物理文書から電子文書を構成するためのシステムおよび方法
【課題】 複数の物理文書から直接選択された内容から電子文書を構成するためのユーザ・システム、ユーザ・システムで使用するための方法、およびコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【解決手段】 この方法は、
物理文書を識別するステップと、
識別された前記物理文書の電子コピーを識別するステップと、
前記物理文書の1つまたは複数のページを識別し、識別された前記ページの上(または下)に連続的に配置され位置合わせされたデジタイジング・タブレット上でマークされた前記ページの部分を識別するステップと、
物理文書の電子コピーから識別されたページの電子コピーを検索するステップと、
受信された電子ページ上で、物理文書上でユーザによって選択された部分に自動的にマークを付けるステップと、
検索された電子ページ上でマークされた部分をオペレーティング・システム・クリップボードにコピーするステップと、
クリップボードの内容をユーザによって指定された宛先ファイルにペーストするステップと、
を有する。
【解決手段】 この方法は、
物理文書を識別するステップと、
識別された前記物理文書の電子コピーを識別するステップと、
前記物理文書の1つまたは複数のページを識別し、識別された前記ページの上(または下)に連続的に配置され位置合わせされたデジタイジング・タブレット上でマークされた前記ページの部分を識別するステップと、
物理文書の電子コピーから識別されたページの電子コピーを検索するステップと、
受信された電子ページ上で、物理文書上でユーザによって選択された部分に自動的にマークを付けるステップと、
検索された電子ページ上でマークされた部分をオペレーティング・システム・クリップボードにコピーするステップと、
クリップボードの内容をユーザによって指定された宛先ファイルにペーストするステップと、
を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、「メディア適応コンテンツ(mediaadaptive content)」、「電子出版」、「プリント・オンデマンド」、ならびに、文書構成および注釈に関する。詳細には、本発明は、物理文書(すなわち、印刷文書)の部分を手動で指定し、指定された部分に対応するデジタル・コンテンツをネットワークにより検索するためのシステムおよび方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
インターネットおよび移動体通信の普及により、電子メディアと印刷メディアを結合し、「メディア適応」製品を作成するための新たな機会が提供される。「メディア適応」製品という概念の背後にある理念は、ユーザのニーズに適合された形式でユーザに情報を転送しなければならないということである。印刷文書とマルチメディア製品は補足的なものであり、それらはユーザのニーズに応じて結合しなければならない。この進化を容易にするために、「電子コンテンツは、印刷メディアから直接アクセス可能でなければならない」。
【0003】
この数年の間、主にパーソナル・コンピュータおよびCD−ROMの普及ならびにワールド・ワイド・ウェブに対する多数のユーザの至るところからのアクセスのために、「電子出版」がまさに爆発的に増加した。文書、書籍、およびあらゆる種類の出版物を含む、膨大な量の情報は、現在、パーソナル・コンピュータまたは特殊電子書籍リーダ(e-book reader)のユーザにとってアクセス可能なものになっている。
【0004】
コンピュータベースの読書に対する公衆の熱意が、多くの分析者により、ハードコピー出版の従来の形式に対する脅威と見なされたとしても、ほとんどの人にとって、紙面(paper)を読むことと、電子メディア(たとえば、MSリーダを使用することによる電子書籍)を読むことを比較することはできない。紙は、持ち運びでき、どこでも入手可能であり、容易に使用し扱うことができ、高い解像度を提供する。ほとんどの人は、コンピュータに精通しているかどうかにかかわらず、紙面を読む方を好むものである。
【0005】
データの記録および処理の分野におけるコンピュータ技術の進歩にもかかわらず、紙の使用は減少していない。実際に、人は、紙のカタログ、雑誌、新聞、地図、および書籍を拾い読みし、ページをめくり、写真やテキストをちらっと見ることに慣れている。たとえば、印刷されたカラー写真の集合は、一連のコンピュータ画面より、非常に容易かつ素早く閲覧することができる。したがって、紙は引き続き、情報を表示するために最も広く使用される手段になっている。その上、紙文書は情報を表示するためにコンピュータ画面より使いやすいので、紙の蓄積の大部分が電子文書の印刷から発生することは明らかなことである。ほとんどの人は、自分の日常作業(会合、企画、プレゼンテーション、注釈、訂正など)を紙の上で実行し、元の電子文書の代わりに印刷されたコピーを使用する。
【0006】
この数年、「プリント・オンデマンド」という新しい出版技術が、印刷文書に対するこの好みを持ち続けるために貢献してきた。プリント・オンデマンドは、実際に、新しい印刷技術であり、非常に少ない印刷部数の生産を可能にする、新しい形式の情報配布でもある。これは、必要な部数のみが印刷される生産システムである。保有する在庫品を少なくするためのいわゆる「少部数」印刷(少数単位(50〜100部)の従来の書籍印刷)とは異なり、プリント・オンデマンドは、特定の顧客の注文に応じて単一書籍の印刷を可能にする。これは、オンデマンド・タイトルが在庫品にならないことを意味する。プリント・オンデマンドの究極のステップは、一度に1部を生産することである。この技術は、ハードコピーの保管を劇的に低減し、したがって、在庫、配送費、および未使用部数をリサイクルまたは破棄するための費用を削減する。その上、この技術はオンデマンドの増刷を可能にし、タイトルがもはや「絶版」にならないことを意味する。
【0007】
結びとして、多くの電子文書システム(たとえば、Webブラウザ、電子書籍リーダ)が、マルチメディア情報およびサービスにアクセスできることなど、新しいアプリケーションを提供することによって紙に取って代わろうとしても、多数のユーザは依然として紙で作業する。多くの分析者は、「消費者は自分の文書のほとんどを印刷すると言って譲らないだろう」と認めている(たとえば、読むため、閲覧するため、調べるため、注釈を付けるための電子書籍)。
【0008】
次に、電子文書が印刷されると、電子文書の使用に関連する利点は消滅する。特に、文書の部分を編集し、選択し、マークを付け、他の電子文書を構成するために選択された部分をコピーすることは、もはや不可能である。たとえば、電子文書が印刷されると、ユーザがテキストまたは図を含む印刷コピーの部分を選択し、その選択された部分に対応するデジタル情報を検索し、この情報を他の電子文書にコピーすることは不可能になる。
【0009】
一般的に、電子文書(たとえば、電子書籍、Webページ、Lotus Notes、MS Word、Lotus WordPro、またはAdobeポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF))の物理コピーを改良するための新しいシステムおよび方法をユーザに提供することが現実的に必要である。詳細には、物理文書に印刷された情報のうちの選択された部分(たとえば、図、表、参照、段落)を電子文書にエクスポートする機能をユーザに提供することが現実的に必要である。特に、物理文書からテキストおよび図などの情報を選択し、この物理文書の電子コピーからこの情報を検索することが必要である。
【0010】
たとえば、公共図書館で着席しているユーザが種々の印刷出版物の部分(たとえば、「Celtic Legends」関連書籍に印刷されたいくつかの関連段落、参照、およびイラスト)を選択したいと希望する可能性がある。そのユーザは、前記選択を識別するデータをスタンドアロン(すなわち、ネットワークに接続されていない)ハンドヘルド・デバイス(たとえば、ハンドヘルド・コンピュータまたは携帯情報端末)に保管したいと希望する可能性がある。また、このユーザは、物理文書上で行われた選択を識別するデータを後で自分のスタンドアロン・ハンドヘルド・デバイスからインターネットに接続されたパーソナル・コンピュータまたはワークステーションにダウンロードし、Webにより、種々の印刷文書の電子コピーから、選択された部分に含まれる電子情報を検索したいと希望する可能性もある。
【0011】
したがって、物理文書上で直接選択された情報からユーザが電子文書を構成できるようにするための新しいシステムおよび方法が必要である。
【0012】
従来技術で参照されている方法はいずれも、物理文書の部分を直接指定して選択し、その後、選択された部分に関連するデジタル情報を自動的に検索するためのシステムを記載していない。
【0013】
追加情報は、以下の資料で入手可能である。
University of Michigan Press発行のThe Journal of Electronic Publishingに掲載されているPhilippa Jane Bensonによる「Paper Is Still With Us」(http://www.press.umich.edu/jep/07-02/benson0702.html)
英国LE11 3TU、レスターシア州ラフバラ所在のLoughborough University、Department of Information and Library StudiesのDr Cliff McKnightによる「Electronic Journals : What Do Users Think of Them ?」(http://www.dl.ulis.ac.jp/ISDL97/proceedings/mcknight.html)
XRCE: Technical Report: EPC−1997−101(ゼロックス社)の「A Comparison of Reading Paper and On−Line Documents」(http://www.xrce.xerox.com/publis/cam-trs/html/epc-1997-101.htm)
CSRP 507のUniversity of Sussex、School of Cognitive and Computing SciencesのAnn Lightによる「Fourteen Users in Search of a Newspaper: the Effect of Expectation on Online Behaviour」(http://www.cogs.susx.ac.uk/users/annl/Expectations.htm)
【特許文献1】欧州特許出願第01480135.1号
【特許文献2】米国出願第10/317504号
【非特許文献1】University of Michigan Press発行のThe Journal of Electronic Publishingに掲載されているPhilippa Jane Bensonによる「Paper Is Still With Us」
【非特許文献2】英国LE11 3TU、レスターシア州ラフバラ所在のLoughborough University、Department of Information and Library StudiesのDr Cliff McKnightによる「Electronic Journals : What Do Users Think of Them ?」
【非特許文献3】XRCE: Technical Report: EPC−1997−101(ゼロックス社)の「A Comparison of Reading Paper and On−Line Documents」
【非特許文献4】CSRP 507のUniversity of Sussex、School of Cognitive and Computing SciencesのAnn Lightによる「Fourteen Users in Search of a Newspaper: the Effect of Expectation on Online Behaviour」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主要な一目的は、文書を編集し、参照し、注釈を付け、構成するための現行システムおよび方法を改良することにある。
【0015】
本発明の一目的は、複数の物理文書から直接選択された情報から電子文書を構成することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、文書の電子コピーにおいて、前記文書の物理コピーから事前に選択された情報を識別することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、文書の電子コピーから、前記文書の物理コピーから選択された情報を検索することにある。
【0018】
本発明の他の一目的は、携帯用で非接続のスタンドアロン・デバイスを使用し、物理コピーから文書の部分を選択し、前記文書の電子コピーにおいて前記部分を識別するための手段を保管することにある。
【0019】
本発明のさらに他の一目的は、ハイパーリンクされた文書の物理コピー上で行われた選択から前記ハイパーリンクされた文書のハイパーリンクされた部分(たとえば、ハイパーリンクを含むHTML文書の部分)を検索することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
独立請求項に定義されている通り、本発明は、一般に、ユーザによって選択された1つまたは複数の物理文書の1つまたは複数の部分の内容から電子文書を構成するための方法、システム、およびコンピュータ・プログラムに関する。この方法は、
ユーザによって行われた各選択についてテーブル内のレコードを作成するステップを有し、前記レコードがユーザによって選択された部分をその電子コピーに関連付けるための手段を有し、前記ステップが、コンピュータ・デバイスで使用するために、
選択された各文書について、
ユーザによって選択された文書を識別する手段を受信するステップと、
前記文書の電子コピーにアクセスするための手段を受信するステップと、
前記文書の物理コピーのユーザによって選択された1つまたは複数のページを識別する手段を受信するステップであって、前記物理文書が1つまたは複数のページを有するステップと、
選択された各ページについて、
選択されたページ上で、ユーザによって選択された1つまたは複数の部分を定義する手段を受信するステップと、
選択された各部分について、
選択された部分を定義する前記手段を選択テーブルに保管するステップと、
前記選択テーブル内で、選択された部分を定義する前記手段を、
選択された文書を識別する前記手段と、
選択されたページを識別する前記手段と、
前記文書の電子コピーにアクセスするための前記手段と、
に関連付けるステップと、
をさらに有する。
【0021】
この方法は、
ユーザによって選択された物理文書の部分に対応する電子コピーを検索するステップ
をさらに有し、前記ステップが、
選択テーブル内のレコードを指定する手段を受信するステップと、
指定されたレコード内で
文書を識別する手段と、
文書のページを識別する手段と、
文書の電子コピーにアクセスするための手段と、
を識別するステップと、
識別された文書の電子コピーから識別されたページの電子コピーを検索するステップと、
指定されたレコード内で、識別されたページの部分を定義する手段を識別するステップと、
識別されたページの検索された電子コピー上の前記部分にマークを付けるステップと、
ページの電子コピーのマークされた部分を宛先文書にコピーするステップと、
をさらに有する。
【0022】
本発明の他の諸実施形態は、従属請求項に示されている。
【0023】
本発明に特有と思われる新規かつ創意に富んだ特徴は、特許請求の範囲に示されている。しかし、本発明そのもの、ならびにその好ましい使用態様、追加の目的および利点は、添付図面に併せて読んだときに、例示的で詳細な実施形態に関する以下の詳細の説明を参照することにより、最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明そのもの、ならびにその好ましい使用態様、目的および利点は、添付図面により記載された以下の例示的な実施形態を参照することにより理解することができる。
【0025】
本発明は、物理文書に含まれる情報のデジタル・コピーを検索する必要性に対処するものである。デジタル情報は、物理文書に印刷されたテキストおよびイメージの電子表現にすることができる。この電子表現は、テキスト、図形要素(チャート、グラフ、またはイラストなど)、ハイパーテキストなどを含むことができる。
【0026】
本発明は、ユーザが1つまたは複数の物理文書から直接選択された情報から電子文書を構成できるようにすることにより、電子文書を編集し、参照し、注釈を付け、構成するための現行システムおよび方法を改良するものである。
【0027】
図1、図2、図6、図7、および図8を参照すると、本発明は、以下の実用的な例で例示することができる。すなわち、公共図書館で着席しているユーザは、種々の印刷出版物(101)の部分(たとえば、「Celtic Legends」関連書籍に印刷されたいくつかの関連段落(605)、参照、およびイラスト(705))を選択し、これらの選択(105)をスタンドアロン・デバイス(104)(たとえば、携帯電話)に保管する。その後、このユーザは、印刷出版物(101)上で事前に行われた選択(803)を自分のスタンドアロン・デバイス(801)からインターネット・ネットワーク(804)に接続されたワークステーション(802)(たとえば、パーソナル・コンピュータ)にダウンロードする。最後に、ユーザは、Webにより、1つまたは複数のサーバ(206)から、種々の印刷出版物で選択された部分に対応する電子情報(204)を検索し、この電子情報を電子文書にコピーする。
【0028】
物理文書の部分に含まれるデジタル情報の検索は別として、本発明の利点は、ハイパーリンクを有するHTML(ハイパーテキスト・マークアップ言語)文書の部分を検索する可能性である。
【0029】
本発明の第1の態様によれば、物理文書(601)の部分(605)を選択し、ユーザによって行われた各選択について、選択テーブル(604)内のレコードを作成するためのシステムおよび方法が開示される。前記レコードは、ユーザによって選択された部分(605)をその電子コピーに関連付けるための手段を有する。物理文書の新しい部分を選択し、この新しい選択に対応する選択テーブル内の新しいレコードを作成する、コンピュータ・デバイスで使用するための方法は、以下のステップを有する。
− ユーザによって選択された物理文書を識別するステップであって、前記物理文書が1つまたは複数のページを有するステップ
− 前記物理文書の電子コピーを識別するステップであって、好ましくは、
出版社サーバ・ネットワーク・アドレス(すなわち、出版社サーバのURL)と、
文書番号と、
を識別することによって前記電子コピーを識別するステップ
好ましい一実施形態では、出版社サーバのネットワーク・アドレスと文書番号が前記物理文書に印刷され、ユーザによってコンピュータ・デバイスに入力される。
− ユーザによって選択されたページを識別するステップ
好ましい一実施形態では、ページ番号がユーザによってコンピュータ・デバイスに入力される。
− 前記物理文書のページ上でユーザによって選択された部分を識別するステップであって、前記ステップは、
選択されたページの上(または下)に透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT:transparent electro-luminescent digitizing tablet)を位置合わせして配置するステップと、
文書の選択された部分を識別するステップと、
を有するステップ
好ましい一実施形態では、多角形の頂点の座標を感知し、それをコンピュータ・デバイスに伝送するスタイラスを使用して、ユーザがELDTの上に、選択された部分の周りに折れ線を描く。
− 物理文書の電子コピーを識別し、ユーザによって選択された物理文書の部分に対応するデジタル情報を検索するための手段を、好ましくはコンピュータ・デバイス上に位置する選択テーブルに記録するステップであって、前記手段が、
出版社サーバ・ネットワーク・アドレスと、
文書番号と、
ユーザによって選択されたページの番号と、
物理文書内でユーザによって選択されたページの部分にマークを付けるためにユーザによって描かれた多角形の頂点座標と、
を有するステップ
【0030】
本発明の第2の態様によれば、ユーザによって選択された物理文書(701)の部分(705)に対応する電子コピー(1008)を検索するためのシステムおよび方法が開示される。選択テーブル(1003)内の各レコードについて、出版社サーバ(1005)に保管された対応する電子文書からユーザによって行われた選択の電子コピーを検索する方法は、
選択テーブルに事前に記録された
出版社サーバ・ネットワーク・アドレス(URL)と、
文書番号と、
ユーザによって選択されたページの番号と、
を使用して、出版社サーバ上に位置する電子文書から電子ページを検索するステップと、
受信した電子ページにおいて、物理文書の選択された部分の周りにユーザによって描かれた多角形の頂点座標(選択テーブルに記録される)を使用して、前記選択された部分に対応する電子情報を識別するステップと、
識別された電子情報をバッファ、好ましくは、オペレーティング・システム・クリップボードにコピーするステップと、
ユーザによって決定された宛先にバッファの内容をペーストするステップと、
を有する。
【0031】
本発明によるシステムの構成要素
図1および図2に示されている通り、本発明の特定の一実施形態によるシステムは、
1つまたは複数のページを有する1つまたは複数の物理文書、すなわち、ハードコピー印刷文書(101)(たとえば、書籍)と、
物理文書の部分にマークを付けるためにユーザによって行われた描線(ストローク)を捕捉しデジタル化するための透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(102)(選択された物理文書のページの上に配置するもの)を有する物理文書インターフェースと、
物理文書の部分にマークを付けるためにELDT(102)上でストロークを行うためのスタイラス(103)と、
スタイラスによりユーザによってELDT上で行われたストロークおよび注釈を保管するためにELDTインターフェース(102)に接続された(106)ユーザ・デバイス(104)と、
ユーザ・ワークステーション(201)と、
出版社サーバ(206)(たとえば、Webサーバ)と、
通信ネットワーク(207)(たとえば、インターネット・ネットワーク)と、
を有する。
【0032】
開示されたシステムの主な構成要素およびそれらの動作については以下に説明する。
【0033】
物理文書
物理文書(101)は、任意の種類のもの、たとえば、新聞、法律文書、地図(たとえば、地形図、政治的地図、歴史的地図、経路図、陰影起伏図、都市図、天然資源地図、鉄道地図、または任意のその他のタイプの地図)、フィクションの小説、学究的教科書、専門書、営業用のカタログ、または任意のその他のタイプの刻印、筆記、または印刷表面にすることができる。文書の材料は、紙、プラスチック、木材、または任意のその他の材料にすることができる。物理文書(301)の電子版は出版社サーバ(206)に保管される。物理文書(301)からそれに対応する電子版を識別するために、
この電子版が位置する出版社サーバ(206)のURL(すなわち、インターネット・アドレス)(306)と、
文書への参照(307)(たとえば、ISBN番号、または任意のその他の名前、番号、参照)と、
が物理文書(たとえば、おもて表紙、裏表紙、または1ページ目)上に印刷されているかまたはそれに付加されている。
【0034】
透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)
図12に示されている通り、好ましい一実施形態では、エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(1200)は、重ねられ、機能的に独立した2枚の透明フォイル、すなわち、
コンピュータ用の位置感知可能液晶ディスプレイ装置(PSLCD:Position Sensible Liquid Crystal Display Device)を製造するために一般に使用されるタイプの透明デジタイジング・タブレット(DT)(1201)であって、生成される信号が一般にスタイラス(1208)によって押された点(1204)の座標に比例するものと、
いずれか一方または両方の表面から発光(1205)することができる透明で明るい自己放出ディスプレイ(self-emitting display)である透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(EL)(1202)と、
を有する。
【0035】
両方のフォイル(すなわち、エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(1202)の上に積み重ねられたデジタイジング・タブレット(1201))を組み合わせると、エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(1200)が形成される。図12は、その表面上に印刷(または筆記、塗装、刻印など)された複数の項目(1207)(すなわち、単語、写真、アイコンなど)を有する物理文書(1203)の上に配置され位置合わせされたELDTを表している。この図は、エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(1202)がスタイラス(1208)によって押された点(1204)からどのように発光(1205)するかを示している。スタイラスによって押された点は物理文書(1203)の上で強調表示され、スタイラスによってマークされて(または押されて)いないELDTの残りの部分は両方の透明フォイル(1201)、(1202)を通って光を透過(1206)し、その結果、物理文書の表面はマークされて(または押されて)いない領域で目に見えるようになる。
【0036】
ELDTは、赤外線リンク、シリアル有線接続、または任意のその他の通信手段(たとえば、「Bluetooth Special Interest Group」によって推進され、Bluetooth公式Webサイト(http://www.bluetooth.com/)で文書化されている「Bluetooth」規格のグローバルに入手可能な2.4GHz帯域内で動作するワイヤレス接続による)によりユーザ・デバイス(104)と通信(106)することができる。
【0037】
透明デジタイジング・タブレット
デジタイジング・タブレットは、描くため、線を引くため、またはスケッチするために使用される、ありふれた鉛筆および紙と同等の電子装置である。タブレット表面の上で鉛筆様のスタイラスを移動すると、コンピュータ画面上で描画が再現される。その後、描画は、グラフィックスまたはプレゼンテーション・アプリケーション・プログラムにインポートし、編集、フォーマット、および印刷することができる。
【0038】
本発明の一態様によれば、透明デジタイジング・タブレット(1201)は、一般に、
複数の走査線の上に形成された複数の第1の線と、
複数のデータ線の上に形成された複数の第2の線と、
によって形成されたマトリックスを有する基板上に構築することができる。第1および第2の線は、適用されたスタイラスの位置を決定するために使用される。透明な線および接点は、透明導電材料、たとえば、インジウム錫酸化物(ITO)によって作られる。ディスプレイ表面の上に統合されると、透明デジタイジング・タブレットは実際には、それを貫通する透明なワイヤ・センサのメッシュを有し、時には視覚的にディスプレイの上のモアレ・パターンのように見える層になる。これらの細いワイヤはペンとともに、コンピュータに報告される移動およびボタン・イベントを発生する。
【0039】
透明デジタイジング・タブレットは、たとえば、Calcomp社およびWacom社によって生産される。本発明を実現するために使用可能な透明デジタイジング・タブレット技術は、Wacom Technology社によって使用されているものである。ペン・タブレット・システムの製造については、Wacom Technology社のWebサイト(http://www.wacom.com/lcdtablets/)に記載されている。
【0040】
透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ
本発明の他の態様によれば、透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(1202)は、
複数の透明走査線と、
前記走査線を横切る透明データ線と、
走査線とデータ線の交点上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(ピクセル)と、
によって形成されたアレイを有する基板を含むことができる。今日の技術では、この受動マトリックスの発光ディスプレイは、風防ガラス、コックピット、ヘルメット、および眼鏡上に視覚領域ディスプレイを作成するために使用されるタイプのTOLED(透明有機発光デバイス(Transparent Organic Light Emitting Device))のアレイから作ることができる。
【0041】
その最も基本的な形式では、TOLEDは、2つの透明導電層の間に挟まれた一連の「小分子」有機薄膜からなるモノリシックの固体デバイスである。デバイスの両端に電圧が印加されると、そのデバイスは発光する。この発光は、電子と正孔が注入され、印加された電界の下で接点から有機ヘテロ接合に向かって移動する、ルミネセンス現象に基づくものである。これらのキャリアが合流すると、これらは、発光するために放射的に再結合する励起子(電子正孔対)を形成する。その結果として、TOLEDは、いずれか一方または両方の表面から放出するように指図することができる、明るい自己放出ディスプレイになる。透明接点を有することに加えて、有機材料は、それ自体の発光スペクトル上および可視スペクトルのほとんどでも透明であるので、これは可能である。
【0042】
TOLEDディスプレイは、現在、標準的なシリコン半導体で製造されている。TOLEDは、薄膜固体デバイスであるので、本発明に開示されているもののように、非常に薄く軽量かつ耐久性があり、携帯用として理想的である。TOLEDは、底面、上面、または底面と上面の両方から放出することができる。また、TOLED技術は、透明性(TOLEDディスプレイは、それが乗っているガラスまたは基板とほぼ同じ程度に澄んだものにすることができ、ガラス板の間に構築されると、オフにしたときにTOLEDの透明性は85%を上回る)、エネルギー効率(電池寿命がより長い場合)、全視角、明るくハイコントラストの発光、高速応答時間、および環境頑強性に関して魅力的な利点を有する。したがって、TOLEDは、本発明に従った透明デジタイジング・タブレットと一緒に使用される発光エレクトロルミネセンス・ディスプレイ構成要素を製造するために十分適している。
【0043】
使用可能であると考えられる発光フォイル技術の一例は、UNIVERSAL DISPLAY社によって製造され、UNIVERSAL DISPLAY社のWebサイト(http://www.universaldisplay.com/toled.php)に完全に記載されている、TOLEDに使用される技術である。
【0044】
スタイラス
ペン様スタイラス(1208)は、従来のキーボードおよびマウス装置の代わりに、データ処理および記憶システム用の入力装置として一般に使用される。スタイラス(1208)は、ELDT(1200)のデジタイジング・タブレット(1201)部分と組み合わせて使用される。デジタイジング・タブレット(1201)は、抵抗性または容量性デジタイザまたはシート材料を採り入れている。このため、ELDTデバイス上でスタイラスによって書き込むことにより、情報を入力することができる。ELDTのエレクトロルミネセンス(1202)構成要素は、スタイラスの瞬間的位置および移動経路を表示する。このようにして、ELDTデバイスは、その上に書かれたパターン(たとえば、書き込まれたメッセージ、スケッチ、または署名)を表示する。
【0045】
透明デジタイジング・タブレットと組み合わせて使用可能なスタイラスの一例は、ワイヤレスで感圧性のWacomのペンである。
【0046】
「Device, method and system for retrieving and displaying handwritten annotations」という発明の名称で、2001年12月21日に出願された欧州特許出願第01480135.1号/2002年12月12日に出願された米国出願第10/317504号(IBMの参照番号FR9 2001 0048)では、スタイラスと協働するように適合された透明デジタイジング・タブレットを有し、手書き注釈を捕捉し表示するために、コンピュータ・システムとともに使用するための装置を開示している。これは、捕捉された手書き注釈を表示するように適合された透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイも有し、透明デジタイジング・タブレットは透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ上に重ねられている。透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイと、その上に重ねられた透明デジタイジング・タブレットのために、物理文書に物理的にマークを付けずに、手書き注釈にマークを付け、それを物理文書上に表示することができる。したがって、物理文書上(デジタイジング・タブレット上)でユーザによって「書込み」が行われているものが同じ物理文書上で透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイによって電子的に照らされているものとしてユーザに見えるように、ユーザは「電子インク」を使用して物理文書の上に注釈を付けることができる。このような装置により、ユーザは、物理文書の保全性をそのままにしておきながら、前記物理文書のすぐ上に情報を描き、スケッチし、注釈を付け、構築し、概略を示し、強化し、消去し、関連付けし、表示することができる。
【0047】
ユーザ・デバイス
ユーザ・デバイス(104)は、パーソナル・コンピュータ、インターネット対応携帯電話、PDA、ネットワーク・コンピュータ、インターネット家電、またはワイヤレスIP対応デバイスにすることができる。ユーザ・デバイスは、単独で使用するか、またはネットワーク(たとえば、インターネット・ネットワーク)に接続することができる。しかし、ユーザ・デバイスは、ELDTデバイス(102)を接続し、物理文書(101)上でユーザによって行われた選択を受信し保管するための手段(106)を含まなければならない。
【0048】
ユーザ・デバイス(104)は、
出版社サーバ(206)のURL(306)と、
文書番号(307)と、
選択されたページ番号(406)と、
(ELDT(102)とスタイラス(103)の組み合わせによって提供されるインターフェースにより)選択された部分の周りにユーザによって描かれた多角形(605)、(705)を定義する点(A、B、C、D)の座標と、
を処理するために、小型メモリ、小型ディスプレイ(グラフィックス・ディスプレイが欠けている可能性もある)を備えた単純なスタンドアロン・ハンドヘルド・デバイス(PDAまたは携帯電話など)にすることができることは、留意すべき重要なことである。
【0049】
このような実施形態では、ユーザ・デバイス(104)は、記録された選択データをネットワーク(たとえば、インターネット・ネットワーク)に接続されたユーザ・ワークステーション(201)に転送するための手段を含まなければならない。
【0050】
ユーザ・ワークステーション
ユーザ・ワークステーション(802)は、ネットワーク(804)(たとえば、インターネット・ネットワーク)に接続されたパーソナル・コンピュータにすることができる。ユーザ・ワークステーションは、ユーザ・デバイス(801)に保管された情報を受信するための手段を含む。
【0051】
出版社サーバ
出版社サーバ(206)は主に、物理文書(101)の電子コピーが保管されるリポジトリである。物理文書の電子コピーは、元の文書の正確なレプリカを含む。電子表現は、テキスト、図形要素(チャート、グラフ、またはイラストなど)、ハイパーテキスト(すなわち、ハイパーリンクされたオブジェクト)なども含むことができる。
【0052】
文書(または出版物)の各物理コピーは、
出版社サーバ(206)のネットワーク・アドレス(すなわち、URLまたはインターネット・アドレス)(306)と、
物理文書(301)(たとえば、おもて表紙、裏表紙、または1ページ目)上に印刷されているかまたはそれに付加されている、文書への参照(307)(たとえば、ISBN番号、または任意のその他のもの)と、
により、この文書の電子コピーに関連付けられる。
【0053】
物理文書の部分を選択し、前記選択を選択テーブルに記録する方法
図13に示されている通り、本発明は、物理文書の部分を手動で選択し、前記印刷部分の電子コピーにそれを関連付けるためのシステム、方法、およびコンピュータ・プログラムを開示する。
【0054】
コンピュータ・システムで使用するためのこの方法は、
(1301)ユーザによって選択された物理文書を識別するステップであって、好ましい一実施形態では、文書IDが物理文書上に印刷され、ユーザによってコンピュータ・システムに入力されるステップと、
文書IDを選択テーブルに保管するステップと、
(1302)前記物理文書の電子コピーにアクセスできるネットワーク・アドレスを識別するステップであって、好ましい一実施形態では、このネットワーク・アドレスが物理文書上に印刷され、ユーザによってコンピュータ・システムに入力されるステップと、
(1302)前記ネットワーク・アドレスを選択テーブルに保管するステップと、
(1303)前記物理文書内でユーザによって選択されたページを識別し、前記ページを識別するための手段を選択テーブルに保管するステップと、
(1304)ユーザによって選択された前記ページの部分を識別するステップであって、
(1305)ユーザが透明ELDTデバイスを通してページを見られるように、透明ELDTがユーザによって選択されたページの上に位置合わせして配置され、
(1306)ユーザが、スタイラスを使用して、透明ELDTの上で選択された部分の周りに折れ線を描き、
(1307)選択された部分(または領域)の座標がELDTにより捕捉され(すなわち、デジタル化され)表示されるステップと、
(1308)選択された部分(または領域)の座標をELDTから受信するステップと、
選択されたページおよび文書に関連する座標を選択テーブルに保管するステップと、
を有する。
【0055】
図1は、物理文書(101)の選択された部分に関連する電子情報を参照するための手段を作成するための本発明の主な構成要素を示している。好ましい一実施形態では、主な構成要素はインターネット・ネットワークに接続されておらず、基本的に、
透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(102)と、
スタイラス(103)と、
ハンドヘルド・ユーザ・デバイス(104)(たとえば、PDA、ハンドヘルド・コンピュータ、携帯電話)と、
を有する。
【0056】
図3は、ユーザが物理文書(または出版物)(301)(たとえば、「Celtic Legends」というタイトルの印刷書籍)をどのように選択するかを示している。任意のユーザ・インターフェース(キーボード、マウス、音声認識ソフトウェア、およびマイクロホンなど)または任意のその他の読取り手段(たとえば、バーコード・リーダ)により、ユーザは、文書を識別するためのコードまたは名前を入力する。図3に示されている好ましい実施形態では、ユーザは、ユーザ・デバイス(304)上に位置する「選択テーブル」(305)というテーブル内の新しいレコードを開き、
出版物タイトル(たとえば、「Celtic Legends」)(308)と、
物理文書(301)の電子コピーが保管されている出版社サーバのWeb上のアドレス(たとえば、「http://www.virgin.net」というURL)(306)と、
出版社サーバに保管されている電子文書の参照番号(またはISBN)(たとえば、「170301」)(307)であって、選択された物理文書(301)のコピー(同じフォーマットを有する)である電子文書の参照番号と、
をタイプする。
【0057】
文書を識別し、Webにより電子文書コピーを突き止めるために使用される、出版社サーバのURL(306)と、文書参照番号(307)は、物理文書(301)上の定義済み予約箇所(たとえば、おもて表紙、裏表紙、または1ページ目)に印刷または付加しなければならない。所与の物理文書(301)内でユーザによって行われた新しい各選択について、選択テーブル(305)内に新しい項目を作成しなければならない。
【0058】
図4は、物理文書(401)を閲覧または読取りながら、どのようにユーザがページ上で興味ある段落(406)を見つけ、この段落の内容を他の文書またはアプリケーションに転記するかを示している。この興味ある段落への参照を作成するために、ユーザはまず、ページ番号(たとえば、ページ「16」)(406)をユーザ・デバイス(404)に入力することにより、選択されたページを識別する。その後、ページ番号(406)は、選択テーブル(405)に記録される。
【0059】
図5に示されている通り、選択されたページの番号をユーザ・デバイス(504)に入力した後、ELDT(502)は、
選択されたページの上にユーザによって配置され、
何らかの従来の手段により(たとえば、ELDTデバイスの左上隅とページの左上隅を合わせることにより)、このページの境界線に位置合わせされる(506)。
【0060】
この動作の後、ユーザは、透明ELDTを通して選択されたページの内容を見ることができる。
【0061】
図6は、ユーザによって選択された物理文書(601)の部分(406)を識別する方法を示している。透明ELDTデバイス(602)を選択されたページの上に位置合わせした状態で保持し、ユーザは、このページ上でスタイラスにより選択された部分(605)にマークを付ける(たとえば、ユーザは、選択された領域の周りに描かれた多角形領域の点「A」、「B」、「C」、「D」にマークを付ける)。多角形領域を定義する点(たとえば、「A」、「B」、「C」、「D」)の座標は、ELDTデバイス(602)によって感知され、ユーザ・デバイス(603)に伝送される。座標は、選択テーブル(604)に記録され、選択された文書およびページ識別手段に関連付けられる。
【0062】
図7は、同じ手順を使用して、同じかまたは異なる物理文書の種々のページの種々の部分をユーザがどのように選択できるかを示している。物理文書(701)上でユーザによって行われた各選択について、
出版物タイトル(たとえば、「Celtic Legends」)(308)と、
出版社サーバのネットワーク・アドレス(URL)(たとえば、「http://www.virgin.net」)(306)と、
文書番号(たとえば、「170301」)(307)と、
ページ番号(たとえば、ページ「17」)と、
物理文書の選択された部分の周りの多角形領域を定義する頂点の座標(たとえば、「A」、「B」、「C」、「D」)と、
が選択テーブル(704)上の新しいレコードに記録される。
【0063】
ユーザによって選択された電子文書の部分に対応する電子コピーを検索する方法
図14に示されている通り、本発明は、ユーザによって選択された物理文書の部分のデジタル・コンテンツをネットワークにより(たとえば、インターネットを介して)検索するためのシステム、方法、およびコンピュータ・プログラムも開示する。
【0064】
この方法は、
(1401)ユーザ・デバイスからネットワーク接続ユーザ・ワークステーションに選択テーブルを伝送するステップと、
選択テーブルに記録された選択の電子コピーを検索するために、
(1402)選択のデジタル・コンテンツを含む選択された電子ページを電子文書から受信するための要求を出版社サーバに送信するステップと、
(1403)要求された電子ページを出版社サーバから受信するステップと、
(1403)ユーザ・ワークステーション上に前記電子ページを表示するステップと、
(1404)受信した電子ページ上の選択された領域にマークを付けるステップであって、物理文書上で選択された領域の座標が選択テーブルに保管されるステップと、
(1405)電子ページ上でマークされた領域の内容をオペレーティング・システム・クリップボードにコピーするステップと、
(1406)ユーザ指定の宛先にクリップボードの内容をコピー(またはカット)しペーストするステップと、
を有する。
【0065】
図2は、本発明の好ましい一実施形態により、(構成要素(102)、(103)、(104)により)物理文書上でユーザによって事前に行われた選択(705)に対応するデジタル情報(204)を、出版社サーバ(206)に保管された電子文書から検索するために、ネットワーク(たとえば、インターネット(207))に接続されたワークステーション(201)がどのように使用されるかを示している。
【0066】
図8は、本発明の好ましい一実施形態により、物理文書内の選択(たとえば、テキスト段落、写真、表)がスタンドアロン構成要素(102)、(103)、(104)により実行された後、ユーザ・デバイス(801)上に位置する選択テーブル(803)に記録されたデータがインターネット・ネットワーク(804)に接続されたワークステーション(802)にどのように伝送されるかを示している。
【0067】
図9は、ユーザがどのようにユーザ・ワークステーション(901)に保管された選択テーブル(903)内のレコードを選択し、出版社サーバ(905)から選択のデジタル・コンテンツを検索するかを示している。この図によって示されている通り、選択テーブル(903)に保管されている情報、すなわち、
出版社サーバのURL(たとえば、「http://www.virgin.net」)(306)と、
文書番号(たとえば、「170301」)(307)と、
選択されたページ番号(たとえば、ページ「17」)と、
を使用して、ユーザ・ワークステーションは、インターネット・ネットワーク(907)により出版社サーバ(905)に対し、選択された電子文書(すなわち、「170301」)から選択された電子ページ(すなわち、ページ「17」)を検索するための要求(たとえば、「http://www.virgin.net/170301/?&Page=17」)(904)を送信する。この電子文書は、物理文書(「Celtic Legends」というタイトルのもの)の出版社サーバ(905)上の正確なレプリカである。この同じ図に示されている通り、要求された電子ページ(906)は、出版社サーバ(905)に保管された電子文書から検索され、ユーザ・ワークステーション(901)に伝送されて表示される。
【0068】
図10は、文書の電子ページ(1006)が出版社サーバ(1005)から検索され、ユーザ・ワークステーション(1001)上に表示されたときに、このユーザ・ワークステーション(1001)上に常駐するプラグイン・プログラムが受信された電子ページ(1006)上の選択された領域(1008)にどのようにマークを付け、その後、この領域のデジタル・コンテンツをオペレーティング・システムのクリップボードにどのようにコピーするかを示している。マウス座標およびアクション(画面座標を使用して画面上の1つまたは複数の矩形領域にマークを付けることなど)は、たとえば、アセンブラ・コードまたは「C」ユーティリティからのオープン・コード(フリー・コード)を使用して実現できることに留意しなければならない。このプラグイン・プログラムは、物理文書(701)の選択されたページ上で、ELDTデバイス(702)により、ユーザによって選択された領域(705)を囲む多角形を定義する点(たとえば、「A」、「B」、「C」、「D」)の座標(1007)を使用して、選択された領域にマークを付ける。
【0069】
図11は、代わって、どのようにユーザが受信された電子ページ(1103)上のマークされた領域(1104)(この領域は対応する物理文書(701)上でユーザによってマークされた領域(705)に対応する)を(たとえば、マウスにより)指し示し(1105)、その後、それを「コピー」(1106)(または「カット」)し、ユーザ・ワークステーション上の電子文書(1107)または任意のその他のデータ・リポジトリまたはアプリケーションにそれを「ペースト」するかを示している。
【0070】
ほとんどのオペレーティング・システムの標準的なCOPY(またはCUTの可能性もある)コマンドは選択をクリップボードに保管することに留意しなければならない。また、標準的なPASTEコマンドは、クリップボードの内容を文書の現行ページの現行挿入点または選択箇所に転送する。クリップボードがURL(ハイパーリンク)を有する場合、これらのURLもペーストされたデータに含まれる。
【0071】
上記で記載したものは、単に本発明の原理の適用例の例証となるものにすぎない。当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、その他の配置および方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明により物理文書の部分(たとえば、テキスト段落、写真、表)を選択するために使用されるスタンドアロン(すなわち、ネットワークに接続されていない)デバイスを示す図である。
【図2】ネットワークに接続されたワークステーションが、本発明により物理文書上でユーザによって事前に行われた選択に対応するデジタル情報をどのように検索するかを示す図である。
【図3】ユーザがハンドヘルド・デバイス上で物理文書をどのように識別するかを示す図である。
【図4】ユーザがハンドヘルド・ユーザ・デバイス上で物理文書のページをどのように識別するかを示す図である。
【図5】ユーザが文書の選択されたページの上に透明ELDTをどのように位置合わせするかを示す図である。
【図6】ユーザがスタイラスによりELDTデバイス上の物理文書の部分にどのようにマークを付けるかを示す図である。
【図7】本発明により、同じかまたは異なる物理文書内の種々のページの複数の部分がどのように選択され、ユーザ・デバイス上に位置する選択テーブルにどのように記録されるかを示す図である。
【図8】選択テーブルに保管されたデータが、ハンドヘルド・デバイスからインターネット・ネットワークに接続されたワークステーションにどのように転送されるかを示す図である。
【図9】選択テーブルに記録された各選択について、物理文書内で行われた選択に対応する情報を含む電子ページを検索するための要求が出版社サーバにどのように送信されるかを示す図である。
【図10】本発明により、選択テーブルに保管された座標を使用して、対応する領域が電子ページ上でどのようにマークされるか、ならびに、この領域のデジタル・コンテンツがユーザ・システムのクリップボード・バッファにどのようにコピーされるかを示す図である。
【図11】受信した電子ページ上でマークされた領域を指し示すユーザが、物理文書内で行われた選択に対応するデジタル情報をどのようにコピーまたはペーストするかを示す図である。
【図12】エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)の内部構造および動作原理を示す図である。
【図13】本発明により、物理文書の部分を選択するステップと、前記選択を選択テーブルに記録するステップを示す図である。
【図14】本発明により、ユーザによって選択された物理文書の部分の電子コピーを検索するステップを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、「メディア適応コンテンツ(mediaadaptive content)」、「電子出版」、「プリント・オンデマンド」、ならびに、文書構成および注釈に関する。詳細には、本発明は、物理文書(すなわち、印刷文書)の部分を手動で指定し、指定された部分に対応するデジタル・コンテンツをネットワークにより検索するためのシステムおよび方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
インターネットおよび移動体通信の普及により、電子メディアと印刷メディアを結合し、「メディア適応」製品を作成するための新たな機会が提供される。「メディア適応」製品という概念の背後にある理念は、ユーザのニーズに適合された形式でユーザに情報を転送しなければならないということである。印刷文書とマルチメディア製品は補足的なものであり、それらはユーザのニーズに応じて結合しなければならない。この進化を容易にするために、「電子コンテンツは、印刷メディアから直接アクセス可能でなければならない」。
【0003】
この数年の間、主にパーソナル・コンピュータおよびCD−ROMの普及ならびにワールド・ワイド・ウェブに対する多数のユーザの至るところからのアクセスのために、「電子出版」がまさに爆発的に増加した。文書、書籍、およびあらゆる種類の出版物を含む、膨大な量の情報は、現在、パーソナル・コンピュータまたは特殊電子書籍リーダ(e-book reader)のユーザにとってアクセス可能なものになっている。
【0004】
コンピュータベースの読書に対する公衆の熱意が、多くの分析者により、ハードコピー出版の従来の形式に対する脅威と見なされたとしても、ほとんどの人にとって、紙面(paper)を読むことと、電子メディア(たとえば、MSリーダを使用することによる電子書籍)を読むことを比較することはできない。紙は、持ち運びでき、どこでも入手可能であり、容易に使用し扱うことができ、高い解像度を提供する。ほとんどの人は、コンピュータに精通しているかどうかにかかわらず、紙面を読む方を好むものである。
【0005】
データの記録および処理の分野におけるコンピュータ技術の進歩にもかかわらず、紙の使用は減少していない。実際に、人は、紙のカタログ、雑誌、新聞、地図、および書籍を拾い読みし、ページをめくり、写真やテキストをちらっと見ることに慣れている。たとえば、印刷されたカラー写真の集合は、一連のコンピュータ画面より、非常に容易かつ素早く閲覧することができる。したがって、紙は引き続き、情報を表示するために最も広く使用される手段になっている。その上、紙文書は情報を表示するためにコンピュータ画面より使いやすいので、紙の蓄積の大部分が電子文書の印刷から発生することは明らかなことである。ほとんどの人は、自分の日常作業(会合、企画、プレゼンテーション、注釈、訂正など)を紙の上で実行し、元の電子文書の代わりに印刷されたコピーを使用する。
【0006】
この数年、「プリント・オンデマンド」という新しい出版技術が、印刷文書に対するこの好みを持ち続けるために貢献してきた。プリント・オンデマンドは、実際に、新しい印刷技術であり、非常に少ない印刷部数の生産を可能にする、新しい形式の情報配布でもある。これは、必要な部数のみが印刷される生産システムである。保有する在庫品を少なくするためのいわゆる「少部数」印刷(少数単位(50〜100部)の従来の書籍印刷)とは異なり、プリント・オンデマンドは、特定の顧客の注文に応じて単一書籍の印刷を可能にする。これは、オンデマンド・タイトルが在庫品にならないことを意味する。プリント・オンデマンドの究極のステップは、一度に1部を生産することである。この技術は、ハードコピーの保管を劇的に低減し、したがって、在庫、配送費、および未使用部数をリサイクルまたは破棄するための費用を削減する。その上、この技術はオンデマンドの増刷を可能にし、タイトルがもはや「絶版」にならないことを意味する。
【0007】
結びとして、多くの電子文書システム(たとえば、Webブラウザ、電子書籍リーダ)が、マルチメディア情報およびサービスにアクセスできることなど、新しいアプリケーションを提供することによって紙に取って代わろうとしても、多数のユーザは依然として紙で作業する。多くの分析者は、「消費者は自分の文書のほとんどを印刷すると言って譲らないだろう」と認めている(たとえば、読むため、閲覧するため、調べるため、注釈を付けるための電子書籍)。
【0008】
次に、電子文書が印刷されると、電子文書の使用に関連する利点は消滅する。特に、文書の部分を編集し、選択し、マークを付け、他の電子文書を構成するために選択された部分をコピーすることは、もはや不可能である。たとえば、電子文書が印刷されると、ユーザがテキストまたは図を含む印刷コピーの部分を選択し、その選択された部分に対応するデジタル情報を検索し、この情報を他の電子文書にコピーすることは不可能になる。
【0009】
一般的に、電子文書(たとえば、電子書籍、Webページ、Lotus Notes、MS Word、Lotus WordPro、またはAdobeポータブル・ドキュメント・フォーマット(PDF))の物理コピーを改良するための新しいシステムおよび方法をユーザに提供することが現実的に必要である。詳細には、物理文書に印刷された情報のうちの選択された部分(たとえば、図、表、参照、段落)を電子文書にエクスポートする機能をユーザに提供することが現実的に必要である。特に、物理文書からテキストおよび図などの情報を選択し、この物理文書の電子コピーからこの情報を検索することが必要である。
【0010】
たとえば、公共図書館で着席しているユーザが種々の印刷出版物の部分(たとえば、「Celtic Legends」関連書籍に印刷されたいくつかの関連段落、参照、およびイラスト)を選択したいと希望する可能性がある。そのユーザは、前記選択を識別するデータをスタンドアロン(すなわち、ネットワークに接続されていない)ハンドヘルド・デバイス(たとえば、ハンドヘルド・コンピュータまたは携帯情報端末)に保管したいと希望する可能性がある。また、このユーザは、物理文書上で行われた選択を識別するデータを後で自分のスタンドアロン・ハンドヘルド・デバイスからインターネットに接続されたパーソナル・コンピュータまたはワークステーションにダウンロードし、Webにより、種々の印刷文書の電子コピーから、選択された部分に含まれる電子情報を検索したいと希望する可能性もある。
【0011】
したがって、物理文書上で直接選択された情報からユーザが電子文書を構成できるようにするための新しいシステムおよび方法が必要である。
【0012】
従来技術で参照されている方法はいずれも、物理文書の部分を直接指定して選択し、その後、選択された部分に関連するデジタル情報を自動的に検索するためのシステムを記載していない。
【0013】
追加情報は、以下の資料で入手可能である。
University of Michigan Press発行のThe Journal of Electronic Publishingに掲載されているPhilippa Jane Bensonによる「Paper Is Still With Us」(http://www.press.umich.edu/jep/07-02/benson0702.html)
英国LE11 3TU、レスターシア州ラフバラ所在のLoughborough University、Department of Information and Library StudiesのDr Cliff McKnightによる「Electronic Journals : What Do Users Think of Them ?」(http://www.dl.ulis.ac.jp/ISDL97/proceedings/mcknight.html)
XRCE: Technical Report: EPC−1997−101(ゼロックス社)の「A Comparison of Reading Paper and On−Line Documents」(http://www.xrce.xerox.com/publis/cam-trs/html/epc-1997-101.htm)
CSRP 507のUniversity of Sussex、School of Cognitive and Computing SciencesのAnn Lightによる「Fourteen Users in Search of a Newspaper: the Effect of Expectation on Online Behaviour」(http://www.cogs.susx.ac.uk/users/annl/Expectations.htm)
【特許文献1】欧州特許出願第01480135.1号
【特許文献2】米国出願第10/317504号
【非特許文献1】University of Michigan Press発行のThe Journal of Electronic Publishingに掲載されているPhilippa Jane Bensonによる「Paper Is Still With Us」
【非特許文献2】英国LE11 3TU、レスターシア州ラフバラ所在のLoughborough University、Department of Information and Library StudiesのDr Cliff McKnightによる「Electronic Journals : What Do Users Think of Them ?」
【非特許文献3】XRCE: Technical Report: EPC−1997−101(ゼロックス社)の「A Comparison of Reading Paper and On−Line Documents」
【非特許文献4】CSRP 507のUniversity of Sussex、School of Cognitive and Computing SciencesのAnn Lightによる「Fourteen Users in Search of a Newspaper: the Effect of Expectation on Online Behaviour」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主要な一目的は、文書を編集し、参照し、注釈を付け、構成するための現行システムおよび方法を改良することにある。
【0015】
本発明の一目的は、複数の物理文書から直接選択された情報から電子文書を構成することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、文書の電子コピーにおいて、前記文書の物理コピーから事前に選択された情報を識別することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、文書の電子コピーから、前記文書の物理コピーから選択された情報を検索することにある。
【0018】
本発明の他の一目的は、携帯用で非接続のスタンドアロン・デバイスを使用し、物理コピーから文書の部分を選択し、前記文書の電子コピーにおいて前記部分を識別するための手段を保管することにある。
【0019】
本発明のさらに他の一目的は、ハイパーリンクされた文書の物理コピー上で行われた選択から前記ハイパーリンクされた文書のハイパーリンクされた部分(たとえば、ハイパーリンクを含むHTML文書の部分)を検索することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
独立請求項に定義されている通り、本発明は、一般に、ユーザによって選択された1つまたは複数の物理文書の1つまたは複数の部分の内容から電子文書を構成するための方法、システム、およびコンピュータ・プログラムに関する。この方法は、
ユーザによって行われた各選択についてテーブル内のレコードを作成するステップを有し、前記レコードがユーザによって選択された部分をその電子コピーに関連付けるための手段を有し、前記ステップが、コンピュータ・デバイスで使用するために、
選択された各文書について、
ユーザによって選択された文書を識別する手段を受信するステップと、
前記文書の電子コピーにアクセスするための手段を受信するステップと、
前記文書の物理コピーのユーザによって選択された1つまたは複数のページを識別する手段を受信するステップであって、前記物理文書が1つまたは複数のページを有するステップと、
選択された各ページについて、
選択されたページ上で、ユーザによって選択された1つまたは複数の部分を定義する手段を受信するステップと、
選択された各部分について、
選択された部分を定義する前記手段を選択テーブルに保管するステップと、
前記選択テーブル内で、選択された部分を定義する前記手段を、
選択された文書を識別する前記手段と、
選択されたページを識別する前記手段と、
前記文書の電子コピーにアクセスするための前記手段と、
に関連付けるステップと、
をさらに有する。
【0021】
この方法は、
ユーザによって選択された物理文書の部分に対応する電子コピーを検索するステップ
をさらに有し、前記ステップが、
選択テーブル内のレコードを指定する手段を受信するステップと、
指定されたレコード内で
文書を識別する手段と、
文書のページを識別する手段と、
文書の電子コピーにアクセスするための手段と、
を識別するステップと、
識別された文書の電子コピーから識別されたページの電子コピーを検索するステップと、
指定されたレコード内で、識別されたページの部分を定義する手段を識別するステップと、
識別されたページの検索された電子コピー上の前記部分にマークを付けるステップと、
ページの電子コピーのマークされた部分を宛先文書にコピーするステップと、
をさらに有する。
【0022】
本発明の他の諸実施形態は、従属請求項に示されている。
【0023】
本発明に特有と思われる新規かつ創意に富んだ特徴は、特許請求の範囲に示されている。しかし、本発明そのもの、ならびにその好ましい使用態様、追加の目的および利点は、添付図面に併せて読んだときに、例示的で詳細な実施形態に関する以下の詳細の説明を参照することにより、最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明そのもの、ならびにその好ましい使用態様、目的および利点は、添付図面により記載された以下の例示的な実施形態を参照することにより理解することができる。
【0025】
本発明は、物理文書に含まれる情報のデジタル・コピーを検索する必要性に対処するものである。デジタル情報は、物理文書に印刷されたテキストおよびイメージの電子表現にすることができる。この電子表現は、テキスト、図形要素(チャート、グラフ、またはイラストなど)、ハイパーテキストなどを含むことができる。
【0026】
本発明は、ユーザが1つまたは複数の物理文書から直接選択された情報から電子文書を構成できるようにすることにより、電子文書を編集し、参照し、注釈を付け、構成するための現行システムおよび方法を改良するものである。
【0027】
図1、図2、図6、図7、および図8を参照すると、本発明は、以下の実用的な例で例示することができる。すなわち、公共図書館で着席しているユーザは、種々の印刷出版物(101)の部分(たとえば、「Celtic Legends」関連書籍に印刷されたいくつかの関連段落(605)、参照、およびイラスト(705))を選択し、これらの選択(105)をスタンドアロン・デバイス(104)(たとえば、携帯電話)に保管する。その後、このユーザは、印刷出版物(101)上で事前に行われた選択(803)を自分のスタンドアロン・デバイス(801)からインターネット・ネットワーク(804)に接続されたワークステーション(802)(たとえば、パーソナル・コンピュータ)にダウンロードする。最後に、ユーザは、Webにより、1つまたは複数のサーバ(206)から、種々の印刷出版物で選択された部分に対応する電子情報(204)を検索し、この電子情報を電子文書にコピーする。
【0028】
物理文書の部分に含まれるデジタル情報の検索は別として、本発明の利点は、ハイパーリンクを有するHTML(ハイパーテキスト・マークアップ言語)文書の部分を検索する可能性である。
【0029】
本発明の第1の態様によれば、物理文書(601)の部分(605)を選択し、ユーザによって行われた各選択について、選択テーブル(604)内のレコードを作成するためのシステムおよび方法が開示される。前記レコードは、ユーザによって選択された部分(605)をその電子コピーに関連付けるための手段を有する。物理文書の新しい部分を選択し、この新しい選択に対応する選択テーブル内の新しいレコードを作成する、コンピュータ・デバイスで使用するための方法は、以下のステップを有する。
− ユーザによって選択された物理文書を識別するステップであって、前記物理文書が1つまたは複数のページを有するステップ
− 前記物理文書の電子コピーを識別するステップであって、好ましくは、
出版社サーバ・ネットワーク・アドレス(すなわち、出版社サーバのURL)と、
文書番号と、
を識別することによって前記電子コピーを識別するステップ
好ましい一実施形態では、出版社サーバのネットワーク・アドレスと文書番号が前記物理文書に印刷され、ユーザによってコンピュータ・デバイスに入力される。
− ユーザによって選択されたページを識別するステップ
好ましい一実施形態では、ページ番号がユーザによってコンピュータ・デバイスに入力される。
− 前記物理文書のページ上でユーザによって選択された部分を識別するステップであって、前記ステップは、
選択されたページの上(または下)に透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT:transparent electro-luminescent digitizing tablet)を位置合わせして配置するステップと、
文書の選択された部分を識別するステップと、
を有するステップ
好ましい一実施形態では、多角形の頂点の座標を感知し、それをコンピュータ・デバイスに伝送するスタイラスを使用して、ユーザがELDTの上に、選択された部分の周りに折れ線を描く。
− 物理文書の電子コピーを識別し、ユーザによって選択された物理文書の部分に対応するデジタル情報を検索するための手段を、好ましくはコンピュータ・デバイス上に位置する選択テーブルに記録するステップであって、前記手段が、
出版社サーバ・ネットワーク・アドレスと、
文書番号と、
ユーザによって選択されたページの番号と、
物理文書内でユーザによって選択されたページの部分にマークを付けるためにユーザによって描かれた多角形の頂点座標と、
を有するステップ
【0030】
本発明の第2の態様によれば、ユーザによって選択された物理文書(701)の部分(705)に対応する電子コピー(1008)を検索するためのシステムおよび方法が開示される。選択テーブル(1003)内の各レコードについて、出版社サーバ(1005)に保管された対応する電子文書からユーザによって行われた選択の電子コピーを検索する方法は、
選択テーブルに事前に記録された
出版社サーバ・ネットワーク・アドレス(URL)と、
文書番号と、
ユーザによって選択されたページの番号と、
を使用して、出版社サーバ上に位置する電子文書から電子ページを検索するステップと、
受信した電子ページにおいて、物理文書の選択された部分の周りにユーザによって描かれた多角形の頂点座標(選択テーブルに記録される)を使用して、前記選択された部分に対応する電子情報を識別するステップと、
識別された電子情報をバッファ、好ましくは、オペレーティング・システム・クリップボードにコピーするステップと、
ユーザによって決定された宛先にバッファの内容をペーストするステップと、
を有する。
【0031】
本発明によるシステムの構成要素
図1および図2に示されている通り、本発明の特定の一実施形態によるシステムは、
1つまたは複数のページを有する1つまたは複数の物理文書、すなわち、ハードコピー印刷文書(101)(たとえば、書籍)と、
物理文書の部分にマークを付けるためにユーザによって行われた描線(ストローク)を捕捉しデジタル化するための透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(102)(選択された物理文書のページの上に配置するもの)を有する物理文書インターフェースと、
物理文書の部分にマークを付けるためにELDT(102)上でストロークを行うためのスタイラス(103)と、
スタイラスによりユーザによってELDT上で行われたストロークおよび注釈を保管するためにELDTインターフェース(102)に接続された(106)ユーザ・デバイス(104)と、
ユーザ・ワークステーション(201)と、
出版社サーバ(206)(たとえば、Webサーバ)と、
通信ネットワーク(207)(たとえば、インターネット・ネットワーク)と、
を有する。
【0032】
開示されたシステムの主な構成要素およびそれらの動作については以下に説明する。
【0033】
物理文書
物理文書(101)は、任意の種類のもの、たとえば、新聞、法律文書、地図(たとえば、地形図、政治的地図、歴史的地図、経路図、陰影起伏図、都市図、天然資源地図、鉄道地図、または任意のその他のタイプの地図)、フィクションの小説、学究的教科書、専門書、営業用のカタログ、または任意のその他のタイプの刻印、筆記、または印刷表面にすることができる。文書の材料は、紙、プラスチック、木材、または任意のその他の材料にすることができる。物理文書(301)の電子版は出版社サーバ(206)に保管される。物理文書(301)からそれに対応する電子版を識別するために、
この電子版が位置する出版社サーバ(206)のURL(すなわち、インターネット・アドレス)(306)と、
文書への参照(307)(たとえば、ISBN番号、または任意のその他の名前、番号、参照)と、
が物理文書(たとえば、おもて表紙、裏表紙、または1ページ目)上に印刷されているかまたはそれに付加されている。
【0034】
透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)
図12に示されている通り、好ましい一実施形態では、エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(1200)は、重ねられ、機能的に独立した2枚の透明フォイル、すなわち、
コンピュータ用の位置感知可能液晶ディスプレイ装置(PSLCD:Position Sensible Liquid Crystal Display Device)を製造するために一般に使用されるタイプの透明デジタイジング・タブレット(DT)(1201)であって、生成される信号が一般にスタイラス(1208)によって押された点(1204)の座標に比例するものと、
いずれか一方または両方の表面から発光(1205)することができる透明で明るい自己放出ディスプレイ(self-emitting display)である透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(EL)(1202)と、
を有する。
【0035】
両方のフォイル(すなわち、エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(1202)の上に積み重ねられたデジタイジング・タブレット(1201))を組み合わせると、エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(1200)が形成される。図12は、その表面上に印刷(または筆記、塗装、刻印など)された複数の項目(1207)(すなわち、単語、写真、アイコンなど)を有する物理文書(1203)の上に配置され位置合わせされたELDTを表している。この図は、エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(1202)がスタイラス(1208)によって押された点(1204)からどのように発光(1205)するかを示している。スタイラスによって押された点は物理文書(1203)の上で強調表示され、スタイラスによってマークされて(または押されて)いないELDTの残りの部分は両方の透明フォイル(1201)、(1202)を通って光を透過(1206)し、その結果、物理文書の表面はマークされて(または押されて)いない領域で目に見えるようになる。
【0036】
ELDTは、赤外線リンク、シリアル有線接続、または任意のその他の通信手段(たとえば、「Bluetooth Special Interest Group」によって推進され、Bluetooth公式Webサイト(http://www.bluetooth.com/)で文書化されている「Bluetooth」規格のグローバルに入手可能な2.4GHz帯域内で動作するワイヤレス接続による)によりユーザ・デバイス(104)と通信(106)することができる。
【0037】
透明デジタイジング・タブレット
デジタイジング・タブレットは、描くため、線を引くため、またはスケッチするために使用される、ありふれた鉛筆および紙と同等の電子装置である。タブレット表面の上で鉛筆様のスタイラスを移動すると、コンピュータ画面上で描画が再現される。その後、描画は、グラフィックスまたはプレゼンテーション・アプリケーション・プログラムにインポートし、編集、フォーマット、および印刷することができる。
【0038】
本発明の一態様によれば、透明デジタイジング・タブレット(1201)は、一般に、
複数の走査線の上に形成された複数の第1の線と、
複数のデータ線の上に形成された複数の第2の線と、
によって形成されたマトリックスを有する基板上に構築することができる。第1および第2の線は、適用されたスタイラスの位置を決定するために使用される。透明な線および接点は、透明導電材料、たとえば、インジウム錫酸化物(ITO)によって作られる。ディスプレイ表面の上に統合されると、透明デジタイジング・タブレットは実際には、それを貫通する透明なワイヤ・センサのメッシュを有し、時には視覚的にディスプレイの上のモアレ・パターンのように見える層になる。これらの細いワイヤはペンとともに、コンピュータに報告される移動およびボタン・イベントを発生する。
【0039】
透明デジタイジング・タブレットは、たとえば、Calcomp社およびWacom社によって生産される。本発明を実現するために使用可能な透明デジタイジング・タブレット技術は、Wacom Technology社によって使用されているものである。ペン・タブレット・システムの製造については、Wacom Technology社のWebサイト(http://www.wacom.com/lcdtablets/)に記載されている。
【0040】
透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ
本発明の他の態様によれば、透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ(1202)は、
複数の透明走査線と、
前記走査線を横切る透明データ線と、
走査線とデータ線の交点上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(ピクセル)と、
によって形成されたアレイを有する基板を含むことができる。今日の技術では、この受動マトリックスの発光ディスプレイは、風防ガラス、コックピット、ヘルメット、および眼鏡上に視覚領域ディスプレイを作成するために使用されるタイプのTOLED(透明有機発光デバイス(Transparent Organic Light Emitting Device))のアレイから作ることができる。
【0041】
その最も基本的な形式では、TOLEDは、2つの透明導電層の間に挟まれた一連の「小分子」有機薄膜からなるモノリシックの固体デバイスである。デバイスの両端に電圧が印加されると、そのデバイスは発光する。この発光は、電子と正孔が注入され、印加された電界の下で接点から有機ヘテロ接合に向かって移動する、ルミネセンス現象に基づくものである。これらのキャリアが合流すると、これらは、発光するために放射的に再結合する励起子(電子正孔対)を形成する。その結果として、TOLEDは、いずれか一方または両方の表面から放出するように指図することができる、明るい自己放出ディスプレイになる。透明接点を有することに加えて、有機材料は、それ自体の発光スペクトル上および可視スペクトルのほとんどでも透明であるので、これは可能である。
【0042】
TOLEDディスプレイは、現在、標準的なシリコン半導体で製造されている。TOLEDは、薄膜固体デバイスであるので、本発明に開示されているもののように、非常に薄く軽量かつ耐久性があり、携帯用として理想的である。TOLEDは、底面、上面、または底面と上面の両方から放出することができる。また、TOLED技術は、透明性(TOLEDディスプレイは、それが乗っているガラスまたは基板とほぼ同じ程度に澄んだものにすることができ、ガラス板の間に構築されると、オフにしたときにTOLEDの透明性は85%を上回る)、エネルギー効率(電池寿命がより長い場合)、全視角、明るくハイコントラストの発光、高速応答時間、および環境頑強性に関して魅力的な利点を有する。したがって、TOLEDは、本発明に従った透明デジタイジング・タブレットと一緒に使用される発光エレクトロルミネセンス・ディスプレイ構成要素を製造するために十分適している。
【0043】
使用可能であると考えられる発光フォイル技術の一例は、UNIVERSAL DISPLAY社によって製造され、UNIVERSAL DISPLAY社のWebサイト(http://www.universaldisplay.com/toled.php)に完全に記載されている、TOLEDに使用される技術である。
【0044】
スタイラス
ペン様スタイラス(1208)は、従来のキーボードおよびマウス装置の代わりに、データ処理および記憶システム用の入力装置として一般に使用される。スタイラス(1208)は、ELDT(1200)のデジタイジング・タブレット(1201)部分と組み合わせて使用される。デジタイジング・タブレット(1201)は、抵抗性または容量性デジタイザまたはシート材料を採り入れている。このため、ELDTデバイス上でスタイラスによって書き込むことにより、情報を入力することができる。ELDTのエレクトロルミネセンス(1202)構成要素は、スタイラスの瞬間的位置および移動経路を表示する。このようにして、ELDTデバイスは、その上に書かれたパターン(たとえば、書き込まれたメッセージ、スケッチ、または署名)を表示する。
【0045】
透明デジタイジング・タブレットと組み合わせて使用可能なスタイラスの一例は、ワイヤレスで感圧性のWacomのペンである。
【0046】
「Device, method and system for retrieving and displaying handwritten annotations」という発明の名称で、2001年12月21日に出願された欧州特許出願第01480135.1号/2002年12月12日に出願された米国出願第10/317504号(IBMの参照番号FR9 2001 0048)では、スタイラスと協働するように適合された透明デジタイジング・タブレットを有し、手書き注釈を捕捉し表示するために、コンピュータ・システムとともに使用するための装置を開示している。これは、捕捉された手書き注釈を表示するように適合された透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイも有し、透明デジタイジング・タブレットは透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイ上に重ねられている。透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイと、その上に重ねられた透明デジタイジング・タブレットのために、物理文書に物理的にマークを付けずに、手書き注釈にマークを付け、それを物理文書上に表示することができる。したがって、物理文書上(デジタイジング・タブレット上)でユーザによって「書込み」が行われているものが同じ物理文書上で透明エレクトロルミネセンス・ディスプレイによって電子的に照らされているものとしてユーザに見えるように、ユーザは「電子インク」を使用して物理文書の上に注釈を付けることができる。このような装置により、ユーザは、物理文書の保全性をそのままにしておきながら、前記物理文書のすぐ上に情報を描き、スケッチし、注釈を付け、構築し、概略を示し、強化し、消去し、関連付けし、表示することができる。
【0047】
ユーザ・デバイス
ユーザ・デバイス(104)は、パーソナル・コンピュータ、インターネット対応携帯電話、PDA、ネットワーク・コンピュータ、インターネット家電、またはワイヤレスIP対応デバイスにすることができる。ユーザ・デバイスは、単独で使用するか、またはネットワーク(たとえば、インターネット・ネットワーク)に接続することができる。しかし、ユーザ・デバイスは、ELDTデバイス(102)を接続し、物理文書(101)上でユーザによって行われた選択を受信し保管するための手段(106)を含まなければならない。
【0048】
ユーザ・デバイス(104)は、
出版社サーバ(206)のURL(306)と、
文書番号(307)と、
選択されたページ番号(406)と、
(ELDT(102)とスタイラス(103)の組み合わせによって提供されるインターフェースにより)選択された部分の周りにユーザによって描かれた多角形(605)、(705)を定義する点(A、B、C、D)の座標と、
を処理するために、小型メモリ、小型ディスプレイ(グラフィックス・ディスプレイが欠けている可能性もある)を備えた単純なスタンドアロン・ハンドヘルド・デバイス(PDAまたは携帯電話など)にすることができることは、留意すべき重要なことである。
【0049】
このような実施形態では、ユーザ・デバイス(104)は、記録された選択データをネットワーク(たとえば、インターネット・ネットワーク)に接続されたユーザ・ワークステーション(201)に転送するための手段を含まなければならない。
【0050】
ユーザ・ワークステーション
ユーザ・ワークステーション(802)は、ネットワーク(804)(たとえば、インターネット・ネットワーク)に接続されたパーソナル・コンピュータにすることができる。ユーザ・ワークステーションは、ユーザ・デバイス(801)に保管された情報を受信するための手段を含む。
【0051】
出版社サーバ
出版社サーバ(206)は主に、物理文書(101)の電子コピーが保管されるリポジトリである。物理文書の電子コピーは、元の文書の正確なレプリカを含む。電子表現は、テキスト、図形要素(チャート、グラフ、またはイラストなど)、ハイパーテキスト(すなわち、ハイパーリンクされたオブジェクト)なども含むことができる。
【0052】
文書(または出版物)の各物理コピーは、
出版社サーバ(206)のネットワーク・アドレス(すなわち、URLまたはインターネット・アドレス)(306)と、
物理文書(301)(たとえば、おもて表紙、裏表紙、または1ページ目)上に印刷されているかまたはそれに付加されている、文書への参照(307)(たとえば、ISBN番号、または任意のその他のもの)と、
により、この文書の電子コピーに関連付けられる。
【0053】
物理文書の部分を選択し、前記選択を選択テーブルに記録する方法
図13に示されている通り、本発明は、物理文書の部分を手動で選択し、前記印刷部分の電子コピーにそれを関連付けるためのシステム、方法、およびコンピュータ・プログラムを開示する。
【0054】
コンピュータ・システムで使用するためのこの方法は、
(1301)ユーザによって選択された物理文書を識別するステップであって、好ましい一実施形態では、文書IDが物理文書上に印刷され、ユーザによってコンピュータ・システムに入力されるステップと、
文書IDを選択テーブルに保管するステップと、
(1302)前記物理文書の電子コピーにアクセスできるネットワーク・アドレスを識別するステップであって、好ましい一実施形態では、このネットワーク・アドレスが物理文書上に印刷され、ユーザによってコンピュータ・システムに入力されるステップと、
(1302)前記ネットワーク・アドレスを選択テーブルに保管するステップと、
(1303)前記物理文書内でユーザによって選択されたページを識別し、前記ページを識別するための手段を選択テーブルに保管するステップと、
(1304)ユーザによって選択された前記ページの部分を識別するステップであって、
(1305)ユーザが透明ELDTデバイスを通してページを見られるように、透明ELDTがユーザによって選択されたページの上に位置合わせして配置され、
(1306)ユーザが、スタイラスを使用して、透明ELDTの上で選択された部分の周りに折れ線を描き、
(1307)選択された部分(または領域)の座標がELDTにより捕捉され(すなわち、デジタル化され)表示されるステップと、
(1308)選択された部分(または領域)の座標をELDTから受信するステップと、
選択されたページおよび文書に関連する座標を選択テーブルに保管するステップと、
を有する。
【0055】
図1は、物理文書(101)の選択された部分に関連する電子情報を参照するための手段を作成するための本発明の主な構成要素を示している。好ましい一実施形態では、主な構成要素はインターネット・ネットワークに接続されておらず、基本的に、
透明エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)(102)と、
スタイラス(103)と、
ハンドヘルド・ユーザ・デバイス(104)(たとえば、PDA、ハンドヘルド・コンピュータ、携帯電話)と、
を有する。
【0056】
図3は、ユーザが物理文書(または出版物)(301)(たとえば、「Celtic Legends」というタイトルの印刷書籍)をどのように選択するかを示している。任意のユーザ・インターフェース(キーボード、マウス、音声認識ソフトウェア、およびマイクロホンなど)または任意のその他の読取り手段(たとえば、バーコード・リーダ)により、ユーザは、文書を識別するためのコードまたは名前を入力する。図3に示されている好ましい実施形態では、ユーザは、ユーザ・デバイス(304)上に位置する「選択テーブル」(305)というテーブル内の新しいレコードを開き、
出版物タイトル(たとえば、「Celtic Legends」)(308)と、
物理文書(301)の電子コピーが保管されている出版社サーバのWeb上のアドレス(たとえば、「http://www.virgin.net」というURL)(306)と、
出版社サーバに保管されている電子文書の参照番号(またはISBN)(たとえば、「170301」)(307)であって、選択された物理文書(301)のコピー(同じフォーマットを有する)である電子文書の参照番号と、
をタイプする。
【0057】
文書を識別し、Webにより電子文書コピーを突き止めるために使用される、出版社サーバのURL(306)と、文書参照番号(307)は、物理文書(301)上の定義済み予約箇所(たとえば、おもて表紙、裏表紙、または1ページ目)に印刷または付加しなければならない。所与の物理文書(301)内でユーザによって行われた新しい各選択について、選択テーブル(305)内に新しい項目を作成しなければならない。
【0058】
図4は、物理文書(401)を閲覧または読取りながら、どのようにユーザがページ上で興味ある段落(406)を見つけ、この段落の内容を他の文書またはアプリケーションに転記するかを示している。この興味ある段落への参照を作成するために、ユーザはまず、ページ番号(たとえば、ページ「16」)(406)をユーザ・デバイス(404)に入力することにより、選択されたページを識別する。その後、ページ番号(406)は、選択テーブル(405)に記録される。
【0059】
図5に示されている通り、選択されたページの番号をユーザ・デバイス(504)に入力した後、ELDT(502)は、
選択されたページの上にユーザによって配置され、
何らかの従来の手段により(たとえば、ELDTデバイスの左上隅とページの左上隅を合わせることにより)、このページの境界線に位置合わせされる(506)。
【0060】
この動作の後、ユーザは、透明ELDTを通して選択されたページの内容を見ることができる。
【0061】
図6は、ユーザによって選択された物理文書(601)の部分(406)を識別する方法を示している。透明ELDTデバイス(602)を選択されたページの上に位置合わせした状態で保持し、ユーザは、このページ上でスタイラスにより選択された部分(605)にマークを付ける(たとえば、ユーザは、選択された領域の周りに描かれた多角形領域の点「A」、「B」、「C」、「D」にマークを付ける)。多角形領域を定義する点(たとえば、「A」、「B」、「C」、「D」)の座標は、ELDTデバイス(602)によって感知され、ユーザ・デバイス(603)に伝送される。座標は、選択テーブル(604)に記録され、選択された文書およびページ識別手段に関連付けられる。
【0062】
図7は、同じ手順を使用して、同じかまたは異なる物理文書の種々のページの種々の部分をユーザがどのように選択できるかを示している。物理文書(701)上でユーザによって行われた各選択について、
出版物タイトル(たとえば、「Celtic Legends」)(308)と、
出版社サーバのネットワーク・アドレス(URL)(たとえば、「http://www.virgin.net」)(306)と、
文書番号(たとえば、「170301」)(307)と、
ページ番号(たとえば、ページ「17」)と、
物理文書の選択された部分の周りの多角形領域を定義する頂点の座標(たとえば、「A」、「B」、「C」、「D」)と、
が選択テーブル(704)上の新しいレコードに記録される。
【0063】
ユーザによって選択された電子文書の部分に対応する電子コピーを検索する方法
図14に示されている通り、本発明は、ユーザによって選択された物理文書の部分のデジタル・コンテンツをネットワークにより(たとえば、インターネットを介して)検索するためのシステム、方法、およびコンピュータ・プログラムも開示する。
【0064】
この方法は、
(1401)ユーザ・デバイスからネットワーク接続ユーザ・ワークステーションに選択テーブルを伝送するステップと、
選択テーブルに記録された選択の電子コピーを検索するために、
(1402)選択のデジタル・コンテンツを含む選択された電子ページを電子文書から受信するための要求を出版社サーバに送信するステップと、
(1403)要求された電子ページを出版社サーバから受信するステップと、
(1403)ユーザ・ワークステーション上に前記電子ページを表示するステップと、
(1404)受信した電子ページ上の選択された領域にマークを付けるステップであって、物理文書上で選択された領域の座標が選択テーブルに保管されるステップと、
(1405)電子ページ上でマークされた領域の内容をオペレーティング・システム・クリップボードにコピーするステップと、
(1406)ユーザ指定の宛先にクリップボードの内容をコピー(またはカット)しペーストするステップと、
を有する。
【0065】
図2は、本発明の好ましい一実施形態により、(構成要素(102)、(103)、(104)により)物理文書上でユーザによって事前に行われた選択(705)に対応するデジタル情報(204)を、出版社サーバ(206)に保管された電子文書から検索するために、ネットワーク(たとえば、インターネット(207))に接続されたワークステーション(201)がどのように使用されるかを示している。
【0066】
図8は、本発明の好ましい一実施形態により、物理文書内の選択(たとえば、テキスト段落、写真、表)がスタンドアロン構成要素(102)、(103)、(104)により実行された後、ユーザ・デバイス(801)上に位置する選択テーブル(803)に記録されたデータがインターネット・ネットワーク(804)に接続されたワークステーション(802)にどのように伝送されるかを示している。
【0067】
図9は、ユーザがどのようにユーザ・ワークステーション(901)に保管された選択テーブル(903)内のレコードを選択し、出版社サーバ(905)から選択のデジタル・コンテンツを検索するかを示している。この図によって示されている通り、選択テーブル(903)に保管されている情報、すなわち、
出版社サーバのURL(たとえば、「http://www.virgin.net」)(306)と、
文書番号(たとえば、「170301」)(307)と、
選択されたページ番号(たとえば、ページ「17」)と、
を使用して、ユーザ・ワークステーションは、インターネット・ネットワーク(907)により出版社サーバ(905)に対し、選択された電子文書(すなわち、「170301」)から選択された電子ページ(すなわち、ページ「17」)を検索するための要求(たとえば、「http://www.virgin.net/170301/?&Page=17」)(904)を送信する。この電子文書は、物理文書(「Celtic Legends」というタイトルのもの)の出版社サーバ(905)上の正確なレプリカである。この同じ図に示されている通り、要求された電子ページ(906)は、出版社サーバ(905)に保管された電子文書から検索され、ユーザ・ワークステーション(901)に伝送されて表示される。
【0068】
図10は、文書の電子ページ(1006)が出版社サーバ(1005)から検索され、ユーザ・ワークステーション(1001)上に表示されたときに、このユーザ・ワークステーション(1001)上に常駐するプラグイン・プログラムが受信された電子ページ(1006)上の選択された領域(1008)にどのようにマークを付け、その後、この領域のデジタル・コンテンツをオペレーティング・システムのクリップボードにどのようにコピーするかを示している。マウス座標およびアクション(画面座標を使用して画面上の1つまたは複数の矩形領域にマークを付けることなど)は、たとえば、アセンブラ・コードまたは「C」ユーティリティからのオープン・コード(フリー・コード)を使用して実現できることに留意しなければならない。このプラグイン・プログラムは、物理文書(701)の選択されたページ上で、ELDTデバイス(702)により、ユーザによって選択された領域(705)を囲む多角形を定義する点(たとえば、「A」、「B」、「C」、「D」)の座標(1007)を使用して、選択された領域にマークを付ける。
【0069】
図11は、代わって、どのようにユーザが受信された電子ページ(1103)上のマークされた領域(1104)(この領域は対応する物理文書(701)上でユーザによってマークされた領域(705)に対応する)を(たとえば、マウスにより)指し示し(1105)、その後、それを「コピー」(1106)(または「カット」)し、ユーザ・ワークステーション上の電子文書(1107)または任意のその他のデータ・リポジトリまたはアプリケーションにそれを「ペースト」するかを示している。
【0070】
ほとんどのオペレーティング・システムの標準的なCOPY(またはCUTの可能性もある)コマンドは選択をクリップボードに保管することに留意しなければならない。また、標準的なPASTEコマンドは、クリップボードの内容を文書の現行ページの現行挿入点または選択箇所に転送する。クリップボードがURL(ハイパーリンク)を有する場合、これらのURLもペーストされたデータに含まれる。
【0071】
上記で記載したものは、単に本発明の原理の適用例の例証となるものにすぎない。当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、その他の配置および方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明により物理文書の部分(たとえば、テキスト段落、写真、表)を選択するために使用されるスタンドアロン(すなわち、ネットワークに接続されていない)デバイスを示す図である。
【図2】ネットワークに接続されたワークステーションが、本発明により物理文書上でユーザによって事前に行われた選択に対応するデジタル情報をどのように検索するかを示す図である。
【図3】ユーザがハンドヘルド・デバイス上で物理文書をどのように識別するかを示す図である。
【図4】ユーザがハンドヘルド・ユーザ・デバイス上で物理文書のページをどのように識別するかを示す図である。
【図5】ユーザが文書の選択されたページの上に透明ELDTをどのように位置合わせするかを示す図である。
【図6】ユーザがスタイラスによりELDTデバイス上の物理文書の部分にどのようにマークを付けるかを示す図である。
【図7】本発明により、同じかまたは異なる物理文書内の種々のページの複数の部分がどのように選択され、ユーザ・デバイス上に位置する選択テーブルにどのように記録されるかを示す図である。
【図8】選択テーブルに保管されたデータが、ハンドヘルド・デバイスからインターネット・ネットワークに接続されたワークステーションにどのように転送されるかを示す図である。
【図9】選択テーブルに記録された各選択について、物理文書内で行われた選択に対応する情報を含む電子ページを検索するための要求が出版社サーバにどのように送信されるかを示す図である。
【図10】本発明により、選択テーブルに保管された座標を使用して、対応する領域が電子ページ上でどのようにマークされるか、ならびに、この領域のデジタル・コンテンツがユーザ・システムのクリップボード・バッファにどのようにコピーされるかを示す図である。
【図11】受信した電子ページ上でマークされた領域を指し示すユーザが、物理文書内で行われた選択に対応するデジタル情報をどのようにコピーまたはペーストするかを示す図である。
【図12】エレクトロルミネセンス・デジタイジング・タブレット(ELDT)の内部構造および動作原理を示す図である。
【図13】本発明により、物理文書の部分を選択するステップと、前記選択を選択テーブルに記録するステップを示す図である。
【図14】本発明により、ユーザによって選択された物理文書の部分の電子コピーを検索するステップを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって選択された1つまたは複数の物理文書の1つまたは複数の部分の内容から電子文書を構成するための方法であって、前記方法が、
前記ユーザによって行われた各選択についてテーブル内のレコードを作成するステップを有し、前記レコードが前記ユーザによって選択された部分をその電子コピーに関連付けるための手段を有し、コンピュータ・デバイスで使用するための前記ステップが、さらに、
選択された各文書について、
前記ユーザによって選択された前記文書を識別する手段を受信するステップと、
前記文書の電子コピーにアクセスするための手段を受信するステップと、
前記文書の物理コピーの前記ユーザによって選択された1つまたは複数のページを識別する手段を受信するステップであって、前記物理文書が1つまたは複数のページを有するステップと、
選択された各ページについて、
選択された前記ページ上で、前記ユーザによって選択された1つまたは複数の部分を定義する手段を受信するステップと、
選択された各部分について、
選択された前記部分を定義する前記手段を選択テーブルに保管するステップと、
前記選択テーブル内で、選択された前記部分を定義する前記手段を、
選択された前記文書を識別する前記手段と、
選択された前記ページを識別する前記手段と、
前記文書の前記電子コピーにアクセスするための前記手段と、
に関連付けるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
選択された前記ページ上で、前記ユーザによって選択された1つまたは複数の部分を定義する手段を受信する前記ステップが、選択された各部分について、
前記コンピュータ・デバイスに接続されたデジタイジング・タブレットから、選択された前記ページ上で、前記ユーザによって選択された前記部分を定義する手段を受信するステップであって、前記デジタイジング・タブレットが選択された前記ページの上または下に位置合わせして配置され、選択された前記部分がスタイラスまたは任意の書込み手段により前記デジタイジング・タブレットの上でマークされるステップ
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デジタイジング・タブレットの上で選択された前記部分にマークを付けるために、選択された前記部分の周りに前記デジタイジング・タブレットの上で前記ユーザによって折れ線が描かれ、前記折れ線が前記デジタイジング・タブレット上に表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
選択された前記ページ上で前記ユーザによって選択された前記部分を定義する前記手段が、
前記デジタイジング・タブレットによって捕捉されデジタル化された前記折れ線を定義する点の座標
を有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記文書を識別する前記手段が文書参照、好ましくは、文書番号または文書名であり、
前記文書の前記電子コピーにアクセスするための前記手段が、前記電子コピーが位置するサーバのネットワーク・アドレスであり、
前記文書の前記物理コピーのページを識別する前記手段がページ番号である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記文書参照と、
前記ネットワーク・アドレスと、
前記ページ番号と、
が、前記文書の前記物理コピー上に印刷されるかまたはそれに付加され、キーボード、マウス、音声認識システムなどの任意のユーザ・インターフェースまたはバーコード・リーダなどの任意の読取り手段により前記コンピュータ・デバイスに入力される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ネットワークがインターネット・プロトコル(IP)ネットワークであり、
前記ネットワーク・アドレスがユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)であり、
前記サーバがWebサーバであり、
前記電子コピーがハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)文書である、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータ・デバイスが前記ネットワークに接続される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータ・デバイスがスタンドアロン・ハンドヘルド・コンピュータ・デバイスである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークに接続されたコンピュータ・デバイスに前記選択テーブルを転送するステップ
をさらに有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記文書の前記電子コピーが前記文書の正確な表現である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記文書の前記電子コピーが、テキスト、グラフィックス、イメージ、ハイパーリンクを有する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザによって選択された物理文書の部分に対応する電子コピーを検索するステップをさらに有し、前記ステップが、
前記選択テーブル内のレコードを指定する手段を受信するステップと、
指定された前記レコード内で
文書を識別する手段と、
前記文書のページを識別する手段と、
前記文書の電子コピーにアクセスするための手段と、
を識別するステップと、
識別された前記文書の前記電子コピーから識別された前記ページの前記電子コピーを検索するステップと、
指定された前記レコード内で、識別された前記ページの部分を定義する手段を識別するステップと、
識別された前記ページの検索された前記電子コピー上の前記部分にマークを付けるステップと、
前記ページの前記電子コピーのマークされた前記部分を宛先文書にコピーするステップと、
をさらに有する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
識別された前記文書の前記電子コピーから識別された前記ページの前記電子コピーを検索する前記ステップが、
前記電子文書が位置する前記サーバに、前記ネットワークを介して要求を送信するステップであって、前記要求が、
前記文書を識別する前記手段と、
前記文書の前記ページを識別する前記手段と、
を有するステップ
をさらに有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
識別された前記ページの検索された前記電子コピー上の前記部分にマークを付ける前記ステップが、
識別された前記ページの検索された前記電子コピーを表示するステップと、
前記選択テーブルに保管された、選択された前記部分の周りに前記ユーザによって描かれた前記折れ線を定義する点の座標を使用することにより、前記部分を視覚化するステップと、
をさらに有する、請求項13ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ページの前記電子コピーのマークされた前記部分を宛先文書にコピーする前記ステップが、
前記電子コピーのマークされた前記部分をバッファ、好ましくは、オペレーティング・システム・クリップボードにコピーまたはカットするステップと、
前記バッファの内容を前記ユーザによって指定された宛先文書にペーストするステップと、
をさらに有する、請求項13ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行するために適合された手段を有するコンピュータ・デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載の前記コンピュータ・デバイス上で実行されたときに、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行するための命令を有するコンピュータ・プログラム。
【請求項1】
ユーザによって選択された1つまたは複数の物理文書の1つまたは複数の部分の内容から電子文書を構成するための方法であって、前記方法が、
前記ユーザによって行われた各選択についてテーブル内のレコードを作成するステップを有し、前記レコードが前記ユーザによって選択された部分をその電子コピーに関連付けるための手段を有し、コンピュータ・デバイスで使用するための前記ステップが、さらに、
選択された各文書について、
前記ユーザによって選択された前記文書を識別する手段を受信するステップと、
前記文書の電子コピーにアクセスするための手段を受信するステップと、
前記文書の物理コピーの前記ユーザによって選択された1つまたは複数のページを識別する手段を受信するステップであって、前記物理文書が1つまたは複数のページを有するステップと、
選択された各ページについて、
選択された前記ページ上で、前記ユーザによって選択された1つまたは複数の部分を定義する手段を受信するステップと、
選択された各部分について、
選択された前記部分を定義する前記手段を選択テーブルに保管するステップと、
前記選択テーブル内で、選択された前記部分を定義する前記手段を、
選択された前記文書を識別する前記手段と、
選択された前記ページを識別する前記手段と、
前記文書の前記電子コピーにアクセスするための前記手段と、
に関連付けるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
選択された前記ページ上で、前記ユーザによって選択された1つまたは複数の部分を定義する手段を受信する前記ステップが、選択された各部分について、
前記コンピュータ・デバイスに接続されたデジタイジング・タブレットから、選択された前記ページ上で、前記ユーザによって選択された前記部分を定義する手段を受信するステップであって、前記デジタイジング・タブレットが選択された前記ページの上または下に位置合わせして配置され、選択された前記部分がスタイラスまたは任意の書込み手段により前記デジタイジング・タブレットの上でマークされるステップ
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デジタイジング・タブレットの上で選択された前記部分にマークを付けるために、選択された前記部分の周りに前記デジタイジング・タブレットの上で前記ユーザによって折れ線が描かれ、前記折れ線が前記デジタイジング・タブレット上に表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
選択された前記ページ上で前記ユーザによって選択された前記部分を定義する前記手段が、
前記デジタイジング・タブレットによって捕捉されデジタル化された前記折れ線を定義する点の座標
を有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記文書を識別する前記手段が文書参照、好ましくは、文書番号または文書名であり、
前記文書の前記電子コピーにアクセスするための前記手段が、前記電子コピーが位置するサーバのネットワーク・アドレスであり、
前記文書の前記物理コピーのページを識別する前記手段がページ番号である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記文書参照と、
前記ネットワーク・アドレスと、
前記ページ番号と、
が、前記文書の前記物理コピー上に印刷されるかまたはそれに付加され、キーボード、マウス、音声認識システムなどの任意のユーザ・インターフェースまたはバーコード・リーダなどの任意の読取り手段により前記コンピュータ・デバイスに入力される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ネットワークがインターネット・プロトコル(IP)ネットワークであり、
前記ネットワーク・アドレスがユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)であり、
前記サーバがWebサーバであり、
前記電子コピーがハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)文書である、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータ・デバイスが前記ネットワークに接続される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータ・デバイスがスタンドアロン・ハンドヘルド・コンピュータ・デバイスである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークに接続されたコンピュータ・デバイスに前記選択テーブルを転送するステップ
をさらに有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記文書の前記電子コピーが前記文書の正確な表現である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記文書の前記電子コピーが、テキスト、グラフィックス、イメージ、ハイパーリンクを有する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザによって選択された物理文書の部分に対応する電子コピーを検索するステップをさらに有し、前記ステップが、
前記選択テーブル内のレコードを指定する手段を受信するステップと、
指定された前記レコード内で
文書を識別する手段と、
前記文書のページを識別する手段と、
前記文書の電子コピーにアクセスするための手段と、
を識別するステップと、
識別された前記文書の前記電子コピーから識別された前記ページの前記電子コピーを検索するステップと、
指定された前記レコード内で、識別された前記ページの部分を定義する手段を識別するステップと、
識別された前記ページの検索された前記電子コピー上の前記部分にマークを付けるステップと、
前記ページの前記電子コピーのマークされた前記部分を宛先文書にコピーするステップと、
をさらに有する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
識別された前記文書の前記電子コピーから識別された前記ページの前記電子コピーを検索する前記ステップが、
前記電子文書が位置する前記サーバに、前記ネットワークを介して要求を送信するステップであって、前記要求が、
前記文書を識別する前記手段と、
前記文書の前記ページを識別する前記手段と、
を有するステップ
をさらに有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
識別された前記ページの検索された前記電子コピー上の前記部分にマークを付ける前記ステップが、
識別された前記ページの検索された前記電子コピーを表示するステップと、
前記選択テーブルに保管された、選択された前記部分の周りに前記ユーザによって描かれた前記折れ線を定義する点の座標を使用することにより、前記部分を視覚化するステップと、
をさらに有する、請求項13ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記ページの前記電子コピーのマークされた前記部分を宛先文書にコピーする前記ステップが、
前記電子コピーのマークされた前記部分をバッファ、好ましくは、オペレーティング・システム・クリップボードにコピーまたはカットするステップと、
前記バッファの内容を前記ユーザによって指定された宛先文書にペーストするステップと、
をさらに有する、請求項13ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行するために適合された手段を有するコンピュータ・デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載の前記コンピュータ・デバイス上で実行されたときに、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行するための命令を有するコンピュータ・プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−527039(P2007−527039A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516060(P2006−516060)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006905
【国際公開番号】WO2005/001710
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006905
【国際公開番号】WO2005/001710
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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