説明

特に工作機械の主軸を支持するための高速可動軸受

本発明によれば、高速可動軸受(1)が、並んで設けられる複数の玉列(6,7,8,9,10)を持ちかつ作動に起因するレース(2,3)の半径方向熱膨張を自動的に補償する可動玉軸受として構成され、そのレース(2,3)が、高速可動軸受(1)の冷えた状態で、内レース(2)における転動体(4)用転動面(5)の凸な構造により、1つの玉列(8)のみを介して支持接触し、両方のレース(2,3)の熱膨張及び遠心力拡張の増大と共に、両方のレース(2,3)の半径方向に弾性的に撓む構成により、それ以外の玉列(6,7,9,10)が両方のレース(2,3)と順次接触する状態になって、高速可動軸受(1)の作動温度でレース(2,3)が、すべての玉列(6,7,8,9,10)を介して互いに支持接触するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械の主軸を支持するため又は他の高速回転する機械部分を支持するために使用できる、請求項1の上位概念を形成する特徴に記載の高速可動軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受技術の分野の当業者に、回転する機械部分を案内しかつ支持するため、特定の間隔をおいて設けられる少なくとも2つの軸受が必要なことは、一般に知られている。軸の支持が通常のように2つのラジアル軸受で行われると、軸上及びハウジング内における軸受座の間隔が製造公差の範囲内でしか一致しない、という問題が起こる。更に作動条件下で軸が一般にハウジングにより強く加熱されるので、支持個所における軸の温度に起因する長さの相違も補償せねばならない。従って製造公差及び長さの相違を補償する以前からの有効な可能性は、軸を1つの固定軸受においてのみ軸線方向に案内し、他方の支持個所では可動軸受により、内レースの固定個所、外レースの固定個所又は軸受自体における異なる間隔が、レースの相対移動により補償される。このような軸受装置の固定軸受として、軸の軸線方向案内の要求される精度に応じて、とりわけ深溝玉軸受、球面ころ軸受、円錐ころ軸受又は2列又は2つの1列アンギュラコンタクト玉軸受が特に適していることがわかったが、可動軸受は円筒ころ軸受又は針軸受により最も簡単に実現可能である。なぜならば、これらの形式の軸受では、それぞれ曲げ縁のないレース又は軸の転動路上における転動体環の移動が可能だからである。
【0003】
しかし特に水冷される工作機械主軸の可動軸受として円筒ころ軸受又は針軸受を使用する場合内レースと外レースとの間又は軸と軸ハウジングとの間に温度差があると、異なる熱膨張により、軸受の増大する半径方向締付けにおいて認められる高い半径方向剛性をこれらの軸受が持つという、欠点のあることがわかった。温度に起因するこの半径方向締付けによりますます増大するレースと転動体との間の半径方向締付けが強くなって、生じる摩擦熱が軸受の許容作動温度を上回り、転動体とレースとの間の必要な潤滑膜が裂けて潤滑材の部分燃焼及び軸受の早期の故障に至ることがある。このような早期の軸受故障を回避する公知の可能性は、軸受の半径方向遊隙を適当に予め設定することであるが、工作機械主軸上の内レースの費用がかかる円錐座を介するこのような半径方向遊隙設定は、非常に時間を要し、更に非常に費用のかかる包絡円測定器を必要とする。
【0004】
工作機械主軸を支持する場合可動軸受を実現する別の可能性は、欧州特許出願公開第926368号明細書に開示された玉軸受であり、外レースが溝状玉転動路を持ち、内レースが縦断面において平らな玉転動路を持つように、構成され、レースの間に設けられえる玉がセラミックから成っている。所定の半径方向遊隙を持つ軸受の構成により、軸受が軸上及びハウジング内における充分なはまり合い及び好都合な作動遊隙を持ち、平らな転動面の範囲における内レースの軸線方向移動可能性により可動軸受機能が保証されるようにすることができる。
【0005】
このように構成される玉軸受は、その所定の半径方向遊隙により、作動に起因するレースの半径方向熱膨張を阻止するが、低い負荷能力しか持たず、従って軸受が突然極めて大きい点荷重を受けるいわゆる衝突の場合、材料を損傷しかつ最後には全体故障する傾向がある。更に実際に、軸受の所定の半径方向遊隙も、内レースから外レースへの大きい熱勾配の場合軸受の過負荷を回避するのに充分ではないので、2列構造のこのような軸受自体により、軸受のあらゆる作動状態において均一に精確な半径方向主軸案内を保証することは不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って公知の従来技術の解決策の上述した欠点から出発して、本発明の基礎になっている課題は、特に工作機械の主軸を支持するための高速可動軸受を構想し、それにより主軸の固定軸受に対する主軸の温度に起因する長さの相違を補償する機能のほかに、作動に起因するレースの半径方向熱膨張の結果生じるレースの過負荷を回避し、軸受のあらゆる温度状態及び作動状態において均一に精確な半径方向主軸案内を保証することも可能であるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によればこの課題は、請求項1の上位概念に記載の高速可動軸受において、高速可動軸受が、並んで設けられる複数の玉列を持ちかつ作動に起因するレースの半径方向熱膨張を自動的に補償する可動玉軸受として構成され、そのレースが、高速可動軸受の冷えた状態で、内レースにおける転動体用転動面の凸な構造により、1つの玉列のみを介して支持接触し、両方のレースの熱膨張及び遠心力拡張の増大と共に、1つのレース又は両方のレースの半径方向に弾性的に撓む構成により、それ以外の玉列が両方のレースと順次接触する状態になって、高速可動軸受の作動温度でレースが、すべての玉列を介して互いに支持接触するようにしている。
【0008】
適切な展開では、本発明により構成される高速可動軸受は、並んで設けられかつ転動体として同じ直径の鋼玉又はセラミック玉を持つなるべく5つの玉列を持ち、中央の玉列の転動体のみが、高速可動軸受の冷えた状態で、両方のレースに支持接触している。並んで3つの玉列を設けると、外側の半径方向負荷がほぼ均一に個々の玉列に分布され、軸受が全体そして公知の1列又は2列の可動玉軸受より著しく頑丈である、という利点がある。しかし使用事例に応じて、5つより少ないか又は多い玉列を持つ高速可動軸受を構成することも可能である。転動体のための材料及び形状を選ぶ際、とりわけセラミック玉の使用が有利なことがわかった、なぜならば、玉はその理想的な形状のため例えば円筒ころより精確に製造可能であり、これらの玉により可動軸受のすぐれた作動の静かさが生じる。更にセラミック玉は、セラミックから成る円筒ころに比較して、その代わりに使用可能な公知の転がり軸受鋼から成る玉と同じように安価に製造可能である。
【0009】
このような数の玉列により構成される可動軸受が従来の可動軸受より著しく大きい軸線方向構造空間を必要としないようにするため、本発明により構成される高速可動軸受の有利な構成として更に、個々の玉列の転動体が、周方向に均一に互いに間隔をおいて共通な保持器内に互いに入り組んで設けられ、従って高速可動軸受の軸線方向幅が、1つの横列の5つの転動体の直径の和より小さいことが提案される。その際実際に、互いに入り組んだ5つの玉列により構成される可動軸受の軸線方向幅は、従来技術において記載された1列可動玉軸受の幅の2倍にほぼ等しく、これが大抵の使用において存在する軸線方向構造空間により不利な影響を受けないことがわかった。
【0010】
玉列の入り組んだ配置は、本発明により構成される高速可動軸受の別の構成では、中央及び軸線方向外側の玉列の転動体と、中央の玉列に隣接する両方の玉列の転動体とが、周方向に交互に続く共通な横軸線上にそれぞれ設けられるように、実現可能である。その際中央及び軸線方向外側の玉列の横軸上に設けられる転動体の間には、保持器内でその玉ポケットを区画する1つの橋絡片のみが設けられ、中央の玉列に隣接する玉列にあって同様に保持器内に玉ポケットを区画する橋絡片のみにより互いに分離される転動体は、それぞれ中央及び軸線方向外側の玉列の横軸線の間で、これらの玉列の玉ポケットを区画する橋絡片の高さの所に設けられている。
【0011】
更に本発明により構成される高速可動軸受の別の特徴によれば、外レースのなるべく平らに形成される内面に、玉列の数に応じて、並んで設けられる5つの転動溝が転動体の案内部として加工されている。転動体潤滑のため転動体の半径より少し大きい半径を持つこれらの転動溝は、その断面がそれぞれ同じ幅及び同じ深さを持つように構成され、かつ直接互いに移行しているので、転動体はその周囲のほぼ4分の1を転動溝内に案内される。
【0012】
本発明により構成される高速可動軸受の別の構成では、工作機械の主軸と軸ハウジングとの間の特に大きい熱勾配のため、なるべく両方のレースが、半径方向に弾性的に撓む構成のために、その外面に凹な断面の環状凹所をそれぞれ持つように形成され、これらの環状凹所がレースのほぼ全軸線方向幅にわたって延び、その最大深さがレースの厚さのほぼ半分に等しい。従ってレースの外面にあるこれらの環状凹所は、レースの材料断面を減少し、この減少によりレースの剛性が軸線中央の方へ減少し、同時にレースの半径方向弾性が軸線中央の方へ増大する。その際凹な環状凹所の表面を更に精密研削によって加工して、場合によっては表面粗さの切欠き効果の結果生じるレースの過負荷破壊を回避すると、有利なことがわかった。これに反し凹な環状凹所に続く両方のレースの軸線方向縁範囲は再び平らになるべく精密研削なしに形成されているので、レースは、環状軸受座として構成されるこれらの縁範囲を介して、問題なく軸ハウジング内又は主軸上に取付けられることができる。しかしレースの間に著しく大きい熱勾配を持つ使用事例では、外レースのみ又は内レースのみを前記のように半径方向に弾性的に構成することも可能なので、従来のように構成される他のレースでは、表面粗さの切欠き効果の結果生じる破壊の危険はなくなる。
【0013】
従って特に工作機械の主軸を支持するため本発明により構成される高速可動軸受は、従来技術から公知の転がり軸受に対して、そのレースの特殊な構成及び複数列玉軸受の構成によって、温度に起因する主軸の固定軸受座に対する長さの相違を補償できる能力のほかに、作動に起因するレースの半径方向熱膨張及び遠心力拡張を自動的に補償し、従って軸受のいかなる作動状態及び温度状態においても一様に精確な主軸案内を保証することもできる、という利点を持っている。内レースにおける転動体用転動面の凹な構成及び軸受半径方向遊隙の適当な設計によって、軸受の冷えた状態で精確な主軸案内が、まず両方のレースに支持接触している中央の玉列を介して保証される。それから遠心力の増大及び作動に起因するレースの熱膨張により、中央の玉列に隣接する両方の玉列も両方のレースに支持接触する。本発明により構成される高速可動軸受が最後にその作動温度に達すると、半径方向に弾性的に撓むレースの構成により、軸線方向外側の両方の玉列も両方のレースに支持接触し、その際中央の玉列は過負荷されず、軸受のいかなる温度状態でも充分な軸受剛性が存在する。本発明により5列の玉軸受として構成される高速可動軸受の構成は、公知の1列玉軸受と比較して、少し大きい軸受摩擦の原因となるが、この軸受の高速適性は維持されている。同時にそれにより、例えば2列円筒ころ軸受と比較して、本発明による高速可動軸受の内レースが外レースに対して著しく傾斜し難いようにすることができる。更に本発明により構成される高速可動軸受は、保守不要により潤滑材を貯蔵するため無接触密封板を使用することが可能であり、低い製造費により高価なセラミックころの代わりに安価に製造可能なセラミック玉が使用される、という点ですぐれている。
【0014】
本発明により構成される高速可動軸受の好ましい実施例が、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1には、電動機26及びこれにより駆動される主軸27を含む工作機械の駆動装置が概略的に示されている。この主軸27は、明らかにわかるように一端を、固定軸受座31として軸ハウジング28内に構成されている2つのアンギュラコンタクト玉軸受29,30に支持されている。これに反し主軸10の他端は、本発明により構成される高速可動軸受1により形成される可動軸受座32に支持されている。このため図2からわかるように、この高速可動軸受1は、主軸27上に取付けられる内レース2と、軸ハウジング28内に取付けられる外レース3と、これらのレース2,3の間に設けられる特定数の転動体4とを含み、可動軸受機能として、転動体4用の内レース2が軸線方向に移動可能である。
【0016】
更に図2から明らかにわかるように、高速可動軸受1は、本発明によれば、作動に起因するレース2,3の半径方向熱膨張を自動的に補償する可動玉軸受として構成され、転動体4として同じ直径のセラミック玉を持つ5つの並んで設けられる玉列6,7,8,9,10を持っている。図2から漠然的にのみわかるように、高速可動軸受1のレース2,3は、軸受の冷えた状態では、内レース2における転動体4用の転動面5の凸な構成により、中央の玉列8を介してのみ、互いに支持接触しているが、両方のレース2,3の熱膨張及び遠心力拡張の増大と共に、両方のレース2,3の半径方向に弾性的に撓む構成により、別の玉列6,7,9,10が順次に両方のレース2,3と接触する状態になって、高速可動軸受1の作動温度においてレース2,3が、すべての玉列6,7,8,9,10を介して互いに支持接触するようになる。
【0017】
この目的のため個々の玉列6,7,8,9,10の転動体4は、同様に図2から同様に漠然的にのみわかるように、周方向に互いに均一な間隔をおいて、共通な保持器11に互いに入り組んで設けられているので、高速可動軸受1の軸線方向幅は、1つの横列の5つの転動体4の直径の和より小さい。その際玉列6,7,8,9,10の互いに入り組んだ配置のために、中央の玉列8及び軸線方向外側の玉列6,10の転動体4は、共通な横軸線上に設けられ、中央の玉列8に隣接する両方の玉列7,9の転動体4も同様に、周方向において中央及び軸線方向玉列8,6,10の転動体4の横軸線の間にそれぞれ設けられている共通な横軸線上に設けられている。レース2,3の間において保持器11内に位置ぎめされる玉列6,7,8,9,10の軸線方向案内は、並んで設けられて図2においてよくわかる5つの転動溝13,14,15,16,17を介して行われる。これらの転動溝は、外レース3の平らに形成される内面12に加工されており、断面において同じ幅及び同じ深さを持ち、転動体4の半径より少し大きい半径を持つように構成されている。
【0018】
図2から同様にわかるように、高速可動軸受1の両方のレース2,3は、半径方向に弾性的に撓む構成のために、それぞれ凹な断面の環状凹所20,21を持つように構成され、これらの環状凹所はレース2,3のほぼ全軸線方向幅にわたって延び、その最大深さはレース2,3の厚さのほぼ半分に等しい。レース2,3の外面18,19にあるこれらの凹な環状凹所20,21は、レース2,3の材料断面を少なくし、この断面減少により、レース2,3の剛性がレースの軸線方向中央の方へ減少し、同時にレース2,3の半径方向弾性がレースの軸線方向中央の方へ増大する。これに反し両方のレース2,3のこれらの環状凹所20,21に続く軸線方向縁範囲22,23,24,25は平らに形成され、それぞれ環状の軸受座を介してレース2,3が軸ハウジング28ない又は主軸27上に取付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 固定軸受及び本発明による高速可動軸受に支持される主軸を持つ工作機械の駆動装置の断面図を示す。
【図2】 本発明により構成される高速可動軸受の断面の半分の拡大図を示す。
【符号の説明】
【0020】
1 高速可動軸受
2 内レース
3 外レース
4 転動体
5 2の転動面
6,7,8,9,10 玉列
11 保持器
12 3の内面
13,14,15,16,17 転動溝
18 2の外面
19 3の外面
20,21 環状凹所
22,23 18の縁範囲
24,25 19の縁範囲
26 電動機
27 主軸
28 軸ハウジング
29,30 アンギュラコンタクト玉軸受
31 固定軸受座
32 可動軸受座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に工作機械の主軸を支持するための高速可動軸受が、主軸(27)上に取付けられる内レース(2)、軸ハウジング(28)に取付けられる外レース(3)、及びこれらレース(2,3)の間に設けられる特定数の転動体(4)を含み、可動軸受機能として、転動体(4)用転動面(5)の範囲における内レース(2)の軸線方向移動を可能にするものにおいて、高速可動軸受(1)が、並んで設けられる複数の玉列(6,7,8,9,10)を持ちかつ作動に起因するレース(2,3)の半径方向熱膨張を自動的に補償する可動玉軸受として構成され、そのレース(2,3)が、高速可動軸受(1)の冷えた状態で、内レース(2)における転動体(4)用転動面(5)の凸な構造により、1つの玉列(8)のみを介して支持接触し、両方のレース(2,3)の熱膨張及び遠心力拡張の増大と共に、1つのレース(2又は3)又は両方のレース(2及び3)の半径方向に弾性的に撓む構成により、それ以外の玉列(6,7,9,10)が両方のレース(2,3)と順次接触する状態になって、高速可動軸受(1)の作動温度でレース(2,3)が、すべての玉列(6,7,8,9,10)を介して互いに支持接触するようにしていることを特徴とする、高速可動軸受。
【請求項2】
高速可動軸受が並んで設けられかつ転動体(4)として同じ直径の鋼玉又はセラミック玉を持つなるべく5つの玉列(6,7,8,9,10)を持ち、中央の玉列(6)の転動体(4)のみが、高速可動軸受(1)の冷えた状態で、両方のレース(2,3)に支持接触していることを特徴とする、請求項1に記載の高速可動軸受。
【請求項3】
個々の玉列(6,7,8,9,10)の転動体(4)が、周方向に均一に互いに間隔をおいて共通な保持器(11)内に互いに入り組んで設けられ、従って高速可動軸受(1)の軸線方向幅が、1つの横列の5つの転動体(4)の直径の和より小さいことを特徴とする、請求項2に記載の高速可動軸受。
【請求項4】
玉列(6,7,8,9,10)の入り組んだ配置のため、中央及び軸線方向外側の玉列(8,6,10)の転動体(4)と、中央の玉列(8)に隣接する両方の玉列(7,9)の転動体(4)とが、周方向に交互に続く共通な横軸線上にそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の高速可動軸受。
【請求項5】
外レース(3)のなるべく平らに形成される内面(12)に、玉列(6,7,8,9,10)の数に応じて、並んで設けられる5つの転動溝(13,14,15,16,17)が加工されており、これらの転動溝の断面がそれぞれ同じ幅及び同じ深さを持ち、かつ転動体(4)の半径より少し大きい半径を持つように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の高速可動軸受。
【請求項6】
なるべく両方のレース(2,3)が、半径方向に弾性的に撓む構成のために、その外面(18,19)に凹な断面の環状凹所(20,21)をそれぞれ持つように形成され、これらの環状凹所がレース(2,3)のほぼ全軸線方向幅にわたって延び、その最大深さがレース(2,3)の厚さのほぼ半分に等しいことを特徴とする、請求項5に記載の高速可動軸受。
【請求項7】
レース(2,3)の外面(18,19)において凹な環状凹所(20,21)に続く両方のレース(2,3)の軸線方向縁範囲(22,23,24,25)が平らに形成され、レース(2,3)が、環状軸受座として形成されるこれらの縁範囲(22,23,24,25)を介してのみ、軸ハウジング(28)内又は主軸(27)上に取付けられていることを特徴とする、請求項6に記載の高速可動軸受。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−536059(P2008−536059A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502235(P2008−502235)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000341
【国際公開番号】WO2006/092120
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(506420843)シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Fターム(参考)】