説明

生地ベースの食品をベーキングするための装置、そのような製品をベーキングするためのネットおよび方法

本発明は、台車(3)、およびベーキングチャンバ(21)と、複数の積層されたベーキング底板(220)と、該底板を加熱するための手段とを含むオーブン(2)を含む、装置に関する。装置は、耐熱性の可撓性材料により作製される複数のネット(4)を含み、かつ前記食品を収容するための少なくとも1つのセル(420)を含むことを特徴とし、台車(3)が、該ネット(4)をオーブン(2)に挿入するように、それを引き出すように、かつそれを底板(220)の向かい側に位置決めするように配置されることを特徴とし、かつ、底板(220)および/またはネット(4)を互いに対して垂直に動かすことで該底板(220)および該ネット(4)を能動位置および受動位置に配置するための手段を含み、能動位置において、ネット(4)のセル(420)の底部が、向かい側に位置するベーキング底板(220)と接触し、該底板(220)との接触時に変形することで、熱伝導により該製品をベーキングすることが可能であり、受動位置において、該セルの底部が、向かい側に位置する底板(220)から隔離されることを特徴とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食料、すなわち生地片などの生地ベースの食料のベーキング用の装置に関する。
【0002】
その具体的用途は、特定数の製品が生地から製造される、製パン、パティスリー製造、ビスケット製造、またはケータリング向けである。
【0003】
単純化の目的で、本発明を、製パン分野においてパンの塊およびバゲットの製造用に使用される生地片などの生地片のベーキングに関してのみ説明するものとする。
【0004】
本発明はまた、そのような調理用装置用のベーキングネット、および生地片のベーキング用の方法に関する。
【背景技術】
【0005】
製パン分野において、「底板」オーブンおよび「対流」オーブンという主な2種類のオーブンが存在し、後者は2つの変形を有し、一方は「固定式」台車を有し、一方は「回転式」台車を有する。
【0006】
底板を有するオーブンは、1つまたは複数のベーキングチャンバを含み、ベーキングチャンバは、分離可能または分離不可能であってよく、その内側には1つまたは複数の底板が存在しており、これらは重ね合わせられて、いくつかの調理レベルを伴う柱状体を形成し、いくつかの柱状体は並んで設置されていることさえある。
【0007】
各底板は、耐熱性材料により作製される炉床からなる。
【0008】
オーブンは、電気抵抗またはバーナなどのオーブン内の空気を加熱するいくつかの手段、およびチャンバ内の空気を循環させることで底板の温度を上昇させるいくつかの手段を有する。時々、加熱流体(空気、水、油など)が底板内を直接通過する。
【0009】
この種類のオーブンにおいて、生地片は熱い底板の表面上に設置され、パンは熱伝達によって、すなわち底板により貯蔵される熱のパンへの直接伝達によってベーキングされる。
【0010】
このベーキング方法の質は最適であり、消費者がその裏面を熟練職人のベーキングにより得られるものと同定することができるパンの塊を生産する。
【0011】
したがって、この種類の製品は非常に高く評価され、相対的に高価格で販売可能である。
【0012】
しかし、この種類のオーブンにおいて、生地片は底板上に、ショベルを使用して個々に設置されるか、またはパン職人が所与のオーブン底板上に1焼き分の生地片を挿入するために使用するオーブンローダを使用してまとめて設置される。次にパン職人はこの操作を各ベーキングレベルで(各底板上で)繰り返さなければならない。
【0013】
またパン職人は、各生地片をオーブンローダ上に設置するために、この生地片がその上で発酵するいわゆる「発酵」台車から最初にそれを取り出すように取り扱わなければならない。
【0014】
したがって、この種類のオーブンは多大な取り扱い、多大な労力を必要とし、そのため低い生産性レベルを示す。しかし、底板オーブン内でベーキングされるパンに対する消費者の要求は絶えず増大している。
【0015】
対流オーブンはキャビネットの形態で一般に存在し、キャビネット内には調理チャンバ、加熱手段、および、該チャンバ内で熱風を循環させる空気推進手段が存在する。
【0016】
このオーブンは、該調理チャンバ内に挿入可能な台車と共に働く。
【0017】
この台車は「ネット」と呼ばれるいくつかの大皿を運搬し、ネットは、それに沿ってそれらが摺動しうる横方向のガイドレール上に重ね合わせられかつ設置される。各ネットは一連の剛性の平行なセルを有しており、それらの各内側にパン職人は生地片を設置することができる。ネットは生地片で満たされると、台車上に設置され、台車は満杯になると、単一の操作で対流オーブンのベーキングチャンバに挿入される。
【0018】
そのようなオーブン内では、パンは対流によって、すなわちベーキングチャンバ内で循環する空気からパンへの熱の伝達によってベーキングされる。既に明示したように、台車は固定式または回転式でありうる。
【0019】
この種類のオーブンは、多数の生地片の速やかで同時の取り扱いを可能にする。台車は、ほとんど技術訓練のない者によってオーブンに挿入可能であり、労力は最小まで減少し、生産性レベルは高くなる。したがってこの技術は時間およびエネルギーを節約する。
【0020】
しかし、生地片がその上に設置されるネットは、パンの裏側に痕跡を残すものであり、そのときこれは格子の外観を有する。そのとき消費者は、得られたパンを、工業的製造により得られる製品と関連づける。
【0021】
したがって、この種類のオーブンにおいて得られるパンに対する消費者の要求はより少なくなり、パンは、パンが平均的品質のものでありうる場所、例えばハイパーマーケットおよびスーパーマーケットでしか販売することができない。
【0022】
当然、パン職人は、対流オーブンの使用により得られる生産性レベルを保持しながら、熟練職人のベーキング方法により得られる製品として消費者に同定されるパンを販売することができることを望んでいる。
【0023】
この目的を達成しようとして、いくつかの技術的解決策が検討されている。
【0024】
したがって、古典的な底板オーブンの使用と、いくつかの重ね合わせられた積載ベルトを含む台車とを組み合わせた、いわゆる「複数積載」システムが存在する。この台車は、パン職人が各ベーキング床の底板上に1焼き分の生地片を連続して積載することを可能にする。
【0025】
しかし、そのような複数積載台車は非常に重く、したがって取り扱いが困難である。また、それをオーブン底板に厳密に位置合わせしなければならない。最後に、それは技術的理由で、かつその重量を制限するために、8〜10個の積載ベルトしか一般に含まない。したがって、これによりオーブン底板の数も8または10に限定される。
【0026】
ベーキング前に使用する発酵台車は16〜20のレベルを有する。したがって、発酵台車レベルの数と複数積載ベルトの数および/またはオーブン底板の数との間の不一致が存在する。これによりパン職人は、底板の数に対応するが発酵台車の能力を十分には利用しない特定の発酵台車を使用することを強いられる。
【0027】
したがって発酵台車およびチャンバの数を増大させなければならず、これにより空間利用およびコストも増大する。
【0028】
また、これはベーキング前の厄介な手順を作り出し、かつ、パン職人がそこから生地片を取り出して複数積載台車上に設置する、いくつかの発酵台車および生地片の搬送用の台車を必要とする。この機器全体の全体的な負荷は著しいものとなる。
【0029】
底板オーブンの使用と生地片用のいくつかのネットを含む台車とを組み合わせた装置も存在する。ネットが底板の近くに位置するように、台車はオーブン内に挿入される。
【0030】
そのような解決策は、生産性に関する対流オーブンの利点を示すが、ベーキングプロセスは放射熱を使用して行われ、パンの裏側は工業的ベーキングに関連するその「グリル状の」外観を維持しており、これは消費者に対して否定的なイメージを示す。
【0031】
最後に、文献DE 199 03 048(特許文献1)、すなわち、いくつかの加熱底板を備えた1つのベーキングチャンバと、いくつかの剛性パティスリー板を運搬するベーキング台車とを含む、オーブンも存在する。このオーブンは、前記台車を上昇または下降させることでパティスリー板を加熱底板と接触させるかまたはそこから離れた方に動かす上昇装置も有する。
【0032】
したがって、ベーキングの間にベーキング台車の位置を修正することができる。この文献に記載の好ましい適用変形によれば、パティスリー板は最初に高熱伝達用底板と接触した後、ベーキングプロセスの残りではそこから離れた方に動く。
【0033】
そのようなオーブンは多くの欠点を示す。平らで剛性のパティスリー板は重いことがあり、また、ステンレス鋼から作製される場合は高い熱慣性を示すことがある。それらはアルミニウム板から作製される場合は比較的軽いことがあるが、これは低質の熱伝達を生じさせる。
【0034】
したがって、得られた製品の調理は制御が困難である。
【0035】
さらに、生地片をベーキング前に熟成させなければならない場合、そのようなパティスリー板は、平らな表面上に生地片を格納する、すなわち、それらの丸い形状を保持しないことから、使用することができない。
【0036】
最後に、ベーキングすべき製品とパティスリー板との間の湿気が十分に排出されない。著しいレベルの湿気が例えばベーキング前の熟成の間に蓄積される場合、排出されない蒸気はベーキングされた製品の底部に痕跡を残し(小さな泡)、すなわち、ベーキングされた製品は消費者に好まれない外観を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】DE 199 03 048
【発明の概要】
【0038】
したがって、本発明の目的は、現状技術のこれらの欠点を改善すること、すなわち、底板ベーキング製品の視覚的および味覚的品質と、先に記載の対流オーブンを使用するベーキングプロセスの容易な取り扱い、生産性および採算性とを組み合わせることを可能にする、調理用装置を提供することにある。
【0039】
この目的を実現するために、本発明は、生地ベースの食品、すなわち生地片のベーキング用装置に関し、本装置は、
オーブンおよび台車を含み、
オーブンが1つのベーキングチャンバと、良好な熱伝導性を有する材料から作製され、積層され、かつ間隔が空けられたいくつかのベーキング底板をそれ自体含む1つの調理モジュールと、該底板を加熱する手段とを含み、そのような調理モジュールは該ベーキングチャンバの内側に位置している。
【0040】
本発明によれば、この調理用装置は、
枠上に固定された細長い可撓性材料をそれぞれ含むいくつかのネットを含み、そのような可撓性材料が変形可能であり、耐熱性であり、かつ調理すべき該食品用の少なくとも1つのセルを含み、
該台車は、互いに間隔が空けられて重ね合わせで設置される該ネットを運搬し、かつ該ネットをオーブンに挿入しかつそこから引き出すことを可能にするように配置され、かつ調理底板の上および上方に各ネットを位置決めする手段を含み、
さらに、それは、該調理モジュールの底板および/またはネットを互いに対して垂直に動かす手段も含み、これらの垂直移動機構が、該底板および該ネットをいわゆる「能動」位置およびいわゆる「受動」位置に運ぶものであり、能動位置に運ぶことにより、ネットのセルの底部が、その上方に該底部が位置するベーキング底板に触れ、このベーキング底板との接触時に変形し、したがって該食品が熱伝導によってベーキングされ、受動位置に運ぶことにより、該セルの底部が、その上方に該セルが設置される底板から離れて設置され、したがって該ネットが該オーブンに挿入されうるかまたはそこから引き出されうる。
【0041】
単独または組み合わせでの本発明の他の有益かつ非制限的な特徴によれば、
底板および/またはネット用の前記垂直移動機構はオーブンに収納され、
前記垂直変位機構は、調理モジュールの変位用機構であって、それを上昇させて能動位置に運び、かつそれを下降させて受動位置に運ぶ機構であり、
ネット用の前記垂直移動機構は、台車上に位置し、かつ、台車構造に対して直線方向に動きうる該ネット用支持シャーシからなり、
調理用装置は、ネットおよび調理モジュールの同時回転用機構を含み、
ネットおよび調理モジュールの同時回転用機構も、該調理モジュールの底板および/またはネットの互いに対する垂直移動機構を構成し、
底板を加熱する前記手段は、空気推進タービン、およびバーナまたは電気抵抗などの熱源を含み、
調理用装置は、前記底板および/もしくは前記ネットの互いに対する垂直変位機構、ならびに/またはオーブンのドアの位置に従うネットおよび調理モジュールの同時回転用機構のための、制御装置を含み、したがって、ネットおよび底板が、オーブンのドアが閉じている場合は能動位置に設置され、オーブンのドアが開いている場合は受動位置に設置され、
前記台車は、スライドの対を有するシャーシを含み、各ネットの枠は、該レールに沿って摺動可能でありかつそれらに支持されるようにサイズ決めおよび配置され、
前記ネットがそれにより作製されるウェブまたは格子などの可撓性材料は水および/または蒸気透過性であり、
前記ネットはガラス繊維織物により作製され、
前記ネットは非粘着材料でコーティングされる。
【0042】
本発明はまた、上記で言及した調理用装置用の、生地ベースの食品、すなわち生地片を調理するためのネットに関する。このネットは、支持枠と、この枠に取り付けられ、かつ該食品用の少なくとも1つのセルを規定するように形状化されるウェブまたはトレリスなどの細長い可撓性材料とを含み、この可撓性材料はガラス繊維織物から作製され、かつ非粘着材料で任意でコーティングされる。
【0043】
最後に、本発明はまた、生地片を調理するための方法に関する。それは以下の工程を含む:
枠上に固定されたウェブまたは格子などの可撓性材料であって、耐熱性であるこの可撓性材料から作製されるネットのセル内に該生地片を設置する工程、
少なくとも1つのベーキング底板と該底板を加熱する手段とを備えたオーブンにこのネットを挿入する工程、
該底板および/またはネットを互いに対して垂直に動かすことで該底板および該ネットをいわゆる「能動」位置に運ぶ工程であって、それによりネットのセルの底部が、その上方に該底部が位置するベーキング底板に触れ、この調理底板との接触時に変形し、したがって該食品が熱伝導によって調理される工程、
該底板および/またはネットを互いに対して垂直に動かすことでそれらをいわゆる「受動」位置に運ぶ工程であって、それにより該セルの底部が、その上方に該セルが設置される底板から取り外され、したがって該ネットが該オーブンから引き抜かれうる工程。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明によって、いくつかの可能な適用方法の全部ではないが一部を示す添付図面を参照して示されるであろう。
【0045】
【図1】オーブンと台車とを組み合わせた本発明の調理用装置の適用方法の斜視図である。
【図2】本発明のネットの斜視図である。
【図3】図3Aおよび3Bは、前記調理用装置の第1の適用方法の操作原理を示す図である。
【図4】図4Aおよび4Bは、本発明の第2の適用方法の同様の図である。
【図5】図5Aおよび5Bは、本発明の第3の適用方法の同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1からわかるように、本発明の調理用装置1はオーブン2および台車3を含む。
【0047】
オーブン2はキャビネット型オーブンであり、該キャビネット内のベーキングチャンバ21への接近を可能にするドア20を有する。
【0048】
ベーキングチャンバ21は、キャビネット内の垂直壁211、天井212および底部213を境界とする(図3A〜図5Bも参照)。
【0049】
調理モジュール22はベーキングチャンバ21内に位置している。
【0050】
調理モジュール22は、特定の間隔E1で互いに間隔が空けられている、いくつかの重ね合わせられた底板220を含む。各底板は、良好な熱伝導性を有する材料、例えば耐火材、アルミニウム、セラミック、鋳鉄または他の材料から作製される炉床からなる。
【0051】
これらの底板220の数は変動しうる。図面を単純化するために、表示される底板の数を図1では8とし、図3A〜図5Bでは7とする。しかし、これらの底板の数は、ベーキングすべき製品のサイズに応じて16〜20であると一般に理解される。
【0052】
以下でさらに詳細に説明するように調理モジュール22は固定式または可動式でありうる。
【0053】
調理モジュール22が固定式である場合、底板220をベーキングチャンバの垂直壁211上に横方向に直接固定することができる。オーブンの壁にそれ自体取り付けられた金属シャーシ221上に固定することもできる(例えば図4Aおよび図4Bを参照)。
【0054】
底板220は、オーブンの壁またはシャーシ221に恒久的に固定されてもよく、そうでなければ脱着可能であってもよい。後者の場合、オーブンの壁またはシャーシにそれ自体取り付けられた山形鋼の上に静置されうる。
【0055】
底板220は台車上に据付または固定されていてもよく、後者はベーキングチャンバ21に収納されており、例えばオーブンの洗浄時にそこから引き抜くことができる。
【0056】
好ましくは、かつ以下に説明する理由で、底板220はオーブンの後垂直壁上にのみ、直接またはシャーシによって固定される。
【0057】
オーブン2は、底板220を加熱する手段23も含む。
【0058】
加熱手段23は、各底板220を加熱するためにその厚さ方向に巻かれる電気抵抗または発熱体からなりうる。この場合、底板220は固定されている。
【0059】
しかし、好ましくは、これらの加熱機構23は、タービンと結合したバーナまたは電気抵抗からなり、タービンは、そのようなバーナまたはこの抵抗で既に加熱された熱風または他の流体をベーキングチャンバ21内に入れる。
【0060】
これらの機構23は図3A〜図5Bに示され、これらの図にしか見ることができない。
【0061】
熱風との接触時に、底板220の材料は熱を貯蔵する。
【0062】
底板を加熱するこの原理は「対流」加熱として知られている。
【0063】
調理モジュール22は回転固定または回転駆動することができ(図5Bの矢印Fを参照)、熱風はタービンによって吹き込まれ、ベーキングチャンバ21内を循環する。
【0064】
調理モジュール22がベーキングチャンバ21内に恒久的にとどまることで、底板220は、食品を調理するために必要な温度に達した時点で熱いままとどまる。しかし、メンテナンス操作のために、または、対流モードが必要である場合にオーブンを標準バージョンに戻すために、それが脱着可能でありうるということに留意しなければならない。
【0065】
図1は、台車3の実行様式を示す。これは、例えば参照指示されるシャーシ30を含み、シャーシは、台車を動かすことを可能にする4つの車輪31上に組み立てられうる。
【0066】
シャーシ30は正方形または長方形のベース301からなり、ベースの角には4つの垂直支柱302が固定または溶接されており、支柱は、構造を剛性にするためにクロスバー303によってそれらの上端で対となってそれ自体一緒に接合されている。
【0067】
クロスバーおよび支柱は例えば金属管により作製される。
【0068】
ベース301は、図1に示すように中実でありうるか、または、枠を形成するようにそれらの端部で組み立てまたは溶接された4つの管の組立体により作製されうる。
【0069】
金属でL字形の山形鋼により作製されうるスライダ32は、それらの端部で垂直支柱302に固定される。そのようなスライダ32は対となって配置され(各対の一方は支柱302に取り付けられる)、これにより、以下に記載されるネット4の2つの横方向端部が収容され、後者が水平にまたは著しく水平に維持される。
【0070】
したがって、所与の対に属する2つのスライダ32の間で摺動させることによって、ネット4を台車3上に積載することができる。
【0071】
不必要に図面に過記載することのないように、台車3は8つの積層されたネット4しか保持できないものとして示されている。しかし、そのような台車は通常、同一数のネット4を保持するために16〜20対のレール32を含む。
【0072】
ネット4の数および底板220の数は同一であることが有利である。
【0073】
図面に示さない別の適用変形によれば、台車3は2つの部分でできていることがあり、一方の部分はネット4を保持し、別の部分は車輪31、または台車を動かす他の手段を有し、これら2つの部分は互いに隔離可能である。
【0074】
図面に示さない別の適用変形によれば、台車3はグリッパアームを含み、グリッパアームはすべてのネット4をオーブン2内で取り扱いかつ設置するかまたはそこから引き出すことを可能にする。次に台車3は、調理プロセスそれ自体の間はオーブンから取り外される。
【0075】
これらの異なるオーブンの使用を以下で説明する。
【0076】
ネット4の1つを図2を参照してさらに詳細に説明する。
【0077】
「ネット」4という用語は、ウェブまたはトレリスなどの細長い可撓性材料42用の支持枠を形成する枠41を含む大皿を意味する。枠41は、オーブンが到達する温度に耐性のある金属または任意の他の材料により作製されることが好ましい。
【0078】
枠41は、好ましくは互いに溶融されたステンレス鋼などのいくつかの中実な金属線材により作製されうる。
【0079】
枠41は、いくつかの直線状の線材410からなり、図2では7つであり、これらは互いに平行に水平設置される。また、中央にある5つの線材410は両端411に対して垂直に曲がっている。さらなる線材412が内向きに数回曲がることで正方形または長方形の枠を形成し、その上に線材410の端部が溶接される。
【0080】
線材412の両方の直線状の横方向部分がガイド413となる。それらは、ネット4が台車3上に係合される際に、スライダ32上に設置される。
【0081】
細長い可撓性材料42が枠41上に設置および固定されることで、ここではシュートの形態である一連の平行なセル420が形成される。
【0082】
各シュート420は2つの隣接する線材410の間に延伸する。図2では、7つの線材410の間に形成される6つのシュートを見ることができる。
【0083】
細長い可撓性材料42の長さ、したがってシュート420の長さは、例えば1つの生地片p、またはつなぎ合わせて設置された2つの生地片、さらにはそれ以上を保持できるように適応される。
【0084】
セル420の数は、製品の寸法、およびオーブンに必要な調理能力に依存する。ネット4当たり少なくとも1つのセルが存在する。
【0085】
細長い可撓性材料42は、セル420内に設置される際に裏返されて生地片pの形状を取るほど(図2の中心部分を参照)、または変形して以下に記載のように底板220と接触するほど(図2の右手側を参照)、可撓性でなければならない。
【0086】
セル420の底部を421と呼ぶ。
【0087】
また可撓性材料42は、オーブン内の熱レベルに耐性がなければならない。それは水および/または蒸気透過性であるという利点を有する。
【0088】
第1の適用変形によれば、可撓性材料42は、調理すべき製品に必要な美的外観に従ってステンレス鋼または別の材料などの耐熱性材料の線材により作製されるウェブである。これらの線材はウェブまたはトレリスに織られる。各線材の直径は好ましくは20μm〜100μmである。生地がまだ調理されていないときに網張りを通じて転落することを防止するには、ネットの開口面積と中実面積との間の比(開口面積の割合)は、好ましくは60%未満であるべきであり、より好ましくは20%〜60%を構成すべきである。ネットの網張りの間の通路の存在によって、この材料は水および/または蒸気透過性になる。
【0089】
好ましくは、トレリスに使用される線材は、裸であり、すなわち、ネットにおいて使用される先行技術により公知のものなどのシリコーンまたはフルオロポリマー型非粘着コーティングを有さない。これは、得られたベーキング製品の消費者にとって、より健康的である。しかし、そのような非粘着コーティングでコーティングされることもある。
【0090】
別の適用変形によれば、可撓性材料42は、ガラス繊維織物により形成される織物(「ガラス繊維織物」と呼ぶ)である。好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはシリコーンなどの非粘着材料でコーティングされている。好ましくは、その厚さは0.3mm未満、より好ましくは0.15mm未満、最も好ましくは約0.1mmであるべきである。そのような織物は例えばTACONIC Corporate社によって販売されている。
【0091】
繊維または線材間の開口は水および蒸気透過性を保証する。しかし、これらの開口は、生地片からの生地(高度に水和していても)がまだ調理されていない場合にそれらを通過しないほど小さい。
【0092】
台車3のスライダ32は、2つの隣接して積層されるネット4が空間E2によって互いに離れて設定されるように位置決めされる。
【0093】
図1では、3つのネット4しか示されていない。
【0094】
台車3、ネット4およびそれらの間隔E2の寸法、ならびに、底板220およびそれらの間隔E1の寸法ならびに底板220およびネット4の幅は、ベーキングチャンバ21内への台車3の挿入を可能にするように適応され、各底板220はネット4の下に設置される。
【0095】
この特定の配置は図3A〜図5Bにより良く示される。
【0096】
底板220がオーブンの横方向の壁211に固定されたオーブンのバージョンでは、積層された底板220間の台車3のこの嵌合を得るために、台車がその前方部分に垂直支柱302を有さないということに留意しなければならない。スライダ32はカンチレバー操作される。
【0097】
底板220がオーブンの後壁上または後側シャーシ上に固定されたオーブンのバージョンでは、台車30は4つの垂直支柱302を有しうる。この場合、底板220または調理モジュール22全体は台車3のそれよりも小さい幅を有し、これにより台車をオーブンに挿入することが可能になる。
【0098】
本発明によれば、オーブン2は、ネット4に対する底板220の垂直変位機構も含む。
【0099】
これらの機構の異なる適用方法を、図3A〜図5Bの図との関連でここで説明する。
【0100】
これらの垂直変位機構は、調理モジュール22の底板220およびネット4をいわゆる「能動」位置またはいわゆる「受動」位置のいずれかに運ぶものであり、能動位置に運ぶことにより、ネット4のセルの底部421がベーキング底板220に触れ、受動位置に運ぶことにより、セル420の底部421が、その上方に該セルが設置される底板220から離れて設置される。
【0101】
「垂直変位機構」とは、底板またはネットを、台車をオーブン内に積載する時点でのそれらの当初の位置よりも高いまたは低い位置に運ぶ任意の機構を意味する。
【0102】
図2では、セル420が占める4つの異なる状況が図として示される。
【0103】
図2の左手側において、ネット4が作業面などの平らな表面s上に設置されている2つの空のセル420の状況が示されている。可撓性材料42は枠41上に固定され、したがってセルの底面421は表面sに触れないかまたはそれとほとんど同一平面ではない。
【0104】
図2の左中央部分において、ネット4が平らな表面s上にありながら生地片pがセルに設置されている状況が示される。可撓性材料42は生地片pの形状を取るが、支持体sに触れないかまたはそれと同一平面ではない。図2の右中央部分において、ネット4が台車3上にありながら生地片pがセルに設置されている状況が示される。これら2つの状況は、生地片pが発酵している時点に対応しうる。材料42のこの変形可能性のおかげで、生地片は、横方向に維持され、この相の間にそのわずかに円形の区画を維持することができる。
【0105】
最後に、図2の右側部分において、2つの生地片pがセル420に設置されかつネット4および底板220が上述の能動位置にある状況が示される。この場合、ネットの可撓性材料42は変形し(すなわちセル420の底部421)、底板220との接触時に平らになり、セル420内に設置される生地片pを熱伝導によって調理することを可能にする。
【0106】
可撓性材料42の変形は可逆的であり、ネットが底板から取り外される時点でセル420はその当初の形状を取り戻す(図2の左側部分を参照)。
【0107】
垂直移動機構の第1の適用方法を、図3Aおよび図3Bとの関連でここで説明する。この場合、これらの機構5は、調理モジュール22を台車3および底板220に対して垂直に動かす。
【0108】
調理モジュール22の底板220の後縁は、組み立てられた金属管により作製されうる可動式シャーシ222上に固定される。
【0109】
可動式シャーシ222の上側部分は垂直軸223に延伸しており、垂直軸の上端は機械的および/またはモータ機構5に接続される。後者は、軸223ならびに同時にシャーシ222およびすべての底板220を垂直に動かす。
【0110】
別の可能な変形によれば、シャーシ222は、オーブンの壁に取り付けられたガイドレールに沿って、機械的および/またはモータ機構5によって摺動する。
【0111】
これらの機構5は、電気モータ、および/あるいは手動レバーまたはロッドもしくはカムなどの純粋に機械的な要素でありうる。
【0112】
有利なことに、操作者によるドア20の開放または閉鎖の時点で垂直移動機構5を制御する制御機構を設けることができる。
【0113】
この機構はセンサ6により構成されうるものであり、センサは、ドア20の位置を検出し、かつ、前記モータ/機械的機構5に接続されてそれらを起動または起動停止する。
【0114】
調理機構は以下のように機能する。
【0115】
生地片がネット4のセル420に設置され、かつこれらのネットが台車3上に積載された時点で、パン職人はドア20を開けることができ、そしてオーブン2の底部213上でこの台車を摺動させることにより台車3をベーキングチャンバ21に挿入することができる。
【0116】
底板220は予め加熱されている。
【0117】
パン職人はドア20を閉じ、モータ/機械的機構5は起動して、図3Bの矢印Aに示すように調理モジュール22を上向きに動かす。したがって、それは能動位置にある。
【0118】
熱伝導によるベーキングが完了するとき、パン職人はドア20を開け、モータ機構5は反対方向に起動してモジュール22を下降させる(図3Aの矢印Bを参照)。
【0119】
この受動位置において、底板220はセルの底部421から離れ、パン職人はオーブン2から台車3を取り外すことができる。
【0120】
2つの他の適用方法を一方で図4Aおよび図4Bとの関連で、他方で図5Aおよび図5Bとの関連でここで説明する。
【0121】
同一の要素は同一の参照数字を有する。
【0122】
図4Aおよび図4Bの適用方法において、調理モジュール22が、オーブンの壁に取り付けられた固定式シャーシ221に装着されてから固定され、台車3および底板220が動かされ、より具体的には下降する。
【0123】
この場合、オーブンの底部213はその中心部分に足場70を有し、足場は円形でありうるものであり、ジャッキまたはレバーなどの機械的またはモータ機構7に接続されうる。これらの機構7は、セル420の底部421が底板220と接触するまで、足場70を図4Bの矢印Cの方向に下降させ、あるいは逆に、セル420の底部が底板220から取り外されて台車3が取り外し可能になるまで、足場70を上昇させる(図4Aの矢印D)。
【0124】
ここでまた、ドア20の開放または閉鎖を検出するセンサ6が機械的またはモータ機構7に接続されることで、ドア20の位置に従って足場70の移動を制御することができる。
【0125】
1つの変形によれば、ネット(4)を下降させる機構は台車3に統合されうる。そのような場合、ネット4は、車輪、または台車を動かす他の手段を保有する台車3の構造に対して垂直に摺動可能な可動式支持シャーシに装着される。
【0126】
この変位は、機械的手段、例えば、台車3の構造を構成する固定式シャーシ上の異なる高さに位置するオリフィスに進入可能である、可動式シャーシに取り付けられた1つまたは複数の切欠を使用して行われうる。ロッドのシステムも可能である。
【0127】
したがって、ネット4は、底板220と接触して熱伝導によって調理するように変形し、逆に、台車のオーブンへの挿入またはそこからの取り外しのために底板から上昇しかつ取り外されうる。
【0128】
また、図5Aおよび図5Bの適用方法は、台車3および調理モジュール22が軸223と同軸の垂直軸X-X'の周りを一緒に回転することを可能にする(図5Bの矢印Fを参照)。
【0129】
そのような場合、モータ機構5'は軸223を垂直に摺動させるだけでなく回転もさせる。
【0130】
また、足場70の下に軸受72が設けられており、したがって、モジュール22が回転する際に軸受72によって台車3も回転しかつ足場70が旋回する。
【0131】
足場70の周縁は、モータの出力軸上のはめば歯車と噛み合う一連のはめ歯を例えば有しうる。
【0132】
足場70は、直接回転する垂直中心軸も含みうる。
【0133】
図面に示さない上記適用方法の変形によれば、足場70を省くことができ、そのときオーブンの底部213は図3Aおよび図3Bに示すように平らになり、これにより洗浄が簡単になる。
【0134】
調理モジュール22は、台車3のグリッパを含むようにわずかに修正されている。台車3がオーブン2に挿入され、かつネット4が底板220より上方にある時点で、調理モジュール22は図5Bの矢印Aの方向に上向きに動く。特定の垂直経路を進行した後、底板220はネット4に接触し、ネットは上記で説明したように変形し、そのとき、調理モジュール22および台車3に対するこの位置において、モジュール22のグリッパは台車3に接触する。
【0135】
調理モジュール22の垂直上向き変位は続き、これらのグリッパの作動の結果、台車3も上昇してもはやオーブンの底部213上にとどまらない。
【0136】
次にモジュール22全体/台車3を、上記で説明したように垂直X-X'軸の周りで回転させることができる。
【0137】
グリッパによって、底板220およびネット4の相対位置が固定され、モジュール22が上昇する際にそれらが過度に変形するかまたは平らになることが防止される。
【0138】
調理プロセスの終わりに、モジュール22は、図4Aおよび図5Bとの組み合わせで上記で説明したように下降する(矢印B)。
【0139】
タービン23によって吹き込まれる熱風がベーキングチャンバを通過し(矢印ii)、これにより底板22が加熱されて熱伝導によって製品が調理され、換気/対流によって調理プロセスが終了する。
【0140】
さらには、このことは図面には示されていないが、図3A〜図5Bの異なる適用方法を組み合わせることで、台車3および調理モジュール22を垂直に同時に動かし、かつ/またはそれらを回転させることも可能である。
【0141】
図3A〜図5Bのオーブンの異なる適用方法と2つの部分の台車、または先に記載のグリッパアームを有する台車とを組み合わせることも可能である。
【0142】
第1の場合、台車はオーブンに挿入され、車輪を有する部分は引き抜かれ、一方、底板を有する部分はオーブン内にとどまり、そこで底板およびネットに関係する異なる変位機構が起動されることで熱伝導による調理が行われる。調理後、車輪を備える台車の部分は再度オーブンに挿入され、ネット4を有する部分に取り付けられ、台車全体がオーブンから引き抜かれる。
【0143】
第2の場合では、同様にして、ベーキングの間にネット4のみがオーブンにとどまる。それらは、オーブンに設けられるガイドレール上に設置されうるものであり、ソール220がネット4の方へ動くことで熱伝導によるベーキングが行われる。ベーキングの間、台車3の残りはオーブン外にある。逆に、ベーキングプロセスの終わりに、それはオーブンに再挿入され、したがってグリッパはネット4の引き抜きを可能にしうる。
【0144】
本発明の調理用装置はいくつかの利点を含む。
【0145】
それは、対流オーブンの使用の採算性および容易さを保持しながら、底板220とネット4のセルの底部との直接接触による、熱伝導によるベーキング(「底板」ベーキングと呼ぶ)を可能にする。
【0146】
また、台車3およびネット4を生地の発酵の過程にも使用することができる。生地片はセル420の縁部によって横方向に保持され、可撓性材料42は生地片の形状を取る。次に台車3がオーブンに直接挿入される。パン職人は、先行技術により公知の装置と同様に、生地片を発酵台車から第2の台車へ搬送して、それらをオーブンに搬送するかまたは入れることがもはや必要でなくなる。
【0147】
オーブンに設置される時点で、材料42は底板220との接触時に変形し(平らになり)、生地片と底板との間のより大きな接触面、したがってベーキング面を与え、これにより先行技術の方法と同様に、熱伝導によるベーキングが確実になり、パンの底面が直接底板ベーキングの美的外観を有することが確実になる。
【0148】
最後に、この装置はクッキーまたはパイシェルなどのパティスリーをベーキングするために使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地ベースの食品、すなわち生地片の調理用装置(1)であって、
オーブン(2)および台車(3)を含み、
オーブン(2)が1つのベーキングチャンバ(21)と、良好な熱伝導性を有する材料から作製され、積層され、かつ間隔が空けられたいくつかのベーキング底板(220)をそれ自体含む1つの調理モジュール(22)と、該底板を加熱する手段(23)とを含み、この調理モジュール(22)が該ベーキングチャンバ(21)内に位置しており、この調理用装置(1)が、
枠(41)上に固定された細長い可撓性材料(42)をそれぞれが含むいくつかのネット(4)を含み、この可撓性材料(42)が変形可能であり、耐熱性であり、かつベーキングすべき該食品用の少なくとも1つのセル(420)を含むことを特徴とし、
該台車(3)が、互いに間隔を空けて重ね合わせられた様式で設置される該ネットを運搬し、かつ該ネット(4)のオーブン(2)中への挿入およびそこからの取り外しを可能にするように配置され、かつベーキング底板(220)の上および上方に各ネット(4)を位置決めする手段を含むことを特徴とし、
該調理モジュール(22)の底板(220)および/またはネット(4)の互いに対する垂直変位機構(5、5'、7)も含み、これらの垂直変位機構が、該底板(220)および該ネット(4)をいわゆる「能動」位置およびいわゆる「受動」位置に運ぶものであり、能動位置に運ぶことにより、ネット(4)のセル(420)の底部(421)が、その上方に該底部が位置するベーキング底板(220)に触れ、このベーキング底板(220)との接触時に変形し、したがって該食品が熱伝導によってベーキングされ、受動位置に運ぶことにより、該セルの底部(421)が、その上方に該セルが設置される底板(220)から離れて設置され、したがって該ネット(4)を該オーブン(2)に挿入することができるまたはそこから取り外すことができることを特徴とする、前記調理用装置。
【請求項2】
底板(220)および/またはネット(4)の前記垂直変位機構(5、5'、7)がオーブン(2)内に収納されることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記垂直変位機構(5)が、それを上昇させて能動位置に運びかつそれを下降させて受動位置に運ぶことを可能にする調理モジュール(22)の変位用機構であることを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項4】
ネット(4)用の前記垂直変位機構が、台車(3)上に位置し、かつ、台車(3)の構造に対して直線方向に動きうる該ネット(4)用支持シャーシからなることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項5】
ネット(4)および調理モジュール(22)の同時回転用手段(5'、7、70)を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置。
【請求項6】
ネット(4)および調理モジュール(22)の同時回転用機構も、該調理モジュール(22)の底板(220)および/またはネット(4)の互いに対する垂直変位機構を構成することを特徴とする、請求項5記載の調理用装置。
【請求項7】
底板を加熱する前記手段(23)が、空気推進タービンと、バーナまたは電気抵抗などの熱源とを含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置。
【請求項8】
前記底板(220)および/もしくは前記ネット(4)の互いに対する垂直変位機構(5、7、70、5')、ならびに/またはオーブン(2)のドア(20)の位置に従うネット(4)および調理モジュール(22)の同時回転用機構のための制御装置(6)を含み、したがって、ネット(4)および底板(220)が、オーブン(2)のドアが閉じている場合は能動位置に設置され、オーブン(2)のドアが開いている場合は受動位置に設置されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置。
【請求項9】
前記台車(3)が、スライダ(32)の対を有するシャーシを含み、かつ各ネット(4)の枠(41)が、該スライダ(32)に沿って摺動しかつそれらに支持されることが可能になるようにサイズ決めおよび配置されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置。
【請求項10】
ウェブまたはトレリスなど、前記ネット(4)がそれにより作製される可撓性材料(42)が、水および/または蒸気透過性であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置。
【請求項11】
前記ネット(4)がガラス繊維織物により作製されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置。
【請求項12】
前記ネット(4)が非粘着材料でコーティングされることを特徴とする、前記請求項の一項記載の調理用装置。
【請求項13】
前記請求項のいずれか一項記載の調理用装置用の、生地ベースの食品、すなわち生地片をベーキングするためのネットであって、支持枠(41)と、この枠に取り付けられ、かつ該食品用の少なくとも1つのセル(420)を規定するように形成される、ウェブまたはトレリスなどの細長い可撓性材料(42)とを含み、この可撓性材料(42)がガラス繊維織物から作製され、かつ任意で非粘着材料でコーティングされることを特徴とする、前記ネット。
【請求項14】
食用生地片のベーキング用の方法であって、
枠(41)上に固定され耐熱性であるウェブまたはトレリスなどの可撓性材料(42)から作製されるネット(4)のセル内に該生地片を設置する工程、
少なくとも1つのベーキング底板(220)と該底板(220)を加熱する手段(23)とを備えたオーブン(2)にこのネット(4)を挿入する工程、
該底板(220)および/またはネット(4)を互いに対して垂直に変位させることで該底板(220)および該ネット(4)をいわゆる「能動」位置に運ぶ工程であって、それによりネット(4)のセル(420)の底部(421)が、その上方に該底部が位置するベーキング底板(220)と接触し、かつこのベーキング底板(220)との接触時に変形し、したがって該食品が熱伝導によってベーキングされる、工程、
該底板(220)および/またはネット(4)を互いに対して垂直に変位させることでそれらをいわゆる「受動」位置に運ぶ工程であって、それにより該セル(420)の底部(421)が、その上方に該セルが設置される底板(220)から離れ、したがって該ネット(4)をオーブン(2)から取り外すことができる、工程
からなる工程を含むことを特徴とする、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520969(P2013−520969A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555340(P2012−555340)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2011/050679
【国際公開番号】WO2011/107305
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512228680)レーベント インターナショナル アービー (1)
【Fターム(参考)】