説明

特定のサイズの球状粒子から作られたメソ構造化アルミノケイ酸塩材料

メソ構造化アルミノケイ酸塩材料であって、少なくとも2つの基本球状粒子からなり、前記球状粒子はそれぞれ酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするマトリクスからなり、前記マトリクスの細孔径は1.5〜30nmの範囲であり、Si/Alモル比は1以上であり、無定形壁の厚さは1〜30nmの範囲であり、前記基本球状粒子の径Dは10<D(μm)≦100である、ものが記載されている。前記材料の調製方法と、精製および石油化学分野におけるその用途についても記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム含有量の多いメソ構造化アルミノケイ酸塩材料の分野に関する。本発明はまた、EISA(Evaporation Induced by Self-Assembly:蒸発誘起自己集合)法を用いて得られるこれらの材料の調製に関する。それらの構造的および表面組織的特性、ならびにそれらの酸−塩基特性により、本発明による材料は、精製および石油化学の分野における適用に特に適切である。
【背景技術】
【0002】
新たな合成戦略により、十分明確な、非常に幅広い範囲の多孔性を有する材料(ミクロ細孔材料からマクロ細孔材料、階層的多孔性材料、すなわちいくつかのサイズの細孔を有する材料まで)を得ることが可能となっているが、この合成戦略は、90年代半ばから科学界において大きな発展を成し遂げている。(非特許文献1)。細孔サイズが制御された材料が得られる。特に、「ソフトケミストリー」と呼ばれる合成方法の開発により、水溶液中または著しい極性を有する溶媒中で、無機前駆体と、構造化剤、一般には分子または超分子の界面活性剤(イオン性または中性)とを共存させることを通じて、低温でメソ構造化材料が合成されるに至っている。無機前駆体の加水分解/縮合反応と連帯した、無機前駆体と構造化剤との間の静電気的相互作用の制御または水素結合を通じた制御によって、均一かつ制御されたサイズの界面活性剤のミセル凝集体を無機マトリクス内に生じさせる有機相および無機相の協同的集合がもたらされる。とりわけ構造化剤濃度によって支配されたこの協同自己集合現象は、構造化剤の濃度が臨界ミセル濃度より低い反応物の溶液を徐々に蒸発させることにより、誘発され得、これにより、基板上の沈着の場合はメソ構造化フィルムが形成される(浸漬塗工技法)に至るか、あるいは溶液の噴霧後または排水後メソ構造化粉体が形成される(エアロゾル技法)に至る。例として、特許文献1には、浸漬塗工技法によるメソ構造化有機−無機ハイブリッドフィルムの形成が開示されており、これらの著者は、更にエアロゾル技法を用いてメソ構造化された純粋なシリカ材料を合成している(非特許文献2)。多孔性のクリアランスが、界面活性剤の除去によって得られ、これは従来、化学抽出法によって、または熱処理によって行われる。用いられる無機前駆体および構造化剤の性質に応じて、ならびに、適用される操作条件に応じて、いくつかの族のメソ構造化材料が開発されている。例えば、当初Mobilによって開発されたM41Sが広く研究された(非特許文献3)。これは、イオン性界面活性剤、例えば、第四級アンモニウム塩を用いて得られるメソ細孔性の材料からなり、一般的には六方晶系、立方晶系、またはラメラ状の構造を有し、均一な径の細孔は1.5〜10nmの範囲にわたり、無定形壁の厚みは1〜2nm程度のものである。その後、水熱安定性特性を高めながらこれらの材料に関する酸−塩基特性を開発するために、直接合成または合成後プロセスによるアルミニウム元素の無定形シリカ骨格中への組み入れが特に研究されてきた。得られたアルミノケイ酸塩材料はSi/Alモル比が1〜1000の範囲にわたる(非特許文献4〜6)。しかしながら、これらのアルミノケイ酸塩により開発された水熱安定性および酸−塩基特性を、精製または石油化学プロセスにおける工業化段階で用いることは不可能であったため、ブロック共重合体タイプの両親媒性超分子等の新たな構造化剤が用いられるようになり、これにより更に、メソ細孔性の材料は、一般に六方晶系、立方晶系、またはラメラ状の構造と、4〜50nmにわたる均一径の細孔と、3〜7nm程度にわたる厚さの無定形壁とを有するに至った。上述の浸漬塗工技法またはエアロゾル技法とは異なり、このようにして定義された材料は、溶液中に存在する無機前駆体と構造化剤を徐々に濃縮することによって得られず、従来は、構造化剤の臨界ミセル濃度の値を用いて、水溶液中または著しい極性を有する溶媒中での直接沈殿によって得られる。更に、沈殿により得られるこれらの材料の合成は、オートクレーブ中での熟成段階を必要とし、全ての反応物が化学量論的割合で生成物中に集積されるわけではない。それらは上澄み中に見出され得るからである。最終のメソ構造化材料として要求される構造および組織化の度合いに応じて、これらの合成は酸性媒体内(pH≒1)(特許文献2)または中性の媒体内(特許文献3)で起こり得、用いられる構造化剤の性質も重要な役割を果たす。このようにして得られた基本粒子は、規則的な形状を有しないで、一般に500nmを超えるサイズによって特徴付けられる。このようにして得られたメソ構造化アルミノケイ酸塩材料は、他の構造化剤を介して合成されたそれらのホモログと比較して、優れた熱水安定性特性を示し、これらの酸−塩基特性はほとんど類似したままである(1<Si/Al<1000)。しかしながら、これらの特定の操作方法によって大量のアルミニウムを材料中に組み入れることは容易ではないため、低いSi/Alモル比の値を得ることは難しい(非特許文献7および8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6387453号明細書
【特許文献2】国際公開第99/37705号パンフレット
【特許文献3】国際公開第96/39357号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ジー・ジェイ・デ・エイ・エイ・ソレール・イリッア(G. J. de A. A. Soler-Illia)、シー・サンチェス(C. Sanchez)、ビー・レビュー(B. Lebeau)ジェイ・パタリン(J. Patarin)著、「Chemical. Rev.」、2002年、第102巻、p.4093
【非特許文献2】シー・ジェイ・ブリンカー(C. J. Brinker)、ワイ・ル(Y. Lu)、エイ・セリンジャー(A. Sellinger)、エイチ・ファン(H. Fan)著、「Adv. Mat.」、1999年、第11巻、p.7
【非特許文献3】ジェイ・エス・ベック(J. S. Beck)、ジェイ・シー・バルツリ(J. C. Vartuli)、ダブリュー・ジェイ・ロス(W. J. Roth)、エム・イー・レオノビッチ(M. E. Leonowicz)、シー・ティー・クレスゲ(C. T. Kresge)、ケイ・ディー・シュミット(K. D. Schmitt)、シー・ティー・ダブリュー・チュ(C. T. -W. Chu)、ディー・エイチ・オルソン(D. H. Olson)、イー・ダブリュー・シェパード(E. W. Sheppard)、エス・ビー・マクレン(S. B. McCullen)、ジェイ・ビー・ヒギンズ(J. B. Higgins)、ジェイ・エル・シュレンカー(J. L. Shlenker)著、「J. Am. Chem. Soc.」、1992年、第114巻、第27号、p.10834
【非特許文献4】エス・カイ(S.Kawi)エス・シー・シェン(S.C.Shen)著、「Stud.Surf.Sci.Catal.」、2000年、第129巻、p.227
【非特許文献5】エス・カイ(S.Kawi)エス・シー・シェン(S.C.Shen)著、「Stud.Surf.Sci.Catal.」、2000年、第129巻、p.219
【非特許文献6】アール・モカヤ(R.Mokaya)、ダブリュー・ジョーンズ(W.Jones)著、「Chem.Commun.」、1997年、p.2185
【非特許文献7】ディー・ザホ(D.Zaho)、ジェイ・フェン(J.Feng)、キュー・ハオ(Q.Huo)、エヌ・メロッシュ(N.Melosh)、ジー・エイチ・フレドリクソン(G.H.Fredrickson)、ビー・エフ・キメルケ(B.F.Chmelke)、ジー・ディー・スタッキー(G.D.Stucky)著、「Science」、1998年、第279巻、p.548
【非特許文献8】ワイ−エイチ.リュ(Y.-H.Yue)、エイ・ゲデオン(A.Gedeon)、ジェイ−エル・ボナルデット(J.-L.Bonardet)、ジェイ・ビー・エスピノセ(J.B.d’Espinose)、エヌ・メロシュ(N.Melosh)、ジェイ・フライサート(J.Fraissard)著、「Stud.Surf.Sci.Catal.」、2000年、第129巻、p.209
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要約)
本発明は、少なくとも2つの基本球状粒子からなるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料であって、前記球状粒子はそれぞれ酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするマトリクスからなり、前記マトリクスの細孔径は1.5〜30nmの範囲であり、Si/Alモル比は1以上であり、無定形壁の厚さは1〜30nmの範囲であり、前記基本球状粒子の径Dは10<D(μm)≦100である、メソ構造化アルミノケイ酸塩材料に関する。本発明による材料のアルミニウム含有量は多く、Si/Alモル比は好ましくは1〜10にわたる。
【0006】
本発明はまた、本発明による材料の調製に関する。本発明による材料の調製方法は、a)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体とを溶液に混合する段階;b)スプレーノズルを用いて段階a)において得られた溶液をエアロゾル噴霧し、300μm以下の径の液状小滴を形成させる段階;c)前記小滴を乾燥させる段階;d)段階c)において得られた固体生成物を粉砕する段階;e)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体と、段階d)において得られた固体生成物の少なくとも一部を溶液に混合する段階;f)スプレーノズルを用いて段階e)において得られた懸濁液をエアロゾル噴霧し、懸濁小滴を形成させる段階であって、該小滴は、本発明による材料の径D(10<D(μm)≦100)の構成基本球状粒子の前駆体である、段階;g)段階f)において得られた前記小滴を乾燥させる段階;およびh)前記界面活性剤を除去して、メソ構造化多孔性材料を得る段階、を含む。
【0007】
(発明の関連)
本発明によるアルミノケイ酸塩材料は、基本球状粒子からなるメソ構造化材料であり、前記粒子はそれぞれ酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするマトリクスからなる。前記マトリクスは、メソ構造化されており、1〜30nmの厚さの無定形壁と、1.5〜30nmの均一な細孔径と、1以上のSi/Alモル比を有する。前記基本球状粒子の径D(ミクロンで表される)は、10<D(μm)≦100であり、好ましくは、11〜70μmの範囲である。出願人によるEISA法の実施および制御によってこれらの粒子のサイズが制御可能となることにより、およびこれらの粒子の形状が完全に球状であることにより、本発明による材料を、精製および石油化学の分野において適用される触媒および吸着剤として用いる際、均質でない、すなわち、不規則な形状の基本粒子の形態の当該技術の状況において知られた材料と比べて、化合物の拡散のより良い制御が可能となる。本発明による材料の前記粒子のそれぞれを構成するマトリクスのSi/Alモル比は、有利には1〜10であり、より有利には1〜5である。本発明による材料のアルミニウム含有量は多く、これが本発明による材料に、触媒用途としては興味深い酸−塩基特性を与える。本発明による材料はまた、メソ細孔スケールで示す、組織化された細孔性において特に興味深い。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本発明の対象は、少なくとも2つの基本球状粒子からなるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料であって、前記球状粒子はそれぞれ酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするメソ構造化マトリクスからなり、前記メソ構造化マトリクスの細孔径は1.5〜30nmの範囲であり、Si/Alモル比は1以上であり、無定形壁の厚さは1〜30nmの範囲であり、前記基本球状粒子の径Dは10μm超かつ100μm以下(10<D(μm)≦100)である、ものである。
【0009】
本発明によると、本発明のアルミノケイ酸塩材料の前記球状粒子のそれぞれを構成する酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするマトリクスは、有利には、アルミニウム含有量が多い:Si/Alモル比は、好ましくは、1〜10の範囲であり、より好ましくは1〜5の範囲である。
【0010】
本発明の意味において、メソ構造化材料と称されるものは、前記球状粒子のそれぞれのメソ細孔のスケールで組織化された多孔性、すなわち、1.5〜30nm、好ましくは1.5〜10nmの範囲の均一な径の細孔のスケールで前記粒子のそれぞれにおいて均質かつ均一に分布した、組織化された多孔性を少なくとも1種有する材料である(材料のメソ構造化)。
【0011】
酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするマトリクスは、本発明による材料を構成する各球状粒子に含有されており、メソ構造化されている:該マトリクスは、均一な、すなわち、各メソ細孔が同一である、径を有するメソ細孔を示し、この径は1.5〜30nm、好ましくは1.5〜10nmの範囲にわたり、このメソ細孔は前記粒子のそれぞれに均質かつ均一に分布している。本発明による材料の前記球状粒子のそれぞれのメソ細孔間に含まれる物質は、無定形であり、厚さが1〜30nmの範囲である壁を形成する。壁の厚さは、第一メソ細孔と第二メソ細孔との間の距離に相当し、第二メソ細孔は、前記第一メソ細孔に最も近い細孔である。上述のメソ多孔性の組織化により、六方晶系、二次元六方晶系、バーミキュラ状、または立方晶系であり得、好ましくはバーミキュラ状である、酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするマトリクスが構造化されるに至る。
【0012】
本発明によると、本発明による材料を構成する前記基本球状粒子の径D(ミクロンで表される)は、厳密には10μm超かつ100μm以下(10<D(μm)≦100)である。好ましくは、前記球状粒子の径Dは、有利には11〜70μmの範囲である。本発明による材料の特定の実施形態によると、前記基本球状粒子の径Dは、11〜50μm、より好ましくは15〜50μmの範囲である。より正確には、前記基本球状粒子は、本発明による材料中に凝集体の形態で存在する。
【0013】
本発明による材料の比表面積は、有利には200〜1200m/g、より有利には300〜1000m/gの範囲である。
【0014】
本発明はまた、本発明による材料の調製方法に関する。「本発明による主要な調製方法」と記載される、本発明による材料の調製方法は、a)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体とを溶液に混合する段階;b)スプレーノズルを用いて段階a)において得られた溶液をエアロゾル噴霧し、300μm以下の径の液状小滴を形成させる段階;c)前記小滴を乾燥させる段階;d)段階c)において得られた固体生成物を粉砕する段階;e)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体と、段階d)において得られた固体生成物の少なくとも一部を溶液に混合して、懸濁液を形成させる段階;f)スプレーノズルを用いて段階e)において得られた懸濁液をエアロゾル噴霧し、懸濁小滴を形成させる段階であって、該小滴は、本発明による材料の径D(10<D(μm)≦100)の構成基本球状粒子の前駆体である、段階;g)段階f)において得られた前記懸濁小滴を乾燥させる段階;およびh)段階a)および段階e)において導入された前記界面活性剤を除去して、メソ構造化多孔性材料を得る段階、を含む。
【0015】
本発明による前記主要な調製方法によると、段階d)において得られかつ前記段階e)を行うために用いられる固体生成物の一部は、段階d)において粉砕された固体生成物の総量の1〜100重量%、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%を示す。
【0016】
本発明の主要な調製方法の第1の特定の実施形態によると、本発明の方法の段階d)中、段階c)からの固体生成物の一部のみが粉砕される;粉砕されない部分は一般に、後に使用されない。
【0017】
本発明の主要な調製方法の第2の特定の実施形態によると、段階h)における界面活性剤の除去は、段階d)による粉砕段階の前に行われ、前記段階d)が有機界面活性剤の存在しない固体生成物上で行われる。本発明による前記第2の調製方法の特定の場合において連続して行われる段階a)、段階b)、段階c)、段階h)、段階d)、段階e)、および段階f)の後に、段階g)および段階h)に記載の、小滴乾燥と段階e)において導入された界面活性剤の除去とからなる新しいサイクルが行われる。
【0018】
径Dが11〜50μm、好ましくは15〜50μmの範囲である基本球状粒子からなる本発明による材料の特定の場合のために、以下の段階を含む「本発明による単純化された調製方法」と記載される単純化された調製方法が、好ましくは行われる:a)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体とを溶液に混合する段階;b)スプレーノズルを用いて段階a)において得られた溶液をエアロゾル噴霧し、300μm以下の径の液状小滴を形成させる段階;c)前記小滴を乾燥させる段階;およびh)前記界面活性剤を除去して、メソ構造化多孔性材料を得る段階。
【0019】
本発明によると、本発明の主要な調製方法の段階e)による懸濁液中および本発明の単純化された調製方法の段階a)による溶液中に存在する不揮発性化合物の体積百分率は、少なくとも7%、好ましくは7.5%、より好ましくは少なくとも10%である。前記不揮発性化合物の体積百分率は、総体積に対する、噴霧後に得られた固体基本粒子中の縮合酸化物(単数種または複数種)(SiOおよびAlO1.5)の形態の不揮発性無機部分によって占められる体積に、同一の固体粒子中に見られる不揮発性有機部分(界面活性剤)によって占められる体積を加えたものの割合に100を乗じたものとして定義される。より正確には、不揮発性無機部分によって占められる体積Vinorgは、比minorg/ρinorgによって定義される。ここで、minorgは、各基本球状粒子中に存在する縮合酸化物(単数または複数)の形態の無機部分、すなわち、SiOおよびAlO1.5(本発明による主要な調製方法の段階a)および段階e)において存在する無機前駆体に由来する)に本発明の主要な調製方法の段階c)の固体生成物の無機部分を加えたものの最終質量または各基本球状粒子中に存在する縮合酸化物(単数または複数)の形態の無機部分、すなわち、SiOおよびAlO1.5(本発明による単純化された調製方法の段階a)において存在する無機前駆体に由来する)の最終質量であり、ρinorgは、平均して2に等しい(「アルミノケイ酸塩ネットワーク」タイプの無機部分にほぼ有効)。同様に、不揮発性有機部分によって占められる体積Vorgは、比morg/ρorgによって定義される。ここで、morgは、基本粒子中に存在する界面活性剤、すなわち、本発明による主要な調製方法の段階a)および段階e)のいずれかにおいて存在する、または、本発明による単純化された調製方法の段階a)において存在する界面活性剤と本発明による主要な調製方法の段階c)の固体生成物の有機部分とを加えたものの質量であり、ρorgは1である(不揮発性有機部分の大部分にほぼ有効)。総体積は、VT=Vinorg+Vorg+Vsolventである。ここで、VinorgおよびVorgは、上記定義の通りであり、Vsolventは、水および任意の有機溶媒からなる溶媒の総体積に相当する。
【0020】
本発明による主要な調製方法の段階a)および段階e)において、または、本発明による単純化された調製方法の段階a)において用いられるシリカ前駆体およびアルミナ前駆体は、当業者に知られている無機酸化物前駆体である。シリカ前駆体は、任意のシリカ源から得られ、有利には、式SiO・NaOHのケイ酸ナトリウム前駆体、式SiClの塩素前駆体、または、式Si(OR)(式中、R=H、メチル、エチル)の有機金属前駆体または式Si(OR)4−xCl(式中、R=H、メチル、エチルであり、xは、0〜4である)のクロロアルコキシド前駆体から得られる。シリカ前駆体はまた、有利には、式Si(OR)4−xR’(式中、Rは、H、メチル、エチルであり、R’は、アルキル鎖あるいは、例えば、チオール、アミノ、β−ジケトン、スルホン酸基により官能基化されたアルキル鎖であり、xは、0〜4の範囲である)の有機金属前駆体であり得る。アルミナ前駆体は有利には、式AlX(式中、XはハロゲンまたはNO基であり、好ましくは、Xは塩素である)のアルミニウム無機塩である。アルミナ前駆体はまた、式Al(OR’’)(式中、R’’=エチル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル)の有機金属前駆体またはキレート化前駆体、例えば、アセチルアセトナートアルミニウム(Al(C)である。アルミナ前駆体はまた、アルミニウム酸化物または水酸化物であり得る。
【0021】
本発明の主要な調製方法の段階a)および段階e)において、または、本発明の単純化された調製方法の段階a)において用いられる界面活性剤は、イオン性または非イオン性の界面活性剤、あるいはそれらの混合物である。好ましくは、イオン性界面活性剤は、ホスホニウムイオンまたはアンモニウムイオンの中から選択され、より好ましくは、臭化セチルトリメチルアンモニウム(cetyltrimethylammonium bromide:CTAB)等の第四級アンモニウム塩の中から選択される。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、両親媒性高分子特性を与える異なる極性の少なくとも2つの部分を有するあらゆる共重合体であり得る。これらの共重合体は、以下の重合体ファミリーの限定的なリストに属する少なくとも1つのブロックを含み得る:フッ化重合体(−[CH−CH−CH−CH−O−CO−R1]−(式中、R1=C、C17等))、ポリアミノ酸(ポリリシン、アルギナート)等の生物学的重合体、デンドリマー、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる重合体。一般的に言って、当業者に知られた両親媒性特徴のあらゆる共重合体が用いられ得る(S. Forster, M. Antionnetti, Adv.Mater, 1998, 10, 195-217; S. Forster, T. Plantenberg, Angew. Chem. Int. Ed, 2002, 41, 688-714; H. Colfen, Macromol. Rapid Commum, 2001, 22, 219-252)。好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなるブロック共重合体が、本発明の範囲内において使用される。前記ブロック共重合体は、好ましくは、2つ、3つ、または4つのブロックを有するブロック共重合体であり、各ブロックがポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。2−ブロック共重合体については、一方のブロックが親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、他方のブロックが疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。3−ブロック共重合体については、少なくとも1つのブロックが親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、その他のブロックのうち少なくとも1つが疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。好ましくは、3−ブロックの共重合体の場合、親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖は、(PEO)および(PEO)で表されるポリ(エチレンオキシド)鎖であり、疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖は、(PPO)で表されるポリ(プロピレンオキシド)鎖、ポリ(ブチレンオキシド)鎖、または各鎖が複数種のアルキレンオキシドモノマーの混合である混合鎖である。より好ましくは、3−ブロックの共重合体の場合、式(PEO)−(PPO)−(PEO)(式中、xは5〜300、yは33〜300、zは5〜300である)の化合物が用いられる。好ましくは、xおよびzの値は同一である。x=20、y=70およびz=20である化合物(P123)、およびx=106、y=70およびz=106である化合物(F127)が非常に有利に用いられる。Pluronic(登録商標)(BASF)、Tetronic(登録商標)(BASF)、Triton(登録商標)(Sigma)、Tergitol(登録商標)(Union Carbide)、Brij(登録商標)(Aldrich)として知られる市販の非イオン性界面活性剤が、本発明による主要な調製方法の段階a)および段階e)、または本発明による単純化された調製方法の段階a)における非イオン性界面活性剤として用いられ得る。4−ブロック共重合体については、2つのブロックが親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、他の2つのブロックが疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。
【0022】
本発明の主要な調製方法の段階a)および段階e)による、または本発明の単純化された調製方法の段階a)による、少なくとも1種のシリカ前駆体と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種の界面活性剤とが混合された溶液は、酸性であっても、中性であっても、または塩基性であってもよい。好ましくは、前記溶液は酸性であり、最大pH値が2、好ましくは0〜2の範囲である。最大pH値が2である酸性溶液を得るために用いられる酸は、限定的な例としては、塩酸、硫酸、および硝酸である。前記溶液は、水性であってもよいし、または水と有機溶媒の混合物であってもよく、有機溶媒は好ましくは、極性溶媒、とりわけアルコール、好ましくはエタノールである。前記溶液はまた、実質的に有機性であってもよく、好ましくは実質的にアルコール性であり、水の割合は、無機前駆体の加水分解が確実に行われるような割合である(化学量論量)。より好ましくは、本発明の主要な調製方法の段階a)および段階e)による、または本発明の単純化された調製方法の段階a)による、少なくとも1種のシリカ前駆体と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種の界面活性剤とが混合された前記溶液は、酸性の水−有機混合物であり、より好ましくは酸性の水−アルコール混合物である。本発明の主要な調製方法の段階e)による前記溶液はまた、本発明の方法の段階d)において得られた固体生成物の少なくとも一部を含む。
【0023】
シリカ前駆体およびアルミナ前駆体の濃度は、本発明による材料のSi/Alモル比によって規定される。前記Si/Alモル比は、少なくとも1であり、好ましくは1〜100の範囲であり、より正確には1〜10の範囲であり、より好ましくは1〜5の範囲である。本発明の主要な調製方法の段階a)および段階e)による、または本発明の単純化された調製方法の段階a)による、混合物に導入された界面活性剤の初期濃度は、cによって規定され、cは当業者に知られている臨界ミセル濃度(cmc)に関連して規定される。cmcは、これを超えると界面活性剤分子の自己集合の現象が溶液中で起こる限界濃度である。濃度cは、cmcより小さくてもよく、cmcと等しくてもよく、あるいはcmcより大きくてもよく、好ましくは、cmcより小さい。本発明による材料の調製の好ましい実施形態において、濃度cは、cmcより小さく、本発明の主要な方法の段階a)の溶液または、本発明の主要な方法の段階e)の懸濁液、および本発明の単純化された方法の段階a)の溶液は、酸性の水−アルコール混合物である。
【0024】
本発明の主要な調製方法の段階b)および段階f)による混合物噴霧段階、または本発明の単純化された調製方法の段階b)による混合物噴霧段階において、スプレーノズルを用いることにより、300μm以下の径の球状小滴が生じる。前記ノズルは、当業者に周知のような(圧縮空気や窒素のような気体の圧力が制御された)「一流体」型であってもよく、または「二流体」型であってもよい。例えば、Spraying System Emaniのノズルを用いることができる(例えば、N22(登録商標)タイプの「一流体」ノズルまたはSU4(登録商標)タイプの「二流体」ノズル)。これらの小滴のサイズ分布は、対数正規分布型である。溶液の噴霧は、より小さいプラントでは乾燥空気/窒素混合物であり、より大きいプラントでは窒素のみである、キャリアガスが送られる室において行われる。本発明の主要な調製方法の段階c)および段階g)、または本発明の単純化された調製方法の段階c)により、前記小滴は乾燥させられる。乾燥は、前記小滴を前記のガスと接触させることにより行われ、これにより、本発明による主要な調製方法の段階a)、段階e)のそれぞれにおいて得られた溶液、懸濁液のそれぞれ、例えば、酸性の水−有機溶液、酸性の水−有機懸濁液のそれぞれが徐々に蒸発するか、若しくは、本発明による単純化された調製方法の段階a)において得られた溶液が徐々に蒸発し、それ故に、基本球状粒子が生じるに至る。噴霧室内の乾燥を提供する出口温度は、80〜450℃の範囲である。噴霧室内の小滴または粒子の滞留時間分布は、数秒程度である。本発明の主要な方法の段階d)の間、粒子は数μm(通常3〜5μm)になるまで粉砕される(例えば、エアジェットミルNetzsch CGS10)。プラントによるが、粒子は、サイクロンの出口で、またはバッグフィルター中に、集められる。本発明の主要な調製方法の段階c)および段階g)による、または本発明の単純化された調製方法の段階c)による、粒子の乾燥の後、有利には50〜300℃の範囲の温度で追加的熱処理が行われ、その後本発明の主要な方法および本発明の単純化された方法の段階h)において界面活性剤を除去して、本発明によるメソ構造化多孔性材料が得られる。本発明の主要な方法の段階a)および段階e)、および本発明の単純化された方法の段階a)において導入された界面活性剤の前記除去は、有利には化学抽出方法または熱処理、好ましくは、1〜24時間、好ましくは2〜6時間にわたる、300〜1000℃の温度範囲、より正確には450〜600℃の範囲の、空気中焼成を用いて行われる。
【0025】
本発明による主要な調製方法の段階a)および段階e)の溶液および本発明による単純化された調製方法の段階a)の溶液のそれぞれが水−有機溶媒混合物(単数または複数)(好ましくは酸性)である場合、本発明による主要な調製方法の段階a)および段階e)または本発明による単純化された調製方法の段階a)において、マトリクスメソ構造化の始点における界面活性剤の濃度は、臨界ミセル濃度より低いことが好ましく、その結果、本発明による主要な調製方法の段階b)および段階f)における前記水−有機溶液(好ましくは酸性)の蒸発および本発明による単純化された調製方法の段階b)における前記水−有機溶液(好ましくは酸性)の蒸発のそれぞれにより、ミセル化または自己集合現象が誘発され、本発明による材料のマトリクスのメソ構造化に至る。c<cmcの場合、上記方法による材料のマトリクスのメソ構造化は、各小滴内で、シリカ前駆体、アルミナ前駆体および界面活性剤が、各水−有機溶液(好ましくは酸性)の蒸発により界面活性剤濃度:c>cmcまで徐々に濃縮された結果である。一般的に言うと、シリカ前駆体およびアルミナ前駆体の濃度と、界面活性剤の濃度がともに増加すると、自己組織化した界面活性剤の周りのシリカ前駆体およびアルミナ前駆体の析出が引き起こされ、ひいては本発明による材料の構造化がもたらされる。無機/無機相、有機/有機相、および有機/無機相の相互作用により、協同自己集合機構を経て、界面活性剤の周りのシリカおよびアルミナの無機前駆体の加水分解/縮合に至る。スプレーノズルを用いることは、本発明による主要な方法の段階b)および段階f)、または本発明による単純化された方法の段階b)において存在する反応物を拘束させ、互いが相互作用するのに特に有利である。ここで、溶媒を除き、物質の損失を生じさせないことが可能であり、従って、当初存在したアルミニウムおよびケイ素元素が全て、当業者に知られている従来の合成方法において出くわすろ過および洗浄の段階の間中除去されることなしに、該方法を通して完全に保存される。
【0026】
EISA法によって、特に、本発明に特有のエアロゾル技術を用いて、径Dが10<D(μm)≦100である基本球状粒子を得るには、界面活性剤の自己集合を通じたメソ構造化方法と共に種々の無機前駆体の加水分解/縮合反応を維持するように、本質的には本発明による主要な調製方法の段階a)、段階b)、段階e)、および段階f)、または本発明による単純化された調製方法の段階a)および段階b)についての合成操作パラメータのさらなる知識および制御を必要とする。実際、300μm以下の径の小滴の製造においては、小滴が大きいため、水−有機溶液または懸濁液の蒸発の反応速度がますます遅くなる(蒸発させられるべき小滴の径の二乗に比例するため)。蒸発にかかる合計時間が小滴周辺の無機物質の縮合時間より遅い場合、蒸発界面において縮合された材料層が形成され、これにより追加的蒸発バリアが形成される。十分な溶媒、すなわち、場合によっては有機溶媒が添加された水が蒸発する前にこの追加層が強固になる場合、本発明の主要な方法の段階a)および段階e)による混合物中または本発明の単純化された方法の段階a)による混合物中の極性構成要素の体積対非極性構成要素の体積の比(Vpol/Vapol=(Vinorg+Vsolvent+Vorg polar)/(Vorg hydrophobic)で表され、メソ構造化の出現を条件付ける臨界パラメータである)は、「強固な表面フィルム」と「粒子コア」ゾーンの間で可変である(本発明の記載において上記に定義された通りVinorg=minorg/ρinorgであり、本発明の記載において上記に定義された通りVorg polar+Vorg hydrophobic=Vorgであり、Vsolvent=溶媒の総体積であり、溶媒は水および場合による有機溶媒からなり、Vorg polar=有機反応物の極性部分の体積であり、Vorg hydrophobic=有機反応物の非極性部分の体積である)。コア部では、存在する要素(element)は、最適値より大きい総体積(堅い表皮部内に内接される体積によって規定される)にメソ構造化を提供しなければならない。比Vpol/Vapolが最適メソ構造化値からかけ離れている場合、生じた粒子のメソ構造化均質性が、悪化し、消滅して、十分メソ構造化された表皮部およびメソ構造化されていないコア部からなる粒子(無定形または用いられる構成要素および溶媒に応じたスピノーダル分解に由来する)を形成する可能性がある。本発明による材料の合成を妨げる可能性のあるこの現象を避けるために、蒸発させられる溶媒の体積は、本発明による主要な方法の段階b)および段階f)ならびに本発明による単純化された方法の段階b)のそれぞれにおいて限定されなければならず、言い換えれば、エアロゾル噴霧された溶液は、Cmcに近似するかCmc以上の値Cで好ましくは作用するように濃縮されなければならない。これは、本発明の主要な調製方法の段階e)による懸濁液中および本発明の単純化された調製方法の段階a)による溶液中のそれぞれの不揮発性化合物が、前記懸濁液中および前記溶液中にそれぞれ存在する前記化合物の体積百分率が少なくとも7%であるような量で存在すると言い換えられる。この体積百分率の最大値は各系に固有のものであり、これは主に3つの基準によって限定される:(i)本発明の主要な方法の段階a)および段階e)、ならびに本発明の単純化された方法の段階a)のそれぞれにおいて得られた溶液の経時安定性の欠如、(ii)高すぎる濃度での溶液の自然沈降(本発明の主要な方法の段階a)および段階e)、ならびに本発明の単純化された方法の段階a)のそれぞれにおいて得られた溶液中に存在する、1つ以上の構成要素の溶解性の欠如を通してか、あるいは、無機構成要素の縮合反応を通しての自然沈降)、および(iii)本発明の主要な方法の段階a)および段階e)、ならびに本発明の単純化された方法の段階a)のそれぞれにおいて得られた溶液の流動学的特性(これは、スプレーノズルを経る小滴形成には、例えば粘度が高すぎる等で、不適切となるかもしれない)。
【0027】
本発明によるアルミニウム含有量の多いメソ構造化アルミノケイ酸塩材料は、
粉体、ボール、ペレット、細粒または押出物の形態で得られ得、形状化操作は、当業者に知られている従来技術を用いて行われる。好ましくは、本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料は、径Dが10<D(μm)≦100、好ましくは11〜70μmの範囲である、基本球状粒子からなる粉体の形態で得られ、これにより、本発明による材料が、精製または石油化学用途において、触媒または吸着剤として使われる場合、可能性のある化合物の拡散の制御が促進される。
【0028】
本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料は、いくつかの分析技法、とりわけ、小角X線回折(small-angle X-ray diffraction:SAXD)、窒素吸着等温線(nitrogen adsorption isotherm)、透過型電子顕微鏡法(transmission electron microscopy:TEM)、およびX線蛍光(X-ray fluorescence:XRF)によって特徴づけられる。
【0029】
小角X線回折法(角度2θの値は0.5〜3°の範囲にわたる)により、本発明による材料のメソ構造化マトリクスの組織化されたメソ多孔性によって生じた、ナノメータスケールの、周期性を特徴付けることが可能となる。以下、本明細書において、粉体のX線分析が、銅の放射(波長 1.5406Å)を用いて、後方モノクロメータ(rear monochromator)を備えた反射回折計で行われる。所与の角度2θの値に相当するディフラクトグラムに通常見られるピークは、ブラッグの関係式:2d(hkl)sin(θ)=nλによって、材料が構造上対称であることの特徴である格子面間隔(inter-reticular distances)d(hkl)と関連づけられる((hkl)は、逆数のネットワークのミラー指数である)。この指数付けにより、直結ネットワークの格子パラメータ(abc)の決定が可能となり、これらのパラメータの値は、得られた六方晶系、立方晶系、バーミキュラ状の構造物と相関関係がある。例えば、特定のブロック共重合体:ポリ(エチレンオキシド)20−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)20(PEO20−PPO70−PEO20またはPluronic(登録商標)123)を用いて本発明によって得られたメソ構造化アルミノケイ酸塩材料の小角X線ディフラクトグラムは、バーミキュラ状の構造物の特徴であり、かつブラッグの関係式:2dsin(θ)=nλによって定義される細孔間の相関距離dに相当する完全に分解された相関ピークを有する。
【0030】
窒素吸着等温線分析は、一定の温度で徐々に加圧されることを介した材料の細孔中の窒素分子の物理的吸着に相当し、本発明による材料の特定の表面組織的特徴(textural characteristics)についての情報を提供する。特に、これにより、材料の比表面積およびメソ細孔分布について知ることが可能となる。比表面積と称されているものは、“The Journal of American Society”, 1938, 60, 309に記載されるBrunauer-Emmett-Teller法から確立されたASTM D 3663-78基準による窒素吸着によって決定されるBET比表面積(SBET /g)である。1.5〜50nmの範囲を中心としたメソ細孔集団を表す細孔分布は、Barrett-Joyner-Halenda (BJH)モデルによって測定される。このようにして得られたBJHモデルによる窒素吸脱着等温線は、E.P. Barrett, L.G. JoynerおよびP.P. Halendaによって書かれた“The Journal of American Society”, 1951, 73, 373に記載されている。以下の記載において、メソ構造化マトリクスのメソ細孔径φは、この径以下のサイズを有する細孔のすべてが窒素等温線の脱着分岐線で測定される細孔体積(Vp)の50%を占めるような径として定義される窒素脱着の際の平均径に相当する。更に、窒素吸着等温線およびヒステリシスループの形状によりメソ多孔性の性質についての情報を得ることができる。例えば、本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料であって、特定のブロック共重合体:ポリ(エチレンオキシド)20−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)20(PEO20−PPO70−PEO20またはPluronic(登録商標)123もしくはP123)を用いた場合に本発明の方法によって得られるものに関連する窒素吸着等温線は、クラスIVの吸着等温線およびH1型のヒステリシスループによって特徴付けられる。関連する細孔分布曲線は、およそ1.5〜30nmの範囲の均一径のメソ細孔の集団を表す。細孔径φの値と上述の小角X線回折によって定義された細孔間の相関距離dとの差によって、式e=d−φの量eを得ることが可能となり、これは、メソ構造化アルミノケイ酸塩材料の各球状粒子を構成するメソ構造化マトリクスの無定形壁の厚さの特徴である。
【0031】
透過型電子顕微鏡法(transmission electron microscopy: TEM)分析も、これらの材料の構造を特徴付けるために一般に用いられる技術である。TEMは、研究される固体の画像の形成を可能にし、観察されるコントラストは、観察される粒子の構造組織化、表面組織、または形態(morphology)の特徴であり、この技術の分解能は、最大0.2nmに達する。以下の記載において、TEM写真は、サンプルのミクロトーム断片から得られ、本発明による材料の基本球状粒子の断片が可視化される。例えば、特定のブロック共重合体:Pluronic(登録商標)123の使用を介して上述の共重合体を用いる場合の本発明の方法によって得られた、本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料について得られたTEM画像は、バーミキュラ状のメソ構造を有する基本球状粒子を示し、この物質はダークゾーンによって規定される。また、画像の分析により、上記で定義された、メソ構造化マトリクスの特徴である、パラメータd:φおよびパラメータeを得ることも可能である。
【0032】
基本粒子の形態およびサイズ分布は、走査型電子顕微鏡法(scanning electron microscopy:SEM)によって得られた写真の分析によって確立された。
【0033】
本発明による材料の各粒子を構成するメソ構造化マトリクスの構造は、構造化剤として選択される共重合体の性質によるが、立方晶系、バーミキュラ状、六方晶系であり得る。一例として、特定のブロック共重合体:ポリ(エチレンオキシド)20−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)20(PEO20−PPO70−PEO20またはPluronic(登録商標)123)を用いて上記のように得られたメソ構造化アルミノケイ酸塩材料は、バーミキュラ状の構造物である。
【0034】
本発明は、汚染制御用吸着剤または分離用モレキュラーシーブとしての、本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料の使用に関する。従って、本発明の目的はまた、本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を含む吸着剤でもある。該材料はまた、有利には、触媒反応、例えば精製および石油化学の分野において実施される反応のための酸性固体として用いられる。
【0035】
本発明によるメソ構造化アルミノケイ酸塩材料が触媒として用いられる場合、この材料は、触媒的に不活性であるかまたは活性であり得る無機マトリクスおよび金属相と関連付けられ得る。無機マトリクスは、前記材料の粒子を種々の既知の触媒形態(押出物、ペレット、ボール、粉体)で一緒に保持するためのバインダとして単に存在してもよく、または、それは、それがなければあまりに急速に進行し、それ故に、大量のコークスの形成の結果として触媒の閉塞につながるであろう方法において転化度を課すための希釈剤として加えられてもよい。典型的な無機マトリクスは、とりわけ触媒用の担持材料、例えば、種々の形態のシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ジルコニア、並びに、酸化チタン、酸化ホウ素、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、粘土、例えば、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト、フラー土、合成細孔性材料、例えば、SiO−Al、SiO−ZrO、SiO−ThO、SiO−BeO、SiO−TiO、またはこれらの化合物の任意の組合せである。無機マトリクスは、種々の化合物、特に、不活性相および活性相の混合物であり得る。本発明の前記材料はまた、少なくとも1種のゼオライトと関連させられ、主要な活性相または添加剤として作用し得る。金属相は、全体的に本発明の前記材料上に導入され得る。それはまた、全体的に無機マトリクス上にまたは無機マトリクスおよびメソ構造化固体からなる集合物上に、以下の元素の中から選択されるカチオンまたは酸化物によるイオン交換または含浸によって導入され得る:Cu、Ag、Ga、Mg、Ca、Sr、Zn、Cd、B、Al、Sn、Pb、V、P、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、Irおよび周期律表の任意の他の元素。
【0036】
本発明の材料を含む触媒組成物は、一般的に、主要な炭化水素転化法および有機化合物の合成反応の実施に適している。
【0037】
本発明の材料を含む触媒組成物は、有利には、以下の反応:異性化、トランスアルキル化および不均化、アルキル化および脱アルキル化、水和および脱水、オリゴマー化およびポリマー化、環化、芳香族化、分解、改質、水素化および脱水素化、酸化、ハロゲン化、水素化分解、水素化転化、水素化処理、水素化脱硫および水素化脱窒、窒素酸化物の触媒的除去における適用を見出し、前記反応は、飽和および不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、酸素含有有機化合物および窒素および/または硫黄を含有する有機化合物、並びに他の官能基を含有する有機化合物を含む供給原料を含む。
【0038】
本発明は以下の実施例によって例示される。
【0039】
(実施例)
以下、実施例において、用いられるエアロゾル技術は、本発明の明細書において上述した技術である。
【0040】
実施例1(本発明):本発明の主要な調製方法によるSi/Al比=4であるアルミノケイ酸塩材料の調製)
1kgの三塩化アルミニウム六水和物をエタノール10kg、水5L、HCl 36mL、および界面活性剤CTAB1.4kgを含む溶液に添加する。集合物を、周囲温度で、アルミナ前駆体が完全に溶解するまで攪拌したままにする。次いで、3.6kgのオルトケイ酸テトラエチル(tetraethylorthosilicate:TEOS)を添加する。周囲温度で10分間攪拌した後、集合物を、乾燥空気/窒素混合物であるキャリアガスが送られる室内に「一流体型」スプレーノズルによって噴霧する。噴霧により得られた小滴を、本発明の明細書に上記された手順によって、本発明の主要な方法の段階c)に従い、100〜120℃で乾燥させる。粒子をバッグフィルター中に集める。前記粒子を、ジェットミルを用いて数μm(3〜5μm)になるまで粉砕する。次いで、粉砕された粒子の30重量%分を最初の溶液と同じ配合を有する溶液へと再び供給した後、懸濁液を上述の「一流体型」ノズルによって再び噴霧し、その後小滴を本発明の明細書に上記された手順によって、本発明の主要な方法の段階g)に従い、100〜120℃で乾燥させる。次いで、バッグフィルター中に集められた粉体をT=550℃で5時間にわたり空気中で焼成し、界面活性剤(CTAB)を除去する。本発明による主要な方法の第2の噴霧(段階e))の前の、懸濁液中に存在する不揮発性化合物の体積百分率は、10.4%である。固体物は、小角X線回折、窒素吸着等温線分析、透過型電子顕微鏡法、およびX線蛍光によって特徴づけられる。透過型電子顕微鏡法による分析は、最終材料が、バーミキュラ状の構造によって特徴付けられる組織化されたメソ多孔性を有することを示す。窒素吸着等温線分析により、最終材料の比表面積がSBET=800m/gであり、メソ細孔径がφ=2.4nmであることがわかる。小角X線回折分析により、角度2θ=2.4にある相関ピークが可視化されるに至る。ブラッグの関係式:2dsin(1.2)=1.5406によって、メソ構造化マトリクスの細孔間の相関距離dの計算が可能となり、すなわち、d=3.7nmである。式e=d−φによって定義されるメソ構造化材料の壁の厚みは、従ってe=1.3nmである。従って、このようにして得られた基本球状粒子のSEM画像は、これらの粒子が15〜100μmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有することを示し、これらの粒子のサイズ分布はおよそ50μmである。
【0041】
実施例2(本発明):本発明の主要な調製方法によるSi/Al比=9であるアルミノケイ酸塩材料の調製)
520gの三塩化アルミニウム六水和物をエタノール10kg、水5L、HCl 36mL、および1.4kgの界面活性剤P123を含む溶液に添加する。集合物を、周囲温度で、アルミナ前駆体が完全に溶解するまで攪拌したままにする。次いで、4.0kgのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加する。周囲温度で18時間攪拌した後、集合物を、乾燥空気/窒素混合物であるキャリアガスが送られる室内に「一流体型」スプレーノズルによって噴霧する。噴霧により得られた小滴を、本発明の明細書に上記された手順によって、本発明の主要な方法の段階c)に従い、100〜120℃で乾燥させる。粒子をバッグフィルター中に集める。前記粒子を、ジェットミルを用いて数μm(3〜5μm)になるまで粉砕する。次いで、粉砕された粒子の30重量%分を最初の溶液と同じ配合を有する溶液へと再び供給した後、懸濁液を上述の「一流体型」ノズルによって再び噴霧し、その後小滴を本発明の明細書に上記された手順によって、本発明の主要な方法の段階g)に従い、100〜120℃で乾燥させる。次いで、バッグフィルター中に集められた粉体をT=550℃で5時間にわたり空気中で焼成し、界面活性剤(P123)を除去する。本発明による主要な方法の第二噴霧(段階e))の前の、懸濁液中に存在する不揮発性化合物の体積百分率は、10.4%である。固体物は、小角X線回折、窒素吸着等温線分析、透過型電子顕微鏡法、およびX線蛍光によって特徴づけられる。透過型電子顕微鏡法による分析は、最終材料が、バーミキュラ状の構造によって特徴付けられる組織化されたメソ多孔性を有することを示す。窒素吸着等温線分析により、最終材料の比表面積がSBET=420m/gであり、メソ細孔径がφ=5.3nmであることがわかる。小角X線回折分析により、角度2θ=0.72にある相関ピークが可視化されるに至る。ブラッグの関係式:2dsin(0.36)=1.5406によって、メソ構造化マトリクスの細孔間の相関距離dの計算が可能となり、すなわち、d=12.2nmである。式e=d−φによって定義されるメソ構造化材料の壁の厚みは、従ってe=6.9nmである。従って、このようにして得られた基本球状粒子のSEM画像は、これらの粒子が15〜100μmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有することを示し、これらの粒子のサイズ分布はおよそ50μmである。
【0042】
実施例3(本発明):本発明の単純化された調製方法によるSi/Al比=9であるアルミノケイ酸塩材料の調製)
520gの三塩化アルミニウム六水和物をエタノール10kg、水5L、HCl 36mL、および1.4kgの界面活性剤P123を含む溶液に添加する。集合物を、周囲温度で、アルミナ前駆体が完全に溶解するまで攪拌したままにする。次いで、4.0kgのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加する。周囲温度で18時間攪拌した後、集合物を、乾燥空気/窒素混合物であるキャリアガスが送られる室内に「一流体型」スプレーノズルによって噴霧する。噴霧により得られた小滴を、本発明の明細書に上記された手順によって、本発明の単純化された方法の段階c)に従い、100〜120℃で乾燥させる。粉体の形態の粒子をバッグフィルター中に集め、次いで、この粉体をT=550℃で5時間にわたり空気中で焼成し、界面活性剤(P123)を除去する。噴霧の前の、溶液中に存在する不揮発性化合物の体積百分率は、10.4%である。固体物は、小角X線回折、窒素吸着等温線分析、透過型電子顕微鏡法、およびX線蛍光によって特徴づけられる。透過型電子顕微鏡法による分析は、最終材料が、バーミキュラ状の構造によって特徴付けられる組織化されたメソ多孔性を有することを示す。窒素吸着等温線分析により、最終材料の比表面積がSBET=420m/gであり、メソ細孔径がφ=5.3nmであることがわかる。小角X線回折分析により、角度2θ=0.72にある相関ピークが可視化されるに至る。ブラッグの関係式:2dsin(0.36)=1.5406によって、メソ構造化マトリクスの細孔間の相関距離dの計算が可能となり、すなわち、d=12.2nmである。式e=d−φによって定義されるメソ構造化材料の壁の厚みは、従ってe=6.9nmである。従って、このようにして得られた基本球状粒子のSEM画像は、これらの粒子が11〜35μmの範囲にわたる径によって特徴付けられるサイズを有することを示し、これらの粒子のサイズ分布はおよそ25μmである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メソ構造化アルミノケイ酸塩材料であって、少なくとも2つの基本球状粒子からなり、前記球状粒子はそれぞれ酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとするメソ構造化マトリクスからなり、前記メソ構造化マトリクスの細孔径は1.5〜30nmの範囲であり、Si/Alモル比は1以上であり、無定形壁の厚さは1〜30nmの範囲であり、前記基本球状粒子の径Dは10μm超かつ100μm以下である、材料。
【請求項2】
前記基本球状粒子の径Dは11〜70μmの範囲である、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
前記基本球状粒子の径Dは11〜50μmの範囲である、請求項2に記載の材料。
【請求項4】
前記基本球状粒子の径Dは15〜50μmの範囲である、請求項3に記載の材料。
【請求項5】
前記メソ構造化マトリクスのSi/Alモル比は1〜10の範囲である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の材料。
【請求項6】
前記メソ構造化マトリクスのSi/Alモル比は1〜5の範囲である、請求項5に記載の材料。
【請求項7】
前記マトリクスの細孔径は1.5〜10nmの範囲である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の材料。
【請求項8】
200〜1200m/gの範囲にわたる比表面積を有する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の材料。
【請求項9】
300〜1000m/gの範囲にわたる比表面積を有する、請求項8に記載の材料。
【請求項10】
酸化ケイ素および酸化アルミニウムをベースとする前記マトリクスは、六方晶系、バーミキュラ状、または立方晶系の構造を有する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の材料。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載のメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を調製する方法であって、
a)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体とを溶液に混合する段階;
b)スプレーノズルを用いて段階a)において得られた溶液をエアロゾル噴霧し、300μm以下の径の液状小滴を形成させる段階;
c)前記小滴を乾燥させる段階;
d)段階c)において得られた固体生成物を粉砕する段階;
e)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体と、段階d)において得られた固体生成物の少なくとも一部を溶液に混合する段階;
f)スプレーノズルを用いて段階e)において得られた懸濁液をエアロゾル噴霧し、懸濁小滴を形成させる段階であって、該小滴は、本発明による材料の径D(10<D(μm)≦100)の構成基本球状粒子の前駆体である、段階;
g)段階f)において得られた前記小滴を乾燥させる段階;および
h)段階a)および段階e)において導入された前記界面活性剤を除去して、メソ構造化多孔性材料を得る段階
を含む方法。
【請求項12】
前記段階e)による懸濁液中に存在する不揮発性化合物の体積百分率は、少なくとも7%である、請求項11に記載の調製方法。
【請求項13】
請求項3〜10のいずれか1つに記載のメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を調製する方法であって、
a)少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のアルミナ前駆体と、少なくとも1種のシリカ前駆体とを溶液に混合する段階;
b)スプレーノズルを用いて段階a)において得られた溶液をエアロゾル噴霧し、300μm以下の径の液状小滴を形成させる段階;
c)前記小滴を乾燥させる段階;および
h)前記界面活性剤を除去して、メソ構造化多孔性材料を得る段階
を含む方法。
【請求項14】
前記段階a)による溶液中に存在する不揮発性化合物の体積百分率は、少なくとも7%である、請求項13に記載の調製方法。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1つに記載のメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を含むか、または請求項11〜14のいずれか1つに記載の方法によって調製される吸着剤。
【請求項16】
請求項1〜10のいずれか1つに記載のメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を含むか、または請求項11〜14のいずれか1つに記載の方法によって調製される触媒。

【公表番号】特表2011−518101(P2011−518101A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502410(P2011−502410)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000209
【国際公開番号】WO2009/122022
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
【Fターム(参考)】