説明

物品搬送装置

【課題】 小型で汎用性が高い物品の搬送装置を提供する。
【解決手段】 搬送装置4は、並列に配置した3本のベルトコンベヤ21〜23を備えており、ベルトコンベヤ22,23には、搬送方向において所定ピッチでホルダ17を設けている。ホルダ17は左方側部材18と右方側部材19とからなり、これらに形成した係合凹部18A、19Aによって容器2の側部を保持できるようになっている。
容器2の底部は中央のベルトコンベヤ21によって支持され、かつ容器2の両側部は上記ホルダ17の係合凹部18A、19Aによって保持され、その状態で容器2は下流側へ間欠的に搬送される。
容器2の大きさが変更された場合には、調整手段27,27’によってベルトコンベヤ22、23の間隔を変更して、ホルダ17の係合凹部18A、19Aの間隔を調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品搬送装置に関し、より詳しくは、大きさが異なる物品を兼用して搬送可能な物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なる大きさの物品を所定間隔に維持して搬送する物品搬送装置は知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。
上記特許文献1の装置においては、左右一対のトップチェーンコンベヤにホルダを構成する一方の部材と他方の部材を取り付けて、上記トップチェーンコンベヤの位相を搬送方向の前後に調整することによりホルダを構成する両部材の間隔を調整して異なる大きさの容器に対応するようにしている。
また、特許文献2の装置においては、同一の水平面で走行する一対のチェーンコンベヤにホルダを構成する一方の部材と他方の部材を取り付けて、容器の大きさが変更となった際には、上記チェーンコンベヤの位相を搬送方向において前後に調整することでホルダを構成する2部材の間隔を変更後の容器に適合する大きさに調整するようにしている。
【特許文献1】特許第3023464号公報
【特許文献2】特許第3478097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した従来の装置においては、トップチェーンコンベヤを採用しているためにチェーンから粉塵が発生して、医薬品向けの製造ラインでは採用できないという欠点があった。しかも、チェーンピッチで機械のピッチが決定するため、医薬用小型容器を扱う場合に搬送ピッチが大きくなり、高速搬送に適さないという欠点もあった。
なお、上記特許文献1の装置において、トップチェーンコンベヤの代わりに例えばベルトコンベヤを用いたとしても、容器を搬送方向における前後から支持することになるため、搬送方向の両側から容器を支持する場合と比較して容器の搬送ピッチが大きくなるという欠点が生じる。
そこで、本発明の目的は、異なる大きさの物品を搬送可能であって、しかも従来と比較して搬送ピッチが小さな物品搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、搬送方向に沿って配置されて物品を支持する支持手段と、支持手段を挟んで左右両側に配置された一対のベルトコンベヤと、左方側部材と右方側部材とから構成されるとともに左方側部材を上記ベルトコンベヤの一方に取り付けられ、右方側部材を上記ベルトコンベヤの他方に取り付けられて物品を保持するホルダと、上記一対のベルトコンベヤを同期して駆動させる駆動手段とを備え、物品を上記ホルダによって保持するとともに物品の底部を上記支持手段によって支持して物品を搬送するようにした物品搬送装置において、
上記一対のベルトコンベヤを鉛直面において循環走行させるとともに、上記一対のベルトコンベヤが隔てた間隔を調整する調整手段を設けて、物品の大きさに応じて上記ホルダを構成する左方側部材と右方側部材の間隔を調整するようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
このような構成によれば、チェーンコンベヤの代わりにコンベヤベルトを用いているので、粉塵の発生を抑制することができる。また、コンベヤベルトは鉛直面において循環走行するので、チェーンコンベヤを水平に配置していた従来の装置と比較して、搬送装置の設置スペースを小さくすることができる。
また、上記調整手段によってホルダの左方側部材と右方側部材の間隔を物品の大きさに応じて調整できるので、汎用性が高い搬送装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図2において、1は小型の容器2に目薬を充填する充填システムである。
この充填システム1によって処理される容器2は合成樹脂製であって扁平な形状をしている。図4に示すように、容器2は、目薬を貯溜する本体部2Aと、この本体部2Aから連続してキャップが取り付けられる首部2Bとを備えている。上記本体部2Aの前面と背面は実質的に平行になっており、首部2Bの外周部にはねじ部を形成している。そして、多数の空の容器2は、供給コンベヤ3の上流側の一側に配置した図示しないホッパー内に乱雑な状態で貯溜されている。
【0007】
本実施例の充填システム1は、横転状態の容器2を搬送する供給コンベヤ3と、この供給コンベヤ3の下流側の一側から並列に配置されて容器2を正立状態で下流側へ搬送する搬送装置4と、供給コンベヤ3の他側に配置されて供給コンベヤ3から搬送装置4へ容器2を受け渡すロボット5とを備えている。
搬送装置4の詳細は後述するが、この搬送装置4による容器2の搬送過程には、上流側から下流側へわたって容器2を洗浄するエアクリーナー6と容器2内に目薬を充填するフィラ7、および容器2の首部2Bにキャップを取り付けるキャッパ8を順次配置している。
空の容器2は図示しない供給コンベヤ3の上流側の位置でホッパーから供給コンベヤ3上に横転状態で供給され、その横転状態のままで供給コンベヤ3によって上記ロボット5を設けた下流側の位置まで搬送されるようになっている。
供給コンベヤ3による容器2の搬送過程の上方側には、横転状態で搬送される容器2を撮影するカメラ11を配置してあり、このカメラ11によって撮影した容器2の映像はロボット5へ伝達されるようになっている。
【0008】
ロボット5は4個の容器2を吸着保持可能な従来公知の処理ハンド12を備えている。処理ハンド12は、鉛直方向の回転軸によって水平面で回転され、かつ昇降される支持部材13と、この支持部材13に鉛直下方に向けて取り付けた4台の昇降シリンダ14とを備えている。各昇降シリンダ14のピストン14Aの下端部にロータリーアクチュエータ15を介して吸盤16を取り付けてあり、所要時に吸盤16に負圧を作用させることで容器2を吸着把持することができるようになっている。
上記各吸盤16は、昇降シリンダ14によって昇降されるとともに、ロータリーアクチュエータ15を介して、吸着面が水平方向に支持される水平位置と吸着面が鉛直方向に支持される鉛直位置とに交互に90°揺動されるようになっている。
【0009】
上記ロボット5は、上記カメラ11によって撮影された横転状態の容器2の映像を基にして、供給コンベヤ3上における4個の容器2の本体部2Aを各吸盤16によって順次吸着保持する。その後、各ロータリーアクチュエータ15によって吸盤16が鉛直位置に揺動されるので、吸盤16に保持された容器2は首部2Bが上方となる正立状態となるように起立され、その状態で処理ヘッド12全体が搬送装置4上の受け渡し位置Aまで移送される。
搬送装置4は間欠的に搬送方向(矢印方向)へ移動されており、この搬送装置4が間欠的に順次停止する際に上記処理ヘッド12は、4個の吸盤16に保持した各容器2を搬送装置4に設けた各ホルダ17内に順次1個ごとに挿入して各吸盤16による容器2の保持状態を解除するようになっている。なお、処理ヘッド12を搬送装置4の搬送方向への移動に追従させながら各ホルダ17内に容器2を挿入するようにしても良い。
このようにして処理ハンド12によって搬送方向にわたる4個分の各ホルダ17内に順次挿入された各容器2は、その本体部2Aの前面および背面が、搬送装置4による搬送方向と直交方向に向きを揃えられて保持されるようになっている。
上記ロボット5の処理ハンド12によって搬送装置4のホルダ17に供給された各容器2は、搬送装置4の間欠搬送によって順次下流へ移送されるようになっており、先ず、エアクリーナー6によって洗浄され、次にフィラ7によって内部に所定量の充填液を充填されてから最後にキャッパ8によって首部2Bにキャップを取り付けられるようになっている。
【0010】
上述したロボット5の構成は従来公知のものであり、本実施例は、搬送装置4を後述するように改良することで、その汎用性を高めるとともに小型の容器2をも搬送できるようにしたものである。
すなわち、図2から図6に示すように、搬送装置4は、容器2を支持して下流側へ間欠的に搬送する支持手段としてのベルトコンペヤ21と、上記ベルトコンベヤ21の左右両側に隣接させて並列に配置したベルトコンベヤ22と第3ベルトコンペヤ23と、上記各ベルトコンベヤ21〜23を間欠的に走行させるための駆動源となるサーボモータ24〜26と、両ベルトコンベヤ22、23の高さとそれらの間隔を調整する調整手段27、27’とを備えている。
後に詳述するが、左右両側の各ベルトコンベヤ22,23は、調整手段27、27’を構成する昇降用のサーボシリンダ31、32に連動して昇降できるとともに、各ベルトコンベヤ22、23は、調整手段27、27’を構成するサーボモータ33、34によって中央側のベルトコンベヤ21を挟んで相互に近接あるいは離隔する方向(搬送方向と直交する方向)に平行移動できるようになっている。これにより、容器2の大きさが変更された際に、該容器2の大きさに応じてホルダ17における左右の係合凹部18A、19Aの間隔を調整するとともに、ベルトコンベヤ21に載置された容器2における側部を支持する高さを調整できるようにしている。
【0011】
図5ないし図6に示すように、水平な固定フレーム35上に、搬送方向に沿って支持部材36を設けてあり、この支持部材36における長手方向の両端の位置に図示しない支持部材によって一対のスプロケット37を設けてあり、それら一対のスプロケット37にわたってベルトコンベヤ21を掛け渡している。
これにより、ベルトコンベヤ21は搬送方向に沿った鉛直面において循環走行されるとともに、容器2の載置面となる上記一対のスプロケット37よりも上方側の領域においては、容器2の底部を支持する載置面が水平となるように構成されている。
搬送方向の上流側のスプロケット37の軸部には、小径のタイミングプーリー38を連結してあり、このタイミングプーリー38と上記支持部材36に設けたサーボモータ24のタイミングプーリー42とにわたってタイミングベルト43を掛け渡している。サーボモータ24の作動は図示しない制御装置によって制御されるようになっており、制御装置によってサーボモータが所定方向に間欠的に回転されることで、上記ベルトコンベヤ21は間欠的に循環走行されるようになっている。本実施例においては、支持手段としてのベルトコンベヤ21によって容器2の底部を支持するとともに、容器2の両側部を両ベルトコンベヤ22、23に設けたホルダ17によって保持し、その状態において、各ベルトコンベヤ21〜23を同期して同じピッチで間欠的に走行させることで、各容器2を下流側へ間欠的に搬送するようにしている。
【0012】
上記固定フレーム35における支持部材36の左方側には、鉛直上方に向けた複数のサーボシリンダ31によって昇降板44を水平に支持してあり、また、固定フレーム35における支持部材36の右方側には、鉛直上方に向けた複数のサーボシリンダ32によって昇降板45を水平に支持している。
昇降板44の上面には、搬送方向と直交する方向(幅方向)に複数のガイド部材46を設けてあり、このガイド部材46の上面に搬送方向と直交する方向のガイド溝46Aを形成している。そして、搬送方向と平行に可動フレーム47を配置して、その可動フレーム47の底部に搬送手方向と直交するように取り付けたレール48を上記ガイド部材46のガイド溝46Aに係合させている。
また、昇降板44の上面の所定位置に上記サーボモータ33を配置してあり、このサーボモータ33に連動させたボールねじ51を可動フレーム47に設けたナット部材47Aに螺合させている。サーボモータ33の作動は図示しない制御装置によって制御されるようになっており、制御装置によってサーボモータ33を正逆に回転させることにより、ガイド溝46Aに沿って可動フレーム47が搬送方向と直交する方向に平行移動されるようになっている。
可動フレーム47の長手方向の両端部の側面には、鉛直面と平行に一対のスプロケット52を配置してあり、これらのスプロケット52にわたって上記ベルトコンベヤ22を掛け渡している。
一方のスプロケット52は可動フレーム47に設けた上記サーボモータ25に連動させてあり、制御装置によってサーボモータ25を所定方向に間欠的に回転させることで、ベルトコンベヤ22を搬送方向である矢印方向に間欠的に循環走行させることができるようになっている。
上記ベルトコンベヤ22は、上記中央側のベルトコンベヤ21と平行になっており、鉛直面において循環走行されるとともに上下の走行領域は水平となっている。
このように本実施例においては、サーボモータ33を正逆に回転させることでベルトコンベヤ22を搬送方向と直交する方向に平行移動させることができるとともに、サーボシリンダ31を昇降させることでベルトコンベヤ22の高さを調整できるようになっている。
【0013】
また、ベルトコンベヤ23も上記ベルトコンベヤ22と同様に搬送方向と直交する方向に平行移動できるとともに高さを調整できるようになっている。すなわち、右方側の昇降板45の上面には、搬送方向と直交する方向に複数のガイド部材46’を設けてあり、このガイド部材46’の上面に搬送方向と直交する方向のガイド溝46A’を形成している。そして、搬送方向と平行に可動フレーム47’を配置し、その可動フレーム47’の底部に搬送方向と直交するように取り付けたレール48’を上記ガイド部材46’のガイド溝46A’に係合させている。
また、昇降板45の上面の所定位置に上記サーボモータ34を配置してあり、このサーボモータ34に連動させたボールねじ51’を可動フレーム47’に設けた図示しないナット部材に螺合させている。サーボモータ34の作動は図示しない制御装置によって制御されるようになっており、制御装置によってサーボモータ34を正逆に回転させることにより、ガイド溝46A’に沿って可動フレーム47’が搬送方向と直交する方向に平行移動されるようになっている。
可動フレーム47’の長手方向両端部の側面には、鉛直面と平行に一対のスプロケット53を配置してあり、これらのスプロケット53にわたってベルトコンベヤ23を掛け渡している。
一方のスプロケット53は可動フレーム47’に設けたサーボモータ26に連動させてあり、制御装置によってサーボモータ26を所定方向に間欠的に回転させることで、ベルトコンベヤ23を搬送方向である矢印方向に間欠的に循環走行させることができるようになっている。
上記ベルトコンベヤ23は、上記中央側のベルトコンベヤ21と平行になっており、鉛直面において循環走行されるとともに上下の走行領域は水平となっている。
上記サーボモータ34を正逆に回転させることでベルトコンベヤ23を搬送方向と直交する方向に平行移動させることができるとともに、サーボシリンダ32を昇降させることでベルトコンベヤ23の高さを調整することができる。
このように本実施例においては、支持手段としてのベルトコンベヤ21を挟んで、その左右両側に両ベルトコンベヤ22,23を平行に配置してあり、これら両ベルトコンベヤ22,23にホルダ17を取り付けている。
【0014】
本実施例のホルダ17は、左方側部材18と右方側部材19との2部材から構成されており、左方側部材18は上記ベルトコンベヤ22に直交させて等ピッチPで取付けられてあり、右方側部材19も上記ベルトコンベヤ23に直交させて等ピッチPで取付けられている。
両部材18、19の内方側の前面には、V字形の係合凹部18A、19Aを形成して、それらの係合凹部18A、19Aを相互に対向させるとともに、両部材18,19の内方側の端部を中央側のベルトコンベヤ21に少しオーバラップさせている。
このようにベルトコンベヤ21上に両側部からオーバップした状態の両係合凹部18A、19Aによって容器2における搬送方向の両側部を支持して保持する保持部20を形成している。
そして、ベルトコンベヤ21上に両側からオーバラップした状態の両係合凹部18A、19Aの間に上述したロボット5の処理ハンド12によって正立状態の容器2が上方側から挿入されると、容器2の側部は両係合凹部18A、19Aによって保持されるとともに容器2の底部はベルトコンベヤ21によって支持されるようになっている。
サーボモータ24,25,26は制御装置によって同期して間欠的に作動されるので、各ベルトコンベヤ21、22、23が同期して矢印方向に間欠的に移動されることで、上記ホルダ17の両係合凹部18A、19Aからなる保持部20に保持された容器2が間欠的に下流側に向けて搬送されるようになっている。
【0015】
そして、本実施例においては、搬送装置4によって搬送する容器2の大きさを変更した場合には、各ベルトコンベヤ22,23を別個に昇降あるいは平行移動させることで、ホルダ17を構成する両部材18,19の相互の距離と高さを変更することができる。
すなわち、搬送装置4で搬送する容器2を図7に示した扁平な容器2から図8に示した円筒状の容器2に変更する場合には、搬送装置4によって搬送する際の容器2の搬送方向と直交する方向の寸法(幅方向寸法)に応じてホルダ17を構成する両部材18,19の間隔を調整する必要が有る。この場合には、制御装置によってサーボモータ33,34を所要量だけ正逆に回転させると可動フレーム47、47’を介して両ベルトコンベヤ22,23が相互に近接、あるいは離隔する方向に平行移動される。これにより、両ベルトコンベヤ22、23に設けた両部材18,19も近接あるいは離隔する方向に移動されて、容器2の大きさに応じた幅方向の位置に位置するようになっている。
さらに、容器2の大きさを変更したことに伴って、ホルダ17を構成する両部材18,19の高さを変更する必要が有る場合には、制御装置がサーボシリンダ31,32を所要量だけ昇降させる。これにより、昇降板44、可動フレーム47を介して左方側部材18の高さが変更されるとともに、昇降板45、可動フレーム47’を介して右方側部材19の高さが変更されるようになっている。
本実施例においては、サーボシリンダ31、昇降板44、ガイド部材46、可動フレーム47及びサーボモータ25,33によって左方側の調整手段27を構成している。また、サーボシリンダ32、昇降板45、ガイド部材46’、可動フレーム47’及びサーボモータ26,34によって右方側の調整手段27’を構成している。
そして、これら左右の調整手段27,27’によって両部材18,19を独立して移動させることで、容器2の大きさに応じた高さ及び幅方向の位置に両部材18,19を移動させることができ、それによって両係合凹部18A、19Aからなる保持部20を容器2の大きさに応じた寸法に調整できるようになっている。
また、上述した説明から理解できるように、本実施例においては、チェーンコンベヤの代わりにベルトコンベヤを用いており、かつ、各ベルトコンベヤ21〜23の載置面は、駆動源となる調整手段27,27’や可動部分よりも上方側に位置させている。
【0016】
上述した本実施例によれば、左右両側のベルトコンベヤ22,23は鉛直面において循環走行されるようになっているので、両コンベヤを水平面において循環走行させる場合と比較して搬送装置4を小型化することができる。
また、チェーンコンベヤの代わりにベルトコンベヤを用いているので、金属粉などの粉塵の発生を抑制することができ、しかも各ベルトコンベヤ21〜23の上方側の走行領域は、駆動源となるサーボモータや可動部分よりも上方側に位置させている。
そのため、仮に可動部分などから粉塵が発生したとしても、その粉塵が容器2に付着する恐れがない。そのため、容器2に目薬を充填する充填システム1の搬送装置4として本実施例の搬送装置4を安心して採用することができる。
また、本実施例においては、両調整手段27,27’によってホルダ17の両部材18,19の間隔を調整するとともに、高さを調整することができるので、異なる大きさの容器2を搬送装置4によって支障なく搬送することが可能であり、したがって、汎用性が高い搬送装置4を提供することができる。
さらに、本実施例においては、左右両側の両部材18,19に設けた係合凹部18A、19Aによって容器2の搬送方向の両側部を保持し、その状態において容器2を下流側へ搬送するようにしている。容器2を搬送方向の前面と背面を前後から保持して搬送する場合に比較して、本実施例によれば搬送方向における容器2の間隔(搬送ピッチ)を小さくすることが可能となる。このように搬送方向における搬送ピッチを小さくすることができるので、本実施例によれば搬送装置4全体を小型化することができる。
また、本実施例においては、左右の調整手段27,27’を別々に駆動させることができるので、容器2の口部(首部2Bの上端)が偏心した容器であっても、支持手段としてのベルトコンベヤ21の幅方向の中央位置に容器2の口部を位置させて搬送することが可能である。
【0017】
次に図9は、本発明の第2実施例である搬送装置104の平面図を示したものである。上記第1実施例においては、支持手段としての中央側のベルトコンベヤ21を挟んで左右両側に両ベルトコンベヤ22、23を配置していたが、この第2実施例においては5本のベルトコンベヤ101から105を並列に配置して、ベルトコンベヤ102、104を支持手段として利用して搬送方向に容器2を2列で搬送するようにしたものである。
この第2実施例においては、ベルトコンベヤ102の左側となるベルトコンベヤ101にホルダ117を構成する一方の部材118を取り付けてあり、ベルトコンベヤ102の右側となるベルトコンベヤ103にホルダ117を構成する他方の部材119を取り付けている。一方の部材118に設けた係合凹部118Aとそれに対向させて部材119に左側面に設けた係合凹部119Aとによって容器2を保持する第1保持部120を構成している。
他方、ベルトコンベヤ104の右側となるベルトコンベヤ105にホルダ117を構成する一方の部材118を取り付けてあり、この部材118に設けた係合凹部118Aとそれに対向させて上記部材119の右側面に設けた係合凹部119Bとによって容器2を保持する第2保持部120’を構成している。
この第2実施例においても、各ベルトコンベヤ101〜105を同期して間欠的に走行させることで、上記各ホルダ117の第1保持部120、第2保持部120’に保持した容器2を間欠的に搬送することができる。
なお、ベルトコンベヤ101、105を搬送方向と直交する方向に移動させるための構成は上記第1実施例に準じた構成を採用すれば良い。
このような構成の第2実施例においても、上述した第1同様の作用・効果を得ることができる。
【0018】
また、上記各実施例においては、支持手段としてベルトコンベヤ21(102,104)を配置して、その他のベルトコンベヤと同期させて駆動させていたが、上記支持手段としてのベルトコンベヤ21(102、104)の代わりに水平なレールを配置して、容器2の底部をこのレールに載置させて滑らせて搬送させるようにしても良い。なお、このような構成は、容器2をレール上で滑らせても摩耗粉が発生しないか、もしくは摩耗粉による影響を受けないような環境に限って採用することができる。
さらに、上記各実施例においては、物品としての目薬の容器を搬送方向において一列で搬送するようにしているが、搬送方向において複数列で容器を搬送する場合にも、上記本発明を適用することができる。
また、上記各実施例は、間欠的に容器2を搬送する搬送装置4(104)に本発明を適用した場合について説明しているが、本発明は連続的に容器2を搬送する搬送装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体の平面図。
【図2】図1に示した搬送装置の要部の正面図。
【図3】一部のホルダを省略して示した図1の要部の斜視図。
【図4】図2の要部の右側面図。
【図5】図2のV―V線に沿う要部の断面図。
【図6】図5の要部の正面図。
【図7】図2の要部の平面図。
【図8】図2に示した搬送装置4によって円筒状の容器2を搬送している状態を示す要部の平面図。
【図9】本発明の第2実施例を示す要部の平面図。
【符号の説明】
【0020】
2…容器 4…搬送装置
17…ホルダ 18…左方側部材 19…右方側部材 21…ベルトコンベヤ(支持手段)
22…ベルトコンベヤ 23…ベルトコンベヤ
24…サーボモータ(駆動源) 25…サーボモータ(駆動源)
26…サーボモータ(駆動源) 27…調整手段
27’…調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に沿って配置されて物品を支持する支持手段と、支持手段を挟んで左右両側に配置された一対のベルトコンベヤと、左方側部材と右方側部材とから構成されるとともに左方側部材を上記ベルトコンベヤの一方に取り付けられ、右方側部材を上記ベルトコンベヤの他方に取り付けられて物品を保持するホルダと、上記一対のベルトコンベヤを同期して駆動させる駆動手段とを備え、物品を上記ホルダによって保持するとともに物品の底部を上記支持手段によって支持して物品を搬送するようにした物品搬送装置において、
上記一対のベルトコンベヤを鉛直面において循環走行させるとともに、上記一対のベルトコンベヤが隔てた間隔を調整する調整手段を設けて、物品の大きさに応じて上記ホルダを構成する左方側部材と右方側部材の間隔を調整することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
上記一対のベルトコンベヤを上記支持手段に対して昇降可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
上記支持手段はベルトコンベヤからなり、該支持手段としてのベルトコンベヤは上記一対のベルトコンベヤと同期して同一方向に駆動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
上記ホルダを構成する左方側部材および右方側部材における前面にV字形の係合凹部を形成して、これら左方側部材の係合凹部と右方側部材の係合凹部によって物品の搬送方向両側を保持するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の物品搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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