説明

生体情報測定装置

【課題】測定可能モードを速やかに選択することのできる生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】この生体情報測定装置は、生体情報を測定するための電極として、ユーザの足に接触する足電極と、ユーザの手に接触する手電極とを備え、生体情報を測定するための測定モードとして、足電極および手電極を用いて生体情報を測定する全身測定モードと、足電極のみを用いて生体情報を測定する両足測定モードと、手電極のみを用いて生体情報を測定する両手測定モードとを備える。そして、足通電電極および手通電電極の通電が可能か否かを判定する判定処理と、この判定結果に基づいて全身測定モードおよび両足測定モードおよび両手測定モードの中から測定可能なモードを選択する選択処理と、選択された測定可能なモードにより生体情報を測定する測定処理とを行い、判定処理において、足通電電極および手通電電極の通電を同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報を測定するための電極として、ユーザの足に接触する足電極と、ユーザの手に接触する手電極とを備える生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記生体情報測定装置の一例として特許文献1に記載のものが挙げられる。
この文献の生体情報測定装置は、生体情報を測定するための測定モードとして、足電極および手電極を用いる第1測定モードと、足電極のみを用いる第2測定モードと、手電極のみを用いる第3測定モードとを備えている。この測定装置によれば次の手順で生体情報の測定が行われる。
【0003】
まず、生体情報の測定の開始前において、足電極により生体に電流を流して電圧を測定し、次に手電極により生体に電流を流して電圧を測定し、それぞれの測定結果に応じて生体情報の測定に用いる測定モードを選択する。具体的には、足電極により通電したときの電圧および手電極により通電したときの電圧がそれぞれ所定範囲内のとき、第1測定モードを選択する。また、足電極により通電したときの電圧が所定範囲内のとき、かつ手電極により通電したときの電圧が所定範囲外のとき、第2測定モードを選択する。また、足電極により通電したときの電圧が所定範囲外のとき、かつ手電極により通電したときの電圧が所定範囲内のとき、第3測定モードを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−190142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記生体情報測定装置では、足電極および手電極のそれぞれが生体と接触しているか否かを判定するにあたり、上述のとおり足電極により通電したときの電圧を測定し、その結果に基づく判定をした後に手電極により通電したときの電圧を測定している。このため、足電極および手電極の接触状態の判定が完了するまでに時間がかかる。すなわち、生体情報の測定を速やかに開始することが難しい。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的は、測定可能モードを速やかに選択することのできる生体情報測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段について記載する。
・本発明の生体情報測定装置は、生体情報を測定するための電極として、ユーザの足に接触する足電極と、ユーザの手に接触する手電極とを備え、生体情報を測定するための測定モードとして、前記足電極および前記手電極を用いて生体情報を測定する第1測定モードと、前記足電極および前記手電極のうちの前記足電極のみを用いて生体情報を測定する第2測定モードと、前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみを用いて生体情報を測定する第3測定モードとを備える生体情報測定装置において、前記足電極および前記手電極の通電状態を判定する判定処理と、生体情報の測定が可能な測定モードを測定可能モードとして、前記判定処理の判定結果に基づいて前記第1測定モードおよび前記第2測定モードおよび前記第3測定モードの中から前記測定可能モードを選択する選択処理と、この選択処理により選択された前記測定可能モードにより生体情報を測定する測定処理とを行い、前記判定処理において前記足電極および前記手電極の通電を同時に行うことを特徴とする。
【0008】
・この生体情報測定装置においては、前記判定処理では、前記手電極の通電が手所定時間以上にわたり継続されているか否かの判定、および前記足電極の通電が足所定時間以上にわたり継続されているか否かの判定を行い、前記選択処理では、前記判定処理の判定結果に基づいて、次の(A)〜(C)のように前記測定可能モードを選択することが好ましい。
【0009】
(A)前記手電極の通電が前記手所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、かつ前記足電極の通電が前記足所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、前記第1測定モードおよび前記第2測定モードおよび前記第3測定モードの中から前記測定可能モードを選択する。
【0010】
(B)前記手電極の通電が前記手所定時間以上にわたり継続されていない旨判定したとき、かつ前記足電極の通電が前記足所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、前記第2測定モードを前記測定可能モードとして選択する。
【0011】
(C)前記手電極の通電が前記手所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、かつ前記足電極の通電が前記足所定時間以上にわたり継続されていない旨判定したとき、前記第3測定モードを前記測定可能モードとして選択する。
【0012】
・この生体情報測定装置においては、前記選択処理では、前記判定処理により前記手電極が通電可能な状態にある旨判定されたとき、かつ前記足電極が通電可能な状態にある旨判定されたとき、前記第1測定モードを前記測定可能モードとして選択することが好ましい。
【0013】
・この生体情報測定装置においては、前記足電極が設けられる載置部と、この載置部に設けられてユーザの体重を測定する体重測定部とを含み、前記判定処理では、前記体重測定部を用いた体重測定が可能な状態にあるか否かを判定する第1測定判定と、前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にあるか否かを判定する第2測定判定とを行い、前記体重測定部を用いた体重測定ができない状態にある旨判定したとき、かつ前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にある旨判定したとき、ユーザにより体重情報が新たに入力されたか否かを判定する第1情報判定と、前記体重測定部を用いた体重の測定が新たに行われたか否かを判定する第2情報判定との少なくとも一方を行い、前記測定処理では、前記判定処理により前記体重測定部を用いた体重測定ができない状態にある旨判定されたとき、かつ前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にある旨判定されたとき、前記第1情報判定および前記第2情報判定の少なくとも一方について肯定の判定結果が得られるまでは生体情報の算出を保留し、肯定の判定結果が得られた後において、ユーザにより新たに入力された体重情報または前記体重測定部を用いて新たに行われた体重測定の測定結果と、前記手電極を用いて測定された測定結果とを用いて生体情報を算出することが好ましい。
【0014】
・この生体情報測定装置においては、前記判定処理では、前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にある旨判定したとき、前記体重測定部を用いて体重測定を行うことができない状態にある旨判定することが好ましい。
【0015】
・この生体情報測定装置においては、前記判定処理により前記体重測定部を用いた体重測定ができない状態にある旨判定されたとき、ユーザに対して体重情報の入力を促す情報、およびユーザに対して前記体重測定部を用いた体重の測定を促す情報の少なくとも一方を提供する提供処理を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、測定可能モードを速やかに選択することのできる生体情報測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態の生体情報測定装置について、(a)は本体装置に把持装置が取り付けられた状態の斜視構造を示す全体斜視図、(b)は本体装置から把持装置が取り外された状態の斜視構造を示す全体斜視図。
【図2】同実施形態の生体情報測定装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の生体情報測定装置について、(a)は全身測定モードのときのユーザの状態を示す模式図、(b)は両足測定モードのときのユーザの状態を示す模式図、(c)は両手測定モードのときのユーザの状態を示す模式図。
【図4】同実施形態の生体情報測定装置により行われる「基本測定処理」について、その手順を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の生体情報測定装置により行われる「測定モード選択処理」について、その手順を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の生体情報測定装置により行われる「体重データ選択処理」について、その手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2実施形態の生体情報測定装置について、同装置により行われる「測定モード選択処理」の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に、生体情報測定装置1の構成を示す。なお、図1(a)は把持装置20が本体装置10に取り付けられた状態を示す。また、図1(b)は把持装置20が本体装置10から取り外された状態を示す。
【0019】
生体情報測定装置1は、生体情報の測定のためにユーザの両足が載せられる本体装置10と、生体情報の測定のためにユーザにより把持される把持装置20とを含む。これら本体装置10および把持装置20は通信用のコード18により互いに接続されている。
【0020】
本体装置10には、ユーザの足を載せるための載置部11と、生体情報測定装置1の電源をオンおよびオフするための電源スイッチ16と、把持装置20の把持本体部25を載せるためのホルダ17とが設けられている。
【0021】
載置部11には、ユーザの足に接触してインピーダンスを測定するための足電極12と、ユーザの体重を測定するための荷重センサ15とが設けられている。足電極12は、ユーザの足に電流を流すための一対の足通電電極13と、生体内を流れる電流の電圧を測定するための一対の足測定電極14とにより構成されている。なお、荷重センサ15は体重測定部に相当する。
【0022】
把持装置20には、生体情報の測定時にユーザにより把持される把持部21と、生体情報の測定のためにユーザにより操作される把持本体部25とが設けられている。
把持部21には、ユーザの手に接触してインピーダンスを測定するための手電極22が設けられている。手電極22は、ユーザの手に電流を流すための一対の手通電電極23と、生体内を流れる電流の電圧を測定するための一対の手測定電極24とにより構成されている。
【0023】
把持本体部25には、測定結果等を表示するための表示部30と、複数のボタンを含む入力部41と、過去の生体情報の測定結果を表示するための比較ボタン42と、表示部30に表示される測定結果等を切り替えるための切替ボタン43とが設けられている。入力部41には、ユーザ毎に予め登録されたユーザ情報を呼び出すためのユーザボタンと、ユーザが各種の情報を入力するときに数値や項目の内容等を変更するための選択ボタンと、入力内容を決定するための設定ボタンとが設けられている。
【0024】
図2を参照して、生体情報測定装置1の電気的な構成について説明する。
生体情報測定装置1は、生体情報の測定を行うための電極等を含む測定部60と、入力部41から送信された情報等に基づいて演算部51により各種の演算を行う制御部50とを含む。測定部60は、荷重センサ15および足通電電極13および足測定電極14および手通電電極23および手測定電極24を含む。またこの他に、制御部50の演算結果が記憶されるとともに制御部50での演算に必要となる計算式等が予め記憶された記憶部70を含む。
【0025】
入力部41および測定部60および記憶部70と制御部50との間では次のように信号の送受信が行われる。すなわち制御部50には、入力部41により入力された情報、荷重センサ15の検出値、足測定電極14の検出値および手測定電極24の検出値が入力される。また記憶部70には、制御部50に入力された情報および各検出値、ならびに制御部50の演算結果が記憶される。また記憶部70からは、演算結果のデータおよび予め記憶されている演算式等のデータが必要に応じて制御部50により読み出される。また足通電電極13および手通電電極23には、通電のための指令信号が制御部50から送信される。また表示部30には、表示のための指令信号が制御部50から送信される。
【0026】
演算部51は、生体情報としての複数の測定項目の演算を行う。測定項目としては、例えば「体重」、「BMI」、「体脂肪率」、「筋肉レベル」、「基礎代謝」、「内臓脂肪レベル」、「皮下脂肪率」、「骨量」、「体組成年齢」および「バランス年齢」が挙げられる。
【0027】
図3を参照して、全身のインピーダンスを測定する全身測定モード、および両足間のインピーダンスを測定する両足測定モード、および両手間のインピーダンスを測定する両手測定モードにおける生体情報の測定態様について説明する。
【0028】
図3(a)に示されるように、足通電電極13および足測定電極14と、手通電電極23および手測定電極24とがそれぞれユーザの両足および両手に接触しているとき、全身測定モードが選択される。このとき、足通電電極13および手通電電極23により右手右足間および左手左足間に電流が流されるとともに足測定電極14および手測定電極24により同電流の電圧が測定される。また、荷重センサ15により体重に応じた電圧の変化が測定される。なお、全身測定モードは第1測定モードに相当する。
【0029】
図3(b)に示されるように、足通電電極13および足測定電極14がユーザの両足に接触しているとき、かつ手通電電極23および手測定電極24がユーザの両手に接触していないとき、両足測定モードが選択される。このとき、足通電電極13によりユーザの両足間に電流が流されるとともに足測定電極14により同電流の電圧が測定される。また、荷重センサ15により体重に応じた電圧の変化が測定される。なお、両足測定モードは第2測定モードに相当する。
【0030】
図3(c)に示されるように、手通電電極23および手測定電極24がユーザの両手に接触しているとき、かつ足通電電極13および足測定電極14がユーザの両足に接触していないとき、両手測定モードが選択される。このとき、手通電電極23によりユーザの両手間に電流が流されるとともに手測定電極24により同電流の電圧が測定される。なお、両手測定モードは第3測定モードに相当する。
【0031】
図4を参照して、生体情報測定装置1により実行される「基本測定処理」について説明する。なお、この処理は、ユーザにより電源スイッチ16がオンに切り替えられたときに開始され、最後のステップまで処理が進んだ後に終了される。
【0032】
ステップS110において、登録ボタンが操作された旨判定したとき、ステップS120において新規のユーザ登録のための登録モードを開始する。登録モードでは、ユーザ登録のために必要となる情報の入力を案内する内容を表示部30に表示する。ユーザは、表示部30に表示された内容に従い入力部41を操作し、ユーザ情報として年齢および性別および身長を入力する。制御部50は、入力されたユーザ情報とユーザ番号とを対応付けて記憶部70に記憶する。
【0033】
ステップS110において、登録ボタンが操作されていない旨判定したとき、かつステップS130においてユーザボタンが操作された旨判定したとき、ステップS140以降の処理を行う。
【0034】
ステップS110において、登録ボタンの操作が行われていない旨判定したとき、かつステップS130においてユーザボタンが操作されていない旨判定したとき、ステップS210以降の処理を行う。
【0035】
ステップS210において、ユーザが体重測定状態にある旨判定したとき、すなわちユーザが載置部11の上にいる旨判定したとき、ステップS230において体重測定モードによりユーザの体重のみを測定する。ステップS210において肯定の判定結果が得られたときには、ユーザがユーザ情報を呼び出すためのユーザボタンを操作することなく載置部11上に移動した状態にある。このため、ステップS230では測定結果の算出のためにユーザ情報を必要としない体重の測定のみを行う。
【0036】
ステップS210において、ユーザが体重測定状態にない旨判定したとき、ステップS220において、電源スイッチ16がオンに切り替えられてから現在までの時間(以下、「オン経過時間TA」)がオン判定時間TB以上か否かを判定する。
【0037】
ステップS220において、オン経過時間TAがオン判定時間TB以上である旨判定したとき、ステップS240の処理において電源スイッチ16をオフにする。オン経過時間TAがオン判定時間TB以上のときには、ユーザが生体情報測定装置1を用いて生体情報の測定を行う準備ができていないと予測される。このため、ステップS240では電源スイッチ16をオフにする。
【0038】
ステップS220において、オン経過時間TAがオン判定時間TB未満である旨判定したとき、ステップS110の処理を再び行う。ステップS220において否定の判定結果が得られたときには、ユーザにより生体情報測定装置1を用いた生体情報の測定が行われる可能性があるため、電源スイッチ16のオフを保留する。
【0039】
ステップS140以降の各処理の詳細について説明する。
ステップS140において、ユーザにより操作されたユーザボタンに対応したユーザ情報を記憶部70から読み出す。
【0040】
ステップS150において、全身測定モードおよび両足測定モードおよび両手測定モードの中から生体情報の測定が可能な測定モード(以下、「測定可能モード」)を選択するための図5の「測定モード選択処理」を行う。測定可能モードとして、足電極12および手電極22のうちの手電極22のみを用いる両手測定モードが選択されたとき、体重の情報を取得するための図6の「体重データ選択処理」を行う。
【0041】
ステップS160において、ステップS150により選択された測定可能モードを用いて生体情報の測定を行う。全身測定モードのときには、右足右手間を流れる電流の電圧、左足左手間を流れる電流の電圧、および体重に応じた電圧を測定する。両足測定モードのときには、右足左足間の間を流れる電流の電圧、および体重に応じた電圧を測定する。両手測定モードのときには、右手左手間を流れる電流の電圧を測定する。
【0042】
ステップS170において、足電極12および手電極22の電圧の測定値およびユーザ情報に基づいて生体インピーダンスを算出する。また、荷重センサ15の電圧の測定値が取得されているときには、測定値に基づいて体重を算出する。そして、ユーザ情報および生体インピーダンスおよび体重に基づいて、各種の生体情報を算出する。算出される生体情報としては、例えば「BMI」、「体脂肪率」、「筋肉レベル」、「基礎代謝」、「内臓脂肪レベル」、「皮下脂肪率」、「骨量」、「体組成年齢」および「バランス年齢」が挙げられる。
【0043】
ステップS180において、生体情報の測定結果および測定が終了した旨を表示部30に表示する。比較ボタン42が操作されたきには、今回の測定結果と併せて過去の測定結果および同結果との差を表示する。切替ボタン43が操作されたときには、表示部30に表示する測定結果を切替える。
【0044】
図5を参照して、「測定モード選択処理」について説明する。
ステップS310において、足通電電極13および手通電電極23の通電を同時に開始する。なお、ここでの同時は、足通電電極13の通電の開始時期と手通電電極23の通電の開始時期とが一致している状態を示す。
【0045】
ステップS320において、足通電電極13が通電可能な状態か否か、すなわち足通電電極13の通電が足所定時間TF以上にわたり継続されているか否かを判定する。また、ステップS330およびステップS340において、手通電電極23が通電可能な状態か否か、すなわち手通電電極23の通電が手所定時間TH以上にわたり継続されているか否かを判定する。足所定時間TFおよび手所定時間THとしては同じ値が設定されている。
【0046】
足所定時間TFは、ユーザが生体情報の測定のために足電極12に足を載せていると予測するために十分な時間に相当し、予め設定されている。すなわち、足電極12を用いて生体情報を適切に測定することが可能か否かを足測定電極14の電圧の測定値との対比に基づいて判定するための値として設定されている。
【0047】
手所定時間THは、ユーザが生体情報の測定のために手電極22を把持していると予測するために十分な時間に相当し、予め設定されている。すなわち、手電極22を用いて生体情報を適切に測定することが可能か否かを手測定電極24の電圧の測定値との対比に基づいて判定するための値として設定されている。
【0048】
例えば、両手測定モードでの生体情報の測定を行う意志のないユーザが一時的に手電極22を把持したときにも、手測定電極24の電圧の測定値が生体内を流れる電流に対応した値を示す。しかしこの場合には、ユーザがいずれ手電極22を離すため、両手測定モードでの生体情報の測定を許可することは好ましくない。なお、足電極12についても上記と同様のことがいえる。
【0049】
そこでステップS320では、足所定時間TFと通電時間とを比較することにより、足電極12を用いて生体情報を測定することが困難なときに測定可能モードとして全身または両足測定モードが選択される頻度を低減している。
【0050】
またステップS330およびS340では、手所定時間THと通電時間とを比較することにより、手電極22を用いて生体情報を測定することが困難なときに測定可能モードとして全身または両手測定モードが選択される頻度を低減している。
【0051】
上記各判定処理の結果に応じて、以下の(A)〜(D)のいずれかの処理を行なう。
(A)足通電電極13の通電が足所定時間TF以上にわたり継続されている旨判定したとき、かつ手通電電極23の通電が手所定時間TH以上にわたり継続されている旨判定したとき、ステップS350において全身測定モードを測定可能モードとして選択する。すなわち、足通電電極13および手通電電極23が通電可能な状態にあるとき、全身測定モードにより生体情報の測定を行う。
【0052】
(B)足通電電極13の通電が足所定時間TF以上にわたり継続されている旨判定したとき、かつ手通電電極23の通電が手所定時間TH以上にわたり継続されていない旨判定したとき、ステップS360において両足測定モードを測定可能モードとして選択する。すなわち、足通電電極13のみが通電可能な状態にあるとき、両足測定モードにより生体情報の測定を行う。
【0053】
(C)足通電電極13の通電が足所定時間TF以上にわたり継続されていない旨判定したとき、かつ手通電電極23の通電が手所定時間TH以上にわたり継続されている旨判定したとき、ステップS370において両手測定モードを測定可能モードとして選択する。すなわち、手通電電極23のみが通電可能な状態にあるとき、両手測定モードにより生体情報の測定を行う。
【0054】
(D)足通電電極13の通電が足所定時間TF以上にわたり継続されていない旨判定したとき、かつ手通電電極23の通電が手所定時間TH以上にわたり継続されていない旨判定したとき、ステップS380において表示部30にエラーメッセージを表示する。エラーメッセージとしては、各種生体情報の測定が不可能である旨の内容を表示する。
【0055】
上記(C)の場合、荷重センサ15による体重測定ができない状態にあると予測される。一方、生体情報の算出には、体重データが必要となる。そこで、生体情報測定装置1では、体重の情報を取得するための図6の「体重データ選択処理」を行う。
【0056】
図6を参照して、「体重データ選択処理」について説明する。
ステップS410において、最新の体重の測定値(以下、「最新測定値」)を記憶部70から読み出す。
【0057】
ステップS420において、最新測定値が現在から過去の所定時期までの期間(以下、「所定期間WX」)内に測定されたものか否かを判定する。所定期間WXは、過去に測定された体重と現在の実際の体重との乖離が比較的小さいと考えられる期間として予め設定されている。所定期間WXとしては、例えば1週間を設定することができる。
【0058】
ステップS420において、最新測定値が所定期間WX内に測定されたものではない旨判定したとき、ステップS430において、体重データの入力を促す情報および体重の測定を促す情報を表示部30に表示する。ステップS420において否定の判定結果が得られたときには、そのときの最新測定値が現在の体重と大きく乖離している可能性が高いと予測されるため、正確な体重データを取得するために上記の各情報を表示する。これにより、両手測定モードで生体情報を測定する意思がユーザにあるときには、体重データの入力または体重の測定が行われる。
【0059】
ステップS440において、第1情報判定として、ユーザにより体重データが新たに入力されたか否か、および第2情報判定として、ユーザにより体重の測定が新たに行われたか否かを判定する。
【0060】
ステップS440において、体重データの入力、および体重の測定がいずれも行われていない旨判定したとき、以下の処理を行う。すなわち、ステップS450において、表示部30に各情報を表示してから現在までの時間(以下、「表示経過時間TC」)が所定の表示判定時間TD以上か否かを判定する。
【0061】
ステップS450において、表示経過時間TCが表示判定時間TD以上である旨判定したとき、ステップS460の処理において電源スイッチ16をオフにする。表示経過時間TCが表示判定時間TD以上のときには、ユーザが両手測定モードにより生体情報の測定を行う準備ができていないと予測される。このため、ステップS460では電源スイッチ16をオフにする。
【0062】
ステップS450において、表示経過時間TCが表示判定時間TD未満である旨判定したとき、ステップS440の処理を再び行う。ステップS450において否定の判定結果が得られたとき、ユーザにより体重データが入力される可能性または体重が測定される可能性があるため、電源スイッチ16のオフを保留する。
【0063】
ステップS420において、最新測定値が所定期間WX内に測定されたものである旨判定したとき、ステップS470において両手測定モードを許可する。ステップS440において体重の測定値が入力された旨判定したとき、またはステップS440において体重が測定された旨判定したとき、ステップS470において両手測定モードを許可する。そして、両手測定モードを許可した後、図4の「基本測定処理」のステップS160において両手測定モードにより生体情報を測定する。
【0064】
以上のように、最新測定値が所定期間WX内に測定されているときには、最新測定値および手測定電極24により測定された電圧の測定値を用いて生体情報が算出される。また、最新測定値が所定期間WX内に測定されていないときには、新たに入力された体重データまたは新たに測定された体重の測定値と、手測定電極24とにより測定された電圧の測定値を用いて生体情報が算出される。
【0065】
本実施形態の生体情報測定装置1によれば、以下の効果が得られる。
(1)生体情報測定装置1では、足通電電極13および手通電電極23の通電が可能か否かを判定する判定処理を行うとともに、この判定処理において足通電電極13および手通電電極23の通電を同時に行う。また、判定処理の判定結果に基づいて、全身測定モードおよび両足測定モードおよび両手測定モードの中から測定可能モードを選択する選択処理を行う。また、この選択処理により選択された測定可能モードにより生体情報の測定を行う。
【0066】
この構成によれば、最初に足通電電極13の通電状態を判定し、足通電電極13の通電が確認できない旨判定したときに手通電電極23の通電状態を判定するものに比べて、測定可能モードを早い時期に選択することができる。また、選択処理により選択した測定可能モードにより生体情報の測定を行うため、生体情報の測定結果をユーザに提供することのできる頻度が高められる。
【0067】
(2)生体情報測定装置1では、足通電電極13および手通電電極23の通電がそれぞれ足所定時間TFおよび手所定時間TH以上にわたり継続されているか否かを判定し、この判定結果に基づいて測定可能モードを選択する。この構成によれば、足通電電極13および手通電電極23のそれぞれの通電時間を考慮することなく通電状態を判定するものに比べて、通電可能な状態にあるか否かを正確に判定することができる。
【0068】
(3)生体情報測定装置1では、足通電電極13および手通電電極23が通電可能な状態にあるとき、両足測定モードおよび両手測定モードに優先して全身測定モードを測定可能モードとして選択している。このように、両足測定モードおよび両手測定モードよりも生体情報の測定精度が高い全身測定モードを選択することにより、ユーザに対してより精度の高い生体情報の測定結果を提供することができる。
【0069】
(4)両手測定モードが選択されているときにおいて、最新測定値が所定期間WX内に測定されたものではないときに生体情報を測定する方法として、例えば次の(a)〜(c)のいずれかの処理を行うことが考えられる。
(a)足電極12および手電極22を用いた生体情報の測定を行うことを促すメッセージを表示する。
(b)手電極22のみを用いた生体情報の測定を禁止する。
(c)所定期間WXよりも過去の時期に測定された体重の測定値と、手電極22の電圧の測定値とを用いて生体情報の測定を行う。
【0070】
(a)および(b)の処理を行う場合には、ユーザが両手測定モードによる生体情報の測定を希望しているときに両手測定モードが選択されないため、そうしたユーザの希望に応えられないことになる。
【0071】
これに対して生体情報測定装置1では、体重データが新たに入力されたとき、または体重が新たに測定されたとき、両手測定モードを継続して生体情報を測定している。これより、ユーザが希望する測定モードにより生体情報が測定される頻度が高くなる。
【0072】
(5)上記(c)の処理を行う場合には、測定結果として得られた生体情報が実際の生体の状態を適切に反映していないおそれがある。
これに対して生体情報測定装置1では、新たに入力された体重データ、または新たに測定された体重の測定値を用いて生体情報を算出している。これにより、ユーザに対して適切な生体情報の測定結果を提供することができる。
【0073】
(6)生体情報測定装置1では、両手測定モードが選択されているときにおいて、最新測定値が所定期間WX内に測定されたものではないとき、体重データの入力または体重の測定を促す情報を表示部30に表示する。これにより、両手測定モードを継続して行うために必要な動作をユーザに適切に認識させることができる。
【0074】
(7)生体情報測定装置1では、入力部41のユーザボタンが操作された後に「測定モード選択処理」を開始する。ユーザボタンが操作された後は、通常であればユーザが当該測定装置1を用いて生体情報の測定を行うための準備が完了していると予測される。従って、上記タイミングで「測定モード選択処理」を開始することにより、適切な状態で測定可能モードの選択を正確に行うことができる。
【0075】
(第2実施形態)
図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態の生体情報測定装置1では、足通電電極13および手通電電極23の通電がそれぞれ足所定時間TFおよび手通電時間TH以上にわたり継続されているか否かを判定し、その結果に基づいて測定可能モードを選択している。
【0076】
これに対して本実施形態の生体情報測定装置1では、足測定電極14および手測定電極24の電圧の測定値がそれぞれ足所定範囲VF内および手所定範囲VH内か否かを判定し、その結果に基づいて測定可能モードを選択している。なお以下では、第1実施形態の構成からの変更点を中心に説明し、同実施形態と共通する構成については同一の符合を付してその説明を省略する。
【0077】
ステップS510において、第1実施形態の「測定モード選択処理」のステップS310(図5参照)と同様の処理を行う。
ステップS520において、足測定電極14により測定された電圧の測定値が足所定範囲VF内か否かを判定する。また、ステップS530およびステップS540において、手測定電極24により測定された電圧の測定値が手所定範囲VH内にあるか否かを判定する。足所定範囲VFおよび手所定範囲VHとしては同じ値が設定されている。
【0078】
足所定範囲VFは、ユーザの足の状態が生体情報の適切な測定が可能となる状態にあるときに足電極12により得られる電圧の測定値の範囲に相当し、予め設定されている。すなわち、足電極12を用いて生体情報を適切に測定することが可能か否かを足電極12の電圧の測定値との対比に基づいて判定するための値として設定されている。
【0079】
手所定範囲VHは、ユーザの手の状態が生体情報の適切な測定が可能となる状態にあるときに手電極22により得られる電圧の測定値の範囲に相当し、予め設定されている。すなわち、手電極22を用いて生体情報を適切に測定することが可能か否かを手電極22の電圧の測定値との対比に基づいて判定するための値として設定されている。
【0080】
例えば、ユーザが手袋を装着した状態で手電極22を把持しているときには、素手のときに比べて電圧の測定値が過度に小さくなる。また、ユーザの手が濡れた状態で手電極22を把持しているときには、濡れていないときに比べて電圧の測定値が過度に大きくなる。そして、このような状態で得られた電圧値はユーザの生体インピーダンスを適切に反映していないため、生体情報の演算に用いられることは好ましくない。なお、足電極12についても上記と同様のことがいえる。
【0081】
そこでステップS520では、足所定範囲VFと電圧の測定値とを比較することにより、足電極12を用いて生体情報を正確に測定することが困難なときに測定可能モードとして全身または両足測定モードが選択される頻度を低減している。
【0082】
また、ステップS530およびS540では、手所定範囲VHと電圧の測定値とを比較することにより、手電極22を用いて生体情報を正確に測定することが困難なときに測定可能モードとして全身または両手測定モードが選択される頻度を低減している。
【0083】
上記各判定処理の結果に応じて、以下の(A)〜(D)の処理を行なう。
(A)足測定電極14により測定された電圧の測定値が足所定範囲VF内にある旨判定し、かつ手測定電極24により測定された電圧の測定値が手所定範囲VH内にある旨判定したとき、ステップS550において全身測定モードを測定可能モードとして選択する。すなわち、足電極12および手電極22を用いて生体情報を適切に測定することが可能な状態にあるとき、全身測定モードにより生体情報の測定を行う。
【0084】
(B)足測定電極14により測定された電圧の測定値が足所定範囲VF内にある旨判定し、かつ手測定電極24により測定された電圧の測定値が手所定範囲VH内にない旨判定したとき、ステップS560において両足測定モードを測定可能モードとして選択する。すなわち、足電極12のみを用いて生体情報を適切に測定することが可能な状態にあるとき、両足測定モードにより生体情報の測定を行う。
【0085】
(C)足測定電極14により測定された電圧の測定値が足所定範囲VF内にない旨判定し、かつ手測定電極24により測定された電圧の測定値が手所定範囲VH内にある旨判定したとき、ステップS570において両手測定モードを測定可能モードとして選択する。すなわち、手電極22のみを用いて生体情報を適切に測定することが可能な状態にあるとき、両手測定モードにより生体情報の測定を行う。
【0086】
(D)足測定電極14により測定された電圧の測定値が足所定範囲VF内にない旨判定したとき、かつ手測定電極24により測定された電圧の測定値が手所定範囲VH内にない旨判定したとき、ステップS580において表示部30にエラーメッセージを表示する。エラーメッセージとしては、各種生体情報の測定が不可能である旨の内容を表示する。
【0087】
(その他の実施形態)
本発明の生体情報測定装置の実施態様は、上記各実施形態にて例示した内容に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また、以下に示される各変形例は、対応する実施形態にのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0088】
・上記第1実施形態の「測定モード選択処理」に上記第2実施形態の「測定モード選択処理」を組み合わせることもできる。この場合には、第1実施形態の「測定モード選択処理」に次の(A)および(B)の変更が加えられる。
(A)ステップS320において、足通電電極13の通電が足所定時間TF以上にわたり継続されているか否か、および足測定電極14の電圧の測定値が足所定範囲VF内にあるか否かを判定する。
(B)ステップS330およびS340において、手通電電極23の電圧が手所定時間TH以上にわたり継続されているか否か、および手測定電極24の電圧の測定値が手所定範囲VH内にあるか否かを判定する。
【0089】
・上記第1実施形態の「測定モード選択処理」では、足所定時間TFおよび手所定時間THを同じ値に設定したが、足所定時間TFを手所定時間THよりも大きい値または小さい値に設定することもできる。
【0090】
・上記第2実施形態の「測定モード選択処理」では、足所定範囲VFおよび手所定範囲VHを同じ値に設定したが、足所定範囲VFを手所定範囲VHよりも大きい値または小さい値に設定することもできる。
【0091】
・上記第1および第2実施形態の「測定モード選択処理」について、ステップS350およびステップS550の内容を次のように変更することもできる。すなわち、全身測定モードを選択する処理に代えて、両足測定モードまたは両手測定モードを選択することもできる。
【0092】
・上記第1および第2実施形態の「測定モード選択処理」について、ステップS310およびステップS510の内容を次のように変更することもできる。すなわち、足電極12の通電の開始時期および手電極22の通電の開始時期を同じ時期に設定する構成に代えて、次の(A)または(B)を採用することもできる。なお、以下の各構成も足通電電極13および手通電電極23の通電を同時に行う場合に含まれる。
(A)足電極12の通電の開始後かつ足電極12の通電の実行中に手電極22の通電を開始する。
(B)手電極22の通電の開始後かつ手電極22の通電の実行中に足電極12の通電を開始する。
【0093】
・上記第1および第2実施形態の「測定モード選択処理」では、足電極12および手電極22の通電状態に基づいて測定可能モードを選択したが、体重測定が可能な状態にあるか否かの判定結果も加えて測定可能モードを選択することもできる。この場合には、次の(A)〜(C)の少なくとも1つの処理が各実施形態の「測定モード選択処理」に加えられる。
【0094】
(A)ステップS330またはS530の判定処理により肯定の判定結果が得られたとき、荷重センサ15による体重測定が可能な状態にあるか否かを判定する。測定が可能な状態にある旨判定したとき、ステップS350またはS550において全身測定モードを選択する。一方、測定ができない状態にある旨判定したとき、測定可能モードの選択および生体情報の測定を行わない。
【0095】
(B)ステップS330またはS530の判定処理により否定の判定結果が得られたとき、荷重センサ15による体重測定が可能な状態にあるか否かを判定する。測定が可能な状態にある旨判定したとき、ステップS360またはS560において両足測定モードを選択する。一方、測定ができない状態にある旨判定したとき、測定可能モードの選択および生体情報の測定を行わない。
【0096】
(C)ステップS340またはS540の判定処理により肯定の判定結果が得られたとき、荷重センサ15による体重測定が可能な状態にあるか否かを判定する。測定が可能な状態にある旨判定したとき、ステップS370またはS570において両手測定モードを選択する。一方、測定ができない状態にある旨判定したとき、測定可能モードの選択および生体情報の測定を行わない。
【0097】
・上記各実施形態では、生体情報を測定するモードとして、全身測定モードおよび両足測定モードおよび両手測定モードを生体情報測定装置1に設けるものとしたが、次の測定モードを設けることもできる。すなわち、右足右手間の電圧、左足右手間の電圧、左足左手間の電圧、および右足左手間の電圧を測定する測定モードを設けることもできる。
【0098】
・上記各実施形態の「体重データ選択処理」では、最新測定値が所定期間WX内に測定されたものではない旨判定したとき、第1情報判定および第2情報判定を行うものとしたが、これら判定の一方を省略することもできる。
【0099】
・上記各実施形態の「体重データ選択処理」では、最新測定値が所定期間WX内に測定されたものではない旨判定したとき、体重データの入力を促す情報および体重の測定を促す情報を表示部30に表示したが、これら情報の一方の表示を省略することもできる。また、上記の判定結果を表示部30によりユーザに提供する方法に代えて、音または光または振動によりユーザに上記の判定結果をユーザに提供することもできる。
【0100】
・上記各実施形態の「体重データ選択処理」では、最新測定値が所定期間WX内に測定された値のときには同測定値を用いて生体情報を算出するものとしたが、最新測定値に代えて、所定期間WX内に測定された別の値を用いて生体情報を算出することもできる。
【0101】
・上記各実施形態の「基本測定処理」では、ユーザボタンが操作された後に「測定モード選択処理」を開始するものとしたが、同処理の開始の時期をユーザボタンが操作される前に変更することもできる。
【0102】
・上記各実施形態では、生体情報として体重および生体インピーダンスを測定するための機能を生体情報測定装置1に設けたが、これに加えて、皮下脂肪量を測定するための機能を同装置1に設けることもできる。この場合、例えば光学式の測定装置が把持本体部25の背面に設けられる。
【0103】
・上記各実施形態では、表示部30および入力部41および比較ボタン42および切替ボタン43の各構成要素を把持装置20に設けたが、把持装置20に代えてまたは加えて本体装置10に上記各構成要素を設けることもできる。
【0104】
・上記各実施形態では、本体装置10に制御部50を設けたが、把持装置20に代えてまたは加えて把持装置20に制御部50を設けることもできる。
・上記各実施形態では、本体装置10と把持装置20との間でコード18により通信を行うものとしたが、無線通信(例えば、光または電波)の機能を本体装置10および把持装置20にもたせることもできる。この場合、コード18を省略することもできる。
【符号の説明】
【0105】
1…生体情報測定装置、11…載置部、12…足電極、13…足通電電極、14…足測定電極、15…荷重センサ、22…手電極、23…手通電電極、24…手測定電極、30…表示部、50…制御部、51…演算部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を測定するための電極として、ユーザの足に接触する足電極と、ユーザの手に接触する手電極とを備え、生体情報を測定するための測定モードとして、前記足電極および前記手電極を用いて生体情報を測定する第1測定モードと、前記足電極および前記手電極のうちの前記足電極のみを用いて生体情報を測定する第2測定モードと、前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみを用いて生体情報を測定する第3測定モードとを備える生体情報測定装置において、
前記足電極および前記手電極の通電状態を判定する判定処理と、
生体情報の測定が可能な測定モードを測定可能モードとして、前記判定処理の判定結果に基づいて前記第1測定モードおよび前記第2測定モードおよび前記第3測定モードの中から前記測定可能モードを選択する選択処理と、
この選択処理により選択された前記測定可能モードにより生体情報を測定する測定処理とを行い、
前記判定処理において前記足電極および前記手電極の通電を同時に行う
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報測定装置において、
前記判定処理では、前記手電極の通電が手所定時間以上にわたり継続されているか否かの判定、および前記足電極の通電が足所定時間以上にわたり継続されているか否かの判定を行い、
前記選択処理では、前記判定処理の判定結果に基づいて、次の(A)〜(C)のように前記測定可能モードを選択する
(A)前記手電極の通電が前記手所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、かつ前記足電極の通電が前記足所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、前記第1測定モードおよび前記第2測定モードおよび前記第3測定モードの中から前記測定可能モードを選択する
(B)前記手電極の通電が前記手所定時間以上にわたり継続されていない旨判定したとき、かつ前記足電極の通電が前記足所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、前記第2測定モードを前記測定可能モードとして選択する
(C)前記手電極の通電が前記手所定時間以上にわたり継続されている旨判定したとき、かつ前記足電極の通電が前記足所定時間以上にわたり継続されていない旨判定したとき、前記第3測定モードを前記測定可能モードとして選択する
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生体情報測定装置において、
前記選択処理では、前記判定処理により前記手電極が通電可能な状態にある旨判定されたとき、かつ前記足電極が通電可能な状態にある旨判定されたとき、前記第1測定モードを前記測定可能モードとして選択する
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
前記足電極が設けられる載置部と、この載置部に設けられてユーザの体重を測定する体重測定部とを含み、
前記判定処理では、前記体重測定部を用いた体重測定が可能な状態にあるか否かを判定する第1測定判定と、前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にあるか否かを判定する第2測定判定とを行い、前記体重測定部を用いた体重測定ができない状態にある旨判定したとき、かつ前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にある旨判定したとき、ユーザにより体重情報が新たに入力されたか否かを判定する第1情報判定と、前記体重測定部を用いた体重の測定が新たに行われたか否かを判定する第2情報判定との少なくとも一方を行い、
前記測定処理では、前記判定処理により前記体重測定部を用いた体重測定ができない状態にある旨判定されたとき、かつ前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にある旨判定されたとき、前記第1情報判定および前記第2情報判定の少なくとも一方について肯定の判定結果が得られるまでは生体情報の算出を保留し、肯定の判定結果が得られた後において、ユーザにより新たに入力された体重情報または前記体重測定部を用いて新たに行われた体重測定の測定結果と、前記手電極を用いて測定された測定結果とを用いて生体情報を算出する
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生体情報測定装置において、
前記判定処理では、前記足電極および前記手電極のうちの前記手電極のみが通電可能な状態にある旨判定したとき、前記体重測定部を用いて体重測定を行うことができない状態にある旨判定する
ことを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の生体情報測定装置において、
前記判定処理により前記体重測定部を用いた体重測定ができない状態にある旨判定されたとき、ユーザに対して体重情報の入力を促す情報、およびユーザに対して前記体重測定部を用いた体重の測定を促す情報の少なくとも一方を提供する提供処理を行う
ことを特徴とする生体情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−29930(P2012−29930A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172974(P2010−172974)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】