説明

物品計数装置及び物品計数方法

【課題】操作が簡単で高速でミスのない物品計数を行うことができる物品計数装置を提供する。
【解決手段】撮像手段により撮像した物品1個のみの画像から計数するべき物品のテンプレートデータ生成した後に、計数を行うべき物品が複数存在する計数対象画像を取得し、計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求め、画素の集合のそれぞれの面積と、テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を計数した第1の計数値を求めるとともに、画素の集合の面積がテンプレートデータの面積より大きい画素の集合のそれぞれについて、テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された物品の数を計数した第2の計数値を求め、第1の計数値と第2の計数値とを加算して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像認識により、画像中の物品の計数を行う物品計数装置及び物品計数方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の生産現場において、小型の部品を計数することは日々大量に行われている。全く同じ部品を計数するときは専用の自動機を製作したりすることが一般的であるが、品種が多いときは対応できず、相変わらず人手で数えることが主流となっている。
【0003】
このような問題を解決するために、全体の重量を計測することによって個数を計数する装置が知られているが、極端に軽いもの、部品1個の重量にばらつきがあるもの、複数種類の部品が混在する場合には、正確に計数することができないという問題がある。また、従来から画像認識により物体の個数を計数する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−257316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す物体計数装置にあっては、操作性に問題があり頻繁に品種を切替える生産現場では実用に耐えないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操作が簡単で高速でミスのない物品計数を行うことができる物品計数装置及び物品計数方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、前記物品1個のみの画像を前記撮像手段により撮像して計数するべき物品のテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成手段と、計数を行うべき物品が複数存在する画像を前記撮像手段により撮像して計数対象画像を取得する画像取得手段と、前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行手段と、前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を計数する第1の計数手段と、前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を計数する第2の計数手段と、前記第1の計数手段による計数値と前記第2の計数手段による計数値とを加算して出力する計数値出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、計数するべき複数の異なる前記物品の画像を前記撮像手段により撮像して計数するべき物品それぞれのテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成手段と、計数を行うべき複数の物品が複数混在する画像を前記撮像手段により撮像して計数対象画像を取得する画像取得手段と、前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行手段と、前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第1の計数手段と、前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第2の計数手段と、前記第1の計数手段による計数値と前記第2の計数手段による計数値とを加算して、計数するべき複数の異なる前記物品それぞれの計数値を出力する計数値出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、画像処理を実行する画像処理手段とを備える物品計数装置における物品計数方法であって、画像処理手段が、前記撮像手段により撮像した前記物品1個のみの画像から計数するべき物品のテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成ステップと、画像処理手段が、前記撮像手段により撮像した計数を行うべき物品が複数存在する計数対象画像を取得する画像取得ステップと、画像処理手段が、前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行ステップと、画像処理手段が、前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を計数する第1の計数ステップと、画像処理手段が、前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を計数する第2の計数ステップと、画像処理手段が、前記第1の計数ステップにより得られた計数値と前記第2の計数ステップにより得られた計数値とを加算して出力する計数値出力ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明は、計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、画像処理を実行する画像処理手段とを備える物品計数装置における物品計数方法であって、画像処理手段が、計数するべき複数の異なる前記物品の画像を前記撮像手段により撮像して計数するべき物品それぞれのテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成ステップと、画像処理手段が、計数を行うべき複数の物品が複数混在する画像を前記撮像手段により撮像して計数対象画像を取得する画像取得ステップと、画像処理手段が、前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行ステップと、画像処理手段が、前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第1の計数ステップと、画像処理手段が、前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第2の計数ステップと、画像処理手段が、前記第1の計数ステップにより得られた計数値と前記第2の計数ステップにより得られた計数値とを加算して、計数するべき複数の異なる前記物品それぞれの計数値を出力する計数値出力ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像手段により撮像した物品の画像から計数するべき物品のテンプレートデータ生成した後に、計数を行うべき物品が複数存在する計数対象画像を取得し、計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求め、画素の集合のそれぞれの面積と、テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を計数した第1の計数値を求めるとともに、画素の集合の面積がテンプレートデータの面積より大きい画素の集合のそれぞれについて、テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された物品の数を計数した第2の計数値を求め、第1の計数値と第2の計数値とを加算して出力するようにしたため、操作が簡単で高速でミスのない物品計数を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示すモニタ8に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す画像処理部5の処理動作を示す説明図である。
【図5】図1に示す画像処理部5の処理動作を示す説明図である。
【図6】図1に示す画像処理部5の処理動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による物品計数装置を説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、モノクロの動画像を撮像できるカメラである。符号2は、カメラ1から出力する画像信号をAD(アナログ・デジタル)変換するAD変換部である。符号3は、AD変換された1フレーム分の画像データの大きさの調整やトリミング等を行うプリプロセッサである。符号4は、プリプロセッサ3から出力する画像データを記憶するメモリである。符号5は、メモリ4に記憶されている1フレーム分の画像データを読み込んで、物品の画像認識処理を行うことにより物品の計数処理を行う画像処理部である。符号6は、画像処理部5において実行する画像処理プログラムが格納されたメモリであり、画像処理部5が読み出して、画像処理部5内にロードする。符号7は、画像処理部5内において画像処理した結果の画像データをDA(デジタル・アナログ)変換して、アナログの画像データを出力するDA変換部である。符号8は、アナログの画像データを表示するモニタである。符号9は、トレイ10上に置かれた計数対象の部品である。
【0014】
次に、図2を参照して、図1に示す物品計数装置の処理動作を説明する。まず、電源が投入されると、画像処理部5は、メモリ6に記憶されている画像処理プログラムを読み出して内部のメインメモリ内にプログラムをロードする。プログラムがロードされると、画像処理部5は、メモリ4を初期化し、プリプロセッサ3に対して、カメラ画像の入力開始を指示することにより物品計数装置の初期化を行う(ステップS1)。これを受けて、プリプロセッサ3は、AD変換部2から出力する1フレーム分の画像データを入力し、入力した1フレーム分の画像データの大きさの調整やトリミング等を行って、メモリ4に記憶する(ステップS2)。プリプロセッサ3は、メモリ4に画像データの記憶が終了すると、メモリ4に画像データを記憶したことを画像処理部5へ通知する。
【0015】
次に、画像処理部5は、メモリ4に記憶されている画像データを読み出して、2値化処理を行う(ステップS3)。2値化処理は、例えば、所定の画素値をしきい値として、このしきい値より大きい値の画素値を持つ画素を「1」、しきい値以下の画素値を持つ画素を「0」とすることにより行う。画像処理部5は、ここで得られた2値化画像をメモリ4に記憶する(ステップS4)。メモリ4上には、2フレーム分の2値化画像を記憶する領域を有しており、2つの2値化画像のうち、古い方の2値化画像を新たな2値化画像で上書きする。これにより、メモリ4上には、プリプロセッサ3から新たに出力された1フレーム分の画像(入力画像)と、2フレーム分の2値化画像が記憶されることになる。
【0016】
次に、画像処理部5は、メモリ4に記憶されている2つの2値化画像を比較して、差があるか否かにより画像に変化があるか否かを判定する(ステップS5)。この判定の結果、画像に変化がなければ、画像処理部5は、メモリ4から新たな2値化画像を読み出して、DA変換部7へ出力する。DA変換部7は、この2値化画像をDA変換してモニタ8へ出力することにより画面表示する(ステップS14)。画像処理部5は、画像変化が現れるまで処理を繰り返す。ここで、作業者は、数を数えるべき部品9をトレイ10上に1つだけ置く。
【0017】
トレイ10上に部品9が1つ置かれると、画像に変化が現れるため、画像処理部5は、テンプレート登録が行われているか否かを判定する(ステップS6)。電源投入直後は、テンプレート登録は行われていない。したがって、画像処理部5は、新たな2値化画像に対して、ラベリング処理を行う(ステップS7)。ラベリング処理とは2値画像上の連結された状態の画素の集合に番号をつけることで画素を分類する処理のことである。この処理を行うことによって画像上の画素を分類できるため、ラベリングされた領域ごとに区別して処理することができる。そして、画像処理部5は、ラベリング数が「1」であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0018】
この判定の結果、ラベリング数が「1」でなければ、画像処理部5は、新たな2値化画像を読み出して、DA変換部7へ出力し、DA変換してモニタ8へ出力することにより画面表示する(ステップS14)。このとき、トレイ10上には部品9が1つだけ置かれており、ラベリング数が「1」となるため、画像処理部5は、ラベリングによって得られた画素の集合をテンプレートデータとしてメモリ4に記憶することにより、テンプレートの登録を行う(ステップS9)。ここで登録されるテンプレートデータには、2値画像上の部品9の面積と形状認識するために抽出したエッジ情報(特徴点)が含まれる(図4参照)。エッジ抽出は、公知の画像処理方法によって行うため、ここでは、詳細な処理動作の説明を省略する。そして、画像処理部5は、メモリ4から新たな2値化画像を読み出して、DA変換部7へ出力し、DA変換してモニタ8へ出力することにより画面表示する(ステップS14)。
【0019】
テンプレートの登録を行った後に、作業者は、数を数えるべき複数の部品9をトレイ10上に置く。このとき、トレイ10上に置く部品9は、先にテンプレート登録した部品9と同一の部品である必要がある。トレイ10上に部品9が置かれると、画像変化が現れるため、ステップS5の判定において「Y」となり、既にテンプレート登録が行われているため、ステップS6の判定において「Y」となり、画像処理部5は、新たな2値画像のラベリング処理を行う(ステップS10)。そして、画像処理部5は、ラベリング処理によって得られた画素の集合に対して、メモリ4に記憶されているテンプレートデータと照合し、画素の集合とテンプレートの面積が同程度であれば、部品9が1つ存在していると見なして、カウント値に1を加える(図5参照)。この処理を全ての画素の集合に対して行い、部品9の数をカウントする(ステップS11)。ここでいう面積とは、画素の集合を構成する画素の数(2値画像の画素値が1である画素の数)である。また、面積が同程度とは、例えば、テンプレートデータの面積をxとし、画素の集合の面積をyとした場合に、x×0.95<y<x×1.05を満たす場合をいう。なお、0.95、1.05の値は、必要に応じて適した値を用いる。
【0020】
次に、画像処理部5は、テンプレートの面積より大きい面積を持つ画素の集合があるか否かを判定する(ステップS12)。この判定の結果、テンプレートの面積より大きい面積を持つ画素の集合がなければ、画像処理部5は、得られたカウント値をモニタ8へ表示する(ステップS14)。図3にモニタ8に画面表示例を示す。モニタ8の画面は、画像表示エリアに2値画像が表示されるともに、部品9のカウント値が表示される。
【0021】
一方、テンプレートの面積より大きい面積を持つ画素の集合がある場合、画像処理部5は、部品9が接触や重なっていると判断し、その画素の集合に対してテンプレートデータを使用して、画像のマッチング処理を行うことにより形状認識を行う(図6参照)。画像処理部5は、形状認識の結果に基づいて、部品9が接触や重なっている画素の集合から複数の部品9に分離して、テンプレートの面積より大きい面積を持つ画素の集合の中に含まれる部品9の数を求め、カウント値に加算する(ステップS13)。形状認識処理は、公知の画像処理方法を用いるため、ここでは、詳細な処理動作の説明を省略する。この処理は、2値画像中におけるテンプレートの面積より大きい面積を持つ画素の集合の全てに対して実行する。これにより、2値画像中に存在する部品9の数が求められることになる。続いて、画像処理部5は、得られたカウント値をモニタ8へ表示する(ステップS14)。
【0022】
従来の人手による計数は、熟練により精度や速度は向上していくが、やはり人間の作業であるためカウントミスは避けられない。しかし、本発明の物品計数装置を使用することで、高速でミスのない部品計数を行うことができる。
【0023】
なお、図2に示すステップS7〜S9の処理動作を繰り返し、異なる部品に対して実行することにより、種類が異なる複数の部品9のテンプレートデータを予め登録しておき、複数種類の部品が混在した状態でトレイ10に置かれた場合において、画像処理部5は、それぞれの部品のテンプレートデータを使用して、種類が異なる複数の部品それぞれの個数をカウントするようにしてもよい。この場合、図3に示す表示画面において、テンプレートデータの画像とカウント値を関係付けて表示すればよい。このようにすることにより、測定対象部品が、複数種類存在してもそれぞれの個数を同時に計数することができるようになり、重量による個数計数で発生する問題を解決することができる。
【0024】
また、種類が異なる複数の部品9のテンプレートデータを予め登録する場合に、種類の異なる部品9をそれぞれ1つずつ同時にトレイ10上に置き、複数の部品9が置かれたトレイ10上の画像を撮像し、得られた画像に対してラベリング処理を施すことにより、各部品9を分離して、種類の異なる部品9のテンプレートデータをそれぞれ登録するようにしてもよい。このようにすることにより、テンプレートデータ登録作業を簡単にすることができる。
【0025】
また、測定対象部品の姿勢や配置、環境光などの違いから、確実な認識が困難な場合があるため、2値画像上において認識が不確実な部分に所定の枠を表示し、この枠内部分を何個としてカウントしたかを画面表示することにより、作業者に確認を促すようにしてもよい。
【0026】
また、環境光などの影響により、同じ部分を撮影していても認識が異なる場合がある。例えば蛍光灯のちらつきの影響を受けて、認識個数が安定しない場合などがある。この場合は、所定時間同じ値であると認識した結果が続いた場合に、そこで計数処理を停止するようにしてもよい。このようにすることにより、誤ったカウント値を使用して、後の製造工程へ進んでしまうことを防止することができる。
【0027】
また、対象部品の大きさにより、1回でトレイ10に置くことができる部品の数量に限界がある場合、計数するべき部品を複数回に分けてトレイ10に置き、各回のカウント値を内部に記憶しておき、全ての計数が終了した時点で記憶しておいたカウント値を積算するようにしてもよい。
【0028】
従来の計数装置は対象部品を撮影した画像から、どの範囲をテンプレートとして登録するかユーザがマウス等を操作して、指示する必要があったが、前述したように、本発明は、対象部品をトレイ10上に1個置くだけで自動的にテンプレート登録を行うことができる。
【0029】
また、一般的に画像処理において処理時間が長くなるという問題があるが、本発明は、ラベリング処理によって得られた画素の集合の面積のみをテンプレートの面積と比較し、同程度の面積のものは同じ部品と判断してカウントし、面積がテンプレートより大きい画素の集合については個別認識処理を実行するようにし、全ての画素の集合に対して形状認識処理を行わないようにたため、カウント処理の時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0030】
なお、図1に示すカメラ1は、必ずしも動画を撮像できるアナログ出力のカメラである必要はなく、図2に示すステップS2(画像入力処理)を行う度に、画像処理部5からカメラ1に対して撮像指示を出力するようにすれば、デジタルの静止画を撮像することができるデジタルカメラを適用することができる。デジタルカメラを用いることにより、AD変換部2を省略することができ、装置構成を簡単にすることが可能となる。
【0031】
また、図1に示す画像処理部5の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより物品計数処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0032】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
画像認識によって、画像中に存在する物体の数を数えることが不可欠な用途に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1・・・カメラ、2・・・AD変換部、3・・・プリプロセッサ、4、6・・・メモリ、5・・・画像処理部、7・・・DA変換部、8・・・モニタ、9・・・部品、10・・・トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、
前記物品1個のみの画像を前記撮像手段により撮像して計数するべき物品のテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成手段と、
計数を行うべき物品が複数存在する画像を前記撮像手段により撮像して計数対象画像を取得する画像取得手段と、
前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行手段と、
前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を計数する第1の計数手段と、
前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を計数する第2の計数手段と、
前記第1の計数手段による計数値と前記第2の計数手段による計数値とを加算して出力する計数値出力手段と
を備えたことを特徴とする物品計数装置。
【請求項2】
計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、
計数するべき複数の異なる前記物品の画像を前記撮像手段により撮像して計数するべき物品それぞれのテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成手段と、
計数を行うべき複数の物品が複数混在する画像を前記撮像手段により撮像して計数対象画像を取得する画像取得手段と、
前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行手段と、
前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第1の計数手段と、
前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第2の計数手段と、
前記第1の計数手段による計数値と前記第2の計数手段による計数値とを加算して、計数するべき複数の異なる前記物品それぞれの計数値を出力する計数値出力手段と
を備えたことを特徴とする物品計数装置。
【請求項3】
計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、画像処理を実行する画像処理手段とを備える物品計数装置における物品計数方法であって、
画像処理手段が、前記撮像手段により撮像した前記物品1個のみの画像から計数するべき物品のテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成ステップと、
画像処理手段が、前記撮像手段により撮像した計数を行うべき物品が複数存在する計数対象画像を取得する画像取得ステップと、
画像処理手段が、前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行ステップと、
画像処理手段が、前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を計数する第1の計数ステップと、
画像処理手段が、前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を計数する第2の計数ステップと、
画像処理手段が、前記第1の計数ステップにより得られた計数値と前記第2の計数ステップにより得られた計数値とを加算して出力する計数値出力ステップと
を有することを特徴とする物品計数方法。
【請求項4】
計数対象の物品の画像を撮像する撮像手段と、画像処理を実行する画像処理手段とを備える物品計数装置における物品計数方法であって、
画像処理手段が、計数するべき複数の異なる前記物品の画像を前記撮像手段により撮像して計数するべき物品それぞれのテンプレートデータ生成するテンプレートデータ生成ステップと、
画像処理手段が、計数を行うべき複数の物品が複数混在する画像を前記撮像手段により撮像して計数対象画像を取得する画像取得ステップと、
画像処理手段が、前記計数対象画像に対して、ラベリング処理を施して画素が連結した状態の画素の集合を求めるラベリング処理実行ステップと、
画像処理手段が、前記画素の集合のそれぞれの面積と、前記テンプレートデータの面積とを比較して、面積が同程度である画素の集合の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第1の計数ステップと、
画像処理手段が、前記画素の集合の面積が前記前記テンプレートデータの面積より大きい前記画素の集合のそれぞれについて、前記テンプレートデータを用いて形状認識を行い、複数の物品に分離して、分離された前記物品の数を前記テンプレートデータ毎にそれぞれ計数する第2の計数ステップと、
画像処理手段が、前記第1の計数ステップにより得られた計数値と前記第2の計数ステップにより得られた計数値とを加算して、計数するべき複数の異なる前記物品それぞれの計数値を出力する計数値出力ステップと
を有することを特徴とする物品計数方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−39872(P2011−39872A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187783(P2009−187783)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年5月21日〜23日 財団法人石川県産業創出支援機構主催の「第22回石川県中小企業技術展」に出品
【出願人】(593164158)小松電子株式会社 (11)
【Fターム(参考)】