説明

現像装置および画像形成装置

【課題】層厚規制部材の上流側での現像剤の滞留を抑制すること。
【解決手段】現像剤保持体(G1k)が収容される保持体収容部(2)と、前記保持体収容部(2)に隣接する第1の撹拌部(3)と、前記第1の撹拌部(3)に隣接する第2の撹拌部(4)と、前記第1の撹拌部(3)内に収容された第1の搬送部材(7)と、前記第2の撹拌部(4)内に収容された第2の搬送部材(8)と、前記第2の搬送部材(8)と前記現像剤保持体(G1k)との間に配置されて保持部材(12)表面に保持された現像剤の層厚を規制する磁性材料製の層厚規制部材(6)と、回転部材(12)の回転方向に対して層厚規制部材(6)の上流側且つ層厚規制部材(6)と第2の撹拌部(4)との間の空間(14)に配置され、層厚規制部材(6)の上流側の現像剤の空間(14)への進入を遮断する遮断部(1c)と、を備えた現像装置(Gk)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置において、磁性を有するキャリアまたはトナーを含む現像剤を使用する現像装置に関して、以下の特許文献1、2記載の技術が従来公知である。
特許文献1としての特開平5−46016号公報には、右方のファーブラシ(13)から現像剤が供給される現像ローラ(11)の重力方向上端で、層規制ブレード(41、51、57)が接触しており、層規制ブレード(41、51、57)は、現像ローラ(11)に接触する部分を非磁性材料(41a、54、57)で構成し、非磁性材料(41a、54、57)を現像ローラ(11)に押し当てる部材を磁性材料(41、51、55)で構成した現像装置が記載されている。
【0003】
特許文献2としての特開2007−232841号公報には、一対のスクリューオーガ(12a,12b)で撹拌された現像剤が、スクリューオーガ(12b)の斜め上方の現像ロール(8)に吸着され、現像ロール(8)の左下方に対向非接触で配置された層規制部材(6)で層厚を規制する現像装置において、層厚規制部材(6)を、磁性プレート(4、4′)の表面に非磁性プレート(2、2′)を貼り付けた構成とする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−46016号公報(「0026」〜「0030」、「0044」〜「0048」、図2〜図4)
【特許文献2】特開2007−232841号公報(「0027」〜「0033」、図1〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、層厚規制部材の上流側での現像剤の滞留を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像装置は、
磁極を有する磁石部材と、前記磁石部材の外周に支持され且つ表面に磁石部材の磁力で吸引された磁性を有する現像剤を保持する保持部材と、を有する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体が収容される保持体収容部と、前記保持体収容部に隣接する第1の撹拌部と、前記第1の撹拌部に隣接する第2の撹拌部と、を有し、内部に現像剤が収容される現像容器と、
前記第1の撹拌部内に収容され且つ前記第1の撹拌部内の現像剤を第1の搬送方向に搬送する第1の搬送部材と、
前記第2の撹拌部内に収容され且つ前記第2の撹拌部内の現像剤を前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送する第2の搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され且つ前記保持部材表面に保持された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材であって、前記第2の搬送部材と前記現像剤保持体との間に配置された磁性材料製の前記層厚規制部材と、
前記層厚規制部材の入口側且つ前記層厚規制部材と前記第2の撹拌部との間の空間に配置され、前記層厚規制部材の上流側の現像剤の前記空間への進入を低減させる低減部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
前記現像容器に一体的に形成された前記低減部、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、
前記第1の撹拌部と前記第2の撹拌部とを仕切る仕切部材と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の下流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の上流端と、を接続する第1の接続部と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の上流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の下流端と、を接続する第2の接続部と、
少なくとも前記第2の接続部に対応する領域に配置された前記低減部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の現像装置において、
前記第1の撹拌部と前記第2の撹拌部とを仕切る仕切部材と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の下流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の上流端と、を接続する第1の接続部と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の上流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の下流端と、を接続する第2の接続部と、
少なくとも前記第1の接続部および前記第2の接続部に対応する領域に配置された前記低減部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像装置において、
前記層厚規制部材の出口側と前記第2の撹拌部とを接続する接続路、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項5に記載の発明の画像形成装置は、
表面に潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体表面の可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、6に記載の発明によれば、低減部が設けられていない場合と比べて、層厚規制部材の上流側での現像剤の滞留を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、低減部を別部品にて実現する場合と比べて、現像容器の組み立てを容易にすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第2の接続部に対応する領域に遮断部が配置されていない場合に比べて、第2の接続部における現像剤の滞留を低減できる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の接続部および第2の接続部に対応する領域に遮断部が配置されていない場合に比べて、第1の接続部および第2の接続部における現像剤の滞留を低減できる。
請求項5に記載の発明によれば、層厚規制部材の下流側で滞留した現像剤を第2の撹拌部に搬送でき、第1の撹拌部に滞留した現像剤が戻される場合に比べて、現像剤の撹拌不足を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施例1のプリンタの全体斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の可視像形成装置の要部拡大説明図である。
【図4】図4は実施例1の現像容器と層厚規制部材と現像ロールの位置関係の説明図である。
【図5】図5は実施例1の現像装置の磁極の説明図である。
【図6】図6は実施例1の遮断部の作用説明図であり、図6Aは遮断部が設けられた実施例1の構成の説明図、図6Bは遮断部が設けられていない構成の説明図である。
【図7】図7は実施例2の画像形成装置の全体説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
【図8】図8は実施例2の現像装置の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1のプリンタの全体斜視図である。
図1において、本発明の画像形成装置の実施例1のプリンタUは、画像形成装置本体U1を有する。前記画像形成装置本体U1の前面には、新たな媒体を補充する際に開閉される開閉部材の一例としてのフロントカバーU2が下端を中心として開閉可能に支持されている。前記画像形成装置本体U1の上面には排紙部の一例としての排出トレイTRhが設けられている。
【0016】
図2は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1、図2において、前記フロントカバーU2は、媒体の一例としての用紙を挿入可能な図2の実線で示す開放位置と、図1、図2に示す閉塞位置との間で移動可能に支持されている。
図2において、前記プリンタUの上部には、排出トレイTRhの下方に、各種制御回路や記憶媒体等が配列された制御基板SCが配置されている。前記制御基板SCには、プリンタUの各種制御を行う制御部Cと、制御部Cにより作動を制御される画像処理部GS、潜像形成装置駆動回路DL、および電源装置の一例としての電源回路E等が設けられている。電源回路Eは、後述の帯電器の一例としての帯電ローラCRy〜CRk、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1y〜G1kおよび転写器の一例としての転写ローラT1y〜T1k等に電圧を印加する。
【0017】
前記画像処理部GSは、外部の情報送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPC等から入力された印刷情報を、イエロー、マゼンタ、シアン、黒、すなわち、Y,M,C,Kの4色の画像に対応した潜像形成用の画像情報に変換して、潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒色のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、図示しないイエロー:Y,マゼンタ:M,シアン:C,黒:Kの駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を所定の時期に、各色毎に配置された潜像形成装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0018】
図2において、画像形成装置本体U1の中央下部には、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の可視像の一例としてのトナー像を形成する可視像形成装置UY,UM,UC,UKが配置されている。図2において、黒色、すなわち、K色の可視像形成装置UKは回転する像保持体の一例としての感光体Pkを有する。前記感光体Pkの周囲には、感光体表面Pkを帯電させる帯電器の一例としての帯電ロールCRk、感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成装置の一例としてのLEDヘッドLHk、感光体表面の静電潜像を可視像に現像する現像装置Gk、感光体Pk表面に残留した現像剤を除去する像保持体清掃器の一例としての感光体クリーナCLk等が配置されている。
実施例1では、マゼンタとシアンの可視像形成装置UM,UCも、黒色の可視像形成装置UKと同様に構成されており、イエローの可視像形成装置UYでは、現像装置Gyの形状が異なるだけで、その他の部材である感光体Py、帯電ロールCRy、LEDヘッドLhy、感光体クリーナCLyは同様の構成となっている。なお、現像装置Gy〜Gkの詳細な説明は後述する。
【0019】
前記感光体Py〜Pkは、帯電ロールCRy〜CRkと対向する帯電領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kで帯電ロールCRy〜CRkにより表面を一様に帯電された後、潜像形成領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kでLEDヘッドLHy〜LHkにより潜像が書き込まれる。書き込まれた静電潜像は現像装置Gy〜Gkと対向する現像領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいてトナー像に現像される。現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kに搬送される。前記1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
なお、実施例1では、図2に示すように、各可視像形成装置UY〜UKは、第2の転写領域の一例としてのYの1次転写領域Q4y、第1の転写領域の一例としてのMの1次転写領域Q4m、第1の転写領域の一例としてのCの1次転写領域Q4c、第1の転写領域の一例としてのKの1次転写領域Q4kが中間転写ベルトBに沿って直線上に配置されている。
【0020】
前記各感光体Py〜Pk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。
1次転写後の感光体Py,Pm,Pc,Pk表面の転写残トナーや放電生成物等の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより清掃される。清掃された感光体Py,Pm,Pc,Pk表面は、帯電ローラCRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。なお、前記感光体クリーナCLy〜CLkで除去しきれず、帯電ローラCRy〜CRkに付着した残留物等は、前記帯電ローラCRy〜CRkに接触して配置された帯電器清掃部材の一例としての帯電器クリーナCCy,CCm,CCc,CCkによりクリーニングされる。
【0021】
図2において、前記感光体Py〜Pkの上方には、中間転写ユニットの一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、被転写体の一例であって中間転写体の一例としての中間転写ベルトBを有する。前記中間転写ベルトBは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdと、従動部材の一例であり且つ二次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、各感光体Py〜Pkに対向して配置された前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、からなる中間転写支持系により回転可能に支持されている。
【0022】
前記中間転写ベルトBの後側上部には、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されている。前記ベルトクリーナCLbは、清掃容器CLb1と、清掃容器CLb1に支持され且つ中間転写ベルトBに接触して中間転写ベルトB表面に残留した残留物を除去して清掃する清掃部材の一例としてのベルト用クリーニングブレードCLb2と、ベルト用クリーニングブレードCLb2で除去された残留物が飛散、漏出することを防止するための漏出防止部材の一例としてのフィルムCLb3と、前記清掃容器CLb1内に配置され且つ除去された残留物を搬送して排出する残留物搬送部材CLb4とを有する。なお、実施例1の清掃容器CLb1は、黒色の感光体クリーナCLkの上方に対応する位置に配置されている。
【0023】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して、二次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されている。前記バックアップロールT2aおよび二次転写ロールT2bにより、実施例1の最終転写装置の一例としての二次転写器T2が構成されている。また、二次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域により、2次転写領域Q5が形成される。
前記1次転写領域Q4y,Q4m,Q4c,Q4kで1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q5に搬送される。
【0024】
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび二次転写装置T2等により、感光体Py〜Pkの画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
なお、図2に示すように、実施例1の中間転写ベルトBは、1次転写領域Q1y〜Q1kが水平面に対して、後側に行くに連れて下方に傾斜した状態で配置されており、これに対応して、可視像形成装置UY〜UKもベルト回転方向下流側に行くに連れて、重力方向下方にずれた位置に配置されている。
【0025】
前記可視像形成装置UY〜UKの下方には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1が設けられている。前記給紙トレイTR1は、下壁の一例としての底壁TR1aと、前記底壁TR1aの後端から上方に延びる後端壁TR1bと、底壁TR1aの上方に対向して配置された上壁TR1cとを有する。前記給紙トレイTR1の前端部には、新たな記録シートSを補充するための補充口TR1dが形成されている。前記上壁TR1cの前端部は、補充口TR1dの外側、すなわち、前側に行くに連れて上方に傾斜して形成されている。したがって、前記補充口TR1dは、前側に行くほど上壁TR1cと底壁TR1aとの間隔が広くなり、補充口TR1dが前側に行くほど広くなるように形成されている。
【0026】
前記底壁TR1a上には、回転中心PL1aを中心として回転可能に支持され且つ媒体の一例としての記録シートSが積載されて、記録シートSを昇降させる媒体積載部の一例としての昇降プレートPL1が配置されている。前記昇降プレートPL1の後端部には、昇降プレートPL1の後端部を上方に付勢する付勢部材の一例としての昇降バネPL2が配置されている。前記昇降プレートPL1は、画像形成が行われていない場合は、左右両端部に配置された偏心カム状の押下げ部材PL3により昇降プレートPL1が底壁TR1aに平行な状態に保持される下降位置に移動する。そして、画像形成が行われている間は、押下げ部材PL3が回転して昇降バネPL2により昇降プレートPL1が上昇した図2に示す上昇位置との間で移動可能に支持されている。
したがって、前記フロントカバーU2が開放されると、外部に補充口TR1dが開放されて、後端壁TR1bに突き当たるまで新たな記録シートSの束を挿入して、下降位置の昇降プレートPL1上に積載して収容可能となる。
【0027】
前記上壁TR1cの後方には、送出部材の一例としての給紙ロールRpが配置されている。前記給紙ロールRpは、前記昇降プレートPL1が上昇位置に移動した状態で、積載された記録シートSの束の最上面の記録シートSが昇降バネPL2のバネ力で押し当てられる位置に配置されている。前記後端壁TR1bの上方には、捌き部材の一例としてリタードロールRsが配置されている。
前記給紙トレイTR1に積載された記録シートSは、給紙ロールRpにより送り出され、前記リタードロールRsと給紙ロールRpとの接触領域で1枚ずつ分離されて捌かれ、媒体搬送路SHに搬送される。前記媒体搬送路SHの記録シートSは、給紙時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送され、前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、中間転写ベルトBのトナー像が二次転写領域Q5に到達する時期に合わせて、二次転写領域Q5に送り出される。
【0028】
二次転写領域Q5でトナー像が転写された後の中間転写ベルトBは、ベルトクリーナCLbにより表面に残留した転写残トナーや放電生成物等の残留物が除去されて清掃される。
前記トナー像が転写された記録シートSは、定着装置Fの定着領域Q6に搬送される。前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有し、前記加熱ロールFhと加圧ロールFpとが所定の圧力で接触した領域により定着領域Q5が構成されている。前記記録シートS表面の未定着トナー像は、定着領域Q6通過時に、熱と圧力により定着される。
画像が定着された記録媒体Sは、媒体搬送路SHを搬送されて、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから排出トレイTRhに排出される。
【0029】
(現像装置の説明)
図3は本発明の実施例1の可視像形成装置の要部拡大説明図である。
図4は実施例1の現像容器と層厚規制部材と現像ロールの位置関係の説明図である。
次に、実施例1の現像装置の説明をするが、Y,M,C,Kの各色の現像装置Gy〜Gkは同様に構成されているため、黒の可視像形成装置UKについて説明し、イエロー、マゼンタ、シアンの現像装置Gy〜Gcの詳細な説明は省略する。
図3において、実施例1の黒の現像装置Gkは、感光体Pkの下方に配置されている。前記現像装置Gkは、内部に現像剤が収容される第2の現像容器1を有する。前記現像容器1は、下側の容器本体1aと、前記容器本体1aの上面を被覆する蓋部材1bとを有する。なお、実施例1の現像容器1は、蓋部材1bが磁性材料により構成されている。
【0030】
前記現像容器1の内部には、現像剤保持体の一例としての現像ローラG1kが収容される保持体収容部の一例としての現像ロール室2と、前記現像ロール室2の下方に隣接し且つ連続して形成された第1の撹拌部の一例としての供給室3と、前記供給室3の後方に隣接する第2の撹拌部の一例としての撹拌室4と、が設けられている。
また、図3において、実施例1の現像容器1では、供給室3に対して撹拌室4の方が重力方向で下方に配置されている。
【0031】
図3、図4において、前記供給室3と前記撹拌室4とは、左右方向に延びる仕切部材の一例としての仕切壁5により仕切られると共に、仕切壁5の左右両端部に形成された第1の接続部の一例としての右側流入部5aおよび第2の接続部の一例としての左側流入部5bにより、供給室3と撹拌室4の現像剤が互いに流入可能に構成されている。
前記流入部5a,5bの位置は、流入部5a,5bを通じて流入、流出する現像剤による画像形成への悪影響を低減するために、像保持体に像を保持させる保持領域の一例として感光体Pkに画像形成が行われる画像形成領域L1の外側に対応して形成されている。
また、実施例1の現像装置Gkでは、右側流入部5aに、上方から新たな現像剤が補給される補給部の一例としての補給口5cが配置されている。
【0032】
図3、図4において、現像ローラG1kは、現像容器1に固定支持された磁石部材の一例としての円柱状の磁石ロール11を有する。実施例1では、磁石ロール11の軸方向の長さは、画像形成領域L1に対応する長さに設定されている。前記磁石ロール11の外周には、保持部材の一例として、磁石ロール11を囲む円筒状の現像スリーブ12が回転可能に支持されている。前記現像スリーブ12の左端には、歯車の一例としてのギアG0が固定支持されている。前記ギアG0には、図示しない現像駆動源の一例としての現像装置モータから駆動が伝達され、現像スリーブ12が回転する。実施例1の現像ローラG1kの回転方向は、感光体Pkとは逆方向、すなわち、図3において、時計回り方向に回転する感光体Pkとは逆方向である反時計回り方向に現像ローラG1kは回転するように設定されている。したがって、現像領域Q3kでは、感光体Pkの表面と現像ローラG1kの表面は互いに同方向に回転する。
【0033】
前記現像ロール室2には、現像領域Q3kに対して現像ローラG1kの回転方向上流側の位置に、磁石部材の一例であって、層厚規制部材の一例としてのトリマー6が支持されている。前記トリマー6は、現像スリーブ12に予め設定された間隔を開けて対向して配置され、現像ローラG1k表面に保持された現像剤層の層厚を規制する。実施例1のトリマー6は、磁性材料製の円柱棒状の部材で構成されている。また、トリマー6の左右方向の長さは、右側流入部5aおよび左側流入部5bの内側となる長さに設定されており、磁石ロール11の長さ以上の長さに設定されている。
【0034】
図3、図4において、前記供給室3には、左右方向に延びる第1の撹拌部材の一例としてのサプライオーガ7が回転可能に支持されている。前記サプライオーガ7は、供給室3を左右方向に延びる第1の回転軸の一例としてのサプライ軸7aを有する。サプライ軸7aの外周には、第1の搬送羽根の一例として、螺旋状のサプライスパイラル7bが支持されている。サプライ軸7aの左端には、歯車の一例としてのギアG11が固定支持されている。図3、図4において、実施例1では、サプライオーガ7に図示しない駆動源から駆動が伝達されて回転すると、サプライスパイラル7bで左方から右方の第1の搬送方向に供給室3内の現像剤を搬送し、右側の流入部5aで撹拌室4側に流入するようにサプライオーガ7の回転方向が設定されている。
【0035】
前記撹拌室4にはサプライオーガ7に並んで左右方向に延びる第2の撹拌部材の一例としてのアドミクスオーガ8が回転可能に支持されている。前記アドミクスオーガ8は、左右方向に延びる第2の回転軸の一例としてのアドミクス軸8aを有する。アドミクス軸8aの外周には、第2の搬送羽根の一例として、螺旋状のアドミクススパイラル8bが支持されている。アドミクス軸8aの左端には、歯車の一例としてのギアG12が固定支持されており、ギアG12は、サプライオーガ7のギアG11に噛み合っている。図4において、実施例1では、アドミクスオーガ8に駆動が伝達されて回転すると、サプライオーガ7とは逆方向の右方から左方の第2の搬送方向に撹拌室4内の現像剤が搬送され、左側の流入部5bで供給室4側に流入するようにアドミクスオーガ8の回転方向が設定されている。したがって、サプライオーガ7とアドミクスオーガ8とにより、供給室3と撹拌室4とからなる循環室3+4内を現像剤が撹拌されながら循環搬送される。
【0036】
また、図3において、実施例1のアドミクスオーガ8は、図3に示すアドミクス軸8aに垂直な断面において、アドミクス軸8aのサプライオーガ側の領域において、重力方向下方から上方に向けて回転するように回転方向が設定されている。したがって、左側流入部5bにおいて、回転するアドミクススパイラル8bにより、下方の撹拌室4から上方の供給室3に向けて持ち上げる方向の力が作用し、情報の供給室3への現像剤の流入が促される。
【0037】
(磁極の強さと位置の説明)
図5は実施例1の現像装置の磁極の説明図である。
図5において、実施例1の現像装置Gkでは、磁石ロール11は現像領域Q3kに対応して配置された現像磁極S1を有する。現像磁極S1の現像スリーブ12回転方向上流側には、トリマー6に対向して、現像剤を径方向に並ばせる、いわゆる穂立ちさせる層厚規制磁極の一例としてのトリミング磁極N1が配置されている。現像磁極S1の現像スリーブ12回転方向上流側には、現像剤を現像スリーブ12に保持させる搬送磁極N2が配置されている。搬送磁極N2の下流側には現像剤を現像スリーブ12から剥離させる剥離磁極の一例としてのピックオフ磁極S2、供給室3内の現像剤を現像スリーブ12に吸着させる吸着磁極の一例としてのピックアップ磁極S3とが配置されている。そして、図5に示すように、実施例1の各磁極による磁界は、現像スリーブ12の法線方向磁極の強さが一点鎖線で示される分布となり、現像スリーブ12の周方向に沿った接線方向磁極の強さが二点鎖線で示される分布となるように設定されている。
【0038】
したがって、実施例1の磁性材料製のトリマー6は、現像ロールG1kと、アドミクスオーガ8との間に配置されている。また、磁性材料性の蓋部材1bの撹拌室4の上面を構成する頂壁部13も前側の端部が現像ロールG1kとアドミクスオーガ8との間に配置されている。したがって、蓋部材1bは、実施例1の壁面構成部材としての機能を有する。
よって、実施例1の現像装置Gkでは、トリミング磁極N1の法線方向の磁力が極大となる磁極の位置と現像ロールG1kの回転中心とを結ぶ直線L2上に、トリマー6や頂壁部13の少なくとも一部が配置されている。
特に、実施例1では、図5の破線で示す現像ロールG1kと、アドミクスオーガの外接円との共通接線L3,L4で挟まれた領域に、トリマー6や頂壁部13が収容されている。
【0039】
図3、図4において、前記トリマー6の下方には、蓋部材1bの頂壁部13の前端からトリマー6に向けて斜め上前方に延びる低減部の一例としての庇部1cが形成されている。すなわち、実施例1の庇部1cは、現像容器1に一体的に形成されている。
したがって、前記庇部1cは、現像スリーブ12の回転方向に対してトリマー6の上流側、すなわち、現像剤のトリマー6への入口側且つトリマー6とアドミクスオーガ8との間の空間14に配置されており、庇部1cの先端部はトリマー6の表面に近接して配置されている。
また、前記庇部1cの左右方向の長さは、前記右側流入部5aの左端から左側流入部5bの右端までの長さに設定されており、画像形成領域L1に加え、右側流入部5aおよび左側流入部5bの全域に渡っている。したがって、庇部1cの左右方向の長さは、現像ロールG1kやトリマー6よりも長く設定されている。
【0040】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた本発明の実施例1の前記プリンタUでは、現像装置Gy〜Gkの循環室3+4内で循環された現像剤は、供給室3において、現像ロールG1y〜G1kの磁石ロール11の磁力で吸引されて、現像スリーブ12表面に吸着保持され、現像に使用される。
ここで、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、トリマー6に対応してトリミング磁極N1が配置されると共に、現像ロールG1y〜G1kとトリマー6とを結ぶ延長線上に撹拌室4およびアドミクスオーガ8が配置されている。
【0041】
実施例1の現像装置Gy〜Gkの構成では、現像容器1が小型化されており、現像ロールG1y〜G1kとアドミクスオーガ8との距離が短くなっている。仮に、トリマー6や頂壁部13が磁性材料で構成されていない場合、トリミング磁極N1の磁力が、撹拌室4に到達し、撹拌室4の頂壁部13の内側部分である領域A1に現像剤が吸着される恐れがある。現像剤が吸着されて塊状となり、現像剤が滞留し、撹拌室4における現像剤の搬送が不安定になり、現像不良による濃度むら等の画質低下の恐れがある。
これに対して、実施例1では、トリマー6や頂壁部13が磁性材料で構成されており、トリマー6よりも撹拌室4側で磁力線が乱され、非磁性材料で構成される場合に比べて、撹拌室4内での磁力が低下する。したがって、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、領域A1での磁力が低減され、現像剤の吸着による現像剤の搬送不良が抑制され、現像不良も低減されている。
【0042】
特に、実施例1の構成では、アドミクスオーガ8の回転方向が、撹拌室4から供給室3に向けて現像剤を持ち上げる方向に回転するため、撹拌室4内で現像剤が供給室3側である頂壁部13の前端の内側に片寄りやすく、片寄った現像剤が吸着されやすい。すなわち、トリマー6や頂壁部13が非磁性材料の場合には、現像剤の吸着が顕著になりやすいが、実施例1では、トリマー6や頂壁部13で現像剤の吸着が低減されており、現像剤を下方の撹拌室4から上方の供給室3に円滑に搬送しつつ、搬送不良が低減されている。
【0043】
さらに、実施例1の磁性材料性のトリマー6がトリミング磁極N1の磁力を受けて磁化され、トリマー6に現像剤が付着し、仮に、トリマー6の端部が流入部5a,5bに差し掛かっていると、吸着された現像剤により流入部5a,5bにおける現像剤の流れが妨げられる恐れがある。これに対して、実施例1のトリマー6は、右側流入部5aおよび左側流入部5bの内側となる長さに設定されており、各流入部5a,5bにトリマー6の端部が重複しておらず、現像剤の搬送不良が抑制されている。
【0044】
図6は実施例1の遮断部の作用説明図であり、図6Aは遮断部が設けられた実施例1の構成の説明図、図6Bは遮断部が設けられていない構成の説明図である。
図6において、磁性を有するトリマー6を使用する構成では、磁石ロール11の磁力により磁化され、表面に現像剤が付着する。したがって、ピックアップ磁極S3で現像スリーブ12表面に吸着した現像剤が、現像スリーブ12とトリマー6とが対向する層規制領域の一例としてのトリミング領域A3を通過する際に、規制された現像剤は、現像スリーブ12に吸着されて上流から搬送される現像剤に押され、トリマー6の表面に沿って下方に移動する。トリマー6の磁界で吸着された現像剤の中で、現像スリーブ12の近傍の現像剤は、図6A、図6Bの矢印Yaで示され得るように現像スリーブ12回転方向上流側から搬送される現像剤に巻き込まれる形で摩擦帯電されながら再びトリミング領域A3に搬送される。
【0045】
しかしながら、図6Bにおいて、庇部1cが設けられていない場合、トリミング領域A3で規制された現像剤に押されて、現像スリーブ12から離れた空間14でトリマー6に吸着されている現像剤は、現像スリーブ12の回転方向上流側からの現像剤に巻き込まれることなく吸着し続け、滞留する。したがって、空間14の現像剤は、経時的な自然放電により、現像剤の帯電電荷が減少していく。帯電電荷が低下すると、帯電不十分な現像剤がトリマー6から離れて、供給室2に落下しやすくなる。この帯電不十分な現像剤は供給室2に落下するため、撹拌により摩擦帯電が不十分な状態で、再びピックアップ磁極S3で吸着される。したがって、帯電不十分な現像剤が、現像に使用される恐れがあり、トナーの尾引きやボタ汚れといった画像欠陥が発生する恐れがある。
これに対して、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、図6Aに示すように、庇部1cにより、空間14への現像剤の進入が低減されており、庇部1cが設けられていない場合に比べて、現像剤の進入、滞留が低減されている。また、空間14内への現像剤の進入や滞留が発生しても、滞留した現像剤が供給室2に落下することが低減されており、滞留した現像剤の落下による悪影響が低減されている。したがって、現像剤が帯電不十分で現像に使用されることが低減されており、画像欠陥の発生も低減されている。
【0046】
また、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、各流入部5a、5bの領域は、仕切壁5が形成されておらず、上方が開放された状態となり、空間14が広くなっており、現像剤の滞留も発生しやすい。また、滞留する現像剤の大きさも大きくなりやすい。これに対して、実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、流入部5a、5bに対応する領域にも庇部1cが配置されており、滞留して大きくなる帯電不十分な現像剤が発生することを抑制し、トナーの尾引きやボタ汚れといった画像欠陥を防いでいる。
また、左側流入部5bはサプライオーガ7の現像剤の搬送方向の上流側であるので、大きくなった帯電不十分な現像剤がトリマー6から離れて供給室2に落下し、ピックアップ磁極S3で吸着されると、帯電不十分な現像剤が、現像に使用される恐れがあり、トナーの尾引きやボタ汚れといった画像欠陥が発生する恐れがある。これに対して、左側流入部5bに対応する領域に庇部1cが配置されていることで、滞留して大きくなる帯電不十分な現像剤が発生することを抑制し、トナーの尾引きやボタ汚れといった画像欠陥を防いでいる。
【実施例2】
【0047】
図7は実施例2の画像形成装置の全体説明図であり、実施例1の図2に対応する図である。
図8は実施例2の現像装置の説明図であり、実施例1の図3に対応する図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図6において、実施例2のプリンタUでは、中間転写ベルトBは実施例1と異なり、後下方に傾斜しておらず、ほぼ水平方向に配置されている。また、実施例2の現像装置Gy〜Gkでは、実施例1と異なり、供給室3と撹拌室4は重力方向の高さがほぼ同じ高さに設定されており、庇部1c′は、蓋部材1bではなく、仕切壁5の上端に支持されている。さらに、実施例2では、蓋部材1b′の形状が変更され、トリマー6の現像スリーブ12回転方向下流側、すなわち、現像剤のトリマー6からの出口側と撹拌室4とを接続する接続路16が形成されている。
【0048】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の現像装置Gy〜Gkでは、実施例1と同様に、庇部1c′により、トリマー6の上流側の現像剤が、空間14に進入することが遮断されており、帯電不十分な現像剤が現像に使用されることが低減されている。また、トリマー6で層厚規制後に現像スリーブ12から脱落したり、現像領域Q3y〜Q3kからトリマー6の下流側に落下した現像剤は、接続路16に落下する。このとき、磁化されたトリマー6に吸着して、経時的に帯電電荷が低下して、トリマー6から帯電不足の現像剤が落下しても、現像剤は供給室3に落下せず、撹拌室4に落下する。したがって、帯電不足の現像剤は撹拌室4を撹拌されながら搬送される間に、摩擦帯電されて供給室3に搬送されやすく、現像ロールG1y〜G1kに帯電不足の現像剤が供給されることが低減される。したがって、帯電不足の現像剤による画質低下が低減されている。
【0049】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H011)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、プリンタUは、いわゆる、プリンタにより構成したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、前記プリンタUは、4色のトナーが使用される構成に限定されず、例えば、5色以上や、2色、3色のトナーを使用する構成も可能である。
【0050】
(H03)前記実施例1において、供給室3と撹拌室4との重力方向の高さの関係や、中間転写ベルトBの傾き、現像ロールG1y〜G1k、サプライオーガ7およびアドミクスオーガ8の回転方向等は、実施例に例示した設定とすることが望ましいが、この構成に限定されず、設計や仕様等に応じて、適宜変更可能である。
(H04)前記実施例1において、トリマー6と蓋部材1bの両方を磁性材料とすることが望ましいが、トリマー6または蓋部材1bのいずれか一方とすることも可能であり、この場合でも、両方とも非磁性材料である場合に比べて、搬送不良が低減される。
【0051】
(H05)前記実施例において、トリマー6の形状は、丸棒状の部材の構成としたが、この構成に限定されず、板状等、任意の形状とすることが可能である。
(H06)前記実施例において、蓋部材1bの全体を磁性材料で構成したが、この構成に限定されず、例えば、頂壁部13のみを磁性材料としたり、樹脂等の非磁性材料で蓋部材を構成し、壁面に磁性材料で構成された板等を貼り付ける構成とすることも可能である。
(H07)前記実施例において、庇部1c,1c′の形状は任意の形状とすることが可能であり、例えば、トリマー6に向かって延びず、頂壁部13から前方に延びる形状としたり、壁面がせり出した形状としたり等、任意の形状とすることが可能である。
【0052】
(H08)前記実施例において、低減部の一例としての庇部1c,1c′は、蓋部材1bまたは仕切壁5に一体的に形成したが、この構成に限定されず、別部材で構成することも可能である。
(H09)前記実施例において、遮断部の現像ロールG1y〜G1kの軸方向に沿った長さは、実施例に例示した構成に限定されず、任意の長さとすることが可能である。また、軸方向中央部には遮断部を設けず、軸方向端部である流入部5a、5bに対応する領域にのみ遮断部を設ける構成とすることも可能である。
(H010)前記実施例において、磁石ロール11が固定支持され、現像スリーブ12が回転する現像ロールG1y〜G1kの構成を例示したが、この構成に限定されず、磁石ロールが回転して現像剤を搬送する現像ロールにも適用可能である。
【0053】
(H011)前記実施例において、中間転写体の一例として中間転写ベルトBを使用する構成を例示したが、この構成に限定されず、中間転写ドラム等の中間転写体を使用する構成とすることも可能である。また、中間転写体を使用せずに感光体Py〜PkからシートSに直接転写する画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…現像容器、
1c,1c′…遮断部、
2…保持体収容部、
3…第1の撹拌部、
4…第2の撹拌部、
5…仕切部材、
5a…第1の接続部、
5b…第2の接続部、
6…層厚規制部材、
7…第1の搬送部材、
8…第2の搬送部材、
11…磁石部材、
12…回転部材、
14…空間、
16…接続路、
BM+T2b…転写装置、
F…定着装置、
G1y,G1m,G1c,G1k…現像剤保持体、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像装置、
Py,Pm,Pc,Pk…像保持体、
S…媒体、
U…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁極を有する磁石部材と、前記磁石部材の外周に支持され且つ表面に磁石部材の磁力で吸引された磁性を有する現像剤を保持する保持部材と、を有する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体が収容される保持体収容部と、前記保持体収容部に隣接する第1の撹拌部と、前記第1の撹拌部に隣接する第2の撹拌部と、を有し、内部に現像剤が収容される現像容器と、
前記第1の撹拌部内に収容され且つ前記第1の撹拌部内の現像剤を第1の搬送方向に搬送する第1の搬送部材と、
前記第2の撹拌部内に収容され且つ前記第2の撹拌部内の現像剤を前記第1の搬送方向とは逆方向の第2の搬送方向に搬送する第2の搬送部材と、
前記現像剤保持体に対向して配置され且つ前記保持部材表面に保持された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材であって、前記第2の搬送部材と前記現像剤保持体との間に配置された磁性材料製の前記層厚規制部材と、
前記層厚規制部材の入口側且つ前記層厚規制部材と前記第2の撹拌部との間の空間に配置され、前記層厚規制部材の上流側の現像剤の前記空間への進入を低減させる低減部と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像容器に一体的に形成された前記低減部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記第1の撹拌部と前記第2の撹拌部とを仕切る仕切部材と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の下流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の上流端と、を接続する第1の接続部と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の上流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の下流端と、を接続する第2の接続部と、
少なくとも前記第2の接続部に対応する領域に配置された前記低減部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1の撹拌部と前記第2の撹拌部とを仕切る仕切部材と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の下流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の上流端と、を接続する第1の接続部と、
前記第1の撹拌部の前記第1の搬送方向の上流端と、前記第2の撹拌部の前記第2の搬送方向の下流端と、を接続する第2の接続部と、
少なくとも前記第1の接続部および前記第2の接続部に対応する領域に配置された前記低減部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記層厚規制部材の出口側と前記第2の撹拌部とを接続する接続路、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
表面に潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され、前記像保持体表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体表面の可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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