生体サンプルの収容用の容器のためのクロージャ
例えば生体サンプルなどのサンプル用の、例えば管などの容器のためのクロージャ10。クロージャは、第1の開口および第2の開口を有するキャップを備え、第1の開口20は、容器の口部に連絡することが可能であり、第2の開口22は、外部シール16と、第1の開口と外部シールとの中間にある内部シール18とによって密閉される。また、本発明は、本発明のクロージャと容器とを備えるアセンブリを提供する。また、本発明は、クロージャを作成するための方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロージャに関し、より詳細には容器のためのクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば生体サンプルを含んでいる管などの容器にキャップをすることおよび容器からキャップを外すことは、分析実験室で日々行われる繰り返し作業である。この作業は、自動化することが困難である。さらに、この作業は、分析化学者を、生物学的有害物質に晒される大きな危険性の下に置く。さらに、またこの作業は、多くの怪我を引き起こす可能性がある。また、生体サンプルを含んでいる容器にキャップをすることおよび容器からキャップを外すことは、多くの時間を要することでもある。この作業は、1つの容器あたり約0.6分を要する、または1つのバッチあたり約150ドルのコストで、1つの分析バッチあたり約60分を要すると概算されている。労働災害の防止、および分析化学者の士気の向上による間接的な節減を概算することはできないが、そのような節減は、相当なものであり得る。このような理由により、分析実験室では、サンプル管が穿孔可能なキャップを備えていることが好まれる。
【0003】
穿孔可能なキャップを備えるサンプル管は、いくつかの供給業者から入手可能である。穿孔可能なキャップの例が、米国特許出願公開第2002/0127147号に説明されている。このキャップは、分析用の流体試料または他の物質を受容するおよび収容することが可能な、開放端部を有する容器に、本質的に漏れのないシールを形成することが可能であることが請求されている。前述の刊行物は、プラスチック製のピペットの先端部または他の流体移送デバイスにより貫通可能なもろいシールを有するキャップを説明している。キャップは、もろいシールが穿孔されると、エアロゾルまたは気泡の散布を制限するためのフィルタリング手段をさらに有する。フィルタリング手段は、もろいシールと保持手段との間に配置される。保持手段は、フィルタリング手段の上部のキャップに配置され、キャップ内にフィルタリング手段を包含するために使用されてよい。保持手段は、流体移送デバイスによって貫通可能な材料から製造される。市販のキャップは、例えばピペットまたは針などのサンプリングデバイスの周囲に密封シールを形成するように構成された弾性材料から製造されてきた。通常、サンプリングデバイスと隔壁との間の接合部は、気密である。しばしば、液体の引き戻しが、サンプリング動作を妨害する実質的な真空を生成する可能性がある。さらに、サンプル管は、穿孔されたキャップの残留物が、サンプリングデバイスがサンプル管から引き出される際にサンプリングデバイスに結合し得るため、力ずくで保持されなければならないことがある。さらに、ピペットの先端部などの鈍いまたは厚い物体を用いてキャップのシールを穿刺することにより、ピペットの先端部を損傷させることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、容器にキャップをするおよび容器からキャップを外す必要性を排除する、容器のためのクロージャを提供することが望ましい。また、サンプリングデバイスのサンプリング動作を妨害しない、容器のためのクロージャを提供することが望ましい。また、サンプリングデバイスの損傷を招くことなく、サンプリングデバイスによって開けられることの可能な、容器のためのクロージャを提供することが望ましい。また、サンプル自体に悪影響を及ぼすことなく、開けられることの可能なクロージャを提供することが望ましい。
【0005】
他の望ましい特徴が、顧客先におけるサンプルの簡便な収集を可能にするサンプル管と、スワブを介して収集された試料用に、または尿試料用に使用することの可能なサンプル管と、分析機器のサンプル調整部分上に直接的に装填されることの可能なサンプル管と、サンプル管が分析機器のサンプル調整部分用に準備される前に、検査技師によって開けられる必要のないサンプル管と、輸送時の負荷に耐えるサンプル管と、サンプル管が分析機器のサンプル調整部分用に準備される前に、スワブの除去を必要としないスワブ用のサンプル管と、処理用のサンプルの同定を容易にするサンプル管と、試料の迅速な移送および処理の必要性をなくすサンプル管とを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明は、例えば生体サンプルなどのサンプル用の、例えば管などの容器のためのクロージャを提供する。クロージャは、第1の開口および第2の開口を有するキャップを備え、第1の開口は、容器の口部に連絡することが可能であり、第2の開口は、例えばポリマーカバーなどの外部シールと、第1の開口と外部シールとの中間にある、例えば破断可能な膜などの内部シールとを有する。第2の態様において、本発明は、本発明のクロージャと容器とを備えるアセンブリを提供する。第3の態様において、本発明は、クロージャを作成するための方法を提供する。
【0007】
本発明のクロージャの一実施形態において、典型的には、キャップは、実質的に円筒状の形状であり、頂部から下降する実質的に円筒状の側壁部を有する円形の頂部を有することによって特徴付けられる。概して、第1の開口および第2の開口は、実質的に円筒形状のキャップの主要軸を取り囲む。開口は、容器の内容物へのアクセスを得るためのサンプリングデバイスを収容するのに十分なサイズの寸法を有する。典型的には、キャップは、弾性ポリマー材料から製造される。典型的には、外部シールは、エラストマー材料から製造される。典型的には、内部シールは、金属箔の少なくとも1つの層、および好ましくは熱融着可能な接着剤の層、および任意には紙の層を含む、積層体から製造される。
【0008】
典型的には、サンプル管は、1.2ミリリットルの最小充填容積を有する。密閉されたサンプル管は、漏出品質検査を通過することが好ましい。サンプル管は、サンプルラック内に嵌入されることが可能であり、その内容物は、ピペットの使い捨ての先端部によって吸い出されることが可能である。典型的には、サンプル管の長さは、95mmを超過しない。典型的には、サンプル管の外径は、18mmを超過しない。典型的には、サンプル管は、ポリマー材料、好ましくは例えばポリプロピレンなどの弾性ポリマー材料から製造される。典型的には、ピペットの先端部の押しのけによるオーバフローのない充填容積は、約8ミリリットルであり、典型的には、ピペットの先端部によって押しのけられる容積は、約1ミリリットルである。
【0009】
ピペットは、クロージャ内の第2の開口と、クロージャ内の第1の開口とを通るサンプルへのアクセスを提供するように、サンプリングデバイスとして使用されることが可能である。クロージャの構造が、真空が生成されないことを確実にする。ピペットの先端部が、クロージャの外部シールと、クロージャの内部シールとを破る場合に、ピペットおよびその先端部は、損傷を受けない。
【0010】
本発明のクロージャは、多数の利点を提供する。1つの主要な利点は、サンプリング作業の自動化を容易にすることである。第2の主要な利点は、生物学的有害物質に分析化学者を晒すことを軽減することである。第3の主要な利点は、容器の内容物へのアクセスの取得における時間の節減であり、またこれは、容器の内容物へのアクセスの取得に関連付けられるコストの削減という結果をもたらす。第4の主要な利点は、サンプリングデバイスが、開口プロセスによって損傷を受けることなく、クロージャを開けることを可能にすることである。第5の主要な利点は、サンプル自体に悪影響を及ぼすことなく、クロージャを開けることが可能であることである。第6の主要な利点は、クロージャが、サンプリングデバイスのサンプリング動作を妨害しないことである。
【0011】
本発明のクロージャは、(1)キャビティを含む少なくとも1つのキャビティ半部、および成形コアを含む少なくとも1つのコア半部と、(2)ポンチと、(3)ダイとを備える成形ユニットを有する装置が提供される方法によって、作成されることが可能である。さらに、クロージャの内部シールを作成するための材料を含むウェブが、提供される。方法の第1のステップにおいて、ポンチおよびダイが、成形ユニット内のウェブの一部分に位置合わせされるように、ウェブの一部分が、成形ユニットにインデクシングされる。次いで、成形ユニットは閉じられ、それによって、ポンチおよびダイが、クロージャの内部シールを形成するためのウェブの材料を切断することを可能にする。切断されたウェブの材料は、第1の成形サイクルが終了するまで、成形コアに維持される。第1の成形サイクルの間、クロージャのキャップ部分を形成するためのポリマー材料が、切断されたウェブの材料が閉じられた成形ユニット内に導入されたポリマー材料に密着するのを可能にするように、閉じられた成形ユニット内に導入される。第1の成形サイクルの終了時に、成形ユニットが開かれる一方で、クロージャのキャップ部分とクロージャの内部シールとのアセンブリが、成形コアに留まる。次いで、成形コアは、第2の成形サイクルにおいてクロージャの外部シールを形成するために、成形ユニット内にポリマー材料の導入を可能にするように配置される。次いで、成形ユニットは閉じられ、それと同時に、クロージャの外部シールを形成するためのポリマー材料が、第2の成形サイクルの間に、閉じられた成形ユニット内に導入される。最後に、第2の成形サイクルの終了時に、成形ユニットは開けられ、完成されたクロージャが、成形コアから取り外される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書において使用される際に、「クロージャ」という用語は、例えばサンプル管などの容器を閉鎖し密閉する物を意味する。「キャップ」という用語は、容器に装着されるクロージャ部分を意味する。本発明のクロージャの一実施形態において、キャップは、キャップが容器に回してはめ込まれることが可能となるようにその内壁部に形成されたねじ山を有する。他の実施形態において、キャップは、摩擦嵌め、スナップ嵌め、または何か他のタイプの嵌合によって、容器に装着されることが可能である。「外部シール」という語句は、容器を密閉し、容器が閉鎖されている場合に、容器の外部環境に面するその一主要表面を有する、クロージャ部分を意味する。「内部シール」という語句は、容器を密閉し、容器が閉鎖されている場合に、クロージャおよび容器によって形成される容積内に完全に配設される、クロージャ部分を意味する。「破断可能な膜」という語句は、ピペットの先端部によって破断されることの可能な、例えば金属箔などの脆性材料の少なくとも1つの層を備える膜を意味する。典型的には、破断可能な膜は、少なくとも1つの熱融着可能な接着剤の層を、および任意には少なくとも1つの紙の層をさらに含む。「サンプリングデバイス」という表現は、容器から液体のサンプルを取り出すためのデバイスを意味する。「穿孔可能な」という用語は、先端部に悪影響を及ぼすことなく、ピペットの先端部によって穿刺されることが可能であることを意味する。
【0013】
本発明は、生体サンプル用の容器のためのクロージャを提供する。次に図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7を参照すると、容器12のためのクロージャ10が、キャップ14と、キャップ14のための外部シール16と、内部シール18とを備える。キャップ14は、第1の開口20および第2の開口22を有する。第1の開口20は、容器12の口部(図示せず)に連絡することが可能である。第2の開口22は、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイスの、容器12への初期アクセスを可能にする。
【0014】
図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に示される実施形態において、キャップ14は、円形頂部26を備える実質的な円筒形状部を有し、かつ頂部26の外縁部から垂下する実質的に円筒形状の壁部28を有する構造体である。図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に示される実施形態において、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の内表面30、すなわち容器12の口部に面する表面が、ねじ山32を備える。これらのねじ山32によって、キャップ14は、容器のねじ山を付けられた頸部に回してはめ込まれることが可能となる。キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の内表面30は、必ずしもねじ山を含む必要はない。例えば、他の実施形態において、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28は、摩擦のみによって容器の頸部上に嵌合するように構成されることが可能である。代替としては、さらに他の実施形態において、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28は、スナップ嵌めリングによって容器の頸部上に嵌合するように構成されることが可能である。キャップ14は、必ずしも実質的に円筒状の形状である必要はないことに留意されたい。言い換えれば、キャップ14の特定の形状は、決定的なものではない。しかし、キャップ14は、それが容器12の口部上に嵌合し、かつ適切な位置にクロージャ10を維持することが可能であるような形状および構成でなければならない。図1および図2に図示されるように、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の外表面34が、リッジのパターンによって特徴付けられる。しかし、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の外表面34は、もし所望されるならば、パターンを有さないことが可能であり、または他のパターンを有することが可能である。
【0015】
キャップ14は、ポリマー材料、好ましくはポリプロピレンから製造される。同ポリマー材料は、DNAおよび/またはRNAへの適合性を有する。ポリプロピレンの代わりのポリマー材料は、ポリエチレンと、ポリ塩化ビニルと、DNAおよび/またはRNAへの適合性を有する他のポリマー材料とを含むが、それらに限定されない。キャップ14を形成するポリマー材料は、弾性ポリマー材料が床上に落とされる衝撃に耐え得るという理由から、弾性ポリマー材料であることがさらに好ましい。キャップ14を作成するために適切なポリマー材料は、例えばオレンジ着色剤などの着色剤と混合された(PolyOne社 CC10056423WE、25:1の樹脂:着色剤比で)、Basell社“Pro−fax”grade 6323のポリプロピレンホモポリマー樹脂である。Basell社“Pro−fax”grade 6323の製品情報シートによれば、同ポリマーは、汎用ポリプロピレンホモポリマー樹脂である。同樹脂は、約1.02mm(0.040インチ)の最小厚に対して110℃のULイエローカードRTIを有し、約1.47mm(0.058インチ)の最小厚に対してUL94HBの燃焼性等級を有する。これらの等級は、天然色の樹脂にのみ適合する。密度−比重が、0.900sp gr23/23℃(方法B)(ASTM D 792)であり、溶融流速度は、12.0g/10分(230℃/2.16kg)であり、降伏時引張強度は、33.8MPa(50mm/分)(ASTM D 638)であり、降伏時引張強度は、4900ポンド/平方インチ(2インチ/分(約51mm/分))であり、曲げ弾性率は、1450MPa(1mm/分)(ASTM D 790)であり、曲げ弾性率は、210000ポンド/平方インチ(0.05インチ/分(約1.27mm/分))であり、降伏時引張伸びは、10%(ASTM D 638)であり、ノッチドアイゾット衝撃強度は、37.4J/m(23℃)であり、ノッチドアイゾット衝撃強度は、0.700フィート−ポンド/インチ(73°F(約23℃))(ASTM D 256)であり、ロックウェル硬さは、88(Rスケール)であり、66ポンド/平方インチ−非焼きなましでのDTULは、92.2℃(ASTM D 648)である。
【0016】
キャップ14の第2の開口22は、外部シール16によって密閉される。外部シール16は、シールに強度を与えるように、ポリマー材料、好ましくはエラストマー材料から製造される。外部シール16は、ピペットの先端部による外部シール16の穿孔を容易にするように、少なくとも1つの刻み線36、典型的には複数の刻み線36を有することが可能である。また、刻み線36または複数の刻み線36は、外部シール16の穿刺時に真空が形成される可能性を軽減するように機能する。図1および図3に示されるように、刻み線36は、外部シール16の中央から径方向に延在する。しかし、例えば単一の円または複数の同心円、直線平行線、ジグザク、英数文字、点、他の反復パターン、不規則パターン(すなわち、非パターンの、無作為の刻みマーク)などの、他のパターンの刻み線が使用されることも可能である。代替の実施形態において、図8および図9に示されるように、外部シール16は、内部シール18を露出させるように外部シール16の全厚みを貫通する少なくとも1つのスリット38を有することが可能である。典型的には、単一のスリットのみが使用される必要があるが、複数のスリットも許容し得る。スリットの幾何形状は、単一線または複数の線であることが可能である。さらに、例えば十字型、星型、または少なくとも1つの刻み線に関して使用されたものと同様のパターンなどの幾何形状を有するスリットが、使用されることが可能である。
【0017】
典型的には、外部シール16用のエラストマー材料は、約30ショアAから約90ショアA、好ましくは50ショアAから約80ショアAの範囲の硬度を有する。外部シール16の市販の実施形態の代表的な例は、60ショアAの硬度を有する。外部シール16の作成において使用するのに適したエラストマー材料は、飽和スチレンエラストマーであり、これは、内部シール18へ強度を与えるように、内部シール18上に適用される。本発明において使用するのに適した外部シールのためのエラストマー材料が、指定RTP参照番号−RTP SX109669エラストマーを有する。同エラストマー材料は、RTP社(55987、米国ミネソタ州、Winona、East Front Street 580)によって開発され、同社から求めることが可能である。
【0018】
外部シール16は、サンプルを保管するための典型的な温度である約+70℃から約−70℃の範囲の温度で、幾分かの可撓性を保持する可撓性材料から製造されることが可能である。外部シール16を作成するために適切な材料としては、天然ゴム(約−60℃の温度への低下まで可撓性を維持)、スチレンブタジエンゴム(約−50℃の温度への低下まで可撓性を維持)、ポリイソプレン(約−55℃の温度への低下まで可撓性を維持)、シリコーンゴム(約−80℃の温度への低下まで可撓性を維持)、フルオロシリコーンゴム(約−60℃の温度への低下まで可撓性を維持)、エチレンプロピレンゴム(約−60℃の温度への低下まで可撓性を維持)が含まれるが、それらに限定されない。
【0019】
キャップ14の第1の開口20と第2の開口22との間には、内部シール18がある。内部シール18は、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の内面30上のねじ山32と、外部シール16との間に存在するものとして図示される。内部シール18の目的は、生体サンプルを損じる、または生体サンプルが輸送中に悪影響を受けるのを防ぐことである。通常、サンプルは、診療場所から輸送されるため、容器、典型的には管は、輸送中の任意の可能性のある向き(鉛直方向、水平方向、上下転倒など)が想定されることができる。さらに、容器は、差圧を誘起するのに十分な大きさの変化を含む、高度における変化を受け得る。内部シール18は、非伸縮性であることが好ましい。内部シール18は、外部シール16の可能性のある破損(例えば、液体が、上下転倒された管または部分的に転倒された管および同様のものから、漏出するまたは滲出するのを防ぐための外部シール16の、可能性のある破損)を補償することが可能である。同様に、外部シール16は、内部シール18の可能性のある破損(例えば、液体が、上下転倒された管または部分的に転倒された管および同様のものから、漏出するまたは滲出するのを防ぐための内部シール18の、可能性のある破損)を補償することが可能である。
【0020】
内部シール18は、それが例えばピペットなどのサンプリングデバイスの先端部によって、容易に破断されることが可能であるような材料から製造される。内部シール18を形成するために適当な材料としては、例えば薄い金属箔(例えばアルミニウム箔)および薄いポリマーシート(例えば飽和スチレンエラストマー)などのような、薄い脆性材料が含まれるが、それらに限定されない。内部シール18の特定の厚さが、当業者によって選択されることが可能である。蒸発および漏出を実質的になくすことに加えて、また内部シール18は、分析の前の、サンプルの物理的完全性の証拠を提供する。内部シール18は、外部シール16に接触していることが可能である。クロージャ10を作成するための望ましい方法によれば、内部シール18は、外部シール16に接触している。
【0021】
内部シール18は、金属箔または他の脆性材料の単一層であることが可能であるが、概して複数の層を有する複合材料である。複数層の一実施形態において、内部シール18は、熱融着可能な接着剤の層を支持する金属箔の層を含む。この実施形態において、熱融着可能な接着剤の層の露出された主要表面が、サンプルを収容する容器部分に面し、金属箔の層の露出された主要表面が、外部シール16に面する。複数層の他の実施形態において、内部シール18は、その一方の主要表面上に熱融着可能な接着剤の層を支持し、その他方の主要表面上に紙の層を支持する、金属箔の層を含む。熱融着可能な接着剤の層の露出された主要表面は、サンプルを収容する容器部分に面し、紙の層の露出された主要表面は、外部シール16に面する。接着剤の層は、箔の層に紙の層を密着させるために使用されることが可能である。4層を含む複数層の一実施形態において、内部シール18は、頂部から底部へ、紙の層18a(約25g/m2から約75g/m2の、好ましくは約37.6g/m2から約42.4g/m2の面積あたりの重量を有する)と、接着剤ラッカーの層18b(約2.0g/m2から約3.0g/m2の面積あたりの重量を有する)と、例えばアルミニウム箔などの金属箔の層18c(約5μmから約70μmの、好ましくは約33.7μmから約40.3μmの範囲の厚さを有する)(約91.0g/m2から約108.8g/m2の面積あたりの重量)と、熱融着可能な接着剤の層18d(約2.0g/m2から約8.0g/m2の、好ましくは約3.0g/m2から約4.0g/m2の面積あたりの重量を有する)とを含む。内部シール18の紙の層18aは、外部シール16に接触している。内部シール18は、HUECK FOLIEN GmbH&Co.KG(ドイツ国、92712 Pirk、Pirkmuhle)より市販されており入手可能である(接着剤ラッカーの層に重なり、次いでこれは、軟質のアルミニウム箔の層(厚さ37μm)に重なり、次いでこれは、LPP2として指定された熱融着可能な接着剤の層に重なる、参照番号6116324−Pap40クラフト紙)。箔の層は、37μmよりも薄いまたは厚いことが可能であり、箔の層は、アルミニウム以外の金属から製造されることが可能であり、箔の層は、金属以外の、液体不浸透性の脆性材料から製造されることが可能である。紙は、約25g/m2から約75g/m2の範囲の、典型的には約40g/m2の仕様を有することが可能である。先に指摘されたように、紙の層は、必ずしも必要ではない。クラフト紙以外のタイプの紙が、使用されることが可能である。紙の代わりに、例えば脆性ポリマー材料などの他の脆性材料が使用されることが可能である。概して、紙の層は、落下力に対して内部シール18の強度を増強するために使用される。また、紙の層は、内部シール18の引裂き可能性を改善するように、内部シール18の脆性を増強する。さらに、紙の層は、内部シール18の一部分が、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイスに粘着する場合に、しばしば観察され得る真空を低減する、好ましくは無くすのを補助する。内部シール18は、ピペットの先端部に位置合わせされる内部シール18の部分のみが容易に破断可能であるように、その主要表面にわたって異なる厚さを有するように構成されることが可能である。
【0022】
内部シール18は、容易に伸びない材料から製造されるため、サンプリングデバイスの前進する先端部は、内部シール18を破断することが可能である。破断された後で、内部シール18は、キャップ14によって所定位置に保持され続ける。代替として、内部シール18は、それが破断された後で容器内へ落ちることが可能であるように構成されることが可能である。キャップ14は、内部シール18を所定位置に保持するのを補助するように、例えば実質的に円筒形状のキャップ14の場合には円形の肩部などの、肩部を含むことが可能である。
【0023】
次に、図5および図7を参照すると、図5におけるクロージャ10は、第2の開口22を通り進入するサンプリングデバイスが無い状態で、閉じられているものとして示されている。図7におけるクロージャ10は、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイス50が、第2の開口22を貫通して配置された状態で示される。クロージャ10の開口20および22は、サンプリングデバイス50が、容器12の内容物へのアクセスを得るために、クロージャ10を容易に貫通するのを可能にする。また、クロージャ10の開口20および22は、サンプリングデバイス50が、クロージャ10から容易に引き戻されるのを可能にする。
【0024】
本発明のクロージャの構成要素の寸法は、決定的なものではないが、典型的な寸法が、典型的なクロージャのサイズを示すために提示される。約16mmの呼び外径を有する、実質的に円筒状のサンプル管と共に使用するために、円筒状のキャップ14が、約17mmの呼び外径と、約16mmの呼び内径と、約1/2mmの壁部の厚さ(厚さは外径と内径との間の誤差のほぼ1/2に等しい)とを有することができる。クロージャ10の呼び内径と、サンプル管12の呼び外径とに関わらず、クロージャ10およびサンプル管12は、サンプル管12がクロージャ10により閉じられている場合に、サンプル管12からのサンプルの漏出が、意図された目的に関して過度にならないような寸法を有するべきである。キャップ14の側壁部34の呼び高さは、約15mmである。前述のキャップ14と共に使用されることが可能なサンプリングデバイスは、約3.9mmの直径を有することが可能である。
【0025】
本発明のクロージャと共に使用するのに適切なサンプル管12の寸法は、決定的なものではないが、典型的な寸法が、典型的なサンプル管の仕様を示すために提示される。典型的には、サンプル管12は、1.2ミリリットルの最小充填容積を有する。密閉されたサンプル管は、漏出品質検査を通過しなければならず、その基準は、ASTM Designation D 5094−90(1997年再承認)にもとづくことが可能であり、参照により本明細書に組み込まれる。典型的には、サンプル管12は、スワブが裂かれた後で、サンプルスワブを受容することができる。サンプル管12は、サンプルラック内に嵌入されることが可能であり、ピペットの先端部を受容することが可能である。サンプル管12の頸部は、サンプル管12がクロージャ10により閉じられている場合に、サンプル管12からのサンプルの漏出が意図された目的に関して過度にならないように、クロージャ10に適合しなければならない。この理由のため、典型的には、サンプル管12は、弾性ポリマー材料から製造される。典型的には、サンプル管12は、標準的な垂直バーコードラベルを収容するのに十分な長さであり、これは、約5.1cm(約2インチ)の長さであってよい。典型的には、サンプル管12は、尿サンプル用の充填位置を示すための充填マークを有する。好ましくは、サンプル管12の長さは、95mmを超過しない。好ましくは、サンプル管12の呼び外径は、18mmを超過しない。好ましくは、サンプル管12は、ポリマー材料から、好ましくは例えばポリプロピレンなどの弾性ポリマー材料から製造される。好ましくは、サンプル管12は、半透明である。サンプル管の呼び径の代表的な例は、長さ85mm×外径16mm×内径15mmである。サンプル管12の寸法に関わらず、クロージャ10およびサンプル管12は、サンプル管12がクロージャ10によって閉じられている場合に、サンプル管12からのサンプルの漏出が意図された目的に関して過度にならないような寸法を有するべきである。典型的には、リムまでのサンプル管の容積は、10mLである。典型的には、ピペットの先端部の押しのけによるオーバフローのない充填容積は、8ミリリットルであり、典型的には、ピペットの先端部は、約1ミリリットルのサンプルを押しのける。
【0026】
サンプル管12の形状およびクロージャ10の形状は、決定的なものではない。サンプル管12は、円筒状であり、円形の口部を有するものとして示されるが、サンプル管12は、例えば矩形、六角形、八角形、または同様のものなどのような、多角形を画定する口部を有することが可能である。サンプル管12が円筒状であり、円形の口部を有する場合には、クロージャ10の開口20は円形であることが好ましい。サンプル管12の口部が円形でない場合には、クロージャ10の開口20は、サンプル管12の口部の形状に適合し、好ましくは合致する形状を有するべきである。容器12の形状は、決定的なものではない。容器12は、管状の形状である必要はなく、生体サンプルを取り扱う実験室内で典型的に見受けられる容器に共通の任意の形状であることが可能である。実質的に円筒状のサンプル管の場合、底部は図1に示されるように、丸いものであることが可能である。他の実施形態(図示せず)において、サンプル管の底部は、円錐形であることが可能であり、または何か他の形状であることさえも可能である。
【0027】
キャップ14は、成形加工、典型的には射出成形加工によって、作成されることが可能である。例えば、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。なおこれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
内部シール18は、成形加工、典型的には射出成形加工によって、キャップ14に密着されることが可能である。例えば、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。なお前述において、これは、参照により本明細書に組み込まれている。内部シール18の主要表面は、容器12、キャップ14、および外部シール16の形状に合致する形状である。内部シール18の主要表面の面積は、内部シール18とキャップ14の開口22aとの間に配設されるキャップ14の開口22aの面積より大きいことが可能である。内部シール18の面積が、キャップ14の開口22aの面積を超える場合に、好ましくは、内部シール18は、キャップ14の肩部40によってキャップ14に密着される。キャップ14の肩部40は、キャップ14の開口22aを取り囲む。次いで、内部シール18の外縁部が、キャップ14の肩部40に密着する。
【0029】
外部シール16は、成形加工、典型的には射出成形加工によって形成されることが可能である。例えば、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。なお前述において、これは、参照により本明細書に組み込まれている。
【0030】
内部シール18が、以下に説明される態様でキャップ14へ密着される場合、外部シール16の主要表面と、内部シール18の主要表面とは、接触する。また、外部シール16の主要表面が内部シール18のいずれの主要表面にも接触しないように、キャップ14内に内部シール18を配置することが可能である。そのような配置の態様は、必要以上の実験なしに、当業者によって実施されることが可能である。
【0031】
次に、図10Aから図10Gを参照すると、図10Aは、本発明のクロージャ10を作成するための1つのシステムの立面正面図を示す。システム100は、システム100の成形ゾーン104へ、内部シール18を形成するための材料を含むウェブを供給するための機構102を備える。成形ゾーン104は、ウェブとクロージャ10のキャップ14を形成するためのポリマー材料とを受けるための第1のキャビティ半部106を有する、成形ユニット105を備える。また、成形ユニット105は、クロージャ10の外部シール16を形成するためのポリマー材料を受けるための、第2のキャビティ半部108を備える。図10Bを参照すると、成形ユニット105は、キャップ14とクロージャ10の内部シール18とを形成するための第1のコア半部110と、クロージャ10のキャップ14上に外部シール16を形成するための第2のコア半部112とをさらに備える。第1のコア半部110および第2のコア半部112は、例えば回転によってツーショット成形加工を実施するように、スイッチされることが可能である。言い換えれば、第1のコア半部110は、第1の成形ステップにおいて第1のキャビティ半部106と共に使用されることが可能であり、次いでスイッチされることが可能であり、それによって第1のコア半部110は、第2の成形ステップにおいて第2のキャビティ半部108と共に使用されることが可能となる。第1のコア半部110が、所与のクロージャを完成させるように第2のキャビティ半部108と共に使用されつつある時に、第2のコア半部112は、もう1つのクロージャに着手するように、第1の成形ステップにおいて第1のキャビティ半部106と共に使用されることが可能である。当業者は、いかに第1のキャビティ半部106と第2のキャビティ半部108との間での、第1のコア半部110と第2のコア半部112とのスイッチが、クロージャの生産のスループットを向上させることができるか、容易に気付くことが可能である。さらに、システムは、より高品質のクロージャを生産するように、追加的な成形ユニットによってスケールアップされることが可能である。図10Aおよび図10Bには図示されないが、成形ユニット105が閉じられている場合に、コア半部110または112の一方が、キャビティ半部106または108の一方に位置合わせされ、コア半部110または112の他方が、キャビティ半部106または108の他方に位置合わせされる。成形ユニット105の他の部品は、当業者によく知られており、例えば、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)に説明されている。
【0032】
次に図10Cを参照すると、頂部から底部へ、紙の層(a)と、金属箔の層(b)と、熱融着可能な接着剤の層(c)とを含む、例えばウェブ「W」の形態の箔積層体などの内部シール18を作成するための材料が、ストレージリール114に供給される。内部シール18を形成するための材料を含むウェブ「W」は、ストレージリール114から、一組のガイドローラ116を介して、システム100の成形ゾーン104へ供給される。前述の指摘のように、成形ゾーン104は、成形ユニット105を備え、成形ユニット105は、第1のキャビティ半部106、第2のキャビティ半部108、第1のコア半部110、および第2のコア半部112を備える。成形ユニット105は、射出成形ユニットであることが可能である。射出成形ユニットは、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)に説明されている。保持スリーブ118およびポンチ120が、ダイプレート122と同様に、成形ゾーン104に配置される。保持スリーブ118の目的は、ダイプレート122に対してウェブ「W」を配置し保持することである。ポンチ120の目的は、ウェブ「W」を貫通し、成形コアに対して内部シール18を保持することであり、これは以下で説明される。ダイ122の目的は、ウェブ「W」を切断するようにポンチ120と協働することである。各コア半部は、成形コアを含む。第1のコア半部110内の成形コアは、参照番号124aを有し、第2のコア半部112内の成形コアは、参照番号124bを有する。各キャビティ半部は、成形キャビティを含む。第1のキャビティ半部106内の成形キャビティは、参照番号125aを有する。第2のキャビティ半部108内の成形キャビティは、参照番号125bを有する。成形ユニット105が閉じられる際に、一組のアドバンスローラ126は、成形ゾーン104に対する適切な位置へウェブ「W」をインデクシングするように、信号が送られる。
【0033】
次に図10Dを参照すると、保持スリーブ118は、ダイプレート122上にウェブ「W」の材料を固定するように、第1の方向へ(図10Dにおいて左から右へ)押しやられる。ポンチ120は、ウェブ「W」の材料を穿孔し、成形コア124aの端部にウェブ「W」の材料を固定するように、第1の方向へ前進させられる。成形ユニット105が閉じる際に、内部シール18を形成するためのウェブ「W」の材料は、成形ゾーン104内のポンチ120とダイプレート122とを介してインデクシングされる。第1のキャビティ半部106に第1のコア半部110を連結することによって、成形ユニット105が閉じると、ポンチ120およびダイプレート122は、作動され、それによってポンチ120が、例えば円盤形などの所望の形状に内部シール18を形成するためにウェブ「W」の材料を切断することが可能になる。ポンチ120は、第1の方向へ前進し続け、それによって、第1の成形サイクルが終了するまで、成形コア124aの端部上に内部シール18を配置し保持する。第1の成形サイクルの間に、キャップ14を形成するためのポリマー材料が、第1のキャビティ半部106および第1のコア半部110によって形成されたアセンブリ内に導入される。射出形成の場合、キャップ14を形成するためのポリマー材料は、射出ステップによって導入される。保持スリーブ118およびポンチ120は、キャップ14を形成するためのポリマー材料が冷却されるまで所定位置に留まる。キャップ14を形成するためのポリマー材料が、第1のキャビティ半部106および第1のコア半部110を備えるアセンブリ内に導入される際に、溶融状態のポリマー材料の熱が、内部シール18を作成するための材料で結合層(熱融着可能な接着剤の層)を軟化させ、内部シール18がキャップ14のポリマー材料に密着するのを可能にする。熱融着可能な接着剤の層が使用されない場合には、キャップ14を形成するポリマー材料は、所望の位置に内部シール18を固定する。
【0034】
次に図10Eを参照すると、第1のキャビティ半部106および第1のコア半部110を備えるアセンブリが開かれている際に、保持スリーブ118およびポンチ120は、第2の方向に(図10Eにおいて右から左へ)引き戻される。未完成のクロージャ、すなわちキャップ14および内部シール18を備えるアセンブリが、成形コア124a上に留まる。内部シール18は、キャップ14に密着し続ける。図10Fに図示されるステップの前に、第1のコア半部110および第2のコア半部112は、例えば回転により、外部シール16を作成するための第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリ内に材料を導入するための位置にスイッチされる。実際の回転ステップは図示されないが、第1のコア半部110および第2のコア半部112は、第1のコア半部110が第2のキャビティ半部108に位置合わせされ、第2のコア半部112が第1のキャビティ半部106に位置合わせされるように、180°回転される。回転スイッチが、成形ゾーン104内の揺動プレート、または成形ユニット105内の回転プラテンによって、あるいは同等の構成要素によって、実施されることが可能である。代替の実施形態において、コア半部は、例えばインデクシングなどによって、回転動作以外の動作により適切な位置に移動されることが可能である。
【0035】
次に図10Fを参照すると、第1のコア半部110は、第2のキャビティ半部108に位置合わせされ、第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリが、閉じられている。次いで、外部シール16を形成するための材料が、外部シール16を形成するための材料が内部シール18を形成するためのウェブ材料の上に流れるように、未完成のクロージャを含む、第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリ内に導入される。射出成形の場合には、外部シール16を形成するためのポリマー材料が、ノズル132を介して射出ステップによって導入される。
【0036】
次に図10Gを参照すると、外部シール16を形成するための材料が冷却された後で、第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリが開かれ、クロージャ10が、成形コア124aから取り外され、成形ゾーン104から取り除かれる。ねじ山を付けられたクロージャが、やはりねじ山を付けられた成形コア124aから回して外される。完成されたクロージャ10は、コンベヤ(図示せず)上に落とされ、それは、そこから輸送用コンテナ(図示せず)に移送される。
【0037】
キャビティ半部106および108と、コア半部110および112とは、クロージャ10の構成要素の所望の構成および形状を提供するように構成されることが可能である。少なくとも1つの刻み線36または少なくとも1つのスリット38は、外部シール16を作成するための成形ステップによって、形成されることが可能である。キャビティ半部106および108と、コア半部110および112とは、外部シール16に、少なくとも1つの刻み線36または少なくとも1つのスリット38を提供するように構成されることが可能である。成形ユニット105の全設計パラメータが、必要以上の実験なしに、射出成形の当業者によって決定されることが可能である。例えば、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。
【0038】
本発明の成形サイクルの条件と、本発明のクロージャを作成するための方法の他のステップとが、成形ユニット105内にポリマー材料を導入するために十分な時間と、クロージャ10の構成要素を形成するための十分な時間と、クロージャ10の形成された構成要素を冷却するために十分な時間とを提供するように選択されることが可能である。さらに、前述の条件と、例えば離型剤などの本発明の成形プロセスの他の条件とが、必要以上の実験なしに、射出成形の当業者によって決定されることが可能である。例えば、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。
【0039】
運用
本発明のクロージャ10を使用するために、クロージャ10は、キャップ14によって、生体サンプルを収容している容器12に回してはめ込まれ、または嵌合される。輸送の際に、生体サンプルは、容器12内に密閉され、仮にあるにしても殆どサンプルは容器12から滲出しない、または漏出しない、または蒸発しない。容器12内の生体サンプルへのアクセスを得るために、例えばピペットの先端部、典型的にはピペットの使い捨ての先端部などのようなサンプリングデバイス50が、外部シール16を穿刺し、かつ内部シール18を破断するのに十分な力で、キャップ14の頂部の開口22を貫通して挿入される。図7を参照されたい。生体サンプルまたはその一部分が、サンプリングデバイス50により引き出されることが可能である。その後、サンプリングデバイス50は、容器12から引き出されることが可能である。図8および図9において、外部シール16は、そこに形成されたスリット38を有する。スリット38を貫通するピペットの使い捨ての先端部の挿入は、外部シール16を穿刺せず、単にスリット38を貫通するだけであり、次いで内部シール18を破断する。その際に、生体サンプルまたはその一部分は、サンプリングデバイス50により引き出されることが可能である。その後、サンプリングデバイス50は、容器12から引き出されることが可能である。
【0040】
ピペットの使い捨ての先端部は、クロージャ10の外部シール16と内部シール18とをうまく穿刺することが可能である。内部シール18からの残留物は、ピペットの使い捨ての先端部の孔を塞がず、これは、サンプル管から取り出される流体の容積(例えば400マイクロリットル)を計測することによって決定されることが可能である。使い捨ての先端部は、8ミリリットルの流体を収容するサンプル管の場合、オーバフローを引き起こさない。使い捨ての先端部により換えられた容積は、約1ミリリットルである。概して、懸滴は、先端部がサンプル管から取り出された後に、使い捨ての先端部上に観察されない。穿孔された内部シール18は、ピペットの先端部がサンプル管から離れる際に、使い捨ての先端部を被覆する幾分かの流体が存在することはあるが、大体の汚染物質を除去するようである。
【0041】
本発明のクロージャ10および容器12は、自動的にサンプルを準備するために使用されることが可能である。本発明のクロージャ10および容器12は、それぞれ生体サンプルを収容しているキャップされたサンプル管が、生体サンプルへのアクセスを得るために手動によりクロージャを取り外す必要なしに、分析装置上に配置されることを可能にする。
【0042】
本発明のクロージャ10および容器12は、自動化されたサンプル準備において、使用されることが可能である。本発明は、人が、サンプルへのアクセスを得るためにクロージャ10を取り外す必要なしに、機器上に配置されるべき生体サンプルを収容している、閉じられた容器12を配置することを可能にする。本発明は、例えば1日あたり600サンプルなどの大量のサンプルが検査される場合に、使用されることが可能である。
【0043】
クロージャ10の内部シール18が穿孔される場合に、内部シール18は、それが脆性破壊するように十分にもろく、その結果、それは、ピペットの先端部に密着せず、真空を形成しない。したがって、自動化されたサンプル準備システムが、正確な量の生体サンプルを引き出す。さらに、クロージャ10の内部シール18は、それがピペットから使い捨ての先端部を取り外すほど大きな抗力を生成しない。クロージャ10の内部シール18は、容器12内に収容される生体サンプルの最大量を有する状態で、約119.1cm(46.9インチ)(すなわち、男性の95%の肘頭高)からの落下に耐えるのに十分な耐久性を有する。
【0044】
本発明のクロージャ10に関するパラメータおよび故障モードが、使い捨ての先端部への損傷と、クロージャの部分の故障と、適切な穿孔力(適切なInstron(登録商標)検査装置により計測される)とを含むが、それらに限定されない。本発明の目的のために、クロージャ10の内部シール18は、極端に堅固であるまたは極端に脆弱であるべきではない。クロージャ10の内部シール18の強度は、ピペットの先端部により加えられる力により決定される。好ましくは、ピペットがクロージャ10の内部シール18を破断する際にピペットの先端部により加えられる力は、約13.4N未満(約3ポンド未満)、より好ましくは約4.5N(約1ポンド)である。好ましくは、ピペットが容器12から引き戻される際にピペットの先端部に加えられる力は、内部シール18の熱融着可能な接着剤が、ピペットの先端部に過剰に粘着する傾向がある場合には、約4.5N未満(約1ポンド未満)である。この特徴は、容器からのその引き戻しの際に、ピペットの使い捨ての先端部に加えられる過剰な力が、ピペットから使い捨ての先端部を取り外す結果をもたらし得るため、ピペットの使い捨ての先端部の場合においてはより重要さを帯びる。
【0045】
本発明の様々な修正形態および変更形態が、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、当業者に明らかになろう。本発明は、本明細書に示された例示の実施形態に過度に限定されるべきでないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】例えばサンプル管などの容器に装着された、本発明のクロージャの一実施形態の斜視図である。
【図2】容器に装着されていない、図1のクロージャの立面側面図である。
【図3】図2のクロージャの実施形態の上面平面図である。
【図4】図2のクロージャの実施形態の底面平面図である。
【図5】線5−5に沿った、図2から図4のクロージャの断面図である。
【図6】線6−6に沿った、図5のクロージャの一部分の拡大図である。
【図7】図5のクロージャの第2の開口内に挿入された、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイスを示す、図5のクロージャの図である。
【図8】本発明のクロージャの他の実施形態の上面平面図である。
【図9】線9−9の線に沿った、図8のクロージャの断面図である。
【図10A】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面正面図である。
【図10B】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の一部分の平面図である。
【図10C】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、装置が、クロージャの内部シールを形成するための方法のステップを実行するように準備されつつある、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10D】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、ポンチおよびダイプレートがクロージャの内部シールを形成しつつあり、ポリマー材料がクロージャのキャップを形成するように成形ユニット内に導入されつつある、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10E】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、ポンチが引き戻されつつあり、未完成のクロージャが成形コアに留まっている、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10F】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、クロージャの外部シールを形成するためのポリマー材料が成形ユニット内に導入される、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10G】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、成形ユニットが開かれ、完成されたクロージャが成形ユニットから取り外される、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロージャに関し、より詳細には容器のためのクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば生体サンプルを含んでいる管などの容器にキャップをすることおよび容器からキャップを外すことは、分析実験室で日々行われる繰り返し作業である。この作業は、自動化することが困難である。さらに、この作業は、分析化学者を、生物学的有害物質に晒される大きな危険性の下に置く。さらに、またこの作業は、多くの怪我を引き起こす可能性がある。また、生体サンプルを含んでいる容器にキャップをすることおよび容器からキャップを外すことは、多くの時間を要することでもある。この作業は、1つの容器あたり約0.6分を要する、または1つのバッチあたり約150ドルのコストで、1つの分析バッチあたり約60分を要すると概算されている。労働災害の防止、および分析化学者の士気の向上による間接的な節減を概算することはできないが、そのような節減は、相当なものであり得る。このような理由により、分析実験室では、サンプル管が穿孔可能なキャップを備えていることが好まれる。
【0003】
穿孔可能なキャップを備えるサンプル管は、いくつかの供給業者から入手可能である。穿孔可能なキャップの例が、米国特許出願公開第2002/0127147号に説明されている。このキャップは、分析用の流体試料または他の物質を受容するおよび収容することが可能な、開放端部を有する容器に、本質的に漏れのないシールを形成することが可能であることが請求されている。前述の刊行物は、プラスチック製のピペットの先端部または他の流体移送デバイスにより貫通可能なもろいシールを有するキャップを説明している。キャップは、もろいシールが穿孔されると、エアロゾルまたは気泡の散布を制限するためのフィルタリング手段をさらに有する。フィルタリング手段は、もろいシールと保持手段との間に配置される。保持手段は、フィルタリング手段の上部のキャップに配置され、キャップ内にフィルタリング手段を包含するために使用されてよい。保持手段は、流体移送デバイスによって貫通可能な材料から製造される。市販のキャップは、例えばピペットまたは針などのサンプリングデバイスの周囲に密封シールを形成するように構成された弾性材料から製造されてきた。通常、サンプリングデバイスと隔壁との間の接合部は、気密である。しばしば、液体の引き戻しが、サンプリング動作を妨害する実質的な真空を生成する可能性がある。さらに、サンプル管は、穿孔されたキャップの残留物が、サンプリングデバイスがサンプル管から引き出される際にサンプリングデバイスに結合し得るため、力ずくで保持されなければならないことがある。さらに、ピペットの先端部などの鈍いまたは厚い物体を用いてキャップのシールを穿刺することにより、ピペットの先端部を損傷させることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、容器にキャップをするおよび容器からキャップを外す必要性を排除する、容器のためのクロージャを提供することが望ましい。また、サンプリングデバイスのサンプリング動作を妨害しない、容器のためのクロージャを提供することが望ましい。また、サンプリングデバイスの損傷を招くことなく、サンプリングデバイスによって開けられることの可能な、容器のためのクロージャを提供することが望ましい。また、サンプル自体に悪影響を及ぼすことなく、開けられることの可能なクロージャを提供することが望ましい。
【0005】
他の望ましい特徴が、顧客先におけるサンプルの簡便な収集を可能にするサンプル管と、スワブを介して収集された試料用に、または尿試料用に使用することの可能なサンプル管と、分析機器のサンプル調整部分上に直接的に装填されることの可能なサンプル管と、サンプル管が分析機器のサンプル調整部分用に準備される前に、検査技師によって開けられる必要のないサンプル管と、輸送時の負荷に耐えるサンプル管と、サンプル管が分析機器のサンプル調整部分用に準備される前に、スワブの除去を必要としないスワブ用のサンプル管と、処理用のサンプルの同定を容易にするサンプル管と、試料の迅速な移送および処理の必要性をなくすサンプル管とを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明は、例えば生体サンプルなどのサンプル用の、例えば管などの容器のためのクロージャを提供する。クロージャは、第1の開口および第2の開口を有するキャップを備え、第1の開口は、容器の口部に連絡することが可能であり、第2の開口は、例えばポリマーカバーなどの外部シールと、第1の開口と外部シールとの中間にある、例えば破断可能な膜などの内部シールとを有する。第2の態様において、本発明は、本発明のクロージャと容器とを備えるアセンブリを提供する。第3の態様において、本発明は、クロージャを作成するための方法を提供する。
【0007】
本発明のクロージャの一実施形態において、典型的には、キャップは、実質的に円筒状の形状であり、頂部から下降する実質的に円筒状の側壁部を有する円形の頂部を有することによって特徴付けられる。概して、第1の開口および第2の開口は、実質的に円筒形状のキャップの主要軸を取り囲む。開口は、容器の内容物へのアクセスを得るためのサンプリングデバイスを収容するのに十分なサイズの寸法を有する。典型的には、キャップは、弾性ポリマー材料から製造される。典型的には、外部シールは、エラストマー材料から製造される。典型的には、内部シールは、金属箔の少なくとも1つの層、および好ましくは熱融着可能な接着剤の層、および任意には紙の層を含む、積層体から製造される。
【0008】
典型的には、サンプル管は、1.2ミリリットルの最小充填容積を有する。密閉されたサンプル管は、漏出品質検査を通過することが好ましい。サンプル管は、サンプルラック内に嵌入されることが可能であり、その内容物は、ピペットの使い捨ての先端部によって吸い出されることが可能である。典型的には、サンプル管の長さは、95mmを超過しない。典型的には、サンプル管の外径は、18mmを超過しない。典型的には、サンプル管は、ポリマー材料、好ましくは例えばポリプロピレンなどの弾性ポリマー材料から製造される。典型的には、ピペットの先端部の押しのけによるオーバフローのない充填容積は、約8ミリリットルであり、典型的には、ピペットの先端部によって押しのけられる容積は、約1ミリリットルである。
【0009】
ピペットは、クロージャ内の第2の開口と、クロージャ内の第1の開口とを通るサンプルへのアクセスを提供するように、サンプリングデバイスとして使用されることが可能である。クロージャの構造が、真空が生成されないことを確実にする。ピペットの先端部が、クロージャの外部シールと、クロージャの内部シールとを破る場合に、ピペットおよびその先端部は、損傷を受けない。
【0010】
本発明のクロージャは、多数の利点を提供する。1つの主要な利点は、サンプリング作業の自動化を容易にすることである。第2の主要な利点は、生物学的有害物質に分析化学者を晒すことを軽減することである。第3の主要な利点は、容器の内容物へのアクセスの取得における時間の節減であり、またこれは、容器の内容物へのアクセスの取得に関連付けられるコストの削減という結果をもたらす。第4の主要な利点は、サンプリングデバイスが、開口プロセスによって損傷を受けることなく、クロージャを開けることを可能にすることである。第5の主要な利点は、サンプル自体に悪影響を及ぼすことなく、クロージャを開けることが可能であることである。第6の主要な利点は、クロージャが、サンプリングデバイスのサンプリング動作を妨害しないことである。
【0011】
本発明のクロージャは、(1)キャビティを含む少なくとも1つのキャビティ半部、および成形コアを含む少なくとも1つのコア半部と、(2)ポンチと、(3)ダイとを備える成形ユニットを有する装置が提供される方法によって、作成されることが可能である。さらに、クロージャの内部シールを作成するための材料を含むウェブが、提供される。方法の第1のステップにおいて、ポンチおよびダイが、成形ユニット内のウェブの一部分に位置合わせされるように、ウェブの一部分が、成形ユニットにインデクシングされる。次いで、成形ユニットは閉じられ、それによって、ポンチおよびダイが、クロージャの内部シールを形成するためのウェブの材料を切断することを可能にする。切断されたウェブの材料は、第1の成形サイクルが終了するまで、成形コアに維持される。第1の成形サイクルの間、クロージャのキャップ部分を形成するためのポリマー材料が、切断されたウェブの材料が閉じられた成形ユニット内に導入されたポリマー材料に密着するのを可能にするように、閉じられた成形ユニット内に導入される。第1の成形サイクルの終了時に、成形ユニットが開かれる一方で、クロージャのキャップ部分とクロージャの内部シールとのアセンブリが、成形コアに留まる。次いで、成形コアは、第2の成形サイクルにおいてクロージャの外部シールを形成するために、成形ユニット内にポリマー材料の導入を可能にするように配置される。次いで、成形ユニットは閉じられ、それと同時に、クロージャの外部シールを形成するためのポリマー材料が、第2の成形サイクルの間に、閉じられた成形ユニット内に導入される。最後に、第2の成形サイクルの終了時に、成形ユニットは開けられ、完成されたクロージャが、成形コアから取り外される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書において使用される際に、「クロージャ」という用語は、例えばサンプル管などの容器を閉鎖し密閉する物を意味する。「キャップ」という用語は、容器に装着されるクロージャ部分を意味する。本発明のクロージャの一実施形態において、キャップは、キャップが容器に回してはめ込まれることが可能となるようにその内壁部に形成されたねじ山を有する。他の実施形態において、キャップは、摩擦嵌め、スナップ嵌め、または何か他のタイプの嵌合によって、容器に装着されることが可能である。「外部シール」という語句は、容器を密閉し、容器が閉鎖されている場合に、容器の外部環境に面するその一主要表面を有する、クロージャ部分を意味する。「内部シール」という語句は、容器を密閉し、容器が閉鎖されている場合に、クロージャおよび容器によって形成される容積内に完全に配設される、クロージャ部分を意味する。「破断可能な膜」という語句は、ピペットの先端部によって破断されることの可能な、例えば金属箔などの脆性材料の少なくとも1つの層を備える膜を意味する。典型的には、破断可能な膜は、少なくとも1つの熱融着可能な接着剤の層を、および任意には少なくとも1つの紙の層をさらに含む。「サンプリングデバイス」という表現は、容器から液体のサンプルを取り出すためのデバイスを意味する。「穿孔可能な」という用語は、先端部に悪影響を及ぼすことなく、ピペットの先端部によって穿刺されることが可能であることを意味する。
【0013】
本発明は、生体サンプル用の容器のためのクロージャを提供する。次に図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7を参照すると、容器12のためのクロージャ10が、キャップ14と、キャップ14のための外部シール16と、内部シール18とを備える。キャップ14は、第1の開口20および第2の開口22を有する。第1の開口20は、容器12の口部(図示せず)に連絡することが可能である。第2の開口22は、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイスの、容器12への初期アクセスを可能にする。
【0014】
図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に示される実施形態において、キャップ14は、円形頂部26を備える実質的な円筒形状部を有し、かつ頂部26の外縁部から垂下する実質的に円筒形状の壁部28を有する構造体である。図1、図2、図3、図4、図5、図6、および図7に示される実施形態において、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の内表面30、すなわち容器12の口部に面する表面が、ねじ山32を備える。これらのねじ山32によって、キャップ14は、容器のねじ山を付けられた頸部に回してはめ込まれることが可能となる。キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の内表面30は、必ずしもねじ山を含む必要はない。例えば、他の実施形態において、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28は、摩擦のみによって容器の頸部上に嵌合するように構成されることが可能である。代替としては、さらに他の実施形態において、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28は、スナップ嵌めリングによって容器の頸部上に嵌合するように構成されることが可能である。キャップ14は、必ずしも実質的に円筒状の形状である必要はないことに留意されたい。言い換えれば、キャップ14の特定の形状は、決定的なものではない。しかし、キャップ14は、それが容器12の口部上に嵌合し、かつ適切な位置にクロージャ10を維持することが可能であるような形状および構成でなければならない。図1および図2に図示されるように、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の外表面34が、リッジのパターンによって特徴付けられる。しかし、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の外表面34は、もし所望されるならば、パターンを有さないことが可能であり、または他のパターンを有することが可能である。
【0015】
キャップ14は、ポリマー材料、好ましくはポリプロピレンから製造される。同ポリマー材料は、DNAおよび/またはRNAへの適合性を有する。ポリプロピレンの代わりのポリマー材料は、ポリエチレンと、ポリ塩化ビニルと、DNAおよび/またはRNAへの適合性を有する他のポリマー材料とを含むが、それらに限定されない。キャップ14を形成するポリマー材料は、弾性ポリマー材料が床上に落とされる衝撃に耐え得るという理由から、弾性ポリマー材料であることがさらに好ましい。キャップ14を作成するために適切なポリマー材料は、例えばオレンジ着色剤などの着色剤と混合された(PolyOne社 CC10056423WE、25:1の樹脂:着色剤比で)、Basell社“Pro−fax”grade 6323のポリプロピレンホモポリマー樹脂である。Basell社“Pro−fax”grade 6323の製品情報シートによれば、同ポリマーは、汎用ポリプロピレンホモポリマー樹脂である。同樹脂は、約1.02mm(0.040インチ)の最小厚に対して110℃のULイエローカードRTIを有し、約1.47mm(0.058インチ)の最小厚に対してUL94HBの燃焼性等級を有する。これらの等級は、天然色の樹脂にのみ適合する。密度−比重が、0.900sp gr23/23℃(方法B)(ASTM D 792)であり、溶融流速度は、12.0g/10分(230℃/2.16kg)であり、降伏時引張強度は、33.8MPa(50mm/分)(ASTM D 638)であり、降伏時引張強度は、4900ポンド/平方インチ(2インチ/分(約51mm/分))であり、曲げ弾性率は、1450MPa(1mm/分)(ASTM D 790)であり、曲げ弾性率は、210000ポンド/平方インチ(0.05インチ/分(約1.27mm/分))であり、降伏時引張伸びは、10%(ASTM D 638)であり、ノッチドアイゾット衝撃強度は、37.4J/m(23℃)であり、ノッチドアイゾット衝撃強度は、0.700フィート−ポンド/インチ(73°F(約23℃))(ASTM D 256)であり、ロックウェル硬さは、88(Rスケール)であり、66ポンド/平方インチ−非焼きなましでのDTULは、92.2℃(ASTM D 648)である。
【0016】
キャップ14の第2の開口22は、外部シール16によって密閉される。外部シール16は、シールに強度を与えるように、ポリマー材料、好ましくはエラストマー材料から製造される。外部シール16は、ピペットの先端部による外部シール16の穿孔を容易にするように、少なくとも1つの刻み線36、典型的には複数の刻み線36を有することが可能である。また、刻み線36または複数の刻み線36は、外部シール16の穿刺時に真空が形成される可能性を軽減するように機能する。図1および図3に示されるように、刻み線36は、外部シール16の中央から径方向に延在する。しかし、例えば単一の円または複数の同心円、直線平行線、ジグザク、英数文字、点、他の反復パターン、不規則パターン(すなわち、非パターンの、無作為の刻みマーク)などの、他のパターンの刻み線が使用されることも可能である。代替の実施形態において、図8および図9に示されるように、外部シール16は、内部シール18を露出させるように外部シール16の全厚みを貫通する少なくとも1つのスリット38を有することが可能である。典型的には、単一のスリットのみが使用される必要があるが、複数のスリットも許容し得る。スリットの幾何形状は、単一線または複数の線であることが可能である。さらに、例えば十字型、星型、または少なくとも1つの刻み線に関して使用されたものと同様のパターンなどの幾何形状を有するスリットが、使用されることが可能である。
【0017】
典型的には、外部シール16用のエラストマー材料は、約30ショアAから約90ショアA、好ましくは50ショアAから約80ショアAの範囲の硬度を有する。外部シール16の市販の実施形態の代表的な例は、60ショアAの硬度を有する。外部シール16の作成において使用するのに適したエラストマー材料は、飽和スチレンエラストマーであり、これは、内部シール18へ強度を与えるように、内部シール18上に適用される。本発明において使用するのに適した外部シールのためのエラストマー材料が、指定RTP参照番号−RTP SX109669エラストマーを有する。同エラストマー材料は、RTP社(55987、米国ミネソタ州、Winona、East Front Street 580)によって開発され、同社から求めることが可能である。
【0018】
外部シール16は、サンプルを保管するための典型的な温度である約+70℃から約−70℃の範囲の温度で、幾分かの可撓性を保持する可撓性材料から製造されることが可能である。外部シール16を作成するために適切な材料としては、天然ゴム(約−60℃の温度への低下まで可撓性を維持)、スチレンブタジエンゴム(約−50℃の温度への低下まで可撓性を維持)、ポリイソプレン(約−55℃の温度への低下まで可撓性を維持)、シリコーンゴム(約−80℃の温度への低下まで可撓性を維持)、フルオロシリコーンゴム(約−60℃の温度への低下まで可撓性を維持)、エチレンプロピレンゴム(約−60℃の温度への低下まで可撓性を維持)が含まれるが、それらに限定されない。
【0019】
キャップ14の第1の開口20と第2の開口22との間には、内部シール18がある。内部シール18は、キャップ14の実質的に円筒形状の壁部28の内面30上のねじ山32と、外部シール16との間に存在するものとして図示される。内部シール18の目的は、生体サンプルを損じる、または生体サンプルが輸送中に悪影響を受けるのを防ぐことである。通常、サンプルは、診療場所から輸送されるため、容器、典型的には管は、輸送中の任意の可能性のある向き(鉛直方向、水平方向、上下転倒など)が想定されることができる。さらに、容器は、差圧を誘起するのに十分な大きさの変化を含む、高度における変化を受け得る。内部シール18は、非伸縮性であることが好ましい。内部シール18は、外部シール16の可能性のある破損(例えば、液体が、上下転倒された管または部分的に転倒された管および同様のものから、漏出するまたは滲出するのを防ぐための外部シール16の、可能性のある破損)を補償することが可能である。同様に、外部シール16は、内部シール18の可能性のある破損(例えば、液体が、上下転倒された管または部分的に転倒された管および同様のものから、漏出するまたは滲出するのを防ぐための内部シール18の、可能性のある破損)を補償することが可能である。
【0020】
内部シール18は、それが例えばピペットなどのサンプリングデバイスの先端部によって、容易に破断されることが可能であるような材料から製造される。内部シール18を形成するために適当な材料としては、例えば薄い金属箔(例えばアルミニウム箔)および薄いポリマーシート(例えば飽和スチレンエラストマー)などのような、薄い脆性材料が含まれるが、それらに限定されない。内部シール18の特定の厚さが、当業者によって選択されることが可能である。蒸発および漏出を実質的になくすことに加えて、また内部シール18は、分析の前の、サンプルの物理的完全性の証拠を提供する。内部シール18は、外部シール16に接触していることが可能である。クロージャ10を作成するための望ましい方法によれば、内部シール18は、外部シール16に接触している。
【0021】
内部シール18は、金属箔または他の脆性材料の単一層であることが可能であるが、概して複数の層を有する複合材料である。複数層の一実施形態において、内部シール18は、熱融着可能な接着剤の層を支持する金属箔の層を含む。この実施形態において、熱融着可能な接着剤の層の露出された主要表面が、サンプルを収容する容器部分に面し、金属箔の層の露出された主要表面が、外部シール16に面する。複数層の他の実施形態において、内部シール18は、その一方の主要表面上に熱融着可能な接着剤の層を支持し、その他方の主要表面上に紙の層を支持する、金属箔の層を含む。熱融着可能な接着剤の層の露出された主要表面は、サンプルを収容する容器部分に面し、紙の層の露出された主要表面は、外部シール16に面する。接着剤の層は、箔の層に紙の層を密着させるために使用されることが可能である。4層を含む複数層の一実施形態において、内部シール18は、頂部から底部へ、紙の層18a(約25g/m2から約75g/m2の、好ましくは約37.6g/m2から約42.4g/m2の面積あたりの重量を有する)と、接着剤ラッカーの層18b(約2.0g/m2から約3.0g/m2の面積あたりの重量を有する)と、例えばアルミニウム箔などの金属箔の層18c(約5μmから約70μmの、好ましくは約33.7μmから約40.3μmの範囲の厚さを有する)(約91.0g/m2から約108.8g/m2の面積あたりの重量)と、熱融着可能な接着剤の層18d(約2.0g/m2から約8.0g/m2の、好ましくは約3.0g/m2から約4.0g/m2の面積あたりの重量を有する)とを含む。内部シール18の紙の層18aは、外部シール16に接触している。内部シール18は、HUECK FOLIEN GmbH&Co.KG(ドイツ国、92712 Pirk、Pirkmuhle)より市販されており入手可能である(接着剤ラッカーの層に重なり、次いでこれは、軟質のアルミニウム箔の層(厚さ37μm)に重なり、次いでこれは、LPP2として指定された熱融着可能な接着剤の層に重なる、参照番号6116324−Pap40クラフト紙)。箔の層は、37μmよりも薄いまたは厚いことが可能であり、箔の層は、アルミニウム以外の金属から製造されることが可能であり、箔の層は、金属以外の、液体不浸透性の脆性材料から製造されることが可能である。紙は、約25g/m2から約75g/m2の範囲の、典型的には約40g/m2の仕様を有することが可能である。先に指摘されたように、紙の層は、必ずしも必要ではない。クラフト紙以外のタイプの紙が、使用されることが可能である。紙の代わりに、例えば脆性ポリマー材料などの他の脆性材料が使用されることが可能である。概して、紙の層は、落下力に対して内部シール18の強度を増強するために使用される。また、紙の層は、内部シール18の引裂き可能性を改善するように、内部シール18の脆性を増強する。さらに、紙の層は、内部シール18の一部分が、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイスに粘着する場合に、しばしば観察され得る真空を低減する、好ましくは無くすのを補助する。内部シール18は、ピペットの先端部に位置合わせされる内部シール18の部分のみが容易に破断可能であるように、その主要表面にわたって異なる厚さを有するように構成されることが可能である。
【0022】
内部シール18は、容易に伸びない材料から製造されるため、サンプリングデバイスの前進する先端部は、内部シール18を破断することが可能である。破断された後で、内部シール18は、キャップ14によって所定位置に保持され続ける。代替として、内部シール18は、それが破断された後で容器内へ落ちることが可能であるように構成されることが可能である。キャップ14は、内部シール18を所定位置に保持するのを補助するように、例えば実質的に円筒形状のキャップ14の場合には円形の肩部などの、肩部を含むことが可能である。
【0023】
次に、図5および図7を参照すると、図5におけるクロージャ10は、第2の開口22を通り進入するサンプリングデバイスが無い状態で、閉じられているものとして示されている。図7におけるクロージャ10は、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイス50が、第2の開口22を貫通して配置された状態で示される。クロージャ10の開口20および22は、サンプリングデバイス50が、容器12の内容物へのアクセスを得るために、クロージャ10を容易に貫通するのを可能にする。また、クロージャ10の開口20および22は、サンプリングデバイス50が、クロージャ10から容易に引き戻されるのを可能にする。
【0024】
本発明のクロージャの構成要素の寸法は、決定的なものではないが、典型的な寸法が、典型的なクロージャのサイズを示すために提示される。約16mmの呼び外径を有する、実質的に円筒状のサンプル管と共に使用するために、円筒状のキャップ14が、約17mmの呼び外径と、約16mmの呼び内径と、約1/2mmの壁部の厚さ(厚さは外径と内径との間の誤差のほぼ1/2に等しい)とを有することができる。クロージャ10の呼び内径と、サンプル管12の呼び外径とに関わらず、クロージャ10およびサンプル管12は、サンプル管12がクロージャ10により閉じられている場合に、サンプル管12からのサンプルの漏出が、意図された目的に関して過度にならないような寸法を有するべきである。キャップ14の側壁部34の呼び高さは、約15mmである。前述のキャップ14と共に使用されることが可能なサンプリングデバイスは、約3.9mmの直径を有することが可能である。
【0025】
本発明のクロージャと共に使用するのに適切なサンプル管12の寸法は、決定的なものではないが、典型的な寸法が、典型的なサンプル管の仕様を示すために提示される。典型的には、サンプル管12は、1.2ミリリットルの最小充填容積を有する。密閉されたサンプル管は、漏出品質検査を通過しなければならず、その基準は、ASTM Designation D 5094−90(1997年再承認)にもとづくことが可能であり、参照により本明細書に組み込まれる。典型的には、サンプル管12は、スワブが裂かれた後で、サンプルスワブを受容することができる。サンプル管12は、サンプルラック内に嵌入されることが可能であり、ピペットの先端部を受容することが可能である。サンプル管12の頸部は、サンプル管12がクロージャ10により閉じられている場合に、サンプル管12からのサンプルの漏出が意図された目的に関して過度にならないように、クロージャ10に適合しなければならない。この理由のため、典型的には、サンプル管12は、弾性ポリマー材料から製造される。典型的には、サンプル管12は、標準的な垂直バーコードラベルを収容するのに十分な長さであり、これは、約5.1cm(約2インチ)の長さであってよい。典型的には、サンプル管12は、尿サンプル用の充填位置を示すための充填マークを有する。好ましくは、サンプル管12の長さは、95mmを超過しない。好ましくは、サンプル管12の呼び外径は、18mmを超過しない。好ましくは、サンプル管12は、ポリマー材料から、好ましくは例えばポリプロピレンなどの弾性ポリマー材料から製造される。好ましくは、サンプル管12は、半透明である。サンプル管の呼び径の代表的な例は、長さ85mm×外径16mm×内径15mmである。サンプル管12の寸法に関わらず、クロージャ10およびサンプル管12は、サンプル管12がクロージャ10によって閉じられている場合に、サンプル管12からのサンプルの漏出が意図された目的に関して過度にならないような寸法を有するべきである。典型的には、リムまでのサンプル管の容積は、10mLである。典型的には、ピペットの先端部の押しのけによるオーバフローのない充填容積は、8ミリリットルであり、典型的には、ピペットの先端部は、約1ミリリットルのサンプルを押しのける。
【0026】
サンプル管12の形状およびクロージャ10の形状は、決定的なものではない。サンプル管12は、円筒状であり、円形の口部を有するものとして示されるが、サンプル管12は、例えば矩形、六角形、八角形、または同様のものなどのような、多角形を画定する口部を有することが可能である。サンプル管12が円筒状であり、円形の口部を有する場合には、クロージャ10の開口20は円形であることが好ましい。サンプル管12の口部が円形でない場合には、クロージャ10の開口20は、サンプル管12の口部の形状に適合し、好ましくは合致する形状を有するべきである。容器12の形状は、決定的なものではない。容器12は、管状の形状である必要はなく、生体サンプルを取り扱う実験室内で典型的に見受けられる容器に共通の任意の形状であることが可能である。実質的に円筒状のサンプル管の場合、底部は図1に示されるように、丸いものであることが可能である。他の実施形態(図示せず)において、サンプル管の底部は、円錐形であることが可能であり、または何か他の形状であることさえも可能である。
【0027】
キャップ14は、成形加工、典型的には射出成形加工によって、作成されることが可能である。例えば、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。なおこれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
内部シール18は、成形加工、典型的には射出成形加工によって、キャップ14に密着されることが可能である。例えば、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。なお前述において、これは、参照により本明細書に組み込まれている。内部シール18の主要表面は、容器12、キャップ14、および外部シール16の形状に合致する形状である。内部シール18の主要表面の面積は、内部シール18とキャップ14の開口22aとの間に配設されるキャップ14の開口22aの面積より大きいことが可能である。内部シール18の面積が、キャップ14の開口22aの面積を超える場合に、好ましくは、内部シール18は、キャップ14の肩部40によってキャップ14に密着される。キャップ14の肩部40は、キャップ14の開口22aを取り囲む。次いで、内部シール18の外縁部が、キャップ14の肩部40に密着する。
【0029】
外部シール16は、成形加工、典型的には射出成形加工によって形成されることが可能である。例えば、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。なお前述において、これは、参照により本明細書に組み込まれている。
【0030】
内部シール18が、以下に説明される態様でキャップ14へ密着される場合、外部シール16の主要表面と、内部シール18の主要表面とは、接触する。また、外部シール16の主要表面が内部シール18のいずれの主要表面にも接触しないように、キャップ14内に内部シール18を配置することが可能である。そのような配置の態様は、必要以上の実験なしに、当業者によって実施されることが可能である。
【0031】
次に、図10Aから図10Gを参照すると、図10Aは、本発明のクロージャ10を作成するための1つのシステムの立面正面図を示す。システム100は、システム100の成形ゾーン104へ、内部シール18を形成するための材料を含むウェブを供給するための機構102を備える。成形ゾーン104は、ウェブとクロージャ10のキャップ14を形成するためのポリマー材料とを受けるための第1のキャビティ半部106を有する、成形ユニット105を備える。また、成形ユニット105は、クロージャ10の外部シール16を形成するためのポリマー材料を受けるための、第2のキャビティ半部108を備える。図10Bを参照すると、成形ユニット105は、キャップ14とクロージャ10の内部シール18とを形成するための第1のコア半部110と、クロージャ10のキャップ14上に外部シール16を形成するための第2のコア半部112とをさらに備える。第1のコア半部110および第2のコア半部112は、例えば回転によってツーショット成形加工を実施するように、スイッチされることが可能である。言い換えれば、第1のコア半部110は、第1の成形ステップにおいて第1のキャビティ半部106と共に使用されることが可能であり、次いでスイッチされることが可能であり、それによって第1のコア半部110は、第2の成形ステップにおいて第2のキャビティ半部108と共に使用されることが可能となる。第1のコア半部110が、所与のクロージャを完成させるように第2のキャビティ半部108と共に使用されつつある時に、第2のコア半部112は、もう1つのクロージャに着手するように、第1の成形ステップにおいて第1のキャビティ半部106と共に使用されることが可能である。当業者は、いかに第1のキャビティ半部106と第2のキャビティ半部108との間での、第1のコア半部110と第2のコア半部112とのスイッチが、クロージャの生産のスループットを向上させることができるか、容易に気付くことが可能である。さらに、システムは、より高品質のクロージャを生産するように、追加的な成形ユニットによってスケールアップされることが可能である。図10Aおよび図10Bには図示されないが、成形ユニット105が閉じられている場合に、コア半部110または112の一方が、キャビティ半部106または108の一方に位置合わせされ、コア半部110または112の他方が、キャビティ半部106または108の他方に位置合わせされる。成形ユニット105の他の部品は、当業者によく知られており、例えば、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)に説明されている。
【0032】
次に図10Cを参照すると、頂部から底部へ、紙の層(a)と、金属箔の層(b)と、熱融着可能な接着剤の層(c)とを含む、例えばウェブ「W」の形態の箔積層体などの内部シール18を作成するための材料が、ストレージリール114に供給される。内部シール18を形成するための材料を含むウェブ「W」は、ストレージリール114から、一組のガイドローラ116を介して、システム100の成形ゾーン104へ供給される。前述の指摘のように、成形ゾーン104は、成形ユニット105を備え、成形ユニット105は、第1のキャビティ半部106、第2のキャビティ半部108、第1のコア半部110、および第2のコア半部112を備える。成形ユニット105は、射出成形ユニットであることが可能である。射出成形ユニットは、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)に説明されている。保持スリーブ118およびポンチ120が、ダイプレート122と同様に、成形ゾーン104に配置される。保持スリーブ118の目的は、ダイプレート122に対してウェブ「W」を配置し保持することである。ポンチ120の目的は、ウェブ「W」を貫通し、成形コアに対して内部シール18を保持することであり、これは以下で説明される。ダイ122の目的は、ウェブ「W」を切断するようにポンチ120と協働することである。各コア半部は、成形コアを含む。第1のコア半部110内の成形コアは、参照番号124aを有し、第2のコア半部112内の成形コアは、参照番号124bを有する。各キャビティ半部は、成形キャビティを含む。第1のキャビティ半部106内の成形キャビティは、参照番号125aを有する。第2のキャビティ半部108内の成形キャビティは、参照番号125bを有する。成形ユニット105が閉じられる際に、一組のアドバンスローラ126は、成形ゾーン104に対する適切な位置へウェブ「W」をインデクシングするように、信号が送られる。
【0033】
次に図10Dを参照すると、保持スリーブ118は、ダイプレート122上にウェブ「W」の材料を固定するように、第1の方向へ(図10Dにおいて左から右へ)押しやられる。ポンチ120は、ウェブ「W」の材料を穿孔し、成形コア124aの端部にウェブ「W」の材料を固定するように、第1の方向へ前進させられる。成形ユニット105が閉じる際に、内部シール18を形成するためのウェブ「W」の材料は、成形ゾーン104内のポンチ120とダイプレート122とを介してインデクシングされる。第1のキャビティ半部106に第1のコア半部110を連結することによって、成形ユニット105が閉じると、ポンチ120およびダイプレート122は、作動され、それによってポンチ120が、例えば円盤形などの所望の形状に内部シール18を形成するためにウェブ「W」の材料を切断することが可能になる。ポンチ120は、第1の方向へ前進し続け、それによって、第1の成形サイクルが終了するまで、成形コア124aの端部上に内部シール18を配置し保持する。第1の成形サイクルの間に、キャップ14を形成するためのポリマー材料が、第1のキャビティ半部106および第1のコア半部110によって形成されたアセンブリ内に導入される。射出形成の場合、キャップ14を形成するためのポリマー材料は、射出ステップによって導入される。保持スリーブ118およびポンチ120は、キャップ14を形成するためのポリマー材料が冷却されるまで所定位置に留まる。キャップ14を形成するためのポリマー材料が、第1のキャビティ半部106および第1のコア半部110を備えるアセンブリ内に導入される際に、溶融状態のポリマー材料の熱が、内部シール18を作成するための材料で結合層(熱融着可能な接着剤の層)を軟化させ、内部シール18がキャップ14のポリマー材料に密着するのを可能にする。熱融着可能な接着剤の層が使用されない場合には、キャップ14を形成するポリマー材料は、所望の位置に内部シール18を固定する。
【0034】
次に図10Eを参照すると、第1のキャビティ半部106および第1のコア半部110を備えるアセンブリが開かれている際に、保持スリーブ118およびポンチ120は、第2の方向に(図10Eにおいて右から左へ)引き戻される。未完成のクロージャ、すなわちキャップ14および内部シール18を備えるアセンブリが、成形コア124a上に留まる。内部シール18は、キャップ14に密着し続ける。図10Fに図示されるステップの前に、第1のコア半部110および第2のコア半部112は、例えば回転により、外部シール16を作成するための第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリ内に材料を導入するための位置にスイッチされる。実際の回転ステップは図示されないが、第1のコア半部110および第2のコア半部112は、第1のコア半部110が第2のキャビティ半部108に位置合わせされ、第2のコア半部112が第1のキャビティ半部106に位置合わせされるように、180°回転される。回転スイッチが、成形ゾーン104内の揺動プレート、または成形ユニット105内の回転プラテンによって、あるいは同等の構成要素によって、実施されることが可能である。代替の実施形態において、コア半部は、例えばインデクシングなどによって、回転動作以外の動作により適切な位置に移動されることが可能である。
【0035】
次に図10Fを参照すると、第1のコア半部110は、第2のキャビティ半部108に位置合わせされ、第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリが、閉じられている。次いで、外部シール16を形成するための材料が、外部シール16を形成するための材料が内部シール18を形成するためのウェブ材料の上に流れるように、未完成のクロージャを含む、第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリ内に導入される。射出成形の場合には、外部シール16を形成するためのポリマー材料が、ノズル132を介して射出ステップによって導入される。
【0036】
次に図10Gを参照すると、外部シール16を形成するための材料が冷却された後で、第2のキャビティ半部108および第1のコア半部110を備えるアセンブリが開かれ、クロージャ10が、成形コア124aから取り外され、成形ゾーン104から取り除かれる。ねじ山を付けられたクロージャが、やはりねじ山を付けられた成形コア124aから回して外される。完成されたクロージャ10は、コンベヤ(図示せず)上に落とされ、それは、そこから輸送用コンテナ(図示せず)に移送される。
【0037】
キャビティ半部106および108と、コア半部110および112とは、クロージャ10の構成要素の所望の構成および形状を提供するように構成されることが可能である。少なくとも1つの刻み線36または少なくとも1つのスリット38は、外部シール16を作成するための成形ステップによって、形成されることが可能である。キャビティ半部106および108と、コア半部110および112とは、外部シール16に、少なくとも1つの刻み線36または少なくとも1つのスリット38を提供するように構成されることが可能である。成形ユニット105の全設計パラメータが、必要以上の実験なしに、射出成形の当業者によって決定されることが可能である。例えば、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。
【0038】
本発明の成形サイクルの条件と、本発明のクロージャを作成するための方法の他のステップとが、成形ユニット105内にポリマー材料を導入するために十分な時間と、クロージャ10の構成要素を形成するための十分な時間と、クロージャ10の形成された構成要素を冷却するために十分な時間とを提供するように選択されることが可能である。さらに、前述の条件と、例えば離型剤などの本発明の成形プロセスの他の条件とが、必要以上の実験なしに、射出成形の当業者によって決定されることが可能である。例えば、前述において参照により本明細書に組み込まれた、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、8巻、John Wiley & Sons社、(1987年)102−137ページ)を参照されたい。
【0039】
運用
本発明のクロージャ10を使用するために、クロージャ10は、キャップ14によって、生体サンプルを収容している容器12に回してはめ込まれ、または嵌合される。輸送の際に、生体サンプルは、容器12内に密閉され、仮にあるにしても殆どサンプルは容器12から滲出しない、または漏出しない、または蒸発しない。容器12内の生体サンプルへのアクセスを得るために、例えばピペットの先端部、典型的にはピペットの使い捨ての先端部などのようなサンプリングデバイス50が、外部シール16を穿刺し、かつ内部シール18を破断するのに十分な力で、キャップ14の頂部の開口22を貫通して挿入される。図7を参照されたい。生体サンプルまたはその一部分が、サンプリングデバイス50により引き出されることが可能である。その後、サンプリングデバイス50は、容器12から引き出されることが可能である。図8および図9において、外部シール16は、そこに形成されたスリット38を有する。スリット38を貫通するピペットの使い捨ての先端部の挿入は、外部シール16を穿刺せず、単にスリット38を貫通するだけであり、次いで内部シール18を破断する。その際に、生体サンプルまたはその一部分は、サンプリングデバイス50により引き出されることが可能である。その後、サンプリングデバイス50は、容器12から引き出されることが可能である。
【0040】
ピペットの使い捨ての先端部は、クロージャ10の外部シール16と内部シール18とをうまく穿刺することが可能である。内部シール18からの残留物は、ピペットの使い捨ての先端部の孔を塞がず、これは、サンプル管から取り出される流体の容積(例えば400マイクロリットル)を計測することによって決定されることが可能である。使い捨ての先端部は、8ミリリットルの流体を収容するサンプル管の場合、オーバフローを引き起こさない。使い捨ての先端部により換えられた容積は、約1ミリリットルである。概して、懸滴は、先端部がサンプル管から取り出された後に、使い捨ての先端部上に観察されない。穿孔された内部シール18は、ピペットの先端部がサンプル管から離れる際に、使い捨ての先端部を被覆する幾分かの流体が存在することはあるが、大体の汚染物質を除去するようである。
【0041】
本発明のクロージャ10および容器12は、自動的にサンプルを準備するために使用されることが可能である。本発明のクロージャ10および容器12は、それぞれ生体サンプルを収容しているキャップされたサンプル管が、生体サンプルへのアクセスを得るために手動によりクロージャを取り外す必要なしに、分析装置上に配置されることを可能にする。
【0042】
本発明のクロージャ10および容器12は、自動化されたサンプル準備において、使用されることが可能である。本発明は、人が、サンプルへのアクセスを得るためにクロージャ10を取り外す必要なしに、機器上に配置されるべき生体サンプルを収容している、閉じられた容器12を配置することを可能にする。本発明は、例えば1日あたり600サンプルなどの大量のサンプルが検査される場合に、使用されることが可能である。
【0043】
クロージャ10の内部シール18が穿孔される場合に、内部シール18は、それが脆性破壊するように十分にもろく、その結果、それは、ピペットの先端部に密着せず、真空を形成しない。したがって、自動化されたサンプル準備システムが、正確な量の生体サンプルを引き出す。さらに、クロージャ10の内部シール18は、それがピペットから使い捨ての先端部を取り外すほど大きな抗力を生成しない。クロージャ10の内部シール18は、容器12内に収容される生体サンプルの最大量を有する状態で、約119.1cm(46.9インチ)(すなわち、男性の95%の肘頭高)からの落下に耐えるのに十分な耐久性を有する。
【0044】
本発明のクロージャ10に関するパラメータおよび故障モードが、使い捨ての先端部への損傷と、クロージャの部分の故障と、適切な穿孔力(適切なInstron(登録商標)検査装置により計測される)とを含むが、それらに限定されない。本発明の目的のために、クロージャ10の内部シール18は、極端に堅固であるまたは極端に脆弱であるべきではない。クロージャ10の内部シール18の強度は、ピペットの先端部により加えられる力により決定される。好ましくは、ピペットがクロージャ10の内部シール18を破断する際にピペットの先端部により加えられる力は、約13.4N未満(約3ポンド未満)、より好ましくは約4.5N(約1ポンド)である。好ましくは、ピペットが容器12から引き戻される際にピペットの先端部に加えられる力は、内部シール18の熱融着可能な接着剤が、ピペットの先端部に過剰に粘着する傾向がある場合には、約4.5N未満(約1ポンド未満)である。この特徴は、容器からのその引き戻しの際に、ピペットの使い捨ての先端部に加えられる過剰な力が、ピペットから使い捨ての先端部を取り外す結果をもたらし得るため、ピペットの使い捨ての先端部の場合においてはより重要さを帯びる。
【0045】
本発明の様々な修正形態および変更形態が、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、当業者に明らかになろう。本発明は、本明細書に示された例示の実施形態に過度に限定されるべきでないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】例えばサンプル管などの容器に装着された、本発明のクロージャの一実施形態の斜視図である。
【図2】容器に装着されていない、図1のクロージャの立面側面図である。
【図3】図2のクロージャの実施形態の上面平面図である。
【図4】図2のクロージャの実施形態の底面平面図である。
【図5】線5−5に沿った、図2から図4のクロージャの断面図である。
【図6】線6−6に沿った、図5のクロージャの一部分の拡大図である。
【図7】図5のクロージャの第2の開口内に挿入された、例えばピペットの先端部などのサンプリングデバイスを示す、図5のクロージャの図である。
【図8】本発明のクロージャの他の実施形態の上面平面図である。
【図9】線9−9の線に沿った、図8のクロージャの断面図である。
【図10A】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面正面図である。
【図10B】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の一部分の平面図である。
【図10C】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、装置が、クロージャの内部シールを形成するための方法のステップを実行するように準備されつつある、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10D】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、ポンチおよびダイプレートがクロージャの内部シールを形成しつつあり、ポリマー材料がクロージャのキャップを形成するように成形ユニット内に導入されつつある、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10E】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、ポンチが引き戻されつつあり、未完成のクロージャが成形コアに留まっている、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10F】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、クロージャの外部シールを形成するためのポリマー材料が成形ユニット内に導入される、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【図10G】本発明のクロージャを製造するための適切な一方法を示す概略図であり、成形ユニットが開かれ、完成されたクロージャが成形ユニットから取り外される、本発明のクロージャを製造するために使用されることの可能な装置の立面側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を有する容器のためのクロージャであって、前記クロージャが、キャップを備え、前記キャップが、ポリマー材料と、脆性材料の層を含む内部シールと、エラストマー材料を含む外部シールとを含む、クロージャ。
【請求項2】
前記キャップが、第1の開口および第2の開口を有する実質的に円筒状の本体を備え、前記第1の開口が、前記容器の前記口部に連絡することが可能であり、前記第2の開口が、前記外部シールによって密閉され、前記内部シールが、前記第1の開口と前記外部シールとの間に配置される、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記第1の開口および前記第2の開口が、円形の形状である、請求項2に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記外部シールが、ピペットの先端部によって破断可能であり、前記内部シールが、ピペットの先端部によって破断可能である、請求項2に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記外部シールが、外部シール上に刻み付けられた少なくとも1つの刻み線を有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記外部シールが、外部シール上に刻み付けられた複数の刻み線を有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記外部シールが、外部シール内に形成された少なくとも1つのスリットを有し、ピペットの先端部が、少なくとも1つのスリットを貫通することが可能である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記外部シールが、外部シール内に形成された複数のスリットを有し、ピペットの先端部が、複数のスリットを貫通することが可能である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記内部シールが、接着剤の層と、紙の層とをさらに含み、前記脆性材料の層が、前記接着剤の層と前記紙の層との間に置かれる、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記キャップの前記ポリマー材料が、弾性ポリマー材料を含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記キャップの前記ポリマー材料が、ポリプロピレンを含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記脆性材料の層が、金属箔である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項13】
容器と請求項1に記載のクロージャとを備える、アセンブリ。
【請求項14】
前記容器が、ポリマー材料から製造される、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載のクロージャを作成するための方法であって、
(a)成形ゾーンを有する装置を提供するステップを含み、成形ゾーンが、成形ユニットを備え、前記成形ユニットが、(1)成形キャビティを含む少なくとも1つのキャビティ半部、および成形コアを含む少なくとも1つのコア半部と、(2)ポンチと、(3)ダイとを備え、前記方法がさらに、
(b)クロージャの内部シールを作成するための材料を含むウェブを提供するステップと、
(c)ポンチおよびダイが、成形ユニット内のウェブの一部分に位置合わせされるように、成形ゾーンにウェブの一部分をインデクシングするステップと、
(d)成形ユニットを閉じ、それによって、ポンチおよびダイが、クロージャの内部シールを形成するためのウェブの材料を切断することを可能にするステップと、
(e)切断されたウェブの材料が、第1の成形サイクルが終了するまで、成形コアに維持されるのを可能にするステップと、
(f)切断されたウェブの材料が、閉じられた成形ユニット内に導入されたポリマー材料に密着するのを可能にするように、閉じられた成形ユニット内にポリマー材料を導入するステップと、
(g)成形ユニットを開く一方で、クロージャのキャップと内部シールとのアセンブリが、成形コアに留まるのを可能にするステップと、
(h)第2の成形サイクルにおいてクロージャの外部シールを形成するように、成形ユニット内へのポリマー材料の導入を可能にするために成形コアを配置するステップと、
(i)成形ユニットを閉じるステップと、
(j)閉じられた成形ユニット内にポリマー材料を導入するステップと、
(k)成形ユニットを開き、成形コアからクロージャを取り外すステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記成形ユニットが、複数のコア半部と、複数のキャビティ半部とを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記成形ユニットが、第1のキャビティ半部、第2のキャビティ半部、第1のコア半部、および第2のコア半部を備え、前記第1のコア半部と前記第2のコア半部とが、第1の成形サイクルの後でかつ第2の成形サイクルの前に、位置をスイッチする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマー材料が、射出によって前記成形ユニット内に導入される、請求項15に記載の方法。
【請求項1】
口部を有する容器のためのクロージャであって、前記クロージャが、キャップを備え、前記キャップが、ポリマー材料と、脆性材料の層を含む内部シールと、エラストマー材料を含む外部シールとを含む、クロージャ。
【請求項2】
前記キャップが、第1の開口および第2の開口を有する実質的に円筒状の本体を備え、前記第1の開口が、前記容器の前記口部に連絡することが可能であり、前記第2の開口が、前記外部シールによって密閉され、前記内部シールが、前記第1の開口と前記外部シールとの間に配置される、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項3】
前記第1の開口および前記第2の開口が、円形の形状である、請求項2に記載のクロージャ。
【請求項4】
前記外部シールが、ピペットの先端部によって破断可能であり、前記内部シールが、ピペットの先端部によって破断可能である、請求項2に記載のクロージャ。
【請求項5】
前記外部シールが、外部シール上に刻み付けられた少なくとも1つの刻み線を有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項6】
前記外部シールが、外部シール上に刻み付けられた複数の刻み線を有する、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項7】
前記外部シールが、外部シール内に形成された少なくとも1つのスリットを有し、ピペットの先端部が、少なくとも1つのスリットを貫通することが可能である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項8】
前記外部シールが、外部シール内に形成された複数のスリットを有し、ピペットの先端部が、複数のスリットを貫通することが可能である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項9】
前記内部シールが、接着剤の層と、紙の層とをさらに含み、前記脆性材料の層が、前記接着剤の層と前記紙の層との間に置かれる、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項10】
前記キャップの前記ポリマー材料が、弾性ポリマー材料を含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項11】
前記キャップの前記ポリマー材料が、ポリプロピレンを含む、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項12】
前記脆性材料の層が、金属箔である、請求項1に記載のクロージャ。
【請求項13】
容器と請求項1に記載のクロージャとを備える、アセンブリ。
【請求項14】
前記容器が、ポリマー材料から製造される、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載のクロージャを作成するための方法であって、
(a)成形ゾーンを有する装置を提供するステップを含み、成形ゾーンが、成形ユニットを備え、前記成形ユニットが、(1)成形キャビティを含む少なくとも1つのキャビティ半部、および成形コアを含む少なくとも1つのコア半部と、(2)ポンチと、(3)ダイとを備え、前記方法がさらに、
(b)クロージャの内部シールを作成するための材料を含むウェブを提供するステップと、
(c)ポンチおよびダイが、成形ユニット内のウェブの一部分に位置合わせされるように、成形ゾーンにウェブの一部分をインデクシングするステップと、
(d)成形ユニットを閉じ、それによって、ポンチおよびダイが、クロージャの内部シールを形成するためのウェブの材料を切断することを可能にするステップと、
(e)切断されたウェブの材料が、第1の成形サイクルが終了するまで、成形コアに維持されるのを可能にするステップと、
(f)切断されたウェブの材料が、閉じられた成形ユニット内に導入されたポリマー材料に密着するのを可能にするように、閉じられた成形ユニット内にポリマー材料を導入するステップと、
(g)成形ユニットを開く一方で、クロージャのキャップと内部シールとのアセンブリが、成形コアに留まるのを可能にするステップと、
(h)第2の成形サイクルにおいてクロージャの外部シールを形成するように、成形ユニット内へのポリマー材料の導入を可能にするために成形コアを配置するステップと、
(i)成形ユニットを閉じるステップと、
(j)閉じられた成形ユニット内にポリマー材料を導入するステップと、
(k)成形ユニットを開き、成形コアからクロージャを取り外すステップとを含む、方法。
【請求項16】
前記成形ユニットが、複数のコア半部と、複数のキャビティ半部とを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記成形ユニットが、第1のキャビティ半部、第2のキャビティ半部、第1のコア半部、および第2のコア半部を備え、前記第1のコア半部と前記第2のコア半部とが、第1の成形サイクルの後でかつ第2の成形サイクルの前に、位置をスイッチする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマー材料が、射出によって前記成形ユニット内に導入される、請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【公表番号】特表2009−504521(P2009−504521A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526273(P2008−526273)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/031570
【国際公開番号】WO2007/022046
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/031570
【国際公開番号】WO2007/022046
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
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