環境試料採取装置及びクロマトグラフ装置のための補給品を無線で監視及び管理するための装置及び方法
一年間の使用量を推定することに基づいて、クロマトグラフカラム及び試料採取器管材料のための購入注文が結ばれる。管材料又はカラムが使用されるのに応じて、タグ付けされたカラム又は管材料の初回分の発送が行なわれる。注文点に達するまで、RFIDがトリガ信号を送信し、注文点において新たな分の発送が行なわれる。この過程が、その年の終わりまで繰り返される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境装置及びクロマトグラフ装置並びに合成化学を無線で監視、識別及び管理するための装置及び方法に関し、より詳細には、環境装置及びクロマトグラフ装置によって用いられる補給品を管理するための装置及び方法に関する。
【0002】
デバイス及び装置を監視、識別及び管理するための無線通信が知られている。たとえば、デバイスを識別し、情報を受信機に転送するために、RFIDデバイス及びブルートゥースデバイスが広く用いられている。
【0003】
クロマトグラフカラムについての情報を識別し、受信機に提供するための1つの従来技術の装置及び方法が、Ozawa等に対する特許文献1、Hassinenに対する特許文献2及びKrakoverに対する特許文献3において開示されている。特許文献1は、その内部に埋め込まれ、カラムの仕様の変化、溶離液流量の混合比、理論段及び他の情報等の情報を格納する不揮発性メモリを有する半導体を開示している。その半導体デバイスは、無線通信によって、データプロセッサが半導体内に格納される情報を受信できるようにするために用いられる。特許文献2及び特許文献3は、試験管上のRFIDタグと、バーコード化されたマイクロタイタープレートと備える試験管運搬装置を開示している。
【0004】
しかしながら、従来技術の無線識別及び通信技法は、液体クロマトグラフィ及び環境試料採取において生じる識別及び通信の問題の多くを満足に解決していない。
製品の補給品を顧客にとって都合よく配置しておくことが知られている。顧客サイトにおいて、又はその近くにおいて補給品の維持管理を提供する1つの従来技術のシステムでは、無線デバイスを用いて、都合のよい場所において製品の在庫を管理すると共に、事前に決められた顧客が製品を入手できるようにする。身元が確認されている顧客が地域のサイトに出入りし、その顧客がタグ付けされた消耗品を持ち出すのに応じて課金記録のような記録を生成することによって、無線通信デバイスは、購入箇所を顧客の近くにすることができる。これらの従来技術のシステムでは、その顧客に対する課金及び買掛金等を生成するために用いられる情報は、製品に接続されるRFIDデバイスによって、そのサイトにおいて自動的に生成され、この情報は本社に送信されるので、顧客の近くの都合のよい地域に製品を保管できるようになり、顧客が近くの購入箇所において事務手続きを行なう必要はない。RFIDを利用するこれらの購入箇所システムは、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16及び特許文献17において開示されている。
【0005】
この従来技術の購入箇所システムは、たとえば、(1)この過程がRFIDデバイスの助けを借りて自動化される場合であっても、顧客及び販売者が多数の購入を追跡しなければならないこと;(2)購入に先立って、消耗品の顧客に対する長期コストが予測できないこと;(3)有効期限が過ぎるのを避けるために、保管しておかなければならない在庫品の量を注意深く管理しなければならないこと;(4)予算から毎年支出されるコスト、又は予算のどの期間のコストも予測不可能であること;及び(5)消耗品のための保管スペースは、費用のかかる監視を必要とし、地域の保管施設から顧客によって持ち出された後まで、遠方の販売者によって所有される消耗品を収容するので、過剰な保険事務手続き及び資本経費が生じること等の、いくつかの不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,690,893号
【特許文献2】米国特許第6,971,506号
【特許文献3】米国特許第6,458,273号
【特許文献4】米国特許第7,293,705号
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0069018号
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0190628号
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0081705号
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0015752号
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0194437号
【特許文献10】米国特許出願公開第2004/0178264号
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0127177号
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0125312号
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0040952号
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0232231号
【特許文献15】米国特許出願公開第2004/0232230号
【特許文献16】米国特許出願公開第2004/0222298号
【特許文献17】米国特許出願公開第2004/0222297号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、たとえば、環境試料採取装置又はクロマトグラフ装置を無線で監視及び管理するための機器のような、新規の無線複数フラクション機器及び過程を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、クロマトグラフ装置が他のクロマトグラフ装置と通信できるようにするシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、環境装置が他の環境装置と通信することができるシステムを提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、クロマトグラフカラム上にそのカラムの過去の履歴を記録するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、環境試料採取装置が他の装置と無線通信するための新規のシステムを提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、中央マイクロプロセッサがいくつかのクロマトグラフシステム上の構成要素を制御し、それにより、それらの構成要素を連係又は動作させることができるようにする新規のシステムを提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、マイクロプロセッサがいくつかの環境試料コレクタの構成要素を制御できるようにする新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、1つ又は複数の試料容器の位置を指示するマップ又はプランをコントローラに提供するための新規のシステムを提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、環境試料容器ホルダ、又はクロマトグラフ管ラック、又はマイクロタイタープレート等の位置を指示するための新規のシステムを提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、液体クロマトグラフシステム、及び質量分析計又はガスクロマトグラフのような他の試料分離システムの両方と協働するように意図されるクロマトグラフカラムに関する情報を指示するための新規のシステムを提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、液体クロマトグラフシステムのような1つの分離システムから質量分析計のような別のシステムにカラムを移動するためのロボット輸送装置(arrangement)を制御するための新規のシステムを提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、較正曲線、保持時間、パッキング、履歴、ロット番号、クロマトグラム、過去の分離条件等のような情報をカラム上に記録するための新規のシステムを提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、カラムのようなクロマトグラフ部品上にある無線通信システムがマイクロプロセッサシステム内に記録されるデータベースと協働して在庫管理を提供する、在庫管理の新規のシステムを提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、別個のマイクロプロセッサ内に記録されるデータベースと無線を介して協力するカラム又は他のクロマトグラフ構成要素若しくは環境試料採取器構成要素内に保持される情報によって、再注文がトリガされる新規のシステムを提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の目的は、カラムの保持時間のような特性の精度がカラムのような構成要素上に記録されて、所定の範囲内で動作する特性を有するカラムを、それらの所定の範囲を必要とする用途に自動的に適合させることができるようにする品質管理システムを提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、予め選択された化学反応及び実施又は実施回数に関して特定のクロマトグラフカラムの効率を追跡するための新規のシステムを提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、システムの構成要素によって無線でアクセスされる化合物のライブラリを用いて組み合わせ探索を自動化するための新規のシステムを提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、電子ノートブック内にデータを自動的に記録するために、クロマトグラフのような分離機器において用いるための新規のシステムを提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、クロマトグラフ構成要素と中央コンピュータとの間でセキュリティを確保しながらオンライン通信できるようにするシステムを提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、Wi−Fi又はブルートゥースと互換性があるクロマトグラフ装置及び環境装置のための新規の通信システムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、カラムライニング、溶媒の極性、クロマトグラフィのタイプ等のようなカラムの特性を記録するための新規のシステムを提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、環境構成要素若しくはクロマトグラフ構成要素を点検修理するか、又は最終用途を特定するか、又は構成要素が期限切れである時点を判断する際に有用である情報をクロマトグラフ構成要素又は環境構成要素上に記録するための新規のシステムを提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、米国施行規則第11巻に基づいてクロマトグラフシステムを改竄防止にするシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、米国施行規則第9巻に基づいて薬剤を生成するために必要とされる全ての情報を記録するための新規のシステムを提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、本部に課金情報を送信するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、中央システムに信頼性情報を送信するための新規のシステムを提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、カラムに関しての、カラムを補助及び積み重ねるための情報、及び積み重ねるのに適したカラムの長さ及びタイプについての情報のような間違いを回避するための情報を提供することである。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、カラムに内蔵され、送信機に接続されるセンサを用いて、温度、導電率、pH、圧力等の特性を検知することができる新規のカラム又は他の容器を提供することである。
【0029】
本発明のさらに別の目的は、反応物、供給原料又は流体混合物の物理的特性を検知するためのセンサを含み、検知された特性をフィードバックのために使用する新規のカラム、容器又は反応器を提供することである。
【0030】
本発明のさらに別の目的は、三角測量、位相等によってラック内のカラムを特定するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、機器間でデータを送信するための新規のシステムを提供することである。
【0031】
本発明のさらに別の目的は、デフォルト条件のような、顧客又は製造者にとって特有の情報を記録するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、製造されている構成要素に関する、優良試験所基準又は製造管理及び品質管理規則のような標準データを提供することである。
【0032】
本発明のさらに別の目的は、カラムに関する等級又はコスト等によってカラムを分類するための品質管理にとって有用な情報を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、品質管理のために製造時又は試験時のステップを記録するための新規のシステムを提供することである。
【0033】
本発明のさらに別の目的は、分離システム又は環境試料採取システムの構成要素に関する流量、圧力、溶媒混合、pH、導電率、溶存酸素、IQ、OQ、PQ等を記録するための新規のシステムを提供することである。
【0034】
本発明のさらに別の目的は、種々の機能が外部デバイスと通信するカラム上で実行される新規のポータブル液体クロマトグラフシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、環境デバイスによって測定が行なわれることになる特定の場所において条件を記録するために、グローバルポジショニングシステムと通信するための記録−送信デバイスを提供することである。
【0035】
本発明のさらに別の目的は、液体クロマトグラフシステム内の溶媒容器内の溶媒高のような消耗品の値を追跡するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、分離カラムを備えるスカベンジャーカラムのようなスタッキングシステムを提供することである。
【0036】
本発明のさらに別の目的は、予め注文されるか又は予め購入される消耗品の顧客への発送を管理するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、消耗品のユーザが、さらに事務手続きを行なうことなく、又はコストをかけることなく、それらの消耗品の予め購入された補給品を入手できるようにする新規のシステムを提供することである。
【0037】
本発明のさらに別の目的は、供給業者が知らない別の購入者又は供給元が消耗品を流用できないようにしながら、或る購入者又は宛先への消耗品の発送を管理するシステムを提要することである。
【0038】
本発明のさらに別の目的は、顧客に必要な分だけ(AMAN)消耗品を提供するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、消耗品を販売するためのコスト及び事務手続きを削減するための新規のシステムを提供することである。
【0039】
本発明のさらに別の目的は、消耗品のコスト及び配送を管理するさらに確実な方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、消耗品を販売するための事務手続きのコストを削減するためのシステムを提供することである。
【0040】
本発明のさらに別の目的は、消耗品を使用する必要がある装置(equipment)の販売業者が、消耗品をその装置の顧客に効率的に提供するための新規のシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明の上記の目的及びさらに別の目的によれば、複数フラクション機器が、少なくとも1つのポンピングシステムと、少なくとも1つの流路と、流路固定取付具と、少なくとも1つの容器を収容するように構成される容器固定取付具と、コントローラとを備える。少なくとも1つのポンピングシステムは第1の無線通信デバイスを有し、コントローラは第2の無線通信デバイスを有する。第3の無線通信デバイスを有する、複数フラクション機器の少なくとも1つの他の構成要素も存在する。第2の無線通信デバイスは、少なくとも第1の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。少なくとも1つの他の解析機器が、その流路からの1つのフラクションを取り込むように接続されることが好都合である。
【0042】
本明細書において、用語「複数フラクション機器又は過程」は、個々のフラクション又は試料又は成分を識別又は管理する必要があるか、或いはフラクション又は試料又は成分のそれぞれについての情報を呼び出す必要があるような方法で複数のフラクション又は試料又は成分を処理する分離科学又は環境研究等の科学的又は調査的な仕事において用いられる機器又は過程を意味する。用語「無線通信デバイス」は、無線によって情報を受信及び/又は送信することができるデバイスを意味しており、送信することができるか、変更することができるか、配列することができるか、又は受信することができるデータ又はプログラムのような情報を格納するための不揮発性メモリを備える場合も、備えない場合もある。無線通信デバイスは、送信機、又はリーダ、又はトランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。好ましい実施の形態では、それらのデバイスはRFIDデバイスであるが、バーコードシステム又は任意の他の無線システムのようなブルートゥース、又はWi−Fi、又はZigbee光学システムとすることもできる。
【0043】
より具体的には、液体クロマトグラフシステムは、少なくとも1つのカラムと、少なくとも1つのカラムを収容するように構成される少なくとも1つのカラム固定取付具と、少なくとも1つのカラムから流出液を取り込むように配置される少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つのコントローラと、液体クロマトグラフシステムの少なくとも1つの他の構成要素とを含む。少なくとも1つのカラムは第1の無線通信デバイスを有し、液体クロマトグラフシステムの少なくとも1つの他の構成要素は、第2の無線通信デバイスを有する。少なくとも1つのコントローラは、少なくとも1つのコントローラと通信するように接続される第3の無線通信デバイスを有し、第1の無線通信デバイス、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスのうちの少なくとも1つは、第1の無線通信デバイス、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスのうちの少なくとも別の無線通信デバイスと通信するように配置される。第4の無線通信デバイスに接続され、カラムから流出液を取り込むように配置される少なくとも1つの検出器が存在する。
【0044】
第4の無線通信デバイスは検出された種についての情報を第3の無線通信デバイスに送信する。さらに、フラクションコントローラ及び少なくとも1つの収集容器ラックが少なくとも1つの検出器からの流出液を取り込むように配置され、フラクションコントローラと通信する第5の無線通信デバイスと、第3の無線通信デバイス及び第5の無線通信デバイスのうちの一方と通信する少なくとも1つの第6の無線通信デバイスとを含む。パーソナルコンピュータが、少なくとも1つのコントローラ上の無線通信デバイスと通信する無線通信デバイスを有する。パーソナルコンピュータは、メモリ内に電子ノートブックを有し、その中にカスタマイズされたデータを記録する。
【0045】
液体クロマトグラフの動作中に、クロマトグラフカラムのためのクロマトグラフ曲線を表すデータが、クロマトグラフカラムに取り付けられる第1の無線通信デバイスに記録される。クロマトグラフカラムが液体クロマトグラフシステム上のカラム固定取付具内に挿入されるときに、この曲線が読み出される。クロマトグラムを表すデータは、液体クロマトグラフシステムのためのコントローラと通信する第2の無線通信デバイスにおいて受信される。クロマトグラフ曲線のための一連の溶媒条件を表すデータが、第2の無線通信デバイスから、液体クロマトグラフシステム内のポンピングシステムと通信する第3の無線通信デバイスに送信される。そのデータは、第3の無線通信デバイスに送信される一連の溶媒条件に従って、クロマトグラフカラムに溶媒を送り込むために用いられる。
【0046】
クロマトグラフカラムから流出液を取り込むように配置される少なくとも1つの検出器と通信する第4の無線通信デバイスから第2の無線通信デバイスにデータが無線送信され、第2の無線通信デバイスから、少なくとも1つの検出器によって検出されるピークを指示するために読出しデバイスに、且つバンドの収集を起動するためのフラクションコントローラにデータが送信される。別の実施の形態では、その中に格納される勾配プログラムを有するコントローラと、ポンピングシステムに情報を送信するためにコントローラに電気的に接続され、且つ通信する第1の無線通信デバイスとが存在する。好ましい実施の形態では、ポンピングシステムは、少なくとも2つのシリンジポンプ及び少なくとも2つの液体供給源を含む。ポンプは少なくとも1つの無線通信デバイスを含む場合があり、その無線通信デバイスは、ポンピング速度を制御するためにコントローラ上の無線通信デバイスからデータを受信する。代替形態では、クロマトグラフシステムは、少なくとも1つの時間比例電子制御式液体勾配スイッチングバルブと、少なくとも1つの時間比例電子制御式液体勾配スイッチングバルブと通信する第2の無線通信デバイスとを含む場合がある。
【0047】
スイッチングバルブは、少なくとも2つの液体供給源のうちの一方又は他方から、少なくとも2つのシリンジポンプのうちの少なくとも一方のシリンジポンプの入口に、液体の流れを切り替えるために接続される。第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスは有線接続され、少なくとも1つの時間比例電子制御式液体勾配スイッチングバルブの切替時間を送信し、それによりコントローラに格納される勾配を形成する。少なくとも2つのシリンジポンプのうちの一方は、複数のチャネルのチャネル毎に用いられる。少なくとも2つのシリンジポンプはそれぞれ、少なくとも5ミリリットルの変位を有し、少なくとも2つのシリンジポンプのうちの一方は試料注入デバイスに接続され、そこからクロマトグラフカラムに接続される排出口を有する。少なくとも1つの無線通信デバイスはメモリを含む。そのメモリは、その中に、溶媒の開始濃度を表すデータを記録されており、それにより、クロマトグラフシステムは、溶媒の開始濃度を用いて試料の予め選択された成分を分離することができる。メモリは、その中に、試料の予め選択された成分を精製するための開始濃度及び終了点を有するクロマトグラフ曲線を表すデータを記録される。
【0048】
その機器アレイは、複数の複数フラクション機器と、汎用制御システムと、複数の複数フラクション機器のうちの少なくともいつくかとを含む場合がある。複数フラクション機器は、複数の第1の無線通信デバイスのうちの対応する第1の無線通信デバイスを含む場合があり、汎用制御システムは、第2の無線通信デバイスと、コンピュータをプログラムするための入力デバイスとを含む。第2の無線通信デバイスは、複数の第1の無線通信デバイスのうちの1つと選択的に、又は同時に通信するように配置され、それにより、汎用制御システムは、複数の複数フラクション機器のいずれかを連係させることができる。
【0049】
上記複数フラクション機器のうちの少なくともいくつかは液体クロマトグラフであり、いくつかは他のタイプの機器であることが好都合である。液体クロマトグラフは、それらの機器と通信する対応する第3の無線通信デバイスを有するカラムを含む。第3の無線通信デバイスは、収集されたフラクションが他の解析機器に適用されることを指示するデータと、他の解析機器によって実行されることになる演算のための命令とを有する不揮発性メモリを含む。他の解析機器は、たとえば、質量分析計とすることができる。
【0050】
液体クロマトグラフからフラクションを取り込む容器に接続される無線通信デバイスが、収集されたフラクションが他の解析機器に適用されることを指示するデータと、他の解析機器によって実行されることになる演算のための命令とを有する不揮発性メモリを含む場合がある。他の解析機器は、質量分析計、又は液体クロマトグラフからの出力をさらに精製又は解析する際に有用な任意の他の機器とすることができる。
【0051】
化学プロセッサが、反応時間コントローラを有する少なくとも1つの反応ステーションと、制御可能なピペット又はポンプと、反応物容器と、レセプタクルコンベアとを含む。少なくとも1つの反応ステーションは、少なくとも1つの第1の無線通信デバイス及び複数のレセプタクルを含む。複数のレセプタクルはそれぞれ、対応する第2の無線通信デバイスのうちの1つと通信するように接続され、且つそれに取り付けられる。第3の無線通信デバイスに接続され、且つそれと通信する少なくとも1つの解析機器、及びレセプタクルから少なくとも1つの解析機器まで材料を移送するための少なくとも1つの移送コンソールが存在する。第1の無線通信デバイス、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスのうちの少なくともいくつかは、レセプタクル内の材料の履歴及びレセプタクル内の材料を処理するための命令のうちの少なくとも一方を指示するデータを含む不揮発性メモリを有する。不揮発性メモリは、レセプタクル内の材料の履歴及びレセプタクル内の材料を処理するための命令の両方を指示するデータを含む。
【0052】
動作時に、処理されることになる材料を収容するレセプタクルが、少なくとも1つの反応ステーションに移動され、そこで、レセプタクルに試薬を加えるステップ、レセプタクルを加熱するステップ、反応時間のためにそれ以降の動作を遅らせるステップ、及びレセプタクル内の材料を攪拌するステップのうちの少なくとも1つが実行される。材料、及び材料において実行されるステップは、レセプタクルに取り付けられる無線通信デバイス内に記録され、処理命令がレセプタクル上に記録される。その材料は第2のレセプタクルに移送され、処理ステップ及び材料が無線デバイス内の第2のレセプタクル上に記録される。それらの材料は解析機器に移動され、反応の生成物が第3のレセプタクルの中に分離される場合がある。過程及び材料の履歴は、第3のレセプタクル上に記録される場合がある。それらのステップ及び材料は電子ノートブック内にログとして自動的に記録される場合がある。
【0053】
クロマトグラフカラムは、入口ポートを有する入口端と、出口ポートを有する出口端と、入口端と出口端との間の管状側壁と、入口端、出口端又は管状側壁のうちの少なくとも1つ又は複数の上にある少なくとも1つの無線通信デバイスとを含む。少なくとも1つの無線通信デバイスは、データが記録されている不揮発性メモリを含む場合があり、そのデータは、実施間のカラムの精度、カラムの型及びモデルを指示するデータ、製造年月日、並びにカラムのロット番号を含む場合がある。
【0054】
クロマトグラフカラムの別の実施の形態は、入口ポートを有する入口端と、出口ポートを有する出口端と、入口端と出口端との間の管状側壁と、センサと、入口端、出口端及び管状側壁のうちの少なくとも1つの上にある少なくとも1つの無線通信デバイスとを含む。センサは、カラム及びカラム部品付近の環境及びカラムの内容物のうちの1つと通信し、少なくとも1つの無線通信デバイスと通信する。センサ及び少なくとも1つの無線通信デバイスは複数のセンサを含み、各センサが複数の無線通信デバイスのうちの対応する無線通信デバイスと通信する。複数のセンサのうちの1つは温度を検知し、複数のセンサのうちの1つはpHを検知する。
【0055】
クロマトグラフシステムが、第1のカラム及び第2のカラムを有する少なくとも1つのクロマトグラフカラム配列を含む。第1のカラムの出口が第2のカラムの入口ポートと連通する。第1のカラム入口端、第1のカラム出口端及び第1のカラム管状側壁のうちの少なくとも1つの上に少なくとも1つの無線通信デバイスがあり、第2のカラム入口端、第2のカラム出口端及び第2のカラム管状側壁のうちの少なくとも1つの上に少なくとも1つの無線通信デバイスがある。第1のカラム上の少なくとも1つの無線通信デバイスは不揮発性メモリを含み、第2のカラム上の少なくとも1つの無線通信デバイスは不揮発性メモリを含む。この構成によれば、無線通信デバイス間で通信することによって、コントローラに、カラムを積み重ねる際の誤差を指示することができる。したがって、第1のカラムと第2のカラムとの間の接続が不適切であることを示す指示がユーザに与えられる場合がある。
【0056】
クロマトグラフシステムの構成部品の在庫を管理するために、クロマトグラフシステムの一部が無線通信デバイスを含む。無線通信デバイス上に、利用可能なクロマトグラフシステムの部品の数を指示するデータ、及びその部品の製造年月日を指示するデータが記録される。部品の製造年月日は、全有効期限を短くするために定期的に点検される。さらに、その上に無線通信デバイスを備えるクロマトグラフシステムの部品を製造し、無線通信デバイス内に較正曲線を記録して、部品の品質及び用途によって在庫を分類できるようにすることによって、在庫が管理される場合がある。さらに、不揮発性メモリにデータが記録されており、そのデータは、実施間のカラムの精度、カラムの型及びモデルを指示するデータ及び製造年月日を含む。このデータは、在庫から持ち出されることになるカラムの選択、及びそれらのカラムが発送されるべき場所を管理するのを助ける場合がある。
【0057】
クロマトグラフ制御システムが、液体クロマトグラフ制御システムの複数の構成部品を含み、複数の構成部品のうちの少なくとも1つがその1つの構成部品に関連付けられるタグ上に記録される選択された特性を有する。そのタグは、マイクロプロセッサに情報を送信することができる。マイクロプロセッサは、データベースを含むメモリを含み、タグは、マイクロプロセッサに送信される場合がある表示を含む。マイクロプロセッサは、送信された情報を受信すると共に、その情報を、選択された特性を有する複数の構成部品を指示するデータベースに入力するための受信機手段を備える。データベースは、その中に記録される在庫目標数及び複数の機器を含む場合がある。
【0058】
機器管理システムの一実施の形態が、複数の複数フラクション機器及び汎用制御システムを含む。複数の複数フラクション機器のうちの少なくともいくつかは、複数の第1の無線通信デバイスのうちの対応する第1の無線通信デバイスを含む。汎用制御システムは、第2の無線通信デバイスと、データベースを含むメモリとを含む。データベースは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータを含む。データベースは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の数を指示するデータと、それらのタイプの構成部品の平均使用率と、それらのタイプの構成部品の製造業者の在庫とを含む。データベースは、1つのタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元を含む場合があり、それにより、その部品の製造業者及び型別のそのタイプの部品の信頼性の比較が行われる。データベースは、個々の顧客による使用率を含む場合があり、それにより、顧客の需要を予測することができ、さらに管理のために使用して、必要とされる構成部品の在庫、及び目標在庫最小数及び最大数、並びに手元にある構成部品の実際の数を判断することができる。そのシステムは、いずれかが超えられるときに、警告信号を与える。
【0059】
機器システムを管理する際に、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータが、複数の複数フラクション機器のそれぞれから、汎用制御システムに接続され且つこれと通信する無線通信デバイスに送信される場合がある。その通信は、複数の複数フラクション機器のうちの対応する複数フラクション機器に接続され且つこれと通信する複数の無線通信デバイスから行なわれる場合がある。複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータは、汎用制御システムのメモリ内のデータベースに記録される場合があり、その有用なデータは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に用いられる場合がある。そのデータベースは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の数を指示するデータ、及びそれらのタイプの構成部品の平均使用率、及びそのタイプの構成部品の製造業者の在庫を含む場合がある。
【0060】
管理の目的を果たすために、そのデータベースは、(1)それにより製造業者別のそのタイプの部品の信頼性に関する比較が行われる、或るタイプの部品のモデル番号、価格、及び供給元;(2)その部品の型及びモデル番号;及び(3)それにより顧客の需要を予測することができ、管理のために用いることができる、個々の顧客による構成部品の使用率、を含む場合がある。構成部品の使用率を用いて、必要とされる構成部品の在庫を判断することができる。そのデータベースは、目標最小数及び最大数、並びに手元にある構成部品の実際の数を含む場合がある。たとえば、そのシステムは、いずれかが超えられるときに警告信号を与える。そのデータベースは、顧客による新たな購入と、材料、部品及び過程の増加及び変更とを含み、それによりデータベース内の情報を用いて材料及び部品の購入の増加及び減少を予測することができる。
【0061】
フラクション収集システムが、少なくとも1つの容器ホルダと、メインフレームと、メインフレームに取り付けられるマイクロプロセッサとを含む。メインフレームは、検出器からの流体出口と連通するように接続されるように構成される液体収容手段を備え、容器ホルダベッド内に少なくとも1つの容器ホルダを収容するような形状及び大きさを有する。
【0062】
フラクションコレクタ内に、分配器出口を容器間で移動すると共に、液体収容手段と連通するための少なくとも1つの分配器手段があり、それによりフラクションが容器内に堆積することができる。マイクロプロセッサは第1の無線通信デバイスと通信し、少なくとも1つの容器ホルダは第2の無線通信デバイスと通信する。容器ホルダベッドは第3の無線通信デバイスを含み、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、第3の無線通信デバイスに信号を送信する。第2の無線通信デバイスは不揮発性メモリを含み、その不揮発性メモリは、少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含む。第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含む不揮発性メモリを含み、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスの不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、第1の無線通信デバイスに信号が送信される場合がある。
【0063】
第2の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定する。液体を少なくとも1つの分配器手段に向けるか又は廃棄物に向けるために自動的に切り替えることができるバルブが第4の無線通信デバイスと通信し、ピークが過ぎたときに、第1の無線通信デバイスが第4の無線通信デバイスに信号を送信し、それにより少なくとも1つの分配器手段に流すことから、又は廃棄物の中に流すことから液体を切り替える。
【0064】
フラクション収集システムは、少なくとも1つの容器ホルダと、メインフレームと、メインフレームに取り付けられるマイクロプロセッサとを含むこともできる。メインフレームは、検出器からの流体出口と連通するように接続されるように構成される液体収容手段を備え、容器ホルダベッド内に少なくとも1つの容器ホルダを収容するような形状及び大きさを有する。分配器出口を容器間で移動すると共に、液体収容手段と連通するための少なくとも1つの分配器手段があり、それによりフラクションが容器内に堆積することができる。マイクロプロセッサは第1の無線通信デバイスと通信する。容器ホルダ内に少なくとも1つの容器が存在し、少なくとも1つの容器ホルダは第2の無線通信デバイスと通信する。容器ホルダベッドは第3の無線通信デバイスを含み、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、第3の無線通信デバイスに信号を送信する。
【0065】
フラクションを収集するために、少なくとも1つの容器ホルダがフラクションコレクタの分配器から液体を収容する位置にあるときに、少なくとも1つの容器ホルダの識別情報がコントローラに送信される。液体を収容する位置にある少なくとも1つの容器ホルダの識別情報を受信するとき、少なくとも1つの容器ホルダ内の容器に液体が挿入され、少なくとも1つの容器ホルダが適切な位置にないとき、挿入が禁止される。第2の無線通信デバイスは少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定する。第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを供給し、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスの不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、第1の無線通信デバイスに信号が送信される場合がある。
【0066】
第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定するデータを供給する。少なくとも1つの容器ホルダは、少なくとも1つの容器ホルダ上に記録されるデータによって指示されるように別の機器において用いられる場合がある。ラック、マイクロタイタープレート、又はフラクションコレクタのための容器の他のホルダに関連付けられる無線通信デバイスは、たとえば、X及びY座標のような容器のマップを含む場合がある。これは、分配器アームを容器の上方の中心に配置するために用いられる場合があるか、又はユーザ若しくはロボットが、選択されたフラクションを有する特定の容器の位置を特定するために用いられる場合がある。
【0067】
液体試料採取器は、液体の本体から液体を繰返し汲み上げるためのポンプと、少なくとも1つの容器と、少なくとも1つの容器を収容するように構成される少なくとも1つの容器固定取付具と、少なくとも1つのコントローラと、少なくとも1つの流路を設けるための可動取付具を含む。ポンプは第1の無線通信デバイスを有し、少なくとも1つのコントローラは第2の無線通信デバイスを有する。少なくとも1つのコントローラは、第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスを通してポンプと通信し、ポンピングを開始すると共に1つの試料が堆積する容器を決定するためのプログラムを含む。第3の無線通信デバイスは、少なくとも第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。容器ステーションが無線通信デバイスと通信するように接続され、それにより容器ステーションが特定され、少なくとも1つのコントローラが、その容器ステーションに液体を向けることができる。
【0068】
環境試料を収集及び解析するために、機器が、液体の本体から液体を繰返し汲み出すようにプログラムされる少なくとも1つのポンピングシステムと、複数の容器と、ポンピングシステム毎に複数のコンソールのうちの対応する少なくとも1つのコンソールとを含む。複数のコンソールはそれぞれ、複数の容器のうちの対応する少なくとも1つの容器のためのステーションを有する。複数の容器固定取付具のうちの対応する容器固定取付具が、少なくとも1つのカラムを収容するために配設される。
【0069】
複数のコンソールのそれぞれのための少なくとも1つの対応するコントローラ、及び複数のコンソールのそれぞれに少なくとも1つの流路を設けるための複数の可動取付具のうちの対応する少なくとも1つの可動取付具が存在する。対応するコントローラは少なくとも1つのポンプと通信し、ポンピングを開始すると共に少なくとも1つの試料が堆積する容器を決定するためのプログラムを含む。各ポンプは複数の第1の無線通信デバイスのうちの対応する無線通信デバイスを有する。少なくとも1つの対応するコントローラは第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスを有する。第3の無線通信デバイスは、複数のコンソールのうちの少なくとも1つの対応するコンソール内の少なくとも1つの第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。
【0070】
この液体試料採取器において、容器ステーションが無線通信デバイスと通信するように接続され、それにより容器ステーションが特定され、少なくとも1つの対応するコントローラが、その容器ステーションに液体を向けることができる。解析ステーションが無線通信デバイスを含み、解析ステーションは複数の容器のそれぞれの供給元を特定することができる。
【0071】
現場での環境試料採取を提供するために、少なくとも1つの容器を収容するように構成される複数の容器固定取付具のうちの対応する容器固定取付具内の少なくとも1つの容器内に、液体の本体から液体が汲み上げられる。選択された容器の上方に流路が移動され、ポンピング動作が開始される。制御システムと通信するために接続される第1の無線制御デバイスの制御下で選択された容器の上方に流路が移動され、第2の無線制御デバイスが可動取付具と通信する。コントローラは、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスを有する。第3の無線通信デバイスは、少なくとも第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。容器ステーションは無線通信デバイスと通信するように接続され、それにより容器ステーションが特定され、コントローラが、無線通信デバイスを通して、その容器ステーションに流体を向けることができる。
【0072】
ポータブル機器が、その長さに沿って間隔を置いて配置されるセンサを備えるクロマトグラフカラムを有する。それらのセンサは無線通信デバイスと通信するように接続される。そのポータブル機器は、入力と、無線通信デバイスに接続される読出しデバイスとを有し、読出しデバイスにおいて、上記センサからの読み値が表示される場合がある。そのポータブル機器は、他の機器と遠隔通信することができる無線通信デバイスを含む。そのポータブル機器は、位置を特定するためのGPSを含む場合があり、その位置は、その中に試料を有する容器上に記録される場合がある。現場において試料を環境試験するために、無線通信デバイスを含むポータブル機器は、試料を測定し、無線通信デバイス上に測定値を記録する。その後、そのポータブル機器は、無線通信デバイスから他の機器に無線で測定値を転送することができる。
【0073】
本発明の別の実施の形態では、本明細書においてAMAN(必要な分だけ)契約と呼ばれる場合がある一度の事前の契約に従って、必要に応じて顧客に消耗品が発送される。事前のAMAN契約は、コストに関する妥当な限度を超えることなく消耗品に関して必要な分だけ提供するために、本明細書において最終限度と呼ばれる場合がある、消耗品のコスト又は量の限度について協議される。最終限度は、予め設定された期間にわたる消耗品の最大量である。それは一般的には、予め設定された期間において推定される製品(EPFPP)よりもわずかに高く設定される。それは、顧客による使用量に極端な変化がある場合の安全係数である。
【0074】
好ましい実施の形態では、このシステムは、複数の顧客によって購入され、複数の顧客サイトに配置される複数の装置と協働する。当初の購入注文書が届けられ、本明細書において初回の一回発送分と呼ばれる場合がある、初回分が各顧客に送られる。消耗品はタグ付けされ、消耗品が使用されるのに応じて、消耗品のための中央供給元が消耗品の使用についての情報を受信する。消耗品の使用についての情報は、消耗品が使用される度に送信される場合があるか、又は一日のような或る期間にわたって累積され、その後、送信される場合がある。情報の送信は、中央供給元に直接無線送信すること、中央供給元に再送するためにインターネットに接続される受信機に無線送信すること、消費(consuming)装置からインターネットへの有線接続のような任意の手段によって、又は任意の他の送信手段によって行なうことができる。一回発送分の消耗品が顧客によって使用されてしまう前に、顧客が常に消耗品を備えているように追加の一回発送分が送られるが、そのためには顧客は一回購入を一度だけ行い、その一回購入のための事務手続きを処理するだけでよい。さらに、顧客は一回発送分のための保管スペースしか必要としない。
【0075】
このシステムの1つの動作モードでは、年間等の予め設定された期間における顧客の使用量が決定される。発送される消耗品は全てRFIDデバイスのような無線デバイスでタグ付けされており、タグ付けされた消耗品上に識別コードを含む。消耗品が使用されるのに応じて、顧客サイトにおいて読出しデバイスによって識別情報が読み出され、その商品の使用を示す指示が記録される。全ての一回発送分及び全注文が、中央供給元サイト及びユーザサイトのいずれか、又は両方において記録される場合がある。こうして、自動的に、一回発送分の使用量を決定することができ、ユーザが消耗品を使い果たさないように、ユーザに別の一回発送分を発送する必要があるときに、ユーザのサイトから、又は中央供給元から信号が与えられ、別の発送が行なわれる。
【0076】
一実施の形態では、ユーザは中央供給元から購入されるクロマトグラフシステムを有する。たとえば、クロマトグラフカラムのような消耗品が、過去の経験に基づいて、年間等の予め設定された期間にわたって推定される場合がある。一回発送分の最適な量は、使用率、ユーザによって保持されることになる在庫の量、及びユーザの一般的な都合に基づいて決定することができる。これから推定されるコストに達することができるので、一括払いにおいて、必要に応じてユーザに一回発送分を発送するための手配を行なうことができる。その液体クロマトグラフシステムは一般的には、それに搭載される読出しデバイスとともに販売され、挿入されるときに、そのリーダによって消耗品が特定され、格納されるようにする。消耗品の使用場所において、指示が与えられることなく別の消費者が再利用できないように、そのシステムに応じてユーザ又は中央供給元のいずれかによって信号が送信及び記録される場合がある。消耗品の使用についての情報は、消耗品が使用される度に送信される場合があるか、又は一日のような或る期間にわたって累積され、その後、送信される場合がある。その情報の送信は、中央供給元に直接無線送信すること、中央供給元に再送するためにインターネットに接続される受信機に無線送信すること、消費装置からインターネットへの有線接続のような任意の手段によって、又は任意の他の送信手段によって行なうことができる。この情報はインターネットを通して中央供給元とユーザとの間で送信されることが好ましいが、その装置を通して接続が容易に利用できない場合には、上記のような任意の他の通信形態を用いることができる。たとえば、そのようなインターネット接続が利用できない場合には、その情報は、装置とコンピュータとの間の無線通信システムを用いてパーソナルコンピュータを通して送信され場合があるか、又はユーザのサイトにおいてパーソナルコンピュータを用いて操作者によって手動で与えられ、且つ中央供給元において自動的に又は手動で与えられる場合がある。
【0077】
このシステムは、たとえば、(1)予め設定された期間にわたって顧客によって且つ販売者によって複数の購入が追跡されなければならない代わりに、事務手続きを必要とする購入が一度しかないこと、(2)顧客に対する消耗品のコストが予め設定された期間にわたって予測可能であること、(3)顧客によって保持され且つ管理されなければならない在庫品の量が削減されること、(4)予算から毎年支出されるコスト、又は予算のどの期間のコストも予測可能であること;及び(5)顧客が所定の期間にわたって、より容易に予算を計上することができること等のいくつかの利点を有する。
【0078】
本発明の上記の、そして他の特徴は、添付の図面との関連で検討されるときに、その詳細な説明からより深く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態による、液体クロマトグラフシステムのブロック図である。
【図2】本発明の別の実施形態による、予備液体クロマトグラフシステムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ポンプアレイの概略的なブロック図である。
【図4】図3の実施形態の一部を形成するカラム及び検出器アレイの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による、クロマトグラフシステムのブロック図である。
【図6】カラムと通信する無線通信デバイスを有するカラムの簡略化した斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による、フラクションコレクタの斜視図である。
【図8】別の角度から示される図7のフラクションコレクタの斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態による、複数の液体クロマトグラフシステム又は他の複数フラクション装置又は過程を遠隔制御し、監視するためのシステムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による化学処理システムのブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態による、温度、圧力、pH等のような要因のためのセンサを有するクロマトグラフカラムの図である。
【図12】本発明の一実施形態による、排水試料採取システムのブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態による、環境試料採取システムのブロック図である。
【図14】管理供給元から個々のサイトの複数のユーザへの消耗品の発送を管理するためのシステムのブロック図である。
【図15】消耗品の注文、支払い、発送及び在庫を管理する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1には、ポンピングシステム12と、コントローラ18と、少なくとも1つのクロマトグラフカラム14と、試料注入器20と、検出器16と、収集システム22とを有する液体クロマトグラフシステム10のブロック図が示される。好ましい実施形態では、2002年8月6日にDavison等に付与された米国特許第6,427,526号においてさらに完全に記述されているように、カラムのアレイ、検出器、試料コレクタ、ポンプ及びポンプモータが利用されることになるが、本発明は、図1に示される単一のカラムシステムを含む任意のクロマトグラフシステム、及び環境排水収集システムのような任意の他の複数フラクション機器にも同じく当てはまる。本明細書において、用語「複数フラクション機器」は、個々のフラクション又は試料又は成分を識別又は管理することから、或いはフラクション又は試料又は成分のそれぞれについての情報を呼び出すことから利益を得るような方法で、複数のフラクション又は試料又は成分を処理する分離科学又は環境研究等の科学的又は調査的な仕事において用いられる機器を意味するであろう。
【0081】
図1の実施形態におけるポンピングシステム12は、第1の溶媒タンク24A及び第2の溶媒タンク24Bと、少なくとも1つのポンプモータ32によって駆動される少なくとも1つのポンプ26と、溶媒タンク24A及び24Bとそれぞれ通信する液位センサ28A及び28Bと、パージシステム30A及び30Bとを含む。ポンピングシステム12は、カラム14及び検出器16に、又はカラム及び検出器のアレイを利用する予備液体クロマトグラフシステムの場合には、カラム及び検出器のアレイに溶媒を供給する。溶媒の供給は、コントローラ18の制御下にある。パージシステム30A及び30Bは、1つ又は複数のポンプ26と通信し、クロマトグラフ実施間に、ポンプ、及びポンプとカラムとの間のラインをパージする。1つ又は複数のポンプ26は、コントローラ18の制御下で、1つ又は複数のカラムに、或いは1つ又は複数の検出器16に溶媒を供給する。
【0082】
コントローラ18は、1つ又は複数の検出器16から溶質のバンドを指示する信号を受信し、当該技術分野において知られているように、フラクションコレクタ36及び読出しディスプレイ34を起動する。1つの適切なフラクション収集システムは、Teledyne Isco社(4700 Superior Street, Lincoln, Nebraska 68504)から市販されるFOXY(登録商標)200フラクションコレクタである。
【0083】
溶媒を1つ又は複数のポンプ26に供給するために、ポンピングシステム12は、タンク24A及び24Bのような複数の溶媒タンクを含む。複数のポンプが利用される事例では、溶媒タンクは、各ポンプ26に溶媒を運ぶマニホールドを通して、ポンプ26と連通するであろう。また、各ポンプは個別のモータを含む場合があるか、又は1つのモータが、1つ又は複数のモータ32のような複数のポンプからのピストンを駆動する場合がある。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のポンプ26及び接続用コンジットをパージするためのパージシステム30A及び30Bのようなパージシステムが存在するであろう。好ましい実施形態では、溶媒タンク24A及び24Bは対応する液位センサ28A及び28Bと通信し、液位センサはタンク24A及び24B内の溶媒の量を検知し、システムが動作している間に、タンクが溶媒を保ち続けることができるようにする。
【0084】
1つ又は複数のカラム14及び1つ又は複数の検出器16は、当該技術分野において知られているようにして、ポンピングシステム12から溶媒を取り込む。試料注入器20はカラム14に試料を注入し、溶媒システムが試料の成分を分離し、それらの成分を、検出器16を通して解析及び収集システム22まで運ぶことができるようにする。
【0085】
解析及び収集システム22は、フラクションコレクタ36と、検出器16と、読出しディスプレイ34とを含む。フラクションコレクタ36は、1つ又は複数のカラム14から溶質を収集し、選択されない材料が廃棄物システム38を通って流れることができるようにする。検出器16も溶質を取り込み、コントローラ18に信号を適用し、コントローラ18がさらにフラクションコレクタ36及び読出しディスプレイ34を制御し、それによりフラクションコレクタ36によって収集されることになる別個の種を指示する信号を与え、且つユーザに読出しを与える。
【0086】
溶媒タンク24A及び24B、パージシステム30A及び30B、液位センサ28A及び28B、ポンプ26、ポンプモータ32、コントローラ18、試料注入器20、カラム14、検出器16、1つ又は複数の読出しディスプレイ34及びフラクションコレクタ36のうちの少なくともいくつかは、1つ又は複数のRFIDデバイスを含む。図1において、液体クロマトグラフシステムは、有線接続されるこれらの構成要素を有するが、これらの構成要素はそれぞれ、RFIDデバイス40A〜40QのそれぞれのRFIDデバイスを通して通信することができる。
【0087】
構成要素のうちの少なくともいくつかを有線接続する代わりに、代替手段として無線送信機を用いて、クロマトグラフシステム10又は類似のクロマトグラフシステムを動作させる際、コントローラ18は、RFID40Lにデータのパケットを供給し、RFID40Lはデータを他のユニットに送信するか、又はデータを受信し、そのデータをコントローラ18に送信する。たとえば、勾配実施時に、溶媒タンク24AはRFID40Aに接続され、溶媒タンク24BはRFID40Bに接続される。この構成によれば、RFID40Aは、溶媒タンク24A内の溶媒を特定し、RFID40Bは溶媒タンク24B内の溶媒を特定する。
【0088】
クロマトグラフ実施中に、コントローラ18はRFID40Lに勾配情報を供給し、RFID40LはRFID40Dに送信し、それにより1つ又は複数のモータ32を動作させる。モータはさらにポンプ26を動作させて、溶媒タンク24A及び24Bから溶媒を汲み上げる。ポンプのRFID40Cは、それぞれのタンクからのポンピングに関する情報のパケットをRFID40A及び40Bに送ることによってフィードバック情報を提供することができ、RFID40A及び40Bはさらに、RFID40Lが接続されるコントローラ18に情報を送信する。このようにして、コントローラ18は、カラム14を通して汲み出されるのに応じて、データのパケットを通して勾配を制御することができる。勾配実施の開始時に、コントローラ18はRFID40Lにデータを送信することができ、RFID40LはさらにRFID40Jにデータを送信し、それにより、試料注入器20からカラム14への試料の注入を開始することができる。予備クロマトグラフィの事例では、カラム14は、カラム14に接続されるRFID40Iからコントローラ18に接続されるRFID40Lに情報のパケットを送信することによって、コントローラ18に情報を供給するために、そのカラムと協働するRFIDデバイス40I内にクロマトグラムを含む。この情報によって、コントローラ18は、そのRFID40Lからポンプモータ32のためのRFID40D及び1つ又は複数のポンプ26まで、それぞれのRFIDを通して情報を送信し、それにより予備精製のための所望の溶媒濃度を汲み上げることができるようになる。溶媒タンク24A又は24Bのうちの一方において溶媒の残量が少なくなる場合には、液位センサ28A及び28Bがこの情報をそれぞれのRFIDデバイス40E及び40Fに供給し、それらのRFIDがその情報を溶媒供給源42A及び42Bのうちの適切な方に送信し、それにより、溶媒タンク24A及び24B内の溶媒の補給品を補給することができる。
【0089】
クロマトグラフ実施中に、コントローラ18は検出器16から情報を受信する。この情報は、検出器16に接続されるRFID40Nによってコントローラ18に接続されるRFID40Lに送信される場合がある。そのRFID40Lに情報を供給し、RFID40Lがその情報をRFID40Mに無線で送信することができ、RFID40Mがさらにその情報を読出しディスプレイ34に供給することができることによって、コントローラ18はさらに、この情報を読出しディスプレイ34に送信することができる。同様に、検出器16は、そのRFID40Nから、フラクションコレクタ36に接続されるRFID40Kに情報を送信し、それによりフラクションコレクタ36を起動することができ、フラクションコレクタ36が検出器16によって検出されるピークを収集する。さらに、検出器16に接続されるRFID40Nは、この情報を、そのRFID40Lを通してコントローラ18に供給することができる。コントローラ18はさらに、この情報を、そのRFID40Lを通して、フラクションコレクタ36上のRFID40Kに供給し、それによりフラクションコレクタ36への入口に対して収集容器の位置決めを制御して、バンドを所定の容器に供給し、所望によりコントローラ18内に格納される場合があるパターンに従うようにすることができる。RFIDリーダ56Bが、ラック又は他のコレクタ容器ホルダ上のRFIDを読み出し、適切なラックの適切な位置決めを指示する信号、又はラック内のどの場所がフラクションを取り込むことになるかについての情報をコントローラに提供することができる。
【0090】
一実施形態では、カラム14に接続されるRFID40Iは、カラムの過去の履歴を指示することができる。クロマトグラフ実施に先立って、その情報を得るための要求を送信することによって、コントローラ18はこの情報をRFID40Lから入手することができる。そのプログラム及びコントローラ18は、この情報を、溶媒タンク24Aに関連付けられるRFID40A及び溶媒タンク24Bに関連付けられるRFID40Bから得られる溶媒の識別情報と比較することができる。そのカラムの使用が、新たな溶媒条件がカラムにおいて使用するのに適していないことを指示する場合には、コントローラ18は、コントローラ18に関連付けられるRFID40Lから、モータ32に関連付けられるRFID40D及び読出しディスプレイ34に関連付けられるRFID40Mに信号を送信することによって、クロマトグラフ実施を終了し、読出しディスプレイ34上に警告を表示することができる。フラクションコレクタ36も、そのRFID40Kを通して、コントローラ18と通信する場合がある。この通信は、カラム14及び検出器16とコントローラ18との通信とともに、検出器16の制御下でカラムから容器内に流出液を堆積する前に、ラック又は個々の容器が適切に位置決めされるのを保証することができる。
【0091】
好ましい実施形態では、検出器16、ポンプ26、溶媒タンク24A及び24B等のような液体クロマトグラフシステム10の個々の構成要素がコントローラ18と直接通信し、コントローラ18が、それに応じて読出しディスプレイ34のような他のユニットに信号を送信する場合があるが、他の通信経路が用いられる場合もある。好ましい実施形態では、通信の中心は、コントローラ18と通信する無線通信デバイス40Lであり、無線通信デバイス40Lはその中に十分なメモリを有する。それゆえ、無線通信デバイス40Lを通してコントローラ18にピークを送信し、無線通信デバイス40Lに、無線通信デバイス40M及び40Kを通して読出しディスプレイ34及びフラクションコレクタ36にピークを送信させるのではなく、たとえば、検出器16が読出しディスプレイ34と直接通信し、それによりピークを表示することができる。
【0092】
図2には、ポンピングシステム12と、カラム及び検出器アレイ14Aと、コレクタシステム16と、コントローラ18と、パージシステム30Aと、パーソナルコンピュータ130とを有する予備液体クロマトグラフシステム10Aのブロック図が示される。パーソナルコンピュータ130は無線通信デバイス40Zと通信する。ポンピングシステム12は、コントローラ18の制御下で、カラム及び検出器アレイ14に溶媒を加える。コントローラ18と通信するために電気的に接続されるRFID40Uから、モータ32Aと通信するために電気的に接続されるRFID40Tに信号を無線で送信することによって、コントローラ18はモータ32Aに信号を供給し、モータ32Aがポンプアレイ26Aを駆動する。ポンプアレイ26Aが動くことによって、それに接続されるRFID40Sに信号が与えられ、RFID40Sは、それに応じてその信号をRFID40Uに送信して、ジャム又は中断が検知されるようにし、コントローラ18は、ポンプアレイ26Aが適切に動くことを指示するフィードバック信号を受信し、それによりコントローラ18の制御下で、溶媒タンク及びマニホールド42C及び42Dからカラム及び検出器アレイ14に液体が汲み上げられ、さらにカラム及び検出器アレイ14からコレクタシステム16に流体が流れ込む。カラム及び検出器アレイ14内の検出器からの信号は、RFID40Vによって、コントローラ18と通信するRFID40Uに送信される。コントローラ18はさらに、読出しディスプレイ34Aと通信する無線通信デバイス40Wに無線で送信することによって、バンドの検出を反映する信号を読出しディスプレイ34Aに送信する。また、コントローラ18から無線通信デバイス40Uによって送信される信号は、フラクションコレクタ36Aと通信する無線通信デバイス40Yによって受信され、当該技術分野において知られているようにして試料を収集する。適切なフラクションコレクタシステムは、Teledyne Isco社(4700 Superior Street, Lincoln, Nebraska 68504)から市販されるFOXY(登録商標)200フラクションコレクタである。図2に示され、本明細書において記述されるクロマトグラフシステムも、米国特許第6,427,526号において無線システムを用いることなく記述されており、その特許の開示は参照により本明細書に援用される。
【0093】
溶媒をポンプアレイ26Aに供給するために、ポンピングシステム12は、第1の溶媒タンク及びマニホールド及び第2の溶媒タンク及びマニホールドが、それぞれ42C及び42Dにおいて示される複数の溶媒タンク及びマニホールドと、ポンプアレイ26Aと、後に説明されるようにポンプ26Aのアレイを動作させるためにコントローラ18の制御下で駆動されるモータ32Aとを含む。また、モータ32Aがポンプアレイ26A内の往復運動するポンプのピストンを作動させて、ポンプアレイ26A内の複数のポンプから溶媒を汲み上げ、それと同時に42C及び42Dのような溶媒タンク及びマニホールドから溶媒を汲み出すのに応じて、コントローラ18は、無線通信デバイス40Sを通してポンプアレイ26A内のバルブを制御し、それにより溶媒の流れ及び勾配の形成を制御する。
【0094】
このポンピング過程中に、ポンプピストンが動かなくなる場合がある。ポンプアレイ26A内のポンプが動かなくなった場合には、少なくともそのポンプからの圧力を解除するための自動解除機構が存在し、それにより損傷を回避する。好ましい実施形態では、解除機構は、損傷が生じることなくモータ32Aがピストンを連続して上下に動かすことができるように、そのポンプが170psiのような定格圧力よりも高い値に設定されるようにするための流体圧解除機構である。さらに、ポンプアレイ26A内のバルブが、もしあれば液体の量を制御し、勾配動作の場合には、ポンプに汲み出され、ポンプから汲み上げられる異なるタンクからの液体の割合を制御する。マニホールドがタンクと連通し、それぞれ溶媒タンクマニホールド42C及び42D内の第1の溶媒及び第2の溶媒のような複数の溶媒をそれぞれポンプアレイ26Aの中に汲み出すことができ、それにより、複数のポンプが同時に動作できるようにする。
【0095】
好ましい実施形態では、往復ピストンポンプのアレイが用いられるが、往復運動するか否か、及びピストンがあるか否かにかかわらず、任意のタイプのポンプが適している。当該技術分野において且つ当業者には、多数の異なるポンプ及びポンピング原理が知られており、任意のそのような既知のポンプ又はポンピング原理を、日常的な技術業務を通して、本明細書において開示されている本発明に適合させることができ、大抵の場合には、1つのモータが複数のポンプを駆動する。図2の実施形態では、2つの溶媒が開示されているが、1つの溶媒だけが用いられる場合があるか、又は3つ以上の溶媒が用いられる場合もある。単一のモータによって複数のポンプが同時に駆動される動作のために、このポンピング機構によれば、効率及びコスト削減が達成される。
【0096】
流出液を処理するために、コレクタシステム16は、溶質を収集するフラクションコレクタ36Aと、マニホールド42と、マニホールド42からの廃棄物を処理する廃棄物入れ44とを含む。1つ又は複数のフラクションコレクタ36Aは、カラム及び検出器アレイ14と連通し、マニホールドを用いて、又は用いることなく、カラムからの溶質を取り込む。マニホールドを用いて、2つ以上のカラムからの溶質を1つにして、それらの溶質を1つのレセプタクル内に堆積することができるか、又は各カラムが自らのレセプタクル内に溶質を堆積することができるか、又はカラムのうちのいくつかが自らの対応するレセプタクル内に溶質を堆積し、他のカラムは溶質を1つにして同じレセプタクル内に入れることができる。マニホールド42は、カラム及び検出器アレイ14と連通し、各カラムからの流出液を運び、それを廃棄物入れ44に堆積する。フラクションコレクタ36Aは、米国特許第3,418,084号において開示されているフラクションコレクタか、又は上記のFOXY(登録商標)フラクションコレクタのような任意の適切なフラクションコレクタとすることができる。
【0097】
好ましい実施形態における無線通信デバイス40Uは、無線通信デバイス40Zに情報を送信し、無線通信デバイス40Zは、当該技術分野において知られているようにして、パーソナルコンピュータ130のメモリ内に格納される電子ノートブック内に情報を記録する。数多くの電子ノートブックシステムがあり、それらはプログラムの一部としてのフォーマッティングを有する。たとえば、Waters Laboratory Informaticsノートブックは、実行される全ての動作をログに記録し、カスタマイズされた報告を作成するであろう。
【0098】
図3には、複数のピストンポンプシステム60A〜60J(図3には例示のためにピストンポンプ60A〜60Eが示される)を有するポンプアレイ26Aの概略的なブロック図が示されているが、好ましい実施形態では、そのような10個のポンプが存在し、それぞれが、溶媒タンク及びマニホールド42C及び42D(図2)のマニホールドからの10個の出口のうちの対応する出口と連通し、タンク及びマニホールド42C及び42Dからカラムのうちの対応するカラム(図3には示されない)に溶媒を汲み上げるように配置される。10個のポンプシステムがそれぞれ実質的に同じであるので、ポンプシステム60Eを説明すれば、全てのポンプシステムの十分な説明になるという了解のもとで、図3には、ポンプシステム60A〜60Dの4つがブロックの形で示されており、第5のポンプシステム60Eが、より詳細に図示される。
【0099】
各ポンプシステムは、マニホールド出口58A〜58J(図3には58A〜58Eが示される)及び59A〜59J(図3には59A〜59Eが示される)の対応するマニホールド出口と連通し、勾配を形成するために2つの異なる溶媒を取り込む。それらは、パージコンジット66A〜66J(図3には66A〜66Eが示される)によって示されるように、パージ流体源とも連通する場合がある。この構成によれば、各ポンプは、溶媒タンク及びマニホールド42C及び42D(図2)内の溶媒タンクから、その中に溶媒を汲み出す。溶媒は、出口68A〜68J(図3には68A〜68Eが示される)のうちの対応する出口を通ってポンプから流れる。
【0100】
ポンプシステム66Eは、第1の溶媒タンク及びマニホールド42C(図2)からの入口コンジット58Eと、第2の溶媒タンク及びマニホールド52からの入口コンジット59Eと、三方ソレノイドバルブ70Eと、二方ソレノイドバルブ72Eと、長いフローコンジット73Eと、往復ピストンポンプ74Eと、チェックバルブ78Eとを含む。この構成によれば、コンジット58E及び59Eからの2つの異なる溶媒が、三方ソレノイドバルブ70E及び二方ソレノイドバルブ72Eを接続する共通点を通って、ポンプ74Eに加えられる。好ましい実施形態では、ピストンポンプ74Eの行程毎に2サイクルの溶媒が加えられる。コンジット86Eを通り、チェックバルブ78E及び出口コンジット68Eを通って、カラム及びコレクタアレイ14(図2)まで形成される勾配を汲み上げるために、シリンダのサイズ、フローコンジット73Eのサイズ、ピストンの補充行程及び送出し行程の速度は、ポンプ74E及びフローコンジット73E内での混合を確実にするように選択される。このために、ポンプシリンダは1インチ〜8インチの範囲の長さである。好ましい実施形態では、シリンダは3.5インチ長である。
【0101】
1ポンプサイクルの補充部分中に溶媒の2回の注入又は装填を提供するために、電子制御式二方溶媒バルブ72Eが、無線通信デバイス40S2から受信される信号の制御下で、ポンプ74Eの各ピストン補充行程中に一度開く。無線通信デバイス40S2は、コントローラ18(図2)と通信する無線通信デバイス40U(図2)から無線で信号を受信する。エンクロージャがポンプサイクルの送出し部分を結合する。好ましい実施形態では、二方バルブ72Eはソレノイドバルブである。勾配を与えるために、電子制御式三方プロポーショニングバルブ70Eが、そのバルブと通信する無線通信デバイス40S1からの信号に応答して、各補充行程中に2つの溶媒タンクを何度も切り替える。無線通信デバイス40S1は、無線通信デバイス40U(図2)からの無線伝送によってコントローラ18からこの目的のための信号を受信し、それにより、第1の溶媒タンク及びマニホールド42Cに対して開き、その後、第2の溶媒タンク及びマニホールド42D(図2)に対して開き、良好に混合するために2段階で両方の溶媒を与える。三方バルブ70Eが第1の溶媒タンク及びマニホールド42Cに対して開き、次いで第2の溶媒タンク及びマニホールド42Dに対して開く時間の比によって、勾配における混合物の組成が決まる。ソレノイド作動バルブ70E及び72Eはいずれも、それらのバルブが無線通信デバイスを通して電子信号で通信するコントローラ18の制御下にある。
【0102】
図4には、そのうちの5個が100A〜100Eとして示される複数のカラム及び検出器と、対応する複数の出口導管68A〜68Eと、対応する複数の溶質出口110A〜110Eと、マニホールド42(図2)からの対応する複数の廃棄物出口108A〜108Eと、フラクションコレクタ36Aとを有するカラム及び検出器アレイ14の概略図が示される。好ましい実施形態では、10個のカラム及び検出器が存在する。例示するために、カラム及び検出器100A〜100Eが実質的に同じであるという了解のもとで、カラム及び検出器100A〜100Dが包括的なブロックとして示されるのに対して、カラム及び検出器100Eが、より詳細に図示される。さらに、本出願において用いられる例と合うように5個のカラム及び検出器が示されるが、その数を容易に増減することができ、好ましい実施形態では10個が用いられる。
【0103】
カラム及び検出器100Eは、注入器システム102Eと、カラム及び検出器アレイ14内のカラムスタック14A及び14Bと、カラム及び検出器アレイ14内の検出器16Eと、廃棄物出口108Eと、溶質出口110Eとを含む。この構成によれば、勾配の有無にかかわらず、溶媒がコンジット68Eにおいて注入器101Eを通り、カラム及び検出器アレイ14内のカラムスタック14A及び14Bを通って流れ、フローセル122Eにおいて溶質を検出することができ、そしてそこから、溶質を収集して廃棄物を廃棄するための収集器システム16(図2)に流れ込む。カラムスタック(図4の14A及び14B)は、代わりに、動作モードにかかわらず任意のタイプのクロマトグラフカラムとすることができ、それは一般的には、分離問題に基づいてパックされる。好ましい実施形態では、カラムはTeledyne Isco社(4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504)から販売されるREDISEP DISPOSABLE COLUMNSである。そのカラムは、シリンジから手動で、又は注入器101Eから自動的に注入される試料を取り込み、且つ出口68Eにおいて溶媒を取り込むように取り付けられる。その出口は、カラム及び検出器アレイ14内の検出器システムの中を流れる。
【0104】
図4には、例示のためにカラム14A及び14Bのスタックが示される。カラム14Aの出口は当該技術分野において知られているようにしてカラム14Bの入口と連通し、カラム14Aの入口ポートがバルブ103Eから溶媒及び試料を取り込み、カラム14Bの出口ポートがフローセル122Eに送り出されるようにする。この構成では、無線通信デバイス40Uがカラム14Aと通信するように接続され、無線通信デバイス40U3がカラム14Bと通信するように接続される。これらの無線通信デバイスはそれぞれ、それらのカラムの特性についての情報を含み、リーダ及びマイクロプロセッサが情報を比較して、接続が正しいか否かを判断できるようにし、表示又は警報を通して、或いはコントローラを通してポンプの動作を禁止すること等によって、この情報をユーザに適切に伝達することができる。たとえば、(1)無線通信デバイスが通信するマイクロプロセッサに不適合の使用を指示させることによって、不適合の溶媒システムを回避するだけの十分に完全な過去の履歴、(2)クロマトグラファによって使用されるための試料クロマトグラフ曲線、(3)較正曲線、(4)等級の高いカラムほど、価格の高い市場で販売することができるように、カラムを等級分けするために用いることができるカラム構成の精度又は精度の指示、(5)流量、(6)圧力、(7)溶媒混合物、(8)pH、(9)導電率、(10)溶存酸素等が、カラムと関連付けられる無線通信デバイス上に記録される場合がある。或る特定の化学物質又は過程によるカラムの効率を求め、記録することができる。
【0105】
クロマトグラフ実施の開始時に、無線通信デバイス40J(図1)が、コントローラ18と通信する無線通信デバイス40U(図2)から信号を受信し、それによりバルブ103Eを切り替えて、溶媒が注入器101Eに流れ込み、さらに注入器からカラム(14A、14B)を通って、バンドを検出するためのフローセル122Eに流れ込むようにする。
【0106】
検出システムは、光源142Eと、フローセル122Eと、検出器16Eと、コンジット44を通って廃棄物出口108Eに、又はコレクタ出口110Eに流体を運ぶためのバルブ126Eとを含む。光源142Eは、これ以降、光学ベンチと呼ばれ、カラム及び検出器アセンブリ100A〜100Eのそれぞれに共通の光源から光を当て、その光を、フローセル122Eを含む複数のフローセルのうちの対応するフローセルの中に加え、さらにそこから検出器16Eを含む対応する検出器まで送る。受信される信号は、コレクタ36Aまで運ばれることになる流出液と、特定のカラム及び検出器システムのための廃棄物まで運ばれる流出液とを指示する。
【0107】
注入器102Eは、好ましい実施形態では固体試料装填カートリッジと、試料の選択及びカラム14A及び14Bへの注入を制御するための四方手動選択バルブ103Eとを含む。図4の実施形態では、個別の注入器システム(図4には注入器システム102Eが示される)がカラム毎に設けられるが、所望により、1つの注入器からの出口が複数のカラムに同じ試料を供給するためにマニホールドに進むことができ、且つ/又は1つの注入カートリッジからの出口が複数の注入バルブに進むことができる。同様に、単一機能のコレクタ36が示されるが、2つ以上のコレクタに接続される個別のバルブとともに、複数のそのようなコレクタを用いることもできる。
【0108】
注入器システム102Eは、好ましい実施形態ではカートリッジである試料注入器101Eから試料を交互に注入し、ポンピングシステムの出口68Eからの溶媒勾配を選択するための四方バルブ103Eを含む。こうして、試料を注入することができ、その後、手動バルブ103Eを回転させることによって、クロマトグラフ実施を開始することができる。手動四方バルブ103Eが示されるが、自動注入器バルブも市販されており、利用することができる。
【0109】
図5には、フラクションコレクタダイバータバルブ214と、フローセル及び検出器アレイ124と、コントローラ18と、圧力変換器218と、溶媒を汲み上げるためのバルブアレイ212とを有するクロマトグラフシステム10Aのブロック図が示される。このブロック図は、たとえば、コントローラ18、ポンプドライブモータ32A、フラクションコレクタダイバータバルブ214、カラム及び検出器アレイ14及びバルブアレイ212の間の無線通信デバイスによる接続を示す。図5に示されるように、コントローラ18は、特に、ポンプコントローラ200、並びにバルブ及び検出器コントローラ201のような機能構成要素を含む。バルブアレイ212は、ポンプミキシングバルブ70と、入口バルブ72と、パージバルブ94とを含む。
【0110】
図5に示されるように、ポンプコントローラ200は、米国特許第5,360,320号において記述されているようなフィードバック構成において、直列ポンプドライブ32A及び圧力変換器218に接続され、その特許の開示は参照により本明細書に援用される。具体的には、米国特許第5,360,320号の図4において開示されているポンプを制御するために、その特許の段落11、12、13及び14において図8及び図9とともに開示されているフィードバック回路が本明細書において利用される。また、ポンプコントローラ200は、バルブ及び検出器コントローラ201ともインタラクトし、それにより、フロー及び検出器アレイ124、及びフラクションコレクタ36A(図4)のためのフラクションコレクタダイバータバルブ214を制御する。バルブ及び検出器コントローラ201は、バルブアレイ212のミキシングバルブ70A〜70J(まとめて70で示される)、入口バルブ72A〜72J(まとめて72で示される)及びパージバルブ94を制御するために信号を供給する。この構成によれば、収集されることになるバンドを検出することによって、フラクションコレクタバルブを制御して、収集物を適切な容器まで運ぶ。
【0111】
このシステムは、ユニット間が有線で接続される代わりに、その動作を制御するために無線通信デバイスがデータ又はデータのパケットを送信することを除いて、米国特許第6,427,526号において記述されているように動作する。
【0112】
図6には、互いに180度の角度を成して配置される第1の無線通信デバイス40U1及び第2の無線通信デバイス40U2を有するカラム14の簡略化された斜視図が示される。図6では、それらの無線通信デバイスはカラムの中央部分に示されるが、それらの無線通信デバイスが無線受信機と適度に接近して通信することになるカラム内のどの場所に配置されてもよい。それらの無線通信デバイスを180度だけ離して配置することによって、無線通信デバイスのうちのいずれか一方がクロマトグラフシステムのケーシング上に取り付けられる受信機に対して遮られない通信経路を有することになるので、カラムが回転方向の位置付けに対して影響を受けなくなる。40A〜40Z又は188A〜188Gのような無線デバイスはRFIDデバイスとすることができるが、たとえば、光学読出しデバイスのような数多くの他のタイプの無線デバイスも適しており、或いはその代わりに、ブルートゥース又はジグビー又はWi−Fiが用いられてもよい。たとえば、カラム上にバーコードが記録される場合があり、クロマトグラフデバイス上のリーダによって読み出される場合がある。
【0113】
図7には、メインフレーム46と、第1の試験管ラック50及び第2の試験管ラック52のような複数のラックとを含む、フラクションコレクタ36の斜視図が示されており、第2の試験管ラック52は、組立分解図で、下側を見せるように回転して示される。メインフレームは、タッチスクリーン又はLCDディスプレイ48と、分配器アーム60と、RFIDリーダ56Bと、無線通信デバイス40Kとを含む。試験管ラックはそれぞれ無線通信デバイス40Kを有し、それは好ましい実施形態では、RFIDリーダ56Bのようなリーダの近くに来ることができる下側に取り付けられるRFIDデバイスである。リーダ及び無線通信デバイスは、ラックが所定の位置にあるか否かを判断し、分配器アーム60が所定の位置に移動し、試験管54のような適切な管内に流体を分配するのに適した識別情報を与えるために、開口部の数及び断面等によってラックを特定することができる。図7の実施形態では、2つの異なるラック50及び52を有するフラクションコレクタ36が示されており、その一方が組立分解図で示されるが、それらのラックはそれぞれ、位置決め及びタイプが検査される場合がある所定の位置に自動的に移動される場合がある。その後、適切に液体を分配するために、フラクションコレクタ36に関連付けられるマイクロプロセッサに情報が送信される場合がある。
【0114】
図8には、分配器アーム60と、メインフレーム46と、RFIDテーブル114に接続されるRFIDリーダ56B及び56Cと、LCDディスプレイ48(図7)のための導体リボン112と、主回路基板アセンブリ92とを示す、下側及び背面から見たフラクションコレクタ36の斜視図が示される。フラクションコレクタ36内に配置される第2の試験管ラック50及び第3の試験管ラック64が示される。フラクションコレクタ36は、96穴ラックであるか、又はその中に試験管84を有する任意の他の適切なサイズのラックであり、試験管ラック50は、一例として、その中に試験管54を示す48穴ラックである。
【0115】
動作時に、40K(図7)のようなRFIDデバイスが、試験管ラック中にある種々のサイズの試験管の配列単位で試験管ラックの識別情報を含み、それにより、試験管が適切なRFIDリーダ56A(図7)、56B及び56Cと位置決めするときに、リーダが主回路基板92に対して、試験管ラックが、分配器アーム60を制御して適切な管に又は廃棄物に流出液を分配するのに適した場所にあることを指示できるようにする。RFIDリーダ56A、56B又は56Cは、試験管ラック内の試験管50及び84のサイズについての情報も含む場合があり、それにより、コントローラ18(図1)がRFIDリーダ56Aからこの情報を受信し、分配器アーム60を移動することになるプログラムを開始して、必要に応じて一連の管内に試料を収集し、溢れ出ないようにすることができる。第2の試験管ラック52(図7)内のRFID無線通信デバイス40KのようなRFIDデバイスは、試験管内に収集される試料を識別し、試験管の構成を与え、フラクション等を識別することができ、さらにユーザ識別情報を含み、それにより試験管ラックが必要に応じて他の処理ユニットにユーザ情報を供給し、試料の分配を制御し続けることができるようにする。さらに、この情報は、分光計等の他の解析装置とともに用いるために試料を移送する移送デバイスによって利用される場合もあり、さらに処理するために、及び電子ノートブック等に情報を転送するために、分光計内の対応するデバイスで用いられる場合もある。
【0116】
好ましい実施形態における無線通信システムは、Sokymatによって販売され、125kHzにおいて動作するTHEQ5プログラマブルRFIDタグのようなRFIDタグを用いる。RFIDリーダモジュールはID-InnovationsID−12である。それらを符号化して、2つの構成、試験管の数及び試験管の容積を識別する。
【0117】
図9には、パーソナルコンピュータ又は他のコンピュータとすることできる中央コントローラ128と、機器を製造し、その機器のための部品及び補給品を供給する製造業者の施設とすることができる複数サイトサービス施設116と、インターネットサービスプロバイダ118と、液体クロマトグラフ10〜10Bのような複数の機器と、13〜13Bで示されるような1つ又は複数の保管及び維持管理施設と、たとえば、15〜15Bにおいて示されるような、質量分析計又は他の分離機器のような他の機器とを有する、複数の液体クロマトグラフシステム又は他の複数フラクション機器若しくは過程を遠隔制御及び監視するためのシステム98のブロック図が示される。機器10〜10B及び15〜15Bの構成部品は互いに通信し、保管又は維持管理施設と通信する場合もある。たとえば、カラムを用いる実施間に使用するためのカラムが保管される場合があり、これらのカラムは、カラムが専用で使用されるプロジェクトについての情報、又はプロジェクトが実施されている顧客についての情報、又は任意の他のそのような関連する情報を含む、カラムの履歴について情報を付与されて保管される場合がある。同じことは、収集容器又はラック等にも当てはまる場合がある。この情報は、中央コントローラ128にも送信される場合があり、そこから、複数サイトサービス施設116においてデータを送信及び収集するために、インターネットサービスプロバイダ118に送信される。
【0118】
複数サイトサービス施設116は、顧客が必要とする場合がある補給品を予測できるように、特定のシステムを用いて個々の顧客について統計値を保持する場合がある。さらに、修理情報が送信される場合もあり、たとえば、クロマトグラフシステム10〜10Bが或る点に関して機能しなくなる場合には、機器上の無線通信デバイスがその障害を検出することができ、その情報は、中央コントローラ128によって複数サイトサービス施設116に送信されることができる。たとえば、複数サイトサービス施設は、特定の顧客が一定の使用率で或る特定のタイプのカラムを使用しており、所定の数のカラムの在庫を有することを指示する統計値を有する場合がある。この情報を用いて、複数サイトサービス施設116は、顧客がさらにカラムを必要とする時点を予測し、カラム販売の準備をするために顧客に連絡することができる。同様に、複数サイトサービス施設116は、或る特定の構成要素がその有効期限を過ぎる可能性がある時点を統計的に判断することができる。たとえば、複数サイトサービス施設116は、或る特定のタイプのフラクションコレクタが、その統計データベースから、所定数の動作時間だけ有用であること判断することができ、特定のフラクションコレクタがその動作時間に近づくときに、点検修理又は再購入の準備ができるように顧客に知らせることができる。或る特定の化学物質及び過程の場合のカラムの効率は、複数のステーションから収集される統計値から判断することができる。デフォルト条件、製造管理及び品質管理規則、課金情報、IQ(据付時適格性確認)、OQ(稼動性能適格性確認)並びに両方の試験ステップ及び結果を含むPQ(稼動時適格性確認)等の顧客特有の情報を入手することができ、顧客に供給することができるか、又は顧客に対して点検修理を実行する際に用いることができる。
【0119】
図10には、第1の化学処理ステーション134及び第2の化学処理ステーション136と、解析又は分離ステーション138とを有する化学処理システム132のブロック図が示される。化学処理ステーション132及び136は、組み合わせ化学過程を含む化学操作を実行し、その化学操作では、反応を引き起こす温度及び時間条件下で、或る範囲の既知の試薬又は既知の試薬量が或る材料に順次に適用されるか、又は好ましい反応のためのパラメータに達するために、時間又は温度が順次に変更される。これらのステーションは、反応の生成物を別の容器に移送するための機構、又は反応生成物をさらに解析、精製又は分離するための解析ステーションに移送するための機器を含む。
【0120】
化学処理ステーション134内には、140及び144のような複数の反応コンソールがあり、同様に反応ステーション136内にも、同じく複数の反応コンソール146及び148がある。各反応ステーション134及び136は、反応ステーション134内の移送コンソール150及び反応ステーション136内の移送コンソール154のような移送コンソールも含む。反応ステーションは、試薬を化学物質に適用し、所望の反応を得るために、それらの化学物質を適切な時間にわたって適切な温度及びpHに保持する。それらのステーションは、これを自動的に、且つ連続的に行ない、それぞれ反応コンソール140及び144のための160A、反応コンソール146のための無線通信システム160Q、及び反応コンソール148のための無線通信システム160Rのような適切な無線通信システムを含む。これらの無線通信システムは、反応した物質の識別情報、及び反応物、時間、温度、その反応を実施しているユーザ又は顧客、及び改竄防止通信及び反応測定を提供するためにFDA標準規格に準拠する必要があるさらに別の反応のような他の情報を転送する。
【0121】
使用することができ、販売されている数多くの異なる反応コンソールがあるが、適切な反応コンソールが1979年9月25日にRobert W. Allingtonに対して発行された米国特許第4,168,955号において開示されており、その開示は本明細書に援用される。各化学処理ステーション134及び136はそれぞれ、移送コンソール150及び154も含み、各移送コンソール150及び154は、無線通信システム160C及び160Sのうちの対応する無線通信システムと通信する。これらのデバイスは、試薬、試薬を用いて反応生成物を準備する際のステップ、反応生成物、及び必要とされる解析又は分離又は精製等の将来の操作に関連する情報を適用する。この情報は、156Fのような移送容器に適用され、対応する無線通信システム160Dによって移送容器156Fに適用される。
【0122】
これらの容器は、手動で、又は解析用又は分離用ロボットを通して、解析及び/又は分離ステーション138内の解析又は分離機器162に装着される(applied)ことによって、そのステーションによって利用される場合がある。たとえば、この機器162は、ピークの時間によって特定の材料を検出及び認識することができるか、又は特定の分子種を精製又は(of)分離することができる液体クロマトグラフとすることができる。分離及び解析反応は、解析又は分離機器162と通信する無線通信システム160Kによって転送される場合がある。精製された物質及びそれに関する情報は、無線通信システム160Kによって、それぞれの容器158A及び158Bと通信する160P及び160Oのような精製又は分離された材料のために容器に移送される場合がある。容器158A、158B及び158Cは、移送コンソール152によって、移送コンソール152にある移送容器158Dに移送される場合があり、無線通信システム160Lは、図10に示される158Dのような容器と通信する無線通信システム160Mに情報を転送する場合がある。この構成によれば、化学処理ステーションからの容器は、さらに使用するか又はさらに処理するのに必要な全ての情報をその上に有するであろう。
【0123】
図11には、複数の無線通信デバイス40U4〜40U8を有するカラム14Bが示されており、好ましい実施形態では、その無線通信デバイスは、カラム14Bの内部にあるセンサ164A〜164Eと通信するために、その長さに沿って間隔を置いて配置され、電気的に接続されるRFIDデバイスである。センサ164A〜164Eは、カラム内部の特性を検知する場合があるか、又はカラム内に間隔を置いて配置され、所望によりカラムの壁の特性若しくは外部温度を検知する場合がある。一実施形態では、164A〜164Eのようなセンサは壁と一体に成形される場合があり、それにより、それらのセンサはカラム14Bの内容物と接触することはできるが、カラム14Bは封止されたままであり、無線通信デバイス40U4〜40U8はカラム14Bの外部に無線で送信することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、カラムの壁に沿って間隔を置いて配置されるセンサ及び無線通信デバイスの代わりに、トランスポンダ及び無線通信デバイスがカラム内に配置される場合がある。たとえば、温度トランスポンダ及び無線通信デバイスが1つの保護ケーシングに入れられ、カラムのパッキング内に配置されて、温度を検知し、カラムの外部の温度を送信して、カラム内の温度を制御するためのフィードバックを与えることができる。外部ヒータ又は冷却装置が、無線通信デバイス内に記録される温度及び送信される温度によって制御され、それによりカラム、又はカラムに加えられる溶媒を加熱又は冷却し、その温度を所望の範囲内に保持することができる。1つのそのような通信デバイス及び適切な温度センサが、KSW-VarioSens製品ライン内でKSW Microtek社によって製造される。これらのトランスポンダは、KSW Microtek社(Manfred-Von-Ardenne-Ring 12 D-01099 Dresden, Germany)から市販される。
【0125】
図12には、制御システム168と、1つ又は複数の充填ステーションドライブモータ170と、ポンプステーション174と、ポンプドライブセクション176と、ポンプドライブステーション176のためのドライバ172と、分配器178とを有する排水試料採取器システム166のブロック図が示される。ポンプステーション174は、水源180と連通し、そこから水を採取するように構成される。排水試料採取器システム166を制御するために、制御システム168は、無線通信デバイス188Aと通信するために接続されるCPU182と、無線通信デバイス188Bと通信するために接続されるディスプレイ184と、無線通信デバイス188Cと通信するために、その無線通信デバイスに電気的に接続されるキーボード186とを含む。
【0126】
無線通信デバイス188Aから、ポンプドライブステーション176と通信するために接続される無線通信デバイス188Gに信号を送信することによって、制御システム168は、ポンプステーション174が水源180から水の試料を汲み上げるようにプログラムすることができる。制御システム168から無線通信デバイス188Aによって送信される信号に応答して、ポンプステーション174は、試料を分配器178内の容器に汲み上げる。充填ステーションドライブモータ170を制御するために、制御システムは、無線通信デバイス188Aから、分配器178と通信するために接続される無線通信デバイス188Eにシグナリングし、充填ステーションドライブモータ170と通信するために接続される無線制御デバイス188Dに信号を送信する。ボトルは通常、分配器178内の標準的なサイズ及び形状の試料ボトルであるが、その中に無線通信デバイスを含む。
【0127】
これらの無線通信デバイスは不揮発性メモリを含み、不揮発性メモリはCPU182から信号を受信し、将来に参照するために、時刻と、容器内に堆積した水の量とを記録する。また、不揮発性メモリは、水の温度と、試料採取の時刻から解析までの試料温度のログとを記録する。温度測定値を用いて、加熱又は冷却デバイスを制御することによって、試料温度の非接触閉ループ制御のためのフィードバックを与えることもできる。その容器が容器又はラック内にある場合には、容器の重量が試料の量の指示となり、容器の底にある単純な重量計によって重さを量ることができる。その重量計は無線通信デバイスに接続される場合があり、試料の汲み出しをフィードバック形式で制御するために、モニタ上に試料の量の好都合の読出し値を与えることができる。
【0128】
制御システム168は、一連の容器を自動的に充填する動作を制御し、そのため、分配器178は試料容器を含み、それらの試料容器は、水が汲み出された場所、水が汲み出された時刻、水を汲み出した顧客、水源、及びその水に関して実行されることになる試験ステップに関して特定される場合がある。制御システム168は、184において示される典型的なディスプレイ及び/又は印刷ユニット、並びに186において示されるキーパッド又は電気通信ジャックのような典型的な入力ユニットとともに、中央プロセッサユニット182を含む。制御システム168はプログラムされ、試料を汲み出す際の自由度を提供するように、ポンプステーション174、分配器178及び充填ステーションドライブモータ170の動作を連係させるのに必要なインターフェースを含む。その制御システムは、個々の構成要素の動作を連係させて、後の試験のために液体内の揮発性物質の完全性を保持しながら、容器を適切に充填する。
【0129】
図13には、中央ステーション190と、192において示される試料を有する複数の遠隔サイトとを含む、試料採取構成のブロック図210が示される。中央ステーション190は、氷供給源196と、ボトルキャリア供給元198と、容器供給元200と、複合容器204と、発送用カートン供給元202からの発送用カートンとを含む。試料のために試料採取器、定期的に交換される氷、容器キャリア、容器及び発送用カートンは、中央ステーション190から、試料採取器を使用する各遠隔サイト192に移動され、遠隔サイトから試料が持ち出され、それらの試料が、206において示されるような中央ステーションにある場合がある試験室に持ち込まれる。試験室206では、RFID無線通信デバイス208Dが試験をプログラムされ、その結果及びそのプログラムが個々の容器に転送される。個々の容器は、試験室206においてコンソールと通信するために接続されるRFID無線通信デバイス208Eによって導入される試験室206のソースに加えて、それらの結果及びプログラムを有する。発送用カートン供給元202は、無線通信デバイス208Cと通信するために接続され、それにより、カートンが持ち出されては新たな空のカートンが供給されるように在庫を保持する。同様に、容器供給元200は、RFID無線通信デバイス208Bを通信するために接続され、それにより、新たな容器が持ち込まれ、古い容器が取り去られるのに応じて、その上にプログラムされる情報を受信することによって利用可能な容器の在庫を保持する。ボルトキャリア供給元198も同様に在庫を維持する。
【0130】
この構成によれば、複数の異なるサイトにおいて同じ基礎を用いて、容器の異なる構成を利用できるようになり、試料は、そのサイトから、試料が解析されるか又は使用されるのに適した場所に都合よく持ち込まれることができる。動作時に、試料採取器がそのサイトに持ち込まれ、試料が汲み出される。発送用カートン容器、キャリア容器及び氷がそのサイトに持ち込まれる。発送用カートンから容器キャリアが取り出され、氷が取り出され、試料採取器から試料の容器が取り出される。発送用カートンから容器キャリア、氷及び容器が取り出され、試料採取器に入れられる。古い容器キャリア、キャリア及び氷は発送用カートンに入れられ、解析のために試験室に持ち込まれる。
【0131】
先に使用された複数フラクションシステムはそれぞれ、無線周波数識別デバイス(RFID)のような無線通信デバイスを利用して、動作のための命令を与えるために構成要素、ステーション及びコンソール間で通信し、実行された動作及び実行されることになる動作の記録を保持するために情報を転送し、且つデータを記録する。
【0132】
図14には、通信ネットワーク224を通して、中央供給元サイト222から、個々の顧客又はユーザサイト226A〜226Dにいる複数のユーザへの消耗品の発送を管理するためのシステム220のブロック図が示される。中央供給元サイト222は、モデム、タグ付けされた消耗品の供給元、及び予め設定された期間において推定される製品(EPFPP)及び或る特定の最終限度データのようなデータを有する情報記憶装置を含む。ユーザサイト226A〜226Dは実質的に同じであり、本明細書では、ユーザサイト226Aだけが説明されることになる。本明細書では、中央供給元は、顧客とAMAN補給品協定を結ぶ団体であり、購入に関連する記録を保持し、且つ消耗品を発送するための責任を負う。
【0133】
これらのユーザサイト226A〜226Dは好ましい実施形態では装置サイトであり、タグ付けされた消耗品を使用することになる装置を含む。本明細書では、タグ付けされた消耗品は、たとえば、それに取り付けられるRFIDのような少なくとも1つの無線通信デバイスを搭載される消耗品である。226Aにおいて示されるようなこれらの各サイトには、タグリーダ及び送信機228、消耗品230を用いるための装置、及び個々の発送品を保管するための一時保管スペース232がある。各装置サイト226A〜226Dは、インターネットとすることができる通信ネットワーク224を通して、又はユーザが操作するパーソナルコンピュータによって、又は装置に接続されるパーソナルコンピュータによって、又はブルートゥースのような中間通信手段を通して、中央供給元サイト222と通信する。インターネットへの接続は、或る特定のタイプの装置を用いて自動化することができる。
【0134】
好ましい実施形態では、顧客のためのアカウントが確立され、その顧客のアドレスが、装置に接続される多重アクセスカードに埋め込まれる。顧客の識別情報は、各制御システムのマザーボード上にある、特有で且つ変更可能な識別子であることが好ましい。ユーザは、顧客がその装置とともに使用するつもりである特定の消耗品を選択することができる。たとえば、一実施形態では、その装置は中央供給元の所有者によって販売されるクロマトグラフシステムであり、顧客は、そのシステムが使用するカラムサイズを選択するであろう。そのアカウントは一般的に、予め設定された期間に使い捨て用品を必要な分だけ(AMAN)提供する契約を確立するであろう。顧客は初回在庫を受け取るであろう。初回在庫は、初回の部分的な発送分と見なされるであろう。
【0135】
本明細書では、予め設定された期間は、供給業者と消耗品のユーザとで合意した、消耗品が購入注文に従って発送されることになる期間である。一回発送分は、顧客に対して一度に発送される消耗品の量であり、終了時点に達するときに、結果として、最初の合意に基づいて顧客によって必要に応じて別の一回発送分がトリガされる。本明細書において、最初の合意は、予め設定された期間の開始時に結ばれたAMAN消耗品の補給に関する最初の合意である。この合意は予め設定された期間を開始する。
【0136】
一回発送分は、(1)消耗品がこれまでに使用されてきており、将来において使用されることが予想される使用率;及び(2)消耗品に割り当てられることになる一時保管スペース、を考慮に入れて設定される。一時保管スペースは、一度に入手されることになる消耗品の一回発送分のための保管スペースである。このスペースは、経済的な理由のために、顧客によって制限される場合がある。保管スペースを小さくできることは、中央供給元とのAMAN契約を結ぶことによって顧客に利益をもたらす1つの要因である。
【0137】
クロマトグラフカラムのような消耗品が使用される度に、クロマトグラフシステムとすることができる装置上のモジュールが、消耗品の使用を記録する。装置上のリセットボタン又はいくつかの他の指示が起動され、消耗品が十分に使用されており、そのため別の装置に移送して使用することができないか、又は再度使用することができないことを指示するときに、消耗品が使用済みであると見なされる。その指示は、使い捨て用品が一度しか使用されなかったが、二度使用されたものとカウントされないようにし、それにより同じ定価で余分な無料の消耗品がトリガされないようにするために選択される。本明細書において、タグ付けされた消耗品が使用されたという指示は、「トリガ点」と呼ばれる場合がある。消耗品の使用についての情報は、消耗品が使用される度に送信される場合があるか、又は一日のような或る期間にわたって累積され、その後、送信される場合がある。
【0138】
情報の送信は、中央供給元に直接無線送信すること、中央供給元に再送するためにインターネットに接続される受信機に無線送信すること、消費装置からインターネットへの有線接続のような任意の手段によって、又は任意の他の送信手段によって行なうことができる。カウンティング機構又は指示送信システムの障害時には、二次的なバックアップ指示が与えられる場合があり、それにより、1箱の使い捨て用品のような所定の数の使い捨て用品が使用されたことを指示する。本明細書において、1箱の使い捨て用品のような量が使用された二次バックアップ点は、二次トリガ点又は二次トリガ信号と呼ばれる。
【0139】
制御ユニットは中央供給元サイト222にあるウエブサーバにコンタクトし、そのサーバに要件を送信する場合があるか、又はコンタクトできない場合には、24時間のような遅延が組み込まれ、別の試行が行なわれる場合がある。予め設定された試行回数が成功しなかった場合には、メッセージを表示して、再注文する必要があることを指示することができる。このメッセージには、ユーザが代替措置をとるために、ウエブサーバに入力することができるコードが表示される場合がある。このコードは、ユーザによってタイプされる場合があるか、又は別のドライブにセーブされ、ユーザによって手動でサーバに送信される場合がある。このコードは、機器アドレスと、必要とされる消耗品及び日時とを符号化する暗号化されたメッセージである。日時を含むことによって、その暗号化されたメッセージは、補給が必要とされる度に異なり、カラムを得るために同じコードが何度も入力されないようにする。
【0140】
暗号化されたメッセージが受信されるとき、それが有効なメッセージであることを保証するために暗号解読される。それが手動で入力された場合には、ユーザは、保護手段として適切なコードを再入力するように促されるであろう。その需要は、次にスケジュールされた隔週の発送まで累積される。発送日が近づくと、ウエブサーバは、受注に対して送信される報告を生成する必要がある。顧客が使い捨て用品を使用する使用率のような動向が、システムから判断される場合がある。或る特定の予想されない理由から使い捨て用品が極めて大量になる場合を少なくするか、又はAMAN契約が不正に使用されるのを防ぐために、その契約は最大限度(最終限度)を有する場合がある。
【0141】
図15には、消耗品の注文、支払い、発送及び在庫を管理する方法の流れ図236が示されており、その方法は、(1)顧客のための予め設定された期間にわたって推定される製品及び製品のコストを判断し、顧客からAMANを得るステップ238と、(2)顧客から支払いを受けるステップ240と、(3)顧客のためのタグ付けされた消耗品の一回発送分を決定するステップ242と、(4)最終限度、又は予め設定された期間の終了のうちの早い方に達するまで、各トリガ点に達した後に、一回発送分を繰返し発送するステップ244と、(5)新たな購入注文を協議するステップ246とを含む。
【0142】
予め設定された期間中に推定される製品は、顧客の使用量の過去の履歴を調べ、顧客の仕事量の任意の変化を考慮に入れることによって統計的に求めることができる。同様に、消耗品のタイプを決定することができ、使用されることが予想される消耗品のタイプから、予め設定された期間にわたって推定される消耗品の数、及び推定される全価格を判断することができる。予め設定された期間は一般的には一年であるが、3ヶ月、又は顧客の特定のプロジェクトのための期間を含む、任意の他の都合のよい期間とすることができる。
【0143】
好ましい実施形態では、顧客は、1つ又は複数の予備液体クロマトグラフシステムを購入した団体である。その消耗品はクロマトグラフカラムを含む。別の好ましい実施形態では、顧客は、水試料採取器を用いて環境監視を実施する実体であり、その消耗品は、試料採取器のポンピングシステムにおいて用いられる管材料、及び水試料のためのボトル等を含む。
【0144】
一般的に、購入注文は、予め設定された期間中に必要な分だけ使い捨て用品を購入するためのAMAN注文であろう。本明細書においてAMAN、すなわち必要な分だけ購入する契約は、予め設定された期間中に顧客が最終限度まで消耗品を必要な分だけ受け取る協定又はシステムを意味する。本明細書において、最終限度は、予め設定された期間にわたる消耗品の最大量を意味し、一般的には、予め設定された期間にわたって推定される製品(EPFPP)よりもわずかに多く設定される。それは、顧客による使用量に極端な変化がある場合の安全係数である。本明細書において予め設定された期間にわたって推定される製品は、商品の数又は材料の量であり、顧客との契約又は顧客からの購入注文のような、協定の対象物である。それは、予め設定された期間内に使用されることが予想されるクロマトグラフカラム又は管材料のような個別の商品の推定値とすることができる。
【0145】
予め設定された期間は典型的には一年であるが、3ヶ月のような任意の他の期間とすることができる。この数は、その顧客との過去の経験から最初に推定することができるか、又は顧客が推定することができるか、又は元の推定値の修正、及び或る期間にわたって得られる使用量の記録等によって判断することができる。最終限度はコストに基づく場合もある。そのような事例では、最終限度は、予め設定された期間にわたって推定される製品のコスト(ECPFPP)よりもわずかに高い。予め設定された期間にわたって推定される製品のコストは、実質的に同じ金額において個別に販売される場合に、推定される製品に対して請求されることになる推定コストであり、得られる収入が顧客にもたらされる利益に相応しいと確信するように調整される。一回の支払いは、予め設定された期間にわたって推定される製品コストに基づいて得られる。これは、予め設定された期間中の再注文を削減し、再販売、再購入、及び何度も注文が出されていたなら伴うことになっていた全ての事務手続き及び記録保持のコストを節約する。
【0146】
一回発送分を決定するステップ242は、顧客との経験によって得られる場合もある。それは、全ての消耗品が使い果たされる前に、注文点に達するように設定される。本明細書において、注文点は、一回発送分において顧客によって使用される量であり、それにより別の一回発送分の新たな発送がトリガされる。最終限度、又は予め設定された期間の終了のうちの早い方に達するまで、各トリガ点に達した後に、一回発送分を繰返し発送するステップ244は、適切な状況において変更される場合もある。たとえば、顧客側において仕事量が異常に多いために、予め設定された期間前に最終限度に達するときに、最終限度が変更される場合がある。そのような事例では、最終限度の増加又は予め設定された期間の延長が協議され、契約が変更される場合がある。
【0147】
予め設定された期間又は最終限度の終了時に、新たなAMAN契約が協議され、その過程が繰り返されてもよい。その全過程は、無線通信を使用することによって自動化される。消耗品はタグ付けされる。本明細書において、タグ付けされる消耗品は、本明細書において先に説明されたように、たとえば、RFIDデバイスのような無線送信機及びメモリを取り付けられている製品である。それは、上記のように、カラムの一部として取り付けられる場合もある。それは、クロマトグラフシステムとの関連で先に説明されたように、ユーザサイトにおいてリーダとともに用いられることが意図されている。
【0148】
本明細書において、一時保管スペースは、EPFPP消耗品の少なくとも一回発送分のための保管スペースを意味する。再利用できないように消耗品が使用されたとき、トリガ点に達し、消耗品及び顧客を特定する信号が生成される。この信号は記録され、中央供給元に送信されて、使用されている消耗品に関する連続した記録が保持されるようになる。クロマトグラフシステムの事例では、プレカラムは使い捨て用品であり、プレカラムが注入システムに接続される時点を検出することができる。この情報は記録され、送信されて、プレカラム及びカラムの使用を指示することができる。
【0149】
このシステムは、たとえば、(1)予め設定された期間にわたって顧客によって、且つ販売者によって複数の購入が追跡されなければならない代わりに、事務手続きを必要とする購入が一度しかないこと、(2)顧客に対する消耗品のコストが予め設定された期間にわたって予測可能であること、(3)顧客によって保持され、且つ管理されなければならない在庫品の量が削減されること、(4)予算から毎年支出されるコスト、又は予算のどの期間のコストも予測可能であること;及び(5)顧客が所定の期間にわたって、より容易に予算を計上することができること等のいくつかの利点を有する。
【0150】
本発明の好ましい実施形態がかなり詳しく説明されてきたが、上記の説明を踏まえて、本発明の数多くの変更及び変形が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、具体的に説明される以外の態様で実施される場合があることは理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は環境装置及びクロマトグラフ装置並びに合成化学を無線で監視、識別及び管理するための装置及び方法に関し、より詳細には、環境装置及びクロマトグラフ装置によって用いられる補給品を管理するための装置及び方法に関する。
【0002】
デバイス及び装置を監視、識別及び管理するための無線通信が知られている。たとえば、デバイスを識別し、情報を受信機に転送するために、RFIDデバイス及びブルートゥースデバイスが広く用いられている。
【0003】
クロマトグラフカラムについての情報を識別し、受信機に提供するための1つの従来技術の装置及び方法が、Ozawa等に対する特許文献1、Hassinenに対する特許文献2及びKrakoverに対する特許文献3において開示されている。特許文献1は、その内部に埋め込まれ、カラムの仕様の変化、溶離液流量の混合比、理論段及び他の情報等の情報を格納する不揮発性メモリを有する半導体を開示している。その半導体デバイスは、無線通信によって、データプロセッサが半導体内に格納される情報を受信できるようにするために用いられる。特許文献2及び特許文献3は、試験管上のRFIDタグと、バーコード化されたマイクロタイタープレートと備える試験管運搬装置を開示している。
【0004】
しかしながら、従来技術の無線識別及び通信技法は、液体クロマトグラフィ及び環境試料採取において生じる識別及び通信の問題の多くを満足に解決していない。
製品の補給品を顧客にとって都合よく配置しておくことが知られている。顧客サイトにおいて、又はその近くにおいて補給品の維持管理を提供する1つの従来技術のシステムでは、無線デバイスを用いて、都合のよい場所において製品の在庫を管理すると共に、事前に決められた顧客が製品を入手できるようにする。身元が確認されている顧客が地域のサイトに出入りし、その顧客がタグ付けされた消耗品を持ち出すのに応じて課金記録のような記録を生成することによって、無線通信デバイスは、購入箇所を顧客の近くにすることができる。これらの従来技術のシステムでは、その顧客に対する課金及び買掛金等を生成するために用いられる情報は、製品に接続されるRFIDデバイスによって、そのサイトにおいて自動的に生成され、この情報は本社に送信されるので、顧客の近くの都合のよい地域に製品を保管できるようになり、顧客が近くの購入箇所において事務手続きを行なう必要はない。RFIDを利用するこれらの購入箇所システムは、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16及び特許文献17において開示されている。
【0005】
この従来技術の購入箇所システムは、たとえば、(1)この過程がRFIDデバイスの助けを借りて自動化される場合であっても、顧客及び販売者が多数の購入を追跡しなければならないこと;(2)購入に先立って、消耗品の顧客に対する長期コストが予測できないこと;(3)有効期限が過ぎるのを避けるために、保管しておかなければならない在庫品の量を注意深く管理しなければならないこと;(4)予算から毎年支出されるコスト、又は予算のどの期間のコストも予測不可能であること;及び(5)消耗品のための保管スペースは、費用のかかる監視を必要とし、地域の保管施設から顧客によって持ち出された後まで、遠方の販売者によって所有される消耗品を収容するので、過剰な保険事務手続き及び資本経費が生じること等の、いくつかの不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,690,893号
【特許文献2】米国特許第6,971,506号
【特許文献3】米国特許第6,458,273号
【特許文献4】米国特許第7,293,705号
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0069018号
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0190628号
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0081705号
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0015752号
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0194437号
【特許文献10】米国特許出願公開第2004/0178264号
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0127177号
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/0125312号
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0040952号
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0232231号
【特許文献15】米国特許出願公開第2004/0232230号
【特許文献16】米国特許出願公開第2004/0222298号
【特許文献17】米国特許出願公開第2004/0222297号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、たとえば、環境試料採取装置又はクロマトグラフ装置を無線で監視及び管理するための機器のような、新規の無線複数フラクション機器及び過程を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、クロマトグラフ装置が他のクロマトグラフ装置と通信できるようにするシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、環境装置が他の環境装置と通信することができるシステムを提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、クロマトグラフカラム上にそのカラムの過去の履歴を記録するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、環境試料採取装置が他の装置と無線通信するための新規のシステムを提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、中央マイクロプロセッサがいくつかのクロマトグラフシステム上の構成要素を制御し、それにより、それらの構成要素を連係又は動作させることができるようにする新規のシステムを提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、マイクロプロセッサがいくつかの環境試料コレクタの構成要素を制御できるようにする新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、1つ又は複数の試料容器の位置を指示するマップ又はプランをコントローラに提供するための新規のシステムを提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、環境試料容器ホルダ、又はクロマトグラフ管ラック、又はマイクロタイタープレート等の位置を指示するための新規のシステムを提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、液体クロマトグラフシステム、及び質量分析計又はガスクロマトグラフのような他の試料分離システムの両方と協働するように意図されるクロマトグラフカラムに関する情報を指示するための新規のシステムを提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、液体クロマトグラフシステムのような1つの分離システムから質量分析計のような別のシステムにカラムを移動するためのロボット輸送装置(arrangement)を制御するための新規のシステムを提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、較正曲線、保持時間、パッキング、履歴、ロット番号、クロマトグラム、過去の分離条件等のような情報をカラム上に記録するための新規のシステムを提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、カラムのようなクロマトグラフ部品上にある無線通信システムがマイクロプロセッサシステム内に記録されるデータベースと協働して在庫管理を提供する、在庫管理の新規のシステムを提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、別個のマイクロプロセッサ内に記録されるデータベースと無線を介して協力するカラム又は他のクロマトグラフ構成要素若しくは環境試料採取器構成要素内に保持される情報によって、再注文がトリガされる新規のシステムを提供することである。
【0018】
本発明のさらに別の目的は、カラムの保持時間のような特性の精度がカラムのような構成要素上に記録されて、所定の範囲内で動作する特性を有するカラムを、それらの所定の範囲を必要とする用途に自動的に適合させることができるようにする品質管理システムを提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、予め選択された化学反応及び実施又は実施回数に関して特定のクロマトグラフカラムの効率を追跡するための新規のシステムを提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、システムの構成要素によって無線でアクセスされる化合物のライブラリを用いて組み合わせ探索を自動化するための新規のシステムを提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、電子ノートブック内にデータを自動的に記録するために、クロマトグラフのような分離機器において用いるための新規のシステムを提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、クロマトグラフ構成要素と中央コンピュータとの間でセキュリティを確保しながらオンライン通信できるようにするシステムを提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、Wi−Fi又はブルートゥースと互換性があるクロマトグラフ装置及び環境装置のための新規の通信システムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、カラムライニング、溶媒の極性、クロマトグラフィのタイプ等のようなカラムの特性を記録するための新規のシステムを提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、環境構成要素若しくはクロマトグラフ構成要素を点検修理するか、又は最終用途を特定するか、又は構成要素が期限切れである時点を判断する際に有用である情報をクロマトグラフ構成要素又は環境構成要素上に記録するための新規のシステムを提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、米国施行規則第11巻に基づいてクロマトグラフシステムを改竄防止にするシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、米国施行規則第9巻に基づいて薬剤を生成するために必要とされる全ての情報を記録するための新規のシステムを提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、本部に課金情報を送信するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、中央システムに信頼性情報を送信するための新規のシステムを提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、カラムに関しての、カラムを補助及び積み重ねるための情報、及び積み重ねるのに適したカラムの長さ及びタイプについての情報のような間違いを回避するための情報を提供することである。
【0028】
本発明のさらに別の目的は、カラムに内蔵され、送信機に接続されるセンサを用いて、温度、導電率、pH、圧力等の特性を検知することができる新規のカラム又は他の容器を提供することである。
【0029】
本発明のさらに別の目的は、反応物、供給原料又は流体混合物の物理的特性を検知するためのセンサを含み、検知された特性をフィードバックのために使用する新規のカラム、容器又は反応器を提供することである。
【0030】
本発明のさらに別の目的は、三角測量、位相等によってラック内のカラムを特定するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、機器間でデータを送信するための新規のシステムを提供することである。
【0031】
本発明のさらに別の目的は、デフォルト条件のような、顧客又は製造者にとって特有の情報を記録するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、製造されている構成要素に関する、優良試験所基準又は製造管理及び品質管理規則のような標準データを提供することである。
【0032】
本発明のさらに別の目的は、カラムに関する等級又はコスト等によってカラムを分類するための品質管理にとって有用な情報を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、品質管理のために製造時又は試験時のステップを記録するための新規のシステムを提供することである。
【0033】
本発明のさらに別の目的は、分離システム又は環境試料採取システムの構成要素に関する流量、圧力、溶媒混合、pH、導電率、溶存酸素、IQ、OQ、PQ等を記録するための新規のシステムを提供することである。
【0034】
本発明のさらに別の目的は、種々の機能が外部デバイスと通信するカラム上で実行される新規のポータブル液体クロマトグラフシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、環境デバイスによって測定が行なわれることになる特定の場所において条件を記録するために、グローバルポジショニングシステムと通信するための記録−送信デバイスを提供することである。
【0035】
本発明のさらに別の目的は、液体クロマトグラフシステム内の溶媒容器内の溶媒高のような消耗品の値を追跡するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、分離カラムを備えるスカベンジャーカラムのようなスタッキングシステムを提供することである。
【0036】
本発明のさらに別の目的は、予め注文されるか又は予め購入される消耗品の顧客への発送を管理するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、消耗品のユーザが、さらに事務手続きを行なうことなく、又はコストをかけることなく、それらの消耗品の予め購入された補給品を入手できるようにする新規のシステムを提供することである。
【0037】
本発明のさらに別の目的は、供給業者が知らない別の購入者又は供給元が消耗品を流用できないようにしながら、或る購入者又は宛先への消耗品の発送を管理するシステムを提要することである。
【0038】
本発明のさらに別の目的は、顧客に必要な分だけ(AMAN)消耗品を提供するための新規のシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、消耗品を販売するためのコスト及び事務手続きを削減するための新規のシステムを提供することである。
【0039】
本発明のさらに別の目的は、消耗品のコスト及び配送を管理するさらに確実な方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、消耗品を販売するための事務手続きのコストを削減するためのシステムを提供することである。
【0040】
本発明のさらに別の目的は、消耗品を使用する必要がある装置(equipment)の販売業者が、消耗品をその装置の顧客に効率的に提供するための新規のシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明の上記の目的及びさらに別の目的によれば、複数フラクション機器が、少なくとも1つのポンピングシステムと、少なくとも1つの流路と、流路固定取付具と、少なくとも1つの容器を収容するように構成される容器固定取付具と、コントローラとを備える。少なくとも1つのポンピングシステムは第1の無線通信デバイスを有し、コントローラは第2の無線通信デバイスを有する。第3の無線通信デバイスを有する、複数フラクション機器の少なくとも1つの他の構成要素も存在する。第2の無線通信デバイスは、少なくとも第1の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。少なくとも1つの他の解析機器が、その流路からの1つのフラクションを取り込むように接続されることが好都合である。
【0042】
本明細書において、用語「複数フラクション機器又は過程」は、個々のフラクション又は試料又は成分を識別又は管理する必要があるか、或いはフラクション又は試料又は成分のそれぞれについての情報を呼び出す必要があるような方法で複数のフラクション又は試料又は成分を処理する分離科学又は環境研究等の科学的又は調査的な仕事において用いられる機器又は過程を意味する。用語「無線通信デバイス」は、無線によって情報を受信及び/又は送信することができるデバイスを意味しており、送信することができるか、変更することができるか、配列することができるか、又は受信することができるデータ又はプログラムのような情報を格納するための不揮発性メモリを備える場合も、備えない場合もある。無線通信デバイスは、送信機、又はリーダ、又はトランシーバ、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。好ましい実施の形態では、それらのデバイスはRFIDデバイスであるが、バーコードシステム又は任意の他の無線システムのようなブルートゥース、又はWi−Fi、又はZigbee光学システムとすることもできる。
【0043】
より具体的には、液体クロマトグラフシステムは、少なくとも1つのカラムと、少なくとも1つのカラムを収容するように構成される少なくとも1つのカラム固定取付具と、少なくとも1つのカラムから流出液を取り込むように配置される少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つのコントローラと、液体クロマトグラフシステムの少なくとも1つの他の構成要素とを含む。少なくとも1つのカラムは第1の無線通信デバイスを有し、液体クロマトグラフシステムの少なくとも1つの他の構成要素は、第2の無線通信デバイスを有する。少なくとも1つのコントローラは、少なくとも1つのコントローラと通信するように接続される第3の無線通信デバイスを有し、第1の無線通信デバイス、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスのうちの少なくとも1つは、第1の無線通信デバイス、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスのうちの少なくとも別の無線通信デバイスと通信するように配置される。第4の無線通信デバイスに接続され、カラムから流出液を取り込むように配置される少なくとも1つの検出器が存在する。
【0044】
第4の無線通信デバイスは検出された種についての情報を第3の無線通信デバイスに送信する。さらに、フラクションコントローラ及び少なくとも1つの収集容器ラックが少なくとも1つの検出器からの流出液を取り込むように配置され、フラクションコントローラと通信する第5の無線通信デバイスと、第3の無線通信デバイス及び第5の無線通信デバイスのうちの一方と通信する少なくとも1つの第6の無線通信デバイスとを含む。パーソナルコンピュータが、少なくとも1つのコントローラ上の無線通信デバイスと通信する無線通信デバイスを有する。パーソナルコンピュータは、メモリ内に電子ノートブックを有し、その中にカスタマイズされたデータを記録する。
【0045】
液体クロマトグラフの動作中に、クロマトグラフカラムのためのクロマトグラフ曲線を表すデータが、クロマトグラフカラムに取り付けられる第1の無線通信デバイスに記録される。クロマトグラフカラムが液体クロマトグラフシステム上のカラム固定取付具内に挿入されるときに、この曲線が読み出される。クロマトグラムを表すデータは、液体クロマトグラフシステムのためのコントローラと通信する第2の無線通信デバイスにおいて受信される。クロマトグラフ曲線のための一連の溶媒条件を表すデータが、第2の無線通信デバイスから、液体クロマトグラフシステム内のポンピングシステムと通信する第3の無線通信デバイスに送信される。そのデータは、第3の無線通信デバイスに送信される一連の溶媒条件に従って、クロマトグラフカラムに溶媒を送り込むために用いられる。
【0046】
クロマトグラフカラムから流出液を取り込むように配置される少なくとも1つの検出器と通信する第4の無線通信デバイスから第2の無線通信デバイスにデータが無線送信され、第2の無線通信デバイスから、少なくとも1つの検出器によって検出されるピークを指示するために読出しデバイスに、且つバンドの収集を起動するためのフラクションコントローラにデータが送信される。別の実施の形態では、その中に格納される勾配プログラムを有するコントローラと、ポンピングシステムに情報を送信するためにコントローラに電気的に接続され、且つ通信する第1の無線通信デバイスとが存在する。好ましい実施の形態では、ポンピングシステムは、少なくとも2つのシリンジポンプ及び少なくとも2つの液体供給源を含む。ポンプは少なくとも1つの無線通信デバイスを含む場合があり、その無線通信デバイスは、ポンピング速度を制御するためにコントローラ上の無線通信デバイスからデータを受信する。代替形態では、クロマトグラフシステムは、少なくとも1つの時間比例電子制御式液体勾配スイッチングバルブと、少なくとも1つの時間比例電子制御式液体勾配スイッチングバルブと通信する第2の無線通信デバイスとを含む場合がある。
【0047】
スイッチングバルブは、少なくとも2つの液体供給源のうちの一方又は他方から、少なくとも2つのシリンジポンプのうちの少なくとも一方のシリンジポンプの入口に、液体の流れを切り替えるために接続される。第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスは有線接続され、少なくとも1つの時間比例電子制御式液体勾配スイッチングバルブの切替時間を送信し、それによりコントローラに格納される勾配を形成する。少なくとも2つのシリンジポンプのうちの一方は、複数のチャネルのチャネル毎に用いられる。少なくとも2つのシリンジポンプはそれぞれ、少なくとも5ミリリットルの変位を有し、少なくとも2つのシリンジポンプのうちの一方は試料注入デバイスに接続され、そこからクロマトグラフカラムに接続される排出口を有する。少なくとも1つの無線通信デバイスはメモリを含む。そのメモリは、その中に、溶媒の開始濃度を表すデータを記録されており、それにより、クロマトグラフシステムは、溶媒の開始濃度を用いて試料の予め選択された成分を分離することができる。メモリは、その中に、試料の予め選択された成分を精製するための開始濃度及び終了点を有するクロマトグラフ曲線を表すデータを記録される。
【0048】
その機器アレイは、複数の複数フラクション機器と、汎用制御システムと、複数の複数フラクション機器のうちの少なくともいつくかとを含む場合がある。複数フラクション機器は、複数の第1の無線通信デバイスのうちの対応する第1の無線通信デバイスを含む場合があり、汎用制御システムは、第2の無線通信デバイスと、コンピュータをプログラムするための入力デバイスとを含む。第2の無線通信デバイスは、複数の第1の無線通信デバイスのうちの1つと選択的に、又は同時に通信するように配置され、それにより、汎用制御システムは、複数の複数フラクション機器のいずれかを連係させることができる。
【0049】
上記複数フラクション機器のうちの少なくともいくつかは液体クロマトグラフであり、いくつかは他のタイプの機器であることが好都合である。液体クロマトグラフは、それらの機器と通信する対応する第3の無線通信デバイスを有するカラムを含む。第3の無線通信デバイスは、収集されたフラクションが他の解析機器に適用されることを指示するデータと、他の解析機器によって実行されることになる演算のための命令とを有する不揮発性メモリを含む。他の解析機器は、たとえば、質量分析計とすることができる。
【0050】
液体クロマトグラフからフラクションを取り込む容器に接続される無線通信デバイスが、収集されたフラクションが他の解析機器に適用されることを指示するデータと、他の解析機器によって実行されることになる演算のための命令とを有する不揮発性メモリを含む場合がある。他の解析機器は、質量分析計、又は液体クロマトグラフからの出力をさらに精製又は解析する際に有用な任意の他の機器とすることができる。
【0051】
化学プロセッサが、反応時間コントローラを有する少なくとも1つの反応ステーションと、制御可能なピペット又はポンプと、反応物容器と、レセプタクルコンベアとを含む。少なくとも1つの反応ステーションは、少なくとも1つの第1の無線通信デバイス及び複数のレセプタクルを含む。複数のレセプタクルはそれぞれ、対応する第2の無線通信デバイスのうちの1つと通信するように接続され、且つそれに取り付けられる。第3の無線通信デバイスに接続され、且つそれと通信する少なくとも1つの解析機器、及びレセプタクルから少なくとも1つの解析機器まで材料を移送するための少なくとも1つの移送コンソールが存在する。第1の無線通信デバイス、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスのうちの少なくともいくつかは、レセプタクル内の材料の履歴及びレセプタクル内の材料を処理するための命令のうちの少なくとも一方を指示するデータを含む不揮発性メモリを有する。不揮発性メモリは、レセプタクル内の材料の履歴及びレセプタクル内の材料を処理するための命令の両方を指示するデータを含む。
【0052】
動作時に、処理されることになる材料を収容するレセプタクルが、少なくとも1つの反応ステーションに移動され、そこで、レセプタクルに試薬を加えるステップ、レセプタクルを加熱するステップ、反応時間のためにそれ以降の動作を遅らせるステップ、及びレセプタクル内の材料を攪拌するステップのうちの少なくとも1つが実行される。材料、及び材料において実行されるステップは、レセプタクルに取り付けられる無線通信デバイス内に記録され、処理命令がレセプタクル上に記録される。その材料は第2のレセプタクルに移送され、処理ステップ及び材料が無線デバイス内の第2のレセプタクル上に記録される。それらの材料は解析機器に移動され、反応の生成物が第3のレセプタクルの中に分離される場合がある。過程及び材料の履歴は、第3のレセプタクル上に記録される場合がある。それらのステップ及び材料は電子ノートブック内にログとして自動的に記録される場合がある。
【0053】
クロマトグラフカラムは、入口ポートを有する入口端と、出口ポートを有する出口端と、入口端と出口端との間の管状側壁と、入口端、出口端又は管状側壁のうちの少なくとも1つ又は複数の上にある少なくとも1つの無線通信デバイスとを含む。少なくとも1つの無線通信デバイスは、データが記録されている不揮発性メモリを含む場合があり、そのデータは、実施間のカラムの精度、カラムの型及びモデルを指示するデータ、製造年月日、並びにカラムのロット番号を含む場合がある。
【0054】
クロマトグラフカラムの別の実施の形態は、入口ポートを有する入口端と、出口ポートを有する出口端と、入口端と出口端との間の管状側壁と、センサと、入口端、出口端及び管状側壁のうちの少なくとも1つの上にある少なくとも1つの無線通信デバイスとを含む。センサは、カラム及びカラム部品付近の環境及びカラムの内容物のうちの1つと通信し、少なくとも1つの無線通信デバイスと通信する。センサ及び少なくとも1つの無線通信デバイスは複数のセンサを含み、各センサが複数の無線通信デバイスのうちの対応する無線通信デバイスと通信する。複数のセンサのうちの1つは温度を検知し、複数のセンサのうちの1つはpHを検知する。
【0055】
クロマトグラフシステムが、第1のカラム及び第2のカラムを有する少なくとも1つのクロマトグラフカラム配列を含む。第1のカラムの出口が第2のカラムの入口ポートと連通する。第1のカラム入口端、第1のカラム出口端及び第1のカラム管状側壁のうちの少なくとも1つの上に少なくとも1つの無線通信デバイスがあり、第2のカラム入口端、第2のカラム出口端及び第2のカラム管状側壁のうちの少なくとも1つの上に少なくとも1つの無線通信デバイスがある。第1のカラム上の少なくとも1つの無線通信デバイスは不揮発性メモリを含み、第2のカラム上の少なくとも1つの無線通信デバイスは不揮発性メモリを含む。この構成によれば、無線通信デバイス間で通信することによって、コントローラに、カラムを積み重ねる際の誤差を指示することができる。したがって、第1のカラムと第2のカラムとの間の接続が不適切であることを示す指示がユーザに与えられる場合がある。
【0056】
クロマトグラフシステムの構成部品の在庫を管理するために、クロマトグラフシステムの一部が無線通信デバイスを含む。無線通信デバイス上に、利用可能なクロマトグラフシステムの部品の数を指示するデータ、及びその部品の製造年月日を指示するデータが記録される。部品の製造年月日は、全有効期限を短くするために定期的に点検される。さらに、その上に無線通信デバイスを備えるクロマトグラフシステムの部品を製造し、無線通信デバイス内に較正曲線を記録して、部品の品質及び用途によって在庫を分類できるようにすることによって、在庫が管理される場合がある。さらに、不揮発性メモリにデータが記録されており、そのデータは、実施間のカラムの精度、カラムの型及びモデルを指示するデータ及び製造年月日を含む。このデータは、在庫から持ち出されることになるカラムの選択、及びそれらのカラムが発送されるべき場所を管理するのを助ける場合がある。
【0057】
クロマトグラフ制御システムが、液体クロマトグラフ制御システムの複数の構成部品を含み、複数の構成部品のうちの少なくとも1つがその1つの構成部品に関連付けられるタグ上に記録される選択された特性を有する。そのタグは、マイクロプロセッサに情報を送信することができる。マイクロプロセッサは、データベースを含むメモリを含み、タグは、マイクロプロセッサに送信される場合がある表示を含む。マイクロプロセッサは、送信された情報を受信すると共に、その情報を、選択された特性を有する複数の構成部品を指示するデータベースに入力するための受信機手段を備える。データベースは、その中に記録される在庫目標数及び複数の機器を含む場合がある。
【0058】
機器管理システムの一実施の形態が、複数の複数フラクション機器及び汎用制御システムを含む。複数の複数フラクション機器のうちの少なくともいくつかは、複数の第1の無線通信デバイスのうちの対応する第1の無線通信デバイスを含む。汎用制御システムは、第2の無線通信デバイスと、データベースを含むメモリとを含む。データベースは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータを含む。データベースは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の数を指示するデータと、それらのタイプの構成部品の平均使用率と、それらのタイプの構成部品の製造業者の在庫とを含む。データベースは、1つのタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元を含む場合があり、それにより、その部品の製造業者及び型別のそのタイプの部品の信頼性の比較が行われる。データベースは、個々の顧客による使用率を含む場合があり、それにより、顧客の需要を予測することができ、さらに管理のために使用して、必要とされる構成部品の在庫、及び目標在庫最小数及び最大数、並びに手元にある構成部品の実際の数を判断することができる。そのシステムは、いずれかが超えられるときに、警告信号を与える。
【0059】
機器システムを管理する際に、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータが、複数の複数フラクション機器のそれぞれから、汎用制御システムに接続され且つこれと通信する無線通信デバイスに送信される場合がある。その通信は、複数の複数フラクション機器のうちの対応する複数フラクション機器に接続され且つこれと通信する複数の無線通信デバイスから行なわれる場合がある。複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータは、汎用制御システムのメモリ内のデータベースに記録される場合があり、その有用なデータは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に用いられる場合がある。そのデータベースは、複数の複数フラクション機器の少なくともいくつかのタイプの構成部品の数を指示するデータ、及びそれらのタイプの構成部品の平均使用率、及びそのタイプの構成部品の製造業者の在庫を含む場合がある。
【0060】
管理の目的を果たすために、そのデータベースは、(1)それにより製造業者別のそのタイプの部品の信頼性に関する比較が行われる、或るタイプの部品のモデル番号、価格、及び供給元;(2)その部品の型及びモデル番号;及び(3)それにより顧客の需要を予測することができ、管理のために用いることができる、個々の顧客による構成部品の使用率、を含む場合がある。構成部品の使用率を用いて、必要とされる構成部品の在庫を判断することができる。そのデータベースは、目標最小数及び最大数、並びに手元にある構成部品の実際の数を含む場合がある。たとえば、そのシステムは、いずれかが超えられるときに警告信号を与える。そのデータベースは、顧客による新たな購入と、材料、部品及び過程の増加及び変更とを含み、それによりデータベース内の情報を用いて材料及び部品の購入の増加及び減少を予測することができる。
【0061】
フラクション収集システムが、少なくとも1つの容器ホルダと、メインフレームと、メインフレームに取り付けられるマイクロプロセッサとを含む。メインフレームは、検出器からの流体出口と連通するように接続されるように構成される液体収容手段を備え、容器ホルダベッド内に少なくとも1つの容器ホルダを収容するような形状及び大きさを有する。
【0062】
フラクションコレクタ内に、分配器出口を容器間で移動すると共に、液体収容手段と連通するための少なくとも1つの分配器手段があり、それによりフラクションが容器内に堆積することができる。マイクロプロセッサは第1の無線通信デバイスと通信し、少なくとも1つの容器ホルダは第2の無線通信デバイスと通信する。容器ホルダベッドは第3の無線通信デバイスを含み、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、第3の無線通信デバイスに信号を送信する。第2の無線通信デバイスは不揮発性メモリを含み、その不揮発性メモリは、少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含む。第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含む不揮発性メモリを含み、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスの不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、第1の無線通信デバイスに信号が送信される場合がある。
【0063】
第2の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定する。液体を少なくとも1つの分配器手段に向けるか又は廃棄物に向けるために自動的に切り替えることができるバルブが第4の無線通信デバイスと通信し、ピークが過ぎたときに、第1の無線通信デバイスが第4の無線通信デバイスに信号を送信し、それにより少なくとも1つの分配器手段に流すことから、又は廃棄物の中に流すことから液体を切り替える。
【0064】
フラクション収集システムは、少なくとも1つの容器ホルダと、メインフレームと、メインフレームに取り付けられるマイクロプロセッサとを含むこともできる。メインフレームは、検出器からの流体出口と連通するように接続されるように構成される液体収容手段を備え、容器ホルダベッド内に少なくとも1つの容器ホルダを収容するような形状及び大きさを有する。分配器出口を容器間で移動すると共に、液体収容手段と連通するための少なくとも1つの分配器手段があり、それによりフラクションが容器内に堆積することができる。マイクロプロセッサは第1の無線通信デバイスと通信する。容器ホルダ内に少なくとも1つの容器が存在し、少なくとも1つの容器ホルダは第2の無線通信デバイスと通信する。容器ホルダベッドは第3の無線通信デバイスを含み、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、第3の無線通信デバイスに信号を送信する。
【0065】
フラクションを収集するために、少なくとも1つの容器ホルダがフラクションコレクタの分配器から液体を収容する位置にあるときに、少なくとも1つの容器ホルダの識別情報がコントローラに送信される。液体を収容する位置にある少なくとも1つの容器ホルダの識別情報を受信するとき、少なくとも1つの容器ホルダ内の容器に液体が挿入され、少なくとも1つの容器ホルダが適切な位置にないとき、挿入が禁止される。第2の無線通信デバイスは少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定する。第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを供給し、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスの不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、第1の無線通信デバイスに信号が送信される場合がある。
【0066】
第3の無線通信デバイスは、少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定するデータを供給する。少なくとも1つの容器ホルダは、少なくとも1つの容器ホルダ上に記録されるデータによって指示されるように別の機器において用いられる場合がある。ラック、マイクロタイタープレート、又はフラクションコレクタのための容器の他のホルダに関連付けられる無線通信デバイスは、たとえば、X及びY座標のような容器のマップを含む場合がある。これは、分配器アームを容器の上方の中心に配置するために用いられる場合があるか、又はユーザ若しくはロボットが、選択されたフラクションを有する特定の容器の位置を特定するために用いられる場合がある。
【0067】
液体試料採取器は、液体の本体から液体を繰返し汲み上げるためのポンプと、少なくとも1つの容器と、少なくとも1つの容器を収容するように構成される少なくとも1つの容器固定取付具と、少なくとも1つのコントローラと、少なくとも1つの流路を設けるための可動取付具を含む。ポンプは第1の無線通信デバイスを有し、少なくとも1つのコントローラは第2の無線通信デバイスを有する。少なくとも1つのコントローラは、第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスを通してポンプと通信し、ポンピングを開始すると共に1つの試料が堆積する容器を決定するためのプログラムを含む。第3の無線通信デバイスは、少なくとも第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。容器ステーションが無線通信デバイスと通信するように接続され、それにより容器ステーションが特定され、少なくとも1つのコントローラが、その容器ステーションに液体を向けることができる。
【0068】
環境試料を収集及び解析するために、機器が、液体の本体から液体を繰返し汲み出すようにプログラムされる少なくとも1つのポンピングシステムと、複数の容器と、ポンピングシステム毎に複数のコンソールのうちの対応する少なくとも1つのコンソールとを含む。複数のコンソールはそれぞれ、複数の容器のうちの対応する少なくとも1つの容器のためのステーションを有する。複数の容器固定取付具のうちの対応する容器固定取付具が、少なくとも1つのカラムを収容するために配設される。
【0069】
複数のコンソールのそれぞれのための少なくとも1つの対応するコントローラ、及び複数のコンソールのそれぞれに少なくとも1つの流路を設けるための複数の可動取付具のうちの対応する少なくとも1つの可動取付具が存在する。対応するコントローラは少なくとも1つのポンプと通信し、ポンピングを開始すると共に少なくとも1つの試料が堆積する容器を決定するためのプログラムを含む。各ポンプは複数の第1の無線通信デバイスのうちの対応する無線通信デバイスを有する。少なくとも1つの対応するコントローラは第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスを有する。第3の無線通信デバイスは、複数のコンソールのうちの少なくとも1つの対応するコンソール内の少なくとも1つの第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。
【0070】
この液体試料採取器において、容器ステーションが無線通信デバイスと通信するように接続され、それにより容器ステーションが特定され、少なくとも1つの対応するコントローラが、その容器ステーションに液体を向けることができる。解析ステーションが無線通信デバイスを含み、解析ステーションは複数の容器のそれぞれの供給元を特定することができる。
【0071】
現場での環境試料採取を提供するために、少なくとも1つの容器を収容するように構成される複数の容器固定取付具のうちの対応する容器固定取付具内の少なくとも1つの容器内に、液体の本体から液体が汲み上げられる。選択された容器の上方に流路が移動され、ポンピング動作が開始される。制御システムと通信するために接続される第1の無線制御デバイスの制御下で選択された容器の上方に流路が移動され、第2の無線制御デバイスが可動取付具と通信する。コントローラは、第2の無線通信デバイス及び第3の無線通信デバイスを有する。第3の無線通信デバイスは、少なくとも第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスと無線通信するように配置される。容器ステーションは無線通信デバイスと通信するように接続され、それにより容器ステーションが特定され、コントローラが、無線通信デバイスを通して、その容器ステーションに流体を向けることができる。
【0072】
ポータブル機器が、その長さに沿って間隔を置いて配置されるセンサを備えるクロマトグラフカラムを有する。それらのセンサは無線通信デバイスと通信するように接続される。そのポータブル機器は、入力と、無線通信デバイスに接続される読出しデバイスとを有し、読出しデバイスにおいて、上記センサからの読み値が表示される場合がある。そのポータブル機器は、他の機器と遠隔通信することができる無線通信デバイスを含む。そのポータブル機器は、位置を特定するためのGPSを含む場合があり、その位置は、その中に試料を有する容器上に記録される場合がある。現場において試料を環境試験するために、無線通信デバイスを含むポータブル機器は、試料を測定し、無線通信デバイス上に測定値を記録する。その後、そのポータブル機器は、無線通信デバイスから他の機器に無線で測定値を転送することができる。
【0073】
本発明の別の実施の形態では、本明細書においてAMAN(必要な分だけ)契約と呼ばれる場合がある一度の事前の契約に従って、必要に応じて顧客に消耗品が発送される。事前のAMAN契約は、コストに関する妥当な限度を超えることなく消耗品に関して必要な分だけ提供するために、本明細書において最終限度と呼ばれる場合がある、消耗品のコスト又は量の限度について協議される。最終限度は、予め設定された期間にわたる消耗品の最大量である。それは一般的には、予め設定された期間において推定される製品(EPFPP)よりもわずかに高く設定される。それは、顧客による使用量に極端な変化がある場合の安全係数である。
【0074】
好ましい実施の形態では、このシステムは、複数の顧客によって購入され、複数の顧客サイトに配置される複数の装置と協働する。当初の購入注文書が届けられ、本明細書において初回の一回発送分と呼ばれる場合がある、初回分が各顧客に送られる。消耗品はタグ付けされ、消耗品が使用されるのに応じて、消耗品のための中央供給元が消耗品の使用についての情報を受信する。消耗品の使用についての情報は、消耗品が使用される度に送信される場合があるか、又は一日のような或る期間にわたって累積され、その後、送信される場合がある。情報の送信は、中央供給元に直接無線送信すること、中央供給元に再送するためにインターネットに接続される受信機に無線送信すること、消費(consuming)装置からインターネットへの有線接続のような任意の手段によって、又は任意の他の送信手段によって行なうことができる。一回発送分の消耗品が顧客によって使用されてしまう前に、顧客が常に消耗品を備えているように追加の一回発送分が送られるが、そのためには顧客は一回購入を一度だけ行い、その一回購入のための事務手続きを処理するだけでよい。さらに、顧客は一回発送分のための保管スペースしか必要としない。
【0075】
このシステムの1つの動作モードでは、年間等の予め設定された期間における顧客の使用量が決定される。発送される消耗品は全てRFIDデバイスのような無線デバイスでタグ付けされており、タグ付けされた消耗品上に識別コードを含む。消耗品が使用されるのに応じて、顧客サイトにおいて読出しデバイスによって識別情報が読み出され、その商品の使用を示す指示が記録される。全ての一回発送分及び全注文が、中央供給元サイト及びユーザサイトのいずれか、又は両方において記録される場合がある。こうして、自動的に、一回発送分の使用量を決定することができ、ユーザが消耗品を使い果たさないように、ユーザに別の一回発送分を発送する必要があるときに、ユーザのサイトから、又は中央供給元から信号が与えられ、別の発送が行なわれる。
【0076】
一実施の形態では、ユーザは中央供給元から購入されるクロマトグラフシステムを有する。たとえば、クロマトグラフカラムのような消耗品が、過去の経験に基づいて、年間等の予め設定された期間にわたって推定される場合がある。一回発送分の最適な量は、使用率、ユーザによって保持されることになる在庫の量、及びユーザの一般的な都合に基づいて決定することができる。これから推定されるコストに達することができるので、一括払いにおいて、必要に応じてユーザに一回発送分を発送するための手配を行なうことができる。その液体クロマトグラフシステムは一般的には、それに搭載される読出しデバイスとともに販売され、挿入されるときに、そのリーダによって消耗品が特定され、格納されるようにする。消耗品の使用場所において、指示が与えられることなく別の消費者が再利用できないように、そのシステムに応じてユーザ又は中央供給元のいずれかによって信号が送信及び記録される場合がある。消耗品の使用についての情報は、消耗品が使用される度に送信される場合があるか、又は一日のような或る期間にわたって累積され、その後、送信される場合がある。その情報の送信は、中央供給元に直接無線送信すること、中央供給元に再送するためにインターネットに接続される受信機に無線送信すること、消費装置からインターネットへの有線接続のような任意の手段によって、又は任意の他の送信手段によって行なうことができる。この情報はインターネットを通して中央供給元とユーザとの間で送信されることが好ましいが、その装置を通して接続が容易に利用できない場合には、上記のような任意の他の通信形態を用いることができる。たとえば、そのようなインターネット接続が利用できない場合には、その情報は、装置とコンピュータとの間の無線通信システムを用いてパーソナルコンピュータを通して送信され場合があるか、又はユーザのサイトにおいてパーソナルコンピュータを用いて操作者によって手動で与えられ、且つ中央供給元において自動的に又は手動で与えられる場合がある。
【0077】
このシステムは、たとえば、(1)予め設定された期間にわたって顧客によって且つ販売者によって複数の購入が追跡されなければならない代わりに、事務手続きを必要とする購入が一度しかないこと、(2)顧客に対する消耗品のコストが予め設定された期間にわたって予測可能であること、(3)顧客によって保持され且つ管理されなければならない在庫品の量が削減されること、(4)予算から毎年支出されるコスト、又は予算のどの期間のコストも予測可能であること;及び(5)顧客が所定の期間にわたって、より容易に予算を計上することができること等のいくつかの利点を有する。
【0078】
本発明の上記の、そして他の特徴は、添付の図面との関連で検討されるときに、その詳細な説明からより深く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態による、液体クロマトグラフシステムのブロック図である。
【図2】本発明の別の実施形態による、予備液体クロマトグラフシステムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ポンプアレイの概略的なブロック図である。
【図4】図3の実施形態の一部を形成するカラム及び検出器アレイの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による、クロマトグラフシステムのブロック図である。
【図6】カラムと通信する無線通信デバイスを有するカラムの簡略化した斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による、フラクションコレクタの斜視図である。
【図8】別の角度から示される図7のフラクションコレクタの斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態による、複数の液体クロマトグラフシステム又は他の複数フラクション装置又は過程を遠隔制御し、監視するためのシステムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による化学処理システムのブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態による、温度、圧力、pH等のような要因のためのセンサを有するクロマトグラフカラムの図である。
【図12】本発明の一実施形態による、排水試料採取システムのブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態による、環境試料採取システムのブロック図である。
【図14】管理供給元から個々のサイトの複数のユーザへの消耗品の発送を管理するためのシステムのブロック図である。
【図15】消耗品の注文、支払い、発送及び在庫を管理する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1には、ポンピングシステム12と、コントローラ18と、少なくとも1つのクロマトグラフカラム14と、試料注入器20と、検出器16と、収集システム22とを有する液体クロマトグラフシステム10のブロック図が示される。好ましい実施形態では、2002年8月6日にDavison等に付与された米国特許第6,427,526号においてさらに完全に記述されているように、カラムのアレイ、検出器、試料コレクタ、ポンプ及びポンプモータが利用されることになるが、本発明は、図1に示される単一のカラムシステムを含む任意のクロマトグラフシステム、及び環境排水収集システムのような任意の他の複数フラクション機器にも同じく当てはまる。本明細書において、用語「複数フラクション機器」は、個々のフラクション又は試料又は成分を識別又は管理することから、或いはフラクション又は試料又は成分のそれぞれについての情報を呼び出すことから利益を得るような方法で、複数のフラクション又は試料又は成分を処理する分離科学又は環境研究等の科学的又は調査的な仕事において用いられる機器を意味するであろう。
【0081】
図1の実施形態におけるポンピングシステム12は、第1の溶媒タンク24A及び第2の溶媒タンク24Bと、少なくとも1つのポンプモータ32によって駆動される少なくとも1つのポンプ26と、溶媒タンク24A及び24Bとそれぞれ通信する液位センサ28A及び28Bと、パージシステム30A及び30Bとを含む。ポンピングシステム12は、カラム14及び検出器16に、又はカラム及び検出器のアレイを利用する予備液体クロマトグラフシステムの場合には、カラム及び検出器のアレイに溶媒を供給する。溶媒の供給は、コントローラ18の制御下にある。パージシステム30A及び30Bは、1つ又は複数のポンプ26と通信し、クロマトグラフ実施間に、ポンプ、及びポンプとカラムとの間のラインをパージする。1つ又は複数のポンプ26は、コントローラ18の制御下で、1つ又は複数のカラムに、或いは1つ又は複数の検出器16に溶媒を供給する。
【0082】
コントローラ18は、1つ又は複数の検出器16から溶質のバンドを指示する信号を受信し、当該技術分野において知られているように、フラクションコレクタ36及び読出しディスプレイ34を起動する。1つの適切なフラクション収集システムは、Teledyne Isco社(4700 Superior Street, Lincoln, Nebraska 68504)から市販されるFOXY(登録商標)200フラクションコレクタである。
【0083】
溶媒を1つ又は複数のポンプ26に供給するために、ポンピングシステム12は、タンク24A及び24Bのような複数の溶媒タンクを含む。複数のポンプが利用される事例では、溶媒タンクは、各ポンプ26に溶媒を運ぶマニホールドを通して、ポンプ26と連通するであろう。また、各ポンプは個別のモータを含む場合があるか、又は1つのモータが、1つ又は複数のモータ32のような複数のポンプからのピストンを駆動する場合がある。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のポンプ26及び接続用コンジットをパージするためのパージシステム30A及び30Bのようなパージシステムが存在するであろう。好ましい実施形態では、溶媒タンク24A及び24Bは対応する液位センサ28A及び28Bと通信し、液位センサはタンク24A及び24B内の溶媒の量を検知し、システムが動作している間に、タンクが溶媒を保ち続けることができるようにする。
【0084】
1つ又は複数のカラム14及び1つ又は複数の検出器16は、当該技術分野において知られているようにして、ポンピングシステム12から溶媒を取り込む。試料注入器20はカラム14に試料を注入し、溶媒システムが試料の成分を分離し、それらの成分を、検出器16を通して解析及び収集システム22まで運ぶことができるようにする。
【0085】
解析及び収集システム22は、フラクションコレクタ36と、検出器16と、読出しディスプレイ34とを含む。フラクションコレクタ36は、1つ又は複数のカラム14から溶質を収集し、選択されない材料が廃棄物システム38を通って流れることができるようにする。検出器16も溶質を取り込み、コントローラ18に信号を適用し、コントローラ18がさらにフラクションコレクタ36及び読出しディスプレイ34を制御し、それによりフラクションコレクタ36によって収集されることになる別個の種を指示する信号を与え、且つユーザに読出しを与える。
【0086】
溶媒タンク24A及び24B、パージシステム30A及び30B、液位センサ28A及び28B、ポンプ26、ポンプモータ32、コントローラ18、試料注入器20、カラム14、検出器16、1つ又は複数の読出しディスプレイ34及びフラクションコレクタ36のうちの少なくともいくつかは、1つ又は複数のRFIDデバイスを含む。図1において、液体クロマトグラフシステムは、有線接続されるこれらの構成要素を有するが、これらの構成要素はそれぞれ、RFIDデバイス40A〜40QのそれぞれのRFIDデバイスを通して通信することができる。
【0087】
構成要素のうちの少なくともいくつかを有線接続する代わりに、代替手段として無線送信機を用いて、クロマトグラフシステム10又は類似のクロマトグラフシステムを動作させる際、コントローラ18は、RFID40Lにデータのパケットを供給し、RFID40Lはデータを他のユニットに送信するか、又はデータを受信し、そのデータをコントローラ18に送信する。たとえば、勾配実施時に、溶媒タンク24AはRFID40Aに接続され、溶媒タンク24BはRFID40Bに接続される。この構成によれば、RFID40Aは、溶媒タンク24A内の溶媒を特定し、RFID40Bは溶媒タンク24B内の溶媒を特定する。
【0088】
クロマトグラフ実施中に、コントローラ18はRFID40Lに勾配情報を供給し、RFID40LはRFID40Dに送信し、それにより1つ又は複数のモータ32を動作させる。モータはさらにポンプ26を動作させて、溶媒タンク24A及び24Bから溶媒を汲み上げる。ポンプのRFID40Cは、それぞれのタンクからのポンピングに関する情報のパケットをRFID40A及び40Bに送ることによってフィードバック情報を提供することができ、RFID40A及び40Bはさらに、RFID40Lが接続されるコントローラ18に情報を送信する。このようにして、コントローラ18は、カラム14を通して汲み出されるのに応じて、データのパケットを通して勾配を制御することができる。勾配実施の開始時に、コントローラ18はRFID40Lにデータを送信することができ、RFID40LはさらにRFID40Jにデータを送信し、それにより、試料注入器20からカラム14への試料の注入を開始することができる。予備クロマトグラフィの事例では、カラム14は、カラム14に接続されるRFID40Iからコントローラ18に接続されるRFID40Lに情報のパケットを送信することによって、コントローラ18に情報を供給するために、そのカラムと協働するRFIDデバイス40I内にクロマトグラムを含む。この情報によって、コントローラ18は、そのRFID40Lからポンプモータ32のためのRFID40D及び1つ又は複数のポンプ26まで、それぞれのRFIDを通して情報を送信し、それにより予備精製のための所望の溶媒濃度を汲み上げることができるようになる。溶媒タンク24A又は24Bのうちの一方において溶媒の残量が少なくなる場合には、液位センサ28A及び28Bがこの情報をそれぞれのRFIDデバイス40E及び40Fに供給し、それらのRFIDがその情報を溶媒供給源42A及び42Bのうちの適切な方に送信し、それにより、溶媒タンク24A及び24B内の溶媒の補給品を補給することができる。
【0089】
クロマトグラフ実施中に、コントローラ18は検出器16から情報を受信する。この情報は、検出器16に接続されるRFID40Nによってコントローラ18に接続されるRFID40Lに送信される場合がある。そのRFID40Lに情報を供給し、RFID40Lがその情報をRFID40Mに無線で送信することができ、RFID40Mがさらにその情報を読出しディスプレイ34に供給することができることによって、コントローラ18はさらに、この情報を読出しディスプレイ34に送信することができる。同様に、検出器16は、そのRFID40Nから、フラクションコレクタ36に接続されるRFID40Kに情報を送信し、それによりフラクションコレクタ36を起動することができ、フラクションコレクタ36が検出器16によって検出されるピークを収集する。さらに、検出器16に接続されるRFID40Nは、この情報を、そのRFID40Lを通してコントローラ18に供給することができる。コントローラ18はさらに、この情報を、そのRFID40Lを通して、フラクションコレクタ36上のRFID40Kに供給し、それによりフラクションコレクタ36への入口に対して収集容器の位置決めを制御して、バンドを所定の容器に供給し、所望によりコントローラ18内に格納される場合があるパターンに従うようにすることができる。RFIDリーダ56Bが、ラック又は他のコレクタ容器ホルダ上のRFIDを読み出し、適切なラックの適切な位置決めを指示する信号、又はラック内のどの場所がフラクションを取り込むことになるかについての情報をコントローラに提供することができる。
【0090】
一実施形態では、カラム14に接続されるRFID40Iは、カラムの過去の履歴を指示することができる。クロマトグラフ実施に先立って、その情報を得るための要求を送信することによって、コントローラ18はこの情報をRFID40Lから入手することができる。そのプログラム及びコントローラ18は、この情報を、溶媒タンク24Aに関連付けられるRFID40A及び溶媒タンク24Bに関連付けられるRFID40Bから得られる溶媒の識別情報と比較することができる。そのカラムの使用が、新たな溶媒条件がカラムにおいて使用するのに適していないことを指示する場合には、コントローラ18は、コントローラ18に関連付けられるRFID40Lから、モータ32に関連付けられるRFID40D及び読出しディスプレイ34に関連付けられるRFID40Mに信号を送信することによって、クロマトグラフ実施を終了し、読出しディスプレイ34上に警告を表示することができる。フラクションコレクタ36も、そのRFID40Kを通して、コントローラ18と通信する場合がある。この通信は、カラム14及び検出器16とコントローラ18との通信とともに、検出器16の制御下でカラムから容器内に流出液を堆積する前に、ラック又は個々の容器が適切に位置決めされるのを保証することができる。
【0091】
好ましい実施形態では、検出器16、ポンプ26、溶媒タンク24A及び24B等のような液体クロマトグラフシステム10の個々の構成要素がコントローラ18と直接通信し、コントローラ18が、それに応じて読出しディスプレイ34のような他のユニットに信号を送信する場合があるが、他の通信経路が用いられる場合もある。好ましい実施形態では、通信の中心は、コントローラ18と通信する無線通信デバイス40Lであり、無線通信デバイス40Lはその中に十分なメモリを有する。それゆえ、無線通信デバイス40Lを通してコントローラ18にピークを送信し、無線通信デバイス40Lに、無線通信デバイス40M及び40Kを通して読出しディスプレイ34及びフラクションコレクタ36にピークを送信させるのではなく、たとえば、検出器16が読出しディスプレイ34と直接通信し、それによりピークを表示することができる。
【0092】
図2には、ポンピングシステム12と、カラム及び検出器アレイ14Aと、コレクタシステム16と、コントローラ18と、パージシステム30Aと、パーソナルコンピュータ130とを有する予備液体クロマトグラフシステム10Aのブロック図が示される。パーソナルコンピュータ130は無線通信デバイス40Zと通信する。ポンピングシステム12は、コントローラ18の制御下で、カラム及び検出器アレイ14に溶媒を加える。コントローラ18と通信するために電気的に接続されるRFID40Uから、モータ32Aと通信するために電気的に接続されるRFID40Tに信号を無線で送信することによって、コントローラ18はモータ32Aに信号を供給し、モータ32Aがポンプアレイ26Aを駆動する。ポンプアレイ26Aが動くことによって、それに接続されるRFID40Sに信号が与えられ、RFID40Sは、それに応じてその信号をRFID40Uに送信して、ジャム又は中断が検知されるようにし、コントローラ18は、ポンプアレイ26Aが適切に動くことを指示するフィードバック信号を受信し、それによりコントローラ18の制御下で、溶媒タンク及びマニホールド42C及び42Dからカラム及び検出器アレイ14に液体が汲み上げられ、さらにカラム及び検出器アレイ14からコレクタシステム16に流体が流れ込む。カラム及び検出器アレイ14内の検出器からの信号は、RFID40Vによって、コントローラ18と通信するRFID40Uに送信される。コントローラ18はさらに、読出しディスプレイ34Aと通信する無線通信デバイス40Wに無線で送信することによって、バンドの検出を反映する信号を読出しディスプレイ34Aに送信する。また、コントローラ18から無線通信デバイス40Uによって送信される信号は、フラクションコレクタ36Aと通信する無線通信デバイス40Yによって受信され、当該技術分野において知られているようにして試料を収集する。適切なフラクションコレクタシステムは、Teledyne Isco社(4700 Superior Street, Lincoln, Nebraska 68504)から市販されるFOXY(登録商標)200フラクションコレクタである。図2に示され、本明細書において記述されるクロマトグラフシステムも、米国特許第6,427,526号において無線システムを用いることなく記述されており、その特許の開示は参照により本明細書に援用される。
【0093】
溶媒をポンプアレイ26Aに供給するために、ポンピングシステム12は、第1の溶媒タンク及びマニホールド及び第2の溶媒タンク及びマニホールドが、それぞれ42C及び42Dにおいて示される複数の溶媒タンク及びマニホールドと、ポンプアレイ26Aと、後に説明されるようにポンプ26Aのアレイを動作させるためにコントローラ18の制御下で駆動されるモータ32Aとを含む。また、モータ32Aがポンプアレイ26A内の往復運動するポンプのピストンを作動させて、ポンプアレイ26A内の複数のポンプから溶媒を汲み上げ、それと同時に42C及び42Dのような溶媒タンク及びマニホールドから溶媒を汲み出すのに応じて、コントローラ18は、無線通信デバイス40Sを通してポンプアレイ26A内のバルブを制御し、それにより溶媒の流れ及び勾配の形成を制御する。
【0094】
このポンピング過程中に、ポンプピストンが動かなくなる場合がある。ポンプアレイ26A内のポンプが動かなくなった場合には、少なくともそのポンプからの圧力を解除するための自動解除機構が存在し、それにより損傷を回避する。好ましい実施形態では、解除機構は、損傷が生じることなくモータ32Aがピストンを連続して上下に動かすことができるように、そのポンプが170psiのような定格圧力よりも高い値に設定されるようにするための流体圧解除機構である。さらに、ポンプアレイ26A内のバルブが、もしあれば液体の量を制御し、勾配動作の場合には、ポンプに汲み出され、ポンプから汲み上げられる異なるタンクからの液体の割合を制御する。マニホールドがタンクと連通し、それぞれ溶媒タンクマニホールド42C及び42D内の第1の溶媒及び第2の溶媒のような複数の溶媒をそれぞれポンプアレイ26Aの中に汲み出すことができ、それにより、複数のポンプが同時に動作できるようにする。
【0095】
好ましい実施形態では、往復ピストンポンプのアレイが用いられるが、往復運動するか否か、及びピストンがあるか否かにかかわらず、任意のタイプのポンプが適している。当該技術分野において且つ当業者には、多数の異なるポンプ及びポンピング原理が知られており、任意のそのような既知のポンプ又はポンピング原理を、日常的な技術業務を通して、本明細書において開示されている本発明に適合させることができ、大抵の場合には、1つのモータが複数のポンプを駆動する。図2の実施形態では、2つの溶媒が開示されているが、1つの溶媒だけが用いられる場合があるか、又は3つ以上の溶媒が用いられる場合もある。単一のモータによって複数のポンプが同時に駆動される動作のために、このポンピング機構によれば、効率及びコスト削減が達成される。
【0096】
流出液を処理するために、コレクタシステム16は、溶質を収集するフラクションコレクタ36Aと、マニホールド42と、マニホールド42からの廃棄物を処理する廃棄物入れ44とを含む。1つ又は複数のフラクションコレクタ36Aは、カラム及び検出器アレイ14と連通し、マニホールドを用いて、又は用いることなく、カラムからの溶質を取り込む。マニホールドを用いて、2つ以上のカラムからの溶質を1つにして、それらの溶質を1つのレセプタクル内に堆積することができるか、又は各カラムが自らのレセプタクル内に溶質を堆積することができるか、又はカラムのうちのいくつかが自らの対応するレセプタクル内に溶質を堆積し、他のカラムは溶質を1つにして同じレセプタクル内に入れることができる。マニホールド42は、カラム及び検出器アレイ14と連通し、各カラムからの流出液を運び、それを廃棄物入れ44に堆積する。フラクションコレクタ36Aは、米国特許第3,418,084号において開示されているフラクションコレクタか、又は上記のFOXY(登録商標)フラクションコレクタのような任意の適切なフラクションコレクタとすることができる。
【0097】
好ましい実施形態における無線通信デバイス40Uは、無線通信デバイス40Zに情報を送信し、無線通信デバイス40Zは、当該技術分野において知られているようにして、パーソナルコンピュータ130のメモリ内に格納される電子ノートブック内に情報を記録する。数多くの電子ノートブックシステムがあり、それらはプログラムの一部としてのフォーマッティングを有する。たとえば、Waters Laboratory Informaticsノートブックは、実行される全ての動作をログに記録し、カスタマイズされた報告を作成するであろう。
【0098】
図3には、複数のピストンポンプシステム60A〜60J(図3には例示のためにピストンポンプ60A〜60Eが示される)を有するポンプアレイ26Aの概略的なブロック図が示されているが、好ましい実施形態では、そのような10個のポンプが存在し、それぞれが、溶媒タンク及びマニホールド42C及び42D(図2)のマニホールドからの10個の出口のうちの対応する出口と連通し、タンク及びマニホールド42C及び42Dからカラムのうちの対応するカラム(図3には示されない)に溶媒を汲み上げるように配置される。10個のポンプシステムがそれぞれ実質的に同じであるので、ポンプシステム60Eを説明すれば、全てのポンプシステムの十分な説明になるという了解のもとで、図3には、ポンプシステム60A〜60Dの4つがブロックの形で示されており、第5のポンプシステム60Eが、より詳細に図示される。
【0099】
各ポンプシステムは、マニホールド出口58A〜58J(図3には58A〜58Eが示される)及び59A〜59J(図3には59A〜59Eが示される)の対応するマニホールド出口と連通し、勾配を形成するために2つの異なる溶媒を取り込む。それらは、パージコンジット66A〜66J(図3には66A〜66Eが示される)によって示されるように、パージ流体源とも連通する場合がある。この構成によれば、各ポンプは、溶媒タンク及びマニホールド42C及び42D(図2)内の溶媒タンクから、その中に溶媒を汲み出す。溶媒は、出口68A〜68J(図3には68A〜68Eが示される)のうちの対応する出口を通ってポンプから流れる。
【0100】
ポンプシステム66Eは、第1の溶媒タンク及びマニホールド42C(図2)からの入口コンジット58Eと、第2の溶媒タンク及びマニホールド52からの入口コンジット59Eと、三方ソレノイドバルブ70Eと、二方ソレノイドバルブ72Eと、長いフローコンジット73Eと、往復ピストンポンプ74Eと、チェックバルブ78Eとを含む。この構成によれば、コンジット58E及び59Eからの2つの異なる溶媒が、三方ソレノイドバルブ70E及び二方ソレノイドバルブ72Eを接続する共通点を通って、ポンプ74Eに加えられる。好ましい実施形態では、ピストンポンプ74Eの行程毎に2サイクルの溶媒が加えられる。コンジット86Eを通り、チェックバルブ78E及び出口コンジット68Eを通って、カラム及びコレクタアレイ14(図2)まで形成される勾配を汲み上げるために、シリンダのサイズ、フローコンジット73Eのサイズ、ピストンの補充行程及び送出し行程の速度は、ポンプ74E及びフローコンジット73E内での混合を確実にするように選択される。このために、ポンプシリンダは1インチ〜8インチの範囲の長さである。好ましい実施形態では、シリンダは3.5インチ長である。
【0101】
1ポンプサイクルの補充部分中に溶媒の2回の注入又は装填を提供するために、電子制御式二方溶媒バルブ72Eが、無線通信デバイス40S2から受信される信号の制御下で、ポンプ74Eの各ピストン補充行程中に一度開く。無線通信デバイス40S2は、コントローラ18(図2)と通信する無線通信デバイス40U(図2)から無線で信号を受信する。エンクロージャがポンプサイクルの送出し部分を結合する。好ましい実施形態では、二方バルブ72Eはソレノイドバルブである。勾配を与えるために、電子制御式三方プロポーショニングバルブ70Eが、そのバルブと通信する無線通信デバイス40S1からの信号に応答して、各補充行程中に2つの溶媒タンクを何度も切り替える。無線通信デバイス40S1は、無線通信デバイス40U(図2)からの無線伝送によってコントローラ18からこの目的のための信号を受信し、それにより、第1の溶媒タンク及びマニホールド42Cに対して開き、その後、第2の溶媒タンク及びマニホールド42D(図2)に対して開き、良好に混合するために2段階で両方の溶媒を与える。三方バルブ70Eが第1の溶媒タンク及びマニホールド42Cに対して開き、次いで第2の溶媒タンク及びマニホールド42Dに対して開く時間の比によって、勾配における混合物の組成が決まる。ソレノイド作動バルブ70E及び72Eはいずれも、それらのバルブが無線通信デバイスを通して電子信号で通信するコントローラ18の制御下にある。
【0102】
図4には、そのうちの5個が100A〜100Eとして示される複数のカラム及び検出器と、対応する複数の出口導管68A〜68Eと、対応する複数の溶質出口110A〜110Eと、マニホールド42(図2)からの対応する複数の廃棄物出口108A〜108Eと、フラクションコレクタ36Aとを有するカラム及び検出器アレイ14の概略図が示される。好ましい実施形態では、10個のカラム及び検出器が存在する。例示するために、カラム及び検出器100A〜100Eが実質的に同じであるという了解のもとで、カラム及び検出器100A〜100Dが包括的なブロックとして示されるのに対して、カラム及び検出器100Eが、より詳細に図示される。さらに、本出願において用いられる例と合うように5個のカラム及び検出器が示されるが、その数を容易に増減することができ、好ましい実施形態では10個が用いられる。
【0103】
カラム及び検出器100Eは、注入器システム102Eと、カラム及び検出器アレイ14内のカラムスタック14A及び14Bと、カラム及び検出器アレイ14内の検出器16Eと、廃棄物出口108Eと、溶質出口110Eとを含む。この構成によれば、勾配の有無にかかわらず、溶媒がコンジット68Eにおいて注入器101Eを通り、カラム及び検出器アレイ14内のカラムスタック14A及び14Bを通って流れ、フローセル122Eにおいて溶質を検出することができ、そしてそこから、溶質を収集して廃棄物を廃棄するための収集器システム16(図2)に流れ込む。カラムスタック(図4の14A及び14B)は、代わりに、動作モードにかかわらず任意のタイプのクロマトグラフカラムとすることができ、それは一般的には、分離問題に基づいてパックされる。好ましい実施形態では、カラムはTeledyne Isco社(4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504)から販売されるREDISEP DISPOSABLE COLUMNSである。そのカラムは、シリンジから手動で、又は注入器101Eから自動的に注入される試料を取り込み、且つ出口68Eにおいて溶媒を取り込むように取り付けられる。その出口は、カラム及び検出器アレイ14内の検出器システムの中を流れる。
【0104】
図4には、例示のためにカラム14A及び14Bのスタックが示される。カラム14Aの出口は当該技術分野において知られているようにしてカラム14Bの入口と連通し、カラム14Aの入口ポートがバルブ103Eから溶媒及び試料を取り込み、カラム14Bの出口ポートがフローセル122Eに送り出されるようにする。この構成では、無線通信デバイス40Uがカラム14Aと通信するように接続され、無線通信デバイス40U3がカラム14Bと通信するように接続される。これらの無線通信デバイスはそれぞれ、それらのカラムの特性についての情報を含み、リーダ及びマイクロプロセッサが情報を比較して、接続が正しいか否かを判断できるようにし、表示又は警報を通して、或いはコントローラを通してポンプの動作を禁止すること等によって、この情報をユーザに適切に伝達することができる。たとえば、(1)無線通信デバイスが通信するマイクロプロセッサに不適合の使用を指示させることによって、不適合の溶媒システムを回避するだけの十分に完全な過去の履歴、(2)クロマトグラファによって使用されるための試料クロマトグラフ曲線、(3)較正曲線、(4)等級の高いカラムほど、価格の高い市場で販売することができるように、カラムを等級分けするために用いることができるカラム構成の精度又は精度の指示、(5)流量、(6)圧力、(7)溶媒混合物、(8)pH、(9)導電率、(10)溶存酸素等が、カラムと関連付けられる無線通信デバイス上に記録される場合がある。或る特定の化学物質又は過程によるカラムの効率を求め、記録することができる。
【0105】
クロマトグラフ実施の開始時に、無線通信デバイス40J(図1)が、コントローラ18と通信する無線通信デバイス40U(図2)から信号を受信し、それによりバルブ103Eを切り替えて、溶媒が注入器101Eに流れ込み、さらに注入器からカラム(14A、14B)を通って、バンドを検出するためのフローセル122Eに流れ込むようにする。
【0106】
検出システムは、光源142Eと、フローセル122Eと、検出器16Eと、コンジット44を通って廃棄物出口108Eに、又はコレクタ出口110Eに流体を運ぶためのバルブ126Eとを含む。光源142Eは、これ以降、光学ベンチと呼ばれ、カラム及び検出器アセンブリ100A〜100Eのそれぞれに共通の光源から光を当て、その光を、フローセル122Eを含む複数のフローセルのうちの対応するフローセルの中に加え、さらにそこから検出器16Eを含む対応する検出器まで送る。受信される信号は、コレクタ36Aまで運ばれることになる流出液と、特定のカラム及び検出器システムのための廃棄物まで運ばれる流出液とを指示する。
【0107】
注入器102Eは、好ましい実施形態では固体試料装填カートリッジと、試料の選択及びカラム14A及び14Bへの注入を制御するための四方手動選択バルブ103Eとを含む。図4の実施形態では、個別の注入器システム(図4には注入器システム102Eが示される)がカラム毎に設けられるが、所望により、1つの注入器からの出口が複数のカラムに同じ試料を供給するためにマニホールドに進むことができ、且つ/又は1つの注入カートリッジからの出口が複数の注入バルブに進むことができる。同様に、単一機能のコレクタ36が示されるが、2つ以上のコレクタに接続される個別のバルブとともに、複数のそのようなコレクタを用いることもできる。
【0108】
注入器システム102Eは、好ましい実施形態ではカートリッジである試料注入器101Eから試料を交互に注入し、ポンピングシステムの出口68Eからの溶媒勾配を選択するための四方バルブ103Eを含む。こうして、試料を注入することができ、その後、手動バルブ103Eを回転させることによって、クロマトグラフ実施を開始することができる。手動四方バルブ103Eが示されるが、自動注入器バルブも市販されており、利用することができる。
【0109】
図5には、フラクションコレクタダイバータバルブ214と、フローセル及び検出器アレイ124と、コントローラ18と、圧力変換器218と、溶媒を汲み上げるためのバルブアレイ212とを有するクロマトグラフシステム10Aのブロック図が示される。このブロック図は、たとえば、コントローラ18、ポンプドライブモータ32A、フラクションコレクタダイバータバルブ214、カラム及び検出器アレイ14及びバルブアレイ212の間の無線通信デバイスによる接続を示す。図5に示されるように、コントローラ18は、特に、ポンプコントローラ200、並びにバルブ及び検出器コントローラ201のような機能構成要素を含む。バルブアレイ212は、ポンプミキシングバルブ70と、入口バルブ72と、パージバルブ94とを含む。
【0110】
図5に示されるように、ポンプコントローラ200は、米国特許第5,360,320号において記述されているようなフィードバック構成において、直列ポンプドライブ32A及び圧力変換器218に接続され、その特許の開示は参照により本明細書に援用される。具体的には、米国特許第5,360,320号の図4において開示されているポンプを制御するために、その特許の段落11、12、13及び14において図8及び図9とともに開示されているフィードバック回路が本明細書において利用される。また、ポンプコントローラ200は、バルブ及び検出器コントローラ201ともインタラクトし、それにより、フロー及び検出器アレイ124、及びフラクションコレクタ36A(図4)のためのフラクションコレクタダイバータバルブ214を制御する。バルブ及び検出器コントローラ201は、バルブアレイ212のミキシングバルブ70A〜70J(まとめて70で示される)、入口バルブ72A〜72J(まとめて72で示される)及びパージバルブ94を制御するために信号を供給する。この構成によれば、収集されることになるバンドを検出することによって、フラクションコレクタバルブを制御して、収集物を適切な容器まで運ぶ。
【0111】
このシステムは、ユニット間が有線で接続される代わりに、その動作を制御するために無線通信デバイスがデータ又はデータのパケットを送信することを除いて、米国特許第6,427,526号において記述されているように動作する。
【0112】
図6には、互いに180度の角度を成して配置される第1の無線通信デバイス40U1及び第2の無線通信デバイス40U2を有するカラム14の簡略化された斜視図が示される。図6では、それらの無線通信デバイスはカラムの中央部分に示されるが、それらの無線通信デバイスが無線受信機と適度に接近して通信することになるカラム内のどの場所に配置されてもよい。それらの無線通信デバイスを180度だけ離して配置することによって、無線通信デバイスのうちのいずれか一方がクロマトグラフシステムのケーシング上に取り付けられる受信機に対して遮られない通信経路を有することになるので、カラムが回転方向の位置付けに対して影響を受けなくなる。40A〜40Z又は188A〜188Gのような無線デバイスはRFIDデバイスとすることができるが、たとえば、光学読出しデバイスのような数多くの他のタイプの無線デバイスも適しており、或いはその代わりに、ブルートゥース又はジグビー又はWi−Fiが用いられてもよい。たとえば、カラム上にバーコードが記録される場合があり、クロマトグラフデバイス上のリーダによって読み出される場合がある。
【0113】
図7には、メインフレーム46と、第1の試験管ラック50及び第2の試験管ラック52のような複数のラックとを含む、フラクションコレクタ36の斜視図が示されており、第2の試験管ラック52は、組立分解図で、下側を見せるように回転して示される。メインフレームは、タッチスクリーン又はLCDディスプレイ48と、分配器アーム60と、RFIDリーダ56Bと、無線通信デバイス40Kとを含む。試験管ラックはそれぞれ無線通信デバイス40Kを有し、それは好ましい実施形態では、RFIDリーダ56Bのようなリーダの近くに来ることができる下側に取り付けられるRFIDデバイスである。リーダ及び無線通信デバイスは、ラックが所定の位置にあるか否かを判断し、分配器アーム60が所定の位置に移動し、試験管54のような適切な管内に流体を分配するのに適した識別情報を与えるために、開口部の数及び断面等によってラックを特定することができる。図7の実施形態では、2つの異なるラック50及び52を有するフラクションコレクタ36が示されており、その一方が組立分解図で示されるが、それらのラックはそれぞれ、位置決め及びタイプが検査される場合がある所定の位置に自動的に移動される場合がある。その後、適切に液体を分配するために、フラクションコレクタ36に関連付けられるマイクロプロセッサに情報が送信される場合がある。
【0114】
図8には、分配器アーム60と、メインフレーム46と、RFIDテーブル114に接続されるRFIDリーダ56B及び56Cと、LCDディスプレイ48(図7)のための導体リボン112と、主回路基板アセンブリ92とを示す、下側及び背面から見たフラクションコレクタ36の斜視図が示される。フラクションコレクタ36内に配置される第2の試験管ラック50及び第3の試験管ラック64が示される。フラクションコレクタ36は、96穴ラックであるか、又はその中に試験管84を有する任意の他の適切なサイズのラックであり、試験管ラック50は、一例として、その中に試験管54を示す48穴ラックである。
【0115】
動作時に、40K(図7)のようなRFIDデバイスが、試験管ラック中にある種々のサイズの試験管の配列単位で試験管ラックの識別情報を含み、それにより、試験管が適切なRFIDリーダ56A(図7)、56B及び56Cと位置決めするときに、リーダが主回路基板92に対して、試験管ラックが、分配器アーム60を制御して適切な管に又は廃棄物に流出液を分配するのに適した場所にあることを指示できるようにする。RFIDリーダ56A、56B又は56Cは、試験管ラック内の試験管50及び84のサイズについての情報も含む場合があり、それにより、コントローラ18(図1)がRFIDリーダ56Aからこの情報を受信し、分配器アーム60を移動することになるプログラムを開始して、必要に応じて一連の管内に試料を収集し、溢れ出ないようにすることができる。第2の試験管ラック52(図7)内のRFID無線通信デバイス40KのようなRFIDデバイスは、試験管内に収集される試料を識別し、試験管の構成を与え、フラクション等を識別することができ、さらにユーザ識別情報を含み、それにより試験管ラックが必要に応じて他の処理ユニットにユーザ情報を供給し、試料の分配を制御し続けることができるようにする。さらに、この情報は、分光計等の他の解析装置とともに用いるために試料を移送する移送デバイスによって利用される場合もあり、さらに処理するために、及び電子ノートブック等に情報を転送するために、分光計内の対応するデバイスで用いられる場合もある。
【0116】
好ましい実施形態における無線通信システムは、Sokymatによって販売され、125kHzにおいて動作するTHEQ5プログラマブルRFIDタグのようなRFIDタグを用いる。RFIDリーダモジュールはID-InnovationsID−12である。それらを符号化して、2つの構成、試験管の数及び試験管の容積を識別する。
【0117】
図9には、パーソナルコンピュータ又は他のコンピュータとすることできる中央コントローラ128と、機器を製造し、その機器のための部品及び補給品を供給する製造業者の施設とすることができる複数サイトサービス施設116と、インターネットサービスプロバイダ118と、液体クロマトグラフ10〜10Bのような複数の機器と、13〜13Bで示されるような1つ又は複数の保管及び維持管理施設と、たとえば、15〜15Bにおいて示されるような、質量分析計又は他の分離機器のような他の機器とを有する、複数の液体クロマトグラフシステム又は他の複数フラクション機器若しくは過程を遠隔制御及び監視するためのシステム98のブロック図が示される。機器10〜10B及び15〜15Bの構成部品は互いに通信し、保管又は維持管理施設と通信する場合もある。たとえば、カラムを用いる実施間に使用するためのカラムが保管される場合があり、これらのカラムは、カラムが専用で使用されるプロジェクトについての情報、又はプロジェクトが実施されている顧客についての情報、又は任意の他のそのような関連する情報を含む、カラムの履歴について情報を付与されて保管される場合がある。同じことは、収集容器又はラック等にも当てはまる場合がある。この情報は、中央コントローラ128にも送信される場合があり、そこから、複数サイトサービス施設116においてデータを送信及び収集するために、インターネットサービスプロバイダ118に送信される。
【0118】
複数サイトサービス施設116は、顧客が必要とする場合がある補給品を予測できるように、特定のシステムを用いて個々の顧客について統計値を保持する場合がある。さらに、修理情報が送信される場合もあり、たとえば、クロマトグラフシステム10〜10Bが或る点に関して機能しなくなる場合には、機器上の無線通信デバイスがその障害を検出することができ、その情報は、中央コントローラ128によって複数サイトサービス施設116に送信されることができる。たとえば、複数サイトサービス施設は、特定の顧客が一定の使用率で或る特定のタイプのカラムを使用しており、所定の数のカラムの在庫を有することを指示する統計値を有する場合がある。この情報を用いて、複数サイトサービス施設116は、顧客がさらにカラムを必要とする時点を予測し、カラム販売の準備をするために顧客に連絡することができる。同様に、複数サイトサービス施設116は、或る特定の構成要素がその有効期限を過ぎる可能性がある時点を統計的に判断することができる。たとえば、複数サイトサービス施設116は、或る特定のタイプのフラクションコレクタが、その統計データベースから、所定数の動作時間だけ有用であること判断することができ、特定のフラクションコレクタがその動作時間に近づくときに、点検修理又は再購入の準備ができるように顧客に知らせることができる。或る特定の化学物質及び過程の場合のカラムの効率は、複数のステーションから収集される統計値から判断することができる。デフォルト条件、製造管理及び品質管理規則、課金情報、IQ(据付時適格性確認)、OQ(稼動性能適格性確認)並びに両方の試験ステップ及び結果を含むPQ(稼動時適格性確認)等の顧客特有の情報を入手することができ、顧客に供給することができるか、又は顧客に対して点検修理を実行する際に用いることができる。
【0119】
図10には、第1の化学処理ステーション134及び第2の化学処理ステーション136と、解析又は分離ステーション138とを有する化学処理システム132のブロック図が示される。化学処理ステーション132及び136は、組み合わせ化学過程を含む化学操作を実行し、その化学操作では、反応を引き起こす温度及び時間条件下で、或る範囲の既知の試薬又は既知の試薬量が或る材料に順次に適用されるか、又は好ましい反応のためのパラメータに達するために、時間又は温度が順次に変更される。これらのステーションは、反応の生成物を別の容器に移送するための機構、又は反応生成物をさらに解析、精製又は分離するための解析ステーションに移送するための機器を含む。
【0120】
化学処理ステーション134内には、140及び144のような複数の反応コンソールがあり、同様に反応ステーション136内にも、同じく複数の反応コンソール146及び148がある。各反応ステーション134及び136は、反応ステーション134内の移送コンソール150及び反応ステーション136内の移送コンソール154のような移送コンソールも含む。反応ステーションは、試薬を化学物質に適用し、所望の反応を得るために、それらの化学物質を適切な時間にわたって適切な温度及びpHに保持する。それらのステーションは、これを自動的に、且つ連続的に行ない、それぞれ反応コンソール140及び144のための160A、反応コンソール146のための無線通信システム160Q、及び反応コンソール148のための無線通信システム160Rのような適切な無線通信システムを含む。これらの無線通信システムは、反応した物質の識別情報、及び反応物、時間、温度、その反応を実施しているユーザ又は顧客、及び改竄防止通信及び反応測定を提供するためにFDA標準規格に準拠する必要があるさらに別の反応のような他の情報を転送する。
【0121】
使用することができ、販売されている数多くの異なる反応コンソールがあるが、適切な反応コンソールが1979年9月25日にRobert W. Allingtonに対して発行された米国特許第4,168,955号において開示されており、その開示は本明細書に援用される。各化学処理ステーション134及び136はそれぞれ、移送コンソール150及び154も含み、各移送コンソール150及び154は、無線通信システム160C及び160Sのうちの対応する無線通信システムと通信する。これらのデバイスは、試薬、試薬を用いて反応生成物を準備する際のステップ、反応生成物、及び必要とされる解析又は分離又は精製等の将来の操作に関連する情報を適用する。この情報は、156Fのような移送容器に適用され、対応する無線通信システム160Dによって移送容器156Fに適用される。
【0122】
これらの容器は、手動で、又は解析用又は分離用ロボットを通して、解析及び/又は分離ステーション138内の解析又は分離機器162に装着される(applied)ことによって、そのステーションによって利用される場合がある。たとえば、この機器162は、ピークの時間によって特定の材料を検出及び認識することができるか、又は特定の分子種を精製又は(of)分離することができる液体クロマトグラフとすることができる。分離及び解析反応は、解析又は分離機器162と通信する無線通信システム160Kによって転送される場合がある。精製された物質及びそれに関する情報は、無線通信システム160Kによって、それぞれの容器158A及び158Bと通信する160P及び160Oのような精製又は分離された材料のために容器に移送される場合がある。容器158A、158B及び158Cは、移送コンソール152によって、移送コンソール152にある移送容器158Dに移送される場合があり、無線通信システム160Lは、図10に示される158Dのような容器と通信する無線通信システム160Mに情報を転送する場合がある。この構成によれば、化学処理ステーションからの容器は、さらに使用するか又はさらに処理するのに必要な全ての情報をその上に有するであろう。
【0123】
図11には、複数の無線通信デバイス40U4〜40U8を有するカラム14Bが示されており、好ましい実施形態では、その無線通信デバイスは、カラム14Bの内部にあるセンサ164A〜164Eと通信するために、その長さに沿って間隔を置いて配置され、電気的に接続されるRFIDデバイスである。センサ164A〜164Eは、カラム内部の特性を検知する場合があるか、又はカラム内に間隔を置いて配置され、所望によりカラムの壁の特性若しくは外部温度を検知する場合がある。一実施形態では、164A〜164Eのようなセンサは壁と一体に成形される場合があり、それにより、それらのセンサはカラム14Bの内容物と接触することはできるが、カラム14Bは封止されたままであり、無線通信デバイス40U4〜40U8はカラム14Bの外部に無線で送信することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、カラムの壁に沿って間隔を置いて配置されるセンサ及び無線通信デバイスの代わりに、トランスポンダ及び無線通信デバイスがカラム内に配置される場合がある。たとえば、温度トランスポンダ及び無線通信デバイスが1つの保護ケーシングに入れられ、カラムのパッキング内に配置されて、温度を検知し、カラムの外部の温度を送信して、カラム内の温度を制御するためのフィードバックを与えることができる。外部ヒータ又は冷却装置が、無線通信デバイス内に記録される温度及び送信される温度によって制御され、それによりカラム、又はカラムに加えられる溶媒を加熱又は冷却し、その温度を所望の範囲内に保持することができる。1つのそのような通信デバイス及び適切な温度センサが、KSW-VarioSens製品ライン内でKSW Microtek社によって製造される。これらのトランスポンダは、KSW Microtek社(Manfred-Von-Ardenne-Ring 12 D-01099 Dresden, Germany)から市販される。
【0125】
図12には、制御システム168と、1つ又は複数の充填ステーションドライブモータ170と、ポンプステーション174と、ポンプドライブセクション176と、ポンプドライブステーション176のためのドライバ172と、分配器178とを有する排水試料採取器システム166のブロック図が示される。ポンプステーション174は、水源180と連通し、そこから水を採取するように構成される。排水試料採取器システム166を制御するために、制御システム168は、無線通信デバイス188Aと通信するために接続されるCPU182と、無線通信デバイス188Bと通信するために接続されるディスプレイ184と、無線通信デバイス188Cと通信するために、その無線通信デバイスに電気的に接続されるキーボード186とを含む。
【0126】
無線通信デバイス188Aから、ポンプドライブステーション176と通信するために接続される無線通信デバイス188Gに信号を送信することによって、制御システム168は、ポンプステーション174が水源180から水の試料を汲み上げるようにプログラムすることができる。制御システム168から無線通信デバイス188Aによって送信される信号に応答して、ポンプステーション174は、試料を分配器178内の容器に汲み上げる。充填ステーションドライブモータ170を制御するために、制御システムは、無線通信デバイス188Aから、分配器178と通信するために接続される無線通信デバイス188Eにシグナリングし、充填ステーションドライブモータ170と通信するために接続される無線制御デバイス188Dに信号を送信する。ボトルは通常、分配器178内の標準的なサイズ及び形状の試料ボトルであるが、その中に無線通信デバイスを含む。
【0127】
これらの無線通信デバイスは不揮発性メモリを含み、不揮発性メモリはCPU182から信号を受信し、将来に参照するために、時刻と、容器内に堆積した水の量とを記録する。また、不揮発性メモリは、水の温度と、試料採取の時刻から解析までの試料温度のログとを記録する。温度測定値を用いて、加熱又は冷却デバイスを制御することによって、試料温度の非接触閉ループ制御のためのフィードバックを与えることもできる。その容器が容器又はラック内にある場合には、容器の重量が試料の量の指示となり、容器の底にある単純な重量計によって重さを量ることができる。その重量計は無線通信デバイスに接続される場合があり、試料の汲み出しをフィードバック形式で制御するために、モニタ上に試料の量の好都合の読出し値を与えることができる。
【0128】
制御システム168は、一連の容器を自動的に充填する動作を制御し、そのため、分配器178は試料容器を含み、それらの試料容器は、水が汲み出された場所、水が汲み出された時刻、水を汲み出した顧客、水源、及びその水に関して実行されることになる試験ステップに関して特定される場合がある。制御システム168は、184において示される典型的なディスプレイ及び/又は印刷ユニット、並びに186において示されるキーパッド又は電気通信ジャックのような典型的な入力ユニットとともに、中央プロセッサユニット182を含む。制御システム168はプログラムされ、試料を汲み出す際の自由度を提供するように、ポンプステーション174、分配器178及び充填ステーションドライブモータ170の動作を連係させるのに必要なインターフェースを含む。その制御システムは、個々の構成要素の動作を連係させて、後の試験のために液体内の揮発性物質の完全性を保持しながら、容器を適切に充填する。
【0129】
図13には、中央ステーション190と、192において示される試料を有する複数の遠隔サイトとを含む、試料採取構成のブロック図210が示される。中央ステーション190は、氷供給源196と、ボトルキャリア供給元198と、容器供給元200と、複合容器204と、発送用カートン供給元202からの発送用カートンとを含む。試料のために試料採取器、定期的に交換される氷、容器キャリア、容器及び発送用カートンは、中央ステーション190から、試料採取器を使用する各遠隔サイト192に移動され、遠隔サイトから試料が持ち出され、それらの試料が、206において示されるような中央ステーションにある場合がある試験室に持ち込まれる。試験室206では、RFID無線通信デバイス208Dが試験をプログラムされ、その結果及びそのプログラムが個々の容器に転送される。個々の容器は、試験室206においてコンソールと通信するために接続されるRFID無線通信デバイス208Eによって導入される試験室206のソースに加えて、それらの結果及びプログラムを有する。発送用カートン供給元202は、無線通信デバイス208Cと通信するために接続され、それにより、カートンが持ち出されては新たな空のカートンが供給されるように在庫を保持する。同様に、容器供給元200は、RFID無線通信デバイス208Bを通信するために接続され、それにより、新たな容器が持ち込まれ、古い容器が取り去られるのに応じて、その上にプログラムされる情報を受信することによって利用可能な容器の在庫を保持する。ボルトキャリア供給元198も同様に在庫を維持する。
【0130】
この構成によれば、複数の異なるサイトにおいて同じ基礎を用いて、容器の異なる構成を利用できるようになり、試料は、そのサイトから、試料が解析されるか又は使用されるのに適した場所に都合よく持ち込まれることができる。動作時に、試料採取器がそのサイトに持ち込まれ、試料が汲み出される。発送用カートン容器、キャリア容器及び氷がそのサイトに持ち込まれる。発送用カートンから容器キャリアが取り出され、氷が取り出され、試料採取器から試料の容器が取り出される。発送用カートンから容器キャリア、氷及び容器が取り出され、試料採取器に入れられる。古い容器キャリア、キャリア及び氷は発送用カートンに入れられ、解析のために試験室に持ち込まれる。
【0131】
先に使用された複数フラクションシステムはそれぞれ、無線周波数識別デバイス(RFID)のような無線通信デバイスを利用して、動作のための命令を与えるために構成要素、ステーション及びコンソール間で通信し、実行された動作及び実行されることになる動作の記録を保持するために情報を転送し、且つデータを記録する。
【0132】
図14には、通信ネットワーク224を通して、中央供給元サイト222から、個々の顧客又はユーザサイト226A〜226Dにいる複数のユーザへの消耗品の発送を管理するためのシステム220のブロック図が示される。中央供給元サイト222は、モデム、タグ付けされた消耗品の供給元、及び予め設定された期間において推定される製品(EPFPP)及び或る特定の最終限度データのようなデータを有する情報記憶装置を含む。ユーザサイト226A〜226Dは実質的に同じであり、本明細書では、ユーザサイト226Aだけが説明されることになる。本明細書では、中央供給元は、顧客とAMAN補給品協定を結ぶ団体であり、購入に関連する記録を保持し、且つ消耗品を発送するための責任を負う。
【0133】
これらのユーザサイト226A〜226Dは好ましい実施形態では装置サイトであり、タグ付けされた消耗品を使用することになる装置を含む。本明細書では、タグ付けされた消耗品は、たとえば、それに取り付けられるRFIDのような少なくとも1つの無線通信デバイスを搭載される消耗品である。226Aにおいて示されるようなこれらの各サイトには、タグリーダ及び送信機228、消耗品230を用いるための装置、及び個々の発送品を保管するための一時保管スペース232がある。各装置サイト226A〜226Dは、インターネットとすることができる通信ネットワーク224を通して、又はユーザが操作するパーソナルコンピュータによって、又は装置に接続されるパーソナルコンピュータによって、又はブルートゥースのような中間通信手段を通して、中央供給元サイト222と通信する。インターネットへの接続は、或る特定のタイプの装置を用いて自動化することができる。
【0134】
好ましい実施形態では、顧客のためのアカウントが確立され、その顧客のアドレスが、装置に接続される多重アクセスカードに埋め込まれる。顧客の識別情報は、各制御システムのマザーボード上にある、特有で且つ変更可能な識別子であることが好ましい。ユーザは、顧客がその装置とともに使用するつもりである特定の消耗品を選択することができる。たとえば、一実施形態では、その装置は中央供給元の所有者によって販売されるクロマトグラフシステムであり、顧客は、そのシステムが使用するカラムサイズを選択するであろう。そのアカウントは一般的に、予め設定された期間に使い捨て用品を必要な分だけ(AMAN)提供する契約を確立するであろう。顧客は初回在庫を受け取るであろう。初回在庫は、初回の部分的な発送分と見なされるであろう。
【0135】
本明細書では、予め設定された期間は、供給業者と消耗品のユーザとで合意した、消耗品が購入注文に従って発送されることになる期間である。一回発送分は、顧客に対して一度に発送される消耗品の量であり、終了時点に達するときに、結果として、最初の合意に基づいて顧客によって必要に応じて別の一回発送分がトリガされる。本明細書において、最初の合意は、予め設定された期間の開始時に結ばれたAMAN消耗品の補給に関する最初の合意である。この合意は予め設定された期間を開始する。
【0136】
一回発送分は、(1)消耗品がこれまでに使用されてきており、将来において使用されることが予想される使用率;及び(2)消耗品に割り当てられることになる一時保管スペース、を考慮に入れて設定される。一時保管スペースは、一度に入手されることになる消耗品の一回発送分のための保管スペースである。このスペースは、経済的な理由のために、顧客によって制限される場合がある。保管スペースを小さくできることは、中央供給元とのAMAN契約を結ぶことによって顧客に利益をもたらす1つの要因である。
【0137】
クロマトグラフカラムのような消耗品が使用される度に、クロマトグラフシステムとすることができる装置上のモジュールが、消耗品の使用を記録する。装置上のリセットボタン又はいくつかの他の指示が起動され、消耗品が十分に使用されており、そのため別の装置に移送して使用することができないか、又は再度使用することができないことを指示するときに、消耗品が使用済みであると見なされる。その指示は、使い捨て用品が一度しか使用されなかったが、二度使用されたものとカウントされないようにし、それにより同じ定価で余分な無料の消耗品がトリガされないようにするために選択される。本明細書において、タグ付けされた消耗品が使用されたという指示は、「トリガ点」と呼ばれる場合がある。消耗品の使用についての情報は、消耗品が使用される度に送信される場合があるか、又は一日のような或る期間にわたって累積され、その後、送信される場合がある。
【0138】
情報の送信は、中央供給元に直接無線送信すること、中央供給元に再送するためにインターネットに接続される受信機に無線送信すること、消費装置からインターネットへの有線接続のような任意の手段によって、又は任意の他の送信手段によって行なうことができる。カウンティング機構又は指示送信システムの障害時には、二次的なバックアップ指示が与えられる場合があり、それにより、1箱の使い捨て用品のような所定の数の使い捨て用品が使用されたことを指示する。本明細書において、1箱の使い捨て用品のような量が使用された二次バックアップ点は、二次トリガ点又は二次トリガ信号と呼ばれる。
【0139】
制御ユニットは中央供給元サイト222にあるウエブサーバにコンタクトし、そのサーバに要件を送信する場合があるか、又はコンタクトできない場合には、24時間のような遅延が組み込まれ、別の試行が行なわれる場合がある。予め設定された試行回数が成功しなかった場合には、メッセージを表示して、再注文する必要があることを指示することができる。このメッセージには、ユーザが代替措置をとるために、ウエブサーバに入力することができるコードが表示される場合がある。このコードは、ユーザによってタイプされる場合があるか、又は別のドライブにセーブされ、ユーザによって手動でサーバに送信される場合がある。このコードは、機器アドレスと、必要とされる消耗品及び日時とを符号化する暗号化されたメッセージである。日時を含むことによって、その暗号化されたメッセージは、補給が必要とされる度に異なり、カラムを得るために同じコードが何度も入力されないようにする。
【0140】
暗号化されたメッセージが受信されるとき、それが有効なメッセージであることを保証するために暗号解読される。それが手動で入力された場合には、ユーザは、保護手段として適切なコードを再入力するように促されるであろう。その需要は、次にスケジュールされた隔週の発送まで累積される。発送日が近づくと、ウエブサーバは、受注に対して送信される報告を生成する必要がある。顧客が使い捨て用品を使用する使用率のような動向が、システムから判断される場合がある。或る特定の予想されない理由から使い捨て用品が極めて大量になる場合を少なくするか、又はAMAN契約が不正に使用されるのを防ぐために、その契約は最大限度(最終限度)を有する場合がある。
【0141】
図15には、消耗品の注文、支払い、発送及び在庫を管理する方法の流れ図236が示されており、その方法は、(1)顧客のための予め設定された期間にわたって推定される製品及び製品のコストを判断し、顧客からAMANを得るステップ238と、(2)顧客から支払いを受けるステップ240と、(3)顧客のためのタグ付けされた消耗品の一回発送分を決定するステップ242と、(4)最終限度、又は予め設定された期間の終了のうちの早い方に達するまで、各トリガ点に達した後に、一回発送分を繰返し発送するステップ244と、(5)新たな購入注文を協議するステップ246とを含む。
【0142】
予め設定された期間中に推定される製品は、顧客の使用量の過去の履歴を調べ、顧客の仕事量の任意の変化を考慮に入れることによって統計的に求めることができる。同様に、消耗品のタイプを決定することができ、使用されることが予想される消耗品のタイプから、予め設定された期間にわたって推定される消耗品の数、及び推定される全価格を判断することができる。予め設定された期間は一般的には一年であるが、3ヶ月、又は顧客の特定のプロジェクトのための期間を含む、任意の他の都合のよい期間とすることができる。
【0143】
好ましい実施形態では、顧客は、1つ又は複数の予備液体クロマトグラフシステムを購入した団体である。その消耗品はクロマトグラフカラムを含む。別の好ましい実施形態では、顧客は、水試料採取器を用いて環境監視を実施する実体であり、その消耗品は、試料採取器のポンピングシステムにおいて用いられる管材料、及び水試料のためのボトル等を含む。
【0144】
一般的に、購入注文は、予め設定された期間中に必要な分だけ使い捨て用品を購入するためのAMAN注文であろう。本明細書においてAMAN、すなわち必要な分だけ購入する契約は、予め設定された期間中に顧客が最終限度まで消耗品を必要な分だけ受け取る協定又はシステムを意味する。本明細書において、最終限度は、予め設定された期間にわたる消耗品の最大量を意味し、一般的には、予め設定された期間にわたって推定される製品(EPFPP)よりもわずかに多く設定される。それは、顧客による使用量に極端な変化がある場合の安全係数である。本明細書において予め設定された期間にわたって推定される製品は、商品の数又は材料の量であり、顧客との契約又は顧客からの購入注文のような、協定の対象物である。それは、予め設定された期間内に使用されることが予想されるクロマトグラフカラム又は管材料のような個別の商品の推定値とすることができる。
【0145】
予め設定された期間は典型的には一年であるが、3ヶ月のような任意の他の期間とすることができる。この数は、その顧客との過去の経験から最初に推定することができるか、又は顧客が推定することができるか、又は元の推定値の修正、及び或る期間にわたって得られる使用量の記録等によって判断することができる。最終限度はコストに基づく場合もある。そのような事例では、最終限度は、予め設定された期間にわたって推定される製品のコスト(ECPFPP)よりもわずかに高い。予め設定された期間にわたって推定される製品のコストは、実質的に同じ金額において個別に販売される場合に、推定される製品に対して請求されることになる推定コストであり、得られる収入が顧客にもたらされる利益に相応しいと確信するように調整される。一回の支払いは、予め設定された期間にわたって推定される製品コストに基づいて得られる。これは、予め設定された期間中の再注文を削減し、再販売、再購入、及び何度も注文が出されていたなら伴うことになっていた全ての事務手続き及び記録保持のコストを節約する。
【0146】
一回発送分を決定するステップ242は、顧客との経験によって得られる場合もある。それは、全ての消耗品が使い果たされる前に、注文点に達するように設定される。本明細書において、注文点は、一回発送分において顧客によって使用される量であり、それにより別の一回発送分の新たな発送がトリガされる。最終限度、又は予め設定された期間の終了のうちの早い方に達するまで、各トリガ点に達した後に、一回発送分を繰返し発送するステップ244は、適切な状況において変更される場合もある。たとえば、顧客側において仕事量が異常に多いために、予め設定された期間前に最終限度に達するときに、最終限度が変更される場合がある。そのような事例では、最終限度の増加又は予め設定された期間の延長が協議され、契約が変更される場合がある。
【0147】
予め設定された期間又は最終限度の終了時に、新たなAMAN契約が協議され、その過程が繰り返されてもよい。その全過程は、無線通信を使用することによって自動化される。消耗品はタグ付けされる。本明細書において、タグ付けされる消耗品は、本明細書において先に説明されたように、たとえば、RFIDデバイスのような無線送信機及びメモリを取り付けられている製品である。それは、上記のように、カラムの一部として取り付けられる場合もある。それは、クロマトグラフシステムとの関連で先に説明されたように、ユーザサイトにおいてリーダとともに用いられることが意図されている。
【0148】
本明細書において、一時保管スペースは、EPFPP消耗品の少なくとも一回発送分のための保管スペースを意味する。再利用できないように消耗品が使用されたとき、トリガ点に達し、消耗品及び顧客を特定する信号が生成される。この信号は記録され、中央供給元に送信されて、使用されている消耗品に関する連続した記録が保持されるようになる。クロマトグラフシステムの事例では、プレカラムは使い捨て用品であり、プレカラムが注入システムに接続される時点を検出することができる。この情報は記録され、送信されて、プレカラム及びカラムの使用を指示することができる。
【0149】
このシステムは、たとえば、(1)予め設定された期間にわたって顧客によって、且つ販売者によって複数の購入が追跡されなければならない代わりに、事務手続きを必要とする購入が一度しかないこと、(2)顧客に対する消耗品のコストが予め設定された期間にわたって予測可能であること、(3)顧客によって保持され、且つ管理されなければならない在庫品の量が削減されること、(4)予算から毎年支出されるコスト、又は予算のどの期間のコストも予測可能であること;及び(5)顧客が所定の期間にわたって、より容易に予算を計上することができること等のいくつかの利点を有する。
【0150】
本発明の好ましい実施形態がかなり詳しく説明されてきたが、上記の説明を踏まえて、本発明の数多くの変更及び変形が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、具体的に説明される以外の態様で実施される場合があることは理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器(162)管理システムと、少なくとも1つの複数フラクション機器(162)を含む少なくとも1つの機器(162)との組み合わせであって、
汎用制御システム(168)を備え、前記少なくとも1つの複数フラクション機器(162)は複数の第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)のうちの少なくとも1つの対応する無線通信デバイスを含み、前記汎用制御システム(168)は第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)を含み、該無線通信デバイス(40A〜40Z)のうちの少なくともいくつかはタグであり、前記汎用制御システム(168)はデータベースを含むメモリを含み、
前記データベースは前記複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータを含み、前記構成部品の少なくともいくつかは、少なくとも1つの前記構成部品に関連付けられるタグを有する選択された特性を有することを特徴とし、
マイクロプロセッサ(130)を備え、前記タグは該マイクロプロセッサ(130)に情報を送信することができ、前記マイクロプロセッサ(130)は、データベースを含むメモリを含み、前記タグは表示を含み、前記タグが前記マイクロプロセッサ(130)に前記表示を送信する手段を備え、前記マイクロプロセッサ(130)は、前記送信された情報を受信すると共に前記選択された特性を有する構成部品の数を指示する情報を前記データベースに入力するための受信機を含むことをさらに特徴とする、機器管理システムと、少なくとも1つの複数フラクション機器を含む少なくとも1つの機器との組み合わせ。
【請求項2】
前記データベースは、その中に記録される在庫目標数を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
前記データベースは、前記複数の複数フラクション機器(162)内の少なくともいくつかのタイプの構成部品の数と、前記タイプの構成部品の平均使用率と、前記タイプの構成部品の製造業者の在庫と、或るタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元であって、それにより前記部品の製造業者及び型による前記タイプの部品の信頼性に関する比較が行われる、或るタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元と、個々の顧客による構成要素の使用率であって、それにより顧客の需要を予測することができ、管理の目的のために用いることができる、個々の顧客による構成要素の使用率とを指示するデータのうちの少なくとも1つを含み、前記構成要素の使用率を用いて、必要とされる構成部品の在庫、目標在庫最小数及び最大数、並びに手元にある前記構成部品の実際の数が判断され、前記システムは、いずれかが超えられるときに警告信号を与えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
前記汎用制御システム(168)はクロマトグラフ制御システム(10)であり、前記データベースは在庫目標数を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項5】
前記汎用制御システム(168)は無線通信デバイス(40A〜40Z)を含み、前記機器(162)は少なくとも1つのタグ付けされたカラム(14)を含み、該少なくとも1つのタグ付けされたカラム(14)はそれに関連付けられる無線通信デバイス(40A〜40Z)を有し、前記汎用制御システム(168)はデータベースを含むメモリを含み、前記データベースは特定のサイトにおいてカラム(14)の数を管理する際に有用なデータを含み、前記無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記汎用制御システム(168)に情報を送信することができ、カラム(14)の使用時に、前記無線通信デバイス(40A〜40Z)が中央管理システムに表示を送信する手段を備え、前記汎用制御システム(168)は、前記送信された情報を受信すると共に、前記選択された特性を有する前記カラム(14)の数を含む情報を前記データベースに入力するための受信機を含み、前記データベースはプログラムされたスケジュール内のカラム(14)の数の指示を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項6】
前記データベースは、特定のサイトにおいてカラム(14)の数を管理する際に有用なデータを含み、カラム(14)の使用時に、前記無線通信デバイス(40A〜40Z)が前記中央管理システムに表示を送信する手段を備え、前記汎用制御システム(168)は、前記送信された情報を受信すると共に、前記データベースに情報を入力するための受信機を含み、前記情報は、選択された特性を有する前記カラム(14)の数を含み、前記データベースはプログラムされたスケジュール内の前記カラム(14)の数の指示を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項7】
中央供給元(222)と、複数の装置サイト(226A〜226D)と、該中央供給元(222)と該複数の装置サイト(226A〜226D)のうちの少なくとも1つとの間の無線通信を提供する通信ネットワーク(224)であって、前記複数の装置サイト(226A〜226D)は消耗品を使用する装置と、タグリーダと、少なくともいくつかのタグ付けされた消耗品を保管するための一時保管スペースとを備え、前記中央供給元(222)は、装置のための識別データ、消耗品(230)、該消耗品(230)の場所及び該消耗品(230)の特性の記述を格納することができるデータ記憶施設を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項8】
少なくとも1つの容器ホルダと、メインフレーム(46)と、該メインフレーム(46)に取り付けられるマイクロプロセッサ(130)とを備え、前記メインフレーム(46)は検出器(16)からの流体出口と連通するように接続されるように構成される液体収容手段を備え、前記メインフレーム(46)は、容器ホルダベッド内に前記少なくとも1つの容器ホルダを収容するような形状及びサイズを有し、容器間で分配器出口を移動すると共に前記液体収容手段と連通するための少なくとも1つの分配器手段を備え、それによりフラクションが前記容器内に堆積することができ、前記マイクロプロセッサ(130)は、第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)と通信し、前記少なくとも1つの容器ホルダは第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)と通信し、前記容器ホルダベッドは第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)を含み、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は、前記少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように前記少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号を送信することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項9】
前記第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)のうちの少なくとも1つは不揮発性メモリを含み、該不揮発性メモリは前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含み、前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含む不揮発性メモリを含み、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)の前記不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、前記第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号が送信される場合があり、前記第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)は、前記少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定することを特徴とする、請求項8に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの分配器手段、又は廃棄物のいずれかに液体を向けるために自動的に切替可能であるバルブを備え、該切替可能なバルブは第4の無線通信デバイス(40A〜40Z)と通信し、ピークが過ぎたときに、前記第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記第4の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号を送信し、それにより前記液体を前記少なくとも1つの分配器手段に流すことから前記廃棄物の中に流すことに切り替えることをさらに特徴とする、請求項8又は9に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記容器ホルダは少なくとも1つの容器を含み、前記少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように前記少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号を送信することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項12】
クロマトグラフシステムの構成部品の在庫を管理する方法であって、その上に無線通信デバイス(40A〜40Z)を備える該クロマトグラフシステムの部品を製造するステップを含み、
前記無線通信デバイス(40A〜40Z)上に前記クロマトグラフシステムの前記部品の製造日を記録するステップと、全保管期限を減らすように在庫内の前記クロマトグラフシステムの前記部品の前記製造日を周期的に検査するステップとを含むことを特徴とする、クロマトグラフシステムの構成部品の在庫を管理する方法。
【請求項13】
マイクロプロセッサ(130)上に前記クロマトグラフ部品の在庫を保持するステップを含むことをさらに特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記クロマトグラフ部品上の前記無線通信デバイス(40A〜0Z)から前記マイクロプロセッサ(130)上のデータベースにデータを転送するステップを含むことをさらに特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記部品の特性が前記無線通信デバイス(40A〜40Z)上に記録され、前記在庫内の部品を分類するために用いられることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
複数の複数フラクション機器(162)のそれぞれから、該複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータが、それぞれが前記複数の複数フラクション機器(162)のうちの対応する複数フラクション機器と通信する複数の第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)から汎用制御システム(168)と通信する無線通信デバイス(40A〜40Z)に送信され、前記複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータは前記汎用制御システム(168)のメモリ内のデータベースに記録され、前記複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータを用いて、前記複数フラクション機器(162)システムを管理することを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記データベース内にデータを記録するステップは、前記複数の複数フラクション機器(162)内のいくつかのタイプの構成部品の少なくとも数、前記タイプの構成部品の平均使用率、及び前記タイプの構成部品の製造業者の在庫を指示するデータを記録するステップ;或るタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元を記録するステップであって、それにより前記部品の製造業者及び型による前記タイプの部品の信頼性に関する比較が行われる、記録するステップ;並びに個々の顧客による構成要素の使用率を記録するステップであって、それにより顧客の需要を予測することができ、管理の目的のために用いることができる、記録するステップのうちの少なくとも1つを含み、前記構成要素の使用率を用いて、必要とされる構成部品の在庫、目標在庫最小数及び最大数、並びに手元にある前記構成部品の実際の数を判断し、前記システムは、いずれかが超えられるときに警告信号を与え、顧客による新たな購入と、材料、部品及び過程の増加及び変化とを記録し、それにより、前記データベース内の前記情報を用いて、前記材料及び前記部品の購入の増加及び減少を予測することができることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの容器ホルダがフラクションコレクタ(36)の分配器から液体を収容するための所定の位置にあるときに、該少なくとも1つの容器ホルダの識別情報をコントローラ(18)に送信するステップと、前記液体を収容するための所定の位置にある前記少なくとも1つの容器ホルダの前記識別情報を受信する際に前記少なくとも1つの容器ホルダ内の容器内に液体を挿入できるようにするステップと、前記少なくとも1つの容器ホルダが適所にないときに、前記容器内に液体が挿入されないようにするステップとを含むことを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)が前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定し、第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)が前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを供給し、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)の不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号が送信される場合があり、前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は、前記少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定するデータを供給することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの容器は、前記少なくとも1つの容器ホルダによって指示されるような別の機器(162)において使用されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
予め設定された期間中の消耗品(230)の使用量を推定するステップと、タグ付けされた消耗品(230)を入手するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)上に識別情報を記録するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)の前記識別情報を、前記タグ付けされた消耗品(230)についての情報とともに、中央供給元(222)によって格納されるデータベースに記録するステップと、前記予め設定された使用期間内に前記中央供給元(222)によって顧客に供給されることになる前記消耗品(230)の量を、前記識別情報に関連する前記データベース内に記録するステップと、前記消耗品(230)の一回発送分を前記顧客に提供するステップと、前記顧客による前記タグ付けされた消耗品(230)の使用を指示する少なくとも1つの信号を前記中央供給元(222)によって格納されるデータベースに送信するステップと、交換信号に応答して発送を開始するステップとを含み、前記中央供給元(222)と前記顧客との間で一度の購入協定が結ばれる結果として、予め設定された使用期間にわたって消耗品(230)が供給され、それにより該消耗品(230)の購入に関連する事務手続が削減されることを特徴とする、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記消耗品(230)の一回発送分を前記顧客に提供するステップは、顧客サイトにクロマトグラフカラム(14)の初回の一回発送分を提供するステップであって、該顧客サイトは、無線デバイスのためのリーダと、消耗品(230)の識別情報及びカラム(14)の使用を指示するトリガ点を記録するためのメモリとを有するクロマトグラフシステムを含む、提供するステップと、前記トリガ点の数から注文点に達した時点を判断するステップと、前記注文点に達したものと判断すると、クロマトグラフカラム(14)の2回目の一回発送分を発送するステップとを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記トリガ点の数から注文点に達した時点を判断するステップは、前記クロマトグラフシステムの作業者が、前記システムを、クロマトグラフ実施を開始するための初期状態にリセットするときにトリガ点を開始するステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
タグ付けされた消耗品(230)を入手するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)上に識別情報を記録するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)上の前記識別情報を、前記タグ付けされた消耗品(230)についての情報とともに、中央供給元(222)によって格納されるデータベース内に記録するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)を顧客サイトに提供するステップであって、該顧客サイトは、無線デバイスのためのリーダ、及び消耗品(230)の識別情報及び消耗品(230)の使用を指示するトリガ点を記録するためのメモリとを有する、前記消耗品(230)を使用するための装置を含む、提供するステップと、前記トリガ点の数から注文点に達した時点を判断するステップと、前記中央供給元(222)において注文点間の前記トリガ点の数を記録するステップであって、前記注文点間の前記トリガ点の数は、消耗品(230)のための新たな注文が前記顧客によって出される前に使用される消耗品(230)の量を指示する、記録するステップと、前記消耗品(230)のための新たな注文が前記顧客によって出される前に使用される前記消耗品(230)の量から、予め設定された期間にわたって推定される製品、及び該予め設定された期間にわたる該製品の推定されるコストを判断するステップであって、それにより前記消耗品のコストを予測することができる、判断するステップと、前記顧客による前記タグ付けされた消耗品(230)の使用を指示する少なくとも1つの信号を前記中央供給元(222)に格納される前記データベースに送信するステップと、注文信号に応答して繰返し発送を開始するステップとを含み、前記中央供給元(222)と前記顧客との間で一度の購入協定を結ぶ結果として、予め設定された使用期間にわたって消耗品(230)が補給されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項1】
機器(162)管理システムと、少なくとも1つの複数フラクション機器(162)を含む少なくとも1つの機器(162)との組み合わせであって、
汎用制御システム(168)を備え、前記少なくとも1つの複数フラクション機器(162)は複数の第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)のうちの少なくとも1つの対応する無線通信デバイスを含み、前記汎用制御システム(168)は第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)を含み、該無線通信デバイス(40A〜40Z)のうちの少なくともいくつかはタグであり、前記汎用制御システム(168)はデータベースを含むメモリを含み、
前記データベースは前記複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータを含み、前記構成部品の少なくともいくつかは、少なくとも1つの前記構成部品に関連付けられるタグを有する選択された特性を有することを特徴とし、
マイクロプロセッサ(130)を備え、前記タグは該マイクロプロセッサ(130)に情報を送信することができ、前記マイクロプロセッサ(130)は、データベースを含むメモリを含み、前記タグは表示を含み、前記タグが前記マイクロプロセッサ(130)に前記表示を送信する手段を備え、前記マイクロプロセッサ(130)は、前記送信された情報を受信すると共に前記選択された特性を有する構成部品の数を指示する情報を前記データベースに入力するための受信機を含むことをさらに特徴とする、機器管理システムと、少なくとも1つの複数フラクション機器を含む少なくとも1つの機器との組み合わせ。
【請求項2】
前記データベースは、その中に記録される在庫目標数を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
前記データベースは、前記複数の複数フラクション機器(162)内の少なくともいくつかのタイプの構成部品の数と、前記タイプの構成部品の平均使用率と、前記タイプの構成部品の製造業者の在庫と、或るタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元であって、それにより前記部品の製造業者及び型による前記タイプの部品の信頼性に関する比較が行われる、或るタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元と、個々の顧客による構成要素の使用率であって、それにより顧客の需要を予測することができ、管理の目的のために用いることができる、個々の顧客による構成要素の使用率とを指示するデータのうちの少なくとも1つを含み、前記構成要素の使用率を用いて、必要とされる構成部品の在庫、目標在庫最小数及び最大数、並びに手元にある前記構成部品の実際の数が判断され、前記システムは、いずれかが超えられるときに警告信号を与えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
前記汎用制御システム(168)はクロマトグラフ制御システム(10)であり、前記データベースは在庫目標数を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項5】
前記汎用制御システム(168)は無線通信デバイス(40A〜40Z)を含み、前記機器(162)は少なくとも1つのタグ付けされたカラム(14)を含み、該少なくとも1つのタグ付けされたカラム(14)はそれに関連付けられる無線通信デバイス(40A〜40Z)を有し、前記汎用制御システム(168)はデータベースを含むメモリを含み、前記データベースは特定のサイトにおいてカラム(14)の数を管理する際に有用なデータを含み、前記無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記汎用制御システム(168)に情報を送信することができ、カラム(14)の使用時に、前記無線通信デバイス(40A〜40Z)が中央管理システムに表示を送信する手段を備え、前記汎用制御システム(168)は、前記送信された情報を受信すると共に、前記選択された特性を有する前記カラム(14)の数を含む情報を前記データベースに入力するための受信機を含み、前記データベースはプログラムされたスケジュール内のカラム(14)の数の指示を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項6】
前記データベースは、特定のサイトにおいてカラム(14)の数を管理する際に有用なデータを含み、カラム(14)の使用時に、前記無線通信デバイス(40A〜40Z)が前記中央管理システムに表示を送信する手段を備え、前記汎用制御システム(168)は、前記送信された情報を受信すると共に、前記データベースに情報を入力するための受信機を含み、前記情報は、選択された特性を有する前記カラム(14)の数を含み、前記データベースはプログラムされたスケジュール内の前記カラム(14)の数の指示を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項7】
中央供給元(222)と、複数の装置サイト(226A〜226D)と、該中央供給元(222)と該複数の装置サイト(226A〜226D)のうちの少なくとも1つとの間の無線通信を提供する通信ネットワーク(224)であって、前記複数の装置サイト(226A〜226D)は消耗品を使用する装置と、タグリーダと、少なくともいくつかのタグ付けされた消耗品を保管するための一時保管スペースとを備え、前記中央供給元(222)は、装置のための識別データ、消耗品(230)、該消耗品(230)の場所及び該消耗品(230)の特性の記述を格納することができるデータ記憶施設を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項8】
少なくとも1つの容器ホルダと、メインフレーム(46)と、該メインフレーム(46)に取り付けられるマイクロプロセッサ(130)とを備え、前記メインフレーム(46)は検出器(16)からの流体出口と連通するように接続されるように構成される液体収容手段を備え、前記メインフレーム(46)は、容器ホルダベッド内に前記少なくとも1つの容器ホルダを収容するような形状及びサイズを有し、容器間で分配器出口を移動すると共に前記液体収容手段と連通するための少なくとも1つの分配器手段を備え、それによりフラクションが前記容器内に堆積することができ、前記マイクロプロセッサ(130)は、第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)と通信し、前記少なくとも1つの容器ホルダは第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)と通信し、前記容器ホルダベッドは第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)を含み、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は、前記少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように前記少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号を送信することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項9】
前記第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)のうちの少なくとも1つは不揮発性メモリを含み、該不揮発性メモリは前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含み、前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを含む不揮発性メモリを含み、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)の前記不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、前記第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号が送信される場合があり、前記第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)は、前記少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定することを特徴とする、請求項8に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの分配器手段、又は廃棄物のいずれかに液体を向けるために自動的に切替可能であるバルブを備え、該切替可能なバルブは第4の無線通信デバイス(40A〜40Z)と通信し、ピークが過ぎたときに、前記第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記第4の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号を送信し、それにより前記液体を前記少なくとも1つの分配器手段に流すことから前記廃棄物の中に流すことに切り替えることをさらに特徴とする、請求項8又は9に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記容器ホルダは少なくとも1つの容器を含み、前記少なくとも1つの容器ホルダが液体を収容するように前記少なくとも1つの分配器手段に対して位置決めされるときに、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号を送信することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項12】
クロマトグラフシステムの構成部品の在庫を管理する方法であって、その上に無線通信デバイス(40A〜40Z)を備える該クロマトグラフシステムの部品を製造するステップを含み、
前記無線通信デバイス(40A〜40Z)上に前記クロマトグラフシステムの前記部品の製造日を記録するステップと、全保管期限を減らすように在庫内の前記クロマトグラフシステムの前記部品の前記製造日を周期的に検査するステップとを含むことを特徴とする、クロマトグラフシステムの構成部品の在庫を管理する方法。
【請求項13】
マイクロプロセッサ(130)上に前記クロマトグラフ部品の在庫を保持するステップを含むことをさらに特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記クロマトグラフ部品上の前記無線通信デバイス(40A〜0Z)から前記マイクロプロセッサ(130)上のデータベースにデータを転送するステップを含むことをさらに特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記部品の特性が前記無線通信デバイス(40A〜40Z)上に記録され、前記在庫内の部品を分類するために用いられることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
複数の複数フラクション機器(162)のそれぞれから、該複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータが、それぞれが前記複数の複数フラクション機器(162)のうちの対応する複数フラクション機器と通信する複数の第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)から汎用制御システム(168)と通信する無線通信デバイス(40A〜40Z)に送信され、前記複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータは前記汎用制御システム(168)のメモリ内のデータベースに記録され、前記複数の複数フラクション機器(162)の少なくともいくつかのタイプの構成部品の使用量を管理する際に有用なデータを用いて、前記複数フラクション機器(162)システムを管理することを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記データベース内にデータを記録するステップは、前記複数の複数フラクション機器(162)内のいくつかのタイプの構成部品の少なくとも数、前記タイプの構成部品の平均使用率、及び前記タイプの構成部品の製造業者の在庫を指示するデータを記録するステップ;或るタイプの部品のモデル番号、価格及び供給元を記録するステップであって、それにより前記部品の製造業者及び型による前記タイプの部品の信頼性に関する比較が行われる、記録するステップ;並びに個々の顧客による構成要素の使用率を記録するステップであって、それにより顧客の需要を予測することができ、管理の目的のために用いることができる、記録するステップのうちの少なくとも1つを含み、前記構成要素の使用率を用いて、必要とされる構成部品の在庫、目標在庫最小数及び最大数、並びに手元にある前記構成部品の実際の数を判断し、前記システムは、いずれかが超えられるときに警告信号を与え、顧客による新たな購入と、材料、部品及び過程の増加及び変化とを記録し、それにより、前記データベース内の前記情報を用いて、前記材料及び前記部品の購入の増加及び減少を予測することができることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの容器ホルダがフラクションコレクタ(36)の分配器から液体を収容するための所定の位置にあるときに、該少なくとも1つの容器ホルダの識別情報をコントローラ(18)に送信するステップと、前記液体を収容するための所定の位置にある前記少なくとも1つの容器ホルダの前記識別情報を受信する際に前記少なくとも1つの容器ホルダ内の容器内に液体を挿入できるようにするステップと、前記少なくとも1つの容器ホルダが適所にないときに、前記容器内に液体が挿入されないようにするステップとを含むことを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
第2の無線通信デバイス(40A〜40Z)が前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定し、第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)が前記少なくとも1つの容器ホルダの特性を特定するデータを供給し、前記第2の無線通信デバイス及び前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)の不揮発性メモリ内に格納されるデータが一致するときに、第1の無線通信デバイス(40A〜40Z)に信号が送信される場合があり、前記第3の無線通信デバイス(40A〜40Z)は、前記少なくとも1つの容器ホルダの最終用途を特定するデータを供給することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの容器は、前記少なくとも1つの容器ホルダによって指示されるような別の機器(162)において使用されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
予め設定された期間中の消耗品(230)の使用量を推定するステップと、タグ付けされた消耗品(230)を入手するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)上に識別情報を記録するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)の前記識別情報を、前記タグ付けされた消耗品(230)についての情報とともに、中央供給元(222)によって格納されるデータベースに記録するステップと、前記予め設定された使用期間内に前記中央供給元(222)によって顧客に供給されることになる前記消耗品(230)の量を、前記識別情報に関連する前記データベース内に記録するステップと、前記消耗品(230)の一回発送分を前記顧客に提供するステップと、前記顧客による前記タグ付けされた消耗品(230)の使用を指示する少なくとも1つの信号を前記中央供給元(222)によって格納されるデータベースに送信するステップと、交換信号に応答して発送を開始するステップとを含み、前記中央供給元(222)と前記顧客との間で一度の購入協定が結ばれる結果として、予め設定された使用期間にわたって消耗品(230)が供給され、それにより該消耗品(230)の購入に関連する事務手続が削減されることを特徴とする、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記消耗品(230)の一回発送分を前記顧客に提供するステップは、顧客サイトにクロマトグラフカラム(14)の初回の一回発送分を提供するステップであって、該顧客サイトは、無線デバイスのためのリーダと、消耗品(230)の識別情報及びカラム(14)の使用を指示するトリガ点を記録するためのメモリとを有するクロマトグラフシステムを含む、提供するステップと、前記トリガ点の数から注文点に達した時点を判断するステップと、前記注文点に達したものと判断すると、クロマトグラフカラム(14)の2回目の一回発送分を発送するステップとを含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記トリガ点の数から注文点に達した時点を判断するステップは、前記クロマトグラフシステムの作業者が、前記システムを、クロマトグラフ実施を開始するための初期状態にリセットするときにトリガ点を開始するステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
タグ付けされた消耗品(230)を入手するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)上に識別情報を記録するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)上の前記識別情報を、前記タグ付けされた消耗品(230)についての情報とともに、中央供給元(222)によって格納されるデータベース内に記録するステップと、前記タグ付けされた消耗品(230)を顧客サイトに提供するステップであって、該顧客サイトは、無線デバイスのためのリーダ、及び消耗品(230)の識別情報及び消耗品(230)の使用を指示するトリガ点を記録するためのメモリとを有する、前記消耗品(230)を使用するための装置を含む、提供するステップと、前記トリガ点の数から注文点に達した時点を判断するステップと、前記中央供給元(222)において注文点間の前記トリガ点の数を記録するステップであって、前記注文点間の前記トリガ点の数は、消耗品(230)のための新たな注文が前記顧客によって出される前に使用される消耗品(230)の量を指示する、記録するステップと、前記消耗品(230)のための新たな注文が前記顧客によって出される前に使用される前記消耗品(230)の量から、予め設定された期間にわたって推定される製品、及び該予め設定された期間にわたる該製品の推定されるコストを判断するステップであって、それにより前記消耗品のコストを予測することができる、判断するステップと、前記顧客による前記タグ付けされた消耗品(230)の使用を指示する少なくとも1つの信号を前記中央供給元(222)に格納される前記データベースに送信するステップと、注文信号に応答して繰返し発送を開始するステップとを含み、前記中央供給元(222)と前記顧客との間で一度の購入協定を結ぶ結果として、予め設定された使用期間にわたって消耗品(230)が補給されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図7】
【図8】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2011−521323(P2011−521323A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506299(P2011−506299)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/002528
【国際公開番号】WO2009/131697
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(504269213)テレダイン・イスコ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/002528
【国際公開番号】WO2009/131697
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(504269213)テレダイン・イスコ・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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