説明

狭窄出口部を備えた扁平袋及びその製造方法及び扁平袋の包装体

【課題】フィルムのカット片が生じて無駄になりコスト高になることを回避できて、しかも袋上部に大きなデッドスペースを確保しないで狭窄注出口を形成できて、さらに狭窄注出口にジッパーを無駄なく容易に取付けることができるジッパー付きの及びジッパー無しの狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を180度向きを変えて一度に製袋することができる,狭窄出口部を備えた扁平袋及びその製造方法及び狭窄出口部を備えた扁平袋の包装体。
【解決手段】袋前面部1と袋後面部2の両側縁にサイドシール5が施されており、袋上縁が線長の中点6aに関して点対称である屈曲輪郭線6となっていて狭窄出口部7と肩部8を形成しており、袋上縁にトップシール10が施され、狭窄出口部7の内面には、中点と一致する高さに一条のジッパーストリップ9が備えられ、袋下端が開口16となっている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、フィルムのカット片が生じて無駄になりコスト高になることを回避できて、しかも袋上部に大きなデッドスペースを確保しないで狭窄注出口を形成できて、さらに狭窄注出口にジッパーを無駄なくきわめて容易に取付けることができて、さらに袋上部の片側部分が袋の片側のサイドシールをそのまま延長して張出している狭窄出口部でありかつ他方の片側部分が肩部となっているジッパー付き狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、一方の袋の狭窄出口部に対して他方の肩部が対向している状態に互いに180度向きを変えて一度に製袋することができる,狭窄出口部を備えた扁平袋及びその製造方法及び扁平袋の包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】袋前面部と袋後面部の両側縁同士がサイドシールされ、上部に内容物の適量取り出しを可能にした狭窄注出口を有する袋は、醤油、ソース、麺つゆなどの液体調味料など、液状物や、粉乳、砂糖、ココアなどの粉体などの包装に使用されている。
【0003】袋前面部と袋後面部の両側縁同士がサイドシールされ、上部に内容物の適量取り出しを可能にした狭窄注出口を有する袋に関し、特許調査した従来技術を以下に列挙する(全部ではない)。
【0004】(1)(デッドスペースを作らずカット片を出さないで袋のコーナーに狭窄注出口を形成している袋)
特開平11-310276、特開平10-338249、特開平09-058706、特開平08-183542(角底袋)、特許3019871(ジッパー付き袋)、特許2889543、
【0005】(2)(打抜きによりカット片を出して嘴状の狭窄注出口を形成している袋)
特願2001-151248、特願2001-002084、特開2000‐281091、特開2000‐128192、特開2000‐118544、特開2000‐118543、特開2000‐085801、特開2000‐062814、特開平11-349013、特開平11-349006、特開平11-349005、特開平11-321883、特開平11-314652、特開平11-310248、特開平11-245956、特開平11-245955、特開平11-236053、特開平11-227801、特開平11-227793、特開平11-208681、特開平11-130092、特開平11-043160、特開平10-338245、特開平10-218204、特開平10-167289(ジッパー付き袋)、特開平10-095439、特表平09-511476、特開平09-221149、特開平09-058706、特開平06-305057、実開平7-37941の図8の実施例、特許第2843100号、
【0006】(3)(ヒートシールによりデッドスペースを作りカット片を出さないで狭窄注出口を形成している袋)
特開2000-203603(パウチではない)、特開平11-349011、特開平10-273153、特開平10-194305(ジッパー付き袋、パウチではない)、特開平09-240689(ジッパー付き袋)、特開平07-257607、特開平07-242254、特開平07-041014(ジッパー付き袋)、特開平06-305057(ジッパー付き袋)、実開平07-037941(ジッパー付き袋)、実公平06-017723
【0007】(4)(ヒートシールによりデッドスペースを作りかつ打抜きによりカット片を出して嘴状の狭窄注出口を形成している袋)
特開平11-070947、特開平11-059699、特開平11-049186、
【0008】(5)(狭窄注出口を別のフィルムで作って袋本体に接続してなる袋)
特開平10-329847、特開平07-089559(ジッパー付き袋)、特開平07-089558(ジッパー付き袋)、
【0009】(6)(袋内に狭窄通路を有する袋)
特開平10-081347、特開平08-268444(ジッパー付き袋)、
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の(1)(デッドスペースを作らずカット片を出さないで袋のコーナーに狭窄注出口を形成している袋)は、フィルムを有効に利用している。しかし、この形態は、薬の小袋と同様で、袋の正面形状が矩形に限定されパッケージデザインとしては見栄えが悪い。そして、ジッパーを備える場合には不適である。次ぎに、上記の(2)(打抜きによりカット片を出して嘴状の狭窄注出口を形成している袋)は、洗剤等の流体の詰め替えパックとして適しているが、フィルムがカット片として無駄に捨てられていてコスト高に結びついている。又、カット片を捨てるのでISO9001の認証を取得しがたい。そして、ジッパーを備える場合には不適である。次ぎに、上記の(3)(ヒートシールによりデッドスペースを作りカット片を出さないで狭窄注出口を形成している袋)は、フィルムが無駄になっている。そして、ジッパーを備える場合には不適である。狭窄注出口を袋上縁の幅中央に設ける場合には、袋上縁全幅を切り落として注出口を開封し、内容物を適量取り出すときに、狭窄注出口の両側の不要な部分が邪魔になっている。詰め替えの注出口としては適しているとはいえない。又、袋の正面形状が矩形に限定されパッケージデザインとしては見栄えが悪い。次ぎに、上記の(4)(ヒートシールによりデッドスペースを作りかつ打抜きによりカット片を出して嘴状の狭窄注出口を形成している袋)は、フィルムが無駄になっている。又、カット片を捨てるのでISO9001の認証を取得しがたい。そして、ジッパーを備える場合には不適である。次ぎに、上記の(5)(狭窄注出口を別のフィルムで作って袋本体に接続してなる袋)は、狭窄注出口にジッパーを備えるためにジッパー付きの狭窄注出口を別途に製袋して袋本体と接続するので、製袋工数が多く、製袋能力が極めて低く、製袋コストが高くつく。次ぎに、上記の(6)(袋内に狭窄通路を有する袋)は、醤油等の小袋用であり、詰め替え用には適していない。特開平7-41014は、袋幅の2/3の長さのジッパーが不用であり無駄になっており、その分コスト高になっている。その他の上掲の発明は、いずれも矩形の袋をシールによって狭窄通路若しくは狭窄注出口が形成されていて狭窄通路若しくは狭窄注出口を絞り込み形成しているシールの外側は袋として不要な部分となっていてフィルムが無駄に使用されており、内容物を適量取り出すときに、狭窄注出口の両側の不要な部分が邪魔になっている。
【0011】次に、本願発明において解決しようとしている課題として、狭窄通路を袋上辺に延在させて袋幅中央に設けると、狭窄通路の両側においてフィルムが無駄になるだけでなく、詰め替え袋においては袋を少々傾けても内容物が出にくいという問題がある。そして、なにりも、狭窄通路にジッパーを取付けるには、余分のジッパーを切り落とすか(特許2843100)、又は、袋のシール扁平部に埋め殺し状態にするか(特開平10-194305、特開平06-305057、実開平7-41014、実開平7-37941、実公平6-17723)、或いは、別途に製袋したジッパー付き小袋を袋本体に接続するか(実開平7-89558、実開平7-89559)のいずれかの方法が採用されており、製袋コストが高くついたり、材料が無駄になっている。
【0012】本願発明は、上述した問題点を解消できるもので、製袋時に打抜きが行なわれることによるフィルムのカット片が生じて無駄になることを回避できて、しかも袋上部に大きなデッドスペースを確保しないで内容物を注出する狭窄注出口を形成できて、さらに狭窄注出口にジッパーを取付けることができて、さらに袋上部の片側部分が張出形状の狭窄出口部でありかつ他方の片側部分が肩部となっているジッパー付き狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、一方の袋の狭窄出口部に対して他方の肩部が対向している状態に互いに180度向きを変えた二列状に連続して製袋することができる,狭窄出口部を備えた扁平袋及びその製造方法及び狭窄出口部を備えた扁平袋の包装体を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願第一の発明(請求項1に記載の発明)は、袋前面部と袋後面部の両側縁にサイドシールが施されており、袋上縁が線長の中点に関して点対称である屈曲輪郭線となっていて、一方の輪郭線半部が張出形状の狭窄出口部を形成し、残りの輪郭線半部が肩部を形成していて、該狭窄出口部と該肩部にトップシールが施され、袋底部が未シールで内容物を収容するための開口となっていることを特徴とする狭窄出口部を備えた扁平袋を提供するものである。
【0014】本願第二の発明(請求項2に記載の発明)は、袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚のフィルムを重ね合わせ、サイドシールを施して扁平筒として、該扁平筒の中程に所要の屈曲状のトップシールを施すとともに該屈曲状のトップシールのシール幅中央に袋を二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状である狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部でありトップシールを施してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法を提供するものである。
【0015】本願第三の発明(請求項3に記載の発明)は、袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚の連続するフィルムを重ね合わせてフィルム移送を行ない、袋幅ピッチでサイドシールを施して扁平筒を連設して、次いで、各扁平筒の中程に両端が一のサイドシールと次の一のサイドシールに接続するように屈曲トップシールを施してから、該屈曲状のトップシールのシール幅中央に袋を二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状である狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部でありトップシールを施してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えた二列状に連続して製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法を提供するものである。
【0016】本願第四の発明(請求項4に記載の発明)は、袋前面部と袋後面部の両側縁にサイドシールが施されており、袋上縁が線長の中点に関して点対称である屈曲輪郭線となっていて、一方の輪郭線半部が張出形状の狭窄出口部を形成し、残りの輪郭線半部が肩部を形成していて、該狭窄出口部と該肩部にトップシールが施され、狭窄出口部の内面には、中点と一致する高さに一条のジッパーストリップが、又は中点を挟んだ上下等距離に二条のジッパーストリップが溶着されていて袋底部が未シールで内容物を収容するための開口となっていることを特徴とする狭窄出口部を備えた扁平袋を提供するものである。
【0017】本願第五の発明(請求項5に記載の発明)は、袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚のフィルムを重ね合わせ、該二枚のフィルム間の幅中央に一条又は二条のジッパーストリップを挟み、又、ジッパーストリップの両側のウエブを各側のフィルムの内面に溶着するとともに、サイドシールを施して、中央にジッパーストリップを設けた扁平筒として、該扁平筒の中程に所要の屈曲状のトップシールを施すとともに該扁平筒を二分しかつジッパーストリップを二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状でありかつジッパーが付設された狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部であり該狭窄出口部と該肩部にトップシールを施されてなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法を提供するものである。
【0018】本願第六の発明(請求項6に記載の発明)は、袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚の連続するフィルムを重ね合わせ、該二枚のフィルム間の幅中央に一条の連続するジッパーストリップを挟み、フィルム移送がこの状態になるようにして、ジッパーストリップの両側のウエブを各側のフィルムの内面に溶着するとともに、袋幅ピッチでサイドシールを施して中央にジッパーストリップが入った扁平筒を連設して、次いで、各扁平筒に両端が一のサイドシールと次の一のサイドシールに接続するようにかつ中程がジッパーストリップを交叉するように屈曲トップシールを施してから、中程で屈曲トップシールとジッパーストリップのそれぞれを二分する屈曲輪郭線のカットを入れるとともにサイドシールのシール幅中央をカットすることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状であってジッパストリップを備えた狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部でありトップシールを施してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えた二列状に連続して製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法を提供するものである。
【0019】本願第七の発明(請求項7に記載の発明)は、[請求項1]又は[請求項4]に記載の狭窄出口部を備えた扁平袋、又は[請求項2]、[請求項3]、[請求項5]若しくは[請求項6]に記載の製袋方法で製袋される狭窄出口部を備えた扁平袋の開口を開いて内容物を充填し、開口を閉じてトップシールしてなることを特徴とする扁平袋の包装体を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)の第一実施例を図1(a),(b)を参照して説明する。この実施の形態に係るジッパー付き狭窄出口部を備えた扁平袋は、図1(a)に示すように、袋前面部1と袋後面部2を構成するための二枚のフィルムが重ね合わされ、袋前面部1と袋後面部2の両側縁に合掌状のサイドシール5,5が施されていて、袋上縁が、線長の中点6aに関して点対称である屈曲輪郭線6で縁取られこの中点6aを境界点として一方の輪郭線半部6bが張出形状の狭窄出口部7を構成しているとともに、他方の輪郭線半部6cが袋の肩部8を構成していて、中点6aと一致する高さに一条のジッパーストリップ9が袋前面部1と袋後面部2の内面に溶着されてなり、袋上縁にトップシール10が施され、かつ、袋下端が未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている。ジッパーストリップ9の両端にはジッパー潰しシール14a,14bが施される。又、袋下端両側縁の近傍に周りがシールされた二個の小孔13が穿設されている。小孔13は、袋を例えば数百枚束ねて天地を逆にして水平に張り出す支持桿を通して支持した状態としてバキュームパッドで一袋を吸引して引き離し他麺側もバキュームパッドで吸引して離間し、開口16を開いて内容物を充填し、開口16の両側端を引っ張って開口16を閉じてボトムシールを行なう。第一実施例のオリジナルな部分は、袋上縁の輪郭が中点6aを点対称とする輪郭線6で形成されて狭窄出口部7と肩部8が構成され、袋上縁にトップシール10が施され、狭窄出口部7には中点6aを挟んだ上下等距離に一条のジッパーストリップ9a,9bが設けられ、袋下端は未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている点である。従って、袋上縁の輪郭が中点6aを点対称とする階段状の輪郭線6で形成されているから、図中寸法で示すように、中点6a は袋幅中央に位置し、狭窄出口部7の幅寸法と肩部8の幅寸法が等しく、又、中点6aから狭窄出口部7の先端までの寸法と中点6aから肩部8の端縁までの寸法は等しい。なお、袋幅が大きくて、袋幅半分では狭窄出口部7の幅として大きすぎる場合には、狭窄出口部7の袋中央側の側端のシール幅を大きく取って、袋を200枚位重ねてプレスダイカットにより、狭窄出口部7の袋中央側の側端を切り落として狭窄出口部7の幅を袋幅半分よりも小さくし、その分、肩部8の幅を大きくしても良い。これとは反対に、本願発明では、肩部8の幅を袋幅半分よりも小さくし、その分、狭窄出口部7の幅を袋幅半分よりも大きくすることはない。その理由は、本願発明の狭窄出口部を備えた扁平袋は、図2に示すように、袋上部を向かい合わせて2袋同時に製袋するものであり、一方の狭窄出口部を備えた扁平袋の狭窄出口部が他方の狭窄出口部を備えた扁平袋の狭窄出口部の隣にきて、互いに、一方の狭窄出口部を備えた扁平袋の狭窄出口部と他方の狭窄出口部を備えた扁平袋の肩部が対向するように屈曲輪郭線6を設け、ジッパーストリップ9を二分して無駄を無くす構成だからである。袋前面部1と袋後面部2を構成するフィルムには、内面がヒートシール性を有していてバリア性を有する積層フィルムが用いられる。ジッパーストリップ9は、雄型ジッパーストリップと雌型ジッパーストリップとからなり狭窄出口部7の対向内面に取り付けられる。雄型ジッパーストリップは、例えば袋前面部となる包装フィルム1の内面に固着される雄型側ウエブと、該雄型側ウエブより一体に隆出するように共押出成形された雄型噛合部からなる。雄型噛合部は雄型側ウエブの幅中央に固着される。雌型ジッパーストリップは、例えば袋後面部となる包装フィルム2の内面に固着される雌型側ウエブと、該雌型側ウエブより一体に隆出するように共押出成形され前記雄型噛合部を溝空間に受け入れてスナップ掛止する雌型噛合部からなる。雌型噛合部は雌型側ウエブの幅中央に固着される。なお、ジッパーストリップ9は、上記構成に限定されない。図1(b)に示すように、この狭窄出口部を備えた扁平袋は、天地を逆にして底部両面を吸引して離間して開口16を開き内容物を充填し、内容物を充填した後は、開口16を閉じてその端縁にトップシールを施す。易開封手段として、ジッパーストリップ9よりも上側でかつトップシール10よりも下側に位置して、袋前面部1と袋後面部2の各表面にハーフカットの切込み線11が付与されていると共に、切込み線11の両端又は片側にノッチ12が付設されている。易開封手段より切り開いてジッパーストリップ9を開き内容物を必要量取り出して、ジッパーストリップ9を再閉することができる。
【0021】続いて、図2を参照して、図1(a),(b)の狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋する方法([請求項5]に記載の発明)を説明する。狭窄出口部を備えた二つの扁平袋の袋前面部1,1と袋後面部2,2を形成するための二枚の矩形なフィルムを重ね合わせ、該二枚のフィルム間の幅中央に一条(又は二条の)ジッパーストリップ9を挟み、そして、ジッパーストリップ9の両側のウエブを各側のフィルムの内面に溶着するとともにジッパーストリップ9の両端及び中央部にジッパー潰しシール14a, 14a,14bを施してから、サイドシール5,5を施すとともに四隅に周りがシールされた小孔13を穿設する。もって、中央にジッパーストリップ9を設けた扁平筒を連設する。次いで、ジッパーストリップ9の中央に交叉して袋の縦方向に延びてジッパーストリップ9から所要寸法離れた両端で左右に別れてジッパーストリップ9に平行して延びる屈曲状シール10を施す。この屈曲状シール10は中点6aに関して点対称である。次いで、ジッパーストリップの長さが袋幅の半分になるように二分し、屈曲状のトップシール10のシール幅中央に屈曲状のカット6を行なう。この屈曲状のカット6は、両側の袋の上縁を縁取り形成するものであり、図1に示す線長の中点6aに関して点対称である屈曲輪郭線6のシール幅中央に一致させる。もって、各袋の上部の片側半部が張出形状となっていてかつジッパー9が付設された狭窄出口部7であり他方の片側半部が肩部8であり袋上縁に屈曲状のトップシール10を、又、袋下端に開口16として確保してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することができる。なお、屈曲状のトップシール10を施した二連の狭窄出口部を備えた扁平袋とするまでの工程を二列製袋機で行ない、次いで、例えば、50袋を重ねて端縁の出入りを揃えてプレスダイカットで屈曲状のカット線6に一致するカットを行なっても良い。その際、コーナーに丸みを付けるコーナーカットを入れると良い。本願第二の発明の狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法は、線長の中点6aに関して点対称である屈曲輪郭線6でカットすることに限定されない。底ガセットが両側に入り中央にジッパーストリップを設けた扁平筒として、該扁平筒の中程に屈曲状のトップシールを施すとともに該扁平筒を二分しかつジッパーストリップを二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状でありかつジッパーが付設された狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部であり底ガセットを有し該狭窄出口部と該肩部にトップシールと開口を分配して設けてなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することができれば良い。線長の中点6aに関して点対称である屈曲輪郭線6でカットすることでなければ、全く同一形状の狭窄出口部を備えた二つの扁平袋ができないが、2つの狭窄出口部を備えた扁平袋の袋幅が同一であって、一の狭窄出口部を備えた扁平袋の狭窄出口部の幅が他の一の狭窄出口部を備えた扁平袋の狭窄出口部の幅と相違していても良い。つまり、屈曲状のトップシールと屈曲状のカットと適宜に決定すると、狭窄出口部の幅が相違し、かつ、狭窄出口部にジッパーが付いている二種類の袋を1度に並列して製袋できる。さらに、サイドシール5d,5dと屈曲状のトップシール10を施す順序は特に限定するものではない。
【0022】続いて、本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法([請求項6]に記載の発明)の実施例を図3を参照して説明する。この実施の形態に係る狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法は、図1に示す狭窄出口部を備えた扁平袋についての製袋方法を示す。袋前面部1と袋後面部2を形成するための所要幅の二枚の連続するフィルムF1,F2を重ね合わせ、該二枚のフィルム間の幅中央に一条の連続するジッパーストリップ9を挟み、フィルム移送がこの状態になるようにフィルム送りロール17a,17bで移送するようにする。そして、最初のステーションで、ウエブ同士の溶着を防止する挟入板18a,18bを雄型ジッパーストリップのウエブと雌型ジッパーストリップのウエブの間に挟入し、上下一対のヒートシーラー19でジッパーストリップのウエブを挟圧して各側のフィルムF1,F2の内面に溶着するとともに、両側の4対のポイントシールカッター20a,20bを押圧して周りがシールされた小孔13を穿設する。次いで、次のステーションで、フィルムの移送方向に対して直交する方向に長尺な上下一対のサイドシール用ヒーター21を狭窄出口部を備えた扁平袋のカット予定位置に合致させて挟圧して袋幅ピッチでサイドシールを施す。もって、中央にジッパーストリップ9が入った扁平筒を連設とする。次いで、次のステーションで、ジッパーストリップ9とサイドシール5の交叉ポイント並びに交叉ポイントと交叉ポイントの中間に対して上下に位置する二対のジッパー潰し用ヒーター23a,23bを挟圧してジッパー潰しシール14a,14bを施し、又、プレスダイカット22a,22bによりハーフカットの切込み線11を付与する。次いで、次のステーションで、トップシール用屈曲状ヒーター24をフィルムF1,F2に挟圧して扁平筒を連設の幅方向の中程であって両端が一のサイドシール5と次の一のサイドシール5に接続するようにかつジッパーストリップ9を交叉するように屈曲トップシール10を施す。次いで、次のステーションで、屈曲輪郭線6に一致する袋上縁形成用屈曲状カッター25をフィルムF1,F2に挟圧して中程で屈曲トップシール10とジッパーストリップ9のそれぞれを二分するカットを入れる。次いで、次のステーションで、エンドカッター26によりサイドシール5のシール幅中央をカットする。以上により、各袋の上部の片側部分が張出形状である狭窄出口部7にジッパー9が付設され他方の片側部分が肩部8であり狭窄出口部7と肩部8にトップシール10が施され、袋下端が開口してなる二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えた二列状に連続して製袋することができる。なお、図2に示す二つの扁平袋を該二つの扁平袋を構成しているフィルムの長手方向に連設して製袋することもできる。この場合には、フィルムの長手方向に直交する方向に直線である袋下縁形成用直線カッターと袋上縁形成用屈曲状カッターを併設する必要がある。
【0023】次に、本願発明のジッパーストリップを有しない狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項1]に記載の発明)の第一実施例を図4を参照して説明する。この実施の形態に係る狭窄出口部を備えた扁平袋は、図1と同様に、袋前面部1と袋後面部2と底ガセット3を構成するフィルムが重ね合わされ、サイドシール5,5が施されている。この実施例のオリジナルな部分は、袋上縁の輪郭が中点6aに関して点対称である輪郭線6で縁取られて狭窄出口部7と肩部8が構成され、袋上縁にトップシール10が施され、袋下端が未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている点である。図1R>1の狭窄出口部を備えた扁平袋との相違点は、ジッパーストリップがないことである。この狭窄出口部を備えた扁平袋は、内容物を充填する際には、天地を逆にする。内容物を充填した後は、ボトムシールを施す。易開封手段として、図1の狭窄出口部を備えた扁平袋と同様に、切込み線11とノッチ12が付設されている。開封してジッパーストリップ9を開き内容物を必要量取り出して、ジッパーストリップ9を再閉することができる。
【0024】続いて、図5を参照して、図4に示す狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋する方法([請求項2]に記載の発明)を説明する。狭窄出口部を備えた二つの扁平袋の袋前面部1,1と袋後面部2,2を形成するための二枚の矩形なフィルムを重ね合わせ、サイドシール5,5を施すとともに四隅に周りがシールされた小孔13を穿設する。もって、中央にジッパーストリップ9を設けた扁平筒を連設する。次いで、屈曲状シール10を施す。この屈曲状シール10は中点6aに関して点対称である。中点6aは矩形なフィルムの中央点に一致させる。次いで、屈曲状のトップシール10のシール幅中央に屈曲状のカット6を行なう。この屈曲状のカット6は、両側の袋の上縁を縁取り形成するものであり、図1に示す線長の中点6aに関して点対称である屈曲輪郭線6のシール幅中央に一致させる。もって、各袋の上部の片側半部が張出形状の狭窄出口部7であり他方の片側半部が肩部8であり袋上縁に屈曲状のトップシール10を、又、袋下端に開口16として確保してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することができる。図2に示す製袋方法と相違する点は、ジッパーストリップが無いことである。又、図3において、ジッパーストリップを取り付けないようにすれば、図4に示す狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋できる([請求項3]に記載の発明)。
【0025】次に、本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)の第二実施例を図6を参照して説明する。この実施の形態に係る狭窄出口部を備えた扁平袋は、図1と同様に、袋前面部1と袋後面部2と底ガセット3を構成するフィルムが重ね合わされ、サイドシール5,5が施されている。中点6aから上下等距離の高さに二条のジッパーストリップ9a,9bが袋前面部1と袋後面部2の内面に溶着されてなり、袋上縁にトップシール10が施され、かつ、袋下端が未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている。ジッパーストリップ9a,9bの両端にはジッパー潰しシール14a,14bが施される。又、袋下端両側縁の近傍に周りがシールされた二個の小孔13が穿設されている。この実施例のオリジナルな部分は、袋上縁の輪郭が中点6aを点対称とする輪郭線6で形成されて狭窄出口部7と肩部8が構成され、袋上縁にトップシール10が施され、狭窄出口部7には中点6aを挟んだ上下等距離に二条のジッパーストリップ9a,9bが設けられ、袋下端は未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている点である。図1の狭窄出口部を備えた扁平袋に比べ相違する点は、ジッパーストリップが二条設けられていることである。このため、狭窄出口部7から肩部8までの段差寸法が大きく取られている。この狭窄出口部を備えた扁平袋は、天地逆にして袋下端の両面を吸引し離間して開口16を開き内容物を充填する。内容物を充填した後は、開口16を閉じてその端縁にボトムシールを施す。易開封手段として、図1の狭窄出口部を備えた扁平袋と同様に、切込み線11が付与されていると共に、切込み線11の両端又は片側にノッチ12が付設されている。開封してジッパーストリップ9a,9bを開き内容物を必要量取り出して、ジッパーストリップ9a,9bを再閉することができる。ジッパーストリップを二条備えているので、一条のジッパーストリップに比べて密封性が高い。図7は、図6R>6の狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法を示す。図2に示す製袋方法と比べ、ジッパーストリップを一条ではなく二条とする点が相違している。なお、図3において、トップシール用屈曲状ヒーター24と屈曲状カッター25を交換することにより、図6に示す狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋できる。
【0026】次ぎに、本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)の第三実施例を図8を参照して説明する。この実施の形態に係る狭窄出口部を備えた扁平袋は、図1と同様に、袋前面部1と袋後面部2と底ガセット3を構成するフィルムが重ね合わされ、サイドシール5,5が施される。この実施例のオリジナルな部分は、袋上縁の輪郭が中点6aを点対称とする略Sカーブの輪郭線6で形成されて狭窄出口部7と肩部8が構成され、袋上縁にトップシール10が施され、狭窄出口部7に中点6a一致して一条のジッパーストリップ9が設けられ、袋下端は未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている点である。ジッパーストリップ9の両端にはジッパー潰しシール14a,14bが施される。又、袋下端両側縁の近傍に周りがシールされた二個の小孔13が穿設されている。この実施例が示しているように、屈曲輪郭線6は、中点6aを点対称とする任意の輪郭線であって良い。そのようにすると、フィルムのカット片が排出しないからである。なお、本願発明は、コーナーカットをしたり、狭窄出口部7の袋幅中央の側片部をカットすることを排除するものではない。袋の天地を逆にして開口16を開いて内容物を充填し、その後、開口16を扁平させて封緘シールを施す。図9は、図8に示す扁平袋の製袋方法を示す。図1に示す狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法と比べ、袋を二分するシール・カットの形状が相違する。なお、この実施例では、吊り下げて陳列するための小孔27を袋幅中央付近にジッパーストリップ9を打抜いて設けることが出来る。この製袋方法は、図2と同様である。相違する点は、略Sカーブの輪郭線6とするので、略Sカーブの屈曲ヒートシールや略Sカーブの屈曲状カットが異なる。なお、図3において、トップシール用屈曲状ヒーター24と屈曲状カッター25を交換することにより、図8に示す扁平袋を製袋できる。
【0027】次に、本願発明のジッパーストリップを有しない狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)の第二実施例を図10を参照して説明する。この実施の形態に係る狭窄出口部を備えた扁平袋は、図4と同様に、袋前面部1と袋後面部2と底ガセット3を構成するフィルムが重ね合わされ、サイドシール5,5が施されている。この実施例のオリジナルな部分は、図4と同様で、袋上縁の輪郭が中点6aを点対称とする階段状の輪郭線6で形成されて狭窄出口部7と二段状の肩部8が構成され、袋上縁にトップシール10が施され、袋下端は未接着で内容物を充填するための開口16として確保されている点である。この実施例の扁平袋の図4に示す実施例と相違する点は、輪郭線6の形状が異なっていて、狭窄出口部7の幅が小さいことにある。従って、袋幅が大きい場合に有利である。醤油やソース、からし、マヨネーズ等の惣菜に添付する小袋とすると、好ましい。この扁平袋は、開口16より内容物を充填した後は、開口端縁にボトムシールを施す。易開封手段として、図4に示す扁平袋と同様に、切込み線11とノッチ12が付設されている。図11は、図10に示す扁平袋を製袋する方法を示す図である。屈曲状のトップシール10と屈曲状のカット6の形状が図4と相違している。なお、図3において、トップシール用屈曲状ヒーター24と屈曲状カッター25を交換することにより、図10に示す自立性袋を製袋できる。
【0028】上述した本願第一の発明の狭窄出口部を備えた扁平袋の各実施例に関して共通する事項についてさらに説明する。本発明の狭窄出口部を備えた扁平袋の製造に用いるフィルムは、特に限定はされず、液状などの内容物の包装に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができ、充填する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など、使用条件に応じて適する材料を自由に選択して使用することができる。本発明の狭窄出口部を備えた扁平袋には、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを用いるが、その構成の代表的な例としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)O-PA 12μm/接着剤/LLPDE 20μm(2)O-PA 12μm/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPE 20μm/接着剤/LLPDE 20μm(3)O-PA 12μm/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PP20μm/接着剤/LLPDE 20μm(4)O-PA 12μm/接着剤/一軸延伸または二軸延伸PP20μm/接着剤/AL/接着剤/LLPDE 20μm(5)PET・SiOx又はPET−AL12μm/接着剤/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤/LLPDE 20μm(6)O-PA 12μm/アンカーコート層/HDPE:共押し出しコート層/LLPDE 20μm(7)O-PA 12μm/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/LLPDE 20μm(8) PET 12μm/接着剤/AL 19μm/接着剤/O-PA 12μm/接着剤/LLPDE 20μm(9) PET 12μm/接着剤/AL 19μm/接着剤/O-PA 12μm/接着剤/CPP 60μm(10)PET 12μm/接着剤/O-PA 12μm/接着剤/AL 19μm/接着剤/LLPDE 20μm(11)PET 12μm/接着剤/O-PA 12μm/接着剤/AL 19μm/接着剤/CPP 60μm(12)PET 12μm/接着剤/EVOH 20μm/接着剤/O-PET 12μm/接着剤/CPP 60μm(13)LDPE 5μm/接着剤/OPP 20μm/接着剤/LDPE 5μm・・・・(外層/中間層/内層**共押しフィルム)
(14)紙/接着剤/LLPDE 50μm・・・・(外層/内層)
(15)PET 12μm/接着剤/LLPDE 20μm ・・・・(外層/内層)
(16)AL 19μm/接着剤/LLPDE 70μm・・・・(外層/内層)
(17)PET・SiOx 12μm/接着剤/LLPDE 100μm ・・・・(外層/内層)
(18)PET・SiOx 12μm/接着剤/CPP 60μm ・・・・(外層/内層)
(19)O-PA・SiOx 15μm/接着剤/LLPDE 80μm ・・・・(外層/内層)
(20)OPP 20μm/接着剤/EVOH 20μm/接着剤/LLPPE 50μm ・・・・(外層/中間層/内層)
(21)OPP 20μm/接着剤/PET・SiOx 12μm/接着剤/LLPDE 50μm ・・・・(外層/中間層/内層)
(22)O-PET 12μm/接着剤/AL 19μm/接着剤/LLPDE 70μm・・・・(外層/中間層/内層)
(23)PT#300(約20μm) /接着剤/紙/接着剤/LDPE 20μm ・・・・(外層/中間層/中間層/中間層/内層)
(24)紙/LDPE 20μm/接着剤/AL 19μm/接着剤/LLPDE 50μm・・・・(外層/中間層/中間層/内層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。さらに、袋の用途によっては、上記積層フィルムの表面の基材フィルムの内側など中間層に薄手の紙を積層することができる。その場合は、紙により白色度が高められるので印刷効果が向上し、意匠性を向上させることができる。また、袋に前記押し罫が設けられている場合は、折りクセが一層付きやすくなり押し罫の効果を一層高めることができる。上記の各上部について、紙の場合を除き外装に内面に裏刷り印刷することができる。
【0029】上記構成において、O−PETは二軸延伸ホ゜リエチレンテレフタレートフィルム、PETは2軸延伸ホ゜リエチレンテレフタレートフィルム、EVOHはエチレン−酢酸ヒ゛ニル共重合体ケン化物、PET−SiOxはシリ蒸着PET、PET−ALはアルミナ蒸着PET、O-PAは二軸延伸ホ゜リアミト゛フィルム、O-PA・SiOxはシリカ蒸着ホ゜リアミト゛フィルム、PTは再生ルロースフィルム、ALはアルミLLDPEは直鎖状低密度ホ゜リエチレン、HDPEは高密度ホ゜リエチレン、LDPEは低密度ホ゜リエチレン、PPフィルムはホ゜リフ゜ロヒ゜レンフィルム、OPPは二軸延伸ホ゜リフ゜ロヒ゜レンフィルム、CPPは未延伸ホ゜リフ゜ロヒ゜レンフィルムを表示する。又、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0030】前記の積層フィルムの構成において、O-PAフィルム、PETは、基材フィルムとして袋に機械的強度や印刷適性を付与し、中間層の一軸延伸HDPEフィルム、一軸延伸PPフィルムは、その延伸方向を袋を開口させる際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。なお、注出口部にプラスチックの成形体よりなる注出口を接合した場合は、フィルムを引き裂いて開封する必要がないので、前記一軸延伸フィルムに代えて、二軸延伸HDPEフィルムまたは二軸延伸PPフィルムを使用することができる。中間層に二軸延伸HDPEフィルムまたは二軸延伸PPフィルムを積層することにより、積層フィルムの厚さが増し、剛性および機械的強度を向上できるほか、透湿度を小さくすることができる。また、AL、シリカ又はアルミナ蒸着層、EVOHフィルムなどは、ガスバリヤー性を付与するために積層するである。本願発明の扁平袋は、バリヤー性を備えていることは必須ではない。
【0031】又、シーラント層として、LLDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。このほか、充填される内容物に応じて、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適宜選択して使用することができる。
【0032】本願第七の発明は、上記してきた全ての狭窄出口部を備えた扁平袋の包装体を対象としている。この狭窄出口部を備えた扁平袋の包装体は、狭窄出口部を備えた扁平袋が備えている長所を備えている。
【0033】本願発明は、例えば、特開2001-158438に記載されているパウチの長所を有する。引用すると、加工性、内容物の保存性に優れ、軽量で嵩張らず、安価であるなどの特徴を生かし、且つ、その欠点である注出口部の開口性とその保形性、また、内容物を移し替える際の安全性、容易性を改善すると共に、外観面でもボトルなどに似てスマートで、店頭での陳列効果にも優れた狭窄出口部を備えた扁平袋を生産性よく提供する。内容物が充填された袋は、スマートな外観で、店頭での陳列効果にも優れている。また、内容物を他の容器に移し替える際には、例えば、前記突出部の一部を切り取って袋を開封し、開口部を容器の口部に向けて傾けることにより、内容物が突出部の開口部に向かって流動し、その内圧により、フィルムが外側に広がるため、開口部の保形性が向上し、注出の途中で閉塞するようなこともなく、内容物を最後まで安全且つ容易に移し替えることができる。内容物の充填が容易で、充填後の袋が、外観に優れると共に、容量の割にコンパクトであり、取り扱いやすく、包装材料の節減も可能で、しかも、使用時には、注出口部の開封を容易に行え、且つ、内容物の内圧により、自然に注出口部が保形性のよい状態で開口され、注出の途中で注出口が閉塞するようなこともなく、内容物の他の容器への移し替えも安全且つ容易に行えるという、使用適性と共に、店頭での陳列効果など外観にも優れた狭窄出口部を備えた扁平袋を生産性よく提供できる効果を奏する。
【0034】
【発明の効果】本願発明のジッパーストリップを有しない狭窄出口部を備えた扁平袋(第一発明)及びその製袋方法(第二発明、第三発明)及びその扁平袋の包装体(第七発明)は、従来技術に比べ以下の有利な効果を有する。
(1)袋の上部の片側に狭窄注出口を狭窄出口部を備えた扁平袋を180度向きを変えた二列状に連続して製袋することが出来て、極めて高い製袋能力が得られ、製袋コストを極めて低く抑えることが出来る。
(2)袋の上部の片側に狭窄注出口を狭窄出口部を備えた扁平袋を、フィルムのカット片が生じることがなく、又、デッドスペースを確保することなく、フィルムを一体に延在した状態に製袋することが出来て、底ガセットがないので、最も高速な包装ができる包装形態となり、フィルムに無駄が生じないから製袋コストを極めて低く抑えることが出来る。
(3)狭窄注出口の一側が袋全幅部分の一側の延長した位置にあるので、狭窄注出口の上端を切って開口を開いたときの開口の保形性が良好であり、開口の両端を押圧すると開口が大きく開き、内容物の適量取り出しを良好に行なえて、詰め替え袋として好適である。
(4)袋上縁の屈曲輪郭線は中点に関して点対象であれば良いので、袋の正面形状をいろいろな形状に選択することができ、顧客毎に要望されるデザインの選択ができる。
【0035】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋(第四発明)、及びその製袋方法(第五発明、第六発明)、及びその扁平袋の包装体(第七発明)は、従来技術に比べ以下の有利な効果を有する。
(1)袋幅の半分の狭窄注出口にジッパーストリップを備えるにもかかわらず、ジッパーストリップを断続させないで連続してフィルムに対して走行方向に貼り込むことが出来て、袋の上部の片側にジッパーストリップを有する狭窄注出口を狭窄出口部を備えた扁平袋を180度向きを変えた二列状に連続して製袋することが出来て、極めて高い製袋能力が得られ、製袋コストを極めて低く抑えることが出来る。
(2)袋の上部の片側にジッパーストリップを有する狭窄注出口を狭窄出口部を備えた扁平袋を、ジッパーストリップを有する狭窄注出口を別途製作して接続するのではなく、又、フィルムのカット片及びジッパーストリップのカット片が生じることがなく、又、デッドスペースを確保することなく、フィルムを一体に延在した状態に製袋することが出来て、最も高速な包装ができる包装形態においてフィルムに無駄が生じないから製袋コストを極めて低く抑えることが出来る。
(3)狭窄注出口の一側が袋全幅部分の一側の延長した位置にあるので、狭窄注出口の上端を切ってジッパーストリップを開いたときの開口の保形性が良好であり、ジッパーストリップの両端を押圧するとジッパーストリップが湾曲して開口が大きく、内容物の適量取り出しを良好に行なえる。全量を使い切らないときはジッパーストリップを再閉すればよく、詰め替え袋として好適である。
(4)袋上縁の屈曲輪郭線は中点に関して点対象であれば良いので、袋の正面形状をいろいろな形状に選択することができ、顧客毎に要望されるデザインの選択ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)に係り、第一実施例の扁平袋の正面図、(b)は内容物を充填中の斜視図。
【図2】図1(a),(b)の狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋する方法([請求項5]に記載の発明)に係り、扁平袋の製袋方法を示す正面図。
【図3】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法([請求項6]に記載の発明)の実施例に係り、図1の狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法を示す平面図。
【図4】本願発明のジッパーストリップを有しない狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項1]に記載の発明)に係り、第一実施例の狭窄出口部を備えた扁平袋の正面図。
【図5】図4に示す狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋する方法([請求項2]に記載の発明)に係り、第一実施例の扁平袋の製袋方法を示す正面図。
【図6】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)に係り、第二実施例の狭窄出口部を備えた扁平袋の正面図。
【図7】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法([請求項5]に記載の発明)に係り、図6に示す扁平袋の製袋方法を示す正面図。
【図8】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項4]に記載の発明)に係り、第三実施例の扁平袋の正面図。
【図9】本願発明のジッパーストリップを有する狭窄出口部を備えた扁平袋の製袋方法([請求項5]に記載の発明)に係り、図8に示す扁平袋の製袋方法を示す正面図。
【図10】本願発明のジッパーストリップを有しない狭窄出口部を備えた扁平袋([請求項1]に記載の発明)に係り、第二実施例の狭窄出口部を備えた扁平袋の正面図。
【図11】図10に示す狭窄出口部を備えた扁平袋を製袋する方法([請求項2]に記載の発明)に係り、第二実施例の扁平袋の製袋方法を示す正面図。
【符号の説明】
1・・・袋前面部、2・・・袋後面部、3・・・底ガセット、5・・・サイドシール、6・・・屈曲輪郭線、6a・・・線長の中点、6b,6c・・・輪郭線半部、7・・・狭窄出口部、8・・・肩部、9、9a,9b,9A,9B・・・ジッパーストリップ、10・・・トップシール、11・・・ハーフカットの切込み線、12・・・ノッチ、13・・・小孔、14a,14b・・・ジッパー潰しシール、15・・・半円カット、16・・・開口、F1,F2・・・連続するフィルム、F3,F4・・・連続する二つ折りフィルム、17a,17b・・・フィルム送りロール、18a,18b・・・挟入板、19・・・ヒートシーラー、20a,20b・・・ポイントシールカッター、21・・・サイドシール用ヒーター、22a,22b・・・プレスダイカット、23a,23b・・・ジッパー潰し用ヒーター、24・・・トップシール用屈曲状ヒーター、25・・・袋上縁形成用屈曲状カッター、26・・・エンドカッター、27・・・小孔、

【特許請求の範囲】
【請求項1】袋前面部と袋後面部の両側縁にサイドシールが施されており、袋上縁が線長の中点に関して点対称である屈曲輪郭線となっていて、一方の輪郭線半部が張出形状の狭窄出口部を形成し、残りの輪郭線半部が肩部を形成していて、該狭窄出口部と該肩部にトップシールが施され、袋底部が未シールで内容物を収容するための開口となっていることを特徴とする狭窄出口部を備えた扁平袋。
【請求項2】袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚のフィルムを重ね合わせ、サイドシールを施して扁平筒として、該扁平筒の中程に所要の屈曲状のトップシールを施すとともに該屈曲状のトップシールのシール幅中央に袋を二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状である狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部でありトップシールを施してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法。
【請求項3】袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚の連続するフィルムを重ね合わせてフィルム移送を行ない、袋幅ピッチでサイドシールを施して扁平筒を連設して、次いで、各扁平筒の中程に両端が一のサイドシールと次の一のサイドシールに接続するように屈曲トップシールを施してから、該屈曲状のトップシールのシール幅中央に袋を二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状である狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部でありトップシールを施してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えた二列状に連続して製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法。
【請求項4】袋前面部と袋後面部の両側縁にサイドシールが施されており、袋上縁が線長の中点に関して点対称である屈曲輪郭線となっていて、一方の輪郭線半部が張出形状の狭窄出口部を形成し、残りの輪郭線半部が肩部を形成していて、該狭窄出口部と該肩部にトップシールが施され、狭窄出口部の内面には、中点と一致する高さに一条のジッパーストリップが、又は中点を挟んだ上下等距離に二条のジッパーストリップが溶着されていて袋底部が未シールで内容物を収容するための開口となっていることを特徴とする狭窄出口部を備えた扁平袋。
【請求項5】袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚のフィルムを重ね合わせ、該二枚のフィルム間の幅中央に一条又は二条のジッパーストリップを挟み、又、ジッパーストリップの両側のウエブを各側のフィルムの内面に溶着するとともに、サイドシールを施して、中央にジッパーストリップを設けた扁平筒として、該扁平筒の中程に所要の屈曲状のトップシールを施すとともに該扁平筒を二分しかつジッパーストリップを二分する屈曲状のカットを入れることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状でありかつジッパーが付設された狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部であり該狭窄出口部と該肩部にトップシールを施されてなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えて一度に製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法。
【請求項6】袋前面部と袋後面部を形成するための所要幅の二枚の連続するフィルムを重ね合わせ、該二枚のフィルム間の幅中央に一条の連続するジッパーストリップを挟み、フィルム移送がこの状態になるようにして、ジッパーストリップの両側のウエブを各側のフィルムの内面に溶着するとともに、袋幅ピッチでサイドシールを施して中央にジッパーストリップが入った扁平筒を連設して、次いで、各扁平筒に両端が一のサイドシールと次の一のサイドシールに接続するようにかつ中程がジッパーストリップを交叉するように屈曲トップシールを施してから、中程で屈曲トップシールとジッパーストリップのそれぞれを二分する屈曲輪郭線のカットを入れるとともにサイドシールのシール幅中央をカットすることにより、各袋の上部の片側部分が張出形状であってジッパストリップを備えた狭窄出口部であり他方の片側部分が肩部でありトップシールを施してなる狭窄出口部を備えた二つの扁平袋を、互いに180度向きを変えた二列状に連続して製袋することを特徴とする扁平袋の製袋方法。
【請求項7】[請求項1]又は[請求項4]に記載の狭窄出口部を備えた扁平袋、又は[請求項2]、[請求項3]、[請求項5]若しくは[請求項6]に記載の製袋方法で製袋される狭窄出口部を備えた扁平袋の開口を開いて内容物を充填し、開口を閉じてトップシールしてなることを特徴とする扁平袋の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2003−20047(P2003−20047A)
【公開日】平成15年1月21日(2003.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−205459(P2001−205459)
【出願日】平成13年7月5日(2001.7.5)
【出願人】(595020573)
【Fターム(参考)】