に並列に搬送される場合であっても、段コード信号付与回路860によって付与される段コード信号に基づいて各探索導体からの応答信号が記物品載置用構造体300の何れの物品載置段からのものであるのかが的確に識別され得る。
従って、記物品載置用構造体300の何れの物品載置段(301,302,303)の物品についてもそれらの所在位置が的確に探索され、認識される。
【0092】
図9は、図7の方式を適用した図3の物品所在位置探索装置において中継装置の一対の接続端P31に並列に接続される複数の探索導体を、中継装置(物品所在位置信号生成装置)において識別するための構成の他の例を説明するための図である。
図9において、図3の物品所在位置探索装置における3本の探索導体321,322,323のうち1本の探索導体(例えば、探索導体321)について、代表的に、改めて参照符号920を附している。
中継装置910と無線通信によって物品に関する情報の授受を行う携帯電話機またはPDA或いは無線送受信装置などであり得る情報端末装置については図1の場合と同様であるため、図示は省略してある。
【0093】
中継装置910は、上述のような物品に関する問い合わせ情報に応じて、例えば所定周波数の交流である物品探索信号を発して探索導体920に供給する。
この探索導体920は、図1を参照して説明したものと同様に、中継装置910複数の各コイル921a,921b,…,921d,921e、および、仕様を同じくする例えば遅延線や或いは能動素子を含んで構成される遅延回路であり得る各遅延要素922a,922b,…,922dが交互に複数直列に介挿され、上述の物品探索信号は、この探索導体920を遅延要素922a,922b,…,922d毎の遅延時間をもって漸次伝搬する。
【0094】
各コイル921a,921b,…,921d,921eは図2ないし図4を参照して説明したものと同様に、図9では図示されない物品載置用構造体の各物品載置位置毎に対応して配設されている。
尚、これら各コイル921a,921b,…,921d,921e、および、各遅延要素922a,922b,…,922dの仕様や配列順位は、要請に応じて任意に選択して設計し、他部の仕様もこの選択に適合するように設計することが可能である点も、図1を参照して説明したものと同様である。
【0095】
尚、図9の例でも、タグ装置941a,941b,941eから中継装置910への非接触での通信は、各タグ装置941a,941b,941e(それらの内部に設けられた図示されない各コイル)と上述の各コイル921a,921b,921eとの間の電磁誘導作用を利用して行われ、各コイル921a,921b,921e以降は探索導体920を通して中継装置910に向けてのケーブルを通しての有線通信によって行われる。
【0096】
このため、非接触で信号の授受を行う電磁的な結合部分を除いて、信号は全て探索導体920を通して(ケーブルを通して)搬送されるため、不要な放射を発する虞が少なく、且つ、外部からのノイズの影響を受け難い。
中継装置910内には物品所在位置信号生成装置912をなす物品所在位置信号生成機能部が構成され、中継装置910による物品探索信号の発信時点から各タグ装置941a,941b,941eが発する応答信号の中継装置910への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置910(本例では、中継装置910内に設けられその動作を統括的に管理するシステムコントローラ913)に供給する。
【0097】
以上の構成において、図9の装置では特に、探索導体920が、中継装置910側から順次直列に介挿された複数のコイル921a,921b,…,921d,921eのうち最初の順位にあるコイル921aと中継装置920との間の所定部が、応答信号を搬送するための復路導体部920rとは異なるとは異なる往路導体部920fを成し、往路導体部920fには搬送される信号に対して図3の物品載置用構造体300の物品載置段301(302,303)を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路960が介挿されているため、各タグ装置941a,941b,941e,…,…からの応答信号が対応する複数の探索導体(321,322,323)を通して中継装置910に並列に搬送される場合であっても、段コード信号付与回路960によって付与される段コード信号に基づいて各探索導体からの応答信号が記物品載置用構造体300の何れの物品載置段からのものであるのかが的確に識別され得る。
従って、記物品載置用構造体300の何れの物品載置段(301,302,303)の物品についてもそれらの所在位置が的確に探索され、認識される。
【0098】
図10は、図5および図8の実施例における段コード信号付与方式の一例を表す図である。図10(a)は段コード信号が付与される以前の応答信号のデータフォーマットを表す図であり、図10(b)は段コード信号が付与された状態における応答信号のデータフォーマットを表す図である。
図10(a)のように、段コード信号が付与される以前の応答信号のデータフォーマットは、ヘッダー部(「ヘッダー」と表記)、物品の所在位置に係る番号(「位置No.」と表記)、その物品を特定するデータであって場合によっては製造番号等を含むデータ(「商品コード」と表記)が上述の順に連なって構成される。
図10(a)のようなデータに段コード信号が付与された状態では、この段コード信号(「段No.」と表記)は上述のヘッダー部に続く部位に挿入される。
尚、図6および図9の実施例における段コード信号の付与は、探索信号が発せられた当初の時点で行われる。
【0099】
図11は、図1、図5、図6、図7、図8、および、図9の各実施例における物品所在位置信号生成装置において、図2ないし図3のように探索導体を配設した場合の、中継装置による物品探索信号の発信時点から応答信号の中継装置への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置に供給する処理過程で参照するテーブルデータの構造を表す概念図である。
図示のように、例えば、図2ないし図3の物品載置用構造体200,300における各物品載置段201,202,203(301,302,303)毎に各一つのデータテーブルが用意され、このデータテーブルを参照して上述の遅延時間に対応した各該当する物品(商品)の位置が判読される。
【0100】
図12は、図1、図5、図6、図7、図8、および、図9の各実施例における物品所在位置信号生成装置において、図4のように一本の探索導体を配設した場合の、中継装置による物品探索信号の発信時点から応答信号の中継装置への到達時点までの時間差(遅延時間)に基づいて物品の所在位置を表す信号を生成し中継装置に供給する処理過程で参照するテーブルデータの構造を表す概念図である。
図示のように、図4の物品載置用構造体400における各物品載置段401,402,403を網羅するように配設された探索導体(ケーブル)420に関して一つのデータテーブルが用意され、このデータテーブルを参照して上述の遅延時間に対応した各該当する物品(商品)の各物品載置段401,402,403(段数)毎の位置が判読される。
【0101】
図13は、本発明の物品所在位置探索システムの一つの実施の形態を表す図である。図13のシステムでは、例えば図2、図3、および図4のような物品載置用構造体である複数基(図示の例では18基)の棚1301,1302,1303,…,…,1318に物品探索導体を配設し中継装置1301a,1302a,1303a,…,…,1318aを各設けた構造ユニットを多数基(図示の例では18基)含む物品収納倉1300における収納物品の所在位置の探索を行う。
これらの構造ユニットは、各個には図1、図5、図6、図7、図8、および、図9の各実施例の何れかにおけるような中継装置と物品探索導体を有している。
【0102】
このシステムでは、情報端末装置1320と中継装置1301a,1302a,1303a,…,…,1318aとの双方間の無線通信のために介在する基地局1330が設置されている。この基地局1330は、情報端末装置1320から物品を特定する物品特定データを受信して自己の保有する参照用データ(記憶装置1331にて保有)に基づいて該受信した物品特定データに対応するタグ装置を特定するタグ装置特定コードを情報端末装置1330に提供する。
この提供を受けた情報端末装置1330側では、提供されたタグ装置特定コードを用いて該当する物品に係る所在位置の探索を既述の図1、図5、図6、図7、図8、および、図9の各実施例の何れかにおけるようにして行う。
【0103】
操作者が保有する上述の情報端末装置1330がタグ装置特定コードを用いて中継装置1301a,1302a,1303a,…,…,1318aに対する問い合わせの発信と返答の受信を行うが、中継装置1301a,1302a,1303a,…,…,1318aは探索導体(図13では表記省略)に対する探索信号の発信と応答信号の受信によって物品所在位置信号生成装置(図13では表記省略)が割り出す物品の所在位置を表す信号を得て、この物品の所在位置を表す信号を再発信したり、或いは、操作者の操作による情報端末装置1330からのアクセスに応じて該物品の所在位置を表す信号を情報端末装置1330側から判読可能に保持することによって、操作者は所望の物品に係る所在位置を情報端末装置1330で認識可能になる。
【0104】
基地局1330において、情報端末装置1330から物品を特定する物品特定データを受信して自己の保有する参照用データ(1331)に基づいて該受信した物品特定データに対応するタグ装置を特定するタグ装置特定コードが情報端末装置に提供されるため、この情報端末装置を用いる操作者は、専ら所望の物品を特定する入力操作を行うだけで、その物品に対応するタグ装置の如何を意識することなく当該所望の物品に関する所在位置を知ることができる。
【0105】
図14は、本発明の物品所在位置探索装置または物品所在位置探索システムに対応して用いられる情報端末装置における情報表示部での表示例を表す図である。
図14(a)は、操作者が所在位置の探索を所望する物品(商品)を特定して所在を問合せするための入力を行うときの入力画面の表示例である。「商品No.入力」の欄に入力操作に対応した商品番号の表示がなされる。
【0106】
図14(b)は、図13のシステムにおいて、情報端末装置側で入力した物品(「商品No.」の商品)を特定する入力に応じて、基地局1330において、情報端末装置1330から物品を特定する物品特定データを受信し、自己の保有する参照用データ(1331)に基づいて該受信した物品特定データに対応するタグ装置(無線タグID)を特定するタグ装置特定コードが情報端末装置に提供されたときの画面の表示例である。
【0107】
図14(c)は、操作者が所在位置の探索を所望する物品(商品)の所在位置が探索されて、その結果が表示された様子を示す図である。この例では、図13のシステムにおける棚番号10の1段目の位置Dが、上述の所望する物品(商品)の所在位置である旨の表示がされている。
図14(d)は、操作者が所在位置の探索を所望する物品(商品)の所在位置が探索されて、その結果、上述の所望する物品(商品)が存在しない(在庫がない)旨の表示例である。
【0108】
以上の説明から了解されるとおり、本発明の技術思想は、物品管理情報に係る受発信機能部を搭載したタグ装置を管理対象物品毎に装着し、物品の載置棚における各予定された複数の物品載置領域毎に対応して配設されるコイルと所定の遅延要素とが直列に交互に複数介挿された一本以上の探索導体を用い、前記探索導体に物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの無線通信による物品に関する問い合わせ情報に応動する中継装置から物品探索信号を送出し、前記探索導体に介挿された前記コイルのうち該当する一のものと前記タグ装置のうち該当する一のものとの相互間で確立する通信に基づいて該送出した物品探索信号に応答して、前記タグ装置から応答信号を発し、前記中継装置において前記物品探索信号の送出時点から前記応答信号の受信時点までの時間差に基づいて当該一のタグ装置に対応する物品所在位置を検出することを特徴とする物品所在位置探索方法としても要約される。
【0109】
また、上述の物品所在位置探索方法においては、既述の例では、特に、タグ装置からの応答信号の中継装置への送信を非接触で行うため、多数適用されるタグ装置と中継装置との間の信号の伝送に係る電気的接触の良否に影響され難い物品所在位置探索が可能になる。
尚、以上説明した各例では、何れも探索導体として所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させるものを適用したものであったが、このような探索導体に替えて、所定の非接触センサおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させるものを適用してもよい。
【0110】
探索導体としては、複数のコイルに替えて各非接触センサを適用する一方、これに対応して、タグ装置としては、非接触センサに近接して位置しているときに当該非接触センサによる検出信号に応答して予め物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で中継装置に送信するものを適用する。
即ち、非接触センサはその検出範囲内に物品があるときに当該物品の存在を検出し、該検出したことを表す検出信号を発するが、この検出信号はタグ装置側で受信されるように構成し、この検出信号を受信したタグ装置が、この受信信号(検出信号)に応答して上述の応答信号を発し、予め設定されている情報を非接触で中継装置に送信する。
また、この非接触センサとしては、例えば、特開2006−13831号公報所載のようなパッチアレイアンテナを適用することができる。このように構成すれば、小型で低消費電力であり且つ信頼性の高い物品所在位置探索装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態としての物品所在位置探索装置の構成例を表す図である。
【図2】本発明の物品所在位置探索装置に適用される探索導体の一つの配設例を表す図である。
【図3】本発明の物品所在位置探索装置に適用される探索導体の他の配設例を表す図である。
【図4】本発明の物品所在位置探索装置に適用される探索導体の更に他の配設例を表す図である。
【図5】図3の物品所在位置探索装置における複数の探索導体を識別する構成の一例を説明するための図である。
【図6】図3の物品所在位置探索装置における複数の探索導体を識別する構成の他の例を説明するための図である。
【図7】本発明の他の実施の形態としての物品所在位置探索装置の構成例を表す図である。
【図8】図7の方式を適用した図3の物品所在位置探索装置における複数の探索導体を識別する構成の一例を説明するための図である。
【図9】図7の方式を適用した図3の物品所在位置探索装置における複数の探索導体を識別する構成の他の例を説明するための図である。
【図10】図5および図8の実施例における段コード信号付与方式の一例を表す図である。
【図11】本発明の物品所在位置探索装置において物品の所在位置を表す信号を生成する過程で参照するテーブルデータの構造の一例を表す概念図である。
【図12】本発明の物品所在位置探索装置において物品の所在位置を表す信号を生成する過程で参照するテーブルデータの構造の他の例を表す概念図である。
【図13】本発明の物品所在位置探索システムの一つの実施の形態を表す図である。
【図14】本発明の物品所在位置探索装置または物品所在位置探索システムに対応して用いられる情報端末装置における情報表示部での表示例を表す図である。
【符号の説明】
【0112】
101…情報端末装置
110,210,310,410…中継装置
111,211,311,411,511,611,811,911…アンテナ
112,512,612,712,812,912…物品所在位置信号生成装置
113,513,613,713,813,913…システムコントローラ
120,221,222,223,321,322,323,420…探索導体
121a,121b,121d,121e;521a,521b,521d,521e;621a,621b,621d,621e;721a,721b,721d,721e;821a,821b,821d,821e;921a,921b,921d,921e…コイル
122a,122b,122d;522a,522b,522d;622a,622b,622d;722a,722b,722d;822a,822b,822d;922a,922b,922d…遅延要素
131a,131b,131e;531a,531b,531e;631a,631b,631e;731a,731b,731e;831a,831b,831e;931a,931b,931e…物品
141a,141b,141e;541a,541b,541e;641a,641b,641e;741a,741b,741e;841a,841b,841e;941a,941b,941e…タグ装置
142a,142b,142e;542a,542b,542e;642a,642b,642e;742a,742b,742e;842a,842b,842e;942a,942b,942e…アンテナ
200,300,400…物品載置用構造体
201,202,203;301,302,303;401,402,403…物品載置段
560,660,860,960…段コード信号付与回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報端末装置と無線によって情報の授受を行い前記情報端末装置から送信された問い合わせ情報に応じて物品探索信号を発する中継装置と、
所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させる一本以上の探索導体と、
個々の前記物品に装着され前記探索導体に介挿されたコイルに近接して位置しているときに当該コイルに流れる探索信号電流によって生起する誘導電流によって起動し予め前記物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で前記中継装置に送信するタグ装置と、
前記中継装置による前記物品探索信号の発信時点から前記応答信号の前記中継装置への到達時点までの時間差に基づいて前記物品の所在位置を表す信号を生成し前記中継装置に供給する物品所在位置信号生成装置と、
を含んで構成されていることを特徴とする物品所在位置探索装置。
【請求項2】
前記物品所在位置信号生成装置は前記中継装置内に物品所在位置信号生成機能部として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項3】
前記コイルは、物品載置用構造体の各所定の物品載置位置毎に対応して配設されていることを特徴とする請求項1〜2の何れか一項に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項4】
前記探索導体は、物品載置用構造体の複数の物品載置段毎に各一本設けられ、且つ、前記各一本の探索導体は前記中継装置の各別の接続端から並列に導出されるように設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項5】
前記探索導体は、物品載置用構造体の複数の物品載置段毎に各一本設けられ、且つ、前記各一本の探索導体は前記中継装置の一対の接続端から並列に導出されるように設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項6】
前記探索導体は、前記中継装置から導出され物品載置用構造体の複数の物品載置段の各段を廻るように一本設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項7】
前記タグ装置は、対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を無線で前記中継装置に送信するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項8】
前記タグ装置は、対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を前記コイルおよび前記探索導体を通して前記中継装置に送信するように構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項9】
前記タグ装置は、対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を前記コイルおよび前記探索導体を通して前記中継装置に送信するように構成され、且つ、前記探索導体は、前記中継装置側から順次直列に介挿された複数の前記コイルのうち最終の順位にあるコイルと前記中継装置との間の所定部が、前記探索信号を送出する往路導体部とは異なる復路導体部を成し、前記復路導体部には搬送される信号に対して前記物品載置用構造体の物品載置段を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路が介挿されていることを特徴とする請求項5に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項10】
前記タグ装置は、前記探索導体に介挿され対応する前記コイルから受けた探索信号に応答して前記応答信号を前記コイルおよび前記探索導体を通して前記中継装置に送信するように構成され、且つ、前記探索導体は、前記中継装置側から順次直列に介挿された複数の前記コイルのうち最初の順位にあるコイルと前記中継装置との間の所定部が、前記応答信号を搬送するための復路導体部とは異なるとは異なる往路導体部を成し、前記往路導体部には搬送される信号に対して前記物品載置用構造体の物品載置段を表す段コード信号を付与する段コード信号付与回路が介挿されていることを特徴とする請求項5に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項11】
所定の情報端末装置と無線通信によって情報の授受を行い前記情報端末装置からの物品に関する問い合わせ情報に応じて物品探索信号を発する中継装置と、
所定のコイルおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させる一本以上の探索導体と、
個々の前記物品に装着され前記探索導体に介挿されたコイルに近接して位置しているときに当該コイルに流れる探索信号電流によって生起する誘導電流によって起動し予め前記物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で前記中継装置に送信するタグ装置と、
前記中継装置による前記物品探索信号の発信時点から前記応答信号の前記中継装置への到達時点までの時間差に基づいて前記物品の所在位置を表す信号を生成し前記中継装置に供給する物品所在位置信号生成装置と、
前記情報端末装置と前記中継装置との双方間の無線通信のために介在する基地局であって、前記情報端末装置から物品を特定する物品特定データを受信して自己の保有する参照用データに基づいて該受信した物品特定データに対応する前記タグ装置を特定するタグ装置特定コードを前記情報端末装置に提供するように構成された基地局と、を含んで構成され、
前記情報端末装置は、前記基地局から提供されたタグ装置特定コードを用いて該当する物品に係る所在位置の探索を行うように構成されていることを特徴とする物品所在位置探索システム。
【請求項12】
物品管理情報に係る受発信機能部を搭載したタグ装置を管理対象物品毎に装着し、物品の載置棚における各予定された複数の物品載置領域毎に対応して配設されるコイルと所定の遅延要素とが直列に交互に複数介挿された一本以上の探索導体を用い、前記探索導体に物品に関する情報の授受を行う情報端末装置からの無線通信による物品に関する問い合わせ情報に応動する中継装置から物品探索信号を送出し、前記探索導体に介挿された前記コイルのうち該当する一のものと前記タグ装置のうち該当する一のものとの相互間で確立する通信に基づいて該送出した物品探索信号に応答して、前記タグ装置から応答信号を発し、前記中継装置において前記物品探索信号の送出時点から前記応答信号の受信時点までの時間差に基づいて当該一のタグ装置に対応する物品所在位置を検出することを特徴とする物品所在位置探索方法。
【請求項13】
前記タグ装置からの応答信号の前記中継装置への送信を非接触で行うことを特徴とする請求項12に記載の物品所在位置探索方法。
【請求項14】
所定の情報端末装置と無線によって情報の授受を行い前記情報端末装置から送信された問い合わせ情報に応じて物品探索信号を発する中継装置と、
所定の非接触センサおよび所定の遅延要素が交互に複数直列に介挿され前記中継装置からの物品探索信号を前記遅延要素毎の遅延時間をもって漸次伝搬させる一本以上の探索導体と、
個々の前記物品に装着され前記探索導体に介挿された非接触センサに近接して位置しているときに当該非接触センサによる検出信号に応答して予め前記物品毎に対応して設定されている情報を担う応答信号を非接触で前記中継装置に送信するタグ装置と、
前記中継装置による前記物品探索信号の発信時点から前記応答信号の前記中継装置への到達時点までの時間差に基づいて前記物品の所在位置を表す信号を生成し前記中継装置に供給する物品所在位置信号生成装置と、
を含んで構成されていることを特徴とする物品所在位置探索装置。
【請求項15】
前記非接触センサはアンテナによって自己との所定の相対位置の範囲内における前記物品の有無を検出するように構成されたものであることを特徴とする請求項14に記載の物品所在位置探索装置。
【請求項16】
前記アンテナはパッチアンテナであることを特徴とする請求項15に記載の物品所在位置探索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−189431(P2008−189431A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25093(P2007−25093)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】