説明

物質移動カラムのための複合型液体コレクタ及びミキサ

【解決手段】コレクタ(20)は、例えば分留製品を得るために流体ストリームを処理する物質移動カラム内の上の区域からの液体を集めて混ぜ合わせるのに使用される。コレクタ(20)は、2つ又はそれ以上の液体回収領域(38、40、42)と、液体回収領域の周辺回りに配置されている2つ又はそれ以上のサンプ(28、30、33)を有している。複数のチャネルとデフレクタは、各液体回収領域(38、40、42)内に間隔を空けて配置されており、蒸気経路は、隣接するチャネルの間の空間に形成されている。デフレクタは、降下する液体をチャネルに導き、且つ蒸気経路を降下する液体から遮蔽する。各液体回収領域(38、40、42)内のチャネルは、各組が相互挿入されるように配置されており、一組のチャネルが、集められた液体を優先的に1つのサンプに送り、別の組のチャネルが、集められた液体を優先的に別のサンプに送る。サンプ内の液体の濃度と組成がより均一になるように、各液体回収領域からほぼ等量の液体が2つのサンプに送られるのが望ましい。サンプ(28、30、33)の1つ又はそれ以上は、液体をサンプ(28、30、33)から下の区域へ送るために、溢流管(34、36)を含んでいる。コレクタ(20)内の液体を混ぜ合わせることによって、別体の混合装置を使用しなくて済む。その結果、通常は混合装置が占めているカラム内の垂直方向空間を、パッキング又は他の内部構造物で満たすことができるので、カラムの効率が上がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には物質移動カラムに関しており、より具体的には、降下する液体を、そのようなカラム内の下にあるパッキングのベッド又は他の装置に均一に分布させるために集め、混合するための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物質移動カラムは、熱交換カラムを含め、通常、直立するシェルと、パッキング及び/又は水平方向に配置されたトレーを用いて、カラム内を流れる流体ストリームの間で物質又は熱を移動させ易くする前記シェル内の複数の区域と、を含んでいる。流体ストリームは、通常は、1つ又は複数の下方向に流れる液体ストリームと、1つ又は複数の上昇する蒸気ストリームであるが、別の組み合わせの流体ストリームでもよい。1つ区域の底から出る液体は、その区域の水平方向断面に亘る異なる場所では、濃度と組成が異なる。これらの濃度と組成の分布不良を少なくするため、液体は、しばしば、下方の区域に分配される前に集められ、混ぜ合わされる。液体が1つの区域から別の区域へ降下するときに、液体を効果的に集め、混合し、分配するのに、別体の構成要素を用いることが多い。しかしながら別体の構成要素を使用するのは、これらの構成要素によって占められる垂直方向の空間が、カラム内の流体ストリームの他の処理のために利用できる領域を減らし、所望の処理作用を行うのに必要な空間を提供するためにもっと背の高いカラムを使用することが必要になるので望ましくない。
【0003】
カラム内の或る区域から出る液体を集めて混ぜ合わせるのに必要な構成要素の数と垂直方向の空間を減らすために、複合型のコレクタとミキサが上記型式のカラム内で使用されてきた。この複合型のコレクタとミキサは、降下する液体を集めてサンプへ送り、サンプから液体を中心の溢流管へ送る複数の列の上向きに伸張するベーンを使用している。集められた全ての液体が単一の溢流管へ流れるので、この装置は効果的なミキサではあるが、高い液体流量及び/又は大きなカラム直径のため2つ又はそれ以上の溢流管を使用しなければならない用例では、混合効率が大幅に下がる。そのような用例では、コレクタの1つの領域から1つの溢流管へ送られる液体は、コレクタの残りの領域から別の溢流管へ流れる液体とは組成が異なることもある。その結果、溢流管に入る液体が実質的に均一な組成となるように、2つ又はそれ以上の溢流管を使って高い流量を取り扱えるだけでなく、コレクタの異なる領域からの液体を混ぜ合わせるのにも効果的な複合型のコレクタとミキサに対する必要性が大きくなっている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
或る態様では、本発明は、物質移動カラム内の上の区域から集められた液体を、下の区域へ放出する前に、より均一に混ぜ合わせる液体コレクタに着目している。ここで用いている「物質移動カラム」は、熱交換だけを行うカラムを包含するものとする。液体コレクタは、少なくとも第1及び第2サンプを備えており、サンプの一方は環状のサンプでもよく、他方又は両方が弦状のサンプでもよい。サンプは、コレクタを2つ又はそれ以上の液体回収領域に分割し、各領域は、第1組の間隔を空けて配置された液体回収チャネルと、相互挿入された第2組の間隔を空けて配置された液体回収チャネルとを含んでいる。降下する液体を液体回収チャネルに導くための表面を有している複数の上向きに伸張するデフレクタが、液体回収領域内に配置されている。排水開口部は、第1組のチャネル内の液体を第1サンプへと優先的に排水し、第2組のチャネル内の液体を第2サンプへと排水できるように、液体回収チャネル内に配置されている。液体回収チャネルからの優先的な流れは、例えば、第1組の液体回収チャネルの一方の端部からの液体の流れを部分的に又は全体的に遮断し、且つ第2組の液体回収チャネルの反対側の端部からの液体の流れを部分的に又は全体的に遮断し、液体回収チャネルを流れの所望の方向で下向きに傾け、及び、排水開口部を異なるサンプと整列させるような、様々な方法で達成することができる。第1及び第2組の液体回収チャネルは、ほぼ等量の液体を、各液体回収領域から第1及び第2サンプへ送るのが望ましい。この様にして、好都合に、第1サンプ内の液体は、第2サンプ内の液体と概ね同じ濃度及び組成になる。溢流管入口の様な1つ又は複数の開口部が、サンプの少なくとも1つに設けられ、サンプから液体を出してカラム内の下の区域に送ることができるようになっている。
【0005】
コレクタの或る実施形態では、一方のサンプは環状サンプで、他方のサンプは弦状サンプである。別の実施形態では、環状サンプと共に又は環状サンプ無しで、2つ又はそれ以上の弦状サンプが使用されている。或る実施形態の液体回収領域は、半球形であり、随意的に1つ又は複数の中心領域を含むことができる。別の実施形態では、液体コレクタ領域は、パイ形状の四分円である。3組以上の液体回収チャネルを使用することもできる。
【0006】
或る好適な実施形態では、2つの間隔を空けて配置されている弦状サンプと環状サンプがコレクタ内に用いられている。弦状サンプは、コレクタを、ほぼ等しい面積の2つの半球形液体回収領域と、各半球形液体回収領域の面積の略2倍の中央液体回収領域との3つの領域に分割している。両方の弦状サンプは、下の液体分配器に送るために、液体を溢流管へ排水する溢流管入口を含んでいる。流れ制限装置は、各半球形領域内の液体の一部分を、隣接するサンプを迂回させて遠隔のサンプに送るように、サンプに沿って配置されている。好適に、各液体回収領域内の集められた液体は、1つの弦状サンプ内の混合液体が他の弦状サンプ内の混合液体と概ね同じ濃度及び組成となるように、両方の弦状サンプにほぼ等量送られる。この様に、コレクタが上の区域から液体を受け取ったとき、液体の組成がカラムの断面に亘って変わっていても、コレクタは、より均一な濃度及び組成の2つ又はそれ以上の液体ストリームを、下の区域に送ることができる。液体の量は、2つ又はそれ以上の液体ストリームで同じであってもよいし、1つ又は複数の液体ストリーム内に、別の液体ストリーム内よりも多量の液体があってもよい。上昇する蒸気の流れチャネルは、蒸気が、降下する液体と向流関係でコレクタを通って上向きに通過できるように、隣接する液体回収チャネルの間の空間内に形成されるのが望ましい。
【0007】
別の態様では、本発明は、物質移動カラム内の上の区域から液体を集め、より均一な組成の1つ又は複数の液体ストリームを得るために液体を混ぜ合わせるために、上記コレクタを使用する方法に着目している。液体ストリームは、次に、カラム内で更に処理するため下の区域に送られる。本方法は、コレクタの2つ又はそれ以上の液体回収領域内に配置されている複数のチャネル内の降下する液体を集める段階を含んでいる。各液体回収領域内のチャネルは、2つ又はそれ以上の相互挿入された組に配置されており、一組のチャネルは、集められた液体を優先的に1つのサンプへ送り、もう一組のチャネルは、集められた液体を優先的に別のサンプへ送る。第1及び第2組のチャネルは、ほぼ等量の液体を2つのサンプへ送るのが望ましい。サンプ内の液体は、次に、カラム内の下の区域へ送られ、そこで液体は更に処理される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付図面は、明細書の一部であり、明細書と関連付けて読んで頂きたい。なお、各図面内の同様な部品を示すのに同じ参照番号を使用している。
以下、詳細に図面を見ていくが、先ず図1では、流体ストリームを処理して分留製品を得るため、及び/又は流体ストリームの間で物質移動及び熱交換を引き起こすためのカラムを、全体的に番号20で示している。カラム20は、円筒形、多角形又は他の適した形状を有し、カラム内の流体及び状態と適性のある金属又は他の材料で作られた剛体の直立するシェル22を備えている。シェル22は、流体ストリームに所望の処理を、シェル22で画定された開放内部領域24内で施せるように選択された直径と高さを有している。
【0009】
本発明のコレクタ26は、シェル22内に実質的に水平方向に取り付けられており、コレクタ26が上の区域から降下してくる実質的に全ての液体を捕捉できるように、開放内部領域24の水平方向断面のほぼ全体を満たす寸法に作られている。上の区域には、物質移動又は熱交換カラム内に一般的に設けられる、液体を横方向に分配する様々な装置の何れかが入っている。例えば、上の区域には、ランダムな又は構造化されたパッキングのベッドが含まれている。上の区域内の装置の固有の性質は、本発明を理解する上で重要ではない。
【0010】
図1でよく分かるように、コレクタ26は、環状のサンプ28と、平行に間隔を空けた関係に伸張している2つの弦状のサンプ30及び32とを備えている。弦状サンプ30及び32は、カラム20の断面を完全に横切って伸張する長さを有し、両端は、環状サンプ28と相互接続している。溢流管入口34及び36は、それぞれ、弦状サンプ30及び32の水平方向長さに沿って中央に配置されている。以下に論じるように、本発明は、サンプの配置及び数が違っても、並びに溢流管入口の数と場所が違っても、利用することができる。
【0011】
弦状サンプ30及び32は、コレクタ26の表面を、中心領域38と2つの側部領域40及び42に分割するよう配置されており、中心領域38の面積は、2つの側部領域40及び42のそれぞれの面積のほぼ2倍である。次に図2−4Bに示すように、直立する液体回収ベーン44の複数の平行な列が、これらの領域38、40、42内に配置され、実質的にそれらの領域を満たしている。図4A及び図4Bで良く分かるように、各ベーン44は、チャネル46と、チャネル46から上向きに垂直に対し或る角度で伸張するデフレクタ48と、を備えている。チャネル46とベーン44のデフレクタ48は、一体の一部品の構造体として示しているが、別々の構成要素として形成してもよい。各ベーン44の各部分は、一片の金属又は他の材料を単に所望の形状に曲げることによって形成するのが望ましいが、必要であれば別の構造形態を使用してもよい。チャネル46は、間隔を開けて配置され底部パネル54で相互接続されている、長手方向に伸びる側壁50及び52で形成されている。チャネル46の幅は、隣接するベーン44の間の間隔より狭いので、開放蒸気経路56がベーン44の間に形成され、矢印57で示す蒸気の上向きの経路がコレクタ26を通して形成されるようになっている。
【0012】
デフレクタ48は、側壁50から或る角度で上向きに伸張しており、上端部に下向きに角度の付いたフランジ58を有している。デフレクタ48とその上端部に配置されているフランジ58の角度の付いた特性は、隣接する蒸気経路56を覆うシールドを形成し、降下する液体が蒸気経路56に入るのを防いでいる。つまり、降下する液体は、関係するデフレクタ48の角度の付いた表面と、隣接するベーン44に付いているフランジ58によって、チャネル46に漏斗形に囲い込まれる。隣接するベーン44の間の間隔は、隣接するベーン44の群の上端部を横切って横断方向に伸張し、デフレクタ48の上端部を受け入れるための切除部分を有するスペーサープレート60で維持されている。同様に、複数の横方向に間隔を空けて配置されているボルト締めプレート62は、ベーン44の群の下端部の下を横断方向に伸張し、チャネル46を受け入れるための切除部分を有している。
【0013】
ベーン44は、長手方向に向けられており、中心領域38では弦状サンプ30と32の間に、側部領域38及び40では、それぞれ弦状サンプ30及び32と環状サンプ28の間に、水平方向に伸張している。ベーン44は、弦状サンプ30及び32の水平長手方向軸に垂直に伸張しているのが望ましいが、別の角度で伸張していてもよい。各ベーン44内のチャネル46の少なくとも一端は、開いていて排水開口部として作用し、流体がチャネル46から隣接する環状サンプ28か弦状サンプ30又は32に流れるようになっている。チャネル46の少なくとも幾つか又は全ての他端は、プレート64の形をした流れ制限器(図4B、5)によって完全に、又は部分的に遮断されており、液体が遮断された端部を通ってチャネル46を出るのを防ぐか又は妨げている。この様に、中心領域38内の幾つかのチャネル46は、液体を優先的に弦状サンプ30に送り、一方、別のチャネル46は、液体を優先的に他方の弦状サンプ32に送る。中心領域38内の更に別のチャネル46は、液体を両方の弦状サンプ30及び32に送るように、両方の端部が開いていてもよい。例えば、或る配置では、プレート64で一方の端部が遮断されたチャネル64と、他方の端部が遮断されたチャネル64とが1つ置きに配置され、隣接するチャネル46同士が、液体を優先して異なる弦状サンプ30及び32に送ることができるようになっている。別の配置では、3つ置きにチャネル46の両端が開いていてサンプ30及び32の両方に液体を送るようになっており、残りのチャネル46は、両端が交互に遮断されている。中心領域38からの液体の流れがほぼ等量に分けられて弦状サンプ30及び32に送られるのであれば、この他の配置を使用してもよい。隣接するチャネル46又はチャネルのグループが、異なる弦状サンプ30及び32に液体を送り、一方のサンプ内の液体が、他方のサンプ内の液体と実質的に同じ組成となるようにすることも重要である。この様に、中心領域38の断面に亘るベーン44で捕捉された液体は、別々の溢流管入口34及び36に入る前に、良く混ぜ合わされ、組成が均一になる。
【0014】
同様に、側部領域40及び42のベーン44内のチャネル46は、液体を環状サンプ28と、隣接する弦状サンプ30又は32とに、交互に又は別のやり方で送るように、一端又は両端が開いている。この様に、両側部領域40及び42内のベーン44で捕捉された液体は、環状サンプ28と弦状サンプ30及び32に、ほぼ等量送られる。
【0015】
環状サンプ28は、その液体を、弦状サンプ30及び32の選択された端部に送り、弦状サンプ30及び32は、集められた液体を溢流管入口34及び36へと送る。図9−11で良く分かるように、環状サンプ28の一方の半球形部分は、液体を弦状サンプ30の一方の端部に送り、他方の半球形部分は、液体を他方の弦状サンプ32の反対側の端部に送る。一方の環遮断プレート66は、環状サンプ28の、弦状サンプ30の入口端部の直ぐ下流に配置され、他方の環遮断プレート68は、他方の弦状サンプ32の入口端部の直ぐ下流に配置されている。弦状サンプ30及び32の反対側の端部は、液体が環状サンプ28からサンプ30及び32の遮断された端部に入るのを防ぐか又は妨げ、弦状サンプ30及び32内の液体が環状サンプ28に入るのを防ぐか又は妨げるために、それぞれ端部プレート70及び72で遮断されている。従って、図1でよく分かるように、環遮断プレート66及び68とサンプ端部プレート70及び72は、環状サンプ28を、液体を側部領域40から弦状サンプ32へ送り、他方の側部領域42から他方の弦状サンプ30へ送る、2つの半球形部分に分割する働きをする。この様に、側部領域40でベーン44に捕捉された液体の一部は、溢流管入口34及び36に入る前に、他方の側部領域42の液体と混ぜ合わされる。或る好適な配置では、側部領域40で捕捉された液体の一部は、関係するチャネル46の一端を通して直接弦状サンプ30に送られ、一方、捕捉された液体の、他の望ましくは等量の部分が、チャネル46の他方の端部を通して、環状サンプ28の一方の半球形部分に送られ、流れ矢印74の方向に、他方の弦状サンプ32に運ばれる。同様に、他方の側部領域42で捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ32に送られ、一方、他の部分は、環状サンプ28の他方の半球形部分に送られ、流れ矢印76の方向に、他方の弦状サンプ30に運ばれる。この配置にすれば、確実に、コレクタ26で捕捉される液体の内の等量の部分が溢流管入口34と36へ送られ、一方の入口に入る液体が、他方の入口に入る液体と実質的に同じ組成になる。液体が、サンプ28、30及び32に沿って所望の方向に流れ易くするため、サンプの床は、随意的に、流れの方向に下向きに傾斜させてもよい。同様に、チャネル46の端部からの液体の流れを妨げるために端部プレート64を使用するのではなく、チャネルを、単にチャネル46からの液体の所望の流れの方向に下向きに傾斜させてもよい。
【0016】
次に図6−8に示すように、溢流管78は、各溢流管入口34及び36から下向きに伸張し、下の分配器の分割ボックス80の中に入っている。溢流管78は、垂直方向下向きに伸張しているのが望ましいが、図6に示すように傾いていてもよい。ダウンパイプ82は、長方形の溢流管入口34及び36の端部に隣接して、両方の弦状サンプ内に設けられている。下の分配器は、パッキングのベッドの様な装置が入った下の区域に、液体を均一に横方向に分配するために用いられる。下の区域の分配器及び装置の具体的な詳細は、コレクタ26の設計に属する本発明にとって重要ではない。2つの溢流管78を使用すれば、コレクタ26は、コレクタ26の設計によって、一方の溢流管内の液体の流量と組成が他方の溢流管内のそれとほぼ同じであることを保証しながら、高い液体流量を扱えるようになる。
【0017】
次に図12は、環状サンプ28と1つの弦状サンプ32とを備えた別の実施形態のコレクタ126を示している。弦状サンプ32は、カラム20の中心断面を完全に横断して伸張し、その両端は、環状サンプ28と相互接続している。溢流管入口36は、弦状サンプ32の水平方向長さに沿って中心に配置されている。
【0018】
弦状サンプは、コレクタ126の表面を、ほぼ等しい面積の2つの側部領域40及び42に分割するように配置されている。先に述べた型式の、直立する液体回収ベーン44の複数の平行な列が、領域40及び42内に配置され、実質的に同領域を満たしている。
【0019】
各ベーン44のチャネル46の少なくとも一方の端部は開いており、流体がチャネル46から隣接する環状サンプ28又は弦状サンプ32に流れる排水開口部を形成している。この実施形態では、先に述べたプレート64の様なプレートで一方の端部が遮断されたチャネルと、他方の端部が遮断されたチャネル64とが1つ置きに配置されているので、隣接するチャネル46同士が、液体を優先的に弦状サンプ32又は環状サンプ28へ送る。環遮断プレート66及び68は、環状サンプ28内の弦状サンプ32の互いに反対側の端部に配置され、環状サンプ28を、液体を弦状サンプ32の互いに反対側の端部に別々に送る半球形部分に分割している。従って、液体回収領域40から環状サンプ28に入る液体は、弦状サンプ32の一方の端部に送られ、他方の液体回収領域42から環状サンプ28へ入る液体は、弦状サンプ32の反対側の端部に送られる。この様に、側部領域40及び42の断面に亘ってベーン44で捕捉された液体の一部は、弦状サンプ32に達する前に環状サンプ28の異なる半球形部分内で混ぜ合わされ、溢流管入口36に入る前に、より均一な組成となっている。環遮断プレート66及び68は、必要に応じて省くこともできる。コレクタ26に関して先に述べた設計の変更を、コレクタ126についても使用できる。例えば、液体が隣接するチャネル46とは反対側の端部から流れ出るのではなく、2つ又はそれ以上の隣接するチャネル46が同じ端部で液体を放出するように、チャネル46をグループにまとめてもよい。同様に、チャネル46を所望の流れ方向に下向きに傾斜させることによって、チャネル46からの流れを所望の方向にすることもできる。
【0020】
図13に、本発明のコレクタの別の実施形態を番号226で示している。コレクタ226は、環状サンプ28と、平行に且つ間隔を空けて伸張している3つの弦状サンプ30、32及び33と、を含んでいる。溢流管入口34、36及び37は、それぞれ弦状サンプ30、32及び33の水平方向長さに沿って中央に配置されている。
【0021】
弦状サンプ30、32及び33は、コレクタの表面を2つの中心領域38及び39と、2つの側部領域40及び42に分割するように配置されている。直立した液体回収ベーン44の複数の平行な列は、領域38、39、40及び42内に配置され、実質的にこれらを満たしている。ベーン44は、中心領域38では弦状サンプ30と32との間に伸張し、中心領域39では弦状サンプ32及び33との間に伸張するように、長手方向に向けられている。またベーン44は、側部領域40では弦状サンプ33と環状サンプ28の間に伸張し、側部領域42では弦状サンプ30と環状サンプ28の間に伸張するように、長手方向に向けられている。各ベーン44のチャネル46の少なくとも一方の端部は開いており、流体が、チャネル46から隣接する環状サンプ28、又は弦状サンプ30、32又は33に流れるようになっている。チャネル46の少なくとも幾つかの他方の端部は、例えば先に述べたプレート64によって完全に又は部分的に遮断され、液体が、遮断された端部を通ってチャネル46を出るのを防ぐか又は妨げている。この様に、液体は、幾つかのチャネル46から1つの方向に優先的に流れ、別のチャネル46から反対の方向へ優先的に流れる。
【0022】
環遮断プレート66及び68とサンプ端部プレート70、71、72及び73は、環状サンプ28を半球形部分に分割する働きをする。環状サンプ28の一方の半球形部分は、液体を弦状サンプ33の一方の端部に送り、他方の半球形部分は、液体を他方の弦状サンプ30の反対側の端部に送る。環遮断プレート66は、環状サンプ28の、弦状サンプ33の入口端部の直ぐ下流に配置されており、もう一つの環遮断プレート68は、弦状サンプ30の入口端部の直ぐ下流に配置されている。弦状サンプ30及び33の反対側の端部は、それぞれ端部プレート71及び72によって遮断され、液体が環状サンプ28からサンプ30及び33の遮断された端部に入るのを防ぐか又は妨げ、或いは、弦状サンプ30及び33内の液体が環状サンプ28に入るのを防ぐか又は妨げている。弦状サンプ32の両端も、端部プレート70及び73によって遮断され、液体が環状サンプ28からサンプ32の遮断された端部に入るのを防ぐか又は妨げ、サンプ32内の液体が環状サンプ28に入るのを防ぐか又は妨げている。しかしながら、別の実施形態では、弦状サンプ32の両端は、端部プレートで遮断されていないか、穴が開いているか、又は、堰として作用するように高さが低くなっているか、或いは、環状サンプ28内の液体の一部が中心弦状サンプ32に送られ、弦状サンプ32内の液体が環状サンプ28に流れるように何らかの方法で形成されている。
【0023】
側部領域42のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ及び隣接する弦状サンプ30に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、側部領域42でベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ30に送られ、一方、別の部分は、環状サンプに送られて、弦状サンプ33に運ばれる。
【0024】
同様に、側部領域40のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ及び隣接する弦状サンプ33に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、側部領域40でベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ33に送られ、別の部分は、環状サンプ28に送られて、弦状サンプ30に運ばれる。
【0025】
中心領域38及び39のベーン44のチャネル46は、液体を中心の弦状サンプ32と隣接するサンプ30及び33それぞれに送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この配置にすれば、確実に、コレクタ226によって捕捉された液体が、溢流管入口34、36及び37に比例した量で送られ、1つの溢流管入口に入る液体が、他の溢流管入口に入る液体と実質的に同じ組成になる。他のコレクタの実施形態に関連して先に述べた設計の変更及び特徴は、コレクタ226についても用いることができる。
【0026】
図17に示す変更例では、単一の中心弦状サンプ32が、2つの隣接する弦状サンプ32aと32bに置き換えられており、関連する溢流管36が除去されている。弦状サンプ32aの一方の端部は、環状サンプ28の一方と流体連通しており、液体回収領域39から弦状サンプ32aに入る液体が、環状サンプ28に優先的に流れ込み、次に弦状サンプ30に流れるようになっている。同様に、弦状サンプ32bの反対側の端部は、環状サンプ28の他方と流体連通しており、液体回収領域38から弦状サンプ32bに入る液体が、環状サンプ28に優先的に流れ込み、次に弦状サンプ33に流れるようになっている。流れ制限プレート70及び73は、それぞれ弦状サンプ32a及び32bの互いに反対側の端部に配置され、弦状サンプ32a及び32bのこの端部での液体の流れの出入りを防ぐか又は妨げている。
【0027】
次に図14は、コレクタの更に別の実施形態を、番号326で示している。コレクタ326は、1つの環状サンプ28と、コレクタ26の表面をほぼ等面積の4つのパイ型四分円領域86、88、90及び92に分割するように横断している2つの弦状サンプ30及び32と、を含んでいる。溢流管入口34、36は、弦状サンプ30又は32の一つの水平方向長さに沿って配置されている。直立した液体回収ベーンの複数の平行な列が、領域86、88、90及び92内に配置され、その領域を実質的に満たしている。ベーン44は、弦状サンプ30又は32の一方と環状サンプ28の間に伸張するよう、長手方向に向けられている。各ベーン44のチャネル46の少なくとも一方の端部は開いており、流体が、チャネル46から隣接する環状サンプ28、又は弦状サンプ30又は32に流れ込めるようになっている。
【0028】
環遮断プレート66は、環状サンプ28の、弦状サンプ32の第1端部の直ぐ下流に配置され、もう1つの環遮断プレート68は、弦状サンプ32の第2端部の直ぐ下流に配置されている。弦状サンプ30の第1及び第2端部は、それぞれ端部プレート70及び72によって遮断されており、液体が環状サンプ28からサンプ30の遮断された端部に入るのを防ぐか又は妨げ、或いは、サンプ30内の液体が環状サンプ28に入るのを防ぐか又は妨げている。中心プレート84は、(四分円領域)90と88の間に対角線状に配置されており、弦状サンプ30の半分に沿って流れる液体が、弦状サンプ32の一方の部分へと向け直されて溢流管入口36に達し、弦状サンプ30のもう半分に沿って反対方向に流れる液体が、弦状サンプ32の他方の部分へと向け直されて他方の溢流管入口34に達するようになっている。中心プレート84は、実際には弦状サンプ30及び32の両方を2つの小さいサンプに分割しており、溢流管入口34及び36は、サンプ32から作られた2つの小さいサンプだけに配置されていることが分かる。
【0029】
四分円領域86及び88のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ28及び隣接する弦状サンプ30に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、領域86及び88のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ30に送られ、最終的に弦状サンプ32内の溢流管36に入り、一方、他の部分は、環状サンプ28に送られ、弦状サンプ32の第1端部そして溢流管34へ運ばれる。
【0030】
四分円領域90及び92では、ベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ28及び隣接する弦状サンプ30に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、領域90及び92のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ30に送られ、最終的に弦状サンプ32内の溢流管入口34に入り、一方、他の部分は、環状サンプに送られ、弦状サンプ32の第2端部そして溢流管入口36へ運ばれる。この配置にすれば、確実に、コレクタ326によって捕捉された液体の実質的に等量の部分が溢流管入口34と36に送られ、1つの入口に入る液体が、他の入口に入る液体と実質的に同じ組成になる。溢流管入口36に入る液体は、下向きに流れ、先に述べた分割ボックス80の様な1つの分割ボックスに放出され、溢流管入口34に入る液体は、他の分割ボックスに流れ込む。
【0031】
次に図15は、コレクタの又別の実施形態を番号426で示している。コレクタ426は、1つの環状サンプ28と、コレクタ26の表面をほぼ等面積の4つのパイ型四分円領域86、88、90及び92に分割するように横断している2つの弦状サンプ30及び32と、を含んでいる。溢流管入口34、35、36及び37は、弦状サンプ30及び32の水平方向長さに沿って配置されている。直立した液体回収ベーンの複数の平行な列が、領域86、88、90及び92内に配置され、その領域を実質的に満たしている。領域88及び90のベーン44は、弦状サンプ30と環状サンプ28の間を伸張するように、長手方向に向けられている。領域86と92のベーンは、図14に示している位置から回転され、弦状サンプ32と環状サンプ28の間を伸張するように向けられている。各ベーン44のチャネル46の少なくとも一方の端部は開いており、流体が、チャネル46から隣接する環状サンプ28、又は弦状サンプ30又は32に流れ込めるようになっている。
【0032】
環遮断プレート66は、環状サンプ28の、弦状サンプ32の第1端部の直ぐ下流に配置され、もう1つの環遮断プレート68は、弦状サンプ32の第2端部の直ぐ下流に配置されている。弦状サンプ30の第1及び第2端部は、それぞれ端部プレート70及び72によって遮断されており、液体が環状サンプ28からサンプ30の遮断された端部に入るのを防ぐか又が妨げ、或いは、サンプ30内の液体が環状サンプ28に入るのを防ぐか又は妨げている。中心プレート84は、四分円領域88と90の間に対角線状に配置され、弦状サンプ30の部分に沿って流れている液体が、弦状サンプ32へと向け直されて溢流管入口35及び36に達するようになっている。
【0033】
四分円領域86のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ28及び隣接する弦状サンプ32に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、領域86のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ32に送られ、最終的に溢流管入口36に入り、一方、他の部分は、環状サンプに送られ、弦状サンプ32の第1端部そして溢流管35へ運ばれる。
【0034】
四分円領域88のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ28及び隣接する弦状サンプ30に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、領域88のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ30に送られ、溢流管入口37に入り、一方、他の部分は、環状サンプ28に送られ、弦状サンプ32の第1端部そして溢流管35へ運ばれる。
【0035】
四分円領域90のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ28及び隣接する弦状サンプ30に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、領域90のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ30に送られ、溢流管入口34に入り、一方、他の部分は、環状サンプ28に送られ、弦状サンプ32の第2端部そして溢流管36へ運ばれる。
【0036】
四分円領域92のベーン44のチャネル46は、液体を環状サンプ28及び隣接する弦状サンプ32に送るため、交互に又は他の様式で一端又は両端が開いている。この様に、領域92のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ32に送られ、溢流管入口35に入り、一方、他の部分は、環状サンプ28に送られ、弦状サンプ32の第2端部そして溢流管36へ運ばれる。
【0037】
上記の配置にすれば、確実に、コレクタ426によって捕捉される液体の実質的に等量の部分が、溢流管入口34及び35、並びに溢流管入口36及び37に送られ、各入口に入る液体は、完全に均一な組成ではないが、より均一になる。溢流管入口34及び35に入る液体は、下向きに流れ、より完全で均一な混合を達成するために、先に述べた型式の1つの分割ボックスに送られるのが望ましい。同様に、溢流管入口36及び37に入る液体は、下向きに、別の分割ボックス80に流れ込む。
【0038】
次に図16はコレクタ526を示しており、このコレクタは、液体がチャネル46を出る様式が、先に説明した実施形態とは異なっている。コレクタ526は、平行且つ間隔を空けた関係で伸張する弦状サンプ30、32及び33を含んでいる。溢流管入口34、36及び37は、それぞれ弦状サンプ30、32及び33の水平方向長さに沿って中央に配置されている。弦状サンプ30、32及び33は、コレクタの表面を、2つの中心領域38及び39と、2つの側部領域40及び42に分割するように配置されている。直立した液体回収ベーン44の複数の平行な列が、領域38、39、40及び42内に配置されており、その領域を実質的に満たしている。ベーン44は、カラム20の全部又は大部分に亘って伸張するように、長手方向に向けられている。
【0039】
或る好適な実施形態では、ベーン44のチャネル46の床及び/又は側壁は、液体を、サンプ30、32及び33の内の1つ又はそれ以上に送るため、少なくとも1つの排水開口部94を有している。隣接するベーン44のチャネル46は、液体をサンプ30、32及び33に送るため、交互に又は他の様式で配置された排水開口部94を有している。この様に、領域38、39、40及び42のベーン44によって捕捉された液体の一部は、直接弦状サンプ30に送られ、溢流管入口34に入り、一方、領域40で捕捉された液体の他の部分は、直接弦状サンプ32及び33に送られ、それぞれ溢流管入口36及び37に流れ込む。
【0040】
サンプ及び溢流管入口の数と配置は、コレクタ526内で変更することができる。一例であるが、コレクタ526は、弦状サンプ30、32及び33に加えて、先に述べた型式の環状サンプを含んでいてもよい。環状サンプが用いられている場合、各ベーン44のチャネル46の少なくとも一方の端部が開いていて、流体が、チャネル46から隣接する環状サンプに流れ込めるようになっているか、又は、各チャネルが、液体を、サンプ30、32及び33の内の1つ又はそれ以上に送るため、少なくとも1つの排水開口部94を有している。この実施形態では、液体が、環状サンプ28から弦状サンプ30、32及び33に流れ込むのを防ぐか又は妨げるために、端部プレートを使用してもよい。端部プレートは、穴が開いているか、高さが違っているか、或いは、環状サンプから弦状サンプ30、32及び33に送られる液体の量を制御するような何らかの構造に作られている。端部プレートは、液体が、環状サンプから弦状サンプ30、32及び33の内の1つ又はそれ以上に、或いはその逆に流れるのを防ぐ高さになっていてもよいし、穴が開いていても、高さが違っていても、或いは、制御された量の液体が、弦状サンプ30、32及び33の内の1つ又はそれ以上に出入りできるような何らかの構造に作られていてもよい。
【0041】
更に別の実施形態では、液体を異なる液体回収領域から異なる弦状サンプへ送るため、単一の環状サンプ28が、2つ以上の同心の環状サンプに置き換えられている。そのような同心環状サンプを採用しているコレクタ626を図18に示している。コレクタ626では、環状領域が、環状領域の円周の一部分の回りに伸張している第1外側環状サンプ28aと、円周の残りの部分の回りに伸張している第2外側環状サンプ28bとに分けられている。同心の第1内側環状サンプ28cは、第1外側環状サンプ28aから半径方向内側に、望ましくは隣接して配置されており、環状領域円周の少しの部分の回りに伸張している。同様な第2内側環状サンプ28dは、第2外側環状サンプ28bから半径方向内側に配置されており、環状領域円周の別の少しの部分の回りに伸張している。第1の外側及び内側環状サンプ28a及び28cは、液体を、それぞれ弦状サンプ30と中心の弦状サンプ32の一方の端部に送り、弦状サンプ30の反対側の端部は、流れ制限プレート72で閉じられている。同様に、第2の外側及び内側環状サンプ28b及び28dは、液体を、それぞれ弦状サンプ33と中心の弦状サンプ32の反対側の端部に送る。弦状サンプ33及び30の他方の端部は、それぞれ、弦状サンプ33及び30のこれらの端部と内側環状サンプ28c及び28dとの間の液体の流れを防ぐか又は妨げるため、それぞれ流れ制限端部プレート71及び72で閉じられている。各液体回収領域38、39、40及び42内の液体回収チャネル46は、集められた液体を、サンプ28a−d、30、32及び33の内の2つ又はそれ以上に排水する。例えば、液体回収領域40内の液体回収チャネル46は、集められた液体を、外側環状サンプ28a、内側環状サンプ28c及び中心弦状サンプ32の間で、比例的に分割する。次に外側環状サンプ28aは、液体を弦状サンプ30へ送り、内側環状サンプ28cは、液体を中央の弦状サンプ32へ送る。同様に、液体回収領域42内の液体回収チャネル46は、集められた液体を、外側環状サンプ28b、内側環状サンプ28d及び弦状サンプ30の間で、比例的に分割する。次に外側環状サンプ28bは、液体を弦状サンプ33へ送り、内側環状サンプ28dは、液体を中央の弦状サンプ32へ送る。液体回収領域38内の液体回収チャネル46は、集められた液体を、弦状サンプ30と32の間で等しく分割し、液体回収領域39内の液体回収チャネル46は、同様に、集められた液体を、弦状サンプ33と32の間で等しく分割する。
【0042】
コレクタ626は、更に、液体を、液体回収チャネル46から所望のサンプに優先的に排水できるようにするために、先に述べた2つの異なる型式の排水開口部を示している。或る実施形態では、排水開口部94は、液体回収チャネルの床に形成されており、別の実施形態では、液体は、単に、液体回収チャネル46の開口端部によって形成されている排水開口部を通して排水される。
【0043】
以上から、本発明は、明白且つ本構造に固有の他の利点と共に述べた上記目的及び目標の全てを実現するのに良く適合していることがお分かり頂けるであろう。
或る種の特徴と二次的な組み合わせは有用であり、他の特徴及び二次的組み合わせに関係なく使用できるものと理解頂きたい。これは、特許請求の範囲で考慮されており、その範囲内にある。
【0044】
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明から多くの実施形態を作ることができるので、本明細書に記載し、添付図面に示している全ての事柄は、分かり易く説明するためのものであって、制限を加えるものではないと解釈すべき旨理解頂きたい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に従って作られたコレクタを含んでいるカラムの水平断面の上面図であり、コレクタをやや概略的に示しており、矢印はコレクタ内の液体の流れの方向を示している。
【図2】図1よりも拡大して示しているコレクタの部分上面図である。
【図3】コレクタの、図2の3−3線に沿う垂直断面の部分側面図である。
【図4】図4Aは、図3の番号4Aで示している領域内のコレクタの拡大部分側面図である。
【0046】
図4Bは、本発明の或る実施形態によるコレクタの一群のベーンの斜視図である。
【図5】コレクタの、図2の5−5線に沿う垂直断面の拡大部分端面図であり、弦状サンプの更に細部を示している。
【図6】コレクタの、図2の6−6線に沿う拡大部分端面図であり、弦状サンプと下の分配器の分割ボックスの間を伸張する溢流管を示している。
【図7】弦状サンプと溢流管を示しているコレクタの、図2より拡大率が大きい部分上面図である。
【図8】コレクタと共に使用されるダウンパイプの側面図である。
【図9】環又はリング状のサンプに沿う液体の流れを示すために中心部分を取り外したコレクタの上面図である。
【図10】図9の番号10で示している領域内のコレクタの部分上面図であり、環状サンプが弦状サンプの1つの端部に供給している領域の細部を示している。
【図11】図9の番号11で示している領域内のコレクタの部分上面図であり、環状サンプが別の弦状サンプの対応する端部への供給を遮断されている領域の細部を示している。
【図12】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。
【図13】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。
【図14】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。
【図15】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。
【図16】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。
【図17】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。
【図18】本発明の異なる実施形態により作られているコレクタを含んでいるカラムの上面図であり、コレクタ内の液体流れの方向を概略的に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質移動又は熱交換カラム内の上の区域から降下してくる液体を捕捉し混ぜ合わせるための液体混合コレクタにおいて、
少なくとも第1及び第2サンプと、
前記第1及び第2サンプの少なくとも1つに配置されている少なくとも1つの開口部であって、液体が前記少なくとも1つのサンプの中に在るときには、液体が前記少なくとも1つのサンプから前記開口部を通って排水されるようになっている、開口部と、
少なくとも部分的には前記第1及び第2サンプによって境界が定められている少なくとも2つの液体回収領域と、
前記液体回収領域のそれぞれと関係付けられた、第1及び第2組の間隔を空けて配置されている液体回収チャネルと、
前記液体回収領域のそれぞれの液体回収チャネルの間の空間内の上昇する蒸気の流れのチャネルと、
前記上の区域から前記液体回収チャネルに降下するときに、液体を導くための表面を有している複数の上向きに伸張するデフレクタと、
前記液体回収チャネル内に配置されている排水開口部であって、液体が前記液体回収チャネルの中に在るときには、前記液体回収チャネルから排水できるようにする、排水開口部と、を備えており、
前記第1組の液体回収チャネルは、前記第1サンプと関係付けられ、液体が前記第1回収チャネル内に在るときには、液体が、前記第1組の液体回収チャネルの前記排水開口部を通って前記第1サンプへと、その中で混ぜ合わさるように、優先的に流れるようにし、前記第2組の液体回収チャネルは、前記第2サンプと関係付けられ、液体が前記第2回収チャネル内に在るときには、液体が、前記第2組の液体回収チャネルの前記排水開口部を通って前記第2サンプへと、その中で混ぜ合わさるように、優先的に流れるようにしている、液体コレクタ。
【請求項2】
前記第1及び第2サンプの両方に配置されている前記開口部の少なくとも一つを含んでいる、請求項1に記載の液体コレクタ。
【請求項3】
前記開口部を通して下の区域に排水するときに液体を送るため、前記第1及び第2サンプの前記開口部のそれぞれと関係付けられている溢流管を含んでいる、請求項2に記載の液体コレクタ。
【請求項4】
前記第1及び第2サンプは、共通の水平方向面内に配置されている、請求項1に記載の液体コレクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2サンプは弦状サンプである、請求項4に記載の液体コレクタ。
【請求項6】
前記第1及び第2サンプは、それぞれ、互いに反対側の第1及び第2端部を有している、請求項5に記載の液体コレクタ。
【請求項7】
前記第1サンプの前記第1端部、及び前記第2サンプの反対側の第2端部と液体流連通している環状サンプを含んでいる、請求項6に記載の液体コレクタ。
【請求項8】
前記第1サンプの前記第2端部と前記環状サンプの間の液体の流れを妨げるために前記第1サンプの前記第2端部に配置されている第1流れ制限器と、前記第2サンプの前記第1端部と前記環状サンプの間の液体の流れを妨げるために前記第2サンプの前記第1端部に配置されている第2流れ制限器と、を含んでいる、請求項7に記載の液体コレクタ。
【請求項9】
液体が前記環状サンプ内にあるときに、液体の一部を前記第1サンプの前記第1端部に導くために、前記環状サンプの、前記第1サンプの前記第1端部に隣接する場所に配置されている第3流れ制限器と、液体が前記環状サンプ内にあるときに、液体の他の部分を前記第2サンプの前記第2端部に導くために、前記環状サンプの、前記第2サンプの前記第2端部に隣接する場所に配置されている第4流れ制限器とを含んでいる、請求項8に記載の液体コレクタ。
【請求項10】
前記第1及び第2組の液体回収チャネルは、共通の水平面内で平行に伸張している、請求項9に記載の液体コレクタ。
【請求項11】
前記第1及び第2サンプは、平行に、間隔を空けて伸張しており、前記第1及び第2組の液体回収チャネルは、前記第1及び第2サンプに対して垂直な関係に伸張している、請求項10に記載の液体コレクタ。
【請求項12】
前記第1組の液体回収チャネルは、前記第2組の液体回収チャネルと交互する様に相互挿入されている、請求項11に記載の液体コレクタ。
【請求項13】
前記液体回収チャネルは、互いに反対側の端部を有しており、前記排水開口部は、前記互いに反対側の端部の一方に開放端部を備えている、請求項12に記載の液体コレクタ。
【請求項14】
前記液体回収チャネルは、それぞれ、間隔を空けて配置されている両側壁と、接続する床とを備えており、前記液体回収チャネルは、前記サンプの上にある、請求項12に記載の液体コレクタ。
【請求項15】
前記排水開口部は、前記液体回収チャネルの少なくとも幾つかの前記側壁に形成されている、請求項14に記載の液体コレクタ。
【請求項16】
前記排水開口部は、前記液体回収チャネルの少なくとも幾つかの前記床に形成されている、請求項14に記載の液体コレクタ。
【請求項17】
前記第1及び第2サンプに対して平行且つ同面に配置されている第3弦状サンプを含んでいる、請求項16に記載の液体コレクタ。
【請求項18】
前記第1及び第2サンプに対して平行且つ同面に配置されている第3弦状サンプを含んでおり、前記液体回収チャネルは、前記第1、第2及び第3サンプの上にある、請求項6に記載の液体コレクタ。
【請求項19】
前記液体回収チャネルは、それぞれ、両側壁と、接続する床とを備えており、前記排水開口部は、前記側壁及び/又は前記床に形成されている、請求項18に記載の液体コレクタ。
【請求項20】
前記第1及び第2サンプの間に間隔を空けて、前記第1及び第2サンプに対して平行且つ同面に配置されている第3弦状サンプを含んでおり、前記第3弦状サンプ内に前記開口部の少なくとも1つを含んでいる、請求項9に記載の液体コレクタ。
【請求項21】
前記第3弦状サンプの互いに反対側の両端部に、前記互いに反対側の両端部と前記環状サンプの間の液体の流れを妨げるために、追加の流れ制限器を含んでいる、請求項20に記載の液体コレクタ。
【請求項22】
前記第1サンプは環状サンプであり、前記第2サンプは弦状サンプである、請求項1に記載の液体コレクタ。
【請求項23】
前記開口部は前記弦状サンプに配置されており、前記環状サンプは、液体が前記環状サンプ内にあるときには、液体を前記弦状サンプの互いに反対側の両端部に送るために、前記弦状サンプの前記互いに反対側の両端部と液体流連通している、請求項22に記載の液体コレクタ。
【請求項24】
前記第1及び第2サンプは交差する弦状サンプであり、更に、前記第1サンプの互いに反対側の両端部と液体流連通している環状サンプを含んでいる、請求項1に記載の液体コレクタ。
【請求項25】
前記第1及び第2サンプの交差領域に配置されている流れ制限器を含んでおり、前記流れ制限器は、前記交差領域を横切って対角線状に伸張し、液体が前記第2サンプの一方の部分を流れているときは、前記第1サンプの一方の部分へと液体の方向を変え、液体が前記第2サンプの他方の部分を流れているときは、前記第1サンプの他方の部分へと液体の方向を変えるようになっており、前記開口部の少なくとも1つは、前記第1サンプの前記部分の両方に配置されている、請求項24に記載の液体コレクタ。
【請求項26】
前記第2弦状サンプの互いに反対側の両端部に、前記環状サンプと前記第2弦状サンプの間の液体の流れを妨げるために、追加の流れ制限器を含んでいる、請求項25に記載の液体コレクタ。
【請求項27】
前記環状サンプの、前記第1サンプの互いに反対側の両端部に隣接する場所に、液体が前記環状サンプ内にあるときに、液体の一部を前記第1サンプの前記互いに反対側の両端部に送るために、追加の流れ制限器を含んでいる、請求項26に記載の液体コレクタ。
【請求項28】
前記第1及び第2組の液体回収チャネルは、共通の水平面内を平行に伸張している、請求項27に記載の液体コレクタ。
【請求項29】
前記液体回収領域はパイ型の四分円を備えており、前記各四分円内の前記第1及び第2組の液体回収チャネルは、隣接する前記四分円内の前記液体回収チャネルに対して反対方向に伸張している、請求項27に記載の液体コレクタ。
【請求項30】
前記液体回収チャネルは互いに反対側の両端部を有しており、前記排水開口部は、前記互いに反対側の両端部の一方に開放端部を備えている、請求項27に記載の液体コレクタ。
【請求項31】
物質移動カラム内を降下する液体を集めて混ぜ合わせる方法において、
2つ又はそれ以上の水平方向に分布配置された液体回収領域内に配置されている複数の液体回収チャネル内を降下する液体を集める段階と、
第1量の液体を、少なくとも1つの前記液体回収領域内の第1組の前記液体回収チャネルから第1サンプに優先的に送り、第2量の液体を、前記少なくとも1つの液体回収領域内の第2組の前記液体回収チャネルから第2サンプに優先的に送る段階と、
前記液体を、前記第1及び第2サンプから排水する段階と、から成る方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの液体回収領域内のほぼ等量の液体を、前記第1及び第2サンプに送る段階を含んでいる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
降下する液体を前記液体回収チャネルに向けるために角度の付いたデフレクタを使用する段階を含んでいる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記液体回収チャネルの間に配置されている蒸気経路を通して、上昇する蒸気を上向きに送る段階を含んでいる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記蒸気経路を前記降下する液体から遮蔽するために前記角度の付いたデフレクタを配置する段階を含んでいる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1及び第2量の液体を優先的に送る前記段階は、前記液体回収チャネル内に配置されている排水開口部を通して前記液体を排水する段階を含んでいる、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
或る量の液体を、第2の前記液体回収領域内の第1組の前記液体回収チャネルから前記第1サンプに優先的に送る段階と、第2量の液体を、前記第2液体回収領域内の第2組の前記液体回収チャネルから環状サンプに優先的に送る段階と、或る量の液体を、第3の前記液体回収領域内の第1組の前記液体回収チャネルから前記第2サンプに優先的に送る段階と、第2量の液体を、前記第3液体回収領域内の第2組の前記液体回収チャネルから前記環状サンプに優先的に送る段階と、を含んでおり、前記第1及び第2量の液体は、ほぼ等量である、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記第2サンプ内の液体を、前記第1サンプに排水する段階と、前記第1サンプ内の液体を、物質移動カラム内の下の区域に排水する段階と、を含んでいる、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2006−522681(P2006−522681A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509827(P2006−509827)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/010888
【国際公開番号】WO2004/091748
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505377278)コッチ−グリッチ・エルピー (2)
【Fターム(参考)】