説明

球状基材への被膜形成装置及び球状基材への被膜形成方法並びに弾性表面波素子の製造方法

【課題】球状弾性表面波素子の製造過程において、被塗布物である球状基材の表面にレジスト、感応膜等の被膜を伝搬路又は電極パターンを形成すること等を目的としたフォトリソグラフィープロセスの適用される領域に均一な被膜を形成するための被膜形成方法及び被膜形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の球状基材への被膜形成装置は、回転支持体31を回転する回転手段30と、球状基材10を回転支持体31の回転軸から離間した箇所に固定して搭載する手段とを有しており、回転支持体31の中心の回転軸から離れた位置に設置された基材支持台41に球状基材10を固定し、回転軸中心について球状基材を回転させることによって、伝搬路領域(円環領域)に亘って均一な厚さの被膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状弾性表面波素子の基材である球状基材に感応膜、レジスト等の被膜を形成する方法及び形成装置並びに感応膜を形成した弾性表面波素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材上に弾性表面波を発生させるとともに、基材上に発生された弾性表面波を受信するものとして弾性表面波素子は従来から良く知られている。
【0003】
従来の弾性表面波素子では平坦な基材上に1対のすだれ状電極が設けられている。基材が圧電性材料で形成されているか、又はすだれ状電極と基板の間には圧電膜が設けられており、一方のすだれ状電極に高周波電圧を供給することにより電極の並んでいる方向に弾性表面波を励起させる。他方のすだれ状電極はこの弾性表面波の伝搬方向に配置されており、この弾性表面波を受信する。
【0004】
弾性表面波素子は、遅延線、発信機のための発振素子若しくは共振素子、周波数を選択するためのフィルタ、化学センサ、バイオセンサ、又はリモートタグ等に使用されている。
【0005】
弾性表面波素子の精度を高める方法として、球状の基材の表面に弾性表面波を伝搬させて基材を多数回周回させる球状弾性表面波素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
球状弾性表面波素子とは図11に示すように、球形の表面を持った水晶の単結晶からなる基材を用意し、そこに例えばすだれ状電極などを用いることで、ある方向に弾性表面波を励起するとき、球表面の幾何学的特徴により球表面にビーム状に励起された弾性波のエネルギーが球表面を円環状に伝搬し、回折の影響を受けにくくなることを利用して球表面に弾性表面波を多重に周回させる素子である。
弾性表面波が球状の表面を周回する際の円環状の経路の幅(ビーム幅)をある範囲に制御することができ、球表面の直径とその弾性表面波の波長が所定の関係にある時には全く変らないように設計することも可能である。
【0006】
球表面の弾性表面波の周回現象を用いる場合に前提となるのは、弾性表面波が周回する球表面上の領域(以下伝搬路と称する)で、不連続な基材の弾性物性や構造の変化があると弾性表面波はその境界で反射されることから多重の周回が困難になる。
【0007】
これは伝搬路に、外部の環境に合わせて弾性物性を変化させたり、その表面にガス物質などを吸着して弾性波の伝搬を変えることで環境評価を行う球状弾性表面波素子の感応膜が、その厚さが伝搬路に沿って大きく変化することによっても起こり問題になる。
【0008】
また、膜厚が大きくなり弾性表面波を吸収することもその性能に大きく影響する。伝搬時に伝搬減衰が大きいと長い距離弾性表面波を伝搬させることが出来ず、所定の周回する際の必要時間からその伝搬速度を測定する際に測定感度の低下をきたす。
【0009】
さらに、伝搬経路上にパラジウム金属膜を形成して水素センサーを作成できるが、パラジウム膜の深部に水素が到達して平衡状態に達するまでに時間がかかることから、可能な限り薄い感応膜を形成することが求められている。これは有機膜によりなる感応膜の形成でも同じである。
【0010】
また、球状弾性表面波素子の製造工程でも同様の課題が発生する。
弾性表面波をその伝搬路に周回させる場合に、その表面に膜構造を持たせる場合、一般に周回路に亘って略均一の厚さに形成することが望まれる。
周回経路全周に亘って均一に膜を形成する方法として、球状基材を回転させながら、例えば、インクジェットのノズルで膜材料を滴下しながら、球状基材表面に被膜を形成することが行われているが、時間が掛かることが問題である。
【0011】
また、図12(a)に示すように、球状基材10の伝搬路にそって数回にわけて従来のスピンコーターを用いて被膜を形成することが考えられるが、スピンコーターでは被塗布物が球状であることを理由に、図12(b)に示すように、A領域は薄く、B領域は遠心力によってかえって円環状に厚く膜形成されることから伝搬路上の均一性と言う視点からは問題である。
また、C領域はレジストが重力や表面張力で溜まることから非常に厚く形成されて、後でこれを取り除くプロセスが必要になる。
回転中心はこの例の場合1箇所しかなく、1回のスピンコートで1個の球状基材しか被膜形成できないことになり、量産性に問題がある。
【0012】
球状弾性表面波素子において、すだれ状電極の形成は、球状基材の表面に例えば蒸着によってクロムと金の薄膜を形成し、そのあとレジストを塗布して感光層を形成し、露光、現像、エッチングというパターニング処理を行うが、すだれ状電極の電極取りだしを図11に示すように、両極つまり伝搬路領域の両サイドに形成する必要がある。
その場合は図13に示すように球状基材の略半円以上に亘って正確に電極取り出しパターンを形成する必要があるが、この際に球状基材の半円以上の領域に均一なレジスト膜を形成することは、上記同様にスピンコーターでは困難であることは明かである。
【特許文献1】特開2003−115744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、球状弾性表面波素子の製造過程において、被塗布物である球状基材の表面にレジスト、感応膜等の被膜を伝搬路又は電極パターンを形成すること等を目的としたフォトリソグラフィープロセスの適用される領域に均一な被膜を形成するための被膜形成方法及び被膜形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を達成するために、まず請求項1においては、少なくとも被塗布物である球状基材を回転支持体の回転軸から離間した箇所に固定して搭載する手段と、被膜の材料となる薬液を球状基材に滴下して、回転支持体を回転させる回転手段とを具備してなる球状基材への被膜形成装置としたものである。
【0015】
また、請求項2においては、遠心力によって薬液を球形表面に沿って泳動することによって、球形基材表面に被膜を形成する方法において、少なくとも被塗布物である球状基材を回転支持体の回転軸から離間した箇所に固定して搭載する工程と、被膜の材料となる薬液を球状基材に滴下する工程と、回転支持体を回転させる工程とを具備することを特徴とする球状基材への被膜形成方法としたものである。
【0016】
また、請求項3においては、前記薬液が微細パターン形成に用いる感光性レジスト材料であることを特徴とする請求項2記載の球状基材への被膜形成方法としたものである。
【0017】
また、請求項4においては、前記薬液を球状基材に滴下する工程は、前記球状基材の最大外周線の中心軸を中心に前記球状基材を回転させながら行うことを特徴とする請求項2または3に記載の球状基材への被膜形成方法としたものである。
【0018】
さらにまた、請求項5においては、前記球状基材の最大外周線を含む円環領域に弾性表面波を励起/検出する電気音響変換手段が形成されてなる弾性表面波素子を、前記球状基材の最大外周線の中心線が回転支持体の回転軸に垂直に交差する配置に固定し、感応膜の材料である薬液を滴下し、回転支持体を回転することにより、前記円環領域に、周囲の環境変化に従って弾性表面波の伝搬状態を変化させる感応膜を形成することを特徴とする弾性表面波素子の製造方法としたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の球状基材への被膜形成方法及び被膜形成装置によれば、球状基材もしくは球状弾性表面波素子の伝搬路に相当する領域に、レジスト、感応膜等の被膜を均一に形成することができる。
また、回転手段の回転軸上の遠心力を利用しているため、球状基材を多数個搭載でき、量産性に富んだ球状基材への被膜形成装置を提供できる。
また、本発明の球状基材への被膜形成装置及び球状基材への被膜形成方法を用いて、球状弾性表面波素子表面に感応膜を形成することにより、弾性表面波の伝搬状態を変化させることができる球状弾性表面波素子を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、請求項1に係る球状基材への被膜形成装置の一実施例を示す模式構成図である。本発明の球状基材への被膜形成装置は、回転支持体31を回転する回転手段30と、球状基材10を回転支持体31の回転軸から離間した箇所に固定して搭載する手段とを有している。
本発明において、球状基材とは、少なくともその一部に球形表面を有した基材であればよく、例えば球形の一部が欠けていたり平面を有していても良いものとする。
【0021】
上記被膜形成装置を用いて、請求項2に係る球状基材に被膜を形成する方法について述べる。
回転支持体31の回転軸から離間した箇所に設置された基材支持台41に球状基材10を固定して、被膜の形成材料である薬液を球状基材10に滴下し、回転支持体31を回転手段にて回転させることにより、遠心塗布(球状基材の薬液に遠心力を働かせることにより流動させて膜形成を行うこと)により球状基材10表面に被膜を形成することができる。図2は、球状基材10の伝搬路領域(円環領域)に形成される被膜の配置について示したもので、球状弾性表面波素子の伝搬路領域と交わる最大外周線の法線方向にある回転軸中心について球状基材を回転させることによって、球状弾性表面波素子の伝搬路領域に渡って等しく領域を横切る表面に遠心力を作用させて、伝搬路領域に亘って均一な厚さの被膜膜を形成することを可能にしたものである。遠心力が伝搬路領域においては最も薬液を流動させる力を生じさせることができるために、伝搬路領域では非常に薄く、均一な膜を形成できる。
本発明において弾性表面波とは、材料表面に沿って弾性エネルギーを集中させて伝搬する弾性波を総称しており、漏洩弾性表面波、擬似弾性表面波、SH波、ラブ波、回廊波等も含み、それらを用いた素子も弾性表面波素子、また球状弾性表面波素子と表現している。
【0022】
具体的に説明すると、図1に示す回転支持体31の中心の回転軸から離れた位置に設置された基材支持台41に球状基材10を固定し、回転軸中心について球状基材を回転させることによって、伝搬路領域に亘って均一な厚さの被膜を形成する。
この配置の場合、被膜が形成される伝搬路領域は、図1の球状基材10のZ軸を地軸とする赤道近傍である。
ここでは、球状基材10を回転支持体31に2個配置した事例を示しているが、回転支持体31の同心円位置に多数の球状基材10を配置して一括して成膜を行うことができる。基材支持台41への球状基材10の固定は真空吸着もしくは、取り外し可能な接着剤等が利用できる。
【0023】
図3(a)〜(b)は、球状基材10に薬液を滴下したときの薬液の広がり状態を示す説明図である。
薬液は図3(a)に示すように薬液供給ノズル51から滴下すると、重力にしたがって下方に厚くなるが、高速で回転するにしたがって、図3(b)に示すように薬液61は遠心力が働く方向に力を受けて薄く延ばされる。重力は遠心力に比較して小さく、伝搬路領域に均一な膜が形成される。
【0024】
上記被膜の形成方法では、薬液を球状基材10の円環領域にわたって塗らなくては遠心力による薬液の移動によっても、塗布されない円環領域が残ることから、比較的多くの薬液を滴下する必要がある。
これを防ぐ方法として、図4(a)に示すように、先ず、水平位置で薬液供給ノズル51から薬液を滴下し、次に、図4(b)に示すように、球状基材10を中心にして回転させるか、あるいは図4(c)に示すように、水平面内に振動させることによって、薬液を広げ、図4(d)に示すように、球状基材10の表面上に薬液溜まり62を形成した後遠心塗布を行うことにより、薬液の節約が可能となる。
【0025】
また、請求項4に係わる発明では、薬液供給ノズル51から薬液を滴下し、球状基材10表面に薬液溜まり62を形成する方法として、図5に示すように、予め球状基材10を回転しながら、薬液供給ノズル51から薬液を滴下することにより、必要箇所に、必要量の薬液溜まり62を形成することができる。
この方法は、使用薬液量を最小限に設定でき、且つ、均一に薬液溜まりを形成できることから、その後の遠心塗布工程での薬液流動プロセスが安定し、結果としてより均一な被膜をすることができる。球状基材10の表面に均一な被膜64が形成された状態を図6に示す。
【0026】
上記の被膜形成方法によると、図6に示すように、球状基材10の表面に均一な被膜を形成できるが、基材支持台41と球状基材10が固定された領域に薬液溜まり63が発生し、これを取り除くプロセスが必要になる。
そこで、図7に示すように、基材支持台41と球状基材10が固定された領域に貫通孔44を形成し、遠心塗布で押し出された薬液を貫通孔44を介して補助容器等に取り込むことにことにより、基材支持台41と球状基材10が固定された領域に薬液溜まりを無くすことができる。
【0027】
図8に、多数の球状基材10表面に被膜を形成する被膜形成装置の一例を示す。
この被膜形成装置は、回転板32の中央回転軸を回転中心として、上下の回転板32取り付けられた振り子型支持材42に多数の球状基材10を固定して、球状基材10に薬液を滴下して、回転板32を回転することにより、遠心塗布にて、一度に多くの球状基材10の表面に被膜を形成することができるようにしたものである。
この装置では、例えば、中央回転軸位置から外側の振り子型支持材42に薬液をシャワー、あるいは薬液滴下ノズルを用いて噴霧、あるいは滴下すれば、球状基材10への薬液の滴下と遠心塗布を非常に効率良く行うことが出来る。
【0028】
図9(a)に、球状基材10表面に被膜を形成する被膜形成装置の他の例を示す。
この被膜形成装置は、回転アーム33に連結された振り子型支持材43上に固定された球状基材10を回転アーム33にて振り子状に回転することにより、遠心塗布にて球状基材10表面に均一な被膜64を形成しようとするものである。この例では、回転アーム33及び振り子型支持材43をもって回転支持体を成している。
図9(b)〜(d)に、薬液を滴下して被膜が形成されるまでの被膜形成状態を示す。
まず、図9(b)に示すような静止状態で、振り子型支持材43上に固定された球状基材10に薬液供給ノズル51より薬液を滴下し、球状基材10の上部に薬液溜まり62を形成する。
次に、図9(c)に示すような低速回転状態で、球状基材10の上部に薬液溜まり62が伸ばされた状態の薬液溜まり62aを形成する。
さらに、図9(c)に示すような高速回転状態で、遠心塗布を行うことにより、球状基材10の表面に均一な被膜64を形成する。
この装置を使った被膜形成の利点は、静止状態で薬液を球状基材10の上面に滴下するだけで、球状基材10の円環領域全周に亘って均一な被膜を形成できることである。
【0029】
以下、本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を用いて、請求項5に係る球状弾性波素子の製造方法について説明する。
ここで、球状基材10を非圧電性基材で製造する場合と圧電性基材を用いて製造する場合とがあるが、ここでは圧電性基材を用いた球状弾性表面波素子の製造方法について説明する。
まず、球状基材10として、水晶などの圧電結晶基材を準備する。
この構成で弾性表面波素子を作成する場合は、結晶軸によって規定された弾性表面波を励起して周回させることが出きる特定の伝搬路が存在するために、弾性表面波素子作成上の結晶軸にしたがって製造する必要がある。
【0030】
次に、球状基材10の所定の結晶面に相当する位置に、すだれ状電極を形成するための導電膜(通常は金属膜)を蒸着もしくはスパッタリング等で形成する。
次に、本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を用いて、導電膜が形成された球状基材10の表面にフォトレジストを形成する。
【0031】
次に、フォトレジストが形成された球状基材10の表面にフォトマスクを用いて、パターン露光、現像等の一連のパターニング処理を行ってレジストパターンを形成する。
【0032】
次に、レジストパターンをマスクにして導電膜を専用のエッチング液にてエッチングし、レジストパターンを剥離して、球状基材10のの最大外周線を含む円環領域よりなる伝搬路領域に弾性表面波を励起/検出する電気音響変換手段が形成された球状弾性表面波素子を作製することができる。
球状弾性表面波に用いられる電気音響変換手段は最も適しているものはすだれ状電極(あるいは櫛型電極)であって、通常圧電性基材に接して形成され、電極に電圧が印可されることで圧電膜あるいは圧電性の球状基材の表面に電界を及ぼして弾性波を発生することが出来る。
【0033】
なお、上記パターニング方法とは異なって、球状基材上に、予めレジストパターンを形成しておき、金属膜を形成した後レジストパターンを剥離してすだれ状電極を作製するリフトオフプロセスでも、本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を展開できる。
【0034】
次に、本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を用いて、球状弾性表面波素子の弾性表面波が周回する伝搬経路上に、周囲の環境変化(例えば、温度、湿度、圧力、ガス成分とその濃度等)に対して弾性表面波の伝搬特性(周回速度、減衰率など)が変化する感応膜を形成することで、弾性表面波の伝搬状態を変化できるセンサー付の球状弾性表面波素子
を作製できる。
【0035】
一方すだれ状電極を用いた球状弾性表面波素子は様々な形状が提案されており、本発明はそれらについて詳しくは述べないが、圧電性を有する球状基材10表面に直接形成されていても、あるいは図10に示すように、本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を用いて、感応膜が形成された球状基材10表面に極接近して(空隙を有して)、支持基材44に形成されたすだれ状電極が対向配置されることで、圧電性を有する球形基材10表面に電界を及ぼし、よってすだれ状電極パターンと同様の電界パターンを形成し、結果として球状基材10表面に弾性波を励起するものでもよい。
【0036】
上記したように、本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を用いて、球状基材表面に被膜を形成することにより、均一なレジスト膜、感応膜を容易に、効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の球状基材への被膜形成装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】球状基材10の伝搬路領域(円環領域)に形成される被膜の配置を示す説明図である。
【図3】(a)〜(b)は、球状基材10に薬液を滴下したときの薬液の広がり状態を示す説明図である。
【図4】(a)〜(d)は、球状基材10に薬液を滴下し、薬液溜まりの形成状態を示す説明図である。
【図5】基材支持台を回転して球状基材10に薬液溜まりを形成している状態を示す説明図である。
【図6】球状基材10に被膜を形成した状態の一例を示す説明図である。
【図7】基材支持台に貫通孔を形成して、球状基材10に被膜を形成した状態の一例を示す説明図である。
【図8】球状基材への被膜形成装置の他の実施例を示す説明図である。
【図9】(a)は、球状基材への被膜形成装置の他の実施例を示す説明図である。(b)〜(d)は、薬液溜まり、被膜の形成状態を示す説明図である。
【図10】本発明の被膜形成装置及び被膜形成方法を用いて作製した球状弾性表面波素子の一例を示す説明図である。
【図11】球状弾性表面波素子の一例を示す説明図である。
【図12】(a)及び(b)は、スピンコータを用いた球状基材への被膜形成の一例を示す説明図である。
【図13】球状弾性表面波素子におけるすだれ状電極と取り出し電極の位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0038】
10……球状基材
30……回転手段
31……回転支持体
32……回転板
33……回転アーム
41……基材支持台
42、43……振り子型支持材
44……支持材
51……薬液供給用ノズル
61……薬液
62、63……薬液溜まり
64……被膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも被塗布物である球状基材を回転支持体の回転軸から離間した箇所に固定して搭載する手段と、被膜の材料となる薬液を球状基材に滴下して、回転支持体を回転させる回転手段とを具備してなる球状基材への被膜形成装置。
【請求項2】
遠心力によって薬液を球形表面に沿って泳動することによって、球状基材表面に被膜を形成する方法において、
少なくとも被塗布物である球状基材を回転支持体の回転軸から離間した箇所に固定して搭載する工程と、被膜の材料となる薬液を球状基材に滴下する工程と、回転支持体を回転させる工程とを具備することを特徴とする球状基材への被膜形成方法。
【請求項3】
前記薬液が微細パターン形成に用いる感光性レジスト材料であることを特徴とする請求項2記載の球状基材への被膜形成方法。
【請求項4】
前記薬液を球状基材に滴下する工程は、前記球状基材の最大外周線の中心軸を中心に前記球状基材を回転させながら行うことを特徴とする請求項2または3に記載の球状基材への被膜形成方法。
【請求項5】
前記球状基材の最大外周線を含む円環領域に弾性表面波を励起/検出する電気音響変換手段が形成されてなる弾性表面波素子を、前記球状基材の最大外周線の中心線が回転支持体の回転軸に垂直に交差する配置に固定し、感応膜の材料である薬液を滴下し、回転支持体を回転することにより、前記円環領域に、周囲の環境変化に従って弾性表面波の伝搬状態を変化させる感応膜を形成することを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−129126(P2006−129126A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315415(P2004−315415)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】