説明

生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルタグ、プローブおよび検出方法

本発明は、生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルタグ、プローブおよび検出方法を提供する。本発明におけるユニバーサルタグは、DNA、RNA、ペプチド核酸またはLNAのフラグメントであり、長さが3−20merである。本発明のプローブは、3´末端から5´末端まで順番に、ターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的であるヌクレオチド配列およびユニバーサルタグと逆相補的であるヌクレオチド配列を含むか、または、前記プローブは、3´末端から5´末端まで順番に、ユニバーサルタグと逆相補的であるヌクレオチド配列およびターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的であるヌクレオチド配列を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体分子のための検出技術の分野に関し、特に、生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルタグ、プローブおよび検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト・ゲノム計画(HGP)の実現により、動物、植物および微生物の多数のゲノム配列が特定され、遺伝子データは先例のない速度で増加している。遺伝子の数が莫大であることを考えると、どのようにして遺伝子の生物学的情報を大規模に調査し、同時にそれらの生命過程の間における機能を分析するかは、科学者および研究者にとって熱いテーマである。上述の背景の下で、遺伝子チップ技術に基づくバイオチップが開発され、それは1990年代の中頃以後、技術の最も著しい発達の1つと見做されている(参考文献1〜4)。DNAチップ、DNAマイクロアレイまたはオリゴヌクレオチド配列とも呼ばれる遺伝子チップは、固相担体の表面上に何百何千ものDNAプローブを固着するためにin situ合成またはマイクロスポッティングの技術を用いてつくり出される2次元DNAプローブ・マイクロアレイに関連する。そして、DNAプローブ・マイクロアレイは核酸ハイブリダイゼーションの原理に従ってラベリングされたサンプルとハイブリッド形成され、それにより、ハイブリダイゼーション信号を検出することによって、生物学的標本の検出および分析が急速に並行して効率的に達成される。これまで、遺伝子チップ技術は、分子生物学、医学研究その他において広く使われ、例えば、遺伝子発現、単一ヌクレオチド多型(SNP)、ゲノム研究、疾患診断および薬剤スクリーニング等の分野において応用の十分な可能性を示した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
遺伝子チップがサンプル分子の複数の迅速で並行した検出において顕著な優位性を示したが、遺伝子チップの実質的応用および普及を制限しているいくつかの障壁要因がある。重要な要因はテストされるサンプルがハイブリダイゼーションの前にラベリングされる必要があるということであり、そして、サンプルをラベリングするステップは退屈で、専門家によって操作されることを必要とする。ラベリングプロセスの間、逆転写酵素、ポリメラーゼ等が使われなければならない。ラベリング効率は比較的低く、プロセスは検出サイトで行われることができない。これらの要因の全ては、検出コストおよびオペレーションステップを増加させて、チップ技術の普及および実質的応用に不利である。本発明の目的は、現在のラベリング方法の一つ以上の欠点を克服して、生体分子のためのマルチターゲット・ユニバーサルタグの使い易くて迅速な検出方法を見つけることである。
【0004】
核酸二重らせんを安定させるための2つの主な要因があることはよく知られている。要因のうちの1つは、相補的塩基対との間に形成される水素結合であり、それは主に核酸二重らせんの横安定を維持する。もう一方は同じ核酸鎖にある隣接する塩基間の塩基スタッキングの効果であり、それは核酸二重らせんの縦安定を維持するための大きな要因である。2つの要因は、核酸二重らせんの安定を維持するために相乗的に機能し、水素結合の形成は塩基スタッキングに役立ち、その一方で、塩基スタッキングは水素結合の形成に役立つ。ロシアの国立科学院のアカデミー会員であるミルザベコフ(Mirzabekov)(故人)に率いられる研究チームは、系統的に研究して、塩基スタッキングハイブリダイゼーション(BSH)の理論を説明した(参考文献5〜9)。塩基スタッキングハイブリダイゼーションは、近接スタッキングハイブリダイゼーション(CSH)とも呼ばれ、短いオリゴヌクレオチド一本鎖が相補的DNA/RNA長鎖とハイブリッド形成するときに、形成された二本鎖構造は通常不安定であることに言及する。しかしながら、短いオリゴヌクレオチド一本鎖の近傍にある他のオリゴヌクレオチド一本鎖もまた相補的DNA/RNA長鎖とハイブリッド形成する場合、このような二本鎖構造の安定性は非常に増加する(図1)。上記の研究結果に基づいて、本発明は、生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルラベリング方法を提供する。
【0005】
本発明の説明
本発明の目的は、生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルタグを提供することである。
本発明の他の目的は、生体分子のマルチターゲット検出のためのプローブを提供することである。
本発明の他の目的は、生体分子のマルチターゲット検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルタグは、DNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)LNA(ロックド核酸)等のフラグメントであってもよい。ユニバーサルタグの長さは、3−20merの範囲で変化する。設計する際に、ユニバーサルタグの塩基配列は、できるだけテストされるサンプルとの相同性を有することを回避するためにテストされるサンプルのそれと比較されなければならない。
【0007】
本発明による生体分子のマルチターゲット検出のためのプローブが、3´末端から5´末端まで順番に、ターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的なヌクレオチド配列、およびユニバーサルタグと逆相補的なヌクレオチド配列、および固相担体の界面効果を減らすために3´末端上に任意に加えられるpoly(T)またはpoly(A)のフラグメントを含む。あるいは、プローブは、3´末端から5´末端まで順番に、ユニバーサルタグと逆相補的なヌクレオチド配列、ターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的なヌクレオチド配列、および固相担体の界面効果を減らすために5´末端上に任意に加えられるpoly(T)またはpoly(A)のフラグメントを含む。
【0008】
本発明によるプローブにおいて、末端基は、アミノ、チオール、カルボキシルまたはビオチン等である。
本発明による生体分子のマルチターゲット検出方法は次のステップを含む。
1)ユニバーサルタグを準備するステップであって、ユニバーサルタグは蛍光染料、量子ドット、金ナノ粒子、同位元素およびビオチン等のインジケータでラベリングされ、その結果、それらは蛍光顕微鏡、アレイスキャナ、銀染色着色方法、酵素反応着色方法などによって検出するのに適しているものである;
2)上述のプローブを準備するステップであって、第1に、プローブは検出されるターゲットに応じて設計され、プローブはターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的であるヌクレオチド配列のフラグメントに加えて、上述のユニバーサルタグと逆相補的なヌクレオチド配列のフラグメントを含み、プローブの末端は、固相担体と結び付けるために改質されるものである、
3)プローブを改質固相担体に結合させるステップ;
4)ユニバーサルタグおよび処理されたテストされるサンプルをハイブリダイゼーション溶液に溶解し、ユニバーサルタグおよびサンプルをプローブ配列とハイブリッド形成させるステップ、あるいは、プロセスは、2つのステップ、すなわち、テストされるサンプルをプローブとハイブリッド形成させ、サンプルを洗浄し、それからユニバーサルタグをプローブ配列とハイブリッド形成させるステップで実行することができる;
4)余分なサンプルおよび余分なユニバーサルタグを除去するために洗浄するステップ;
5)ハイブリダイゼーション信号を検出して、分析するステップ。
【0009】
本発明による方法において、検出される対象は、DNAおよびRNAだけでなく、タンパク質、サッカリド分子等を含む。
本発明による方法において、固相担体は、スライドガラス、プラスチック基板、シリコンウエハ、ミクロビーズまたは高分子膜等とすることができる。
本発明による方法において、固相担体は、ポリ−L−リジン、アルデヒド基、カルボキシルまたはチオール等によって改質されることができる。
【0010】
検出が本発明のユニバーサルタグおよびプローブを用いて実行されるときに、検出は、サンプルが得られた後ラベリングなしで直接実行されることができ、大幅にコストを減らして、その場で検出するのに有益である。実験手順は単純化され、操作が容易であるために、専門家でなくても操作することができるので、技術の普及に便利である。さらにまた、生体分子のマルチターゲット検出は、本発明のタグおよびプローブを用いて達成されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、塩基スタッキングハイブリダイゼーションを示す図解図である。
【図2】図2は、さまざまな臨床病原体の検出に使用するユニバーサルラベリング方法を示す図解図である。
【図3】図3は、miRNAプロフィールの分析に使用するユニバーサルラベリング方法を示す図解図である。
【図4】図4は、タンパク質ターゲットのマルチ検出に使用するユニバーサルラベリング方法を示す図解図である。
【図5】図5は、miRNAプロフィールの分析に使用するユニバーサルラベリング方法を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施例1
さまざまな臨床病原体の検出における本発明による方法の応用
肺炎の呼吸経路から得られる5つの病原体は、実施例1を示す(図2に示される)実施例として見なされる:K.pneumoniae、E.cloacae、P.aeruginosa、S.aureusおよびEnterococcus。使用されるプローブおよびユニバーサルタグは、表1に示される。
【0013】
【表1】

【0014】
1.5つの病原体の16SRNAは検出のターゲットとして選ばれ、5つのプローブがそれぞれ合成され、そこにおいて、プローブの5´末端はpoly(T)12であり、プローブの中央の配列のフラグメントはターゲット分子の一部と相補的であり、3´末端上の配列のフラグメントはユニバーサルタグと相補的であり、プローブの5´末端はアミノ基によって改質される;
2.ユニバーサルタグは合成されて、その5´末端上でフルオレセインによって改質される;
3.スライドガラスは、アルデヒド基質を準備するために、従来の化学的改良方法を用いて処理される;
4.プローブは、スポッティング緩衝液に溶解され、オリゴヌクレオチド配列はスポッティングによって準備される;
5.患者の呼吸経路からの分泌物は溶解するために加熱され、または、分泌物が細菌培養されたあと、細菌培養懸濁液は溶解するために加熱される。それから、溶解した物質はユニバーサルタグと共にハイブリダイゼーション溶液に溶かされて、プローブ配列とハイブリッド形成される;
6.余分なサンプルおよび余分なユニバーサルタグは、洗浄することによって除去される;
7.検出は蛍光顕微鏡またはアレイスキャナを用いて実行され、分析が実行される。
【0015】
塩基スタッキングハイブリダイゼーションの効果のため、完全に相補的なターゲット分子がプローブに結合した場合にだけ、ユニバーサルタグは確実にプローブに結合されることができる。ミスマッチターゲット分子がプローブに結合しとき、ユニバーサルタグとプローブとの間の結合は安定することができない。5つのプローブは、それぞれ、5つの病原体の16SRNAとハイブリッド形成される。このように、感染した病原体のタイプおよび内容は、臨床治療の薬剤を導くために特定されることができる。
【0016】
実施例2
miRNAプロフィールの分析における本発明による方法の応用
肝臓の組織から得られる4つのmiRNAは、(図3に示される)実施例2を示す実施例と見なされる:hsa−mir−194、hsa−mir−122、hsa−mir−148およびhsa−mir−192。使用されるプローブおよびユニバーサルタグは、表2に示される。
【0017】
【表2】

【0018】
1.上述の4つのmiRNAに対応するプローブは、miRNAライブラリに従って準備され、プローブの5´末端はpoly(A)10であり、プローブの中央の配列のフラグメントはmiRNAと相補的であり、3´末端上の配列のフラグメントはユニバーサルタグと相補的であり、プローブの5´末端はアミノ基によって改質される;
2.ユニバーサルタグは合成され、その5´末端上において金ナノ粒子によって改質される;
3.スライドガラスは、アルデヒド基質を準備するために、従来の化学的改良方法を用いて処理される;
4.プローブはスポッティング緩衝液に溶解され、オリゴヌクレオチド配列がスポッティングによって準備される;
5.サンプルが溶解されるかまたは全RNAが抽出され小さいRNA(sRNA)が分離されて濃縮されたあと、サンプルは、ユニバーサルタグとともに、ハイブリダイゼーション溶液に溶かされて、プローブとハイブリッド形成される;
6.余分なサンプルおよび余分なユニバーサルタグは、洗浄によって除去される;
7.銀共力剤が信号を強化するために加えられる;
8.信号は、miRNAの発現プロフィールを特定するために、平板スキャナを用いて検出され分析される。
【0019】
実施例3
タンパク質ターゲットに関する多重検出における本発明による方法の応用
アルファフェトプロテイン(AFP)、癌胚抗原(CEA)およびヒト血清から得られる全前立腺特異抗原(TPSA)は、実施例3を示す(図4に示される)実施例として見なされる。使用されるプローブ、バイオ・バーコードおよびユニバーサルタグは、表3に示される。
【0020】
【表3】

【0021】
1.検出される3つの抗原に対応する抗体は電磁ビーズに結合され、抗体に結合された電磁ビーズは試料溶液と反応し、抗原抗体複合体を形成する;
2.余分なサンプルは、磁気分離によって除去され、抗体およびバイオ・バーコード(検出される3つの抗原は、3つの異なるバーコード・ヌクレオチド配列に対応する)によって改質される金ナノ粒子は抗原抗体複合体と反応し、電磁ビーズ−抗原−金ナノ粒子の複合体を形成する;
3.余分な金ナノ粒子は磁気分離によって除去され、バイオ・バーコードはDTT溶液を用いて金ナノ粒子から切り離される;
4.切り離されたバイオ・バーコードおよびFAMでラベリングされたユニバーサルタグは、ハイブリダイゼーション溶液に溶解され、プローブ配列とハイブリッド形成される(プローブの3´末端はユニバーサルタグと相補的であり、プローブの中央の部分は対応するバイオ・バーコードと相補的であり、5´末端はpoly(T)10であって、5´末端がアルデヒド・スライドガラスに固定されるようにアミノ基によって改質される);
5.余分なユニバーサルタグは、洗浄によって除去される;
6.検出および分析は、血清サンプルの3つの抗原のタイプおよび内容を特定するために、蛍光顕微鏡またはアレイスキャナを用いて実行される。
【0022】
実施例4
高い特異性を有するmiRNAの分析における本発明による方法の応用
miRNA(図5に示される)のhsa−let−7ファミリーの4つのメンバーhsa−let−7b、hsa−let−7a、hsa−let−7fおよびhsa−let−7dは、実施例4を示す実施例と見なされ、使用されるプローブ、ユニバーサルタグおよびターゲットは、表4に示される。
【0023】
【表4】

【0024】
1.hsa−let−7b、hsa−let−7a、hsa−let−7fおよびhsa−let−7dに対応する4つのプローブは、それぞれ、miRNAライブラリに従って合成され、プローブの5´末端はpoly(A)10であり、プローブの中央の配列のフラグメントは関連のあるmiRNAと相補的であり、3´末端上の配列のフラグメントはユニバーサルタグと相補的であり、プローブの5´末端はアミノ基によって改質される;
2.ユニバーサルタグは合成され、5´末端はルシフェリンCy3によって改質される;
3.ターゲットT−let−7bが合成される;
4.アルデヒド・スライドガラスは、化学的改良法を用いて準備される;
5.プローブはスポッティング緩衝液に溶解され、4つのプローブのオリゴヌクレオチド配列は、スポッティング・プロセスによって準備される;
6.ターゲットT−let−7bおよびユニバーサルタグはハイブリダイゼーション溶液に溶解され、配列とハイブリッド形成される;
7.配列のスライドガラスは洗浄される;
8.スライドガラスは、スキャナで走査される;
9.本発明の方法が高い特異性を有して、2つ、3つまたは4つのミスマッチ塩基だけを有するターゲットを確認することが可能であることを示す結果となった。
【0025】
参照文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体分子のマルチターゲット検出のためのユニバーサルタグであって、
ユニバーサルタグは、DNA、RNA、ペプチド核酸またはLNAのフラグメントであり、
ユニバーサルタグは、長さが3−20merであることを特徴とする、ユニバーサルタグ。
【請求項2】
ユニバーサルタグは、蛍光染料、量子ドット、金ナノ粒子、同位元素および/またはビオチンを含むインジケータでラベリングされることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサルタグ。
【請求項3】
生体分子のマルチターゲット検出のためのプローブであって、
プローブは、3´末端から5´末端まで順番に、ターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的であるヌクレオチド配列、およびユニバーサルタグと逆相補的であるヌクレオチド配列を含むか、または、
プローブは、3´末端から5´末端まで順番に、ユニバーサルタグと逆相補的であるヌクレオチド配列、ターゲット分子またはターゲット分子の一部と逆相補的であるヌクレオチド配列を含み、
前記ユニバーサルタグは、DNA、RNA、ペプチド核酸またはLNAのフラグメントであって、長さが3−20merであることを特徴とする、プローブ。
【請求項4】
末端基は、アミノ、チオール、カルボキシルまたはビオチンであることを特徴とする、請求項3に記載のプローブ。
【請求項5】
生体分子のマルチターゲット検出方法であって、
1)請求項1にしたがってユニバーサルタグを準備するステップ;
2)請求項2にしたがってプローブを準備するステップ;
3)前記プローブを改質固相担体に結合させるステップ;
4)プローブ配列とハイブリッド形成するためにハイブリダイゼーション溶液に前記ユニバーサルタグおよびテストされるサンプルを溶解するか、または、最初に、テストされるサンプルを前記プローブとハイブリッド形成させ、次に、洗浄した後に前記ユニバーサルタグを前記プローブ配列とハイブリッド形成させるステップ;
5)余分なサンプルおよび余分なユニバーサルタグを除去するために洗浄するステップ;
6)ハイブリダイゼーション信号を検出して分析するステップ、
を含むことを特徴とする、生体分子のマルチターゲット検出方法。
【請求項6】
固相担体は、スライドガラス、プラスチック基板、シリコンのスライス、ミクロビーズまたは高分子膜であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
固相担体がエポキシ基、アミノ、ポリ−L−リジン、アルデヒド基、カルボキシル、またはチオールによって改質されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
検出方法で検出される対象が、DNA、RNA、タンパク質および/またはサッカリドの分子であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−524526(P2012−524526A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506311(P2012−506311)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/CN2010/000541
【国際公開番号】WO2010/127550
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511257193)中国科学院蘇州ナノテク・ナノバイオニクス研究所 (1)
【Fターム(参考)】