説明

物品搬送装置

【課題】物品を後続の物品と分離して搬送経路下流側への送出しピッチが調整可能であり、後続の物品によるラインプレッシャーやモータの回転により物品が強制的に下流側へ送られることもなく、搬送経路において物品が押し潰されてしまうことも回避できる物品搬送装置の提供。
【解決手段】一対のカムフォロア2が離間して配設された駆動ベース3と、前記駆動ベース3を前記一対のカムフォロア2の離間方向に往復動させるエアシリンダ4と、前記駆動ベース3の往復動により前記一対のカムフォロア2が径方向の両端において交互に当接することにより間歇的に一定角度回転可能に配設されたラチェット状の駆動ホイル8と、前記駆動ホイル8の回転力により回転可能に軸支され、ピッチ調整位置において、外周に等間隔に形成されたポケット14が物品の搬送経路上に供給される送り出し対象の物品を収容保持するようにして配設されたコントロールホイル13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
供給される物品を整列状態で1つずつ間隔をあけて(ピッチ調整)下流へ搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品やその商品の容器等の物品を処理するシステムには、前記物品を1つずつ所定の間隔(ピッチ)で下流へ搬送するための物品搬送装置(ピッチ調整装置)が組み込まれている。例えば、ビンやペットボトル等の容器に調味料等の食品や液体洗剤などの各種液体商品を充填する充填機を備えた処理システムにおいては、物品整列機等の上流機から繰り出された容器を1列に整列させた状態で、後続機である前記充填機に対し、その充填のタイミングに合わせて一定の間隔で連続的に搬送供給する物品搬送装置が設けられている。
【0003】
この従来の物品搬送装置は、例えば、一列に整列させて供給される物品の搬送方向上流側と下流側とに、物品1個分の間隔をあけて1つずつ圧縮エアによって駆動するエアシリンダが配設されており、前記エアシリンダは、物品の搬送経路に進入して物品の搬送を阻止する進入位置と、物品の搬送経路から退避して物品の搬送を許容する退避位置との間を進退可能とされている。
【0004】
そして、この物品搬送装置においては、搬送経路の下流側に配設されたエアシリンダを進入位置に位置させて整列された物品の搬送を止める。そして、搬送経路の上流側に配設されたエアシリンダも進入位置に位置させ、先頭の物品1つを後続の物品と分離し、その後、前記搬送経路の下流側に配設されたエアシリンダを駆動させて退避位置に位置させ、分離した前記先頭の物品のみを下流側へ搬送する。前記先頭の物品が進んだところで、再び、前記搬送経路の下流側に配設されたエアシリンダを駆動させて進入位置に位置させ、整列された物品の搬送を止める。この一連のエアシリンダの進退動作を繰り返すことで、整列された物品を1つずつ間隔をあけて下流へ搬送するように構成されている(第1の従来例)。
【0005】
また、従来の別の物品搬送装置はスターホイルを用いた物品搬送装置であり、供給される物品を1つずつ分離収納するポケットが外周に等間隔で複数形成されたスターホイルが、モータの出力軸に取付けられるとともに、前記スターホイルには各ポケットに対応させて金属ボルト等からなるセンサ検出用のドグが配設されている。また、スターホイルの近傍には前記ドグを検出するセンサが配設されている。
【0006】
そして、この物品搬送装置においては、モータを回転させ、外周に形成されたポケットに供給される物品を順次収納しつつ搬送方向下流側へ案内する際に、前記ドグをセンサが検出したことを契機として、モータの回転を一旦停止するように構成されている(第2の従来例)。
【0007】
また、第2の従来例の物品搬送装置の改良型として、前記ドグの配設をやめるとともに、センサは、物品の搬送経路における該物品搬送装置の上流側と下流側で物品の搬送状態(停滞状態)を検出し、モータの回転を制御するためのセンサとする物品搬送装置(第3の従来例:特許文献1参照)や、前記ドグおよびセンサの配設をやめるとともに、前記モータとしてサーボモータを用い、任意の回転角度でスターホイルを一旦停止するように構成された物品搬送装置も提供されている(第4の従来例)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−007134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の第1の従来例の物品搬送装置においては、供給される後続の物品と分離して先頭の物品のみを下流側へ送出すためには、エアシリンダは2箇所に配設することが必須となり、しかも、物品1つを分離搬送するために、この2箇所に配設された夫々のエアシリンダを順に計4回ほど進退駆動させる必要があり、高速な送出しができないという問題点がある。
【0010】
また、第2の従来例の物品搬送装置においては、前記スターホイルはモータの励磁力とギア比によって後続の物品の搬送を押しとどめているため、後続の物品からの押し圧(ラインプレッシャー)が強い場合には、前記スターホイルが押し回されてしまい、物品の搬送方向下流側への送り出すタイミング(ピッチ)が乱れることがあった。さらには、下流側の搬送経路が詰まっていて物品の搬送が滞っているような場合であっても、モータの回転力によりスターホイルを介して物品を下流側へ強制的に送るため、物品が潰されたり破損してしまうことが危惧された。
【0011】
そして、第3の従来例の物品搬送装置においては、センサの配設数が増加し、搬送制御が煩雑となるという問題があった。
【0012】
さらに、第4の従来例の物品搬送装置においては、サーボモータの制御により高速且つスムーズな物品の送出しが実現されるものの、モータの回転力によりスターホイルを介して物品を下流側へ強制的に送るという点では、前述の第2の従来例の物品搬送装置と変わりなく、よって、物品が潰されたり破損してしまう問題点は残るものであった。
【0013】
このような問題点を鑑み、本願発明は、物品を後続の物品と分離して搬送経路下流側へ送るスピードが迅速であり、その送出しピッチも任意に調整可能であって、後続の物品によるラインプレッシャーやモータの回転により物品が強制的に下流側の搬送経路へ送り出されることもなく、搬送経路において物品が押し潰されてしまうような不具合も回避することができる物品搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の物品搬送装置は、物品の搬送経路途中のピッチ調整位置において、上流側より供給された物品を搬送方向下流側へ1つずつ所望のピッチで送るための物品搬送装置であって、一対のカムフォロアが離間して配設された駆動ベースと、前記駆動ベースを前記一対のカムフォロアの離間方向に往復動させる駆動装置と、前記駆動ベースの往復動により前記一対のカムフォロアが径方向の両端において交互に当接することにより間歇的に一定角度回転可能に配設されたラチェット状の駆動ホイルと、前記駆動ホイルの回転力により回転可能に軸支され、前記ピッチ調整位置において、外周に等間隔に形成されたポケットが物品の搬送経路上に供給される送り出し対象の物品を収容保持するようにして配設されたコントロールホイルと、を備えることを特徴とする。
【0015】
この物品搬送装置によれば、駆動装置を駆動させて往復動可能とされた駆動ベースを一方向へ動作(往動作あるいは復動作)させる毎に駆動ホイルを間歇的に回転させ、前記駆動ホイルの回転に伴って回転するように構成されたコントロールホイルを1ポケット相当の回転角分だけ回転させることで、ピッチ調整位置に供給された1つの物品を迅速に後続の物品から分離させて前記ポケットに収容し、搬送方向下流側へ送ることができる。
【0016】
そして、本発明の物品搬送装置の送り出しのピッチ調整は、前記駆動ベースの往復動のスピードを調整することで簡単に行なうことができ、また、前述のように、駆動ベースの一方向へ動作(往動作あるいは復動作)で物品を後続の物品から分離して下流側へ送ることができるので、迅速に作業を進めることが可能となる。
【0017】
また、コントロールホイルは、回転停止中は、ラチェット状とされた駆動ホイルの爪部にいずれか一方のカムフォロアが係合して機械的にストッパがかかっている状態であるため、後続の物品がコントロールホイルに強く当接したとしても、コントロールホイルが回転してしまうことはない。よって、分離する物品が後続の物品のラインプレッシャーの影響を受けて搬送方向下流側へ送られてしまうような不具合を回避することができる。
【0018】
さらには、駆動ベースに配設された前記一対のカムフォロアが径方向の両端において交互に当接することにより間歇的に一定角度回転可能に配設されたラチェット状の駆動ホイルは、爪状部の外周縁に当接するカムフォロアの圧力角の効果により、駆動装置から伝達される駆動力(エアシリンダの推力)が過大にならないように調整することができる。よって、下流側の搬送経路が既送の物品で詰まっているような場合であっても、コントロールホイルで物品を破損させるような事態を回避することができる。
【0019】
また、本発明の物品搬送装置は、前記駆動装置が、前記駆動ベースをロッドに固定したリニアアクチュエータからなることを特徴とする。このように、リニアアクチュエータを利用することで、物品搬送のトルク、スピードを簡便に制御することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の物品搬送装置は、前記駆動装置が、供給されるエアの圧力をコントロール可能とされたエアシリンダであることを特徴とする。圧力調整が可能なエアシリンダを用いることにより、物品を搬送方向下流側へ送る際に、コントロールホイルの回転にクッションを働かせることも可能となり、下流側の搬送経路が既送の物品で詰まっているような場合にも、コントロールホイルが物品を無理に送り出すことを防止することができる。
【0021】
さらに、本発明の物品搬送装置は、前記駆動ホイルとコントロールホイルが同一のホイルベースに配設されており、前記ホイルベースには、前記駆動装置および駆動ベースが配設されているとともに、前記ホイルベースは、前記ピッチ調整位置に前記ポケットを対応させるように配設位置を調整可能に、ブラケットに支持されていることを特徴とする。
【0022】
このように、駆動ホイル、コントロールホイル、駆動装置および駆動ベースが配設されたホイルベースをブラケットに支持しつつ、コントロールホイルの径寸法に合わせて前記ピッチ調整位置に前記ポケットを対応させるように、前記ホイルベースの配設位置を調整する構成とすることで、送り出し対象の物品が変わっても、簡単に対応することができ、送り出し対象の変更に広く対応可能な、汎用性に富んだものとすることができる。
【0023】
また、既存の物品搬送経路脇にブラケットを配設するだけでよいので、簡単に設置できる。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明の物品搬送装置は、搬送する物品の後続の物品からの確実な分離と送り出しのピッチ調整を簡単な機構によって可能とするとともに、搬送する物品をソフトに取り扱って搬送経路の下流側へ送ることができる。しかも、搬送対象の物品の形状等の変化に対し、駆動ホイル、コントロールホイル、カムフォロア等のパーツの交換のみで簡単に対応することができ、さらには、既存の物品搬送経路に簡単に配設可能であるという、極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の物品搬送装置の要部分解斜視図
【図2】本発明の物品搬送装置の要部平面図(一部透視図)
【図3】本発明の物品搬送装置の要部を示す図2の右側面図(一部透視・断面図)
【図4】本発明の物品搬送装置の要部を示す図2のX−X断面図
【図5】本発明の物品搬送装置におけるカムフォロアと駆動ホイルとの係合状態、および駆動ホイルおよびコントロールホイルの回転と物品の送り出しの関係を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の物品搬送装置は、物品の搬送経路途中に配設され、上流側より供給される物品を受け入れるピッチ調整位置において、前記物品を搬送方向下流側へ1つずつ所望のピッチ(間隔)で送るための物品搬送装置である。本実施形態においては、1本のコンベア上に整列配置された状態で上流側から供給される容器等の物品を、搬送方向下流側へ1つずつ所望のピッチ(間隔)で送るために、前記コンベアを備えた搬送装置に配設された場合を以て説明する。
【0027】
本実施形態の物品搬送装置1は、図1乃至図4に示すように、固定状態のブラケット26に支持されているホイルベース7に構成各部を取り付けて形成されている。このホイルベース7の裏面側(図1乃至図4において下面側、以下同じ)には、一対のカムフォロア2が離間して配設された駆動ベース3と、この駆動ベース3を前記一対のカムフォロア2の離間方向に往復動させる駆動装置4とが配設されている。
【0028】
より詳しくは、前記駆動ベース3は、矩形の駆動ベース本体3Aの一側辺における両端側に延出部3Aaを平行にして形成された略コ字状の板状部材とされている。前記延出部3Aaの上面には、前記一対のカムフォロア2の夫々(以下、必要に応じ、各図において正面視左側に配設されたカムフォロアを2A、正面視右側に配設されたカムフォロアを2Bとする)が配設されている。各カムフォロア2は、図4に示すように、内側の取付けボルト2aによって外輪2bを転動自在に支持して形成されている。外輪2bは後述する駆動ホイル8の外周に形成された軌道面と接触して転動するように構成されている。カムフォロア2は、前記ベース本体3Aに、前記取付ボルト2aにナット2cを螺合させることによって取付けられている。また、駆動ベース本体3Aには、後述するエアシリンダのロッドに固定されるブロック体3Bが固着されている。
【0029】
駆動装置4は、直動式駆動源であるリニアアクチュエータを用いる。リニアアクチュエータとしては、その駆動力は電気、磁気、エア等、スピード、トルクを制御可能なものであれば何れのものであっても構わない。本実施形態においては、前記リニアアクチュエータとして、供給されるエアの圧力をコントロール可能とされたエアシリンダ(以下、共通の符号4を付す)を用い、前記エアシリンダ4は、図示しないコンプレッサから供給される圧縮エアの作用を受けて往復動可能とされた不図示のピストンを外装ケース4A内に備えている。そして、前記ピストンの不図示のロッドには、駆動ベース3のブロック体3Bが、前記ロッドの延出方向、すなわち、前記ピストンの往復動方向と、一対のカムフォロア2の離間方向とが並行になるようにして固定されている。つまり、駆動ベース3は、エアシリンダ4の駆動によって一対のカムフォロア2の離間方向に往復動可能にエアシリンダ4に固定されている。また、エアシリンダ4を駆動させるエアは、不図示の圧力コントロール手段により適宜調整されて供給されている。
【0030】
ここで、本実施形態の物品搬送装置1は、不図示のフレーム等に固定された、後述するブラケット26に載置される板状のホイルベース7を備えており、エアシリンダ4はその外装ケース4Aをホイルベース7の裏面に固定して配設されている。
【0031】
また、本実施形態の物品搬送装置1は、一対のカムフォロア2間に配置され、エアシリンダ4の駆動力が一対のカムフォロア2を介して伝達されることにより、間歇的に一定角度回転可能とされた駆動ホイル8と、この駆動ホイル8と一体回転可能に軸支されたコントロールホイル13とを備えている。
【0032】
詳しくは、駆動ホイル8は、外周(円周部)に波頭状の爪部9が奇数個(本実施形態においては9個)、連続的かつ等間隔に形成されたラチェット様に形成されており、エアシリンダ4が駆動して駆動ベース3が往復動する際に、該駆動ホイル8の直径上の両端においてカムフォロア2の夫々が交互に当接することにより、間歇的に一定角度回転可能に形成されている。そして、駆動ホイル8は、本実施形態においては、駆動ベース3がエアシリンダ4を介して配設されたホイルベース7の裏面側に配設されている。
【0033】
また、コントロールホイル13は、その外周に物品の大きさに対応させて、略円弧状のポケット14(爪部9の形成数の倍数。本実施形態においては18個)が形成された所謂、スターホイルであり、本実施形態においては、駆動ベース3がエアシリンダ4を介して配設されたホイルベース7の裏面側に、駆動ホイル8と同軸上で一体回転可能に配設されている。なお、本実施形態において、コントロールホイル13は、外周縁部における厚み方向中央に、他の搬送装置のガイド部材等を介装させるべく、凹状に切欠いた小径部が形成されているが、この凹状の切欠きは必須の要件ではない。
【0034】
ここで、駆動ホイル8およびコントロールホイル13の取付け構造について説明すると、これらが配設されるホイルベース7は、矩形状のベース本体7Aを備えている。物品の搬送経路側となるベース本体7Aの先端側中央部には、駆動ホイル8およびコントロールホイル13を該ベース本体7Aの表裏面において一体に連結させるための円形開孔7Bが形成されており、ベース本体7Aの裏面側における円形開孔7Bの縁部には切欠き段部(ベース側切欠き段部)7C(図4参照)が形成されている。また、ベース本体7Aの裏面側におけるベース側切欠き段部7Cの近傍には、2個のボールベアリング16を円形開孔7Bに合わせてベース本体7Aとの間に固定するためのベアリング用カラー17が配設されている。
【0035】
そして、ボールベアリング16は、ボールベアリング16のアウターレースの上端をベース側切欠き段部7Cに嵌合させ、同下端をベアリング用カラー17の内周面下端部に形成された嵌合用突部17Aに嵌合させた状態で、ベアリング用カラー17に形成された、座ぐり部付きのボルト貫通孔17B(本実施形態においては3つ)に嵌挿させた不図示のボルトを締めることで、前記インナーレースを円形開孔7B内に臨ませた状態で、該ベアリング用カラー17と共に、ベース本体7Aの裏面側に配設されている。
【0036】
そして、ボールベアリング16の中心孔内には、ベース本体7Aの表裏面に亘らせてシャフト18が配設されている。シャフト18は、一端側(裏面側)をボールベアリング16の中心孔に嵌着される径寸法とされ、他端側(表面側)はそれよりも若干大径で、ボールベアリング16の前記インナーレース表面側の端面に載置するように当接係合する径寸法とされた2段シャフトである。そして、シャフト18の前記他端側をボールベアリング16の前記インナーレースの上端面に当接係合させ、前記一端側をボールベアリング16の中心孔内に嵌着させるようにして配設されている。
【0037】
前記シャフト18の裏面側端面にはねじ孔18Aが形成されており、駆動ホイル8の表面側中央に削設された中心凹部8Aにシャフト18の前記裏面側端面を嵌着させるとともに、前記中心凹部8Aに穿設されたねじ貫通孔8Bに挿通させたボルトを前記ねじ孔18Aに螺入させて締めることで、駆動ホイル8がホイルベース7のベース本体7Aに対し、回転自在に配設されている。
【0038】
なお、本実施形態においては、シャフト18の周囲に嵌着させたカラー19により、駆動ホイル8とボールベアリング16との間の間隙を埋め、高さ方向における駆動ホイル8の位置決めがされている。また、駆動ホイル8の取付けに当たっては、該駆動ホイル8が駆動ベース3の往復動を妨げることなく、しかも、一対のカムフォロア2間において、前記カムフォロア2A,2Bが駆動ホイル8の直径上の両端においてそれぞれ交互に当接可能なように、配設時の高さ位置等を調整して配設されている。
【0039】
また、シャフト18の表面側端部には、中心部に軸ねじ孔18B(シャフト側軸ねじ孔18B)が形成されているとともに、コントロールホイル13の位置決め用の溝18Cが形成されており、このシャフト18の表面側端部には、略円盤状の冠部材20が嵌着されている。前記冠部材20は、シャフト側軸ねじ孔18Bと連通させる冠側軸ねじ挿通孔20Aと、前記溝18Cに嵌合させる嵌合凸部20Bと、コントロールホイル13を固定するためのねじ孔20C(本実施形態においては3個)が外周近傍に形成されている。この冠部材20は、その裏面側中央に削設された中心凹部20Dにシャフト18の表面側端面を嵌着させるとともに、嵌合凸部20Bをシャフト18の表面側端部の溝18Cに嵌合させ、シャフト18に位置決めされている。
【0040】
そして、コントロールホイル13は、その裏面側中央に削設された中心凹部13Aに冠部材20を嵌着させ、同心の円弧上において3箇所に穿設された円弧状のねじ貫通溝13Bに嵌挿させたボルト(図3および図4には想像線で図示)を冠部材20のねじ孔20Cに螺入させて締めることにより、冠部材20と一体化される。さらに、コントロールホイル13の中心部に形成されたホイル側軸ねじ挿通孔13Cを冠部材20の冠側軸ねじ挿通孔20Aに連通させられている。これらの2つの軸ねじ挿通孔13C、20Aおよびシャフト側軸ねじ孔18B内には、ノブナット24に対しワッシャ22を挟み、止めねじ23を介して緩み止めの接着剤等を用いて同軸上に一体に形成されたステーボルト25を緊締螺入させることにより、一体化された冠部材20およびコントロールホイル13を駆動ホイル8に緊締させて、全体が駆動ホイル8と一体回転可能に軸支されている。
【0041】
このようにして組み立てられている物品搬送装置1は、一対のカムフォロア2、駆動ホイル8およびコントロールホイル13は、送り出し対象の物品形状に合わせて、ぞれぞれ交換可能とされている。
【0042】
そして、ホイルベース7は、前記コンベア上のピッチ調整位置において、前記コンベア脇に配設されたブラケット26に沿って、前記コンベアに接離する方向(図1の矢印A方向)にスライド可能に配設されており、コントロールホイル13の外周に等間隔に形成されたポケット14が、送り出し対象の物品を前記ピッチ調整位置において収容保持可能なように、前記コンベアに対する位置を調整可能とされている。詳しくは、本実施形態において、ホイルベース7のベース本体7Aの側辺中央部には側方へ水平に延出させたフランジ部7Dが形成されている。
【0043】
一方、ブラケット26は、前記ピッチ調整位置が形成される物品の搬送経路としてのコンベアと平行に配設されたブラケット基板26A(図2、図3参照)から、前記コンベアに向けて水平に延出された2本のブラケット梁部26Bを有する。2本のブラケット梁部26B間は、ホイルベース7の裏面側に配設された各種部材が配置される空間部とされる。そして、ブラケット梁部26Bは、ホイルベース7のベース本体7Aをスライド自在に載置する載置面26Baと、その載置面26Baの互いに離間する側方に、ホイルベース7のスライド方向に延在させて形成されて、スライド時にホイルベース7の両側辺をガイドする、堤状のスライドガイド部26Bbとを備えている。また、スライドガイド部26Bbの長手方向中間部には載置面26Baを連続させる切欠き開口部26Cが形成されており、ホイルベース7のフランジ部7Dを位置させ、切欠き開口部26Cの延在方向両端に位置するスライドガイド部26Bbの端部において、ホイルベース7のスライド長さを規制するように構成されている。
【0044】
また、本実施形態においては、ホイルベース7のスライド長さを規制する別の手段として、図2および図3に示すように、前記各ブラケット梁部26Bには、載置面26Ba内においてホイルベース7のスライド方向に延在する長孔26Dが形成され、ベース本体7Aの前記ブラケット梁部26Bの載置面と対向する部分には、ホイルベース7のスライド用のねじ孔7Fが形成されているとともに、該ねじ孔7Fに螺合する止めねじ28Aと一体に形成されたクランプ29を備えている。詳しくは、前記クランプ29は緩み止めの接着剤等を用いつつ止めねじ29Aを介して円筒部材28の一端部に一体に固定されており、前記円筒部材28の他端面中央には緩み止めの接着剤等を用いつつ、止めねじ28Aがその先端を延出させて一体に配設されている。
【0045】
そして、クランプ29は、止めねじ28Aを長孔26D内を挿通させ、クランプ29を回転操作して、止めねじ28Aのホイルベース7のねじ孔7Fに対する螺合を強め、前記円筒部材28の他端面を長孔26Dの周縁のブラケット梁部26Bに押し付けると共にホイルベース7をブラケット梁部26Bの載置面26Baに引き寄せて緊密に面接触させ、ロックさせることが可能であり、また、止めねじ28Aの螺合を緩めることで、ホイルベース7の載置面26Baに対する緊密な面接触を解除し、さらに、クランプ29を把持した状態で、ホイルベース7を所望の位置にスライド移動させることが可能とされている。
【0046】
さらに、本実施形態においては、ホイルベース7のスライド長さを規制するさらに別の手段として、図2に示すように、ブラケット基板26Aにおける前記ブラケット梁部26Bの配置位置の両外方に、夫々、ポジショナー30が配設されている。このポジショナー30は不図示のゲージピンがブラケット梁部26Bに平行に、ねじ等によって配設可能とされている。そして、そのゲージピンを用いて、所望の位置にホイルベース7をスライドさせたり、あるいは所望の長さのゲージピンの先端部に、スライドガイド部26Bbから外方へ延出するフランジ部7Dを当接させることで、ホイルベース7のスライド長さを規制するとともに、簡単に所望の位置にホイルベース7、コントロールホイル13等を配置可能に構成されている。
【0047】
次に、本実施形態の物品搬送装置1のさらに詳細な構成と、その動作との関係について説明する。
【0048】
前述のように、本実施形態の物品搬送装置1において、駆動ホイル8は、図2、図5に示すように、外周上に9個の波頭状の爪部9が右回りに連続的、等間隔かつその軌道面が曲線的になるようにしてラチェット様に形成されている。その際、隣位する波頭状の爪部9間に夫々形成される計9個の凹部10は、カムフォロア2の外形寸法に合わせ、カムフォロア2がこの凹部10に収まることで、駆動ホイル8の回転のストッパとして作用するような形状寸法に形成されている。
【0049】
また、本実施形態の駆動ホイル8は、各凹部10の形成位置の直径上となる対向位置、すなわち180°回転位置に、回転方向に数えて5番目の爪部9の後頭部位が位置するように形成されている。
【0050】
さらには、一対のカムフォロア2は、一方のカムフォロア2が駆動ホイル8の凹部10に収納されたときに、他方のカムフォロア2は、回転方向に数えて5番目の爪部9の先端から直径方向へ離間して位置するように、一対のカムフォロア2間の寸法が、駆動ホイル8の径寸法も勘案しつつ、設計されている。
【0051】
ここで、本実施形態においては、エアシリンダ4にコンプレッサから圧縮エアが供給されることにより、エアシリンダ4の前記ロッドにブロック体3Bを介して固定された駆動ベース3は、前記ロッドに合わせて、その移動方向へ移動する。その際、駆動ベース3に配設された一対のカムフォロア2も駆動ホイル8の直径上において直線的に移動する。よって、本実施形態においては、該物品搬送装置1を取り付ける(組み立てる)際には、いずれか一方のカムフォロア2(2B)が凹部10に収まっている状態から、駆動を開始するように取り付けておく(図5(1)参照)。
【0052】
このような初期状態に設定された本実施形態の物品搬送装置1においては、エアシリンダ4を駆動させ、駆動ベース3を一方向(図5(1)において右方向)へ移動させると、凹部10に収納されていた一方のカムフォロア2(2B)は、その凹部10から抜け出て、駆動ホイル8から離間して位置するように移動する。他方のカムフォロア2(2A)は、駆動ホイル8に近接するように移動し、その移動ライン上にある爪部9の波頭部分の後頭部位へ当接し、続いて、さらに同方向へ移動する際に、爪部9の波頭の背部に摺接しつつ、駆動ホイル8にエアシリンダ4の駆動力を回転力に代えて伝達し、駆動ベース3が該一方向の移動を完了した時点で、隣位の爪部9との間に形成された凹部10に収納される。
【0053】
このカムフォロア2の往復動作を繰り返し行なうことにより、前記駆動ホイル8を間歇的に回転させることができる。
【0054】
ここで、図5を用いて、この一連の駆動における一対のカムフォロア2と駆動ホイル8との係合関係についてさらに詳しく説明すると、まず、図5(1)において左側に示す、駆動ホイル8に近接するべく右方向へ移動する一方のカムフォロア2Aは、エアシリンダ4が駆動されることにより、その移動ライン上にある爪部9の波頭部分の後頭部位へ当接する。また、他方のカムフォロア2Bは、前記爪部9と直径上における対向位置にある凹部10に対する収まり具合が浅くなり、駆動ホイル8の回転を阻害しないように、爪部9の回動軌跡から外側方向へ移動する(図5(2))。なお、この時点においては、駆動ホイル8にはまだ、エアシリンダ4の駆動力が駆動ホイル8の回転力として伝達されないので、駆動ホイル8の回転角度は0°である。また、本実施形態においては、この時の前記一方のカムフォロア2Aと爪部9との圧接角は22.7°に設計されている。
【0055】
その後、一方のカムフォロア2Aは、自らも外輪2bを回転させながら駆動ホイル8の波頭部分の背を滑りつつ相対移動してエアシリンダ4の駆動力を駆動ホイル8の回転力として伝達させる。これにより、駆動ホイル8を回転させる。また、他方のカムフォロア2Bは、最終的には、前記爪部9と直径上における対向位置にある凹部10から完全に抜け出て、爪部9の回動軌跡の外側に位置する(図5(3)乃至図5(5))。
【0056】
本実施形態において、エアシリンダ4の駆動力が駆動ホイル8の回転力として伝達され、駆動ホイル8の回転角度が5°となった時の前記一方のカムフォロア2Aと爪部9との圧力角は24.8°(図5(3))、駆動ホイル8の回転角度が10°となった時の前記一方のカムフォロア2と爪部9との圧力角は27.6°(図5(4))、駆動ホイル8の回転角度が15°となった時の前記一方のカムフォロア2と爪部9との圧力角は28.5°(図5(5))に設計されており、このように円滑な直動−回動変換を実行可能にするため、圧力角を30°未満に抑えることで、後述するようにコントロールホイル13が物品を送り出す際の力が過大にならないように制御している。
【0057】
そして、本実施形態においては、エアシリンダ4の駆動力が駆動ホイル8の回転力として伝達され、駆動ホイル8の回転角度が20°となった時点で、前記一方のカムフォロア2Aは、次位の爪部9との間に形成された凹部10に収納される。また、他方のカムフォロア2Bは、この時点では、駆動ホイル8の直径方向へ離間して位置する(図5(6))。
【0058】
このように、凹部10に収納された一方のカムフォロア2Aは、駆動ホイル8の更なる回転を規制するストッパとなって作用する。これにより、後述するようにコントロールホイル13に後続の物品のラインプレッシャーが作用しても、該駆動ホイル8にストッパが掛かることにより、該駆動ホイル8と一体回転するように一軸で配設されているコントロールホイル13が回転してしまうことを防止することができる。よって、搬送経路の下流側に物品が詰まっているような場合に、送り出し対象の物品が強制的、機械的に押し出され、結果として、他の物品に押し付けられたり、コントロールホイル13との間に挟まれたりして破損してしまうような事故の発生を確実に防止することができる。
【0059】
次に、同じく、図5を用いて、駆動ホイル8と一軸で一体に回転可能に配設されたコントロールホイル13による送り出し対象の物品の送り出し動作について説明する。
【0060】
前述したように、本実施形態において、駆動ホイル8は駆動ベース3の一方向への1回の移動動作によって20°回転する。ここで、前記コントロールホイル13は、その外周に、駆動ホイル8に形成された爪部9の個数(9個)の倍数である18個のポケット14が形成されており、爪部9を用いた駆動ベース3の間歇的な1回の回転動作(20°)で、1つのポケット14を用いて、物品の間歇的な送り出しを行なうように構成されている。
【0061】
そして、本実施形態においては、物品搬送装置1を取り付ける(組み立てる)際には、いずれか一方のカムフォロア2が駆動ホルダ8の凹部10に収まった前述の初期状態において、コンベア上のピッチ調整位置に供給される物品を、いずれかのポケット14に収納保持するように、前記ホイルベース7をブラケット梁部26Bの載置面26Ba上をスライドガイド部26Bbに沿ってスライドさせて位置合わせを行なう。具体的には、クランプ29を回転操作して、ホイルベース7のスライドのロックを解除し、クランプ29を把持した状態で、ホイルベース7を所望の位置にスライド移動させたのち、再び、クランプ29を回転操作して、ホイルベース7のスライドをロックする。そのホイルベース7の位置決めの際には、前述のポジショナー30やゲージピンを用いて位置決めを行ってもよい。
【0062】
また、ホイルベース7の位置決めとともに、冠部材20に取り付けられたコントロールホイル13の回転位置を調整し、いずれかのポケット14をピッチ調整位置に正対向させる調整を行なう。その際、本実施形態においては、コントロールホイル13のホイル軸ねじ孔18Bに螺設されたノブナット24と緩み止めの接着剤を用いて一体形成されているステーボルト25を取り外し、さらに、コントロールホイル13に穿設された3箇所のねじ貫通溝13Bに嵌挿させたボルトの冠部材20のねじ孔20Cに対する螺合を緩めた状態で、コントロールホイル13を冠部材20に対して回転させつつ、ポケット14の位置の微調整を行なう(図5(1)参照)。また。微調整後は、各部を緊締する。
【0063】
このような初期状態に設定された本実施形態の物品搬送装置1においては、前述のように、エアシリンダ4を駆動させ、往復動する駆動ベース3に配設されたカムフォロア2を介してその駆動力を駆動ホイル8の回転力として伝達すると、駆動ホイル8は、駆動ベース3の一方向への移動毎に20°ずつ間歇的に回転する。この駆動ホイル8の回転に伴い、駆動ホイル8と一軸上で一体回転するように構成されたコントロールホイル13も同様に、20°ずつ間歇的に回転することとなる。初期状態において外周に形成されたポケット14をピッチ調整位置に正対向させて配設されたコントロールホイル13は、コンベア上に物品の搬送経路の上流側から供給されて来る送り出し対象の物品をポケット14に収納した、回転角度0°の状態から、搬送経路の下流側へ20°回転する間(図5(2)乃至図5(6))、ポケット14の下流側端部は、搬送経路から離間してその下流側を解放するとともに、上流側端部は、ポケット14内に保持していた物品を送り出すように作用する。そして、20°の回転を終えた時には、解放された物品は後続の物品から1つだけ分離され、コンベアにより搬送経路の下流側へ搬送されることとなる。また、このとき、ピッチ調整位置には、後続の物品によるラインプレッシャーとコンベアの搬送とにより、送り出された物品の次位の物品が送り込まれ、回転方向において隣位している次位のポケット14によって収納保持される。
【0064】
この一連の動作を繰り返し行なうことにより、コントロールホイル13を間歇的に回転させ、物品を後続の物品から分離し、所望のピッチで送り出すことができる。なお、ピッチ間隔は、エアシリンダ4の往復動のスピードを変化させることで調整可能である。そして、エアシリンダ4の一方向への1回の移動で、物品を1つ、送り出すことができるので、物品の搬送を極めて迅速に行なうことが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の物品搬送装置1においては、コントロールホイル13で物品を1つずつ送り出すので、上流側から搬送供給される最後の1つの物品まで、下流の搬送経路へ、所望のピッチで送り出すことができる。その際、送り出す物品に対する後続の物品のラインプレッシャーをコントロールホイル13で遮ることで、物品を一定の力(本実施形態においては、大凡10kg/cm程度)で送り出すことができる。
【0066】
さらに、駆動装置として、エアシリンダ4を利用した本実施形態においては、コントロールホイル13による物品の送り出しにクッションが働く。つまり、搬送方向下流側に物品が詰まっているような場合には、送り出し対象の物品は先に進めない。その場合には、コントロールホイル13および駆動ホイル8を一体にして回転させる駆動力を供給するエアシリンダ4は、設定以上の圧力となったところで前記リリーフ弁が作動し、エアを逃がすことで、そのカムフォロア2の往動作(あるいは復動作)が途中でキャンセルされる状態(クッションが働いた状態)となり、、この回の物品の送り出しは行われない。このように、送り出し対象の物品が強制的、機械的に押し出されることに起因して、他の物品に押し付けられたり、コントロールホイル13との間に挟まれたりして破損してしまうような事故の発生を防止することができる。
【0067】
また、本実施形態の物品搬送装置1においては、コントロールホイル13は、送りだし対象の物品の形状に合わせて適宜交換可能であることは前述の通りである。例えば、送り出し対象の物品の外径が前述の図5に示す物品よりも大きくなった場合には、径寸法のみが異なり、ポケット14の形成数は変更のないコントロールホイル13に交換するだけで、該物品搬送装置1の他の構成、例えば、駆動ホイル8、一対のカムフォロア2等を交換することなく、この物品搬送装置1を駆動させることができる。また、物品の送り出し方向が本実施形態と反対方向になる場合には、駆動ホイル8の爪部9が反対方向へ回転する駆動ホイル8に交換すればよい。例えば、前記駆動ホイル8の表裏を返して利用可能に、両面中央に中心凹部を形成し、物品の搬送方向に合わせて表裏を適宜選択して、該物品搬送装置1のシャフト18に配設してもよい。
【0068】
なお、本発明の物品搬送装置1は本実施形態の構成に限るものではない。
【0069】
例えば、駆動ホイル8とコントロールホイル13は、本実施形態のように同軸上で一体に回転可能に軸支されていなくても、要は、駆動ホイル8の回転により、コントロールホイル13が所定量だけ回転するように構成されていればよく、例えば、他のギア群を介して駆動ホイル8の回転が伝達されるように構成されていてもよい。
【0070】
また、ホイルベース7の片面側に駆動ホイル8とコントロールホイル13を配設するような構成であってもよい。
【0071】
また、本実施形態においては、1本のコンベア上に整列配置された状態で上流側から供給される物品を、搬送方向下流側へ1つずつ所望のピッチ(間隔)で送るように、本発明の物品搬送装置1が配設された場合を以て説明したが、本発明の物品搬送装置1が配設される搬送経路も、このように1本のコンベアによって構成されるものでなくてよい。例えば、上流側に配設されたコンベアと、下流側に配設されたインフィードスクリュとの物品の受け渡し場所を前記ピッチ調整位置とし、インフィードスクリュへ物品を供給するピッチを本発明の物品搬送装置1により調整するように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 物品搬送装置
2(2A,2B) カムフォロア
2a 取付けボルト
2b 外輪
2c ナット
3 駆動ベース
3A ベース本体
3Aa 延出部
3B ブロック体
4 駆動装置(エアシリンダ)
4A 外装ケース
7 ホイルベース
7A ベース本体
7B 円形開孔
7C ベース側切欠き段部
7D フランジ部
8 駆動ホイル
8A 中心凹部
8B ねじ貫通孔
9 爪部
10 凹部
13 コントロールホイル
13A 中心凹部
13B ねじ貫通溝
13C ホイル側軸ねじ挿通孔
14 ポケット
16 ボールベアリング
17 ベアリング用カラー
18 シャフト
18A ねじ孔
18B シャフト側軸ねじ孔
18C 溝
19 カラー
20 冠部材
20A 冠側軸ねじ挿通孔
20B 嵌合凸部
20C ねじ孔
20D 中心凹部
22 ワッシャ
23 カラー
24 ノブナット
25 ステーボルト
26 ブラケット
26A ブラケット基板
26B ブラケット梁部
26Ba 載置面
26Bb スライドガイド部
26C 切欠き開口部
26D 長孔
28 円筒部材
28A 止めねじ
29 クランプ
29A 止めねじ
30 ポジショナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送経路途中に配設され、ピッチ調整位置において上流側より供給された物品を、搬送方向下流側へ1つずつ所望のピッチで送るための物品搬送装置であって、
一対のカムフォロアが離間して配設された駆動ベースと、
前記駆動ベースを前記一対のカムフォロアの離間方向に往復動させる駆動装置と、
前記駆動ベースの往復動により前記一対のカムフォロアが径方向の両端において交互に当接することにより間歇的に一定角度回転可能に配設されたラチェット状の駆動ホイルと、
前記駆動ホイルの回転力により回転可能に軸支され、前記ピッチ調整位置において、外周に等間隔に形成されたポケットが物品の搬送経路上に供給される送り出し対象の物品を収容保持するようにして配設されたコントロールホイルと、
を備えることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記駆動ベースをロッドに固定したリニアアクチュエータからなることを特徴とする請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記駆動装置は、供給されるエアの圧力をコントロール可能とされたエアシリンダであることを特徴とする請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記駆動ホイルとコントロールホイルが同一のホイルベースに配設されており、前記ホイルベースには、前記駆動装置および駆動ベースが配設されているとともに、前記ホイルベースは、前記ピッチ調整位置に前記ポケットを対応させるように配設位置を調整可能に、ブラケットに支持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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