説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】本発明は、現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を一定量に維持すると共に、像担持体に供給されず現像ローラに残留した液体現像剤の除去性を向上させた現像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】現像装置9bは、現像剤供給装置94bと、液体現像剤を貯留する現像容器95bと、貯留された液体現像剤を汲み上げる汲み上げローラ93b及び供給ローラ92bと、汲み上げられた液体現像剤を感光体ドラム10bに対向する当接部分NCにおいて感光体ドラム10bに供給する現像ローラ91bと、現像ローラ91bの表面に残留した液体現像剤を除去する現像ローラクリーニング装置96bと、現像容器95bに貯留された液体現像剤を現像ローラ91bの表面であって当接部分NCと現像ローラクリーニング装置96bが当接する領域との間に位置する領域ARに送液する貯留現像剤送液部99bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び、現像装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機やプリンタ等の画像形成装置として、トナー画像を担持可能な像担持体と、像担持体に液体現像剤を供給可能な現像装置とを備える湿式の画像形成装置が存在する。
湿式の画像形成装置を構成する現像装置として、液体現像剤貯留部に貯留される液体現像剤を汲み上げる汲み上げローラ、及び汲み上げローラと対向して配置され表面に現像剤膜が形成される現像剤供給ローラにより構成される汲み上げ部と、現像剤供給ローラの表面に形成された現像剤膜が転位されて形成される現像剤膜を表面に保持する現像ローラと、を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このように構成された現像装置によれば、液体現像剤貯留部に貯留される液体現像剤は、汲み上げ部及び現像ローラを介して、感光体ドラム等の像担持体に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−219355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の画像形成装置において、液体現像剤貯留部における液体現像剤の貯留量を一定に維持するには、液量を検知するセンサ等が必要であった。特許文献1の画像形成装置において、構成が複雑になるという問題や、センサの分だけスペースが必要であるという問題は解消されていなかった。
また、特許文献1の画像形成装置において、感光体ドラム等の像担持体に供給されず現像ローラに残留した液体現像剤は、トナー濃度や粘度が上昇しているため、ブレード部材等による除去が困難になるという問題があった。
【0005】
本発明は、現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を一定量に維持すると共に、像担持体に供給されず現像ローラに残留した液体現像剤の除去性を向上させた現像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記現像装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、像担持体に液体現像剤を供給する現像装置であって、液体現像剤を供給する現像剤供給部と、前記現像剤供給部により供給された液体現像剤を貯留する現像剤貯留部と、前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を汲み上げる現像剤汲み上げ部と、回転軸を中心に回転可能に前記像担持体に対向配置され、前記現像剤汲み上げ部により前記汲み上げられた液体現像剤が供給されると共に、前記像担持体に対向する領域において前記像担持体に液体現像剤を供給する現像ローラと、前記現像ローラの表面であって前記現像ローラの回転方向において前記対向する領域より下流の所定位置に当接して配置され、前記現像ローラの表面に残留した液体現像剤を除去する現像剤除去部と、前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を前記現像ローラの表面であって前記対向する領域と前記現像剤除去部が当接する所定位置との間に位置する所定領域に送液する貯留現像剤送液部と、を備える現像装置に関する。
【0007】
また、現像装置において、前記貯留現像剤送液部は、前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤の貯留量が所定量で維持されるよう液体現像剤を送液することが好ましい。
【0008】
また、現像装置において、前記貯留現像剤送液部は、前記現像剤貯留部における所定位置に配置される開口部と、前記開口部と前記所定領域近傍に配置される供給口とをつなぐように配置される送液路と、前記開口部から液体現像剤を吸引すると共に、吸引した液体現像剤を前記供給口に送液するポンプ部と、を備えることが好ましい。
【0009】
本発明は、上記いずれかに記載の現像装置と、表面にトナー画像を担持可能な像担持体とを有する画像形成部と、前記画像形成部に対し前記像担持体に所定のトナー画像を形成させる指示である画像形成指示、及び前記トナー画像に関する画像情報を含む画像データの入力を受け付ける入力受付部と、前記入力受付部により前記画像データが受け付けられた場合、前記像担持体にトナー画像を形成させるよう前記画像形成部を制御する画像形成制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【0010】
また、画像形成装置は、前記画像形成制御部により前記像担持体にトナー画像を形成させるよう前記画像形成部が制御された場合、液体現像剤の供給量を第1供給量から前記第1供給量よりも多い第2供給量に変更するよう前記現像剤供給部を制御する供給制御部と、を備えることが好ましい。
【0011】
また、画像形成装置は、前記入力受付部により受け付けられた画像データに含まれる画像情報に基づいて、印字率を算出する印字率算出部と、を備え、前記供給制御部は、前記印字率算出部により算出された印字率が所定値(5%)未満である場合、前記液体現像剤の供給量を前記第1供給量又は前記第2供給量から前記第2供給量よりも多い第3供給量に変更するよう前記現像剤供給部を制御することが好ましい。
【0012】
また、画像形成装置は、前記現像剤供給部における供給量が前記第3供給量に変更された場合、送液量を多くするよう前記貯留現像剤送液部を制御する貯留現像剤送液制御部と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を一定量に維持すると共に、像担持体に供給されず現像ローラに残留した液体現像剤の除去性を向上させた現像装置を提供することができる。
また、本発明によれば、上記現像装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】カラープリンタの各構成要素を説明するための全体図である。
【図2】液体現像剤循環装置の構成を説明する模式図である。
【図3】現像装置の構成を説明する断面図である。
【図4】現像装置の動作を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、図1により、画像形成装置としてのカラープリンタ1の全体構成について説明する。図1は、カラープリンタ1の各構成要素を説明するための全体図である。
図1に示すように、カラープリンタ1は、画像形成部2と、用紙収納部3と、二次転写部4と、定着部5と、用紙搬送部6と、排紙部7と、を備える。
画像形成部2は、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式のものである。用紙収納部3は、被転写材の一例である用紙Tを収容する。二次転写部4は、画像形成部2で形成されたトナー画像を用紙T上(表面)に転写する。定着部5は、用紙Tに転写されたトナー画像を用紙T上(表面)に定着させる。用紙搬送部6は、用紙Tを用紙収納部3から排紙部7まで搬送する。排紙部7は、用紙搬送部6により搬送された用紙Tを排紙(排出)する。
【0016】
画像形成部2は、中間転写ベルト21と、クリーニング部22と、複数の画像形成ユニットFB、FY、FC、FMとを備える。画像形成部2は、入力受付部400(図3参照)を介して外部機器(例えば、PC(Personal computer)等)から入力された画像データ(画像形成指示、画像情報及び枚数情報等)に基づいて、トナー画像を形成する。画像データは、画像形成部2に対し後述する像担持体としての感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれに所定のトナー画像を形成させる指示である画像形成指示、トナー画像に関する画像情報及び枚数情報等を含む。
画像形成部2は、画像形成制御部410(図3参照)により制御される。
【0017】
画像形成制御部410は、後述する像担持体としての感光体ドラムにトナー画像を形成させるよう画像形成部2を制御する。
画像形成制御部410は、入力受付部400により画像データが受け付けられた場合、後述する像担持体としての感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれにトナー画像を形成させるよう画像形成部2を制御する。
【0018】
中間転写ベルト21は、導電性を有する無端状のベルト部材である。
中間転写ベルト21は、カラープリンタ1において使用可能な最も大きな用紙の幅より幅広である。ここで、「幅」とは、用紙搬送方向に垂直な方向の長さをいう。
中間転写ベルト21は、それぞれ所定位置に配置される駆動ローラ41と従動ローラ23とテンションローラ24とに張架されて配置される(架けわたされて配置される)。
中間転写ベルト21は、矢印で示すように、時計回り(図1において)に循環駆動される。具体的には、中間転写ベルト21は、駆動モータ(不図示)から伝達された回転駆動力により回転された駆動ローラ41により、矢印方向(環方向)に回転駆動される。また、回転駆動された中間転写ベルト21により、従動ローラ23及びテンションローラ24それぞれは、従動回転される。なお、中間転写ベルト21は、テンションローラ24により弛まないように適切な張力を付与された状態で回転駆動される。
以下、中間転写ベルト21の外側を向く面を表面とし、他方の面を裏面とする。
【0019】
クリーニング部22は、クリーニングローラ22aと、クリーニングブレード22bとを有する。クリーニング部22は、中間転写ベルト21のクリーニングを行う。
【0020】
画像形成ユニットFB、FY、FC、FMそれぞれは、中間転写ベルト21の近傍に配置される。画像形成ユニットFB、FY、FC、FMは、水平方向に並んで配置される。画像形成ユニットFB、FY、FC、FMは、水平方向においてクリーニング部22と二次転写部4との間に並んで配置される。画像形成ユニットFB、FY、FC、FMは、図1において左からFB、FY、FC、FMの順序で並んで配置される。
画像形成ユニットFB、FY、FM、FCそれぞれは、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の各色に対応したユニットである。
なお、画像形成ユニットFB、FY、FC、FMの配置順序は、上述の限りではないが、各色の混色による画像(用紙T上に転写された画像)への影響を配慮すると、上述の配置順序が好ましい。
【0021】
また、画像形成ユニットFB、FY、FC、FMそれぞれに対応して、後述する液体現像剤循環装置LB、LY、LC、LMを構成するトナータンクTB、TY、TC、TMや、メインキャリアタンクMTが設けられる。これらは、各色の液体現像剤における供給及び回収に利用されるタンクである。
液体現像剤循環装置LB、LY、LC、LMについては後に説明する。
【0022】
画像形成ユニットFB、FY、FC、FMそれぞれは、感光体ドラム10a、10b、10c、10dと、帯電装置11a、11b、11c、11dと、露光装置12a、12b、12c、12dと、現像装置9a、9b、9c、9dと、一次転写ローラ20a、20b、20c、20dと、クリーニング装置26a、26b、26c、26dと、除電装置13a、13b、13c、13dと、キャリア液除去ローラ30b、30c、30dとを備える。ここで、画像形成ユニットのうち、最も二次転写部4に近い画像形成ユニットFBは、キャリア液除去ローラを有しないが、その他の構成は他の画像形成ユニットFY、FC、FMと同一である。
【0023】
感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれは、円柱状の部材であって、その表面に帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)したトナー画像を担持可能な部材である。感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれは、図1において反時計回りに回転可能に配置される。
【0024】
帯電装置11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面を所定の極性及び電位に一様に帯電させる装置である。
【0025】
露光装置12a、12b、12c、12dそれぞれは、図示しない光源部(例えば、LED(Light―Emitting Diode)等)を有する。露光装置12a、12b、12c、12dそれぞれは、外部機器(例えば、PC等)から入力受付部(図3参照)を介して入力される画像データに基づいて、所定の極性及び電位に一様に帯電された感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に光を照射する。これにより、露光部分の電荷が除去されて、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面には、静電潜像が形成される。
【0026】
現像装置9a、9b、9c、9dそれぞれは、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に形成された静電潜像に対向するようにトナー及びキャリア液を含む液体現像剤GB、GY、GC、GMを保持する。これにより、現像装置9a、9b、9c、9dそれぞれは、静電潜像に各色のトナーを付着させ、静電潜像をトナー画像として現像させる。
現像装置については後に詳細に説明する。
【0027】
一次転写ローラ20a、20b、20c、20dそれぞれは、中間転写ベルト21の裏面に感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれに対応して配置される。一次転写ローラ20a、20b、20c、20dそれぞれは、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれと対向して配置される。
【0028】
一次転写ローラ20a、20b、20c、20dそれぞれには、図示しない電源によりトナー画像を構成するトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧が印加される。つまり、一次転写ローラ20a、20b、20c、20dそれぞれは、中間転写ベルト21と接触している位置において中間転写ベルト21に対してトナーと逆極性の電圧を印加する。中間転写ベルト21は導電性を有するため、この印加電圧によって、中間転写ベルト21の表面側及びその周辺にトナーが引きつけられる。
【0029】
クリーニング装置26a、26b、26c、26dそれぞれは、クリーニングブレード27a、27b、27c、27dと、搬送スクリュー28a、28b、28c、28dとを備える。クリーニング装置26a、26b、26c、26dそれぞれは、中間転写ベルト21に転写されずに感光体ドラム10a、10b、10c、10dに残留した液体現像剤を除去するための装置である。
【0030】
クリーニングブレード27a、27b、27c、27dそれぞれは、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの回転軸方向に延びる板状の部材である。クリーニングブレード27a、27b、27c、27dそれぞれは、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に残留した液体現像剤を掻き取るための部材である。クリーニングブレード27a、27b、27c、27dそれぞれは、先端が感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に当接(摺接)して配置される。クリーニングブレード27a、27b、27c、27dそれぞれは、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの回転に伴って感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に残留した液体現像剤を掻き取る。
【0031】
搬送スクリュー28a、28b、28c、28dそれぞれは、クリーニング装置26a、26b、26c、26dそれぞれの内部に配置される。搬送スクリュー28a、28b、28c、28dそれぞれは、クリーニングブレード27a、27b、27c、27dそれぞれによって掻き取られ、クリーニング装置26a、26b、26c、26dそれぞれの内部に収容された液体現像剤を第1回収容器81a、81b(図2参照)、81c、81dそれぞれに搬送する。また、搬送スクリュー28a、28b、28c、28dそれぞれは、後述するキャリア液除去ローラ30b、30c、30dそれぞれによって中間転写ベルト21から除去されてクリーニング装置26a、26b、26c、26dそれぞれの内部に収容されたキャリア液も第1回収容器81a、81b(図2参照)、81c、81dそれぞれに搬送する。
【0032】
除電装置13a、13b、13c、13dそれぞれは、除電用の光源(不図示)を有する。除電装置13a、13b、13c、13dそれぞれは、光源からの光によって感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面を除電処理する。除電装置13a、13b、13c、13dそれぞれは、クリーニングブレード27a、27b、27c、27dそれぞれによって感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面から液体現像剤が除去された部分に対して除電処理をする。
【0033】
キャリア液除去ローラ30b、30c、30dそれぞれは、感光体ドラム10b、10c、10dそれぞれの回転軸と平行な回転軸それぞれを中心として回転可能に配置される略円柱状の部材である。キャリア液除去ローラ30b、30c、30dは、中間転写ベルト21の表面からキャリア液を除去する部材である。
キャリア液除去ローラ30b、30c、30dそれぞれは、感光体ドラム10b、10c、10dそれぞれにおける表面に対向して配置される。キャリア液除去ローラ30b、30c、30dそれぞれは、感光体ドラム10b、10c、10dそれぞれと中間転写ベルト21とが接触する位置よりも、感光体ドラム10b、10c、10dそれぞれの回転方向下流側において感光体ドラム10b、10c、10dそれぞれに対向して配置される。
キャリア液除去ローラ30b、30c、30dそれぞれは、所定方向からみて感光体ドラム10b、10c、10dそれぞれと同方向に回転する。キャリア液除去ローラ30b、30c、30dそれぞれによって除去されたキャリア液は、クリーニング装置26b、26c、26dの内部に収容される。
【0034】
用紙収納部3は、カラープリンタ1における垂直方向下部に配置される。用紙収納部3は、用紙Tを収納する給紙カセット31と、用紙Tを後述する用紙搬送部6に供給する給紙ローラ32と、複数の用紙Tが重なった状態で用紙搬送部6に供給されることを抑制する分離ローラ対33とを有する。
【0035】
二次転写部4は、中間転写ベルト21を駆動する駆動ローラ41と、二次転写ローラ42とを有する。二次転写ローラ42は、中間転写ベルト21を間に挟んで駆動ローラ41に向けて押圧されて配置される。二次転写部4は、中間転写ベルト21上(表面)に形成されたトナー画像を用紙Tに転写する。二次転写部4は、上述した一次転写ローラ20a、20b、20c、20dと共に、トナー画像を用紙Tに転写する転写装置を構成する。
【0036】
定着部5は、加熱ローラ51と、加圧ローラ52とを有する。加圧ローラ52は、加熱ローラ51に対向すると共に、加熱ローラ51を押圧するように配置される。定着部5は、二次転写部4により転写されたトナー画像を用紙Tに定着させる部分(装置)である。定着部5は、二次転写部4よりも用紙Tの搬送方向において下流側に配置される。
【0037】
用紙搬送部6は、(複数の)搬送ローラ対74と、レジストローラ対75とを備える。用紙搬送部6は、用紙収納部3から供給された用紙Tを二次転写部4及び定着部5を介して排紙部7に搬送する部分である。なお、図1においては、一対の搬送ローラ対74のみが図示され、他の搬送ローラ対は表示が省略されている。
【0038】
排紙部7は、(複数の)排出ローラ対71と、カラープリンタ1における上面に設けられた排出トレイ72とを有する。排紙部7は、二次転写部4によりトナー画像が転写され、定着部5によりトナー画像が一方又は両方の面に定着された用紙Tが排出される部分である。なお、図1においては、一対の排出ローラ対71のみが図示され、他の排出ローラ対は表示が省略されている。
【0039】
次いで、図2及び図3により、現像装置及び液体現像剤循環装置について説明する。
図2は、液体現像剤循環装置LYの構成を説明する模式図である。図3は、現像装置9bの構成を説明する断面図である。
まず、現像装置9a、9b、9c、9dについて説明する。ここで、現像装置9bについて詳細に説明し、同様の構成である他の現像装置9a、9c、9dについては説明を省略する。
【0040】
図2及び図3に示すように、現像装置9bは、現像ローラ91bと、現像剤汲み上げ部を構成する供給ローラ92b及び汲み上げローラ93bと、現像剤供給部としての現像剤供給装置94bと、現像剤貯留部としての現像容器95bと、貯留現像剤送液部99bと、現像剤除去部としての現像ローラクリーニング装置96bと、帯電装置97bと、を備える。また、現像装置9bは、CPU500と、メモリ600とを備える。
現像装置9bは、感光体ドラム10bに液体現像剤を供給するための装置である。
【0041】
現像ローラ91bは、感光体ドラム10bに対向して配置される円筒状の部材である。現像ローラ91bは、外面側に配置され表面を構成する弾性部を有する。現像ローラ91bは、図3において、矢印方向(時計回り)に回転される。
現像ローラ91bは、感光体ドラム10bに対して所定の圧力で当接するよう配置される。これにより、感光体ドラム10bと現像ローラ91bとの当接部分には、当接部分NC(対向する領域)が形成される。
【0042】
また、現像ローラ91bは、供給ローラ92bに対向すると共に当接して配置される。
現像ローラ91bには、現像剤汲み上げ部により汲み上げられた液体現像剤が供給される。具体的には、現像ローラ91bは、その表面の弾性部に、供給ローラ92bの表面に形成された現像剤膜が転位され、その転位された現像剤膜を弾性部の表面に保持する。
そして、現像ローラ91bは、感光体ドラム10bに対向する領域としての当接部分NCにおいて、感光体ドラム10bに液体現像剤を供給する。
【0043】
供給ローラ92bは、現像剤汲み上げ部を構成する。
供給ローラ92bは、現像ローラ91bに当接して対向配置される。供給ローラ92bは、現像ローラ91bにおける垂直方向下側に配置される。また、供給ローラ92bは、回転軸が現像ローラ91bの回転軸に対して水平方向にずれるように配置される。また、供給ローラ92bは、現像ローラ91bと、汲み上げローラ93bとの間に配置される。
【0044】
供給ローラ92bは、液体現像剤を現像ローラ91bに供給するローラ部材である。
供給ローラ92bは、いわゆるアニロックスローラと呼ばれる部材としての役割を有しており、表面に螺旋溝が形成されている。供給ローラ92bは、螺旋溝には液体現像剤が流れ込むことで、表面に液体現像剤を保持可能に構成される。ここで、供給ローラ92b上(表面)に保持された液体現像剤は、供給ローラ92bの回転に伴って軸方向における一端側(図3において紙面手前側)から他端側(図3において紙面奥側)に搬送される。
【0045】
供給ローラ92bの近傍には、先端が供給ローラ92bの表面に当接するように供給ローラブレード部材921bが配置される。供給ローラブレード部材921bは、供給ローラ92b上の液体現像剤における層の厚さを規制する。
【0046】
供給ローラ92bは、図3において矢印方向(時計回り)に回転される。つまり、現像ローラ91bと供給ローラ92bとが当接するニップ部NAでは、現像ローラ91bの表面は、供給ローラ92bの表面と逆方向に移動する。これにより、供給ローラ92bの表面に保持された液体現像剤が現像ローラ91bの表面に受け渡される。
【0047】
汲み上げローラ93bは、その下部が現像容器95bに貯留される液体現像剤GBに浸漬される状態で配置される。汲み上げローラ93bは、供給ローラ92bに当接して対向配置される。汲み上げローラ93bは、軸方向において、供給ローラ92bよりも短い部材である。汲み上げローラ93bは、軸方向における一端側(図3において手前側)に配置される。汲み上げローラ93bは、供給ローラ92bにおける垂直方向下側に配置される。また、汲み上げローラ93bは、回転軸が供給ローラ92bの回転軸に対して水平方向にずれるように配置される。
【0048】
汲み上げローラ93bは、図3において矢印方向(反時計回り)に回転される。つまり、供給ローラ92bと汲み上げローラ93bとが当接するニップ部NBでは、供給ローラ92bの表面は、汲み上げローラ93bの表面と同方向に移動する。これにより、ニップ部NBに貯留された液体現像剤は、供給ローラ92bに供給されやすくなる(供給ローラ92bの表面に現像剤膜を形成しやくなる)。
【0049】
汲み上げローラ93bは、供給ローラ92bと当接するニップ部NBの近傍で液体現像剤を支持可能である。汲み上げローラ93bは、回転軸が供給ローラ92bの回転軸に対して水平方向にずれるように配置されることで、ニップ部NB近傍に液体現像剤が貯留しやすくさせる。
【0050】
現像剤供給装置94bは、濃度調整された液体現像剤を現像容器95bに供給するための装置である。
現像剤供給装置94bは、供給ローラ92bの軸方向に等間隔に配置された複数の現像剤供給ノズル941bと、後述するポンプP4bとを有する。
【0051】
現像剤供給ノズル941bは、液体現像剤循環装置LYのリザーブタンク87bに流路R7bを介して接続され、リザーブタンク87bから液体現像剤の供給を受ける(図2参照)。現像剤供給ノズル941bは、現像容器95bに液体現像剤を供給する。現像剤供給ノズル941bにより供給される液体現像剤の量は、ポンプP4bにより調整される。ポンプP4bは、後述する供給制御部530により制御される。
【0052】
現像剤供給装置94bから供給される液体現像剤は、現像容器95bの貯留部951bに貯留される。現像容器95bの貯留部951bに貯留された液体現像剤は、汲み上げローラ93bにより汲み上げられ、供給ローラ92bの表面(螺旋溝)へ転位される。
【0053】
また、現像ローラ91bと供給ローラ92bとが当接するニップ部NAでは、現像ローラ91bの表面は、供給ローラ92bの表面と逆方向に移動する。これにより、供給ローラ92bの表面に転位されて保持された液体現像剤(現像剤膜)は、現像ローラ91bの表面に受け渡される。ここで、供給ローラブレード部材921bにより供給ローラ92bの現像剤膜の膜厚が所定範囲に規制されるので、現像ローラ91bの表面に形成される現像剤膜の膜厚も所定範囲に保たれる。
【0054】
現像容器95bは、汲み上げローラ93bと、供給ローラ92bと、現像剤供給装置94bと、現像ローラ91bと、現像ローラクリーニング装置96bと、帯電装置97bと、供給ローラブレード部材921bとを支持しており、内部に液体現像剤を収容可能な貯留部951bを有する容器である。
現像容器95bは、現像剤供給装置94bにより供給された液体現像剤を収容する。具体的には、現像容器95bにおける貯留部951bは、現像剤供給装置94bにより供給された液体現像剤を収容する。
現像容器95bの貯留部951の側面には、後述する貯留現像剤送液部99bを構成する開口部991bが形成される。
【0055】
貯留現像剤送液部99bは、現像容器95bの貯留部951bにおける所定位置に配置される開口部991bと、開口部991bと現像ローラ91bの領域AR1近傍に配置される供給口992bとをつなぐように配置される送液路としての送液管993b(流路R2)と、開口部991bから液体現像剤を吸引すると共に、吸引された液体現像剤を供給口992bに送液するポンプP20bと、を備える。
【0056】
開口部991bは、上述の通り、現像容器95bの貯留部951bにおける側面に形成される。開口部991bは、貯留部951bにおける底面から所定高さ位置に形成される。
開口部991bにおける底面からの高さは、貯留部951bに収容される液体現像剤の収容量が汲み上げローラ93bにおける汲み上げ性が好適に保たれる量となる位置に形成される。つまり、開口部991bは、汲み上げローラ93bにおける汲み上げ性が好適に保たれる量が収容された場合における液体現像剤の液面に対応する位置に形成される。
開口部991bは、貯留部951bに収容される液体現像剤の量を所定量(液面を所定位置)に維持ことを可能とする。
【0057】
送液管993bは、開口部991bと現像ローラ91bの領域AR1近傍に配置される供給口992bとをつなぐように配置される。送液管993bは、現像容器95bの貯留部951bに貯留される液体現像剤を開口部991bから供給口992bに送液する。
供給口992bは、現像ローラ91bの表面であって当接部分NC(対向する領域)と現像ローラクリーニング装置96bの現像剤回収ローラ963bが当接する領域との間に位置する領域AR1に対向して配置される。
つまり、送液管993bは、現像容器95bの貯留部951bに貯留される液体現像剤を現像ローラ91bの表面であって当接部分NC(対向する領域)と現像ローラクリーニング装置96bの現像剤回収ローラ963bが当接する領域との間に位置する領域AR1に供給(送液)する。
送液管993bは、送液部としてのポンプP20bと接続される。
【0058】
ポンプP20bは、送液管993bに接続される。ポンプP20bは、送液管993bを介して、現像容器95bの貯留部951bに貯留される液体現像剤を開口部991bから供給口992bに送液させる。ポンプP20bは、開口部991bから液体現像剤を吸引すると共に、吸引された液体現像剤を供給口992bに送液する。言い換えると、ポンプP20bは、開口部991bから液体現像剤を吸引すると共に、吸引された液体現像剤を供給口992bを介して領域AR1に供給する。
ポンプP20bは、後述する送液制御部520により制御される。
【0059】
現像ローラクリーニング装置96bは、現像剤回収ローラ963bと、回収ローラ掻き取りブレード964bと、掻き取りブレード961bと、現像剤回収部962bと、排出部材965bとを備える。現像ローラクリーニング装置96bは、現像容器95bに支持されて配置される。
【0060】
現像ローラクリーニング装置96b(現像剤回収ローラ963b、掻き取りブレード961b)は、現像ローラ91bの表面であって現像ローラ91の回転方向(矢印方向)において当接部分NCより下流の位置に当接して配置される。
現像ローラクリーニング装置96bは、感光体ドラム10bに供給されずに現像ローラ91bの表面に残留した液体現像剤を除去(クリーニング)する装置である。
【0061】
現像剤回収ローラ963bは、現像ローラ91bに当接して対向配置される。現像剤回収ローラ963bは、現像ローラ91bの表面であって現像ローラ91の回転方向(矢印方向)において当接部分NCより下流の位置に当接して配置される。現像剤回収ローラ963bは、現像ローラ91bに残存した液体現像剤を回収する部材である。現像剤回収ローラ963bは、当接部分NCにおいて現像ローラ91bに移行されず現像ローラ91bに残存した液体現像剤を回収する部材である。
回収ローラ掻き取りブレード964bは、現像剤回収ローラ963bに付着した液体現像剤を掻き取る部材であって、先端が現像剤回収ローラ963bに接触して配置される。
【0062】
掻き取りブレード961bは、現像剤回収ローラ963bに対して現像ローラ91bにおける回転方向下流側の所定位置に対向配置される板状の部材である。掻き取りブレード961bは、現像ローラ91bの表面であって現像ローラ91の回転方向(矢印方向)において当接部分NCより下流の位置に当接して配置される。掻き取りブレード961bは、先端が現像ローラ91bに接触するように配置される。掻き取りブレード961bは、現像ローラ91b上(表面)の液体現像剤を掻き取るための部材である。掻き取りブレード961bは、当接部分NCにおいて現像ローラ91bに移行されず現像ローラ91bに残存した液体現像剤であって、現像剤回収ローラ963bで回収されなかった液体現像剤を掻き取るための部材である。
【0063】
現像剤回収部962bは、掻き取りブレード961bにより掻き取られた液体現像剤を回収する内部空間を有する。現像剤回収部962bにおける内部空間は、流路R1b(図2参照)により第2回収容器83bと接続される。
【0064】
排出部材965bは、現像剤回収部962bに回収された液体現像剤を第2回収容器83bに接続された流路R1b側に搬送するスクリュー状の部材である(図2参照)。
【0065】
帯電装置97bは、現像ローラ91bの近傍に配置される。帯電装置97bは、現像ローラ91bに対向して配置される。帯電装置97bは、現像ローラ91bの回転方向において、現像ローラ91bと感光体ドラム10bとの当接部分NCよりも上流側であって、現像ローラ91bと供給ローラ9b2とのニップ部NA分より下流側の部分に対向して配置される。帯電装置97bは、現像ローラ91bの回転方向において、ニップ部NAと当接部分NCとの間に現像ローラ91bと対向して配置される。
【0066】
帯電装置97bは、現像ローラ91b上(表面)に形成された現像剤膜を構成する液体現像剤に電荷を付与(電圧を印可)する。帯電装置97bは、例えば、コロナ放電により、現像剤膜を構成する液体現像剤に電荷を付与する。帯電装置97bは、現像装置9bにおける現像効率を向上させることが可能である。
【0067】
CPU500は、印字率算出部510と、貯留現像剤送液制御部としての送液制御部520と、供給制御部530と、画像形成許可部540とを含む。
【0068】
印字率算出部510は、入力受付部400により受け付けられた画像データに含まれる画像情報に基づいて、印字率を算出する。印字率とは、単位面積あたりのトナー画像(当然に文字等に限定されない)の面積である。言い換えると、印字率は、単位面積当たりのトナー画像の占有率である。
印字率算出部510により算出された印字率に関する情報は、後述する供給制御部530に出力される。
【0069】
送液制御部520は、ポンプP20bを制御する。送液制御部520は、連続的又は間欠的に動作させるようポンプP20bを制御する。
送液制御部520は、送液量を調整するようポンプP20bを制御する。送液制御部520は、P4bにおける供給量(送液量)の変化に応じて、送液量を調整するようポンプP20bを制御する。詳細には、送液制御部520は、ポンプP4bにおける供給量が変更された場合、後述する送液量記憶部620に記憶されるポンプP4bの供給量に応じた送液量に変更させるようポンプP20bを制御する。具体的には、送液制御部520は、ポンプP4bにおける供給量が後述する第3供給量(印字率が所定値未満の場合)に変更された場合、送液量を多くする(例えば、第1送液量→第1送液量よりも多い第2送液量に変更する)ようポンプP20bを制御する。
【0070】
供給制御部530は、ポンプP4bを制御する。供給制御部530は、画像形成制御部410により感光体ドラム10bにトナー画像を形成させるよう画像形成部2が制御された場合、液体現像剤の供給量を第1供給量から第1供給量よりも多い第2供給量に変更するようポンプP4bを制御する。詳細には、供給制御部530は、画像形成制御部410により感光体ドラム10bにトナー画像を形成させるよう画像形成部2が制御された場合、後述する供給量記憶部610を参照して、液体現像剤の供給量を変更する(第1供給量から第2供給量に変更する)。また、供給制御部530は、画像形成部2が動作状態になる場合、現像容器95bに供給する液体現像剤の供給量を画像形成部2が非動作状態における供給量よりも多くなるようポンプP4bを制御する。
【0071】
また、供給制御部530は、印字率算出部510により算出された印字率が所定値(例えば、5%)未満である場合、液体現像剤の供給量を第1供給量又は第2供給量から第2供給量よりも多い第3供給量に変更するようポンプP4bを制御する。
供給制御部530は、印字率算出部510により算出された印字率が低いほど供給量が多くなるようポンプP4bを制御する。
【0072】
ここで、供給制御部530によりポンプP4bの送液量が第3供給量に変更された場合、送液制御部520は、送液量が多くなるようポンプP20bを制御する。つまり、印字率が低く、現像ローラ91bに残留する残留現像剤のトナー濃度や粘度が上昇する場合において、供給制御部530及び送液制御部520は、協働して、領域AR1に供給される液体現像剤の量を増加させるようポンプP4b及びP20bを制御する。
【0073】
画像形成許可部540は、供給制御部530により供給量が第1供給量から第2供給量に変更されてから所定時間経過後、画像形成制御部410に対して、画像データに基づいて感光体ドラム10bに所定のトナー画像を形成するよう画像形成部2を制御することを許可する。
【0074】
メモリ600は、供給量記憶部610と、送液量記憶部620とを含む。
供給量記憶部610は、画像形成部2が非画像形成状態におけるポンプP4bの送液量(第1供給量)と、画像形成部2が画像形成動作状態であって印字率が所定値以上におけるポンプP4bの送液量(第2供給量)と、画像形成部2が動作状態であって印字率が所定値未満におけるポンプP4bの送液量(第3供給量)とを記憶する。
【0075】
送液量記憶部620は、ポンプP4bの供給量に対応するポンプP20bの送液量を記憶する。送液量記憶部620は、ポンプP4bの供給量が第1供給量及び第2供給量の場合における送液量(第1送液量)と、ポンプP4bの供給量が第3供給量の場合における送液量(第2送液量)とを記憶する。
【0076】
続けて、液体現像剤循環装置LYについて説明する。ここで、液体現像剤循環装置LYについて詳細に説明し、同様の構成である他の液体現像剤循環装置LB、LM、LCについては説明を省略する。
【0077】
図2に示すように、液体現像剤循環装置LYは、第1回収容器81bと、分離抽出装置82と、第2回収容器83bと、調整容器84bと、トナータンクTYと、キャリアタンクCYと、リザーブタンク87bとを備える。液体現像剤循環装置LYは、画像形成に使用されなかった液体現像剤を再び利用するための装置である。
【0078】
第1回収容器81bは、感光体ドラム10b上(表面)に残留した液体現像剤を回収するための容器である。
【0079】
分離抽出装置82は、第1回収容器81bの液体現像剤をトナーとキャリア液とに分離するための装置である。分離抽出装置82は、流路R8bを介して第1回収容器81bと接続される。流路R8bには、ポンプP6bが設けられる。第1回収容器81b内の液体現像剤は、流路R8bにより分離抽出装置82に送られる。
【0080】
また、分離抽出装置82は、流路R9bを介してキャリアタンクCYと接続される。流路R9bには、ポンプP7bが設けられる。分離抽出装置82において分離・抽出されたキャリア液は、流路R9bによりキャリアタンクCYに送られる。
【0081】
第2回収容器83bは、現像装置9bにおいて画像形成に使用されずに残留した液体現像剤を回収する容器である。第2回収容器83bは、流路R1bを介して、現像装置9bの現像ローラクリーニング装置96bと接続される。
【0082】
流路R1bは、現像ローラクリーニング装置96bと第2回収容器83bとをつなぐように形成される。流路R1bは、現像ローラクリーニング装置96bで回収された液体現像剤を第2回収容器83bに向けて送る。
ここで、上述の通り、貯留現像剤送液部99bは、現像容器95bの貯留部951に貯留される液体現像剤を領域AR1に供給する。
つまり、流路R1bは、現像ローラ91bにおける残留現像剤及び貯留現像剤送液部99bにより供給された液体現像剤であって現像ローラクリーニング装置96bで除去(回収)された液体現像剤を第2回収容器83bに向けて送る。
【0083】
調整容器84bは、液体現像剤のトナー濃度を所定値に調整するための容器である。調整容器84bは、流路R3bを介して第2回収容器83bと接続される。流路R3bには、ポンプP1bが設けられる。第2回収容器83b内の液体現像剤は、流路R3bにより調整容器84bに送られる。
【0084】
トナータンクTYは、現像装置9bで用いられる液体現像剤よりトナー濃度が高い液体現像剤を収容する。このトナー濃度の高い液体現像剤は、調整容器84b内のトナー濃度を上げるために用いられる。トナータンクTYは、流路R5bを介して調整容器84bと接続される。流路R5bには、ポンプP5bが設けられる。トナータンクTYに収容されるトナー濃度が高い液体現像剤は、流路R5bにより調整容器84bへ送られる。
【0085】
キャリアタンクCYは、キャリア液を収容する。キャリア液は、調整容器84b内のトナー濃度を下げるために用いられる。また、キャリアタンクCYは、流路R4bを介して調整容器84bと接続される。流路R4bには、ポンプP2bが設けられる。キャリア液は、流路R4bにより調整容器84bへ送られる。なお、キャリアタンクCYと同様のキャリアタンクが他の液体現像剤循環装置LM、LC、LB(図1参照)にも、それぞれ設けられている。これらのキャリアタンクは、各色共通のメインキャリアタンクMT(図1参照)からキャリア液の供給を受ける。
【0086】
リザーブタンク87bは、現像装置9bに補給される液体現像剤を収容する。
リザーブタンク87bは、流路R6bを介して調整容器84bと接続される。流路R6bには、ポンプP3bが設けられる。調整容器84bに収容される液体現像剤は、流路R6bによりリザーブタンク87bへ送られる。
【0087】
また、リザーブタンク87bは、流路R10bを介してトナータンクTYと接続される。流路R10bには、ポンプP8bが設けられる。トナータンクTYに収容されるトナー濃度が高い液体現像剤は、流路R10bによりリザーブタンク87bへ送られる。流路R10bからトナー濃度が高い液体現像剤が供給されることで、リザーブタンク87bに収容される液体現像剤のトナー濃度を短時間で高くすることができる。
【0088】
また、リザーブタンク87bは、流路R11bを介してキャリアタンクCYと接続される。流路R11bには、ポンプP9bが設けられる。キャリアタンクCYに収容されるキャリア液は、流路R11bによりリザーブタンク87bへ送られる。流路R11bからキャリア液が供給されることで、リザーブタンク87bに収容される液体現像剤のトナー濃度を短時間で低くすることができる。
【0089】
また、リザーブタンク87bは、流路R7bを介して現像剤供給ノズル941bと接続される。流路R7bには、ポンプP4bが設けられる。リザーブタンク87bに収容された液体現像剤は、流路R7bにより現像剤供給ノズル941bに送られる。そして、現像剤供給ノズル941bに送られた液体現像剤は、現像容器95bの貯留部951bに向けて供給される。
現像容器95bの貯留部951bには、液体現像剤が貯留される。現像容器95bの貯留部951bには、貯留量が一定に保たれた状態で液体現像剤が貯留される。
【0090】
続けて、カラープリンタ1の動作について説明する。
まず、図1を参照しながら、カラープリンタ1の画像形成動作について説明する。
カラープリンタ1は、該カラープリンタ1に接続されたPC(不図示)から入力受付部400(図3参照)を介して画像形成指示を含む画像データを受け付ける。
カラープリンタ1は、画像形成許可部540(図3参照)から画像形成開始の許可を受け、画像形成部2に画像形成を開始させる。カラープリンタ1は、画像データに含まれる画像情報に基づいて画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを用いて各色のトナー画像を形成する。
【0091】
具体的には、カラープリンタ1において、画像形成許可部540から画像形成開始の許可を受けた画像形成制御部410(図3参照)は、画像データに含まれる画像情報に基づいて、各種動作部を制御して、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に静電潜像を形成させる。そして、カラープリンタ1は、現像装置9a、9b、9c、9dそれぞれを各静電潜像に各種トナーを供給するよう動作させ、感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に各色トナー画像を形成させる。
【0092】
カラープリンタ1は、画像形成ユニットFY,FM、FC、FBで形成された各色トナー画像(感光体ドラム10a、10b、10c、10dそれぞれの表面に形成された各色トナー画像)を、中間転写ベルト21に互いに重ね合わせながら転写させる。これにより、中間転写ベルト21上には、カラートナー画像が形成される。
【0093】
カラープリンタ1は、カラートナー画像の形成と同期して、用紙収納部3の給紙カセット31に収容されている用紙Tを給紙ローラ32によって給紙カセット31から取り出すと共に、分離ローラ対33によって一枚ずつ用紙搬送部6に送出させる。
用紙搬送部6の搬送ローラ対74は、用紙Tをレジストローラ対75まで送る。
レジストローラ対75は、用紙Tの搬送姿勢を補正すると共に、用紙Tの搬送を一旦停止させる。
そして、レジストローラ対75は、中間転写ベルト21への一次転写とタイミングを合わせて用紙Tを二次転写部4へ送る。
【0094】
二次転写部4は、中間転写ベルト21上のカラートナー画像を用紙Tに二次転写する。カラートナー画像が二次転写された用紙Tは、用紙搬送部6により定着部5に搬送される。
定着部5は、カラートナー画像が転写された用紙Tを加圧状態で加熱することで、カラートナー画像を用紙Tに定着させる。
【0095】
用紙搬送部6は、カラートナー画像が定着された用紙Tを排紙部7に搬送する。そして、排紙部7は、排出ローラ対71によってカラープリンタ1の上面部に形成された排出トレイ72にカラートナー画像が形成(定着)された用紙Tを排紙する。
【0096】
次いで、図3及び図4を参照しながら、現像装置9bの動作を説明する。
図4は、現像装置9bの動作を説明するフロー図である。
まず、ST101において、入力受付部400は、外部機器から画像データの入力を受け付ける。これにより、画像形成制御部410は、入力受付部400が画像データを受け付けたことに応じて、感光体ドラム10bの表面に静電潜像を形成させるよう画像形成部2を制御する。ここで、画像形成部2が画像形成動作をしていない状態におけるポンプP4bの供給量は、第1供給量である。また、この状態におけるポンプP20bの送液量は、第1送液量である。
【0097】
次いで、ステップST102において、印字率算出部510は、画像データに含まれる画像情報に基づいて、印字率を算出する。印字率算出部510は、算出した印字率の情報を供給制御部530に出力する。
【0098】
続けて、ステップST103において、供給制御部530は、供給量記憶部610に記憶される印字率に関するデータを参照し、印字率算出部510により算出された印字率が所定値未満であるか否かを判定する。印字率が所定値以上(NO)の場合、処理は、ステップST104に進む。また、印字率が所定値未満の場合(YES)、処理は、ステップST105に進む。
【0099】
続けて、ステップST104において、供給制御部530は、液体現像剤の供給量を第1供給量から第1供給量よりも多い第2供給量に変更するようポンプP4bを制御する。そして、処理は、ステップST107に進む。
【0100】
また、ステップST105において、供給制御部530は、液体現像剤の供給量を第1供給量から第2供給量よりも多い第3供給量に変更するようポンプP4bを制御する。そして、処理は、ステップST106に進む。
【0101】
上述の通り、供給制御部530は、画像形成部2が画像形成動作を開始した場合、第1供給量から第2供給量又は第3供給量へと供給量を増加させるようポンプP4bを制御する。
【0102】
続けて、ステップST106において、送液制御部520は、送液量を増やすようポンプP20bを制御する。これにより、供給量が第3供給量に増加すると共に、送液量が増加するので、現像ローラ91bの領域AR1に供給される液体現像剤の供給量は、増加される。
【0103】
続けて、ステップST107において、供給制御部530は、画像形成制御部410に対して、画像形成部2が動作中であるか否かを確認する。
画像形成部2が動作中であることが確認された場合(画像形成動作が継続する場合)、処理は、ステップST103の前に戻る。また、画像形成部2が動作中ではないことが確認された場合(画像形成動作が継続しない)、処理は、ステップST108に進む。
【0104】
続けて、ステップST108において、供給制御部530は、供給量を第1供給量に戻すようポンプP4bを制御する。また、送液制御部520は、送液量を元に戻すようポンプP20bを制御する。その後、処理は、終了する。
【0105】
本実施形態によれば、現像装置は、現像容器の貯留部に貯留された液体現像剤を一定量に維持すると共に、感光体ドラムに供給されず現像ローラに残留した液体現像剤の除去性を向上させることが可能である。これにより、現像装置は、トナー画像の品質を向上させることができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、現像装置は、液量検知センサ等を必要とすることなく、現像容器の貯留部に貯留された液体現像剤の量を一定に保つことが可能である。
【0107】
また、本実施形態によれば、現像装置は、現像容器の貯留部に貯留された液体現像剤のトナー濃度を一定に保つことができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、現像装置は、現像容器の貯留部に貯留された液体現像剤において、長時間貯留させることにより生じるトナー粒子沈降の発生を抑制できる。
【0109】
また、本実施形態によれば、現像装置は、現像ローラクリーニング装置により除去される残留液体現像剤のトナー濃度や粘度を低減可能である。これにより、現像装置は、現像ローラクリーニング装置における残留現像剤の除去性を向上させることが可能である。
【0110】
また、本実施形態によれば、上述の作用効果を奏する現像装置を備える画像形成装置が提供される。
【0111】
本実施形態において、画像形成装置としてカラープリンタ1を例に挙げて説明をしているが、これ限定されず、画像形成装置は、例えば、カラーコピー機、モノクロコピー機、モノクロプリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
また、シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1……カラープリンタ(画像形成装置)、9a、9b、9c、9d……現像装置、10a、10b、10c、10d……感光体ドラム(像担持体)、91a、91b、91c、91d……現像ローラ、92a、92b、92c、92d……供給ローラ、93a、93b、93c、93d……汲み上げローラ、94a、94b、94c、94d……現像剤供給装置、95a、95b、95c、95d……現像容器、96a、96b、96c、96d……現像ローラクリーニング装置、99a、99b、99c、99d……貯留現像剤送液部、400……入力受付部、410……画像形成制御部、500……CPU、510……印字率算出部、520……送液制御部、530……供給制御部、540……画像形成許可部、600……メモリ、610……供給量記憶部、620……送液量記憶部、951a、951b、951c、951d……貯留部、991a、991b、991c、991d……開口部、992a、992b、992c、992d……供給口、993a、993b、993c、993d……送液管、AR1……領域、NC……当接部分、P4a、P4b、P4c、P4d……ポンプ、P20a、P20b、P20c、P20d……ポンプ、LB、LY、LM、LC……液体現像剤循環装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に液体現像剤を供給する現像装置であって、
液体現像剤を供給する現像剤供給部と、
前記現像剤供給部により供給された液体現像剤を貯留する現像剤貯留部と、
前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を汲み上げる現像剤汲み上げ部と、
回転軸を中心に回転可能に前記像担持体に対向配置され、前記現像剤汲み上げ部により前記汲み上げられた液体現像剤が供給されると共に、前記像担持体に対向する領域において前記像担持体に液体現像剤を供給する現像ローラと、
前記現像ローラの表面であって前記現像ローラの回転方向において前記対向する領域より下流の所定位置に当接して配置され、前記現像ローラの表面に残留した液体現像剤を除去する現像剤除去部と、
前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を前記現像ローラの表面であって前記対向する領域と前記現像剤除去部が当接する所定位置との間に位置する所定領域に送液する貯留現像剤送液部と、を備える
現像装置。
【請求項2】
前記貯留現像剤送液部は、
前記現像剤貯留部に貯留された液体現像剤の貯留量が所定量で維持されるよう液体現像剤を送液する
請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記貯留現像剤送液部は、
前記現像剤貯留部における所定位置に配置される開口部と、
前記開口部と前記所定領域近傍に配置される供給口とをつなぐように配置される送液路と、
前記開口部から液体現像剤を吸引すると共に、吸引した液体現像剤を前記供給口に送液するポンプ部と、を備える
請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の現像装置と、表面にトナー画像を担持可能な像担持体とを有する画像形成部と、
前記画像形成部に対し前記像担持体に所定のトナー画像を形成させる指示である画像形成指示、及び前記トナー画像に関する画像情報を含む画像データの入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部により前記画像データが受け付けられた場合、前記像担持体にトナー画像を形成させるよう前記画像形成部を制御する画像形成制御部と、を備える
画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成制御部により前記像担持体にトナー画像を形成させるよう前記画像形成部が制御された場合、液体現像剤の供給量を第1供給量から前記第1供給量よりも多い第2供給量に変更するよう前記現像剤供給部を制御する供給制御部と、を備える
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記入力受付部により受け付けられた画像データに含まれる画像情報に基づいて、印字率を算出する印字率算出部と、を備え、
前記供給制御部は、
前記印字率算出部により算出された印字率が所定値(5%)未満である場合、前記液体現像剤の供給量を前記第1供給量又は前記第2供給量から前記第2供給量よりも多い第3供給量に変更するよう前記現像剤供給部を制御する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤供給部における供給量が前記第3供給量に変更された場合、送液量を多くするよう前記貯留現像剤送液部を制御する貯留現像剤送液制御部と、を備える
請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−175196(P2011−175196A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40867(P2010−40867)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】