説明

物品管理システム

【課題】厚さが薄い物品を厚さ方向に並べた場合であっても物品を確実に管理する。
【解決手段】複数のCDケース1が、全てのCDケース1について同一方向から1つの面が視認可能となるように並べられて管理される場合に、CDケース1の視認可能となる面に、互いに異なる色相を有する複数のマークが配列され、その複数のマークの配列順序によってコード情報が表現されるカラーコードが付与されるとともに、CDケース1の視認可能となる面を撮影するカメラ20と、カメラ20にて撮影された面の画像からカラーコードを抽出し、抽出されたカラーコードによって表現されるコード情報を解読するパソコン30とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を管理する物品管理システムに関し、特に、管理される物品の形状の自在性向上技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図書館等において棚に収納された書籍を管理する場合、バーコードや識別番号等のような書籍を管理するための識別情報を書籍の表紙あるいは裏表紙に記載したり、あるいは、そのような識別情報が印字されたラベルを書籍の表紙あるいは裏表紙に貼付したりしている。そして、このバーコードや識別番号等の識別情報を書籍名と対応づけて管理しておき、書棚の保管場所において、書籍からバーコードや識別番号等の識別情報を読み取ることにより、書籍の在庫管理を行っている。
【0003】
また、近年では、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能な非接触型ICタグや非接触型ICラベルといったRF−IDメディアを書籍に貼付しておくとともに、書籍が収納される棚の底板や背板に、RF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナを配置しておき、このアンテナを介してRF−IDメディアから情報を読み取り、書籍の在庫管理を行う技術が考えられている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【特許文献1】特開2003−72919号公報
【特許文献2】特開2004−26465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなRF−IDメディアとしては、RF−IDメディアのコイル状のアンテナと、RF−IDメディアに対して情報の書き込み及び読み出しを行うための情報書込/読出装置のコイル状のアンテナとの2つのアンテナ間にて電磁誘導を生じさせ、この電磁誘導によってRF−IDメディアに対する情報の書き込みや読み出しを行う電磁誘導方式のものが、透過性に優れ、かつ、信頼性が高いことから多く用いられている。
【0005】
ここで、このような電磁誘導方式のものにおいては、情報書込/読出装置のアンテナに流れる電流によって生じる磁界がRF−IDメディアのアンテナのコア部分を通過することによりRF−IDメディアのアンテナに電流が流れ、それにより、RF−IDメディアに対する情報の書き込みや読み出しが行われることになる。そのため、情報書込/読出装置のアンテナとRF−IDメディアとを対向させなければ、十分な通信距離を得ることができない。特に、ISOで標準化されている13.56MHzのような高周波数帯を用いるものにおいては、情報書込/読出装置のアンテナとRF−IDメディアとが対向していない場合、通信距離が極端に短くなってしまう。
【0006】
そのため、上述したように、書籍が収納される棚の底板に、RF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナを配置しておくものにおいては、書籍に貼付されたRF−IDメディアとそのアンテナとを対向させることが困難であり、通信距離が短くなってしまうという問題点がある。
【0007】
また、書籍が収納される棚の背板に、RF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナを配置しておくものにおいては、書籍の背表紙にRF−IDメディアを貼付すればRF−IDメディアとアンテナとを対向させることができるが、書籍の厚さが薄い場合、RF−IDメディアを書籍の背表紙に貼付することができず、その場合、書籍の表紙や裏表紙にRF−IDメディアを貼付することになり、上記同様に通信距離が短くなってしまうという問題点がある。
【0008】
このように、棚に収納された物品にRF−IDメディアを貼付し、かつ、RF−IDメディアから情報を読み取るためのアンテナを棚の底板や背板に配置して物品を管理するものにおいては、RF−IDメディアとアンテナとの通信距離が短くなってしまい、RF−IDメディアから情報を読み出すことができなくなってしまう虞れがある。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、厚さが薄い物品を厚さ方向に並べた場合であっても物品を確実に管理することができる物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
複数の物品が全ての物品について同一方向から1つの面が視認可能となるように並べられた状態にて前記複数の物品を管理する物品管理システムにおいて、
前記物品は、前記視認可能となる面に、互いに異なる色相を有する複数のマークが配列され、該複数のマークの配列順序によってコード情報が表現されるカラーコードが付与され、
前記物品の前記視認可能となる面を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段にて撮影された面の画像を取得し、該画像から前記カラーコードを抽出するコード抽出手段と、
前記コード抽出手段にて抽出されたカラーコードによって表現されるコード情報を解読する解読手段とを有することを特徴とする。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、コード情報を表現するカラーコードが付与された面が撮影手段によって撮影可能となるように物品を収納しておく。そして、撮影手段において、物品のカラーコードが付与された面が撮影され、コード抽出手段において、撮影手段にて撮影された面の画像からカラーコードが抽出される。その後、解読手段において、コード抽出手段にて抽出されたカラーコードによって表現されるコード情報が解読される。これにより、物品が、その物品に付与されたカラーコードによって表現されるコード情報を用いて管理されることになるが、カラーコードは、互いに異なる色相を有する複数のマークが配列され、その複数のマークの配列順序によってコード情報が表現されるものであるため、例えば、厚さが薄い書籍の背表紙や、CDやDVDケースの端面、あるいはCMTの背部等といった幅が狭い領域にも付与することができ、それにより、撮影手段によって撮影可能となる面が幅が狭い物品についてもカラーコードを用いて管理することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明においては、複数の物品が、全ての物品について同一方向から1つの面が視認可能となるように並べられて管理される場合に、物品の視認可能となる面に、互いに異なる色相を有する複数のマークが配列され、その複数のマークの配列順序によってコード情報が表現されるカラーコードが付与されるとともに、物品の視認可能となる面を撮影する撮影手段と、撮影手段にて撮影された面の画像を取得し、その画像からカラーコードを抽出するコード抽出手段と、コード抽出手段にて抽出されたカラーコードによって表現されるコード情報を解読する解読手段とを有し、カラーコードによって表現されるコード情報を用いて物品を管理する構成としたため、物品を管理するための情報を、例えば、厚さが薄い書籍の背表紙や、CDやDVDケースの端面、あるいはCMTの背部等といった幅が狭い領域にも付与することができ、それにより、厚さが薄い物品を厚さ方向に並べた場合であっても物品を確実に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の物品管理システムにて管理される物品の一構成例を示す外観斜視図である。
【0015】
本発明の物品管理システムにて管理される物品としては、図1に示すようなCDケース1が考えられる。このCDケース1は、4つの端面のそれぞれにカラーコード2が付与されている。カラーコード2は、ラベル基材に印刷され、このラベルがCDケース1の4つの端面にそれぞれ貼付されることによりCDケース1に付与されており、互いに異なる色相を有する3つのマーク2a〜2cが配列されて構成され、その配列順序によってコード情報を表現している。具体的には、一端部からマーク2a、マーク2b、マーク2c、マーク2a、マーク2b、マーク2a、マーク2c、マーク2a、マーク2c、マーク2bという配列順序によってコード情報が表現されている。このカラーコード2は、CDケース1の4つの端面に付与されたもの全てが同一コードを表現しているが、カラーコード2にCDケース1の端面を識別可能な端面コードを含めておくことも考えられる。また、CDケース1の4つの端面のうち1つの端面には、CDケース1の正規の収納向きを示す正規向き認識マーク3が付与されている。
【0016】
図2は、図1に示したCDケース1が収納される収納棚10の一例を示す外観斜視図である。
【0017】
図1に示したCDケース1が収納される収納棚10としては、図2に示すように、3つの棚11a〜11cが上下に配置されたものが考えられる。この3つの棚11a〜11cにはそれぞれ、図1に示したCDケース1が、それぞれの端面が表出するように並べられて載置される。これにより、CDケース1のそれぞれの端面に付与されたカラーコード2が外部から視認可能となっている。なお、CDケース1は、正規向き認識マーク3が同一方向にて表出するように棚11a〜11c上に並べられる。このように、CDケース1の4つの端面それぞれに同一のカラーコード2が付与されていても、正規向き認識マーク3を用いてCDケース1を正規の向きで棚11a〜11c上に載置することができる。また、収納棚10に収納された複数のCDケース1に付与されたカラーコード2は、マーク2a〜2cの配列順序が互いに異なり、そのため、CDケース1毎に互いに異なるカラーコード2が付与されている。
【0018】
以下に、図1に示したCDケース1の図2に示した収納棚10への収納状態を管理する方法について説明する。
【0019】
図3は、本発明の物品管理システムの実施の一形態を示す図であり、図1に示したCDケース1の図2に示した収納棚10への収納状態を管理するためのシステムの一例を示す。
【0020】
本形態は図3に示すように、収納棚10に収納されたCDケース1の1つの端面に対向するように配置され、その端面を撮影する撮影手段であるカメラ20と、カメラ20によって撮影されたCDケース1の端面の画像を取り込み、その画像からカラーコード2を抽出してカラーコード2によって表現されるコード情報である物品IDを解読し、解読した物品IDを用いて収納棚10にCDケース1が収納されているかどうかを管理データベース40にて管理するパソコン30とから構成されている。
【0021】
図4は、図3に示した物品管理システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【0022】
図4に示すように、図3に示したパソコン30は、複数の収納棚10毎に設置された複数のカメラ20−1〜20−nが接続されており、カメラ20−1〜20−nにて撮影された画像を取得し、取得した画像からカラーコード2を抽出する抽出手段である画像取得部31と、画像取得部31にて抽出されたカラーコード2によって表現される物品IDを解読する解読手段であるコード解読部32と、カメラ20−1〜20−nの撮影角度を制御、認識する撮影角度認識部33と、コード解読部32にて解読された物品IDを用いて、収納棚10にCDケース1が収納されているかどうかを管理データベース40にて管理する物品管理部34とを有している。
【0023】
上記のように構成された物品管理システムにおいては、図1に示したCDケース1の図2に示した収納棚10への収納状態を管理するために、カメラ20−1〜20−nにおいて棚11a〜11c上に載置されたCDケース1の1つの端面が撮影されている。このカメラ20−1〜20−nによるCDケース1の撮影は、常時行われていてもよいし、所定時間毎に行われてもよい。また、1台のカメラで上下に配置された複数の棚11a〜11c上に載置されたCDケース1の端面を撮影するため、カメラ20−1〜20−nは、上下の首振り機能を有し、パソコン30の撮影角度認識部33の制御によってその撮影角度が変化する。
【0024】
カメラ20−1〜20−nによって撮影された画像はパソコン30の画像取得部31に送られる。この際、カメラ20−1〜20−nを識別可能なカメラIDも画像取得部31に送られる。なお、カメラIDは、カメラ20−1〜20−n毎に予め設定されており、このカメラIDによってカメラ20−1〜20−nが設置された場所、すなわち、カメラ20−1〜20−nに対応して設置された収納棚10が識別可能となっている。
【0025】
画像取得部31においては、カメラ20−1〜20−nから送られてきた画像の中からカラーコード2が抽出され、抽出されたカラーコード2がコード解読部32に通知されるとともに、カメラ20−1〜20−nから送られてきたカメラIDが物品管理部34に通知される。
【0026】
コード解読部32においては、画像取得部31から通知されたカラーコード2が解読され、カラーコード2によって表現される物品IDが解読され、解読された物品IDが物品管理部34に通知される。
【0027】
また、撮影角度認識部33においては、画像取得部31にて取得された画像を撮影した際のカメラ20−1〜20−nの撮影角度を示す情報が物品管理部34に通知される。
【0028】
物品管理部34においては、まず、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚10が認識されるとともに、撮影角度認識部33から通知された情報によって示されるカメラ20−1〜20−nの撮影角度に基づいてカメラ20−1〜20−nによって撮影されたCDケース1が載置された棚が特定される。そして、コード解読部32から通知された物品IDによって識別されるCDケース1が、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚10のうち、カメラ20−1〜20−nの撮影角度に基づいて特定された棚に収納されている旨が管理データベース40として管理される。
【0029】
図5は、図3及び図4に示した管理データベース40の構成を示す図である。
【0030】
図5に示すように、管理データベース40においては、カラーコード2によって表現されるコード情報となる物品IDとそのカラーコード2が付与されたCD名とが対応づけて登録されている。そして、上述したように、コード解読部32にて解読された物品IDが物品管理部34に通知されると、この物品管理部34に通知された物品IDに対応づけて登録されたCDのCDケース1が、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚10のうち、撮影角度認識部33から通知された情報によって特定される棚に収納されている旨が登録される。また、カラーコード2によって表現される物品IDとそのカラーコード2が付与されたCD名とが管理データベース40に対応づけて登録されているCDケース1のうち、そのCDケース1に対応する物品IDがコード解読部32から物品管理部34に通知されなかったものについては、収納棚10のいずれの棚11a〜11cにも収納されていない旨が登録される。
【0031】
この際、上述したようにして棚に収納されている旨が登録されたCDケース1が、その直前の管理データベース20の状態において棚に収納されていないとして登録されている場合は、棚に収納されている旨が登録されたタイミングが入庫日時として登録される。また、棚に収納されていない旨が登録されたCDケース1が、その直前の管理データベース20の状態において棚に収納されているとして登録されている場合は、棚に収納されていない旨が登録されたタイミングが出庫日時として登録される。
【0032】
また、同一の物品IDについて、直前の管理データベース20の状態と比べて、画像取得部31から物品管理部34に通知された棚IDが異なる場合や、撮影角度認識部33から物品管理部34に通知された棚を識別するための情報が異なる場合は、その物品IDに対応するCDケース1が移動した旨を認識することができる。
【0033】
このように本形態においては、CDケース1を管理するために、互いに異なる色相を有する複数のマーク2a〜2cが配列され、その複数のマーク2a〜2cの配列順序によって物品IDが表現されるカラーコード2を用いているため、CDケース1の端面のように幅が狭い領域にカラーコード2を付与し、CDケース1を端面が表出するように並べて収納した状態でカラーコード2を解読することによりCDケース1の収納状況を管理することができる。
【0034】
また、本形態のようにCDケース1の4つの端面全てにカラーコード2が付与されていれば、CDケース1の棚11a〜11b上への載置方向を間違えた場合であっても、カメラ20−1〜20−nによって撮影された画像にはカラーコード2が必ず含まれていることになり、CDケース1の収納状況を確実に管理することができる。
【0035】
(他の実施の形態)
図6は、本発明の物品管理システムの他の実施の形態を示す図であり、図1に示したCDケース1の図2に示した収納棚10への収納状態を管理するためのシステムの他の例を示す。
【0036】
本形態は図6に示すように、図3及び図4に示したものに対して、カメラ120の撮影角度が固定であり、カメラ120は反射角度が可変となる反射鏡50を介してCDケース1の端面を撮影する構成を有する点のみが異なるものである。なお、本形態における撮影角度認識部33は、反射鏡50による反射角度を制御し、その反射角度によってカメラ120にて撮影されたCDケース1が載置された棚を特定可能としている。また、反射鏡50は、棚11a〜11cの幅方向に湾曲した構造となっており、それにより、棚11a〜11c上に載置されたCDケース1をカメラ120にて棚11a〜11c毎に一度に撮影可能となっている。
【0037】
以下に、図6に示した物品管理システムを用いて図1に示したCDケース1の収納状況を管理する方法について説明する。
【0038】
カメラ120においては、反射鏡50を介してCDケース1の端面が撮影されている。この際、反射鏡50の反射角度が上下に変化することにより、棚11a〜11c上に載置されたCDケース1がカメラ120にて順次撮影されていくことになるが、パソコン30においては、反射鏡50の反射角度が認識されている。
【0039】
カメラ120によって撮影された画像はパソコン30の画像取得部31に送られる。この際、カメラ120を識別可能なカメラIDも画像取得部31に送られる。
【0040】
画像取得部31においては、カメラ120から送られてきた画像の中からカラーコード2が抽出され、抽出されたカラーコード2がコード解読部32に通知されるとともに、カメラ120から送られてきたカメラIDが物品管理部34に通知される。
【0041】
コード解読部32においては、画像取得部31から通知されたカラーコード2が解読され、カラーコード2によって表現される物品IDが解読され、解読された物品IDが物品管理部34に通知される。
【0042】
また、撮影角度認識部33においては、画像取得部31にて取得された画像を撮影した際の反射鏡50の反射角度を示す情報が物品管理部34に通知される。
【0043】
物品管理部34においては、まず、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚10が認識されるとともに、撮影角度認識部33から通知された情報によって示される反射鏡50の反射角度に基づいてカメラ120によって撮影されたCDケース1が載置された棚が特定される。そして、コード解読部32から通知された物品IDによって識別されるCDケース1が、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚10のうち、反射鏡50の反射角度に基づいて特定された棚に収納されている旨が管理データベース40として管理される。
【0044】
本形態においては、カメラ120が反射鏡50を介してCDケース1の端面を撮影する構成であるため、図6に示したように、カメラ120を収納棚10上に収納棚10と一体として配置することができ、収納棚10以外に反射鏡50を設置すればよく、設置作業が容易となる。
【0045】
図7は、本発明の物品管理システムの他の実施の形態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)中A方向から見た載置台112の構成を示す図である。
【0046】
本形態は図7(a)に示すように、図6に示したものに対して、反射鏡150の反射角度が固定であり、収納棚110を構成する各棚111a〜111cに、CDケース1を載置する載置台112と、開閉鏡113a〜113cと、反射鏡114a〜114cとが設けられている点のみが異なるものである。なお、本形態における撮影角度認識部33は、開閉鏡113a〜113cの開閉を制御し、開閉鏡113a〜113cの開閉状態によってカメラ120にて撮影されたCDケース1が載置された棚を特定可能としている。
【0047】
また、図7(b)に示すように、棚111a〜111bにそれぞれ設けられた載置台112は、CDケース1が載置される載置面112aと、載置面112aを支える脚部112bとから構成されており、脚部112bが所定の間隔を有して設けられていることから、載置面112aの下部においては、図7(a)中A方向から反射鏡114a〜114cが視認可能となっている。
【0048】
以下に、図7に示した物品管理システムを用いて図1に示したCDケース1の収納状況を管理する方法について説明する。
【0049】
カメラ120においては、反射鏡150を介して収納棚110の前面が撮影されており、また、撮影角度認識部33の制御によって開閉鏡113a〜113cの開閉状態が制御されている。図7(a)に示した状態においては、開閉鏡113a〜113cのうち、開閉鏡113aが閉じており、開閉鏡113b,113cが開いている。
【0050】
すると、カメラ20側から見た反射鏡150には開閉鏡113bが映ることになり、また、反射鏡150側から見た開閉鏡113bには反射鏡114bを介してCDケース1の反対側の端面が映ることになり、それにより、カメラ20において、棚111b上に載置されたCDケース1の反射鏡114b側の端面が撮影されることになる。この際、開閉鏡113a〜113bからは、載置台112の上述したような構造によって反射鏡114a〜114cが視認可能となっている。
【0051】
開閉鏡113a〜113cの開閉状態は撮影角度認識部33によって順次切り替えられ、それにより、棚111a〜111c上に載置されたCDケース1の反射鏡114a〜114c側の端面がカメラ120にて順次撮影されていく。具体的には、開閉鏡113aが閉じた状態であって、開閉鏡113bが開いた状態であれば、上述したように棚111b上に載置されたCDケース1の端面が撮影され、また、開閉鏡113aが開いた状態であれば、棚111a上に載置されたCDケース1の端面が撮影され、また、開閉鏡113a,113bが閉じた状態であって、開閉鏡113cが開いた状態であれば、棚111c上に載置されたCDケース1の端面が撮影されることになる。
【0052】
カメラ120によって撮影された画像はパソコン30の画像取得部31に送られる。この際、カメラ120を識別可能なカメラIDも画像取得部31に送られる。
【0053】
画像取得部31においては、カメラ120から送られてきた画像の中からカラーコード2が抽出され、抽出されたカラーコード2がコード解読部32に通知されるとともに、カメラ120から送られてきたカメラIDが物品管理部34に通知される。
【0054】
コード解読部32においては、画像取得部31から通知されたカラーコード2が解読され、カラーコード2によって表現される物品IDが解読され、解読された物品IDが物品管理部34に通知される。
【0055】
また、撮影角度認識部33においては、画像取得部31にて取得された画像を撮影した際の開閉鏡113a〜113cの開閉状態を示す情報が物品管理部34に通知される。
【0056】
物品管理部34においては、まず、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚110が認識されるとともに、撮影角度認識部33から通知された情報によって示される開閉鏡113a〜113cの開閉角度に基づいてカメラ120によって撮影されたCDケース1が載置された棚が特定される。そして、コード解読部32から通知された物品IDによって識別されるCDケース1が、画像取得部31から通知されたカメラIDによって特定される収納棚110のうち、開閉鏡113a〜113cの開閉角度に基づいて特定された棚に収納されている旨が管理データベース40として管理される。
【0057】
なお、上述した実施の形態においては、カラーコード2が、互いに異なる色相を有する3つのマーク2a〜2cが配列されて構成されたものを例に挙げて説明したが、カラーコード2を構成するために配列されるマークの数は3つに限らない。
【0058】
また、管理対象としてCDケース1を例に挙げて説明したが、書籍やCMT(Cartridge Magnetic Tape:カートリッジマグネティックテープ)等を管理することもでき、その場合、カラーコード2は、書籍の背表紙あるいはCMTの背部に付与されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の物品管理システムにて管理される物品の一構成例を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示したCDケースが収納される収納棚の一例を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
【図4】図3に示した物品管理システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】図3及び図4に示した管理データベースの構成を示す図である。
【図6】本発明の物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
【図7】本発明の物品管理システムの他の実施の形態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)中A方向から見た載置台の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 CDケース
2 カラーコード
2a〜2c マーク
3 正規向き認識マーク
10,110 収納棚
11a〜11c,111a〜111c 棚
20,20−1〜20−n,120 カメラ
30 パソコン
31 画像取得部
32 コード解読部
33 撮影角度認識部
34 物品管理部
40 管理データベース
50,114a〜114c,150 反射鏡
112 載置台
112a 載置面
112b 脚部
113a〜113c 開閉鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品が全ての物品について同一方向から1つの面が視認可能となるように並べられた状態にて前記複数の物品を管理する物品管理システムにおいて、
前記物品は、前記視認可能となる面に、互いに異なる色相を有する複数のマークが配列され、該複数のマークの配列順序によってコード情報が表現されるカラーコードが付与され、
前記物品の前記視認可能となる面を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段にて撮影された面の画像を取得し、該画像から前記カラーコードを抽出するコード抽出手段と、
前記コード抽出手段にて抽出されたカラーコードによって表現されるコード情報を解読する解読手段とを有することを特徴とする物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−203060(P2009−203060A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49879(P2008−49879)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】