説明

生コンクリート製造プラントの出荷管理方法

【課題】 操作盤と出荷管理装置との間で送受信される製品の製造・出荷指示に関する指令データの整合性を事前にかつ自動的にチェックすることにより、計量ミスや出荷ミスの発生を未然に防止するようにした生コンクリート製造プラントの出荷管理方法を提供する。
【解決手段】 出荷管理装置4より操作盤3に送信する指令データAをスランプ管理を行うスランプ管理装置5に送信しておく。そして、操作盤3が受信した指令データAに基づいて製品の製造・出荷を開始する前に、製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データBとしてスランプ管理装置5に送信する。スランプ管理装置5では受信した開始確認データBと、先に出荷管理装置4より受信した前記指令データAとの整合性を確認し、両データA、Bが一致する場合に限って操作盤3に製品の製造・出荷開始を指示する開始指示信号Cを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コンクリート製造プラントにおいて製造・出荷される生コンクリートの出荷管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生コンクリート製造プラントは、砂利、砂、セメント、水、混和剤等の各種コンクリート材料を貯蔵する貯蔵槽や、該貯蔵槽より排出されるコンクリート材料を計量する計量器、該計量器にて計量したコンクリート材料を混練するミキサ等を備えたプラント本体と、該プラント本体の貯蔵槽や計量器、ミキサ等の各機器を操作・制御する操作盤と、該操作盤に対して製品である生コンクリートの製造・出荷を指示する出荷管理装置から構成されており、前記出荷管理装置には出荷先毎の製品の配合値や出荷量、また出荷用のアジテータ車等の出荷車両番号等から成る出荷スケジュールを予め設定登録している。また、その他のコンピュータ管理装置として、骨材である砂の水分管理や製品のスランプ管理等を行うスランプ管理装置や各種材料のバッチ毎の計量値を記憶して納入書を発行する印字記録装置等が備えられている。
【0003】
そして、各出荷先に向けて製品である生コンクリートを製造・出荷するときには、前記出荷管理装置に設定登録している出荷スケジュールに基づいて出荷先毎の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データを操作盤に順次送信し、操作盤では受信したこれら指令データや骨材水分値等に基づいて各種コンクリート材料を計量・混練して所望の製品を製造・出荷すると共に、実際に製造・出荷した製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を実績データとして出荷管理装置に送信している。
【0004】
ところで、上記従来の出荷管理方法においては、例えば、万が一操作盤に何らかの障害が発生したり、オペレータが操作ミス等を犯した場合には、出荷管理装置からの指示内容とは異なる、意図しない配合値や出荷量にて製品が製造されたり、間違った出荷車両に積み込まれて出荷されたりして、誤納となるおそれがある。万が一間違った製品が製造・出荷されてしまった場合には誤納を防止するためにオペレータには迅速かつ的確な対応が求められ、オペレータにとって大きな負担となっている。
【0005】
一方、本出願人は、特許文献1(特開平7−247511号公報)にて開示しているように、プラントのオペレータの負担軽減を図った、プラントにおける製品管理方法を提案している。上記方法は、製品としてアスファルト合材を製造するアスファルトプラントに関するものではあるが、アスファルトプラントの操作盤にパーソナルコンピュータを接続すると共に、該パーソナルコンピュータには予め計量値、混合時間、製品温度等の製品の管理情報に対する許容値をそれぞれ設定登録しておき、アスファルト合材製造時には前記操作盤よりパーソナルコンピュータに各種製品管理情報を取り込み、それが前記許容値を越えるときには警報を出力してオペレータに警告するようにした製品管理方法である。
【0006】
そして、上記管理方法によれば、製品の製造時に何らかの原因で各種製品管理情報のうち一つでも許容値を越えるような場合には、操作盤に警報が自動的に出力されてオペレータに警告を発するようにしているため、オペレータの操作盤に対する監視が容易なものとなると共に、万が一の見落とし等による誤納を確実に防止でき、オペレータの負担を効果的に軽減可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−247511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の管理方法にあっては、材料の計量が完了した後、実際の計量値が予め設定した計量値と比較して許容範囲内かどうかを判断するようにしており、またミキサにて材料の混合処理が完了した後、実際に混合処理に要した時間や製造された製品の温度が予め設定した混合時間や製品温度と比較して許容範囲内かどうかを判断するようにしており、何れにしても事後処理であって、計量ミスや混合処理ミスの発生を未然に防止できるものではない。そして、万が一計量ミスや混合処理ミスが発生すればそれに要した時間や材料は無駄になってしまう上、計量ミスした材料や混合処理ミスした製品は抜き取って必要に応じて別途処理等する必要があり、作業効率の低下の要因となる。
【0009】
本発明は上記の点に鑑み、操作盤と出荷管理装置との間で送受信される製品の製造・出荷指示に関する指令データの整合性を事前にかつ自動的にチェックすることにより、計量ミスや出荷ミスの発生を未然に防止して製品の誤納を確実に阻止し、作業効率の低下を抑制すると共にオペレータの負荷軽減を可能とする生コンクリート製造プラントの出荷管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載の生コンクリート製造プラントの出荷管理方法では、生コンクリート製造プラントの操作盤に、製品の製造・出荷を指示する出荷管理装置を接続し、該出荷管理装置には出荷先毎の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の出荷スケジュールを予め設定登録しておき、各出荷先に製品を製造・出荷するときには前記出荷管理装置に設定登録した出荷スケジュールに基づいて出荷先の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データを操作盤に送信するようにした生コンクリート製造プラントの出荷管理方法において、前記出荷管理装置より操作盤に送信する指令データを骨材の水分管理や製品のスランプ管理を行うスランプ管理装置、または各種材料のバッチ毎の計量値を記憶して納入書を発行する印字記録装置の少なくともいずれかに送信しておき、前記操作盤が受信した指令データに基づいて製品の製造・出荷を開始する前に、製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データとして前記スランプ管理装置または印字記録装置に送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信した開始確認データと出荷管理装置より受信した前記指令データとの整合性を確認し、両データが一致する場合には操作盤に製品の製造・出荷開始を指示する開始指示信号を送信する一方、不一致の場合には警報を発報してオペレータに警告するようにしたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載の生コンクリート製造プラントの出荷管理方法では、請求項1記載の生コンクリート製造プラントの出荷管理方法において、実際に製造・出荷した製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の実績データを操作盤からスランプ管理装置または印字記録装置の少なくともいずれかに送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信した前記実績データと出荷管理装置より受信した指令データとの整合性を確認し、両データが不一致の場合には警報を発報してオペレータに警告するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る請求項1記載の生コンクリート製造プラントの出荷管理方法によれば、出荷管理装置より操作盤に送信する指令データを骨材の水分管理や製品のスランプ管理を行うスランプ管理装置、または各種材料のバッチ毎の計量値を記憶して納入書を発行する印字記録装置の少なくともいずれかに送信しておき、前記操作盤が受信した指令データに基づいて製品の製造・出荷を開始する前に、製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データとして前記スランプ管理装置または印字記録装置に送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信した開始確認データと出荷管理装置より受信した前記指令データとの整合性を確認し、両データが一致する場合には操作盤に製品の製造・出荷開始を指示する開始指示信号を送信する一方、不一致の場合には警報を発報してオペレータに警告するようにしたので、操作盤にて製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等と、本来の指令データとの整合性を事前にかつ自動的にチェックすることができ、製造・出荷ミスの発生を未然に防止して製品の誤納を確実に阻止し、これによって作業効率の低下を抑制すると共にオペレータの負荷を軽減できる。
【0013】
また、請求項2記載の生コンクリート製造プラントの出荷管理方法によれば、実際に製造・出荷した製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の実績データを操作盤からスランプ管理装置または印字記録装置の少なくともいずれかに送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信した前記実績データと出荷管理装置より受信した指令データとの整合性を確認し、両データが不一致の場合には警報を発報してオペレータに警告するようにしたので、製品の誤納を二重にチェックできてより確実に誤納を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る生コンクリート製造プラントの出荷管理方法を採用する生コンクリート製造プラントの概略説明図である。
【図2】本発明に係る生コンクリート製造プラントの出荷管理方法の手順を示すフローチャート1である。
【図3】本発明に係る生コンクリート製造プラントの出荷管理方法の手順を示すフローチャート2である。
【図4】本発明に係る生コンクリート製造プラントの出荷管理方法の手順を示すフローチャート3である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る生コンクリート製造プラントの出荷管理方法にあっては、プラントの操作盤に製品である生コンクリートの製造・出荷を指示する出荷管理装置と、骨材である砂の水分管理や製品のスランプ管理を行うスランプ管理装置、または各種材料のバッチ毎の計量値を記憶して納入書を発行する印字記録装置を接続し、前記出荷管理装置には出荷先毎の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の出荷スケジュールを予め設定登録しておく。そして、各出荷先に製品を製造・出荷するときには、先ず、前記出荷管理装置に設定登録した出荷スケジュールに基づき、出荷先の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データを操作盤に送信すると共に、スランプ管理装置または印字記録装置の少なくともいずれかにも同様に前記指令データを送信する。
【0016】
操作盤では受信したこれら指令データに基づいて所望の製品の製造・出荷を開始するが、その前に製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データとしてスランプ管理装置または印字記録装置に送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信したこの開始確認データと、先に出荷管理装置より受信した指令データとの整合性をチェックする。そうして、これら両データが一致すると判断された場合には、操作盤に製品の製造・出荷開始を指示する開始指示信号を送信し、操作盤ではこの開始指示信号の受信を契機として前記指令データに基づいて製品の製造・出荷を開始する。一方、両データが不一致と判断された場合には、警報を発報してオペレータに警告し、オペレータは前記警報内容を確認して適当な対応措置を講じる。
【0017】
そして、製品である生コンクリートの製造・出荷完了後、操作盤では実際に製造・出荷された製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の実績データを出荷管理装置及びスランプ管理装置または印字記録装置に送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信したこの実績データと、先に出荷管理装置より受信した指令データとの整合性をチェックする。そして、これら両データが不一致と判断された場合には、警報を発報してオペレータに警告を行う。このとき、オペレータは前記警報内容を確認して適当な対応措置を講じる。
【0018】
このように、出荷管理装置から送信される製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データを操作盤が間違いなく受信しているかを、第三の装置であるスランプ管理装置または印字記録装置のいずれかを介在させて確認するようにしたので、製造・出荷ミスの発生を未然に防止して製品の誤納を確実に阻止できる。また、実際に製造・出荷した製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の実績データをスランプ管理装置または印字記録装置で元の指令データと合っているかを確認するようにしたので、製品の誤納を二重にチェックでき、より確実に誤納を防止することができる。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0020】
図1中の1は、生コンクリートを製造・出荷する生コンクリート製造プラントであって、砂利、砂、セメント、水、混和剤等の各種コンクリート材料を貯蔵する貯蔵槽、該貯蔵槽より排出されるコンクリート材料を計量する計量器、該計量器にて計量したコンクリート材料を混練するミキサ等を備えたプラント本体2と、該プラント本体2の貯蔵槽や計量器、ミキサ等の各機器を操作・制御する操作盤3と、該操作盤3に製品である生コンクリートの製造・出荷を指示する出荷管理装置4と、骨材である砂の水分管理や製品のスランプ管理等を行うスランプ管理装置5と、各種材料のバッチ毎の計量値を記憶して納入書を発行する印字記録装置(図示省略)等から構成している。
【0021】
前記操作盤3には、プラント本体2の各機器の操作・制御に必要な情報等を入力する操作卓6と、各種情報を表示する表示装置7等を備えている。また、出荷管理装置4には、コンピュータ本体8と、各種情報表示用の表示装置9、各種情報を設定入力するキーボード10、及び出荷伝票等の各種情報をプリント出力するプリンタ11等を備えている。また、スランプ管理装置5には、前記出荷管理装置4の構成と同様に、コンピュータ本体12と、各種情報表示用の表示装置13、各種情報を設定入力するキーボード14、及び各種情報をプリント出力するプリンタ15等を備えている。なお、図示しない印字記録装置も同一の構成となっている。
【0022】
次に、上記各装置にて生コンクリートを製造する際の出荷管理方法の手順を図2〜図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図中のS1〜S21は各手順のステップを表す。
【0023】
先ず、初期設定としてプラントの運転前に、出荷管理装置4のコンピュータ本体8に、各出荷先毎の製品である生コンクリートの配合値や出荷量、出荷車両番号等の出荷スケジュールを予め設定登録し(S1)、終了か否かを判断した後(S2)、再度出荷スケジュールを設定登録する場合にはステップ1に戻って設定登録を継続する。
【0024】
そして、各出荷先に製品を製造・出荷するときには、前記出荷管理装置4では、コンピュータ本体8に予め設定登録した出荷スケジュールに基づき、出荷先の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データAを読み込み(S3)、読み込んだ指令データAを操作盤3と、スランプ管理装置5または印字記録装置の少なくともいずれかに送信する(S4)。
【0025】
操作盤3では、前記指令データAを受信すると(S5−1)、この受信した指令データAに基づいて製品の製造・出荷を開始する前に、製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データBとしてスランプ管理装置5または印字記録装置に送信する(S6)。
【0026】
スランプ管理装置5(または印字記録装置)では、出荷管理装置4からの指令データAの受信に続いて(S5−2)、操作盤3より開始確認データBを受信すると(S7)、この開始確認データBと先に受信した指令データAの整合性をチェックし(S8)、これら両データA、Bが一致するか否かを判断し(S9)、一致すると判断されれば操作盤3に製品の製造・出荷開始を指示する開始指示信号Cを送信し(S10)、操作盤3ではこの開始指示信号Cを受信すると(S11)、それを契機として前記指令データAに基づいて製品の製造・出荷を開始する(S12)。
【0027】
一方、ステップ9において両データA、Bが不一致と判断された場合には、スランプ管理装置5(または印字記録装置)の表示装置13や出荷管理装置4の表示装置9、或いは操作盤3の表示装置7等を介して警報(例えば、「間違った配合内容の生コンクリートを計量しようとしています。」等のエラーメッセージの表示や、エラー音を鳴動)を発報してオペレータに警告する(S13)。このとき、オペレータは前記警報の内容を確認して、適当な対応措置(例えば、操作盤3等の動作チェックや、データの通信エラーの有無のチェック、オペレータの操作経緯のチェック、並びに指令データの修正等)を講じる。
【0028】
次いで、製品の製造・出荷完了後、操作盤3では実際に製造・出荷された製品の実配合値や出荷量の実績データDを取り込み(S14)、この実績データDを出荷車両番号等と共に出荷管理装置4、及びスランプ管理装置5(または印字記録装置)に送信する(S15)。
【0029】
前記実績データDは出荷管理装置4とスランプ管理装置5(または印字記録装置)の両方でそれぞれ受信され(S16−1)(S16−2)、スランプ管理装置5(または印字記録装置)では、受信した前記実績データDと先に出荷管理装置4から受信した指令データAの整合性をチェックし(S17)、これら両データA、Dが一致するか否かを判断し(S18)、一致すると判断されれば、出荷管理装置4にて先に操作盤3から受信した実績データDと、別途受信したスランプ値やスランプフロー値の推測値等を基に出荷伝票等をプリンタ11より発行する(S19)。そして、製品の製造・出荷を終了するか判断し(S20)、終了しない場合にはステップ3に戻る。
【0030】
一方、ステップ18において両データA、Dが不一致と判断された場合には、スランプ管理装置5(または印字記録装置)の表示装置13や出荷管理装置4の表示装置9、或いは操作盤3の表示装置7等を介して警報(例えば、「間違った配合内容の生コンクリートを計量しました。」、「出荷量が異なります。」、「出荷車両番号が異なります。」等のエラーメッセージの表示や、エラー音を鳴動)を発報してオペレータに警告する(S21)。このとき、オペレータは前記警報の内容を確認して、適当な対応措置(例えば、誤納のおそれがあると判断されれば直ちに出荷停止措置を行う等)を講じる。
【0031】
このように、出荷管理装置4から操作盤3に送信される製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データAを第三のコンピュータであるスランプ管理装置5または印字記録装置にも送信しておき、製品の出荷前に操作盤に登録されている配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データBとしてスランプ管理装置5または印字記録装置に送信し、スランプ管理装置5または印字記録装置において元の指令データAと一致しているかの確認を行うようにしたので、万が一操作盤3に何らかの障害や、データの通信エラー、或いはオペレータの操作ミス等が発生しても、製造・出荷ミスを未然に防止でき、製品の誤納を確実に阻止できる。
【0032】
なお、ステップ9にて開始確認データBと指令データAの整合性を確認するとき、またステップ18にて実績データDと指令データAの整合性を確認するときにおいて、両データは必ずしも厳密に一致する必要はなく、例えば、配合値や出荷量等については製品の品質に影響を及ぼさない程度に予め許容範囲を設定しておき、両データの差値量が前記許容範囲内であれば整合するものと判断して次ステップに進むようにするとより実情に適合した取り扱いやすいものとなる。
【0033】
また、指令データAと開始確認データBとの整合性を確認するタイミングとしては、操作盤3やスランプ管理装置5または印字記録装置が出荷管理装置4からの指令データAを受信した時点、また操作盤3が指令データAに基づいて製品の製造・出荷を開始する時点等、様々なタイミングが想定できるが、少なくとも製品の製造・出荷を開始する前であれば良い。
【符号の説明】
【0034】
1…生コンクリート製造プラント 2…プラント本体
3…操作盤 4…出荷管理装置
5…スランプ管理装置(または印字記録装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリート製造プラントの操作盤に、製品の製造・出荷を指示する出荷管理装置を接続し、該出荷管理装置には出荷先毎の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の出荷スケジュールを予め設定登録しておき、各出荷先に製品を製造・出荷するときには前記出荷管理装置に設定登録した出荷スケジュールに基づいて出荷先の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の指令データを操作盤に送信するようにした生コンクリート製造プラントの出荷管理方法において、前記出荷管理装置より操作盤に送信する指令データを骨材の水分管理や製品のスランプ管理を行うスランプ管理装置、または各種材料のバッチ毎の計量値を記憶して納入書を発行する印字記録装置の少なくともいずれかに送信しておき、前記操作盤が受信した指令データに基づいて製品の製造・出荷を開始する前に、製造・出荷開始予定の製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等を開始確認データとして前記スランプ管理装置または印字記録装置に送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信した開始確認データと出荷管理装置より受信した前記指令データとの整合性を確認し、両データが一致する場合には操作盤に製品の製造・出荷開始を指示する開始指示信号を送信する一方、不一致の場合には警報を発報してオペレータに警告するようにしたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの出荷管理方法。
【請求項2】
請求項1記載の生コンクリート製造プラントの出荷管理方法において、実際に製造・出荷した製品の配合値や出荷量、出荷車両番号等の実績データを操作盤からスランプ管理装置または印字記録装置の少なくともいずれかに送信し、該スランプ管理装置または印字記録装置では受信した前記実績データと出荷管理装置より受信した指令データとの整合性を確認し、両データが不一致の場合には警報を発報してオペレータに警告するようにしたことを特徴とする生コンクリート製造プラントの出荷管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−48601(P2012−48601A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191819(P2010−191819)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】