説明

物品置場計画策定システム及び方法

【課題】物品置場計画の策定がしやすい物品置場計画策定システムを提供する。
【解決手段】本発明はHMIのディスプレイ画面にて、置場フロアのレイアウト上の該当位置に物品それぞれのシェイプを表示させ、新規に置き場所を設定する物品の物品識別名と置場使用開始日時と終了日時との入力を受け、物量マスタファイルを参照して該当物品のシェイプを呼び出して画面上の所定のイニシャルポジションに表示させ、イニシャルポジションに表示されている物品のシェイプの移動先をHMIの入力手段にて指定操作させることでフロアレイアウト上の任意の置き場所に配置させ、物品のシェイプの配置された置き場所の座標を読み取ることにより、当該物品について物量マスタファイルの該当する物品データにその置場使用開始日時と終了日時と置場座標とを登録する物品置場計画策定システムを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場や倉庫における物品置場を計画する物品置場計画策定システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品生産工場などでは、生産計画に合わせて日ごとに膨大な数量の部品や生産材の物品群が次々と運び込まれてくる。従来は、このような生産計画に合わせて運び込まれてくる物品群を工場内や外部の物品置場のどこに置くかの置場計画は、生産管理担当者が生産計画日程、物品のサイズや重さ、使用する順序等を考慮した上で経験を頼りにして作成していた。
【0003】
このように生産管理担当者の経験をたよりに物品置場計画を策定する場合、特に製品の完成までに長期間を要し、かつ、多品種の物品を多数量使用し、しかも重量物である部品群を使用する製品に対する置場計画であれば、熟練した生産管理担当者であっても必要とする物品群のすべてを把握しておくことが困難であるために前後して搬入されてくる物品群の置場を干渉させてしまうことが避けられず、また、生産計画に狂いが生じた場合に前後して搬入されてくる物品群を干渉させずに置場再計画を策定するのに過度の労力負担がかかる問題点があった。
【特許文献1】特開2001−209422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたもので、生産管理担当者にとって物品置場計画の策定がしやすく、また、物品の置場の移動も直感的に理解しやすくした物品置場計画策定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴は、置場を必要とする複数の物品毎の物品識別名とシェイプと縦横の寸法と決定されている物品についてその置場使用開始日時と終了日時と置場座標との物量データを保持する物量マスタファイルと、置場のフロアレイアウトデータを保持する設備マスタファイルと、ヒューマンマシンインタフェースと、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイ画面にて、置場フロアのレイアウト呼出し操作入力に対して前記設備マスタファイルから該当する置場フロアのレイアウトを呼び出して表示させ、置場計画日時の指定入力に対して指定された置場計画日時に対応する置場使用開始日時に前記置場に既に置かれている物品すべてとそれらのシェイプを前記物量マスタファイルから抽出し、前記置場フロアのレイアウト上の該当位置に物品それぞれのシェイプを表示させ、新規に置き場所を設定する物品の物品識別名と置場使用開始日時と終了日時との操作入力に対して前記物量マスタファイルを参照して該当物品のシェイプを呼び出して前記ディスプレイ画面上の所定のイニシャルポジションに表示させ、前記ヒューマンマシンインタフェースの入力手段による移動指令を取得して前記イニシャルポジションに表示されている物品のシェイプを前記フロアレイアウト上の移動先指定位置に置き場所として配置させ、前記物品のシェイプの配置された置き場所の座標を読み取ることにより、当該物品について前記物量マスタファイルの該当する物量データにその置場使用開始日時と終了日時と置場座標とを登録する場所計画策定部とを備えた物品置場計画策定システムである。
【0006】
上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記ヒューマンマシンインタフェースからの日程表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記置き場所と置き期間が確定された物品それぞれについてカレンダーと対応させたバーチャートを作成し、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示させる日程表示処理部を備えたものとすることができる。
【0007】
また、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記ヒューマンマシンインタフェースからの日時を指定したアニメーション表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに該当日時の置場計画図を表示させると共に、当該日時以降に前記置場フロアに搬入される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを時間順に置場フロアレイアウト上の該当する置き場所に表示させ、かつ、当該日時以降に前記置場フロアから搬出される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを置場フロアレイアウト上の該当する置き場所から時間順に削除することにより物品群の移動をアニメーション表示させるアニメーション表示処理部を備えたものとすることができる。
【0008】
また、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所又はその周辺の置き場所が干渉する場所に当該物品と置き期間が重なる物品で時間的に先に前記物量マスタファイルに登録されている物品がある場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0009】
また、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記置場フロア上に存在する既存の設備の場所座標が登録されている設備マスタファイルを備え、前記場所計画策定部は、前記設備マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所又はその周辺の当該物品と干渉する場所に既存の設備が存在している場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0010】
また、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記置場フロアの各所の吊り上げ可能重量である揚重量が登録されている揚重量マスタファイルを備え、前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データが登録されており、前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルと揚重量マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所の揚重量が当該物品の重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0011】
また、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記置場フロア各所の単位面積当たりの耐荷重が登録されている耐荷重マスタファイルを備え、前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データが登録されており、前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルと耐荷重マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプ移動先として指定された置き場所の耐荷重が当該物品の単位面積当たりの重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0012】
また、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記置場フロアの各所の高さ制限が登録されている高さマスタファイルを備え、前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその高さデータが登録されており、前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルと高さマスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所の高さ制限が当該物品の高さよりも低い場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0013】
さらに、上記発明の物品置場計画策定システムにおいては、前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示されている場所計画画面の該当計画対象日時の属する日の前日若しくは当日の内に、前記置場フロアの1つの場所から他の場所へ移動させる物品がある場合に、当該物品の移動元の置き場所と移動先の置き場所とに当該物品のシェイプを表示させると共に両者間に移動を示す矢印を表示させるものとすることができる。
【0014】
本発明の別の特徴は、置き場所を必要とする複数の物品毎の物品識別名とシェイプと縦横の寸法と決定されている物品についてその置場使用開始日時と終了日時と置場座標との物量データを保持する物量マスタファイルと、置場のフロアレイアウトデータを保持する設備マスタファイルと、ヒューマンマシンインタフェースとを備えたコンピュータシステムを用いて、置場フロアのレイアウト呼出し操作入力に対して前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイ画面に、前記設備マスタファイルから置場フロアのレイアウトを呼び出して表示させ、置場計画日時の指定入力に対して指定された置場計画日時に対応する置場使用開始日時に前記置場に既に置かれている物品すべてとそれらのシェイプを前記物量マスタファイルから抽出し、前記置場フロアのレイアウト上の該当位置に物品それぞれのシェイプを表示させ、新規に置き場所を設定する物品の物品識別名と置場使用開始日時と終了日時との操作入力に対して前記物量マスタファイルを参照して該当物品のシェイプを呼び出して前記ディスプレイ画面上の所定のイニシャルポジションに表示させ、前記ヒューマンマシンインタフェースの入力手段による移動指令を取得して前記イニシャルポジションに表示されている物品のシェイプを前記フロアレイアウト上の移動先指定位置に置き場所として配置させ、前記物品のシェイプの配置された置き場所の座標を読み取ることにより、当該物品について前記物量マスタファイルの該当する物量データにその置場使用開始日時と終了日時と置場座標とを登録する物品置場計画策定方法である。
【0015】
上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記ヒューマンマシンインタフェースからの日程表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記置き場所と置き期間が確定された物品それぞれについてカレンダーと対応させたバーチャートを作成し、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示させるものとすることができる。
【0016】
また、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記ヒューマンマシンインタフェースからの日時を指定したアニメーション表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに該当日時の置場計画図を表示させると共に、当該日時以降に前記置場フロアに搬入される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを時間順に置場フロアレイアウト上の該当する置き場所に表示させ、かつ、当該日時以降に前記置場フロアから搬出される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを置場フロアレイアウト上の該当する置き場所から時間順に削除することにより物品群の移動をアニメーション表示させるものとすることができる。
【0017】
また、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記物量マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所又はその周辺の置き場所が干渉する場所に当該物品と置き期間が重なる物品で時間的に先に前記物量マスタファイルに登録されている物品がある場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0018】
また、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記置場フロア上に存在する既存の設備の場所座標を登録している設備マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所又はその周辺の当該物品と干渉する場所に既存の設備が存在している場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0019】
また、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データを登録しておき、前記物量マスタファイルと置場フロアの各所の吊り上げ可能重量である揚重量を登録している揚重量マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所の揚重量が当該物品の重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0020】
また、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データを登録しておき、前記物量マスタファイルと前記置場フロアの各所の単位面積当たりの耐荷重を登録している耐荷重マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所の耐荷重が当該物品の単位面積当たりの重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0021】
また、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその高さデータを登録しておき、前記物量マスタファイルと前記置場フロアの各所の高さ制限を登録している高さマスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所の高さ制限が当該物品の高さよりも低い場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させるものとすることができる。
【0022】
さらに、上記発明の物品置場計画策定方法においては、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示されている場所計画画面の該当計画対象日時の属する日の前日若しくは当日の内に、前記置場フロアの1つの場所から他の場所へ移動させる物品がある場合に、当該物品の移動元の置き場所と移動先の置き場所とに当該物品のシェイプを表示させると共に両者間に移動を示す矢印を表示させるものとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の物品置場計画策定システム及び方法によれば、置場フロアにおく物品毎にそのシェイプを置場計画画面上に呼び出し、搬入日時と搬出日時を指定し、置場計画画面上で当該シェイプをドラッグ操作により置場フロアの空きスペースに移動させドロップ操作するというような移動指令操作だけで多数に上る物品群の置場計画を策定することができ、ユーザにとって物品置場計画の策定がしやすいものである。
【0024】
また、本発明の物品置場計画策定システム及び方法によれば、ある物品のシェイプをある空きスペースにドロップ操作するような移動指令操作で当該物品の置き場所を設定しようとするときに、該当場所に他の物品を後から置く計画があるような場合には物品の重なりをアラームにてユーザに知らせることにより、多数種に上る物品の置場計画を矛盾なく行なわせることができる。
【0025】
また、本発明の物品置場計画策定システム及び方法によれば、物品毎の置場設定時に置場フロアの既存の設備と干渉する場所に置く計画を避けることができ、また荷重制限や揚重量制限がある場所に過重量となる物品を置く計画の策定を避けることができる。
【0026】
さらに、本発明の物品置場計画策定システム及び方法によれば、多数に上る物品の出入りをアニメーション表示したり物品の移動を矢印で表示したりすることで、ユーザに物品の出入りや移動を直感的に理解しやすくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の1つの実施の形態の物品置場計画策定システムを示している。本実施の形態の物品置場計画策定システムは、コンピュータシステム上にソフトウェアにて実現されるものであるが、他と区別できる処理ごとに分けて機能構成として示せば次の各部から構成されている。1台若しくは複数台のハードディスクのような大容量記憶装置の記憶媒体上に保持されるもので、後述する諸データを保持するマスタデータファイル10、ディスプレイ、マウスのようなポインティングデバイス、キーボードで構成されるヒューマンマシンインタフェース(HMI)20のディスプレイに図2に示すような置場計画入力画面31を表示させて置場計画の対象となる物品を指定してそのシェイプを呼び出し、さらにマスタデータファイル10から生産工程上のある日時の生産現場の場所計画画面31Aを展開させ、物品番号にて該当物品のシェイプを呼び出し、これをHMI20のポインティングデバイスにてドラッグアンドドロップすることによる移動指令を取得して場所計画画面31A上の適当な置場に配置し、かつ、当該物品の搬入日時と搬出日時を指定することで置場計画を策定する場所計画策定部30を備えている。詳細は後述するが、この場所計画策定部30の策定した置場計画のある日時の物品置場のレイアウトは、図3に示すような場所取図32としてHMI20に表示させ、またプリントアウトすることができる。
【0028】
本実施の形態の置場計画システムは、さらに、置き場所と置き期間が確定された物品それぞれについて、カレンダーと対応させた図4に示すバーチャート41を作成し、ディスプレイ画面に表示する日程表示処理部40、個別に指定した物品若しくは工程期間中のある日時と期間を指定してその日時以前の物品の移動また以後の物品の移動をアニメーション表示するアニメーション表示処理部50を備えている。
【0029】
マスタデータファイル10には、図5に示すように、当該システムの置場計画の対象となる種々の物品それぞれの名称、番号、物品形状を模式化したシェイプ、縦横高さ及び重量のディメンジョン、既に配置が決定されていればその置場フロア画面上の左上の座標(x1,y1)、右下の座標(x2,y2)、当該システムの対象としている生産現場のフロアへの搬入日時(開始予定日時)、搬出日時(終了予定日時)に関連するデータを物量マスタファイル11として保持している。
【0030】
マスタデータファイル11は、また、図6に示すように、生産現場の置場フロア上に存在する移動設備、固定設備の設備名(番号)、形状、存在位置の座標の左上、右下の座標、存在期間に関連するデータを、設備マスタファイル12として保持している。
【0031】
マスタデータファイル10は、また、物品を揚重機器にて吊り上げて移動するため、図7に示すように生産現場のフロアの各所に設置されている揚重機器の吊り上げ可能な揚重量を場所の座標と関連づけて登録している揚重量マスタファイル13を保持している。
【0032】
マスタデータファイル10は、また、図8に示すように、フロア各所の単位面積当たりの耐荷重について場所の座標と関連づけたデータを、耐荷重マスタファイル14として保持している。マスタデータファイル10は、さらに、図9に示すように、生産現場のフロアの各所の高さ制限について場所の座標と関連づけたデータを、高さマスタファイル15として保持している。
【0033】
次に、上記構成の物品置場計画策定システムによる物品置場計画策定方法について説明する。
【0034】
[マスタデータの作成と登録]
マスタデータファイル10の物量マスタファイル11に、図5に示すように、当該システムの置場計画の対象となる種々の物品それぞれの名称、番号、物品形状を模式化したシェイプ、縦横高さ及び重量のディメンジョン、納期、当該システムの対象としている生産現場の置場フロアへの搬入日時(開始予定日時)、搬出日時(終了予定日時)に関連するデータを物量マスタファイル11として登録する。新たな物品の登録が必要になれば、新規に随時に登録することもできる。
【0035】
また、マスタデータファイル10の設備マスタファイル12に、図6に示すように、生産現場のフロア上に存在する既設の固定設備、移動設備の設備名(番号)、形状、存在位置の座標の左上、右下の座標、存在期間に関連するデータを登録する。
【0036】
また、マスタデータファイル10の揚重量マスタファイル13に、図7に示すように生産現場のフロアの各所に設置されている揚重機器にて吊り上げ可能な揚重量を場所の座標と関連づけて登録する。例えば、この場所は何番の揚重量2t未満の揚重機器しか使えないので、重量2t未満の物品しか置けないという揚重量制限のある場所を指定する。
【0037】
また、マスタデータファイル10の耐荷重マスタファイル14には、図8に示すように、フロア各所の単位面積当たりの耐荷重について場所の座標と関連づけたデータを登録する。
【0038】
また、マスタデータファイル10の高さマスタファイル15には、図9に示すように、生産現場のフロアの各所の高さ制限について場所の座標と関連づけたデータを登録する。
【0039】
尚、本システムがいったん導入された生産工場建屋や物流倉庫、その他の場所では、その場所で取り扱われる物品群の大部分の物品の種類は変化しない。同様に、物品置場の置場計画画面、揚重量のデータ、耐荷重のデータ等も変化しないのが通例であり、マスタデータファイル10にいったん登録すると、新規な工程管理の際にも流用できる。そして、新規な製品の生産のために新規な物品の取り扱いが必要になれば、その新規な物品について、都度に物品名、番号、シェイプ、ディメンジョン等を物量マスタファイル11に登録することができ、それによってマスタデータファイル10の作成労力が軽減される。
【0040】
置場計画策定に当たっては、本実施の形態のシステムでは、HMI20のディスプレイに図10に示すオープン画面D1を表示させた状態で、「場所取図投入」を選択すれば図2に示す置場計画入力画面31を表示して物品置場計画処理に移行することができる。また、図10に示すオープン画面D1から「場所取図出力」を選択すれば図11に示す場所取図出力設定画面D2が展開され、この場所取図出力設定画面D2にて開始予定日時、終了予定日時を指定し、また出力間隔を指定することで図3に示すような該当日時の場所取図32を表示することができる。また、オープン画面D1から「日程表示」を選択すれば、図12の日程表示設定画面D3が展開されるので、この日程表示設定画面D3にて表示期間を指定することで図4に示したようなバーチャートで日程表示できる。さらに、オープン画面D1から「アニメーション表示」を指定することで図13に示すアニメーション表示設定画面D4が展開されるので、このアニメーション表示設定画面D4にて表示対象とする物品名称を指定するか、表示開始日時及び表示終了日時を指定することで指定された物品の移動又はその期間における移動をアニメーション表示(図1における51)することができる。
【0041】
[物品置場計画]
物品の置場計画を策定する場合、HMI20のディスプレイに図2に示すような置場計画入力画面31にて物品名称を指定することで該当物品に関連するデータを物量マスタファイル11から呼び出し、また、シェイプも呼び出し、搬入日時、搬出日時を開始予定日時、終了予定日時として指定する。これにより、図14に示すような場所計画画面31Aのイニシャルポジションに当該シェイプ34を出現させる。この図14に示すような場所計画画面31Aには、置場フロアのレイアウト35とその上に当該計画対象日時までに置き場所が既に決定している物品や先に決定された物品、設備等のシェイプ36を該当場所に置いた状態が表示されている。
【0042】
この置場計画対象となる物品のシェイプ34に対して、HMI20のポインティングデバイスにてドラッグアンドドロップすることでフロアレイアウト35上の適当な置き場所に移動配置する操作をする。ここでは、場所計画画面31Aの右下に出現したシェイプ34にカーソル37を当ててドラッグし、フロアレイアウト35の左上の位置まで移動させてドロップする場合について示している。そして、このドロップする置き場所、あるいはその周囲に先に置かれている他の物品が存在していて干渉する、あるいは後から搬入されてくるが置場計画では既にその場所に登録されている他の物品があって干渉するという恐れがないことが確認できれば、その置場へのドロップを許し、置き場所として確定する。
【0043】
このある物品Aをある場所PL_Aに置く計画が許容されるのは、当該物品Aを搬入する日時からそれを製品に搭載し、あるいは製品生産のために使用する日時までの置き期間中、当該置き場所PL_Aあるいはその周囲の物品同士が干渉するエリア内に他の物品若しくは設備が存在していないことが必須の条件となる。それと共に、該当置き場所の耐荷重が許容されるか、高さ制限にかからないか、さらに揚重量制限もクリアできるかも判断する。これらの判断には、マスタデータファイル10の物量マスタファイル11、設備マスタファイル12、揚重量マスタファイル13、耐荷重マスタファイル14、高さマスタファイル15を参照する。
【0044】
時間の重なり、場所の重なりの判断フローは次のようになる。場所計画策定部30は、HMI20に表示されている図2に示す置場計画入力画面31上にて搬入日時と搬出日時を開始予定日時、終了予定日時として指定し、ある物品Aを指定すると、物量マスタファイル11を参照してそれまでに策定された状態の開始予定日時の場所取図32を場所計画画面31Aとしてディスプレイに表示し、シェイプを呼出し、図14に示したように場所計画画面31A上のイニシャルポジションにシェイプ34を呼び出して表示する。この状態で、カーソル37にて当該シェイプ34をドラッグしてフロアレイアウト35上の空いている場所に移動しドロップすれば、図15のフローチャートの処理を開始する。
【0045】
ステップST1:シェイプ34がドロップされたフロアレイアウト35上の座標として、該当場所のシェイプ34の左上、右下の座標を取得する。尚、図14に示す置場フロアレイアウト35において、左上隅を原点(x=0,y=0)と決めている。そして物品Aのシェイプ34のドロップ位置は、この原点に対する左上座標(x1,y1)、右下座標(x2,y2)にて特定する。
【0046】
ステップST2〜ST4:シェイプ34の左上、右下の座標をもとに、揚重量マスタファイル13を参照して、物品Aの重量から判断して、該当場所への搬入が可能か否かを判断する。揚重量制限に抵触すれば、アラームを出力し、メッセージを出力する。ここでは、例えば、ビープ音の出力と共に、シェイプ34をブリンクさせ、吹き出しで「揚重量制限にかかります。置き場所の変更が必要です。」というメッセージを表示する。
【0047】
ステップST5〜ST7:また、該当場所の耐荷重制限に抵触するか否かを耐荷重マスタファイル14を参照して判断する。耐荷重制限に抵触すれば、アラームを出力し、メッセージを出力する。ここでも、例えば、ビープ音の出力と共に、シェイプ34をブリンクさせ、吹き出しで「耐荷重制限にかかります。置き場所の変更が必要です。」というメッセージを表示する。
【0048】
ステップST8〜ST10:さらに、高さマスタファイル15を参照して、物品Aの高さから判断して、該当場所の高さ制限に抵触するか否かを判断する。高さ制限に抵触すればアラームを出力し、メッセージを出力する。ここでも、例えば、ビープ音の出力と共に、シェイプ34をブリンクさせ、吹き出しで「高さ制限にかかります。置き場所の変更が必要です。」というメッセージを表示する。
【0049】
尚、これらの置場フロアの揚重量制限、耐荷重制限、高さ制限との抵触の判断処理はいずれが先であってもよく、判断順序は限定されない。さらに、段積みを許容する物品置場の場合には、特に耐荷重制限、高さ制限との抵触判断については他の物品との干渉判断の後に、段積みを実行する段階で総重量、積み上げ高さを計算した後に行うようにすることができる。
【0050】
このようにして置場フロアの揚重量制限、耐荷重制限、高さ制限との抵触をクリアしたならば、他の物品や設備との干渉の発生の有無を時間的な面と場所的な面との両面から判断する。
【0051】
ステップST11:物量マスタファイル11、設備マスタファイル12を参照し、新たに計画を予定している期間に配置されている設備、及び、その期間に既に計画されている全物品の情報、その期間、置き場所若しくは存在場所の座標データを取得する。この場合、図16(a)〜(d)に示すように、新たな置場計画対象の物品Aの開始予定日時「StartDay」と終了予定日時「EndDay」のラインで該当位置に表すと、(1)物品Aの開始予定日時(StartDay)よりも前の開始予定日時でその終了予定日時が物品Aの終了予定日時(EndDay)よりも前になる物品群と設備群(図16(a)―Case1の場合)、(2)物品Aの開始予定日時(StartDay)よりも後の開始予定日時でその終了予定日時が物品Aの終了予定日時(EndDay)よりも後になる物品群と設備群(図16(b)―Case2の場合)、(3)物品Aの開始予定日時(StartDay)よりも前の開始予定日時でその終了予定日時が物品Aの終了予定日時(EndDay)よりも後になる物品群と設備群(図16(c)―Case3の場合)、(4)物品Aの開始予定日時(StartDay)よりも後の開始予定日時でその終了予定日時が物品Aの終了予定日時(EndDay)よりも前になる物品群と設備群(図16(d)―Case4の場合)のいずれかに該当する全物品及び設備の情報、その期間、置き場所若しくは存在場所の座標データを取得する。
【0052】
ステップST12:該当期間に関連する物品群や設備群が存在しなければ、当該物品Aのシェイプ34をドロップした場所を、その物品Aの置き場所としてその左上、右下の座標(x1,y1);(x2,y2)と共に置き期間の置場計画を物量マスタファイル11に登録する。
【0053】
ステップST13,ST14:ステップST11で抽出した物品群、設備群の中で、上記で取得した物品Aの座標位置と重なる位置に配置されている物品又は設備が存在するか否かを判定する。この重なりの判定は、図17に示した4×4のマトリクス配置のいずれかの態様で干渉する物品若しくは設備が存在するか否かにより行う。
【0054】
尚、ここでは、各シェイプについて左上と右下の座標の2点から決定される長方形の形状にて簡易的に判断することで、計算時間を短縮している。図17では、計画対象物品Aの座標を(x1,y1);(x2,y2)とし、検索対象の物品の座標を(a1,b1);(a2,b2)と表している。例えば、図17(1,I)の重なり態様は、計画対象物品Aの方が大きいが、既置きの物品と左肩の部分で干渉することを示している。同図(3,IV)の重なりの態様は、計画対象物品Aの方が小さくて、既置きの物品とその上部を残して重なり合っていることを示している。
【0055】
ステップST15:時間的に重なる物品や設備が存在せず、あるいは、時間的に重なる物品や設備が存在しても置き場所が干渉し合わなければ、新規な物品Aの当該場所への配置を許可し、置場計画を物量マスタファイル11に登録する。
【0056】
ステップST16:他方、時間的に重なり、しかも置き場所も干渉し合う物品若しくは設備が見出された場合、当該場所への物品Aの配置について、「重なり」を示すアラームを例えばビープ音で警報し、また物品Aのシェイプ34をブリンクさせたり、赤色に色変えすることで警告する。吹き出しメッセージとして表示することもできる。
【0057】
この置場計画への登録では、図5の物量マスタファイル11に、物品名、番号、シェイプ、ディメンジョン等と共に搬入日時(開始予定日時)、搬出日時(終了予定日時)、置き場所の左上、右下の座標を新たに登録する。
【0058】
以上の置場計画策定処理は、製品の生産に必要な物品すべてについて、その搬入日時、搬出日時を指定して行うことになる。
【0059】
尚、計画日時によっては、ある物品をある日時にフロアの1つの場所から他の場所へ移動させる作業もある。その場合には、該当日時を指定してその日時の場所計画画面31Aを表示させる。そして、該当する物品をカーソルにてドラッグアンドドロップすることで、上記の処理と同様に、移動先の制限に抵触しなければ該当箇所に開始予定日時として登録する。そしてこの場合、移動元の置き場所には当該物品の移動日時を終了予定日時として更新登録することになる。
【0060】
[抵触解消処理]
場所計画策定部30による抵触解消処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。場所計画策定中に、時間的に、かつ、場所的に他の物品や設備との干渉が発生する場合、アラームの出力の後に、搬入日時の調整若しくは置き場所の変更のいずれかにより抵触を解消させるための表示を行う。例えば、「他の物品と抵触しています。搬入時期をずらして調整しますか。」、「他の物品と抵触しています。置き場所をずらしますか。」というメッセージと共に時期の調整若しくは場所の調整を選択するようにユーザに場所計画画面31Aで吹き出しを表示して提案する(ステップST21)。
【0061】
これを受けて、ユーザが時期の調整を選択すれば、干渉を起こさない最も近い日時まで当該物品の開始予定日時と終了予定日時とを自動的に進める(ステップST22)。他方、ユーザが場所の調整を選択すれば、干渉を起こさないで、しかも移動距離の最も短い場所まで当該物品を自動的に移動させる(ステップST24)。この調整後の場所計画画面31Aを表示し、OK/NOをユーザに選択させる(ステップST23,ST25)。そしてOKが入力されると、調整後の置場計画画面の情報を物量マスタファイル11に更新登録する(ステップST26)。
【0062】
[日程表示処理]
置場計画策定処理にて、物量マスタファイル11には製品生産に必要な各種の物品についてそのフロア上の置き場所、搬入日時、搬出日時が登録されることになる。これに対して、HMI20のオープン画面D1から「日程表示」を選択して図12に示す日程表示設定画面D3にて表示期間を表示させて指定することで、日程表示処理部40は置き場所と置き期間が確定された物品それぞれについて物量マスタファイル11を参照し、カレンダーと対応させた図4に示すようなバーチャート41を作成し、HMI20のディスプレイに表示する。
【0063】
この日程表示処理では、物量マスタファイル11から登録されている全物品を抽出してリストにして左欄に表示し、かつ、横軸を時間軸にして、各物品毎にその搬入日から搬出日までの期間をバーにして表示する。尚、置場フロアがいくつかの区画に分割されている場合に、日程表示設定画面D3にて任意の区画を指定することでその区画に置かれる物品群についてのみバーチャート41の表示をさせることも出来る。
【0064】
[アニメーション表示処理]
HMI20のディスプレイに表示されているオープン画面D1から「アニメーション表示」の指令を入力して図13に示すアニメーション表示設定画面D4を展開させ、このアニメーション表示設定画面D4にて個別に物品を指定、若しくは製品生産の工程期間中のある日時から別のある日時を指定し、アニメーション表示を指示することで、アニメーション表示処理部50は、この指定された物品若しくは期間中の置場計画図を一定周期にて順次表示することで、登録物品の移動をアニメーションのように表示する。
【0065】
[前日及び当日の移動表示処理]
場所計画策定部30は、ある日時の場所取図の表示が要求された時には物量マスタファイル11を参照して該当日時の場所取図32を作成して場所計画画面31Aに表示する。これと共に、図2に示した置場計画入力画面31にて「前日軌跡」若しくは「当日軌跡」を指定しておくことで、該当日に移動する物品についてその移動元での物品のシェイプ34を実線にて表示し、また移動先での物品のシェイプ34を破線にて表示し、あるいはその逆に表示し、かつ、移動元から移動先への移動を示す矢印線38を表示し、移動のあることを示す。
【0066】
このようにして、本実施の形態の物品置場計画策定システム及び方法によれば、置場フロアに置く物品毎にそのシェイプを置場計画画面上に呼び出し、搬入日時と搬出日時を指定し、置場計画画面上で当該シェイプをドラッグアンドドロップ操作により置場フロアの空きスペースに移動させてドロップする操作だけて多数に上る物品群の置場計画を策定することができ、ユーザにとって物品置場計画の策定がしやすいものとなる。
【0067】
また、本実施の形態の物品置場計画策定システム及び方法によれば、ある物品のシェイプをある空きスペースにドロップすることで当該物品の置き場所を設定しようとするときに、該当場所に他の物品を後から置く計画があるような場合には物品の重なりをアラームにてユーザに知らせることにより、多数種に上る物品の置場計画を矛盾なく行なわせることができる。
【0068】
また、本実施の形態の物品置場計画策定システム及び方法によれば、物品毎の置場設定時に置場フロアの既存の設備と干渉する場所に置く計画を避けることができ、また荷重制限や揚重量制限がある場所に過重量となる物品を置く計画の策定を避けることができる。
【0069】
さらに、本実施の形態の物品置場計画策定システム及び方法によれば、多数に上る物品の出入りをアニメーション表示したり物品の移動を矢印で表示したりすることで、ユーザに物品の出入りや移動を直感的に理解しやすくできる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の物品置場計画策定システム及び方法は、工場建屋内外、物流倉庫、生産工場の材料置場等、多数種の材料、部品、生産材を大量に在庫する物品置場に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の1つの実施の形態の物品置場計画策定システムのブロック図。
【図2】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示された置場計画入力画面の説明図。
【図3】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示された場所取図の説明図。
【図4】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示された日程表示画面の説明図。
【図5】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおける物量マスタファイルに登録される物品データの構造を示す説明図。
【図6】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおける設備マスタファイルに登録される物品データの構造を示す説明図。
【図7】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおける揚重量マスタファイルに登録される物品データの構造を示す説明図。
【図8】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおける耐荷重マスタファイルに登録される物品データの構造を示す説明図。
【図9】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおける高さマスタファイルに登録される物品データの構造を示す説明図。
【図10】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示されたオープン画面の説明図。
【図11】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示された場所取図出力設定画面の説明図。
【図12】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示された日程表示設定画面の説明図。
【図13】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示されたアニメーション表示設定画面の説明図。
【図14】上記実施の形態の物品置場計画策定システムにおけるHMIのディスプレイに表示された場所計画画面の説明図。
【図15】上記実施の形態の物品置場計画策定システムによる置場計画のフローチャート。
【図16】上記実施の形態の物品置場計画策定システムによる置場計画において計画対象物品と先に置き場所が確定している他の物品とが時間的に置き場所が重なる4ケースを示す説明図。
【図17】上記実施の形態の物品置場計画策定システムによる置場計画において計画対象物品と先に置き場所が確定している他の物品との置き場所が抵触する16ケースを示す説明図。
【図18】上記実施の形態の物品置場計画策定システムによる置場計画において計画対象物品と先に置き場所が確定している他の物品とが時間的又は空間的に置き場所が重なる場合に実行される時期調整処理及び場所調整処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0072】
10 マスタデータファイル
11 物量マスタファイル
12 設備マスタファイル
13 揚重量マスタファイル
14 耐荷重マスタファイル
15 高さマスタファイル
20 HMI
30 場所計画策定部
31 置場計画入力画面
31A 場所計画画面
32 場所取図
40 日程表示処理部
41 バーチャート
50 アニメーション表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
置き場所を必要とする複数の物品毎の物品識別名とシェイプと縦横の寸法と決定されている物品についてその置場使用開始日時と終了日時と置場座標との物量データを保持する物量マスタファイルと、
置場のフロアレイアウトデータを保持する設備マスタファイルと、
ヒューマンマシンインタフェースと、
前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイ画面にて、
置場フロアのレイアウト呼出し操作入力に対して前記設備マスタファイルから該当する置場フロアのレイアウトを呼び出して表示させ、
置場計画日時の指定入力に対して指定された置場計画日時に対応する置場使用開始日時に前記置場に既に置かれている物品すべてとそれらのシェイプを前記物量マスタファイルから抽出し、前記置場フロアのレイアウト上の該当位置に物品それぞれのシェイプを表示させ、
新規に置き場所を設定する物品の物品識別名と置場使用開始日時と終了日時との操作入力に対して前記物量マスタファイルを参照して該当物品のシェイプを呼び出して前記ディスプレイ画面上の所定のイニシャルポジションに表示させ、
前記ヒューマンマシンインタフェースの入力手段による移動指令を取得して前記イニシャルポジションに表示されている物品のシェイプを前記フロアレイアウト上の移動先指定位置に置き場所として配置させ、
前記物品のシェイプの配置された置き場所の座標を読み取ることにより、当該物品について前記物量マスタファイルの該当する物量データにその置場使用開始日時と終了日時と置場座標とを登録する場所計画策定部とを備えたことを特徴とする物品置場計画策定システム。
【請求項2】
前記ヒューマンマシンインタフェースからの日程表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記置き場所と置き期間が確定された物品それぞれについてカレンダーと対応させたバーチャートを作成し、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示させる日程表示処理部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の物品置場計画策定システム。
【請求項3】
前記ヒューマンマシンインタフェースからの日時を指定したアニメーション表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに該当日時の置場計画図を表示させると共に、当該日時以降に前記置場フロアに搬入される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを時間順に置場フロアレイアウト上の該当する置き場所に表示させ、かつ、当該日時以降に前記置場フロアから搬出される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを置場フロアレイアウト上の該当する置き場所から時間順に削除することにより物品群の移動をアニメーション表示させるアニメーション表示処理部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の物品置場計画策定システム。
【請求項4】
前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所又はその周辺の置き場所が干渉する場所に当該物品と置き期間が重なる物品で時間的に先に前記物量マスタファイルに登録されている物品がある場合に、当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の物品置場計画策定システム。
【請求項5】
前記置場フロア上に存在する既存の設備の場所座標が登録されている設備マスタファイルを備え、
前記場所計画策定部は、前記設備マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所又はその周辺の当該物品と干渉する場所に既存の設備が存在している場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物品置場計画策定システム。
【請求項6】
前記置場フロアの各所の吊り上げ可能重量である揚重量が登録されている揚重量マスタファイルを備え、
前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データが登録されており、
前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルと揚重量マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所の揚重量が当該物品の重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物品置場計画策定システム。
【請求項7】
前記置場フロアの各所の単位面積当たりの耐荷重が登録されている耐荷重マスタファイルを備え、
前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データが登録されており、
前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルと耐荷重マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所の耐荷重が当該物品の単位面積当たりの重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物品置場計画策定システム。
【請求項8】
前記置場フロアの各所の高さ制限が登録されている高さマスタファイルを備え、
前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその高さデータが登録されており、
前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルと高さマスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所の高さ制限が当該物品の高さよりも低い場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物品置場計画策定システム。
【請求項9】
前記場所計画策定部は、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示されている場所計画画面の該当計画対象日時の属する日の前日若しくは当日の内に、前記置場フロアの1つの場所から他の場所へ移動させる物品がある場合に、当該物品の移動元の置き場所と移動先の置き場所とに当該物品のシェイプを表示させると共に両者間に移動を示す矢印を表示させることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の物品置場計画策定システム。
【請求項10】
置き場所を必要とする複数の物品毎の物品識別名とシェイプと縦横の寸法と決定されている物品についてその置場使用開始日時と終了日時と置場座標との物量データを保持する物量マスタファイルと、置場のフロアレイアウトデータを保持する設備マスタファイルと、ヒューマンマシンインタフェースとを備えたコンピュータシステムを用いて、
置場フロアのレイアウト呼出し操作入力に対して前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイ画面に、前記設備マスタファイルから置場フロアのレイアウトを呼び出して表示させ、
置場計画日時の指定入力に対して指定された置場計画日時に対応する置場使用開始日時に前記置場に既に置かれている物品すべてとそれらのシェイプを前記物量マスタファイルから抽出し、前記置場フロアのレイアウト上の該当位置に物品それぞれのシェイプを表示させ、
新規に置き場所を設定する物品の物品識別名と置場使用開始日時と終了日時との操作入力に対して前記物量マスタファイルを参照して該当物品のシェイプを呼び出して前記ディスプレイ画面上の所定のイニシャルポジションに表示させ、
前記ヒューマンマシンインタフェースの入力手段による移動指令を取得して前記イニシャルポジションに表示されている物品のシェイプを前記フロアレイアウト上の移動先指定位置に置き場所として配置させ、
前記物品のシェイプの配置された置き場所の座標を読み取ることにより、当該物品について前記物量マスタファイルの該当する物量データにその置場使用開始日時と終了日時と置場座標とを登録することを特徴とする物品置場計画策定方法。
【請求項11】
前記ヒューマンマシンインタフェースからの日程表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記置き場所と置き期間が確定された物品それぞれについてカレンダーと対応させたバーチャートを作成し、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示させることを特徴とする請求項10に記載の物品置場計画策定方法。
【請求項12】
前記ヒューマンマシンインタフェースからの日時を指定したアニメーション表示指令を取得して、前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに該当日時の置場計画図を表示させると共に、当該日時以降に前記置場フロアに搬入される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを時間順に置場フロアレイアウト上の該当する置き場所に表示させ、かつ、当該日時以降に前記置場フロアから搬出される1又は複数の物品を抽出してそれらの物品のシェイプを置場フロアレイアウト上の該当する置き場所から時間順に削除することにより物品群の移動をアニメーション表示させることを特徴とする請求項10又は11に記載の物品置場計画策定方法。
【請求項13】
前記物量マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプを移動先として指定された置き場所又はその周辺の置き場所が干渉する場所に当該物品と置き期間が重なる物品で時間的に先に前記物量マスタファイルに登録されている物品がある場合に当該物品のシェイプの移動先指定に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の物品置場計画策定方法。
【請求項14】
前記置場フロア上に存在する既存の設備の場所座標を登録している設備マスタファイルを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所又はその周辺の当該物品と干渉する場所に既存の設備が存在している場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の物品置場計画策定方法。
【請求項15】
前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データを登録しておき、
前記物量マスタファイルと置場フロアの各所の吊り上げ可能重量である揚重量を登録している揚重量マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所の揚重量が当該物品の重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の物品置場計画策定方法。
【請求項16】
前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその重量データを登録しておき、
前記物量マスタファイルと前記置場フロアの各所の単位面積当たりの耐荷重を登録している耐荷重マスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所の耐荷重が当該物品の単位面積当たりの重量よりも小さい場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の物品置場計画策定方法。
【請求項17】
前記物量マスタファイルには、登録物品毎にその高さデータを登録しておき、
前記物量マスタファイルと前記置場フロアの各所の高さ制限を登録している高さマスタファイルとを参照して、前記物品のシェイプの移動先として指定された置き場所の高さ制限が当該物品の高さよりも低い場合に当該物品のシェイプの移動指令に対して前記ヒューマンマシンインタフェースにアラームを出力させることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の物品置場計画策定方法。
【請求項18】
前記物量マスタファイルを参照して、前記ヒューマンマシンインタフェースのディスプレイに表示されている場所計画画面の該当計画対象日時の属する日の前日若しくは当日の内に、前記置場フロアの1つの場所から他の場所へ移動させる物品がある場合に、当該物品の移動元の置き場所と移動先の置き場所とに当該物品のシェイプを表示させると共に両者間に移動を示す矢印を表示させることを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の物品置場計画策定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−55290(P2010−55290A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218304(P2008−218304)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】