説明

生体光計測用プローブおよび生体光計測装置

【課題】生体光計測において、プローブの受光感度を向上させること、およびプローブを生体表面に密着させること、を実現した生体光計測装置を提供する。
【課題を解決するための手段】生体表面に照射された光が生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出するプローブにおいて、光検出手段の周辺に光反射面が設けられている生体表面から出射する光を検出するためのプローブ、およびそのプローブを使用した生体光計測装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生体の密度、水分、血中酸素濃度、酸素飽和度、グルコース濃度、血糖値、脈拍、その他の様々な生体の代謝に応じて、生体内を伝播する光の状態が波長により異なる変化を生ずる現象に着目した生体内部の情報を計測するための光検出手段を有するプローブ、およびこのプローブを用いた生体光計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体内部を簡便に計測できる装置として、生体表面に配置された光源から生体内部に向けて出射した光が生体内部を散乱・吸収されながら伝播して再び生体表面に到達する光を受光することにより、生体内部の情報を計測する装置が実用化されてきている。この生体光計測装置は、擬似雑音系列を用いてスペクトラム拡散変調した近赤外光を出射する光出射部と、受光したスペクトラム拡散変調された近赤外光に対応する電気的な信号をスペクトラム逆拡散復調して検出信号を出力する光検出部とを備えている。
【0003】
この種の生体光計測装置として、光トポグラフ装置が知られている。この装置は、光照射部/検出部を持つプローブ本体を多数配置したプローブ装置を計測部位、例えば、頭部に密着するように取り付けて、各プローブ本体から近赤外線を照射してその反射光を計測するものである。
【0004】
生体光計測装置を用いた計測において重要な点は、生体表面から出射する光の強度が極めて微弱であるためプローブの受光感度を向上させる必要があること、およびプローブが計測面、例えば、頭皮に密着させる必要であることの条件を満たすことである。
【0005】
従来、生体光計測装置のプローブの受光部および光導波路としては光ファイバが用いられ、計測時には光ファイバの先端の受光部は、計測面に接触するように設置される構造となっている。
例えば、被験者の頭部に合わせた曲面状を有するシェルに光計測装置の光ファイバ先端を固定したソケットを設置し、光ファイバ先端が確実に頭皮に接触することを確認の上、光の照射と受光を行う装置類が(特許文献1、2、3参照)が提案されている。このように光ファイバの先端部を計測面に接触して受光部とすると、受光位置を正確に特定できるが、光ファイバの先端を被計測面に計測期間中接触させ続けることができる機構としなければならない。また光ファイバでは先端の受光面積が狭くなることから受光する光が微弱となり易く電気的な増幅では十分に対応できないことが多いため、正確な計測結果を得られない恐れがあった。
【0006】
また、従来、プローブを計測面に固定するには、例えば、計測装置は被検者の頭部形状に合わせて椀形に形成されたシート材からなるシェル部に、複数のプローブが格子状に配置された計測装置が提案されている。個々のプローブは、シェル部から取り外し可能とし、プローブが毛髪などの介在により頭皮との接触が不完全であることが確認された場合には、その部分のプローブだけを調整することを可能としている。このように構成される計測装置を被検者の頭部に装着する場合、被験者の頭部形状の個人差や装着部位の違いにより、必ずしも密着するとは限らないので、通常、固定ベルトをあごに掛けてシェル部をしっかりと頭部に押し付けるようにして使用されている。そして、計測に当っては、各光ファイバを介して送られてくる近赤外線を、発光用プローブ本体を介して頭部の皮下に向けて照射し、その反射光を受光用プローブ本体で受け、光ファイバを介して計測装置本体に送り返す構造を備えている。
【0007】
単一領域の計測を目的とする装置であれば、装着部分の構造が単純であるため、頭部への装着は比較的容易である。しかしながら、計測部が広範囲であるとか、複数の領域を同時に計測することができるマルチチャンネルNIRSでは、プローブ装着部分の面積が増えるので、プローブ装着には時間と手間がかかっているのが現状である。マルチチャンネルNIRSでは、光トポグラフィ装置が市販されてから時間が経っている為に、比較的広く適用され、成人から乳幼児にまで適用されてきた実績がある。しかし、プローブの装着に時間と手間がかかるため、特に、覚醒時での乳幼児に対する計測には向いていない。
【0008】
現在提供されている光トポグラフィなどの光計測装置に用意されているプローブホルダーは、柔軟性に乏しいプラスチックのシェルを、紐を用いて頭部に固定するため、頭部の形状に合わないことがしばしばあった。また、紐で頭囲を固定するため、固定までに手間取ることがあった。そうすると計測では装着に手間取ることは大きな問題となる。たとえ装着に成功したとしても固定が不十分であるために、体の動きが激しいと、計測中にプローブホルダーが動き、一貫したデータを得ることは困難となる問題があった。
【0009】
このように、プローブを被検体の頭部に装着したときのプローブと頭皮との接触は、被験者の頭部形状に合わせて椀形に形成されたシェル部に、複数のプローブを格子状に配置して構成されている。しかしながら、被験者の頭部の曲率がシェル部の曲率より大きいと中央部に配置されるプローブが頭皮に接触できない状態になり、被験者の頭部の曲率がシェル部の曲率より小さいと周辺部に配置されるプローブが頭皮に接触できない状態になる問題が生じていた。
【0010】
以上説明したような従来技術におけるプローブホルダーの頭部への設置において発生する問題を解決するための技術が数多く提案されている。
例えば、多数のプローブを被験者の頭部に設置するにあたり、頭部外面に沿う様に椀状に形成されているシェルの湾曲を中央部の曲率を周端に向かって順次小さくすることにより様々な形状の頭部に適合できるように構成した生体光計測装置用のプローブホルダー(特許文献4参照)や、被計測体の形状に合わせて形成した基板と、この基板に形成したプローブ挿入用の孔と、前記孔に連続する孔を有し、かつ、前記基板の被計測体側に取り付ける接点部材と、前記接点部材の端面に設けた接着材とから構成され、プローブホルダーが接着材により直接被計測体表面に固定されるため、被計測体が動揺しても安定した装着状態を得ることができるプローブホルダー(特許文献5参照)が提案されている。
【0011】
また、ワイヤーからなるナイトキャップ状のプローブ装着具を円環ベルト
および3本の頭覆いベルトおよびそれらを接続する接続具から構成した脳波計測具(特許文献3参照)や、頭表の形状にフィットする柔軟性を持たせるための中空半球状のヘルメットであって、内部に樹脂を封入した気密構造の袋状体からなり、該頭部と該袋状体との密着性を調節可能にする該袋状体内部気圧増加減少用開口部と、検査器具装着手段を有する計測器具装着用ヘルメットにより、生体光計測プローブや脳波計測用の電極プローブなどの計測器具の頭部への接触を安定化した脳波計測装置(特許文6参照)が提案されている。
【0012】
また、シェルに接続されるプローブの構造を改善することにより、計測部位に密着し、装着感に優れ、正確で信頼性の高い光計測を行うことが可能な生体光計測用装着具が提供されている。例えば、発光部または受光部にそれぞれ接続された複数の光ファイバと、各光ファイバの先端を生体の計測部位に接触させるために弾発的に支持する複数のソケットと、ソケットを所定の配列に支持する支持部材とを備え、光ファイバは、略90度に屈折した先端を有し、その屈折部と先端がソケットによって保護され、また支持部材の、計測部位に対向する側には、光ファイバ先端を囲むように緩衝材が設けられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−355246号公報
【特許文献2】特開2009−82265号公報
【特許文献3】特開2009−131643号公報
【特許文献4】特開2005−8063号公報
【特許文献5】特開2005−130960号公報
【特許文献6】実開平7−27505号公報
【特許文献7】特開2004−248961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、生体光計測装置を用いた計測において、計測精度を向上させる技術の開発を目標として鋭意研究を積み重ねることにより本願発明に到達したものである。本願発明により、強度が極めて微弱である光を計測するためのプローブの受光感度を向上させること、およびプローブを計測面に密着させることが実現され計測精度が格段に向上した生体光計測装置を提供することが可能となった。
本発明の目的は以下のような機能をもった、特に、乳児などにも好適な生体光計測装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
従来、生体光計測装置のプローブの受光部および光導波路としては光ファイバが用いられ、計測時には光ファイバの先端の受光部は、計測面にほぼ接触するように設置する構造となっている提案が多くなされている。光ファイバの先端部を計測面に接触して受光部とすると、光ファイバの先端を計測面に計測期間中絶えず光ファイバを計測面に接触できる機構とすることが必要となる、またファイバ先端の受光面積は狭くなることから受光量が微弱となり易く正確な計測値を得られないという問題があったが、本発明はこれらの問題を解消した生体光計測装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、従来技術による生体光計測装置では、シェル部材は複数のプローブからなり、シェル部材は、プラスチック、エラストマーなどからなる板状の部材で、被験者の頭部に合わせた曲面形状、例えば、椀型形状を有している。このように構成されるプローブ装置は、これを被験者の頭部に装着する場合、被験者の頭部形状の個人差や装着箇所の違いにより、必ずしも頭部にフィットするとは限らない。すなわち、この椀型形状を頭部形状に完全に一致させることができず、全てのプローブを確実に頭皮に密着接触させることが困難であるという問題点を有している。また、プローブを確実に頭皮に密着接触させるために、固定ベルトによりしっかりと頭部に押し付けて使用しなければならないため、被験者にあごなどに掛かるベルトによる痛み、苦痛を感じさせるという問題をも有している。これらの問題は、実際の計測には3時間程度の長時間を必要とするため、被験者が苦痛に耐えられない場合も生じさせることになる。
【0017】
また、従来の生体光計測装置では、固定ベルトをあご掛けて使用すると、発声を伴う計測を行う場合に、プローブが動いてしまうという問題を有し、また、プローブの1つ1つを、毛を掻き分けながら装着しなければならず、プローブの装着に時間が掛かり、高度な技術も必要であるという問題をも有している。
【0018】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、受光量を増加させたプローブを、どのような形状を有する被検生体部にも全てのプローブを容易に密着させることができ、プローブが自立的に頭部形状にフィットすることを可能にした形状の生体光計測装置を提供することにある。また、本発明の目的は、被計測体に短時間に装着できる生体光計測装置を開発し、簡易な機構の機材でプローブを装着可能にし、装着時の負担を軽減すること、計測中にプローブが計測位置からずれないようにすることを実現できる生体光計測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)生体表面に照射された光が生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出するプローブにおいて、光検出手段の周辺に光反射面が設けられていることを特徴とする生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
(2)光反射面が生体表面に空間を介さないで設けられている上記(1)に記載の生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
(3)光反射面と光検出手段の受光面が同一平面上となっている請求項2に記載の生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
(4)光反射面が生体表面に空間を介して設けられている上記(1)に記載の生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
(5)光入射開口部を有する中空体からなるプローブ函体、該函体の内部に設置された光検出手段からなり、函体内部表面の少なくとも一部分が光反射面で構成されている上記(4)に記載のプローブ。
(6)光反射面が、光検出手段の周辺部に光反射面が開口部または生体表面を向いて設けられている上記(1)から(5)のいずれかに記載のプローブ。
(7)プローブ函体の全内面が光反射面である上記(5)に記載のプローブ。
【0020】
(8)生体表面に光を照射する光照射手段と、生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出する光検出手段を備えたプローブを複数個連結した構造を具備した生体光計測装置において、該プローブとして上記(1)から(7)のいずれかに記載のプローブを配設したことを特徴とする生体光計測装置。
(9)光検出手段を有するプローブ、複数のプローブを柔軟な連結部材により連結して形成されたシェル部、および各プローブを生体表面に当接するための締結部材より構成され、プローブの光入射開口部が連結部材より生体表面側に突出して設置されている上記(8)に記載の生体光計測装置。
(10)上記連結部材が柔軟な材料からなることにより、連結部材が締結時に変形して生体表面に各プローブが当接する上記(9)に記載の生体光計測装置。
(11)上記連結部材が、布帛、合成樹脂、ゴム、または金属から選ばれた材料からなる帯状、線条、またはシート状である上記(9)または(10)に記載の生体光計測装置。
(12)上記プローブが連結部材より生体表面側に2〜20mm突出している上記(9)から(11)のいずれかに記載の生体光計測装置。
(13)上記プローブの光入射開口部に相対する端部に連結部材と連結するための連結機構が設けられている上記(9)から(12)のいずれかに記載の生体光計測装置。
(14)上記連結機構が、連結部材の断面形状よりも大きい断面形状を有する連結孔からなり、該連結孔に連結部材を挿通することによりプローブが連結されている上記(13)に記載の生体光計測装置。
(15)上記プローブ相互の位置が、位置規制部材により固定されている上記(8)から(14)のいずれかに記載の生体光計測装置。
【発明の効果】
【0021】
本発明により次のような効果が奏される。
(1)光検出手段を備えたプローブの光感度を簡便な手法により向上させることができる。
(2)生体光観測装置を被計測部位に正確に装着することができる。
(3)被計測部位が湾曲、凹凸などの不規則な形状をしていてもプローブを被計測面に密着させることが可能となる。
(4)多くのプローブの全てを被計測部位に密着させることができる。
(5)簡単な構造で優れた生体光計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の生体光計測装置を頭部模型に装着した状態を示す写真である。
【図2】本発明の複数のプローブを連結したシェル部の外観を示す図である。
【図3】本発明の他の形式のシェル部の外観を示す図である。
【図4】図3で示したシェル部を構成するプローブの拡大図である。
【図5】連結部材の一例を示す図である。
【図6】プローブの内部函体の図面である。
【図7】プローブの外部函体の図面である。
【図8】実施例1のAで使用した生体光計測装置の概略図である。
【図9】実施例1のBで使用した生体光計測装置の概略図である。
【図10】比較例で使用した生体光計測装置の概略図である。
【図11】プローブの外部函体の立体像を示す図面である。
【図12】プローブ内部函体の立体像を示す図面である。
【図13】組み立てたプローブの外観を示す立体図である。
【図14】実施例6のプローブの配置および試験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、生体表面に照射された光が生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出するプローブにおいて、光検出手段の周辺に光反射面が設けられたプローブであって、光反射面は生体表面に空間を介して設置されるように、または、空間を介さないで設置されように構成されている。例えば、光反射面と光検出手段の受光面が同一平面上となり、空間を介さないで生体表面に接しているプローブ、または光入射開口部を有する中空体からなるプローブ函体、該函体の内部に設置された光検出手段からなり、函体内部表面の少なくとも一部分が光反射面で構成されているプローブに関し、反射面を設けることにより受光感度を向上させたことに特徴を有する。
本発明における「プローブ函体」とは、光検知手段、反射板などプローブとして機能するに必要な部材類を収納、保持する空間を有する容器(外装)を意味し、その形状、構造に何ら制限はない。例えば、円筒形、中空の直方体や立方体などの外形が挙げられ、内部空間の形状構造に関してもプローブとしての機能を果たす限り制限はない。
光反射面が生体表面に空間を介して設置されるプローブにおいては、光反射面と生体面との間に空間を有していればよく、他の部材、例えば、可視光線カットフィルタなどを光反射面と生体表面の間に設置してもよい。
また、光反射面が生体表面に空間を介さないで設定されるプローブにおいては、光反射面と生体面との間には空間がないように設定されていればよく、他の部材、例えば、可視光線カットフィルタなどを光反射面と生体表面の間に設置してもよい。
【0024】
生体光計測装置構造は、プローブを連結部材により連結したシェル部、およびプローブを生体表面に保持するための締結部材より構成され、連結部材は複数のプローブを連結する柔軟性な材料からなり、各プローブはその光入射開口部が連結部材から生体表面側に突き出るように設置されていることにより、被検体とプローブの接触が全てのプローブにおいて密着されると共に、従来技術に比べて格段のコストダウン、小型化ならびに高性能化が実現される。本装置は主に髪の少ない前頭葉での使用において簡便であり再現性の良い計測が可能である。
【0025】
本発明は、例えば、「光トポグラフィ」と称される技術に適用できるものであり、近赤外光を頭部に照射し、その反射光によって人の認知や行動を司る大脳皮質の働きを探る技術に係るものである。近赤外光は骨や筋肉、水などを透過しやすく、血液中のヘモグロビン酸素化状況によって吸収される量が異なる特徴をもっていることを利用して、脳内の血液の動きを計測し、画像化することができ、近赤外光を使って、リアルタイムで大脳皮質の血液の動きを地図にする技術である。
【0026】
大脳皮質にある運動野や言語野など、人の行動に直結する高次脳機能の活動を計測するものであり、例えば、人が言葉をしゃべろうとすると、言語を司る言語野に血液が集中する。そこで、頭部に近赤外光を当て、脳表面を通過して戻ってくる光の強度変化を計測すれば、言語野がどの程度活発に活動しているかがわかる。計測に利用される近赤外光は極めて微弱であるため、人体にはほとんど影響を与えることはなく、頭部にプローブを設置するだけで、簡単に計測できる。こうして、リアルタイムの脳の活動を、気軽に、簡単に計測し、視覚化することを可能にしたのが生体光計測装置であり、図1に示すように頭部などの被計測部に装着され計測がなされる。
【0027】
[光反射面を有するプローブ]
本発明のプローブは、光検出手段の周辺に光反射面が設けられていて、光反射面は生体に空間を介さないで設置されるような構造、または光反射面が生体表面とは空間を介して設置されるような構造と成っている。例えば、ドーナツ円盤状の反射板の中央孔に光検出手段が設置され光反射面が生体表面に可視光線カットフィルタを介して接触するように設けられている構造や、中空体からなるプローブ、すなわちプローブ函体内部のいずれかに光反射面が生体表面とは離れた位置に設けられている構造であれば、光反射面の設置箇所、面積、形状などについて特に限定されるものではない。プローブ函体の構造は、例えば、一端に光入射開口部を有し他端は封鎖されている円筒や、複数の部品の組み立てにより形成される円筒、空隙を有する直方体などの中空体からなり、光検出手段の受光面が内部に設置され、散乱光が中空体内に入射されて受光面で計測できる構造であればよい。
光検出手段は、近赤外光に感度を有する素子など公知のものが主に使用されるが、例えば、光起電効果を有する半導体であるフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトIC、光導電効果を有するCdSセル、CdSeセル、PbSセル、光電子放出効果を有する光導管などから計測する波長域、応答速度、形状、大きさなどを考慮して選択される。また、被計測表面からの光を光ファイバのような光伝達部材で計測装置に導いて計測することができる。
【0028】
[反射板、可視光線カットフィルタ]
本発明のプローブは、生体表面に照射された光が、生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出する光検出手段を備えたるものであり、光検出手段の周辺に光反射面が設けられている。例えば、光入射開口部を有する中空体からなるプローブ函体、該函体の内部に設置された光検出手段からなり、函体内部表面の少なくとも一部分が光反射面で構成されている。本発明では主に近赤外線の計測をおこなうため、受光面に可視光線などが入射することを避けて計測精度を向上させるために可視光線カットフィルタを使用することが好ましい。可視光線カットフィルタは市販されているフィルタが利用される。
【0029】
本発明のプローブは、計測対象となる波長領域の光を反射する反射面を有していればよく、その設置箇所はプローブ函体の内部であれば場所は限定されない。例えば、実施例1のようにプローブ函体の内部の受光面の近傍に受光面に平行に反射面を設置しても受光量は増加する。受光面と光反射面を平行としても受光量の増加現象が観察される。また、光反射面を生体表面に接触して設けても同様の現象が観察される。光反射面をプローブ函体のいずれに設けてもまた、生体表面に接して設けても受光量の増加が図れることは、生体表面から出射する光線が散乱光であることに一因があるものと考えられる。
【0030】
光反射面を形成するには、例えば、反射板またはプローブ函体の内部の少なくとも一部分を、(1)アルミニウムなどの金属で蒸着、スパッタリングまたはメッキなどにより金属面とする、(2)アルミニウムなどの金属箔で覆う、(3)鏡面を有する金属素材でプローブ函体を作製する、(4)鏡面を有する部品を装着する、(5)白色塗料を塗布する、(6)微細なプリズムやビーズを表面に付着させるなどの手段が挙げられる。さらに具体的には、プローブ函体の内径に相当する外径の円盤中央部に光検出器の受光面が露出する大きさの開口を設けたドーナツ状の金属板を鏡面とし、プローブ函体内の空間に光反射面を開口部に向けて装着することにより行なうことができる。
光反射面の面積に応じて受光量は増加するので光反射面の面積は広いほどよい。また、プローブでの受光量は光入射開口部の面積に応じて増加するため、受光面積または開口部を大きくすることで受光量を増加されられるが、それに応じて計測位置の精度は減少することとなる。
【0031】
[生体光計測装置]
本発明の生体光計測装置は、生体表面に光を照射する光照射手段と、生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出する光検出するものであり、光入射開口を有する中空体からなるプローブ函体、該函体の内部に設置された光検出手段、函体内部表面の少なくとも一部分に形成された光反射面で構成されたプローブを複数個連結して構成される。さらに詳細には、光検出手段を有するプローブ、複数のプローブを柔軟な連結部材により連結して形成されたシェル部、および各プローブを生体表面に保持するための締結部材より構成され、プローブの光入射開口部が連結部材より生体表面側に突出するように設置されている。この突出する長さが2〜20mm、さらに好ましくは2〜15mm、最も好ましくは5〜15mmであると、プローブを被計測面に密着させることが可能となる。
【0032】
プローブの光入射開口部が連結部材より生体表面側に突出するように設置されていることと、連結部材が柔軟性を有する素材からなることの両者を組み合わせたことにより、高さが異なる被計測体面に対しても各プローブを密着させて装着することができる。連結部材は各プローブの計測面が被計測体面に十分接触することができる程度の柔軟性を有していればよく、その柔軟性については、プローブの大きさ、開口部の連結部材からの距離、被計測対面の曲率、凹凸などに応じて決定されるものであるが、その材質としては、例えば、布帛、プラスチック、ゴム、金属などの材質から選ばれ、その形状は、シート状、線状、扁平帯状などが用いられるがこれらに限定されることはない。
【0033】
プローブを配設してシェル部1を形成するには、複数のプローブ2を連結部材4に連結する。プローブ2の光入射開口部3とは反対の端部に連結用の構造を設けることによりプローブ2の計測面(光入射開口部3)が連結部材4から被検体側に突出するように設ける。プローブ2に設ける連結用構造の位置は、突出させる長さに応じて適宜選定され、また、如何なる構造とするかについても適宜選択される。
シェル部1の全体像は、例えば、図2、図3に示すように、複数のプローブ2、2を線状または帯状の長尺部材からなる連結部材4により連結することにより作製される。図2、3に示した例では、プローブ2の光入射開口部3とは反対部分にプローブ間を連結するための連結構造として、プローブを貫通する連結孔6が設けられている。この連結孔6に連結部材4を挿通することによりシェル部1が形成される。プローブ2の端部に形成された連結孔6の断面積を連結部材4の断面形状よりも大きくして余裕を持たせることにより、連結部材4が連結孔6の内部で移動可能となるようにすることが好ましい。それにより、各プローブ2の動きや角度にある程度の自由度が与えられ、シェル部1を被計測体の曲面に装着する際にプローブ2を曲面に密着させることが容易となる。
【0034】
しかし、プローブに自由度を与えすぎると、シェル部1の被計測体への装着が困難となり、またプローブ2を正確な位置に配置することができなくなるため、各プローブの自由度を制限する部材を設けることが好ましいことがある。例えば、図2、図3に示したシェル部1には周囲のプローブ2との間隔を規制する間隔規制部材5が設けられている。この間隔規制部材5は各プローブ2を相互に結合することにより、プローブ間の間隔は予め規定された値に固定される。こうして、各プローブ間の距離は規定された値に固定され、被計測体の計測予定部に正確に位置させることが容易となる。連結部材4の両端部は被計測体に係止するための締結部材を設ける箇所として利用される。
【0035】
また、例えば、図3に示したプローブ2では、プローブ函体は光入射開口部3を有しスライドするプローブ下部21と、プローブ下部21が嵌合する構造および連結孔6有するプローブ上部22とからなり、プローブ2、2間は連結孔6に挿通される帯状体4(連結部材)で連結されている。被計測面の曲面に応じてプローブ下部21がスライド面23でスライドし、角度を変えることにより被計測曲面にプローブを密着させることが容易となる。図4にはプローブ下部21とプローブ上部22有するプローブの拡大図を示す。
複数のプローブ2を固定してシェル部1を形成するための連結部材4として、図5に示すプローブを固定するための孔を多数有するプラスチック製のシートが例示される。各孔にプローブを円盤状などの連結構造によりプラスチックシートと連結することができる。図5のようなシート状の連結部材をプローブの開口部近傍に設置することにより開口部が連結部材から突出する距離を小さく調節することが容易となる。
本発明の生体光計測装置には各プローブを生体表面に当接させるために連結部材に張力を与える締結装置(図示なし)が必要となる。締結部材としては、連結部材の長さを調節できる構造のものが例示されるが特に限定されるものではない。
【0036】
[プローブの構造]
プローブは、例えば、反射面と光検出手段の受光面が同一平面上となっているか、内部に光検出器を収納できる空間を有する函体からなると共に、空間内面の少なくとも一部に反射面を有するものであれば本発明のプローブとして使用することができ、その形状、構造に特に制限はない。プローブの形状は、円筒形、中空の直方体や立方体などその外形や内部空間の形状にも特に制限はない。
次にプローブの構造の一例を説明する。
【0037】
プローブ函体は、例えば、プラスチックス製の内部函体21と外部函体22の2つの部品から構成されている。内部函体21を図6に、外部函体22を図7に示す。外部函体22には上部に連結部材4を挿通して係合するための連結孔6を有し、下部には内部函体21を収納して円柱状のプローブ函体を形成するための空間8が設けられている。外部函体22の壁の内側には溝部7が設けられ、内部函体21の突起部9と嵌合して固定されプローブ函体が形成される。内部函体21の下部には開口部3が設けられ外部函体22の開口部と連通する。
外部函体22は、例えば、図7に示す形状を有し、その大きさの概略は、高さ18.6mm、直径20mmの中空円筒状からなり、内部には高さ13.6mm、直径14mmの空洞を有する。連結部材4を挿通する連結孔6として高さ2.5mm、幅5.5mmの孔が上端より1mm下を貫通している。
【0038】
内部函体21は上下端部が開放された円筒状で、外部函体21の空間に一致する外形をなし、外部側面には外部函体22の溝部7に対応した突起部9を有している。上端部周辺には光検出器と接続される配線などを外部に取り出すための配線取出し口10が設けられるとともに、内部の空間には光検出手段を固定することができる構造となっている。
内部函体21への光検出器の装着は、例えば、図6の6-3に示されるようになされる。すなわち、つば状の係止部を有している光検出器51は内部函体21の段差を利用して係止される。受光面55の周囲には、反射面53が開口部側に向いた反射板52が設けられている。受光面55には可視光線カットフィルタ54が設けられ測定を乱す可視光線が遮断され、図6−3では光反射板と生体表面との間には空間は形成されてはいない。
また、図6−4に示されるように、形状が若干異なる光検知器に変えることにより、受光面55と可視光線カットフィルタ54との間に生じた空間の壁面を金属メッキなどにより光反射面53を設けることができる。
光検出器51は配線59により配線取出し口10を経由して計測器に接続されて計測器により信号の受信、解析が行なわれる。
内部函体21は、例えば、図6に示す形状を有し、その大きさの概略は、高さ15.6mm、直径14mmの中空円筒状であり、上段には直径.92mm、中段には直径16mm、下段には5.4mmの中空部を形成し、上段と下段は外部に通じている。下段には5.4mmの光入射開口部が形成されていることとなる。光検出器は中空部の段差を利用して設置するとよい。
【0039】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0040】
[光反射面を有するプローブ]
本実施例では、光反射面を形成したプローブによる白色散乱光の光検出感度の向上について検討した。可視光線を使用した実験であるので、可視化とフィルタの代わりに透明アクリル樹脂板を、生体表面の代わりに紙層を使用した。
試験用に作製したプローブの構造を模式的に図8から図10に示す。実施例は図8、9に、比較例は図10に示す。光を透さない材質から成る円筒状のプローブ函体56を用意し、その一端は光入射開口部57とし、他端には受光面55が函体内部に面するように光検出器51を設置して他端は光学的に密封した。可視光による試験を行ったため、受光面55には、透明アクリル樹脂板54および紙層59を介して散乱光が入射するようにすると共に、光反射面53が光入射開口部57の方向に面するよう反射板52を受光面55の周囲に設置した。散乱光58のみがプローブの光入射開口部57から入射するようにした。散乱光源から受光面55に入射した光は光検出器51の抵抗値に変化を与え、接続線59を介して抵抗計測器に接続し抵抗値の変化を計測した。
【0041】
光検出器51は硫化カドニウム(CDS)セル(市販品)を用い、散乱光を受光したときの抵抗値の変化を計測した。反射面としはアルミニウム鏡面を用いた。散乱光源としては白色LED光を強散乱状態となして用いた。
【0042】
(試験A):図8は、本発明のプローブの一例を示すものであり、光検出器51の受光面55には透明アクリル樹脂板54および紙層59を介して散乱光が入射する。開口部側から紙層59、反射板52、透明アクリル樹脂板54が順に設けられ、散乱光は光入射開口部57方向に反射されるように設置されている。
(試験B):図9は、本発明の他の態様を示したものであり、光入射開口部側から紙層59、透明アクリル樹脂板54、反射板52の順に設置されている。散乱光が光入射開口部57方向に反射されることは図8の例と同様である。
(比較例):図10は、反射板52を使用していない例である。
【0043】
図8から10に記載の装置により16回試験して得た結果を表1に示す。表中の数値は光検出器(CDSセル)の抵抗値を示し、抵抗値が低いほど受光面への入射光量が増加したことを示す。実験Aでは抵抗値が約3%低下し、実験Bでは約8%の抵抗値が低下した。このことは、実験Aでは約8%の受光量が増加したことに相当し、実験Bでは受光量が約20%増加したことに相当する。本試験により、反射板を設けることにより、受光面への入射光量が増加することが実証された。
【0044】
【表1】

【実施例2】
【0045】
図6−4に記載の内壁をアルミニウムメッキしたプローブ用意し、アルミニウムメッキを施していないプローブと比較試験を実施したところ、アルミニウムメッキを施したプローブの受光面での光量が増加することが判明した。
【実施例3】
【0046】
ドーナツ状の反射板と光ファイバからなるプローブを作製した。反射板の中央孔に光ファイバを配置し、光ファイバの受光面と反射板の光反射面とが同一面となるようになした。このプローブの光反射面と光ファイバの受光面を被計測表面(生体表面)に接して設置して生体からの光を計測したところ、光反射面が生体表面に接した状態であり、光反射面は生体内に向いていたにも関わらずプローブの受光量は増加した。
また、頭髪のある頭部においても皮膚に接触する面積が増加するため被験者の痛みを軽減することができた。さらに、集光力が向上するため頭髪などの遮蔽物が介在していても測定が可能となった。
【実施例4】
【0047】
[生体光計測装置]
生体の被計測部に装着する場合の生体光計測装置は、例えば、複数個のプローブはヘッドバンド様の柔軟な樹脂製の連結部材に設けられた孔に係合され、被計測部、例えば額に装着する際には近赤外線を透過するクッション材および交換布が重合され、交換布を被計測部に接触させて装着される。クッション材は生体を保護し、交換布は各計測後には交換され衛生状態を最適に維持した。
【実施例5】
【0048】
生体光計測装置において、プローブ2およびそれらを連結してシェル部1を形成する過程を図により説明する。図11は外部函体22の立体図を示す。外部函体22の上部には連結孔6を有し、この連結孔6中に連結部材4が挿通され一連のプローブ2、2が連結された状態となっている。また、外部函体22の内部空間部には溝部7が設けられ内部函体21の突起部9と嵌合して両者が一体となる構造となっている。内部函体21の立体的な形状は図12に示す。内部函体21の外径は外部函体22の空間部の径に一致し、溝部7に対応する位置に突起部9が設けられ、上端部には光検出器からの配線を通す配線取出し口10が設けられている。内部函体21と外部函体22を嵌合することにより図13に示されるプローブ2を形成する。図13では、プローブの下部に間隔規制部材5によりプローブ2相互の位置が固定されている。
【実施例6】
【0049】
本実施例では、光反射板を設けたプローブ(A)3個と、光反射板を設けていないプローブ(B)3個を配置し、(A)(B)間のそれぞれに光を照射するプローブ(C)を6個設置したシェル部を有する生体光計測装置を作製した。(C)からの光を(A)で受光し、おなじ(C)からの光を(B)で受光して、各(A)(B)の受光量を測定して図14に示した。例えば、CH1は(C)(A)間の測定値を、CH2は(C)(B)間の測定値を示す。CH1とCH2を対比することにより光反射面の有無による受光量を評価することができる。λ1は波長840nm、λ2は波長770nmの光を使用した結果である。測定置を対比することにより光反射板を設けたことによる光増感を検証した。試験を行なう際の各プローブの配置を図14の上部に、受光量の測定値を対比して図14の下部に示す。いずれの場所においても光反射板を設けた(A)の測定値が、光反射板を設けていない(B)の測定値よりも大きな値を示し、反射板の設置により受光量が増加することが広い範囲にわたり実現されていることが実証された。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のプローブおよび生体光計測装置は、例えば、光トポグラフィは大脳皮質における血液量変化に伴うヘモグロビン量の変化を、2次元的に、且つリアルタイムに計測できることが特徴であり、この技術を用いて医療分野ではてんかん発作や精神疾患の診断・治療に役立つ研究が始まっており、その活用は心理学や神経科学などの研究にも広がっている。
本発明は生体光トポグラフィなどにおける生体光計測技術に大きな貢献をするものであり、計測感度の向上、如何なる被検者にも対応できる装着性の向上が実現された。本発明により、例えば、複数の脳活性化領域を同時に計測することで複数の機能分野の相互関係が明確になるものと予想され、考えるだけで機器を操作できるブレインマシンインタフェースの実現や、新生児から学童期、そして老年期の脳機能の変化を「光トポグラフィ」を使って研究することにより、子供の発達過程にあわせた教育方法や、認知症を予防する技術開発など、社会的に意義のある応用研究を可能とする技術の開発に大きく貢献することができる。
【符号の説明】
【0051】
1:シェル部
2:プローブ
3:光入射開口
4:連結部材
5:間隔規制部材
6:連結孔
7:溝部
8:空間
9:突起部
10:配線取出し口
21:プローブ下部、プローブ内部函体
22:プローブ上部、プローブ外部函体
23:スライド面
51:光検出器
52:反射板
53:反射面
54:可視光線カットフィルタ、透明アクリル樹脂板
55:受光面
56:プローブ函体
57:光入射開口部
58:散乱光
59:紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体表面に照射された光が生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出するプローブにおいて、光検出手段の周辺に光反射面が設けられていることを特徴とする生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
【請求項2】
光反射面が生体表面に空間を介さないで設けられている請求項1に記載の生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
【請求項3】
光反射面と光検出手段の受光面が同一平面上となっている請求項2に記載の生体表面から出射する光を検出するためのプローブ。
【請求項4】
光反射面が生体表面に空間を介して設けられている請求項1に記載の生体表面から射出する光を検出するためのプローブ。
【請求項5】
光入射開口部を有する中空体からなるプローブ函体、該函体の内部に設置された光検出手段からなり、函体内部表面の少なくとも一部分が光反射面で構成されている請求項3に記載のプローブ。
【請求項6】
光反射面が、光検出手段の周辺部に光反射面が開口部または生体表面を向いて設けられている請求項1から4のいずれかに記載のプローブ。
【請求項7】
プローブ函体の全内面が光反射面である請求項5に記載のプローブ。
【請求項8】
生体表面に光を照射する光照射手段と、生体内部を通過あるいは拡散反射して生体表面から出射する光を検出する光検出手段を備えたプローブを複数個連結した構造を具備した生体光計測装置において、該プローブとして請求項1から7のいずれかに記載のプローブを配設したことを特徴とする生体光計測装置。
【請求項9】
光検出手段を有するプローブ、複数のプローブを柔軟な連結部材により連結して形成されたシェル部、および各プローブを生体表面に当接するための締結部材より構成され、プローブの光入射開口部が連結部材より生体表面側に突出して設置されている請求項8に記載の生体光計測装置。
【請求項10】
上記連結部材が柔軟な材料からなることにより、連結部材が締結時に変形して生体表面に各プローブが当接する請求項9に記載の生体光計測装置。
【請求項11】
上記連結部材が、布帛、合成樹脂、ゴム、または金属から選ばれた材料からなる帯状、線条、またはシート状である請求項9または10に記載の生体光計測装置。
【請求項12】
上記プローブが連結部材より生体表面側に2〜20mm突出している請求項9から11のいずれかに記載の生体光計測装置。
【請求項13】
上記プローブの光入射開口部に相対する端部に連結部材と連結するための連結機構が設けられている請求項9から12のいずれかに記載の生体光計測装置。
【請求項14】
上記連結機構が、連結部材の断面形状よりも大きい断面形状を有する連結孔からなり、該連結孔に連結部材を挿通することによりプローブが連結されている請求項13に記載の生体光計測装置。
【請求項15】
上記プローブ相互の位置が、位置規制部材により固定されている請求項8から14のいずれかに記載の生体光計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−135986(P2011−135986A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297015(P2009−297015)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000203623)多摩岡産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】