物品支持体
【課題】挿入穴が設けられた板部材が折れ曲がらない、高い強度を確保した物品支持体を提供する。
【解決手段】挿入穴1Hが設けられた上面板1と、前記上面板1の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される側面板2と、挿入穴が設けられた中間板と、を備える物品支持体100であって、前記側面板2は、隣り合う前記側面板2同士で連結され、前記中間板3は、前記側面板2で囲まれた領域内で前記上面板1から離間した位置に配置され、前記上面板1の挿入穴1Hと前記中間板の挿入穴によって物品を保持する、ことを特徴とする物品支持体。
【解決手段】挿入穴1Hが設けられた上面板1と、前記上面板1の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される側面板2と、挿入穴が設けられた中間板と、を備える物品支持体100であって、前記側面板2は、隣り合う前記側面板2同士で連結され、前記中間板3は、前記側面板2で囲まれた領域内で前記上面板1から離間した位置に配置され、前記上面板1の挿入穴1Hと前記中間板の挿入穴によって物品を保持する、ことを特徴とする物品支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品支持体の技術に関する。より詳細には、高い強度を確保する物品支持体の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビンなどの物品を保持する物品支持体が知られている(例えば特許文献1参照)。物品支持体は、複数の挿入穴が設けられた板部材を備えており、それぞれの挿入穴が物品を支えることによって該物品を保持する。
【0003】
しかし、このような物品支持体は、挿入穴が設けられた板部材の強度が低いため、該板部材が折れ曲がるという問題点を有していた。具体的に説明すると、複数の挿入穴が設けられた板部材は、挿入穴同士が隣接しているために強度が低く、隣り合う挿入穴の間の部分で該板部材が折れ曲がるという問題点を有していたのである。そして、挿入穴が設けられた板部材が折れ曲がった場合は、美感を損なうとともに、物品を安定して保持することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3954422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、挿入穴が設けられた板部材が折れ曲がらない、高い強度を確保した物品支持体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、第1の発明は、
挿入穴が設けられた上面板と、
前記上面板の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される側面板と、
挿入穴が設けられた中間板と、を備える物品支持体であって、
前記側面板は、隣り合う前記側面板同士で連結され、
前記中間板は、前記側面板で囲まれた領域内で前記上面板から離間した位置に配置され、
前記上面板の挿入穴と前記中間板の挿入穴によって物品を保持する、としたものである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に係る物品支持体において、
前記側面板は、該側面板の内面側に重ね合わされる内側面板を具備し、
前記内側面板は、前記側面板の端縁で延設部分を折返すことによって形成される、としたものである。
【0009】
第3の発明は、第2の発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、前記内側面板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、としたものである。
【0010】
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記側面板に設けられた切込部に挿入される、としたものである。
【0011】
第5の発明は、第2から第3のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記内側面板に設けられた切込部に挿入される、としたものである。
【0012】
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、該中間板の梁となる補強板を具備し、
前記補強板は、前記中間板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、としたものである。
【0013】
第7の発明は、第6の発明に係る物品支持体において、
前記補強板は、物品に敷かれる底面板を具備し、
前記底面板は、前記補強板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、としたものである。
【0014】
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記上面板と前記中間板は、前記挿入穴の径方向に突設された支持片を具備し、
前記上面板の支持片と前記中間板の支持片は、互いに位相が異なる位置に設けられる、としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
第1の発明によれば、側面板が隣り合う側面板同士で連結され、中間板が側面板で囲まれた領域内で上面板から離間した位置に配置されるため、高い強度を確保できる。
【0017】
第2の発明によれば、側面板の内面側に重ね合わされる内側面板を具備するため、高い強度を確保できる。また、内側面板が側面板の端縁で延設部分を折返すことによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0018】
第3の発明によれば、中間板が内側面板の端縁で延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0019】
第4の発明によれば、中間板の端縁に設けられた差込片が側面板に設けられた切込部に挿入されるため、高い強度を確保できる。
【0020】
第5の発明によれば、中間板の端縁に設けられた差込片が内側面板に設けられた切込部に挿入されるため、高い強度を確保できる。
【0021】
第6の発明によれば、中間板の梁となる補強板を具備するため、高い強度を確保できる。また、補強板が中間板の端縁で延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0022】
第7の発明によれば、物品に敷かれる底面板を具備するため、物品の重量によって物品支持体を押さえることができる。また、底面板が補強板の延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0023】
第8の発明によれば、挿入穴の径方向に突設された支持片を具備するため、物品を安定させることができる。また、上面板の支持片と中間板の支持片が互いに位相が異なる位置に設けられるため、物品を挿入する際の抵抗を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】物品支持体100の斜視図。
【図2】物品支持体100の斜視図。
【図3】物品支持体100の展開図。
【図4】物品支持体100の組み立て図。
【図5】物品支持体100の組み立て図。
【図6】物品支持体100の組み立て図。
【図7】物品支持体100の組み立て図。
【図8】物品支持体100の組み立て図。
【図9】物品支持体100の組み立て図。
【図10】物品支持体100の断面図。
【図11】物品支持体100の上面図。
【図12】物品支持体100に補強部材Rを組み込む場合の組み立て図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る物品支持体100の構成について説明する。
【0026】
図1は、物品支持体100を斜め上方から見た斜視図である。また、図2は、物品支持体100を斜め下方から見た斜視図である。なお、物品支持体100の長手方向を前後方向、物品支持体100の短手方向を左右方向、そして、重力の作用方向を上下方向と定義して図中に示す。
【0027】
物品支持体100は、ビンなどの物品Vを保持するものである(図10参照)。物品支持体100は、主に上面板1と、側面板2と、中間板3と、で構成される。
【0028】
上面板1は、挿入穴1Hが設けられた平板である。本実施形態において、上面板1は、物品支持体100の前後方向に4つの挿入穴1Hが設けられている。上面板1は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0029】
側面板2は、上面板1に連設された平板である。本実施形態において、側面板2は、上面板1の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される。即ち、側面板2は、上面板1の各端縁から該上面板1に対して垂直に配置される。側面板2は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0030】
中間板3は、挿入穴3Hが設けられた平板である。本実施形態において、中間板3は、物品支持体100の前後方向に4つの挿入穴3Hが設けられている。そして、中間板3は、側面板2に囲まれた領域内で上面板1から離間した位置に該上面板1に対して平行に配置される。中間板3は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0031】
このような構成により、物品支持体100は、上面板1の挿入穴1Hと中間板3の挿入穴3Hによって物品Vを安定して保持できる(図10参照)。つまり、物品支持体100は、上下二つの挿入穴1H・3Hによって物品Vを支えるため、物品Vを安定して保持できるのである。
【0032】
また、本実施形態に係る物品支持体100は、内側面板4と、補強板5と、底面板6と、を具備する。
【0033】
内側面板4は、側面板2の内面側に重ね合わされた平板である。本実施形態において、内側面板4は、側面板2の端縁で延設部分を折返すことによって形成される。即ち、内側面板4は、側面板2の端縁から該側面板2の内面側に重なるように配置される。内側面板4は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0034】
補強板5は、中間板3の梁となる平板である。本実施形態において、補強板5は、中間板3の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される。即ち、補強板5は、中間板3の各端縁から該中間板3に対して垂直に配置される。補強板5は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0035】
底面板6は、物品に敷かれる平板である。本実施形態において、底面板6は、補強板5の端縁で延設部分を折曲することによって形成される。即ち、底面板6は、補強板5の端縁から上面板1及び中間板3に対して平行に配置される。底面板6は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0036】
次に、図3から図9を用いて、物品支持体100の組み立て工程を説明する。また、物品支持体100が有する特徴点について説明する。
【0037】
図3は、物品支持体100を展開した状態の斜視図である。図4から図9は、物品支持体100の組み立て工程を示す斜視図である。
【0038】
ここで、説明の便宜のため、物品支持体100の前後方向に対して垂直に配置される側面板2を第一側面板21、物品支持体100の左右方向に対して垂直に配置される側面板2を第二側面板22と定義する。また、第一側面板21の内面側に重なるように配置される内側面板4を第一内側面板41、第二側面板22の内面側に重なるように配置される内側面板4を第二内側面板42と定義する。
【0039】
第一側面板21は、上面板1に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第一側面板21は、上面板1の端縁となる折目線1fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第一工程は、第一側面板21を折目線1fに沿って下方へ折曲することである(図4参照)。これにより、第一側面板21は、上面板1の各端縁から該上面板1に対して垂直に配置される。
【0040】
第一内側面板41は、第一側面板21に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第一内側面板41は、第一側面板21の端縁となる折目線2fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第二工程は、第一内側面板41を折目線2fに沿って内面側に折返すことである(図5参照)。これにより、第一内側面板41は、第一側面板21の端縁から該第一側面板21の内面側に重なるように配置される。
【0041】
第二側面板22は、上面板1に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第二側面板22は、上面板1の端縁となる折目線1fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第三工程は、第二側面板22を折目線1fに沿って下方へ折曲することである(図6参照)。このとき、第一側面板21と第二側面板22の間には、連結手段となる折込フラップ7が設けられているため(図3参照)、該折込フラップ7の折目線7fに沿って折返しながら第二側面板22を折曲することになる。これにより、第二側面板22は、上面板1の各端縁から該上面板1に対して垂直に配置される。また、第一側面板21と第二側面板22は、折込フラップ7によって連結された状態となる。
【0042】
第二内側面板42は、第二側面板22に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第二内側面板42は、第二側面板22の端縁となる折目線2fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第四工程は、第二内側面板42を折目線2fに沿って内面側に折返すことである(図7参照)。このとき、一方の第二内側面板42には、後述するように中間板3が連設されているため(図3参照)、該中間板3を折目線4fに沿って折り曲げた状態で第二内側面板42を折返すことになる。また、中間板3には、後述するように補強板5が連設されているため(図3参照)、該補強板5を折目線3fに沿って折り曲げた状態で第二内側面板42を折返すことになる。これにより、第二内側面板42は、第二側面板22の端縁から該第二側面板22の内面側に重なるように配置される。
【0043】
このような構成により、物品支持体100は、側面板2(第一側面板21、第二側面板22)の内面側に重ね合わされる内側面板4(第一内側面板41、第二内側面板42)を具備するため、高い強度を確保できる。また、内側面板4(第一内側面板41、第二内側面板42)が側面板2(第一側面板21、第二側面板22)の端縁で延設部分を折返すことによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0044】
なお、本実施形態に係る物品支持体100は、第一内側面板41に連設された第一支持板81を具備する(図3参照)。第一支持板81は、折目線8fに沿って折曲されるため、上面板1の内面側に重なるように配置される(図5参照)。このように、物品支持体100は、第一支持板81によって内側から上面板1を支える構造を採用している。従って、物品支持体100は、高い強度を確保できる。
【0045】
また、本実施形態に係る物品支持体100は、第二内側面板42に連設された第二支持板82を具備する(本物品支持体100においては左方の第二内側面板42に連設されている)(図3参照)。第二支持板82は、折目線8fに沿って折曲されるため、上面板1の内面側に重なるように配置される(図7参照)。このように、物品支持体100は、第二支持板82によって内側から上面板1を支える構造を採用している。従って、物品支持体100は、高い強度を確保できる。
【0046】
更に、本実施形態に係る物品支持体100は、第二内側面板42に中間板3が連設されている(本物品支持体100においては右方の第二内側面板42に連設されている)(図3参照)。詳細に説明すると、中間板3は、第二内側面板42の端縁となる折目線4fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第五工程は、中間板3を折目線4fに沿って上面板1に平行となるように折曲することである(図8参照)。このとき、中間板3には、後述するように補強板5が連設されているため、該補強板5を折目線3fに沿って折り曲げた状態で中間板3を折返すことになる。これにより、中間板3は、第一側面板21や第二側面板22に囲まれた領域内で上面板1から離間した位置に該上面板1に対して平行に配置される。
【0047】
このような構成により、物品支持体100は、側面板2(第一側面板21、第二側面板22)が隣り合う側面板2(第一側面板21、第二側面板22)同士で連結され、中間板3が側面板2で囲まれた領域内で上面板1から離間した位置に配置されるため、高い強度を確保できる。また、中間板3が内側面板4(第二内側面板42)の端縁で延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0048】
なお、本実施形態に係る物品支持体100は、中間板3の端縁に差込片9を具備する(図3参照)。詳細に説明すると、差込片9は、折目線3fに沿って複数設けられており、中間板3の端縁から突出するように配置される。一方、本実施形態に係る物品支持体100は、第一内側面板41及び第二内側面板42に切込部4Cが設けられている(図3参照)。詳細に説明すると、切込部4Cは、中間板3が折目線4fに沿って折曲された際に該中間板3に対して平行となる位置に設けられている。これにより、中間板3が折目線4fに沿って折曲されると、差込片9が切込部4Cに挿入される。
【0049】
このような構成により、物品支持体100は、中間板3の端縁に設けられた差込片9が内側面板4(第一内側面板41、第二内側面板42)に設けられた切込部4Cに挿入されるため、高い強度を確保できる。また、差込片9が切込部4Cに挿入されることによって中間板3の位置が定まるため、組み立てが容易となる。
【0050】
なお、本実施形態に係る物品支持体100では、第一内側面板41及び第二内側面板42に切込部4Cを設けているが、第一側面板21と第二側面板22にも切込部2C(図示せず)を設けて差込片9が切込部2C・4Cに挿入されるとしても良い。更に、内側面板4を有しない又は内側面板4を有しない部分がある別実施形態に係る物品支持体200(図示せず)では、差込片9が切込部2Cにのみ挿入される構成であっても良い。このような構成においても、高い強度を確保でき、組み立てが容易となる。
【0051】
補強板5は、中間板3に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、補強板5は、中間板3の端縁となる折目線3fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第六工程は、補強板5を折目線3fに沿って下方へ折曲することである(図8参照)。これにより、補強板5は、中間板3の端縁から該中間板3に対して垂直に配置される。
【0052】
このような構成により、物品支持体100は、中間板3の梁となる補強板5を具備するため、高い強度を確保できる。また、補強板5が中間板3の端縁で延設部分を折返すことによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0053】
底面板6は、補強板5に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、底面板6は、補強板5の端縁となる折目線5fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第七工程は、底面板6を折目線5fに沿って折曲することである(図9参照)。これにより、底面板6は、上面板1及び中間板3に対して平行に配置される。
【0054】
このような構成により、物品支持体100は、物品Vに敷かれる底面板6を具備するため、物品Vの重量によって物品支持体100を押さえることができる(図10参照)。このため、物品支持体100を納める外箱Bの上蓋B1を開けた際に、他の物品Vが物品支持体100を押さえるため、上蓋B1とともに物品支持体100が持ち上がらない。また、一の物品Vを挿入穴1H・3Hから取り出す際に、他の物品Vが物品支持体100を押さえるため、物品Vとともに物品支持体100が持ち上がらない。更に、底面板6が補強板5の延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0055】
以上が本実施形態に係る物品支持体100の組み立て工程の説明と物品支持体100が有する特徴点についての説明である。以下では、本実施形態に係る物品支持体100の他の特徴点について説明する。
【0056】
本物品支持体100の上面板1は、挿入穴1Hの径方向に突設された支持片11を具備する(図1、図3参照)。本実施形態において、支持片11は、挿入穴1Hの周方向に90度毎に配置されている。また、本物品支持体100の中間板3は、挿入穴3Hの径方向に突設された支持片31を具備する(図2、図3参照)。本実施形態において、支持片31は、挿入穴3Hの周方向に90度毎に配置されている。
【0057】
そして、図11に示すように、上面板1の支持片11と中間板3の支持片31は、互いに位相が異なる位置に設けられている。つまり、上面板1と中間板3の支持片11・31は、互いに45度位相が異なり、上方から見て重ならないように配置されている。なお、本実施形態における支持片11と支持片31は、互いに45度位相がズレた位置に配置されているが、その角度について限定するものではない。
【0058】
このような構成により、物品支持体100は、挿入穴1H・3Hの径方向に突設された支持片11・31を具備するため、物品Vを安定させることができる。また、上面板1の支持片11と中間板3の支持片31が互いに位相が異なる位置に設けられるため、物品Vを挿入する際の抵抗を減らすことができる。更に、あらゆる方向の衝撃に対して物品Vを安定して保持できる。
【0059】
また、図12に示すように、本物品支持体100は、補強部材Rを組み込むことを可能としている。補強部材Rは、挿入穴RHが設けられた平板R1と端縁を下方へ折曲することによって形成される補強板R2で構成される。補強部材Rは、上面板1の内面側に配置された状態で第一内側面板41及び第二内側面板42が折返されることによって該物品支持体100に組み込まれる。
【0060】
このような構成により、物品支持体100は、補強部材Rを組み込んだ場合、更に高い強度を確保できる。
【符号の説明】
【0061】
1 上面板
11 支持片
1H 挿入穴
1f 折目線
2 側面板
21 第一側面板
22 第二側面板
2f 折目線
3 中間板
31 支持片
3H 挿入穴
3f 折目線
4 内側面板
41 第一内側面板
42 第二内側面板
4f 折目線
5 補強板
5f 折目線
6 底面板
7 折込フラップ
81 第一支持板
82 第二支持板
9 差込片
100 物品支持体
V 物品
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品支持体の技術に関する。より詳細には、高い強度を確保する物品支持体の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビンなどの物品を保持する物品支持体が知られている(例えば特許文献1参照)。物品支持体は、複数の挿入穴が設けられた板部材を備えており、それぞれの挿入穴が物品を支えることによって該物品を保持する。
【0003】
しかし、このような物品支持体は、挿入穴が設けられた板部材の強度が低いため、該板部材が折れ曲がるという問題点を有していた。具体的に説明すると、複数の挿入穴が設けられた板部材は、挿入穴同士が隣接しているために強度が低く、隣り合う挿入穴の間の部分で該板部材が折れ曲がるという問題点を有していたのである。そして、挿入穴が設けられた板部材が折れ曲がった場合は、美感を損なうとともに、物品を安定して保持することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3954422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、挿入穴が設けられた板部材が折れ曲がらない、高い強度を確保した物品支持体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、第1の発明は、
挿入穴が設けられた上面板と、
前記上面板の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される側面板と、
挿入穴が設けられた中間板と、を備える物品支持体であって、
前記側面板は、隣り合う前記側面板同士で連結され、
前記中間板は、前記側面板で囲まれた領域内で前記上面板から離間した位置に配置され、
前記上面板の挿入穴と前記中間板の挿入穴によって物品を保持する、としたものである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に係る物品支持体において、
前記側面板は、該側面板の内面側に重ね合わされる内側面板を具備し、
前記内側面板は、前記側面板の端縁で延設部分を折返すことによって形成される、としたものである。
【0009】
第3の発明は、第2の発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、前記内側面板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、としたものである。
【0010】
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記側面板に設けられた切込部に挿入される、としたものである。
【0011】
第5の発明は、第2から第3のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記内側面板に設けられた切込部に挿入される、としたものである。
【0012】
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記中間板は、該中間板の梁となる補強板を具備し、
前記補強板は、前記中間板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、としたものである。
【0013】
第7の発明は、第6の発明に係る物品支持体において、
前記補強板は、物品に敷かれる底面板を具備し、
前記底面板は、前記補強板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、としたものである。
【0014】
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明に係る物品支持体において、
前記上面板と前記中間板は、前記挿入穴の径方向に突設された支持片を具備し、
前記上面板の支持片と前記中間板の支持片は、互いに位相が異なる位置に設けられる、としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
第1の発明によれば、側面板が隣り合う側面板同士で連結され、中間板が側面板で囲まれた領域内で上面板から離間した位置に配置されるため、高い強度を確保できる。
【0017】
第2の発明によれば、側面板の内面側に重ね合わされる内側面板を具備するため、高い強度を確保できる。また、内側面板が側面板の端縁で延設部分を折返すことによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0018】
第3の発明によれば、中間板が内側面板の端縁で延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0019】
第4の発明によれば、中間板の端縁に設けられた差込片が側面板に設けられた切込部に挿入されるため、高い強度を確保できる。
【0020】
第5の発明によれば、中間板の端縁に設けられた差込片が内側面板に設けられた切込部に挿入されるため、高い強度を確保できる。
【0021】
第6の発明によれば、中間板の梁となる補強板を具備するため、高い強度を確保できる。また、補強板が中間板の端縁で延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0022】
第7の発明によれば、物品に敷かれる底面板を具備するため、物品の重量によって物品支持体を押さえることができる。また、底面板が補強板の延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0023】
第8の発明によれば、挿入穴の径方向に突設された支持片を具備するため、物品を安定させることができる。また、上面板の支持片と中間板の支持片が互いに位相が異なる位置に設けられるため、物品を挿入する際の抵抗を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】物品支持体100の斜視図。
【図2】物品支持体100の斜視図。
【図3】物品支持体100の展開図。
【図4】物品支持体100の組み立て図。
【図5】物品支持体100の組み立て図。
【図6】物品支持体100の組み立て図。
【図7】物品支持体100の組み立て図。
【図8】物品支持体100の組み立て図。
【図9】物品支持体100の組み立て図。
【図10】物品支持体100の断面図。
【図11】物品支持体100の上面図。
【図12】物品支持体100に補強部材Rを組み込む場合の組み立て図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る物品支持体100の構成について説明する。
【0026】
図1は、物品支持体100を斜め上方から見た斜視図である。また、図2は、物品支持体100を斜め下方から見た斜視図である。なお、物品支持体100の長手方向を前後方向、物品支持体100の短手方向を左右方向、そして、重力の作用方向を上下方向と定義して図中に示す。
【0027】
物品支持体100は、ビンなどの物品Vを保持するものである(図10参照)。物品支持体100は、主に上面板1と、側面板2と、中間板3と、で構成される。
【0028】
上面板1は、挿入穴1Hが設けられた平板である。本実施形態において、上面板1は、物品支持体100の前後方向に4つの挿入穴1Hが設けられている。上面板1は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0029】
側面板2は、上面板1に連設された平板である。本実施形態において、側面板2は、上面板1の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される。即ち、側面板2は、上面板1の各端縁から該上面板1に対して垂直に配置される。側面板2は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0030】
中間板3は、挿入穴3Hが設けられた平板である。本実施形態において、中間板3は、物品支持体100の前後方向に4つの挿入穴3Hが設けられている。そして、中間板3は、側面板2に囲まれた領域内で上面板1から離間した位置に該上面板1に対して平行に配置される。中間板3は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0031】
このような構成により、物品支持体100は、上面板1の挿入穴1Hと中間板3の挿入穴3Hによって物品Vを安定して保持できる(図10参照)。つまり、物品支持体100は、上下二つの挿入穴1H・3Hによって物品Vを支えるため、物品Vを安定して保持できるのである。
【0032】
また、本実施形態に係る物品支持体100は、内側面板4と、補強板5と、底面板6と、を具備する。
【0033】
内側面板4は、側面板2の内面側に重ね合わされた平板である。本実施形態において、内側面板4は、側面板2の端縁で延設部分を折返すことによって形成される。即ち、内側面板4は、側面板2の端縁から該側面板2の内面側に重なるように配置される。内側面板4は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0034】
補強板5は、中間板3の梁となる平板である。本実施形態において、補強板5は、中間板3の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される。即ち、補強板5は、中間板3の各端縁から該中間板3に対して垂直に配置される。補強板5は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0035】
底面板6は、物品に敷かれる平板である。本実施形態において、底面板6は、補強板5の端縁で延設部分を折曲することによって形成される。即ち、底面板6は、補強板5の端縁から上面板1及び中間板3に対して平行に配置される。底面板6は、所定の形状に切り抜かれた厚紙の一部分であり(図3参照)、該厚紙から物品支持体100が組み立てられることによって形成される。
【0036】
次に、図3から図9を用いて、物品支持体100の組み立て工程を説明する。また、物品支持体100が有する特徴点について説明する。
【0037】
図3は、物品支持体100を展開した状態の斜視図である。図4から図9は、物品支持体100の組み立て工程を示す斜視図である。
【0038】
ここで、説明の便宜のため、物品支持体100の前後方向に対して垂直に配置される側面板2を第一側面板21、物品支持体100の左右方向に対して垂直に配置される側面板2を第二側面板22と定義する。また、第一側面板21の内面側に重なるように配置される内側面板4を第一内側面板41、第二側面板22の内面側に重なるように配置される内側面板4を第二内側面板42と定義する。
【0039】
第一側面板21は、上面板1に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第一側面板21は、上面板1の端縁となる折目線1fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第一工程は、第一側面板21を折目線1fに沿って下方へ折曲することである(図4参照)。これにより、第一側面板21は、上面板1の各端縁から該上面板1に対して垂直に配置される。
【0040】
第一内側面板41は、第一側面板21に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第一内側面板41は、第一側面板21の端縁となる折目線2fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第二工程は、第一内側面板41を折目線2fに沿って内面側に折返すことである(図5参照)。これにより、第一内側面板41は、第一側面板21の端縁から該第一側面板21の内面側に重なるように配置される。
【0041】
第二側面板22は、上面板1に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第二側面板22は、上面板1の端縁となる折目線1fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第三工程は、第二側面板22を折目線1fに沿って下方へ折曲することである(図6参照)。このとき、第一側面板21と第二側面板22の間には、連結手段となる折込フラップ7が設けられているため(図3参照)、該折込フラップ7の折目線7fに沿って折返しながら第二側面板22を折曲することになる。これにより、第二側面板22は、上面板1の各端縁から該上面板1に対して垂直に配置される。また、第一側面板21と第二側面板22は、折込フラップ7によって連結された状態となる。
【0042】
第二内側面板42は、第二側面板22に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、第二内側面板42は、第二側面板22の端縁となる折目線2fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第四工程は、第二内側面板42を折目線2fに沿って内面側に折返すことである(図7参照)。このとき、一方の第二内側面板42には、後述するように中間板3が連設されているため(図3参照)、該中間板3を折目線4fに沿って折り曲げた状態で第二内側面板42を折返すことになる。また、中間板3には、後述するように補強板5が連設されているため(図3参照)、該補強板5を折目線3fに沿って折り曲げた状態で第二内側面板42を折返すことになる。これにより、第二内側面板42は、第二側面板22の端縁から該第二側面板22の内面側に重なるように配置される。
【0043】
このような構成により、物品支持体100は、側面板2(第一側面板21、第二側面板22)の内面側に重ね合わされる内側面板4(第一内側面板41、第二内側面板42)を具備するため、高い強度を確保できる。また、内側面板4(第一内側面板41、第二内側面板42)が側面板2(第一側面板21、第二側面板22)の端縁で延設部分を折返すことによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0044】
なお、本実施形態に係る物品支持体100は、第一内側面板41に連設された第一支持板81を具備する(図3参照)。第一支持板81は、折目線8fに沿って折曲されるため、上面板1の内面側に重なるように配置される(図5参照)。このように、物品支持体100は、第一支持板81によって内側から上面板1を支える構造を採用している。従って、物品支持体100は、高い強度を確保できる。
【0045】
また、本実施形態に係る物品支持体100は、第二内側面板42に連設された第二支持板82を具備する(本物品支持体100においては左方の第二内側面板42に連設されている)(図3参照)。第二支持板82は、折目線8fに沿って折曲されるため、上面板1の内面側に重なるように配置される(図7参照)。このように、物品支持体100は、第二支持板82によって内側から上面板1を支える構造を採用している。従って、物品支持体100は、高い強度を確保できる。
【0046】
更に、本実施形態に係る物品支持体100は、第二内側面板42に中間板3が連設されている(本物品支持体100においては右方の第二内側面板42に連設されている)(図3参照)。詳細に説明すると、中間板3は、第二内側面板42の端縁となる折目線4fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第五工程は、中間板3を折目線4fに沿って上面板1に平行となるように折曲することである(図8参照)。このとき、中間板3には、後述するように補強板5が連設されているため、該補強板5を折目線3fに沿って折り曲げた状態で中間板3を折返すことになる。これにより、中間板3は、第一側面板21や第二側面板22に囲まれた領域内で上面板1から離間した位置に該上面板1に対して平行に配置される。
【0047】
このような構成により、物品支持体100は、側面板2(第一側面板21、第二側面板22)が隣り合う側面板2(第一側面板21、第二側面板22)同士で連結され、中間板3が側面板2で囲まれた領域内で上面板1から離間した位置に配置されるため、高い強度を確保できる。また、中間板3が内側面板4(第二内側面板42)の端縁で延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0048】
なお、本実施形態に係る物品支持体100は、中間板3の端縁に差込片9を具備する(図3参照)。詳細に説明すると、差込片9は、折目線3fに沿って複数設けられており、中間板3の端縁から突出するように配置される。一方、本実施形態に係る物品支持体100は、第一内側面板41及び第二内側面板42に切込部4Cが設けられている(図3参照)。詳細に説明すると、切込部4Cは、中間板3が折目線4fに沿って折曲された際に該中間板3に対して平行となる位置に設けられている。これにより、中間板3が折目線4fに沿って折曲されると、差込片9が切込部4Cに挿入される。
【0049】
このような構成により、物品支持体100は、中間板3の端縁に設けられた差込片9が内側面板4(第一内側面板41、第二内側面板42)に設けられた切込部4Cに挿入されるため、高い強度を確保できる。また、差込片9が切込部4Cに挿入されることによって中間板3の位置が定まるため、組み立てが容易となる。
【0050】
なお、本実施形態に係る物品支持体100では、第一内側面板41及び第二内側面板42に切込部4Cを設けているが、第一側面板21と第二側面板22にも切込部2C(図示せず)を設けて差込片9が切込部2C・4Cに挿入されるとしても良い。更に、内側面板4を有しない又は内側面板4を有しない部分がある別実施形態に係る物品支持体200(図示せず)では、差込片9が切込部2Cにのみ挿入される構成であっても良い。このような構成においても、高い強度を確保でき、組み立てが容易となる。
【0051】
補強板5は、中間板3に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、補強板5は、中間板3の端縁となる折目線3fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第六工程は、補強板5を折目線3fに沿って下方へ折曲することである(図8参照)。これにより、補強板5は、中間板3の端縁から該中間板3に対して垂直に配置される。
【0052】
このような構成により、物品支持体100は、中間板3の梁となる補強板5を具備するため、高い強度を確保できる。また、補強板5が中間板3の端縁で延設部分を折返すことによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0053】
底面板6は、補強板5に連設されている(図3参照)。詳細に説明すると、底面板6は、補強板5の端縁となる折目線5fを介して延設された部分である。物品支持体100を組み立てる際の第七工程は、底面板6を折目線5fに沿って折曲することである(図9参照)。これにより、底面板6は、上面板1及び中間板3に対して平行に配置される。
【0054】
このような構成により、物品支持体100は、物品Vに敷かれる底面板6を具備するため、物品Vの重量によって物品支持体100を押さえることができる(図10参照)。このため、物品支持体100を納める外箱Bの上蓋B1を開けた際に、他の物品Vが物品支持体100を押さえるため、上蓋B1とともに物品支持体100が持ち上がらない。また、一の物品Vを挿入穴1H・3Hから取り出す際に、他の物品Vが物品支持体100を押さえるため、物品Vとともに物品支持体100が持ち上がらない。更に、底面板6が補強板5の延設部分を折曲することによって形成されるため、組み立てが容易となる。
【0055】
以上が本実施形態に係る物品支持体100の組み立て工程の説明と物品支持体100が有する特徴点についての説明である。以下では、本実施形態に係る物品支持体100の他の特徴点について説明する。
【0056】
本物品支持体100の上面板1は、挿入穴1Hの径方向に突設された支持片11を具備する(図1、図3参照)。本実施形態において、支持片11は、挿入穴1Hの周方向に90度毎に配置されている。また、本物品支持体100の中間板3は、挿入穴3Hの径方向に突設された支持片31を具備する(図2、図3参照)。本実施形態において、支持片31は、挿入穴3Hの周方向に90度毎に配置されている。
【0057】
そして、図11に示すように、上面板1の支持片11と中間板3の支持片31は、互いに位相が異なる位置に設けられている。つまり、上面板1と中間板3の支持片11・31は、互いに45度位相が異なり、上方から見て重ならないように配置されている。なお、本実施形態における支持片11と支持片31は、互いに45度位相がズレた位置に配置されているが、その角度について限定するものではない。
【0058】
このような構成により、物品支持体100は、挿入穴1H・3Hの径方向に突設された支持片11・31を具備するため、物品Vを安定させることができる。また、上面板1の支持片11と中間板3の支持片31が互いに位相が異なる位置に設けられるため、物品Vを挿入する際の抵抗を減らすことができる。更に、あらゆる方向の衝撃に対して物品Vを安定して保持できる。
【0059】
また、図12に示すように、本物品支持体100は、補強部材Rを組み込むことを可能としている。補強部材Rは、挿入穴RHが設けられた平板R1と端縁を下方へ折曲することによって形成される補強板R2で構成される。補強部材Rは、上面板1の内面側に配置された状態で第一内側面板41及び第二内側面板42が折返されることによって該物品支持体100に組み込まれる。
【0060】
このような構成により、物品支持体100は、補強部材Rを組み込んだ場合、更に高い強度を確保できる。
【符号の説明】
【0061】
1 上面板
11 支持片
1H 挿入穴
1f 折目線
2 側面板
21 第一側面板
22 第二側面板
2f 折目線
3 中間板
31 支持片
3H 挿入穴
3f 折目線
4 内側面板
41 第一内側面板
42 第二内側面板
4f 折目線
5 補強板
5f 折目線
6 底面板
7 折込フラップ
81 第一支持板
82 第二支持板
9 差込片
100 物品支持体
V 物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入穴が設けられた上面板と、
前記上面板の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される側面板と、
挿入穴が設けられた中間板と、を備える物品支持体であって、
前記側面板は、隣り合う前記側面板同士で連結され、
前記中間板は、前記側面板で囲まれた領域内で前記上面板から離間した位置に配置され、
前記上面板の挿入穴と前記中間板の挿入穴によって物品を保持する、ことを特徴とする物品支持体。
【請求項2】
前記側面板は、該側面板の内面側に重ね合わされる内側面板を具備し、
前記内側面板は、前記側面板の端縁で延設部分を折返すことによって形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の物品支持体。
【請求項3】
前記中間板は、前記内側面板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、ことを特徴とする請求項2に記載の物品支持体。
【請求項4】
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記側面板に設けられた切込部に挿入される、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項5】
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記内側面板に設けられた切込部に挿入される、ことを特徴とする請求項2から請求項3のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項6】
前記中間板は、該中間板の梁となる補強板を具備し、
前記補強板は、前記中間板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項7】
前記補強板は、物品に敷かれる底面板を具備し、
前記底面板は、前記補強板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、ことを特徴とする請求項6に記載の物品支持体。
【請求項8】
前記上面板と前記中間板は、前記挿入穴の径方向に突設された支持片を具備し、
前記上面板の支持片と前記中間板の支持片は、互いに位相が異なる位置に設けられる、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項1】
挿入穴が設けられた上面板と、
前記上面板の端縁で延設部分を下方へ折曲することによって形成される側面板と、
挿入穴が設けられた中間板と、を備える物品支持体であって、
前記側面板は、隣り合う前記側面板同士で連結され、
前記中間板は、前記側面板で囲まれた領域内で前記上面板から離間した位置に配置され、
前記上面板の挿入穴と前記中間板の挿入穴によって物品を保持する、ことを特徴とする物品支持体。
【請求項2】
前記側面板は、該側面板の内面側に重ね合わされる内側面板を具備し、
前記内側面板は、前記側面板の端縁で延設部分を折返すことによって形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の物品支持体。
【請求項3】
前記中間板は、前記内側面板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、ことを特徴とする請求項2に記載の物品支持体。
【請求項4】
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記側面板に設けられた切込部に挿入される、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項5】
前記中間板は、該中間板の端縁に差込片を具備し、
前記差込片は、前記内側面板に設けられた切込部に挿入される、ことを特徴とする請求項2から請求項3のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項6】
前記中間板は、該中間板の梁となる補強板を具備し、
前記補強板は、前記中間板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の物品支持体。
【請求項7】
前記補強板は、物品に敷かれる底面板を具備し、
前記底面板は、前記補強板の端縁で延設部分を折曲することによって形成される、ことを特徴とする請求項6に記載の物品支持体。
【請求項8】
前記上面板と前記中間板は、前記挿入穴の径方向に突設された支持片を具備し、
前記上面板の支持片と前記中間板の支持片は、互いに位相が異なる位置に設けられる、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の物品支持体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−246003(P2012−246003A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118374(P2011−118374)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(591039469)株式会社和気 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(591039469)株式会社和気 (10)
【Fターム(参考)】
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