説明

球状の半導体材の製造方法及び球状半導体型太陽電池モジュール

【課題】体積の均一な球状の半導体材料を提供する。
【解決手段】板状の半導体材を分割し複数の半導体分割片を形成する第一の工程と、半導体分割片のそれぞれを、複数の装填部を有する基材の各装填部内に装填する第二の工程と、装填部内に装填された半導体分割片を加熱して、装填部内で融解した後に、融解された溶融体を冷却して固化する第三の工程と、を有している製造方法とした。これによって、板状の半導体材を分割し、半導体分割片にする事により、それぞれの半導体分割片の体積のバラツキを抑える事ができ、粉体を用いる場合と比較して、融解、固化され得られた球状の半導体材の体積を均一にできる。この事により、光−電気変換性能を一定にする事ができ、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造方法に係わり、特に、体積の均一な球状の半導体材の製造方法及び球状の半導体材に不純物をドープした球状半導体を光起電力素子として用いた球状半導体型太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石資源の枯渇、環境の悪化、各国のエネルギー不足などの深刻な諸問題が叫ばれる中、太陽電池が、化石エネルギーに代わるエネルギー生成手段として、重要視されてきた。その太陽電池は、素材の種類やその形態・構造で幾つかに分類でき、その内最も利用されているのが、結晶系シリコンで、世界総生産量の約90%と高い比率を占めている。しかしながら、その結晶系シリコンは、引き上げ法による単結晶インゴットをカッティングして使用する事から、製造効率が悪いばかりでなく、半分以下の原料使用率と言う問題があった。そこで、結晶系シリコンを使用する既存の技術に代えて、直径1mm程度の球状半導体結晶を育成し、その表面に回路を作製する事により、次世代太陽電池を製造する事が検討されてきている。その球状半導結晶を使用する利点は、設備投資が小規模,カッティングによる切削粉を無くせる,球状形状を利用した高効率化がはかれる,等が挙げられる。
【0003】
球状半導体結晶の次世代太陽電池は、その球状の半導体結晶を製造するところが最も重要な技術である。一般的な従来技術として、特許文献1では、落下方式による球状シリコン単結晶の製造方法及び装置が提案されている。図13は、落下方式による球状シリコン単結晶製造装置800の概略を示した構成図であり、図13に示すように、先ず、シリコン821を窒化ホウ素坩堝802内で、RFコイル803によって加熱し溶融する。次に、溶融したシリコン821を容器上方に設けられたガス供給口809からArガスなどの不活性ガスを供給して、液滴810を容器の下部に設けられたノズル801から噴射させる。噴射された液滴810は凝固しながら、表面張力で球状となり、結晶性の良い球状シリコンが得られる。その結果、1段階で球状シリコン単結晶を得る事ができるため、設備を縮小化する事ができるとともに、凝固時間を短縮する事により、生産性の向上が図れるとしている。
【0004】
また、従来技術として、特許文献2では、特許文献1の落下方式の問題点を解決するための方法が提案されている。図14は、粉末原料を用いた多重ルツボ法による球状結晶の製造の流れを示した図である。先ず、図14(a)に示すように、多数の窪みのあるカーボン製のルツボ905へ粉末原料901を入る。次いで、図14(b)に示すように、真空若しくは不活性ガス雰囲気中で加熱する事により、その粉末原料901を融解させ、ルツボ905の内壁面915に離型層等があり溌液状にしていると、融液906は表面張力により球状になる。最後に、図14(c)に示すように、冷却して固化・結晶化する事で球状結晶907が得られる。その結果、落下方式と比較して、単結晶を得られる比率が高く、しかも、球状の結晶を収率良く得られるようにまる。また、単純なプロセスであるために、簡易な構造で付属設備が少ない安価な量産化装置により、安価に製造する事ができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−99577号公報
【特許文献2】特開2008−143754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような落下方式では、液滴を噴射し固化させるため、液滴の体積(重さ)を均一に制御する事が難しく、しかも、噴射方向に歪んだ球状結晶が多く得られてしまう。その結果、球状半導体型太陽電池モジュールに用いた場合、組立工程での工程不良や、外観不良をおこすため、選別を行なわなければいけなく、或いは、より球状にするための研磨工程が必ず必要になってしまうと言う課題があった。
【0007】
また、特許文献2のような多重ルツボ法では、歪んだ球状結晶の発生率をある程度低減させられるが、粉末原料をルツボに入れた時のかさ密度の制御が難しく、球状結晶の体積(重さ)を均一に制御する事ができないと言う課題があった。また、かさ密度の制御のために、粒径が10μm〜300μm程度の粉体を選定して使用しており、製造上の制限があると言う課題もあった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するもので、体積の均一な球状の半導体材の製造方法を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明の球状の半導体材の製造方法は、板状の半導体材を分割し複数の半導体分割片を形成する第一の工程と、前記半導体分割片のそれぞれを、複数の装填部を有する基材の前記各装填部内に装填する第二の工程と、前記装填部内に装填された前記半導体分割片を加熱して、前記装填部内で融解した後に、融解された溶融体を冷却して固化する第三の工程と、を有する事を特徴としている。
【0010】
これによれば、本発明の球状の半導体材の製造方法は、板状の半導体材を分割し、半導体分割片にする事により、それぞれの半導体分割片の体積のバラツキを抑える事ができ、粉体を用いる場合と比較して、融解、固化され得られた球状の半導体材の体積を均一にできる。この事により、光−電気変換性能を一定にする事ができ、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減できる。
【0011】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記第一の工程であって、レーザ光を走査して前記板状の半導体材の内部に変質部を形成するレーザ走査工程と、前記変質部が形成された前記板状の半導体材に外部応力を加える事により、前記板状の半導体材の表面に前記変質部にそった亀裂を成長させて分割する分割工程と、を有することを特徴としている。
【0012】
これによれば、分割方法を板状の半導体材の内部に変質部を形成し分割する事により、通常のダイシングと比較して、切りしろが1μm以下(通常のダイシングは100μm〜300μm程度)と少ないため、それぞれの半導体分割片の体積のバラツキを抑える事ができ、融解、固化され得られた球状の半導体材の体積を均一にできる。この事により、光−電気変換性能を一定にする事ができ、更に、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減できる。
【0013】
また、水を使わない分割方法と、切削粉が出ないのでその後の洗浄も要らない事により、水が起因となる酸化膜が切断面に形成されなくなる。そのため、酸化膜を原因とする、融解阻害や結晶欠陥の増加を抑える事ができ、融解、固化され得られた球状の半導体材の形状を均一にでき、結晶性も安定させる事ができる。
【0014】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記第一の工程であって、前記レーザ光の走査が、第一の間隔で、第一の方向にそって照射する工程と、第二の間隔で、前記第一の方向
と交差する第二の方向にそって照射する工程と、を有することを特徴としている。
【0015】
これによれば、一定の間隔で2方向に走査するので、レーザ光の走査が容易だけでなく、得られる半導体分割片のそれぞれが同じ形状になるので、融解、固化され得られた球状の半導体材の体積を均一にできる。この事により、光−電気変換性能を一定にする事ができ、更に、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減できる。
【0016】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記第一の工程であって、前記レーザ走査工程の前に前記板状の半導体材を延伸可能な担持フィルムに貼り付ける工程を有し、前記分割工程は、前記半導体分割片が前記第一の方向に第一の繰り返し距離となり、前記第二の方向に第二の繰り返し距離となるように前記担持フィルムを延伸させる工程であることを特徴としている。
【0017】
これによれば、担持フィルムを延伸する事によって、外部応力を板状の半導体材にかけられ、一定間隔で担持された半導体分割片に分割できるので、工程が簡単になる。また、板状の半導体材に圧縮方向の応力が加わらないので、隣接する半導体分割片どうしが擦れる事なく、分割時のチッピングを抑える事ができる。
【0018】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記基材には、延伸された前記担持フィルムと前記基材とが対向するよう重ね合わせた場合に、前記複数の半導体分割片の配置と一致するように前記複数の装填部が配置されており、前記第二の工程であって、前記担持フィルムに担持された前記複数の半導体分割片と前記基材とを、前記複数の半導体分割片と前記複数の装填部とが対向するよう重ね合わせた後、前記担持フィルムから前記複数の半導体分割片を剥離させることにより、前記半導体分割片のそれぞれを、前記基材の前記複数の各装填部内に装填する工程を有することを特徴としている。
【0019】
これによれば、複数の装填部のが、半導体分割片の間隔と同じ間隔で配置されているので、延伸された担持フィルムと基材とが対向するよう重ね合わせて、複数の装填部のそれぞれに複数の半導体分割片のそれぞれを装填する事ができる。この事により、半導体分割片を一括でしかも複数の装填部のそれぞれに確実に装填する事ができる。そのため、製造工程が短くなると共に、簡易な構造で付帯設備が少ない製造装置での製造が可能になる。また、半導体分割片を一括で装填するので、一つずつ装填する場合と比較して、ピックアップ不良等が起こらず、半導体分割片を確実に複数の装填部に装填できる。
【0020】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記装填部には、前記半導体分割片のそれぞれが、前記融解時にそれぞれが分離した前記溶融体となるよう前記溶融体を保持する凹部を有することを特徴としている。
【0021】
これによれば、半導体分割片が確実に収まるように、装填部の形状を形作っているので、他の半導体分割片と融合したり、他の半導体分割片の一部が隣接する装填部に流れ込んだりしない。この事により、分割された半導体分割片のそれぞれが、確実に、融解、固化されるので、体積が均一な球状の半導体材を得る事ができる。
【0022】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記凹部の内面に、前記溶融体に対して溌液性を示す離型部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
これによれば、装填部の中で融解、固化させるだけで、溶融体と離型部の表面張力差を利用し、球状の半導体材が得られるようになる。また、離型部により溌液性が発現しているため、球状の半導体材の材質と基材の材質とを選定する必要がなく、使用できる基材の
材質を自由に選定できる。また、離型部が基材の表面の微細な凹凸をより平面化するので、球状の半導体材との接触面積を最小にできるので、より球状の半導体材が得られるようになる。
【0024】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記球状の半導体材の材質が、シリコンであることを特徴としている。
【0025】
これによれば、球状の半導体材の材質がシリコンなので、光−電気変換効率が高く、本発明の球状の半導体材は、球状半導体型太陽電池モジュール用として好適に用いられる。
【0026】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記半導体分割片のそれぞれの体積が、0.01mm以上65mm以下であることを特徴としている。
【0027】
これによれば、半導体分割片のそれぞれの体積が、0.01mm以上なので、球状半導体型太陽電池モジュールに適用した場合、球状の半導体材の反射板への実装時に、ピックアップ吸着や電極取り出しなどの製造工程を確実に行う事ができる。
【0028】
また、半導体分割片のそれぞれの体積が、65mm以下なので、シリコンの表面張力と重力とのバランスで、より真球に近い形状になる。そのため、球状半導体型太陽電池モジュールに適用した場合、球状の半導体材の反射板への実装時に、吸着不良などの製造工程不良を少なくできる。
【0029】
本発明の球状の半導体材の製造方法は、前記球状の半導体材が、凝固時に体積膨張する半導体材であり、前記第三の工程の後に、前記球状の半導体材を研磨する第四の工程を有することを特徴としている。
【0030】
これによれば、球状の半導体材を更に研磨して、より真球にする事により、より一層、光−電気変換性能を一定にする事ができる。また、球状の半導体材の形状をより一層均一にできる事により、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減する事ができる。
【0031】
本発明の球状の半導体材は、球状半導体型太陽電池モジュールに好適に用いることができる。これによれば、球状の半導体材は、体積が均一であるので、光−電気変換性能を一定にする事ができ、更に、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減する事ができる。
【発明の効果】
【0032】
これによれば、本発明の球状の半導体材は、板状の半導体材を分割し、半導体分割片にする事により、それぞれの半導体分割片の体積のバラツキを抑える事ができ、粉体を用いる場合と比較して、融解、固化され得られた球状の半導体材の体積を均一にできる。また、本発明の球状半導体型太陽電池モジュールは、体積が均一な本発明の球状の半導体材を用いるので、球状半導体型太陽電池モジュールの組立工程での工程不良や、外観不良を低減できるとともに、光−電気変換性能を一定にする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法を説明する図であって、第一の工程を工程順に示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法を説明する図であって、第一の工程の内のレーザ走査工程を示した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態の半導体分割片の一片の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法を説明する図であって、図4(a)は、第一の工程の内のレーザ走査工程終了後の板状の半導体材を示した平面図であり、図4(b)は、第一の工程の内の分割工程終了後の複数の半導体分割片を示した平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法を説明する図であって、第二の工程を工程順に示した構成図である。
【図6】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法を説明する図であって、第三の工程を工程順に示した構成図である。
【図7】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法に用いる基材の一例を説明する図であって、図7(a)は、複数の装填部を有した基材を示す斜視図であり、図7(b)は、その一部分のVII−VII断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法に用いる基材の一例を説明する図であって、図8(a)は、複数の装填部を有した基材を示す斜視図であり、図8(b)は、その一部分のVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法に用いる基材の一例を説明する図であって、複数の装填部を有した基材の一部分を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の一個の球状の半導体材の一例を示した斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態の球状の半導体材の製造方法を説明する図であって、第四の工程に用いる研磨装置の一例を一部破断して示す分解斜視図である。
【図12】本発明の第3実施形態で、第2実施形態の球状の半導体材を用いた球状半導体型太陽電池モジュールを説明する図である。
【図13】従来例1の落下方式による球状シリコン単結晶製造装置の概略構成図である。
【図14】従来例2の球状シリコン結晶の製造方法を説明する図であって、粉末原料を用いた多重ルツボ法の製造の流れを示した構成図である。
【図15】本発明の第1実施形態の半導体分割片の一片の一例を示す電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
[第1実施形態]
先ず、図1ないし図4を用いて、本発明の第1実施形態の球状の半導体材の製造方法の第一の工程P1について説明する。図1は、第一の工程P1を工程順に示した斜視図である。また、図2は、第一の工程P1のレーザ走査工程P13を示した斜視図である。また、図3は、本発明の第1実施形態の半導体分割片12の一片の一例を示した模式図である。また、図4(a)は、第一の工程P1のレーザ走査工程P13終了後の板状の半導体材2を示した平面図であり、図4(b)は、第一の工程P1の分割工程P14終了後の複数の半導体分割片12を示した平面図である。
【0036】
第一の工程P1は、図1(a)に示す様に、板状の半導体材2と延伸可能な担持フィルム3を準備し(準備工程P11)、図1(b)に示す様に、板状の半導体材2を延伸可能な担持フィルム3に貼り付ける(貼り付ける工程P12)。次に、図1(c)及び図2に示す様に、レーザ光LSを走査して、板状の半導体材2の内部に変質部22を形成させる(レーザ走査工程P13)。その時のレーザ光LSの走査は、第一の方向DR1と、第一の方向DR1と交差する第二の方向DR2にそって行う。そして、レーザ光LSの走査が終了した後、図1(d)に示す様に、変質部22が形成された板状の半導体材2に外部応力F55を加える事により、板状の半導体材2の表面に変質部22にそった亀裂を成長させて、それぞれの半導体分割片12に分割する(分割工程P14)。以上のようにして作
製した半導体分割片の電子顕微鏡写真を図15に示す。
【0037】
ここで用いる板状の半導体材2は、例えばシリコン(Si),ゲルマニウム(Ge),シリコンゲルマニウム(SiGe),ガリウムヒ素(GaAs),ガリウムアンチモン(GaSb),インジウムガリウムリン(InGaP)等を用い、特に、光−電気変換性能の良いシリコン(Si)を用いるのが好ましい。また、板状の半導体材2の形状は、円形状でも良く、図1(a)に示す様な方形に限るものではない。また、ここで用いる担持フィルム3は、主にPVC(ポリビニールクロライド)やPO(ポリオレフィン)、PE(ポリエチレン)等の合成樹脂製のフィルムを用いる。特に、担持フィルム3を延伸する事によって、板状の半導体材2に外部応力F55を加える場合、延伸性を有したPVC(ポリビニールクロライド)やPO(ポリオレフィン)を用いるのが好ましい。また、ここで用いるレーザ光LSは、板状の半導体材2の内部に変質部22を形成させるため、板状の半導体材2を透過するような波長のレーザ光が使用され、例えばシリコン(Si)の場合、波長が1064nmのNd:YAGレーザが好適に用いられる。
【0038】
レーザ走査工程P13は、図2に示す様に、先ず、担持フィルム3に貼り付けられた板状の半導体材2の内部に、パルス発振されたレーザ光LSを集光用レンズ65によって、レーザ光LSの集光点FUを合わせる。そして、担持フィルム3が載せられたX−Yステージ(図示しない)を動かす事によって、レーザ光LSの走査を行う。これにより、変質部22が走査ラインに沿って板状の半導体材2の内部に形成される。この時の加工雰囲気は、大気中でも良いが、変質部22の加工面の酸化を一層低減させるため、窒素ガス等の不活性ガス中の方がより好ましい。
【0039】
また、変質部22は、板状の半導体材2の内部に連続的に形成される場合もあるし、それ以外に断続的に形成される場合もあり、少なくとも板状の半導体材2の内部に形成されていれば良い。また、図3に一例を示す様に、板状の半導体材2の材質や板厚等の条件が違った場合、レーザ光LSの集光点FUを変え、同じ走査ラインで走査を繰り返す事で、板状の半導体材2の内部に形成される変質部22を2層以上にする事もある。
【0040】
また、レーザ光LSの走査は、直線状に限らず曲線状であっても良が、図4(a)に示す様に、第一の間隔IN1で、第一の方向DR1にそって、レーザ光LSを照射し、第二の間隔IN2で、第二の方向DR2にそって、レーザ光LSを照射する方が好ましい。これにより、一定の間隔で2方向に走査するので、レーザの走査が容易だけでなく、得られる半導体分割片12のそれぞれが同じ形状になるので、融解,固化され得られた球状の半導体材1の体積を均一にできる。
【0041】
また、第一の方向DR1に対し第二の方向DR2を90°にする事で、半導体分割片12に外部応力F55を加える場合、外周方向に担持フィルム3を延伸する事で、縦横の2方向にバランス良く外部応力F55を加えられる。この事により、得られる半導体分割片12のそれぞれが鋭角を持たない方形状となり、分割時の割れ不良やチッピングを抑える事ができ、融解、固化され得られた球状の半導体材1の体積をより一層均一にできる。また、板状の半導体材2からの取り個数も最大限にできる。
【0042】
次に、レーザ光LSの走査が終了した後、分割工程P14では、変質部22が形成された板状の半導体材2に外部応力F55を加える事により、板状の半導体材2の表面に変質部22にそった亀裂を成長させて、それぞれの半導体分割片12に分割する。外部応力F55をかける方法は、板状の半導体材2に分割治具を直接押し当てて行っても良いし、担持フィルム3を延伸する事によって行っても良く、板状の半導体材2の表面に変質部22にそった亀裂を成長させられれば、どの様な方法で行っても良い。しかし、担持フィルム3を延伸する方法は、板状の半導体材2に圧縮方向の応力が加わらないので、隣接する半
導体分割片12どうしが擦れる事なく、分割時のチッピングを抑える事ができるので、この方法の方がより好ましい。この事により、融解、固化され得られた球状の半導体材1の体積をより一層均一にできる。
【0043】
また、担持フィルム3を延伸する場合、図4(b)に示す様に、半導体分割片12が第一の方向DR1に第一の繰り返し距離DS1となり、第二の方向DR2に第二の繰り返し距離DS2となるように担持フィルム3を延伸すると良い。この事により、一定間隔で担持された半導体分割片12に分割できるので、後述する装填する工程P23において、半導体分割片12のそれぞれを、基材4の複数の各装填部34内に装填する事が簡単になる。
【0044】
以上、第一の工程P1によれば、通常の切削式ダイシングによる切りしろのバラツキが、100μm〜200μm程度であるのに対して、分割切りしろを必要としないので、1μm以下の寸法バラツキに抑えることができる。そのため、それぞれの半導体分割片12の体積のバラツキを抑える事ができ、融解、固化され得られた球状の半導体材1の体積をより一層均一にできる。また、分割工程P14で水を使わない事と、その分割工程P14で切削粉が出ないのでその後の洗浄も要らない事により、水が起因となる酸化膜が分割面に形成されなくなる。そのため、融解固化するときに、酸化膜を原因とする、球状固化化への阻害や結晶欠陥の増加を抑える事ができ、融解、固化され得られた球状の半導体材1の形状を均一にでき、結晶性も安定させる事ができる。
【0045】
次に、図5を用いて、本発明の第1実施形態の球状の半導体材1の製造方法の第二の工程P2について説明する。図5は、本発明の第1実施形態の球状の半導体材1の製造方法を説明する図であって、第二の工程P2を工程順に示した構成図である。第二の工程P2は、先ず、図5(a)に示す様に、複数の半導体分割片12が担持された担持フィルム3と複数の装填部34を有する基材4とを、複数の半導体分割片12と複数の装填部34とが対向するよう重ね合わせる(重ね合わせ工程P21)。この時、複数の半導体分割片12の配置と複数の装填部34の配置が一致するように、基材4が作製されている。次に、図5(b)に示す様に、担持フィルム3に紫外線UVを照射し、担持フィルム3の粘着性を低下させ(剥離工程P22)、図5(c)に示す様に、複数の半導体分割片12のそれぞれが、複数の装填部34のそれぞれに装填される(装填する工程P23)。
【0046】
この時の複数の半導体分割片12が第一の方向DR1に第一の繰り返し距離DS1となり、第二の方向DR2に第二の繰り返し距離DS2となるように担持フィルム3を延伸している場合、基材4の複数の装填部34は、第一の方向DR1に第一の繰り返し距離DS1となり、第二の方向DR2に第二の繰り返し距離DS2となるように作製されている。また、担持フィルム3の粘着性を低下させる方法は、使用する担持フィルム3の特性により生じるもので、紫外線UVの照射に限るものではなく、他に、例えば、担持フィルム3を加熱する事でも良い。
【0047】
以上、第二の工程P2によれば、複数の装填部34が、半導体分割片12の間隔と同じ間隔で配置されているので、延伸された担持フィルム3と基材4とが対向するよう重ね合わせて、複数の装填部34のそれぞれに複数の半導体分割片12のそれぞれを装填する事ができる。この事により、複数の半導体分割片12を一括でしかも同じ装填部34に混入することなしに、複数の装填部34のそれぞれに確実に装填する事ができる。そのため、製造工が短くなると共に、簡易な構造で付帯設備が少ない製造装置での製造が可能になる。また、複数の半導体分割片12を一括で装填するので、一つずつ装填する場合と比較して、ピックアップ不良等が起こらず、複数の半導体分割片12のそれぞれを確実に複数の装填部34のそれぞれに装填できる。
【0048】
次に、図6を用いて、本発明の第1実施形態の球状の半導体材1の製造方法の第三の工程P3について説明する。図6は、本発明の第1実施形態の球状の半導体材1の製造方法を説明する図であって、第三の工程P3を工程順に示した構成図である。第三の工程P3は、先ず、図6(a)に示す複数の半導体分割片12のそれぞれが複数の装填部34のそれぞれ装填された基材4を、高温で加熱する事により、図6(b)に示す様に、複数の半導体分割片12を複数の装填部34内で融解し、球状の溶融体11を作製する(融解工程P31)。次に、図6(c)に示す様に、融解された溶融体11を冷却して固化し、球状の半導体材1を作製する(固化工程P32)。
【0049】
ここで用いる基材4は、カーボン、石英ガラス、アルミナ、グラファイト、窒化硼素、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素等であるが、溶融体11に対して溌液性を示す材質が用いられるので、その時用いる球状の半導体材1の材質との組み合わせで決められる。そして、半導体分割片12を融解させ溌液状にすると、溶融体11は表面張力により球状になり、その後、冷却して固化することで、球状の半導体材1が得られる様になる。この時の処理雰囲気は、水分、酸素、一酸化炭素等の溶融体11と化学反応を起こす様な不純物を極力低減しなければいけなく、超高純度のアルゴン又はヘリウム等の不活性ガス中にする事が必要となる。この様に、球状の半導体材1を融解させ撥液状の状態にさせるためには、球状の半導体材1の材質、基材4、処理雰囲気等を制御しないといけない。
【0050】
また、図7は、本発明の第1実施形態の球状の半導体材1の製造方法に用いる基材4の一例を説明する図であって、図7(a)は、複数の装填部34を有した基材4を示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のVII−VII部分の断面図である。図7(a)に示す様に、基材4は、複数の装填部34が配置されていて、しかも、複数の装填部34が第一の方向DR1に第一の繰り返し距離DS1となり、第二の方向DR2に第二の繰り返し距離DS2となるように作製されている。その複数の装填部34は、半導体分割片12のそれぞれが、融解時にそれぞれが分離した溶融体11となるよう、溶融体11を保持する凹部44を有している。
【0051】
凹部44は、半導体分割片12が確実に収まるように、装填部34の形状を形作っているので、他の半導体分割片12と融合したり、他の半導体分割片12の一部が隣接する装填部34に流れ込んだりしない。この事により、分割された半導体分割片12のそれぞれが、確実に、融解、固化されるので、体積が均一な球状の半導体材1を得る事ができる。
【0052】
また、図7(b)に示す様に、装填部34の内面を含む表面に、溶融体11に対して溌液性を示す離型部55が形成されている。離型部55は、液状の離型材をコーティングした後焼成して作製するか、CVD装置やスパッタ装置を用いて、成膜を行う事により、容易に作製できる。また、離型部55の材質は、溶融体11に対して溌液性を示す材質が用いられるので、その時用いる球状の半導体材1の材質との組み合わせで決められる。例えば球状の半導体材1の材質がシリコン(Si)の場合、離型部55材質は、シリコン(Si)に対して良好な溌液性を示す窒化珪素や窒化アルミ等が好適に用いられる。図7の基材4には、装填部34の内面を含む表面の片面全体に、スパッタ装置を用いて、離型部55が成膜されているが、離型部55は、溶融体11と接触する凹部44の内面のみに設けられていれば良い。
【0053】
溶融体11に対して溌液性を示す離型部55が形成されている事で、装填部34の中で融解、固化させるだけで、溶融体11と離型部55の表面張力差を利用し、球状の半導体材1が得られるようになる。また、離型部55により溌液性が発現しているため、球状の半導体材1の材質と基材4の材質との組み合わせを考慮する必要がなく、使用できる基材4の材質を自由に選定できる。また、離型部55が基材4の表面の微細な凹凸をより平面化するので、球状の半導体材1との接触面積を最小にできるので、より球状の半導体材1
が得られるようになる。また、固化する途中で球状の半導体材1に溌液性が付与されるため、球状の半導体材1と基材4が点接触になるので、その接触点からの凝固となり、結晶性が上がる。その結果、落下方式で球状の半導体材1を作製する場合と比較して、球状の半導体材1を使用した球状半導体型太陽電池モジュールに使用できる結晶化された球状の半導体材1の割合を大幅に増すことができる。
【0054】
また、図7に示す装填部34の形状は、方形状の凹部44になっているが、図8a)及び図8(b)に示す様に、半円形状の凹部54であっても良い。また、図9に示す様に、装填部34の形状は、一部分の区切り部66で仕切られた凹部64であっても良い。つまり、凹部は、それぞれの半導体分割片12が確実に収まるように、装填部34の形状を形作っていれば良い。
【0055】
[第2実施形態]
図10は、球状の半導体材の材質にシリコン(Si)を用いた場合であって、本発明の第2実施形態の球状の半導体材21の一つの例を示した斜視図である。球状の半導体材21は、本発明の第1実施形態の第一の工程P1,第二の工程P2及び第三の工程P3と同様な方法で作製される。球状の半導体材21の材質がシリコン(Si)なので、光−電気変換効率が高く、球状の半導体材21は、球状半導体型太陽電池モジュール用として好適に用いられる。
【0056】
また、図10に示す様に、球状の半導体材21は、第三の工程P3の固化工程P32において、凝固時に体積膨張を伴うため、シリコン突起部SPが作製される。球状の半導体材21を球状半導体型太陽電池モジュール用に用いる場合、その形状が球状であれば、真球で無くても良く、シリコン突起部SP等があっても良い。しかし、その様な形状の際、ピックアップ吸着不良や電極取り出し不良などの製造工程不良を起こす場合がある。そのため、球状の半導体材21は、第四の工程P4において、図11に示す様な研磨装置7を用い、研磨される(研磨工程P41)。研磨された球状の半導体材21は、シリコン突起部SPが無くなり、より真球に近い形状になる。研磨装置7は、図11に示す様に、ラップ層71a(図示しない)を備えたラップ定盤71とラップ層72aを備えたラップ定盤72とラップ定盤71を回転させる駆動軸73とから構成されている。ラップ定盤71及びラップ定盤72、樹脂製または金属製で作製され、駆動軸73は、モータなどの駆動源(図示しない)により回転駆動される。ラップ層71a及びラップ層72aは、アルミナ等の砥粒が固着されたフィルムを用いているが、ラップ層71a及びラップ層72aの替わりに、ペースト状の砥粒を用いても良い。
【0057】
以上により、固化工程P32を経た球状の半導体材21は、ラップ定盤71とラップ定盤72との間に充填され、より真球に近い形状に研磨される。これによれば、より一層球状の半導体材21の体積を均一にできる。この事により、より一層、光−電気変換性能を一定にする事ができる。
【0058】
[第3実施形態]
図12は、本発明の第3実施形態で、第2実施形態の球状の半導体材21を用いた球状半導体型太陽電池モジュール101を説明する図である。図中の球状半導体51は、球状の半導体材21の表層に、P(リン)等を気相拡散させn型層を形成し、その後、一部分を研磨してp型層を露出させたものである。球状半導体型太陽電池モジュール101は、蜂の巣状に連続した多数の反射凹部18を備えている反射板8と、球状半導体51と電気的に導通した電極19及び電極29と、絶縁性の保護層98から構成されている。
【0059】
反射板8は、Al薄板を加工していて、反射凹部18の底部には、孔(図示しない)が形成されている。そして、球状半導体51が反射凹部18に装填された際、その孔部から
球状半導体51のp型層を露出させた部分と電極29とを導通させている。また、反射板8は、球状半導体51の外周部のn型層と電気的に導通していて、電極19とも電気的に導通している。また、反射凹部18の内面は、反射鏡としても機能している。また、絶縁性の保護層98は、透光性のポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート(PMMA)等の合成樹脂で作製されている。
【0060】
また、半導体分割片12のそれぞれの体積を、0.01mm以上とすることにより、球状の半導体材21を用いた球状半導体51のそれぞれの直径が、0.27mm以上となる。これによれば、球状半導体型太陽電池モジュール101に適用した場合、球状半導体51の反射板8への実装時に、球状半導体51が小さくないので、ピックアップ吸着不良や電極取り出し不良などの製造工程不良を少なくできる。
【0061】
また、半導体分割片12のそれぞれの体積を、65mm以下とすることにより、球状の半導体材21を用いた球状半導体51のそれぞれの直径が、5.0mm以下となる。これによれば、シリコンの表面張力と重力とのバランスで、球状の半導体材21のそれぞれが、より真球に近い形状になり、球状の半導体材21を用いた球状半導体51のそれぞれも、より真球に近い形状になる。そのため、球状の半導体材21を球状半導体型太陽電池モジュール101に適用した場合、反射板8への実装時に、吸着不良などの製造工程不良を少なくできる。
【0062】
また、半導体分割片12のそれぞれの体積を0.02mm以上14mm以下とすることにより、球状の半導体材21を用いた球状半導体51のそれぞれの直径が、0.34mm以上30mm以下であることがより好ましい。これによれば、より確実に、製造工程不良を少なくできる。
【0063】
また、球状半導体51は、球状の半導体材21を研磨してより真球の形状に近くしておけば、より一層、球状半導体51の直径を均一にできる。この事により、より一層、光−電気変換性能を一定にする事ができ、しかも、球状半導体型太陽電池モジュール101に適用した場合、球状半導体51の形状が均一なので、外観不良を低減できる。
【0064】
以上の事により、本発明の球状の半導体材21は、球状半導体型太陽電池モジュール101に用いた場合、光−電気変換性能を一定にする事ができ、更に、球状半導体型太陽電池モジュール101の組立工程での工程不良や、外観不良を低減でき、球状半導体型太陽電池モジュール101に好適に用いられる。
【0065】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更する事が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1、21 球状の半導体材
2 板状の半導体材
3 担持フィルム3
4 基材
11 溶融体
51 球状半導体
12 半導体分割片
22 変質部
34 装填部
44、54、64 凹部
55 離型部
101 球状半導体型太陽電池モジュール
DR1 第一の方向
DR2 第二の方向
DS1 第一の繰返し距離
DS2 第二の繰返し距離
F55 外部応力
IN1 第一の間隔
IN2 第二の間隔
LS レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状の半導体材を製造する方法であって、
板状の半導体材を分割し複数の半導体分割片を形成する第一の工程と、
前記半導体分割片のそれぞれを、複数の装填部を有する基材の前記各装填部内に装填する第二の工程と、
前記装填部内に装填された前記半導体分割片を加熱して、前記装填部内で融解した後に、融解された溶融体を冷却して固化する第三の工程と、
を有することを特徴とする球状の半導体材の製造方法。
【請求項2】
前記第一の工程は、レーザ光を走査して前記板状の半導体材の内部に変質部を形成するレーザ走査工程と、前記変質部が形成された前記板状の半導体材に外部応力を加えることにより、前記板状の半導体材の表面に前記変質部にそった亀裂を成長させて分割する分割工程と、を有することを特徴とする請求項1記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項3】
前記第一の工程は、前記レーザ光の走査が、第一の間隔で、第一の方向にそって照射する工程と、第二の間隔で、前記第一の方向と交差する第二の方向にそって照射する工程と、を有することを特徴とする請求項2記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項4】
前記第一の工程は、前記レーザ走査工程の前に前記板状の半導体材を延伸可能な担持フィルムに貼り付ける工程を有し、
前記分割工程は、前記半導体分割片が前記第一の方向に第一の繰り返し距離となり、前記第二の方向に第二の繰り返し距離となるように前記担持フィルムを延伸させる工程であることを特徴とする請求項3に記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項5】
前記基材には、延伸された前記担持フィルムと前記基材とが対向するよう重ね合わせた場合に、前記複数の半導体分割片の配置と一致するように前記複数の装填部が配置されており、
前記第二の工程は、前記担持フィルムに担持された前記複数の半導体分割片と前記基材とを、前記複数の半導体分割片と前記複数の装填部とが対向するよう重ね合わせた後、前記担持フィルムから前記複数の半導体分割片を剥離させることにより、前記半導体分割片のそれぞれを、前記基材の前記複数の各装填部内に装填する工程を有することを特徴とする請求項4に記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項6】
前記装填部は、前記半導体分割片のそれぞれが、前記融解時にそれぞれが分離した前記溶融体となるよう前記溶融体を保持する凹部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項7】
前記凹部の内面に、前記溶融体に対して溌液性を示す離型部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項8】
前記半導体材の材質は、シリコンであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項9】
前記半導体分割片のそれぞれの体積が、0.01mm以上65mm以下であることを特徴とする請求項8記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項10】
前記半導体材は、凝固時に体積膨張する半導体材であり、
前記第三の工程の後に、前記球状の半導体材を研磨する第四の工程を有することを特徴と
する請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の球状の半導体材の製造方法。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の球状の半導体材に不純物をドープした球状半導体を光起電力素子として用いたことを特徴とする球状半導体型太陽電池モジュール。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−25605(P2012−25605A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164256(P2010−164256)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】