説明

生体情報モニタ時刻設定装置

【課題】 簡単に時刻を合わせることができる生体情報モニタ時刻設定装置を提供する。
【解決手段】 ネットワークコネクタ26,コネクタ25c,18c,イーサネット・コントローラ19を経由して外部の病院内ネットワークから現在時刻をRTC11dで取得してCPU11で管理し、操作を受けて、管理されている現在時刻を赤外LED15,トランジスタ15b,赤外フィルタ15aを介して赤外光に変換してベッドサイドモニタに向けて投光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報モニタの時刻を設定する生体情報モニタ時刻設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、患者の体温、脈拍、血圧等の生体情報を測定するためのベッドサイドモニタ、およびそのベッドサイドモニタから送信された生体情報を受信して管理するセントラルモニタが混在する病院内ネットワークシステムが知られている。
【0003】
図20は、従来の病院内ネットワークシステムの構成を示す図である。
【0004】
図20に示す病院内ネットワークシステムには、基地局となるセントラルモニタ101および他のセントラルモニタ102と、患者の生体情報を測定するためのベッドサイドモニタ103,104,105とが備えられている。これらセントラルモニタ101,102とベッドサイドモニタ103,104,105は、ネットワーク100を介して接続されている。ここで、基地局となるセントラルモニタ101がシステム全体の時刻を管理しており、他のセントラルモニタ102やベッドサイドモニタ103,104,105は、セントラルモニタ101から時刻情報をもらって自分自身の時計を合わせるようになっている。仮に、システム内のベッドサイドモニタにおいて時刻を変更しようとしても、強制的にセントラルモニタ101の時刻に戻されてしまう。そうしないとトレンド情報など時系列的に処理される情報について整合が取れなくなるおそれがあるからである。
【0005】
このような病院内ネットワークシステムとして、例えば、無線通信網を介して外部機器と情報の送受信を行なう通信装置と、その通信装置と着脱自在に構成され離脱した状態で生体情報を測定する生体測定装置とを備えた病院内ネットワークシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、生体情報を測定する複数のセンサと、これら複数のセンサとネットワークを介して接続され複数のセンサそれぞれの個体差による特性および内部時計の時刻差を補正するデータ管理装置とを備えた病院内ネットワークシステムが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−330930号公報
【特許文献2】特開2005−7154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、病院内ネットワークシステムには、有線接続され双方向通信可能な機器ばかりでなく、例えばセントラルモニタヘの片方向通信しかできないベッドサイドモニタも存在しており、このようなベッドサイドモニタではテレメータにてセントラルモニタに患者の生体情報を送っているものが多い。この場合は、セントラルモニタから当該ベッドサイドモニタに対して時刻情報を送る手段がないため互いの時刻を合わせることができない。ベッドサイドモニタでは、患者の血圧値を身体の外部から間接的に測定する非観血式の血圧測定方法による非観血血圧などのトレンド情報などは自分自身の内蔵時計に基づいて送信するが、セントラルモニタとの時刻情報が大きく異なる場合、仮にベッドサイドモニタの時刻を採用すれば他の機器との整合性が取れなくなり患者の容態を的確に把握できない可能性も出てくる。
【0008】
一方、セントラルモニタの時刻を採用すればその心配はないものの、ベッドサイドモニタの時刻とは異なったままであり、セントラルモニタとベッドサイドモニタとで同じトレンド情報を印字出力しても、それが同一のデータかどうかを判別するのは容易ではない。
【0009】
また、一般に、病院内ネットワークシステムにおける機器が有する内蔵時計の精度はさほどよいものではないので、何ヶ月も経つうちにこのように時刻情報がモニタごとに異なってくるのはべつだん珍しいことではない。医療スタッフの機器に対する知識が少なかったり、時計合わせのメニューが深い階層にある機種では時計が合わせられることもなく放置されてしまい、上述のようなことが頻繁に起こり得るという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、簡単に時刻を合わせることができる生体情報モニタ時刻設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の生体情報モニタ時刻設定装置は、
外部から現在時刻を取得する時刻取得部と、
上記時刻取得部で取得した現在時刻の設定を受けて、その設定に引き続き、自律的に現在時刻を管理する時刻管理部と、
操作を受けて、上記時刻管理部で管理されている現在時刻を、患者の生体情報を検出するベッドサイドモニタに向けて送信する時刻送信部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の生体情報モニタ時刻設定装置は、外部から現在時刻を取得して自律的に管理し、操作を受けて管理されている現在時刻を、患者の生体情報を検出するベッドサイドモニタに向けて送信するものである。このため、例えば、本発明の生体情報モニタ時刻設定装置で外部のネットワークから現在時刻を取得してベッドサイドモニタに向けて送信することにより、そのネットワークに接続されたセントラルモニタと上記ベッドサイドモニタとの間で簡単に時刻を合わせることができる。従って、セントラルモニタとベッドサイドモニタとの時刻情報が大きく異なることが防止され、あるベッドサイドモニタのみの時刻を採用する場合と比較し、他の機器との整合性が取れずに患者の容態を的確に把握することができないという問題を解消することができる。また、セントラルモニタのみの時刻を採用する場合と比較し、セントラルモニタとベッドサイドモニタとの間で、ある時刻におけるデータが同一か否かを判別するのが困難であるという問題を解消することができる。
【0013】
ここで、上記時刻取得部が、現在時刻を、上記ベッドサイドモニタおよびそのベッドサイドモニタから患者の生体情報の送信を受けて患者の生体情報を管理するセントラルモニタを含む病院内システムから取得するものであることが好ましい。
【0014】
このように、ベッドサイドモニタおよびセントラルモニタを含む病院内システムから現在時刻を取得すると、その病院内システムを構成するセントラルモニタとベッドサイドモニタとの間で簡単に且つ精度よく時刻を合わせることができる。
【0015】
また、上記時刻取得部が、現在時刻を、標準時報局から取得するものであることも好ましい態様である。
【0016】
このようにすると、現在時刻を日本標準時の時刻にすることができる。
【0017】
さらに、上記時刻送信部は、この生体情報モニタ時刻設定装置に対する、現在時刻送信以外の他の所定の処理を指示する操作を受けて、該他の所定の処理を実行するとともに、上記ベッドサイドモニタに向けて現在時刻を送信するものであることも好ましい。
【0018】
このように、現在時刻を他の所定の処理とともに送信すると、現在時刻のみを別途送信する場合と比較し、操作者の手間を削減することができる。
【0019】
また、上記時刻送信部は、現在時刻を、前記ベッドサイドモニタに向けて、赤外線通信により送信するものであってもよい。
【0020】
さらに、上記時刻送信部は、現在時刻を、上記ベッドサイドモニタに向けて、超音波通信により送信するものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の生体情報モニタ時刻設定装置によれば、簡単に時刻を合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置および充電器の回路ブロック図である。
【0024】
図1には、本発明の第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置10と、この生体情報モニタ時刻設定装置10に接続された充電器20とが示されている。
【0025】
生体情報モニタ時刻設定装置10には、CPU11が備えられている。このCPU11は、この生体情報モニタ時刻設定装置10の動作を統括する。このCPU11には、リード・オンリ・メモリ(以下ROMとる略記する)11aと、ランダム・アクセス・メモリ(以下RAMと略記する)11bと、液晶ドライバ(LCDr)11cと、リアルタイムクロック(以下RTCと略記する)11dと、タイマ(TIMER)11fとが備えられている。また、生体情報モニタ時刻設定装置10には、バックアップ電池11eと、液晶パネル(LCD)12とが備えられている。
【0026】
ROM11aは、後述するプログラムおよびデータを有する。
【0027】
RAM11bは、演算や変数の一次記憶に用いられる。
【0028】
液晶ドライバ11cは、液晶パネル12を駆動する。
【0029】
RTC11dは、読み書き可能な時刻情報を保持するものであり、この時刻情報はバックアップ電池11eによってバックアップされる。また、このRTC11dは、本発明にいう時刻取得部の一例に相当し、後述するようにして外部から現在時刻を取得する。さらに、CPU11は、本発明にいう時刻管理部を担うものであり、RTC11dで取得した現在時刻の設定を受けて、その設定に引き続き、自律的に現在時刻を管理する。
【0030】
タイマ11fは、時間の計測に用いられる。
【0031】
液晶パネル12は、後述する時刻情報を表示する。
【0032】
また、生体情報モニタ時刻設定装置10には、3.57MHzの周波数を有するシステムクロックをCPU11に供給する発振器11gと、後述する時制やアラームの設定などの時計機能の設定のためにユーザが指で操作するスイッチ13a,13b,13cが備えられている。尚、スイッチ13aは、この生体情報モニタ時刻設定装置10を後述するリモコンとして使用する場合に赤外LED15の投光のトリガ信号を発生するためにも使用される。
【0033】
さらに、生体情報モニタ時刻設定装置10には、CPU11が暴走したときにユーザがリセットをかけるためのマニュアルリセットスイッチとして使用されるスイッチ13dも備えられている。
【0034】
また、生体情報モニタ時刻設定装置10には、あらかじめセットされた時計のアラームを音声で報知するブザー14と、あらかじめエンコードされたコマンドおよびデータを赤外光に変換して赤外フィルタ15aを介して投光する赤外LED15と、その赤外LED15を適切な電流で駆動するトランジスタ15bと、初期値を設定するための4連スイッチであるディップスイッチ16とが備えられている。これら赤外LED15,赤外フィルタ15a,トランジスタ15bが、本発明にいう時刻送信部の一例に相当する。
【0035】
さらに、生体情報モニタ時刻設定装置10には、3セルのニッケル水素電池である充電池17が備えられている。この充電池17は、外部電源入力端子18a,18bを経由して後述する充電器20から充電されるとともに、この生体情報モニタ時刻設定装置10が充電器20から取り外されたときに前述のCPU11,液晶パネル12、赤外LED15などに対して約3.6Vの電源を供給する。
【0036】
また、生体情報モニタ時刻設定装置10には、後述する充電器20と接続されたか否かを検出するとともに病院内のネットワーク(イーサネット:登録商標)からの信号を伝送するコネクタ18c、およびそのコネクタ18cを経由して病院内のネットワークと通信するためのイーサネット(登録商標)・コントローラ19が備えられている。
【0037】
次に、充電器20の構成について説明する。充電器20には、外部電源から電源ケーブル21を介して交流電源が供給される。この充電器20では、この交流電源をブリッジIC22で整流した後、トランス23で降圧し、不図示の平滑回路を通じてレギュレータ24で約4Vの直流電圧を出力する。
【0038】
また、充電器20を構成するコネクタ25a,25bは、前述した生体情報モニタ時刻設定装置10の外部電源入力端子18a,18bと接触し、上記直流電圧を生体情報モニタ時刻設定装置10に供給し、またコネクタ25cはネットワークコネクタ26とともに外部の病院内ネットワークと生体情報モニタ時刻設定装置10との間でネットワーク情報のやり取りを行なうためのものである。
【0039】
図2は、図1に示す生体情報モニタ時刻設定装置の外観図である。
【0040】
図2(a),図2(b),図2(c),図2(d)には、生体情報モニタ時刻設定装置10の正面図,上面図,背面図,下面図が示されている。
【0041】
この生体情報モニタ時刻設定装置10は、図2(a)に示すように、外筐に液晶パネル12がはめ込まれている。この液晶パネル12は、シンボル12a〜12mを有する。詳細には、ネットワークシンボル12a、投光シンボル12b、アラーム1シンボル12c、アラーム2シンボル12d、AMシンボル12e、PMシンボル12f、年シンボル12g、月シンボル12h、日シンボル12i、曜日シンボル12j、時シンボル12k、分シンボル12l、および秒シンボル12mである。1つのシンボルは1つ以上のセグメントからなり、セグメントを組み合わせることにより目的の表示を実現している。
【0042】
ネットワークシンボル12aは、病院内のネットワークとの接続状態を表示するもので、正常に通信していれば点灯し、通信が確立していない場合は点滅する。
【0043】
投光シンボル12bは、赤外LED15が発光しているときに点灯する。
【0044】
アラーム1シンボル12cとアラーム2シンボル12dは、通常の時計としてのアラー一ムが設定されているときに点灯し、またAMシンボル12eとPMシンボル12fは、時刻が12時制に設定されているときにいずれかが点灯する。
【0045】
年シンボル12g〜秒シンボル12mは、現在の日時および曜日を表示する。
【0046】
また、図2(b)に示すように、生体情報モニタ時刻設定装置10の上面には、スイッチ13a,13b,13cと、時計のアラームを知らせるためのブザーの鳴動孔14aが並んで設けられている。
【0047】
さらに、図2(c)に示すように、生体情報モニタ時刻設定装置10の背面には、ネジ止めされたディップスイッチ蓋16aと、電池蓋17aとが備えられている。また、図2(d)に示すように、生体情報モニタ時刻設定装置10の下面には、外部電源入力端子18a,18bと、この生体情報モニタ時刻設定装置10が充電器20に接続されたことを検出するとともに病院内のネットワークからの信号を伝送するコネクタ18cとが並んで設けられている。
【0048】
図3は、図1に示す充電器の外観を示す図である。
【0049】
図3に示す充電器20には、外部から電源ケーブル21を介して電源を入力し、前述したブリッジIC22,トランス23,レギュレータ24からなる内部回路によって約4Vの直流電圧を出力して生体情報モニタ時刻設定装置10の外部電源入力端子18a,18bに供給するためのコネクタ25a,25bと、上述したコネクタ18cと接続されるコネクタ25cとが並んで設けられている。コネクタ25cには、7本のピンが並んで設けられており、中央のピンにて生体情報モニタ時刻設定装置10と充電器20との接続の検出を行ない、他の6つのピンは病院内のネットワークを介して基地局との通信を行ない時刻を取得する。
【0050】
図4は、図2に示す生体情報モニタ時刻設定装置が充電器にセットされた状態を示す図である。
【0051】
充電器20は、電源ケーブル21を介して交流電源に接続され、生体情報モニタ時刻設定装置10に電源を供給し、その生体情報モニタ時刻設定装置10を構成するCPU11を含む内部回路を動作させつつ充電池17を充電する。生体情報モニタ時刻設定装置10の底面には、リセットスイッチ13d(図2参照)が見えており、CPU11が暴走したときにはボールペンの先などで押してリセットをかけられるようになっている。
【0052】
図5は、図4に示す生体情報モニタ時刻設定装置を使って赤外線受光部を持つ2台のベッドサイドモニタに時刻情報を赤外線で投光する様子を示した図である。
【0053】
図5には、生体情報モニタ時刻設定装置10と2台のベッドサイドモニタ30,49が示されている。生体情報モニタ時刻設定装置10のスイッチ13aを押すと赤外LED15(図1参照)が発光し、このとき同時に投光シンボル12bが点灯して投光を知らせる。ここで2台のベッドサイドモニタ30,49は、相互の状態に無関係に受信し、時刻の補正を行なう。ここで、ベッドサイドモニタ30の構成について、図5および図6を参照して説明する。
【0054】
図6は、ベッドサイドモニタ30のブロック図である。
【0055】
図6に示すベッドサイドモニタ30を構成するCPU31は、このベッドサイドモニタ30の動作を統括する。また、デジタル基板30aには、CPU31を含む後述する機能ブロックが搭載されている。このCPU31は、ROM31a,RAM31b,RTC31cを有する。ROM31aは後述するプログラムおよびデータを保持し、RAM31bは演算や変数の一次記憶に使われる。また、RTC31cは読み書き可能な時刻情報を保持している。
【0056】
さらに、デジタル基板30aに搭載された発振器31dは、6MHzの周波数を有するシステムクロックをCPU31に供給する。また、ディップスイッチ31eはベッドサイドモニタ30の初期設定を変更するスイッチであり、その状態が起動時に一度だけ読み込まれる。
【0057】
また、ベッドサイドモニタ30を構成する液晶ドライバ(LCDr)32は、図5にも示す液晶パネル(LCD)32aを駆動する。さらに、メンブレンスイッチ33は、図5に示すように筐体前面に配置されユーザが指で操作するスイッチである。また、ブザー34は操作の誤りや内部エラーを知らせるためのものである。さらに、アラームランプドライバ35は、患者パラメータが所定値を逸脱したときやケーブル、コネクタなどが抜けるなどのアラーム条件が成立したときにアラームランプ35aを点灯する。
【0058】
また、テレメータ送信ユニット36は、患者情報をアンテナ36aを介してデジタル通信で不図示のセントラルモニタに送信する。さらに、外部入出力ドライバ37は、デジタル基板30a上で絶縁された電源によって動作し、レベル変換を行ないつつ接続端子37aを経由して外部機器との通信を可能にする。
【0059】
また、リモコン受信ユニット38は、約38kHzのバンドパスフィルタを内蔵し、このフィルタを通過可能なパルス光にのみ反応して出力をCPU31に渡す。さらに、ICカードドライバ39は、ICカードスロット39aに挿入されたICカードに対し読み書きを行なうものであり、プログラムのバージョンアップ、あるいは波形や患者情報、機器情報の書き出しを行なう。
【0060】
また、図5にも示す接続端子41a,42aを有する酸素飽和度(SpO2)処理回路41,心電図(ECG)処理回路42、およびインピーダンス呼吸(Resp)処理回路43は、除細動器などの発生する高圧パルスなどに耐えられるように機器の他の部分から強力に絶縁されたアナログ基板40上に形成されている。さらに、非観血血圧(NIBP)ユニット44は、図示しないポンプと圧カセンサおよびその処理回路を有し、ジョイント44aに接続された不図示のカフから得た非観血血圧出力をCPU31に送信する。
【0061】
また、電源回路45は、電源ケーブル46を介して入力された電源を内部の回路に供給するための多出力の電源であり、さらに充電回路47を介してバッテリ48を充電する。
【0062】
ベッドサイドモニタ30に外部電源がつながれていないときには、このベッドサイドモニタ30はバッテリ48の電力で動作し、外部電源がつながれているときは電源回路45の出力で動作すると同時にバッテリ48を充電する。
【0063】
尚、図5に示すベッドサイドモニタ49は、患者接続部が側面にあるだけで他の構造および動作はベッドサイドモニタ30とほぼ同一なため説明は割愛する。
【0064】
図7は、第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置における投光波形および受光波形を示す図、図8は、第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置における時刻情報の出力フォーマットを示す図である。
【0065】
第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置10における時刻情報の出力フォーマットは、いわゆる家電製品協会フォーマットである。家電製品協会フォーマットとは、図8に示すように、リーダ、カスタムコード(会社情報などを含む固定パルス列)、パリティ、データコード、データ、トレーラの6つの部分からなるフォーマットで、図面の制約上3段になっているが実際には連続したパルス列である。ここで、リーダは太陽光などの定常的な赤外線源とリモコン出力を区別するために存在し、「H」レベルが940ミリ秒、「L」レベルが470ミリ秒の計1410ミリ秒に固定されており、カスタムコードは会社情報などを含む固定パルス列であり、トレーラは「L」レベルを8460ミリ秒続けることで送信の終了を受信側に伝える働きをする。パリティとデータコードはそのときどきで変化するおのおの4ビットの情報である。データは時刻情報を含む6つの部分からなり、「年」は6ビット長で西暦年数から2000を引いた数すなわち00〜63、「月」は4ビット長で1〜12、「日」は5ビット長で1〜31、「時」は5ビット長で0〜23、「分」は6ビット長で0〜59、「秒」は6ビット長で0〜59の値をそれぞれ取るものとし、合計32ビットである。
【0066】
この図8に示すように、家電製品協会フォーマットにおいてはパルス位置変調(以下PPMと略記する)によってディジタル値を伝える。論理は正論理、各時刻情報はMSBから順に送信し、搬送波の周波数(バースト周波数)は37.9kHz、搬送波のデューティは50%である。ここで、図7に示す投光波形は、実際に赤外LED15(図1参照)の発光する波形であり、CPU11がトランジスタ15bをドライブするのはこれを反転した波形である。また、受光波形は、受光側の機器、例えばベッドサイドモニタ30に内蔵されたリモコン受信ユニット38が受光した波形をCPU31に対して出力する波形である。CPU31はこの波形をいったんRAM31b上に確保したリングバッファに格納し、受信終了後に解析して年・月・日・時・分・秒の6つのデータを算出し、RTC31cにセットする。
【0067】
図9は、第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置のメインルーチンのフローチャートを示す図である。
【0068】
第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置10が充電器20にセットされた状態でリセットスイッチ13dを押すとハードウェアリセットがかかりメインルーチンが起動する。最初に各種の回路やメモリ領域の初期化を行ない(ステップS101)、次いでRTClldから時刻情報を読み出す(ステップS102)。RTC11dは専用の電池11eでバックアップされてはいるが、工場出荷時に合わせたままの状態なので初めて使う場合はかなり狂っていることが予想される。続いてRTC11dから読み出した時刻を表示する。時刻の更新は1秒ごとに発生するCPU11内部の割り込み処理で自動的に行なわれる(ステップS103)。
【0069】
次に、病院内のネットワークを通じて基地局から時刻情報の受信を試みる(ステップS104)。ネットワークケーブルが外れている、あるいは病院内のネットワークに障害が生じているなどの理由で受信が正常に行なわれなければ(ステップS105)、ネットワークシンボル12aを点滅し(ステップS106)、次の受信予定時刻、ここでは正時(00分)まで待機し(ステップS107)、再びステップS104に戻って受信を試みる。ステップS105において、データが受信されてデコードした結果、正常なデータが得られた場合には、ネットワーク(LAN)シンボル12aを点灯し(ステップSI08)、RTCIldに受信した時刻をセットしたうえで(ステップS109)、受信した時刻を表示する(ステップS110)。
【0070】
次に、アラーム1が有効でかつ現在時刻がアラーム1の設定時刻を過ぎているかどうかを確認し(ステップS111)、もし過ぎていなければさらにアラーム2が有効でかつ現在時刻がアラーム2の設定時刻を過ぎているかどうかを確認する(ステップS112)。アラーム1とアラーム2のいずれかの設定時刻を過ぎていればブザー14を「ピピピピピピピピ…」という連続音で鳴動させる(ステップS113)。さらに、次の受信予定時刻まで待機し(ステップS114)、再びステップS104に戻って受信を行なう。ステップS105にて正常に受信できた場合はRTC11dの狂いはわずかであり、1日1回程度の受信でよい。また正常に受信できなくても、後述のように手作業で時計を合わせることができる。
【0071】
図10は、スイッチによる割り込みルーチンのフローチャートを示す図である。
【0072】
スイッチ13a,13b,13cのいずれかが押されるか、あるいは生体情報モニタ時刻設定装置10が充電器20から取り外されコネクタ18cとコネクタ25cが解放されるとレベル変化割り込みがかかり、この割り込みルーチンに入る。
【0073】
先ず、スイッチからのチャタリングの処理等を行なったのち、どのスイッチが押下されたかの判定を行なう(ステップS201)。ここで、スイッチ13aが押下されていると判定された場合はステップS202に進み、次いでモード設定のサブルーチンに入る(ステップS203)。モード設定の方法については後述する。所望のモードに設定されたらこのルーチンを抜ける。また、ステップS201でスイッチ13bが押下されていると判定された場合はステップS204に進み、時計のアラーム1あるいはアラーム2の設定時刻に達したためにブザー14が連続音で鳴っているものと判定し、ブザー14の鳴動を停止したのち(ステップS205)、このルーチンを抜ける。
【0074】
また、ステップS201でスイッチ13cが押下されていると判定された場合は、ステップS206に進み、押されている間だけ時計のアラーム1とアラーム2の設定時刻を2秒おきに交互に表示し(ステップS207)、スイッチ13cが解放されるまで続ける(ステップS208)。スイッチ13cが解放されたらこのルーチンを抜ける。
【0075】
また、ステップS201でコネクタ18cが充電器20のコネクタ25cから解放されていると判定された場合はステップS209に進み、CPU11は演算に必要な変数領域やタイマ11fの初期化を行なった後にタイマ11fをスタートし(S210)、スイッチ13aが押下されたら(ステップS211)、現在の時刻をRTClldから読み出し(ステップS212)、エンコードして送信パルスデータを作成し(ステップS213)、投光シンボル12bを点灯させ赤外LED15を駆動して投光する(ステップS214)。投光動作はスイッチ13aが解放されるまで繰り返し続けられる(ステップS215)。ステップS215においてスイッチ13aが解放されるか、あるいはステップS211でスイッチ13aが押下されていない場合はステップS216に進む。ステップS216では、コネクタ18cの状態を確認する。ここで、充電器20のコネクタ25cと接触していれば、タイマ11fのストップやメモリ領域の開放などの終了処理をして(ステップS220)、このルーチンを抜ける。
【0076】
一方、生体情報モニタ時刻設定装置10が充電器20にセットされていないと判定された場合はステップS217に進む。ステップS217では、タイマ11fの値を確認してコネクタ18cの解放から30分以上経過しているかどうかを判定し、もし経過していればスイッチ13bの状態を確認して(ステップS218)、スイッチ13bが押されていなければ生体情報モニタ時刻設定装置10が放置されているものと判定してビープ音を鳴らし続け(ステップS219)、ステップS218に戻る。一方、スイッチ13bが押されていればステップS220において終了処理を実行することによりビープ音を停止して、このルーチンを抜ける。
【0077】
図11は、モード設定の状態遷移図である。
【0078】
図10に示すステップS203におけるモード設定の説明にあたり、フローチャートでは説明が煩雑になるため、ここでは遷移図の形で示す。
【0079】
図11(a)に示すように、通常モードすなわち生体情報モニタ時刻設定装置10が充電器20にセットされて時計を表示している状態からスイッチ13aが押されると、時刻設定モードに入り年シンボル12gが0.5秒周期で点滅する。さらにスイッチ13aが押されるたびに、アラーム1設定モード、アラーム2設定モード、時制設定モードヘと遷移し、もう一度スイッチ13aが押されると時刻設定モードに戻り、上記を繰り返す。ただし、このモード間の遷移はスイッチ13aのみが押され続けている場合にのみ有効であり、スイッチ13bやスイッチ13cが一度でも押されてしまうとそのモードに入ってしまう。また、各モードから他のモードヘの遷移はできない。各モードから通常モードヘの復帰は、スイッチ13aを押して修正を確定して復帰させるか、あるいは10秒間何も押さずに修正を破棄して復帰させるかのいずれかとなる。
【0080】
時刻設定モードに入ると、今度はスイッチ13bが押されるたびに月シンボル12h、日シンボル12i、時シンボル12k、分シンボル12lがそれぞれ0.5秒周期で点滅し、もういちどスイッチ13bが押されると再び年シンボル12gが点滅する。点滅しているシンボルは値の変更が可能である。いずれかのシンボルが点滅しているときにスイッチ13cを押すと、そのシンボルの値に1が加えられる。たとえば年シンボル12gが34のときは35になり、年の上限値63のときは00となる。日は月の値によって、時は時制によって上限値が変わることは言うまでもない。スイッチ13bおよびスイッチ13cによって所望の年月日時分に設定したのちスイッチ13aを押すと、その年月日時分で秒が0の時刻にセットされ、通常モードに戻る。
【0081】
アラーム1設定モードに入るとまずアラーム1シンボル12cと時シンボル12kが点滅し、スイッチ13bが押されるたぴに分シンボル12lがそれぞれ0.5秒周期で点滅し、もういちどスイッチ13bが押されると再び時シンボル12kが点滅する。いずれかのシンボルが点滅しているときにスイッチ13cを押すと、そのシンボルの値に1が加えられる。たとえば分シンボル12lが34のときは35になり、分の上限値59のときは00となる。時は時制によって上限値が変わることは言うまでもない。スイッチ13bおよびスイッチ13cによって所望の時分に設定したのちスイッチ13aを押すと、その時分がRAM11b上のアラーム1記憶領域にセットされ、アラーム1シンボル12cが点灯し通常モードに戻る。
【0082】
アラーム2設定モードは、アラーム1シンボル12cの代わりにアラーム2シンボル12dが点滅すること以外は、アラーム1設定モードと同じ動作のため説明は割愛する。アラーム2が設定されるとその時分がRAM11b上のアラーム2記憶領域にセットされ、アラーム2シンボル12dが点灯し通常モードに戻る。
【0083】
時制設定モードでは、12時制と24時制の切り替えが行なわれる。このモードに入ると、まず現在の時制で時シンボル12k、分シンボル12l、秒シンボル12mがそれぞれ0.5秒周期で点滅する。12時制であればAMシンボル12eまたはPMシンボル12fのいずれかが現在の時刻に合わせて点滅し、24時制であればAMシンボル12eとPMシンボル12fを両方とも消灯して現在の時刻を24時制で点滅表示する。スイッチ13bを押すたびにいずれかの時制に切り替わり、所望の時制に設定したのちスイッチ13aを押すと、その時分がRAM11b上の時制記憶領域にセットされ、通常モードに戻る。
【0084】
尚、図11(b)に示すように、通常モードにおいてアラーム1またはアラーム2で設定した時刻になるとブザー14が「ピピピピピピピピ…」という連続音で鳴動し、これを止めるにはスイッチ13bを押す。また図11(c)に示すように、通常モードにおいてスイッチ13cを押している間だけ、アラーム1とアラーム2の設定時刻が2秒周期で交互に表示される。アラームが設定されていないときは時シンボル12k、分シンボル12l、秒シンボル12mがいずれも「――」表示になり、アラームが設定されていないことが一目でわかるようになっている。
【0085】
図12は、ベッドサイドモニタのリモコン割り込みルーチンのフローチャートを示す図である。
【0086】
このルーチンは、ベッドサイドモニタ30に内蔵されたリモコン受信ユニット38の出力が「H」レベルになったときに割り込みで起動される。このルーチンに入ると、まずCPU31は変数の初期化を行ない(ステップS301)、リーダ部分の受信を開始する。リーダ部分が正常に受信できたかどうかを確認し(ステップS302)、受信できていればリングバッファを動作させ(ステップS303)、データの受信を開始する。尚、リーダ部分が正常に受信できていなければ、日光などの外来光が一時的に入射したものと判定し、終了処理に移って(ステップS308)、このルーチンを抜ける。
【0087】
次に、RAM31b上にあらかじめ確保されたリングバッファに受信したデータを受信したのち、正常に受信できたかどうかを確認し、さらにトレーラ部分が正常に受信できたかどうかを確認し(ステップS304)、受信できていればリングバッファを停止して(ステップS305)、その内容を解析する(ステップS306)。その結果、正しい時刻データが得られればその値をRTC31cにセットし(ステップS307)、終了処理をしたのち(ステップS308)、このルーチンを抜ける。尚、不正な時刻データであればRTC31cに書き込むことなく終了処理に入り(ステップS308)、このルーチンを抜ける。このルーチンにより、いちいちメニューを開かなくてもRTC31cは正しい日時にセットされる。
【0088】
次に、本発明の生体情報モニタ時刻設定装置の第2実施形態について説明する。
【0089】
図13は、本発明の第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置の回路ブロック図である。
【0090】
図13に示す生体情報モニタ時刻設定装置50は、図1に示す生体情報モニタ時刻設定装置10とほとんど同じなので詳細な説明は省略するが、生体情報モニタ時刻設定装置10と異なる点は、まず送信媒体が赤外線から超音波になっているので、赤外LED15と赤外フィルタ15aと、トランジスタ15bとが削除され、本発明にいう時刻送信部の他の一例である超音波送信ユニット駆動回路55および超音波送信ユニット55aに変更になっているのと、時刻情報の取得が病院内のネットワークを介してではなく日本標準時(長波JJY)となるためネットワークコネクタ18c、イーサネット(登録商標)・コントローラ19が長波受信ユニット59とアンテナ59aとに変更になっている。さらに、電池が二次電池から一次電池に変更されている。このため、外部からの電源供給が不要である。具体的には、二次電池である充電池17および外部電源入力端子18a,18bが削除され、一次電池57のみになっている。また、病院内のネットワーク(イーサネット:登録商標)からの信号を伝送する電気的な接点であるコネクタ18cではなく、抵抗素子でプルアップされたマイクロスイッチ58となっている。このマイクロスイッチ58は、2つの接点58aを有し、後述するスタンド50aが閉じられると2つの接点58aどうしが接触する。
【0091】
図14は、図13に示す生体情報モニタ時刻設定装置の外観図である。
【0092】
図14(a),図14(b),図14(c),図14(d)には、生体情報モニタ時刻設定装置50の正面図,上面図,背面図,下面図が示されている。
【0093】
尚、この生体情報モニタ時刻設定装置50の外観図も、前述した図2に示す生体情報モニタ時刻設定装置10の外観とほとんど同じなので詳細な説明は省略するが、異なる点だけ述べると、まず送信媒体の変更により赤外フィルタ15aが削除され、図14(c)に示す超音波送信ユニット55aになっている。また一次電池57を使用しているため、下部の外部電源入力端子18a,18bの代わりに図14(c)に示すマイクロスイッチ(接触検出スイッチ)58だけが存在している。外部からの電源供給や入出力がなくなったため充電器20に相当する機器は不要となり、その代わりスタンド50aが追加されている。
【0094】
図15は、図14に示す生体情報モニタ時刻設定装置を、スタンドを開いて設置したときの外観を示す図である。
【0095】
生体情報モニタ時刻設定装置50は、図15に示すように、スタンド50aを開いて設置することができ、また前述した生体情報モニタ時刻設定装置10とは異なり単独で機能するため、ネットワークケーブルや電源ケーブルなどのケーブル類などはいっさい接続されない。
【0096】
図16は、図15に示す生体情報モニタ時刻設定装置を使って超音波受光部を持つベッドサイドモニタに時刻情報を超音波で送信する様子を示した図である。
【0097】
尚、図16に示すベッドサイドモニタ70は、前述した図5に示すベッドサイドモニタ30と比較し、リモコン受信ユニット38が超音波受信ユニット78に置き換えられている点が異なっている。
【0098】
看護師がスタンド50aをたたむと超音波送信ユニット55aを介して現在時刻情報をパルス変調した超音波が定期的に出力され、白衣のポケットなどに生体情報モニタ時刻設定装置50の超音波送信ユニット55aの送信孔を外側に向けて忍ばせたままベッドサイドモニタ70に近づくと、超音波送信ユニット55aから発せられた超音波を近傍のベッドサイドモニタ70の超音波受信ユニット78が受信して信号処理を施し、内部のCPUで時刻を変更する。
【0099】
図17は、図16に示すベッドサイドモニタのブロック図である。
【0100】
前述した図6に示すベッドサイドモニタ30とほとんど変わるところはないが、リモコン受信ユニット38が、超音波センサ78aとアンプ78bからなる超音波受信ユニット78に変更されている。アンプ78bは約25kHzのバンドパスフィルタを内蔵し、超音波センサ78aを通じて得られた超音波をフィルタリングしたうえで増幅しCPU71に出力する。
【0101】
図18は、第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置のメインルーチンのフローチャートを示す図である。
【0102】
第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置50のリセットスイッチ53d(図13参照)を押すとハードウェアリセットがかかりメインルーチンが起動する。最初に各種の回路やメモリ領域の初期化を行ない(ステップS401)、次いでRTC51dから時刻情報を読み出す(ステップS402)。RTC51dは専用の電池51eでバックアップされてはいるが、工場出荷時に合わせたままの状態なので初めて使う場合はかなり狂っていることが予想される。続いてRTC51dから読み出した時刻を表示する。時刻の更新は1秒ごとに発生するCPU51内部の割り込み処理で自動的に行われる(ステップS403)。
【0103】
次に、アンテナシンボル52a(図14参照)を点滅させ(ステップS404)、電波時計の受信を開始する(ステップS405)。電波が弱いなどの理由で受信が正常に行なわれなければ(ステップS406)、アンテナシンボル52aを消灯し(ステップS407)、次の受信予定時刻まで待機し(ステップS408)、再びステップS405に戻って受信を試みる。
【0104】
ステップS406でデータが受信でき、デコードの結果正常なデータが得られた場合にはアンテナシンボル52aを点灯し(ステップS409)、RTC51dに受信した時刻をセットしたうえで(ステップS410)、受信した時刻を表示する(ステップS411)。次に、アラーム1が有効でかつ現在時刻がアラーム1の設定時刻を過ぎているかどうかを確認し(ステップS412)、もし過ぎていなければさらにアラーム2が有効でかつ現在時刻がアラーム2の設定時刻を過ぎているかどうかを確認する(ステップS413)。アラーム1とアラーム2のいずれかの設定時刻を過ぎていればブザー54を「ピピピピピピピピ…」という連続音で鳴動させる(ステップS414)。さらに、次の受信予定時刻まで待機し(ステップS415)、再びステップS405に戻って受信を行なう。ステップS406で正常に受信できた場合はRTC51dの狂いはわずかであり、1日1回程度の受信でよい。また、ステップS406で正常に受信できない場合は15分待機し再び受信動作を行なう。さらにそれでも受信できない場合は後述のように手作業で時計を合わせることができる。
【0105】
図19は、スイッチによる割り込みルーチンのフローチャートを示す図である。
【0106】
スイッチ53a,53b,53cのいずれかが押されるか、あるいはスタンド50aが閉じられてマイクロスイッチ58の接点58aが接触すると「H」レベルから「L」レベルに変化して割り込みがかかり、この割り込みルーチンに入る。
【0107】
先ず、スイッチからのチャタリング処理等を行なったのち、どのスイッチが押下されたかの判定を行なう(ステップS501)。ここで、スイッチ53aが押下されていると判定された場合はステップS502に進み、次いでモード設定のサブルーチンに入る(ステップS503)。モード設定の方法は、図11(a),図11(b),図11(c)のモード設定の状態遷移図を参照して説明したものと同じであるため、ここでは説明を省く。所望のモードに設定されたらこのルーチンを抜ける。
【0108】
また、ステップS501でスイッチ53bが押下されていると判定された場合はステップS504に進み、時計のアラーム1あるいはアラーム2の設定時刻に達したためにブザー54が「ピピピピピピピピ…」という連続音で鳴っているものと判定し、ブザー54の鳴動を停止したのち(ステップS505)、このルーチンを抜ける。
【0109】
さらに、ステップS501でスイッチ53cが押下されていると判定された場合はステップS506に進み、押されている間だけ時計のアラーム1とアラーム2の設定時刻を2秒おきに交互に表示し(ステップS507)、スイッチ53cが解放されるまで続ける(ステップS508)。スイッチ53cが解放されたらこのルーチンを抜ける。
【0110】
また、ステップS501において、接点58aが接触していると判定された場合はステップS509に進み、CPU51は演算に必要な変数領域やタイマ51fの初期化を行ない(ステップS510)、タイマ51fをスタートし(ステップS511)、現在の時刻をRTC51dから読み出し(ステップS512)、エンコードして送信パルスデータを作成し(ステップS513)、送信シンボル52bを点灯させ超音波送信ユニット駆動回路55は超音波送信ユニット55aを駆動して送信する(ステップS514)。
【0111】
次に、接点58aの状態を確認し接触していればまだ生体情報モニタ時刻設定装置50が使用中であると判定し(ステップS515)、続いてタイマ51fの値を確認して前回のスタートあるいはクリアから30分以上を経過しているかどうかを判定し(ステップS516)、経過していなければステップS512に戻り、経過していればさらにスイッチ53bの状態を確認して(ステップS517)、押されていなければ生体情報モニタ時刻設定装置50が放置されているものと判定してブザー54を「ピピピピ、ピピピピ、…」という間欠音で鳴らし続け(ステップS518)、ステップS517に戻る。ステップS517でスイッチ53bが押されていれば、生体情報モニタ時刻設定装置50は前回のスタートあるいはクリアから30分を経過してもまだ使用中であると判定しブザー54を停止し(ステップS519)、さらにタイマ51fをクリアして(ステップS520)、ステップS512に戻る。
【0112】
一方、ステップS515で接点58aが接触していなければ再びスタンド50aが引き出されて机の上などに設置されたものと見なしてビープ音の消音やタイマ51fのストップ、さらにはメモリ領域の開放などの終了処理をして(ステップS521)、このルーチンを抜ける。
【0113】
ここで、ステップS513,ステップS514において行なわれる時刻情報のエンコードと送信において、超音波の送信キャリア周波数は送受信ユニットによって決まる25〜50キロヘルツの間の特定の周波数であり、送信間隔は10〜20秒おき程度、送信フォーマットは前述した図7および図8に示したものと同じでよい。
【0114】
次に、本発明の第3実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置について説明する。第3実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置は、第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置10と同様に赤外線によって時刻を合わせる生体情報モニタ時刻設定装置であるが、単独の生体情報モニタ時刻設定装置ではなく、もともとリモコンで操作可能なベッドサイドモニタに対し、時刻の設定でない他の動作をリモコンによって行なっているときに時刻情報も付随して送信してしまい、もって意識的に時刻の設定をすることなしにベッドサイドモニタの時刻を合わせてしまうというものである。動作については第1,第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置10,50に尽くされていると思われるため、詳細は述べない。
【0115】
尚、第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置10においては赤外線と有線ネットワークと二次電池、第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置50においては超音波と内蔵電波時計と一次電池、という組み合わせについて述べたが、本発明は、もちろんこれに限定されるものではない。また、本発明の生体情報モニタ時刻設定装置における送受信の媒体は赤外線や超音波に限るものではなく、他の媒体を使用してもよいことはいうまでもない。いずれも、この発明の思想の範囲内で自由に変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置および充電器の回路ブロック図である。
【図2】図1に示す生体情報モニタ時刻設定装置の外観図である。
【図3】図1に示す充電器の外観を示す図である。
【図4】図2に示す生体情報モニタ時刻設定装置が充電器にセットされた状態を示す図である。
【図5】図4に示す生体情報モニタ時刻設定装置を使って赤外線受光部を持つ2台のベッドサイドモニタに時刻情報を赤外線で投光する様子を示した図である。
【図6】ベッドサイドモニタ30のブロック図である。
【図7】第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置における投光波形および受光波形を示す図である。
【図8】第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置における時刻情報の出力フォーマットを示す図である。
【図9】第1実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置のメインルーチンのフローチャートを示す図である。
【図10】スイッチによる割り込みルーチンのフローチャートを示す図である。
【図11】モード設定の状態遷移図である。
【図12】ベッドサイドモニタのリモコン割り込みルーチンのフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置の回路ブロック図である。
【図14】図13に示す生体情報モニタ時刻設定装置の外観図である。
【図15】図14に示す生体情報モニタ時刻設定装置を、スタンドを開いて設置したときの外観を示す図である。
【図16】図15に示す生体情報モニタ時刻設定装置を使って超音波受光部を持つベッドサイドモニタに時刻情報を超音波で送信する様子を示した図である。
【図17】図16に示すベッドサイドモニタのブロック図である。
【図18】第2実施形態の生体情報モニタ時刻設定装置のメインルーチンのフローチャートを示す図である。
【図19】スイッチによる割り込みルーチンのフローチャートを示す図である。
【図20】従来の病院内ネットワークシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
10,50 生体情報モニタ時刻設定装置
11,31 CPU
11a,31a ROM
11b,31b RAM
11c,32 液晶ドライバ(LCDr)
11d,31c リアルタイムクロック(RTC)
11e バックアップ電池
11f タイマ(TIMER)
11g,31d 発振器
12,32a 液晶パネル(LCD)
12a〜12m シンボル
13a,13b,13c,13d スイッチ
14,34 ブザー
14a ブザーの鳴動孔
15 赤外LED
15b トランジスタ
16,31e ディップスイッチ
16a ディップスイッチ蓋
17 充電池
17a 電池蓋
18a,18b 外部電源入力端子
18c,25a,25b,25c コネクタ
19 イーサネット(登録商標)・コントローラ
20 充電器
21,46 電源ケーブル
22 ブリッジIC
23 トランス
24 レギュレータ
26 ネットワークコネクタ
30,49,70 ベッドサイドモニタ
30a デジタル基板
33 メンブレンスイッチ
35 アラームランプドライバ
35a アラームランプ
36 テレメータ送信ユニット
36a,59a アンテナ
37 外部入出力ドライバ
37a,41a,42a 接続端子
38 リモコン受信ユニット
39 ICカードドライバ
39a ICカードスロット
40 アナログ基板
41 酸素飽和度(SpO2)処理回路
42 心電図(ECG)処理回路
43 インピーダンス呼吸(Resp)処理回路
44 非観血血圧(NIBP)ユニット
44a ジョイント
45 電源回路
47 充電回路
48 バッテリ
50a スタンド
55 超音波送信ユニット駆動回路
55a 超音波送信ユニット
57 一次電池
58 マイクロスイッチ
58a 接点
59 長波受信ユニット
78 超音波受信ユニット
78a 超音波センサ
78b アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から現在時刻を取得する時刻取得部と、
前記時刻取得部で取得した現在時刻の設定を受けて、該設定に引き続き、自律的に現在時刻を管理する時刻管理部と、
操作を受けて、前記時刻管理部で管理されている現在時刻を、患者の生体情報を検出するベッドサイドモニタに送信する時刻送信部とを備えたことを特徴とする生体情報モニタ時刻設定装置。
【請求項2】
前記時刻取得部が、現在時刻を、前記ベッドサイドモニタおよび該ベッドサイドモニタから患者の生体情報の送信を受けて患者の生体情報を管理するセントラルモニタを含む病院内システムから取得するものであることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ時刻設定装置。
【請求項3】
前記時刻取得部が、現在時刻を、標準時報局から取得するものであることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ時刻設定装置。
【請求項4】
前記時刻送信部は、この生体情報モニタ時刻設定装置に対する、現在時刻送信以外の他の所定の処理を指示する操作を受けて、該他の所定の処理を実行するとともに、前記ベッドサイドモニタに向けて現在時刻を送信するものであることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ時刻設定装置。
【請求項5】
前記時刻送信部は、現在時刻を、前記ベッドサイドモニタに向けて、赤外線通信により送信するものであることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ時刻設定装置。
【請求項6】
前記時刻送信部は、現在時刻を、前記ベッドサイドモニタに向けて、超音波通信により送信するものであることを特徴とする請求項1記載の生体情報モニタ時刻設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−218613(P2007−218613A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36578(P2006−36578)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)
【Fターム(参考)】