説明

生体情報検出装置、電気的特異部位検出装置およびブレイン・マシン・インターフェース

【課題】同じ対象部位に対する生体情報検出を再現性良く、また、簡便で低コストに実現しうる生体情報検出装置等を提供する。
【解決手段】生体情報検出装置10は、生体情報検出手段20と、抵抗測定手段30とを含んでいる。生体情報検出手段20は、生体の外部から生体内部の生体情報を検出する。抵抗測定手段30は、生体の電気抵抗を測定する手段であって、電気的特異部位の検出に用いられる。電気的特異部位は、生体上で電気抵抗が極値を呈し、生体情報検出手段20による検出の対象部位の位置を特定する際の基準位置を提供する部位である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報検出装置、電気的特異部位検出装置およびブレイン・マシン・インターフェースに係る。
【背景技術】
【0002】
従来より、生体内部の情報を光を利用して測定する技術が研究・開発されている。かかる生体情報測定では光照射/光検出プローブを被験者の所定位置に配置する必要がある。
【0003】
この点に関し、下記特許文献1にはメジャー部材を有したヘッドギアが紹介されている。メジャー部材は、被験者の複数の外的指標間を連結するように被験者に装着される。メジャー部材は、伸縮性素材から成り、目盛表示を有している。このため、目盛表示により、上記の複数の外的指標を基準点とする各外的指標間の相対距離が分かる。かかる目盛り表示を利用することにより、プローブの配設位置が決定される。
【0004】
ここで、外的指標とは、被験者の外見上から観察でき周囲との判別が容易な部位のことであり、例えば頭部について言えば眉根部、耳介前端部、後頭極等である。
【0005】
下記特許文献2には、プローブにホール素子(位置センサ)を内蔵することにより、当該プローブの位置を検出する技術が紹介されている。この場合、被験者の首や腰等の動きの少ない部位に磁石を装着し、当該磁石の位置を位置計測における基準位置とする。すなわち、プローブの位置は、基準位置に対する相対的な位置として検出される。
【0006】
下記特許文献3には、プローブ位置の検出手法として、磁気センサ方式、機械式、光学式、音波式、カメラ撮影方式が紹介されている。
【0007】
磁気センサ方式では、磁気センサをプローブと被験者上の基準点(外的指標が利用される)とに取り付けることにより、これらの磁気センサの実空間座標を磁気ソースの位置を基準点として取得する。
【0008】
機械式の場合、マニピュレータのアームをプローブおよび被験者上の基準点に接触させることにより、これらの位置がマニピュレータ座標系における位置情報として取得される。このとき、プローブの位置は、被験者上の基準点の位置に対して相対的に求められる。
【0009】
光学式の場合、プローブおよび被験者上の基準点に貼り付けられたマーカーを複数のCCDカメラで撮影する。これにより、CCDカメラの位置および被験者上の基準点の位置の情報から、プローブの位置が算出される。
【0010】
音波式の場合、音波源から送信された音波が、対象物で反射して検出器まで返ってくるまでの時間等に基づいて、距離を計測する。上記対象物としてプローブと被験者上の基準点とを選ぶことにより、プローブの位置が被験者上の基準点の位置に対して相対的に求められる。
【0011】
カメラ撮影方式の場合、複数台のカメラを用いて複数のアングルから、プローブを装着した被験者を撮影する。そして、かかる撮影画像を過去の測定時の撮影画像と比較し、プローブの位置を過去の測定時での位置と同じになるように調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−194701号公報
【特許文献2】特開2004−174126号公報
【特許文献3】特開2006−122086号公報
【特許文献4】特開平9−234235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
光照射/光検出プローブは測定の度に被験者に装着される。このため、同じ部位を測定するためには、光照射/光検出プローブを再現性良く配置する必要がある。
【0014】
この点に関し、引用文献1,3の手法のように外的指標を利用することが考えられる。しかし、外的指標の少ない部位に対しては、プローブを再現性良く配置することは難しい。
【0015】
また、引用文献1記載の手法では、例えば両耳の耳介前端部間の曲面上にメジャー部材の延在経路を正確に再現する必要がある。メジャー部体のずれはプローブの配置位置のずれを招くからである。この点は、引用文献2記載の手法において、ホール素子に対して基準位置を与えるための磁石の装着位置についても同様である。また、引用文献3記載の光学式における上記マーカーの貼り付け位置、および、引用文献3記載のカメラ撮影方式における各カメラの設置についても同様である。
【0016】
また、例えば引用文献3記載の光学式やカメラ撮影方式は、装置の大規模化・複雑化を招く。また、その結果、コストが増大してしまう。
【0017】
なお、上記では照射光の反射光量等を検出する手法を例示したが、生体で生じる磁場や電位の変動を検出する手法においても同様の問題が生じうる。
【0018】
本発明は、同じ対象部位に対する生体情報検出を再現性良く、また、簡便で低コストに実現しうる生体情報検出装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1に係る発明は、生体情報検出装置であって、生体の外部から前記生体内部の生体情報を検出する生体情報検出手段と、前記生体の電気抵抗を測定する手段であって、前記生体上で前記電気抵抗が極値を呈し、前記生体情報検出手段による検出の対象部位の位置を特定する際の基準位置を提供する、電気的特異部位の検出に用いられる、抵抗測定手段とを備える。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の生体情報検出装置であって、前記生体情報検出手段は、前記生体上に配置される少なくとも1つの生体情報検出用プローブを含み、前記抵抗測定手段は、前記生体上に配置される少なくとも1つの抵抗測定用プローブを含み、前記生体情報検出装置は、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとを互いの位置関係を変更可能に支持するプローブ支持手段を備える。
【0021】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の生体情報検出装置であって、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの一方または両方を移動させるプローブ移動手段と、前記プローブ移動手段を制御するプローブ移動制御手段と、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置を検出するプローブ位置検出手段と、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置関係を特定可能な情報を記憶する記憶手段とを備え、前記プローブ移動制御手段は、前記プローブ位置検出手段による検出結果から得られる前記位置関係が、前記記憶手段に記憶されている前記情報から特定される前記位置関係と同じになるように、前記プローブ移動手段を駆動する。
【0022】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載の生体情報検出装置であって、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置を検出するプローブ位置検出手段と、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置関係を特定可能な情報を記憶する記憶手段と、前記プローブ位置検出手段による検出結果から得られる前記位置関係と、前記記憶手段に記憶されている前記情報から特定される前記位置関係との間のずれを検出する、ずれ検出手段と、前記ずれ検出手段が前記ずれを検出した場合に、前記ずれ検出手段の制御によって動作する通知手段とを備える。
【0023】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の生体情報検出装置であって、前記生体情報検出手段は、前記生体上に配置される複数の生体情報検出用プローブを含み、前記抵抗測定手段は、前記生体上に配置される複数の抵抗測定用プローブを含み、前記生体情報検出装置は、前記複数の生体情報検出用プローブと前記複数の抵抗測定用プローブとを所定の位置関係で以て支持するプローブ支持手段を備える。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の生体情報検出装置であって、前記抵抗測定手段に対して、前記複数の抵抗測定用プローブを切り替えて前記電気抵抗の測定を実行させる、抵抗測定制御手段と、前記電気抵抗の測定結果に基づいて前記電気的特異部位の存否を判別する測定結果処理手段と、前記複数の生体情報検出用プローブのうちから前記生体情報の検出に利用するプローブを選択する生体情報検出用プローブ選択手段と、前記電気的特異部位と、前記生体情報の検出が行われたことがある部位との位置関係を特定可能な情報を記憶する記憶手段とを備え、前記生体情報検出用プローブ選択手段は、前記複数の生体情報検出用プローブと前記複数の抵抗測定用プローブとについての前記所定の位置関係と、前記複数の抵抗測定用プローブによって検出された前記電気的特異部位の位置関係と、前記記憶手段に記憶されている前記情報から特定される前記位置関係とに基づいて、前記複数の生体情報検出用プローブのうちから、前記生体情報の検出が行われたことがある前記部位の前記生体情報を検出可能なプローブを選択する。
【0025】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の生体情報検出装置であって、前記抵抗測定制御手段は、前記複数の抵抗測定用プローブを切り替えて行う前記電気抵抗の測定を前記抵抗測定手段に随時実行させ、前記生体情報検出用プローブ選択手段は、前記電気抵抗の測定が行われるごとに前記生体情報検出用プローブの選択を行う。
【0026】
請求項8に係る発明は、電気的特異部位検出装置であって、生体上で電気抵抗が極値を呈する部位である電気的特異部位を検出する装置であって、前記生体上に配置される少なくとも1つの抵抗測定用プローブを含む抵抗測定手段と、前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブを移動させる抵抗測定用プローブ移動手段と、前記抵抗測定用プローブ移動手段と前記抵抗測定手段とを制御することによって、前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブを移動させながら前記電気抵抗を測定させる、抵抗測定制御手段と、前記電気抵抗の測定結果に基づいて前記電気的特異部位の存否を判別する測定結果処理手段とを備える。
【0027】
請求項9に係る発明は、電気的特異部位検出装置であって、生体上で電気抵抗が極値を呈する部位である電気的特異部位を検出する装置であって、前記生体上に配置される複数の抵抗測定用プローブを含む抵抗測定手段と、前記抵抗測定手段に対して、前記複数の抵抗測定用プローブを切り替えて前記電気抵抗を測定させる抵抗測定制御手段と、前記電気抵抗の測定結果に基づいて前記電気的特異部位の存否を判別する測定結果処理手段とを備える。
【0028】
請求項10に係る発明は、請求項8または9に記載の電気的特異部位検出装置であって、前記生体を識別するために設定される生体識別情報と、当該生体から検出された前記電気的特異部位の位置関係とを関連付けて記憶する、記憶手段と、前記電気的特異部位の前記位置関係を検索キーとして、前記記憶手段から前記検索キーに関連付けられた前記生体識別情報を抽出する、生体識別情報検索手段とを備える。
【0029】
請求項11に係る発明は、生体情報検出装置であって、生体の外部から前記生体内部の生体情報を検出する生体情報検出手段を備えるとともに、前記生体上で電気抵抗が極値を呈し、前記生体情報検出手段による検出の対象部位の位置を特定する際の基準位置を提供する、電気的特異部位を検出する電気的特異部位検出手段とを備え、前記電気的特異部位検出手段は、請求項8ないし10のうちのいずれか1項に記載の電気的特異部位検出装置を含む。
【0030】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし7と請求項11とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置であって、前記電気抵抗の測定結果に基づいて当該生体情報検出装置の電源管理を行う電源管理手段を備える。
【0031】
請求項13に係る発明は、請求項2ないし7と請求項11と請求項12とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置であって、前記抵抗測定用プローブを介して前記生体へ電気的刺激を印加する刺激印加手段を備える。
【0032】
請求項14に係る発明は、請求項1ないし7と請求項11ないし13とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置であって、前記生体情報は脳情報であり、前記生体情報検出手段は、脳磁計測手段と、脳波計測手段と、近赤外分光法を利用した脳機能測定手段とのうちのいずれか1つを含んで構成されている。
【0033】
請求項15に係る発明は、ブレイン・マシン・インターフェースであって、請求項1ないし7と請求項11ないし14とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置を備え、前記生体情報は脳情報であり、前記脳情報に従って制御対象を制御する外部制御手段を備える。
【発明の効果】
【0034】
請求項1,11に係る発明によれば、生体情報検出の対象部位の位置を特定する際の基準位置として外的指標のみを利用する場合に比べて、生体情報検出対象部位をより正確に特定することができる。なぜならば、電気的特異部位は外的指標に比べて、多く存在し、また、広く分布しているからである。また、生体情報検出対象部位を含む或る領域の中または近くに外的指標が無い場合であっても、その領域内には電気的特異部位が存在しうるからである。このため、上記のように生体情報検出対象部位をより正確に特定することができる。また、検出対象部位の正確な特定により、同じ対象部位に対する生体情報検出を再現性良く実施できる。さらに、電気的特異部位は生体の電気抵抗を測定することによって検出可能であるので、簡便に、また、低コストで電気的特異部位を検出できる。
【0035】
請求項2に係る発明によれば、プローブの配置が容易になる。また、例えば、或る生体情報検出対象部位に対応するプローブ配置位置に生体情報検出用プローブが配置され、或る電気的特異部位上に抵抗測定用プローブが配置された状態を、プローブ支持手段に保持させることが可能である。この場合、例えば、プローブ支持手段に保持された抵抗測定用プローブで上記の電気的特異部位を探索・検出することにより、生体情報検出用プローブを上記のプローブ配置位置に容易に配置することができる。すなわち、同じ生体情報検出対象部位に対して、生体情報検出用プローブの配置を容易に再現することができる。
【0036】
請求項3に係る発明によれば、生体情報検出用プローブと抵抗測定用プローブとの位置関係を自動的に再現することができる。また、記憶手段の利用によって、以前のプローブ位置関係を多く記憶することできる。このため、多くの生体情報検出を再現することができる。
【0037】
請求項4に係る発明によれば、ユーザはプローブ配置のずれを容易に知ることができる。このため、生体情報検出用プローブの配置再現性の向上に資する。なお、例えば通知手段が発音手段、点灯手段、点滅手段等を含む場合には、文字情報のみで通知する構成に比べて、直感的な通知が可能になる。また、例えばずれ量に応じて発音、点灯、点滅等を変調する場合には、ずれの有無だけでなく、その量についても直感的な通知が可能になる。
【0038】
請求項5に係る発明によれば、プローブの配置が容易になる。また、生体情報検出用プローブと抵抗測定用プローブとは所定の位置関係、換言すれば所定の配列で以て支持される。このため、複数の生体情報検出用プローブおよび複数の抵抗測定用プローブから所定のプローブを選択することにより、以前に実施した生体情報検出における生体情報検出用プローブと抵抗測定用プローブとの位置関係を、容易に再現することができる。
【0039】
請求項6に係る発明によれば、複数の生体情報検出用プローブのうちから生体情報検出の再現に供するプローブを自動的に選択することができる。このため、プローブ配置の再現時間を短縮することができる。
【0040】
請求項7に係る発明によれば、例えば生体情報検出用プローブに位置ずれが生じた場合であっても、自動的に好適な生体情報検出用プローブが再選択される。このため、生体情報検出を継続的に行うことができる。
【0041】
請求項8,9に係る発明によれば、電気的特異地点を自動的に検出可能な装置を提供することができる。また、かかる自動化により電気的特異地点の検出時間を短縮化することができる。したがって、簡便な電気的特異部位検出装置を提供することができる。
【0042】
請求項10に係る発明によれば、電気的特異部位を検出することによって、生体を同定することができる。
【0043】
請求項12に係る発明によれば、例えば、当該装置が現在使用中ではないことを検出して電源をオフすることが可能である。このため、省エネルギー仕様の生体情報検出装置を提供することができる。
【0044】
請求項13に係る発明によれば、例えば、生体に対して注意を喚起することが可能である。また、例えば、疲労回復効果が期待される。また、例えば、刺激印加手段を、プローブ配置のずれを通知する手段として利用することができる。また、抵抗測定用プローブを電気的刺激の印加に兼用するので、生体上に多くのプローブが混み合うのを回避することができる。換言すれば、刺激印加手段用の別個のプローブの存在によって抵抗測定用プローブおよび生体情報検出用プローブの配置が制限されるのを防止できる。
【0045】
請求項15に係る発明によれば、請求項1ないし7と請求項11ないし14とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置を備えるので、制御対象に対する所望の制御を正確に、また、再現性良く行うことができる。また、上記生体情報検出装置は生体情報検出対象部位を特定する際の基準位置として生体の電気抵抗を測定することによって検出可能な電気的特異部位を利用するので、簡便で低コストのブレイン・マシン・インターフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態1について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1について、生体情報検出手段を例示するブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1について、抵抗測定手段を例示するブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1について、人体頭部を模式的に示す上面図である。
【図5】本発明の実施の形態2について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2について、他の生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態3について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3について、プローブ移動制御手段を例示するフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態4について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4について、ずれ検出手段を例示するフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態5について、プローブの配列を例示する頭部上面図である。
【図13】本発明の実施の形態5について、生体情報検出用プローブ選択手段を例示するフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態6について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態6について、電源管理手段を例示するフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態6について、他の電源管理手段を例示するフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態7について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態8について、生体情報検出装置を例示するブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態10について、ブレイン・マシン・インターフェースを例示するブロック図である。
【図20】本発明の実施の形態11について、電気的特異部位検出装置を例示するブロック図である。
【図21】本発明の実施の形態11について、他の電気的特異部位検出装置を例示するブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態11について、更に他の電気的特異部位検出装置を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
<実施の形態1>
図1に、本発明の実施の形態1に係る生体情報検出装置10の構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10は、処理/制御手段100と、記憶手段12と、入力手段14と、出力手段16と、電源手段18と、生体情報検出手段20と、抵抗測定手段30とを含んでいる。なお、これらの手段100,12,14,16,18,20,30の接続形態は図1の例示に限定されるものではなく、例えばバス形式等を採用することも可能である。
【0048】
処理/制御手段100は、生体情報検出装置10における各種の処理および制御を行うモジュール(換言すればユニット)である。処理手段100は、例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ(換言すればマイクロコンピュータ)と、記憶装置とを含んで構成可能である。
【0049】
この例の場合、マイクロプロセッサが、記憶装置に予め格納されている所定のプログラムに記述された処理ステップ(換言すれば手順)を実行することによって、各種の処理および制御をソフトウェアを利用して実現可能である。換言すれば、プログラムの実行により、マイクロプロセッサを、各種の処理等に対応した手段として機能させることが可能である。あるいは、プログラムの実行により、各種の処理等に対応した機能を、マイクロプロセッサに実現させることが可能である。なお、処理/制御手段100による処理等の一部または全部をハードウェアで実現することも可能である。
【0050】
上記記憶装置はマイクロプロセッサがアクセス可能に設けられている。当該記憶装置は、例えば、ROM、RAM、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)、ハードディスク装置、DVD等の1つまたは複数を含んで構成可能である。当該記憶装置は、上記のようにマイクロプロセッサが実行するプログラムを格納する他に、各種のデータ(換言すれば情報)等を記憶し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。
【0051】
図1では、処理/制御手段100が、データ処理手段102と、データ読込手段104と、データ書込手段106と、入力処理手段108と、出力制御手段110と、生体情報検出制御手段112と、検出結果処理手段114と、抵抗測定制御手段116と、測定結果処理手段118として機能する場合を模式的に例示している。
【0052】
データ処理手段102は、各種のデータ処理を行うモジュールである。データ処理手段102の例として、例えば、生体情報検出手段20による検出結果のデータ処理を行う検出結果処理手段114や、抵抗測定手段30による測定結果のデータ処理を行う測定結果処理手段118が挙げられる。
【0053】
データ読込手段104は、記憶手段12へアクセスして、記憶手段12に格納されているデータを、処理/制御手段100へ読み出すモジュールである。データ書込手段106は、記憶手段12へアクセスして、処理/制御手段100が保有するデータを記憶手段12に格納するモジュールである。
【0054】
入力処理手段108は、ユーザが入力手段14を操作することにより生体情報検出装置10へ与えた指示、パラメータ、情報等を、処理/制御手段100が取得するモジュールである。出力制御手段110は、出力手段16を駆動させるモジュールである。
【0055】
生体情報検出制御手段112は、生体情報検出手段20を駆動させるモジュールである。抵抗測定制御手段116は、抵抗測定手段30を駆動させるモジュールである。
【0056】
なお、処理/制御手段100により実現される手段は、ここでの例示に限定されるものではない。
【0057】
記憶手段12は、各種のデータ(換言すれば情報)を格納するモジュールである。記憶手段12は、例えばROM、RAM、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM等)、ハードディスク装置、DVD等の1つまたは複数を含んで構成可能である。記憶手段12は、処理/制御手段100が、より具体的には上記マイクロプロセッサがアクセス可能に設けられている。換言すれば、記憶手段12は、データ読込手段104およびデータ書き込み手段106がアクセス可能に設けられている。
【0058】
なお、実施の形態では、説明を分かりやすくするために、記憶手段12が処理/制御手段100内の上記記憶装置とは別個に設けられている場合を例示する。しかし、例えば処理/制御手段100の上記記憶装置の一部の記憶領域を、記憶手段12として利用する構成を採用することも可能である。
【0059】
入力手段14および出力手段16は、生体情報検出装置10と当該装置10のユーザとの間を繋ぐモジュール、いわゆるマン・マシン・インターフェースである。入力手段14は、例えば各種ボタン、キーボード、タッチパネル、マウス、音声入力機等の1つまたは複数を含んで構成可能である。入力手段14は、処理/制御手段100に、換言すれば入力処理手段108に接続されている。出力手段16は、例えば各種ディスプレイ、音声出力機、印刷機等の1つまたは複数を含んで構成可能である。出力手段16は、処理/制御手段100に、換言すれば出力制御手段110に接続されている。
【0060】
電源手段18は、処理/制御手段100等に必要な電力を供給するモジュールである。電源手段18は、例えば電源回路、各種電池等の1つまたは複数を含んで構成可能である。なお、図面の煩雑化を避けるため、電源手段18から処理/制御手段100等へ至る給電線は図示を省略している。
【0061】
生体情報検出手段20は、生体の外部から生体内部の生体情報を検出するモジュールである。なお、生体として頭部、換言すれば脳を主に例示するが、これに限定されるものではない。図2に、生体情報検出手段20の構成を例示するブロック図を示す。図2に例示の生体情報検出手段20は、生体情報検出用プローブ22と、検出回路24とを含んでいる。プローブ22は、生体情報検出時に生体上に配置される、より具体的には生体表面に近接または接触させて配置される。検出回路24の駆動、例えば検出動作の開始・終了、各種パラメータの設定等は、生体情報検出制御手段112(図1参照)によって制御される。
【0062】
生体情報検出手段20は、既存の各種の生体情報検出手法を採用して構成可能である。
【0063】
例えば、脳磁計測装置(MEG)において利用されている磁気的手法を採用可能である。この手法では、生体表面またはその付近の磁場を、一次的または直接的な生体情報(生体信号と称される場合もある)として検出する。なお、かかる磁場は神経細胞の電気活動に伴って生じると考えられている。検出された一次的な生体情報に対して既知のデータ処理を施すことにより、脳の活動に関する情報(脳情報)等の更なる生体情報を検出可能である。
【0064】
かかる磁気的手法を採用する場合、生体情報検出用プローブ22は、例えば磁気センサを含んで構成され、一般には、生体情報の検出の対象部位の直上に配置される。なお、図2では生体情報検出用プローブ22が1つの場合を例示しているが、当該プローブ22は複数設けることも可能である。検出回路24は、例えば、磁気センサを駆動し、当該磁気センサの出力信号を取得し、当該センサ出力信号に関するデータを検出結果処理手段114(図1参照)へ送出する。上記の一次的な生体情報に対して施すデータ処理は、検出結果処理手段114が行ってもよいし、検出回路24が行ってもよい。
【0065】
また、例えば、脳波計測装置(EEG)において利用されている電気的手法を採用可能である。この手法では、生体表面またはその付近の電位(換言すれば電場)を、一次的な生体情報として検出する。なお、かかる電位は神経細胞の電気活動に伴って生じると考えられている。検出された一次的な生体情報に対して既知のデータ処理を施すことにより、脳情報等の更なる生体情報を検出可能である。
【0066】
かかる電気的手法を採用する場合、生体情報検出用プローブ22は、例えばプローブ電極を含んで構成され、一般には生体情報検出対象部位の直上に配置される。なお、図2では生体情報検出用プローブ22が1つの場合を例示しているが、当該プローブ22は複数設けることも可能である。検出回路24は、例えば、プローブ電極により測定された電位を取得し、当該電位に関するデータを検出結果処理手段114(図1参照)へ送出する。上記の一次的な生体情報に対して施すデータ処理は、ここでは検出結果処理手段114が行うものとするが、検出回路24が行ってもよい。
【0067】
また、例えば、近赤外分光法(NIRS)を利用した脳機能測定装置において利用されている光学的手法を採用可能である。この手法では、生体の外部から光を照射し、当該光を生体外部から観測する。この観測光は、一次的な生体情報として検出される。検出された一次的な生体情報に対して既知のデータ処理を施すことにより、脳情報等の更なる生体情報を検出可能である。
【0068】
かかる光学的手法によれば、例えば光電脈波等が一次的な生体情報として検出される。また、光電脈波等のデータから、例えば、酸化ヘモグロビン量、還元(脱酸化)ヘモグロビン量、ヘモグロビン全量、酸素飽和度等の血液動態が、更なる生体情報として検出可能である。また、例えば、血液動態の変化から、脳情報等の更なる生体情報を検出可能である。
【0069】
かかる光学的手法を採用する場合、生体情報検出用プローブ22として、生体に照射する光を出射する光出射プローブと、観測光を検出する光検出プローブとの2種類のプローブが設けられる。なお、説明を分かりやすくするために、この2種類のプローブにも符号22を用いることにする。
【0070】
光出射プローブ22は、例えばレーザ素子や発光ダイオード等の発光手段を含んで構成される。あるいは、当該発光手段を検出回路24に設け、発光手段における発光を光ファイバで光出射プローブ22へ導く構成を採用することも可能である。この場合、光出射プローブは例えば光ファイバの端部(光出射端部を構成する)を含んで構成される。
【0071】
光検出プローブ22は、例えばアバランシェフォトダイオード等の受光手段、換言すれば光電変換手段を含んで構成される。あるいは、当該受光手段を検出回路24に設けることも可能である。この場合、光検出プローブは例えば光ファイバの端部(光入射端部を構成する)を含んで構成され、当該光入射端部に入射した光は光ファイバによって上記受光手段へ導かれる。
【0072】
脳情報を検出する場合、一般に、光出射プローブ22と光検出プローブ22とは頭部表面上に並べて配置される。かかる並列配置の場合、光検出プローブ22は、光出射プローブ22から生体へ進入し光検出プローブ22の側へ反射した光を検出する。かかる観測形態は反射型または散乱型と称される場合がある。
【0073】
反射型の場合、光出射プローブ22と光検出プローブ22とは、生体情報検出対象部位の直上地点を中点とする位置関係で以て配置される。換言すれば、光検出プローブ22によって検出される生体情報は、生体上における光出射プローブ22の配置地点と光検出プローブ22の配置地点との中間地点の下方の部位に対応付けられる。
【0074】
なお、指部等において生体情報を検出する場合、光出射プローブ22と光検出プローブ22とを当該指部を挟んで対向配置することも可能である。かかる対向配置の場合、光検出プローブ22は、光出射プローブ22から生体へ進入し生体を透過した光を検出する。かかる観測形態は透過型と称される場合がある。
【0075】
光出射プローブ22を複数設けてもよいし、光検出プローブ22を複数設けてもよい。
この場合、例えば、1つの光出射プローブ22を複数の光検出プローブ22で共有することも可能であるし、逆に1つの光検出プローブ22を複数の光出射プローブ22で共有することも可能である。
【0076】
検出回路24は、例えば、上記の発光手段および受光手段を駆動し、受光手段の出力信号を取得し、当該出力信号に関するデータを検出結果処理手段114(図1参照)へ送出する。上記の一次的な生体情報に対して施すデータ処理は、ここでは検出結果処理手段114が行うものとするが、検出回路24が行ってもよい。
【0077】
なお、生体情報検出手段20は、上記に例示した脳磁計測手段、脳波計測手段および近赤外分光法を利用した脳機能測定手段以外の手段で構成することも可能である。また、上記では脳情報を取得する場合を例示したが、この例示に限定されるものでもない。なお、以下では、説明を簡単にするために、脳磁計測手段または脳波計測手段を用いる場合を主に例示する。
【0078】
抵抗測定手段30は、生体の電気抵抗を測定するモジュールである。ここで図3に、抵抗測定手段30の構成を例示するブロック図を示す。図3に例示の抵抗測定手段30は、プローブ電極34を有する抵抗測定用プローブ32と、固定電極36と、測定回路38とを含んでいる。測定回路38の駆動、例えば測定動作の開始・終了、各種パラメータの設定等は、抵抗測定制御手段116(図1参照)によって制御される。
【0079】
プローブ電極34と固定電極36とは、抵抗測定時に生体上に配置される、より具体的には生体表面に接触させて配置される。測定回路38は、生体上に配置された電極34,36を利用して生体の電気抵抗を測定する。例えば、測定回路38は、電極34,36を介して生体に通電し、そのとき流れる電流量を測定し、取得した電流量を既知の算出式に代入することにより電気抵抗値を算出し、得られた電気抵抗値を測定結果処理手段118へ送出する。なお、例えば、測定回路38は、取得した電流量を測定結果処理手段118へ送出し、当該手段118が電気抵抗値の算出を行うようにしてもよい。なお、他の電気抵抗測定手法を抵抗測定手段30に採用してもよい。
【0080】
ここで、電気抵抗は、電気抵抗値そのものだけでなく、電気抵抗値に換算可能な数量、換言すれば電気抵抗値と相関する数量によっても、把握することが可能である。かかる点に鑑みれば、例えば、測定回路38および測定結果処理手段118は、上記の測定電流量を、電気抵抗値に変換することなく、そのまま電気抵抗値と同様に扱うことが可能である。但し、説明の煩雑化を避けるために電気抵抗値、電気抵抗等と称することにするが、かかる電気抵抗値等には上記のように電気抵抗値に換算可能な数量も含みうるものとする。
【0081】
また、生体情報検出装置10で扱う電気抵抗の値は、オーム(Ω)等の物理単位を用いて与えられる絶対的な数量であってもよいし、あるいは当該装置10について予め規定された相対的な数量であってもよい。
【0082】
測定の際、例えば、プローブ電極34には測定回路38によって測定用電圧が印加され、固定電極36は測定回路38の接地電位に接続される。固定電極36は生体上の所定位置に固定配置される一方で、プローブ電極34(換言すればプローブ32)は生体上の種々の位置に配置可能である。かかる点に鑑み、取得された電気抵抗値はプローブ電極34の配置位置に関連付けることにする。すなわち、生体上の或る地点にプローブ電極34を配置した状態で電気抵抗を測定した場合、得られた電気抵抗値は、そのプローブ配置地点の電気抵抗値とする。
【0083】
抵抗測定用プローブ32は、プローブ電極34の他に、当該電極34を収容する筐体(図示略)等を含んで構成することが可能である。また、かかる筐体等を有さず、プローブ電極34のみで抵抗測定用プローブ30を構成することも可能である。
【0084】
図3では抵抗測定用プローブ32が1つの場合を例示しているが、当該プローブ32は複数設けることも可能である。プローブ32が複数設けられる場合、固定電極36は各プローブ32のプローブ電極34で共用される。
【0085】
抵抗測定手段30を生体の電気的特異部位を探索・検出するのに用いられる。ここで、電気的特異部位は、生体上で電気抵抗が極値を呈する部位である。電気的特異部位は、電気抵抗が周辺に比べて極小となる部位(以下、低抵抗部位と称する)と、電気抵抗が周辺に比べて極大となる部位(以下、高抵抗部位と称する)とを含む。低抵抗部位は、いわゆるツボに対応するため、以下ではツボとも称する。なお、説明を分かりやすくするために、以下では電気的特異部位がツボである場合を例示するが、高抵抗部位についても同様の説明が当てはまる。
【0086】
抵抗測定手段30によるツボの検出は、次のようにして行うことが可能である。
【0087】
例えば、ユーザが抵抗測定用プローブ32を生体上で移動させ、かかるプローブ移動と並行して抵抗測定手段30が電気抵抗を測定する。測定結果処理手段118は、測定結果に基づいてツボの存否を判別する。例えば、測定データ中に電気抵抗が極小を示す箇所が在るか否かを判別することによって、ツボの存否を判別可能である。ツボの判別処理は、プローブ32の移動中に実行してもよいし、移動終了後に実行してもよい。ツボの判別結果は、例えば、測定結果処理手段118から出力制御手段110へ引き渡され、出力制御手段110の制御下で出力手段16に表示される。
【0088】
また、例えば、複数の抵抗測定用プローブ32を生体上に貼り付け、これらのプローブ32を順次切り替えて電気抵抗を測定してもよい。プローブ32の切り替えはユーザが行ってもよいし、あるいは抵抗測定制御手段116の制御下でプローブ32を切り替えるように抵抗測定手段30を構成してもよい。ツボの判別処理は上記と同様に実行可能である。
【0089】
なお、ツボの判別を、測定結果処理手段118によらず、ユーザが行ってもよい。例えば、抵抗測定結果を数値リストやグラフ等で以て出力手段16に出力し、この出力情報からユーザがツボを判別することが可能である。
【0090】
検出されたツボは、例えば生体表面にマーキングしておくことにより、生体情報検出用プローブ22の配置位置、換言すれば生体情報検出対象部位を特定する際の基準位置として利用される。この点を図4の例を参照して説明する。
【0091】
図4は、生体200の一例としての人体の頭部を模式的に示す上面図である。図4において、黒塗りの丸印はそれぞれツボ232の位置を例示し、黒塗りの三角印は生体情報検出対象部位222の位置を例示し、白抜きの三角印は生体情報検出用プローブ22の配置位置を例示している。なお、各印は、ツボ232、検出対象部位222およびプローブ22の形状、大きさ等を示すものではない。また、図4中のX印は、鼻根部210Nと、右耳の耳介前点210Rと、左耳の耳介前点210Lとを示している。これらの部位210N,210R,210Lは、従来から上記基準位置として利用される外的指標の例であり、説明のため図4に記入している。
【0092】
人体頭部のツボとして、例えば、頭頂部に百会(ひゃくえ)と称されるツボが知られている。また、百会から前頭部の側へ向けて前頂(ぜんちょう)、しん会(しんえ)、上星(じょうせい)、神庭(しんてい)と称されるツボが並んでいる。逆に、百会から後頭部の側には後頂(ごちょう)と称されるツボが知られている。また、これらのツボの並びに対して左右の側頭部側にもツボが散在している。
【0093】
このように、ツボ232は、鼻根部210N、耳介前点210R,210L等の外的指標に比べて、多く存在し、また、広く分布している。ここでは人体頭部を例示しているが、外的指標が少ない部位にもツボ232は存在している。
【0094】
また、脳情報を取得するためには、図4に図示される頭部上面領域内に、生体情報検出用プローブ22が配置される。すなわち、かかる頭部上面領域内に生体情報検出対象部位が在る。この場合、鼻根部210N、耳介前点210R,210L等の外的指標は頭部上面領域の外側に存在するのに対して、ツボ232は当該領域の中に存在している。ここでは頭部上面領域の外縁付近に外的指標が在るが、対象とする領域の近くに外的指標が無い場合であっても当該対象領域の中にツボ232は存在しうる。
【0095】
上記に鑑みれば、生体情報検出対象部位222の位置を特定する際の基準位置としてツボ232を利用することにより、外的指標のみを利用する場合に比べて、検出対象部位222をより正確に特定することができる。ここで、例えば複数のツボ232を基準位置として選択してもよいし、1つ以上のツボ232と1つ以上の外的指標とを含む複数地点を基準位置として選択してもよい。すなわち、少なくとも1つのツボ232を含む複数の基準位置によって検出対象部位222をより正確に特定することができる。
【0096】
上記の検出対象部位の正確な特定によれば、同じ対象部位222に対する生体情報検出を再現性良く実施できる。
【0097】
さらに、ツボ232は生体の電気抵抗を測定することによって検出可能であるので、簡便に、また、低コストでツボ232を検出できる。
【0098】
<実施の形態2>
図5に、本発明の実施の形態2に係る生体情報検出装置10Bの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Bは、生体情報検出装置10(図1〜図3参照)にプローブ支持手段40を追加した構成を有している。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0099】
プローブ支持手段40は、生体情報検出用プローブ22と、抵抗測定用プローブ32とを支持する器具である。
【0100】
プローブ支持手段40として、生体に装着可能な器具を採用可能である。例えば、生体情報検出対象部位が頭部に在る場合、プローブ支持手段40はヘッドホン形状、ヘッドギア形状等に構成可能である。また、生体情報検出対象部位が例えば指部に在る場合、プローブ支持手段40は手袋形状、指サック形状、U字形状等に構成可能である。これらの各種の装着具にプローブ22,32が取り付けられる。
【0101】
また、プローブ支持手段40として、アーム状部材を採用することも可能である。この場合、例えばアーム状部材の先端にプローブ22,32が取り付けられる。
【0102】
プローブ支持手段40は、プローブ22,32を生体の側へ押圧するように構成されていることが好ましい。
【0103】
プローブ支持手段40は、特に、プローブ22,32を移動可能に、換言すればプローブ22,32の互いの位置関係を変更可能に、構成されている。
【0104】
例えばプローブ支持手段40が上記の生体に装着可能な器具の場合、当該装着具を、生体に対して固定される基体と、基体に対して移動可能な(したがって生体に対して移動可能な)可動体とを含んで構成し、可動体にプローブ22,32を取り付ければよい。より具体的には、基体に溝形状やレール形状のガイド部を設け、このガイド部を伝って可動体が移動する機構を採用可能である。
【0105】
また、プローブ支持手段40として例えば多関節型の上記アーム状部材を採用することにより、生体上の種々の地点にプローブ22,32を配置可能である。
【0106】
プローブ支持手段40は、プローブ22,32を所望の位置に静止させることももちろん可能である。なお、かかる静止のための補助具をプローブ支持手段40に含めてもよい。静止補助具として、例えば、ネジや棒状部材等を利用可能である。
【0107】
プローブ支持手段40の採用により、プローブ22,32の移動、配置状態の保持等が容易になる。
【0108】
また、プローブ支持手段40の採用により、生体情報検出用プローブ22の配置を容易に再現することができる。これは次の理由による。
【0109】
生体情報を検出する際、生体情報検出用プローブ22は、生体情報検出対象部位に対して決まる所定の位置、例えば上記の脳磁計測手段の場合は当該対象部位の直上に配置されており、その位置にプローブ支持手段40によって保持されている。また、生体情報検出対象部位を特定するためにツボの検出を行っているので、基準位置として利用したツボ上に抵抗測定用プローブ32を配置した状態をプローブ支持手段40に保持させる。このとき、プローブ支持手段40を生体から外したとしても、プローブ支持手段40はプローブ22,32を所定の位置関係で以て保持している。
【0110】
かかる保持状態を生体情報検出の終了後も保管しておくことにより、同じ部位を再度、検出対象部位に設定する場合に、生体情報検出用プローブ22の配置を容易に再現することができる。例えば、以前に基準位置として利用したツボを、プローブ支持手段40に保持された抵抗測定用プローブ32を使って探索し、検出されたツボ上にプローブ32を配置することにより、生体情報検出用プローブ22の配置位置はおのずと決まる。これにより、同じ生体情報検出対象部位に対して、生体情報検出用プローブ22の配置を容易に再現することができる。
【0111】
なお、実施の形態1で説明したように、基準位置としてツボに加えて外的指標を用いることも可能である。この場合、プローブ支持手段40の所定部分を外的指標上に配置する形態が一例として挙げられる。かかる点は後述の実施の形態においても同様である。
【0112】
上記ではプローブ22,32をユーザが手動で移動させる場合を例示した。これに対し、図6に例示する生体情報検出装置10Cのようにプローブ移動手段50と、プローブ移動制御手段120とを追加してもよい。なお、図6では、図面の煩雑化を避けるため、データ処理手段102(図1参照)等の一部の手段の図示を省略している。かかる図示の省略は後出の図面においても行う。
【0113】
図6に例示のプローブ移動手段50は、生体情報検出用プローブ22を移動させる移動手段52と、抵抗測定用プローブ32を移動させる移動手段54とを含んでいる。プローブ移動手段52,54は例えば各種のアクチュエータで構成可能である。
【0114】
プローブ移動手段52,54の動作は、プローブ移動制御手段120によって制御される。例えば、プローブ移動制御手段120は、生体情報検出用プローブ移動手段52を制御する手段と、抵抗測定用プローブ移動手段54を制御する手段とを含む。ここではプローブ移動制御手段120が処理/制御手段100によって実現される場合を例示する。
【0115】
生体情報検出装置10Cのその他の構成は、生体情報検出装置10B(図5参照)と同様である。
【0116】
生体情報検出装置10Cによれば、ユーザが入力手段14を操作することにより、プローブ22,32を移動させることが可能である。例えば、ユーザが入力手段14を介して入力した移動開始・移動終了の指示や移動量の設定は、入力処理手段108(図5参照)を介して、プローブ移動制御手段120へ引き渡される。プローブ移動制御手段120は、入力内容に従ってプローブ移動手段52,54を駆動する。これにより、プローブ22,32が移動する。
【0117】
<実施の形態3>
図7に、本発明の実施の形態3に係る生体情報検出装置10Dの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Dは、生体情報検出装置10C(図6参照)に、プローブ位置検出手段60を追加した構成を有している。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0118】
プローブ位置検出手段60は、プローブ22,32の位置を検出するモジュールであり、各種の位置検出手法を利用して構成可能である。
【0119】
例えば、磁気ソースと磁気センサとを組み合わせた既知の手法を利用可能である。より具体的には、磁気ソースは、位置検出の基準点を与えるものであり、予め決められた位置に固定配置される。磁気ソースの配置位置は、生体上であってもよいし、生体から離れた場所であってもよい。磁気センサは、ホール素子等で構成され、プローブ22,32に固定される。磁気ソースが放つ磁界を磁気センサが検出することにより、その検出信号から磁気センサの位置、すなわちプローブ22,32の位置が判別される。
【0120】
また、プローブ位置検出手段60は、例えば、プローブ移動手段50や、プローブ移動制御手段120を利用して構成することも可能である。より具体的には、プローブ22,32をアクチュエータで移動させる場合、アクチュエータの駆動パラメータ等から、予め設定された原点位置からの変位量を取得することが可能である。
【0121】
プローブ位置検出手段60によって検出されたプローブ22,32の位置情報は、プローブ移動制御手段120へ送出される。
【0122】
生体情報検出装置10Dでは、プローブ移動制御手段120は、プローブ22,32の現在の位置関係と、比較対象とする位置関係とが同じになるように、プローブ移動手段50を駆動する。プローブ移動制御手段120のかかる動作の実行/不実行はユーザによる指示または設定により設定可能である。
【0123】
ここで、プローブ22,32の現在の位置関係は、プローブ位置検出手段60が検出したプローブ位置情報から取得することが可能である。すなわち、プローブ位置検出手段60が検出したプローブ位置情報は、磁気ソースの地点を基準にした相対位置の情報であるが、例えば所定の1つの抵抗測定用プローブ32の位置を基準にした相対的なプローブ位置関係に変換可能である。変換後の情報が示すプローブ位置関係は、磁気ソースの配置位置に影響されない。また、各アクチュエータの配置位置関係は予め既知であるので、かかる例の場合もプローブ22,32の相対的な位置関係を取得可能である。ここでは、かかる変換処理はプローブ移動制御手段120が行うものとする。
【0124】
比較対象とするプローブ位置関係、換言すれば目標とするプローブ位置関係は、ここでは、記憶手段12に予め記憶されているプローブ22,32の位置関係の情報(換言すればデータ)の中から選ばれるものとする。また、かかる基準情報の選択は、例えば、ユーザが入力手段14を介して行うことが可能である。
【0125】
記憶手段12に予め格納されているプローブ22,32の位置関係の情報は、以前に実施した生体情報検出時におけるプローブ22,32の位置関係の情報である。より具体的には、生体情報検出用プローブ22が検出対象部位に対応する所定の位置に配置され、抵抗測定用プローブ32がツボ上に配置された状態における、プローブ22,32の位置関係である。なお、どの位置関係を記憶手段12に記憶させるかの選択は、例えばユーザが入力手段14を介して行うことが可能である。
【0126】
プローブ移動制御手段120による上記動作の具体例を、図8のフローチャートを参照して説明する。図8の例では、プローブ移動制御手段120は、プローブ22,32の目標とする位置関係を記憶手段12から取得し(ステップST1)、また、プローブ位置検出手段60(図7参照)による検出結果からプローブ22,32の現在の位置関係を取得する(ステップST2)。なお、ステップST1,ST2は上記とは逆の順序で実行してもよい。
【0127】
その後、プローブ移動制御手段120は、目標のプローブ位置関係と、現在のプローブ位置関係とが同じか否かを判断する(ステップST3)。換言すれば、プローブ移動制御手段120は、両位置関係に差異、すなわちずれが在るか否かを判定する(ステップST3)。なお、位置関係が同じである状態とは、完全に一致する状態だけでなく、ずれ量が予め設定された許容範囲内に収まっている状態も含むものとする。あるいは、求められたずれ量が、予め設定されたしきい値よりも大きい場合にずれが有ると判別するようにしてもよい。なお、位置関係の比較手法として既知の各種手法、例えば数値データや位置情報を図示化したデータ(マッピングしたデータ等)を比較する手法を採用可能である。かかる位置関係の同一性の範囲、判定手法は、後述の各種構成においても同様に適用可能である。
【0128】
ステップST3においてプローブ22,32の現在の位置関係は目標とする位置関係と同じであると判断された場合、プローブ移動制御手段120の当該動作は終了する。これに対し、ステップST3において両位置関係は同じではないと判断された場合、プローブ移動制御手段120は、両位置関係のずれ量が小さくなるように、プローブ移動手段50を制御してプローブ22,32を移動させる(ステップST4)。図8の例では、その後、プローブ移動制御手段120の制御はステップST2へ戻る。
【0129】
生体情報検出装置10Dによれば、プローブ22,32の位置関係を自動的に再現することができる。また、記憶手段12の利用によって、以前のプローブ位置関係を多く記憶することできる。このため、多くの生体情報検出を再現することができる。
【0130】
ここで、上記ステップST4ではプローブ22,32の両方を移動させてもよいし、プローブ22,32の一方だけを移動させてもよい。後者の制御手法によれば、プローブ移動手段52,54の一方しか有さない構成にも、プローブ移動制御手段120の上記制御を適用可能である。例えば、抵抗測定用プローブ32は手動で予め所定のツボ位置に移動させておき、その状態からプローブ移動制御手段120によって生体情報検出用プローブ22を配置するようにしても構わない。
【0131】
また、上記では記憶手段12に格納されプローブ移動制御手段120が利用する情報が、プローブ22,32の位置関係の情報である場合を例示した。これに代えて、プローブ22,32の位置関係に相関しプローブ22,32の位置関係を導出可能な情報を利用することも可能である。
【0132】
例えば、生体情報の検出を行う際に抵抗測定用プローブ32はツボ上に配置されるので、生体情報検出用プローブ22とツボとの位置関係を利用可能である。同様に、生体情報検出対象部位と抵抗測定用プローブ32との位置関係も利用可能である。さらに、生体情報検出対象部位とツボとの位置関係も利用可能である。
【0133】
なお、生体情報検出手段20が例えば脳磁計測手段や脳波計測定手段で構成される場合、既述のように生体情報検出用プローブ22の位置と、生体情報検出対象部位の位置とは、生体の上面視において一致する。また、光学方式(反射型)の脳機能測定手段の場合、生体情報検出用プローブ22としての光出射プローブ22および光検出プローブ22の位置は、生体情報検出対象部位の位置とは一致しないが相関することも既述の通りである。
【0134】
このため、上記に例示した各種位置関係によれば、プローブ22,32の位置関係を特定可能であるので、プローブ移動制御手段120の上記制御において利用可能である。
【0135】
<実施の形態4>
図9に、本発明の実施の形態4に係る生体情報検出装置10Eの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Eは、生体情報検出装置10B(図5参照)に、既述のプローブ位置検出手段60と、ずれ検出手段122と、通知手段70とを追加した構成を有している。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0136】
ずれ検出手段122は、ここでは処理/制御手段100によって実現される場合を例示する。ずれ検出手段122は、プローブ22,32の現在の位置関係と、比較対象とする位置関係との間のずれ検出を行い、プローブ配置のずれが検出された場合には通知手段70を駆動させる。なお、ずれが検出されない場合は、ずれ検出手段122は通知手段70の駆動は行わない。なお、ずれ検出手段122のかかる動作の実行/不実行はユーザによる指示または設定により設定可能である。
【0137】
ずれ検出手段122のかかる動作は、図10のフローチャートに例示するように、通知手段70の制御ステップST5を除いて、実施の形態3で説明したプローブ移動制御手段120と同様の処理ST1〜ST3によって実現可能である。
【0138】
通知手段70は、ずれ検出手段122によってずれが検出された場合に動作させるモジュールである。通知手段70の駆動は、ずれ検出手段122によって制御される。
【0139】
生体情報検出装置10Eによれば、ユーザは、プローブ22,32の配置にずれが在ることを容易に知ることができる。このため、生体情報検出用プローブ22の配置再現性の向上に資する。
【0140】
通知手段70は、各種のマン・マシン・インターフェースで構成可能であるが、例えば、音や声が出力される発音手段、ランプ等が点灯する点灯手段、ランプ等が点滅する点滅手段等で構成するのがより好ましい。これらの手段によれば、ディスプレイ上に文字情報のみで通知する構成に比べて、直感的な通知が可能になる。
【0141】
また、例えば、ずれ検出手段122がずれ量に応じて、通知手段70の発音、点灯、点滅等を変調する場合には、ずれの有無だけでなく、その量についても直感的な通知が可能になる。
【0142】
なお、ずれ検出手段122および通知手段70は、例えば、プローブ移動手段50を有する生体情報検出装置10D(図7参照)にも採用可能である。
【0143】
<実施の形態5>
図11に、本発明の実施の形態5に係る生体情報検出装置10Fの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Fは、生体情報検出装置10(図1参照)にプローブ支持手段40Bと、生体情報検出用プローブ選択手段124とを追加した構成を有している。また、生体情報検出装置10Fではプローブ22,32が複数設けられている。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0144】
プローブ支持手段40Bは、生体情報検出用プローブ22と、抵抗測定用プローブ32とを支持する器具であり、基本的には、既述のプローブ支持手段40(図5参照)と同様に構成することが可能である。
【0145】
但し、プローブ支持手段40Bは、複数のプローブ22,32を予め規定された所定の位置関係で以て、すなわち所定のプローブ配列で以て支持する点で、プローブ22,32の位置関係を変更可能なプローブ支持手段40とは異なる。
【0146】
図12にプローブ支持手段40Bを例示する模式図を示す。図12は人体頭部の上面図に相当し、図4に対応する。なお、図12では、説明を分かりやすくするため、生体200としての頭部も併記している。図12には、生体情報検出用プローブ22を白抜きの三角印で以て、また、抵抗測定用プローブ32を白抜きの丸印で以て模式的に図示している。なお、以下の説明を分かりやすくするために、ツボ232を黒塗りの丸印で例示し、生体情報検出部位222を黒塗りの三角印で例示している。なお、各印は、プローブ22,32等の形状、大きさ等を示すものではない。
【0147】
図12の例では、プローブ支持手段40Bは、頭部を覆う帽子形状をしている。図12にはプローブ22,32が図示の縦方向および横方向に交互に整列した形態でプローブ支持手段40Bに固定されている場合を例示しているが、プローブ22,32の配列はこれに限定されるものではない。
【0148】
生体情報検出装置10Fでは、複数の抵抗測定用プローブ32は、抵抗測定制御手段116によって順次切り替えられて使用される。すなわち、抵抗測定制御手段116は、抵抗測定手段30に対して、複数の抵抗測定用プローブ32を切り替えて抵抗測定を実行させる。なお、実施の形態1で例示したように、抵抗測定用プローブ32の切り替えをユーザが行うようにしてもよい。プローブ32の切り替えに伴って得られる抵抗測定結果は、測定結果処理手段118によるツボ232の検出に用いられる。
【0149】
また、生体情報の検出は、複数の生体情報検出用プローブ22のうちで、生体情報検出対象部位に対して決まる所定の位置、例えば上記の磁気的手法の場合は当該対象部位の直上に配置されているプローブ22を選択して使用することにより、行われる。
【0150】
また、記憶手段12には、ツボ232と、以前に生体情報の検出が行われたことがある生体情報検出対象部位222との位置関係を特定可能な情報(換言すればデータ)が予め格納され蓄積されている。なお、当該情報を記憶手段12に保存しておくか否かはユーザが決定することが可能である。
【0151】
なお、実施の形態3での説明と同様に、記憶手段12に格納される当該情報は、ツボ232と生体情報の検出が行われたことがある生体情報検出対象部位222との位置関係を特定可能であればよい。このため、例えば、生体情報の検出の際における、ツボ232と生体情報検出用プローブ22との位置関係、抵抗測定用プローブ32と生体情報検出対象部位222との位置関係、または、プローブ22,32の位置関係を、記憶手段12に記憶させてもよい。
【0152】
生体情報検出用プローブ選択手段124は、ここでは処理/制御手段100によって実現される場合を例示する。生体情報検出用プローブ選択手段124は、複数の生体情報検出用プローブ22のうちから、生体情報の検出に利用するプローブ22を選択する。より具体的には、プローブ選択手段124は、複数のプローブ22,32についての上記所定の位置関係(すなわち上記のプローブ配列)と、複数の抵抗測定用プローブ32によって検出されたツボ232の位置関係と、記憶手段12に記憶されている上記情報から特定されるツボ232と以前に利用した生体情報検出対象部位222との位置関係とに基づいて、上記の以前に利用した部位222の生体情報を検出可能な生体情報検出用プローブ22を選択する。
【0153】
生体情報検出用プローブ選択手段124の上記動作の具体例を、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0154】
図13の例では、まず、生体情報検出用プローブ選択手段124は、プローブ22,32の配列の情報を取得する(ステップST11)。かかるプローブ配列の情報は、例えば、配列形態(図12の例であればマトリクス型)、配列ピッチ等である。また、例えば、プローブ配列情報は、記憶手段12や、生体情報検出手段20または抵抗測定手段30に設けられたメモリ等に予め格納され、当該記憶手段12等から生体情報検出用プローブ選択手段124へ読み出される。なお、例えば、プローブ配列情報取得ステップST11を生体情報検出装置10Fの起動時に行っておき、それ以後、プローブ選択手段124が当該情報を保有するようにしてもよい。
【0155】
次に、プローブ選択手段124は、検出されたツボ232の位置関係の情報を取得する(ステップST12)。ツボ232の位置関係は、例えば、測定結果処理手段118によるツボ検出結果と、抵抗測定用プローブ32の配列とから特定することが可能である。
【0156】
例えば、抵抗測定プローブ32の配列形態は固定されており、また既知であるため、かかる配列の情報を利用することにより、どのプローブ32がツボ232を検出したのかを特定することは可能である。例えば、各プローブ32に予め識別情報、いわゆるIDを割り当てておき、測定結果処理手段118がツボの判別とともに、ツボ232を検出したプローブ32のIDを特定する。生体情報検出用プローブ選択手段124は、特定されたIDと、プローブ32の配列情報とを利用することにより、ツボ232を検出したプローブ22の位置情報を取得することが可能である。
【0157】
その後、プローブ選択手段124は、検出されたツボ232の位置情報を検索キーとして記憶手段12を検索し、記憶手段12に記憶されている上記情報から、検出されたツボの位置関係と同じツボ位置関係を含んでいる情報を抽出する(ステップST13)。
【0158】
情報抽出の際に検索キーとするツボの位置関係と記憶手段12に格納されている情報中のツボ位置関係とを比較・判別するが、完全一致だけでなく、部分一致を条件とすることも可能である。部分一致によれば、検索キーとする情報中のツボの数または記憶手段12に格納されている情報中のツボの数が少ない場合であっても、ヒット率が上がる。複数件の情報がヒットした場合には、例えばユーザに選択させるようにしてもよい。なお、位置関係の比較手法として既知の各種手法、例えば数値データや位置情報を図示化したデータを比較する手法を採用可能である。
【0159】
そして、プローブ選択手段124は、記憶手段12から抽出された上記情報、すなわちツボ232と生体情報の検出が行われたことがある生体情報検出対象部位222との位置関係を特定可能な情報に基づいて、今回利用する生体情報検出用プローブ22を選択する(ステップST14)。
【0160】
例えば、抽出された上記情報によって特定される生体情報検出対象部位222を、プローブ22,32の配列情報に照合することにより、当該対象部位222に対して生体情報の検出を実行可能な位置に在る生体情報検出用プローブ22を抽出する。なお、かかる照合・抽出処理は、既知の各種手法、例えば数値データや位置情報を図示化したデータを比較する手法を採用可能である。
【0161】
なお、記憶手段12から抽出された上記情報中に、検出が行われたことがある生体情報検出対象部位222が複数含まれる場合、いずれの部位222を今回の検出対象とするかは、例えばユーザに選択させるようにしてもよい。
【0162】
プローブ選択手段124によるプローブ22の選択結果は生体情報検出制御手段112へ引き渡され、生体情報検出制御手段112は当該選択されたプローブ22を用いて生体情報検出を行う。
【0163】
生体情報検出装置10Fによれば、支持手段40Bを用いるので、プローブ22,32の配置が容易になる。
【0164】
また、プローブ選択手段124を備えているので、複数の生体情報検出用プローブ22のうちから生体情報検出の再現に供するプローブ22を自動的に選択することができる。このため、プローブ配置の再現時間を短縮することができる。
【0165】
ここで、抵抗測定制御手段116が抵抗測定手段30に抵抗測定を随時実行させ、抵抗測定が行われるごとに、生体情報検出用プローブ選択手段124が生体情報検出用プローブ22の選択を行うようにしてもよい。この場合、例えば支持手段40Bがずれて生体情報検出用プローブ22に位置ずれが生じた場合であっても、自動的に好適なプローブ22を再選択することができる。これによれば、ずれを気にせずに、生体情報検出を継続的に行うことができる。
【0166】
<実施の形態6>
図14に、本発明の実施の形態6に係る生体情報検出装置10Gの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Gは、生体情報検出装置10B(図5参照)に電源管理手段126を追加した構成を有している。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0167】
電源管理手段126は、ここでは処理/制御手段100によって実現される場合を例示する。電源管理手段126は、抵抗測定手段30による電気抵抗の測定結果に基づいて、当該生体情報検出装置10Gの電源管理を行う。
【0168】
電源管理手段126の動作の具体例を、図15のフローチャートを参照して説明する。図14の例では、電源管理手段126は、抵抗測定手段30による測定結果を取得し(ステップST21)、当該測定結果から、抵抗測定用プローブの電極34,36(図3参照)が生体上に配置されているか否か、換言すれば生体情報検出装置10Gが現在使用中であるか否かを判断する(ステップST22)。
【0169】
かかる判断処理では、例えば、電気抵抗の測定値が予め設定された所定のしきい値よりも大きければ電極34,36は生体上に配置されていない判断し、そうでなければ電極34,36は生体上に配置されていると判断する(ステップST22)。なお、上記しきい値として、例えば、生体の最大電気抵抗値よりも大きい値が選択される。そして、電源管理手段126は、電極34,36が生体上に配置されていると判断した場合、当該処理を終了する。
【0170】
一方、電源管理手段126は、電極34,36が生体上に配置されていないと判断した場合、電源手段18を制御して生体情報検出装置10Gの電源をオフ状態または待機モードにする(ステップST23)。
【0171】
また、図16に例示するフローチャートのように、上記のステップST22の後に、ステップS24を設けてもよい。ステップST24において、電源管理手段126は、抵抗の測定結果値が上記しきい値よりも大きい状態、つまり電極34,36が生体上に配置されていない状態が、所定時間続いているか否かを判断する。所定時間続いていると判断された場合、電源管理手段126は上記の電源管理ステップST23を実行する。一方、所定時間続いていないと判断された場合、電源管理手段126の処理は抵抗測定結果の取得ステップST21へ移行する。
【0172】
上記ではステップST24での判断材料に継続時間を利用したが、例えば抵抗測定結果の取得回数を利用することも可能である。すなわち、抵抗測定結果の取得ステップST21の実行回数が連続して所定回数を超えた場合に、電源制御ステップST23を実行するようにしてもよい。
【0173】
なお、上記の所定のしきい値、所定時間、所定回数は予め設定され、例えば処理/制御手段100の記憶装置または記憶手段12に予め格納される。
【0174】
生体情報検出装置10Gによれば、省エネルギー仕様の装置を提供することができる。なお、電源管理手段126は、生体情報検出装置10(図1参照)等にも採用可能である。
【0175】
<実施の形態7>
図17に、本発明の実施の形態7に係る生体情報検出装置10Hの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Hは、生体情報検出装置10B(図5参照)に刺激印加手段80と、刺激印加制御手段128とを追加した構成を有している。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0176】
刺激印加手段80は、抵抗測定用プローブ30を介して生体へ電気的刺激を印加するモジュールである。刺激印加手段80は、例えば、抵抗測定用プローブ30のプローブ電極34(図3参照)に接続された電圧出力回路によって構成可能である。この例によれば、刺激印加手段80がプローブ電極34に電圧を印加することにより、抵抗測定用プローブ30の電極34,36(図3参照)を介して生体に電気的刺激を印加可能である。
【0177】
なお、上記の電圧出力回路を固定電極36に接続してもよく、かかる例によっても電極34,36を介して生体に電気的刺激を印加可能である。印加する電圧は、例えば、抵抗測定手段30が出力する抵抗測定用電圧よりも高く設定される。
【0178】
ここで、抵抗測定手段30は、上記のように、測定回路38(図3参照)が電極34,36を介して生体へ電圧を印加する構成を有している。このため、刺激印加手段80を、測定回路38の出力電圧を調整する電圧調整回路として構成することも可能である。
【0179】
刺激印加制御手段128は、ここでは処理/制御手段100によって実現される場合を例示する。刺激印加制御手段128は、刺激印加手段80の駆動、例えば電圧の印加開始・終了、印加電圧の大きさ等を制御する。
【0180】
刺激印加制御手段128は、脳情報に基づいて、刺激印加手段80を制御するように構成可能である。例えば、検出結果処理手段114によって脳活動の低下または特定の脳活動が検出された場合、刺激印加制御手段128は刺激印加手段80を駆動して電気的刺激の印加を行う。これによれば、例えば、居眠り運転等の注意力低下を防止することができる。換言すれば、生体に対して注意を喚起することができる。また、電気的刺激の印加により、例えば、疲労回復効果が期待される。なお、上記の脳活動の低下レベルまたは特定の脳活動のレベルが大きいほど、電気的刺激量を大きくすれば、より効果的である。
【0181】
また、刺激印加制御手段128は、生体の電気抵抗の測定結果に基づいて、刺激印加手段80を制御するように構成することも可能である。例えば、刺激印加制御手段128をずれ検出手段122(図9参照)と同様に構成し、刺激印加手段80を通知手段70(図9参照)として利用する。この例によれば、ディスプレイ等による表示を用いなくても、プローブ22,32の位置ずれを電気的刺激で以て通知することが可能になる。なお、ずれ量が大きいほど、電気的刺激量を大きくすれば、ずれの有無だけでなく、その量についても通知が可能になる。
【0182】
生体情報検出装置10Hによれば、抵抗測定用プローブ32を、より具体的には電極34,36を、電気的刺激の印加に兼用するので、生体上に多くのプローブが混み合うのを回避できる。換言すれば、刺激印加手段用の別個のプローブの存在によってプローブ22,32の配置が制限されるのを防止できる。
【0183】
なお、刺激印加手段80および刺激印加制御手段128は、生体情報検出装置10(図1参照)等にも採用可能である。
【0184】
<実施の形態8>
図18に、本発明の実施の形態8に係る生体情報検出装置10Iの構成を例示するブロック図を示す。例示の生体情報検出装置10Iは、生体情報検出装置10F(図11参照)に生体識別情報検索手段130を追加した構成を有している。なお、ここでは既述の要素についての重複した説明は省略する。
【0185】
生体情報検出装置10Iでは、記憶手段12に、検出されたツボの位置関係の情報(換言すればデータ)が蓄積されている。特に、ツボの位置関係の情報は、当該ツボ検出が行われた生体を識別するために設定される生体識別情報と関連付けて、記憶手段12に格納されている。生体識別情報として、例えば氏名、予め割り当てた番号等を利用可能である。
【0186】
生体識別情報検索手段130は、ここでは処理/制御手段100によって実現される場合を例示する。生体識別情報検索手段130は、ユーザによる指示または設定の下で、ツボの位置関係を検索キーとして記憶手段12を検索し、当該検索キーに関連付けられた生体識別情報を検索する。検索キーとして用いるツボの位置関係の情報は、例えば、測定結果処理手段118によるツボ検出結果と、プローブ位置検出手段60による位置検出結果とから取得することが可能である。
【0187】
情報抽出の際に検索キーとするツボの位置関係と記憶手段12内のツボの位置情報との比較・判別するが、完全一致だけでなく、部分一致を条件とすることも可能である。部分一致によれば、検索キーとする位置情報または記憶手段12に格納されている位置情報が少ない場合であっても、ヒット率が上がる。複数件の情報がヒットした場合には、例えばユーザに選択させるようにしてもよい。なお、位置関係の比較手法として既知の各種手法、例えば数値データや位置情報を図示化したデータを比較する手法を採用可能である。
【0188】
生体情報検出装置10Iによれば、ツボを検出することによって、生体を同定することができる。これはツボの位置関係には個体差があることを利用したものである。
【0189】
なお、生体識別情報検索手段130は生体情報検出装置10D(図7参照)等にも採用可能である。
【0190】
<実施の形態9>
実施の形態1〜8において、ツボ検出(換言すれば抵抗測定)は種々のタイミングで行うことが可能である。例えば、連続的に、あるいは随時、あるいは所定の時間間隔で、ツボ検出を実行可能である。同様に、生体情報の検出も種々のタイミングで行うことが可能である。
【0191】
但し、上記のようにツボ検出には通電等による抵抗測定が採用されているため、生体情報検出に電気的手法(脳波計測装置等)または磁気的手法(脳磁計測装置等)を利用する場合、ツボ検出の信号と、生体情報検出の信号とが干渉する可能性がある。
【0192】
しかし、例えば、ツボ検出のタイミングと生体情報検出のタイミングとをずらすことによって、上記干渉を抑制または排除することができる。あるいは、ツボ検出と生体情報検出とを並行して行う(同時に行う)場合であっても、例えば、生体情報検出に及ぼす影響が少ないレベルの電気量で以てツボ検出を行えばよい。あるいは、例えば、ツボ検出と生体情報検出とのタイミングが重なった期間については生体情報検出データを採用しない等のデータ加工を行ってもよい。
【0193】
他方、例えば生体情報検出に光学的手法(近赤外分光法等)を利用する場合には、上記干渉は無視できる、あるいは発生しない。このため、かかる場合には、ツボ検出と生体情報検出とをそれぞれ種々のタイミングで実行可能である。例えば、生体情報の検出に関係無く、ツボ検出を行うことができる。
【0194】
<変形例>
生体情報検出装置10等の構成は、上記以外にも、種々に組み合わせることが可能である。例えば、生体情報検出手段10D(図7参照)に採用されている可動型の生体情報検出用プローブ22と、生体情報検出手段10F(図11参照)に採用されている選択型の抵抗測定用プローブ32とを組み合わせて、生体情報検出装置を構成することが可能である。また、例えば、選択型の生体情報検出用プローブ22と、可動型の抵抗測定用プローブ32とを組み合わせることも可能である。
【0195】
<実施の形態10>
生体情報検出装置10等を適用してブレイン・マシン・インターフェースを構成することが可能である。実施の形態10ではその一例を説明する。図19に実施の形態10に係るブレイン・マシン・インターフェース310を例示するブロック図を示す。例示のブレイン・マシン・インターフェース310は、既述の生体情報検出装置10Bと、外部制御手段132とを含んでいる。なお、他の生体情報検出装置10等を採用することも可能である。
【0196】
外部制御手段132は、ここでは、生体情報検出装置10Bの処理/制御手段100によって実現される場合を例示するが、例えば処理/制御手段100とは別個の処理/制御手段によって実現しても構わない。外部制御手段132は、検出結果処理手段118が取得した脳情報に従って制御対象312を制御する。制御対象312は例えば各種機器であり、これにより当該機器の電源のオン/オフを制御したり、各種設定を変更したりすることができる。なお、検出された脳情報と、制御対象312に対する制御内容との関連付け処理は、既存の各種手法を採用可能であり、ここではかかる手法の詳細な説明は省略する。
【0197】
ブレイン・マシン・インターフェース310よれば、生体情報検出装置10Bまたは他の生体情報検出装置10等を備えているので、制御対象312に対する所望の制御を正確に、また、再現性良く行うことができる。
【0198】
また、ブレイン・マシン・インターフェース310に搭載される生体情報検出装置10B等は、上記のように、生体情報検出対象部位を特定する際の基準位置として生体の電気抵抗を測定することによって検出可能なツボを利用する。このため、簡便で低コストのブレイン・マシン・インターフェース310を提供することができる。
【0199】
<実施の形態11>
生体情報検出装置10等に基づいて電気的特異部位検出装置、例えばツボ検出装置を構成することが可能である。より具体的には、生体情報検出装置10等から生体情報検出手段20およびこれに関連する要素を取り除いた構成によって、電気的特異部位検出装置を提供することが可能である。図20〜図22のブロック図にいくつかを例示するが、かかる例示に限定されるものではない。
【0200】
図20に例示の電気的特異部位検出装置410は、生体情報検出装置10C(図6参照)に基づいた構成を有している。また、図21に例示の電気的特異部位検出装置410Bは、生体情報検出装置10F(図11参照)に基づいた構成を有している。かかる電気的特異部位検出装置410,410Bによれば、電気的特異地点を自動的に検出することができる。また、かかる自動化により電気的特異地点の検出時間を短縮化することができる。したがって、簡便な電気的特異部位検出装置を提供することができる。
【0201】
また、図22に例示の電気的特異部位検出装置410Cは、生体情報検出装置10I(図18参照)に基づいた構成を有している。かかる電気的特異部位検出装置410Cによれば、電気的特異部位を検出することによって、生体を同定することができる。
【0202】
生体情報検出装置10等に基づいて構成される電気的特異部位検出装置は、当該装置自体によって、あるいは、例えば既存の生体情報検出装置と組み合わされることによって、実施の形態1等で述べた各種効果を奏する。
【符号の説明】
【0203】
10,10B〜10I 生体情報検出装置
12 記憶手段
20 生体情報検出手段
22 生体情報検出用プローブ
30 抵抗測定手段
32 抵抗測定用プローブ
40,40B プローブ支持手段
50 プローブ移動手段
52 生体情報検出用プローブ移動手段
54 抵抗測定用プローブ移動手段
60 プローブ位置検出手段
70 通知手段
80 刺激印加手段
100 処理/制御手段
112 生体情報検出制御手段
114 検出結果処理手段
116 抵抗測定制御手段
118 測定結果処理手段
120 プローブ移動制御手段
122 ずれ検出手段
124 生体情報検出用プローブ選択手段
126 電源管理手段
128 刺激印加制御手段
130 生体識別情報検索手段
132 外部制御手段
200 生体
222 生体情報検出対象部位
232 ツボ(電気的特異部位)
310 ブレイン・マシン・インターフェース
312 制御対象
410,410B,410C 電気的特異部位検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の外部から前記生体内部の生体情報を検出する生体情報検出手段と、
前記生体の電気抵抗を測定する手段であって、前記生体上で前記電気抵抗が極値を呈し、前記生体情報検出手段による検出の対象部位の位置を特定する際の基準位置を提供する、電気的特異部位の検出に用いられる、抵抗測定手段と
を備える、生体情報検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報検出装置であって、
前記生体情報検出手段は、前記生体上に配置される少なくとも1つの生体情報検出用プローブを含み、
前記抵抗測定手段は、前記生体上に配置される少なくとも1つの抵抗測定用プローブを含み、
前記生体情報検出装置は、前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとを互いの位置関係を変更可能に支持するプローブ支持手段を備える、
生体情報検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生体情報検出装置であって、
前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの一方または両方を移動させるプローブ移動手段と、
前記プローブ移動手段を制御するプローブ移動制御手段と、
前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置を検出するプローブ位置検出手段と、
前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置関係を特定可能な情報を記憶する記憶手段と
を備え、
前記プローブ移動制御手段は、前記プローブ位置検出手段による検出結果から得られる前記位置関係が、前記記憶手段に記憶されている前記情報から特定される前記位置関係と同じになるように、前記プローブ移動手段を駆動する、
生体情報検出装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の生体情報検出装置であって、
前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置を検出するプローブ位置検出手段と、
前記少なくとも1つの生体情報検出用プローブと前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブとの位置関係を特定可能な情報を記憶する記憶手段と、
前記プローブ位置検出手段による検出結果から得られる前記位置関係と、前記記憶手段に記憶されている前記情報から特定される前記位置関係との間のずれを検出する、ずれ検出手段と、
前記ずれ検出手段が前記ずれを検出した場合に、前記ずれ検出手段の制御によって動作する通知手段と
を備える、生体情報検出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の生体情報検出装置であって、
前記生体情報検出手段は、前記生体上に配置される複数の生体情報検出用プローブを含み、
前記抵抗測定手段は、前記生体上に配置される複数の抵抗測定用プローブを含み、
前記生体情報検出装置は、前記複数の生体情報検出用プローブと前記複数の抵抗測定用プローブとを所定の位置関係で以て支持するプローブ支持手段を備える、
生体情報検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生体情報検出装置であって、
前記抵抗測定手段に対して、前記複数の抵抗測定用プローブを切り替えて前記電気抵抗の測定を実行させる、抵抗測定制御手段と、
前記電気抵抗の測定結果に基づいて前記電気的特異部位の存否を判別する測定結果処理手段と、
前記複数の生体情報検出用プローブのうちから前記生体情報の検出に利用するプローブを選択する生体情報検出用プローブ選択手段と、
前記電気的特異部位と、前記生体情報の検出が行われたことがある部位との位置関係を特定可能な情報を記憶する記憶手段と
を備え、
前記生体情報検出用プローブ選択手段は、
前記複数の生体情報検出用プローブと前記複数の抵抗測定用プローブとについての前記所定の位置関係と、
前記複数の抵抗測定用プローブによって検出された前記電気的特異部位の位置関係と、
前記記憶手段に記憶されている前記情報から特定される前記位置関係と
に基づいて、前記複数の生体情報検出用プローブのうちから、前記生体情報の検出が行われたことがある前記部位の前記生体情報を検出可能なプローブを選択する、
生体情報検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生体情報検出装置であって、
前記抵抗測定制御手段は、前記複数の抵抗測定用プローブを切り替えて行う前記電気抵抗の測定を前記抵抗測定手段に随時実行させ、
前記生体情報検出用プローブ選択手段は、前記電気抵抗の測定が行われるごとに前記生体情報検出用プローブの選択を行う、
生体情報検出装置。
【請求項8】
生体上で電気抵抗が極値を呈する部位である電気的特異部位を検出する装置であって、
前記生体上に配置される少なくとも1つの抵抗測定用プローブを含む抵抗測定手段と、
前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブを移動させる抵抗測定用プローブ移動手段と、
前記抵抗測定用プローブ移動手段と前記抵抗測定手段とを制御することによって、前記少なくとも1つの抵抗測定用プローブを移動させながら前記電気抵抗を測定させる、抵抗測定制御手段と、
前記電気抵抗の測定結果に基づいて前記電気的特異部位の存否を判別する測定結果処理手段と
を備える、電気的特異部位検出装置。
【請求項9】
生体上で電気抵抗が極値を呈する部位である電気的特異部位を検出する装置であって、
前記生体上に配置される複数の抵抗測定用プローブを含む抵抗測定手段と、
前記抵抗測定手段に対して、前記複数の抵抗測定用プローブを切り替えて前記電気抵抗を測定させる抵抗測定制御手段と、
前記電気抵抗の測定結果に基づいて前記電気的特異部位の存否を判別する測定結果処理手段と
を備える、電気的特異部位検出装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の電気的特異部位検出装置であって、
前記生体を識別するために設定される生体識別情報と、当該生体から検出された前記電気的特異部位の位置関係とを関連付けて記憶する、記憶手段と、
前記電気的特異部位の前記位置関係を検索キーとして、前記記憶手段から前記検索キーに関連付けられた前記生体識別情報を抽出する、生体識別情報検索手段と
を備える、電気的特異部位検出装置。
【請求項11】
生体の外部から前記生体内部の生体情報を検出する生体情報検出手段を備えるとともに、
前記生体上で電気抵抗が極値を呈し、前記生体情報検出手段による検出の対象部位の位置を特定する際の基準位置を提供する、電気的特異部位を検出する電気的特異部位検出手段と
を備え、
前記電気的特異部位検出手段は、請求項8ないし10のうちのいずれか1項に記載の電気的特異部位検出装置を含む、
生体情報検出装置。
【請求項12】
請求項1ないし7と請求項11とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置であって、
前記電気抵抗の測定結果に基づいて当該生体情報検出装置の電源管理を行う電源管理手段
を備える、生体情報検出装置。
【請求項13】
請求項2ないし7と請求項11と請求項12とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置であって、
前記抵抗測定用プローブを介して前記生体へ電気的刺激を印加する刺激印加手段
を備える、生体情報検出装置。
【請求項14】
請求項1ないし7と請求項11ないし13とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置であって、
前記生体情報は脳情報であり、
前記生体情報検出手段は、脳磁計測手段と、脳波計測手段と、近赤外分光法を利用した脳機能測定手段とのうちのいずれか1つを含んで構成されている、
生体情報検出装置。
【請求項15】
請求項1ないし7と請求項11ないし14とのうちのいずれか1項に記載の生体情報検出装置を備え、
前記生体情報は脳情報であり、
前記脳情報に従って制御対象を制御する外部制御手段
を備える、ブレイン・マシン・インターフェース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−246821(P2010−246821A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101672(P2009−101672)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】