物質のパターン、それを利用した金型、金属薄膜パターン、金属パターン、および、それらの形成方法
【課題】様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、それを利用した金型、金属薄膜のパターン、金属パターンの簡単な形成方法。
【解決手段】(a)基板400上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜410を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜440および拡散膜430を配置するステップ、および、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質膜の前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップで、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、それを利用した金型、金属薄膜のパターン、金属パターンを簡単にする。
【解決手段】(a)基板400上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜410を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜440および拡散膜430を配置するステップ、および、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質膜の前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップで、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、それを利用した金型、金属薄膜のパターン、金属パターンを簡単にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質のパターン、それを利用した金型、金属薄膜パターン、金属パターン、および、それらの形成方法に関する。より詳細には、ポリマーまたはレジストパターン、それを利用した金型、金属薄膜パターン、金属パターン、および、それらの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体のような回路素子に金属配線を施すためには、まず所定の形状を有するポリマーパターンを形成するが、そのようなポリマーパターンは感光液の塗布工程、露光工程、および、現像工程を含んだフォトリソグラフィ(photolithography)プロセスを経て形成される。
【0003】
図1は従来のリソグラフィプロセスを利用した感光性ポリマーパターンの形成方法を示したものである。
【0004】
図1に示したように、まず基板(100)上にポリマー物質であるフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜(110)を形成した後、フォトマスク(120)を前記フォトレジスト膜(110)の上部に配置させ、フォトレジスト膜(110)が形成されている基板(100)上に光(130)を照射することで露光工程を遂行する。その後、露光されたフォトレジスト膜(100)に現像工程を行って、光に反応したフォトレジスト膜(110)の一部を除去することでポリマーパターンを形成する。
【0005】
このように、一般的な半導体リソグラフィプロセスにおいては、基板上に形成された感光性ポリマーまたはレジスト膜を、幾何学的な図形のパターンを有するフォトマスクを通った紫外線またはそのほかの光に露出させ、その露出された部分を現像して、所定のパターンを形成する。ポジ型感光性レジスト(positive resist)を用いる場合には、光に露出された部分が現像液に溶解してパターンが形成され、ネガ型感光性レジスト(negative resist)を用いる場合には、光に露出されていない部分が現像液に溶解してパターンが形成される。
【0006】
図2は従来のリソグラフィプロセスによって形成された感光性ポリマーまたはレジストパターン、および、金属パターンの断面図を示したものである。
【0007】
図2に示したように、感光性ポリマーまたはレジストパターンの断面は基板上に光を照射する露光工程を行う際に、基板に垂直して光を照射するため、ポリマーまたはレジストパターンが長方形の垂直構造をなす。(S. Wolf and R. N. Tauber, "Silicon Processing for the VLSI Era, Volume 1 - Process Technology", Lattice Press, pp. 408, 1986)
したがって、断面が長方形を有するポリマーパターンを利用した高集積回路素子などに配線された金属もまた該ポリマーパターンの上に形成されるので、同じく、断面が長方形である金属パターンを有する。(R. C. Jaeger, "Introduction to Microelectronic Fabrication", Prentice Hall, pp. 167, 2002)
ところが、長方形の垂直断面を有する従来のポリマーパターンまたは金属パターンだけでは、多様化されつつある半導体製作工程および3次元構造体に対する需要を満たすことができない。様々な半導体関連技術が開発され、その応用分野が多様化されるにつれ、従来とは違って、傾斜した形状を有するポリマーぺターンおよび金属パターンなどの3次元構造体が必要となりつつある。
【0008】
3次元構造および形状を作るために種々のリソグラフィ技術が開発されている。そのうち、傾斜リソグラフィ(inclined lithography)は垂直方向から傾斜した構造を作るのに有用な技術で、微小流体システムを製作するに広く用いられている。一般的なフォトリソグラフィの場合、フォトマスクと、基板に垂直に入射する平行光とを用いて露光するに対して、図3(a)に示したような傾斜リソグラフィの場合、基板(150)とフォトマスク(170)とに対して一定の角度(θ)で傾斜して入射される平行光(170)を用いて露光させる。その結果、一定の角度で傾斜した形状のパターンを形成することができる。左側(180)は、露光された部分が除去され、露光されていない部分が残るいわゆるポジ型感光性フォトレジストの場合であり、右側(181)は、露光された部分が残り、露光されていない部分が除去されるネガ型感光性フォトレジストの場合である。以下に示す参考文献には、このような傾斜リソグラフィを利用して微小流体の移動経路を作り、または、フィルターを製作する例が記載されている。H. Sato, T. Kakinuma, J. S. Go, S. Shoji "In-channel 3-D micromesh structures using maskless multi-angle exposures and their microfilter application" (Sen. Actuators A, vol. 111, pp. 87-92, 2004)、および、R. Yang, J. D. Williams, and W. Wang, "A rapid micro-mixer / reactor based on arrays of spatially impinging micro-jets" (J. Micromech. Microeng.,vol. 14, pp. 1345-1351, 2004)
また、傾斜リソグラフィを用いて、傾斜したもっと複雑な3次元構造を製作するために、ピンを固定したまま光源を回転させて露光する技術と、光源を固定したままフォトマスクと基板とが置かれているステージ(stage)を回転させて露光する技術などが開発されている。これらの技術を用いる場合に、光源または基板を自由自在に回転させながら数回露光させて、様々な3次元曲面形状のパターンを製作することができる。
【0009】
光源を固定したまま基板だけを回転させる傾斜・回転リソグラフィ法(M. Han, W. Lee, S.-K. Lee, and S. S. Lee, "3D microfabrication with inclined/rotated UV lithography", Sen. Actuators A, vol. 111, pp. 14-20, 2004)、および、多方向性リソグラフィ法(Y.-K. Yoon, J.-H. Park, and M. G. Allen, "Multidirectional UV lithography for complex 3-D MEMS structures", J. Microelectromech. Syst., vol. 15, pp. 1121-1130, 2006)が広く使われている。図3(b)は前記多方向性リソグラフィ法を実施するための供されるリソグラフィ装置である。回転ステージ(190)によって基板を回転させ、傾斜して露光し、3次元パターンを作る。
【0010】
結果的に、これらの技術は全て露光をための光源を回転させる装置、または、露光される基板あるいは基板が置かれるステージを回転させる装置などを備えた特殊なリソグラフィ装置を必要とする問題があった。したがって、前記傾斜した3次元形状を製作するためには、紫外線源(光源)または基板の回転を可能とするリソグラフィ装置が必要となる。また、複雑で傾斜した構造を作るためには、紫外線源および基板の回転を制御する装置を用いて連続的に傾斜角度を変化させ回転させなければならない、といった、難点があった。
【0011】
一方、ポリマーまたはレジストに3次元形状のパターンを作成するために次のとおりのリソグラフィ法が開発されている。図4に示したように、大韓民国特許第10−0649937号(発明の名称:ポリマーパターンの形成方法およびそれを利用した金属薄膜パターン、金属パターン、プラスチック製金型の構造、および、それらの形成方法 )には、基板(200)上にポリマー膜(201)を形成し、フォトマスク(202)を通じて任意に進行する光(205)を通過させ、円形の断面を有するポリマーパターン(206,207)を形成する。これは、露光経路にディフューザシート(diffusion sheet)を置くことで、光を散乱させ、ポリマーに照射される光を任意の方向に進行させる方法を用いたものである。これによって、3次元形状のポリマーパターンおよび様々な金属パターンを製作することができる。
【0012】
さらに、図5に示したように、大韓民国特許第10−0643684号(発明の名称:ポリマーまたはレジストパターンおよびそれを利用した金属薄膜パターン、金属パターン、プラスチック製金型、並びに、それらの形成方法 )によれば、円形形状ないし四角形状の様々な3次元形状のパターンを作成することができる。基板(300)上にポリマーまたはレジスト膜(310)を形成し、フォトマスク(320)を配置し、露光すべき領域(350)と露光しない領域(351)とを形成し、露光経路に光制御膜(340)を配置し、光の進行特性および強度を制御することで、ポリマーまたはレジストに形成される形状を円形形状(354)乃至四角形状(355)など多様に制御することができる。
【0013】
しかしながら、これらの方法を用いる場合、簡単に3次元形状の構造体を作成することが可能であるが、露光工程において光を散乱させるディフューザ、または、光の方向を制御する光制御膜としての高分子分散型液晶膜を用いる場合、光の進行方向を空間上に対称的に制御する。したがって、製作される3次元形状はもっぱら対称的な空間構造だけを有する。その結果、様々な用途のために特定角度で傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成し難いという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述の問題を解決するために、本発明は、従来のリソグラフィ装置を用いてリソグラフィプロセスを行う際に、入射光の進行方向と共に拡散度および強度を制御して、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、および、その形成方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、リソグラフィプロセスを行う際に、入射光の進行方向、拡散度、および、透過度を部分ごとに制御し、位置によって様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、および、その形成方法を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、前記3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを利用した金型およびその形成方法を提供する。
【0017】
さなに、本発明は、前記3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを利用した金属薄膜パターン、および、その形成方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、前記3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを利用した金属パターン、および、その形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本発明の一実施例に係るパターンの形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、および、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質膜の前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップを含むことを特徴とする。
【0020】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0021】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0022】
ここで、前記基板が、透明な基板であっても良い。
【0023】
前記ステップ(b)において、前記透明な基板の上部または下部に、フォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0024】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0025】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0026】
ここで、前記拡散膜の拡散度を順次に変化させて制御するのが好ましい。
【0027】
ここで、前記拡散膜の拡散度を前記拡散膜の部分ごとに制御するものであっても良い。
【0028】
ここで、前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を順次に変化させて制御するものであっても良い。
【0029】
ここで、前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を部分ごとに制御するものであっても良い。
【0030】
ここで、前記高分子分散型液晶膜の両方の断面、または、いずれか一方の断面上にパターン形成された電極を形成するものであっても良い。
【0031】
ここで、前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成して単純マトリックスを駆動させるものであっても良い。
【0032】
ここで、前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成してスイッチング素子を通じてアクティブマトリックスを駆動させるものであっても良い。
【0033】
ここで、(e)前記拡散膜と前記感光性物質の膜との間に、前記拡散膜の表面に複数の透明な導電膜を形成するステップを含んでも良い。
【0034】
ここで、前記複数の透明な導電膜にそれぞれ異なる電圧を印加しても良い。
【0035】
前記ステップ(d)において、前記感光性物質の底部まで露光させて前記パターンを形成しても良い。
【0036】
前記ステップ(a)において、前記基板上に転写膜を形成し、そして、前記転写膜上に前記感光性物質の膜を形成することを含んでも良い。
【0037】
ここで、(e)前記パターンをエッチング加工して、前記転写膜に前記パターンを転写するステップを含んでも良い。
【0038】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0039】
前記本発明の一実施例に係るパターンの形成方法により形成された感光性物質のパターンは、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【0040】
本発明に係る別の実施例に係る金型の形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、(e)前記パターン上に金型材料を塗布して固化するステップ、および、(f)前記パターンから固化された前記金型材料を分離するステップを含むことを特徴とする。
【0041】
ここで、前記金型材料が、プラスチック、または、ポリマーであるのが好ましい。
【0042】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0043】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0044】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0045】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0046】
ここで、前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0047】
ここで、前記金型の形成方法により形成された金型の構造は、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【0048】
本発明の別の実施例に係る金属薄膜のパターン形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、および、(f)前記パターンを除去するステップを含むことを特徴とする。
【0049】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0050】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0051】
前記ステップ(e)において、スパッタリングを含む薄膜蒸着法、または、めっきを含む厚膜形成法を用いて金属薄膜を形成しても良い。
【0052】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0053】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0054】
ここで、前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0055】
前記金属薄膜のパターン形成方法により形成された金属薄膜のパターンは、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【0056】
本発明の別の実施例に係る金属パターンの形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、(f)めっきにより前記金属薄膜上に金属パターンを形成するステップ、および、(g)前記パターンから形成された前記金属パターンを分離するステップを含むことを特徴とする。
【0057】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0058】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0059】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0060】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0061】
ここで、前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0062】
前記金属パターンの形成方法により形成された金属パターンは、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、従来のリソグラフィプロセスにおいて使用されていた手段および方法とは違って、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを簡便に形成することができる。
【0064】
また、本発明は、ポリマーまたはレジストパターンを製作する際に、リソグラフィプロセス中の露光工程において、光(ポリマーまたはレジスト膜を反応させる)の進行方向、光散乱の程度、および、光の透過度を調整して、円形ないし長方形の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0065】
さらに、本発明は、光の進行方向、拡散の程度、および、強度を、露光工程を行っている間に様々に変化させて、1つのポリマーまたはレジスト膜に予め計画した様々な曲率または傾斜した形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0066】
さらに、本発明は位置ごとに光の進行方向、拡散の程度、および、強度を自由自在に組み合わせて、水平または垂直方向に1つ以上の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。このようなパターンは単にプラスチック成形またはエッチング加工などによって別の膜に転写させることができる。また、それらを利用すると、球面または非球面のマイクロレンズを簡単に製作することができ、非常に多様でかつ複雑な構造も問題なく製作することができる。
【0067】
さらに、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンを利用したプラスチックまたはポリマー製金型の構造は、従来技術に比べてもっと多様で複雑な構造を、むしろ非常に簡単に製作することを可能とし、それにより、広い面積にも適用可能であり、しかも材料代を低く抑えることができる。しがたって、この応用例のうち従来マイクロスケールの流体経路装置およびマイクロレンズなどに比べてその活用度が増すと予想される。
【0068】
さらに、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンを用いて金属膜を蒸着する場合に、従来の半導体製作技術によっては製作することができなかった様々な形状を有する3次元非対称構造の金属薄膜および金属パターンを形成することができる。
【0069】
本発明は、従来の半導体製作技術およびリソグラフィプロセスによっては製作することができなかった様々な形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを簡便かつ簡単に製作することを可能とする。このような技術は、マイクロレンズの製作、金属薄膜の蒸着、プラスチック金型の製作、表面が凸凹した構造体の製作などを含めて幅広い分野において利用・適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。なお、図中、同一の構成要素については同一の符号を付した。
【0071】
図6は本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【0072】
まず、基板(400)上に感光性ポリマーまたはレジストを塗布し、感光性ポリマーまたはレジスト膜(410)を形成した後、ポリマーまたはレジスト膜(410)上にフォトマスク(420)を形成し、若しくは、ポリマーまたはレジスト膜(410)の表面に埋め込みマスク(embedded mask)を形成する。次いで、露光を行うための光の経路上に、入射した光を屈折させる屈折膜(440)と、光を拡散させる拡散膜(430)とを配置させる。このように屈折膜(440)および拡散膜(430)を透過した光をポリマーまたはレジスト膜(410)に照射して、傾斜した円形の断面ないし四角の断面を有する様々なパターンと角度(θPR)とを有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成する。ここで、屈折膜(440)と拡散膜(430)とは光経路上の任意の位置に配置されているならば、上記効果を奏し得る。
【0073】
フォトマスク(420)は、通常のリソグラフィプロセスに用いられるような透明な石英基板の上層にクロム薄膜が塗布された形態であっても、直接ポリマーまたはレジスト膜(410)の表面に金属を蒸着した後パターン形成して得られた埋め込みマスクの形態であっても良い。フォトマスク(420)の下に置かれているポリマーまたはレジスト膜(410)はフォトマスク(420)を透過した光に露出した部分(450)と、そうでない部分(451)とに分かれる。このような露光工程が終わってたら現像液処理を行うと、ポジ型感光性ポリマーまたはレジストの場合、光に露出されていない部分(451)が残る。逆に、ネガ型感光性ポリマーまたはレジストの場合、露光された部分(450)が残る。このように形成された、図6の左側に示したポリマーまたはレジストパターン(455)はポジ型感光性ポリマーまたはレジストの場合であり、図6の右側に示すポリマーまたはレジストパターン(456)はネガ型感光性ポリマーまたはレジストである。
【0074】
前述の本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法は、従来のリソグラフィプロセスにおける感光性ポリマーまたはレジストに照射される光の経路上に屈折膜(440)および拡散膜(430)を配置させ、前記光の進行方向および拡散の程度を順次に、または、部分ごとに制御することができる。ここで、拡散膜(430)の拡散の程度を順次にまたは部分ごとに制御する方法については、後述の拡散膜(430)としてのディフューザまたは高分子分散型液晶膜に係る実施例に関連して詳細に説明する。
【0075】
本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法によれば、感光性ポリマーまたはレジスト膜(410)上に、基板(400)に対して垂直または水平方向に自由自在の様々な傾斜角度または形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジスト(455,456)を形成することができる。
【0076】
図7は、本発明の別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供されたものである。
【0077】
マスクなし(maskless)のリソグラフィは、マイクロミラーアレイ(460)の動作角度によって、ポリマーまたはレジスト膜(410)に入射される光(462)と、入射されない光(463)とを制御する。このようなマイクロミラーアレイ(460)を選択的に制御することで露光すべき部分とそうでない部分を選択することができる。したがって、上記本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法において、フォトマスクなしでリソグラフィプロセスを行うことが可能となる。このように、従来のフォトマスクまたは埋め込みマスクの代わりにマイクロミラーアレイ(460)を用いて、露光させたい部分と露光させたくない部分を選択するマスクなしのリソグラフィプロセスにおいてもまた光の進行経路(即ち、露光経路)上に屈折膜(440)および拡散膜(430)を配置させ、光の屈折度および拡散の程度を制御することで、ポリマーまたはレジスト膜(410)に、基板(400)に対して垂直または水平方向に自由自在の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0078】
図8は、本発明の更なる別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を示したものである。
【0079】
まず、透明な基板(401)の上部または下部表面に金属パターンマスク(421)を形成した後、ポリマーまたはレジストを塗布して感光性ポリマーまたはレジスト膜(410)を形成する。このとき、ポリマーまたはレジスト膜(410)は透明な基板(410)の表面に金属パターン(421)が形成されている部分、または、形成されていない反対側の部分に形成することができる。次いで、露光工程を行うための光の経路上に、入射された光(図8において、光は透明な基板(410)の下方向から入射される)を屈折させる屈折膜(440)、および、光を拡散させる拡散膜(430)を配置する。このように屈折膜(440)および拡散膜(430)を通った光を透明な基板(401)を通じてポリマーまたはレジスト膜(410)に照射して、一定の角度で傾斜した円形の断面、四角の断面など様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成する。ここで、屈折膜(440)および拡散膜(430)は光経路上のどの位置に置かれていても上記効果を奏し得る。ポリマーまたはレジストが有したポジ型またはネガ型感光特性によって、図8に示したように光が照射された部分が残るか、または、光が照射されない部分が残る。
【0080】
また、金属パターン(421)にて透明な基板(401)に露光される部分と露光されない部分とを決めるに代えって、フォトマスクまたはマイクロミラーアレイを利用して露光すべき部分を決めることも可能である。
【0081】
図9は、図6に示した屈折膜(440)を説明するために供された図である。屈折膜(440)は入射した光を屈折させ、光の進行経路を変えるために設けれたものである。図9に示したように、屈折膜(440)は概して垂直断面が一定の傾斜角度(θ)を有する構造となっている。このような傾斜構造に入射された光は、スネルの法則(Snell’s law)により、図に示した数式(光が進行する媒質は空気である(即ち、n=1)と仮定する)のように、屈折膜(440)の傾斜角度(θ)および屈折率(n)によって透過される光の屈折角度(θ’)が決められる。このように一定の傾斜角度(θ)の垂直断面を有する典型的なものとして、プリズムまたはプリズムシートが用いられ得る。前述の通り屈折膜(440)によって一定の角度(θ’)で屈折された光が拡散膜(430)に入射すると、一定角度で傾斜した複数の方向に拡散される。このような光をフォトマスクを透過させ、ポリマーまたはレジスト膜の露光工程を行う。図9においては、2次元垂直平面を基準として説明したが、3次元空間においても同様の原理を用いることができるのは自明である。
【0082】
図10および11は様々な形態の屈折膜に係る実施例を示したものである。
【0083】
図10に示したように、最初に図示された屈折膜(470)には、プリズムまたはプリズムシートの垂直断面(a-a’の方向)に直角三角形の形状を有する傾斜面が反復的に形成されている。この場合、屈折膜(470)に入射される光は全て同じ方向に屈折され、透過される。このような傾斜パターンがa-a’の断面において一定に反復されているので、この方向においては一定の光の屈折現象が起こる。これに対して、b−b’の断面においては、傾斜パターンが形成されないように構成されているので、この方向においては光の屈折現象が起こらない。真ん中に示した屈折膜(472)には、プリズムまたはプリズムシートの垂直断面が三角形の形状を有する(即ち、2つの傾斜面を有する)複数の傾斜面が反復的に形成されている。この場合、屈折膜(472)に入射される光は二方向に屈折され、透過される。一番下に示した屈折膜(474)には、プリズムまたはプリズムシートの垂直断面が曲面または球面の形状を有する複数の傾斜面が反復的に形成されている。この場合、屈折膜(474)の位置によって光が様々な角度で屈折して、進行する。
【0084】
また、プリズムまたはプリズムシートにおける傾斜面の形状は、図10に示したような反復的な線形の形態とは違って、図11に示したような、四角錐(476)、三角錐(478)、または、六角錐(480)などの多角錐または円錐(482)の形状が反復的に形成された傾斜面であってもよい。このとき、入射される光は、傾斜面の空間的な形状による入射角度、および、プリズムを構成する材料の屈折率によって、その屈折角度が定められる。そのほかにも、球形、半球形などの曲面の形状と任意の凸凹または傾斜面も屈折膜として用いられるのは自明である。
【0085】
さらに、前述のプリズムまたはプリズムシート(470,472,474,476,478,480,482)の空間的な位置によって形状および傾斜を異ならせて、その空間的な位置ごとに光の屈折角を様々に制御することができる。
【0086】
図12は、図6に示した拡散膜(430)に係る一実施例として用いられるディフューザを説明するために供された図である。ディフューザ(495)は入射された光を散乱させて進行させるものである。概して、表面が蛋白石で被覆され、または、表面をざらざらにして光を散乱させる。図12に示したように、屈折膜として、プリズム(490)またはプリズムシート(491)を用いて光が屈折され、その屈折された光がディフューザ(495)を通過すると光が散乱される。したがって、光は屈折膜(490,491)を通って屈折して、傾斜して入射されるので、フォトマスク(420)を通じてポリマーまたはレジスト膜(410)に露光される形状(497)は一定の角度(θPR)で傾斜した3次元非対称構造を有する。その後、現像させると、3次元非対称構造のポリマーまたはレジストを形成することができる。図12は、ポジ型感光性ポリマーまたはレジストを示したものであるが、ネガ型感光性ポリマーまたはレジストを用いた場合には、露光された部分が残り、露光されていない部分は除去される。
【0087】
図13は拡散膜として表面が凸凹したディヒューザを用いてポジ型感光性フォトレジストに形成したポリマーまたはレジストパターンである。図13に示したように、一定角度で傾斜した非対称構造の円形の形状が形成された。左側は23°の傾斜角度、右側は39°の傾斜角度を有するプリズムを屈折膜として使用した場合を示す。結果的に、傾斜角度の差異によって、互いに異なるタイプのポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0088】
図14は図6の拡散膜(430)の一実施例に当たる高分子分散型液晶膜について説明するために供された図である。
【0089】
図14(a)は拡散膜としての高分子分散型液晶膜を示した図である。図14(a)に示したように、高分子分散型液晶膜(503)は両側に透明な導電膜が蒸着された2つのガラス基板(501)間に設けられている。このとき、高分子分散型液晶膜(503)は内部の高分子液晶(505)に入射される光の散乱程度によって光の透過度が決められ、ネマチック(nematic)液晶とは異なり偏光板が不要である。このような高分子には、多数の液晶分子粒が分散されているもの、網状高分子中に液晶が含まれているものなど様々なタイプがある。このような高分子分散型液晶膜(503)は両側の面に形成された透明な導電膜に電圧が印加されないと、高分子分散型液晶膜(505)が不規則に配列され、媒体と屈折率が異なる界面で散乱を引き起こす。しかしながら、透明な導電膜に一定の電圧が印加されると、高分子分散型液晶膜(505)の方向が電気場の方向に沿って整列され、それにより、光が完全に透過可能な状態となる。(G. Spruce and R. D. Pringle, Electronics & Communication Engineering Journal, pp. 91-100, 1992)
図14(b)は、透明な導電膜に印加される印加電圧の大きさ(rms-root mean square value)に沿った光の透過度(%)を示した図である。図14(b)に示したように、高分子分散型液晶膜は印加電圧(rms)が増加するにつれ、光の透過度(%)が増加することがわかる。(G. Spruce and R. D. Pringle, Electronics & Communication Engineering Journal, pp. 91-100, 1992)
ここで、高分子分散型液晶膜の両側の面に形成された透明な導電膜に印加された印加電圧の大きさおよび印加時間を適当に制御することで、高分子分散型液晶膜の光散乱の程度、即ち、拡散度と透過度とを連続的に制御することが可能であり、光散乱の程度によって光を拡散させ、光の進行方向を定めることができる。したがって、感光性ポリマーまたはレジスト膜に投射される光の量と反応する領域の形状が、透明な導電膜に印加される印加電圧の大きさ、および、印加時間によって変わってくるので、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0090】
ここで、高分子分散型液晶膜に印加される電圧は直流電圧(DC voltage)であっても、交流電圧(AC voltage)であっても良い。直流電圧を印加する場合に、直流電圧の大きさによって、拡散の程度、および、透過される光の量が制御される。一方で、交流電圧を印加する場合に、正電圧と負電圧の大きさ、比率、および、周期を調整して、交流電圧のRMS(Root-Mean-Square)値の大きさによって、拡散の程度、および、透過される光の量が制御される。また、透明な導電膜はパターン形成されていない共通電極に用いられても良く、単純マトリックス(passive matrix)方式またはアクティブマトリックス(active matrix)方式のうちいずれかにも使用可能である。このような高分子分散型液晶膜はガラス基板または透明な導電膜だけでなく、曲げられるポリマー基板または導電性ポリマーのような様々な形態で構成することができる。また、フォトマスクに付着された形態で製作することも可能である。
【0091】
図15は3次元非対称ポリマーまたはレジストパターンの形成方法を示したものである。屈折膜(440)として図10に示されたプリズムまたはプリズムシートを、そして、拡散膜(430)として高分子分散型液晶膜を利用した一実施例である。まず、露光する際に、光の経路上に拡散膜として高分子分散型液晶膜(430)を配置させ、その上に屈折膜としてプリズムシート(440)を配置させる。このとき、高分子分散型液晶膜(430)とプリズムシート(440)はフォトマスク(420)の上部に配置するのが一般的リソグラフィ装置を使用するにおいて便利でかつ好ましいが、光経路上のいずれかの位置に置かれていても同じ効果を期待することができる。プリズムシート(440)を通って屈折した光が高分子分散型液晶膜(430)に入射され、入射された光は高分子分散型液晶膜(430)に印加された電圧の大きさにしたがって光散乱の程度、すなわち、拡散度および強度が制御され、投射される。この光をフォトマスク(420)を透過させ、ポリマーまたはレジスト膜(410)を露光させると、円形、長方形などの様々な形状の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0092】
図16は拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧および印加時間(露光量)に沿ったパターンの変化について説明するために供された図である。
【0093】
まず、図16(a)の露光量、すなわち、露光時間を一定に維持しながら、拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の大きさを変化させて形成した3次元非対称ポリマーまたはレジストパターンの変化について説明する写真である。図16(a)に示したように、印加時間(20μm)を一定に維持しながら印加電圧の強度を0V,4V,10Vに変化させると、この印加電圧の変化によって拡散度および透過度が制御されるので、垂直方向の高さが低い円形から次第に垂直方向の高さが高くなる円形、そして、一般的なリソグラフィプロセスによって得られる長方形のパターンに至るまでに様々な傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを得ることができる。また、傾斜角度によって屈折角度が変わり、それにより、形状が変わることがわかるが、左側の電子顕微鏡写真は23°の傾斜角度、右側の電子顕微鏡写真は39°の傾斜角度のプリズムを利用した場合である。
【0094】
図16(b)は拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧を一定に維持しながら、光の印加時間(露光量)における変化によって形成される3次元非対称ポリマーまたはレジストパターンの変化を説明する写真である。左側の写真のパターン(露光量1000mJ/cm2)に対して、右側の写真のパターン(露光量2500mJ/cm2)は印加時間(即ち、露光量)を増加させたもので、垂直方向に深くなり、傾斜が急になっていることがわかる。また、上のほうの写真は傾斜角度23°のプリズムを用いて製作したレジストパターンであり、下のほうの写真は傾斜角度39°のプリズムを用いて製作したレジストパターンである。使用される屈折膜による傾斜角度が急になるにつれ、パターンがさらに傾斜し、非対称的な形状で製作される。このように、高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度における変化だけでなく、印加時間(露光量)を制御することで様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを得ることができる。
【0095】
前記図16の例はポジ型感光性レジストパターンに対する説明に当たるが、ネガ型感光性ポリマーまたはレジストパターンの場合にも、前記図16における開いている部分と残存している部分が逆となる様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成できることは自明である。
【0096】
図17は拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度および印加時間を同時に変化させる場合のパターンの変化を説明するために供された図である。
【0097】
まず、図17(a)は高分子分散型液晶膜(510)に印加される印加電圧を変化させる(V1からV2に)とともに、印加時間を変化させた(t1からt2に)場合を説明するための図である。図示したように、露光工程において高分子分散型液晶膜(510)に印加される印加電圧の強度および印加時間を同時に制御すると、パターンの深さによって互いに異なる形状および曲率を有するポリマーまたはレジストパターンを得ることができ、前記制御によってより多様でかつ複雑な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0098】
次いで、図17(b)は高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧を変化させる(V1,V2,V3…Vn)と共に、印加時間を様々に変化させた(T1,T2,T3…Tn)場合を説明するための図である。図示したように、露光工程において高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度をそれぞれV1からVnまでに、そして、各電圧に対する印加時間をそれぞれT1からTnまでに変化させた場合、パターンの深さによって様々な傾斜面(slope 1乃至slope n)を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0099】
直流電圧の場合、直流電圧の強度および印加時間を組み合わせて様々な形状のパターンを形成することができ、交流電圧を利用する場合、それぞれ正電圧および負電圧の大きさ、割合、および、周期を組み合わせて、様々な形状のパターンを形成することができるのは自明である。
【0100】
図18は本発明の更なる別の実施例に係るパターン形成された透明な導電膜を利用したポリマーまたはレジストパターンの形成方法について説明するために供されたものである。
【0101】
図18に示したように、パターン形成された複数の透明な導電膜(525)を拡散膜(430)の表面に形成して、各々の透明な導電膜(525)に印加される印加電圧の強度(V1, V2, V3)および印加時間をそれぞれ制御して、一回の露光工程をもって部分ごとに互いに異なる形状の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。このような部分ごとに異なる形状の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンはアドレッシング法によって、透明な導電膜(525)に印加される印加電圧の強度および印加時間を部分ごとに制御すると、拡散膜(430)の表面に形成された各々の透明な導電膜(525)ごとに光の透過度および進行方向が別々に制御される。したがって、全ての部分が同じ形状のパターンが形成されるのではなく、アドレッシング法によって部分ごとに互いに異なる様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンが形成される。ここで、各々の透明な導電膜(525)に選択的に電圧を印加するために、アドレッシング法として、一般的な液晶をアドレッシングする(広く知られている)従来のパッシブ・アドレッシング法、または、アクティブ・アドレッシング法のいずれかを使用しても良い。また、簡単に、片方側の電極を共通電極として使用し、その反対面側の電極を列方向にパターン形成して制御し、または、スイッチング素子でアクティブアドレッシングを行う方法を使用することも可能である。
【0102】
図19乃至22は屈折膜の形態に沿った種々の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストの形成方法を説明するために供された図である。
【0103】
図19(a)は概して三角形の形状の、2つの傾斜面を有する両面プリズムまたは両面プリズムシート(530)を屈折膜として使用した場合を説明するための図である。図19(a)に示すように、光が2つの傾斜面(θ、θ´)を有する両面プリズムまたは両面プリズムシート(530)を透過すると、2つの角度に屈折され、その屈折された2つの光は拡散膜(430)を透過して拡散される。拡散された光はポリマーまたはレジスト膜(410)において空間的に合わせられて進行する。それにより、様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。図19(b)は、上記図19(a)により製作された3次元非対称構造のポジ型感光性フォトレジストパターンの写真である。
【0104】
次に、図20(a)は、連続的な傾斜面を有する曲面プリズムまたはプリズムシート(540)を屈折膜として使用した場合を説明するために供された図である。図20(a)に示すように、光が屈折膜(540)の曲面に対して連続してその屈折角度が変わるので、位置によってそれぞれ異なる角度で傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。左側に示した傾斜角度が小さい場合には、パターンが少なく傾斜し、そして、右側に近づくにつれ、傾斜角度が急になり、パターンが大きく傾斜するようになる。図20(b)は、図20(a)により製作された3時限非対称構造のポジ型感光性フォトレジストパターンの写真である。位置によって傾斜角度(35,40,44°)が変わってくることが示されている。
【0105】
次に、図21は連続的な傾斜面を有する半球形曲面形状のプリズムまたはプリズムシート(541)を屈折膜を使用した場合を説明するために供された図である。図21に示したように、半球形曲面形状のプリズム(540)が形成されるので、左側の傾斜角度によって左側の部分においては左側に傾斜するように光が照射され、それにより、左側に傾斜した3次元形状(545)が形成される。一方で、中間領域においては傾斜していない形状(546)が、右側の領域においては右側に傾斜した3次元形状(547)が形成される。
【0106】
次に、図22は傾斜角度が位置によって異なるように形成されたプリズムまたはプリズムシート(550)を屈折膜として使用した場合を説明するために供された図である。図22に示したように、光が入射される部分におけるプリズムの位置別傾斜角度によってそれぞれ異なるように光が屈折されるので、対応する位置によって互いに異なるように傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンが形成される。
【0107】
このように、図19乃至図22に示した方法を組み合わせて、屈折膜の位置に沿って光を異なる角度で屈折させると共に、拡散膜を用いて位置ごとにそれぞれ異なるように拡散度および強度を制御すると、非常に複雑で多様な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを簡単に形成することができるのは自明である。
【0108】
図23は、ポリマーまたはレジストの形成方法によってポリマーまたはレジストパターンの傾斜を制御する方法を説明するために供された図である。今まで説明した図とこれらに関する詳細な説明は、ポリマーまたはレジストパターンが半ばまで露光された例についてされたものである。しかしながら、図23に示したように、(厚さが)薄いポリマーまたはレジスト膜(410)を用いて、ポリマーまたはレジスト膜(410)の底部まで露光させると、3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンの傾斜角度を必要に応じて自由自在に制御することができる。
【0109】
図24は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を利用した一実施例としてパターンの転写方法を説明するために供された図である。図24に示したように、まず、転写しようとする転写膜(600)を基板(400)上に形成し、転写膜(600)上にポリマーまたはレジスト膜(410)を形成する。前記ポリマーまたはレジストの形成方法を用いて、ポリマーまたはレジスト膜(410)に所定のポリマーまたはレジストパターンを形成する。次いで、形成されたポリマーまたはレジストのパターンを用いて前面をイオンミリーング(ion milling)、プラズマエッチング(plasma etching)などの半導体製作工程に用いられるエッチング加工を行うと、ポリマーまたはレジスト膜(410)に形成されたポリマーまたはレジストパターンがそのまま転写膜(600)に同じパターン(610)で転写される。このとき、転写膜(600)と、ポリマーまたはレジスト膜(410)のエッチング比を制御することで、傾斜または表面形状のサイズにおける差異を大きくまたは小さくすることが可能である。
【0110】
図25(a)は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた別の実施例として金型の形成方法を説明するために供された図である。
【0111】
図25(a)に示したように、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法により形成された様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン(560,561)の上に、金型材料であるプラスチックまたはポリマーを注いで、固める。その後、もとのポリマーまたはレジストパターン(560)、および、プラスチックまたはポリマーの金型(565,566)を、エッチング液を利用し、または、物理的に除去するなどして、もとのポリマーまたはレジストパターン(560)を転写させた新たなポリマーまたはポリマー金型(565,566)を製作する。このような金型の形成方法によって、スタンプの型(元型)を形成し、または、微小流体チャネルを形成することができる。
【0112】
図25(b)は、図25(a)の金型の形成方法によって形成された様々な3次元構造のプラスチックまたはポリマー金型である。左側の写真(570)は、屈折膜が使用されていない場合で、対称構造を示している。これに対して、23°傾斜角度を有するプリズムが使用された真ん中の写真(571)、および、39°傾斜角度を有するプリズムが使用された右側の写真(572)の場合には、それぞれ非対称的な金型を形成することができる。
【0113】
図26は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた更なる別の実施例で、金属薄膜パターン形成方法を説明するために供された図である。
【0114】
図26に示したように、金属薄膜パターンの形成方法は前述の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーあるいはレジストパターン、または、転写されたパターンを用いて、様々な曲面を有する3次元非対称構造の金属薄膜を形成することができる。即ち、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法によって形成された様々な傾斜角度および形状のポリマーあるいはレジストパターン、または、転写されたパターンの構造の上に、スパッタリング(sputtering)などの種々の薄膜蒸着法、または、めっきなどの厚膜法を用いて、パターン上に金属薄膜(580)を形成することができる。その後、除去液処理(wet etching)または乾式エッチング(dry etching)によってポリマーまたはレジストパターンを除去すると、様々な傾斜または形状を有する3次元非対称構造の金属薄膜を形成することができる。
【0115】
図27は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた更なる別の実施例で、金属パターンの形成方法を説明するために供された図である。
【0116】
図27に示したように、金属パターンの形成方法は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法によって形成された様々な傾斜および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン上に金属薄膜(590)を蒸着した後、その上にめっきによって金属パターン(595)をさらに形成する。元のポリマーまたはレジストパターンは、エッチング液を用いて、または、物理的に除去することで、除去して、元のパターンを転写した新たな金属パターン(595)を形成する。このような方法によって、パターンを繰り返し焼き付けるための逆状のスタンプの型(元型)を製作することができる。
【0117】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。本明細書に記載された内容に基づいて、当業者が上記好ましい実施例を変更して実施するか、または、それを応用することができることは明らかである。そのような変更または応用はもっぱら特許請求の範囲により定められる本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】従来のリソグラフィプロセスを利用したポジ型感光性ポリマーパターンの形成方法を順次に示す。
【図2】従来のポリマーパターンを利用して製作された金属パターンの断面図である。
【図3】従来のレジストパターンの形状を傾斜させるための方法を示す。
【図4】従来の円形形状のポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を示す。
【図5】従来の様々な3次元形状のポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を示す。
【図6】本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【図7】本発明の別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【図8】本発明の更なる別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【図9】本発明の屈折膜について説明するために供された図である。
【図10】本発明に係る様々な形態の屈折膜の実施例を示したものである。
【図11】本発明に係る様々な形態の屈折膜の実施例を示したものである。
【図12】本発明に係る拡散膜の一実施例として用いられるディフューザを説明するために供された図である。
【図13】本発明に係る拡散膜として凸凹した表面を有するディフューザを用いてポリ型感光性フォトレジストに製作した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンの電子顕微鏡写真である。
【図14】本発明に係る高分子分散型液晶膜を説明するために供された図である。
【図15】本発明の屈折幕としてプリズムまたはプリズムシートを用い、かつ、拡散膜として高分子分散型液晶膜を利用した実施例を示した図である。
【図16】拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧および印加時間(露光量)に沿って様々な形態で製作される3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンの電子顕微鏡写真である。
【図17】拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度および印加時間を同時に変化させる場合に起こるパターンの変化を説明するために供された図である。
【図18】本発明に係る高分子分散型液晶膜の部分ごとに拡散度および透過度をそれぞれ制御する場合に、一回の露光工程を経て様々な形状のパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図19】本発明に係る三角形の形状で2つの傾斜面を有するプリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図20】本発明に係る連続的な傾斜面を有する曲面プリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図21】本発明に係る連続的な傾斜面を有する曲面プリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図22】本発明に係る傾斜角度が位置によって異なるように形成されたプリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図23】本発明に係るポリマーまたはレジストの形成方法によってポリマーまたはレジストパターンの傾斜度を制御する方法を説明するために供された図である。
【図24】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を利用したパターンの転写方法を説明するために供された図である。
【図25】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いたプラスチックまたはポリマー金型の形成方法を説明するために供された図である。
【図26】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた金属薄膜のパターン形成方法を説明するために供された図である。
【図27】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた金属パターンの形成方法を説明するために供された図である。
【符号の説明】
【0119】
400 基板
410 ポリマーまたはレジストの膜
420 フォトマスク
430 拡散膜
440 屈折膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質のパターン、それを利用した金型、金属薄膜パターン、金属パターン、および、それらの形成方法に関する。より詳細には、ポリマーまたはレジストパターン、それを利用した金型、金属薄膜パターン、金属パターン、および、それらの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に半導体のような回路素子に金属配線を施すためには、まず所定の形状を有するポリマーパターンを形成するが、そのようなポリマーパターンは感光液の塗布工程、露光工程、および、現像工程を含んだフォトリソグラフィ(photolithography)プロセスを経て形成される。
【0003】
図1は従来のリソグラフィプロセスを利用した感光性ポリマーパターンの形成方法を示したものである。
【0004】
図1に示したように、まず基板(100)上にポリマー物質であるフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜(110)を形成した後、フォトマスク(120)を前記フォトレジスト膜(110)の上部に配置させ、フォトレジスト膜(110)が形成されている基板(100)上に光(130)を照射することで露光工程を遂行する。その後、露光されたフォトレジスト膜(100)に現像工程を行って、光に反応したフォトレジスト膜(110)の一部を除去することでポリマーパターンを形成する。
【0005】
このように、一般的な半導体リソグラフィプロセスにおいては、基板上に形成された感光性ポリマーまたはレジスト膜を、幾何学的な図形のパターンを有するフォトマスクを通った紫外線またはそのほかの光に露出させ、その露出された部分を現像して、所定のパターンを形成する。ポジ型感光性レジスト(positive resist)を用いる場合には、光に露出された部分が現像液に溶解してパターンが形成され、ネガ型感光性レジスト(negative resist)を用いる場合には、光に露出されていない部分が現像液に溶解してパターンが形成される。
【0006】
図2は従来のリソグラフィプロセスによって形成された感光性ポリマーまたはレジストパターン、および、金属パターンの断面図を示したものである。
【0007】
図2に示したように、感光性ポリマーまたはレジストパターンの断面は基板上に光を照射する露光工程を行う際に、基板に垂直して光を照射するため、ポリマーまたはレジストパターンが長方形の垂直構造をなす。(S. Wolf and R. N. Tauber, "Silicon Processing for the VLSI Era, Volume 1 - Process Technology", Lattice Press, pp. 408, 1986)
したがって、断面が長方形を有するポリマーパターンを利用した高集積回路素子などに配線された金属もまた該ポリマーパターンの上に形成されるので、同じく、断面が長方形である金属パターンを有する。(R. C. Jaeger, "Introduction to Microelectronic Fabrication", Prentice Hall, pp. 167, 2002)
ところが、長方形の垂直断面を有する従来のポリマーパターンまたは金属パターンだけでは、多様化されつつある半導体製作工程および3次元構造体に対する需要を満たすことができない。様々な半導体関連技術が開発され、その応用分野が多様化されるにつれ、従来とは違って、傾斜した形状を有するポリマーぺターンおよび金属パターンなどの3次元構造体が必要となりつつある。
【0008】
3次元構造および形状を作るために種々のリソグラフィ技術が開発されている。そのうち、傾斜リソグラフィ(inclined lithography)は垂直方向から傾斜した構造を作るのに有用な技術で、微小流体システムを製作するに広く用いられている。一般的なフォトリソグラフィの場合、フォトマスクと、基板に垂直に入射する平行光とを用いて露光するに対して、図3(a)に示したような傾斜リソグラフィの場合、基板(150)とフォトマスク(170)とに対して一定の角度(θ)で傾斜して入射される平行光(170)を用いて露光させる。その結果、一定の角度で傾斜した形状のパターンを形成することができる。左側(180)は、露光された部分が除去され、露光されていない部分が残るいわゆるポジ型感光性フォトレジストの場合であり、右側(181)は、露光された部分が残り、露光されていない部分が除去されるネガ型感光性フォトレジストの場合である。以下に示す参考文献には、このような傾斜リソグラフィを利用して微小流体の移動経路を作り、または、フィルターを製作する例が記載されている。H. Sato, T. Kakinuma, J. S. Go, S. Shoji "In-channel 3-D micromesh structures using maskless multi-angle exposures and their microfilter application" (Sen. Actuators A, vol. 111, pp. 87-92, 2004)、および、R. Yang, J. D. Williams, and W. Wang, "A rapid micro-mixer / reactor based on arrays of spatially impinging micro-jets" (J. Micromech. Microeng.,vol. 14, pp. 1345-1351, 2004)
また、傾斜リソグラフィを用いて、傾斜したもっと複雑な3次元構造を製作するために、ピンを固定したまま光源を回転させて露光する技術と、光源を固定したままフォトマスクと基板とが置かれているステージ(stage)を回転させて露光する技術などが開発されている。これらの技術を用いる場合に、光源または基板を自由自在に回転させながら数回露光させて、様々な3次元曲面形状のパターンを製作することができる。
【0009】
光源を固定したまま基板だけを回転させる傾斜・回転リソグラフィ法(M. Han, W. Lee, S.-K. Lee, and S. S. Lee, "3D microfabrication with inclined/rotated UV lithography", Sen. Actuators A, vol. 111, pp. 14-20, 2004)、および、多方向性リソグラフィ法(Y.-K. Yoon, J.-H. Park, and M. G. Allen, "Multidirectional UV lithography for complex 3-D MEMS structures", J. Microelectromech. Syst., vol. 15, pp. 1121-1130, 2006)が広く使われている。図3(b)は前記多方向性リソグラフィ法を実施するための供されるリソグラフィ装置である。回転ステージ(190)によって基板を回転させ、傾斜して露光し、3次元パターンを作る。
【0010】
結果的に、これらの技術は全て露光をための光源を回転させる装置、または、露光される基板あるいは基板が置かれるステージを回転させる装置などを備えた特殊なリソグラフィ装置を必要とする問題があった。したがって、前記傾斜した3次元形状を製作するためには、紫外線源(光源)または基板の回転を可能とするリソグラフィ装置が必要となる。また、複雑で傾斜した構造を作るためには、紫外線源および基板の回転を制御する装置を用いて連続的に傾斜角度を変化させ回転させなければならない、といった、難点があった。
【0011】
一方、ポリマーまたはレジストに3次元形状のパターンを作成するために次のとおりのリソグラフィ法が開発されている。図4に示したように、大韓民国特許第10−0649937号(発明の名称:ポリマーパターンの形成方法およびそれを利用した金属薄膜パターン、金属パターン、プラスチック製金型の構造、および、それらの形成方法 )には、基板(200)上にポリマー膜(201)を形成し、フォトマスク(202)を通じて任意に進行する光(205)を通過させ、円形の断面を有するポリマーパターン(206,207)を形成する。これは、露光経路にディフューザシート(diffusion sheet)を置くことで、光を散乱させ、ポリマーに照射される光を任意の方向に進行させる方法を用いたものである。これによって、3次元形状のポリマーパターンおよび様々な金属パターンを製作することができる。
【0012】
さらに、図5に示したように、大韓民国特許第10−0643684号(発明の名称:ポリマーまたはレジストパターンおよびそれを利用した金属薄膜パターン、金属パターン、プラスチック製金型、並びに、それらの形成方法 )によれば、円形形状ないし四角形状の様々な3次元形状のパターンを作成することができる。基板(300)上にポリマーまたはレジスト膜(310)を形成し、フォトマスク(320)を配置し、露光すべき領域(350)と露光しない領域(351)とを形成し、露光経路に光制御膜(340)を配置し、光の進行特性および強度を制御することで、ポリマーまたはレジストに形成される形状を円形形状(354)乃至四角形状(355)など多様に制御することができる。
【0013】
しかしながら、これらの方法を用いる場合、簡単に3次元形状の構造体を作成することが可能であるが、露光工程において光を散乱させるディフューザ、または、光の方向を制御する光制御膜としての高分子分散型液晶膜を用いる場合、光の進行方向を空間上に対称的に制御する。したがって、製作される3次元形状はもっぱら対称的な空間構造だけを有する。その結果、様々な用途のために特定角度で傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成し難いという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前述の問題を解決するために、本発明は、従来のリソグラフィ装置を用いてリソグラフィプロセスを行う際に、入射光の進行方向と共に拡散度および強度を制御して、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、および、その形成方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、リソグラフィプロセスを行う際に、入射光の進行方向、拡散度、および、透過度を部分ごとに制御し、位置によって様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン、および、その形成方法を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、前記3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを利用した金型およびその形成方法を提供する。
【0017】
さなに、本発明は、前記3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを利用した金属薄膜パターン、および、その形成方法を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、前記3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを利用した金属パターン、および、その形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本発明の一実施例に係るパターンの形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、および、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質膜の前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップを含むことを特徴とする。
【0020】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0021】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0022】
ここで、前記基板が、透明な基板であっても良い。
【0023】
前記ステップ(b)において、前記透明な基板の上部または下部に、フォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0024】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0025】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0026】
ここで、前記拡散膜の拡散度を順次に変化させて制御するのが好ましい。
【0027】
ここで、前記拡散膜の拡散度を前記拡散膜の部分ごとに制御するものであっても良い。
【0028】
ここで、前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を順次に変化させて制御するものであっても良い。
【0029】
ここで、前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を部分ごとに制御するものであっても良い。
【0030】
ここで、前記高分子分散型液晶膜の両方の断面、または、いずれか一方の断面上にパターン形成された電極を形成するものであっても良い。
【0031】
ここで、前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成して単純マトリックスを駆動させるものであっても良い。
【0032】
ここで、前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成してスイッチング素子を通じてアクティブマトリックスを駆動させるものであっても良い。
【0033】
ここで、(e)前記拡散膜と前記感光性物質の膜との間に、前記拡散膜の表面に複数の透明な導電膜を形成するステップを含んでも良い。
【0034】
ここで、前記複数の透明な導電膜にそれぞれ異なる電圧を印加しても良い。
【0035】
前記ステップ(d)において、前記感光性物質の底部まで露光させて前記パターンを形成しても良い。
【0036】
前記ステップ(a)において、前記基板上に転写膜を形成し、そして、前記転写膜上に前記感光性物質の膜を形成することを含んでも良い。
【0037】
ここで、(e)前記パターンをエッチング加工して、前記転写膜に前記パターンを転写するステップを含んでも良い。
【0038】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0039】
前記本発明の一実施例に係るパターンの形成方法により形成された感光性物質のパターンは、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【0040】
本発明に係る別の実施例に係る金型の形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、(e)前記パターン上に金型材料を塗布して固化するステップ、および、(f)前記パターンから固化された前記金型材料を分離するステップを含むことを特徴とする。
【0041】
ここで、前記金型材料が、プラスチック、または、ポリマーであるのが好ましい。
【0042】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0043】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0044】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0045】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0046】
ここで、前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0047】
ここで、前記金型の形成方法により形成された金型の構造は、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【0048】
本発明の別の実施例に係る金属薄膜のパターン形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、および、(f)前記パターンを除去するステップを含むことを特徴とする。
【0049】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0050】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0051】
前記ステップ(e)において、スパッタリングを含む薄膜蒸着法、または、めっきを含む厚膜形成法を用いて金属薄膜を形成しても良い。
【0052】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0053】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0054】
ここで、前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0055】
前記金属薄膜のパターン形成方法により形成された金属薄膜のパターンは、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【0056】
本発明の別の実施例に係る金属パターンの形成方法は、(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、(f)めっきにより前記金属薄膜上に金属パターンを形成するステップ、および、(g)前記パターンから形成された前記金属パターンを分離するステップを含むことを特徴とする。
【0057】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0058】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決めても良い。
【0059】
ここで、前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートであるのが好ましい。
【0060】
ここで、前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜であるのが好ましい。
【0061】
ここで、前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストであるのが好ましい。
【0062】
前記金属パターンの形成方法により形成された金属パターンは、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有している。
【発明の効果】
【0063】
本発明によれば、従来のリソグラフィプロセスにおいて使用されていた手段および方法とは違って、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを簡便に形成することができる。
【0064】
また、本発明は、ポリマーまたはレジストパターンを製作する際に、リソグラフィプロセス中の露光工程において、光(ポリマーまたはレジスト膜を反応させる)の進行方向、光散乱の程度、および、光の透過度を調整して、円形ないし長方形の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0065】
さらに、本発明は、光の進行方向、拡散の程度、および、強度を、露光工程を行っている間に様々に変化させて、1つのポリマーまたはレジスト膜に予め計画した様々な曲率または傾斜した形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0066】
さらに、本発明は位置ごとに光の進行方向、拡散の程度、および、強度を自由自在に組み合わせて、水平または垂直方向に1つ以上の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。このようなパターンは単にプラスチック成形またはエッチング加工などによって別の膜に転写させることができる。また、それらを利用すると、球面または非球面のマイクロレンズを簡単に製作することができ、非常に多様でかつ複雑な構造も問題なく製作することができる。
【0067】
さらに、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンを利用したプラスチックまたはポリマー製金型の構造は、従来技術に比べてもっと多様で複雑な構造を、むしろ非常に簡単に製作することを可能とし、それにより、広い面積にも適用可能であり、しかも材料代を低く抑えることができる。しがたって、この応用例のうち従来マイクロスケールの流体経路装置およびマイクロレンズなどに比べてその活用度が増すと予想される。
【0068】
さらに、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンを用いて金属膜を蒸着する場合に、従来の半導体製作技術によっては製作することができなかった様々な形状を有する3次元非対称構造の金属薄膜および金属パターンを形成することができる。
【0069】
本発明は、従来の半導体製作技術およびリソグラフィプロセスによっては製作することができなかった様々な形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを簡便かつ簡単に製作することを可能とする。このような技術は、マイクロレンズの製作、金属薄膜の蒸着、プラスチック金型の製作、表面が凸凹した構造体の製作などを含めて幅広い分野において利用・適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。なお、図中、同一の構成要素については同一の符号を付した。
【0071】
図6は本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【0072】
まず、基板(400)上に感光性ポリマーまたはレジストを塗布し、感光性ポリマーまたはレジスト膜(410)を形成した後、ポリマーまたはレジスト膜(410)上にフォトマスク(420)を形成し、若しくは、ポリマーまたはレジスト膜(410)の表面に埋め込みマスク(embedded mask)を形成する。次いで、露光を行うための光の経路上に、入射した光を屈折させる屈折膜(440)と、光を拡散させる拡散膜(430)とを配置させる。このように屈折膜(440)および拡散膜(430)を透過した光をポリマーまたはレジスト膜(410)に照射して、傾斜した円形の断面ないし四角の断面を有する様々なパターンと角度(θPR)とを有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成する。ここで、屈折膜(440)と拡散膜(430)とは光経路上の任意の位置に配置されているならば、上記効果を奏し得る。
【0073】
フォトマスク(420)は、通常のリソグラフィプロセスに用いられるような透明な石英基板の上層にクロム薄膜が塗布された形態であっても、直接ポリマーまたはレジスト膜(410)の表面に金属を蒸着した後パターン形成して得られた埋め込みマスクの形態であっても良い。フォトマスク(420)の下に置かれているポリマーまたはレジスト膜(410)はフォトマスク(420)を透過した光に露出した部分(450)と、そうでない部分(451)とに分かれる。このような露光工程が終わってたら現像液処理を行うと、ポジ型感光性ポリマーまたはレジストの場合、光に露出されていない部分(451)が残る。逆に、ネガ型感光性ポリマーまたはレジストの場合、露光された部分(450)が残る。このように形成された、図6の左側に示したポリマーまたはレジストパターン(455)はポジ型感光性ポリマーまたはレジストの場合であり、図6の右側に示すポリマーまたはレジストパターン(456)はネガ型感光性ポリマーまたはレジストである。
【0074】
前述の本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法は、従来のリソグラフィプロセスにおける感光性ポリマーまたはレジストに照射される光の経路上に屈折膜(440)および拡散膜(430)を配置させ、前記光の進行方向および拡散の程度を順次に、または、部分ごとに制御することができる。ここで、拡散膜(430)の拡散の程度を順次にまたは部分ごとに制御する方法については、後述の拡散膜(430)としてのディフューザまたは高分子分散型液晶膜に係る実施例に関連して詳細に説明する。
【0075】
本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法によれば、感光性ポリマーまたはレジスト膜(410)上に、基板(400)に対して垂直または水平方向に自由自在の様々な傾斜角度または形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジスト(455,456)を形成することができる。
【0076】
図7は、本発明の別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供されたものである。
【0077】
マスクなし(maskless)のリソグラフィは、マイクロミラーアレイ(460)の動作角度によって、ポリマーまたはレジスト膜(410)に入射される光(462)と、入射されない光(463)とを制御する。このようなマイクロミラーアレイ(460)を選択的に制御することで露光すべき部分とそうでない部分を選択することができる。したがって、上記本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法において、フォトマスクなしでリソグラフィプロセスを行うことが可能となる。このように、従来のフォトマスクまたは埋め込みマスクの代わりにマイクロミラーアレイ(460)を用いて、露光させたい部分と露光させたくない部分を選択するマスクなしのリソグラフィプロセスにおいてもまた光の進行経路(即ち、露光経路)上に屈折膜(440)および拡散膜(430)を配置させ、光の屈折度および拡散の程度を制御することで、ポリマーまたはレジスト膜(410)に、基板(400)に対して垂直または水平方向に自由自在の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0078】
図8は、本発明の更なる別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を示したものである。
【0079】
まず、透明な基板(401)の上部または下部表面に金属パターンマスク(421)を形成した後、ポリマーまたはレジストを塗布して感光性ポリマーまたはレジスト膜(410)を形成する。このとき、ポリマーまたはレジスト膜(410)は透明な基板(410)の表面に金属パターン(421)が形成されている部分、または、形成されていない反対側の部分に形成することができる。次いで、露光工程を行うための光の経路上に、入射された光(図8において、光は透明な基板(410)の下方向から入射される)を屈折させる屈折膜(440)、および、光を拡散させる拡散膜(430)を配置する。このように屈折膜(440)および拡散膜(430)を通った光を透明な基板(401)を通じてポリマーまたはレジスト膜(410)に照射して、一定の角度で傾斜した円形の断面、四角の断面など様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成する。ここで、屈折膜(440)および拡散膜(430)は光経路上のどの位置に置かれていても上記効果を奏し得る。ポリマーまたはレジストが有したポジ型またはネガ型感光特性によって、図8に示したように光が照射された部分が残るか、または、光が照射されない部分が残る。
【0080】
また、金属パターン(421)にて透明な基板(401)に露光される部分と露光されない部分とを決めるに代えって、フォトマスクまたはマイクロミラーアレイを利用して露光すべき部分を決めることも可能である。
【0081】
図9は、図6に示した屈折膜(440)を説明するために供された図である。屈折膜(440)は入射した光を屈折させ、光の進行経路を変えるために設けれたものである。図9に示したように、屈折膜(440)は概して垂直断面が一定の傾斜角度(θ)を有する構造となっている。このような傾斜構造に入射された光は、スネルの法則(Snell’s law)により、図に示した数式(光が進行する媒質は空気である(即ち、n=1)と仮定する)のように、屈折膜(440)の傾斜角度(θ)および屈折率(n)によって透過される光の屈折角度(θ’)が決められる。このように一定の傾斜角度(θ)の垂直断面を有する典型的なものとして、プリズムまたはプリズムシートが用いられ得る。前述の通り屈折膜(440)によって一定の角度(θ’)で屈折された光が拡散膜(430)に入射すると、一定角度で傾斜した複数の方向に拡散される。このような光をフォトマスクを透過させ、ポリマーまたはレジスト膜の露光工程を行う。図9においては、2次元垂直平面を基準として説明したが、3次元空間においても同様の原理を用いることができるのは自明である。
【0082】
図10および11は様々な形態の屈折膜に係る実施例を示したものである。
【0083】
図10に示したように、最初に図示された屈折膜(470)には、プリズムまたはプリズムシートの垂直断面(a-a’の方向)に直角三角形の形状を有する傾斜面が反復的に形成されている。この場合、屈折膜(470)に入射される光は全て同じ方向に屈折され、透過される。このような傾斜パターンがa-a’の断面において一定に反復されているので、この方向においては一定の光の屈折現象が起こる。これに対して、b−b’の断面においては、傾斜パターンが形成されないように構成されているので、この方向においては光の屈折現象が起こらない。真ん中に示した屈折膜(472)には、プリズムまたはプリズムシートの垂直断面が三角形の形状を有する(即ち、2つの傾斜面を有する)複数の傾斜面が反復的に形成されている。この場合、屈折膜(472)に入射される光は二方向に屈折され、透過される。一番下に示した屈折膜(474)には、プリズムまたはプリズムシートの垂直断面が曲面または球面の形状を有する複数の傾斜面が反復的に形成されている。この場合、屈折膜(474)の位置によって光が様々な角度で屈折して、進行する。
【0084】
また、プリズムまたはプリズムシートにおける傾斜面の形状は、図10に示したような反復的な線形の形態とは違って、図11に示したような、四角錐(476)、三角錐(478)、または、六角錐(480)などの多角錐または円錐(482)の形状が反復的に形成された傾斜面であってもよい。このとき、入射される光は、傾斜面の空間的な形状による入射角度、および、プリズムを構成する材料の屈折率によって、その屈折角度が定められる。そのほかにも、球形、半球形などの曲面の形状と任意の凸凹または傾斜面も屈折膜として用いられるのは自明である。
【0085】
さらに、前述のプリズムまたはプリズムシート(470,472,474,476,478,480,482)の空間的な位置によって形状および傾斜を異ならせて、その空間的な位置ごとに光の屈折角を様々に制御することができる。
【0086】
図12は、図6に示した拡散膜(430)に係る一実施例として用いられるディフューザを説明するために供された図である。ディフューザ(495)は入射された光を散乱させて進行させるものである。概して、表面が蛋白石で被覆され、または、表面をざらざらにして光を散乱させる。図12に示したように、屈折膜として、プリズム(490)またはプリズムシート(491)を用いて光が屈折され、その屈折された光がディフューザ(495)を通過すると光が散乱される。したがって、光は屈折膜(490,491)を通って屈折して、傾斜して入射されるので、フォトマスク(420)を通じてポリマーまたはレジスト膜(410)に露光される形状(497)は一定の角度(θPR)で傾斜した3次元非対称構造を有する。その後、現像させると、3次元非対称構造のポリマーまたはレジストを形成することができる。図12は、ポジ型感光性ポリマーまたはレジストを示したものであるが、ネガ型感光性ポリマーまたはレジストを用いた場合には、露光された部分が残り、露光されていない部分は除去される。
【0087】
図13は拡散膜として表面が凸凹したディヒューザを用いてポジ型感光性フォトレジストに形成したポリマーまたはレジストパターンである。図13に示したように、一定角度で傾斜した非対称構造の円形の形状が形成された。左側は23°の傾斜角度、右側は39°の傾斜角度を有するプリズムを屈折膜として使用した場合を示す。結果的に、傾斜角度の差異によって、互いに異なるタイプのポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0088】
図14は図6の拡散膜(430)の一実施例に当たる高分子分散型液晶膜について説明するために供された図である。
【0089】
図14(a)は拡散膜としての高分子分散型液晶膜を示した図である。図14(a)に示したように、高分子分散型液晶膜(503)は両側に透明な導電膜が蒸着された2つのガラス基板(501)間に設けられている。このとき、高分子分散型液晶膜(503)は内部の高分子液晶(505)に入射される光の散乱程度によって光の透過度が決められ、ネマチック(nematic)液晶とは異なり偏光板が不要である。このような高分子には、多数の液晶分子粒が分散されているもの、網状高分子中に液晶が含まれているものなど様々なタイプがある。このような高分子分散型液晶膜(503)は両側の面に形成された透明な導電膜に電圧が印加されないと、高分子分散型液晶膜(505)が不規則に配列され、媒体と屈折率が異なる界面で散乱を引き起こす。しかしながら、透明な導電膜に一定の電圧が印加されると、高分子分散型液晶膜(505)の方向が電気場の方向に沿って整列され、それにより、光が完全に透過可能な状態となる。(G. Spruce and R. D. Pringle, Electronics & Communication Engineering Journal, pp. 91-100, 1992)
図14(b)は、透明な導電膜に印加される印加電圧の大きさ(rms-root mean square value)に沿った光の透過度(%)を示した図である。図14(b)に示したように、高分子分散型液晶膜は印加電圧(rms)が増加するにつれ、光の透過度(%)が増加することがわかる。(G. Spruce and R. D. Pringle, Electronics & Communication Engineering Journal, pp. 91-100, 1992)
ここで、高分子分散型液晶膜の両側の面に形成された透明な導電膜に印加された印加電圧の大きさおよび印加時間を適当に制御することで、高分子分散型液晶膜の光散乱の程度、即ち、拡散度と透過度とを連続的に制御することが可能であり、光散乱の程度によって光を拡散させ、光の進行方向を定めることができる。したがって、感光性ポリマーまたはレジスト膜に投射される光の量と反応する領域の形状が、透明な導電膜に印加される印加電圧の大きさ、および、印加時間によって変わってくるので、様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0090】
ここで、高分子分散型液晶膜に印加される電圧は直流電圧(DC voltage)であっても、交流電圧(AC voltage)であっても良い。直流電圧を印加する場合に、直流電圧の大きさによって、拡散の程度、および、透過される光の量が制御される。一方で、交流電圧を印加する場合に、正電圧と負電圧の大きさ、比率、および、周期を調整して、交流電圧のRMS(Root-Mean-Square)値の大きさによって、拡散の程度、および、透過される光の量が制御される。また、透明な導電膜はパターン形成されていない共通電極に用いられても良く、単純マトリックス(passive matrix)方式またはアクティブマトリックス(active matrix)方式のうちいずれかにも使用可能である。このような高分子分散型液晶膜はガラス基板または透明な導電膜だけでなく、曲げられるポリマー基板または導電性ポリマーのような様々な形態で構成することができる。また、フォトマスクに付着された形態で製作することも可能である。
【0091】
図15は3次元非対称ポリマーまたはレジストパターンの形成方法を示したものである。屈折膜(440)として図10に示されたプリズムまたはプリズムシートを、そして、拡散膜(430)として高分子分散型液晶膜を利用した一実施例である。まず、露光する際に、光の経路上に拡散膜として高分子分散型液晶膜(430)を配置させ、その上に屈折膜としてプリズムシート(440)を配置させる。このとき、高分子分散型液晶膜(430)とプリズムシート(440)はフォトマスク(420)の上部に配置するのが一般的リソグラフィ装置を使用するにおいて便利でかつ好ましいが、光経路上のいずれかの位置に置かれていても同じ効果を期待することができる。プリズムシート(440)を通って屈折した光が高分子分散型液晶膜(430)に入射され、入射された光は高分子分散型液晶膜(430)に印加された電圧の大きさにしたがって光散乱の程度、すなわち、拡散度および強度が制御され、投射される。この光をフォトマスク(420)を透過させ、ポリマーまたはレジスト膜(410)を露光させると、円形、長方形などの様々な形状の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0092】
図16は拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧および印加時間(露光量)に沿ったパターンの変化について説明するために供された図である。
【0093】
まず、図16(a)の露光量、すなわち、露光時間を一定に維持しながら、拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の大きさを変化させて形成した3次元非対称ポリマーまたはレジストパターンの変化について説明する写真である。図16(a)に示したように、印加時間(20μm)を一定に維持しながら印加電圧の強度を0V,4V,10Vに変化させると、この印加電圧の変化によって拡散度および透過度が制御されるので、垂直方向の高さが低い円形から次第に垂直方向の高さが高くなる円形、そして、一般的なリソグラフィプロセスによって得られる長方形のパターンに至るまでに様々な傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを得ることができる。また、傾斜角度によって屈折角度が変わり、それにより、形状が変わることがわかるが、左側の電子顕微鏡写真は23°の傾斜角度、右側の電子顕微鏡写真は39°の傾斜角度のプリズムを利用した場合である。
【0094】
図16(b)は拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧を一定に維持しながら、光の印加時間(露光量)における変化によって形成される3次元非対称ポリマーまたはレジストパターンの変化を説明する写真である。左側の写真のパターン(露光量1000mJ/cm2)に対して、右側の写真のパターン(露光量2500mJ/cm2)は印加時間(即ち、露光量)を増加させたもので、垂直方向に深くなり、傾斜が急になっていることがわかる。また、上のほうの写真は傾斜角度23°のプリズムを用いて製作したレジストパターンであり、下のほうの写真は傾斜角度39°のプリズムを用いて製作したレジストパターンである。使用される屈折膜による傾斜角度が急になるにつれ、パターンがさらに傾斜し、非対称的な形状で製作される。このように、高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度における変化だけでなく、印加時間(露光量)を制御することで様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを得ることができる。
【0095】
前記図16の例はポジ型感光性レジストパターンに対する説明に当たるが、ネガ型感光性ポリマーまたはレジストパターンの場合にも、前記図16における開いている部分と残存している部分が逆となる様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成できることは自明である。
【0096】
図17は拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度および印加時間を同時に変化させる場合のパターンの変化を説明するために供された図である。
【0097】
まず、図17(a)は高分子分散型液晶膜(510)に印加される印加電圧を変化させる(V1からV2に)とともに、印加時間を変化させた(t1からt2に)場合を説明するための図である。図示したように、露光工程において高分子分散型液晶膜(510)に印加される印加電圧の強度および印加時間を同時に制御すると、パターンの深さによって互いに異なる形状および曲率を有するポリマーまたはレジストパターンを得ることができ、前記制御によってより多様でかつ複雑な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0098】
次いで、図17(b)は高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧を変化させる(V1,V2,V3…Vn)と共に、印加時間を様々に変化させた(T1,T2,T3…Tn)場合を説明するための図である。図示したように、露光工程において高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度をそれぞれV1からVnまでに、そして、各電圧に対する印加時間をそれぞれT1からTnまでに変化させた場合、パターンの深さによって様々な傾斜面(slope 1乃至slope n)を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。
【0099】
直流電圧の場合、直流電圧の強度および印加時間を組み合わせて様々な形状のパターンを形成することができ、交流電圧を利用する場合、それぞれ正電圧および負電圧の大きさ、割合、および、周期を組み合わせて、様々な形状のパターンを形成することができるのは自明である。
【0100】
図18は本発明の更なる別の実施例に係るパターン形成された透明な導電膜を利用したポリマーまたはレジストパターンの形成方法について説明するために供されたものである。
【0101】
図18に示したように、パターン形成された複数の透明な導電膜(525)を拡散膜(430)の表面に形成して、各々の透明な導電膜(525)に印加される印加電圧の強度(V1, V2, V3)および印加時間をそれぞれ制御して、一回の露光工程をもって部分ごとに互いに異なる形状の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。このような部分ごとに異なる形状の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンはアドレッシング法によって、透明な導電膜(525)に印加される印加電圧の強度および印加時間を部分ごとに制御すると、拡散膜(430)の表面に形成された各々の透明な導電膜(525)ごとに光の透過度および進行方向が別々に制御される。したがって、全ての部分が同じ形状のパターンが形成されるのではなく、アドレッシング法によって部分ごとに互いに異なる様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンが形成される。ここで、各々の透明な導電膜(525)に選択的に電圧を印加するために、アドレッシング法として、一般的な液晶をアドレッシングする(広く知られている)従来のパッシブ・アドレッシング法、または、アクティブ・アドレッシング法のいずれかを使用しても良い。また、簡単に、片方側の電極を共通電極として使用し、その反対面側の電極を列方向にパターン形成して制御し、または、スイッチング素子でアクティブアドレッシングを行う方法を使用することも可能である。
【0102】
図19乃至22は屈折膜の形態に沿った種々の3次元非対称構造のポリマーまたはレジストの形成方法を説明するために供された図である。
【0103】
図19(a)は概して三角形の形状の、2つの傾斜面を有する両面プリズムまたは両面プリズムシート(530)を屈折膜として使用した場合を説明するための図である。図19(a)に示すように、光が2つの傾斜面(θ、θ´)を有する両面プリズムまたは両面プリズムシート(530)を透過すると、2つの角度に屈折され、その屈折された2つの光は拡散膜(430)を透過して拡散される。拡散された光はポリマーまたはレジスト膜(410)において空間的に合わせられて進行する。それにより、様々な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。図19(b)は、上記図19(a)により製作された3次元非対称構造のポジ型感光性フォトレジストパターンの写真である。
【0104】
次に、図20(a)は、連続的な傾斜面を有する曲面プリズムまたはプリズムシート(540)を屈折膜として使用した場合を説明するために供された図である。図20(a)に示すように、光が屈折膜(540)の曲面に対して連続してその屈折角度が変わるので、位置によってそれぞれ異なる角度で傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを形成することができる。左側に示した傾斜角度が小さい場合には、パターンが少なく傾斜し、そして、右側に近づくにつれ、傾斜角度が急になり、パターンが大きく傾斜するようになる。図20(b)は、図20(a)により製作された3時限非対称構造のポジ型感光性フォトレジストパターンの写真である。位置によって傾斜角度(35,40,44°)が変わってくることが示されている。
【0105】
次に、図21は連続的な傾斜面を有する半球形曲面形状のプリズムまたはプリズムシート(541)を屈折膜を使用した場合を説明するために供された図である。図21に示したように、半球形曲面形状のプリズム(540)が形成されるので、左側の傾斜角度によって左側の部分においては左側に傾斜するように光が照射され、それにより、左側に傾斜した3次元形状(545)が形成される。一方で、中間領域においては傾斜していない形状(546)が、右側の領域においては右側に傾斜した3次元形状(547)が形成される。
【0106】
次に、図22は傾斜角度が位置によって異なるように形成されたプリズムまたはプリズムシート(550)を屈折膜として使用した場合を説明するために供された図である。図22に示したように、光が入射される部分におけるプリズムの位置別傾斜角度によってそれぞれ異なるように光が屈折されるので、対応する位置によって互いに異なるように傾斜した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンが形成される。
【0107】
このように、図19乃至図22に示した方法を組み合わせて、屈折膜の位置に沿って光を異なる角度で屈折させると共に、拡散膜を用いて位置ごとにそれぞれ異なるように拡散度および強度を制御すると、非常に複雑で多様な3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンを簡単に形成することができるのは自明である。
【0108】
図23は、ポリマーまたはレジストの形成方法によってポリマーまたはレジストパターンの傾斜を制御する方法を説明するために供された図である。今まで説明した図とこれらに関する詳細な説明は、ポリマーまたはレジストパターンが半ばまで露光された例についてされたものである。しかしながら、図23に示したように、(厚さが)薄いポリマーまたはレジスト膜(410)を用いて、ポリマーまたはレジスト膜(410)の底部まで露光させると、3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンの傾斜角度を必要に応じて自由自在に制御することができる。
【0109】
図24は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を利用した一実施例としてパターンの転写方法を説明するために供された図である。図24に示したように、まず、転写しようとする転写膜(600)を基板(400)上に形成し、転写膜(600)上にポリマーまたはレジスト膜(410)を形成する。前記ポリマーまたはレジストの形成方法を用いて、ポリマーまたはレジスト膜(410)に所定のポリマーまたはレジストパターンを形成する。次いで、形成されたポリマーまたはレジストのパターンを用いて前面をイオンミリーング(ion milling)、プラズマエッチング(plasma etching)などの半導体製作工程に用いられるエッチング加工を行うと、ポリマーまたはレジスト膜(410)に形成されたポリマーまたはレジストパターンがそのまま転写膜(600)に同じパターン(610)で転写される。このとき、転写膜(600)と、ポリマーまたはレジスト膜(410)のエッチング比を制御することで、傾斜または表面形状のサイズにおける差異を大きくまたは小さくすることが可能である。
【0110】
図25(a)は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた別の実施例として金型の形成方法を説明するために供された図である。
【0111】
図25(a)に示したように、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法により形成された様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン(560,561)の上に、金型材料であるプラスチックまたはポリマーを注いで、固める。その後、もとのポリマーまたはレジストパターン(560)、および、プラスチックまたはポリマーの金型(565,566)を、エッチング液を利用し、または、物理的に除去するなどして、もとのポリマーまたはレジストパターン(560)を転写させた新たなポリマーまたはポリマー金型(565,566)を製作する。このような金型の形成方法によって、スタンプの型(元型)を形成し、または、微小流体チャネルを形成することができる。
【0112】
図25(b)は、図25(a)の金型の形成方法によって形成された様々な3次元構造のプラスチックまたはポリマー金型である。左側の写真(570)は、屈折膜が使用されていない場合で、対称構造を示している。これに対して、23°傾斜角度を有するプリズムが使用された真ん中の写真(571)、および、39°傾斜角度を有するプリズムが使用された右側の写真(572)の場合には、それぞれ非対称的な金型を形成することができる。
【0113】
図26は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた更なる別の実施例で、金属薄膜パターン形成方法を説明するために供された図である。
【0114】
図26に示したように、金属薄膜パターンの形成方法は前述の様々な傾斜角度および形状を有する3次元非対称構造のポリマーあるいはレジストパターン、または、転写されたパターンを用いて、様々な曲面を有する3次元非対称構造の金属薄膜を形成することができる。即ち、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法によって形成された様々な傾斜角度および形状のポリマーあるいはレジストパターン、または、転写されたパターンの構造の上に、スパッタリング(sputtering)などの種々の薄膜蒸着法、または、めっきなどの厚膜法を用いて、パターン上に金属薄膜(580)を形成することができる。その後、除去液処理(wet etching)または乾式エッチング(dry etching)によってポリマーまたはレジストパターンを除去すると、様々な傾斜または形状を有する3次元非対称構造の金属薄膜を形成することができる。
【0115】
図27は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた更なる別の実施例で、金属パターンの形成方法を説明するために供された図である。
【0116】
図27に示したように、金属パターンの形成方法は、本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法によって形成された様々な傾斜および形状を有する3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターン上に金属薄膜(590)を蒸着した後、その上にめっきによって金属パターン(595)をさらに形成する。元のポリマーまたはレジストパターンは、エッチング液を用いて、または、物理的に除去することで、除去して、元のパターンを転写した新たな金属パターン(595)を形成する。このような方法によって、パターンを繰り返し焼き付けるための逆状のスタンプの型(元型)を製作することができる。
【0117】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。本明細書に記載された内容に基づいて、当業者が上記好ましい実施例を変更して実施するか、または、それを応用することができることは明らかである。そのような変更または応用はもっぱら特許請求の範囲により定められる本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】従来のリソグラフィプロセスを利用したポジ型感光性ポリマーパターンの形成方法を順次に示す。
【図2】従来のポリマーパターンを利用して製作された金属パターンの断面図である。
【図3】従来のレジストパターンの形状を傾斜させるための方法を示す。
【図4】従来の円形形状のポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を示す。
【図5】従来の様々な3次元形状のポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を示す。
【図6】本発明の一実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【図7】本発明の別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【図8】本発明の更なる別の実施例に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を説明するために供された図である。
【図9】本発明の屈折膜について説明するために供された図である。
【図10】本発明に係る様々な形態の屈折膜の実施例を示したものである。
【図11】本発明に係る様々な形態の屈折膜の実施例を示したものである。
【図12】本発明に係る拡散膜の一実施例として用いられるディフューザを説明するために供された図である。
【図13】本発明に係る拡散膜として凸凹した表面を有するディフューザを用いてポリ型感光性フォトレジストに製作した3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンの電子顕微鏡写真である。
【図14】本発明に係る高分子分散型液晶膜を説明するために供された図である。
【図15】本発明の屈折幕としてプリズムまたはプリズムシートを用い、かつ、拡散膜として高分子分散型液晶膜を利用した実施例を示した図である。
【図16】拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧および印加時間(露光量)に沿って様々な形態で製作される3次元非対称構造のポリマーまたはレジストパターンの電子顕微鏡写真である。
【図17】拡散膜としての高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧の強度および印加時間を同時に変化させる場合に起こるパターンの変化を説明するために供された図である。
【図18】本発明に係る高分子分散型液晶膜の部分ごとに拡散度および透過度をそれぞれ制御する場合に、一回の露光工程を経て様々な形状のパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図19】本発明に係る三角形の形状で2つの傾斜面を有するプリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図20】本発明に係る連続的な傾斜面を有する曲面プリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図21】本発明に係る連続的な傾斜面を有する曲面プリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図22】本発明に係る傾斜角度が位置によって異なるように形成されたプリズムまたはプリズムシートを屈折膜として用いて、ポリマーまたはレジストパターンを形成する方法を説明するために供された図である。
【図23】本発明に係るポリマーまたはレジストの形成方法によってポリマーまたはレジストパターンの傾斜度を制御する方法を説明するために供された図である。
【図24】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を利用したパターンの転写方法を説明するために供された図である。
【図25】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いたプラスチックまたはポリマー金型の形成方法を説明するために供された図である。
【図26】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた金属薄膜のパターン形成方法を説明するために供された図である。
【図27】本発明に係るポリマーまたはレジストパターンの形成方法を用いた金属パターンの形成方法を説明するために供された図である。
【符号の説明】
【0119】
400 基板
410 ポリマーまたはレジストの膜
420 フォトマスク
430 拡散膜
440 屈折膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、および、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質膜の前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ
を含むことを特徴とするパターンの形成方法。
【請求項2】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項3】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項4】
前記基板が、透明な基板である請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項5】
前記ステップ(b)において、前記透明な基板の上部または下部に、フォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項4に記載のパターンの形成方法。
【請求項6】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項7】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項8】
前記拡散膜の拡散度を順次に変化させて制御する請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項9】
前記拡散膜の拡散度を前記拡散膜の部分ごとに制御する請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項10】
前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を順次に変化させて制御する請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項11】
前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を部分ごとに制御する請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項12】
前記高分子分散型液晶膜の両方の断面、または、いずれか一方の断面上にパターン形成された電極を形成する請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項13】
前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成して単純マトリックスを駆動させる請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項14】
前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成してスイッチング素子を通じてアクティブマトリックスを駆動させる請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項15】
(e)前記拡散膜と前記感光性物質の膜との間に、前記拡散膜の表面に複数の透明な導電膜を形成するステップを含む請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項16】
前記複数の透明な導電膜にそれぞれ異なる電圧を印加する請求項15に記載のパターンの形成方法
【請求項17】
前記ステップ(d)において、前記感光性物質の底部まで露光させて前記パターンを形成する請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項18】
前記ステップ(a)において、前記基板上に転写膜を形成し、そして、前記転写膜上に前記感光性物質の膜を形成することを含む請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項19】
(e)前記パターンをエッチング加工して、前記転写膜に前記パターンを転写するステップを含む請求項18に記載のパターンの形成方法。
【請求項20】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項21】
請求項1に記載のパターンの形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする感光性物質のパターン。
【請求項22】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項21に記載の感光性物質のパターン。
【請求項23】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、
(e)前記パターン上に金型材料を塗布して固化するステップ、および、
(f)前記パターンから固化された前記金型材料を分離するステップ
を含むことを特徴とする金型の形成方法。
【請求項24】
前記金型材料が、プラスチック、または、ポリマーである請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項25】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項26】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項27】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項28】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項29】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項30】
請求項23に記載の金型の形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする金型の構造。
【請求項31】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、
(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、および、
(f)前記パターンを除去するステップ
を含むことを特徴とする金属薄膜のパターン形成方法。
【請求項32】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項33】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項34】
前記ステップ(e)において、スパッタリングを含む薄膜蒸着法、または、めっきを含む厚膜形成法を用いて金属薄膜を形成する請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法
【請求項35】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項36】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項37】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法。
【請求項38】
請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする金属薄膜のパターン。
【請求項39】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、
(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、
(f)めっきにより前記金属薄膜上に金属パターンを形成するステップ、および、
(g)前記パターンから形成された前記金属パターンを分離するステップ
を含むことを特徴とする金属パターンの形成方法。
【請求項40】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項39に記載の金属パターンの形成方法 。
【請求項41】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項39に記載の金属パターンの形成方法 。
【請求項42】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項39に記載の金属パターン形成方法 。
【請求項43】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項39に記載の金属パターンの形成方法 。
【請求項44】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項39に記載の金属パターンの形成方法。
【請求項45】
請求項39に記載の金属パターンの形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする金属パターン。
【請求項1】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、および、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質膜の前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ
を含むことを特徴とするパターンの形成方法。
【請求項2】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項3】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項4】
前記基板が、透明な基板である請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項5】
前記ステップ(b)において、前記透明な基板の上部または下部に、フォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項4に記載のパターンの形成方法。
【請求項6】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項7】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項8】
前記拡散膜の拡散度を順次に変化させて制御する請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項9】
前記拡散膜の拡散度を前記拡散膜の部分ごとに制御する請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項10】
前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を順次に変化させて制御する請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項11】
前記高分子分散型液晶膜に印加される印加電圧、または、前記高分子分散型液晶膜に入射される光の印加時間を部分ごとに制御する請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項12】
前記高分子分散型液晶膜の両方の断面、または、いずれか一方の断面上にパターン形成された電極を形成する請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項13】
前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成して単純マトリックスを駆動させる請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項14】
前記高分子分散型液晶膜の両方の断面に配置された電極のうち1つ以上にパターンを形成してスイッチング素子を通じてアクティブマトリックスを駆動させる請求項7に記載のパターンの形成方法。
【請求項15】
(e)前記拡散膜と前記感光性物質の膜との間に、前記拡散膜の表面に複数の透明な導電膜を形成するステップを含む請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項16】
前記複数の透明な導電膜にそれぞれ異なる電圧を印加する請求項15に記載のパターンの形成方法
【請求項17】
前記ステップ(d)において、前記感光性物質の底部まで露光させて前記パターンを形成する請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項18】
前記ステップ(a)において、前記基板上に転写膜を形成し、そして、前記転写膜上に前記感光性物質の膜を形成することを含む請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項19】
(e)前記パターンをエッチング加工して、前記転写膜に前記パターンを転写するステップを含む請求項18に記載のパターンの形成方法。
【請求項20】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項1に記載のパターンの形成方法。
【請求項21】
請求項1に記載のパターンの形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする感光性物質のパターン。
【請求項22】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項21に記載の感光性物質のパターン。
【請求項23】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、
(e)前記パターン上に金型材料を塗布して固化するステップ、および、
(f)前記パターンから固化された前記金型材料を分離するステップ
を含むことを特徴とする金型の形成方法。
【請求項24】
前記金型材料が、プラスチック、または、ポリマーである請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項25】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項26】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項27】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項28】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項29】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項23に記載の金型の形成方法。
【請求項30】
請求項23に記載の金型の形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする金型の構造。
【請求項31】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、
(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、および、
(f)前記パターンを除去するステップ
を含むことを特徴とする金属薄膜のパターン形成方法。
【請求項32】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項33】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項34】
前記ステップ(e)において、スパッタリングを含む薄膜蒸着法、または、めっきを含む厚膜形成法を用いて金属薄膜を形成する請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法
【請求項35】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項36】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法 。
【請求項37】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法。
【請求項38】
請求項31に記載の金属薄膜のパターン形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする金属薄膜のパターン。
【請求項39】
(a)基板上に感光性物質を塗布して感光性物質の膜を形成するステップ、
(b)前記感光性物質の膜における露光すべき部分を決めるステップ、
(c)前記感光性物質の膜に照射される光の経路上に屈折膜および拡散膜を配置するステップ、
(d)前記屈折膜および前記拡散膜を透過する光を前記感光性物質の膜における前記露光すべき部分に照射してパターンを形成するステップ、
(e)前記パターン上に金属薄膜を蒸着するステップ、
(f)めっきにより前記金属薄膜上に金属パターンを形成するステップ、および、
(g)前記パターンから形成された前記金属パターンを分離するステップ
を含むことを特徴とする金属パターンの形成方法。
【請求項40】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜上にフォトマスク、埋め込みマスク、または、金属パターンを形成して前記露光すべき部分を決める請求項39に記載の金属パターンの形成方法 。
【請求項41】
前記ステップ(b)において、前記感光性物質の膜に照射される光の経路上にマイクロミラーアレイを配して前記露光すべき部分を決める請求項39に記載の金属パターンの形成方法 。
【請求項42】
前記屈折膜が、単一傾斜面、多重傾斜面、単一曲面、多重曲面、円錐、または、多角錐の形状が反復的に形成されたプリズムまたはプリズムシートである請求項39に記載の金属パターン形成方法 。
【請求項43】
前記拡散膜が、ディフューザ、または、高分子分散型液晶膜である請求項39に記載の金属パターンの形成方法 。
【請求項44】
前記感光性物質が、ポリマー、または、レジストである請求項39に記載の金属パターンの形成方法。
【請求項45】
請求項39に記載の金属パターンの形成方法により形成され、かつ、前記基板と垂直または水平方向に非対称的なパターンを有することを特徴とする金属パターン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2008−281996(P2008−281996A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−95762(P2008−95762)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】373−1,Gusung−dong,Yuseong−ku,Daejeon 305−701 KR
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95762(P2008−95762)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】373−1,Gusung−dong,Yuseong−ku,Daejeon 305−701 KR
【Fターム(参考)】
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