説明

特に対流熱伝達によって工作物を熱処理するための装置及びその方法

【解決手段】本発明は、工作物、特に電気部品及び電子部品を装着したプリント基板等を熱処理するための装置に関する。この装置は、少なくとも1つの加熱ゾーン或いは冷却ゾーンが形成或いは配置された少なくとも1つの処理室を備え、温度調整されたガス状の流体が上記加熱ゾーン或いは冷却ゾーンに導入可能であり、上記工作物が上記加熱ゾーン或いは冷却ゾーンを通過すると共に、上記工作物と温度調整された上記流体との間で特に対流により熱が伝達される。上記装置は、上記処理室に配置された少なくとも1つの温度計測素子を備え、規定された大きさを有する少なくとも1つの感知素子が上記処理室に配置されて、上記感知素子と上記流体との間で対流により熱が伝達され、上記感知素子を冷却及び/または加熱するための機構が設けられ、上記感知素子の温度が上記温度計測素子によって計測可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載された装置に関し、更に、請求項13の前提部分に記載された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記形式の装置或いはシステムは、あらゆるタイプの工作物の熱処理、例えば、接着部の硬化や下流に位置する作業ステーションの温度調節等に有用である。具体的には、電気部品または電子部品が装着されたプリント基板やその他の支持体のための、はんだ付け装置またははんだ付けシステム、とりわけリフロー式はんだ付けシステムとして、このような装置が使用される。
【0003】
この点に関し、現在の技術水準において知られているリフロー式はんだ付けシステムは、連続して配置された温度の異なる数個の処理室或いは処理ゾーン、即ち、予熱ゾーン、リフローゾーン及び冷却ゾーンを備えているのが一般的であり、これらの処理ゾーンにおいて、はんだ付けを行うプリント基板がそれぞれ異なる温度にさらされるようになっている。各ゾーンにおける熱処理は加熱機構及び冷却機構を用いて行われ、その熱は送風機によってプリント基板へと伝達される。この工程では、上下からプリント基板に熱を吹きつけるのが一般的である。プリント基板への熱伝達は実質的に対流によって行われ、特に加熱された空気の温度及び流動状態の影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
十分な処理の安定性、ひいては信頼性のある、特に再現可能な良好なはんだ付けを実現するには、はんだ付け装置を制御し調整するための処理パラメータを検出することが必須である。処理室或いは処理ゾーンの温度に関しては比較的簡単な方法で検出できる一方、流動状態などの対流条件に関しては、リフロー式はんだ付け工程で生じるような高温の処理室において公知の流量計或いは流速計を使用することができないため、検出が難しい。
【0005】
このような現状の技術を鑑み、本発明の目的は、工作物に熱処理を施すと共に、処理室或いは処理ゾーンにおける処理の安定性を検知することが可能な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は請求項1に記載される装置によって達成される。本発明の効果的な実施の形態は、従属請求項の主題として記載されている。
【0007】
本発明の装置或いはシステムは、工作物、特に電気部品及び電子部品を装着したプリント基板等を、それ自体は公知の方法で熱処理するためのものであって、少なくとも1つの冷却ゾーン或いは加熱ゾーンが形成或いは配置された少なくとも1つの処理室を備える。上記冷却ゾーン或いは加熱ゾーンには、温度調整されたガス状の流体を導入可能であり、この流体は大気、保護ガス、またはその他の任意の種類の気体もしくは混合気体とすることができる。この熱処理の工程で処理される工作物は上記加熱ゾーン或いは冷却ゾーンを通過し、このとき上記工作物と温度調整された上記流体との間で、特に対流によって熱が伝達される。更に、上記処理室には少なくとも1つの温度計測素子が設けられている。
【0008】
本発明によれば、規定された大きさを有する少なくとも1つの感知素子が処理室内に配置されており、この感知素子と上記流体との間で、対流により熱が伝達されるようになっている。また、本発明によれば、上記感知素子を上記処理室内の温度に対応して冷却及び/または加熱しうる機構が設けられる。上記感知素子の温度は上記温度計測素子によって計測することができる。
【0009】
規定された大きさを有する感知素子を上記処理室に配置するということは、処理対象の工作物と同様に感知素子も対流による熱伝達を受けるということであり、このとき感知素子は、実質的に上記処理室内の温度となるまで加熱される。このような第1平衡状態に達すると、より低温の第2平衡状態に達するまで、或いは感知素子の温度が十分に低くなるまで、感知素子が上記機構によって冷却される。その後、感知素子の冷却が終了され、再度第1平衡状態に達するまで感知素子が対流により加熱される。このときの感知素子の温度変化特性、特に冷却処理を終了した状態での温度上昇に基づき、対流に関する判定を下すことができる。即ち、感知素子の温度が早く上昇するほど、対流がより良好に行われていることになる。従って、感知素子の連続的な冷却加熱サイクルにおける温度変化曲線を相互に比較するか、或いは最新の温度変化曲線を個々に基準曲線と比較することにより、処理室内の対流に関する判定を下すことができる。即ち、上述した処理の最中に対流が安定した状態に維持されているか、或いは変化しているかを明らかにすることができる。
【0010】
また、感知素子を冷却する代わりに、この感知素子が上記第1平衡状態に達するまで対流により冷却された後、より高温の第2平衡状態に達するまで、或いは感知素子の温度が十分に高くなるまで、感知素子を上記機構によって加熱することも可能である。このときの感知素子の温度変化特性、特に加熱処理を終了した状態での温度低下に基づき、対流に関する判定を下すことができる。即ち、感知素子が速く冷えるほど、対流がより良好に行われていることになる。
【0011】
感知素子の温度を十分正確に計測できることが保証される限り、温度計測素子をどのように配置するかは基本的に任意である。本発明の好適な実施の形態によれば、上記温度計測素子は上記感知素子の表面或いはその内部に直接的或いは間接的に配置される。
【0012】
例えば、温度計測素子は、接着などによって感知素子の表面に配設される。一方、本発明の好適な実施の形態によれば、上記感知素子は、上記温度計測素子が内部に配設される凹部を備える。この凹部は、例えば感知素子の表面に形成された窪み、或いは感知素子の本体に形成された穴であってもよい。
【0013】
温度計測素子の形式は基本的に任意である。従って、例えば熱電素子、半導体センサ、電気抵抗センサなどの任意の形式のサーモセンサを用いることができる。
【0014】
同様に、感知素子の個数及び配置も基本的に任意であり、実際には処理室の個数、配置及び構造に左右される。但し、各処理室に少なくとも1つの感知素子が配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明の別の好適な実施の形態によれば、1つの処理室或いは複数の処理室のそれぞれにいくつかの加熱ゾーン及び/または冷却ゾーンがある場合、各処理室の各加熱ゾーンまたは冷却ゾーンには少なくとも1つの感知素子が配置される。このようにすれば、各処理室の温度ゾーン毎に処理の安定性を検知することができる。
【0016】
冷却機構を用いた感知素子の冷却は、基本的に任意の方法で実施することができる。即ち、液体または気体の冷媒を、感知素子の例えば表面に噴射してもよいし、感知素子の周囲に流動させるようにしてもよい。但し、使用する冷媒は、冷却機構の少なくとも1つの管路部を介して感知素子に直接的または間接的に導くことが可能な圧縮空気であることが好ましい。基本的に同様の方法で、例えば高温流体、具体的には加熱ガスを感知素子に流動させるようにすれば、この感知素子を加熱することができる。
【0017】
本発明の好適な実施の形態によれば、上記感知素子は、冷媒または加熱剤を導くための管路部が貫通する、基本的に連続した凹部を備える。この構成により、冷媒または加熱剤は容易に感知素子まで導かれ、この感知素子を冷却或いは加熱することができる。
【0018】
別の実施の形態によれば、上記感知素子は基本的にスリーブ状の形状を有し、冷却用流体或いは加熱用流体のための2つの管路部と実質的に気密状態で連通している。このような形態では、感知素子自体が冷媒或いは加熱剤の導管の一部を形成することにより、感知素子と冷媒または加熱剤との間の良好な熱伝達を可能とし、感知素子の迅速な冷却または加熱を実現することができる。
【0019】
上記管路部と上記感知素子との接続は、例えば接着、溶接、圧入等の任意の強制接合処理或いは密着接合処理によって行うことが可能である。但し、接続される管路部には、各々その軸端部分に雄ネジが設けられると共に、スリーブ状の感知素子には、その環状端部に、形及び機能において上記雄ネジと相補関係にある雌ネジが設けられているのが好ましい。このように、公知の管・スリーブ間の螺合による接続といった簡単な方法で、管路部を相互に連通させることができる。
【0020】
本発明の重要な点は、処理室内の温度、或いは処理室の処理ゾーンの温度が、感知素子の冷却または加熱により最低限の影響しか受けないということにある。これを実現するには、冷媒、特に冷媒として用いられる圧縮空気、または加熱剤が実質的な密閉循環路で処理室を通過するように流動し、この処理室の雰囲気中に入り込まないようにするのが効果的である。それ故、本発明の特に好適な実施の形態によれば、上記感知素子は、いずれも上記管路部によって互いに接続され、上記処理室に対して実質的に密閉された冷却或いは加熱システムを形成する。
【0021】
別の好適な実施の形態によれば、スリーブ状をなす上記感知素子の外装部、具体的にはスリーブの長手方向軸線と実質的に平行に延設される穴内に上記温度計測素子を配置すると、特に高い信頼性及び精度をもって感知素子の温度を計測することができる。
【0022】
更に、本発明は、工作物、特に電気部品または電子部品が装着されたプリント基板等を熱処理する装置における熱処理の安定性を判定する方法に関する。この熱処理において、少なくとも1つの加熱ゾーンまたは冷却ゾーンが形成或いは配置された少なくとも1つの処理室を上記工作物が通過し、温度制御されたガス状の流体が上記加熱ゾーンまたは冷却ゾーンに導入可能である。このとき、規定された大きさを有する少なくとも1つの感知素子が上記処理室に配置されている。また、上記工作物と温度制御された上記流体との間で熱が対流によって伝達される。本発明の方法は、以下のステップを備えている。
【0023】
まず、上記感知素子が実質的に上記処理室内の雰囲気温度となるような平衡状態に達するまで、上記感知素子を上記処理室の雰囲気中で対流により加熱する。
次に、上記感知素子の冷却及び加熱を繰り返し行う。このとき、上記冷却を上記処理室の温度が実質的に一定の状態で行うと共に、上記加熱を上記処理室の雰囲気中における対流によって行う。或いは、上記加熱を上記処理室の温度が実質的に一定の状態で行うと共に、上記冷却を上記処理室の雰囲気中における対流によって行う。
続いて、連続的な加熱冷却サイクルから得られる上記感知素子の温度変化曲線を相互に比較するか、或いは、最新の上記温度変化曲線を基準曲線と比較する。
【0024】
このようにすることで、特に感知素子の温度変化に基づき、処理室における処理の安定性に関する判定を下すことができる。例えば、感知素子の温度が、連続的な加熱或いは冷却サイクルにおいてまったく同じように、つまり同じ割合で上昇している場合は、処理の安定性が十分に確保されていることになる。一方、後続のサイクルにおける温度の方が、例えば、よりゆっくりと上昇しているならば、対流の悪化を意味していることになる。このような温度サイクルを検出することにより、対流に関して間接的な判定を容易に下すことができる。
【0025】
本発明の詳細については、単一の実施例を示した図面に基づいて以下に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るリフロー式はんだ付けシステムを示す概略ブロック図である。
【図2】6つの処理ゾーンを備えた図1と同様のリフロー式はんだ付けシステムにおける、本発明に係る感知素子の配置を示す拡大図である。
【図3】感知素子の連続的な加熱冷却サイクルにおける温度と時間との関係を示す図である。
【図4】本発明に係る装置の制御・調整システムを示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示すリフロー式はんだ付けシステムは、複数の処理ゾーンを備えた処理室1を有しており、図1には、3つの処理ゾーン、即ち予熱ゾーン2、はんだ付けゾーン3、及び冷却ゾーン4のみを示している。これらの処理ゾーンは、例えば隔壁等のような分離部材(図示せず)によって互いに分離され、処理ゾーン相互間で温度が均一化しないようにしている。
【0028】
はんだ付けを行うプリント基板6は、コンベヤベルトまたはコンベヤチェーン装置5により構成される搬送装置に載置され、処理室2〜4を連続して通過するようにして、システム内を搬送される。
【0029】
各処理ゾーンには、処理ゾーン内の雰囲気を加熱する加熱装置7及び8が搬送装置の上下に設置されている。これにより加熱された処理流体、例えば空気や保護ガスは、送風機9及び10により分散ノズル11及び12を介してプリント基板6に吹き付けられる。その結果、プリント基板6は加熱或いは冷却され、少なくとも処理ゾーン3におけるプリント基板6の周辺においては、使用しているはんだの溶解温度より少なくともわずかに高い温度になる。このときの、処理流体からプリント基板6への熱伝達は、実質的に対流によって行われる。
【0030】
処理ゾーン2、3及び4のそれぞれにおいては、上部の加熱装置7と搬送装置5との間の領域、或いは下部の加熱装置8と搬送装置5との間の領域に、感知素子13及び14がそれぞれ1つずつ配置される。上部の感知素子13及び下部の感知素子14はそれぞれ管路部15及び16を介して接続されており、必要に応じて、圧縮空気が管路部15及び16を介して感知素子内を流れるようになっている。これらの管路部はシステムの両端において外方に向けて延設され、予熱ゾーン2の少なくとも入口エリア17及び18において圧縮空気源(図示せず)に接続されている。
【0031】
図2は、6つの処理ゾーンを備えた装置における感知素子の配置を示す。ここで処理ゾーン19、20、21及び22は、予熱ゾーンまたは加熱ゾーンによって構成され、図1の処理ゾーン2に対応している。処理ゾーン23及び24はリフロー式はんだ付けゾーンを構成し、この点で図1の処理ゾーン3に対応している。また、管路部26、管入口部27及び管出口部28で構成される管機構25が設けられており、管入口部27は圧縮空気源(図示せず)に接続されている。
【0032】
各処理ゾーンには感知素子29が設けられている。この感知素子29は、管状の断面を有したスリーブ状の中空シリンダとして構成されている。ここで各感知素子29は、その両環状端部の領域に雌ネジ(図示せず)が設けられており、これに対して相補的に雄ネジが形成された管路部26、27及び28の端部がこの雌ネジに螺合している。このようにして、スリーブ状の感知素子を介して組み合わされた気密状態の管路系が形成され、この管路系を介し、感知素子を冷却するための圧縮空気を導入することができるようになっている。
【0033】
感知素子29には前部30の領域に、スリーブの長手方向軸線と実質的に平行な感知素子の外装材に形成された穴(図示せず)が設けられている。この穴の中には、感知素子の温度を検出するための温度計測素子が配置される。図示されていないが、この温度計測素子には、電線31を介して温度計測素子の信号を供給するための計測・評価ユニット(図1には示さず)が設けられている。これら温度計測素子及び電線31は、全ての感知素子に同様に設けられている。
【0034】
図3の上部曲線32に基づき、感知素子の温度変化特性について以下に述べる。
時刻tにおいて、感知素子29の温度は各処理ゾーンにおける処理温度に対応しており、平衡状態となっている。時刻tから時刻tに至るまでの間、感知素子は管路部及び感知素子を流動する圧縮空気によって冷却され、再び平衡状態となって、感知素子の温度がその最低温度或いは十分に低い温度にまで達する。但し、処理ゾーン内の雰囲気温度は実質的に一定に保たれる。これは、一方では圧縮空気が処理ゾーン内の雰囲気中に侵入せず、またもう一方では冷却される管路部及び感知素子の大きさが処理ゾーンの大きさと比較して小さいからである。
【0035】
時刻tにおいて圧縮空気の供給が停止されると、時刻tに至るまで感知素子が対流により加熱され、今度は時刻tのときの平衡状態に再び達する。
【0036】
上述のような感知素子の冷却及び再加熱は、引き続き処理ゾーンにおける作業中に任意の回数だけ繰り返される。図3には、その後の冷却加熱サイクルにおける同一の感知素子の温度変化特性が曲線33によって示されている。分かり易くするため、曲線33は曲線32に対して下方にずらして示されている。実際には、この2つの特性の間で、時刻tまたはt’、t及びtまたはt’の各平衡状態における絶対温度はいずれも完全に一致している。時刻tの後に対流によって生じる2つの曲線32及び33の温度上昇を比較すると、曲線33の傾斜の方が明らかに曲線32の傾斜よりも緩やかになっている。即ち、このことは、曲線33に対応したサイクルにおける対流による熱伝達が、曲線32に対応した前回のサイクルにおける対流による熱伝達よりも劣っていることを意味する。従って、対流の変化、ひいては処理の安定性を容易に検知することが可能である。
【0037】
特に図4から明らかなように、本発明に係る装置の様々な処理ゾーンにおける感知素子の信号が評価・制御ユニット34に供給され、そこで上述のように処理される。また、この評価・制御ユニット34によって、圧縮空気供給のための切換弁35の開閉が定期的に行われ、それによって感知素子の周期的な冷却処理が開始されたり、停止されたりする。
【0038】
感知素子の連続的な加熱冷却サイクルにおける温度変化特性の比較結果が主制御ユニット36に供給され、この主制御ユニット36は、検知された温度変化特性の相違に応じ、例えば各処理ゾーンにおける加熱装置及び/または送風機の制御、或いはプリント基板用の搬送装置の搬送速度の制御を行う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの加熱ゾーン或いは冷却ゾーンが形成或いは配置された少なくとも1つの処理室を備えており、工作物、特に電子部品及び電気部品を装着したプリント基板等を熱処理するための装置であって、温度調整されたガス状の流体を上記加熱ゾーン或いは冷却ゾーンに導入可能であり、上記工作物が上記加熱ゾーン或いは冷却ゾーンを通過すると共に、上記工作物と温度調整された上記流体との間で特に対流により熱が伝達され、上記処理室に配置された少なくとも1つの温度計測素子を備える装置において、
規定された大きさを有して上記処理室に配置され、上記流体との間で対流により熱が伝達される少なくとも1つの感知素子と、
上記感知素子を冷却及び/または加熱するための機構とを備え、
上記感知素子の温度を上記温度計測素子により計測可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記温度計測素子は、上記感知素子の内部或いは表面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記感知素子は、上記温度計測素子が内部に配設される凹部を備えることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
上記温度計測素子はサーモセンサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
上記処理室のそれぞれには、少なくとも1つの感知素子が配設されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
各処理室の各加熱ゾーン或いは冷却ゾーンには、少なくとも1つの感知素子が配設されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
上記感知素子を冷却或いは加熱するための上記機構は、上記冷却用流体、特に圧縮空気と、上記加熱用流体とを直接的或いは間接的に上記感知素子に導く、少なくとも1つの管路部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
上記感知素子は、上記管路部が貫通する、実質的に連続した凹部を備えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
上記感知素子は基本的にスリーブ状の形状を有し、上記冷却用流体及び上記加熱用流体のために設けられた2つの管路部と実質的に気密状態で連通することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
上記管路部には、各々その軸端部分に雄ネジが設けられ、スリーブ状の上記感知素子には、その環状端部に、形及び機能において上記雄ネジと相補関係にある雌ネジを備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
上記感知素子は、いずれも上記管路部を用いて互いに接続され、上記処理室に対して実質的に密閉された冷却及び加熱システムを形成することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
上記温度計測素子は、スリーブ状をなす上記感知素子の外装材の内部、特にスリーブの長手方向軸線と実質的に平行に延設された穴内に配置されることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
工作物、特に電気部品及び電子部品を装着したプリント基板等を熱処理するための装置における熱処理の安定性を判定する方法であって、少なくとも1つの加熱ゾーン或いは冷却ゾーンが形成或いは配置された少なくとも1つの処理室を上記工作物が通過し、温度制御されたガス状の流体が上記加熱ゾーン或いは冷却ゾーンに導入可能であり、規定された大きさを有する少なくとも1つの感知素子が上記処理室に配置され、上記工作物と温度制御された上記流体との間で対流により熱が伝達される装置における熱処理の安定性を検知する方法において、
上記処理室内の雰囲気中で、上記感知素子を対流により加熱するステップと、
上記感知素子の冷却及び加熱を繰り返すステップであって、上記冷却を上記処理室の温度が実質的に一定の状態で行うと共に、上記加熱を上記処理室の雰囲気中における対流によって行い、或いは、上記加熱を上記処理室の温度が実質的に一定の状態で行うと共に、上記冷却を上記処理室の雰囲気中における対流によって行うステップと、
連続的な加熱冷却サイクルから得られる上記感知素子の温度変化曲線を相互に比較するか、或いは、最新の上記温度変化曲線を個々に基準曲線と比較するステップを備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−519154(P2011−519154A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505357(P2011−505357)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000124
【国際公開番号】WO2009/132607
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(599129281)エーエルエスアー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【Fターム(参考)】