説明

現像剤回収容器および画像形成装置

【課題】各色トナーの貯留スペースが確保された廃トナー回収ボックスを得る。
【解決手段】貯留室61に面して一列に傾斜配置され、最上部がベルトクリーナ23からの、最下部がK色画像の形成される感光体ドラム11のドラムクリーナ14からのトナーが貯留室61に落とし込まれる回収口58と、最上部の隣の回収口58とその隣の回収口58との間の下方に形成され、センサに検知されるトナーが貯留室61から流入する検知室67と、収容上限域を超えた貯留室61のトナーを検知室67へ搬送する搬送手段64とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤回収容器および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置においては、感光体ドラム上に現像したトナー像を記録シートに転写した後、感光体ドラムに付着した残留トナーをクリーナによって除去しており、除去された残留トナーは廃トナー(使用済み現像剤)として画像形成装置内の廃トナー回収ボックス(現像剤回収容器)に回収されるようになっている。
【0003】
また、近年では、複数の作像エンジンによって形成された多色のトナー像を感光体ドラムから中間転写ベルトに一次転写した後、中間転写ベルトから記録シートへ二次転写してカラー画像を得るカラー画像形成装置も登場している。カラー画像形成装置の場合、例えばイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの各作像エンジン毎に感光体ドラムおよびそれを清掃するクリーナが存在することから、4つの作像エンジンのクリーナから廃トナーを回収する必要が生じる。また、上記中間転写体ベルトから記録シートへトナー像を二次転写した後は、中間転写ベルトに付着している残留トナーも清掃する必要があり、この中間転写ベルトに対してもクリーナが設けられている。したがって、カラー画像形成装置の場合、複数のクリーナから廃トナーを廃トナー回収ボックスに回収している。
【0004】
さらに、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いた現像器における劣化現像剤(使用済み現像剤)の交換作業を省略するために、新たな二成分現像剤を補給しながら劣化現像剤を棄てていくトリクル現像方式が用いられている。この現像方式を採用する場合は、各色の現像器から排出される劣化現像剤も廃トナー回収ボックスに回収される。
【0005】
廃トナー回収ボックスは消耗部品であり、廃トナーが満杯になった時点で空の廃トナー回収ボックスと交換されている。
【0006】
ここで、使用済み現像剤が回収される廃トナー回収ボックスについては、例えば特開2008−309987号公報や米国特許第6937838号明細書に記載の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−309987号公報
【特許文献2】米国特許第6937838号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、各色現像剤の回収量に対応した現像剤の貯留スペースが確保された現像剤回収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の現像剤回収容器は、回収された現像剤が貯留される第1の部屋と、前記第1の部屋に面して複数箇所に形成されるとともに相互に一列になって傾斜配置され、最上部が中間転写手段の浄化手段で除去された現像剤が、最下部が黒色画像の形成される像保持体の浄化手段で除去された現像剤が、それぞれ前記第1の部屋に落とし込まれる回収口と、最上部の回収口の隣に位置する回収口と当該回収口のさらに隣に位置する回収口との間の下方に形成され、検知手段に検知される現像剤が前記第1の部屋から流入する第2の部屋と、収容上限域を超えた前記第1の部屋内の現像剤を前記第2の部屋へ搬送する搬送手段とを有する、ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明の画像形成装置は、請求項1に記載の現像剤回収容器が取り付けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、各色現像剤の回収量に対応した現像剤貯留スペースが確保される。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、各色現像剤の回収量に対応した現像剤貯留スペースが確保された現像剤回収容器の取り付けられた画像形成装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスが取り付けられたプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】図1のプリンタにおける廃トナー回収ボックスの配設位置を示す概略図である。
【図3】図2のA−A’線に沿った断面図である。
【図4】図1のプリンタにおいて、廃トナー回収ボックスが装着された状態での位置決めプレートおよび作像エンジンを示す斜視図である。
【図5】図1のプリンタにおいて、廃トナー回収ボックスが前方に倒れた状態での位置決めプレートおよび作像エンジンを示す斜視図である。
【図6】図1のプリンタにおいて、廃トナー回収ボックスが取り外された状態での位置決めプレートおよび作像エンジンを示す斜視図である。
【図7】図1のプリンタにおいて、位置決めプレートが前方に傾斜した状態での位置決めプレートおよび作像エンジンを示す斜視図である。
【図8】図1のプリンタにおいて、位置決めプレートが前方に倒れた状態での位置決めプレートおよび作像エンジンを示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスを前面側から示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスを背面側から示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスの構成要素であるフロントカバーの内部を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスの構成要素であるリアカバーの内部を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスの内部構造をリア側から見た斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスの内部構造をフロント側から見た斜視図である。
【図15】図9のB−B’線に沿った断面図である。
【図16】図15のC−C’線に沿った要部の断面図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスの構成要素であるパイプを前部下方から示す斜視図である。
【図18】図17のパイプの径方向の断面図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係る廃トナー回収ボックスにおける搬送手段とパイプとの関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
図1に示すように、廃トナーの廃トナー回収ボックスが取り付けられたタンデム型のカラーレーザビームプリンタ1(画像形成装置)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色毎にトナー像を形成する4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kを備えている。また、これらの作像エンジンからトナー像が転写(一次転写)される中間転写ベルト20を備えており、中間転写ベルト20に多重転写されたトナー像がさらに記録シートPに転写(二次転写)されてフルカラー画像が形成されるように構成されている。
【0016】
中間転写ベルト20は無端状に形成されるとともに一対のベルト搬送ローラ21,22にかけ回されており、矢印で示す方向に回転しながら各色作像エンジン10Y、10M、10C、10Kで形成されたトナー像の一次転写を受けるように構成されている。
【0017】
中間転写ベルト20を挟んで一方のベルト搬送ローラ21と対向する位置には二次転写ローラ30が設けられており、記録シートPは互いに押し合うようにして接する二次転写ローラ30と中間転写ベルト20との間を通されて、中間転写ベルト20からトナー像の二次転写を受けるようになっている。一方、反対側に位置するベルト搬送ローラ22と対向する位置には中間転写ベルト20(中間転写手段の一例)のベルトクリーナ23(浄化手段の一例)が配置され、二次転写後に中間転写ベルト20に残留付着したトナーを中間転写ベルト20上から除去する。なお、ベルトクリーナ23によって除去された残留トナーは、廃トナーとして螺旋状の羽根を有する搬送シャフト23aによりフロント側(図1の紙面手前側)へ搬送され、後述する廃トナー回収ボックスに回収されるようになっている。
【0018】
中間転写ベルト20の下側には前述した4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kが一列になって傾斜配置されており(図4〜図8参照)、各色の画像情報に応じて形成したトナー像を中間転写ベルト20に一次転写するようになっている。これら4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kは中間転写ベルト20の回転方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色の順に配置されており、一般に最も頻繁に使用されるブラックの作像エンジン10Kが最も二次転写位置の近傍に配置されている。
【0019】
これら作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの下方には、各作像エンジンに具備された感光体ドラム11(像保持体の一例)を画像情報に応じて露光するラスタ走査ユニット40が設けられている。このラスタ走査ユニット40は全ての作像エンジン10Y、10M、10C、10Kに共用されており、各色の画像情報に応じて変調されたレーザ光Lを発する4基の半導体レーザ(図示せず)と、高速回転してこれら4本のレーザ光Lを感光体ドラム11の軸方向に沿って走査する1基のポリゴンミラー41とを備えている。そして、ポリゴンミラー41によって走査された各レーザ光Lはミラー(図示せず)で反射されながら予め定められた経路を進んだ後、ラスタ走査ユニット40の上部に設けられた走査窓42を通して各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11を露光する。
【0020】
各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム11と、感光体ドラム11の表面を規定の電位に帯電させる帯電ローラ12と、レーザ光Lの露光によって感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器13と、トナー像を中間転写ベルト20に転写した後の感光体ドラム11の表面から残留トナーや紙粉を除去するドラムクリーナ14(浄化手段の一例)を備えており、感光体ドラム11上に各色の画像情報に応じたトナー像が形成されるように構成されている。
【0021】
本実施の形態のプリンタ1では、現像器13はトナーとキャリアとが混合された二成分現像剤が用いられるタイプのものであり、経時劣化に伴う現像剤の入れ換えのメインテナンスを省略するため、補給カートリッジ(図示せず)からトナーとキャリアとが混合された現像剤が補給され、劣化した現像剤を自動的に排出されるトリクル現像方式が用いられている。
【0022】
各現像器13では、前述した搬送シャフト23aと同様の螺旋状の羽根を有する搬送シャフト13aのリア側(図1の紙面奥側)から新たな現像剤が補給される。また、各ドラムクリーナ14によって除去された残留トナーは、廃トナーとして図示しない搬送シャフトによりフロント側へ排出されるようになっている。そして、ドラムクリーナ14から排出された廃トナーは後述する廃トナー回収ボックス50に回収されるようになっている。
【0023】
なお、本例では回収する現像材の一例として、ドラムクリーナ14から排出された使用済みのトナーと、ベルトクリーナ23から排出された使用済みのトナーとを含む廃トナーを回収しているが、例えば、現像器13から排出されたキャリアおよびトナーを回収する回収ボックスや、ドラムクリーナ14から排出された使用済みのトナーのみを回収する回収ボックスへの適用も可能である。
【0024】
作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11と対向する位置には、中間転写ベルト20を挟むようにして一次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kが設けられている。そして、これら転写ローラ15Y、15M、15C、15Kに転写バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム11と転写ローラ15Y、15M、15C、15Kとの間に電界が形成され、感光体ドラム11上で電荷を帯びているトナー像がクーロン力で中間転写ベルト20に転写されるようになっている。
【0025】
一方、記録シートPはプリンタ1の下部に収納される給紙カセット2から筐体内部、具体的には中間転写ベルト20と二次転写ローラ30とが接する二次転写位置へ搬送される。給紙カセット2はプリンタ1のフロント側から押し込んでセットするように構成されている。セットされた給紙カセット2の上部には、給紙カセット2内に収容された記録シートPを引き出すためのピックアップローラ24および給紙ローラ25が設けられている。また、給紙ローラ25と対向する位置には、記録シートPの重送を防止するリタードローラ26が設けられている。
【0026】
プリンタ1の内部における記録シートPの搬送経路27はプリンタ1の左側面に沿って上下方向に設けられており、プリンタ1の底部に位置する給紙カセット2から引き出された記録シートPはこの搬送経路27を上昇し、レジストレーションローラ29によって突入タイミングが制御されて二次転写位置に導入され、当該二次転写位置においてトナー像の転写を受けた後、上部に設けられた定着器3へと送られる。そして、定着器3によってトナー像が定着された記録シートPは、排出ローラ28によってプリンタ1の上面に設けられた排紙トレイ1aに、画像形成面を下にした状態で排出される。
【0027】
このような構成のカラーレーザビームプリンタ1によるフルカラー画像の形成に当たっては、先ず、各色の画像情報に応じてラスタ走査ユニット40が各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11を予め定められたタイミングで露光する。これによって、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11上には画像情報に応じた静電潜像が形成されるので、これら静電潜像にトナーを供給することによりトナー像が形成される。
【0028】
各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は回転する中間転写ベルト20に対して順次転写され、これにより中間転写ベルト20上には各色トナー像が重なり合った多重トナー像が形成される。一方、記録シートPが給紙カセット2から送り出され、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像が二次転写位置に達するタイミングを見計らって、二次転写ローラ30と中間転写ベルト20との間に通される。これにより、中間転写ベルト20上の多重トナー像は記録シートPに二次転写される。そして、二次転写された記録シートPは定着器3によってトナー像の定着がなされ、これによって記録シートP上にフルカラー画像が完成する。
【0029】
このように構成された本実施の形態のプリンタ1においては、ベルトクリーナ23および各ドラムクリーナ14から排出される廃トナーは、全て同一の廃トナー回収ボックス50(現像剤回収容器の一例)に回収されるように構成されている。
【0030】
図2および図3に示すように、廃トナー回収ボックス50は、一列に傾斜配置されたイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kのフロント側のやや下方に設けられており、各ドラムクリーナ14からフロント側へ向けて排出された廃トナーが廃トナー回収ボックス50に回収されるようになっている。また、ベルトクリーナ23により中間転写ベルト20から除去された廃トナーも廃トナー回収ボックス50に回収されるようになっている。
【0031】
ここで、廃トナー回収ボックス50と作像エンジン10Y、10M、10C、10Kとの具体的な位置関係について、図4〜図8に基づいて説明する。
【0032】
これらの図面に示すように、廃トナー回収ボックス50はプリンタ1の最もフロント側(つまり、フロント扉(図示せず)の真裏)に配置されており、その後方に位置決めプレート70、さらにその後方に内部壁71が配置されて、当該内部壁71の後方に作像エンジン10Y、10M、10C、10Kが位置している。
【0033】
廃トナー回収ボックス50は内部壁71の下端部から前方に向けて屈曲された台座片71bに下方が支持されており、プリンタ1に装着されたときは真っ直ぐに立った姿勢になっており(図4)、着脱時には、下方を支点にして、ある角度まで前方へ倒されるようになっている(図5)。
【0034】
前述のように、廃トナー回収ボックス50の背面には、作像エンジン10Y、10M、10C、10Kに設けられた各感光体ドラム11を位置決めするための部材である位置決めプレート70が配置されている。図6〜図8に示すように、位置決めプレート70は下部の2箇所が回転軸70aとなって内部壁71に取り付けられており、作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの交換時には、当該回転軸70aを支点にして前方にほぼ水平に倒れるように回転する。位置決めプレート70は、感光体ドラム11の位置決めする際には真っ直ぐに立った姿勢になっており(図6)、位置決めレバー70bを操作することにより、感光体ドラム10の支持軸(図示せず)が下方に変位して略V字形に形成された位置決め溝70cに押し付けられて規定の位置に位置決めされる。なお、内部壁71には、作像エンジン10Y、10M、10C、10Kが長手方向に沿って着脱されるときの便宜のために、開口部71aが形成されている。
【0035】
2つの回転軸70aは、作像エンジン10Y、10M、10C、10Kに沿って傾斜しており、したがって、位置決めプレート70は斜め前方に倒れるように回転する(図7、図8参照)。そして、位置決めプレート70が前方に倒れると、前述したように一列になって傾斜配置された4基の作像エンジン10Y、10M、10C、10Kが、内部壁71の開口部71aから覗くようになる。
【0036】
図9〜図12に示すように、廃トナー回収ボックス50は、プラスチック製のフロントカバー51とリアカバー52とが合わさり一体となって筐体を構成しており、内部に空間(後述する貯留室61や検知室67など)が形成されている。この廃トナー回収ボックス50は、幅方向に長く、上下方向の長さに比べると厚みの薄い形状を呈している。廃トナー回収ボックス50の幅方向の長さは前述したブラックの作像エンジン10Kのドラムクリーナ14からベルトクリーナ23迄の距離よりも長くなっており、プリンタ1に装着したならば、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kおよびベルトクリーナ23のフロント側に位置して、廃トナーが直接内部空間(貯留室61)に落とし込まれるようになっている。
【0037】
図9、図10および図11に示すように、フロントカバー51の上部の2箇所には、自由端が前方を向き、上面53aに突起部54が形成されて当該上面53aが上下に動くように弾性変形するロック片53が形成されている。また、ロック片53の直下には、前方に開口して複数本の指が入り込む程度の広さを持った穴部55が形成されている。さらに、フロントカバー51の下部の2箇所には、下方に突出する板状片56(図13)が取り付けられる板状片取付部57が形成されている。
【0038】
したがって、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1(の内部壁71に形成された台座片71b)に取り付ける際には、プリンタ1側に形成された溝部(図示せず)に板状片56を差し込み、この差し込んだ部位を支点に廃トナー回収ボックス50を起こし、ロック片53を弾性変形させながら突起部54をプリンタ1側に形成された固定穴(図示せず)に嵌め込むようにする。また、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1から取り外す際には、親指をロック片53の自由端に掛け、それ以外の指を穴部55に入れて親指でロック片53を押し下げながら前方に倒して突起部54と固定穴との嵌め込みを解除し、そのまま斜め上方に引き上げるようにする。
【0039】
なお、廃トナー回収ボックス50がプリンタ1から取り外されるのは、例えば、廃トナー回収ボックス50が満タンになって交換する場合、中間転写ベルトユニットに交換の必要が生じた場合、および廃トナー回収ボックス50の奥に位置する作像エンジン10Y、10M、10C、10Kに交換の必要が生じた場合である。
【0040】
図10および図12に示すように、リアカバー52の上部には5つの回収口58が形成されている。これらは各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kのドラムクリーナ14から排出される廃トナーの回収口58であり、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に装着すると、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kのドラムクリーナ14からフロント側へ突出した連結パイプ73がこれら回収口58に挿入され、トリクル方式のドラムクリーナ14から排出された廃トナーが廃トナー回収ボックス50内に落とし込まれるようになっている。なお、5つの回収口58は、図10の紙面右側から、ブラックのドラムクリーナ14、シアンのドラムクリーナ14、マゼンタのドラムクリーナ14、イエローのドラムクリーナ14、ベルトクリーナ23に対応しており、作像エンジン10Y、10M、10C、10Kおよびベルトクリーナ23の位置に合わせて傾斜してレイアウトされている。
【0041】
このように、廃トナー回収ボックス50は作像エンジン10Y、10M、10C、10Kおよびベルトクリーナ23の一側でこれらに架け渡されるようにして設けられているので、各作像エンジン10Y、10M、10C、10Kやベルトクリーナ23から排出される廃トナーが廃トナー回収ボックス50に直接落とし込まれる。
【0042】
図13に示すように、回収口58にはシャッタ59が設置されている。シャッタ59は、中央から左右に2分されるような形で開閉する観音開き構造となっており、リアカバー52の内側に開閉自在に取り付けられている。シャッタ59には、このシャッタ59をリアカバー52の壁面に押し当てて回収口58を閉塞するトーションバネ60が取り付けられている(図14)。したがって、通常ではシャッタ59はトーションバネ60のバネ力により回収口58を閉鎖しており、前述の連結パイプ73が回収口58に挿入されると、当該連結パイプ73によりバネ力に抗して内側に押されて開放状態となる。
【0043】
図13および図14に示すように、フロントカバー51とリアカバー52とで構成される廃トナー回収ボックス50の内部には、回収された廃トナーが貯留される貯留室61(第1の部屋の一例)が形成されている。貯留室61は回収口58の下方に位置しており、回収口58に挿入された連結パイプ73から廃トナーが落とし込まれる。そして、貯留室61内の廃トナーが一杯に収容された(収容上限域に達した)時点で、廃トナー回収ボックス50は交換する必要が生じる。
【0044】
貯留室61内には、長手方向に沿って搬送手段64が設けられている。この搬送手段64は貯留室61の側壁(つまり、リアカバー52の左右の側壁52a)を跨ぐようにして設けられており、貯留室61に落とし込まれた廃トナーがそれぞれの回収口58の直下で山となり、その頂上が廃トナー回収ボックス50の収容上限を超えた場合に、その収容上限を超えた部分を崩して搬送するように構成されている。
【0045】
搬送手段64の一方側は、側壁52aに設けられた軸受け65に支持されるとともに先端が外部に突出している。当該先端は、搬送手段64に駆動力(回転力)が供給される端部つまり回転力供給側端部となっており、プリンタ1内に設けられた駆動源(図示せず)からの駆動力を搬送手段64に伝達するための伝達ギア列(図示せず)が設けられた伝達ユニット66が取り付けられている。したがって、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に取り付けると、伝達ユニット66がプリンタ1内の駆動源と機械的に結合し、これによって当該駆動源により搬送手段64が駆動(回転)される。
【0046】
搬送手段64は、例えば合成樹脂の射出成形によって製作され、回転軸63の周囲に廃トナーを搬送するための螺旋羽根62(羽根の一例)が形成されている。螺旋羽根62は、相互に巻き方向が異なる第1の羽根62aと第2の羽根62bとで構成されており、それぞれの羽根62a,62bの巻き方向は、回転軸63を回転させた際に、廃トナーが回転軸63の双方向から中央に向けて搬送される方向になっている。
【0047】
これらの羽根62a,62bはイエローYの廃トナーに対応した回収口58の直下とマゼンタMの廃トナーに対応した回収口58の直下との間の位置で途切れて搬送終端となっている。したがって、搬送手段64を回転させると、貯留室61内で山になった廃トナーが当該位置に向けて崩されていく。
【0048】
図15に示すように、貯留室61の収容上限を超えた廃トナーが導入される検知室67(第2の部屋の一例)が貯留室61と空間的に繋がって設けられており、貯留室61内の予め規定されたレベルにまで(つまり、貯留室61内に収容上限まで)廃トナーが堆積すると、当該レベルを超えた(つまり、収容上限を超えた)廃トナーが入り込むように構成されている。
【0049】
図16に示すように、検知室67は、リアカバー52に取り付けられるとともに外側に突出した透明部材で形成されたセンシング室67cを有しており、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に対して装着した際に、プリンタ1側に設けられた光透過型センサ69(センサ)の発光部と受光部との間に入り込むようになっている。
【0050】
図15に示すように、検知室67の入口67aから延びる廃トナー通過路67bには、搬送手段64の下方に位置するようにして傾斜面が形成されており、その先にセンシング室67cが位置している。つまり、センシング室67cは入口67aの真下には配置されていない。したがって、貯留室61から落とし込まれる廃トナーは、廃トナー通過路67bの傾斜面によってセンシング室67cに徐々に堆積されるようになる。そして、前述した光透過型センサ69の発光部と受光部との間がセンシング室67c内の廃トナーによって遮られると、光透過型センサ69の信号が変化することになる。これにより、廃トナーが貯留室61内の規定レベルにまで堆積したか否かが把握される。
【0051】
図14に示すように、検知室67の入口67aは、前述した搬送手段64の第1の羽根62aと第2の羽根62bとの途切れた位置、つまり搬送終端に面した位置に形成されている。このため、貯留室61内で収容上限を超えた廃トナーは、搬送手段64により検知室67の入口67aに向けて搬送されていく。
【0052】
さて、図17および図18に示すように、検知室67の入口67aには、搬送手段64の貫通したパイプ68が配置されている。このパイプ68には、本体部となる周壁68bに開口部68aが形成されており、当該開口部68aは検知室67の入口67aに面している。したがって、搬送手段64は、羽根62a,62bの途切れた部位である廃トナーの搬送終端がパイプ68の開口部68aに位置しており(図19参照)、廃トナーは、パイプ68を通らない限り、検知室67に入り込まないようになっている。パイプ68の開口部68a以外から廃トナーが検知室67に入り込まないように、周壁68bから下方に向けて、検知室67の入口67aと貯留室61とを区画する区画壁68cが形成されている。
【0053】
なお、図19に示すように、第1の羽根62aの途切れた部位と第2の羽根62bの途切れた部位とは間隔L3があけられており、搬送されてきた廃トナーが落下しやすいようになっている。
【0054】
このような構成によれば、貯留室61で廃トナーが局所的に収容上限を超えるようになると、その分の廃トナーは搬送手段64で貯留室61の中央に向けて崩される。このとき、廃トナーは搬送手段64の螺旋羽根62の切れ目に向けて崩されていくので、最終的には、貯留室61内では螺旋羽根62の切れ目の下側にだけ空間が残る。そして、搬送手段64による廃トナーの搬送によってこの空間が消失すると、貯留室61は廃トナーで満タンになったことに、つまり収容上限に達したことになる。
【0055】
すると、収容上限を超えた廃トナーは、搬送手段64に搬送されてパイプ68の中に入り込むことになる。そして、パイプ68内に入り込んだ廃トナーはパイプ68の開口部68aから検知室67に入り込み、前述のようにセンシング室67cにおいて光透過型センサ69で検知される。これにより、光透過型センサ69の出力信号が変化し、貯留室61が満タンになったことが把握される。
【0056】
ここで、作像エンジン10Y、10M、10C、10Kを交換する場合には、当該作像エンジン10Y、10M、10C、10Kの手前に位置する廃トナー回収ボックス50を取り外す必要が生じる。このとき、取り外した廃トナー回収ボックス50を、搬送手段64の回転軸63が水平ではない状態(つまり、回転軸63が傾斜した状態および上下方向になった状態)で置いておくと、前述したパイプ68がない場合、貯留室61内の廃トナーが崩れ落ちて一部が入口67aから検知室67へと入り込んでしまう。そして、光透過型センサ69で検出される程度の廃トナーが検知室67内に入り込むと、廃トナー回収ボックス50をプリンタ1に取り付けた場合、貯留室61が廃トナーで満タンになっていないにもかかわらず、光透過型センサ69の出力信号が変化して貯留室61が満タンになったと誤検知される。
【0057】
また、貯留室61内は廃トナーから発した粉塵が浮遊している。粉塵は、局所的に収容上限を超えた廃トナーの山が搬送手段64で崩されるときなど、廃トナーが搬送手段64によって搬送されるときにとりわけ多く発生する。したがって、パイプ68がないと、発生した粉塵は、廃トナー自体に比較して軽量であるために、搬送手段64に搬送されることなく、一部が浮遊しながら入口67aから検知室67へと入り込んでしまう。そして、このような状態が繰り返されることにより、光透過型センサ69で検出される程度の粉塵が検知室67内に蓄積されると、やはり貯留室61が廃トナーで満タンになっていないにもかかわらず、光透過型センサ69の出力信号が変化して貯留室61が満タンになったと誤検知される。
【0058】
これに対して、本実施の形態では、螺旋羽根62を有する搬送手段64がパイプ68を貫通して搬送終端がパイプ68の開口部68aに面しており、貯留室61内の廃トナーは、パイプ68を通らない限り、検知室67に入り込まないようになっている。したがって、廃トナー回収ボックス50を取り外したときに崩れ落ちた廃トナーや、搬送手段64が廃トナーを搬送したときに発生する粉塵は、パイプ68と螺旋羽根62とに阻止されて検知室67へと入り込むことが阻止される。これにより、廃トナー回収ボックス50が満タンになったとする誤検知が防止されて、検知精度が向上する。
【0059】
また、図19に示すように、羽根62a,62bのピッチ(間隔)は、第1の間隔L1と、第1の間隔よりも狭い第2の間隔L2との2種類のピッチを有している。本実施の形態では、第1の間隔は例えば20mmとなってパイプ68の外側に位置しており、第2の間隔は例えば9mmとなってパイプの内側に位置している。また、第1の間隔L1と第2の間隔L2との境界位置S1は、パイプ68の端部位置S2よりもパイプ68の外側になっている。
【0060】
このようにパイプ68内の羽根62のピッチを、第1の間隔よりも狭い第2の間隔L2にすることで、パイプ68端部と重複する箇所での螺旋羽根62の隙間が密になって廃トナーが収容される空間が減少するので、廃トナー回収ボックス50を取り外したときに崩れ落ちた廃トナーがパイプ68内に入り込みにくくなる。これにより、廃トナーがパイプ68の開口部68aまで到達しにくくなり、廃トナー回収ボックス50が満タンになったとする誤検知がより確実に防止される。
【0061】
さて、前述した位置決めプレート70に傾斜して設けられた2つの回転軸70aをレイアウトするために、図12および図14に示すように、廃トナー回収ボックス50においては、下方に位置する一方の回転軸70a−1との干渉を回避する必要から、リアカバー52を内側から見て左下部(K色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去されたK色廃トナーと、C色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去されたC色廃トナーとが落下する領域:第1の領域)の一部が内側に出っ張って第1の突出部A1が形成され、廃トナーを収容するためのスペースである貯留室61の容積が侵食されている。
【0062】
一方、上方に位置する他方の回転軸70a−2との干渉を回避するために、同図において右下部(ベルトクリーナ23によって中間転写ベルト20から除去された廃トナーと、Y色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去されたY色廃トナーとが落下する領域:第2の領域)の一部も内側に出っ張って第2の突出部A2が形成されているものの、回転軸70a−2が上方(つまり、搬送手段64の設けられた位置とほぼ同じ高さ)のために、第1の突出部A1よりも突出位置が上方となる。そのため、第2の領域における廃トナーの貯留室61の実容量に対する侵食量は第1の領域に比べて小さい。
【0063】
このような事情から、K色廃トナー(機器の設計上では、廃トナー量がベルトクリーナ23からの廃トナーに次いで多いとして取り扱われる)およびC色廃トナーが収容される第1の領域の容量は、ベルトクリーナ23の廃トナーおよびY色廃トナーが収容される第2の領域に比較して少なくなる。さらに、検知室67は貯留室61内に突出した第3の突出部A3内に形成されており、当該第3の突出部A3が第1の領域側に接近して形成されると、第1の領域の容量はますます少なくなる。
【0064】
ここで、用紙などの記録媒体がトナー転写効率のよくない材質のもの等であれば、ベルトクリーナ23からの廃トナー量はさらに多くなることから、第2の領域の容量は充分に確保される必要がある。但し、貯留室61と検知室67とを空間的に繋ぐ部位である検知室67の入口67aの位置を第1の領域にシフトさせることにより、廃トナー回収ボックス50が満タンになったことを検知するためのセンサ69を、プリンタ1における廃トナー回収ボックス50の第1の領域に対応する位置に寄せて配置して第2の領域の容量を確保すれば、第1の領域の容量はさらに減少してしまう。
【0065】
なお、廃トナー回収ボックス50の厚みを厚くすれば、前述した回転軸70aやセンサ69との干渉を回避するために減少した容量をカバーすることができる。また、廃トナー回収ボックス50の厚みを厚くすれば、廃トナーが流入する検知室67を回収口58の下方に配置しても、廃トナー落下位置と検知室67とを厚み方向でずらして配置できるので、センサレイアウトの自由度も向上する。
【0066】
しかしながら、プリンタ1の内部における廃トナー回収ボックス50のレイアウトスペースに限りがあるために厚みを厚くすることは難しい。そのため、センサ69は検知室67と上下方向で重ならない位置で、且つ前述した回転軸70aとも廃トナー回収ボックスの厚み方向で重ならない位置にレイアウトするしかない。
【0067】
また、前述のように位置決めプレート70は傾斜配置された2つの回転軸70aを支点に前方に倒れる構成であることから、センサ69を2つの回転軸70aの中心付近、あるいは中心から下方の回転軸70a−1寄り(つまり、第1の領域寄り)に配置すると、倒れた位置決めプレート70にセンサ69が干渉することになる(図6参照)。
【0068】
そこで、本実施の形態では、図14に詳しく示すように、最上部の回収口58(つまり、ベルトクリーナ23によって中間転写ベルト20から除去された廃トナーの回収口58)の隣に位置する回収口58(ここでは、Y色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去されたY色廃トナーの回収口58:Y色回収口58)と、当該回収口58のさらに隣に位置する回収口58(ここでは、M色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去されたM色廃トナーの回収口58:M色回収口58)との間の下方に、貯留室61内の廃トナーが導入される検知室67が形成されている。検知室67には、当該検知室67と貯留室61とを空間的につなぐ入口67aを有しており、貯留室61内の廃トナーは、この入口67aから検知室67に流入する。よって、検知室67を構成するための第3の突出部A3も、Y色回収口58とM色回収口58との間の下方に配置される。したがって、入口67aの真下に配置されるセンサ69もまた、Y色回収口58とM色回収口58との間の下方に配置される。
【0069】
これにより、上記問題点が解消されて、ベルトクリーナ23によって中間転写ベルト20から除去された廃トナーの貯留室61における貯留スペースが確保されるとともに、位置決めプレート70の下方側回転軸70a−1との干渉回避のための突出部(第1の突出部A1)があっても、検知室67を形成している第3の突出部A3による侵食がなくなるので、K色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去されたK色廃トナーの貯留室61における貯留スペースが確保される。しかも、このとき、第2の領域の容量が犠牲になっていない。したがって、各色トナーの回収量に対応した貯留室61内のトナー貯留スペースが確保される。
【0070】
ところで、画像形成時には、Y色、M色、C色、K色の順に感光体ドラム11から中間転写ベルト20へトナーが転写されるが、中間転写ベルト20に転写されたトナーの一部が感光体ドラム11へ再転写されるために、再転写されるトナー量はY色、M色、C色、K色の感光体ドラム11の順に多くなる。そのため、各色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去された廃トナーの排出量は、Y色、M色、C色、K色の感光体ドラム11の順に多くなる。
【0071】
このような理由から、K色のドラムクリーナ14からの廃トナーの回収口58とベルトクリーナ23からの廃トナーの回収口58との中間位置よりもベルトクリーナ23からの廃トナーの回収口58にシフトした場所に検知室67の入口67aを設けてその真下にセンサ69を配置している。つまり、上述したように、Y色回収口58とM色回収口58との間の下方に配置している。
【0072】
これにより、K色やC色のドラムクリーナ14から運ばれて回収口58から落下・堆積して山なりになった廃トナーが搬送手段64によって取り崩された後に入口67aから検知室67に流入することになる。したがって、廃トナーが取り崩されて均される量だけ検知室67に形成されたセンシング室67cに入り込むタイミングが遅延することになり、満タンと検知される期間が延びて廃トナー回収ボックス50の交換サイクルが長くなる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、最上部がベルトクリーナ23によって中間転写ベルト20から除去された廃トナーの回収口58となり、以下、傾斜方向に沿って、Y色、M色、C色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去された廃トナーの回収口58となり、最下部がK色のドラムクリーナ14によって感光体ドラム11から除去された廃トナーの回収口58となっているが、最上部および最下部の回収口58以外は、どの色の廃トナーの回収口58であってもよい。
【0074】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0075】
たとえば、本実施の形態では、搬送手段64の羽根は、回転軸63の双方向から廃トナーを中央に向けて搬送する第1の羽根62aおよび第2の羽根62bを有しているが、回転軸63の一方向へ廃トナーを搬送するような巻き方向が一つだけの羽根で搬送手段を構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上の説明では、Y色、M色、C色、K色の4色によるカラー画像形成装置が取り上げられているが、色数および色の種類はこれらに限定されるものではなく、所望のカラー画像の形成に必要とされる色が自由に適用される。
【符号の説明】
【0077】
1 プリンタ
50 廃トナー回収ボックス
51 フロントカバー
52a 側壁
53 ロック片
53a 上面
54 突起部
55 穴部
56 板状片
57 板状片取付部
58 回収口
59 シャッタ
60 トーションバネ
61 貯留室
62 螺旋羽根
62a 第1の羽根
62b 第2の羽根
63 回転軸
64 搬送手段
65 軸受け
66 伝達ユニット
67 検知室
67a 入口
67b 廃トナー通過路
67c センシング室
68 パイプ
68a 開口部
68b 周壁
68c 区画壁
69 光透過型センサ
70 位置決めプレート
70a,70a−1,70a−2 回転軸
71 内部壁
71a 開口部
73 連結パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収された現像剤が貯留される第1の部屋と、
前記第1の部屋に面して複数箇所に形成されるとともに相互に一列になって傾斜配置され、最上部が中間転写手段の浄化手段で除去された現像剤が、最下部が黒色画像の形成される像保持体の浄化手段で除去された現像剤が、それぞれ前記第1の部屋に落とし込まれる回収口と、
最上部の回収口の隣に位置する回収口と当該回収口のさらに隣に位置する回収口との間の下方に形成され、検知手段に検知される現像剤が前記第1の部屋から流入する第2の部屋と、
収容上限域を超えた前記第1の部屋内の現像剤を前記第2の部屋へ搬送する搬送手段とを有する、
ことを特徴とする現像剤回収容器。
【請求項2】
請求項1に記載の現像剤回収容器が取り付けられている、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−107595(P2011−107595A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265012(P2009−265012)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】