説明

生化学分析装置

【課題】 マイクロチップが用いられ、分析装置のベースラインの安定化を図ることができ、高い精度で分析を行うことのできる生化学分析装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の生化学分析装置は、マイクロチップを保持するチップ保持部を有する回転駆動される遠心ロータと、光源部と、受光部とを備えてなり、マイクロチップとして、遠心ロータの回転により作用される遠心力が利用されて、マイクロチップそれ自体において、分離処理、秤量処理、混合反応処理および検査液を測定セルに液送する処理を含む前処理動作が行われるものが用いられ、光源部からの光をマイクロチップの測定セルに対して照射し、測定セルを透過した光を受光部によって受光することにより、測定セル内の検査液による光吸収量を測定して検査液を分析する測光動作が、遠心ロータの回転が停止された状態で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸光光度分析法や比濁法によって生化学分析用の検体中に含まれる検出対象成分の濃度を測定するためのマイクロチップが用いられる生化学分析装置に関し、特に、例えば人体の肝機能を診断する上で必要とされる、血液中のγ−GTP(γ−グルタミルトランスペプチターゼ)等の酵素活性を測定するためのマイクロチップが用いられる生化学分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロマシン技術を応用して、化学分析等を従来の装置に比して微細化して行うことのできる、『μ−TAS(μ−Total Analysis System)』や『Lab on a chip』と称されるマイクロチップを利用した分析方法が注目されている。
このようなマイクロチップを使用した分析システム(以下、「マイクロチップ分析システム」という。)は、マイクロマシン作製技術によって小さな基盤上に形成された微細な流路内において、試薬の混合、反応、分離、抽出及び検出を含む分析のすべての工程を行うことを目指したものであり、例えば医療分野における血液の分析、超微量の蛋白質や核酸等の生体分子の分析等に用いられている。
特に、マイクロチップ分析システムを用いて例えば人の血液の分析を行う場合には、(1)分析検査に必要とされる血液(検体)の量が微少量でよいので、患者への負担を軽減することができること、(2)血液と混合されて用いられる試薬の量も少なくて済むので、分析コストを低減することができること、(3)装置自体を小型のものとして構成することができるので、分析を容易に行うことができること、などの利点が得られることから、開発が進められている。
【0003】
一般的には、このようなマイクロチップ分析システムにおいては、検体中における検出対象成分の濃度を測定するための方法として、例えば吸光光度分析法が用いられている。例えば特許文献1には、測定対象液に試薬を混合し、測定対象液と試薬とを反応させて得られた、吸光成分を含有する検査液(反応液)を、マイクロチップに形成された流路に形成された吸光光度測定部内に流し込み、光源からの光を吸光光度測定部に照射して当該吸光光度測定部を透過した光を受光部で受光し、これにより検出される特定波長の光の吸光度に基づいて、検体中の検出対象成分の濃度を算出するマイクロチップ検査装置が開示されている。
このマイクロチップ検査装置においては、分析を行うに際しては、吸光度の測定を行うための検査液を予め調製しておくことが必要とされる。
【0004】
また、特許文献2には、例えば100μl(マイクロリットル)程度の血液(検体)を内部に流路等が形成されたロータ内に注入し、このロータを装置本体に装着して回転させることによってロータに作用される遠心力が利用されて、ロータそれ自体において、例えば試薬との混合、反応処理を含む処理を行って検査液を調製し、測定部に液送された検査液に、ロータを回転させたままの状態において、フラッシュ光を照射して吸光度を測定する、血液分析装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−279471号公報
【特許文献2】米国特許第5478750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、上記特許文献2の方式に準じた生化学分析装置、すなわち回転駆動される遠心ロータ上に、検体を内部に保持するマイクロチップを載置し、遠心ロータを回転させることによって作用する遠心力を利用して、マイクロチップ内において、試薬との混合、反応処理を含む処理を行うことにより検査液を調製し、遠心ロータを回転させながら検査液の吸光度を測定する構成を有する生化学分析装置を試作し、汎用の大型の分析装置により分析が行われて既に分析結果の得られている検体について、試作した生化学分析装置を用いて分析を行ったところ、正確な分析結果、換言すれば、既に得られている分析結果(以下、「既定値」という。)と実質的に同一の結果を得ることはできなかった。
【0007】
受光器によって受光された光が電圧に変換されるデータ出力部に着目し、遠心ロータの回転速度および光源部からの光が測定部に照射されている時間(照射時間)を適宜に変更して分析を行うことにより、上記のような結果になった原因について検討したところ、光の照射時間が長くなるほど既定値に近づくこと、つまり、受光器によって受光した光を電圧に変換する回路の周波数応答速度が、回転速度(測定部に対する光の照射時間)に追従していないことが明らかとなった。
【0008】
マイクロチップによって分析検査される検査液の量は、例えば1つの測定セルについて例えば10μl(マイクロリットル)程度と微少量であることから、測定セルは、その断面径(内径)が例えば1mm以下であり、断面と長さの比が例えば1:10を超えるような非常に細長い形態を有するものであることが多く、このような構成においては、測定セルを通過する光量が極めて少なくなるため、吸光度の測定を高い精度で行うことは困難である。
吸光度の測定を高い精度で行うための手段としては、例えば測定セルを通過させる光の強度を高くすることが考えられる。単に高強度の光を透過させることができればよいのであれば、例えばレーザ光を利用することが考えられるが、レーザ光は単色光であるので、単一の成分について分析することができるが、複数種の検出対象成分について分析を行う場合には、検出対象成分に応じた複数種の波長の光を得ることができないため、利用することができない。
このような理由から、例えば連続スペクトルを有する放電ランプを用いることが必要である。
而して、放電ランプそれ自体を高出力が得られるものとして構成する場合には、電極間距離を大きくすることが考えられるが、電極間距離を大きくすると輝度が低下してしまうため、ランプ電力の大きさを制限しなければならず、このような場合には、測定セルを通過する光量が低下してしまう、という問題がある。
【0009】
以上のように、遠心ロータを回転させながら測光を行う分析装置においては、測定用セルに導入される光の量が少なくならざるを得ないため、受光器側の増幅器(アンプ)の増幅率を上げなければならない。
しかし、受光器側の増幅器の増幅率を上げると、前述のように光電変換回路の周波数応答性の問題から、正確な分析結果を得ることができない。
【0010】
また、生化学分析装置においては、単に測定できるにとどまらず、測定精度をいかに高くするかが、普及するためには重要である。
特に正常値と異常値との差が小さい検査項目については、その結果が被検者の診察に影響を及ぼすため、高い精度で分析を行うことが必要とされている。
例えば肝機能の診断の際に目安となるγ−GTPの場合、正常値範囲は例えば15〜75IU/L程度であるが、この範囲では、反応に伴って起きる吸光度の変化の程度が小さく、微小な変動(変化量)を捉えることが必要であるため、分析装置のベースラインの変動を抑えた安定性の高いものであることが要求される。「分析装置のベースラインの変動」とは、検査対象物(検査液)が測定セル内に存在しない状態で、測定用光を受光部で測定したときに得られるデータの安定度のことである。
現在、ポータブルタイプの生化学分析装置に必要な精度は、CV値(cofficient of variation)が10%以下であることが必要であると言われている。
【0011】
以上のように、マイクロチップを用いた分析装置においては、遠心ロータを回転させたままの状態で測光を行う分析方法では、目的とする分析を高い精度で、かつ、高い信頼性で行うことができないのが実情である。
【0012】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、マイクロチップを用いた生化学分析装置であって、分析装置のベースラインの安定化を図ることができ、大型の生化学分析装置と遜色なく、高い精度で分析を行うことのできる生化学分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の生化学分析装置は、検査液を保持する測定セルを具備してなるマイクロチップを保持するチップ保持部を有する、回転駆動される遠心ロータと、遠心ロータに保持されたマイクロチップの測定セルに光を照射する光源部と、測定セルを透過した光を受光する受光部とを備えてなり、
前記マイクロチップとして、遠心ロータが回転されることにより作用される遠心力が利用されて、当該マイクロチップそれ自体において、検体を遠心分離する分離処理、当該分離処理により得られる測定対象液を秤量し、当該測定対象液と試薬とを混合、反応させる混合反応処理および当該混合反応処理により得られる検査液を測定セルに液送する処理を含む前処理動作が行われるものが用いられ、
光源部からの光を前記チップ保持部に保持されたマイクロチップの測定セルに対して照射し、測定セルを透過した光を受光部によって受光することにより、測定セル内の検査液による光吸収量を測定して検査液を分析する測光動作が、遠心ロータの回転が停止された状態で行われることを特徴とする。
【0014】
本発明の生化学分析装置においては、前記光源部からの光を遠心ロータの回転軸方向における一面側から前記チップ保持部に保持されたマイクロチップの測定セルに対して垂直方向に照射し、測定セルを透過して遠心ロータの他面側から出射した光を受光部によって受光する構成とすることができる。
また、本発明の生化学分析装置においては、遠心ロータを回転駆動させるための駆動源にエンコーダが連結されており、
遠心ロータの回転軸中心から遠心ロータに保持されたマイクロチップの測定セルの中心までの距離をr〔mm〕、光源部からの光のビーム径を最終的に測定セル内に導入される光のビーム径に光量を制限する光導入用開口部の開口径をD〔mm〕とするとき、当該エンコーダの1回転当たりの総パルス数Pが、
(式) 1/10>〔r・tan(360°/P)〕/D
の関係を満足するよう設定されており、
測光動作が行われるに際しては、当該エンコーダのからの信号に基づいて遠心ロータの回転が停止される構成とされていることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の生化学分析装置においては、マイクロチップとして、複数の測定セルを備えてなり、検体を遠心分離して得られる測定対象液と混合される試薬として複数種のものが用いられ、互いに異なる複数種の検出対象成分の分析が実施可能とされた構成とすることができる。
このような生化学分析装置においては、遠心ロータのチップ保持部が遠心ロータの外周縁部に形成されており、マイクロチップは、チップ保持部に保持された状態において、複数の測定セルが前記遠心ロータの回転軸中心を中心とする同一円周上に位置されるよう各々離間して形成されたものが用いられ、
当該遠心ロータの停止位置が順次に変更されることによりマイクロチップにおける各測定セル内の検査液が分析される構成とすることができる。
【0016】
さらに、本発明の生化学分析装置においては、受光部は、複数種の波長の光を同時に測定可能に構成されたものであり、
検査液中に含まれる検出対象成分の分析を行うための測定用光以外の波長の参照用光が、測定用光と同時に測光される構成とされていることが好ましい。
このような構成のものにおいては、測定用光としては、波長340、405、450、480、505、546、570、600、660、700、750および800nm(±10nm)の12種の波長のうちのいずれかひとつの波長の光が選択され、参照用光としては、測定用光として選択された波長以外の波長の光が選択される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の生化学分析装置によれば、遠心ロータを停止させた状態で測光動作が行われることにより、マイクロチップの測定セルに入射される光量を十分に確保することができるので、十分な強度を有さない光が測定セルに対して照射されるものでありながら吸光度の測定を高い精度で行うことができ、従って、高い分析精度が得られる。
また、測光動作を行うに際して、特定の関係を満足するようパルス数が設定されたエンコーダからの信号に基づいてマイクロチップを保持する遠心ロータの停止位置が制御されることにより、マイクロチップにおける測定セルの停止位置を高い精度で、かつ、高い再現性をもって制御することができるので、吸光度の測定に必要な十分な光量を確実に測定セルに導入することができる結果、分析装置のベースラインを変動幅が小さく抑制された状態で安定させることができて高い測定精度を確保することができ、従って、例えばCV値が10%以下となる高い分析精度を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の生化学分析装置の一例における構成の外観を示す斜視図、図2は、図1に示す生化学分析装置の内部構造を概略的に示す平面図、図3は、図2に示す生化学分析装置における測定部の構成を示す断面図である。
この生化学分析装置10は、マイクロチップ60を用いて例えば血液(血清や血漿でもよい。)などの生化学分析用の検体を分析検査するためのものであって、全体が例えば箱型形状のケーシング11を備えてなり、このケーシング11の内部における、中央位置に配置された測定部20と、測定部20の右方後方側の位置に配置された光源部40と、測定部20の左方側の位置に配置された受光部50と、測定部20の後方側の位置に配置された、信号処理回路などの機能素子が実装されたCPU基板15Aを備えた制御部15と、測定部20の下方前方側の位置に配置された電源部14と、電源部14と幅方向に並んだ位置に配置されたプリンタ16Aを備えた出力部16とを有する。
ケーシング11は、測定部20に対向する上壁部分およびこれに連続する前壁部分からなる、幅方向に沿って延びる軸回りに回動されることによりチップ挿入部12を開放する蓋体11Aを有し、ケーシング11の上面における蓋体11Aと幅方向に並んだ位置には、パネル状表示部13Aを備えた操作パネル13が設けられている。
図1および図2において、17は電源入力端子、18は電源スイッチ、19はデータ出力端子である。
【0019】
測定部20は、図3に示すように、例えば中空円柱状の外匣22内に、マイクロチップ60を保持するためのチップ保持部26を有する例えば有底円筒状の遠心ロータ25が同軸上に配置されてなる測定室21と、駆動軸24Aが遠心ロータ25の下面中央位置を貫通して鉛直方向(上下方向)に延びる姿勢で配置された遠心用モータ24とを備えてなり、遠心用モータ24が駆動されることにより遠心ロータ25が回転駆動される。図2において、23はモータドライバである。
遠心ロータ25の底壁には、外径が遠心ロータ25の半径より小さい方向切替用ギア27が遠心ロータ25の回転軸中心Cと平行な軸回りに回転可能に軸支されて設けられており、このギア27の上面に適宜のホルダ部材(図示せず)が設けられ、これにより、チップ保持部26が構成されている。チップ保持部26は、遠心ロータ25の外周縁側に位置された状態とされている。
また、測定部20は、チップ保持部26を複数有する構成とすることができ、この実施例においては、遠心ロータ25の回転バランスを適正な状態に維持するために、回転軸中心Cを挟んだ反対側の位置に、同一の構成の方向切替用ギア27よりなるチップ保持部26が形成されている。
【0020】
外匣22の下壁、遠心ロータ25およびチップ保持部26を構成する方向切替用ギア27の各々には、マイクロチップ60がチップ保持部26に保持された状態において、マイクロチップ60の測定セル63が位置される径方向位置に、光源部40からの光をマイクロチップ60の測定セル63に導入させるための光導入用開口部22A,25A(図4および図5参照),27Aが形成されており、外匣22の上壁にはマイクロチップ60の測定セル63を通過した光を受光部50に導光する例えば光ファイバ52が装着される開口部22Bが形成されている。
また、外匣22の上面および下面の一部の領域には、分析検査時において測定室21内の温度を一定温度例えば37℃に維持するための面状のヒータ35が設けられており、例えばサーミスタ36による検出温度に基づいて出力制御される。
さらに、外匣22の上壁には、チップ挿入用開口部28およびマイクロチップ60に設けられた例えばバーコード65により表示されるマイクロチップ60に固有の情報を、測定室21の上方位置に設けられたバーコードリーダ37によって読み取るためのバーコード読取用窓29が形成されている。
【0021】
この生化学分析装置10における測定部20は、チップ保持部26に保持されたマイクロチップ60の姿勢を調整するための、遠心ロータ25を回転駆動させる駆動機構と独立した回転駆動機構を構成するチップ方向切替機構30を備えており、このチップ方向切替機構30は、例えば玉軸受け32などを介して遠心モータ24の駆動軸24Aに対して回転自在に設けられた、チップ保持部26を構成する方向切替用ギア27と噛合する原動ギア33と、この原動ギア33を回転駆動させるための駆動源であるチップ方向切替用モータ31とからなる。
【0022】
後述するように、本発明に係る生化学分析装置10においては、マイクロチップ60の測定セル63内の検査液についての測光動作を行うに際しては、遠心ロータ25の回転が停止された状態で行わることから、遠心ロータ25の停止位置を高い位置精度で制御することが必要とされる。従って、遠心ロータ25を回転駆動させるための遠心用モータ24にはエンコーダ38が連結されており、測光動作を行うに際しては、エンコーダ38からの信号に基づいて遠心ロータ25の停止位置が制御される。
【0023】
エンコーダ38の1回転当たりの総パルス数Pは、以下の関係を満足するように設定されていることが好ましい。これにより、測光動作時において、測定セル63の停止位置のバラツキを無視できるほど小さくすること、すなわち高い再現性を得ることができ、必要な測定精度を確実に得ることができる。
例えば図4に示すように、遠心ロータ25の回転軸中心Cから遠心ロータ25上に載置されたマイクロチップ60の測定セル63の(径方向)中心までの距離をr〔mm〕、光源部40からの光のビーム径を最終的に測定セル63内に導入される光のビーム径に光量を制限する光導入用開口部の開口径をD(この例においては、方向切替用ギア27に形成された光導入用開口部27Aの開口径をD2)〔mm〕とするとき、
(式) 1/10>〔r・tan(360°/P)〕/D2
の関係を満足するよう、エンコーダ38の1回転当たりの総パルス数Pが設定される。ただし、光源部40からの光のビーム径は、マイクロチップ60における測定セル63の断面径(内径寸法)の最小値D1および方向切替用ギア27の光導入用開口部27Aの開口径D2より大きい。
また、図5に示すように、マイクロチップ60における測定セル63の外周縁によって光源部40からの光のビーム径を最終的に測定セル63内に導入される光のビーム径に光量を制限する構成とされている場合(D=D1)には、
(式) 1/10>〔r・tan(360°/P)〕/D1
の関係を満足するよう、エンコーダ38の1回転当たりの総パルス数Pが設定される。
【0024】
この生化学分析装置10における光源部40は、紫外域から赤外域にわたる波長域の光を放射する放電ランプよりなる光源41と、光源41から放射される光を平行光化して照射するためのレンズ42と、光学フィルタ43とにより構成されている。また、44は、ランプ点灯時において当該放電ランプを冷却するための空冷ファンである。
光源41を構成する放電ランプとしては、例えばキセノンランプ、水銀ランプ、高色温度ハロゲンランプなどを用いることができる。
この生化学分析装置10においては、例えば測定室21を形成する外匣22の光導入用開口部22Aに対向して反射ミラー45が設けられており、光源41からの光が測定室21の下方側から、マイクロチップ60の測定セル63内を垂直方向に通過するよう導入される。
【0025】
受光部50は、例えば凹面回折格子多波長光度計よりなる、複数の波長を同時に測定可能な受光器51を備えてなり、測定セル63内を透過した光が一端が外匣22の上壁に形成された開口部22Bに装着された例えば光ファイバ52によって受光器51に導光される。
【0026】
上記生化学分析装置10において用いられるマイクロチップ60は、例えば図6に示すように、円弧状に湾曲する外縁部分を有する全体が扁平な形態を有し、例えば測定セル63,分離セル(不図示),混合セル(不図示),秤量手段(不図示)を含む流路が形成されたチップ本体61の両面の各々に透明基板62A,62Bが設けられてなる。
このマイクロチップ60には、複数例えば7つの測定セル63が、遠心ロータ25のチップ保持部26に保持された状態において、遠心ロータ25の回転軸中心Cと同一円周上の位置に離間して形成されており、各々、吸光度測定に必要となる十分な大きさの透過光路長が確保されるよう、断面径(内径)に比して厚み方向の寸法(長さ)が極めて大きい細長い形態を有する。
測定セル63の具体的な構成例を示すと、例えば内径が1mm、長さが10mm、容量(検査される検査液の量)が10μl(マイクロリットル)程度である。
図6において、65は、マイクロチップ60の上面に貼付された例えばバーコードであって、それ自体によって例えば測定項目や測定方法などのマイクロチップ60に固有の情報が表示されている。
【0027】
以下、上記生化学分析装置10の動作について、人の血液の分析を行う場合を例に挙げて説明する。
図7に示すように、先ず、被検者から採血された血液(検体)を例えばキャピラリーによって吸引することによりマイクロチップ60内に注入する。そして、生化学分析装置10における蓋体11Aを回動させてチップ挿入部12を開放し、マイクロチップ60を例えば各測定セル63が遠心ロータ25の回転軸中心Cと同心円上の位置に並ぶ姿勢でチップ保持部26に装着する(ユーザ動作)。
【0028】
そして、スタートボタンを押して生化学分析装置10を作動させると、マイクロチップ60のバーコード65それ自体によって表示されている測定条件等のマイクロチップ60に固有の情報がバーコードリーダ37によって読み取られ、この情報に基づいて生化学分析装置10の動作条件が設定されると共に、分析測定を行うために必要とされる量の血液がマイクロチップ60に注入されているか否かの判定処理が行われ、血液の量が十分である場合には、血液についての分析検査が実施される。また、血液の量が不足していることが確認された場合には、エラーメッセージが出力される。
分析検査は、検査項目(検出対象成分)に応じた検査液を調製する前処理動作と、この前処理動作によって得られた検査液について吸光度の測定を行う測光動作とを含む(装置動作)。
【0029】
前処理動作は、遠心ロータ25が回転駆動されることによりマイクロチップ60に作用される遠心力が利用されて行われ、検体から測定対象液を分離する分離処理と、測定対象液を各測定セル63に分配する分配処理と、一定量の測定対象液を分取する秤量処理と、測定対象液と試薬とを混合、反応させて検査液を調製する混合反応処理と、調製された検査液を各測定セル63に液送する処理とを含む。
【0030】
前処理動作について具体的に説明すると、図8に示すように、先ず、遠心ロータ25が所定の回転数で回転駆動されて遠心力がマイクロチップ60に作用されることにより、マイクロチップ60の分離セルにおいて、血液(検体)中の血球を遠心分離する分離処理が行われる。その後、遠心ロータ25の回転が一旦停止された状態において、チップ方向切替機構30によってチップ保持部26が回動され、遠心ロータ25の回転に伴って分離処理時における方向と異なる方向に遠心力が作用されるようマイクロチップ60の方向(姿勢)を調整するチップ方向切替動作が行われる。
次いで、遠心ロータ25が所定の回転数で回転駆動されて遠心力が作用されることにより、分離処理によって得られた血漿(測定対象液)が分離セルから分配部に至る流路内を流過され、分配部において各測定セル63に対する血漿の分配処理が行われる。
【0031】
そして、遠心ロータ25の回転が停止された状態において、マイクロチップ60の方向(姿勢)を調整するチップ方向切替動作が行われた後、遠心ロータ25が所定の回転数で回転駆動されて遠心力が作用されることにより、血漿が分配部から秤量部に至る流路内を流過され、秤量部において一定量の血漿を分取する秤量処理が行われる。
その後、遠心ロータ25の回転が停止された状態において、マイクロチップ60の方向(姿勢)を調整するチップ方向切替動作が行われた後、遠心ロータ25が所定の回転数で回転駆動されて遠心力が作用されることにより、一定量の血漿が秤量部から混合セルに至る流路内を流過され、混合セルにおいて、血漿と試薬とを混合、反応させて検査液(反応液)を調製する混合反応処理が行われる。ここに、混合反応処理は、例えば血漿に対して複数種の試薬と混合反応されてもよく、この場合には、先に混合された試薬との所定時間の間の反応時間を確保して反応液を調製し、チップ方向切替動作を行った後、反応液と他の試薬とを混合、反応させればよい。
【0032】
その後、遠心ロータ25の回転が停止された状態において、マイクロチップ60の方向(姿勢)を調整するチップ方向切替動作が行われた後、遠心ロータ25が所定の回転数で回転駆動されて遠心力が作用されることにより、調製された検査液が混合セルから測定セル63に至る流路内を流過されて測定セル63内に充填される。
以上において、例えば患者の疾患を特定するなどの場合においては、複数の検査項目について測定することが必要であるため、各々異なる種類の試薬と反応されて得られた複数種の検査液が対応する測定セル63の各々に充填される。この実施例においては、マイクロチップ60として7つの測定セル63を備えてなるものが用いられており、7種の検査項目についての分析測定が同時に実施可能とされている。
混合反応処理において用いられる試薬としては、従来の生化学分析装置において用いられているものを用いることができ、目的とする検査項目(検出対象成分)に応じて選択される。
【0033】
前処理動作における各処理条件の一例を示すと、例えば、分離処理時における遠心ロータ25の回転数が3000rpm、処理時間が120sec、分配処理時における遠心ロータ25の回転数が1000rpm、処理時間が30sec、秤量処理時における遠心ロータ25の回転数が1000rpm、処理時間が30sec、混合反応処理時における遠心ロータ25の回転数が1500rpm、処理時間(反応時間を除く。)が40secである。
【0034】
以上のような一連の前処理動作が行われた後、調整された検査液が充填された各測定セル63について測光動作が行われる。すなわち、例えばマイクロチップ60の最外側に位置される測定セル(図6において右端に位置されるもの)に対して光源部40からの光が導入されるよう位置合わせされて遠心ロータ25の回転が停止された状態において、レンズ42および光源フィルタ43を介して照射された光源41からの光が反射ミラー45によって反射されて、測定室21の下方側から測定セル63に対して垂直方向に導入される。そして、測定セル63内の検査液を透過した光が光ファイバ52により受光器51に導光され、受光器61によって同時に検出される、検査液に応じて設定された特定の波長の光(測定用光)の光量およびこの測定用光の波長と異なる波長の光(参照用光)の光量に基づいて、検査液について吸光度が測定される。ここに、測光動作を行うに際しては、マイクロチップ60の方向(姿勢)が、例えば測定セル63の各々が遠心ロータ25の回転軸中心Cに対して同心円上に位置された状態となるよう、調整される。
【0035】
受光器61によって検出されるデータには、短期的な光源41のチラツキによる変動と、光源41の寿命や熱特性による数十分から数時間の長期的なドリフトによる変動とが含まれているが、例えば血液分析などの生化学分析においては、数分間という比較的短い時間の間の吸光度変化が測定されることから、短期的なチラツキによる変動が特に問題となる。
然るに、例えばキセノンランプが光源41として用いられる場合には、特定の波長のみが変動していることはなく、ほぼ全波長域において同程度の幅で変動しており、生化学分析の場合には、試薬毎に吸収波長と吸収のない波長とが予め分かっているため、吸収のない波長の光(参照用光)の光量を測定用光の光量と同時に測定することにより、測定用光に係るデータに含まれる光源41の短期的なチラツキによる変動を、参照用光に係るデータによって補償(補正)することができ、測定セル63内の検査液の吸光度を高い精度で測定することができる。
【0036】
測光動作は、例えば、一の測定セルについての所定時間の間の測光処理を一処理単位としてすべての測定セルについて順次に測光処理を行う動作が複数回繰り返し行われることにより、実施される。すなわち、一の測定セルについての吸光度の測定が終了すると、遠心ロータ25が回転駆動され、その移動量がエンコーダ38からの信号に基づいて制御されることにより測光動作が行われるべき隣接する測定セルに対して光源部40からの光が導入されるよう位置制御されて、遠心ロータ25の回転が停止され、この状態で、測光処理が行われる。そして、このような測光処理がすべての測定セルについて順次に行われた後、再び、例えば最初に測光処理が行われた測定セルから順に2回目の測光処理が行われる。
そして、このような処理を所定回数繰り返し実施されることにより、一の測定セルについて複数個のデータ(測光処理毎の、測定用光の光量および参照用光の光量)が取得される。
【0037】
各測定セル63について、測光処理時毎の測定用光の吸光度を、参照用光の吸光度に基づいて光源41の変動を補正して、算出し、その結果に基づいて、測定セル63内の検査液に含まれる検出対象物の濃度が算出される。
このようなデータ処理が、すべての測定セル63内の検査液について行われ、その結果が表示部13Aに表示されるとともにプリンタ16Aにより出力される。
【0038】
測光動作の処理条件の一例を示すと、例えば一の測定セルについての一処理単位に要する時間が1sec、7つの測定セルのすべてについて一回の測光処理を行うために要する時間が15sec程度、一の測定セルについての測光処理の回数が20回である。
【0039】
測光動作において用いられる測定用光としては、例えば340,405,450,480,505,546,570,600,660,700,750,800nm(±10nm)の12種の波長のうちのいずれかひとつの波長が検出対象物に応じて選択され、参照光としては、測定用光として選択された波長以外の波長のうちから選択される。
例えばγ−GTPの検査においては、参照用光としては、血漿との反応に伴って生成される安息香酸による吸収がない波長で、およそ500nmより長波長のもの(下記表1では570nm)である必要がある。分析項目(検出対象成分)に応じた、測定用光の波長(主波長)と参照用光の波長(副波長)との組み合わせの具体的な一例を下記表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
而して、上記構成の生化学分析装置10によれば、遠心ロータ25を停止させた状態で測光動作が行われることにより、マイクロチップ60の測定セル63に入射される光量を十分に確保することができるので、十分な強度を有さない光が測定セル63に対して照射される構成のものでありながら吸光度の測定を高い精度で行うことができ、従って、高い分析精度が得られる。
【0042】
また、測光動作を行うに際して、特定の関係を満足するようパルス数が設定されたエンコーダ38からの信号に基づいてマイクロチップ60を保持する遠心ロータ25の停止位置が制御されることにより、マイクロチップ60における測定セル63の停止位置を高い精度で、かつ、高い再現性をもって制御することができるので、吸光度の測定に必要な十分な光量を確実に測定セル63に導入することができる結果、分析装置のベースラインを変動幅が小さく抑制された状態で安定させることができて高い測定精度を確保することができ、従って、例えばCV値が10%以下となる高い分析精度を得ることができる。
従って、正常値と異常値との差が小さく、吸光度の変化の程度が小さく微小な変動を検出することが必要となる例えばγ−GTPなどの検査項目の分析を行うものとして極めて有用なものとなる。
【0043】
さらに、受光部50が複数種の波長の光を同時に測定可能に構成されたものであり、検査液中に含まれる検出対象成分の分析を行うための測定用光以外の波長の参照用光が、測定用光と同時に測光されることにより、光源41の光量変動を補正して吸光度測定が行われるので、従来用いられてきたハロゲンランプに比べて、紫外線の光量が多く、より点光源に近いものである反面、安定度が若干低いキセノンランプなどの放電灯を使用できるようになり、光源の光量変動をシングルビーム(方式)によって補正することができる結果、分析装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明の生化学分析装置においては、測定室内に形成されるチップ保持部の数、遠心ロータおよびチップ保持部の回転方向等の具体的な構成、並びに、分析測定を行うに際しての各処理条件は、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜に変更することができる。
また、上記実施例においては、光源部からの光を遠心ロータの回転軸方向における一面側から前記チップ保持部に保持されたマイクロチップの測定セルに対して照射して測定セル内の検査液について測光動作が行われる構成のものについて説明したが、光源部からの光を、遠心ロータの回転軸に垂直な方向(遠心ロータに対して横方向)からマイクロチップの測定セルに対して照射する構成とされていてもよい。
さらに、本発明の生化学分析装置において用いられるマイクロチップの具体的な構成、例えば測定セルの数等は、上記実施例のものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の生化学分析装置の一例における構成の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す生化学分析装置の内部構造を概略的に示す平面図である。
【図3】図2に示す生化学分析装置における測定部の構成を示す断面図である。
【図4】エンコーダのパルス数の設定方法を説明するための、測定部の構成を示す拡大断面図である。
【図5】エンコーダのパルス数の設定方法を説明するための、測定部の構成を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の生化学分析装置において用いられるマイクロチップの一例における構成の概略を示す(A)平面図、(B)断面図である。
【図7】本発明の生化学分析装置の動作フロー図である。
【図8】本発明の生化学分析装置における前処理動作のタイムチャート図である。
【符号の説明】
【0046】
10 生化学分析装置
11 ケーシング
11A 蓋体
12 チップ挿入部
13 操作パネル
13A パネル状表示部
14 電源部
15 制御部
15A CPU基板
16A プリンタ
16 出力部
17 電源入力端子
18 電源スイッチ
19 データ出力端子
20 測定部
21 測定室
22 外匣
22A 光導入用開口部
22B 開口部
23 モータドライバ
24 遠心用モータ
24A 駆動軸
25 遠心ロータ
25A 光導入用開口部
26 チップ保持部
27 方向切替用ギア
27A 光導入用開口部
28 チップ挿入用開口部
29 バーコード読取用窓
30 チップ方向切替機構
31 チップ方向切替用モータ
32 玉軸受け
33 原動側ギア
35 ヒータ
36 サーミスタ
37 バーコードリーダ
38 エンコーダ
40 光源部
41 光源
42 レンズ
43 光学フィルタ
44 空冷ファン
45 反射ミラー
50 受光部
51 受光器
52 光ファイバ
60 マイクロチップ
61 チップ本体
62A,62B 透明基板
63 測定セル
65 バーコード
C 回転軸中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査液を保持する測定セルを具備してなるマイクロチップを保持するチップ保持部を有する、回転駆動される遠心ロータと、遠心ロータに保持されたマイクロチップの測定セルに光を照射する光源部と、測定セルを透過した光を受光する受光部とを備えてなり、
前記マイクロチップとして、遠心ロータが回転されることにより作用される遠心力が利用されて、当該マイクロチップそれ自体において、検体を遠心分離する分離処理、当該分離処理により得られる測定対象液を秤量し、当該測定対象液と試薬とを混合、反応させる混合反応処理および当該混合反応処理により得られる検査液を測定セルに液送する処理を含む前処理動作が行われるものが用いられ、
光源部からの光を前記チップ保持部に保持されたマイクロチップの測定セルに対して照射し、測定セルを透過した光を受光部によって受光することにより、測定セル内の検査液による光吸収量を測定して検査液を分析する測光動作が、遠心ロータの回転が停止された状態で行われることを特徴とする生化学分析装置。
【請求項2】
前記光源部からの光を、遠心ロータの回転軸方向における一面側から前記チップ保持部に保持されたマイクロチップの測定セルに対して垂直方向に照射し、測定セルを透過して遠心ロータの他面側から出射した光を受光部によって受光することを特徴とする請求項1に記載の生化学分析装置。
【請求項3】
遠心ロータを回転駆動させるための駆動源にエンコーダが連結されており、
遠心ロータの回転軸中心から遠心ロータに保持されたマイクロチップの測定セルの中心までの距離をr〔mm〕、光源部からの光のビーム径を最終的に測定セル内に導入される光のビーム径に光量を制限する光導入用開口部の開口径をD〔mm〕とするとき、当該エンコーダの1回転当たりの総パルス数Pが、
(式) 1/10>〔r・tan(360°/P)〕/D
の関係を満足するよう設定されており、
測光動作が行われるに際しては、当該エンコーダのからの信号に基づいて遠心ロータの回転が停止されることを特徴とする請求項2に記載の生化学分析装置。
【請求項4】
マイクロチップは、複数の測定セルを備えてなり、検体を遠心分離して得られる測定対象液と混合される試薬として複数種のものが用いられ、互いに異なる複数種の検出対象成分の分析が実施可能に構成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生化学分析装置。
【請求項5】
遠心ロータのチップ保持部が遠心ロータの外周縁部に形成されており、マイクロチップは、チップ保持部に保持された状態において、複数の測定セルが前記遠心ロータの回転軸中心を中心とする同一円周上に位置されるよう各々離間して形成されたものが用いられ、 当該遠心ロータの停止位置が順次に変更されることによりマイクロチップにおける各測定セル内の検査液が分析されることを特徴とする請求項4に記載の生化学分析装置。
【請求項6】
受光部は、複数種の波長の光を同時に測定可能に構成されたものであり、
検査液中に含まれる検出対象成分の分析を行うための測定用光以外の波長の参照用光が、測定用光と同時に測光されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の生化学分析装置。
【請求項7】
測定用光としては、波長340、405、450、480、505、546、570、600、660、700、750および800nm(±10nm)の12種の波長のうちのいずれかひとつの波長の光が選択され、参照用光としては、測定用光として選択された波長以外の波長の光が選択されることを特徴とする請求項6に記載の生化学分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−322208(P2007−322208A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151397(P2006−151397)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】