説明

生体試料を安全に処理する装置

【課題】例えばDNAやRNA、タンパク質等の生体的分子を洗浄、分離、又は精製するのに用いられる、生体試料を安全に処理する装置を提供すること。
【解決手段】本装置は、少なくとも1つの半透膜カラム、バキュームマニホールド、及び少なくとも1つの任意選択的なアダプタカラムを備える。半透膜カラムは、バキュームマニホールドのスロット内に緩く受容される。アダプタカラムが用いられる場合には、半透膜カラムはアダプタカラムに緩く受容され、アダプタカラムは、バキュームマニホールドのスロットに緩く受容される。本装置はカラムとスロットとの間に挿入される封止要素も含む。半透膜カラムに液体試料を容れ、バキュームマニホールドが減圧されると、半透膜カラム内の液体は膜を通してカラム外部に取り出し可能である。従来型の装置と比較すると、組立、分解が便利であり、また操作の安全性が強化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、生体試料を安全に処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]液体半透膜カラム(又は半透膜カラム)は、研究室で、例えばDNA、RNA、及びタンパク質等の生体分子を洗浄、分離、又は精製するのに一般的に用いられる。一般的に用いられる半透膜カラムは、主に円筒形の形状であり、底部に1つ又は複数の専用の半透膜を備える。当該カラムは、液体で満たされ、次にカラム内の液体に適切な力が加えられ、当該液体を半透膜を通してカラムの外に押し出す。
【0003】
[0003]通常、加えられる力は、遠心力又は空気圧が考えられる。遠心力が用いられる場合には、カラムは液体収集チューブ内に通常配置され、次に液体がカラム内に注入される。液体収集チューブ及びカラムは、次に遠心機内に配置される。遠心機を、高速で回転するように稼動させると強い遠心力が発生する。カラム内の液体は、半透膜を通ってカラム外に押し出され、液体収集チューブ内に収集される。上記の方法は、単一のカラムに適しているにすぎない。非常に多くのカラムを使用する操作が必要とされる場合には、遠心機の能力が限られているので、この方法は非常に扱いにくいものとなる。加えられる力として空気圧が使用される場合には、多数の半透膜カラムをバキュームマニホールド内に挿入することができ、遠心機より高い能力を有する。陽圧又は陰圧の空気圧を加えることにより、液体は半透膜を通ってカラム外に押し出され、バキュームマニホールド内に収集される。空気圧を用いるこの方法は、非常に多くの試料を操作する、又は連続的に操作する際に、より便利である。
【0004】
[0004]従来型の半透過性カラム31(図1を参照)は、一般に3つの部分、すなわち上部頚管セクション311、中間部管状セクション312、及び下部テーパセクション313を備える。上部頚管セクション311の直径は、中間部管状セクション312の直径よりも大きい。カラムによっては蓋体314を含む。中間部管状セクション312は、液体試料を容れるために設けられ、またその内側底部には、1つ又は複数の専用の半透膜を備える(図示せず)。カラムによっては、下部テーパセクション313の設計を有する。
【0005】
[0005]図1に示す通り、バキュームマニホールド32と従来型の半透膜カラム31との嵌合は、緊密な挿入形式であり、液体半透膜カラム31の下部テーパセクション313は、バキュームマニホールド32の孔34に直接、又は挿入可能なアダプタカラム33を介して挿入される。バキュームマニホールド32の孔34は、半透膜カラム内に容れた試料と接触した状態になる場合があり、そのような場合には、異なる試料間で相互汚染を引き起こし得るので、挿入可能なアダプタカラム33は、バキュームマニホールド32の孔34内に半透膜カラム31を直接挿入するのを避けるために用いられる。挿入可能なアダプタカラム33は、使い捨てタイプであっても、また反復使用するために洗浄しやすいものであってもよい。挿入可能なアダプタカラム33が用いられる場合には、半透膜カラム31の下部テーパセクション313は、挿入可能なアダプタカラム33に挿入される。次に、この集合体(ensemble)は、バキュームマニホールド32の孔34に挿入され、先端部から底部にかけて、半透膜カラム31−挿入可能なアダプタカラム33−バキュームマニホールド32という構造を形成する。多くの用途、特に試料の相互汚染が生じないことが必要な実験、例えばPCR反応させるために精製された核酸を用いる実験では、挿入可能なアダプタカラム33を利用する。したがって、非常に重要なこととして、この嵌合は、気体漏出を避けるために緊密に固定されなければならない。多くの場合、作業者は、緊密な嵌合を保証するために半透膜カラム31及び挿入可能なアダプタカラム33を手で保持しなければならない。この操作により、作業者は、指に不快感を感じ得る可能性がある。一方、図1を参照すればより深く理解できるように、半透膜カラム31は、操作期間中、装置から外側に突き出たままであり、その先端が孔34内に挿入されているにすぎない。したがって、何らかの意図しない衝突により孔34から容易に離脱する可能性がある。
【0006】
[0006]上記欠点を解消するために、本出願人は、特許文献TW253957として許可された発明を提案した。この発明は、半透過性カラムが、バキュームマニホールドのスロット内に容易に配置され得る、生体試料を処理するための装置を提供する。処理される液体が極めて伝染性の場合には、相互汚染を避け、また作業者が液体試料に直接触れるのを防止するために、アダプタカラムが利用可能である。操作期間中、半透過性カラムは、アダプタカラム内に配置され、また当該アダプタカラムは、バキュームマニホールドのスロット内に配置される。そうすることで、作業者は、装置を容易に操作することができ、また反復する場合でも、作業者の指に痛みを引き起こすこともなく操作を実施することができる。
【0007】
[0007]TW253957によれば、半透過性のカラムは、空気圧又は減圧が加えられる前にバキュームマニホールドのスロット内に緩く受容される。半透過性のカラムとバキュームマニホールドのスロットとの間にアダプタカラムが導入される場合には、2つのカラムの間、及びアダプタカラムとスロットとの間にある間隙により、アダプタカラムがスロットに緩く受容され、また半透過性のカラムがアダプタカラムに緩く受容されるようになる。間隙により、半透過性のカラム及び/又はアダプタカラムは、操作期間中不安定となることがあり、したがって試験の正確度が悪影響を受けることとなる。
【0008】
[0008]これに鑑みて、本出願人はTW253957に改善を施すこととした。改善した装置では、半透過性のカラムが、バキュームマニホールドのスロット内に配置されているときに、カラムとスロットとの間で気密状態を維持することができ、また操作期間中に半透過性のカラム及びアダプタカラムが振動及び移動することもなく所定の位置に固定され、また試験結果の正確度が確保され得るように、封止効果を有し、カラムを所定の位置に固定するシールが提供される。
【発明の概要】
【0009】
[0009]上記目的を達成するために、本発明は、生体試料を処理する装置を提供し、この装置は、少なくとも半透過性のカラムとバキュームマニホールドとを備え、また少なくとも1つのアダプタカラムを任意選択で備える。液体試料を容れる半透過性のカラムが、バキュームマニホールドのスロットに配置され、前記バキュームマニホールドが減圧されたときに、前記半透過性のカラム内の前記液体試料が加圧されて半透膜を通過し、その結果所望の目的が達成されるように、前記半透過性のカラムは、前記バキュームマニホールドのスロット又はアダプタカラムに緩く受容され、前記半透過性のカラムと前記バキュームマニホールドのスロットとの間、又は前記アダプタカラムと前記バキュームマニホールドのスロットとの間、又は前記アダプタカラムと前記半透過性のカラムとの間に弾性材料製の封止要素が配置される。
【0010】
[0010]半透過性のカラムは、内部、先端部、及び底部を備える。内部は、第1の受け入れ空間を画定し、先端部は、第1の開口部及び半径方向に突き出た第1のフランジを有し、底部は、突き出た第1の出口及び少なくとも1つの半透膜を有する。
【0011】
[0011]アダプタカラムは、任意選択で用いられる。これは、液体試料が極めて伝染性であり、したがって液体試料との直接接触及び相互汚染を避けるべきときに特に用いられる。アダプタカラムは、内部、先端部、及び底部を備える。アダプタカラムの内部は、第2の受け入れ空間を画定する。先端部は、第2の開口部、及び半径方向に突き出た第2のフランジを有する。底部は第2の出口を有する。
【0012】
[0012]バキュームマニホールドは、基部及び蓋体を備える。基部の内側は、受け入れ空間を画定する。蓋体は、少なくとも1つの半透過性のカラム又はアダプタカラムを受容する少なくとも1つのスロットを含む。スロットの底部は、基部の受け入れ空間と流通している開口部を有する。
【0013】
[0013]本発明の装置の動作中には、半透過性のカラムは、バキュームマニホールドのスロットに挿入される。封止要素は中心孔を有する円形のガスケットとすることができ、これはスロット底部に配置される。中心孔は、半透過性のカラムがスロットに挿入されたときに、所定の位置に固定されたまま封止接触を形成しつつ、前記半透過性のカラムの突き出た出口が貫通するのを可能にする。
【0014】
[0014]別の実施形態では、封止要素は、スロットの底部には配置されず、その代わりにスロットの壁の周囲に配置される。したがって、Oリングであり得る封止要素を受容する円形の溝が、バキュームマニホールドのスロットの壁の周囲に形成される。封止要素は、半透過性のカラムを所定の位置に固定するのに、また半透過性のカラムがバキュームマニホールドのスロットに挿入されたときに、半透過性のカラムと封止接触を形成するのにも役立つ。
【0015】
[0015]別の実施形態では、半透過性のカラムは、その代わりにアダプタカラムに挿入され得る。アダプタカラムの内径は、半透過性のカラムがアダプタカラムに緩く受容可能であり、また先端部の第1のフランジが、アダプタカラムの第2のフランジで止まり得るように、半透過性のカラムの外径よりわずかに大きい。第2のフランジには、弾性材料製のリング状の封止要素が取り付けられている。別の封止要素は、バキュームマニホールドのリザーバ空間の空気圧よりも、半透過性のカラムの第1の受け入れ空間内の空気圧の方が高いとき、前記半透過性のカラムの第1のフランジがアダプタカラムの第2のフランジと封止接触状態となり、また前記アダプタカラムの底部がスロットの底部と封止接触状態となるように、前記アダプタカラムの底部にある第2の出口と前記スロットの底部にある貫通孔との間に設けられる。
【0016】
[0016]別の実施形態では、封止要素は、スロット底部に配置されるのではなく、その代わりにスロットの壁上に配置される。このシナリオでは、バキュームマニホールドのスロットは、Oリングであり得る封止要素を受容するために、前記スロットの壁上に円形の溝の形態をとる。アダプタカラムがバキュームマニホールドのスロットに挿入されるとき、封止要素は、アダプタカラムを所定の位置に固定し、これと封止接触を形成するのに役立つ。
【0017】
[0017]当業者が本発明の技術的特徴をより深く理解し、また実践に移すのに役立つように、以下の説明を、添付図面と共に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】生体試料を処理する従来型の装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0023]図2は本発明の第1の実施形態を表し、半透過性のカラム11は従来型のものである。従来型の半透過性のカラムは、一般的に円筒形の形状であり、内部、先端部、及び底部を備える。内部は第1の受け入れ空間111を画定し、少なくとも1つの半透膜112が配置される。先端部は、第1の開口部116、及び先端部から半径方向で外側に延在する第1のフランジ113を形成する。第1の出口114は、底部に形成される。
【0020】
[0024]図2に示す通り、封止要素125はスロット143の底部に配置される。封止要素125の中心は開口部を有する。半透過性のカラムがバキュームマニホールド14のスロット143に挿入されたときに、封止要素125は、半透過性のカラム11の第1の出口114が、その中心開口部を介して挿入されるのを可能にする。したがって、半透過性のカラム11は、スロット143に固定可能であり、また第1の出口114及び封止要素125は封止接触を形成する。バキュームマニホールド14の受け入れ空間145が減圧されたときに、封止接触がスロット143と封止要素125との間に形成され、空気が間を流通するのを阻止する。第1の出口114と封止要素125との間、及びスロット143と封止要素125との間の封止接触は、半透過性のカラム11内の液体試料が、半透膜のみを通り、大気圧のカラム外部に押し出されることを保証する。
【0021】
[0025]本発明の発明概念は、封止要素が、封止接触表面を形成するだけでなく、バキュームマニホールドのスロット内でカラムを所定の位置に固定するように、封止要素を設けることである。この発明概念に基づき、封止要素は、スロット143の底部(図2に示す)の代わりにスロット143の壁(図3に示す)上にも配置可能である。スロット143の壁は、Oリングであり得る封止要素125’を受容する円形の溝147を備える。半透過性のカラム11がスロット143に挿入されるとき、封止要素125’は、半透過性のカラム11を所定の位置に固定するガイドの役目を果たすことができ、またバキュームマニホールド14の受け入れ空間145が減圧されたときに、空気が半透過性のカラム11と封止要素125’との間を通って流通せず、これは、半透過性のカラム11内の試料液が、半透膜112のみを通って、大気圧のカラム11外部に押し出されることを保証する。
【0022】
[0026]試料が極めて伝染性の場合には、アダプタカラム12が利用可能であり、またこれは、図4に示す通り、試料液の相互汚染を避けるために、半透過性のカラム11とスロット143との間に挿入される。
【0023】
[0027]アダプタカラム12は、カラムの形状を一般的に有し、任意の適切な材料から作製され得る。アダプタカラム12は、内部、先端部、及び底部を備える。内部は、第2の受け入れ空間121を画定する。先端部は、第2の開口部127及び先端部から半径方向且つ外側に延在する第2のフランジ122を有する。フランジ122は、周囲に弾力のある封止要素13が取り付けられている。底部は第2の出口123を有する。アダプタカラム12の内径は、半透過性のカラム11が、アダプタカラム12に挿入可能であり、またアダプタカラム12の第2の受け入れ空間121内に緩く受容され得るように、及び半透過性のカラム11の先端部の第1のフランジ113が封止要素13で止まり得るように、半透過性のカラム11の本体の外径よりもわずかに大きいが、半透過性のカラム11の第1のフランジ113の直径よりも小さい。
【0024】
[0028]図4は、本発明の第3の実施形態を示す。第1の実施形態に対して、第3の実施形態は、アダプタカラム12をさらに含む。封止要素13は、アダプタカラム12の第2のフランジ122の円周に適合する。封止要素13は、好ましくは弾力のあるリングである。試料液を容れる半透過性のカラムが、アダプタカラム12内に配置され、またアダプタカラム12がバキュームマニホールド14のスロット143内に配置されるとき、及び半透過性のカラム11の第1の受け入れ空間111内の圧力が、バキュームマニホールド14の受け入れ空間145の圧力を上回るまでバキュームマニホールド14が減圧されるとき、半透過性のカラム11の第1のフランジ113とアダプタカラム12の第2のフランジ122の周囲に位置する封止要素13とは封止接触状態となる。このシナリオでは、半透過性のカラム11内の試料液に大気圧が加わり、試料液をカラム11から流出させる。緩く受容する特性及び気密性特性の他、アダプタカラム12は、半透過性のカラムを反復使用することに起因する相互汚染を取り除くために、バキュームマニホールド14のスロット143と半透過性のカラム11との間の直接的な接触を防止する主たる機能を有する。
【0025】
[0029]図4に示す第3の実施形態中の封止要素125’’、必ずしもスロット143の底部に配置される必要はない。図5に示す第4の実施形態では、スロット143は、第2の実施形態に類似して、壁上に形成された円形の溝147’を有する。Oリングの形状をした封止要素125’’’が、円形の溝147’に取り付けられている。アダプタカラム12がスロット143に配置されるとき、封止要素125’’’は、アダプタカラム12を所定の位置で固定可能である。バキュームマニホールド14の受け入れ空間145が減圧されるとき、空気は、アダプタカラム12と封止要素125’’’との間、また半透過性のカラム11の第1のフランジ113と封止要素13との間も通過せず、したがって半透過性のカラム11内の液体試料は、半透膜112のみを通って、大気圧のカラム外部に押し出される。
【0026】
[0030]総括するならば、本発明の目的は、カラムを所定の位置に安定的に固定し、従来型の装置にある欠点を取り除くように、容易に組み立てられ、また分解される生体試料を処理する装置を提供することにある。半透過性のカラム又はアダプタカラムは、スロットに容易に挿入し、これから取外せる長所を有するので、本発明の装置は、カラムの移動を必要とするときに、ロボットにより自動操作する場合に利用可能である。
【0027】
[0031]本発明は、本発明の精神及び本質から逸脱せずに、他の特定の方法でも実施可能である。したがって、上記実施形態は説明するためのものであり、限定するものではないものとみなされるべきである。特許請求の範囲及びその均等物と矛盾しない限り、すべての変更は本発明により特許請求される範囲に含まれるものとみなされる。
【符号の説明】
【0028】
11…半透過性カラム、12…アダプタカラム、13…封止要素、14…バキュームマニホールド、111…第1の受け入れ空間、112…半透膜、113…第1のフランジ、114…第1の出口、116…第1の開口部、121…第2の受け入れ空間、122…第2のフランジ、123…第2の出口、125…封止要素、127…第2の開口部、143…スロット、145…受け入れ空間、147…溝、311…上部頚管セクション、312…中間部管状セクション、313…下部テーパセクション、314…蓋体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料を安全に処理する装置であって、
少なくとも1つの半透過性のカラムと、
バキュームマニホールドと
を備え、
前記半透過性のカラムの内部が、第1の受け入れ空間を画定し、前記第1の受け入れ空間の底部が、少なくとも1つの半透膜を有し、前記半透過性のカラムの先端部が、第1の開口部を有し、前記半透過性のカラムの底部が、第1の出口を有し、
前記バキュームマニホールドが、
内側に受け入れ空間を画定する基部と、
少なくとも1つのスロットを備える前記基部を覆う蓋体であり、前記スロットの内径が、前記半透過性のカラムの外径よりもわずかに大きく、前記スロットが、前記基部の前記受け入れ空間と流通するように、底部に貫通孔を形成する、蓋体と、
前記スロットの底部に位置する少なくとも1つの封止要素であり、該封止要素のそれぞれが、その中心に開口部を有し、前記半透過性のカラムが、該封止要素の中心にある前記開口部に挿入されたとき、前記半透過性のカラムが、所定の位置で固定可能であり、前記バキュームマニホールドが減圧されたときに、空気が、前記第1の出口と該封止要素との間を通過しない、封止要素と
を備える、装置。
【請求項2】
生体試料を安全に処理する装置であって、
少なくとも1つの半透過性のカラムと、
バキュームマニホールドと
を備え、
前記半透過性のカラムの内部が、第1の受け入れ空間を画定し、前記第1の受け入れ空間の底部が、少なくとも1つの半透膜を有し、前記半透過性のカラムの先端部が、第1の開口部を有し、前記半透過性のカラムの底部が、第1の出口を有し、
前記バキュームマニホールドが、
内側に受け入れ空間を画定する前記基部と、
少なくとも1つのスロットを備える前記基部を覆う蓋体であり、前記スロットの内径が、前記半透過性のカラムの外径よりもわずかに大きく、並びに前記スロットが、前記基部の前記受け入れ空間と流通するように、底部に貫通孔を形成し、壁の周囲に少なくとも1つの環状の溝を形成する、蓋体と、
前記スロットの壁の周囲に設けられた少なくとも1つの環状の溝に挿入されたOリングの形状の少なくとも1つの封止要素であり、前記半透過性のカラムが、前記スロットに挿入されたとき、前記半透過性のカラムが、所定の位置で固定可能であり、前記バキュームマニホールドが減圧されたときに、空気が、前記半透過性のカラムと該封止要素との間を通過しないように、該封止要素の内径が、前記半透過性のカラムの外径よりもわずかに小さい、封止要素と
を備える、装置。
【請求項3】
生体試料を安全に処理する装置であって、
少なくとも1つの半透過性のカラムと、
少なくとも1つのアダプタカラムと、
バキュームマニホールドと
を備え、
前記半透過性のカラムの内部が、第1の受け入れ空間を画定し、前記第1の受け入れ空間の底部が、少なくとも1つの半透膜を有し、前記半透過性のカラムの先端部が、第1の開口部、及び前記第1の開口部から半径方向且つ外側に延在するフランジを有し、並びに前記半透過性のカラムの底部が、第1の出口を有し、
前記アダプタカラムの内側が、第2の受け入れ空間を画定し、前記アダプタカラムの先端部が、第2の開口部、及び前記第2の開口部から半径方向且つ外側に延在する第2のフランジを有し、前記アダプタカラムの底部が、下方に突き出た第2の出口を有し、前記第2の受け入れ空間の直径が、前記半透過性のカラムの外径よりもわずかに大きく、前記第2のフランジが、周囲に適合する第2の封止要素を有し、その結果、前記半透過性のカラムが前記アダプタカラムに挿入されたときに、第1のフランジが前記第2の封止要素で止まり、
前記バキュームマニホールドが、
内側に受け入れ空間を画定する基部と、
少なくとも1つのスロットを備える前記基部を覆う蓋体であり、前記スロットの内径が、前記アダプタカラムの外径よりもわずかに大きく、前記スロットが、前記基部の前記受け入れ空間と流通するように、底部に貫通孔を形成する、蓋体と、
前記スロットの底部に位置する少なくとも1つの封止要素であり、該封止要素のそれぞれが、その中心に開口部を有し、前記アダプタカラムが、該封止要素の中心にある前記開口部に挿入されたとき、前記アダプタカラムが、所定の位置で固定可能であり、前記バキュームマニホールドが減圧されたときに、空気が、前記第2の出口と該封止要素との間を通過せず、また前記第1のフランジと前記第2の封止要素との間も通過しない、封止要素と
を備える、装置。
【請求項4】
生体試料を安全に処理する装置であって、
少なくとも1つの半透過性のカラムと、
少なくとも1つのアダプタカラムと、
バキュームマニホールドと
を備え、
前記半透過性のカラムの内部が、第1の受け入れ空間を画定し、前記第1の受け入れ空間の底部が、少なくとも1つの半透膜を有し、前記半透過性のカラムの先端部が、第1の開口部、及び前記第1の開口部から半径方向且つ外側に延在するフランジを有し、並びに前記半透過性のカラムの底部が、第1の出口を有し、
前記アダプタカラムの内側が、第2の受け入れ空間を画定し、前記アダプタカラムの先端部が、第2の開口部、及び前記第2の開口部から半径方向且つ外側に延在する第2のフランジを有し、前記アダプタカラムの底部が、下方に突き出た第2の出口を有し、前記第2の受け入れ空間の直径が、前記半透過性のカラムの外径よりもわずかに大きく、前記第2のフランジが、周囲に適合する第2の封止要素を有し、その結果、前記半透過性のカラムが前記アダプタカラムに挿入されたときに、第1のフランジが前記第2の封止要素で止まり、
前記バキュームマニホールドが、
内側に受け入れ空間を画定する基部と、
少なくとも1つのスロットを備える前記基部を覆う蓋体であり、前記スロットの内径が、前記アダプタカラムの外径よりもわずかに大きく、前記スロットが、前記基部の前記受け入れ空間と流通するように、底部に貫通孔を形成し、さらに前記スロットの壁上に形成された少なくとも1つの円形の溝を形成する、蓋体と、
前記スロットの壁の周囲に位置する少なくとも1つの円形の溝に挿入されたOリング形状の少なくとも1つの封止要素であり、前記アダプタカラムが、前記スロットに挿入されたとき、前記アダプタカラムが、所定の位置で固定可能であり、前記バキュームマニホールドが減圧されたときに、空気が、前記アダプタカラムと該封止要素との間を通過せず、また前記第1のフランジと前記第2の封止要素との間も通過しないように、該封止要素の内径が、前記アダプタカラムの外径よりもわずかに小さい、封止要素と
を備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−254078(P2012−254078A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105431(P2012−105431)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(508017111)タイゲン バイオサイエンス コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】