説明

現像装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】トナー保持体と飛翔電極部材との間の振動電界によりトナーを飛翔させて像保持体の潜像を現像するにあたり、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を抑え、像保持体側へ向かうトナー量を長期に亘り安定化させる。
【解決手段】静電潜像が保持された像保持体1に対向して配置され且つトナーTを外周面に保持して回転するトナー保持体3と、このトナー保持体3に対向して離間配置され且つトナー保持体3との間にトナー保持体3上のトナーTが飛翔させられる振動電界Esを作用させる飛翔電極部材4と、この飛翔電極部材4とトナー保持体3との間に振動電界Esを生成する振動電界生成手段5と、飛翔電極部材4のトナー保持体3との対向面のうち少なくともトナー保持体3の回転方向における下流側の先端部位に対して、前記対向面に沿って当たる気流Gfを形成する気流形成手段6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現像スリーブに電極を有する板状部材を接触させ、この電極と現像スリーブ間に第1の振動電界を形成し、現像スリーブと感光体との間に第1の振動電界と同位相の第2の振動電界を形成し、第1の振動電界でトナーを飛翔させて現像を行う方式が開示されている。
また、特許文献2には、帯電したトナーを搬送基板の電極に3相の駆動電圧を印加することで、搬送基板上を移動させ、搬送速度を徐々に増加させて最後は感光体に向けて噴射するようにした現像装置が開示されている。
更に、特許文献3には、トナークラウドを利用する現像装置において、現像ハウジングからのトナー放出等を防ぐため、現像領域周りで安定した大気流(吸引方式)を形成し、トナー微粒子を捕集する方式が開示されている。
そして、特許文献4には、エアーで噴射させた状態の粉体をそのまま帯電させる粉体帯電装置を用い、この粉体帯電装置のノズル先端から吹き出した帯電トナーを感光体の現像に適用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−19289号公報(実施例、図1)
【特許文献2】特開2002−82524号公報(発明の実施の形態、図2)
【特許文献3】特開平10−48947号公報(発明の実施の形態、図2)
【特許文献4】特開2003−98822号公報(実施例14、図14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、トナー保持体と飛翔電極部材との間の振動電界によりトナーを飛翔させて像保持体の潜像を現像するにあたり、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を抑え、像保持体側へ向かうトナー量を長期に亘り安定化させた現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持された像保持体に対向して配置され且つトナーを外周面に保持して回転するトナー保持体と、このトナー保持体に対向して離間配置され且つ前記トナー保持体との間にトナー保持体上のトナーが飛翔させられる振動電界を作用させる飛翔電極部材と、この飛翔電極部材と前記トナー保持体との間に前記振動電界を生成する振動電界生成手段と、前記飛翔電極部材の前記トナー保持体との対向面のうち少なくともトナー保持体の回転方向における下流側の先端部位に対して、前記対向面に沿って当たる気流を形成する気流形成手段と、を備えることを特徴とする現像装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る現像装置において、前記気流形成手段は、前記飛翔電極部材の前記先端部位よりもトナー保持体の回転方向における上流側且つ前記飛翔電極部材と前記トナー保持体との間に前記先端部位に向かう気流の送出源を有していることを特徴とする現像装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る現像装置において、前記気流形成手段は、前記飛翔電極部材に対し、当該飛翔電極部材の前記トナー保持体との対向面のうちトナー保持体の回転方向における下流側部位で且つ先端部位を除く部位からトナー保持体の回転方向における上流側に向かって傾斜する貫通孔をトナー保持体の回転軸方向に並べて複数設け、前記トナー保持体の回転に伴って前記貫通孔を経由した気流が前記先端部位に当たるようにしたことを特徴とする現像装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る現像装置において、前記気流形成手段は、前記飛翔電極部材と前記トナー保持体との間に前記振動電界生成手段による振動電界が作用している場合には連続して前記気流を形成することを特徴とする現像装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る現像装置において、前記飛翔電極部材は、少なくともトナーが接触する部位に絶縁性の被覆処理がなされていることを特徴とする現像装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに係る現像装置において、前記飛翔電極部材は、前記トナー保持体との対向面のうち少なくともトナー保持体の回転方向における下流側の先端部位での表面粗さの最大高さRzが、5μmから30μmの範囲内に設定されていることを特徴とする現像装置である。
請求項7に係る発明は、静電潜像を保持して搬送する像保持体と、この像保持体に対向して離間配置され且つ前記像保持体上に保持された静電潜像をトナーにて現像する請求項1乃至6のいずれかに係る現像装置と、を備え、前記飛翔電極部材は、前記像保持体と前記トナー保持体とが対向する対向領域のうちトナー保持体の回転方向における上流側に偏って配置されることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る画像形成装置において、最大画像形成領域以上の周面を有する回転可能な支持体並びにこの支持体上に当該支持体の回転方向及びこの回転方向に交差する交差方向に沿って画素単位毎に行列配列された画素電極を有する像保持体と、前記交差方向に沿った各行の画素電極群のうち走査信号によって選択された行の夫々の画素電極に対応して画像信号に基づいた潜像電圧を印加することにより潜像を書き込む潜像書込手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、トナー保持体と飛翔電極部材との間の振動電界によりトナーを飛翔させて像保持体の潜像を現像するにあたり、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を抑え、像保持体側へ向かうトナー量を長期に亘り安定化できる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を抑えることができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、気流を形成するための特別な部材を要することなく、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を抑えることができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を有効に抑えると共に安定した現像条件を確保できる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、トナーの電荷量の変化を抑えることができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成をより一層抑えることができる。
請求項7に係る発明によれば、トナー保持体と飛翔電極部材との間の振動電界によりトナーを飛翔させて像保持体の潜像を現像するにあたり、飛翔電極部材の先端部位でのトナーの凝集物の形成を抑え、像保持体側へ向かうトナー量を長期に亘り安定化できる画像形成装置を提供できる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、帯電工程を実施する際の画質低下を考慮することなく、非画像部でのかぶりが抑えられた高画質画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)は本発明が適用された現像装置を用いた画像形成装置の実施の形態モデルの概要を示す説明図であり、(b)は気流がない場合の飛翔電極部材とトナー保持体との間の作用を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成の概要を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の像保持体の構成を示す説明図である。
【図4】(a),(b)は画素電極の構成を示す説明図であり、(c)は等価回路を示す説明図である。
【図5】画素電極の駆動方式を示す説明図である。
【図6】実施の形態1の現像装置の概要を示す説明図である。
【図7】(a)は実施の形態1の気流形成装置の概要を示す説明図であり、(b)は(a)のノズル部分を示す斜視図である。
【図8】(a),(b)は導電性トナーを示す説明図である。
【図9】(a)〜(c)は気流のない場合の像保持体と現像ロールとの対向領域でのトナーの挙動を示す説明図であり、(d)は気流が付加された場合のトナーの挙動を示す説明図である。
【図10】実施の形態2の現像装置の概要を示す説明図である。
【図11】実施の形態3の現像装置の概要を示す説明図である。
【図12】(a),(b)は実施の形態4の現像装置の概要を示す説明図である。
【図13】(a)〜(c)は実施の形態5の現像装置の概要を示す説明図である。
【図14】参考の形態の現像装置の概要を示す説明図である。
【図15】参考の形態での粗面化の効果を説明する説明図である。
【図16】実施例1の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
◎実施の形態の概要
図1(a)は、本発明を具現化する実施の形態モデルに係る画像形成装置の概要であって、静電潜像を保持して搬送する像保持体1と、この像保持体1に対向して離間配置され且つ像保持体1上に保持された静電潜像をトナーTにて現像する現像装置2と、を備えたものとなっている。
【0010】
現像装置2は、静電潜像が保持された像保持体1に対向して配置され且つトナーTを外周面に保持して回転するトナー保持体3と、このトナー保持体3に対向して離間配置され且つトナー保持体3との間にトナー保持体3上のトナーTが飛翔させられる振動電界Esを作用させる飛翔電極部材4と、この飛翔電極部材4とトナー保持体3との間に振動電界Esを生成する振動電界生成手段5と、飛翔電極部材4のトナー保持体3との対向面のうち少なくともトナー保持体3の回転方向における下流側の先端部位に対して、前記対向面に沿って当たる気流Gfを形成する気流形成手段6と、を備えている。
【0011】
ここで、像保持体1やトナー保持体3としてはドラム状、ベルト状いずれでもよく、トナーTを保持して回転できるようになっていればよい。
また、飛翔電極部材4は、例えば金属等の導電性材料のみで構成される態様、絶縁性基材と導電性材料とを重ねた構成の態様等、特に限定されず、トナー保持体3との間に振動電界生成手段5による振動電界Esが作用でき、この振動電界Esによってトナー保持体3からトナーTが飛翔できるような構成のものであればよい。尚、飛翔電極部材4よりトナー保持体3と離れる側に他の電極部材、例えば飛翔電極部材4に対するトナーTの付着を抑えるような電界を作用させる電極部材等を設けることは差し支えない。
【0012】
更に、気流Gfとしては、代表的には大気(エアー)を利用する態様が挙げられるが、例えば窒素ガス等の他の気体を利用するようにしても差し支えない。
そして、気流形成手段6は、飛翔電極部材4のトナー保持体3との対向面のうち、少なくともトナー保持体3の回転方向における下流側の先端部位に、この対向面に沿った気流Gfが当たるようになっていればよく、必ずしも飛翔電極部材4の対向面全域に亘って気流Gfを当てる必要はない。
【0013】
ここで、気流Gfを形成するに至った背景について説明する。
図1(b)は、気流Gfがない場合のトナー保持体3と飛翔電極部材4との間の作用を示すもので、トナー保持体3と飛翔電極部材4との間に作用する振動電界Esは、特に、飛翔電極部材4の先端部位ではトナー保持体3との間でその場振動し易くなる。また、この先端部位では、端部効果も手伝って強電界が集中し易くなる。
このような場合、トナー保持体3の回転速度を大きくすれば、この回転によるトナー保持体3の周囲の大気の動きに連れ、トナーTは飛翔電極部材4の先端部位から外方(トナー保持体3の回転方向における下流側)に移動し易くなり、その外方に移動したトナーTが図示外の像保持体1側の潜像電位による電界作用によって画像部に吸引されるようになる。しかしながら、トナー保持体3の回転速度を大きくし過ぎると、飛翔電極部材4より外方に移動したトナーTは、回転方向に沿った運動エネルギが大きいため、トナーTはトナー保持体3の接線方向へ向かってしまい、像保持体1側に向かう量が少なくなる。このため、このようなトナーTを吸引するための像保持体1側の潜像電位も大きくする必要がある。
【0014】
しかし、像保持体1として、例えば画素電極を用いるような態様では、潜像電位を高くすることは消費電力の観点から好ましくないため、トナー保持体3の回転速度はある程度抑える必要がある。
このような場合、飛翔電極部材4の先端部位では振動電界Esによって徐々にトナーTの凝集が生じ、その後、すだれ状のトナーTの凝集物が形成されるようにもなる。このようなすだれ状のトナーTの凝集物が形成されると、振動電界Esでトナー保持体3から飛翔したトナーTは十分クラウド化がなされずに、有効に像保持体1側に供給されず、像保持体1側に供給されるトナー量が不足し、例えば濃度不足等の現象として現れる。
それ故、気流Gfを用いてこのようなトナーTの凝集物の形成を抑えるようにすれば、像保持体1側へ供給されるトナー量も安定するようになる。
【0015】
したがって、気流形成手段6による気流Gfの形成は、必ずしも振動電界生成手段5による振動電界Esが作用している場合に限らない。つまり、振動電界Esが作用している場合、連続的に気流Gfを形成してもよいし、間欠的に気流Gfを形成するようにしてもよい。また、振動電界Esが作用していないときにも気流Gfを形成するようにしてもよい。気流Gfによって飛翔電極部材4の先端部位にすだれ状のトナーTの凝集物が形成されないようにすればよい。
【0016】
このような気流Gfを形成する気流形成手段6としては、飛翔電極部材4の先端部位に気流Gfを当てる構成のものであればよく、気流Gfとしては、気体を送出する態様や気体を吸引する態様が挙げられる。その中で、飛翔電極部材4の先端部位に効果的に気流Gfを当てる観点からすれば、気流形成手段6は、飛翔電極部材4の先端部位よりもトナー保持体3の回転方向における上流側且つ飛翔電極部材4とトナー保持体3との間に前記先端部位に向かう気流Gfの送出源を有していることが好ましい。このような気流Gfの送出源を用いることで、飛翔電極部材4のトナー保持体3との対向面に選択的に気流Gfを当てることも容易であり、また、飛翔電極部材4とトナー保持体3との間隙を利用することで、先端部位からある程度の距離を隔てた位置からの気流Gfの送出も容易になされるようになる。尚、このような気流Gfの送出源としては、エアーポンプ、ブロアーやファンからの送風をノズルによって供給する態様、圧電振動子を用いて送風する態様等の各種態様が挙げられる。
【0017】
一方、気流形成手段6として、気体を吸引する方式を採用する態様では、飛翔電極部材4よりトナー保持体3の回転方向における下流側に隣り合う位置から飛翔電極部材4の先端部位に向かって、例えば先端がノズル状の吸引部材を設けるようにすればよい。この場合、吸引部材によって吸引されて生じる気流Gfは、飛翔電極部材4とトナー保持体3との間隙を経由するものと、飛翔電極部材4のトナー保持体3とは離れる側(つまり、飛翔電極部材4と像保持体1との間隙側に相当する)を経由するものとが含まれるため、より効果的に吸引するには、吸引部材を飛翔電極部材4とトナー保持体3との間隙に近付けるようにすればよい。
尚、気流形成手段6としては、上述した気流Gfの送出源と、上述した吸引部材との両方を備える態様であっても差し支えない。
【0018】
また、飛翔電極部材4の先端部位でのトナーTの凝集物の形成を有効に抑えながら安定した現像条件を確保する観点からすれば、気流形成手段6は、飛翔電極部材4とトナー保持体3との間に振動電界生成手段5による振動電界Esが作用している場合には連続して気流Gfを形成することが好ましい。飛翔電極部材4の先端部位に形成されるトナーTの凝集物は、振動電界Esが作用している場合に形成されるため、このように振動電界Esが作用している場合に気流Gfを形成することで凝集物の形成が抑えられるようになる。また、このように振動電界Esが作用している場合に連続して気流Gfを形成することにより、現像条件の安定化も図られるようになる。
【0019】
そして、気流形成手段6の他の態様としては、飛翔電極部材4に対し、当該飛翔電極部材4のトナー保持体3との対向面のうちトナー保持体3の回転方向における下流側部位で且つ先端部位を除く部位からトナー保持体3の回転方向における上流側に向かって傾斜する貫通孔をトナー保持体3の回転軸方向に並べて複数設け、トナー保持体3の回転に伴って前記貫通孔を経由した気流Gfが前記先端部位に当たるようにする態様が挙げられる。
この場合、飛翔電極部材4に設けた貫通孔では、トナー保持体3の回転によってトナー保持体3に向かう方向の気流Gfが発生し、この気流Gfが飛翔電極部材4の先端部位にも到達するようになる。
【0020】
更に、トナー保持体3から飛翔したトナーTが飛翔電極部材4に接触しても電荷量の変化を抑える観点から、飛翔電極部材4は、少なくともトナーTが接触する部位に絶縁性の被覆処理がなされていることが好ましい。このような被覆処理としては、飛翔電極部材4の一部のみならず、全面を覆うようにしてもよい。このような被覆処理は、特に、トナーTとして注入帯電型のものを使用する場合に有効で、トナーTが飛翔電極部材4に接触しても飛翔電極部材4からの電荷注入が抑えられ、トナーTの帯電量の変化が抑えられる。
このような被覆処理層は、厚すぎるとトナー保持体3上のトナーTに作用する振動電界Esの電界強度が小さくなり、また、厚い被覆処理層によって作用する電界に電界ムラが生じ易くなることから、通常、10μm以下の厚さのものが選定される。そして、このような被覆処理層の絶縁性は、この被覆処理層に振動電界Esで飛翔したトナーTが接触しても、トナーT自体の帯電状態の変化が抑えられる程度の絶縁性を有していればよく、通常、1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有するものが用いられる。
【0021】
また、飛翔電極部材4の先端部位でのトナーTの凝集物は、振動電界EsによってトナーTが垂直方向にその場振動する方が形成され易いため、飛翔電極部材4は、トナー保持体3との対向面のうち少なくともトナー保持体3の回転方向における下流側の先端部位での表面粗さの最大高さRzが、5μmから30μmの範囲内に設定されていることが好ましい。
この点については、次の様に想定される。つまり、飛翔電極部材4の先端部位を粗面化することで、この部位での振動電界Esの方向が、粗面化部分では粗面化されていない場合に比べてよりランダムな方向に向かうようになり、振動電界Esの方向が変化し易く、トナーTがランダムな方向に振動しやすくなる。また粗面にトナーTが衝突することで、跳ね返る方向がランダムになり、その結果全体のトナーTの振動がランダムになる。これにより、トナーTの凝集が抑えられ、すだれ状のトナーTの凝集物が形成され難くなる。
【0022】
そして、このような現像装置2を画像形成装置に適用する態様としては、静電潜像を保持して搬送する像保持体1と、この像保持体1に対向して離間配置され且つ像保持体1上に保持された静電潜像をトナーTにて現像する上述の現像装置2と、を備え、飛翔電極部材4は、像保持体1とトナー保持体3とが対向する対向領域のうちトナー保持体3の回転方向における上流側に偏って配置されることが好ましい。このとき、飛翔電極部材4はトナーTへの電界作用を発揮でき、トナーTをトナー保持体3から飛翔できればよく、対向領域の例えば上流側から中央付近に亘って設けるようにすればよい。仮に、対向領域のうち下流側にも広く設けるようにすると、像保持体1側に向かうトナー量が却って少なくなり、現像に供するトナー量を十分確保できなくなる虞がある。尚、対向領域のうち下流側で現像を阻害しない部分に別部材等によるトナーTの像保持体1側への移動を遮蔽する遮蔽部材を設けるようにしても差し支えない。
【0023】
更に、本実施の形態モデルの現像装置2を適用する好適な画像形成装置の一例としては次のものが挙げられる。すなわち、最大画像形成領域以上の周面を有する回転可能な支持体並びにこの支持体上に当該支持体の回転方向及びこの回転方向に交差する交差方向に沿って画素単位毎に行列配列された画素電極を有する像保持体1と、前記交差方向に沿った各行の画素電極群のうち走査信号によって選択された行の夫々の画素電極に対応して画像信号に基づいた潜像電圧を印加することにより潜像を書き込む潜像書込手段と、を備える態様の画像形成装置が挙げられる。
【0024】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された実施の形態1の画像形成装置の全体構成を示す。
<画像形成装置の全体構成>
同図において、本実施の形態の画像形成装置は、所謂タンデム型のカラー画像形成装置であり、装置筐体15内に例えば電子写真方式にて各色成分(例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の各色トナー像が形成される四色の像保持体20(20a〜20d)を略鉛直方向に並列配置したものである。
四色の像保持体20a〜20dに対向する位置には、二つの張架ロール61、62に記録材を吸着して搬送する記録材搬送ベルト60が掛け渡され、例えば張架ロール61を駆動ロールとして循環回転するようになっている。また、張架ロール62と記録材搬送ベルト60を挟んで対向する位置には、記録材を記録材搬送ベルト60に吸着するための帯電器63が設けられている。そして、各色の像保持体20の周囲には、像保持体20上に形成された静電潜像をトナーにて現像して可視像化する現像装置40と、像保持体20上の残留トナーを清掃する清掃器65とが設けられ、更に、像保持体20と記録材搬送ベルト60を挟んで対向する位置には、記録材搬送ベルト60によって搬送される記録材上に像保持体20上のトナー像を転写する転写器64が設けられている。尚、符号41は現像装置40(詳細は後述する)内にて像保持体20にトナーを供給する現像ロールを示している。
【0025】
また、装置筐体15内の下方には、記録材を供給する記録材供給装置70が設けられ、例えば供給容器71内に収容された記録材が、ピックアップロール72によって供給容器71から送り出された後、フィードロール及びリタードロールの対構成による捌き機構73にて一枚毎に鉛直方向に延びる記録材搬送路74に向かって供給される。
そして、記録材供給装置70から記録材搬送路74に供給された記録材は、記録材搬送路74の下流側に配置された位置合わせロール(レジストロール)78にて一旦位置合わせされた後、予め決めたタイミングで記録材搬送路74を更に搬送される。搬送された記録材は、帯電器63によって記録材搬送ベルト60に吸着され、そのまま記録材搬送ベルト60の回転と共に搬送される。記録材搬送ベルト60上の記録材には、各色の転写器64によって夫々のトナー像が順次転写されて多重化される。トナー像が多重化された記録材は定着器76にて定着された後、排出ロール77から装置筐体15の一部で構成される記録材排出受け16に排出される。尚、記録材搬送路74には、記録材を搬送するための搬送部材(例えば搬送ロール等)79が適宜設けられる一方、記録材搬送ベルト60の出口近く(張架ロール61の近く)には図示外の剥離部材が設けられ、記録材搬送ベルト60から記録材の剥離が容易になされるようになっている。
【0026】
<像保持体>
次に、本実施の形態で用いられる像保持体20について詳述する。
本実施の形態における像保持体20は、例えば図3に示すように、フィルム上に多数の画素電極34が行列配列状(所謂マトリクス状)に形成された画素電極フィルム30を回転可能な支持体である剛体ドラム21上に巻き付けて固定支持したものとなっている。
本例において、画素電極フィルム30は、例えばポリイミドフィルム基体上に、所謂IC製造プロセス等で用いられる薄膜技術を利用して作製されたもので、画素電極34が行列配列されている。そして、このように行列配列された画素電極34は、例えば剛体ドラム21の回転軸方向に沿った方向をデータライン、剛体ドラム21の回転方向に沿った方向を走査ラインとし、各画素電極34に対応するデータライン及び走査ラインはまとめられて適宜数のデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32に接続されている。尚、画素電極フィルム30は画素電極34を覆うように全体が図示外の保護膜で覆われており、また、図中符号21aは、剛体ドラム21の外周面の一部に回転軸方向に沿って開口された溝である。
【0027】
−画素電極の周辺構造−
次に、画素電極フィルム30の画素電極34及びその周辺構造について説明する。
本実施の形態において、画素電極フィルム30は、図4(a)〜(c)に示すように、画素電極34が行列配列されており、各画素電極34は、所謂アクティブマトリクス方式で構成され、スイッチング素子として例えばTFT(Thin Film Transistor)33を用い、蓄積容量35及び配線(ソース線Ls、ゲート線Lg等)が夫々付加されている。
そして、各画素電極34間の結線は、データライン毎にTFT33のソースsが結線されるソース線Ls、走査ライン毎にTFT33のゲートgが結線されるゲート線Lgとしてまとめられている。また、TFT33のドレインdには画素電極34と蓄積容量35が並列に接続され、蓄積容量35の一方は走査ライン毎にまとめられ(図示せず)、図4(c)のような等価回路を呈するように構成されている。
【0028】
画素電極34は画素電極フィルム30に対しマトリクス状に多数並べられた構成のために、画素電極34の駆動回路は次のように行われる。
つまり、画素電極フィルム30には、図5に示すように、データライン及び走査ライン毎に予め決めた数の画素電極34が配列されており、各画素電極34をスイッチングするTFT33のソースs側がデータライン毎に夫々データ用ドライバ31へ接続される一方、TFT33のゲートg側が走査ライン毎に夫々走査用ドライバ32に接続されている。また、これらのデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32は、像保持体20に設けられた像書込制御装置80によって駆動され、像書込制御装置80によってデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32を駆動することで、目的の画素電極34に画像信号に基づいた潜像電圧が印加され、蓄積容量35によって保持される。尚、図5では画素電極34は省略しているが、図4(c)に示すように、TFT33と蓄積容量35との間に画素電極34が接続されていることは言うまでもない。
【0029】
<現像装置>
−現像装置の構成例−
本実施の形態における各色の現像装置40は、用いるトナーが異なる他は略同様の構成が採用されているため、ここでは一つの現像装置40について説明する。
図6は、現像装置40の概略構成を示すもので、トナー(本実施の形態では導電性トナーを使用している)が収容される現像容器40aを有している。本実施の形態の現像装置40は、現像容器40aに像保持体20に対向して現像用開口40bを開設すると共に、この現像用開口40bに面して像保持体20と離間配置され且つ対向部位で同方向に回転するトナー保持体としての現像ロール41を配設し、像保持体20と現像ロール41との対向部位にて像保持体20上に形成された潜像を現像して可視像化するものである。
【0030】
また、現像ロール41の像保持体20側と異なる側には、現像ロール41との間にてトナーに電荷注入を行う電荷注入ロール43が設けられ、互いに軽く接触又は微小間隙をもって支持された状態で対向部位では互いに同方向に回転している。本例では、電荷注入ロール43の周速が現像ロール41の周速より速くなるように設定されている。そして、現像ロール41と電荷注入ロール43との間には、両者の対向部位にあるトナーに対して電荷注入を行うための注入電界を形成する注入電源91が設けられている。つまり、本実施の形態では電荷注入ロール43や注入電源91等でトナーに対する電荷注入がなされ、現像ロール41上には安定した帯電量が与えられたトナーが供される。
【0031】
また、本実施の形態では、現像ロール41と電荷注入ロール43との対向部位より電荷注入ロール43の回転方向上流側に、電荷注入ロール43上にトナーの薄層を形成する層規制ブレード45が設けられており、この層規制ブレード45によって電荷注入ロール43上のトナーの層厚規制がなされることで、層厚規制がなされたトナーが現像ロール41との対向部位に搬送されて電荷注入がなされる。
更に、現像容器40a内の電荷注入ロール43の奥側にはトナーを攪拌するアジテータ48が設けられ、電荷注入ロール43側へのトナーの供給を行うようになっている。
【0032】
本実施の形態における現像ロール41は、例えば表面をアルマイト処理したアルミニウム製のロールで構成され、電荷注入ロール43は、例えばサンドブラスト法や化学エッチング法等により表面に小さく均一な凹凸面を形成したアルミニウム製のロールから構成され、現像ロール41と電荷注入ロール43とは軽く接触又は微小間隙をもって支持されている。また、層規制ブレード45は例えば厚さ0.03〜0.3mm程度のステンレスの板ばねにシリコーンゴムやEPDMゴムを接着剤等により接着したものであり、この層規制ブレード45の一端は、電荷注入ロール43の表面に軽く接触し、他端は現像容器40aの一部に支持されている。尚、上述した部材の構成はこれに限られるものではないことは言うまでもない。
【0033】
また、本実施の形態の現像装置40には、現像ロール41と像保持体20との対向部位のうち、ほぼ中央位置から現像ロール41の回転方向における上流側に向かって飛翔電極部材50が配置されており、この飛翔電極部材50と現像ロール41との間には振動電界生成手段としての振動電源90が設けられ、現像ロール41からトナーを飛翔させるための振動電界が両者間に形成されている。この飛翔電極部材50のトナーが接触する部位にはその表面に絶縁性塗膜が施されている。尚、絶縁性の処理としては塗膜によるものに限られず、物理めっき処理等の公知の処理を用いて行うようにすればよい。
【0034】
本実施の形態での飛翔電極部材50の関連寸法の代表例としては、像保持体20と現像ロール41との対向領域の中央位置にて、飛翔電極部材50と現像ロール41との間隙が100〜300μm、飛翔電極部材50の厚さが100μm、飛翔電極部材50と像保持体20との間隙が100〜300μmのものとなっている。
【0035】
−気流形成装置−
更に、本実施の形態では、飛翔電極部材50の現像ロール41との対向面のうち少なくとも現像ロール41の回転方向における下流側の先端部位に対して、対向面に沿って当たる気流を形成する気流形成手段としての気流形成装置100が設けられている。
図7(a)は、本実施の形態における気流形成装置100の概要を示すもので、飛翔電極部材50の先端部位よりも現像ロール41の回転方向における上流側で、飛翔電極部材50と現像ロール41との間に気流の送出源を有するものとなっている。
【0036】
本実施の形態の気流形成装置100は、大気を送出する例えばエアーポンプ等からなる大気送出部110と、飛翔電極部材50と現像ロール41との間に気流を導く導通部120とで構成されている。導通部120は、図7(b)に示すように、現像ロール41の回転方向に沿って窄む形状のノズル121と、ノズル121から交差する方向に曲がって延びる円筒状のスリーブ122と、このスリーブ122と大気送出部110との間を結ぶ例えばゴムチューブ等からなる誘導ホース123で構成される。尚、図中符号111は、大気送出部110からの圧力を調整する圧力ゲージである。
【0037】
また、ノズル121の先端は、飛翔電極部材50の先端部位に向かって開口されており、その開口は現像ロール41の回転軸方向に沿って繋がったものとなっている。更に、このノズル121の内部には、スリーブ122から送出される大気(エアー)がノズル121の開口全域に亘って一様に広がるように、図示外の仕切り部材等が適宜設けられている。
【0038】
−導電性トナーの構成例−
本実施の形態で用いられるトナー(導電性トナー)は、例えば図8(a)に示すように、導電性を有する材料からなる導電性トナー基体(導電性コア)81を有し、この導電性コア81の周囲を絶縁性被覆層(例えば絶縁性樹脂層)82で被覆すると共に、導電性コア81の一部が露出するように絶縁性被覆層82に適宜数の凹部83を設けたものが用いられる。導電性トナーは、重合法や各種公知のカプセル化技術等で作製することができる。この時、導電性コア81は、ポリエステル系樹脂やスチレンアクリル系樹脂等に導電性カーボンやITO等の透明導電粉などの導電剤を分散させたり、ポリエステル系樹脂やスチレンアクリル系樹脂等からなる粒子表面を前記導電剤により被覆することによって、作製される。
【0039】
このような態様の導電性トナーに対し高電界を印加すると低抵抗化する傾向を示す。そして、低抵抗化する電界の大きさについては、トナーの主として凹部83の占有割合、あるいは、絶縁性被覆層82の厚さなどに依存する。
このメカニズムについては、次のように推測される。つまり、導電性コア81が絶縁性被覆層82にて被覆されているため、導電性コア81自体がコア同士接触することや直接電極部材等に接触することが殆どなく、絶縁性被覆層82を介して一定の微小間隙を保つことになり、この結果、例えば高電界が印加された時、トンネル効果等により導通することによる。
【0040】
また、導電性トナーの他の態様としては、例えば図8(b)に示すように、導電性コア81を絶縁性若しくは半導電性の被覆層84にて被覆し、被覆層84の厚さhを適宜調整することにより、トナーの抵抗を調整可能としたものが挙げられる。このとき、半導電性の被覆層84については、それ自体半導電性の材料を用いるようにしてもよいし、例えば絶縁性樹脂に、酸化チタンや酸化すず等の金属酸化物や導電性カーボンを微量含有させた半導電性樹脂を用いるようにしてもよい。そして、導電性コア81としては、例えば通常の絶縁性トナーからなる絶縁性トナー基体(絶縁性コア)の外表面近傍に導電性微粒子を付着させる態様や、絶縁性コアの内部に導電性微粒子を混入させるものなど適宜選定して差し支えない。
【0041】
<画像形成装置の作動>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動についてその概要を説明する。
−像保持体の潜像形成−
先ず、像保持体20での潜像形成について説明する。図5に示す像書込制御装置80によって、各色成分の像保持体20a〜20d(図2参照)の各画素電極34(図4参照)に対して画像信号に対応した潜像電圧が印加されて保持され、これが、現像時の像保持体20側の潜像電位となる。
【0042】
−現像装置の作動−
次に、現像装置40での作動を説明するが、先ず、図6を用いて導電性トナーに対する電荷注入工程を中心に説明する。
アジテータ48により攪拌されたトナーは、電荷注入ロール43側に供給された後、電荷注入ロール43の回転に伴って搬送され、層規制ブレード45にてその層厚が規制されて電荷注入ロール43上には略均一なトナー層が形成される。この均一に形成されたトナー層は、電荷注入ロール43と現像ロール41とが対向する対向部位にて互いに同方向に回転する両者間に挟まれた状態で擦られながら、注入電源91による注入電界によって電荷注入される。このとき、特に本実施の形態では、電荷注入ロール43の周速が現像ロール41の周速より速く設定されているため、トナーへの有効な擦りがなされ、良好な電荷注入がなされる。
【0043】
この場合、電荷注入ロール43と現像ロール41との間に挟まれたトナーは電荷注入ロール43と接触する確率が高められ、しかも、トナーとの接触抵抗を小さくすることが可能になり、その結果、トナーの見かけ上の抵抗が小さくなり、トナーは低抵抗な状態のまま有効に電荷注入がなされる。そのため、注入電界としては、比較的低電界であってもトナーには効率的に電荷注入が行われる。
【0044】
このように、単層以下になったトナーに対して電荷注入を行うことで、トナーに対する電荷注入が効果的になされ、WST(Wrong Sign Toner:トナー本来の帯電極性とは異なる逆極性に帯電されたトナー)の発生が抑えられる。そして、電荷注入ロール43との対向部位を経た現像ロール41上には、略均一な電荷注入がなされた単層以下のトナー層が形成され、現像ロール41と像保持体20との対向領域に搬送される。尚、このような電荷注入方式にあっては、トナー層間にせん断力が与えられるため、トナー同士が分極状態で重なることが防止され、注入電界が仮に高電界の場合であってもWSTの発生は防止される。
【0045】
−対向領域でのトナーの挙動−
次に、本実施の形態における像保持体20と現像ロール41との対向領域でのトナーの挙動について、図9を用いて、先ず比較例を説明する。
現像ロール41に付着しているトナーを飛翔させるには、ある程度強電界を必要とするため、飛翔電極部材50と現像ロール41との間の振動電界Esにて強電界を形成し、現像ロール41からトナーを飛翔させ、飛翔したトナーをクラウド化させる。
この場合、特に本実施の形態のように使用するトナーとして注入帯電型のトナーを用いると、飛翔可能な電界(振動電界Es)下ではトナーの電気抵抗が低下(誘電率が増加)する。このため、トナーとしては電界方向に沿って誘電分極され、トナーの持つ帯電量による静電気力以外に、電気双極子による静電気力が無視できないようになる。この電気双極子による静電気力は、トナー間のみならず、トナーと現像ロール41間、トナーと飛翔電極部材50間にも作用する。
【0046】
また、このような振動電界Esによる作用は、図9(a)に示すように、飛翔電極部材50の端部効果も手伝って、特に、飛翔電極部材50の先端部位(現像ロール41の回転方向における下流側)で強くなる。更に、この部位では、振動電界Es自体がその場振動しているため、結果的に、飛翔電極部材50の先端部位には、(b)に示すように、トナーTが数珠状に連なった所謂すだれ状のトナーTの凝集物Cが形成されるようになる。このようなすだれ状の凝集物Cが形成されると、現像ロール41から飛翔したトナーTは凝集物Cに補足され、クラウド化がされ難くなり、飛翔電極部材50より下流側の現像領域に搬送されるものが少なくなる。そのため、像保持体20の潜像に対してトナー付着量が少なくなり、濃度不足等の画像欠陥を生じ易くなる。
【0047】
更に、飛翔電極部材50の先端部位でのトナーTの凝集物Cは、現像ロール41から飛翔されるトナーTを強く補足するようになり、(c)に示すように、すだれ状の凝集物Cは、飛翔電極部材50の先端部位から徐々に上流側に向かって広がりを示す。これに伴い、現像ロール41から飛翔されるトナーTは益々これらの凝集物Cに補足され、クラウド化も不十分となり、飛翔電極部材50の下流側の現像領域に搬送されるトナーTは益々少なくなる。
【0048】
このような事態を解決するために、本実施の形態では、振動電界Esが作用している場合には、気流形成装置100(図7参照)にて飛翔電極部材50の先端部位に大気による気流Gfを連続して当てるようにしている。
このような気流Gfを飛翔電極部材50の先端部位に当てると、図9(d)に示すように、飛翔電極部材50と現像ロール41との間の振動電界Esによって飛翔したトナーTは、気流Gfによって凝集物Cの発生が抑えられるため、十分クラウド化され、更に、気流Gfも手伝って、飛翔電極部材50の下流側の領域(現像領域に相当)にも十分なトナー量が搬送され易くなる。
【0049】
更に、本実施の形態では、飛翔電極部材50に絶縁性の被覆処理が施されているため、電荷注入されたトナーがこれらの部材に接触しても、トナーの電荷量の変化が抑えられ、安定した現像がなされる。
【0050】
本実施の形態の気流形成装置100は、図7に示すように、大気送出部110としてエアーポンプを用いる構成を示したが、これに限らず、例えばブロアー、シロッコファン等の送風機を用いるようにしてもよい。また、例えばバイモルフ型の圧電素子の変形を利用して送風するようにしてもよい。ただし、このような気流形成装置100による気流の大きさとしては、飛翔電極部材50の先端部位での凝集物の形成を抑える程度の大きさのものであり、大きすぎるとクラウド化したトナーが像保持体20の有する潜像電位の静電気力を妨げるようにもなる。
【0051】
本実施の形態では、画像形成装置として四色に対応する像保持体20を用いた構成のものを示したが、これに限られず、単色のものであってもよい。
また、本実施の形態では像保持体20として画素電極34を使用した構成のものとしたが、例えば画素電極34を用いない感光体を適用することも可能であり、この場合、感光体側の潜像電位を小さく設定してもかぶりの発生が抑えられるようになり、感光体自体の長寿命化が実現される。
更に、トナーとして電荷注入型のものを示したが、例えば摩擦帯電型のトナーを用いるようにしてもよく、この場合、潜像電圧が非画像部にかぶりを生じない程度の大きさの潜像電圧になるようにすればよい。尚、この場合、飛翔電極部材50への絶縁性被覆処理は省略する方がよい。
【0052】
また、本実施の形態では、振動電界Esが作用している場合には、連続して気流を形成するようにしたが、例えば間欠的に気流を形成するようにしてもよい。更には、振動電界Esが作用していない状態にも気流を形成するようにしても差し支えない。あるいは、例えば画像形成の前後の振動電界Esが作用していない状態においても気流を形成するようにしてもよく、この場合、気流が形成されないものに比べ飛翔電極部材50の先端部位でのすだれ状の凝集物の形成が抑えられる。つまり、仮に、僅かな凝集物があったとしても、これを取り除くことで、振動電界Esが作用している際の安定したクラウド化が促進される。更に、この場合、振動電界Esが作用している場合に比べ、気流の大きさ(強さ)を大きくすることも可能になる。尚、この気流にて搬送されるトナーが現像装置40から漏れ出すことがないようになっていることは言うまでもない。
【0053】
◎実施の形態2
図10は、実施の形態2の現像装置40の概要を示す説明図である。
本実施の形態の現像装置40は、実施の形態1の現像装置40(例えば図7参照)と異なり、飛翔電極部材50とは別に、飛翔電極部材50と像保持体20との間に飛翔電極部材50によって現像ロール41から飛翔されてクラウド化されたトナーの飛翔能力を抑制するための抑制電極部材55を設けたものとなっている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施の形態では、飛翔電極部材50と現像ロール41との間に振動電源90による振動電界Esが作用すると共に、第二の振動電源95によって、この振動電界Esとは非同位相の第二の振動電界Exを飛翔電極部材50と抑制電極部材55との間に作用させるようになっている。
また、飛翔電極部材50と現像ロール41との間隙には、気流形成装置100による気流が形成され、飛翔電極部材50の先端部位でのトナーの凝集物の形成が抑えられる。
【0055】
本実施の形態では、このような構成を有することで、飛翔電極部材50によって現像ロール41から飛翔したトナーは、十分クラウド化されて、飛翔電極部材50より下流側に搬送されるが、図中α領域では、抑制電極部材55による第二の振動電界Exの作用によって、像保持体20側に向かう運動エネルギが低減されるようになる。そのため、像保持体20の非画像部に対してかぶり現象が抑えられるようになる。
また、このとき、第二の振動電界Exを振動電界Esとは逆位相にすることで、かぶり現象が一層抑えられるようになる。
【0056】
◎実施の形態3
図11は、実施の形態3の現像装置40の概要を示すものである。
本実施の形態の現像装置40に用いられる気流形成装置100は、実施の形態1の気流形成装置100(図7参照)と異なり、像保持体20と現像ロール41との対向領域に対して、気流を吸引する方式を採用したものとなっている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施の形態の気流形成装置100は、吸引ポンプ130とこの吸引ポンプ130から飛翔電極部材50の近くまで延ばしたノズル140によって構成されている。また、ノズル140の先端は、飛翔電極部材50と現像ロール41との間隙に近い位置まで延ばされた開口の小さな形状となっており、このノズル140の先端から大気を吸引することで、飛翔電極部材50と現像ロール41との間に気流が形成される。
【0058】
そして、この形成された気流によって、飛翔電極部材50の先端部位ではトナーのすだれ状の凝集物の形成が抑えられ、振動電界Esによって現像ロール41から飛翔したトナーが十分クラウド化され、飛翔電極部材50の下流側の現像領域に搬送される。
また、このような吸引方式を採用する場合、ノズル140によって吸引される大気の方向が重要となるが、ノズル140を飛翔電極部材50と現像ロール41との間隙に近付け、更に、像保持体20より現像ロール41の回転速度の方が上回っていれば、吸引される大気は現像ロール41と飛翔電極部材50との間の方が大きくなるため、飛翔電極部材50の先端部位でのすだれ状の凝集物の形成がより一層抑えられる。尚、吸引力の大きさは、この吸引力によってクラウド化されたトナーが像保持体20側に向かわなくなることがないような吸引力であることは言うまでもない。
【0059】
更に、本実施の形態の気流形成装置100に実施の形態1の気流形成装置100を組み合わせる方式、つまり、大気の送出源を有する方式と大気を吸引する方式との両方を組み合わせるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0060】
◎実施の形態4
図12は、実施の形態4の現像装置40を示す。
本実施の形態の現像装置40に用いられる気流形成装置100は、実施の形態1や実施の形態3の気流形成装置100と異なり、飛翔電極部材50そのものを利用した構成のものとなっている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態の気流形成装置100は、図12(a)に示すように、飛翔電極部材50に対し、この飛翔電極部材50の現像ロール41との対向面のうち現像ロール41の回転方向下流側部位で且つ先端部位を除く部位から現像ロール41の回転方向上流側に向かって傾斜する貫通孔501を設けたものである。また、この貫通孔501は、飛翔電極部材50に対して、現像ロール41の回転軸方向に並べて複数設けられている。
【0062】
このような飛翔電極部材50を像保持体20と現像ロール41との間に配置すると、特に、像保持体20よりも現像ロール41の回転速度の方が大きい場合には、(b)に示すように、飛翔電極部材50の貫通孔501に像保持体20側から現像ロール41側へ向かう気流Gfが発生する。この気流Gfは、更に、飛翔電極部材50と現像ロール41との間隙を経由して飛翔電極部材50の先端部位に当たるようになる。そのため、飛翔電極部材50の先端部位でのすだれ状の凝集物の形成が抑えられる。
また、このような貫通孔501が飛翔電極部材50の先端部位から少し離間した部位に設けられているため、飛翔電極部材50と現像ロール41との間に振動電界Esが作用しても、この貫通孔501の影響は軽微に抑えられ、トナーのクラウド化を阻害する虞は殆どない。
【0063】
◎実施の形態5
図13(a)〜(c)は、実施の形態5の現像装置40を示すもので、本形態では、飛翔電極部材50が実施の形態1のものと異なる。ここで、(b)は(a)の図中矢印B方向から見た図であり、(c)は(b)の飛翔電極部材50を図中矢印C方向から見た図である。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0064】
同図において、本態様の飛翔電極部材50は、現像ロール41との対向面に対して、現像ロール41の回転方向に沿って複数の矩形状の溝50aが設けられている。
飛翔電極部材50の現像ロール41との対向面にこのような溝50aを設けることで、気流形成装置100によって形成された気流が、この溝50aを経由して飛翔電極部材50の先端部位に到達し易くなり、飛翔電極部材50での現像ロール41の回転軸方向全域に亘って、現像ロール41の回転方向に沿った気流が確保されるようになる。更に、このような溝50aを設けることで、飛翔電極部材50が粗面化されるものと同様の効果があり、すだれ状の凝集物の形成を抑えるようにもなる。
【0065】
ここでは、溝50aの形状を矩形のものとして示したが、これに限らず、気流が現像ロール41の回転方向に沿う形状であればよく、例えば半円形、三角形状等適宜選定するようにすればよい。
【0066】
◎実施の形態6
本実施の形態の現像装置40は、実施の形態1と略同様に構成され、飛翔電極部材50の表面粗さを実施の形態1と異なるものにした構成となっている。
実施の形態1では、飛翔電極部材50の表面粗さは略平滑(最大高さRzが5μm未満のもの)としたが、飛翔電極部材50の表面粗さの最大高さRzが、5μm以上30μm以下の範囲に設定した。尚、表面粗さの最大高さRzは、JIS B0601:’01に準拠した。
このように、飛翔電極部材50の先端部位の表面粗さを大きくすることで、振動電界Esがその場振動し難くなる分、すだれ状の凝集物の形成が抑えられるようになるが、粗面化の利点の詳細については、後述する参考の形態にて説明する。
【0067】
◎参考の形態
図14(a)は、本発明に係る参考形態として、気流形成装置100を用いずに、また、実施の形態1で用いられる飛翔電極部材50の表面粗さを粗くした構成の飛翔電極部材51を用いた現像装置40の概要を示すものである。
同図において、本形態では、飛翔電極部材51の現像ロール41に面する側の表面粗さが粗いものとなっている。
【0068】
このような構成の飛翔電極部材51と現像ロール41との間に振動電界Esを作用させると、図14(b)に示すように、飛翔電極部材51の先端部位では電気力線の向かう方向が粗面化されている分、ランダム方向に向かうようになり、その場振動が抑えられ、トナーの凝集物の発生が抑えられるようになる。
一方、(c)のように、飛翔電極部材50が粗面化されていない場合には、飛翔電極部材50の先端部位では電気力線は同じ方向に向かい易く、その分、その場振動を繰り返し易くなる。したがって、(b)のように粗面化されたものに比べ、トナーの凝集物の形成が起こりやすい。
【0069】
本参考の形態では、粗面化の効果について、次のような実験を行い確認した。
飛翔電極部材51の表面粗さとして、最大高さRzが2μm以下のもの(敢えて粗面化処理を行わなかったもの)と、最大高さRzが10μmのもの(本例ではブラスト処理にて粗面化したもの)とで、画像形成を実施した後の、飛翔電極部材51でのすだれ状の凝集物の発生状況並びにDMA(Developed toner Mass Area)を確認した。尚、最大高さRzは、JIS B 601:’01に準拠して測定した。
【0070】
その結果、飛翔電極部材51の先端部位の状況は、Rzが2μm以下のもの(凹凸なし)の場合は、すだれ状の凝集物の発生が確認されたが、Rzが10μmのもの(凹凸あり)では凝集物は確認されなかった。
一方、DMAは図15に示すように、Rzが2μm以下のもの(凹凸なし)の場合よりもRzが10μmのもの(凹凸あり)の方が高い値であることが確認された。
以上のことから、粗面化された飛翔電極部材51を用いることで、先端部位でのすだれ状の凝集物の形成を抑えることが可能であり、クラウド化されたトナーが有効に現像領域に搬送されることが確認された。
【0071】
更に、このような粗面化された飛翔電極部材51と、エアー吐出を併用することで、飛翔電極部材51の先端部位でのすだれ状の凝集物の形成が一層抑えられ、長期に亘る現像特性の安定化が図られることが確認された。
また、このように飛翔電極部材の現像ロールとの対向面を粗面化することは、飛翔電極部材の対向面全面に亘って粗面化処理行わなくても、少なくとも飛翔電極部材の先端部位にそのような粗面化処理を行うようにすれば、先端部位でのすだれ状の凝集物の形成が抑えられることも確認された。
【0072】
本件発明者らは、更に、飛翔電極部材の表面粗さについて最大高さを因子として実験を重ねた結果、表面粗さについて、最大高さRzが5μmから30μmの範囲内であれば、本実施例と同様の結果が得られることを確認した。
【実施例】
【0073】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1の構成に近似した構成のモデル機を用い、エアーポンプの吐出圧力(ゲージ圧)と像保持体上のDMA(Developed toner Mass Area)との関係を確認するために、次の実験条件にて行った。
飛翔電極部材の幅(現像ロールの回転軸方向に沿った長さ):10mm。
飛翔電極部材と現像ロール間の間隙:150μm。
飛翔電極部材と像保持体間の間隙:100μm。
現像ロールへの印加電圧(振動電界に相当):1.6kVpp、10kHz。
像保持体(平板ガラス上に幅10mmの電極が形成されたもの)の電位:100V。
現像ロール上のトナー層:3g/m
【0074】
結果は、図16に示すように、エアー吐出圧力を大きくすると、DMAも大きくなる傾向が確認された。
つまり、エアー吐出圧力が高いほど、クラウド化されたトナーの搬送量が増えるため、現像領域に供給されるトナー量が多くなり、その分、現像量も増加する。しかしながら、吐出圧力が高すぎると、クラウド化したトナーが現像に供される前に、下流側に向かって搬送されるため、現像に十分に寄与されなくなる虞がある。
更に、現像ロール上のトナー量は固定されているため、現像に供するトナー量を十分確保するようにしても、どこかで飽和傾向となる。そのため、吐出圧力には適正な箇所が存在する。
その後、各種間隙を変化させた構成にて同様の実験を行ったところ、エアー吐出圧力が0.15〜0.2MPa程度でDMAが飽和する傾向の結果も得られた。それ故、エアー吐出圧力として、0.15〜0.2MPaの領域が好適と判断された。
【符号の説明】
【0075】
1…像保持体,2…現像装置,3…トナー保持体,4…飛翔電極部材,5…振動電界生成手段,6…気流形成手段,Es…振動電界,Gf…気流,T…トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が保持された像保持体に対向して配置され且つトナーを外周面に保持して回転するトナー保持体と、
このトナー保持体に対向して離間配置され且つ前記トナー保持体との間にトナー保持体上のトナーが飛翔させられる振動電界を作用させる飛翔電極部材と、
この飛翔電極部材と前記トナー保持体との間に前記振動電界を生成する振動電界生成手段と、
前記飛翔電極部材の前記トナー保持体との対向面のうち少なくともトナー保持体の回転方向における下流側の先端部位に対して、前記対向面に沿って当たる気流を形成する気流形成手段と、
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
前記気流形成手段は、前記飛翔電極部材の前記先端部位よりもトナー保持体の回転方向における上流側且つ前記飛翔電極部材と前記トナー保持体との間に前記先端部位に向かう気流の送出源を有していることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1記載の現像装置において、
前記気流形成手段は、
前記飛翔電極部材に対し、当該飛翔電極部材の前記トナー保持体との対向面のうちトナー保持体の回転方向における下流側部位で且つ先端部位を除く部位からトナー保持体の回転方向における上流側に向かって傾斜する貫通孔をトナー保持体の回転軸方向に並べて複数設け、
前記トナー保持体の回転に伴って前記貫通孔を経由した気流が前記先端部位に当たるようにしたことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の現像装置において、
前記気流形成手段は、前記飛翔電極部材と前記トナー保持体との間に前記振動電界生成手段による振動電界が作用している場合には連続して前記気流を形成することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置において、
前記飛翔電極部材は、少なくともトナーが接触する部位に絶縁性の被覆処理がなされていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置において、
前記飛翔電極部材は、前記トナー保持体との対向面のうち少なくともトナー保持体の回転方向における下流側の先端部位での表面粗さの最大高さRzが、5μmから30μmの範囲内に設定されていることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
静電潜像を保持して搬送する像保持体と、
この像保持体に対向して離間配置され且つ前記像保持体上に保持された静電潜像をトナーにて現像する請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置と、を備え、
前記飛翔電極部材は、前記像保持体と前記トナー保持体とが対向する対向領域のうちトナー保持体の回転方向における上流側に偏って配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
最大画像形成領域以上の周面を有する回転可能な支持体並びにこの支持体上に当該支持体の回転方向及びこの回転方向に交差する交差方向に沿って画素単位毎に行列配列された画素電極を有する像保持体と、
前記交差方向に沿った各行の画素電極群のうち走査信号によって選択された行の夫々の画素電極に対応して画像信号に基づいた潜像電圧を印加することにより潜像を書き込む潜像書込手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−42556(P2012−42556A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181644(P2010−181644)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】