説明

生体電位検出装置とトランシーバ

【課題】大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、その電位をデータに変換して送信する。
【解決手段】患者の手の電位を基準としたときの測定部位の電位に応じた大きさの電界が、光変調器LC1の電気光学結晶EOに印加される。電気光学結晶EOは、1/4波長板QWPからの円偏光を電界の強度に応じた楕円率を有する楕円偏光に偏光変調する。偏光板POLが楕円偏光を入射して特定の直線偏光成分だけを通過させ、これを強度変調光として光検出素子PDへ出射する。光検出素子PDは、強度変調光をその強度に応じた大きさの電流に変換する。I/O回路102は、信号処理回路101で増幅等されて得られた電気信号をデータに変換し、データ記憶部103に記憶させる。信号発生器104は、データ記憶部103に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させて電極P1に印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、その電位をデータに変換して送信できる生体電位検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては、非特許文献1に開示されるような携帯型心電計によって、患者自身がその生体の電位を計測できるようになっている。携帯型心電計は、患者の胸部電位を検出し、これを波形として表示する。
【非特許文献1】オムロン携帯型心電計、[online]、[平成17年3月10日検索]、インターネット<URL:http://www.omron-portable-ecg.jp/general/home/home_pag_index.php>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、大地グランドに対し必ずしも電位が安定していない患者の生体電位を、電気回路のみで構成された検出装置で測定する場合、その電極が患者に触れたときに回路グランドに雑音が混入し、そのため、正確な電位検出ができない可能性がある。換言すれば、検出された電位は自然な状態における生体の電位として必ずしも信頼できるものではない。かかる事情から、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出できる生体電位検出装置が望まれている。
【0004】
また、検出された電位をデータ化し、それを担当医が使用するトランシーバへ送信することで、そのデータを診断や研究に利用できるので、かかる機能を備えた生体電位検出装置の実現が望まれている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、その電位をデータに変換して送信できる生体電位検出装置、ならびにこのデータを受信し記憶することができるトランシーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1の本発明は、第1の生体の電位を示すデータを送信されるトランシーバが、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えるときの当該トランシーバとともに用いられる生体電位検出装置であって、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第1電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えたことを特徴とする生体電位検出装置をもって解決手段とする。
【0007】
請求項1記載の本発明によれば、大地グランドに対して必ずしも安定していない第1の生体の電位に応じた電界で光を偏光変調し、その光を検出することにより、第1の生体の電気的な状態を乱すことがないので、データ化手段に雑音が混入しにくくなり、よって、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、しかも、その電位をデータに変換してトランシーバへと送信することができる。
【0008】
請求項2の本発明は、前記トランシーバのデータ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号が当該トランシーバの電極に印加され、当該電極に接触された第2の生体を少なくとも介して、生体電位検出装置の光変調器または第2の光変調器に当該電気信号に応じた電界が印加されたときに、当該光変調器は、生体電位検出装置の光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調し、生体電位検出装置の光変換手段は、当該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換し、生体電位検出装置の光検出素子は、当該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換し、生体電位検出装置のデータ化手段は、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換し、生体電位検出装置のデータ記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1記載の生体電位検出装置をもって解決手段とする。
【0009】
請求項2記載の本発明によれば、トランシーバのデータ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号が当該トランシーバの電極に印加され、当該電極に接触された第2の生体を少なくとも介して、生体電位検出装置の光変調器または第2の光変調器に当該電気信号に応じた電界が印加されたときに、当該光変調器は、生体電位検出装置の光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調し、生体電位検出装置の光変換手段は、当該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換し、生体電位検出装置の光検出素子は、当該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換し、生体電位検出装置のデータ化手段は、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換し、生体電位検出装置のデータ記憶手段に記憶させることで、トランシーバからのデータを受信し記憶することができる。
【0010】
請求項3の本発明は、第2の生体を少なくとも介して電界が印加される光変調器は、第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加される光変調器を第1の光変調器としたときの該第1の光変調器が高い変調度を有する周波数帯とは異なる周波数帯で高い変調度を有する第2の光変調器であり、前記第1電極が第1の生体に接触されるときに当該第1電極と第1の光変調器とを接続し、一方、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに当該第1電極と第2の光変調器とを接続するスイッチを備えたことを特徴とする請求項2記載の生体電位検出装置をもって解決手段とする。
【0011】
請求項3の本発明によれば、第2の生体を少なくとも介して電界が印加される光変調器は、第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加される光変調器を第1の光変調器としたときの該第1の光変調器が高い変調度を有する周波数帯とは異なる周波数帯で高い変調度を有する第2の光変調器であり、前記第1電極が第1の生体に接触されるときに当該第1電極と第1の光変調器とを接続し、一方、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに当該第1電極と第2の光変調器とを接続するスイッチを備えたことで、高い感度での生体電位の検出ならびに高速なデータ受信を行うことができる。
【0012】
請求項4の本発明は、第1の生体の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第1電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えるときの当該生体電位検出装置とともに用いられるトランシーバであって、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えたことを特徴とするトランシーバをもって解決手段とする。
【0013】
請求項4の本発明によれば、第1の生体の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第1電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えるときの当該生体電位検出装置とともに用いられるトランシーバであって、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えたことで、大地グランドの電位の影響を受けずに自然な状態で検出された生体の電位を示すデータを生体電位検出装置から受信し記憶することができる。
【0014】
請求項5の本発明は、第1の生体の電位を示すデータを送信されるトランシーバが、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えるときの当該トランシーバとともに用いられる生体電位検出装置であって、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第2電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第2電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えたことを特徴とする生体電位検出装置をもって解決手段とする。
【0015】
請求項5の本発明によれば、大地グランドに対して必ずしも安定していない第1の生体の電位に応じた電界で光を偏光変調し、その光を検出することにより、第1の生体の電気的な状態を乱すことがないので、データ化手段に雑音が混入しにくくなり、よって、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、しかも、その電位をデータに変換してトランシーバへと送信することができる。
【0016】
請求項6の本発明は、第1の生体の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第2電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第2電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えるときの当該生体電位検出装置とともに用いられるトランシーバであって、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えたことを特徴とするトランシーバをもって解決手段とする。
【0017】
請求項6の本発明によれば、第1の生体の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第2電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第2電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えるときの当該生体電位検出装置とともに用いられるトランシーバであって、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えたことで、大地グランドの電位の影響を受けずに自然な状態で検出された生体の電位を示すデータを生体電位検出装置から受信し記憶することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の生体電位検出装置によれば、大地グランドに対して必ずしも安定していない第1の生体の電位に応じた電界で光を変調し、その光を検出することにより、第1の生体の電気的な状態を乱すことがないので、データ化手段に雑音が混入しにくくなり、よって、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、しかも、その電位をデータに変換してトランシーバへと送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る生体電位検出装置1の構成を示す図である。 生体電位検出装置1は、例えば金属の筐体11と、筐体11に対し絶縁体IS1で絶縁された電極P1と、筐体11に対し絶縁体IS2で絶縁された電極P2とを備える。
【0021】
生体電位検出装置1は、筐体11内に、直線偏光を発生する光源LSと、その直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板QWPと、電極P1にその端子T10を接続されたスイッチSW1と、スイッチSW1の端子T11と電極P2と接続された光変調器LC1と、スイッチSW1の端子T12と電極P2と接続された光変調器LC2と、光変調器LC1または光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する偏光板POLと、偏光板POLからの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電流に変換する光検出素子PDと、変換された電流の増幅やフィルタリングを行う信号処理回路101と、増幅等された電流信号をその信号に応じたデータに変換するI/O回路102と、当該データが記憶されるデータ記憶部103と、データ記憶部103に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ、電極P1に当該電気信号を印加する信号発生器104とを備える。
【0022】
光源LS、光検出素子PD、信号処理回路101、I/O回路102、データ記憶部103および信号発生器104からなる電気回路の回路グランドは筐体11に接続される。 各光変調器LC1,LC2は、電極P1にスイッチSW1を介して電気的に接続される電極EPA、ならびに、電極P2に直接接続される電極EPBが配置されて、患者の測定部位の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、1/4波長板QWPを通過した円偏光の偏光状態を電界の強度に応じて偏光変調する電気光学(Electro-Optic)結晶EOを備える。
【0023】
光変調器LC1の電気光学結晶EOは、生体の電位が有する周波数が含まれる周波数帯(例えば、100kHz以下)で高い変調度を有し、一方、光変調器LC2の電気光学結晶EOは、生体の電位を示すデータを送受信するときの周波数が含まれる周波数帯(例えば、100Hz以上、100MHz以下)で高い変調度を有するものである。
【0024】
また、生体電位検出装置1は、筐体11と電極P2とを電気的に接続するためのスイッチSW2を備える。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るトランシーバ2の構成を示す図である。なお、生体電位検出装置1の構成要素と同じものには同じ符号を付与して重複説明を省略する。
【0026】
トランシーバ2は、筐体11と、筐体11に対し絶縁体IS1で絶縁された電極P1とを備え、筐体11内に、光源LSと、1/4波長板QWPと、電極P1に接続された光変調器LC2と、光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する偏光板POLと、光検出素子PDと、信号処理回路101と、I/O回路102と、データ記憶部103と、信号発生器104とを備える。
【0027】
光変調器LC2は、電極P1に接続された電極EPA、ならびに、図示していないが筐体11等に接続された電極EPBが配置されて、電極P1を介して電界が印加されるとともに、1/4波長板QWPを通過した円偏光の偏光状態を電界の強度に応じて偏光変調する電気光学結晶EOを備える。
【0028】
次に、図1、2、さらに図3、図4を用いて、第1の実施の形態の動作を説明する。
【0029】
[生体の電位の検出動作]
まず、生体電位検出装置1が生体の電位を検出する動作を説明する。
【0030】
図1の生体電位検出装置1では、スイッチSW1の端子T10と端子T11が接続され、図3のように、患者Aがその測定部位に電極P1を接触させ、患者Aが手を電極P2に接触させる。
【0031】
この状態において、患者Aの手の電位を基準としたときの測定部位の電位に応じた大きさの電界が、図1に示す生体電位検出装置1の電極P1、端子T10、端子T11、電極EPAを介して光変調器LC1の電気光学結晶EOに印加される。光変調器LC1の電気光学結晶EOは、1/4波長板QWPからの円偏光を電界の強度に応じた楕円率を有する楕円偏光に偏光変調する。偏光板POLはこの楕円偏光を入射して特定の直線偏光成分だけを通過させ、これを強度変調光として光検出素子PDへ出射する。光検出素子PDは、強度変調光を受光し、光をその強度に応じた大きさの電流に変換する。信号処理回路101は、変換された電流の増幅やフィルタリングを行い、I/O回路102は、増幅等されて得られた電気信号をその信号に応じたデータつまり測定部位の電位を示すデータに変換し、データ記憶部103に記憶させる。
【0032】
[トランシーバから生体電位検出装置へのデータ送信動作]
次に、トランシーバ2から生体電位検出装置1へのデータ送信動作を説明する。
【0033】
図1の生体電位検出装置1では、スイッチSW1の端子T10が端子12に接続され、図4(a)のように、患者Aが手を生体電位検出装置1の電極P2に接触させ、一方、担当医Bがトランシーバ2の電極P1に一方の手を接触させるとともに他方の手を生体電位検出装置1の電極P1に接触させる。
【0034】
あるいは、スイッチSW1と担当医Bとトランシーバ2は同様で、図4(b)のように、スイッチSW2がオフになって、患者Aが手を筐体11に接触させる。
【0035】
あるいは、この状態で、図4(c)のように、スイッチSW2がオンにされる。
【0036】
あるいは、図4(d)のように、担当医Bが他方の手を患者Aの一方の手に接触させ、患者Aは他方の手を生体電位検出装置1の電極P1に接触させる。
【0037】
いずれかの状態において、図2に示すトランシーバ2の信号発生器104は、データ記憶部103に記憶されたデータ、例えば、測定部位の電位を示すデータを取得するための要求データに応じた電気信号を発生させて電極P1に印加する。
【0038】
この電気信号に応じた電界が、図4(a)〜(c)において、トランシーバ2の電極P1、担当医Bの生体を介して、あるいは、図4(d)において、トランシーバ2の電極P1、担当医Bと患者Aの生体を介して、生体電位検出装置1の電極P1に印加される。
【0039】
図1に示す生体電位検出装置1では、電極P1に印加された電界が端子T10、端子T12、電極EPAを介して、光変調器LC2の電気光学結晶EOに印加される。電気光学結晶EOは、1/4波長板QWPからの円偏光を電界の強度に応じた楕円率を有する楕円偏光に偏光変調する。偏光板POLはこの楕円偏光を入射して特定の直線偏光成分だけを通過させ、これを強度変調光として光検出素子PDへ出射する。光検出素子PDは、強度変調光を受光し、光をその強度に応じた大きさの電流に変換する。信号処理回路101は、変換された電流の増幅等を行い、I/O回路102は、増幅等して得られた電気信号をその信号に応じたデータつまり前記要求データに変換し、データ記憶部103に記憶させる。こうして記憶されたデータは後に読み出され、測定部位の電位を示すデータをトランシーバ2へ送信する契機となる。
【0040】
[生体電位検出装置からトランシーバへのデータ送信動作]
次に、生体電位検出装置1からトランシーバ2へのデータ送信動作を説明する。
【0041】
図4(a)〜(d)のいずれかの状態において、図1の生体電位検出装置1では、生体電位検出装置1の信号発生器104は、データ記憶部103に記憶された測定部位の電位を示すデータに応じた電気信号を発生させて電極P1に印加する。
【0042】
この電気信号に応じた電界が、図4(a)〜(c)において、生体電位検出装置1の電極P1、担当医Bの生体を介して、あるいは、図4(d)において、生体電位検出装置1の電極P1、患者Aと担当医Bの生体を介して、トランシーバ2の電極P1に印加される。
【0043】
特に、図4(b)のように、患者Aが手を筐体11に接触させることで、生体電位検出装置1の回路グランドの電位が安定するので、生体電位検出装置1の電極P1に安定した電気信号を印加でき、これにより、トランシーバ2の電極P1に安定した電界を印加することができ、図4(c)のように、スイッチSW2をオンすることで、回路グランドの電位がさらに安定するので、さらに安定した電界をトランシーバ2の電極P1に印加することができる。
【0044】
図2に示すトランシーバ2では、電極P1に印加された電界が電極EPAを介して、光変調器LC2の電気光学結晶EOに印加される。電気光学結晶EOは、1/4波長板QWPからの円偏光を電界の強度に応じた楕円率を有する楕円偏光に偏光変調する。偏光板POLはこの楕円偏光を入射して特定の直線偏光成分だけを通過させ、これを強度変調光として光検出素子PDへ出射する。光検出素子PDは、強度変調光を受光し、光をその強度に応じた大きさの電流に変換する。信号処理回路101は、変換された電流の増幅等を行い、I/O回路102は、増幅等で得られた電気信号をその信号に応じたデータつまり測定部位の電位を示すデータに変換し、データ記憶部103に記憶させる。こうして記憶されたデータあるいは該データから生成された心電図等が表示印刷等されることで、測定部位の電位、心電図等が担当医Bの知るところとなり診断や研究に利用される。
【0045】
なお、生体電位検出装置1の光変調器LC1の電気光学結晶EOは、生体の電位が有する周波数が含まれる周波数帯(例えば、100kHz以下)で高い変調度を有し、一方、光変調器LC2の電気光学結晶EOは、トランシーバ2からのデータが送信されるときの周波数が含まれる周波数帯(例えば、100Hz以上、100MHz以下)で高い変調度を有するものとしたことで、高い感度での生体電位の検出ならびに高速なデータ受信を行うことができる。
【0046】
逆に、光変調器としては、両方の周波数帯で必要十分な変調度を有する電気光学結晶EOを備える光変調器(以下、光変調器LC3)のみを用いることで、生体電位検出装置の構成を簡素化できる。
【0047】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、第1の生体(患者A)の電位を示すデータを送信されるトランシーバ2が、図2の電極P1と、光源LSと、電極P1が第2の生体(担当医B)に接触されたときに第2の生体Bと当該電極P1とを介して電界が印加されるとともに光源LSからの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC2と、該光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(POL)と、該光変換手段(POL)からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(信号処理回路101とI/O回路102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(データ記憶部103)とを備えるときの当該トランシーバ2とともに用いられる生体電位検出装置であって、第1電極(図1の電極P1)と、第2電極(図1の電極P2)と、光源LSと、第1電極P1が第1の生体(患者Aの測定部位)に接触され第2電極P2が第1の生体の他の部位(手)に接触されたときに第1電極P1から第1の生体の電位(測定部位の電位)に応じた強度の電界が印加されるとともに、光源LSからの光を入射して光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC1やLC3と、該光変調器LC1等で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(偏光板POL)と、該光変換手段(POL)で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(信号処理回路101とI/O回路102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(データ記憶部103)と、第1電極P1が第2の生体に直接的にまたは間接的に(患者Aの生体を介して)接触されるときにデータ記憶手段(103)に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ第1電極P1に当該電気信号を印加する信号発生器104とを備えた生体電位検出装置1が構成される。
【0048】
つまり、大地グランドに対して必ずしも安定していない第1の生体(A)の電位に応じた電界で光を偏光変調し、その光を検出することにより、第1の生体(A)の電気的な状態を乱すことがないので、データ化手段に雑音が混入しにくくなり、よって、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、しかも、その電位をデータに変換してトランシーバへと送信することができる。
【0049】
また、生体電位検出装置1は、トランシーバ2のデータ記憶手段(103)に記憶されたデータに応じた電気信号が当該トランシーバ2の電極P1に印加され、当該電極P1に接触された第2の生体(B)を少なくとも介して、生体電位検出装置1の光変調器LC3または第2の光変調器LC2に当該電気信号に応じた電界が印加されたときに、当該光変調器LC2等は、生体電位検出装置1の光源LSからの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調し、生体電位検出装置1の光変換手段(POL)は、当該光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換し、生体電位検出装置の光検出素子PDは、当該光変換手段(POL)で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換し、生体電位検出装置のデータ化手段(101,102)は、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換し、生体電位検出装置のデータ記憶手段(103)に記憶させることで、トランシーバからのデータを受信し記憶することができる。
【0050】
また、生体電位検出装置1は、第2の生体(B)を少なくとも介して電界が印加される光変調器は、第1の生体(A)の電位に応じた強度の電界が印加される光変調器LC1を第1の光変調器としたときの該第1の光変調器LC1が高い変調度を有する周波数帯とは異なる周波数帯で高い変調度を有する第2の光変調器LC2であり、第1電極P1が第1の生体(A)に接触されるときに当該第1電極P1と第1の光変調器LC1とを接続し、一方、第1電極P1が第2の生体(B)に直接的にまたは間接的に接触されるときに第1電極P1と第2の光変調器LC2とを接続するスイッチSW1を備えたことで、高い感度での生体電位の検出ならびに高速なデータ受信を行うことができる。
【0051】
また、トランシーバ2は、第1の生体(A)の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極P1と、第2電極P2と、光源LSと、第1電極P1が第1の生体(A)に接触され第2電極P2が第1の生体の他の部位に接触されたときに第1電極P1から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、光源LSからの光を入射して光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC1やLC3と、該光変調器LC1等で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(POL)と、該光変換手段(POL)で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(101、102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(103)と、第1電極P1が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときにデータ記憶手段(103)に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ第1電極P1に当該電気信号を印加する信号発生器104とを備えたときの当該生体電位検出装置1とともに用いられるトランシーバであって、電極P1と、光源LSと、電極P1が第2の生体(B)に接触されたときに第2の生体Bと当該電極P1とを介して電界が印加されるとともに光源LSからの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC2と、該光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(POL)と、該光変換手段(POL)からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(101、102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(103)とを備えたことで、大地グランドの電位の影響を受けずに自然な状態で検出された生体の電位を示すデータを生体電位検出装置から受信し記憶することができる。
【0052】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る生体電位検出装置1Bの構成を示す図である。ここでは、図1で説明したものに同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0053】
生体電位検出装置1Bは、生体電位検出装置1Aに対して、スイッチSW2を備えず、信号発生器104が電気信号を電極P1でなく電極P2に印加するところが異なる。
【0054】
[生体の電位の検出動作]
生体電位検出装置1Bが生体の電位を検出する動作は、第1の実施の形態のものと同様である。
【0055】
[トランシーバから生体電位検出装置へのデータ送信動作]
トランシーバ2から生体電位検出装置1Bへのデータ送信動作は、第1の実施の形態のものと同様である。
【0056】
[生体電位検出装置からトランシーバへのデータ送信動作]
生体電位検出装置1Bからトランシーバ2へのデータ送信動作では、図6(a)のように、担当医Bがトランシーバ2の電極P1に一方の手を接触させるとともに他方の手を患者Aの一方の手に接触させ、患者Aは他方の手を生体電位検出装置1Bの電極P2に接触させた状態あるいは図6(b)のように、患者Aが手を生体電位検出装置1Bの電極P1に接触させ、一方、担当医Bがトランシーバ2の電極P2に一方の手を接触させるとともに他方の手を生体電位検出装置1の電極P1に接触させた状態で、図5に示す生体電位検出装置1Bの信号発生器104が、データ記憶部103に記憶された測定部位の電位を示すデータに応じた電気信号を電極P2に印加し、この電気信号に応じた電界が、図6(a)において、生体電位検出装置1Bの電極P2、患者Aと担当医Bの生体を介して、トランシーバ2の電極P1に印加され、一方、図6(b)においては、生体電位検出装置1Bの電極P2と担当医Bの生体を介して、トランシーバ2の電極P1に印加されること除いては、第1の実施の形態で図4(d)により説明したものと同様である。
【0057】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、第1の生体(A)の電位を示すデータを送信されるトランシーバ2が、電極P1と、光源LSと、電極P1が第2の生体(B)に接触されたときに第2の生体Bと当該電極P1とを介して電界が印加されるとともに光源LSからの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC2と、該光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(POL)と、該光変換手段(POL)からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(101、102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(103)とを備えるときの当該トランシーバ2とともに用いられる生体電位検出装置であって、第1電極P1と、第2電極P2と、光源LSと、第1電極P1が第1の生体(A)に接触され第2電極P2が第1の生体の他の部位に接触されたときに第1電極P1から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、光源LSからの光を入射して光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC1やLC3と、該光変調器LC1等で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(偏光板POL)と、該光変換手段(POL)で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(101、102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(103)と、第2電極P2が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときにデータ記憶手段(103)に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ第2電極P2に当該電気信号を印加する信号発生器104とを備えた生体電位検出装置1Bが構成される。
【0058】
つまり、大地グランドに対して必ずしも安定していない第1の生体(A)の電位に応じた電界で光を偏光変調し、その光を検出することにより、第1の生体(A)の電気的な状態を乱すことがないので、データ化手段に雑音が混入しにくくなり、よって、大地グランドの電位の影響を受けずに、自然な状態で生体の電位を検出でき、しかも、その電位をデータに変換してトランシーバへと送信することができる。
【0059】
また、トランシーバ2は、第1の生体(A)の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極P1と、第2電極P2と、光源LSと、第1電極P1が第1の生体(A)に接触され第2電極P2が第1の生体の他の部位に接触されたときに第1電極P1から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、光源LSからの光を入射して光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC1やLC3と、該光変調器LC1等で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(偏光板POL)と、該光変換手段(POL)で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(101、102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(103)と、第2電極P2が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときにデータ記憶手段(103)に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ第2電極P2に当該電気信号を印加する信号発生器104とを備えたときの当該生体電位検出装置1Bとともに用いられるトランシーバであって、電極P1と、光源LSと、電極P1が第2の生体(B)に接触されたときに第2の生体Bと当該電極P1とを介して電界が印加されるとともに光源LSからの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器LC2と、該光変調器LC2で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段(POL)と、該光変換手段(POL)からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子PDと、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段(101、102)と、当該データが記憶されるデータ記憶手段(103)とを備えたことで、大地グランドの電位の影響を受けずに自然な状態で検出された生体の電位を示すデータを生体電位検出装置から受信し記憶することができる。
【0060】
なお、上記実施の形態では、光変調器LC1、LC2またはLC3で変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段として偏光板POLを用い、光検出素子PDを1つのみ用いたが、光変換手段としては、光変調器で変調された光をP偏光とS偏光とに分離する偏光ビームスプリッタを用い、P偏光をその強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、S偏光をその強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子の2つの光検出素子を用い、さらに、これらの電気信号の大きさの差分に相当する電気信号を得る差動増幅器を用い、この電気信号を信号処理回路101がその大きさに応じたデータに変換することとしてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、トランシーバ2から生体電位検出装置1へ送信されるデータの例として、測定部位の電位を示すデータを取得するための要求データを用いたが、例えば、測定部位の電位が、例えば朝、昼、晩と複数回検出され、それらを示すデータが記憶されているときに、トランシーバ2から生体電位検出装置1へは、それらの平均の計算を要求する要求データを送信し、これを受信した生体電位検出装置1では、要求どおりに平均を計算して記憶するようにしてもよい。つまり、両者ではその利用形態に応じたデータを送受信および記憶することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る生体電位検出装置1の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るトランシーバ2の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態の動作説明図である。
【図4】第1の実施の形態の動作説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る生体電位検出装置1Bの構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態の動作説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1,1B…生体電位検出装置
2…トランシーバ
POL…偏光板
LC1,LC2…光変調器
P1,P2,EPA,EPB…電極
PD…光検出素子
EO…電気光学結晶
SW1,SW2…スイッチ
LS…光源
QWP…1/4波長板
101…信号処理回路
102…I/O回路
103…データ記憶部
104…信号発生器
A…患者
B…担当医

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の生体の電位を示すデータを送信されるトランシーバが、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えるときの当該トランシーバとともに用いられる生体電位検出装置であって、
第1電極と、
第2電極と、
光源と、
前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、
該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、
該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、
当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、
当該データが記憶されるデータ記憶手段と、
前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第1電極に当該電気信号を印加する信号発生器と
を備えたことを特徴とする生体電位検出装置。
【請求項2】
前記トランシーバのデータ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号が当該トランシーバの電極に印加され、当該電極に接触された第2の生体を少なくとも介して、生体電位検出装置の光変調器または第2の光変調器に当該電気信号に応じた電界が印加されたときに、当該光変調器は、生体電位検出装置の光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調し、生体電位検出装置の光変換手段は、当該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換し、生体電位検出装置の光検出素子は、当該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換し、生体電位検出装置のデータ化手段は、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換し、生体電位検出装置のデータ記憶手段に記憶させる
ことを特徴とする請求項1記載の生体電位検出装置。
【請求項3】
第2の生体を少なくとも介して電界が印加される光変調器は、第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加される光変調器を第1の光変調器としたときの該第1の光変調器が高い変調度を有する周波数帯とは異なる周波数帯で高い変調度を有する第2の光変調器であり、
前記第1電極が第1の生体に接触されるときに当該第1電極と第1の光変調器とを接続し、一方、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに当該第1電極と第2の光変調器とを接続するスイッチ
を備えたことを特徴とする請求項2記載の生体電位検出装置。
【請求項4】
第1の生体の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第1電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第1電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えるときの当該生体電位検出装置とともに用いられるトランシーバであって、
電極と、
光源と、
前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、
該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、
該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、
当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、
当該データが記憶されるデータ記憶手段と
を備えたことを特徴とするトランシーバ。
【請求項5】
第1の生体の電位を示すデータを送信されるトランシーバが、電極と、光源と、前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段とを備えるときの当該トランシーバとともに用いられる生体電位検出装置であって、
第1電極と、
第2電極と、
光源と、
前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、
該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、
該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、
当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、
当該データが記憶されるデータ記憶手段と、
前記第2電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第2電極に当該電気信号を印加する信号発生器と
を備えたことを特徴とする生体電位検出装置。
【請求項6】
第1の生体の電位を検出する生体電位検出装置が、第1電極と、第2電極と、光源と、前記第1電極が第1の生体に接触され前記第2電極が第1の生体の他の部位に接触されたときに当該第1電極から第1の生体の電位に応じた強度の電界が印加されるとともに、当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、該光変換手段で変換された強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、当該データが記憶されるデータ記憶手段と、前記第2電極が第2の生体に直接的にまたは間接的に接触されるときに前記データ記憶手段に記憶されたデータに応じた電気信号を発生させ当該第2電極に当該電気信号を印加する信号発生器とを備えるときの当該生体電位検出装置とともに用いられるトランシーバであって、
電極と、
光源と、
前記電極が第2の生体に接触されたときに第2の生体と当該電極とを介して電界が印加されるとともに当該光源からの光を入射して当該光の偏光状態を当該電界の強度に応じて偏光変調する光変調器と、
該光変調器で偏光変調された光を入射して強度変調光に変換する光変換手段と、
該光変換手段からの強度変調光を該光の強度に応じた大きさの電気信号に変換する光検出素子と、
当該電気信号を該電気信号に応じたデータに変換するデータ化手段と、
当該データが記憶されるデータ記憶手段と
を備えたことを特徴とするトランシーバ。

































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−325943(P2006−325943A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153920(P2005−153920)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】