説明

生体情報収集システム

【課題】 患者の生体情報を自動収集し、生体情報を管理するシステムへの入力において操作性の高い生体情報収集システムの提供。
【解決手段】 本発明の生体情報収集システムは、生体情報やアプリケーションの表示をおこなう表示手段、表示手段に表示されたデータの選択を行い表示手段上の位置情報を入力できる操作手段、アプリケーションの手順に従い操作手段からの入力を受けたデータの処理や表示手段への表示や通信装置の制御を行うデータ処理手段、データ処理手段にて動作するアプリケーションを保持する記憶手段、測定装置から無線通信にて生体情報を取得する通信装置、通信装置から有線通信にて生体情報を取得しアプリケーションに転送する通信手段を有する生体情報を入力する生体情報入力端末で、通信手段から取得したデータに基づき予め関係付けられた特定のアプリケーションの起動を行う手順を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の生体情報を収集・管理するための処理システムに関するものである。特に、病室におけるベッドサイドでの患者の生体情報を収集・管理するための処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院などの医療施設においては、患者の健康状態を把握する目的で、体温や血圧、血糖値等の各種生体情報(患者の生体情報)の収集ならびに管理を行っている。このため、看護師等の測定者は、携帯端末で体温計、血圧計、血糖計等で測定した各種測定装置が示す患者ごとの生体情報(体温,血圧,脈拍,血糖,SPO等)を、測定の都度、患者ごとに手動入力していた。
【0003】
更に、生体情報における時間変化の把握や、医療施設内の情報化システムにおいて利用できるよう、生体情報を電子データ化すべく、当該生体情報を情報処理装置に送信され、データベース化し管理されていた(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−245093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景のもと、従来の手書きによる生体情報の管理から、看護支援システムや電子体温板など生体情報を汎用型コンピュータなどに入力・管理するシステムが構築されてきた。一方で、生体情報を測定する測定装置が無線通信機能を持ち、無線通信にて生体情報を転送することで転記によるミスを防止し、作業の効率化を図るシステムも構築されている。
【0005】
しかしながら生体情報の管理を行うソフトウェアでは、該当するソフトウェアを起動し、入力すべき患者を選択し、入力すべき入力欄を選択し、キーボード等で生体情報を手入力する必要がある。入力によるミスの可能性は否定できず、作業効率にも改善の余地がある。
【0006】
また、生体情報の管理を行うソフトウェアはさまざまなメーカーが開発した製品が複数存在している。それら生体情報の管理を行うソフトウェアが無線通信可能な測定装置に対応する場合には開発コストなど問題もあり、生体情報を電子化し管理を行うシステムと、測定装置の無線通信システムとの連携が行われていないのが現状である。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、患者の生体情報を自動収集し、生体情報を管理するシステムへの入力において操作性の高い生体情報収集システムを実現することを目的とする。特に、病院などのベッドサイドでの患者の生体情報を自動収集し、生体情報を管理するシステムへの入力において操作性の高い生体情報収集システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の生体情報収集システムは、生体情報やアプリケーションの表示をおこなう表示手段、表示手段に表示されたデータの選択を行い表示手段上の位置情報を入力できる操作手段、アプリケーションの手順に従い操作手段からの入力を受けたデータの処理や表示手段への表示や通信装置の制御を行うデータ処理手段、データ処理手段にて動作するアプリケーションを保持する記憶手段、測定装置から無線通信にて生体情報を取得する通信装置、通信装置から有線通信にて生体情報を取得しアプリケーションに転送する通信手段を有する生体情報を入力する生体情報入力端末であって、通信手段から取得したデータに基づき、予め関係付けられた特定のアプリケーションの起動を行う手順を備えたことを特徴とする。また、生体情報やアプリケーションの表示をおこなう表示手段、表示手段に表示されたデータの選択を行い表示手段上の位置情報を入力できる操作手段、アプリケーションの手順に従い操作手段からの入力を受けたデータの処理や表示手段への表示や通信装置の制御を行うデータ処理手段、データ処理手段にて動作するアプリケーションを保持する記憶手段、測定装置から無線通信にて生体情報を取得する通信装置、通信装置から有線通信にて生体情報を取得し前記アプリケーションに転送する通信手段を有する生体情報を入力する生体情報入力端末であって、通信手段から取得した1つ又は複数の生体情報を操作手段の選択、移動操作のみにより順次入力する手順を備えたことを特徴とする。また、測定装置から生体情報を取得するリーダー装置が、生体情報の取得と同時に、予め設定された生体情報管理を行うソフトウェアを起動する手段を備える。あるいは取得した生体情報をモニタに表示し、生体情報管理ソフトウェアの該当入力部への入力をマウス操作にて容易に入力する入力手段を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生体情報を生体情報管理システムへ入力する作業において、作業効率の高い生体情報を記憶、収集することができるシステムを実現することが可能となる。また、患者と生体情報が効率よく1対1に確実に対応できるシステムを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0011】
[第1の実施形態]
1.生体情報収集システムの構成
図1は本発明の実施形態にかかる生体情報収集システムの構成を示す図である。
( 測定装置 )
110は患者の体温を測定するための電子体温計,患者の血圧(脈拍測定も可能)を測定するための電子血圧計,患者の脈拍を測定するための脈拍計,患者の酸素飽和度(SPO)を測定する酸素飽和度計,患者の血糖値を測定するための血糖計等の測定装置であり、内部構成を図3に示す。測定装置110は、サーミスタ,圧力計,フォトセンサ等から得られた電気的情報から体温,血圧,脈拍,酸素飽和度(SPO),血糖等の生体情報を確定するための測定部111と、生体情報や測定装置の状態等、各種情報を表示するためのLCDやLED等の表示部115と、生体情報を測定装置ID(測定装置ごとに規定されたID)とともに通信装置120に送信するための無線通信部112(無線通信の方式は、例えば赤外線方式や電磁結合方式等)と、測定装置110を識別するための測定装置ID及び測定した生体情報を記憶するメモリ308と、各部を制御する制御部307と、電源を供給する電源部113を備える。
【0012】
図2に測定装置110の1つの実施形態の具体例である電子体温計の外観構成を示す。電子体温計200は、LCD等により実現される表示部202を備える。表示部202の中には、電子体温等の生体情報を表示する生体情報表示部204と、生体情報を通信装置120へ転送可能な状態であるか否かを示す転送可否表示部203とを備える。また、金属キャップ205の中にサーミスタなどの温度検出手段が設けられている。電子体温計200は、体温測定中等、生体情報が定まっていない場合には、通信装置120への生体情報の転送は行わない。生体情報の転送を行うことができない場合には、図2のように表示部202の転送可否表示部203を消灯する。これにより測定者は内部状態を容易に判読できる。一方、体温測定が終了し、生体情報を通信装置120に転送可能な状態になると、表示部202の転送可否表示部203が点灯する。さらに、生体情報の転送が正常に終了した場合には、再び表示部202の転送可否表示部203を消灯する。これにより測定者は内部状態を容易に判読することができる。
【0013】
( 通信装置 )
120は通信装置であり、内部構成を図4に示す。通信装置120は、測定装置110の無線通信部112と無線通信を行い、生体情報を受信するための無線通信部122と、測定装置110から受信した生体情報を生体情報収集端末130に送信するための通信部123と、各部を制御する制御部121と、電源を供給する電源部124とを備える。なお、通信部123による通信は、TCP/IPやRS232C等のプロトコルにより実現されるものとする。
【0014】
( 生体情報収集端末 )
再度、図1に戻って、生体情報収集端末130は、GUI機能を持ち、体温,血圧,脈拍,血糖,SPO等の生体情報を表示する表示部131と、表示部131上で位置を特定し表示内容を選択可能であるマウス又はタッチパネルにて実現される操作装置140と、生体情報収集端末上で動作するソフトウェアや生体情報を保持する記憶部134と、通信装置120とTCP/IPやRS232C等のプロトコルで通信を行い、生体情報を受信する通信部133と、前記記憶部134に記憶されたソフトウェア動作に基づいて通信部133を制御し、操作装置140の入力を受けて前記表示部131に表示を行うなどの処理を行うデータ処理部132から構成される。
【0015】
また、前記記憶部134には、生体情報を入力・管理するために生体情報収集端末130上で動作する生体情報管理ソフトウェア135と、通信部133から生体情報を取得し、生体情報に応じた生体情報管理ソフトウェアへの入力を補助するために生体情報収集端末130上で動作する生体情報入力補助ソフトウェア136が記憶される。
【0016】
生体情報収集端末130は、汎用コンピュータなどで実現され、表示部131には生体情報管理ソフトウェア135、生体情報入力補助ソフトウェア136及び操作装置140のGUIが生体情報管理ソフトウェアウィンドウ710、生体情報入力補助ソフトウェアウィンドウ720、マウスポインタ730として表示される(図7参照)。生体情報管理ソフトウェア135は汎用コンピュータ上で動作し、体温,血圧,脈拍,血糖,SPO(血中酸素飽和度)等の生体情報を入力・管理する看護支援システムや電子体温板などのソフトウェアである。生体情報入力補助ソフトウェアは汎用コンピュータ上で動作し、通信部133から生体情報を取得し、生体情報管理ソフトウェア135への入力を補助するソフトウェアである。
【0017】
( 測定装置110の無線通信に関する機能構成 )
測定装置110が有する上記各構成のうち、通信装置120との無線通信に関連する構成について図3を用いて以下、詳細に説明する。307は制御回路であり、測定装置110全体を制御するための処理を実行する。308はRAM,ROM等を含むメモリであり、制御回路307において実行されるプログラムや各種データが格納されている。また、制御回路307のワークエリアとしても用いられる。305は通信制御回路であり、制御回路307からの指示に基づいて動作し、通信装置120との間の信号の送受信を制御する。306はタイミング発生回路であり、通信装置120との無線通信に際して、通信装置120との間で信号の送受信の同期をとるための制御信号を出力する。
【0018】
303は送信回路であり、通信装置120への信号の送信に際して、コンデンサ302における電荷の蓄積ならびに放出を制御する。301は送受信コイルであり、送信回路(要求信号送信手段)303及び受信回路(承認信号受信手段)304が動作することにより、通信装置120との間で信号の送受信を行う。受信回路304では、タイミング発生回路306からの信号を受信することで、受信タイミングを図りながら、通信装置120からの信号を受信する。
【0019】
( 通信装置120の無線通信に関する機能構成 )
次に通信装置120が有する上記構成のうち、測定装置110との無線通信に関連する構成について図4を用いて、以下詳細に説明する。401は制御回路であり、通信装置120全体を制御するための処理を実行する。402はRAM,ROM等を含むメモリであり、制御回路401において実行されるプログラムや各種データが格納されている。また、制御回路401のワークエリアとしても用いられる。403は通信制御回路であり、制御回路401からの指示に基づいて動作し、測定装置110との間の信号の送受信を制御する。410はタイミング同期回路であり、測定装置110との通信に際して、測定装置110との間で信号の送受信の同期をとるための信号を出力する。404は送信回路であり、測定装置110への送信に際して、コンデンサ405における電荷の蓄積ならびに放出を制御する。406は送信コイルであり、送信回路404が動作することにより、測定装置110に対して信号を送信する。測定装置110より送信された信号は、受信コイル409とコンデンサ408で構成されるLC回路において受信される。受信回路407では、タイミング発生回路410からの信号を受信することで、測定装置110との間で同期をとりながら、コンデンサ408に蓄積された信号を受信する。
【0020】
( 生体情報収集システム150における処理のフロー )
次に生体情報通信システム150における生体情報の転送処理のフローについて図3,図5,図6を用いて説明する。図5は、測定装置110が測定した生体情報を患者602のベッドサイドに固定した通信装置120に転送する際の信号の流れを示す図である。図6は、測定者が測定装置110を用いて患者602の生体情報を測定し、当該測定した体温,血圧,脈拍,血糖,血中酸素飽和度(SPO)等の生体情報をベッドサイドの通信装置に転送するまでの作業を示した図である。なお、通信装置120は、看護師等の測定者601が病院内の各病棟,病室を移動できるようにキャスタを設けた移動型としてもよい。
【0021】
図6(a)の状態において、看護師等の測定者601は、体温を測定するための電子体温計,患者602の血圧(脈拍測定も可能)を測定するための電子血圧計,患者602の脈拍を測定するための脈拍計,患者602の血中酸素飽和度(SPO)を測定する酸素飽和度計,患者602の血糖値を測定するための血糖計等の測定装置110を用いて患者602の生体情報を測定する。測定された生体情報は、メモリ308に書き込まれ、転送可能状態となる。
【0022】
転送可能状態となった測定装置110では、タイミング発生回路306の動作を開始させる。タイミング発生回路は、一定間隔で送信回路303を駆動させるための制御信号を出力する。これにより、送信回路303では、通信装置120と通信を行う際の基準タイミングとなるリクエスト信号(501)の出力を開始する。リクエスト信号501は、コンデンサ302に蓄積された電荷が送信コイル301とコンデンサ302とから形成されるLC回路内で共振して発生させている。
【0023】
なお、測定装置110は、リクエスト信号501を出力時の基準タイミングとして通信制御回路305により限定された期間(受信可能期間502)のみ受信回路304を動作させる。つまり、測定装置110では、通信装置120にてリクエスト信号501が受信されるか否かに関わらず、転送可能状態となると一定間隔でリクエスト信号501を繰り返し出力し、リクエスト信号出力後の一定期間を受信可能期間502として、通信装置120からの受信を待つ。
【0024】
測定者601は、患者602の生体情報の測定が完了すると、図6(b)に示すように、測定装置110を通信装置120の通信可能範囲603内に近づける(通信可能範囲は、例えば1m未満、特に好ましくは5〜10cmであるとする)。図6の状態(b)は測定装置110が通信装置120の通信可能範囲603内に入った状態を示している。図6(b)では、送信コイル301と受信コイル409との間の電磁結合が成立し、通信装置120は測定装置110からのリクエスト信号501を受信する。通信装置120のタイミング同期回路410は、測定装置110からのリクエスト信号501に同期してデータを出力するために、送信回路404を駆動し、測定装置110の受信可能期間502内にデータ要求コマンド503を送信する。測定装置110では、受信可能期間502内にデータ要求コマンド503を受信すると、送信コイル301を用いてメモリ308内の測定装置110のID及び生体情報504を送信する。なお、測定装置110のID及び生体情報の送信は、データ形式がシリアル形式で、かつ情報の変化点のみ信号を発生するいわゆる「パルス位置変調」方式により行われるものとする。生体情報504の送信後は、通信装置120からACK応答505を受信するための受信可能期間502を設ける。通信装置120では、測定装置110からの測定装置110のID及び生体情報504を受信すると、測定装置110に対してACK応答505を送信する。
【0025】
次に図7に基づいて生体情報収集端末130の表示部131の表示画面の遷移について説明する。生体情報収集端末130は、通信装置120と接続され、生体情報入力補助ソフトウェア136がデータ処理部132上で動作しており、生体情報収集端末130の表示部121には生体情報入力補助ソフトウェア136のGUIとして生体情報入力補助ソフトウェアウィンドウ720が表示されているものとする。測定装置110から測定装置ID及び生体情報を受信した通信装置120は、通信部123を用いて測定装置ID及び生体情報を生体情報入力補助ソフトウェアに転送する。データ処理部132で動作中の生体情報入力補助ソフトウェア136が通信部123から測定装置ID及び生体情報を受信した場合、測定装置IDと予め関連付けられた生体情報管理ソフトウェア122を起動し、表示部121に生体情報管理ソフトウェアウィンドウ710を最前面に表示させる。前記生体情報管理ソフトウェア122が既に起動している場合は、生体情報管理ソフトウェアウィンドウ710を表示部121上で最前面になるよう表示処理を行う。同時に、生体情報入力補助ソフトウェア136は生体情報入力補助ソフトウェアウィンドウ720に生体情報アイコン721を表示する。操作者が操作装置140を用いて表示部121に表示された生体情報アイコン721をドラッグすることで、生体情報入力補助ソフトウェア136は生体情報を保持し、操作者が操作装置140を用いて前記生体情報管理ソフトウェアウィンドウ710の生体情報入力欄711に生体情報アイコン721をドロップすることで生体情報入力補助ソフトウェア136は保持した生体情報を入力欄に入力を行う。
【0026】
血圧計などにおいては最高血圧,最低血圧,脈拍数などの複数の生体情報が存在し、入力欄711も、生体情報管理ソフトウェアウィンドウ710内に複数に存在する。ドロップを繰り返すことにより、生体情報については生体情報入力欄を選択する毎に予め決められた順番で生体情報が選択された生体情報入力欄に入力される。例として血圧計を挙げると、生体情報アイコン721をドラッグした場合に、マウスポインタ730に『最高血圧』という表示が行われ、最高血圧の入力欄を選択することで最高血圧値が最高血圧の入力欄に入力され、マウスポインタ730の表示は『最低血圧』となる。続いて最低血圧の入力欄を選択することで最低血圧値が入力され、マウスポインタ730の表示は『脈拍数』となる。最後に脈拍数の入力欄を選択することで脈拍数が入力される。以上の説明から、本実施形態によれば、無線通信可能な測定装置110及び通信装置120と生体情報入力補助ソフトウェア136を用いることで、生体情報管理ソフトウェア135への生体情報の入力がマウスなどの操作装置140による簡便な選択・移動操作で迅速におこなうことが可能となる。また、本実施形態をとることで、既存のさまざまな生体情報管理ソフトウェアに対応することも可能となる。
【0027】
図6に戻って、図6(c)において、受信可能期間502内に通信装置120よりACK応答505を受信した測定装置110では、生体情報の転送が完了したものと認識し、タイミング発生回路306の動作を停止し、リクエスト信号501の出力を停止する。なお、図6(c)において、通信装置120側は、測定装置110が通信可能範囲603に入った場合に、いつでもリクエスト信号501を受信することができるよう、受信可能状態を維持しているものとする。以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、測定装置110と通信装置120との間の生体情報の送信において、パルス位置変調方式を用いることにより、従来の電波を用いる無線通信と比べて大幅に消費電力を抑えることが可能となる。また、生体情報を測定後、該生体情報の転送が完了するまでの間、一定間隔でリクエスト信号を出力し、当該リクエスト信号出力後の一定期間を通信装置120からの受信可能期間とする構成としているため(すなわち、受信回路の動作を限定しているため)、消費電力を更に抑えることが可能となる。更に、リクエスト信号は、コンデンサに蓄積した電荷が送信コイルと形成されるLC回路内で共振して発生させる構成としているため、電力消費を更に抑えることが可能となる。
【0028】
なお、本実施形態では、測定装置110と通信装置120との間の生体情報の送信において、電磁送信を用いることとしているが、電磁送信に必要な電源は、自身の内部電源を用いており、RF−IDを用いた場合などのように、電磁波を用いて電源供給を行う必要がないため、患者の電磁環境を乱すおそれがない。また、本実施形態では、通信可能範囲を1m未満とし、電磁送信による患者への影響をも配慮した構成となっている。なお、通信可能範囲を1m未満とするための具体的構成については特に言及しなかったが、例えば、アンテナ輻射効率及び/またはアンテナ受電効率を調整することにより実現してもよい。また、シールドを施すことにより、通信エネルギーの放射率及び/または透過率を制限することにより実現してもよい。また、本実施形態では、測定装置として体温計を例に挙げ、生体情報=体温の場合について説明したが、測定装置としては、体温計に限られず、また、生体情報も体温のほか、血圧、血糖値、血中酸素飽和度、脈拍数、心拍数、呼吸数、運動量等が含まれてもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態のシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の測定装置の一例のである電子体温計の外観図である。
【図3】本発明の実施形態の測定装置のブロック図の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の通信装置のブロック図の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態の測定装置が測定した生体情報を通信装置に転送する際の信号のフローを示す図である。
【図6】生体情報をベッドサイドの通信装置に転送するまでの作業を示した図である。
【図7】本発明の実施形態の情報収集端末の表示部の表示画面の遷移についての説明図である。
【符号の説明】
【0030】
110,200 測定装置、120 通信装置、130 生体情報収集端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報やアプリケーションの表示をおこなう表示手段、該表示手段に表示されたデータの選択を行い表示手段上の位置情報を入力できる操作手段、アプリケーションの手順に従い該操作手段からの入力を受けたデータの処理や該表示手段への表示や通信装置の制御を行うデータ処理手段、該データ処理手段にて動作するアプリケーションを保持する記憶手段、測定装置から無線通信にて該生体情報を取得する通信装置、該通信装置から有線通信にて該生体情報を取得し該アプリケーションに転送する通信手段を有する生体情報を入力する生体情報入力端末であって、
該通信手段から取得したデータに基づき、予め関係付けられた特定のアプリケーションの起動を行う手順を備えたことを特徴とする生体情報収集システム。
【請求項2】
生体情報やアプリケーションの表示をおこなう表示手段、該表示手段に表示されたデータの選択を行い該表示手段上の位置情報を入力できる操作手段、アプリケーションの手順に従い該操作手段からの入力を受けたデータの処理や該表示手段への表示や該通信装置の制御を行うデータ処理手段、該データ処理手段にて動作するアプリケーションを保持する記憶手段、測定装置から無線通信にて該生体情報を取得する通信装置、該通信装置から有線通信にて該生体情報を取得し前記アプリケーションに転送する通信手段を有する生体情報を入力する生体情報入力端末であって、
該通信手段から取得した1つ又は複数の生体情報を該操作手段の選択、移動操作のみにより順次入力する手順を備えたことを特徴とする生体情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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